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東洋合成工業(4970)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 化学製品の製造販売
    東洋合成工業は、主に感光性材料と化成品という2種類の化学製品を製造し、販売することで収益を上げています。感光性材料は半導体やディスプレイ製造に不可欠なフォトレジストの原料となり、化成品は電子材料向け溶剤や香料製品の原料として使われています。これらの製品は、現代の電子機器や日用品を支える重要な素材であり、同社のビジネスの根幹を成しています。
  • 物流基地業務の提供
    同社は化学製品の製造販売だけでなく、各種化学品の保管を行う物流基地業務も手掛けています。これは、自社製品の保管だけでなく、他社の化学品を安全に保管するサービスを提供することで、安定的な収益源を確保していることを意味します。特に危険物などを扱う化学品においては、専門的な保管施設とノウハウが求められるため、この事業は同社の強みの一つと言えます。
  • 多角的な事業展開
    同社は感光性材料事業と化成品事業の二つのセグメントを柱としています。感光性材料事業は半導体やFPD(フラットパネルディスプレイ)といったエレクトロニクス分野の需要に大きく依存し、化成品事業は電子材料向け溶剤や香料、さらにはタンクターミナルでの保管業務まで多岐にわたります。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した事業運営を目指しています。
出典: FY2024 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 感光性材料事業
    この事業は、半導体やFPD(フラットパネルディスプレイ)の製造工程で使われるフォトレジストの原料となる感光性材料を製造・販売しています。エレクトロニクス製品の世界的な需要に連動し、特に新たな通信技術や電子制御技術の進展が市場を牽引しています。238.73億円の売上高と19.79億円の営業利益を計上しており、同社の主要な収益源の一つです。
  • 化成品事業
    電子材料向け溶剤や香料製品の原料の製造・販売、および各種化学品の保管を担う物流基地業務(タンクターミナル部門)を行っています。電子材料分野の需要動向や香料原料の市況、景気変動による荷役量の増減が業績に影響を与えます。売上高は147.92億円、営業利益は21.23億円であり、感光性材料事業と並ぶ同社のもう一つの柱となる事業です。
  • 二つの主要事業
    東洋合成工業は「感光性材料事業」と「化成品事業」の二つのセグメントで事業を展開しています。感光性材料事業はエレクトロニクス産業、化成品事業は電子材料、香料、物流と多岐にわたる分野をカバーしており、それぞれの市場特性に応じた製品供給とサービス提供を行っています。これにより、特定の市場に依存しすぎない事業ポートフォリオを構築していると言えます。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PhotosensitivityMaterials 事業 239 20 8.3%
Chemicals 事業 148 21 14.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2024|205 文字
3 【事業の内容】当社の主な事業内容は、各種化学製品の製造・販売と各種化学品の保管を担う物流基地業務であります。当社の事業に係る位置づけ及びセグメントとの関連は次のとおりであります。セグメントの名称事業に係る位置づけ感光性材料事業当社が製造・販売活動を行っております。(会社総数1社)化成品事業当社が製造・販売活動・保管業務を行っております。(会社総数1社) 企業集団について図示しますと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原材料および燃料の価格高騰を販売価格へ反映困難な場合があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
長年にわたって蓄積してきた他社の製品や製造方法との差別化技術とノウハウ。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:市場環境の変動 / 原燃料価格の上昇 / 為替レートの変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

フォトレジスト関連の特殊化学品を製造。特定の顧客ニーズに応える技術力はあるが、汎用的な特許や強力なブランド力は限定的。研究開発への継続投資が競争優位維持の鍵となる。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

フォトレジストは半導体製造プロセスに不可欠であり、材料変更には巨額の設備投資と検証期間が必要。そのため、既存顧客との関係は比較的強固だが、新規参入や代替技術の登場リスクは存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果は事業モデルに直接的な影響を与えない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

化学品製造におけるスケールメリットや効率化は存在するが、原材料価格の変動や競合他社とのコスト競争は激しい。突出したコスト優位性は見られない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

フォトレジスト市場において一定のシェアを持つが、グローバルな大手化学メーカーと比較すると規模は小さい。特定のニッチ市場での優位性は存在するものの、業界全体を支配する規模ではない。

  • 高機能化学品への特化
    同社は半導体やFPD製造に不可欠なフォトレジストの原料となる感光性材料や、電子材料向け溶剤といった高機能な化学製品に特化しています。これらの製品は高度な技術と品質管理が求められ、参入障壁が高い分野であるため、同社は安定した顧客基盤と競争優位性を築いていると考えられます。特にエレクトロニクス産業の発展に伴い、その需要は今後も継続すると見込まれます。
  • 厳格な品質管理体制
    同社は製品の品質に関して、納入先との契約に基づく検査に加え、自社でより厳格な品質管理基準を設けています。感光性材料や電子材料用途の化成品、香料材料製品は、顧客による受入品質検査も受けており、徹底した品質管理体制を構築しています。これにより、顧客からの信頼を獲得し、製品の安定供給とブランド価値の向上に繋がっていると考えられます。
  • 産業財産権とノウハウの蓄積
    長年にわたり蓄積された独自の技術とノウハウに基づき、他社製品との差別化を図っています。特許権などの産業財産権の取得やノウハウの秘匿化を適切に選択することで、技術的な優位性を維持しています。これにより、模倣されにくい製品開発と製造が可能となり、競争力を高めていると言えるでしょう。
出典: FY2024 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。(1) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 事業環境当社を取り巻く事業環境は、海外経済全体では緩やかな成長が見込まれる一方、不安定な国際情勢、米国の関税措置をはじめとする通商政策の影響、中東情勢の緊迫化に伴う原油・エネルギー価格・物流費の高騰、それに伴う為替相場の動向等により、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。当社では、安定供給を第一に、原材料の複数購買および在庫確保等に努め、懸案の原燃料・物流費の上昇については、顧客との協議を通じて、販売価格の見直し等を検討、実施してまいります。一方、半導体市場では、各国における半導体産業の戦略的な重要性の高まりに加え、生成AIの普及拡大に伴う通信・データセンター関連需要の増加等により、半導体製造に用いられる各種先端材料についても中長期的な需要拡大が見込まれております。このような状況下、当社は今後の供給拡大に向け、これまでに能力増強を行った設備を活用し、安定供給体制の強化に取り組んでおります。主力製品である感光性材料では、開発分析棟による開発・分析体制の強化に加え、第4感光材工場の増強により先端領域製品の供給能力を高め、需要拡大への対応を進めております。また、もう一つの主力製品群である高純度溶剤では、淡路工場第2屋内充填所を活用し、出荷能力および製品品質の向上に努めております。研究開発においても、次世代製品に必要となる要素技術の開発を進めております。さらに、今後も拡大が継続する半導体関連需要を見据え、経済安全保障の観点からも重要とされる先端半導体材料の安定供給体制のさらなる強化に取り組んでおります。感光性材料では、先端半導体向け材料の供給能力拡大に向け、新規感光材工場の建設準備を行うとともに、将来の事業用地も取得しました。化成品でも、高純度溶剤の安定供給体制を強化するため、タンクヤードおよびローリー充填所の新設にも着手し、さらに将来の供給能力拡大に向けた事業用地も取得しました。当社は、引き続き半導体の微細化・高集積化に対応する新規材料および要素技術の研究開発、製造技術開発、品質管理の高度化ならびに生産性の向上に取り組み、高品質な製品の安定供給に努めてまいります。 ② 中期経営計画の概要当社は、当社の企業価値および株主共同の利益の向上のため、5ヵ年の中期経営計画「Beyond500」を策定し、2023年3月期からスタートさせています。当計画では、「今後、更なる需要拡大が見込まれる電子材料分野において、当社の長年培ってきた高純度合成、精製技術にさらに磨きをかけ、顧客品質を満たす安定供給体制を強化し、人・組織・事業の成長を果たし、世界No.1ダントツ企業として持続可能な脱炭素社会の実現に貢献する」コンセプトのもと、「顧客課題、技術課題一つ一つを真摯に捉え、独創的な視点で解決し、世界No.1ダントツの超高品質と生産性向上の両立により、未来を創る」というビジョンを掲げ、最終年度の数値目標である売上高500億円以上、営業利益80億円以上、営業利益率16%以上の実現に向けて取り組んでまいります。なお、上記の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来の業績を保証するものではありません。本中期経営計画の全社戦略、セグメント別戦略は次の通りです。 ■全社戦略人材育成・長期の継続的な事業拡大に向け、充実した仕事環境と人材育成環境への投資と実現・タイムリーかつ自律的に意思決定できる組織機能の整備・グローバルに事業を牽引する次世代リーダーの育成技術戦略の強化・顧客品質と生産性の両立を狙った、研究開発と製造技術の強化と連携・世界随一の高純度製造技術や工程管理のDXによるリアルタイム見える化と、その活用による生産性の向上・次世代技術の探求/要素技術開発/新規事業推進体制の充実経営基盤の強化・高機能性材料のサプライチェーンを支える安全技術力の向上・機動的な設備投資を実現する財務体質の強化・環境配慮型エネルギーマネジメントの実現とCO2原単位の削減・地域貢献と多様性を尊重するマネジメントの実現 ■セグメント戦略感光材セグメントの戦略的な事業拡大・拡大する需要を満たす充分な生産能力増強投資・先端半導体を支える超高純度合成と生産性向上の両立・顧客品質の実現に向け研究開発力を強化し、電子材料の技術革新に貢献する化成品セグメントの事業強化・先端半導体向け超高純度溶剤の品質・開発・安定供給体制の強化・化学専業タンクターミナルの自動化促進と更なる顧客満足度向上事業連携の強化・不安定化するサプライチェーンに対し、タンクターミナル事業・超高純度精製能力・高純度合成力の連携を強化し、機能化学品の安定供給とサプライチェーン高付加価値化を実現 ③ 分野別課題当社は、経営理念・行動指針で「常に安全を最優先します」と掲げ、社員、協力会社社員、地域住民の方々などの関係者が安心できる環境づくりに努めています。 ■既存事業の競争力強化長期に亘る継続的な事業拡大と競争力強化のためには人材の成長が欠かせないことから、仕事環境と人材育成環境の充実を図り、組織機能の整備と次世代リーダーの育成を行ってまいります。また、研究開発と製造技術開発の強化および連携を進め、品質管理の高度化、高純度製造技術や工程管理へのDX活用による生産性の向上に取り組んでまいります。 ■感光性材料事業、化成品事業(高純度溶剤)半導体市場は、各国における半導体産業の国家戦略化や、生成AIの普及拡大に伴う通信・データセンター関連需要の増加等を背景に、半導体製造用の各種素材についても中長期的な需要拡大が見込まれております。当社は、引き続き半導体の微細化・高集積化に対応する新規材料および要素技術の研究開発、製造技術の開発、品質管理の高度化、ならびに生産性の向上に取り組むとともに、能力増強を行った設備を最大限活用し、高品質な製品の安定供給に努めてまいります。 ■化成品事業(香料材料)香料材料市場においては、引き続きトイレタリー製品用途を中心に緩やかな需要拡大が続くと予測されており、当社では積極的な拡販と生産性向上に取り組んでまいります。 ■化成品事業(ロジスティック)国内の化学品物流市場は、石油化学関連企業の統合等による物流基地の統廃合に加え、中東情勢の緊迫化等を背景とした原油・エネルギー価格、為替、海上輸送および物流費の動向により、引き続き不透明な事業環境が続くものと予想されます。一方で、液体化学品を大都市消費地へ輸送する物流形態は今後も必要不可欠であります。当社は、お客様のニーズに柔軟な対応が可能な液体化学品総合物流基地として、安全操業と先端化学品の生産活動で蓄積した高度な品質管理技術を最大限に活かし、お客様の信頼を獲得してまいります。 当社では、このような施策の実行により、企業価値の持続的な向上を実現してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。(1) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 事業環境当社を取り巻く事業環境は、海外経済全体では緩やかな成長が見込まれる一方、不安定な国際情勢、米国の関税措置をはじめとする通商政策の影響、中東情勢の緊迫化に伴う原油・エネルギー価格・物流費の高騰、それに伴う為替相場の動向等により、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。当社では、安定供給を第一に、原材料の複数購買および在庫確保等に努め、懸案の原燃料・物流費の上昇については、顧客との協議を通じて、販売価格の見直し等を検討、実施してまいります。一方、半導体市場では、各国における半導体産業の戦略的な重要性の高まりに加え、生成AIの普及拡大に伴う通信・データセンター関連需要の増加等により、半導体製造に用いられる各種先端材料についても中長期的な需要拡大が見込まれております。このような状況下、当社は今後の供給拡大に向け、これまでに能力増強を行った設備を活用し、安定供給体制の強化に取り組んでおります。主力製品である感光性材料では、開発分析棟による開発・分析体制の強化に加え、第4感光材工場の増強により先端領域製品の供給能力を高め、需要拡大への対応を進めております。また、もう一つの主力製品群である高純度溶剤では、淡路工場第2屋内充填所を活用し、出荷能力および製品品質の向上に努めております。研究開発においても、次世代製品に必要となる要素技術の開発を進めております。さらに、今後も拡大が継続する半導体関連需要を見据え、経済安全保障の観点からも重要とされる先端半導体材料の安定供給体制のさらなる強化に取り組んでおります。感光性材料では、先端半導体向け材料の供給能力拡大に向け、新規感光材工場の建設準備を行うとともに、将来の事業用地も取得しました。化成品でも、高純度溶剤の安定供給体制を強化するため、タンクヤードおよびローリー充填所の新設にも着手し、さらに将来の供給能力拡大に向けた事業用地も取得しました。当社は、引き続き半導体の微細化・高集積化に対応する新規材料および要素技術の研究開発、製造技術開発、品質管理の高度化ならびに生産性の向上に取り組み、高品質な製品の安定供給に努めてまいります。 ② 中期経営計画の概要当社は、当社の企業価値および株主共同の利益の向上のため、5ヵ年の中期経営計画「Beyond500」を策定し、2023年3月期からスタートさせています。当計画では、「今後、更なる需要拡大が見込まれる電子材料分野において、当社の長年培ってきた高純度合成、精製技術にさらに磨きをかけ、顧客品質を満たす安定供給体制を強化し、人・組織・事業の成長を果たし、世界No.1ダントツ企業として持続可能な脱炭素社会の実現に貢献する」コンセプトのもと、「顧客課題、技術課題一つ一つを真摯に捉え、独創的な視点で解決し、世界No.1ダントツの超高品質と生産性向上の両立により、未来を創る」というビジョンを掲げ、最終年度の数値目標である売上高500億円以上、営業利益80億円以上、営業利益率16%以上の実現に向けて取り組んでまいります。なお、上記の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来の業績を保証するものではありません。本中期経営計画の全社戦略、セグメント別戦略は次の通りです。 ■全社戦略人材育成・長期の継続的な事業拡大に向け、充実した仕事環境と人材育成環境への投資と実現・タイムリーかつ自律的に意思決定できる組織機能の整備・グローバルに事業を牽引する次世代リーダーの育成技術戦略の強化・顧客品質と生産性の両立を狙った、研究開発と製造技術の強化と連携・世界随一の高純度製造技術や工程管理のDXによるリアルタイム見える化と、その活用による生産性の向上・次世代技術の探求/要素技術開発/新規事業推進体制の充実経営基盤の強化・高機能性材料のサプライチェーンを支える安全技術力の向上・機動的な設備投資を実現する財務体質の強化・環境配慮型エネルギーマネジメントの実現とCO2原単位の削減・地域貢献と多様性を尊重するマネジメントの実現 ■セグメント戦略感光材セグメントの戦略的な事業拡大・拡大する需要を満たす充分な生産能力増強投資・先端半導体を支える超高純度合成と生産性向上の両立・顧客品質の実現に向け研究開発力を強化し、電子材料の技術革新に貢献する化成品セグメントの事業強化・先端半導体向け超高純度溶剤の品質・開発・安定供給体制の強化・化学専業タンクターミナルの自動化促進と更なる顧客満足度向上事業連携の強化・不安定化するサプライチェーンに対し、タンクターミナル事業・超高純度精製能力・高純度合成力の連携を強化し、機能化学品の安定供給とサプライチェーン高付加価値化を実現 ③ 分野別課題当社は、経営理念・行動指針で「常に安全を最優先します」と掲げ、社員、協力会社社員、地域住民の方々などの関係者が安心できる環境づくりに努めています。 ■既存事業の競争力強化長期に亘る継続的な事業拡大と競争力強化のためには人材の成長が欠かせないことから、仕事環境と人材育成環境の充実を図り、組織機能の整備と次世代リーダーの育成を行ってまいります。また、研究開発と製造技術開発の強化および連携を進め、品質管理の高度化、高純度製造技術や工程管理へのDX活用による生産性の向上に取り組んでまいります。 ■感光性材料事業、化成品事業(高純度溶剤)半導体市場は、各国における半導体産業の国家戦略化や、生成AIの普及拡大に伴う通信・データセンター関連需要の増加等を背景に、半導体製造用の各種素材についても中長期的な需要拡大が見込まれております。当社は、引き続き半導体の微細化・高集積化に対応する新規材料および要素技術の研究開発、製造技術の開発、品質管理の高度化、ならびに生産性の向上に取り組むとともに、能力増強を行った設備を最大限活用し、高品質な製品の安定供給に努めてまいります。 ■化成品事業(香料材料)香料材料市場においては、引き続きトイレタリー製品用途を中心に緩やかな需要拡大が続くと予測されており、当社では積極的な拡販と生産性向上に取り組んでまいります。 ■化成品事業(ロジスティック)国内の化学品物流市場は、石油化学関連企業の統合等による物流基地の統廃合に加え、中東情勢の緊迫化等を背景とした原油・エネルギー価格、為替、海上輸送および物流費の動向により、引き続き不透明な事業環境が続くものと予想されます。一方で、液体化学品を大都市消費地へ輸送する物流形態は今後も必要不可欠であります。当社は、お客様のニーズに柔軟な対応が可能な液体化学品総合物流基地として、安全操業と先端化学品の生産活動で蓄積した高度な品質管理技術を最大限に活かし、お客様の信頼を獲得してまいります。 当社では、このような施策の実行により、企業価値の持続的な向上を実現してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当事業年度における海外経済は、関税政策や地政学的リスクの高まりが意識される中でも、総じて底堅く推移しました。米国では、AI関連需要をはじめとした企業活動が底堅く推移した一方、個人消費にはやや減速感が見られました。中国では、政策支援による下支えが見られたものの、国内需要の低迷や不動産市場の停滞を背景に、総じて低調に推移しました。欧州では、個人消費が底堅く推移し景気に緩やかな持ち直しの動きが見られましたが、年度末にかけては、中東情勢の緊迫化に伴う資源価格の上昇が景気の重石となりました。わが国経済は、所得・雇用環境の改善を背景に、サービス消費を中心とした個人消費が底堅く推移するとともに、設備投資も堅調に推移し、緩やかな回復基調を維持しました。一方で、企業物価や設備投資関連コストは高止まりしており、特に化学業界では、設備工事の需給バランスの逼迫等を背景に、設備工事費の上昇が継続しました。加えて、急激な為替変動や中東情勢の緊迫化に伴う資源価格の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社事業の主要市場である電子材料業界は、AI関連半導体デバイス向け需要が引き続き市場成長を牽引し、特に下期にかけて需要が一段と拡大したことから、先端半導体向け材料は好調に推移しました。当社では、2023年3月期からスタートした5ヵ年の中期経営計画「Beyond500」に基づき、2024年には感光材開発分析棟および先端分野向け材料の大規模な新規生産設備が完成しました。これらの設備投資により製造技術力・分析体制が強化され、最先端品質を満たす安定供給体制が整いました。今後もこれらの設備を活用し、需要拡大が期待される半導体市場への供給を強化してまいります。当事業年度においては、先端半導体向け材料の需要が拡大し、先端フォトレジスト向け材料および化成品事業における高純度溶剤の販売が好調に推移したことから、売上高は41,956百万円(前期比+3,291百万円、+8.5%)と増加しました。利益面では先端半導体向け材料の大型設備および生産情報システムの稼働開始に伴い、期初から減価償却費や人員増強等の固定費が大幅に増加したものの、期後半にかけて高付加価値品の販売増加により増加した固定費の一部を吸収し、営業利益は3,668百万円(前期比△434百万円、△10.6%)、経常利益は3,592百万円(前期比△404百万円、△10.1%)、当期純利益は2,692百万円(前期比△586百万円、△17.9%)となりました。 セグメントの業績は次のとおりであります。(感光性材料事業)半導体向け材料は、AI向け半導体デバイスの強い需要が継続し、当社の先端フォトレジスト向け材料の販売は前期比で増加いたしましたが、一般半導体向けはやや減少しました。半導体メモリの供給不足に懸念があるものの、スマートフォンやTV用のパネル生産は一定レベルで保たれたことから、当社製品のディスプレイ向け感光材の販売も堅調に推移しました。この結果、同事業の売上高は26,417百万円(前期比+2,544百万円、+10.7%)となりました。また、大型設備および生産情報システムの稼働開始に伴い、期初から減価償却費や人員増強等の固定費が大幅に増加したものの、期後半にかけて先端材料の販売増加により固定費負担の一部を吸収し、営業利益は1,051百万円(前期比△927百万円、△46.9%)となりました。(化成品事業)電子材料関連製品は、生成AIの普及拡大を背景としたデータセンター投資の活発化や、半導体の高性能化・高集積化の進展に伴う先端プロセス向け材料需要の増加により、堅調な市場環境が継続しました。このような状況のもと、高純度溶剤については先端ロジックおよびメモリ用途を中心に需要が拡大し、販売が好調に推移した結果、前年同期比で売上は増加しました。香料材料関連製品は、米国の関税措置の影響を受け、サプライチェーン上での在庫調整や為替影響により、前年同期比では売上が減少しました。タンクターミナル関連は、輸入品に対する保管需要の増加によりタンクの引き合いが旺盛であったことに加え、新たな無機化学品専用タンクの運用開始も寄与し、タンク契約率は高水準で推移しました。この結果、同事業の売上高は15,538百万円(前期比+746百万円、+5.0%)、営業利益は2,617百万円(前期比+493百万円、+23.2%)となりました。 当事業年度における総資産は66,949百万円となり、前事業年度末比1,085百万円の増加となりました。流動資産は25,292百万円で、前事業年度末比1,223百万円の増加となりました。これは主に売掛金1,792百万円の増加などによるものであります。 固定資産は41,656百万円で、前事業年度末比137百万円の減少となりました。これは主に取得による増加4,336百万円、減価償却による減少5,084百万円などによるものであります。流動負債は18,834百万円で、前事業年度末比2,298百万円の減少となりました。これは主に短期借入金2,600百万円の減少などによるものであります。 固定負債は20,662百万円で、前事業年度末比763百万円の増加となりました。これは主に長期借入金417百万円の増加によるものであります。純資産合計は27,452百万円で、前事業年度末比2,620百万円の増加となりました。これは主に当期純利益2,692百万円によるものであります。  ② キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ86百万円増加し、3,683百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益3,556百万円、減価償却費5,084百万円などにより7,490百万円の収入(前事業年度は6,795百万円の収入)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出3,733百万円などにより4,874百万円の支出(前事業年度は11,974百万円の支出)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済による支出2,600百万円などにより2,546百万円の支出(前事業年度は5,193百万円の収入)となりました。   ③ 生産、受注及び販売の状況  a.生産実績当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比(%)感光性材料事業(百万円)32,778+12.5化成品事業(百万円)15,883+0.4合計(百万円)48,661+8.2 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b.受注状況当社は、原則として見込み生産を行っております。 c.販売実績当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比(%)感光性材料事業(百万円)26,417+10.7化成品事業(百万円)15,538+5.0合計(百万円)41,956+8.5 注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2. 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合相手先前事業年度当事業年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)信越化学工業株式会社5,16013.36,88916.4  (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容   経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。  なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。  ① 重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りにあたり過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。また、当社が採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表」の「重要な会計方針」に記載しておりますが、特に次にかかげる重要な会計方針が、財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 (繰延税金資産の回収可能性の評価) 当社は繰延税金資産を認識するにあたり、将来減算一時差異に対して、予定される繰延税金負債の取崩、予測される将来の課税所得及びタックス・プランニングを考慮しております。将来の課税所得は事業計画を基礎としており、その進捗を加味して合理的に見積り、回収可能性を十分に検討した上で、回収見込額を計上しております。そこでの重要な仮定は、主に市場の需要予測及び生産計画であります。 繰延税金資産の回収可能性は、主に将来の課税所得の見積りによるところが大きく、課税所得の予測は将来の市場の需要動向や当社の生産活動の状況及びその他の要因により変化します。 将来の課税所得見込額は、その時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、繰延税金資産の回収可能性の評価を見直す可能性があります。② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容   a.当社の当事業年度の経営成績等 ・経営成績の分析 当事業年度の売上高は41,956百万円(前期比+3,291百万円、+8.5%)、営業利益は3,668百万円(前期比△434百万円、△10.6%)、経常利益は3,592百万円(前期比△404百万円、△10.1%)、当期純利益は2,692百万円(前期比△586百万円、△17.9%)となりました。 売上高および営業利益については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、売上高・利益ともに前期比増加となりました。 営業外収益から営業外費用を差引いた純額は、76百万円の費用計上となりました。内訳としては、為替差益109百万円等があったものの、支払利息321百万円等があったことによるものであります。この結果、当期の経常利益は3,592百万円(前期比△404百万円、△10.1%)となりました。 特別利益は301百万円の計上となりました。内訳としては、助成金収入301百万円の計上によるものであります。 特別損失は337百万円の計上となりました。内訳としては、圧縮未決算特別勘定繰入301百万円の計上によるものであります。 以上の結果、税引前当期純利益は3,556百万円となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額を差引いた当期純利益は2,692百万円(前期比△586百万円、△17.9%)となりました。  ・財政状態の分析 当事業年度の財政状態の分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。  ・キャッシュ・フローの分析 当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。    b.当社の経営成績に重要な影響を与える要因当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しているとおりですが、市場環境の変動等、様々なリスク要因が当社の成長や経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は、常に新技術の動向や市場動向に留意しつつ、お客様ニーズに合致した製品を開発し提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因の低減を図ってまいります。  c.当社の資本の財源及び資金の流動性当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入等の製造費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、生産設備の購入等によるものであります。当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金、長期運転資金および設備投資は、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は27,167百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は3,683百万円となっております。 d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載の通りであります。

事業リスク

  • 市場環境の変動リスク
    感光性材料事業は半導体やFPDの世界需要に大きく左右され、化成品事業も電子材料分野の需要動向や顧客の製造工程変更に影響を受けます。世界経済の変動やエレクトロニクス製品の需要変化、業界再編などが、同社の業績や財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。特に半導体市場のサイクルは同社の収益に直結する要因です。
  • 原燃料価格と為替レートの変動
    主要な原材料や重油などの燃料価格は市況によって変動し、高騰した場合には製造原価の上昇に繋がり、業績を圧迫する可能性があります。また、海外売上高比率が約30%と高く、経済のグローバル化が進む中で為替レートの急激な変動も業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。為替予約などでリスクヘッジは行っていますが、完全に回避することは困難です。
  • 自然災害・事故災害と品質・知的財産リスク
    大規模な自然災害や事故により、製造設備や供給網、インフラに重大な影響が生じる可能性があります。また、製品の品質問題や欠陥が発生した場合には、損害賠償などにより業績に影響を及ぼすリスクがあります。さらに、独自の技術やノウハウを保護する産業財産権の侵害、または第三者の権利を侵害する可能性も事業運営上の重要なリスクとして挙げられます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,266 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。 (1) 市場環境の変動について<感光性材料事業>感光性材料事業の主力製品である感光性材料は、フォトレジストの原料として使用され、半導体、FPD(フラットパネルディスプレイ)の製造工程で使用されます。当事業製品は、グローバルに供給されており、世界的な経済事情とともに、半導体、FPD需要はエレクトロニクス製品の世界需要によるところが大きく、新たな通信技術、電子制御、および電子データを使用するマーケットの創出により、市場の需要が変化し、業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、ファインケミカルメーカー、半導体・FPD業界の再編等により、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。<化成品事業>電子材料向け溶剤は、電子材料分野の需要動向、お客様の製造工程変更等による品種や仕様の変更があった場合、業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。香料製品向けに使用する原料については天然系原料、石油系原料ともに天候や市況によりその価格に大きな変動を及ぼす可能性があります。タンクターミナル部門は、為替変動の影響は軽微でありますが、景気変動により荷役量が減少した場合、当事業の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。(2) 原燃料価格の上昇について当社で使用する主要な原材料並びに重油等の燃料は、市況により価格が変動します。これら原材料および燃料の価格が高騰した場合には製造原価の上昇につながり、この上昇をコストダウンで吸収しきれない場合、また市場の状況によって販売価格への反映が困難な場合には、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。(3) 為替レートの変動について当事業年度の海外直接売上高割合は30.4%でありますが、経済のグローバル化が一層進展する中で、感光性材料事業・化成品事業ともに、海外市場での営業展開は、事業の更なる発展にとって必要不可欠な課題と位置づけております。当社は、為替レート変動への対処策として、為替予約等によるリスクヘッジや海外から輸入する原材料の外貨建て決済化など、為替変動の直接的な影響の回避を図っておりますが、為替相場の急激な変動により、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。(4) 製品の在庫水準について当社は、事業継続計画(BCP)に基づき一定の水準で製品在庫を保有しており、他業種に比較して、当社の在庫水準は高くなる傾向にあります。急激な販売増加により運転資金が増加する可能性や末端市場での急激な需要落ち込み等により余剰在庫が滞留することによる運転資金の増加の可能性があります。(5) 借入金への依存度及び金利変動について当社は設備投資資金、および運転資金を銀行からの借入によって賄ってきたため、有利子負債の比率が高い水準となっております。当社は借入金比率の低減を図り、財務体質の強化に努める方針でありますが、急激な金利変動が生じた場合には、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。(6) 環境保全と安全管理について当社は、事業活動と自然環境との調和を重要な経営課題と位置づけ、環境保全および安全管理への取り組みを継続的に強化しています。とりわけ、環境情報の透明性と社会的説明責任の重要性が高まる中、当社は関連データの適切な開示を通じて、ステークホルダーとの信頼関係の構築に努めております。環境保全に関する国際的な潮流は、従来の規制遵守型から、企業自らがリスクと機会を把握し、社会的責任を果たす“監視・開示型”のアプローチへとシフトしています。米国におけるTRI(Toxic Release Inventory)の制度運用をはじめ、各国において企業の自主的な情報開示が促進されており、当社もこれに応じた管理体制を整備しています。一方で、化学物質管理を取り巻く外部環境は日々変化しており、現行では規制対象外であっても、将来的に規制対象物質として指定されるリスクがあることを認識しています。(7) 自然災害・事故災害の影響について当社は、自然災害や事故等による事業中断リスクを最小限に抑えるため、製造設備の定期的な点検・保守を実施するとともに、労働災害防止に向けたリスクアセスメントに基づく対策を講じ、監査等による継続的な改善を図っております。また、事業継続計画(BCP)の整備・見直しを定期的に行い、防災訓練や緊急対応演習を通じて、レジリエンス(回復力)の強化に努めております。当社は、2012年にBS-25999(事業継続管理規格)の認証を取得し、2013年には国際規格ISO 22301へ移行するなど、ハイレベルなリスクマネジメント体制を構築しています。さらに、近年ではサプライチェーン全体を見据えたリスク評価や、外部環境の急激な変化への柔軟な対応力の向上にも取り組んでいます。しかしながら、大規模地震・台風などの天変地異や予期せぬ事故により、設備・供給網・インフラに重大な影響が生じた場合、当社の事業活動および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症のような感染症の世界的拡大により、生産活動、物流、営業展開に支障が生じた場合にも、業績への影響が避けられない可能性があります。今後も、多様化・複雑化するリスクに備えるため、リスク感度を高めた体制の強化と、平時からの備えの実効性向上に取り組んでまいります。(8) 製品の品質・欠陥について当社の製品は、納入先との契約に従った品質検査だけではなく、当社においてより厳格な品質管理基準を設けるなど、厳格な品質管理を実施しております。また、感光性材料事業の製品、化成品事業の電子材料用途の製品、ならびに香料材料製品につきましては、上記の当社における品質検査のほか、お客様における受入品質検査を受けております。しかしながら、当社製品を原因とする問題が生じた場合、損害賠償等により、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。(9) 産業財産権について当社が現在展開している製造事業は、長年にわたって当社が蓄積してきた他社の製品や製造方法との差別化技術とノウハウとに基づき運営しております。当社は、それら技術又は製品若しくは事業の特性に応じて、特許権等産業財産権の取得又はノウハウとして秘匿するかを決定しております。しかしながら、当社保有の産業財産権の権利範囲外であっても、当社の製品と類似の機能を有するものが第三者から販売される可能性が有り、さらに当社の製造方法等の権利侵害の立証の困難な技術に関する産業財産権については、第三者による当社産業財産権の侵害を効果的に防止できない可能性もあります。そのような事態が発生した場合、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社が現在、開発・製造販売を展開している製品及び今後、開発・製造する新製品についても、企画開発段階から新製品に係る第三者の産業財産権の系統的な調査を行い、第三者の権利侵害を未然に防ぐよう努めております。しかしながら、当社における調査でも把握できなかった第三者の産業財産権を侵害した場合又はその疑いが生じた場合には、その権利保有者から当社の権利侵害を主張され、当社が損害賠償若しくは侵害被疑製品の製造販売の差し止めを請求され、又はロイヤルティ等の支払いを要求される可能性があります。そのような事態が発生した場合、当社の事業戦略や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点において経営に重大な影響を与える当社が侵害被疑者となっている産業財産権関連の訴訟はありません。

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