有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|8,397 文字
3 【事業等のリスク】 当社グループは、グループ全体のリスクマネジメントの基本方針及びリスクマネジメント体制を定めた「リスクマネジメント規程」に基づき、事業を取り巻く様々なリスクに対し、未然防止のための課題抽出とクライシス事案発生時の適切な対応を実施しており、特に重要項目については当社の社長を委員長とするESG委員会を設置し、審議及び対応方針を決定しております。 ESG委員会の活動は定期的に取締役会に報告され、取締役会により、グループ全体のリスクマネジメント活動の有効性を担保しております。また、監査役会にて内部統制の仕組みが適切に機能しているかを監査しております。 当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1)経済情勢・為替変動による業績への影響に係るリスク 当社グループは、世界の様々なマーケットにおいて製品及びサービスを提供しており、連結ベースでの海外売上高比率は当連結会計年度において約66%です。当社の連結財務諸表は世界中の各子会社の現地通貨ベースの業績を円換算して作成していることから、世界各地の経済情勢、とりわけ為替レートの変動は業績に大きく影響を及ぼすリスクがあります。 為替レートの変動が連結営業利益に与える影響は、米ドルに対して円が1円変動した場合は年間約10億円、ユーロに対して円が1円変動した場合は年間約8億円と試算しております。 当社グループでは、為替変動による業績への影響を軽減するため、米ドル、ユーロにおいて先物予約を中心としたヘッジを行う等で対策を行っておりますが、為替の変動の程度によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、設備投資に関わる建築資材や人件費及びエネルギー関連の費用、関税引き上げ等の経済情勢によって左右される費用の変動も、程度によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(2)ヘルスケア領域における環境変化・競合に係るリスク ヘルスケア領域においては、がんや希少疾患、新たな感染症等に対する治療・予防手段として、バイオ医薬品の需要が拡大しており、生産プロセスの開発や製造を受託するCDMO事業の市場規模は年率13%(当社推定)で成長していく一方で、医療制度改革による予測できない大規模な医療行政の方針変更や医療機器における法規制の強化、創薬難易度が高まる中での製薬企業における新薬開発の延期・中止や経営環境の変化、技術革新によるバイオ医薬品のプロセス開発・製造受託市場の競争激化等を主なリスクと考えております。その環境変化に対応できない場合や、事業活動に必要な各国の許認可を適時に取得することができない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、高度な画像処理技術・AI技術、化合物合成・設計力やナノテクノロジー、一定条件製造技術や品質管理技術を保有しているという競争優位性を活かして、今後も技術に裏付けされた新たな製品・サービスの研究開発と、これをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(3)エレクトロニクス領域における環境変化・競合に係るリスク エレクトロニクス領域においては、生成AI・ITインフラの発展やEV・自動運転の普及等により半導体産業が長期的に成長し、また車載用途等TV・モニター以外での液晶や有機EL向けディスプレイ材料の需要が拡大している一方で、資源価格高騰に伴う原材料費の高騰や、新技術の開発・実用化による代替素材との競争激化に加え、経済安全保障意識の高まりや経済ブロック化による原材料調達リスク及びサプライチェーンの混乱等を主なリスクとして考えております。 当社グループでは、機能性分子技術や高度な製膜・塗布技術等の先進・独自の技術を保有しているという競争優位性を活かして、今後も技術に裏付けされた新たな製品・サービスの研究開発とこれをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(4)ビジネスイノベーション領域における環境変化・競合に係るリスク ビジネスイノベーション領域においては、サイバー攻撃の脅威やリモートワークの普及等を背景にした、セキュリティ・ネットワーク等を強化したオフィス・ITインフラ環境の構築・運用支援ニーズが拡大し、オフィス業務のDX・生産性向上を実現するAIやクラウドを活用した業務ソリューション・サービス市場も拡大している一方で、ペーパーレス化の流れやリモートワークの普及によるオフィスでのプリントボリュームの長期的な減少傾向を主なリスクとして考えております。 当社グループでは、日本及びアジア・オセアニア地域における強固な直販体制を強みに構築した優良な顧客基盤、お客様の複雑化・多様化する経営課題の解決を支援できる強力な営業力、課題解決のためのソリューション・サービスのラインアップと、それを支えるドキュメント関連の独自技術、大手市場からSMB(Small to Medium Size Business)市場までの幅広いお客様との強固な信頼関係という競争優位性を活かしてまいりますが、こうした市場動向に対応した製品やサービスを提供できない場合、売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(5)イメージング領域における環境変化・競合に係るリスク イメージング領域においては、インスタントフォトシステムを始めとするプリントビジネスやデジタルカメラの需要拡大、映像の4K/8K化によるレンズ需要の増加や、需要が増加しているインフラ点検分野に貢献する新規ビジネス伸長等により事業機会が拡大している一方で、ハイエンドミラーレスデジタルカメラ市場の競争環境の激化、スマートフォンのカメラ性能向上によるデジタルカメラ需要の減少や、環境関連の法規制強化、地政学的リスク等によるサプライチェーンの混乱等をリスクとして考えております。 当社グループでは、入力(撮影)から出力(プリント)までのサービスを提供できる総合力や、高度な光学技術・精密加工・組立技術等を保有しているという競争優位性を活かして、ユーザーのニーズをとらえたイノベーティブな新たな製品・サービス等を提供してまいりますが、その成否によっては、製品販売単価の下落、代替製品の出現等による売上の減少、製品ライフサイクルの短縮化による研究開発コストの増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(6)生産活動に係るリスク 当社グループでの生産に必要な原材料・部品等について、急激な価格高騰や、自然災害又は人災、サプライヤーの不測な事態による製造中止等をリスクとして考えております。 当社グループでは、急激な原材料価格高騰時には適切な売価への反映を検討するとともに、製品開発及び量産化検討時において、代替材料の探索や可能な限り複数調達先の検討を行うことでリスク分散化の対策を行っておりますが、想定を上回る市況の変化や不測の事態が発生した場合には、収益性の低下や販売機会の消失等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(7)製品品質・製造物責任に係るリスク 当社グループは、厳しい品質管理基準に従い各種製品を生産しておりますが、将来にわたり製品に欠陥が発生する可能性がないとは言えず、重大な製品事故や製品に対する安全性や環境問題において懸念が発生するリスクがあります。 当社グループでは、新製品開発にあたっては、品質の到達度だけでなく、法規制を遵守し、環境・安全に配慮した製品開発を行うとともに、製品安全情報のお客様への周知や製品安全に関する従業員への教育を徹底する等の対策を図り、万一、製品事故等が発生した場合の体制構築等を整えておりますが、実際にこうした事態が発生した場合には、その対応費用が発生するだけでなく、企業ブランドや製品ブランドが毀損され当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)医薬品事業・再生医療事業に係るリスク 当社グループにおける一部のグループ会社では、医薬品及び再生医療等製品の研究開発及び製造販売を行っております。新規の医薬品及び再生医療等製品の開発・薬効追加等には多額の研究開発投資を行う必要があり、承認・販売までには長期間を要するとともに、研究開発が計画通りに進行せず、開発の遅延や中止等のリスクがあります。また、販売後に予期せぬ重大な副作用その他の安全性に関する問題が発生する可能性もあります。 当社グループでは、開発の不確実性のリスクに対しては、複数のパイプラインを保有することによりリスクの分散化を図っております。また、医薬品は開発段階において必要な安全性の試験を実施し、監督官庁の審査を経て承認されておりますが、万一、販売後に予期せぬ重大な副作用等が見つかった場合には、損害賠償の負担や社会的信頼の失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(9)物流に係るリスク 当社グループの事業活動において、原油価格の高騰等を原因とする運賃の高騰は、当社グループの物流コストの増加をもたらす可能性があります。また、地震・津波・洪水等の大規模災害の発生、ロシア・ウクライナ情勢緊迫化や国際的な政治・経済の状況等により、人的・物的被害や物流機能の麻痺、インフラ機能断絶等が生じ、当社グループの生産・販売活動に支障が生じるリスクがあります。 当社グループでは、生産拠点を複数の地域に分散化する等の対策を図り、不測の事態により一部の地域で生産・販売活動が停止した場合でも影響を軽減できるような体制をとっておりますが、完全に影響をゼロにすることはできず、こうした事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(10)特許及びその他の知的財産権に係るリスク 当社グループは、様々な特許、ノウハウ等の知的財産権を保有し、競争上の優位性を確保していますが、将来、特許の権利存続期間の満了や代替技術等の出現に伴って、優位性の確保が困難となることが起こり得ます。 当社グループが関連する幅広い事業分野においては、多数の企業が高度かつ複雑な技術を保有しており、また、かかる技術は著しい勢いで進歩しています。事業を展開する上で、他社の保有する特許やノウハウ等の知的財産権の使用が必要となるケースがありますが、このような知的財産権の使用に関する交渉が成立しないことのリスクがあります。 当社グループでは、他社の知的財産権の調査を行い、他社の権利を侵害することがないよう常に注意を払って事業展開をしておりますが、訴訟に巻き込まれるリスクを完全に回避することは困難であります。このような場合、係争費用や敗訴した場合の賠償金等の負担により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(11)企業買収・業務提携等に係るリスク 当社グループは、持続的な成長のため、これまでに複数の企業買収を実施しており、今後も実施する可能性があります。また、業務提携、合弁事業、戦略的投資といった様々な形態で、他社との関係を構築しております。これらの活動は、当社グループの成長のための施策として重要なものであります。 当社グループでは、企業買収にあたって慎重に検討を行い、一定の社内基準をもとに、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合のみ企業買収を実行するとともに、重要な投資案件に対しては業績が当初計画から大きく乖離していないかを確認し、必要に応じて業績改善のための対策を講じておりますが、景気動向の悪化や政情不安、法令や規則の変更、対象会社もしくはパートナーの業績不振、業務統合に想定以上の時間を要する等により、期待していた買収効果や利益を実現することができなくなる可能性があります。また、当社グループは、企業買収に伴う営業権及びその他の無形固定資産を貸借対照表に計上しておりますが、予測される将来キャッシュ・フローの低下により、投資に対する回収可能性が低下した場合には減損損失を認識することで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(12)人材の確保に係るリスク 当社グループの将来の経営成績は、有能な人材の継続的な会社への貢献に拠るところが大きく、それらの人材を採用・育成し、良好な関係を維持していくことが重要になります。一方、当社グループの事業領域での労働市場における人材獲得競争は、近年ますます激しさを増してきており、研究開発、製造、マーケティング及び販売、ICT、マネジメント分野等に関する高度な専門性を持った人材を確保していく必要がありますが、そのような人材には高い需要があり、必要な人材を確保できない可能性があります。 当社グループでは、人材を企業価値の源泉の一つと位置付け、社会の変化に対応し、自らイノベーションを起こすことのできるグローバル人材や基幹人材の育成に長期的な視点で注力するとともに、多様な人材が能力を発揮できる環境作りに努めておりますが、そうした人材が育成できなかった場合や社外に流出してしまった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(13)内部統制に係るリスク 当社グループは、財務報告の適正性と信頼性並びに業務の有効性と効率性を確保するため、内部統制体制を構築・整備し、運用するとともに、継続的な改善を図っています。また、「人権の尊重」を企業が果たすべき概念と認識し、自社及びビジネス・パートナーに対して、人権への悪影響の防止、軽減に努めております。しかしながら、想定外の問題が発生して内部統制が有効に機能しなかった場合、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動等、様々な要因により内部統制システムが適切に機能しない可能性があります。 当社グループでは、富士フイルムグループ企業行動憲章・行動規範を定め、法令及び社会倫理に則った活動、行動の徹底を図るとともに、当社グループ内外にコンプライアンスに関連した相談・連絡・通報を受ける窓口を設置して、違反行為の早期発見に努めております。また、内部監査体制を整え、自ら問題の早期発見を行っておりますが、このような対策が適切に機能しなかった場合、法令違反や当社グループの財務報告に関する投資家の信頼低下による当社株価の下落、当社グループの社会的信用の失墜により事業に悪影響が生じる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(14)情報システムに係るリスク 当社グループは、様々な情報システムを使用して業務を遂行しており、適切なシステム管理体制の構築やICT人材の確保、セキュリティ対策等を行っておりますが、サイバー攻撃等による不正アクセス、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動や、停電、災害等の要因により、データの改ざん、破壊、個人情報の漏洩、情報システムの障害、事業活動に支障をきたす等の事態が起こる可能性があります。 当社グループでは、ソフトウェアや機器によるセキュリティ対策の実施や、定期的に従業員への教育及び訓練を実施し、本件リスクが顕在化しないよう努めておりますが、万一、こうした事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(15)公的規制に係るリスク 当社グループが事業を展開している地域においては、事業・投資等の許認可、輸出入、通商、公正取引、知的財産、消費者保護、租税、為替管理、環境、薬事等の法規制の適用も受けており、万一、規制に抵触した場合、制裁金等が課される可能性があります。 当社グループでは、国内外の法的規制に関する情報収集を行うとともに、事業活動に係る法規制の遵守を徹底すべく各種ガイドライン・マニュアル等を制定し、定期的な従業員への教育等を通じてコンプライアンス徹底を図っておりますが、今後規制が強化・大幅な変更等なされた場合、当社グループの活動の制限や、規制遵守のため、あるいは規制内容の改廃に対応するためのコストが発生する等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(16)環境規制に係るリスク 当社グループは、気候変動対策、製品リサイクルを含む資源保全、有害物質の使用制限、土壌・地下水・大気汚染防止及び廃棄物処理等に関する様々な環境関連法令の適用を受けており、これらの規制により法的又は社会的責任の観点から、環境に関する費用負担や賠償責任が発生するリスクがあります。 当社グループでは、製品の企画・開発の段階から環境負荷の低減を考慮し、生産、物流、使用、リサイクル又は廃棄に至るライフサイクル全体を対象とし、CO2の排出削減、資源循環の促進、製品・化学物質の安全確保等に取り組んでおります。さらには、各事業場において環境マネジメントシステムを活用し、所在国・地域の法規制遵守、環境汚染の防止、化学物質の適正使用、生物多様性の保全を徹底しております。しかし、将来、環境に関する規制の厳格化や義務の拡大等の変化が生じた場合、あるいは社会的な環境意識の高まりに伴い当社グループが環境問題への取組みをより一層推進する場合には、かかる取組みへの支出の増加や、当社グループの事業活動への制限等を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(17)気候変動に係るリスク 気候変動に伴う移行リスクとして、今後各国・地域における脱炭素社会に向けた政策の強化、炭素排出に関連する法令等の改定・新規制定が想定外の短期間で実施された場合に、かかる取組みへの支出の増加や、当社グループの事業活動への制限等を受ける可能性があります。 当社グループは、パリ協定に代表される脱炭素社会への動き等、気候変動への対応に対して世界的に関心が高まるなか、いち早くその重要性を受け止め、1990年代から生産プロセスでエネルギー利用効率を高める活動を開始しました。現在も、「2030年度までに当社が使用するエネルギーによるCO2排出を50%削減(2019年度比)、2040年度までに当社が使用するエネルギーによるCO2排出実質ゼロ」を目標に掲げ、エネルギー利用効率の最大化及び再生可能エネルギーの導入・活用によるCO2排出削減を進めております。なお、2030年度の温室効果ガス(GHG)排出削減目標は、「Science Based Targets(SBT)イニシアチブ」より、パリ協定の「1.5℃目標」を達成するための科学的根拠に基づいた目標として認定されています。 さらに、当社グループは、2018年12月に「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明し同提言に則った情報開示を進めており、2019年4月には事業活動での100%再生可能なエネルギー利用を目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しております。 また、当社グループでは、気候変動が顕在化した場合の物理リスクへの対応として、調達・生産拠点の分散、BCP(事業継続計画)の策定等の対策を行っているものの、異常気象による原材料・部品の供給停止・価格高騰や、工場操業停止、サプライチェーンの寸断による製品サービスの中止等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(18)大規模災害・感染症等に係るリスク 当社グループは、世界各地で生産・販売等の事業活動を行っております。このため、地震、津波、洪水等の大規模な自然災害に見舞われた場合や、火災、テロ、戦争、感染症の蔓延といった要因により、事業活動に支障をきたすリスクがあります。 当社グループでは、自然災害が発生した際にいち早く従業員の安否を確認できるよう安否確認システムを導入するとともに、定期的に地震・火災に備えた訓練を実施しております。また、実際に災害が発生した際には早急に被災地の被害状況を把握した上で対策を講じられるように事業継続への影響を軽減できる体制を整えておりますが、事業活動の復旧までに長期の時間を要した場合や施設等の改修に多額の費用が発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2024|8,326 文字
3 【事業等のリスク】 当社グループは、グループ全体のリスクマネジメントの基本方針及びリスクマネジメント体制を定めた「リスクマネジメント規程」に基づき、事業を取り巻く様々なリスクに対し、未然防止のための課題抽出とクライシス事案発生時の適切な対応を実施しており、特に重要項目については当社の社長を委員長とするESG委員会を設置し、審議及び対応方針を決定しております。 ESG委員会の活動は定期的に取締役会に報告され、取締役会により、グループ全体のリスクマネジメント活動の有効性を担保しております。また、監査役会にて内部統制の仕組みが適切に機能しているかを監査しております。 当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1)経済情勢・為替変動による業績への影響に係るリスク 当社グループは、世界の様々なマーケットにおいて製品及びサービスを提供しており、連結ベースでの海外売上高比率は当連結会計年度において約65%です。当社の連結財務諸表は世界中の各子会社の現地通貨ベースの業績を円換算して作成していることから、世界各地の経済情勢、とりわけ為替レートの変動は業績に大きく影響を及ぼすリスクがあります。 為替レートの変動が連結営業利益に与える影響は、米ドルに対して円が1円変動した場合は年間約10億円、ユーロに対して円が1円変動した場合は年間約8億円と試算しております。 当社グループでは、為替変動による業績への影響を軽減するため、米ドル、ユーロにおいて先物予約を中心としたヘッジを行う等で対策を行っておりますが、為替の変動の程度によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、設備投資に関わる建築資材や人件費及びエネルギー関連の費用等、経済情勢によって左右される費用の変動も、程度によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(2)ヘルスケア領域における環境変化・競合に係るリスク ヘルスケア領域においては、がんや希少疾患、新たな感染症等に対する治療・予防手段として、バイオ医薬品の需要が拡大しており、生産プロセスの開発や製造を受託するCDMO事業の市場規模は年率15%(当社推定)で成長していく一方で、医療制度改革による予測できない大規模な医療行政の方針変更や医療機器における法規制の強化、創薬難易度が高まる中での製薬企業における新薬開発の延期・中止や経営環境の変化、技術革新によるバイオ医薬品のプロセス開発・製造受託市場の競争激化等を主なリスクと考えております。その環境変化に対応できない場合や、事業活動に必要な各国の許認可を適時に取得することができない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、高度な画像処理技術・AI技術、化合物合成・設計力やナノテクノロジー、一定条件製造技術や品質管理技術を保有しているという競争優位性を活かして、今後も技術に裏付けされた新たな製品・サービスの研究開発と、これをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(3)マテリアルズ領域における環境変化・競合に係るリスク マテリアルズ領域においては、5Gや自動運転、生成AIの普及等による半導体市場の拡大や、車載用途等TV・モニター以外での液晶や有機EL向けディスプレイ材料の需要が拡大している一方で、資源価格高騰に伴う原材料費の高騰や、新技術の開発・実用化による代替素材との競争激化等を主なリスクとして考えております。 当社グループでは、機能性分子技術や高度な製膜・塗布技術等の先進・独自の技術を保有しているという競争優位性を活かして、今後も技術に裏付けされた新たな製品・サービスの研究開発とこれをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(4)ビジネスイノベーション領域における環境変化・競合に係るリスク ビジネスイノベーション領域においては、サイバー攻撃の脅威やリモートワークの普及等を背景にした、セキュリティ・ネットワーク等を強化したオフィス・ITインフラ環境の構築・運用支援ニーズが拡大し、オフィス業務のDX・生産性向上を実現するAIやクラウドを活用した業務ソリューション・サービス市場も拡大している一方で、ペーパーレス化の流れやリモートワークの普及によるオフィスでのプリントボリュームの長期的な減少傾向を主なリスクとして考えております。 当社グループでは、日本及びアジア・オセアニア地域における強固な直販体制を強みに構築した優良な顧客基盤、お客様の複雑化・多様化する経営課題の解決を支援できる強力な営業力、課題解決のためのソリューション・サービスのラインアップと、それを支えるドキュメント関連の独自技術、大手市場からSMB(Small to Medium Size Business)市場までの幅広いお客様との強固な信頼関係という競争優位性を活かしてまいりますが、こうした市場動向に対応した製品やサービスを提供できない場合、売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(5)イメージング領域における環境変化・競合に係るリスク イメージング領域においては、イベントや旅行等の需要が回復し、インスタントフォトシステムを始めとするプリントビジネスやデジタルカメラの需要拡大、IoT化や映像の4K/8K化によるレンズ需要の増加や、監視カメラシステム市場の成長により事業機会が拡大している一方で、ハイエンドミラーレスデジタルカメラ市場の競争環境の激化、スマートフォンのカメラ性能向上によるデジタルカメラ需要の減少や、環境関連の法規制強化、地政学的リスク等によるサプライチェーンの混乱等をリスクとして考えております。 当社グループでは、入力(撮影)から出力(プリント)までのサービスを提供できる総合力や、高度な光学技術・精密加工・組立技術等を保有しているという競争優位性を活かして、ユーザーのニーズをとらえたイノベーティブな新たな製品・サービス等を提供してまいりますが、その成否によっては、製品販売単価の下落、代替製品の出現等による売上の減少、製品ライフサイクルの短縮化による研究開発コストの増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(6)生産活動に係るリスク 当社グループでの生産に必要な原材料・部品等について、急激な価格高騰や、自然災害又は人災、サプライヤーの不測な事態による製造中止等をリスクとして考えております。 当社グループでは、急激な原材料価格高騰時には適切な売価への反映を検討するとともに、製品開発及び量産化検討時において、代替材料の探索や可能な限り複数調達先の検討を行うことでリスク分散化の対策を行っておりますが、想定を上回る市況の変化や不測の事態が発生した場合には、収益性の低下や販売機会の消失等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(7)製品品質・製造物責任に係るリスク 当社グループは、厳しい品質管理基準に従い各種製品を生産しておりますが、将来にわたり製品に欠陥が発生する可能性がないとは言えず、重大な製品事故や製品に対する安全性や環境問題において懸念が発生するリスクがあります。 当社グループでは、新製品開発にあたっては、品質の到達度だけでなく、法規制を遵守し、環境・安全に配慮した製品開発を行うとともに、製品安全情報のお客様への周知や製品安全に関する従業員への教育を徹底する等の対策を図り、万一、製品事故等が発生した場合の体制構築等を整えておりますが、実際にこうした事態が発生した場合には、その対応費用が発生するだけでなく、企業ブランドや製品ブランドが毀損され当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)医薬品事業・再生医療事業に係るリスク 当社グループにおける一部のグループ会社では、医薬品及び再生医療等製品の研究開発及び製造販売を行っております。新規の医薬品及び再生医療等製品の開発・薬効追加等には多額の研究開発投資を行う必要があり、承認・販売までには長期間を要するとともに、研究開発が計画通りに進行せず、開発の遅延や中止等のリスクがあります。また、販売後に予期せぬ重大な副作用その他の安全性に関する問題が発生する可能性もあります。 当社グループでは、開発の不確実性のリスクに対しては、複数のパイプラインを保有することによりリスクの分散化を図っております。また、医薬品は開発段階において必要な安全性の試験を実施し、監督官庁の審査を経て承認されておりますが、万一、販売後に予期せぬ重大な副作用等が見つかった場合には、損害賠償の負担や社会的信頼の失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(9)物流に係るリスク 当社グループの事業活動において、原油価格の高騰等を原因とする運賃の高騰は、当社グループの物流コストの増加をもたらす可能性があります。また、地震・津波・洪水等の大規模災害の発生、ロシア・ウクライナ情勢緊迫化や国際的な政治・経済の状況等により、人的・物的被害や物流機能の麻痺、インフラ機能断絶等が生じ、当社グループの生産・販売活動に支障が生じるリスクがあります。 当社グループでは、生産拠点を複数の地域に分散化する等の対策を図り、不測の事態により一部の地域で生産・販売活動が停止した場合でも影響を軽減できるような体制をとっておりますが、完全に影響をゼロにすることはできず、こうした事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(10)特許及びその他の知的財産権に係るリスク 当社グループは、様々な特許、ノウハウ等の知的財産権を保有し、競争上の優位性を確保していますが、将来、特許の権利存続期間の満了や代替技術等の出現に伴って、優位性の確保が困難となることが起こり得ます。 当社グループが関連する幅広い事業分野においては、多数の企業が高度かつ複雑な技術を保有しており、また、かかる技術は著しい勢いで進歩しています。事業を展開する上で、他社の保有する特許やノウハウ等の知的財産権の使用が必要となるケースがありますが、このような知的財産権の使用に関する交渉が成立しないことのリスクがあります。 当社グループでは、他社の知的財産権の調査を行い、他社の権利を侵害することがないよう常に注意を払って事業展開をしておりますが、訴訟に巻き込まれるリスクを完全に回避することは困難であります。このような場合、係争費用や敗訴した場合の賠償金等の負担により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(11)企業買収・業務提携等に係るリスク 当社グループは、持続的な成長のため、これまでに複数の企業買収を実施しており、今後も実施する可能性があります。また、業務提携、合弁事業、戦略的投資といった様々な形態で、他社との関係を構築しております。これらの活動は、当社グループの成長のための施策として重要なものであります。 当社グループでは、企業買収にあたって慎重に検討を行い、一定の社内基準をもとに、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合のみ企業買収を実行するとともに、重要な投資案件に対しては業績が当初計画から大きく乖離していないかを確認し、必要に応じて業績改善のための対策を講じておりますが、景気動向の悪化や政情不安、法令や規則の変更、対象会社もしくはパートナーの業績不振、業務統合に想定以上の時間を要する等により、期待していた買収効果や利益を実現することができなくなる可能性があります。また、当社グループは、企業買収に伴う営業権及びその他の無形固定資産を貸借対照表に計上しておりますが、予測される将来キャッシュ・フローの低下により、投資に対する回収可能性が低下した場合には減損損失を認識することで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(12)人材の確保に係るリスク 当社グループの将来の経営成績は、有能な人材の継続的な会社への貢献に拠るところが大きく、それらの人材を採用・育成し、良好な関係を維持していくことが重要になります。一方、当社グループの事業領域での労働市場における人材獲得競争は、近年ますます激しさを増してきており、研究開発、製造、マーケティング及び販売、ICT、マネジメント分野等に関する高度な専門性を持った人材を確保していく必要がありますが、そのような人材には高い需要があり、必要な人材を確保できない可能性があります。 当社グループでは、人材を企業価値の源泉の一つと位置付け、社会の変化に対応し、自らイノベーションを起こすことのできるグローバル人材や基幹人材の育成に長期的な視点で注力するとともに、多様な人材が能力を発揮できる環境作りに努めておりますが、そうした人材が育成できなかった場合や社外に流出してしまった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(13)内部統制に係るリスク 当社グループは、財務報告の適正性と信頼性並びに業務の有効性と効率性を確保するため、内部統制体制を構築・整備し、運用するとともに、継続的な改善を図っています。また、「人権の尊重」を企業が果たすべき概念と認識し、自社及びビジネス・パートナーに対して、人権への悪影響の防止、軽減に努めております。しかしながら、想定外の問題が発生して内部統制が有効に機能しなかった場合、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動等、様々な要因により内部統制システムが適切に機能しない可能性があります。 当社グループでは、富士フイルムグループ企業行動憲章・行動規範を定め、法令及び社会倫理に則った活動、行動の徹底を図るとともに、当社グループ内外にコンプライアンスに関連した相談・連絡・通報を受ける窓口を設置して、違反行為の早期発見に努めております。また、内部監査体制を整え、自ら問題の早期発見を行っておりますが、このような対策が適切に機能しなかった場合、法令違反や当社グループの財務報告に関する投資家の信頼低下による当社株価の下落、当社グループの社会的信用の失墜により事業に悪影響が生じる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(14)情報システムに係るリスク 当社グループは、様々な情報システムを使用して業務を遂行しており、適切なシステム管理体制の構築やICT人材の確保、セキュリティ対策等を行っておりますが、サイバー攻撃等による不正アクセス、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動や、停電、災害等の要因により、データの改ざん、破壊、個人情報の漏洩、情報システムの障害、事業活動に支障をきたす等の事態が起こる可能性があります。 当社グループでは、ソフトウェアや機器によるセキュリティ対策の実施や、定期的に従業員への教育及び訓練を実施し、本件リスクが顕在化しないよう努めておりますが、万一、こうした事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(15)公的規制に係るリスク 当社グループが事業を展開している地域においては、事業・投資等の許認可、輸出入、通商、公正取引、知的財産、消費者保護、租税、為替管理、環境、薬事等の法規制の適用も受けており、万一、規制に抵触した場合、制裁金等が課される可能性があります。 当社グループでは、国内外の法的規制に関する情報収集を行うとともに、事業活動に係る法規制の遵守を徹底すべく各種ガイドライン・マニュアル等を制定し、定期的な従業員への教育等を通じてコンプライアンス徹底を図っておりますが、今後規制が強化・大幅な変更等なされた場合、当社グループの活動の制限や、規制遵守のため、あるいは規制内容の改廃に対応するためのコストが発生する等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(16)環境規制に係るリスク 当社グループは、気候変動対策、製品リサイクルを含む資源保全、有害物質の使用制限、土壌・地下水・大気汚染防止及び廃棄物処理等に関する様々な環境関連法令の適用を受けており、これらの規制により法的又は社会的責任の観点から、環境に関する費用負担や賠償責任が発生するリスクがあります。 当社グループでは、製品の企画・開発の段階から環境負荷の低減を考慮し、生産、物流、使用、リサイクル又は廃棄に至るライフサイクル全体を対象とし、CO2の排出削減、資源循環の促進、製品・化学物質の安全確保等に取り組んでおります。さらには、各事業場において環境マネジメントシステムを活用し、所在国・地域の法規制遵守、環境汚染の防止、化学物質の適正使用、生物多様性の保持を徹底しております。しかし、将来、環境に関する規制の厳格化や義務の拡大等の変化が生じた場合、あるいは社会的な環境意識の高まりに伴い当社グループが環境問題への取組みをより一層推進する場合には、かかる取組みへの支出の増加や、当社グループの事業活動への制限等を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(17)気候変動に係るリスク 気候変動に伴う移行リスクとして、今後各国・地域における脱炭素社会に向けた政策の強化、炭素排出に関連する法令等の改定・新規制定が想定外の短期間で実施された場合に、かかる取組みへの支出の増加や、当社グループの事業活動への制限等を受ける可能性があります。 当社グループは、パリ協定に代表される脱炭素社会への動き等、気候変動への対応に対して世界的に関心が高まるなか、いち早くその重要性を受け止め、1990年代から生産プロセスでエネルギー利用効率を高める活動を開始しました。現在も、「2030年度までに当社が使用するエネルギーによるCO2排出を50%削減(2019年度比)、2040年度までに当社が使用するエネルギーによるCO2排出実質ゼロ」を目標に掲げ、エネルギー利用効率の最大化及び再生可能エネルギーの導入・活用によるCO2排出削減を進めております。なお、2030年度の温室効果ガス(GHG)排出削減目標は、「Science Based Targets(SBT)イニシアチブ」より、パリ協定の「1.5℃目標」を達成するための科学的根拠に基づいた目標として認定されています。 さらに、当社グループは、2018年12月に「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明し同提言に則った情報開示を進めており、2019年4月には事業活動での100%再生可能なエネルギー利用を目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しております。 また、当社グループでは、気候変動が顕在化した場合の物理リスクへの対応として、調達・生産拠点の分散、BCP(事業継続計画)の策定等の対策を行っているものの、異常気象による原材料・部品の供給停止・価格高騰や、工場操業停止、サプライチェーンの寸断による製品サービスの中止等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(18)大規模災害・感染症等に係るリスク 当社グループは、世界各地で生産・販売等の事業活動を行っております。このため、地震、津波、洪水等の大規模な自然災害に見舞われた場合や、火災、テロ、戦争、感染症の蔓延といった要因により、事業活動に支障をきたすリスクがあります。 当社グループでは、自然災害が発生した際にいち早く従業員の安否を確認できるよう安否確認システムを導入するとともに、定期的に地震・火災に備えた訓練を実施しております。また、実際に災害が発生した際には早急に被災地の被害状況を把握した上で対策を講じられるように事業継続への影響を軽減できる体制を整えておりますが、事業活動の復旧までに長期の時間を要した場合や施設等の改修に多額の費用が発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2023|8,270 文字
3 【事業等のリスク】 当社グループは、グループ全体のリスクマネジメントの基本方針及びリスクマネジメント体制を「リスクマネジメント規程」において定め、その基本方針及び体制に基づき、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行っております。また、当社及びその子会社は、個別の業務遂行において発生するリスク案件についてリスクマネジメント規程に基づいて適切に判断・対処するとともに、重要なリスク案件については、定められた手続きに従い、ESG委員会に報告され、リスク重点課題の設定及びリスク事案発生時の対応を議論し、リスク発生の回避及びリスク発生時の影響の極小化に努めております。さらに、当社グループとしての企業行動憲章・行動規範を定め、法令及び社会倫理に則った活動、行動の徹底を図っております。 当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1)経済情勢・為替変動による業績への影響に係るリスク 当社グループは、世界の様々なマーケットにおいて製品及びサービスを提供しており、連結ベースでの海外売上高比率は当連結会計年度において約64%です。当社の連結財務諸表は世界中の各子会社の現地通貨ベースの業績を円換算して作成していることから、世界各地の経済情勢、とりわけ為替レートの変動は業績に大きく影響を及ぼすリスクがあります。 為替レートの変動が連結営業利益に与える影響は、米ドルに対して円が1円変動した場合は年間約6億円、ユーロに対して円が1円変動した場合は年間約8億円と試算しております。 当社グループでは、為替変動による業績への影響を軽減するため、米ドル、ユーロにおいて先物予約を中心としたヘッジを行う等で対策を行っておりますが、為替の変動の程度によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、設備投資に関わる建築資材や人件費及びエネルギー関連の費用等、経済情勢によって左右される費用の変動も、程度によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(2)ヘルスケア領域における環境変化・競合に係るリスク ヘルスケア領域においては、高齢化の進展や医療従事者の不足等による、診療支援や業務効率化に貢献するソリューションニーズや、がんや希少疾患、遺伝子治療等を中心としたアンメットメディカルニーズが高まっており、事業機会が拡大している一方で、医療制度改革による予測できない大規模な医療行政の方針変更や医療機器における法規制の強化、技術革新によるバイオ医薬品のプロセス開発・製造受託市場の競争激化等を主なリスクと考えております。その環境変化に対応できない場合や、事業活動に必要な各国の許認可を適時に取得することができない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、高度な画像処理技術・AI技術、化合物合成・設計力やナノテクノロジー、一定条件製造技術や品質管理技術を保有しているという競争優位性を活かして、今後も技術に裏付けされた新たな製品・サービスの研究開発と、これをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(3)マテリアルズ領域における環境変化・競合に係るリスク マテリアルズ領域においては、車載用途等TV・モニター以外でのディスプレイ関連材料や有機EL向け材料の需要拡大や、5G・自動運転の普及等による半導体市場が拡大している一方で、資源価格高騰に伴う原材料費の高騰、高機能材料市場での競合会社との競争激化による製品販売単価の下落や、新技術の開発・実用化による代替製品の出現等を主なリスクとして考えております。 当社グループでは、機能性分子技術や高度な製膜・塗布技術等の先進・独自の技術を保有しているという競争優位性を活かして、今後も技術に裏付された新たな製品・サービスの研究開発とこれをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(4)ビジネスイノベーション領域における環境変化・競合に係るリスク ビジネスイノベーション領域においては、働く場所の分散化等に対応した、セキュリティを強化したネットワークやソリューション・サービス等、ビジネス環境の変化による新たな需要が生まれている一方で、リモートワークの定着や業務プロセスのデジタル化の進展に伴うプリントボリュームの減少や、オフィス機器市場の成熟化に伴う、成長の鈍化・収益性の低下を主なリスクとして考えております。 当社グループでは、日本及びアジア・オセアニア地域における強固な直販体制を強みに構築した優良な顧客基盤、お客様の複雑化・多様化する経営課題の解決を支援できる強力な営業力、課題解決のためのソリューション・サービスのラインアップと、それを支えるドキュメント関連の独自技術、大手市場からSMB(Small to Medium Size Business)市場までの幅広いお客様との強固な信頼関係という競争優位性を活かしてまいりますが、こうした市場動向に対応した製品やサービスを提供できない場合、売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(5)イメージング領域における環境変化・競合に係るリスク イメージング領域においては、スマートフォンの普及による画像ショット数の増加とプリントニーズの拡大やインスタントフォトシステムの需要拡大、IoT化や映像の4K、8K化によるレンズ需要の増加により事業機会が拡大している一方で、ハイエンドミラーレスデジタルカメラ市場の競争環境の激化、競合他社の技術向上による高性能産業用レンズ市場の競争環境の激化、スマートフォンのカメラ性能の向上等をリスクとして考えております。 当社グループでは、入力(撮影)から出力(プリント)までのサービスを提供できる総合力や、高度な光学技術・精密加工・組立技術等を保有しているという競争優位性を活かして、ユーザーのニーズをとらえたイノベーティブな新たな製品・サービス等を提供してまいりますが、その成否によっては、製品販売単価の下落、代替製品の出現等による売上の減少、製品ライフサイクルの短縮化による研究開発コストの増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(6)生産活動に係るリスク 当社グループでの生産に必要な原材料・部品等について、急激な価格高騰や、自然災害又は人災、サプライヤーの不測な事態による製造中止等をリスクとして考えております。 当社グループでは、急激な原材料価格高騰時には適切な売価への反映を検討するとともに、製品開発及び量産化検討時において、代替材料の探索や可能な限り複数調達先の検討を行うことでリスク分散化の対策を行っておりますが、想定を上回る市況の変化や不測の事態が発生した場合には、収益性の低下や販売機会の消失等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(7)製品品質・製造物責任に係るリスク 当社グループは、厳しい品質管理基準に従い各種製品を生産しておりますが、将来にわたり製品に欠陥が発生する可能性がないとは言えず、重大な製品事故や製品に対する安全性や環境問題において懸念が発生するリスクがあります。 当社グループでは、新製品開発にあたっては、品質の到達度だけでなく、法規制を遵守し、環境・安全に配慮した製品開発を行うとともに、製品安全情報のお客様への周知や製品安全に関する従業員への教育を徹底する等の対策を図り、万一、製品事故等が発生した場合の体制構築等を整えておりますが、実際にこうした事態が発生した場合には、その対応費用が発生するだけでなく、企業ブランドや製品ブランドが毀損され当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)医薬品事業・再生医療事業に係るリスク 当社グループにおける一部のグループ会社では、医薬品及び再生医療等製品の研究開発及び製造販売を行っております。新規の医薬品及び再生医療等製品の開発・薬効追加等には多額の研究開発投資を行う必要があり、承認・販売までには長期間を要するとともに、研究開発が計画通りに進行せず、開発の遅延や中止等のリスクがあります。また、販売後に予期せぬ重大な副作用その他の安全性に関する問題が発生する可能性もあります。 当社グループでは、開発の不確実性のリスクに対しては、複数のパイプラインを保有することによりリスクの分散化を図っております。また、医薬品は開発段階において必要な安全性の試験を実施し、監督官庁の審査を経て承認されておりますが、万一、販売後に予期せぬ重大な副作用等が見つかった場合には、損害賠償の負担や社会的信頼の失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(9)物流に係るリスク 当社グループの事業活動において、原油価格の高騰等を原因とする運賃の高騰は、当社グループの物流コストの増加をもたらす可能性があります。また、地震・津波・洪水等の大規模災害の発生、ロシア・ウクライナ情勢緊迫化や国際的な政治・経済の状況等により、人的・物的被害や物流機能の麻痺、インフラ機能断絶等が生じ、当社グループの生産・販売活動に支障が生じるリスクがあります。 当社グループでは、生産拠点を複数の地域に分散化する等の対策を図り、不測の事態により一部の地域で生産・販売活動が停止した場合でも影響を軽減できるような体制をとっておりますが、完全に影響をゼロにすることはできず、こうした事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(10)特許及びその他の知的財産権に係るリスク 当社グループは、様々な特許、ノウハウ等の知的財産権を保有し、競争上の優位性を確保していますが、将来、特許の権利存続期間の満了や代替技術等の出現に伴って、優位性の確保が困難となることが起こり得ます。 当社グループが関連する幅広い事業分野においては、多数の企業が高度かつ複雑な技術を保有しており、また、かかる技術は著しい勢いで進歩しています。事業を展開する上で、他社の保有する特許やノウハウ等の知的財産権の使用が必要となるケースがありますが、このような知的財産権の使用に関する交渉が成立しないことのリスクがあります。 当社グループでは、他社の知的財産権の調査を行い、他社の権利を侵害することがないよう常に注意を払って事業展開をしておりますが、訴訟に巻き込まれるリスクを完全に回避することは困難であります。このような場合、係争費用や敗訴した場合の賠償金等の負担により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(11)企業買収・業務提携等に係るリスク 当社グループは、持続的な成長のため、これまでに複数の企業買収を実施しており、今後も実施する可能性があります。また、業務提携、合弁事業、戦略的投資といった様々な形態で、他社との関係を構築しております。これらの活動は、当社グループの成長のための施策として重要なものであります。 当社グループでは、企業買収にあたって慎重に検討を行い、一定の社内基準をもとに、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合のみ企業買収を実行するとともに、重要な投資案件に対しては業績が当初計画から大きく乖離していないかを確認し、必要に応じて業績改善のための対策を講じておりますが、景気動向の悪化や政情不安、法令や規則の変更、対象会社もしくはパートナーの業績不振、業務統合に想定以上の時間を要する等により、期待していた買収効果や利益を実現することができなくなる可能性があります。また、当社グループは、企業買収に伴う営業権及びその他の無形固定資産を貸借対照表に計上しておりますが、予測される将来キャッシュ・フローの低下により、投資に対する回収可能性が低下した場合には減損損失を認識することで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(12)人材の確保に係るリスク 当社グループの将来の経営成績は、有能な人材の継続的な会社への貢献に拠るところが大きく、それらの人材を採用・育成し、良好な関係を維持していくことが重要になります。一方、当社グループの事業領域での労働市場における人材獲得競争は、近年ますます激しさを増してきており、研究開発、製造、マーケティング及び販売、ICT、マネジメント分野等に関する高度な専門性を持った人材を確保していく必要がありますが、そのような人材には高い需要があり、必要な人材を確保できない可能性があります。 当社グループでは、人材を企業価値の源泉の一つと位置付け、社会の変化に対応し、自らイノベーションを起こすことのできるグローバル人材や基幹人材の育成に長期的な視点で注力するとともに、多様な人材が能力を発揮できる環境作りに努めておりますが、そうした人材が育成できなかった場合や社外に流出してしまった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(13)内部統制に係るリスク 当社グループは、財務報告の適正性と信頼性並びに業務の有効性と効率性を確保するため、内部統制体制を構築・整備し、運用するとともに、継続的な改善を図っています。また、「人権の尊重」を企業が果たすべき概念と認識し、自社及びビジネス・パートナーに対して、人権への悪影響の防止、軽減に努めております。しかしながら、想定外の問題が発生して内部統制が有効に機能しなかった場合、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動等、様々な要因により内部統制システムが適切に機能しない可能性があります。 当社グループでは、富士フイルムグループ企業行動憲章・行動規範を定め、法令及び社会倫理に則った活動、行動の徹底を図るとともに、当社グループ内外にコンプライアンスに関連した相談・連絡・通報を受ける窓口を設置して、違反行為の早期発見に努めております。また、内部監査体制を整え、自ら問題の早期発見を行っておりますが、このような対策が適切に機能しなかった場合、法令違反や当社グループの財務報告に関する投資家の信頼低下による当社株価の下落、当社グループの社会的信用の失墜により事業に悪影響が生じる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(14)情報システムに係るリスク 当社グループは、様々な情報システムを使用して業務を遂行しており、適切なシステム管理体制の構築やICT人材の確保、セキュリティ対策等を行っておりますが、サイバー攻撃等による不正アクセス、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動や、停電、災害等の要因により、データの改ざん、破壊、個人情報の漏洩、情報システムの障害、事業活動に支障をきたす等の事態が起こる可能性があります。 当社グループでは、ソフトウェアや機器によるセキュリティ対策の実施や、定期的に従業員への教育及び訓練を実施し、本件リスクが顕在化しないよう努めておりますが、万一、こうした事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(15)公的規制に係るリスク 当社グループが事業を展開している地域においては、事業・投資等の許認可、輸出入、通商、公正取引、知的財産、消費者保護、租税、為替管理、環境、薬事等の法規制の適用も受けており、万一、規制に抵触した場合、制裁金等が課される可能性があります。 当社グループでは、国内外の法的規制に関する情報収集を行うとともに、事業活動に係る法規制の遵守を徹底すべく各種ガイドライン・マニュアル等を制定し、定期的な従業員への教育等を通じてコンプライアンス徹底を図っておりますが、今後規制が強化・大幅な変更等なされた場合、当社グループの活動の制限や、規制遵守のため、あるいは規制内容の改廃に対応するためのコストが発生する等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(16)環境規制に係るリスク 当社グループは、気候変動対策、製品リサイクルを含む資源保全、有害物質の使用制限、土壌・地下水・大気汚染防止及び廃棄物処理等に関する様々な環境関連法令の適用を受けており、これらの規制により法的又は社会的責任の観点から、環境に関する費用負担や賠償責任が発生するリスクがあります。 当社グループでは、製品の企画・開発の段階から環境負荷の低減を考慮し、生産、物流、使用、リサイクル又は廃棄に至るライフサイクル全体を対象とし、CO2の排出削減、資源循環の促進、製品・化学物質の安全確保等に取り組んでおります。さらには、各事業場において環境マネジメントシステムを活用し、所在国・地域の法規制遵守、環境汚染の防止、化学物質の適正使用、生物多様性の保持を徹底しております。しかし、将来、環境に関する規制の厳格化や義務の拡大等の変化が生じた場合、あるいは社会的な環境意識の高まりに伴い当社グループが環境問題への取組みをより一層推進する場合には、かかる取組みへの支出の増加や、当社グループの事業活動への制限等を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(17)気候変動に係るリスク 気候変動に伴う移行リスクとして、今後各国・地域における脱炭素社会に向けた政策の強化、炭素排出に関連する法令等の改定・新規制定が想定外の短期間で実施された場合に、かかる取組みへの支出の増加や、当社グループの事業活動への制限等を受ける可能性があります。 当社グループは、パリ協定に代表される脱炭素社会への動き等、気候変動への対応に対して世界的に関心が高まるなか、いち早くその重要性を受け止め、1990年代から生産プロセスでエネルギー利用効率を高める活動を開始しました。現在も、「2040年度までに当社が使用するエネルギーによるCO2排出実質ゼロ」を目標に掲げ、エネルギー利用効率の最大化及び再生可能エネルギーの導入・活用によるCO2排出削減を進めております。 さらに、当社グループは、2018年12月に「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明し同提言に則った情報開示を進めており、2019年4月には事業活動での100%再生可能なエネルギー利用を目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しております。 また、当社グループでは、気候変動が顕在化した場合の物理リスクへの対応として、調達・生産拠点の分散、BCP(事業継続計画)の策定等の対策を行っているものの、異常気象による原材料・部品の供給停止・価格高騰や、工場操業停止、サプライチェーンの寸断による製品サービスの中止等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(18)大規模災害・感染症等に係るリスク 当社グループは、世界各地で生産・販売等の事業活動を行っております。このため、地震、津波、洪水等の大規模な自然災害に見舞われた場合や、火災、テロ、戦争、感染症の蔓延といった要因により、事業活動に支障をきたすリスクがあります。 当社グループでは、自然災害が発生した際にいち早く従業員の安否を確認できるよう安否確認システムを導入するとともに、定期的に地震・火災に備えた訓練を実施しております。また、実際に災害が発生した際には早急に被災地の被害状況を把握した上で対策を講じられるように事業継続への影響を軽減できる体制を整えておりますが、事業活動の復旧までに長期の時間を要した場合や施設等の改修に多額の費用が発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、COVID-19は日本における感染症法上の分類見直しや米国での「国家非常事態」の解除等、世界各国で規制の撤廃が進み、正常化の歩みが進んでいくとみていますが、上記仮定に変化が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2022|8,362 文字
2 【事業等のリスク】 当社グループは、グループ全体のリスクマネジメントの基本方針及びリスクマネジメント体制を「リスクマネジメント規程」において定め、その基本方針及び体制に基づき、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行っております。また、当社及びその子会社は、個別の業務遂行において発生するリスク案件についてリスクマネジメント規程に基づいて適切に判断・対処するとともに、重要なリスク案件については、定められた手続きに従い、ESG委員会に報告され、リスク重点課題の設定及びリスク事案発生時の対応を議論し、リスク発生の回避及びリスク発生時の影響の極小化に努めております。さらに、当社グループとしての企業行動憲章・行動規範を定め、法令及び社会倫理に則った活動、行動の徹底を図っております。 当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1)経済情勢・為替変動による業績への影響に係るリスク 当社グループは、世界の様々なマーケットにおいて製品及びサービスを提供しており、連結ベースでの海外売上高比率は当連結会計年度において約61%です。当社の連結財務諸表は世界中の各子会社の現地通貨ベースの業績を円換算して作成していることから、世界各地の経済情勢、とりわけ為替レートの変動は業績に大きく影響を及ぼすリスクがあります。 為替レートの変動が連結営業利益に与える影響は、米ドルに対して円が1円変動した場合は年間約3億円、ユーロに対して円が1円変動した場合は年間約8億円と試算しております。 当社グループでは、為替変動による業績への影響を軽減するため、米ドル、ユーロにおいて先物予約を中心としたヘッジを行う等で対策を行っておりますが、為替の変動の程度によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(2)ヘルスケア領域における環境変化・競合に係るリスク ヘルスケア領域においては、高齢化の進展や医療従事者の不足等による、診療支援や業務効率化に貢献するソリューションニーズや、がんや希少疾患、遺伝子治療等を中心としたアンメットメディカルニーズが高まっており、事業機会が拡大している一方で、医療制度改革による予測できない大規模な医療行政の方針変更や医療機器における法規制の強化、技術革新によるバイオ医薬品のプロセス開発・製造受託市場の競争激化等を主なリスクと考えております。その環境変化に対応できない場合や、事業活動に必要な各国の許認可を適時に取得することができない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、高度な画像処理技術・AI技術、化合物合成・設計力やナノテクノロジー、一定条件製造技術や品質管理技術を保有しているという競争優位性を活かして、今後も技術に裏付された新たな製品・サービスの研究開発とこれをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)マテリアルズ領域における環境変化・競合に係るリスク マテリアルズ領域においては、有機EL市場の成長によるディスプレイ関連材料の需要拡大や、5Gや自動運転の普及等による半導体市場の拡大している一方で、ディスプレイ材料・半導体プロセス材料等の高機能材料市場での競合会社との競争激化による製品販売単価の下落や代替製品の出現等を主なリスクとして考えております。 当社グループでは、機能性分子技術や高度な製膜・塗布技術、等の先進・独自の技術を保有しているという競争優位性を活かして、今後も技術に裏付された新たな製品・サービスの研究開発とこれをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(4)ビジネスイノベーション領域における環境変化・競合に係るリスク ビジネスイノベーション領域においては、中国・東南アジア等の新興国市場におけるオフィス機器・サービス関連需要や、セキュリティ/ネットワーク等のITインフラ環境の構築・運用サービスの需要、DX・生産性向上を実現する業務ソリューション・サービス市場の拡大により事業機会が拡大している一方で、リモートワークの定着や業務プロセスのデジタル化の進展に伴うプリント需要の減少や、オフィス機器市場の競争激化等による市場環境の大きな変化がリスクと考えます。 当社グループでは、日本及びアジア・オセアニア地域における強固な直販体制を強みに構築した優良な顧客基盤、お客様の複雑化・多様化する経営課題の解決を支援できる強力な営業力、オフィスの課題解決のためのソリューションを提供する製品ラインアップの充実と、それを支えるドキュメント分野の独自技術という競争優位性を活かしてまいりますが、こうした市場動向に対応した製品やサービスを提供できない場合、売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(5)イメージング領域における環境変化・競合に係るリスク イメージング領域においては、スマートフォンの普及による画像ショット数の増加とプリントニーズの拡大やインスタントフォトシステムの需要拡大、IoT化や映像の4K、8K化によるレンズ需要の増加により事業機会が拡大している一方で、ハイエンドミラーレスデジタルカメラ市場の競争環境の激化、競合他社の技術向上による高性能産業用レンズ市場の競争環境の激化、スマートフォンのカメラ性能の向上等をリスクとして考えております。 当社グループでは、入力(撮影)から出力(プリント)までのサービスを提供できる総合力や、高度な光学技術・精密加工・組み立て技術等を保有しているという競争優位性を活かして、ユーザーのニーズをとらえたイノベーティブな新たな製品・サービス等を提供してまいりますが、その成否によっては、製品販売単価の下落、代替製品の出現等による売上の減少、製品ライフサイクルの短縮化による研究開発コストの増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(6)生産活動に係るリスク 当社グループでの生産に必要な原材料・部品等について、急激な価格高騰や、自然災害又は人災、サプライヤーの不測な事態による製造中止等がリスクと考えます。 当社グループでは、急激な原材料価格高騰時には適切な売価への反映を検討するとともに、製品開発及び量産化検討時において、代替材料の探索や可能な限り複数調達先の検討を行うことでリスク分散化の対策を行っておりますが、想定を上回る市況の変化や不測の事態が発生した場合には、収益性の低下や販売機会の消失等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)製品品質・製造物責任に係るリスク 当社グループは、厳しい品質管理基準に従い各種製品を生産しておりますが、将来にわたり製品に欠陥が発生する可能性がないとは言えず、重大な製品事故や製品に対する安全性や環境問題において懸念が発生するリスクがあります。 当社グループでは、新製品開発にあたっては、品質の到達度だけでなく、法規制を遵守し、環境・安全に配慮した製品開発を行うとともに、製品安全情報のお客様への周知や製品安全に関する従業員への教育を徹底する等の対策を図り、万一、製品事故等が発生した場合の体制構築等を整えておりますが、実際にこうした事態が発生した場合には、その対応費用が発生するだけでなく、企業ブランドや製品ブランドが毀損され当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)医薬品事業・再生医療事業に係るリスク 当社グループにおける一部のグループ会社では、医薬品及び再生医療等製品の研究開発及び製造販売を行っております。新規の医薬品及び再生医療等製品の開発・薬効追加等には多額の研究開発投資を行う必要があり、承認・販売までには長期間を要するとともに、研究開発が計画通りに進行せず、開発の遅延や中止等のリスクがあります。また、販売後に予期せぬ重大な副作用その他の安全性に関する問題が発生する可能性もあります。 当社グループでは、開発の不確実性のリスクに対しては、複数のパイプラインを保有することによりリスクの分散化を図っております。また、医薬品は開発段階において必要な安全性の試験を実施し、監督官庁の審査を経て承認されておりますが、万一、販売後に予期せぬ重大な副作用等が見つかった場合には、損害賠償の負担や社会的信頼の失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(9)物流に係るリスク 当社グループの事業活動において、原油価格の高騰等を原因とする運賃の高騰は、当社グループの物流コストの増加をもたらす可能性があります。また、地震・津波・洪水等の大規模災害の発生、ロシア・ウクライナ情勢緊迫化や国際的な政治・経済の状況等により、人的・物的被害や物流機能の麻痺、インフラ機能断絶等が生じ、当社グループの生産・販売活動に支障が生じるリスクがあります。 当社グループでは、生産拠点を複数の地域に分散化する等の対策を図り、不測の事態により一部の地域で生産・販売活動が停止した場合でも影響を軽減できるような体制をとっておりますが、完全に影響をゼロにすることはできず、こうした事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(10)特許及びその他の知的財産権に係るリスク 当社グループは、様々な特許、ノウハウ等の知的財産権を保有し、競争上の優位性を確保していますが、将来、特許の権利存続期間の満了や代替技術等の出現に伴って、優位性の確保が困難となることが起こり得ます。 当社グループが関連する幅広い事業分野においては、多数の企業が高度かつ複雑な技術を保有しており、また、かかる技術は著しい勢いで進歩しています。事業を展開する上で、他社の保有する特許やノウハウ等の知的財産権の使用が必要となるケースがありますが、このような知的財産権の使用に関する交渉が成立しないことのリスクがあります。 当社グループでは、他社の知的財産権の調査を行い、他社の権利を侵害することがないよう常に注意を払って事業展開をしておりますが、訴訟に巻き込まれるリスクを完全に回避することは難しいのが実情です。このような場合、係争費用や敗訴した場合の賠償金等の負担により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(11)企業買収・業務提携等に係るリスク 当社グループは、持続的な成長のため、これまでに複数の企業買収を実施しており、今後も実施する可能性があります。また、業務提携、合弁事業、戦略的投資といった様々な形態で、他社との関係を構築しております。これらの活動は、当社グループの成長のための施策として重要なものであります。 当社グループでは、企業買収にあたって慎重に検討を行い、一定の社内基準をもとに、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合のみ企業買収を実行するとともに、重要な投資案件に対しては業績が当初計画から大きく乖離していないかを確認し、必要に応じて業績改善のための対策を講じておりますが、景気動向の悪化や政情不安、法令や規則の変更、対象会社もしくはパートナーの業績不振、業務統合に想定以上の時間を要する等により、期待していた買収効果や利益を実現することができなくなる可能性があります。また、当社グループは、企業買収に伴う営業権及びその他の無形固定資産を貸借対照表に計上しておりますが、予測される将来キャッシュ・フローの低下により、投資に対する回収可能性が低下した場合には減損損失を認識することで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(12)人材の確保に係るリスク 当社グループの将来の経営成績は、有能な人材の継続的な会社への貢献に拠るところが大きく、それらの人材を採用・育成し、良好な関係を維持していくことが重要になります。一方、当社グループの事業領域での労働市場における人材獲得競争は、近年ますます激しさを増してきており、研究開発、製造、マーケティング及び販売、ICT、マネジメント分野等に関する高度な専門性を持った人材を確保していく必要がありますが、そのような人材には高い需要があり、必要な人材を確保できない可能性があります。 当社グループでは、人材を企業価値の源泉の一つと位置付け、社会の変化に対応し、自らイノベーションを起こすことのできるグローバル人材や基幹人材の育成に長期的な視点で注力するとともに、多様な人材が能力を発揮できる環境作りに努めておりますが、そうした人材が育成できなかった場合や社外に流出してしまった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(13)内部統制に係るリスク 当社グループは、財務報告の適正性と信頼性並びに業務の有効性と効率性を確保するため、内部統制体制を構築・整備し、運用するとともに、継続的な改善を図っています。また、「人権の尊重」を企業が果たすべき概念と認識し、自社及びビジネス・パートナーに対して、人権への悪影響の防止、軽減に努めております。しかしながら、想定外の問題が発生して内部統制が有効に機能しなかった場合、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動等、様々な要因により内部統制システムが適切に機能しない可能性があります。 当社グループでは、富士フイルムグループ企業行動憲章・行動規範を定め、法令及び社会倫理に則った活動、行動の徹底を図るとともに、当社グループ内外にコンプライアンスに関連した相談・連絡・通報を受ける窓口を設置して、違反行為の早期発見に努めております。また、内部監査体制を整え、自ら問題の早期発見を行っておりますが、このような対策が適切に機能しなかった場合、法令違反や当社グループの財務報告に関する投資家の信頼低下による当社株価の下落、当社グループの社会的信用の失墜により事業に悪影響が生じる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(14)情報システムに係るリスク 当社グループは、様々な情報システムを使用して業務を遂行しており、適切なシステム管理体制の構築やICT人材の確保、セキュリティ対策等を行っておりますが、サイバー攻撃等による不正アクセス、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動や、停電、災害等の要因により、データの改ざん、破壊、個人情報の漏洩、情報システムの障害、事業活動に支障をきたす等の事態が起こる可能性があります。 当社グループでは、ソフトウェアや機器によるセキュリティ対策の実施や、定期的に従業員への教育及び訓練を実施し、本件リスクが顕在化しないよう努めておりますが、万一、こうした事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(15)公的規制に係るリスク 当社グループが事業を展開している地域においては、事業・投資等の許認可、輸出入、通商、公正取引、知的財産、消費者保護、租税、為替管理、環境、薬事等の法規制の適用も受けており、万一、規制に抵触した場合、制裁金等が課される可能性があります。 当社グループでは、国内外の法的規制に関する情報収集を行うとともに、事業活動に係る法規制の遵守を徹底すべく各種ガイドライン・マニュアル等を制定し、定期的な従業員への教育等を通じてコンプライアンス徹底を図っておりますが、今後規制が強化・大幅な変更等なされた場合、当社グループの活動の制限や、規制遵守のため、あるいは規制内容の改廃に対応するためのコストが発生する等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(16)環境規制に係るリスク 当社グループは、気候変動対策、製品リサイクルを含む資源保全、有害物質の使用制限、土壌・地下水・大気汚染防止及び廃棄物処理等に関する様々な環境関連法令の適用を受けており、これらの規制により法的又は社会的責任の観点から、環境に関する費用負担や賠償責任が発生するリスクがあります。 当社グループでは、製品の企画・開発の段階から環境負荷の低減を考慮し、生産、物流、使用、リサイクル又は廃棄に至るライフサイクル全体を対象とし、CO2の排出削減、資源循環の促進、製品・化学物質の安全確保等に取り組んでおります。さらには、各事業場において環境マネジメントシステムを活用し、所在国・地域の法規制順守、環境汚染の防止、化学物質の適正使用、生物多様性の保持を徹底しております。しかし、将来、環境に関する規制の厳格化や義務の拡大等の変化が生じた場合、あるいは社会的な環境意識の高まりに伴い当社グループが環境問題への取組みをより一層推進する場合には、かかる取組みへの支出の増加や、当社グループの事業活動への制限等を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(17)気候変動に係るリスク 気候変動に伴う移行リスクとして、今後各国・地域における脱炭素社会に向けた政策の強化、炭素排出に関連する法令等の改訂・新規制定が想定外の急速なスピードで実施された場合に、かかる取組みへの支出の増加や、当社グループの事業活動への制限等を受ける可能性があります。 当社グループは、パリ協定に代表される脱炭素社会への動き等、気候変動への対応に対して世界的に関心が高まるなか、いち早くその重要性を受け止め、1990年代から生産プロセスでエネルギー利用効率を高める活動を開始しました。現在も、「2040年度までに当社が使用するエネルギーによるCO2排出実質ゼロ」を目標に掲げ、エネルギー利用効率の最大化及び再生可能エネルギーの導入・活用によるCO2排出削減を進めております。 さらに、当社グループは、2018年12月に「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明し同提言に則った情報開示を進めており、2019年4月には事業活動での100%再生可能なエネルギー利用を目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しております。 また、当社グループでは、気候変動が顕在化した場合の物理リスクへの対応として、調達・生産拠点の分散、BCP(事業継続計画)の策定等の対策を行っているものの、異常気象による原材料・部品の供給停止・価格高騰や、工場操業停止、サプライチェーンの寸断による製品サービスの中止等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(18)大規模災害・感染症等に係るリスク 当社グループは、世界各地で生産・販売等の事業活動を行っております。このため、地震、津波、洪水等の大規模な自然災害に見舞われた場合や、火災、テロ、戦争、感染症の蔓延といった要因により、事業活動に支障をきたすリスクがあります。 当社グループでは、自然災害が発生した際にいち早く従業員の安否を確認できるよう安否確認システムを導入するとともに、定期的に地震・火災に備えた訓練を実施しております。また、実際に災害が発生した際には早急に被災地の被害状況を把握した上で対策を講じられるように事業継続への影響を軽減できる体制を整えておりますが、事業活動の復旧までに長期の時間を要した場合や施設等の改修に多額の費用が発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、COVID-19はワクチン普及等もあり、各国で「コロナ」との共生に取り組む試みが進むことが予想されますが、今後、事態が長期化又はさらなる感染拡大が進行した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、COVID-19において、新型コロナウイルス対策室を設置し、顧客、取引先及び従業員の安全第一を考え、またさらなる感染拡大を防ぐために、WHO並びに各国保健行政の指針に従った感染防止策の徹底をしております。 当社グループは、ヘルスケアにおける「予防」「診断」「治療」のそれぞれの領域で、独自の技術を駆使して、総力を上げて新型コロナウイルス感染症対策に取り組み、COVID-19の拡大の抑止や、一刻も早い流行の終息に貢献していきます。
FY2021|8,649 文字
2 【事業等のリスク】 当社グループは、グループ全体のリスクマネジメントの基本方針及びリスクマネジメント体制を「リスクマネジメント規程」において定め、その基本方針及び体制に基づき、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行っております。また、当社及びその子会社は、個別の業務遂行において発生するリスク案件についてリスクマネジメント規程に基づいて適切に判断・対処するとともに、重要なリスク案件については、定められた手続きに従い、ESG委員会に報告され、リスク重点課題の設定及びリスク事案発生時の対応を議論し、リスク発生の回避及びリスク発生時の影響の極小化に努めております。さらに、当社グループとしての企業行動憲章・行動規範を定め、法令及び社会倫理に則った活動、行動の徹底を図っております。 当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1)経済情勢・為替変動による業績への影響に係るリスク 当社グループは、世界の様々なマーケットにおいて製品及びサービスを提供しており、連結ベースでの海外売上高比率は当連結会計年度において約58%です。当社の連結財務諸表は世界中の各子会社の現地通貨ベースの業績を円換算して作成していることから、世界各地の経済情勢、とりわけ為替レートの変動は業績に大きく影響を及ぼすリスクがあります。 為替レートの変動が連結営業利益に与える影響は、米ドルに対して円が1円変動した場合は年間約3億円、ユーロに対して円が1円変動した場合は年間約8億円と試算しております。 当社グループでは、為替変動による業績への影響を軽減するため、米ドル、ユーロにおいて先物予約を中心としたヘッジを行う等で対策を行っておりますが、為替の変動の程度によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(2)イメージング領域における環境変化・競合に係るリスク イメージング領域においては、スマートフォンの普及による画像ショット数の増加とプリントニーズの拡大やインスタントフォトシステムの需要拡大、IoT化や映像の4K、8K化によるレンズ需要の増加により事業機会が拡大している一方で、ハイエンドミラーレスデジタルカメラ市場の競争環境の激化、競合他社の技術向上による高性能産業用レンズ市場の競争環境の激化、スマートフォンのカメラ性能の向上等をリスクとして考えております。 当社グループでは、入力(撮影)から出力(プリント)までのサービスを提供できる総合力や、高度な光学技術・精密加工・組み立て技術等を保有しているという競争優位性を活かして、ユーザーのニーズをとらえたイノベーティブな新たな製品・サービス等を提供してまいりますが、その成否によっては、製品販売単価の下落、代替製品の出現等による売上の減少、製品ライフサイクルの短縮化による研究開発コストの増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(3)ヘルスケア&マテリアルズ領域における環境変化・競合に係るリスク ヘルスケア領域においては、画像診断装置を主とする医療機関向け医療機器市場での高齢化の進展や医療従事者の不足等による、診療支援や業務効率化に貢献するソリューションニーズが高まっており、事業機会が拡大している一方で、医療制度改革による予測できない大規模な医療行政の方針変更や医療機器における法規制の強化等を主なリスクと考えております。その環境変化に対応できない場合や、事業活動に必要な各国の許認可を適時に取得することができない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、マテリアルズ領域においては、ディスプレイ材料・半導体プロセス材料等の高機能材料市場での競合会社との競争激化による製品販売単価の下落や代替製品の出現等を主なリスクとして考えております。 当社グループでは、高度な画像処理技術、化合物合成・設計力やナノテクノロジー、製膜・塗布技術等の先進・独自の技術を保有しているという競争優位性を活かして、今後も技術に裏付された新たな製品・サービスの研究開発とこれをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(4)ドキュメント領域における環境変化・競合に係るリスク ドキュメント領域においては、顧客企業の業務プロセスのデジタル化や新型コロナウイルス感染防止のためリモートワークが拡大することによるオフィスでのプリント需要の減少、オフィス機器市場の競争激化等による市場環境の大きな変化がリスクと考えます。 当社グループでは、お客様の複雑化・多様化する経営課題の解決を支援できる強力な営業力、オフィスの課題解決のためのソリューションを提供する製品ラインアップの充実と、それを支えるドキュメント分野の独自技術の研究開発、ITサービス企業との提携を進めて競争優位性を維持してまいりますが、こうした市場動向に対応した製品やサービスを提供できない場合、売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(5)生産活動に係るリスク 当社グループでの生産に必要な原材料・部品等について、急激な価格高騰や、自然災害又は人災、サプライヤーの不測な事態による製造中止等がリスクと考えます。 当社グループでは、急激な原材料価格高騰時には適切な売価への反映を検討するとともに、製品開発及び量産化検討時において、代替材料の探索や可能な限り複数調達先の検討を行うことでリスク分散化の対策を行っておりますが、想定を上回る市況の変化や不測の事態が発生した場合には、収益性の低下や販売機会の消失等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(6)製品品質・製造物責任に係るリスク 当社グループは、厳しい品質管理基準に従い各種製品を生産しておりますが、将来にわたり製品に欠陥が発生する可能性がないとは言えず、重大な製品事故や製品に対する安全性や環境問題において懸念が発生するリスクがあります。 当社グループでは、新製品開発にあたっては、品質の到達度だけでなく、法規制を遵守し、環境・安全に配慮した製品開発を行うとともに、製品安全情報のお客様への周知や製品安全に関する従業員への教育を徹底する等の対策を図り、万一、製品事故等が発生した場合の体制構築等を整えておりますが、実際にこうした事態が発生した場合には、その対応費用が発生するだけでなく、企業ブランドや製品ブランドが毀損され当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(7)医薬品事業・再生医療事業に係るリスク 当社グループにおける一部のグループ会社では、医薬品及び再生医療等製品の研究開発及び製造販売を行っております。新規の医薬品及び再生医療等製品の開発・薬効追加等には多額の研究開発投資を行う必要があり、承認・販売までには長期間を要するとともに、研究開発が計画通りに進行せず、開発の遅延や中止等のリスクがあります。また、販売後に予期せぬ重大な副作用その他の安全性に関する問題が発生する可能性もあります。 当社グループでは、開発の不確実性のリスクに対しては、複数のパイプラインを保有することによりリスクの分散化を図っております。また、医薬品は開発段階において必要な安全性の試験を実施し、監督官庁の審査を経て承認されておりますが、万一、販売後に予期せぬ重大な副作用等が見つかった場合には、損害賠償の負担や社会的信頼の失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)物流に係るリスク 当社グループの事業活動において、原油価格の高騰等を原因とする運賃の高騰は、当社グループの物流コストの増加をもたらす可能性があります。また、地震・津波・洪水等の大規模災害の発生により、人的・物的被害や物流機能の麻痺、インフラ機能断絶等が生じ、当社グループの生産・販売活動に支障が生じるリスクがあります。 当社グループでは、生産拠点を複数の地域に分散化する等の対策を図り、不測の事態により一部の地域で生産・販売活動が停止した場合でも影響を軽減できるような体制をとっておりますが、完全に影響をゼロにすることはできず、こうした事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(9)特許及びその他の知的財産権に係るリスク 当社グループは、様々な特許、ノウハウ等の知的財産権を保有し、競争上の優位性を確保していますが、将来、特許の権利存続期間の満了や代替技術等の出現に伴って、優位性の確保が困難となることが起こり得ます。 当社グループが関連する幅広い事業分野においては、多数の企業が高度かつ複雑な技術を保有しており、また、かかる技術は著しい勢いで進歩しています。事業を展開する上で、他社の保有する特許やノウハウ等の知的財産権の使用が必要となるケースがありますが、このような知的財産権の使用に関する交渉が成立しないことのリスクがあります。 当社グループでは、他社の知的財産権の調査を行い、他社の権利を侵害することがないよう常に注意を払って事業展開をしておりますが、訴訟に巻き込まれるリスクを完全に回避することは難しいのが実情です。このような場合、係争費用や敗訴した場合の賠償金等の負担により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(10)企業買収・業務提携等に係るリスク 当社グループは、持続的な成長のため、これまでに複数の企業買収を実施しており、今後も実施する可能性があります。また、業務提携、合弁事業、戦略的投資といった様々な形態で、他社との関係を構築しております。これらの活動は、当社グループの成長のための施策として重要なものであります。 当社グループでは、企業買収にあたって慎重に検討を行い、一定の社内基準をもとに、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合のみ企業買収を実行するとともに、重要な投資案件に対しては業績が当初計画から大きく乖離していないかを確認し、必要に応じて業績改善のための対策を講じておりますが、景気動向の悪化や政情不安、法令や規則の変更、対象会社もしくはパートナーの業績不振、業務統合に想定以上の時間を要する等により、期待していた買収効果や利益を実現することができなくなる可能性があります。また、当社グループは、企業買収に伴う営業権及びその他の無形固定資産を貸借対照表に計上しておりますが、予測される将来キャッシュ・フローの低下により、投資に対する回収可能性が低下した場合には減損損失を認識することで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(11)人材の確保に係るリスク 当社グループの将来の経営成績は、有能な人材の継続的な会社への貢献に拠るところが大きく、それらの人材を採用・育成し、良好な関係を維持していくことが重要になります。一方、当社グループの事業領域での労働市場における人材獲得競争は、近年ますます激しさを増してきており、研究開発、製造、マーケティング及び販売、ICT、マネジメント分野等に関する高度な専門性を持った人材を確保していく必要がありますが、そのような人材には高い需要があり、必要な人材を確保できない可能性があります。 当社グループでは、人材を企業価値の源泉の一つと位置付け、社会の変化に対応し、自らイノベーションを起こすことのできるグローバル人材や基幹人材の育成に長期的な視点で注力するとともに、多様な人材が能力を発揮できる環境作りに努めておりますが、そうした人材が育成できなかった場合や社外に流出してしまった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(12)内部統制に係るリスク 当社グループは、財務報告の適正性と信頼性並びに業務の有効性と効率性を確保するため、内部統制体制を構築・整備し、運用するとともに、継続的な改善を図っています。しかしながら、想定外の問題が発生して内部統制が有効に機能しなかった場合、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動等、様々な要因により内部統制システムが適切に機能しない可能性があります。 当社グループでは、富士フイルムグループ企業行動憲章・行動規範を定め、法令及び社会倫理に則った活動、行動の徹底を図るとともに、当社グループ内外にコンプライアンスに関連した相談・連絡・通報を受ける窓口を設置して、違反行為の早期発見に努めております。また、内部監査体制を整え、自ら問題の早期発見を行っておりますが、このような対策が適切に機能しなかった場合、法令違反や当社グループの財務報告に関する投資家の信頼低下による当社株価の下落、当社グループの社会的信用の失墜により事業に悪影響が生じる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(13)情報システムに係るリスク 当社グループは、様々な情報システムを使用して業務を遂行しており、適切なシステム管理体制の構築やICT人材の確保、セキュリティ対策等を行っておりますが、サイバー攻撃等による不正アクセス、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動や、停電、災害等の要因により、データの改ざん、破壊、個人情報の漏洩、情報システムの障害、事業活動に支障をきたす等の事態が起こる可能性があります。 当社グループでは、ソフトウェアや機器によるセキュリティ対策の実施や、定期的に従業員への教育及び訓練を実施し、本件リスクが顕在化しないよう努めておりますが、万一、こうした事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(当社グループへのサイバー攻撃によるシステム障害について) 2021年6月1日夜に当社子会社である富士フイルム㈱が利用しているサーバーに対する、外部からの不正なアクセスを確認し、同月2日に影響可能性のある全てのサーバー・パソコンの停止、ネットワークの遮断を行いました。その後、同月4日より、安全が確認されたサーバー・パソコンを稼働させ、遮断していたネットワークの通信も順次再開しました。さらに同月8日までに製品・サービスの問い合わせ等全ての窓口が復旧し、同月14日までに当社製品の受注等の通常業務が復旧しました。 本件に関しては、代表取締役社長を委員長とする「総合危機管理委員会」及び外部専門家を含む「特別対策チーム」にて調査を行い、復旧までに完了した調査では、外部への情報流出の痕跡は認められませんでした。また、今回の不正アクセスへの対策も完了しております。引き続き、監視を継続するとともに、今後も当社グループ全体の情報セキュリティの強化を進めていきます。(14)公的規制に係るリスク 当社グループが事業を展開している地域においては、事業・投資等の許認可、輸出入、通商、公正取引、知的財産、消費者保護、租税、為替管理、環境、薬事等の法規制の適用も受けており、万一、規制に抵触した場合、制裁金等が課される可能性があります。 当社グループでは、国内外の法的規制に関する情報収集を行うとともに、事業活動に係る法規制の遵守を徹底すべく各種ガイドライン・マニュアル等を制定し、定期的な従業員への教育等を通じてコンプライアンス徹底を図っておりますが、今後規制が強化・大幅な変更等なされた場合、当社グループの活動の制限や、規制遵守のため、あるいは規制内容の改廃に対応するためのコストが発生する等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(15)環境規制に係るリスク 当社グループは、気候変動対策、製品リサイクルを含む資源保全、有害物質の使用制限、土壌・地下水・大気汚染防止及び廃棄物処理等に関する様々な環境関連法令の適用を受けており、これらの規制により法的又は社会的責任の観点から、環境に関する費用負担や賠償責任が発生するリスクがあります。 当社グループでは、製品の企画・開発の段階から環境負荷の低減を考慮し、生産、物流、使用、リサイクル又は廃棄に至るライフサイクル全体を対象とし、CO2の排出削減、資源循環の促進、製品・化学物質の安全確保等に取り組んでおります。さらには、各事業場において環境マネジメントシステムを活用し、所在国・地域の法規制順守、環境汚染の防止、化学物質の適正使用、生物多様性の保持を徹底しております。しかし、将来、環境に関する規制の厳格化や義務の拡大等の変化が生じた場合、あるいは社会的な環境意識の高まりに伴い当社グループが環境問題への取組みをより一層推進する場合には、かかる取り組みへの支出の増加や、当社グループの事業活動への制限等を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(16)気候変動に係るリスク 気候変動に伴う移行リスクとして、今後各国・地域における脱炭素社会に向けた政策の強化、炭素排出に関連する法令等の改訂・新規制定が想定外の急速なスピードで実施された場合に、かかる取組みへの支出の増加や、当社グループの事業活動への制限等を受ける可能性があります。 当社グループは、パリ協定に代表される脱炭素社会への動き等、気候変動への対応に対して世界的に関心が高まるなか、いち早くその重要性を受け止め、1990年代から生産プロセスでエネルギー利用効率を高める活動を開始しました。現在も、「2050年度までに当社が使用するエネルギーによるCO2排出ゼロ」を目標に掲げ、エネルギー利用効率の最大化及び再生可能エネルギーの導入・活用によるCO2排出削減を進めております。 さらに、当社グループは、2018年12月に「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明し同提言に則った情報開示を進めており、2019年4月には事業活動での100%再生可能なエネルギー利用を目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しております。 また、当社グループでは、気候変動が顕在化した場合の物理リスクへの対応として、調達・生産拠点の分散、BCP(事業継続計画)の策定等の対策を行っているものの、異常気象による原材料・部品の供給停止・価格高騰や、工場操業停止、サプライチェーンの寸断による製品サービスの中止等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(17)大規模災害等に係るリスク 当社グループは、世界各地で生産・販売等の事業活動を行っております。このため、地震、津波、洪水等の大規模な自然災害に見舞われた場合や、火災、テロ、戦争、感染症の蔓延といった要因により、事業活動に支障をきたすリスクがあります。 当社グループでは、自然災害が発生した際にいち早く従業員の安否を確認できるよう安否確認システムを導入するとともに、定期的に地震・火災に備えた訓練を実施しております。また、実際に災害が発生した際には早急に被災地の被害状況を把握した上で対策を講じられるように事業継続への影響を軽減できる体制を整えておりますが、事業活動の復旧までに長期の時間を要した場合や施設等の改修に多額の費用が発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(18)新型コロナウイルス感染症の拡大に係るリスク COVID-19の世界的な流行拡大によって、当初は当社グループの工場における操業率低下による一部新製品の発売延期、消費活動の停滞やイベント等の自粛、オフィス閉鎖等による当社グループ製品の需要減といった影響が生じました。2021年度は、各国で積極的に推進される拡張的な財政政策と緩和的な金融政策に支えられた景気回復が期待され、COVID-19ワクチンの普及により「コロナ後」の視界も開けつつあります。一方で、変異株の拡大による感染ペースの再加速等により感染拡大が長期化した場合には、もう一段厳しい世界経済活動の抑制につながるおそれもあり、当社グループの事業活動が制限されるリスク、及び消費停滞のリスクがあります。 当社グループでは、新型コロナウイルス対策室を設置し、顧客、取引先及び従業員の安全第一を考え、またさらなる感染拡大を防ぐために、WHO並びに各国保健行政の指針に従った感染防止策の徹底をはじめとして、国内外問わず不要不急の外出・出張の原則禁止、工場見学や販売促進企画等の多くのお客様にお集まりいただくイベントの休止や制限、在宅勤務の実施等の対策を実施しております。 また、医薬品・医療機器の製造やワクチン開発支援を通じた「予防」「診断」「治療」の各領域での医療現場の支援や、新しい生活様式とリモートワークを始めとする新たな働き方を支援するソリューションの提案・提供、事業ポートフォリオの強化による「コングロマリット・プレミアム」のさらなる発展をさせてまいります。今後、事態が長期化又はさらなる感染拡大が進行した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2020|7,898 文字
2 【事業等のリスク】 当社グループは、グループ全体のリスクマネジメントの基本方針及びリスクマネジメント体制を「リスクマネジメント規程」において定め、その基本方針及び体制に基づき、事業を取り巻くさまざまなリスクに対して適切な管理を行っております。また、当社及びその子会社は、個別の業務遂行において発生するリスク案件についてリスクマネジメント規程に基づいて適切に判断・対処するとともに、重要なリスク案件については、定められた手続きに従い、ESG委員会に報告され、リスク重点課題の設定及びリスク事案発生時の対応を議論し、リスク発生の回避及びリスク発生時の影響の極小化に努めております。さらに、当社グループとしての企業行動憲章・行動規範を定め、法令及び社会倫理に則った活動、行動の徹底を図っております。 当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1)経済情勢・為替変動による業績への影響に係るリスク 当社グループは、世界のさまざまなマーケットにおいて製品及びサービスを提供しており、連結ベースでの海外売上高比率は当連結会計年度において約57%です。当社の連結財務諸表は世界中の各子会社の現地通貨ベースの業績を円換算して作成していることから、世界各地の経済情勢、とりわけ為替レートの変動は業績に大きく影響を及ぼすリスクがあります。 為替レートの変動が連結営業利益に与える影響は、米ドルに対して円が1円変動した場合は年間約8億円、ユーロに対して円が1円変動した場合は年間約8億円と試算しております。 当社グループでは、為替変動による業績への影響を軽減するため、米ドル、ユーロにおいて先物予約を中心としたヘッジを行う等で対策を行っておりますが、為替の変動の程度によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(2)イメージング分野における環境変化・競合に係るリスク イメージング分野においては、競合会社との競争激化による製品販売単価の下落、製品ライフサイクルの短縮化、代替製品の出現等を主なリスクとして考えております。また、スマートフォンの普及による画像ショット数の増加とプリントニーズの拡大によって、フォトイメージングの分野では事業機会が拡大している一方で、光学・電子映像の分野では、スマートフォンのカメラ性能の向上に対して、当社のデジタルカメラの優位性を訴求できない場合、当社の地位が相対的に低下するリスクが考えられます。 当社グループでは、入力(撮影)から出力(プリント)までのサービスを提供できる総合力や、高度な光学技術・精密加工・組み立て技術等を保有しているという競争優位性を活かして、ユーザーのニーズをとらえたイノベーティブな新たな製品・サービス等を提供してまいりますが、その成否によっては売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(3)ヘルスケア&マテリアルズ分野における環境変化・競合に係るリスク ヘルスケア分野においては、画像診断装置を主とする医療機関向け医療機器市場での高齢化の進展や医療従事者の不足等による、診療支援や業務効率化に貢献するソリューションニーズが高まっており、事業機会が拡大している一方で、医療制度改革による予測できない大規模な医療行政の方針変更や医療機器における法規制の強化等を主なリスクと考えております。その環境変化に対応できない場合や、事業活動に必要な各国の許認可を適時に取得することができない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、マテリアルズ分野においては、ディスプレイ材料・半導体プロセス材料等の高機能材料市場での競合会社との競争激化による製品販売単価の下落や代替製品の出現等を主なリスクとして考えております。 当社グループでは、高度な画像処理技術、化合物合成・設計力やナノテクノロジー、製膜・塗布技術等の先進・独自の技術を保有しているという競争優位性を活かして、今後も技術に裏付された新たな製品・サービスの研究開発とこれをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(4)ドキュメント分野における環境変化・競合に係るリスク ドキュメント分野においては、顧客企業の業務プロセスのデジタル化や新型コロナウイルス感染防止のためリモートワークが拡大することによるオフィスでのプリント需要の減少、オフィス機器市場の競争激化等による市場環境の大きな変化がリスクと考えます。 当社グループでは、お客様の複雑化・多様化する経営課題の解決を支援できる強力な営業力、オフィスの課題解決のためのソリューションを提供する製品ラインアップの充実と、それを支えるドキュメント分野の独自技術の研究開発、ITサービス企業との提携を進めて競争優位性を維持してまいりますが、こうした市場動向に対応した製品やサービスを提供できない場合、売上の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(5)生産活動に係るリスク 当社グループでの生産に必要な原材料・部品等について、急激な価格高騰や、自然災害又は人災、サプライヤーの不測な事態による製造中止等がリスクと考えます。 当社グループでは、急激な原材料価格高騰時には適切な売価への反映を検討するとともに、製品開発及び量産化検討時において、代替材料の探索や可能な限り複数調達先の検討を行うことでリスク分散化の対策を行っておりますが、想定を上回る市況の変化や不測の事態が発生した場合には、収益性の低下や販売機会の消失等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(6)製品品質・製造物責任に係るリスク 当社グループは、厳しい品質管理基準に従い各種製品を生産しておりますが、将来にわたり製品に欠陥が発生する可能性がないとは言えず、重大な製品事故や製品に対する安全性や環境問題において懸念が発生するリスクがあります。 当社グループでは、新製品開発にあたっては、品質の到達度だけでなく、法規制を遵守し、環境・安全に配慮した製品開発を行うとともに、製品安全情報のお客様への周知や製品安全に関する従業員への教育を徹底する等の対策を図り、万一、製品事故等が発生した場合の体制構築等を整えておりますが、実際にこうした事態が発生した場合には、その対応費用が発生するだけでなく、企業ブランドや製品ブランドが毀損され当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(7)医薬品事業・再生医療事業に係るリスク 当社グループにおける一部のグループ会社では、医薬品及び再生医療等製品の研究開発及び製造販売を行っております。新規の医薬品及び再生医療等製品の開発・薬効追加等には多額の研究開発投資を行う必要があり、承認・販売までには長期間を要するとともに、研究開発が計画通りに進行せず、開発の遅延や中止等のリスクがあります。また、販売後に予期せぬ重大な副作用その他の安全性に関する問題が発生する可能性もあります。 当社グループでは、開発の不確実性のリスクに対しては、複数のパイプラインを保有することによりリスクの分散化を図っております。また、医薬品は開発段階において必要な安全性の試験を実施し、監督官庁の審査を経て承認されておりますが、万一、販売後に予期せぬ重大な副作用等が見つかった場合には、損害賠償の負担や社会的信頼の失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)物流に係るリスク 当社グループの事業活動において、原油価格の高騰等を原因とする運賃の高騰は、当社グループの物流コストの増加をもたらす可能性があります。また、地震・津波・洪水等の大規模災害の発生により、人的・物的被害や物流機能の麻痺、インフラ機能断絶等が生じ、当社グループの生産・販売活動に支障が生じるリスクがあります。 当社グループでは、生産拠点を複数の地域に分散化する等の対策を図り、不測の事態により一部の地域で生産・販売活動が停止した場合でも影響を軽減できるような体制をとっておりますが、完全に影響をゼロにすることはできず、こうした事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(9)特許及びその他の知的財産権に係るリスク 当社グループは、さまざまな特許、ノウハウ等の知的財産権を保有し、競争上の優位性を確保していますが、将来、特許の権利存続期間の満了や代替技術等の出現に伴って、優位性の確保が困難となることが起こり得ます。 当社グループが関連する幅広い事業分野においては、多数の企業が高度かつ複雑な技術を保有しており、また、かかる技術は著しい勢いで進歩しています。事業を展開する上で、他社の保有する特許やノウハウ等の知的財産権の使用が必要となるケースがありますが、このような知的財産権の使用に関する交渉が成立しないことのリスクがあります。 当社グループでは、他社の知的財産権の調査を行い、他社の権利を侵害することがないよう常に注意を払って事業展開をしておりますが、訴訟に巻き込まれるリスクを完全に回避することは難しいのが実情です。このような場合、係争費用や敗訴した場合の賠償金等の負担により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(10)企業買収・業務提携等に係るリスク 当社グループは、持続的な成長のため、これまでに複数の企業買収を実施しており、今後も実施する可能性があります。また、業務提携、合弁事業、戦略的投資といったさまざまな形態で、他社との関係を構築しております。これらの活動は、当社グループの成長のための施策として重要なものであります。 当社グループでは、企業買収にあたって慎重に検討を行い、一定の社内基準をもとに、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合のみ企業買収を実行するとともに、重要な投資案件に対しては業績が当初計画から大きく乖離していないかを確認し、必要に応じて業績改善のための対策を講じておりますが、景気動向の悪化や政情不安、法令や規則の変更、対象会社もしくはパートナーの業績不振、業務統合に想定以上の時間を要する等により、期待していた買収効果や利益を実現することができなくなる可能性があります。また、当社グループは、企業買収に伴う営業権及びその他の無形固定資産を貸借対照表に計上しておりますが、予測される将来キャッシュ・フローの低下により、投資に対する回収可能性が低下した場合には減損損失を認識することで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(11)人材の確保に係るリスク 当社グループの将来の経営成績は、有能な人材の継続的な会社への貢献に拠るところが大きく、それらの人材を採用・育成し、良好な関係を維持していくことが重要になります。一方、当社グループの事業領域での労働市場における人材獲得競争は、近年ますます激しさを増してきており、研究開発、製造、マーケティング及び販売、ICT、マネジメント分野等に関する高度な専門性を持った人材を確保していく必要がありますが、そのような人材には高い需要があり、必要な人材を確保できない可能性があります。 当社グループでは、人材を企業価値の源泉の一つと位置付け、社会の変化に対応し、自らイノベーションを起こすことのできるグローバル人材や基幹人材の育成に長期的な視点で注力するとともに、多様な人材が能力を発揮できる環境作りに努めておりますが、そうした人材が育成できなかった場合や社外に流出してしまった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(12)内部統制に係るリスク 当社グループは、財務報告の適正性と信頼性並びに業務の有効性と効率性を確保するため、内部統制体制を構築・整備し、運用するとともに、継続的な改善を図っています。しかしながら、想定外の問題が発生して内部統制が有効に機能しなかった場合、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動等、さまざまな要因により内部統制システムが適切に機能しない可能性があります。 当社グループでは、富士フイルムグループ企業行動憲章・行動規範を定め、法令及び社会倫理に則った活動、行動の徹底を図るとともに、当社グループ内外にコンプライアンスに関連した相談・連絡・通報を受ける窓口を設置して、違反行為の早期発見に努めております。また、内部監査体制を整え、自ら問題の早期発見を行っておりますが、このような対策が適切に機能しなかった場合、法令違反や当社グループの財務報告に関する投資家の信頼低下による当社株価の下落、当社グループの社会的信用の失墜により事業に悪影響が生じる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(13)情報システムに係るリスク 当社グループは、さまざまな情報システムを使用して業務を遂行しており、適切なシステム管理体制の構築やICT人材の確保、セキュリティ対策等を行っておりますが、サイバー攻撃等による不正アクセス、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動や、停電、災害等の要因により、データの改ざん、破壊、個人情報の漏洩、情報システムの障害等の事態が起こる可能性があります。 当社グループでは、ソフトウェアや機器によるセキュリティ対策の実施や、定期的に従業員への教育及び訓練を実施し、本件リスクが顕在化しないよう努めておりますが、万一、こうした事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(14)公的規制に係るリスク 当社グループが事業を展開している地域においては、事業・投資等の許認可、輸出入、通商、公正取引、知的財産、消費者保護、租税、為替管理、環境、薬事等の法規制の適用も受けており、万一、規制に抵触した場合、制裁金等が課される可能性があります。 当社グループでは、国内外の法的規制に関する情報収集を行うとともに、事業活動に係る法規制の遵守を徹底すべく各種ガイドライン・マニュアル等を制定し、定期的な従業員への教育等を通じてコンプライアンス徹底を図っておりますが、今後規制が強化・大幅な変更等なされた場合、当社グループの活動の制限や、規制遵守のため、あるいは規制内容の改廃に対応するためのコストが発生する等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(15)環境規制に係るリスク 当社グループは、気候変動対策、製品リサイクルを含む資源保全、有害物質の使用制限、土壌・地下水・大気汚染防止及び廃棄物処理等に関するさまざまな環境関連法令の適用を受けており、これらの規制により法的又は社会的責任の観点から、環境に関する費用負担や賠償責任が発生するリスクがあります。 当社グループでは、製品の企画・開発の段階から環境負荷の低減を考慮し、生産、物流、使用、リサイクル又は廃棄に至るライフサイクル全体を対象とし、CO2の排出削減、資源循環の促進、製品・化学物質の安全確保等に取り組んでおります。しかし、将来、環境に関する規制の厳格化や義務の拡大等の変化が生じた場合、あるいは社会的な環境意識の高まりに伴い当社グループが環境問題への取り組みをより一層推進する場合には、かかる取り組みへの支出の増加や、当社グループの事業活動への制限等を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(16)気候変動に係るリスク 気候変動問題において、今後各国・地域における政策の強化、環境関連法令等の変更・新規導入が想定外の急速なスピードで実施された場合に、かかる取り組みへの支出の増加や、当社グループの事業活動への制限等を受けるリスクがあります。 当社グループは、パリ協定に代表される脱炭素社会への動き等、気候変動への対応に対して世界的に関心が高まるなか、エネルギー利用効率の最大化及び再生可能エネルギーの導入・活用によるエネルギー源の低炭素化を進めております。また、当社グループは、2018年12月に「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同することを表明し、2019年4月には事業活動での100%再生可能なエネルギー利用を目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しております。 当社グループでは、気候変動に伴う物理リスクへの対応として、調達・生産を複数の地域に分散化する等の対策を行っているものの、異常気象による原材料・部品の供給停止・価格高騰や、工場操業停止、サプライチェーンの寸断による製品サービスの中止等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(17)大規模災害等に係るリスク 当社グループは、世界各地で生産・販売等の事業活動を行っております。このため、地震、津波、洪水等の大規模な自然災害に見舞われた場合や、火災、テロ、戦争、感染症の蔓延といった要因により、事業活動に支障をきたすリスクがあります。 当社グループでは、自然災害が発生した際にいち早く従業員の安否を確認できるよう安否確認システムを導入するとともに、定期的に地震・火災に備えた訓練を実施しております。また、実際に災害が発生した際には早急に被災地の被害状況を把握した上で対策を講じられるように事業継続への影響を軽減できる体制を整えておりますが、事業活動の復旧までに長期の時間を要した場合や施設等の改修に多額の費用が発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(18)新型コロナウイルス感染症の拡大に係るリスク 2019年12月、中華人民共和国湖北省武漢市において初めて確認された新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」と記載します。)の世界的な流行拡大によって、当社グループのフォトイメージング事業や電子映像事業において、当社グループ中国工場における操業率低下による一部新製品の発売延期や消費活動の停滞によるデジタルカメラ等製品の需要減、グラフィックシステム事業において、イベント等の自粛による印刷需要減、ドキュメント事業において、オフィス閉鎖等によるプリント需要減の影響が生じました。 当社グループでは、新型コロナウイルス対策室を設置し、顧客、取引先及び従業員の安全第一を考え、また更なる感染拡大を防ぐために、WHO並びに各国保健行政の指針に従った感染防止策の徹底をはじめとして、感染リスクが高い国や地域への渡航の原則禁止、工場見学や販売促進企画等の多くのお客様にお集まりいただくイベントの休止や制限、在宅勤務の実施等の対策を実施しております。 また、ヘルスケア分野ではCOVID-19の感染拡大抑止・流行終息に貢献する製品・サービスの提供や、ドキュメント分野ではリモートワークを支援する新たなソリューション提供を推進してまいります。今後、事態が長期化又は更なる感染拡大が進行した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点で2020年度以降の業績に与える影響を予測することは困難であります。
FY2019|2,080 文字
2 【事業等のリスク】 当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1)経済情勢・為替変動による業績への影響 当社グループは、世界のさまざまなマーケットにおいて製品及びサービスを提供しており、連結ベースでの海外売上高比率は当連結会計年度において約59%です。世界各地の経済情勢、とりわけ為替レートの変動は業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。 為替変動による業績への影響を軽減するため、米ドル、ユーロにおいて先物予約を中心としたヘッジを行っていますが、為替の変動の程度によって業績に影響を及ぼす可能性があります。(2)市場競合状況 当社グループが関連する事業分野において、競合会社との競争激化による製品販売単価の下落、製品のライフサイクルの短縮化、代替製品の出現等が考えられます。これらは、売上高に影響を与え、また研究開発コストが増加する、営業権ほか無形固定資産の評価見直しを行う等、結果的に利益の減少に結びついていく可能性があります。今後も、新たな技術に裏付された製品・サービスの研究開発とこれをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては業績に影響を及ぼす可能性が考えられます。(3)特許及びその他の知的財産権 当社グループは、さまざまな特許、ノウハウ等の知的財産権を保有し、競争上の優位性を確保していますが、将来、特許の権利存続期間の満了や代替技術等の出現に伴って、優位性の確保が困難となることが起こり得ます。 当社グループが関連する幅広い事業分野においては、多数の企業が高度かつ複雑な技術を保有しており、また、かかる技術は著しい勢いで進歩しています。事業を展開する上で、他社の保有する特許やノウハウ等の知的財産権の使用が必要となるケースがありますが、このような知的財産権の使用に関する交渉が成立しないことで業績に影響を及ぼす可能性があります。また、他社の権利を侵害することがないよう常に注意を払って事業展開をしておりますが、訴訟に巻き込まれるリスクを完全に回避することは難しいのが実情です。このような場合、係争費用や敗訴した場合の賠償金等の負担により、業績に影響を及ぼす可能性も考えられます。(4)公的規制 当社グループが事業を展開している地域においては、事業・投資等の許認可、輸出入に関する制限や規制等、さまざまな政府規制を受けています。また、通商、公正取引、特許、消費者保護、租税、為替管理、環境関連、薬事関連等の法規制も受けています。 万一、規制に抵触した場合、制裁金等が課される可能性があり、さらに、今後規制が強化されたり、大幅な変更がされたりすることが考えられ、その場合、当社グループの活動の制限や、規制遵守のため、あるいは規制内容の改廃に対応するためのコストが発生する可能性も否定できません。従って、これらの規制は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(5)生産活動 当社グループの生産活動において、自然災害又は人災、原材料・部品等の供給元の製造中止、その他要因による混乱等により当社グループ製品の供給が妨げられたり、重大な設備故障が発生したりする可能性があります。また、原材料・部品等の価格高騰により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、厳しい品質管理基準に従い各種製品を生産しておりますが、将来にわたり製品に欠陥が発生する可能性がないとは言えず、万一、リコール等の事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(6)情報システム 当社グループは、さまざまな情報システムを使用して業務を遂行しており、適切なシステム管理体制の構築やセキュリティ対策を行っておりますが、停電、災害、不正アクセス等の要因により、情報システムの障害や個人情報の漏えい、改ざん等の事態が起こる可能性があります。これらにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(7)大規模災害 当社グループは、世界各地で生産・販売等の事業活動を行っております。このため、地震、台風、洪水といった大規模な自然災害に見舞われた場合や、火災、テロ、戦争、新型インフルエンザ等の感染症の蔓延といった要因により、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)構造改革 当社グループは、当社子会社である富士ゼロックス㈱を取り巻く市場環境が厳しさを増す中で、今後の競争を勝ち抜き、事業成長を力強く確実なものとするため、2017年度より構造改革を実施しております。また、今後も引き続き経営効率の向上に向けて、コスト削減や資産圧縮を図る等の諸施策を講じていく方針です。この進展状況によって組織や事業・業務の見直しにより一時的に多額の経費が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2018|2,080 文字
2 【事業等のリスク】 当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1)経済情勢・為替変動による業績への影響 当社グループは、世界のさまざまなマーケットにおいて製品及びサービスを提供しており、連結ベースでの海外売上高比率は当連結会計年度において約59%です。世界各地の経済情勢、とりわけ為替レートの変動は業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。 為替変動による業績への影響を軽減するため、米ドル、ユーロにおいて先物予約を中心としたヘッジを行っていますが、為替の変動の程度によって業績に影響を及ぼす可能性があります。(2)市場競合状況 当社グループが関連する事業分野において、競合会社との競争激化による製品販売単価の下落、製品のライフサイクルの短縮化、代替製品の出現等が考えられます。これらは、売上高に影響を与え、また研究開発コストが増加する、営業権ほか無形固定資産の評価見直しを行う等、結果的に利益の減少に結びついていく可能性があります。今後も、新たな技術に裏付された製品・サービスの研究開発とこれをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては業績に影響を及ぼす可能性が考えられます。(3)特許及びその他の知的財産権 当社グループは、さまざまな特許、ノウハウ等の知的財産権を保有し、競争上の優位性を確保していますが、将来、特許の権利存続期間の満了や代替技術等の出現に伴って、優位性の確保が困難となることが起こり得ます。 当社グループが関連する幅広い事業分野においては、多数の企業が高度かつ複雑な技術を保有しており、また、かかる技術は著しい勢いで進歩しています。事業を展開する上で、他社の保有する特許やノウハウ等の知的財産権の使用が必要となるケースがありますが、このような知的財産権の使用に関する交渉が成立しないことで業績に影響を及ぼす可能性があります。また、他社の権利を侵害することがないよう常に注意を払って事業展開をしておりますが、訴訟に巻き込まれるリスクを完全に回避することは難しいのが実情です。このような場合、係争費用や敗訴した場合の賠償金等の負担により、業績に影響を及ぼす可能性も考えられます。(4)公的規制 当社グループが事業を展開している地域においては、事業・投資等の許認可、輸出入に関する制限や規制等、さまざまな政府規制を受けています。また、通商、公正取引、特許、消費者保護、租税、為替管理、環境関連、薬事関連等の法規制も受けています。 万一、規制に抵触した場合、制裁金等が課される可能性があり、さらに、今後規制が強化されたり、大幅な変更がされたりすることが考えられ、その場合、当社グループの活動の制限や、規制遵守のため、あるいは規制内容の改廃に対応するためのコストが発生する可能性も否定できません。従って、これらの規制は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(5)生産活動 当社グループの生産活動において、自然災害又は人災、原材料・部品等の供給元の製造中止、その他要因による混乱等により当社グループ製品の供給が妨げられたり、重大な設備故障が発生したりする可能性があります。また、原材料・部品等の価格高騰により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、厳しい品質管理基準に従い各種製品を生産しておりますが、将来にわたり製品に欠陥が発生する可能性がないとは言えず、万一、リコール等の事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(6)情報システム 当社グループは、さまざまな情報システムを使用して業務を遂行しており、適切なシステム管理体制の構築やセキュリティ対策を行っておりますが、停電、災害、不正アクセス等の要因により、情報システムの障害や個人情報の漏えい、改ざん等の事態が起こる可能性があります。これらにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(7)大規模災害 当社グループは、世界各地で生産・販売等の事業活動を行っております。このため、地震、台風、洪水といった大規模な自然災害に見舞われた場合や、火災、テロ、戦争、新型インフルエンザ等の感染症の蔓延といった要因により、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)構造改革 当社グループは、当社子会社である富士ゼロックス㈱を取り巻く市場環境が厳しさを増す中で、今後の競争を勝ち抜き、事業成長を力強く確実なものとするため、2017年度より構造改革を実施しております。また、今後も引き続き経営効率の向上に向けて、コスト削減や資産圧縮を図る等の諸施策を講じていく方針です。この進展状況によって組織や事業・業務の見直しにより一時的に多額の経費が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2017|1,987 文字
4 【事業等のリスク】 当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1)経済情勢・為替変動による業績への影響 当社グループは、世界のさまざまなマーケットにおいて製品及びサービスを提供しており、連結ベースでの海外売上高比率は当連結会計年度において約59%です。世界各地の経済情勢、とりわけ為替レートの変動は業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。 為替変動による業績への影響を軽減するため、米ドル、ユーロにおいて先物予約を中心としたヘッジを行っていますが、為替の変動の程度によって業績に影響を及ぼす可能性があります。(2)市場競合状況 当社グループが関連する事業分野において、競合会社との競争激化による製品販売単価の下落、製品のライフサイクルの短縮化、代替製品の出現等が考えられます。これらは、売上高に影響を与え、また研究開発コストが増加する、営業権ほか無形固定資産の評価見直しを行う等、結果的に利益の減少に結びついていく可能性があります。今後も、新たな技術に裏付された製品・サービスの研究開発とこれをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては業績に影響を及ぼす可能性が考えられます。(3)特許及びその他の知的財産権 当社グループは、さまざまな特許、ノウハウ等の知的財産権を保有し、競争上の優位性を確保していますが、将来、特許の権利存続期間の満了や代替技術等の出現に伴って、優位性の確保が困難となることが起こり得ます。 当社グループが関連する幅広い事業分野においては、多数の企業が高度かつ複雑な技術を保有しており、また、かかる技術は著しい勢いで進歩しています。事業を展開する上で、他社の保有する特許やノウハウ等の知的財産権の使用が必要となるケースがありますが、このような知的財産権の使用に関する交渉が成立しないことで業績に影響を及ぼす可能性があります。また、他社の権利を侵害することがないよう常に注意を払って事業展開をしておりますが、訴訟に巻き込まれるリスクを完全に回避することは難しいのが実情です。このような場合、係争費用や敗訴した場合の賠償金等の負担により、業績に影響を及ぼす可能性も考えられます。(4)公的規制 当社グループが事業を展開している地域においては、事業・投資等の許認可、輸出入に関する制限や規制等、さまざまな政府規制を受けています。また、通商、公正取引、特許、消費者保護、租税、為替管理、環境関連、薬事関連等の法規制も受けています。 万一、規制に抵触した場合、制裁金等が課される可能性があり、さらに、今後規制が強化されたり、大幅な変更がされたりすることが考えられ、その場合、当社グループの活動の制限や、規制遵守のため、あるいは規制内容の改廃に対応するためのコストが発生する可能性も否定できません。従って、これらの規制は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(5)生産活動 当社グループの生産活動において、自然災害又は人災、原材料・部品等の供給元の製造中止、その他要因による混乱等により当社グループ製品の供給が妨げられたり、重大な設備故障が発生したりする可能性があります。また、原材料・部品等の価格高騰により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、厳しい品質管理基準に従い各種製品を生産しておりますが、将来にわたり製品に欠陥が発生する可能性がないとは言えず、万一、リコール等の事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(6)情報システム 当社グループは、さまざまな情報システムを使用して業務を遂行しており、適切なシステム管理体制の構築やセキュリティ対策を行っておりますが、停電、災害、不正アクセス等の要因により、情報システムの障害や個人情報の漏えい、改ざん等の事態が起こる可能性があります。これらにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(7)大規模災害 当社グループは、世界各地で生産・販売等の事業活動を行っております。このため、地震、台風、洪水といった大規模な自然災害に見舞われた場合や、火災、テロ、戦争、新型インフルエンザ等の感染症の蔓延といった要因により、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)構造改革 当社グループは、今後も、経営効率の向上に向けて、コスト削減や資産圧縮を図る等の諸施策を講じていく方針です。この進展状況によって組織や事業・業務の見直しにより一時的に多額の経費が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2016|1,987 文字
4 【事業等のリスク】 当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1)経済情勢・為替変動による業績への影響 当社グループは、世界のさまざまなマーケットにおいて製品及びサービスを提供しており、連結ベースでの海外売上高比率は当連結会計年度において約60%です。世界各地の経済情勢、とりわけ為替レートの変動は業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。 為替変動による業績への影響を軽減するため、米ドル、ユーロにおいて先物予約を中心としたヘッジを行っていますが、為替の変動の程度によって業績に影響を及ぼす可能性があります。(2)市場競合状況 当社グループが関連する事業分野において、競合会社との競争激化による製品販売単価の下落、製品のライフサイクルの短縮化、代替製品の出現等が考えられます。これらは、売上高に影響を与え、また研究開発コストが増加する、営業権ほか無形固定資産の評価見直しを行う等、結果的に利益の減少に結びついていく可能性があります。今後も、新たな技術に裏付された製品・サービスの研究開発とこれをサポートするマーケティング活動を継続的に実施してまいりますが、その成否によっては業績に影響を及ぼす可能性が考えられます。(3)特許及びその他の知的財産権 当社グループは、さまざまな特許、ノウハウ等の知的財産権を保有し、競争上の優位性を確保していますが、将来、特許の権利存続期間の満了や代替技術等の出現に伴って、優位性の確保が困難となることが起こり得ます。 当社グループが関連する幅広い事業分野においては、多数の企業が高度かつ複雑な技術を保有しており、また、かかる技術は著しい勢いで進歩しています。事業を展開する上で、他社の保有する特許やノウハウ等の知的財産権の使用が必要となるケースがありますが、このような知的財産権の使用に関する交渉が成立しないことで業績に影響を及ぼす可能性があります。また、他社の権利を侵害することがないよう常に注意を払って事業展開をしておりますが、訴訟に巻き込まれるリスクを完全に回避することは難しいのが実情です。このような場合、係争費用や敗訴した場合の賠償金等の負担により、業績に影響を及ぼす可能性も考えられます。(4)公的規制 当社グループが事業を展開している地域においては、事業・投資等の許認可、輸出入に関する制限や規制等、さまざまな政府規制を受けています。また、通商、公正取引、特許、消費者保護、租税、為替管理、環境関連、薬事関連等の法規制も受けています。 万一、規制に抵触した場合、制裁金等が課される可能性があり、さらに、今後規制が強化されたり、大幅な変更がされたりすることが考えられ、その場合、当社グループの活動の制限や、規制遵守のため、あるいは規制内容の改廃に対応するためのコストが発生する可能性も否定できません。従って、これらの規制は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(5)生産活動 当社グループの生産活動において、自然災害又は人災、原材料・部品等の供給元の製造中止、その他要因による混乱等により当社グループ製品の供給が妨げられたり、重大な設備故障が発生したりする可能性があります。また、原材料・部品等の価格高騰により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、厳しい品質管理基準に従い各種製品を生産しておりますが、将来にわたり製品に欠陥が発生する可能性がないとは言えず、万一、リコール等の事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(6)情報システム 当社グループは、さまざまな情報システムを使用して業務を遂行しており、適切なシステム管理体制の構築やセキュリティ対策を行っておりますが、停電、災害、不正アクセス等の要因により、情報システムの障害や個人情報の漏えい、改ざん等の事態が起こる可能性があります。これらにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(7)大規模災害 当社グループは、世界各地で生産・販売等の事業活動を行っております。このため、地震、台風、洪水といった大規模な自然災害に見舞われた場合や、火災、テロ、戦争、新型インフルエンザ等の感染症の蔓延といった要因により、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)構造改革 当社グループは、今後も、経営効率の向上に向けて、コスト削減や資産圧縮を図る等の諸施策を講じていく方針です。この進展状況によって組織や事業・業務の見直しにより一時的に多額の経費が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。