研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 118 |
| 2024-03 | - | 105 |
| 2023-03 | - | 82 |
| 2022-03 | - | 80 |
| 2021-03 | - | 73 |
研究開発活動(本文)
FY2025|4,454 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、中期経営計画『New Global Plan-2 (NGP-2)』(2024-2026年度)に則り、グローバルマーケットを視野において、食品用香料及び香粧品用香料の開発を進めるとともに医薬品中間体や工業薬品関連製品、機能性材料の開発研究を行ってまいりました。また、研究開発及び他部門間の共同作業によるプロジェクト化や集中化を推進し、研究開発活動の効率化と事業化、グローバル化のスピードアップも図ってまいりました。2022年7月には、既存の事業部と連動する研究所から有機合成とバイオの研究機能を分離、集約することにより、それぞれ分子変換研究所及びバイオデザイン研究所を設立し、8研究所体制の下、コンセプト/プロダクト/プロセスの3つのイノベーションのシナジーによるユニークで優位性のある技術や製品の開発を推し進めております。また、グリーンサステナブルケミストリー推進に向けて、磐田工場内にあるプロセス開発研究所の研究開発設備を増設し、より安全でエネルギー効率の良い製造プロセスの開発基盤も整えております。グローバルでは、各国の市場特性に合致したビジネス展開を図るためのGSPC(Global Strategy Planning Committee)やマーケティング・CIMR(Consumer Insights and Market Research)と連携しながら、市場ニーズに応える新商品の開発及び次世代新技術の開発に取り組んでおります。SDGs(持続可能な開発目標)に貢献できる研究開発を念頭に置きつつ、環境に配慮した生分解性を有するアロマイングリディエンツの開発、フロー技術や触媒を最大限利用した省エネルギーで洗練されたプロセス開発、食糧問題解決に向けたプラントベース・フードへの取組み、Well-Being貢献を目指した香料の機能性探索等、着実に進めてまいります。欧米を中心とした天然嗜好の高まりへの対応においては、ナチュラルアロマイングリディエンツや天然香料素材の開発等にもさらに注力し、ナチュラルフレーバー素材の開発やバイオによるものづくりを加速させ、バイオエコノミー実現に向けた歩みを確実なものにしてまいります。また、再生可能原料を利用したアロマイングリディエンツの開発強化を視野に、先端のバイオ技術を有するスタートアップベンチャーとのアライアンスも推進してまいりましたが、今後は生分解性を有しバイオベースドカーボン50%以上のアロマイングリディエンツ「Sustainable Scent®」のラインナップ拡充をさらに進めてまいります。国内では、技術の振興、発展を通して社会及び産業界への貢献にも努めております。当社社外取締役である野依良治氏が2001年ノーベル化学賞を受賞されたことを記念して、2003年より高砂香料国際賞「野依賞」を設けておりますが、2024年度受賞者はミュンヘン工科大学のThorsten Bach教授に決定し、2025年2月18日に開催された2024年度高砂香料国際賞「野依賞」表彰式において、有機合成化学協会の生頼一彦会長より賞状や楯、賞金が授与されました。こうした研究開発活動は、4つの事業部門毎に独自のシナジー効果を発揮すべく、地域の枠組みを越え横断的に取り組んでおります。2024年度より開始した中期経営計画(NGP-2)を念頭に、さらなる飛躍に向け、グローバルのニーズやオープンイノベーションも取り入れた基盤研究の強化を着実に行ってまいります。当社グループにおける事業部門別の研究開発活動は、以下のとおりであります。 ① フレーバー部門当部門は飲料、製菓、調理食品等の加工食品に使用されるフレーバーや食品素材の開発を行っております。近年は香料、特に天然香料素材に加え、食品原材料の高騰が加工食品業界全体に多大な影響を与えています。このような厳しい環境の中、フロリダの果汁メーカー敷地内にあるCitrus Research Center、欧州子会社内に設置したVanilla Research Centerでそれぞれ研究を進める等、天然香料素材の開発に力を入れております。また、より本物感のあるフレーバーの開発を推進し、本格的なテイストを表現したいという要望に加え、シトラス・バニラなどの天然原料への依存度を減らしてコストや調達リスクを抑えたフレーバー、果汁等の最終商品に使用される原材料の低減に寄与できるフレーバーを通じて、顧客のさまざまな課題に応えてきました。加えて低糖、低脂肪、プラントベース食品をよりおいしくするための素材、フレーバー開発に注力しており、Well-Being貢献に取り組んでおります。これらの成果はその価値をわかりやすく伝えるために、それぞれの顧客向けにアプリケーションを開発し、積極的に提案を行っております。海外におきましては海外子会社の研究体制の強化を進めております。各国の開発部門と連携し、調合香料だけでなく生化学反応を利用した素材をはじめとする、日本で開発された様々な技術のグローバル展開を積極的に行っております。これにより現地顧客の課題解決、日本顧客の海外進出に応えています。当部門では食品安全マネジメントシステムに関する国際規格であるISO22000を取得している等、商品の安全性に十分配慮し、コンプライアンスを徹底しながら商品設計を行っております。 ② フレグランス部門当部門は商品設計をサポートする、得意先ニーズに合った創香とアイデア提案による販売支援活動の徹底に力を注ぎ、ファブリックケア用(洗剤、柔軟剤)、パーソナルケア用(シャンプー、ボディシャンプー、スキンケア)、室内芳香剤用調合香料の開発を行っております。香料を科学的側面から追求し、基材に対して安定な香料、高い残香性や拡散性を持つ香料や悪臭対策香料、さらには再生可能原料を用いたSustainable Scent®の活用や生分解性に優れた調合香料など、人に優しく環境に配慮した香料開発を積極的に進めております。また、パーソナルケア素材としてヒト型光学活性セラミド、冷温感剤、抗菌活性や消臭効果を持つ素材など、新規機能性素材の開発と拡販を推進しております。「においの生理、心理的効果」に関するエモーショナルな研究分野では、基盤研究部門と連携し、引き続き新商品開発への応用に取り組んでおります。また、自社開発したシステムを用いて、AIを活用した香料処方の作成にも注力しております。既に各国で導入されている自社開発の香料開発(依頼管理、処方エディター、ライブラリ管理、安全性と各種規制チェック)システムの改善を重ね、顧客対応のスピードアップ、データの拡充、共有化と標準化、法規対応及び安全性確保、グローバル対応等を推進してまいりました。グローバル化する得意先への対応としてミッションチームによる集中的アプローチや共同創香、共同評価方法の導入を行うなど、日米欧亜に拠点を持つフレグランス研究部門の協力により、多様化と効率化を図っております。同時に、消費者のニーズを的確に捉えるためのマーケティング・CIMR部門との連携強化を進めております。 ③ アロマイングリディエンツ部門 当部門は新規香料素材の開発を中心に研究を行っておりますが、中期経営計画『New Global Plan-2 (NGP-2)』における基本方針であるサステナブルな経営に対して、「SDGsとグリーンサステナブルケミストリーを考慮した環境に優しい研究開発」ならびに「自然との共生」を掲げ、人にやさしく、環境にやさしいアロマ素材開発を積極的に行ってまいりました。有機合成およびバイオ技術の研究機能をそれぞれ集約することで再生可能原料を用いた香料素材やバイオ生産プロセスなどの研究開発を一層加速し、自社アロマイングリディエンツポートフォリオの更なる拡充、フレグランス及びフレーバー調合香料の差別化の推進に加え、アロマイングリディエンツ販売ラインナップの充実など、トップクラスのグローバル香料会社としての基盤強化をさらに進めております。香料の天然らしさを追求するために、当社のコア技術である触媒的不斉合成技術の応用や、微生物発酵や酵素反応などの生化学的手法を活用し、CHIRAL SWITCHとして光学活性香料を選択的に製造することによって、Chiraroma®のブランドで展開しております。近年では、従来の化石原料を、植物由来や再生可能原料へと切り替えるBIOSWITCH®を新たに掲げた研究開発を推進してまいりました。また、生分解性に優れ、環境に負担をかけない香料素材や、再生可能原料を用いたSustainable Scent®の香料や新規温感剤、新規冷感剤の開発など新しい機能を持つ化合物の開発を行ってまいりました。さらに、触媒反応を有効に活用したテルペン化合物の新規製造法の確立を目指した研究も進めております。同時にバイオマスや未利用資源のアップサイクリングによるバイオものづくりに関しても、注力しております。 ④ ファインケミカル部門当部門は医薬品中間体のプロセス開発、電子写真感光体(OPC)をはじめとする機能性材料の開発、独自設計した配位子や有機金属錯体を用いた触媒反応の開発を行ってまいりました。近年では、連続フロー製造技術の導入を行い、医薬品中間体の効率的製造法の開発に成功しております。連続反応装置は制御が難しい反応にも有効です。例えば、これまで大量に扱うことが困難であったLithium Aluminum Hydride (LAH)を用いる還元反応を、Continuously Stirred Tank Reactor (CSTR)装置を活用することにより安全かつ効率的に行う技術を2018年に確立し、今日まで安定的にトンスケールでのGMP製造を行っております。触媒反応の利用は「グリーンケミストリーの12箇条」の一つであり、原材料、廃棄物、エネルギー消費を削減するだけでなく、より安全な原料の使用を可能にします。新たな触媒反応の開発に加えて、配位子や触媒の製造プロセスの最適化および触媒使用後の貴金属回収についての取組みを強化しております。当社で開発したBINAP、SEGPHOS®、BRIDP®等の配位子やRu-MACHO®、DENEB®、RUCY®等の有機金属錯体触媒は自社内で使用するだけでなく顧客への販売も行っております。 研究開発活動は神奈川県平塚市を中心とする当社の研究開発全部門307名のスタッフと、米州、欧州、アジア各地の海外子会社の研究所656名及び国内子会社の研究所3名のスタッフとの連携で行ってまいりました。また、当社グループの研究開発費は、日本6,016百万円、海外11,647百万円の総額17,664百万円であります。
FY2024|4,741 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、中期経営計画『New Global Plan (NGP-1)』(2021-2023年度)に則り、グローバルマーケットを視野において、食品用香料及び香粧品用香料の開発を進めるとともに医薬品中間体や工業薬品関連製品、機能性材料の開発研究を行ってまいりました。また、研究開発及び他部門間の共同作業によるプロジェクト化、集中化を推進し、研究開発活動の効率化と事業化、グローバル化のスピードアップも図ってまいりました。2016年10月の技術創成研究所設立、2017年6月のプロセス開発研究所設立、さらには2022年7月に既存の事業部と連動する研究所から有機合成、バイオの研究機能を分離、集約しそれぞれ分子変換研究所及びバイオデザイン研究所を設立し、8研究所体制の下、コンセプト/プロダクト/プロセスの3つのイノベーションのシナジーにより、ユニークで優位性のある技術や製品の開発を強化しております。また、グリーンサステナブルケミストリー推進に向け、2021年4月に磐田工場内に新たにプロセス開発研究所の研究開発設備を増設し、より安全でエネルギー効率の良い製造プロセスの開発基盤を整えました。グローバルでは、各国の市場特性に合致したビジネス展開を図るためのGSPC(Global Strategy Planning Committee)やマーケティング・CIMR(Consumer Insights and Market Research)と連携しながら、市場ニーズに応える新商品の開発及び次世代新技術の開発に取り組んでおります。今後のグローバル戦略として、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献できる研究開発を念頭に置き、環境に配慮した生分解性を有するアロマイングリディエンツの開発、フローや触媒を最大限利用した省エネルギーで洗練されたプロセス開発、食糧問題解決に向け植物蛋白を原料にしたプラントベース・フードへの取組み、Well-Being貢献を目指した香料の機能性探索等、着実に進めてまいります。また、欧米を中心とした天然嗜好への対応として、ナチュラルアロマイングリディエンツや天然香料素材の開発等にさらに注力してまいります。2016年1月に米国の発酵専門会社Centre Ingredient Technology, Inc.を傘下に収め、グローバルに対応可能なナチュラルアロマイングリディエンツの製造拠点を確保しましたが、これにより、ナチュラルフレーバー素材の開発やバイオによるものづくりを加速させ、バイオエコノミー実現に向けた歩みを確実なものにしてまいります。また、再生可能原料を利用したアロマイングリディエンツの開発強化を視野に、先端のバイオ技術を有するスタートアップベンチャーとのアライアンスも推進してまいりましたが、今後は生分解性を有しバイオベースドカーボン50%以上のアロマイングリディエンツ「Sustainable Scent®」のラインナップ拡充をさらに進めてまいります。また、2013年5月にTakasago Madagascar S.A.を設立し、バニラのエキストラクトを安定供給できる体制を整え、このマダガスカル産バニラを使用した製品の新ブランド「LA VANILLE T」(ラ・バニーユ・ティ)を立ち上げ、グループ全体のバニラブランドとしてグローバル規模での拡販と市場開拓を着実に行っております。国内では、技術の振興、発展を通して社会及び産業界への貢献にも努めております。当社社外取締役である野依良治氏が2001年ノーベル化学賞を受賞されたことを記念して、2003年より高砂香料国際賞「野依賞」を設けておりますが、2023年度受賞者は東京理科大学の硤合憲三名誉教授に決定し、2024年2月15日に開催された2023年度高砂香料国際賞「野依賞」表彰式において、有機合成化学協会の生頼一彦会長より賞状や楯、賞金が授与されました。こうした研究開発活動は、4つの事業部門毎に独自のシナジー効果を発揮すべく、地域の枠組みを越え横断的に取り組んでおります。2020年には創業100年を迎え、改めて技術立脚の創業精神を振り返り、2024年度より開始した中期経営計画(NGP-2)を念頭に、さらなる飛躍に向け、グローバルのニーズやオープンイノベーションも取り入れた基盤研究の強化を着実に行ってまいります。当社グループにおける事業部門別の研究開発活動は、以下のとおりであります。 ① フレーバー部門当部門は飲料用、製菓用、調理食品用、冷菓デザート用等のフレーバーや食品素材の開発を行っております。特にコーヒー、茶系飲料用のフレーバー及び食品素材開発、製菓用及び冷菓デザート用にマダガスカル産バニラを利用したフレーバー開発に力を入れており、調理食品用には加熱調理された食品の風味を追求した素材開発、粉末/乳化香料においては安定性、リリースコントロール等に注力して研究開発を進めております。一方、新規天然フレーバー素材の開発や食品より分離精製した素材の開発などを通じ、抽出、分離、精製、濃縮における基礎技術の拡充を図り、フレーバーの多様化を推進してまいりました。また、「フードデザインセンター」では、香料や果汁などの食品素材を使用したアプリケーション開発機能を強化し、顧客との共同開発を積極的に行い、食のトータルプランナーとしての提案力向上を目指しております。海外での研究開発については、顧客の東南アジア、中国への進出にも即応するため、シンガポール、インド、インドネシア、上海の研究体制も継続して強化しております。アジアにおける市場の急速な動きに対応すべく、酵素反応を利用したフレーバーや風味増強素材において国内で培った開発技術の積極的な活用を通して、デイリー素材分野や果汁飲料分野での拡売を目指しております。また、食品への「ナチュラル素材」に対するニーズが高まっている欧州の研究所内にはVanilla Research Center、フロリダの果汁メーカー敷地内にはCitrus Research Centerを設置するなどして天然香料素材の開発を推進しております。顧客や消費者の食品や香料への安全性を求める動きに対応して、2012年1月に取得したISO22000を維持管理し、安全・安心な商品を提供すべく商品設計を行っております。 ② フレグランス部門当部門は商品設計をサポートする、得意先ニーズに合った創香とアイデア提案による販売支援活動の徹底に力を注ぎ、ファブリックケア用(洗剤、柔軟剤)、パーソナルケア用(シャンプー、ボディシャンプー、スキンケア)、室内芳香剤用調合香料の開発を行っております。香料を科学的側面から追求し、基材に対して安定な香料、高い残香性や拡散性を持つ香料や悪臭対策香料、さらには再生可能原料を用いたSustainable Scent®の活用や生分解性に優れた調合香料など、人に優しく環境に配慮した香料開発を積極的に進めております。また、パーソナルケア素材としてヒト型光学活性セラミド、冷温感剤、抗菌活性や消臭効果を持つ素材など、新規機能性素材の開発と拡販を推進しております。「においの生理、心理的効果」に関するエモーショナルな研究分野では、基盤研究部門と連携し、引き続き新商品開発への応用に取り組んでおります。既に各国で導入されている自社開発の香料開発(依頼管理、処方エディター、ライブラリ管理、安全性と各種規制チェック)システムの刷新と改善を重ね、顧客対応のスピードアップ、データの拡充、共有化と標準化、法規対応及び安全性確保、グローバル対応等を推進してまいりました。グローバル化する得意先への対応としてミッションチームによる集中的アプローチや共同創香、共同評価方法の導入を行うなど、日米欧亜に拠点を持つフレグランス研究部門の協力により、多様化と効率化を図っております。同時に、消費者のニーズを的確に捉えるためのマーケティング・CIMR部門との連携強化を進めております。 ③ アロマイングリディエンツ部門 当部門は新規香料素材の開発を中心に研究を行っておりますが、中期経営計画『New Global Plan (NGP-1)』として引き続き「SDGsとグリーンサステナブルケミストリーを考慮した環境に優しい研究開発」ならびに「自然との共生」を掲げ、人にやさしく、環境にやさしいアロマ素材開発を積極的に行ってまいりました。有機合成およびバイオ技術の研究機能をそれぞれ集約することで再生可能原料を用いた香料素材やバイオ生産プロセスなどの研究開発を一層加速し、自社アロマイングリディエンツポートフォリオの更なる拡充、フレグランス及びフレーバー調合香料の差別化の推進に加え、アロマイングリディエンツ販売ラインナップの充実など、トップクラスのグローバル香料会社としての基盤強化をさらに進めております。香料の天然らしさを追求するために、当社のコア技術である触媒的不斉合成技術の応用や、微生物発酵や酵素反応などの生化学的手法を活用し、CHIRAL SWITCHとして光学活性香料を選択的に製造することによって、Chiraroma®のブランドで展開しております。近年では、従来の化石原料を、植物由来や再生可能原料へと切り替えるBIOSWITCH®を新たに掲げた研究開発を推進してまいりました。また、生分解性に優れ、環境に負担をかけない香料素材や、再生可能原料を用いたSustainable Scent®の香料や新規温感剤、新規冷感剤の開発など新しい機能を持つ化合物の開発を行ってまいりました。さらに、触媒反応を有効に活用したメントールを始めとするテルペン化合物の新規製造法の確立を目指した研究も進めております。 ④ ファインケミカル部門当部門はBINAPに加えて独自に設計したSEGPHOS®やBRIDP®等の配位子を組み込んだ有機金属錯体触媒を駆使し、不斉還元による光学活性医薬品中間体のプロセス開発をはじめ、アリールアミノ化反応による電子写真感光体(OPC)の開発を行ってまいりました。さらに、連続フロー製造技術の導入を行い、光学活性医薬品中間体などの効率的製造法の開発に成功しております。連続反応装置は制御が難しい反応にも有効であり、2018年にはこれまで大量に扱うことが困難であったLithium Aluminum Hydride (LAH)を用いる還元反応を、Continuously Stirred Tank Reactor (CSTR)装置を活用することにより安全かつ効率的に行う技術を確立し、今日まで安定的にトンスケールでのGMP製造を行っております。最近では、高速な水素化反応用触媒RUCY®、高活性な水素移動型還元反応用触媒DENEB®、エステル化合物の還元触媒Ru-MACHO®を開発し、その適用範囲の拡充を進めております。Ru-MACHO®類、DENEB®、RUCY®、BINAP類、SEGPHOS®類、BRIDP®類等の有機金属錯体や配位子は自社内で使用するだけでなく顧客への販売も行っております。 研究開発活動は神奈川県平塚市を中心とする当社の研究開発全部門302名のスタッフと、米州、欧州、アジア各地の海外子会社の研究所657名及び国内子会社の研究所3名のスタッフとの連携で行ってまいりました。また、当社グループの研究開発費は、日本5,782百万円、海外9,867百万円の総額15,650百万円であります。
FY2023|4,782 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、中期経営計画『New Global Plan (NGP-1)』(2021-2023年度)に則り、グローバルマーケットを視野において、食品用香料及び香粧品用香料の開発を進めるとともに医薬品中間体や工業薬品関連製品、機能性材料の開発研究を行っております。また、研究開発及び他部門間の共同作業によるプロジェクト化、集中化を推進し、研究開発活動の効率化と事業化、グローバル化のスピードアップを図ってまいりました。2016年10月の技術創成研究所設立、2017年6月のプロセス開発研究所設立、さらには2022年7月に既存の事業部と連動する研究所から有機合成、バイオの研究機能を分離、集約しそれぞれ分子変換研究所及びバイオデザイン研究所を設立し、8研究所体制の下、コンセプト/プロダクト/プロセスの3つのイノベーションのシナジーにより、ユニークで優位性のある技術や製品の開発を強化しております。また、グリーンサステナブルケミストリー推進に向け、2021年4月に磐田工場内に新たにプロセス開発研究所の研究開発設備を増設し、より安全でエネルギー効率の良い製造プロセスの開発基盤を整えました。グローバルでは、各国の市場特性に合致したビジネス展開を図るためのGSPC(Global Strategy Planning Committee)やマーケティング・CIMR(Consumer Insights and Market Research)と連携しながら、市場ニーズに応える新商品の開発及び次世代新技術の開発に取り組んでおります。今後のグローバル戦略として、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献できる研究開発を念頭に置き、環境に配慮した生分解性を有するアロマイングリディエンツの開発、フローや触媒を最大限利用した省エネルギーで洗練されたプロセス開発、食糧問題解決に向け植物蛋白を原料にしたプラントベース・フードへの取組み、Well-Being貢献を目指した香料の機能性探索等、着実に進めてまいります。また、欧米を中心とした天然嗜好への対応として、ナチュラルアロマイングリディエンツや天然香料素材の開発等にさらに注力してまいります。2016年1月に米国の発酵専門会社Centre Ingredient Technology, Inc.を傘下に収め、グローバルに対応可能なナチュラルアロマイングリディエンツの製造拠点を確保しましたが、これにより、ナチュラルフレーバー素材の開発やバイオによるものづくりを加速させ、バイオエコノミー実現に向けた歩みを確実なものにしてまいります。また、再生可能原料を利用したアロマイングリディエンツの開発強化を視野に、先端のバイオ技術を有するスタートアップベンチャーとのアライアンスも推進してまいりましたが、今後は生分解性を有しバイオベースドカーボン50%以上のアロマイングリディエンツ「Sustainable Scent®」のラインナップ拡充をさらに進めてまいります。また、2013年5月にTakasago Madagascar S.A.を設立し、バニラのエキストラクトを安定供給できる体制を整え、このマダガスカル産バニラを使用した製品の新ブランド「LA VANILLE T」(ラ・バニーユ・ティ)を立ち上げ、グループ全体のバニラブランドとしてグローバル規模での拡販と市場開拓を着実に行っております。国内では、技術の振興、発展を通して社会及び産業界への貢献にも努めております。当社社外取締役である野依良治氏が2001年ノーベル化学賞を受賞されたことを記念して、2003年より高砂香料国際賞「野依賞」を設けておりますが、2022年度受賞者はCalifornia Institute of Technology, U.S.A. のGregory C. Fu 教授に決定し、2023年2月15日に開催された2022年度高砂香料国際賞「野依賞」表彰式において、有機合成化学協会の秋山隆彦会長より賞状や楯、賞金が授与されました。こうした研究開発活動は、4つの事業部門毎に独自のシナジー効果を発揮すべく、地域の枠組みを越え横断的に取り組んでおります。2020年には創業100年を迎え、改めて技術立脚の企業理念を振り返り、2021年度より開始した中期経営計画(NGP-1)を念頭に、さらなる飛躍に向け、グローバルのニーズやオープンイノベーションも取り入れた基盤研究の強化を着実に行ってまいります。当社グループにおける事業部門別の研究開発活動は、以下のとおりであります。 ① フレーバー部門当部門は飲料用、製菓用、調理食品用、冷菓デザート用等のフレーバーや食品素材の開発を行っております。特にコーヒー、茶系飲料用のフレーバー及び食品素材開発、製菓用及び冷菓デザート用にマダガスカル産バニラを利用したフレーバー開発に力を入れており、調理食品用には加熱調理された食品の風味を追求した素材開発、粉末/乳化香料においては安定性、リリースコントロール等に注力して研究開発を進めております。一方、新規天然フレーバー素材の開発や食品より分離精製した素材の開発などを通じ、抽出、分離、精製、濃縮における基礎技術の拡充を図り、フレーバーの多様化を推進してまいりました。また、「フードデザインセンター」では、香料や果汁などの食品素材を使用したアプリケーション開発機能を強化し、顧客との共同開発を積極的に行い、食のトータルプランナーとしての提案力向上を目指しております。海外での研究開発については、顧客の東南アジア、中国への進出にも即応するため、シンガポール、インド、インドネシア、上海の研究体制も継続して強化しております。アジアにおける市場の急速な動きに対応すべく、酵素反応を利用したフレーバーや風味増強素材において国内で培った開発技術の積極的な活用を通して、デイリー素材分野や果汁飲料分野での拡売を目指しております。また、食品への「ナチュラル素材」に対するニーズが高まっている欧州の研究所内にはVanilla Research Center、フロリダの果汁メーカー敷地内にはCitrus Research Centerを設置するなどして天然香料素材の開発を推進しております。顧客や消費者の食品や香料への安全性を求める動きに対応して、2012年1月に取得したISO22000を維持管理し、安全・安心な商品を提供すべく商品設計を行っております。 ② フレグランス部門当部門は商品設計をサポートする、得意先ニーズに合った創香とアイデア提案による販売支援活動の徹底に力を注ぎ、ファブリックケア用(洗剤、柔軟剤)、パーソナルケア用(シャンプー、ボディシャンプー、スキンケア)、室内芳香剤用調合香料の開発を行っております。香料を科学的側面から追求し、基材に対して安定な香料、高い残香性や拡散性を持つ香料や悪臭対策香料、さらには再生可能原料を用いたSustainable Scent®の活用や生分解性に優れた調合香料など、人に優しく環境に配慮した香料開発を積極的に進めております。また、パーソナルケア素材としてヒト型光学活性セラミド、冷温感剤、抗菌活性や消臭効果を持つ素材など、新規機能性素材の開発と拡販を推進しております。「においの生理、心理的効果」に関するエモーショナルな研究分野では、基盤研究部門と連携し、引き続き新商品開発への応用に取り組んでおります。既に各国で導入されている自社開発の香料開発(依頼管理、処方エディター、ライブラリ管理、安全性と各種規制チェック)システムの刷新と改善を重ね、顧客対応のスピードアップ、データの拡充、共有化と標準化、法規対応及び安全性確保、グローバル対応等を推進してまいりました。グローバル化する得意先への対応としてミッションチームによる集中的アプローチや共同創香、共同評価方法の導入を行うなど、日米欧亜に拠点を持つフレグランス研究部門の協力により、多様化と効率化を図っております。同時に、消費者のニーズを的確に捉えるためのマーケティング・CIMR部門との連携強化を進めております。 ③ アロマイングリディエンツ部門 当部門は新規香料素材の開発を中心に研究を行っておりますが、中期経営計画『New Global Plan (NGP-1)』として引き続き「SDGsとグリーンサステナブルケミストリーを考慮した環境に優しい研究開発」ならびに「自然との共生」を掲げ、人にやさしく、環境にやさしいアロマ素材開発を積極的に行っております。有機合成およびバイオ技術の研究機能をそれぞれ集約することで再生可能原料を用いた香料素材やバイオ生産プロセスなどの研究開発を一層加速し、自社アロマイングリディエンツポートフォリオの更なる拡充、フレグランス及びフレーバー調合香料の差別化の推進に加え、アロマイングリディエンツ販売ラインナップの充実など、トップクラスのグローバル香料会社としての基盤強化をさらに進めております。香料の天然らしさを追求するために、当社のコア技術である触媒的不斉合成技術の応用や、微生物発酵や酵素反応などの生化学的手法を活用し、CHIRAL SWITCHとして光学活性香料を選択的に製造することによって、Chiraroma®のブランドで展開しております。近年では、従来の化石原料を、植物由来や再生可能原料へと切り替えるBIOSWITCH®を新たに掲げた研究開発を推進してまいりました。また、生分解性に優れ、環境に負担をかけない香料素材や、再生可能原料を用いたSustainable Scent®の香料や新規温感剤、新規冷感剤の開発など新しい機能を持つ化合物の開発を行ってまいりました。さらに、触媒反応を有効に活用したメントールを始めとするテルペン化合物の新規製造法の確立を目指した研究も進めております。 ④ ファインケミカル部門当部門はBINAPに加えて独自に設計したSEGPHOS®やBRIDP®等の配位子を組み込んだ有機金属錯体触媒を駆使し、不斉還元による光学活性医薬品中間体のプロセス開発をはじめ、アリールアミノ化反応による電子写真感光体(OPC)の開発を行ってまいりました。さらに、連続フロー製造技術の導入を行い、光学活性医薬品中間体などの効率的製造法の開発に成功しております。連続反応装置は制御が難しい反応にも有効であり、2018年にはこれまで大量に扱うことが困難であったLithium Aluminum Hydride (LAH)を用いる還元反応を、Continuously Stirred Tank Reactor (CSTR)装置を活用することにより安全かつ効率的に行う技術を確立し、今日まで安定的にトンスケールでのGMP製造を行っております。最近では、高速な水素化反応用触媒RUCY®、高活性な水素移動型還元反応用触媒DENEB®、エステル化合物の還元触媒Ru-MACHO®を開発し、その適用範囲の拡充を進めております。Ru-MACHO®類、DENEB®、RUCY®、BINAP類、SEGPHOS®類、BRIDP®類等の有機金属錯体や配位子は自社内で使用するだけでなく顧客への販売も行っております。 研究開発活動は神奈川県平塚市を中心とする当社の研究開発全部門295名のスタッフと、米州、欧州、アジア各地の海外子会社の研究所630名及び国内子会社の研究所3名のスタッフとの連携で行ってまいりました。また、当社グループの研究開発費は、日本5,594百万円、海外8,571百万円の総額14,166百万円であります。
FY2022|4,698 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、中期経営計画『New Global Plan (NGP-1)』(2021-2023年度)に則り、グローバルマーケットを視野において、食品用香料及び香粧品用香料の開発を進めるとともに医薬品中間体や工業薬品関連製品、機能性材料の開発研究を行っております。また、研究開発及び他部門間の共同作業によるプロジェクト化、集中化を推進し、研究開発活動の効率化と事業化、グローバル化のスピードアップを図ってまいりました。2016年10月の技術創成研究所設立、2017年6月のプロセス開発研究所設立により、8研究所体制の下、コンセプト/プロダクト/プロセスの3つのイノベーションのシナジーにより、ユニークで優位性のある技術や製品の開発を強化しております。また、グリーンサステナブルケミストリー推進に向け、2021年4月に磐田工場内に新たにプロセス開発研究所の研究開発設備を増設し、より安全でエネルギー効率の良い製造プロセスの開発基盤を整えました。グローバルでは、各国の市場特性に合ったビジネス展開を図るためのGSPC(Global Strategy Planning Committee)やマーケティング・CIMR(Consumer Insights and Market Research)と連携しながら、市場ニーズに応える新商品の開発及び次世代新技術の開発に取り組んでおります。今後のグローバル戦略として、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献できる研究開発を念頭に置き、環境に配慮した独自性を有するアロマイングリディエンツや冷温感剤の開発、フローや触媒を最大限利用した省エネルギーで洗練されたプロセス開発、食糧問題解決に向けた代替肉などのプラントベース・フードへの取り組み、Well-Being貢献を目指した香料の機能性探索等、着実に進めてまいります。また、欧米を中心とした天然嗜好への対応として、ナチュラルアロマイングリディエンツや天然香料素材の開発等にさらに注力してまいります。2016年1月に米国の発酵専門会社Centre Ingredient Technology, Inc.を傘下に収め、グローバルに対応可能なナチュラルアロマイングリディエンツの製造拠点を確保しましたが、これにより、ナチュラルフレーバー素材の開発やバイオによるものづくりを加速させ、バイオエコノミー実現に向けた歩みを確実なものにしてまいります。また、再生可能原料を利用したアロマイングリディエンツの開発強化を視野に、先端のバイオ技術を有するスタートアップベンチャーとのアライアンスも推進してまいりましたが、今後はさらにバイベースドカーボン50%以上のアロマイングリディエンツ「Sustainable Scent®」のラインナップ拡充を進めてまいります。また、2013年5月にTakasago Madagascar S.A.を設立し、バニラのエキストラクトを安定供給できる体制を整え、このマダガスカル産バニラを使用した製品の新ブランド「LA VANILLE T」(ラ・バニーユ・ティ)を立ち上げ、グループ全体のバニラブランドとしてグローバル規模での拡販と市場開拓を着実に行っております。国内では、技術の振興、発展を通して社会及び産業界への貢献にも努めております。当社社外取締役である野依良治氏が2001年ノーベル化学賞を受賞されたことを記念して、2003年より高砂香料国際賞「野依賞」を設けておりますが、2021年度受賞者はスイス連邦工科大学チューリッヒ校のProfessor Erick M. Carreiraに決定し、2022年2月16日に開催された2021年度高砂香料国際賞「野依賞」表彰式において、有機合成化学協会の秋山隆彦会長より賞状や楯、賞金が授与されました。こうした研究開発活動は、4つの事業部門毎に独自のシナジー効果を発揮すべく、地域の枠組みを越え横断的に取り組んでおります。2020年には創業100年を迎え、改めて技術立脚の企業理念を振り返り、2021年度より開始した中期経営計画(NGP-1)を念頭に、さらなる飛躍に向け、グローバルのニーズやオープンイノベーションも取り入れた基盤研究の強化を着実に行ってまいります。当社グループにおける事業部門別の研究開発活動は、以下のとおりであります。 ① フレーバー部門当部門は飲料用、製菓用、調理食品用、冷菓デザート用等のフレーバーや食品素材の開発を行っております。特にコーヒー、茶系飲料用のフレーバー及び食品素材開発、製菓用及び冷菓デザート用にマダガスカル産バニラを利用したフレーバー開発に力を入れており、調理食品用には加熱調理された食品の風味を追求した素材開発、粉末/乳化香料においては安定性、リリースコントロール等に注力して研究開発を進めております。一方、発酵法による新規天然フレーバー素材の開発や食品より分離精製した素材の開発などを通じ、抽出、分離、精製、濃縮における基礎技術の拡充を図り、フレーバーの多様化を推進してまいりました。また、「フードデザインセンター」では、香料や果汁などの食品素材を使用したアプリケーション開発機能を強化し、顧客との共同開発を積極的に行い、食のトータルプランナーとしての提案力向上を目指しております。海外での研究開発については、顧客の東南アジア、中国への進出にも即応するため、シンガポール、上海の研究体制も継続して強化しております。東南アジア・南アジア地域で、シンガポール、インドに続く第三の生産拠点としてインドネシアの新工場が本格稼働しております。アジアにおける市場の急速な動きに対応すべく、酵素反応を利用したフレーバーや風味増強素材において国内で培った開発技術の積極的な活用を通して、デイリー素材分野や果汁飲料分野での拡売を目指しております。また、食品への「ナチュラル素材」に対するニーズが高まっている欧州の研究所内にはVanilla Research Center、フロリダの果汁メーカー敷地内にはCitrus Research Centerを設置するなどして天然香料素材の開発を推進しております。顧客や消費者の食品や香料への安全性を求める動きに対応して、2012年1月に取得したISO22000を維持管理し、安全・安心な商品を提供すべく商品設計を行っております。 ② フレグランス部門当部門は商品設計をサポートする、得意先ニーズに合った創香とアイデア提案による販売支援活動の徹底に力を注ぎ、ファブリックケア用(洗剤、柔軟剤)、パーソナルケア用(シャンプー、ボディシャンプー、スキンケア)、室内芳香剤用調合香料の開発を行っております。香料を科学的側面から追求し、基材に対して安定な香料、高い残香性や拡散性を持つ香料や悪臭対策香料、さらには再生可能原料を用いたSustainable Scent®の活用や生分解性に優れた調合香料など、人に優しく環境に配慮した香料開発を積極的に進めております。また、パーソナルケア素材としてヒト型光学活性セラミド、冷温感剤、抗菌活性や消臭効果を持つ素材など、新規機能性素材の開発と拡販を推進しております。既に各国で導入されている自社開発の香料開発(依頼管理、処方エディター、ライブラリ管理、安全性と各種規制チェック)システムの刷新と改善を重ね、顧客対応のスピードアップ、データの拡充、共有化と標準化、法規対応及び安全性確保、グローバル対応等を推進してまいりました。グローバル化する得意先への対応としてミッションチームによる集中的アプローチや共同創香、共同評価方法の導入を行うなど、日米欧亜に拠点を持つフレグランス研究部門の協力により、多様化と効率化を図っております。同時に、消費者のニーズを的確に捉えるためのマーケティング・CIMR部門との連携強化も行いました。「においの生理、心理的効果」に関する研究分野では研究成果を官能評価や嗜好性調査に活用し、引き続き新商品開発への応用に取り組んでおります。 ③ アロマイングリディエンツ部門 当部門は新規香料素材の開発を中心に研究を行っておりますが、中期経営計画『New Global Plan (NGP-1)』として引き続き「SDGsとグリーンサステナブルケミストリーを考慮した環境に優しい研究開発」ならびに「自然との共生」を掲げ、人にやさしく、環境にやさしいアロマ素材開発を積極的に行っております。2015年のアロマイングリディエンツ研究所の設立以降、自社アロマイングリディエンツポートフォリオの更なる拡充を行い、フレグランス及びフレーバー調合香料の差別化の推進に加え、アロマイングリディエンツ販売ラインナップの充実など、トップクラスのグローバル香料会社としての基盤強化を進めております。香料の天然らしさを追求するために、当社のコア技術である触媒的不斉合成技術の応用や、微生物発酵や酵素反応などの生化学的手法を活用し、CHIRAL SWITCHとして光学活性香料を選択的に製造することによって、Chiraroma®のブランドで展開しております。近年では、従来の化石原料を、植物由来や再生可能原料へと切り替えるBIOSWITCH®を新たに掲げた研究開発を推進してまいりました。また、生分解性に優れ、環境に負担をかけない香料素材や、再生可能原料を用いたSustainable Scent®の香料や新規温感剤、新規冷感剤の開発など新しい機能を持つ化合物の開発を行ってまいりました。さらに、触媒反応を有効に活用したメントールを始めとするテルペン化合物の新規製造法の確立を目指した研究も進めております。 ④ ファインケミカル部門当部門はBINAPに加えて独自に設計したSEGPHOS®やBRIDP®等の配位子を組み込んだ有機金属錯体触媒を駆使し、不斉還元による光学活性医薬品中間体のプロセス開発をはじめ、アリールアミノ化反応による電子写真感光体(OPC)の開発を行ってまいりました。さらに、連続フロー製造技術の導入を行い、光学活性医薬品中間体などの効率的製造法の開発に成功しております。連続反応装置は制御が難しい反応にも有効であり、2018年にはこれまで大量に扱うことが困難であったLithium Aluminum Hydride (LAH)を用いる還元反応を、Continuously Stirred Tank Reactor (CSTR)装置を活用することにより安全かつ効率的に行う技術を確立し、今日まで安定的にトンスケールでのGMP製造を行っております。最近では、高速な水素化反応用触媒RUCY®、高活性な水素移動型還元反応用触媒DENEB®、エステル化合物の還元触媒Ru-MACHO®を開発し、その適用範囲の拡充を進めております。Ru-MACHO®類、DENEB®、RUCY®、BINAP類、SEGPHOS®類、BRIDP®類等の有機金属錯体や配位子は自社内で使用するだけでなく顧客への販売も行っております。 研究開発活動は神奈川県平塚市を中心とする当社の研究開発全部門302名のスタッフと、米州、欧州、アジア各地の海外子会社の研究所616名及び国内子会社の研究所5名のスタッフとの連携で行ってまいりました。また、当社グループの研究開発費は、日本5,543百万円、海外7,345百万円の総額12,888百万円であります。
FY2021|4,254 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、中期経営計画『TAKASAGO GLOBAL PLAN (One-T)』(2018-2020年度)に則り、グローバルマーケットを視野において、食品用香料及び香粧品用香料の開発を進めるとともに医薬品中間体や工業薬品関連製品、機能性材料の開発研究を行ってまいりました。また、研究開発及び他部門間の共同作業によるプロジェクト化、集中化を推進し、研究開発活動の効率化と事業化、グローバル化のスピードアップを図ってまいりました。2016年10月には技術創成研究所を、2017年6月にはプロセス開発研究所をそれぞれ新設し、8研究所体制になりました。これにより、コンセプト/プロダクト/プロセスの3つのイノベーションの有機的な結合が可能となり、差別化された技術や製品の開発をさらに強化しております。グローバルでは、各国の市場特性に合ったビジネス展開を図るためのGSPC(Global Strategy Planning Committee)やマーケティング/CIMR(Consumer Insights and Market Research)機能と連携しながら、市場のニーズに応える新商品の開発及び今後の市場をにらんだ次世代新技術の開発に取り組んでおります。今後のグローバル戦略として、環境に配慮しつつ、独自性や優位性をもったニューアロマイングリディエンツや冷温感剤の開発、天然嗜好への対応としてナチュラルアロマイングリディエンツや天然物由来の素材開発等をさらに推進してまいります。2016年1月には、米国の発酵専門会社Centre Ingredient Technology, Inc.を傘下に収め、グローバルに対応可能なナチュラルアロマイングリディエンツの製造拠点も確保致しました。一方、リニューアブルな原料を利用したアロマイングリディエンツの開発強化と供給を視野に、先端のバイオ技術を有するスタートアップベンチャーとのアライアンスも推進してまいりました。また、2013年5月にTakasago Madagascar S.A.を設立し、バニラのエキストラクトを安定供給できる体制を整え、このマダガスカル産バニラを使用した製品の新ブランド「LA VANILLE T」(ラ・バニーユ・ティ)を立ち上げ、グループ全体のバニラブランドとしてグローバル規模での拡販と市場開拓を着実に行っております。国内では、技術の振興、発展を通して社会及び産業界への貢献にも努めております。当社社外取締役である野依良治氏が2001年ノーベル化学賞を受賞されたことを記念して、2003年より高砂香料国際賞「野依賞」を設けておりますが、2020年度受賞者は千葉大学の今本恒雄名誉教授・グランドフェローに決定し、2021年2月17日に開催された有機合成化学協会第84回通常総会で諌山滋会長より賞状や楯、賞金が授与されました。こうした研究開発活動は、4つの事業部門毎に独自のシナジー効果を発揮すべく、地域の枠組みを越え横断的に取り組んでおります。2020年には創業100年を迎え、改めて技術立脚の企業理念を振り返り、2021年度より開始した中期経営計画(NGP-1)を念頭に、さらなる飛躍に向け、グローバルのニーズやオープンイノベーションも取り入れた基盤研究の強化を着実に行ってまいります。当社グループにおける事業部門別の研究開発活動は、以下のとおりであります。 ① フレーバー部門当部門は飲料用、製菓用、調理食品用、冷菓デザート用等のフレーバーや食品素材の開発を行っております。特にコーヒー、茶系飲料用のフレーバー及び食品素材開発、製菓用及び冷菓デザート用にマダガスカル産バニラを利用したフレーバー開発に力を入れており、調理食品用には加熱調理された食品の風味を追求した素材開発、粉末/乳化香料においては安定性、リリースコントロール等に注力して研究開発を進めております。一方、発酵法による新規天然フレーバー素材の開発や食品より分離精製した素材の開発などを通じ、抽出、分離、精製、濃縮における基礎技術の拡充を図り、フレーバーの多様化を推進してまいりました。また、「フードデザインセンター」では、香料や果汁などの食品素材を使用したアプリケーション開発機能を強化し、顧客との共同開発を積極的に行い、食のトータルプランナーとしての提案力向上を目指しております。海外での研究開発については、顧客の東南アジア、中国への進出にも即応するため、シンガポール、上海の研究体制も継続して強化しております。東南アジア・南アジア地域で、シンガポール、インドに続く第三の生産拠点として2019年11月にインドネシアの新工場が完成しました。アジアにおける市場の急速な動きに対応すべく、酵素反応を利用したフレーバーや風味増強素材において国内で培った開発技術の積極的な活用を通して、デイリー素材分野や果汁飲料分野での拡売を目指しております。また、食品への「ナチュラル素材」に対するニーズが高まっている欧州の研究所内にはVanilla Research Center、フロリダの果汁メーカー敷地内にはCitrus Research Centerを設置するなどして天然香料素材の開発を推進しております。顧客や消費者の食品や香料への安全性を求める動きに対応して、2012年1月に取得したISO22000を維持管理し、安全・安心な商品を提供すべく商品設計を行っております。 ② フレグランス部門当部門は商品設計をサポートする、得意先ニーズに合った創香とアイデア提案による販売支援活動の徹底に力を注ぎ、ファブリックケア用(洗剤、柔軟剤)、パーソナルケア用(シャンプー、ボディシャンプー、スキンケア)、室内芳香剤用調合香料の開発を行っております。香料を科学的側面から追求し、基材に対して安定な香料、高い残香性や拡散性を持つ香料製剤や悪臭対策香料、さらにはカプセル化香料の開発等を積極的に進めております。また、パーソナルケア素材としてヒト型光学活性セラミド、冷温感剤、抗菌活性や消臭効果を持つ素材など、新規機能性素材の開発と拡販を推進しております。既に各国で導入されている自社開発の香料開発(依頼管理、処方エディター、ライブラリ管理、安全性と各種規制チェック)システムの刷新と改善を重ね、顧客対応のスピードアップ、データの拡充、共有化と標準化、法規対応及び安全性確保、グローバル対応等を推進してまいりました。グローバル化する得意先への対応としてミッションチームによる集中的アプローチや共同創香、共同評価方法の導入を行うなど、日米欧亜に拠点を持つフレグランス研究部門の協力により、多様化と効率化を図っております。同時に、消費者のニーズを的確に捉えるためのマーケティング・CIMR(Consumer Insights and Market Research)部門との連携強化も行いました。「においの生理、心理的効果」に関する研究分野では研究成果を官能評価や嗜好性調査に活用し、引き続き新商品開発への応用に取り組んでおります。 ③ アロマイングリディエンツ部門 当部門は新規香料素材の開発を中心に研究を行っておりますが、中期経営計画『TAKASAGO GLOBAL PLAN (One-T)』の研究開発方針の柱の一つとして「SDGs(持続可能な開発目標)とGSC(グリーンサステナブルケミストリー)を考慮した環境に優しい研究開発」を掲げ、環境に配慮したアロマ素材開発を積極的に行っております。また、香料の天然らしさを追求するために、当社のコア技術である触媒的不斉合成技術の応用や、微生物発酵や酵素反応などの生化学的手法を活用し、光学活性香料を選択的に製造することによって、Chiraroma®のブランドで展開しております。2015年のアロマイングリディエンツ研究所の設立以降、自社アロマイングリディエンツポートフォリオの更なる充実を行い、フレグランス及びフレーバー調合香料の差別化の推進に加えアロマイングリディエンツ販売ラインナップの充実など、トップクラスのグローバル香料会社としての基盤強化を進めております。生分解性に優れ、環境に負担をかけない香料素材や、再生可能原料を用いたSUSTAINABLE SCENT®シリーズの香料や新規温感剤、新規冷感剤の開発など新しい機能を持つ化合物の開発を行ってまいりました。さらに、触媒反応を有効に活用したメントールを始めとするテルペン化合物の新規製造法の確立を目指した研究を行ってまいりました。 ④ ファインケミカル部門当部門はBINAPに加えて独自に設計したSEGPHOS®やBRIDP®等の配位子を組み込んだ有機金属錯体触媒を駆使し、不斉還元による光学活性医薬品中間体のプロセス開発をはじめ、アリールアミノ化反応による電子写真感光体(OPC)の開発を行ってまいりました。さらに、連続フロー製造技術の導入を行い、光学活性医薬品中間体などの効率的製造法の開発に成功しております。連続反応装置は制御が難しい反応にも有効であり、2018年にはこれまで大量に扱うことが困難であったLithium Aluminum Hydride (LAH)を用いる還元反応を、Continuously Stirred Tank Reactor (CSTR)装置を活用することにより安全かつ効率的に行う技術を確立し、今日まで安定的にトンスケールでのGMP製造を行っております。最近では、高速な水素化反応用触媒RUCY®、高活性な水素移動型還元反応用触媒DENEB®、エステル化合物の還元触媒Ru-MACHO®を新たに開発し、その適用範囲の拡充を進めております。Ru-MACHO®類、DENEB®、RUCY®、BINAP類、SEGPHOS®類、BRIDP®類等の有機金属錯体や配位子は自社内で使用するだけでなく顧客への販売も行っております。 研究開発活動は神奈川県平塚市を中心とする当社の研究開発全部門279名のスタッフと、米州、欧州、アジア各地の海外子会社の研究所576名及び国内子会社の研究所5名のスタッフとの連携で行ってまいりました。また、当社グループの研究開発費は、日本5,182百万円、海外6,473百万円の総額11,655百万円であります。
FY2020|4,373 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、中期経営計画『TAKASAGO GLOBAL PLAN (One-T)』(2018-2020年度)に則り、グローバルマーケットを視野において、食品用香料及び香粧品用香料の開発を進めるとともに医薬品中間体や工業薬品関連製品、機能性材料の開発研究を行ってまいりました。また、研究開発及び他部門間の共同作業によるプロジェクト化、集中化を推進し、研究開発活動の効率化と事業化、グローバル化のスピードアップを図ってまいりました。2016年10月には技術創成研究所を、2017年6月にはプロセス開発研究所をそれぞれ新設し、8研究所体制になりました。これにより、コンセプト/プロダクト/プロセスの3つのイノベーションの有機的な結合が可能となり、差別化された技術や製品の開発をさらに強化しております。グローバルでは、各国の市場特性に合ったビジネス展開を図るためのGSPC(Global Strategy Planning Committee)やマーケティング/CIMR(Consumer Insights and Market Research)機能と連携しながら、市場のニーズに応える新商品の開発及び今後の市場をにらんだ次世代新技術の開発に取り組んでおります。今後のグローバル戦略として、環境に配慮しつつ、独自性や優位性をもったニューアロマイングリディエンツや冷温感剤の開発、天然嗜好への対応としてナチュラルアロマイングリディエンツや天然物由来の素材開発等をさらに推進してまいります。2016年1月には、米国の発酵専門会社Centre Ingredient Technology, Inc.を傘下に収め、グローバルに対応可能なナチュラルアロマイングリディエンツの製造拠点も確保致しました。一方、リニューアブルな原料を利用したアロマイングリディエンツの開発強化と供給を視野に、先端のバイオ技術を有するスタートアップベンチャーとのアライアンスも推進してまいりました。また、2013年5月にTakasago Madagascar S.A.を設立し、バニラのエキストラクトを安定供給できる体制を整え、このマダガスカル産バニラを使用した製品の新ブランド「LA VANILLE T」(ラ・バニーユ・ティ)を立ち上げ、グループ全体のバニラブランドとしてグローバル規模での拡販と市場開拓を着実に行っております。国内では、技術の振興、発展を通して社会及び産業界への貢献にも努めております。当社社外取締役である野依良治氏が2001年ノーベル化学賞を受賞されたことを記念して、2003年より高砂香料国際賞「野依賞」を設けておりますが、2019年度受賞者はUniversity of Illinois at Urbana-Champaign, U.S.A.のProfessor Scott E. Denmarkに決定し、2020年2月19日に開催された有機合成化学協会第83回通常総会で諌山滋会長より賞状や楯、賞金が授与されました。こうした研究開発活動は、4つの事業部門毎に独自のシナジー効果を発揮すべく、地域の枠組みを越え横断的に取り組んでおります。2018年度より開始した中期経営計画(One-T)を念頭に、2020年の100周年での飛躍に向け、オープンイノベーションも取り入れた基盤研究の強化を着実に行ってまいります。当社グループにおける事業部門別の研究開発活動は、以下のとおりであります。 ① フレーバー部門当部門は飲料用、製菓用、調理食品用、冷菓デザート用等のフレーバーや食品素材の開発を行っております。特にコーヒー、茶系飲料用のフレーバー及び食品素材開発、製菓用及び冷菓デザート用にマダガスカル産バニラを利用したフレーバー開発に力を入れており、調理食品用には加熱調理された食品の風味を追及した素材開発、粉末/乳化香料においては安定性、リリースコントロール等に注力して研究開発を進めております。一方、発酵法による新規天然フレーバー素材の開発や食品より分離精製した素材の開発などを通じ、抽出、分離、精製、濃縮における基礎技術の拡充を図り、フレーバーの多様化を推進してまいりました。また、「フードデザインセンター」では、香料や果汁などの食品素材を使用したアプリケーション開発機能を強化し、顧客との共同開発を積極的に行い、食のトータルプランナーとしての提案力向上を目指しております。海外での研究開発については、顧客の東南アジア、中国への進出にも即応するため、シンガポール、上海の研究体制も継続して強化しております。東南アジア・南アジア地域で、シンガポール、インドに続く第三の生産拠点として2019年11月にインドネシアの新工場が完成しました。アジアにおける市場の急速な動きに対応すべく、酵素反応を利用したフレーバーや風味増強素材において国内で培った開発技術の積極的な活用を通して、デイリー素材分野や果汁飲料分野での拡売を目指しております。また、食品への「ナチュラル素材」に対するニーズが高まっている欧州の研究所内にはVanilla Research Center、フロリダの果汁メーカー敷地内にはCitrus Research Centerを設置するなどして天然香料素材の開発を推進しております。顧客や消費者の食品や香料への安全性を求める動きに対応して、2012年1月に取得したISO22000を維持管理し、安全・安心な商品を提供すべく商品設計を行っております。 ② フレグランス部門当部門は商品設計をサポートする、得意先ニーズに合った創香とアイデア提案による販売支援活動の徹底に力を注ぎ、ファブリックケア用(洗剤、柔軟剤)、パーソナルケア用(シャンプー、ボディシャンプー、スキンケア)、室内芳香剤用調合香料の開発を行っております。香料を科学的側面から追求し、基材に対して安定な香料、高い残香性や拡散性を持つ香料製剤や悪臭対策香料、さらにはカプセル化香料の開発等を積極的に進めております。また、パーソナルケア素材としてヒト型光学活性セラミド、冷温感剤、抗菌活性や消臭効果を持つ素材など、新規機能性素材の開発と拡販を推進しております。既に各国で導入されている自社開発の香料開発(依頼管理、処方エディター、ライブラリ管理、安全性と各種規制チェック)システムの刷新と改善を重ね、顧客対応のスピードアップ、データの拡充、共有化と標準化、法規対応及び安全性確保、グローバル対応等を推進してまいりました。グローバル化する得意先への対応としてミッションチームによる集中的アプローチや共同創香、共同評価方法の導入を行うなど、日米欧亜に拠点を持つフレグランス研究部門の協力により、多様化と効率化を図っております。同時に、消費者のニーズを的確に捉えるためのマーケティング・CIMR(Consumer Insights and Market Research)部門との連携強化も行いました。「においの生理、心理的効果」に関する研究分野では研究成果を官能評価や嗜好性調査に活用し、引き続き新商品開発への応用に取り組んでおります。 ③ アロマイングリディエンツ部門 当部門は新規香料素材の開発を中心に研究を行っておりますが、中期経営計画『TAKASAGO GLOBAL PLAN (One-T)』の研究開発方針の柱の一つとして「SDGs(持続可能な開発目標)とGSC(グリーンサステナブルケミストリー)を考慮した環境に優しい研究開発」を掲げ、環境に配慮したアロマ素材開発を積極的に行っております。また、香料の天然らしさを追求するために、当社のコア技術である触媒的不斉合成技術の応用や、微生物発酵や酵素反応などの生化学的手法を活用し、光学活性香料を選択的に製造することによって、Chiraroma®のブランドで展開しております。2015年のアロマイングリディエンツ研究所の設立以降、自社アロマイングリディエンツポートフォリオの更なる充実を行い、フレグランス及びフレーバー調合香料の差別化の推進に加えアロマイングリディエンツ販売ラインナップの充実など、トップクラスのグローバル香料会社としての基盤強化を進めております。生分解性に優れ、環境に負担をかけない香料素材や、再生可能原料を用いたSUSTAINABLE SCENT®シリーズの香料や新規温感剤、新規冷感剤の開発など新しい機能を持つ化合物の開発を行ってまいりました。さらに、触媒反応を有効に活用したメントールを始めとするテルペン化合物の新規製造法の確立を目指した研究を行ってまいりました。 ④ ファインケミカル部門当部門は有機金属錯体触媒を用いた反応を駆使することで、光学活性医薬品中間体のプロセス開発をはじめ、電子写真感光体(OPC)の開発を行ってまいりました。すなわち、BINAPや独自に設計したSEGPHOS®等の配位子を組み込んだ光学活性有機金属錯体触媒を有効活用し、さらに連続フロー製造技術の導入を行い光学活性医薬品中間体などの効率的製造法の開発に成功しております。連続反応装置は制御が難しい反応にも有効であり、93期はこれまで大量に扱うことが困難であったLithium Aluminum Hydride (LAH)を用いる還元反応を、Continuously Stirred Tank Reactor (CSTR)装置を活用することにより安全かつ効率的に行う技術を確立し、トンスケールでのGMP製造に成功しております。一方、配位子の設計技術を不斉合成以外の分野にも展開し、カップリング用配位子BRIDP®配位子を開発しております。これを用いたアリールアミノ化反応による電子写真感光体(OPC)の効率的製造法の開発にも成功しております。最近では、高速な水素化反応用触媒RUCY®、高活性な水素移動型還元反応用触媒DENEB®、エステル化合物の還元触媒Ru-MACHO®を新たに開発し、その適用範囲の拡充を進めております。Ru-MACHO®類、DENEB®、RUCY®、BINAP類、SEGPHOS®類、BRIDP®類等の有機金属錯体や配位子は自社内で使用するだけでなく顧客への販売も行っております。 研究開発活動は神奈川県平塚市を中心とする当社の研究開発全部門280名のスタッフと、米州、欧州、アジア各地の海外子会社の研究所561名及び国内子会社の研究所7名のスタッフとの連携で行ってまいりました。また、当社グループの研究開発費は、日本5,264百万円、海外6,741百万円の総額12,005百万円であります。
FY2019|4,091 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、中期経営計画『TAKASAGO GLOBAL PLAN (One-T)』(2018-2020年度)に則り、グローバルマーケットを視野において、食品用香料及び香粧品用香料の開発を進めるとともに医薬品中間体や工業薬品関連製品、機能性材料の開発研究を行ってまいりました。また、研究開発及び他部門間の共同作業によるプロジェクト化、集中化を推進し、研究開発活動の効率化と事業化、グローバル化のスピードアップを図ってまいりました。2016年10月には技術創成研究所を、2017年6月にはプロセス開発研究所をそれぞれ新設し、8研究所体制になりました。これにより、コンセプト/プロダクト/プロセスの3つのイノベーションの有機的な結合が可能となり、差別化された技術や製品の開発をさらに強化しています。グローバルでは、各国の市場特性に合ったビジネス展開を図るためのGSPC(Global Strategy Planning Committee)機能と連携しながら、市場からの要求に応える新商品の開発及び今後の市場をにらんだ次世代新技術の開発に取り組んでおります。今後のグローバル戦略として、独自性や優位性をもったニューアロマイングリディエンツ、冷温感剤、ナチュラルイングリディエンツ、天然物由来の機能性素材等の開発を強化しております。2016年1月には、米国の発酵専門会社CITを傘下に収め、グローバルに対応可能なナチュラルイングリディエンツの製造拠点も確保致しました。一方、リニューアブルでサステナブルなアロマイングリディエンツの開発と供給を視野に、バイオベンチャー大手のEvolva社やAmyris社とのアライアンスも推進しております。また、2013年5月にTakasago Madagascar S.A.を設立し、バニラのエキストラクトを安定供給できる体制を整え、このマダガスカル産バニラを使用した製品の新ブランド「LA VANILLE T」(ラ・バニーユ・ティ)を立ち上げ、グループ全体のバニラブランドとしてグローバル規模での拡販と市場開拓を着実に行っております。国内では、技術の振興、発展を通して社会及び産業界への貢献にも努めております。当社社外取締役である野依良治氏が2001年ノーベル化学賞を受賞されたことを記念して、2003年より高砂香料国際賞「野依賞」を設けておりますが、第17回受賞者はHarvard大学の岸義人教授に決定し、2019年2月14日に開催された有機合成化学協会第82回通常総会で諌山滋会長より賞状や楯、賞金が授与されました。こうした研究開発活動は、4つの事業部門毎に独自のシナジー効果を発揮すべく、地域の枠組みを越え横断的に取り組んでおります。2018年度より開始した中期経営計画(One-T)を念頭に、2020年の100周年での飛躍に向け、オープンイノベーションも取り入れた基盤研究の強化を着実に行ってまいります。当社グループにおける事業部門別の研究開発活動は、以下のとおりであります。 ① フレーバー部門当部門は飲料用、製菓用、調理食品用、冷菓デザート用等のフレーバーや食品素材の開発を行っております。特にコーヒー、茶系飲料用のフレーバー及び食品素材開発、製菓用及び冷菓デザート用にマダガスカル産バニラを利用したフレーバー開発に力を入れており、調理食品用には加熱調理された食品の風味を追及した素材開発、粉末/乳化香料においては安定性、リリースコントロール等に注力して研究開発を進めております。一方、発酵法による新規天然フレーバー素材の開発や食品より分離精製した素材の開発などを通じ、抽出、分離、精製、濃縮における基礎技術の拡充を図り、フレーバーの多様化を推進してまいりました。また、「フードデザインセンター」では、香料や果汁などの食品素材を使用したアプリケーション開発機能を強化し、顧客との共同開発を積極的に行い、食のトータルプランナーとしての提案力向上を目指しております。海外での研究開発については、顧客の東南アジア、中国への進出にも即応するため、シンガポール、上海の研究体制も継続して強化しております。2017年3月にはインドにも本格的な研究開発拠点を設け、これらの研究所ではアジアにおける市場の急速な動きに対応すべく、酵素反応を利用したフレーバーや風味増強素材において国内で培った開発技術の積極的な活用を通して、デイリー素材分野や果汁飲料分野での拡売を目指しております。また、食品への「ナチュラル素材」に対するニーズが高まっている欧州の研究所内にはVanilla Research Centerを設置するなどして天然香料素材の開発を推進しております。顧客や消費者の食品や香料への安全性を求める動きに対応して、2012年1月に取得したISO22000を維持管理し、安全・安心な商品を提供すべく商品設計を行っております。 ② フレグランス部門当部門は調合香料事業における得意先ニーズに合った創香とアイデア提案による販売支援活動の徹底に力を注ぎ、ファブリックケア用(洗剤、柔軟剤)、パーソナルケア用(シャンプー、ボディシャンプー、スキンケア)、室内芳香剤用香料等の創香研究とともに、原料の見直しを進めてまいりました。香料を科学的側面から追求し、基材に対して安定な香料開発、高い残香性や拡散性を持つ香料製剤や悪臭対策香料、さらにはカプセル化香料の開発等を行ってまいりました。そのほかにも、パーソナルケア素材としてヒト型光学活性セラミド、冷温感剤、抗菌活性や消臭効果を持つ素材など、新規機能性素材の開発に力を注いでおります。既に各国で導入されている自社開発の香料開発(依頼管理、処方エディター、ライブラリ管理、安全性と各種規制チェック)システムの刷新と改善を重ね、顧客対応のスピードアップ、データの拡充、共有化と標準化、法規対応及び安全性確保、グローバル対応等を推進してまいりました。グローバル化する得意先への対応としてミッションチームによる集中的アプローチや共同創香、共同評価方法の導入を行うなど、日米欧亜に拠点を持つフレグランス研究部門の協力により、スピードアップと効率化を図っております。同時に、消費者のニーズを的確に捉えるためのマーケティング・CIMR部門との連携強化も行いました。また「においの生理、心理的効果」に関する研究分野では研究成果を官能評価や嗜好性調査に活用し、引き続き新商品開発への応用に取り組んでおります。 ③ アロマイングリディエンツ部門当部門は新規香料素材の開発を中心に研究を行っておりますが、中期経営計画『TAKASAGO GLOBAL PLAN (One-T)』の研究開発方針の柱の一つとして「SDGs(持続可能な開発目標)とGSC(グリーンサステナブルケミストリー)を考慮した環境に優しい研究開発」を掲げ、環境に配慮したアロマ素材開発を積極的に行っております。また、香料の天然らしさを追求するために、当社のコア技術である触媒的不斉合成技術の応用や、微生物発酵や酵素反応などの生化学的手法を活用し、光学活性香料を選択的に製造する事によって、Chiraroma®のブランドで展開しております。2015年のアロマイングリディエンツ研究所の設立以降、自社アロマイングリディエンツポートフォリオの更なる充実を行い、フレグランス及びフレーバー調合香料の差別化の推進に加えアロマイングリディエンツ販売ラインナップの充実など、トップクラスのグローバル香料会社としての基盤強化を進めております。生分解性に優れ、環境に負担をかけない香料素材や、再生可能原料を用いたSUSTAINABLE SCENT®シリーズの香料や新規温感剤、新規冷感剤の開発など新しい機能を持つ化合物の開発を行ってまいりました。さらに、触媒反応を有効に活用したメントールを始めとするテルペン化合物の新規製造法の確立を目指した研究を行ってまいりました。 ④ ファインケミカル部門当部門は有機金属錯体触媒を用いた反応を駆使することで、光学活性医薬品中間体のプロセス開発をはじめ、電子写真感光体(OPC)の開発を行ってまいりました。すなわち、BINAPや独自に設計したSEGPHOS®等の配位子を組み込んだ光学活性有機金属錯体触媒を有効活用し、さらに連続フロー製造技術の導入を行い光学活性医薬品中間体などの効率的製造法の開発に成功しております。連続反応装置は制御が難しい反応にも有効であり、93期はこれまで大量に扱うことが困難であったLithium Aluminum Hydride (LAH)を用いる還元反応を、Continuously Stirred Tank Reactor (CSTR)装置を活用することにより安全かつ効率的に行う技術を確立しました。一方、配位子の設計技術を不斉合成以外の分野にも展開し、カップリング用配位子BRIDP®配位子を開発しております。これを用いたアリールアミノ化反応による電子写真感光体(OPC)の効率的製造法の開発にも成功しております。最近では、高速な水素化反応用触媒RUCY®や高活性な水素移動型還元反応用触媒DENEB®、エステル化合物の還元触媒Ru-MACHO®を新たに開発し、その適用範囲を広げることにも成功しました。Ru-MACHO®類、DENEB®、RUCY®、BINAP類、SEGPHOS®類、BRIDP®類等の有機金属錯体や配位子は自社内で使用するだけでなく顧客への販売も行っております。 研究開発活動は神奈川県平塚市を中心とする当社の研究開発全部門280名のスタッフと、米州、欧州、アジア各地の海外子会社の研究所561名及び国内子会社の研究所7名のスタッフとの連携で行ってまいりました。また、当社グループの研究開発費は、日本5,292百万円、海外6,925百万円の総額12,217百万円であります。
FY2018|3,906 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、中期経営計画『TAKASAGO GLOBAL PLAN (GP-3)』(2015-2017年度)に則り、グローバルマーケットを視野において、食品用香料及び香粧品用香料の開発を進めるとともに香料周辺科学に関する研究活動や医薬品中間体や工業薬品関連製品、機能性材料の開発研究を行ってまいりました。また、研究開発及び他部門間の共同作業によるプロジェクト化、集中化を推進し、差別化技術の強化を図るとともに研究開発活動の効率化と事業化、グローバル化のスピードアップを図ってまいりました。平成28年10月には技術創成研究所を、平成29年6月にはプロセス開発研究所をそれぞれ新設し、8研究所体制になりました。グローバルでは、各国の市場特性に合ったビジネス展開を図るためのGSPC(Global Strategy Planning Committee)機能と連携しながら、市場からの要求に応える新商品の開発及び今後の市場をにらんだ次世代新技術の開発に取り組んでおります。今後のグローバル戦略として、平成23年7月よりアロマケミカル研究所(平成27年7月よりアロマイングリディエンツ研究所に組織改編)を設立し、ニューアロマイングリディエンツとナチュラルイングリディエンツの開発を強化しております。平成28年1月には、米国の発酵専門会社CITを傘下に収め、グローバルに対応可能なナチュラルイングリディエンツの製造拠点も確保致しました。一方、リニューアブルでサステナブルなアロマイングリディエンツの開発と供給を視野に、バイオベンチャー大手のEvolva社やAmyris社とのアライアンスも推進しております。また、平成25年5月にTakasago Madagascar S.A.を設立し、バニラのエキストラクトを安定供給できる体制を整え、このマダガスカル産バニラを使用した製品の新ブランド「LA VANILLE T」(ラ・バニーユ・ティ)を立ち上げ、グループ全体のバニラブランドとしてグローバル規模での拡販と市場開拓を着実に行っております。国内では、技術の振興、発展を通して社会及び産業界への貢献にも努めております。当社社外取締役である野依良治氏が平成13年ノーベル化学賞を受賞されたことを記念して、平成15年より高砂香料国際賞「野依賞」を設けておりますが、第16回受賞者はPrinceton大学のMacMillan教授に決定し、平成30年2月15日に開催された有機合成化学協会第81回通常総会で吉田潤一会長より賞状や楯、賞金が授与されました。こうした研究開発活動は、4つの事業部門毎に独自のシナジー効果を発揮すべく、地域の枠組みを越え横断的に取り組んでおります。平成27年度より開始した中期経営計画(GP-3)を念頭に、2020年の100周年での飛躍に向け、基盤研究の強化を着実に行ってまいります。当社グループにおける事業部門別の研究開発活動は、以下のとおりです。 ① フレーバー部門当部門は飲料用、製菓用、調理食品用、冷菓デザート用等のフレーバーや食品素材の開発を行っております。特にコーヒー、茶系飲料用のフレーバー及び食品素材開発、製菓用及び冷菓デザート用にマダガスカル産バニラを利用したフレーバー開発に力を入れており、調理食品用には加熱調理された食品の風味を追及した素材開発、粉末/乳化香料においては安定性、リリースコントロール等に注力して研究開発を進めております。一方、発酵法による新規天然フレーバー素材の開発や食品より分離精製した素材の開発などを通じ、抽出、分離、精製、濃縮における基礎技術の拡充を図り、フレーバーの多様化を推進してまいりました。また、「フードデザインセンター」では、香料や果汁などの食品素材を使用したアプリケーション開発機能を強化し、顧客との共同開発を積極的に行い、食のトータルプランナーとしての提案力向上を目指しております。海外での研究開発については、顧客の東南アジア、中国への進出にも即応するため、シンガポール、上海の研究体制も継続して強化しております。平成29年3月にはインドにも本格的な研究開発拠点を設け、これらの研究所ではアジアにおける市場の急速な動きに対応すべく、酵素反応を利用したフレーバーや風味増強素材において国内で培った開発技術の積極的な活用を通して、デイリー素材分野や果汁飲料分野での拡売を目指しております。また、食品への「ナチュラル素材」に対するニーズが高まっている欧州の研究所内にはVanilla Research Centerを設置するなどして天然香料素材の開発を推進しております。顧客や消費者の食品や香料への安全性を求める動きに対応して、平成24年1月に取得したFSSC22000を維持管理し、安全・安心な商品を提供すべく商品設計を行っております。 ② フレグランス部門当部門は調合香料事業における得意先ニーズに合った創香とアイデア提案による販売支援活動の徹底に力を注ぎ、ファブリックケア用(洗剤、柔軟剤)、パーソナルケア用(シャンプー、ボディシャンプー、スキンケア)、室内芳香剤用香料等の創香研究とともに、原料の見直しを進めてまいりました。香料を科学的側面から追求し、基材に対して安定な香料開発、高い残香性や拡散性を持つ香料製剤や悪臭対策香料、さらにはカプセル化香料の開発等を行ってまいりました。そのほかにも、パーソナルケア素材としてヒト型光学活性セラミド、冷温感剤、抗菌活性や消臭効果を持つ素材など、新規機能性素材の開発に力を注いでおります。既に各国で導入されている自社開発の香料開発(依頼管理、処方エディター、ライブラリ管理、安全性と各種規制チェック)システムの刷新と改善を重ね、顧客対応のスピードアップ、データの拡充、共有化と標準化、法規対応及び安全性確保、グローバル対応等を推進してまいりました。グローバル化する得意先への対応としてミッションチームによる集中的アプローチや共同創香、共同評価方法の導入を行うなど、日米欧亜に拠点を持つフレグランス研究部門の協力により、スピードアップと効率化を図っております。同時に、消費者のニーズを的確に捉えるためのマーケティング・CIMR部門との連携強化も行いました。また「においの生理、心理的効果」に関する研究分野では研究成果を官能評価や嗜好性調査に活用し、引き続き新商品開発への応用に取り組んでおります。 ③ アロマイングリディエンツ部門当部門は新規香料素材の開発を中心に研究を行っておりますが、香料の天然らしさを追求するために、当社のコア技術である触媒的不斉合成技術の応用や、微生物発酵や酵素反応などの生化学的手法を活用し、天然香料中に存在する光学活性香料を選択的に製造する事によって、花の香りや果物の香りをより天然に近づけることに成功しており、Chiraroma®のブランドで展開しております。アロマケミカル研究所(平成27年7月にアロマイングリディエンツ研究所に改編)の設立以降、再生可能原料の最大限の活用ならびにグリーンケミストリーを用いた変換により、自社アロマイングリディエンツポートフォリオの更なる充実を行い、フレグランス及びフレーバー調合香料の差別化の推進、販売アロマイングリディエンツのラインナップの充実など、トップクラスのグローバル香料会社としての基盤強化を進めております。また、生分解性に優れ、環境に負担をかけない香料素材や、再生可能原料を用いたSUSTAINABLE SCENT®シリーズの香料、温感剤、冷感剤の開発など新しい機能を持つ化合物の開発を行ってまいりました。さらに、触媒反応を有効に活用したメントールを始めとするテルペン化合物の新規製造法の確立を目指した研究を行ってまいりました。 ④ ファインケミカル部門 当部門は有機金属錯体触媒を用いた反応を駆使することで、光学活性医薬品中間体のプロセス開発をはじめ、電子写真感光体(OPC)の開発を行ってまいりました。すなわち、BINAPや独自に設計したSEGPHOS®等の配位子を組み込んだ光学活性有機金属錯体触媒を有効活用し、さらにフロー連続技術の導入を行い光学活性医薬品中間体などの効率的製造法の開発に成功しております。一方、配位子の設計技術を不斉合成以外の分野にも展開し、BRIDP®配位子を開発しております。これを用いたカップリング反応を応用して新規アリールアミノ化反応による電子写真感光体(OPC)の効率的製造法の開発にも成功しております。さらに、鈴木-宮浦カップリング反応を用いた医薬品中間体合成への応用を行っております。 最近では、高速な水素化反応用触媒RUCY®や高活性な水素移動型還元反応用触媒DENEB®、エステル化合物の還元触媒Ru-MACHO®を新たに開発し、その適用範囲を広げることにも成功しました。 Ru-MACHO®類、DENEB®、RUCY®、BINAP類、SEGPHOS®類、BRIDP®類等の有機金属錯体や配位子は自社内で使用するだけでなく顧客への販売も行っております。 研究開発活動は神奈川県平塚市を中心とする当社の研究開発全部門280名のスタッフと、米州、欧州、アジア各地の海外子会社の研究所544名及び国内子会社の研究所7名のスタッフとの連携で行ってまいりました。また、当社グループの研究開発費は、日本5,426百万円、海外6,768百万円の総額12,195百万円であります。
FY2017|3,814 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、中期経営計画『TAKASAGO GLOBAL PLAN (GP-3)』(2015-2017年度)に則り、グローバルマーケットを視野において、飲料、食品用香料及び香粧品香料の開発を進めるとともに香料周辺科学に関する研究活動や医薬中間体や工業薬品関連製品、機能性材料の開発研究を行ってまいりました。また、研究開発及び他部門間の共同作業によるプロジェクト化、集中化を推進し、差別化技術の強化を図るとともに研究開発活動の効率化と事業化、グローバル化のスピードアップを図ってまいりました。平成28年10月には研究開発本部を再編し、技術創成研究所を新設し7研究所体制になりました。グローバルでは、各国の市場特性に合ったビジネス展開を図るためのGSPC(Global Strategy Planning Committee)機能と連携しながら、市場からの要求に応える新商品の開発及び今後の市場をにらんだ次世代新技術の開発に取り組んでおります。今後のグローバル戦略として、平成23年7月よりアロマケミカル研究所(平成27年7月よりアロマイングリディエンツ研究所に組織改編)を設立し、ニューアロマイングリディエンツとナチュラルイングリディエンツの開発を強化しております。平成28年1月には、米国の発酵専門会社CITを傘下に収め、グローバルに対応可能なナチュラルイングリディエンツの製造拠点も確保致しました。一方、リニューアブルでサステイナブルなイングリディエンツの開発と供給を視野に、バイオベンチャー大手のEvolva社やAmyris社とのアライアンスも推進しております。また、平成25年5月にTakasago Madagascar S.A.を設立し、バニラのエキストラクトを安定供給できる体制を整え、このマダガスカル産バニラを使用した製品の新ブランド「LA VANILLE T」(ラ・バニーユ・ティ)を立ち上げ、グループ全体のバニラブランドとしてグローバル規模での拡販と市場開拓を着実に行っております。国内では、技術の振興、発展を通して社会及び産業界への貢献にも努めております。当社社外取締役である野依良治氏が平成13年ノーベル化学賞を受賞されたことを記念して、平成15年より高砂香料国際賞「野依賞」を設けておりますが、第15回受賞者は京都大学の丸岡教授に決定し、平成29年2月16日に開催された有機合成化学協会第80回通常総会で佐藤幸蔵会長より賞状や楯、賞金が授与されました。こうした研究開発活動は、4つの事業部門毎に独自のシナジー効果を発揮すべく、地域の枠組みを越え横断的に取り組んでおります。平成27年度より開始した中期経営計画(GP-3)を念頭に、2020年の100周年での飛躍に向け、基盤研究の強化を着実に行ってまいります。当社グループにおける事業部門別の研究開発活動は、以下のとおりです。 ① フレーバー部門当部門は飲料用、製菓用、調理食品用、乳製品用等のフレーバーや食品素材の開発を行っております。特にコーヒー、茶系飲料用のフレーバー及び食品素材開発や乳製品用にマダガスカル産バニラを利用したフレーバー開発に力を入れており、調理食品向けには、加熱調理された食品の風味を追及した素材開発、粉末/乳化香料においては安定性、リリースコントロール等に注力して研究開発を進めております。一方、発酵法による新規天然フレーバー素材の開発や食品より分離精製した素材の開発などを通じ、抽出、分離、精製、濃縮における基礎技術の拡充を図り、フレーバーの多様化を推進してまいりました。また、「フードデザインセンター」では、香料や果汁などの食品素材を使用したアプリケーション開発機能を強化し、顧客との共同開発を積極的に行い、食のトータルプランナーとしての提案力向上を目指しております。海外での研究開発については、顧客の東南アジア、中国への進出にも即応するため、シンガポール、上海の研究体制も継続して強化しております。平成29年3月にはインドにも本格的な研究開発拠点を設け、これらの研究所ではアジアにおける市場の急速な動きに対応すべく、酵素反応を利用したフレーバーや風味増強素材において国内で培った開発技術の積極的な活用を通して、デイリー素材分野や果汁飲料分野での拡売を目指しております。また、食品への「ナチュラル素材」に対するニーズが高まっている欧州の研究所内にはVanilla Research Centerを設置するなどして天然香料素材の開発を推進しております。顧客や消費者の食品や香料への安全性を求める動きに対応して、平成24年1月に取得したFSSC22000を維持管理し、安全・安心な商品を提供すべく商品設計を行っております。 ② フレグランス部門当部門は調合香料事業における得意先ニーズに合った創香とアイデア提案による販売支援活動の徹底に力を注ぎ、化粧品香料をはじめ室内芳香剤、浴剤、シャンプー、洗剤、柔軟剤用香料等の創香研究とともに、原料の見直しを進めながら、香料を科学的側面から追求し、基材に対して安定な香料開発、高い残香性を持つ香料製剤や悪臭対策香料さらにはカプセル化香料の開発を行ってまいりました。そのほかにも、パーソナルケア素材としてヒト型光学活性セラミド、冷温感剤、抗菌活性や消臭効果を持つ素材など、新規化粧品関連機能性素材の開発に力を注いでまいりました。既に各国で導入されている自社開発の香料開発(依頼管理、処方エディター、ライブラリ管理、安全性と各種規制チェック)システムの刷新と改善を重ね、顧客対応のスピードアップ、データの拡充、共有化と標準化、法規対応及び安全性確保、グローバル対応等を推進してまいりました。グローバル化する得意先への対応としてミッションチームによる集中的アプローチや共同創香、共同評価方法の導入を行うなど、日米欧亜に拠点を持つフレグランス研究部門の協力により、スピードアップと密接化を図ってまいりました。同時に、消費者のニーズを的確に捉えるためのマーケティング部門の強化も行いました。また「においの生理、心理的効果」に関する研究分野では研究成果を官能評価や嗜好性調査に活用し、引き続き新商品開発への応用に取り組んでおります。 ③ アロマイングリディエンツ部門当部門は香料用新規素材の開発を中心に研究を行っておりますが、香料の天然らしさを追求するために、当社グループのコア技術である不斉合成技術の応用や、微生物発酵や酵素反応などの生化学的手法を導入し、天然香料中に存在する光学活性香料を選択的に合成する事によって、花の香りや果物の香りをより天然に近づけることに成功しており、Chiraroma®のコンセプトで展開しております。アロマケミカル研究所(平成27年7月にアロマイングリディエンツ研究所に改編)の設立により自社アロマイングリディエンツポートフォリオの更なる充実による、フレグランス及びフレーバー調合香料の差別化の推進、販売アロマイングリディエンツのラインナップの充実、大手マルチナショナル顧客への技術アピールと関係強化など、トップクラスのグローバル香料会社としての基盤強化を進めております。また、化学的に安定な香料化合物や少量で強い効果を持つ香料の開発、温感剤、冷感剤の開発など新しい機能を持つ化合物の開発を行ってまいりました。さらに、触媒反応を有効に活用したメントールを始めとするテルペン化合物の新規合成法の確立を目指した研究を行ってまいりました。 ④ ファインケミカル部門当部門は有機金属錯体触媒を用いた反応を駆使することで、光学活性医薬中間体プロセス開発をはじめ、電子写真感光体(OPC)の開発を行ってまいりました。すなわち、BINAPや自社で独自に開発したSEGPHOS®等の配位子を組み込んだ光学活性有機金属錯体触媒を有効活用し、フロー連続技術の導入も含め光学活性医薬中間体などの効率的製造法の開発に成功しております。高速な水素化反応用触媒RUCY®や高活性な水素移動型還元反応用触媒DENEB®、光学活性エステル化合物の還元触媒は、その適用範囲を広げる事にも成功しました。一方、配位子の設計技術を不斉合成以外の分野にも展開し、BRIDP®配位子を開発しております。これを用いたカップリング反応を応用して新規アリールアミノ化反応による電子写真感光体(OPC)の効率的製造法の開発にも成功しております。さらに、鈴木-宮浦カップリング反応を用いた医薬中間体合成への応用を行っております。また、不斉合成反応を開発する上で欠かせない新規不斉合成用触媒の探索研究を引き続き行ってまいりました。さらに、光学活性有機金属錯体や配位子であるDENEB®、BINAP類、SEGPHOS®類、BRIDP®類は自社内で使用するだけでなく顧客への販売も行っております。 研究開発活動は神奈川県平塚市を中心とする当社の研究開発全部門279名のスタッフと、米州、欧州、アジア各地の海外子会社の研究所528名及び国内子会社の研究所3名のスタッフとの連携で行ってまいりました。また、当社グループの研究開発費は、日本5,286百万円、海外6,376百万円の総額11,662百万円であります。
FY2016|3,640 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、中期経営計画『NEW TAKASAGO GLOBAL PLAN (GP-3)』(2015-2017年度)に則り、グローバルマーケットを視野において、飲料、食品用香料及び香粧品香料の開発を進めるとともに香料周辺科学に関する研究活動や医薬中間体や工業薬品関連製品、機能性材料の開発研究を行ってまいりました。また、研究開発及び他部門間の共同作業によるプロジェクト化、集中化を推進し、差別化技術の強化を図るとともに研究開発活動の効率化と企業化、グローバル化のスピードアップを図ってまいりました。グローバルでは、各国の市場特性に合ったビジネス展開を図るためのGSPC(Global Strategy Planning Committee)機能と連携しながら、市場からの要求に応える新商品の開発及び今後の市場をにらんだ次世代新技術の開発に取り組んでおります。今後のグローバル戦略として、平成23年7月よりアロマケミカル研究所(平成27年7月よりアロマイングリディエンツ研究所に組織改編)を設立し、ニューアロマイングリディエンツとナチュラルイングリディエンツの開発を強化しております。さらには平成25年5月にTakasago Madagascar S.A.を設立し、バニラのエキストラクトを安定供給できる体制を整え、このマダガスカル産バニラを使用した製品の新ブランド「LA VANILLE T」(ラ・バニーユ・ティ)を立ち上げ、グループ全体のバニラブランドとしてグローバル規模での拡販と市場開拓を行ってまいります。国内では、技術の振興、発展を通して社会及び産業界への貢献にも努めています。当社社外取締役である野依良治氏が平成13年ノーベル化学賞を受賞されたことを記念して、平成15年より高砂香料国際賞「野依賞」を設けておりますが、第14回受賞者はカリフォルニア大学アーバイン校のラリー オーバーマン教授に決定し、平成28年2月18日に開催された有機合成化学協会第79回通常総会で佐藤幸蔵会長より賞状や楯、賞金が授与されました。こうした研究開発活動は、4つの事業部門毎に独自のシナジー効果を発揮すべく、地域の枠組みを越え横断的に取り組んでおります。今後は、平成27年度より開始した中期経営計画(GP-3)を念頭に、2020年の100周年での飛躍に向け、基盤研究の強化を着実に行ってまいります。当社グループにおける事業部門別の研究開発活動は、以下のとおりです。 ① フレーバー部門当部門は飲料用、製菓用、調理食品用、乳製品用等のフレーバーや食品素材の開発を行っております。特に当期はコーヒー、茶系飲料用のフレーバー及び食品素材開発や乳製品用にマダガスカル産バニラを利用したフレーバー開発に力を入れてまいりました。調理食品向けには、加熱調理された食品の風味を追及した素材開発、粉末、乳化香料においては安定性、リリースコントロール等に注力して研究開発を進めております。一方、発酵法による新規天然フレーバー素材の開発や食品より分離精製した素材の開発などを通じ、抽出、分離、精製、濃縮における基礎技術の拡充を図り、フレーバーの多様化を推進してまいりました。また、「フードデザインセンター」では、香料や果汁などの食品素材を使用したアプリケーション開発機能を強化し、顧客との共同開発を積極的に行い、食のトータルプランナーとしての提案力向上を目指しております。海外での研究開発については、顧客の東南アジア、中国への進出にも即応するため、シンガポール、上海の研究体制も継続して強化しております。これらの研究所ではアジアにおける市場の急速な動きに対応すべく、酵素反応を利用したフレーバーや風味増強素材において国内で培った開発技術の積極的な活用を通して、デイリー素材分野や果汁飲料分野での拡売を目指しております。また、食品への「ナチュラル素材」に対するニーズが高まっている欧州の研究所内に新たにVanilla Research Centerを開設するなどして天然香料素材の開発を推進しております。顧客や消費者の食品や香料への安全性を求める動きに対応して、平成24年1月に取得したFSSC22000を維持管理し、安全・安心な商品を提供すべく商品設計を行っております。 ② フレグランス部門当部門は調合香料事業における得意先ニーズに合った創香とアイデア提案による販売支援活動の徹底に力を注ぎ、化粧品香料をはじめ室内芳香剤、浴剤、シャンプー、洗剤、柔軟剤用香料等の創香研究とともに、原料の見直しを進めながら、香料を科学的側面から追求し、基材に対して安定な香料開発、高い残香性を持つ香料製剤や悪臭対策香料さらにはカプセル化香料の開発を行ってまいりました。そのほかにも、冷温感剤、抗菌活性や消臭効果を持つ素材など、新規化粧品関連機能性素材の開発に力を注いでまいりました。既に各国で導入されている自社開発の香料開発(依頼管理、処方エディター、ライブラリ管理、安全性と各種規制チェック)システムの刷新と改善を重ね、顧客対応のスピードアップ、データの拡充、共有化と標準化、法規対応及び安全性確保、グローバル対応等を推進してまいりました。グローバル化する得意先への対応としてミッションチームによる集中的アプローチや共同創香、共同評価方法の導入を行うなど、日米欧亜に拠点を持つフレグランス研究部門の協力により、スピードアップと密接化を図ってまいりました。同時に、消費者のニーズを的確に捉えるためのマーケティング部門の強化も行いました。また「においの生理、心理的効果」に関する研究分野では研究成果を官能評価や嗜好性調査に活用し、引き続き新商品開発への応用に取り組んでおります。 ③ アロマイングリディエンツ部門当部門は香料用新規素材の開発を中心に研究を行っておりますが、香料の天然らしさを追求するために、当社グループのコア技術である不斉合成技術の応用や、微生物発酵や酵素反応などの生化学的手法を導入し、天然香料中に存在する光学活性香料を選択的に合成する事によって、花の香りや果物の香りをより天然に近づけることに成功しており、Chiraroma®のコンセプトで展開しております。アロマケミカル研究所(平成27年7月にアロマイングリディエンツ研究所に改編)の設立により自社アロマイングリディエンツポートフォリオの更なる充実による、フレグランスおよびフレーバー調合香料の差別化の推進、販売アロマイングリディエンツのラインナップの充実、大手マルチナショナル顧客への技術アピールと関係強化など、トップクラスのグローバル香料会社としての基盤強化を進めております。また、化学的に安定な香料化合物や少量で強い効果を持つ香料の開発、温感剤、冷感剤の開発など新しい機能を持つ化合物の開発を行ってまいりました。さらに、触媒反応を有効に活用したメントールを始めとするテルペン化合物の新規合成法の確立を目指した研究を行ってまいりました。 ④ ファインケミカル部門当部門は有機金属錯体触媒を用いた反応を駆使することで、光学活性医薬中間体プロセス開発をはじめ、電子写真感光体(OPC)の開発を行ってまいりました。すなわち、BINAPや自社で独自に開発したSEGPHOS®等の配位子を組み込んだ光学活性有機金属錯体触媒を有効活用し、フロー連続技術の導入も含め光学活性医薬中間体などの効率的製造法の開発に成功しております。最近では高速な水素化反応用触媒RUCY®や高活性な水素移動型還元反応用触媒DENEB®の開発に成功しております。また、光学活性エステル化合物の触媒的還元反応の開発に成功し、より効率的な光学活性アルコール類を合成できるようになりました。一方、配位子の設計技術を不斉合成以外の分野にも展開し、BRIDP®配位子を開発しております。これを用いたカップリング反応を応用して新規アリールアミノ化反応による電子写真感光体(OPC)の効率的製造法の開発にも成功しております。さらに、鈴木-宮浦カップリング反応を用いた医薬中間体合成への応用を行っております。また、不斉合成反応を開発する上で欠かせない新規不斉合成用触媒の探索研究を引き続き行ってまいりました。さらに、光学活性有機金属錯体や配位子であるDENEB®、BINAP類、SEGPHOS®類、BRIDP®類は自社内で使用するだけでなく顧客への販売も行っております。 研究開発活動は神奈川県平塚市を中心とする当社の研究開発全部門275名のスタッフと、米州、欧州、アジア各地の海外子会社の研究所506名及び国内子会社の研究所5名のスタッフとの連携で行ってまいりました。また、当社グループの研究開発費は、日本4,926百万円、海外6,832百万円の総額11,759百万円であります。