4914

高砂香料工業(4914)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 香料の製造販売
    高砂香料工業は、フレーバー(食品香料)、フレグランス(香水・化粧品香料)、アロマイングリディエンツ(香料素材)、ファインケミカル(医薬品中間体など精密化学品)の4つの事業を柱としています。これらを製造し、国内外の様々な企業に販売することで収益を得ています。例えば、飲料や菓子に使われる味の香料、洗剤や化粧品に使われる香りの香料、さらには医薬品の原料となる化学品まで幅広く手掛けています。
  • グローバルな事業展開
    日本だけでなく、米州、欧州、アジアといった世界各地に子会社や関連会社を持ち、それぞれの地域で香料事業を展開しています。これにより、特定の地域に依存せず、世界中の多様な顧客ニーズに対応できる体制を構築しています。各地域で現地の嗜好や規制に合わせた製品を提供することで、安定的な収益基盤を築いています。
  • 研究開発と関連事業
    香料事業の製造・販売に加え、各事業に関連する研究活動も積極的に行っています。新しい香料の開発や既存製品の改良を通じて、競争力を維持・強化しています。また、不動産賃貸などのその他の活動も展開しており、事業の多角化により収益源を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本事業
    売上高735.52億円、営業利益44.78億円で、グループ全体の売上・利益の大きな部分を占める主要な地域です。フレーバー、フレグランス、アロマイングリディエンツ、ファインケミカルの全事業を展開し、不動産賃貸などのその他事業も行っています。多くの国内子会社がこの地域に属し、多様な製品を供給しています。
  • 米州事業
    売上高665.35億円、営業利益25.82億円で、日本に次ぐ規模の市場です。フレーバー、フレグランス、アロマイングリディエンツ、ファインケミカルの香料事業全般を手掛けており、北米から中南米まで広範な地域をカバーしています。Takasago International Corporation (U.S.A.)などが主要な会社として事業を推進しています。
  • アジア事業
    売上高497.94億円、営業利益49.49億円で、売上規模は欧州を上回り、営業利益は全地域で最も高い収益性を示しています。シンガポール、インド、インドネシア、中国などに拠点を持ち、フレーバー、フレグランス、アロマイングリディエンツの事業を展開しています。経済成長が著しいアジア地域での需要を取り込み、高い利益率を達成していると考えられます。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 736 45 6.1%
Americas 地域 665 26 3.9%
Europe 地域 393 25 6.2%
Asia 地域 498 49 9.9%
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FY2025|1,764 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社39社及び関連会社1社で構成され、フレーバー、フレグランス、アロマイングリディエンツ、ファインケミカルの製造・販売を主な事業内容として、さらに各事業に関連する研究及び不動産賃貸、その他の活動を展開しております。各地域、各事業における当社及び関係会社の位置付け等は次のとおりであります。 地域事業事業のセグメント(注)主な会社日本香料事業フレーバー当社、株式会社高砂ケミカル、高砂スパイス株式会社、高栄産業株式会社、高砂珈琲株式会社、高砂フードプロダクツ株式会社、株式会社高砂アロマス、株式会社高砂インターナショナルコーポレーション、南海果工株式会社、高砂香料西日本工場株式会社フレグランスアロマイングリディエンツファインケミカルその他の事業不動産賃貸、他サービス業当社、他2社米州香料事業フレーバーTakasago International Corporation (U.S.A.)、Takasago de Mexico S.A.de C.V.、Takasago Fragrâncias E Aromas Ltda.、他1社フレグランスアロマイングリディエンツファインケミカル欧州香料事業フレーバーTakasago Europe Perfumery Laboratory S.A.R.L.、Takasago Europe G.m.b.H.、Takasago International Chemicals (Europe), S.A.、他8社フレグランスアロマイングリディエンツアジア香料事業フレーバーTakasago International (Singapore) Pte. Ltd.、Takasago International(India)Pvt. Ltd.、PT.Takasago International Indonesia、上海高砂・鑑臣香料有限公司、上海高砂香料有限公司、高砂香料(広州)有限公司、他7社フレグランスアロマイングリディエンツ (注)香料事業における事業内容及び品目は以下のとおりであります。<フレーバー>飲料、アイスクリーム等の冷菓、菓子(キャンディー、ガム、焼き菓子等)、調理加工食品(冷凍食品、スープ、調味料等)等に使用されるフレーバー、天然香料、その他加工用食品素材(コーヒーエキス、果汁等)、その他の食品添加物及びその関連商品<フレグランス>衣料用洗剤・柔軟剤、香粧品、芳香剤等に使用される香料及びその関連商品<アロマイングリディエンツ>メントール、ムスク等の香料素材<ファインケミカル>医薬品中間体、触媒と有機電子材料等の精密化学品   事業系統図は、次のとおりであります。 (注)1.会社名は書面の都合上、略称にて記載しております。Takasago International Corporation (U.S.A.)…………TIC(USA)Takasago de Mexico S.A. de C.V.…………………………TDMTakasago Fragrâncias E Aromas Ltda.……………………TBRTakasago Europe Perfumery Laboratory S.A.R.L.………TEPLTakasago Europe G.m.b.H. …………………………………TEGTakasago International Chemicals (Europe), S.A.……TICSATakasago International (Singapore) Pte. Ltd. ………TISTakasago International(India)Pvt. Ltd. ……………TIIPT.Takasago International Indonesia……………………PTTID上海高砂・鑑臣香料有限公司 ………………………………STU上海高砂香料有限公司 ………………………………………STY高砂香料(広州)有限公司 …………………………………TIG2.持分法適用の非連結子会社のTakasago de Centroamerica S.A.は休眠会社であり、重要性が乏しいため記載を省略しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
独自性を活かした製品開発による付加価値の提供及び競合他社比優位となるような商品・差別化されたサービスの提供
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
先端科学による競争力のある新たな技術の創成及び実用化、新規技術の特許対応など知的財産戦略の実行
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:気候変動に係るリスク / 原料調達に係るリスク / グローバル事業展開に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

高砂香料工業は、長年にわたり培ってきた香料開発技術とノウハウを基盤とした独自の調香技術を持つ。特に、食品、香粧品、ファインケミカル分野で、顧客のニーズに応じたユニークな香りを開発・提供する能力は、模倣が困難な無形資産と言える。研究開発への継続的な投資もブランド価値向上に寄与。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

食品メーカーや香粧品メーカーは、香料メーカーを変更すると、製品の風味や香りのイメージを維持するために、製品開発プロセス全体の見直しや再度の安全性試験などが必要となる場合がある。このため、既存の取引関係は一定のスイッチング・コストを生む可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果は、プラットフォーム型ビジネスやSNSのように、ユーザー数の増加がサービス価値を向上させる場合に顕著に見られる。高砂香料工業のビジネスモデルには、このようなネットワーク効果は直接的には見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

香料原料の調達や製造プロセスにおいて、一定の規模の経済や効率化は存在する可能性があるが、競合他社と比較して構造的なコスト優位性を確立しているという明確な証拠は少ない。原料価格の変動リスクは存在する。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

香料業界は、大手グローバル企業が一定のシェアを占める一方、ニッチな分野では専門性の高い企業も存在する。高砂香料工業は、日本国内およびアジア市場において一定のプレゼンスを持つが、グローバルな規模の経済においては、一部の巨大企業に比べて劣後する可能性がある。

  • 幅広い製品ポートフォリオ
    フレーバー、フレグランス、アロマイングリディエンツ、ファインケミカルという多岐にわたる製品群を持つことで、特定の市場変動リスクを分散し、安定した事業運営を可能にしています。例えば、食品市場のトレンド変化だけでなく、化粧品や医薬品市場の需要も取り込むことができます。
  • グローバルな生産・販売網
    日本、米州、欧州、アジアにまたがる広範な事業拠点を持ち、地域ごとのニーズに合わせた製品供給と販売戦略を展開しています。これにより、世界中の顧客に対して迅速かつ柔軟に対応できる体制を構築しており、国際的な競争力を高めています。
  • 多様な顧客層への対応
    飲料、菓子、調理加工食品から、衣料用洗剤、香粧品、芳香剤、さらには医薬品中間体まで、非常に幅広い業界の顧客に製品を提供しています。これにより、特定の業界の景気変動に左右されにくい、安定した収益構造を築いていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

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経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、企業理念「香りを原点とする革新的な技術を通して、新しい価値を創造し続ける」を基に、全従業員が共感し目指すことのできる、2040年の当社グループの「ありたい姿」として「Vision 2040」を定めております。「Vision 2040」は「人にやさしく、環境にやさしく」をスローガンとしており、企業としての姿勢、社員としての姿勢を示す4つの理想像を挙げております。 「Vision 2040」人にやさしく、環境にやさしく1. 多様な価値観を尊重する2. 自然と共生し、人々の生活に彩りを与える3. 夢と誇りを持って未知の世界へ挑戦する4. 常に高い技術を追求する、かけがえのない会社 この「Vision 2040」の下、社会価値と経済価値を創出し続ける企業グループとなるため、2024年度より中期経営計画「New Global Plan-2(NGP-2)」において3つの基本方針を定め、それに沿った経営を推進しております。 中期経営計画における骨子は次のとおりであります。 NGP-2 3つの基本方針・ 海外の成長・ 国内の収益性改善・ サステナブルな経営 海外での売上高は年々増加傾向にあり、利益面においてもグループ業績全体を支えております。2024年度における海外の香料市場は堅調に伸長し、米州・アジアのフレーバー、欧州のフレグランスの売上高は計画を上回り伸長しました。また、欧米向け医薬品中間体においても出荷が増加しました。事業軸による成長戦略や競争力のある技術を通じて新規顧客やビジネスの拡大へとつなげるとともに、サプライチェーンの最適化を図ることで、引き続き海外の成長を目指してまいります。 2024年度における日本国内の業績は、医薬品中間体の輸出増加や製品構成の最適化を通じて計画を上回り改善しました。フレーバー・フレグランス事業の収益性においても一定の改善がみられたものの、引き続き課題があります。この問題に対応すべく、製品ポートフォリオの適正化、新領域の開拓、費用構造改革などの施策に注力し、日本国内の収益性改善を図ります。 当社グループの持続的な成長や中長期的な企業価値の向上を果たすためには、社会・環境への貢献とともに経営の持続性が重要であると考えております。2021年度より推進しているSustainability2030の実行を通じて社会的課題の解決に取り組むとともに、Vision 2040 に沿った人的資本の価値最大化や業務遂行力の向上により経営基盤の更なる強化を図り、サステナブルな経営を推進してまいります。 NGP-2 3つの基本方針におけるKey Success Factors 各基本方針における重要成功要因として、Key Success Factorsを設定しています。基本方針のもとで、当社が取り組んでいる課題や方向性をステークホルダーに示すとともに、業務との関係性を当社グループの全社員で共有しております。各Key Success Factorsに関連する施策とKPIを設定し、進捗管理を着実に実施してまいります。NGP-2の2年目にあたる2025年度は、初年度の進捗状況を踏まえ、加速度的に施策を進めてまいります。 海外の成長・ 事業軸の成長戦略・ 新規顧客の開拓・ 売上総利益の拡大・ 海外サプライチェーンの最適化・ 先端科学による競争力のある技術の創成 国内の収益性改善・ 売上総利益の最適化・ 費用の構造改革・ 新領域の開拓・ フレーバー・フレグランス製品生産効率性の追求・ 合成事業生産体制の再構築・ 国内サプライチェーンの最適化・ 先端科学による競争力のある技術の創成 サステナブルな経営・ Sustainability2030の実行・ コーポレート基盤の強化・ 人的資本の価値最大化・ 業務遂行力の向上・ SDGsへの貢献を意識した製品の開発
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、企業理念「香りを原点とする革新的な技術を通して、新しい価値を創造し続ける」を基に、全従業員が共感し目指すことのできる、2040年の当社グループの「ありたい姿」として「Vision 2040」を定めております。「Vision 2040」は「人にやさしく、環境にやさしく」をスローガンとしており、企業としての姿勢、社員としての姿勢を示す4つの理想像を挙げております。 「Vision 2040」人にやさしく、環境にやさしく1. 多様な価値観を尊重する2. 自然と共生し、人々の生活に彩りを与える3. 夢と誇りを持って未知の世界へ挑戦する4. 常に高い技術を追求する、かけがえのない会社 この「Vision 2040」の下、社会価値と経済価値を創出し続ける企業グループとなるため、2024年度より中期経営計画「New Global Plan-2(NGP-2)」において3つの基本方針を定め、それに沿った経営を推進しております。 中期経営計画における骨子は次のとおりであります。 NGP-2 3つの基本方針・ 海外の成長・ 国内の収益性改善・ サステナブルな経営 海外での売上高は年々増加傾向にあり、利益面においてもグループ業績全体を支えております。2024年度における海外の香料市場は堅調に伸長し、米州・アジアのフレーバー、欧州のフレグランスの売上高は計画を上回り伸長しました。また、欧米向け医薬品中間体においても出荷が増加しました。事業軸による成長戦略や競争力のある技術を通じて新規顧客やビジネスの拡大へとつなげるとともに、サプライチェーンの最適化を図ることで、引き続き海外の成長を目指してまいります。 2024年度における日本国内の業績は、医薬品中間体の輸出増加や製品構成の最適化を通じて計画を上回り改善しました。フレーバー・フレグランス事業の収益性においても一定の改善がみられたものの、引き続き課題があります。この問題に対応すべく、製品ポートフォリオの適正化、新領域の開拓、費用構造改革などの施策に注力し、日本国内の収益性改善を図ります。 当社グループの持続的な成長や中長期的な企業価値の向上を果たすためには、社会・環境への貢献とともに経営の持続性が重要であると考えております。2021年度より推進しているSustainability2030の実行を通じて社会的課題の解決に取り組むとともに、Vision 2040 に沿った人的資本の価値最大化や業務遂行力の向上により経営基盤の更なる強化を図り、サステナブルな経営を推進してまいります。 NGP-2 3つの基本方針におけるKey Success Factors 各基本方針における重要成功要因として、Key Success Factorsを設定しています。基本方針のもとで、当社が取り組んでいる課題や方向性をステークホルダーに示すとともに、業務との関係性を当社グループの全社員で共有しております。各Key Success Factorsに関連する施策とKPIを設定し、進捗管理を着実に実施してまいります。NGP-2の2年目にあたる2025年度は、初年度の進捗状況を踏まえ、加速度的に施策を進めてまいります。 海外の成長・ 事業軸の成長戦略・ 新規顧客の開拓・ 売上総利益の拡大・ 海外サプライチェーンの最適化・ 先端科学による競争力のある技術の創成 国内の収益性改善・ 売上総利益の最適化・ 費用の構造改革・ 新領域の開拓・ フレーバー・フレグランス製品生産効率性の追求・ 合成事業生産体制の再構築・ 国内サプライチェーンの最適化・ 先端科学による競争力のある技術の創成 サステナブルな経営・ Sustainability2030の実行・ コーポレート基盤の強化・ 人的資本の価値最大化・ 業務遂行力の向上・ SDGsへの貢献を意識した製品の開発
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当社グループは「人にやさしく、環境にやさしく」をスローガンとする『Vision 2040』のもと、中期経営計画『New Global Plan-2(NGP-2)』(2024-2026年度)を推進してまいりました。  (経営成績の状況)当連結会計年度の売上高は、前期比17.0%増の229,207百万円となりました。部門別売上高では、フレーバー部門は、米国子会社において飲料向け等が堅調に推移したことで、前期比9.8%増の119,834百万円、フレグランス部門は、米国子会社において、出荷調整の状況が改善し、前期比18.8%増の74,471百万円、アロマイングリディエンツ部門は、スペシャリティ品が好調に推移し、前期比20.7%増の15,672百万円、ファインケミカル部門は、医薬品中間体等が好調に推移し、前期比84.0%増の17,820百万円となりました。その他不動産部門は、前期比0.1%減の1,408百万円となりました。利益面では、営業利益は前期比562.4%増の15,341百万円、経常利益は前期比225.3%増の15,311百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比393.8%増の13,325百万円となりました。セグメントにつきましては、日本は、当社のフレーバー部門において飲料向け等が堅調に推移し、売上高は73,552百万円(前期比1.7%増)となり、アロマイングリディエンツ部門での製品構成の最適化やファインケミカル部門でのセグメント間の内部売上高増加を主因として利益率が改善し、営業利益は4,478百万円(前期比229.5%増)となりました。米州は、前期末に米国子会社で新基幹システム導入に伴い発生した出荷調整の状況が概ね改善した他、製品構成・販売価格・原材料の最適化を通じて売上総利益が改善したことにより、売上高は66,535百万円(前期比32.2%増)、営業利益は2,582百万円(前期比1,514.5%増)となりました。欧州は、フランス子会社及びドイツ子会社等が好調に推移し、売上高は39,324百万円(前期比18.2%増)となりました。製品構成・販売価格・原材料の最適化を通じて売上総利益が改善したことにより、営業利益は2,455百万円(前期は営業損失1,247百万円)となりました。アジアは、シンガポール子会社及びインドネシア子会社等が好調に推移したことにより、売上高は49,794百万円(前期比24.5%増)、営業利益は4,949百万円(前期比122.9%増)となりました。  (財政状態の状況)総資産は、前連結会計年度末と比較して33,746百万円増加し、262,174百万円となりました。主なものは、現金及び預金の増加17,256百万円、売掛金の増加5,257百万円であります。負債は、前連結会計年度末と比較して18,232百万円増加し、115,779百万円となりました。主なものは、短期借入金の増加8,033百万円であります。純資産は、前連結会計年度末と比較して15,514百万円増加し、146,394百万円となりました。主なものは、利益剰余金の増加11,094百万円、為替換算調整勘定の増加5,341百万円であります。以上により、自己資本比率は56.5%から55.0%に減少いたしました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より17,251百万円増加し(前期は3,364百万円の増加)、35,585百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の増加は、18,922百万円(前期は10,011百万円の増加)となりました。主なものは、棚卸資産の増加3,786百万円であった一方、税金等調整前当期純利益17,690百万円、減価償却費8,114百万円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の流出は、9,127百万円(前期は6,818百万円の流出)となりました。主なものは、有形固定資産の取得による支出11,302百万円であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の増加は、6,882百万円(前期は453百万円の流出)となりました。主なものは、長期借入金による収入12,800百万円、短期借入金の純増加額6,789百万円であった一方、長期借入金の返済による支出9,808百万円、配当金の支払額2,236百万円であります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)日本66,03311.4米州49,17122.5欧州41,40819.6アジア49,19430.3合計205,80719.8 (注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b. 受注実績当社グループは、受注生産の規模は小さいため、受注実績は記載しておりません。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)日本73,5521.7米州66,53532.2欧州39,32418.2アジア49,79424.5合計229,20717.0 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.当社グループの当連結会計年度の経営成績等当社グループは、2024年度より中期経営計画『New Global Plan-2(NGP-2)』(2024-2026年度)(以下『NGP-2』という。)に取り組んでまいりました。『NGP-2』においては、3つの基本方針及び重要成功要因(Key Success Factors)を定め、連結売上高及び連結営業利益等の数値目標を設定し、着実かつ確実な達成を目指してまいりました。 『NGP-2』の初年度である当連結会計年度の売上高は、前期比17.0%増(為替の影響を除くと前期比11.7%増)の229,207百万円となりました。フレーバー部門では、米州及びアジアにおいて飲料用香料等が好調に推移いたしました。フレグランス部門では、米州のエアケア、欧州のファインフレグランス、アジアのファブリックケア向け香料等が好調に推移いたしました。アロマイングリディエンツ部門では、当社のスペシャリティ品関連が好調に推移いたしました。ファインケミカル部門では、欧米向け医薬品中間体が好調に推移いたしました。利益面では、営業利益は前期比562.4%増(為替の影響を除くと前期比538.2%増)の15,341百万円となりました。増収の他、製品構成・販売価格・原材料の最適化を通じて売上総利益が改善いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比393.8%増の13,325百万円となりました。セグメントにつきましては、日本では、フレーバー部門において飲料向け等が堅調に推移した他、ファインケミカル部門において、米国子会社を経由している医薬品中間体が好調に推移し、増収となりました。米州では、前期末に米国子会社で新基幹システム導入に伴い発生した出荷調整が概ね改善した他、ファインケミカル部門において医薬品中間体が好調に推移し、増収となりました。欧州では、フレーバー部門において、アフリカ市場向けセイボリーが好調に推移した他、フレグランス部門において、ファブリックケア、ファインフレグランス関連が好調に推移し、増収となりました。アジアでは、フレーバー部門において、注力カテゴリーである飲料部門が好調に推移した他、フレグランス部門でも新規製品獲得等により好調に推移いたしました。なお、当連結会計年度の期中平均為替レートは、1ドルは152円と前期比で11円の円安、1ユーロは164円と前期比で12円の円安で推移したため、海外売上高の押し上げ要因となっております。国内売上高は73,552百万円、海外売上高は155,655百万円、海外売上比率は68%となっております。 b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの状況)キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 (資金需要)当社グループにおける主な資金需要は、設備投資資金、運転資金、借入の返済及び利息の支払、配当金の支払並びに法人税の支払であります。 (資金の源泉) 当社グループは、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入等を資金の源泉としております。なお、当連結会計年度末における長期借入金等の年度別返済予定額は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑤連結附属明細表 借入金等明細表」に記載のとおりであります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 気候変動による影響
    地球温暖化に伴う環境規制の強化や新たな環境税の導入、異常気象による天然原料の供給不安定化や価格高騰は、事業コストの増加や収益性の悪化につながる可能性があります。例えば、香料の原料となる植物の生育不良などが挙げられます。
  • 原料調達の不安定性
    世界経済の変動、異常気象、為替変動、地政学的リスクなどにより、天然原料を含む様々な原料の価格が高騰したり、サプライチェーンが分断されたりする可能性があります。これにより、計画通りの利益が得られなかったり、製品供給に支障が出たりする恐れがあります。
  • グローバル事業展開のリスク
    事業を展開する各国での法律・規制・税制の変更、テロや戦争などの政治的・経済的混乱、感染症の蔓延といった社会的混乱は、現地の生産活動や販売活動に大きな影響を及ぼし、業績悪化につながる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,999 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、重要項目ごとに以下のようなものがあります。ただし、全てのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するための様々な対応及び仕組み作りを行っております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 リスク項目関連するリスク主要な取組み気候変動に係るリスク・当社グループが事業展開する各国において、気候変動に起因する環境規制、新たな環境税等の賦課や、得意先からの環境に関する要求に対応できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性・温室効果ガスによる地球温暖化が引き起こす気候の変動ないし極端現象、あるいは不規則周期に訪れる天候不順が当社にとって重要な天然原料の供給に影響を及ぼし、原料価格の高騰を招く可能性・当社グループは、Vision 2040「人にやさしく、環境にやさしく」を掲げ、気候変動をサステナビリティ経営上の最重要課題の一つと認識。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明し、提言に沿った気候変動に関する戦略と情報開示を拡充・外部機関との連携、情報収集を推進。温室効果ガスに関しては、Science Based Targets initiative (SBTi)基準に則った目標を設定し、達成に向け排出量削減の取組みを推進・再生可能原料を活用したグリーンケミストリーを中心に、環境に適応した生産プロセス及び製品の開発を推進・各事業所において、省エネ活動や再生可能エネルギー導入等を推進原料調達に係るリスク・世界景気、需給バランス、異常気象、為替変動、各国関税、インフレーション等の影響により、天然原料をはじめとする原料価格が高騰した場合、計画した利益を得られない可能性・中長期で調達した原料の市場価格急落により、計画した利益が得られない可能性・地政学的リスクや購入先の事故等によりサプライチェーンが分断され供給責任を果たせず経営成績に影響を及ぼす可能性・サプライヤーのコンプライアンス違反等サプライヤーリスクが顕在化した場合、当社グループの財務状況が悪影響を被る可能性・グループ内のネットワークを活用し、原料の互換性を高めると共に、複社購買等調達手段の多様化を推進・サプライヤーとの契約内容の見直しや協働によるリスクの低減・「高砂香料責任ある調達ポリシー」を制定し、ポリシーに基づいた調達活動を推進。さらに、持続可能で倫理的な調達を推進する外部イニシアチブに参加・サプライチェーンにおける人権デューディリジェンスを実施し、人権、労働、環境、腐敗防止の分野における調達活動のリスクと潜在的な影響を調査。悪影響を及ぼす可能性が確認された場合は改善計画を立て、サプライヤー等のステークホルダーと連携することにより是正 リスク項目関連するリスク主要な取組みグローバル事業展開に係るリスク・当社グループが事業展開する各国において、法律・規制・税制の大きな変化、テロ・戦争等の政治的・経済的混乱、感染症の蔓延等の社会的混乱などによる、現地の生産活動や販売活動へ影響を及ぼす可能性・当社グループの業務に関連する各国の政治・経済情勢や法規制の動向等に関する継続的な情報収集経済情勢・為替レートの変動に係るリスク・日本や海外の主要市場における景気の後退又は減速等の経済不振が当社グループの製品に対する需要に悪影響を及ぼす可能性・経済状況が低迷する場合、消費者が嗜好品等の買い控えを行う可能性・外貨建てで運営を行う海外連結子会社の比重が高くなることにより、為替レートの変動による円換算後の連結財務諸表が影響を受ける可能性・急激な為替の変動により経済の不確実性が高まり業績が不安定化する可能性・国や地域、事業ポートフォリオの拡充によるリスク分散・主要ビジネスの基盤を強化し、経済不振等に対する耐性を強化・為替変動を織り込んだ収益計画新製品の研究開発に係るリスク・新製品の開発が著しく遅延、あるいは研究テーマが実用化されない場合、競争力が低下し、当社グループの経営成績ならびに財政状態に悪影響を被る可能性・技術及び知的財産の陳腐化に伴う競合他社の参入により、既存製品の市場におけるシェアが縮小するリスク・外部研究機関、学術機関とのオープンイノベーション、AIの活用等を通じて多面的な研究開発を推進・先端科学による競争力のある新たな技術の創成及び実用化・海外研究開発拠点と国内の基礎研究部門の協働による効率的かつスピーディな研究開発の推進・新規技術の特許対応など知的財産戦略の実行・SDGsの課題解決に向け、グリーンケミストリーを念頭に置いた製品の開発、医薬品中間体の供給等持続可能な社会への貢献を通した企業価値の向上販売に係るリスク・競合他社の買収等による業界再編の影響により当社の相対的な優位性が低下する可能性・グローバル展開する得意先からのコアサプライヤー認定獲得競争により、業績に影響を及ぼす可能性・競合他社の参入により既存製品の市場シェアが低下する可能性・独自性を活かした製品開発による付加価値の提供及び競合他社比優位となるような商品・差別化されたサービスの提供・当社グループのグローバルリソースの最適配分に即した戦略の高度化・高い技術力を生かした競争優位性のあるスペシャリティの販売 リスク項目関連するリスク主要な取組み製品品質に係るリスク・重大な品質クレームやトラブル、製品に対する安全性や環境問題への懸念が生じた場合、リコールによる金銭的損失の他、得意先等ステークホルダーからの信用低下につながる可能性・原料調達先、自社工場・製造委託先の製造プロセスにおける不備により最終製品の品質に問題が生じた場合や関連法令が遵守されない場合、回収、販売停止等が生じ、製品が供給できなくなる可能性・製品関連法規を遵守した製品設計及び製造・高砂グループの品質方針に基づいた品質管理・特定の分野については、品質管理試験の実施とデータインテグリティ確保に努め、トレーサビリティを徹底・製造委託先や原料の取引先に対する品質管理・保証基準の設定、定期的な監査の実施・品質管理に関する従業員への研修を継続、製造現場での作業ルールを徹底・悪意ある異物混入、物流上の破損、誤出荷、ヒューマンエラーによる工程内不適合など多様な事象を想定し対策を策定、管理体制強化に注力災害・事故に係るリスク・パンデミック、自然災害、火災・爆発等の事故により事業活動に支障が生じる可能性・自社事業所において事故等が発生した場合、生産停止や販売停止等が生じ、製品が供給できなくなる可能性・当社グループだけでなく、原料サプライヤーにて発生した事故等により生産が減少し、原料価格の高騰を招く可能性・事故等への従業員の意識向上のための施策の実施及び災害の発生を想定した体制の整備・安定した操業を維持するための定期的な安全監査の実施・危機管理体制の整備及び適切な運営により事業の継続や早期復旧のためのグループ全体としての取組みを推進・原料調達における複社購買の推進や各種施策の実施によるリスクの軽減情報セキュリティ等システム運営に係るリスク・不正アクセスやコンピュータウイルスへの感染等によるデータ改ざん・消失、高度化するサイバー攻撃によりシステムの利用妨害や一時的障害が発生した場合、業務の停滞により業績及び財務状況に影響を与える可能性・当社グループの保有する企業情報及び個人情報の流出により問題が発生した場合は、社会的信頼の低下等により業績に影響を与える可能性・新システム導入時にシステム上の特有の問題や習熟度不足により、生産・販売等に遅延が生じる可能性・当社グループの情報システムに対する外部からの侵入を検知するシステムの導入など最先端技術によるITセキュリティの強化・標的型メールに対する訓練、定期的な情報セキュリティ研修の実施等継続的に社員教育を実施・新システム導入に際するトレーニングや習熟等の事前準備 リスク項目関連するリスク主要な取組み法令の遵守に係るリスク・現行法令の変更や新たな法令などが追加された場合、事業活動に制限、対応のための投資など、業績に影響を及ぼす可能性・関係法令の制定や改廃、規制の大幅な変更や強化等によるコンプライアンス違反により、行政処分を受けステークホルダーの信用を失うリスク・将来的に製品の品質、労働安全、環境保全、化学物質等事業活動に係る法的規制が強化され、新たな対策コストが発生する可能性・当社グループが事業展開する各国において、環境、化学物質、会計基準や税法、労務、商取引など様々な関連法令に従った業務の実行・国内外の法執行機関の運用状況に関する情報収集による法令遵守・法令等の改編の分析を踏まえた機動的対応・企業憲章及び行動規範の周知、及びコンプライアンスに関する定期的な社内研修の実施、各種ガイドライン・マニュアルの制定人材に係るリスク・グローバルに事業を展開する上で、様々な人種・国籍や文化を持つ従業員の多様性を尊重したダイバーシティ経営を行っているが、その人材の有機的な活用ができないリスク・またそれぞれの地域の事業に必要な資質、能力をもった人材を確保できないリスク・各国拠点間での人材の異動を積極的に推進することによるグローバル人材の育成・グローバルレベルでの人事異動による適材適所の推進・日本発、アジア発の唯一のグローバル香料会社という特徴を生かしたグローバル市場での人材確保

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