4885

室町ケミカル(4885)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

医薬品 医薬品

事業の概要

  • 医薬品事業
    医薬品の有効成分である「原薬」の販売と製造が主力です。海外メーカーからの調達に加え、自社工場での合成、精製、異物除去などの加工も行い、国内の製薬会社や医薬品商社に提供しています。日本薬局方に基づく試験・分析体制も持ち、原薬の調達から加工、品質管理まで一貫したサービスを提供することで収益を上げています。
  • 健康食品事業
    主にスティックゼリータイプの健康食品を企画・製造しています。通信販売会社や健康食品メーカーからの受託製造(ODM)が中心で、商品設計から関わることが多く、長年の経験で培った高度なマスキング技術(味や匂いを調整する技術)を活かして、食べやすく美味しい製品を提供することで収益を得ています。
  • 化学品事業
    液体処理関連製品の販売と加工が中心で、イオン交換樹脂や分離膜が主力製品です。これらは純水製造や液体の精製、濃縮、脱色、金属回収など多岐にわたる用途で活用されます。国内外からの仕入れに加え、自社での洗浄や加工、再生処理も行い、化学メーカーや機械メーカー、商社などに販売することで収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 医薬品事業
    売上高32.17億円、営業利益4.73億円で、同社の主要な収益源です。医薬品の有効成分である原薬の販売・製造を主に行っており、高カリウム血症改善薬用原薬や抗凝固薬用原薬などを扱っています。海外からの輸入原薬の調達に加え、自社工場での合成・精製、異物除去などの加工も手掛けており、原薬のトータルサービスを提供しています。
  • 健康食品事業
    売上高10.43億円、営業利益-0.98億円と、現状は赤字のセグメントです。主にスティックゼリータイプの健康食品の企画・製造を行っており、健康食品の通信販売会社やメーカーからの受託製造(ODM)が中心です。長年の経験で培った高度なマスキング技術を活かし、健康・美容成分を美味しく摂取できる製品を提供しています。
  • 化学品事業
    売上高23.91億円、営業利益0.57億円と、医薬品事業に次ぐ規模を持つセグメントです。液体処理関連製品の販売・加工が主力で、イオン交換樹脂や分離膜を扱っています。純水製造装置や分離・精製装置の設計・製造も行い、アミノ酸精製やAdBlue®製造などの受託加工も手掛けています。水処理部材や機能性接着剤の販売も行っています。
2025-05 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PharmaceuticalBusinessReportableSegment 地域 32 5 14.7%
HealthyFoodBusinessReportableSegment 地域 10 -1 -9.4%
ChemicalProductsBusinessReportableSegment 地域 24 1 2.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,481 文字
3 【事業の内容】当社は、1917年(大正6年)に売薬の製造販売を目的として創立して以降、医薬品をはじめとした様々な事業に取り組んでまいりました。その結果現在は、医薬品・健康食品・化学品の3つの事業を軸に、長年培ってきた化学技術を活かし、製品・サービスを提供しています。 報告セグメント製品カテゴリ主要製商品・サービス医薬品事業医薬品合成・精製等高カリウム血症改善薬用原薬、抗凝固薬用原薬原薬の精製、異物除去輸入原薬抗てんかん薬用原薬、抗ヘルペスウイルス薬用原薬その他ラジオアイソトープ健康食品事業健康食品スティックゼリー、Tパウチゼリー化学品事業イオン交換樹脂・分離膜ムロマック®、レバチット®、デュオライト™RO膜(逆浸透膜)、UF膜(限外濾過膜)、MF膜(精密濾過膜)水処理装置純水製造装置、分離・精製装置受託加工アミノ酸精製、AdBlue®製造接着剤等機能材料の混合、分散、リパックその他水処理部材、機能性接着剤 (1) 医薬品事業原薬(医薬品の有効成分)の販売・製造を主に行っております。中国、インド、オランダなどの原薬メーカーから国内の製薬会社や医薬品商社の求める原薬を調達するほか、自社での原薬合成、原薬の異物除去や精製などの加工を行い販売しています。自社内で日本薬局方に基づいた試験・分析ができる体制も持っており、原薬の輸入・製造・加工・分析・試験と、原薬のトータルサービスを提供しています。当社は、原薬商社としての機能と原薬メーカーとしての機能をあわせ持ちます。商社としての経験から原薬製造のための原料や中間体を海外メーカーから直接調達でき、メーカーとしての経験から自社試験による時間短縮・コスト削減、開拓した調達先の品質向上指導などにより付加価値を高めることができます。 ① 医薬品合成・精製等本社工場に医薬品合成工場を有し、原薬の製造を行っております。また、海外から輸入した原薬の精製や異物除去などの加工や医薬品と同等の環境で製造を必要とする化成品(医薬品の添加剤など)の製造も行っております。 ② 輸入原薬中国、インド、オランダなどの原薬メーカーから国内製薬会社の求める原薬を調達し販売しております。 ③ その他医薬品や農薬の研究等に使用されるラジオアイソトープ(注)の輸入販売や保管サービスを行っております。(注)放射性同位元素。放射線を出す性質のある元素であり、化合物の追跡や分析に使用される。 (2) 健康食品事業事業開始当初より、主にスティックゼリータイプの健康食品の企画・製造を行っております。健康食品の通信販売を行う会社や健康食品メーカーなどからの受託製造を主に行っており、商品設計から関わるODM(注)が大多数を占めています。当社は、長年の経験から得た高度なマスキング(味や匂いを包み隠す)技術を有しております。健康・美容成分は苦みや匂いのためそのままでは摂取しづらいケースもありますが、味や香り、食感などを調整し、食べやすく美味しい製品として提供しております。(注)Original Design Manufacturingの略。発注元企業のブランド名で販売される製品の生産のみを行うOEM(Original Equipment Manufacturing)に対し、ODMは企画や設計、製造までを行う。 (3) 化学品事業液体処理関連製品の販売・加工を主に行っており、主力製品はイオン交換樹脂及び分離膜です。イオン交換樹脂や分離膜は、純水(不純物を含まない水)の製造をはじめ、液体の精製、濃縮、脱色、金属回収など様々な用途に活用されています。当社は、国内外のメーカーから様々な性能のイオン交換樹脂や分離膜を仕入販売するほか、用途に合わせて洗浄や加工などを行い、主に国内の化学メーカーや機械メーカー、商社などへ販売しています。また、イオン交換樹脂や分離膜の再生処理も行っています。当社は、純水製造以外の用途の液体処理案件への対応を得意としています。自社内の分析・開発部門で、イオン交換樹脂や使用する液体の分析・試験ができ、長年培ってきたノウハウがあります。さらに様々なメーカーからの商品調達に加え、自社で保有する設備を使用して加工をすることで、顧客の求める処理に最適な製品の選定や使用方法の提案を行うことに努めています。 ① イオン交換樹脂・分離膜イオン交換樹脂はイオン交換(物質中のイオンと溶液中のイオンを入れ替える)機能を持つ合成樹脂であり、純水の製造や排水中の重金属除去など様々な分野に使用されています。ランクセス社製のレバチット®やデュポン社製のデュオライト™をはじめとした様々なメーカーのイオン交換樹脂に加え、顧客の要求に合わせ、当社で加工をしたイオン交換樹脂の販売を行っております。国内でも数少ないイオン交換樹脂の再生・乾燥・粉砕等の加工設備を保有しており、顧客のニーズにあった処理を行うことができます。分離膜は細孔の空いた膜で、用途に合わせた孔径の膜を使用し濾過や濃縮などを行うことができます。各種メーカーの分離膜を販売するほか、分離膜の再生・洗浄も行っております。 ② 水処理装置イオン交換樹脂や分離膜を組み込んだ水処理装置の設計・製造を行っております。 ③ 受託加工当社の製造設備を使用し、顧客から預かった溶液の精製処理のほか、ディーゼル車の排気ガスを浄化するAdBlue®の製造を行っております。また、機能性接着剤(導電性、速乾性、紫外線硬化などの機能を持った接着剤)などの混合及び分散(粉体の粒径が揃い、流体や他の成分中へ均一に混ざること)、使用する分量で小分けするなどのリパック加工も行っております。 ④ その他水処理に使用される消耗品や試験用の部材の販売を行っております。また、工業用アロンアルフア®をはじめとした機能性接着剤の販売、主に電子産業向けに帯電防止フィルム(静電気の蓄積を防ぐフィルム)やクリーンルームで使用する消耗品などの販売も行っております。 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
医薬品事業は薬価改定の影響を受けるが、化学品事業は特殊技術で優位性がある。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
医薬品事業の分析設備と少量多品種生産、化学品事業のイオン交換樹脂粉砕・乾燥設備と長年の加工実績。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:原材料・商品の仕入に関するリスク / 市場及び顧客動向に関するリスク / 許認可及び法的規制に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 0 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

現時点では、室町ケミカルの無形資産に関する具体的な情報(ブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPなど)は開示されておらず、評価可能なデータが存在しません。

スイッチングコスト☆☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客が室町ケミカルの製品やサービスから他社へ乗り換える際のスイッチング・コストに関する具体的な情報は開示されておらず、評価できません。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

室町ケミカルの事業において、ネットワーク効果(ユーザー増加による価値向上)が競争優位の源泉となっているという情報は現時点では確認できません。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

室町ケミカルが構造的に他社よりも低コストで製品を生産・提供できるという証拠は、開示情報からは見当たりません。

規模の経済☆☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

室町ケミカルが業界規模に対して最適な少数寡占を形成し、効率規模の経済を享受しているという具体的な証拠は現時点では確認できません。

  • 原薬のトータルサービス
    医薬品事業では、原薬商社としての機能と原薬メーカーとしての機能を兼ね備えています。海外からの原料調達力と自社での製造・加工能力、さらに日本薬局方に基づく試験・分析体制を持つことで、品質とコスト、納期において顧客ニーズに柔軟に対応できる点が強みです。
  • 高度なマスキング技術
    健康食品事業では、長年の経験で培った高度なマスキング技術が競争優位性となっています。健康・美容成分特有の苦みや匂いを調整し、美味しく食べやすい製品に仕上げることで、他社との差別化を図り、ODM(企画・設計・製造)案件を多数獲得しています。
  • イオン交換樹脂の加工技術
    化学品事業では、国内でも数少ないイオン交換樹脂の再生・乾燥・粉砕等の加工設備を保有しており、顧客の多様なニーズに合わせた製品提供が可能です。また、純水製造以外の特殊な液体処理案件への対応を得意とし、自社分析・開発部門のノウハウと組み合わせることで、最適な製品選定と提案ができる点が強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は「健康」と「環境」をテーマに社会に貢献することを目指し(パーパス)、「私たちは人々との出会いを大切にし、常に新たなチャレンジと実現化の努力により、社会に貢献する企業を目指します。」を経営理念として掲げております。投下資本をより有効に活用する観点から、2026年5月を目途に健康食品事業から事業撤退することを決定いたしました。今後は、「医薬品」「化学品」の2つの事業に経営資源を集中させ、チャレンジと技術・ソリューションに価値を置く問題解決型の企業として、持続的な成長を目指します。 (2) 中期経営計画当社では、2025年5月期を最終年度とする3か年計画『中期経営計画2025』を策定し、長期ビジョンとしての2032年5月期売上高100億円・営業利益率10%以上に向けて、成長に向けた取り組みを強化する3か年と位置づけておりました。この3年間においては、海外でのインフレを背景に急激に進んだ円安や原材料費や人件費の高騰等の外部環境の変化が生じました。こうした環境変化に対応すべく、為替変動に対応した販売価格の設定や製造コストの低減を図ってまいりましたが、予定していた輸入原薬の新規採用における進捗の遅れや想定を上回る外部環境の変化により、売上高及び営業利益は当初計画に届かず、未達となりました。一方で、財務健全性を重視した経営を継続した結果、自己資本比率については計画を上回る水準を確保し、また配当性向についても安定的な株主還元を実現し、目標を達成することができました。 2025年5月期(当事業年度)実績2025年5月期目標売上高6,653百万円7,000百万円以上営業利益432百万円600百万円以上営業利益率6.5%8.5%以上ROE10.2%15%以上自己資本比率46.6%35%以上 これらの結果を踏まえ、2028年5月期を最終年度とする新たな3か年の計画『中期経営計画2028』を策定いたしました。本計画では、「事業の再構築と更なる成長に向けた基礎固め」をテーマに「既存事業の伸長と新市場・新技術へのチャレンジ」「売上増に対応した製造体制構築、製造設備の拡充」「アライアンスの積極活用」「人的資本経営の導入に向けた土台作り」「資本コストを意識した効率的な経営」を柱とし、経営資源の再配分と重点事業の伸長及び将来の成長に向けた投資を進めるとともに、財務戦略においては、引き続き自己資本の充実と資本効率の最適化を両立させ、株主還元についても安定的な配当を維持することで、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。 計画の達成状況を判断するための客観的な指標は以下のとおりです。 2028年5月期目標売上高7,200百万円以上営業利益360百万円以上営業利益率5%以上EBITDA650百万円以上ROE10%以上 (注)上記目標値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。 (3) 経営環境及び優先的に対処すべき課題等① 医薬品事業昨今の世界情勢を受け、原薬調達におけるカントリーリスクの懸念は高まっており、医薬品原薬の複数購買化はいっそう進むと考えております。当社においても、多地域からの調達ネットワークを強化し顧客の新たな要望に応えるとともに、既存品の安定供給に向けた施策を実施してまいります。また、メーカーとしての当社の技術と資源を最大限活かし、必要な設備投資を行いながら、お客様からいただいた多くの開発案件を着実に立ち上げ、取引の拡大につなげてまいります。 ② 健康食品事業新規案件の獲得が進み売上は伸長していたものの、原材料費や人件費の高騰に加えて、多様化する開発案件に対するコスト増等により収益改善の限界が見えてきました。そのような状況と、他の成長事業において製造能力増強を目的とした人員や製造スペース・倉庫等の拡充を急ぐ状況を鑑み、当事業より撤退することを決定いたしました。今後は、契約の残る受託製造品を確実に顧客へ届けることに注力するとともに、撤退により確保した人員を含めた経営資源の有効活用を進めてまいります。 ③ 化学品事業競合が多く激しい競争はあるものの、海外・国内共にイオン交換樹脂市場は堅調に成長しております。当社は長年培ってきた液体処理技術を活かし、各々の顧客の抱える課題を解決すべく製商品の開発を強化してまいります。海外のイオン交換樹脂メーカー等との共同開発にも積極的に取り組み、社会課題の解決に資する技術をはじめとした用途開発と、海外を含む新たなターゲット市場の開拓を加速させてまいります。 ④ 品質管理体制の強化高品質な製品を安定的に提供するため、品質管理体制の強化は重要なものと考えております。新製品の立ち上げが増加していくなかでも効率的に安定した品質管理を行えるよう、自動化装置等の設備投資を行いながら管理体制の維持・強化に努めてまいります。 ⑤ 生産体制の強化新製品の立ち上げや製造量の増加に対応すべく、生産技術の向上に取り組み、工場スペースの有効活用や最適な設備配置、工場インフラの強化など、今まで以上に効率的で安定生産が可能な体制を構築してまいります。 ⑥ 人的資本経営への取り組み魅力ある企業として持続的に成長するためには、人材への投資とエンゲージメント向上は不可欠だと考えております。当期は、「経営理念」の一部を見直し、加えて、人的資本経営の土台作りとして「大切にする価値観(コアバリュー)」を設定することで上位概念を整理し、企業としてありたい姿を明確にしました。今後は、同時にまとめた各々のポリシー(人材関連の方針)に基づき「採用」「育成」「評価」「職場環境」の仕組みと運用の改善を継続することで、従業員の意欲を引き出し、個々の能力を伸ばし、エンゲージメントを高めることで、企業価値の継続的な成長につなげます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は「健康」と「環境」をテーマに社会に貢献することを目指し(パーパス)、「私たちは人々との出会いを大切にし、常に新たなチャレンジと実現化の努力により、社会に貢献する企業を目指します。」を経営理念として掲げております。投下資本をより有効に活用する観点から、2026年5月を目途に健康食品事業から事業撤退することを決定いたしました。今後は、「医薬品」「化学品」の2つの事業に経営資源を集中させ、チャレンジと技術・ソリューションに価値を置く問題解決型の企業として、持続的な成長を目指します。 (2) 中期経営計画当社では、2025年5月期を最終年度とする3か年計画『中期経営計画2025』を策定し、長期ビジョンとしての2032年5月期売上高100億円・営業利益率10%以上に向けて、成長に向けた取り組みを強化する3か年と位置づけておりました。この3年間においては、海外でのインフレを背景に急激に進んだ円安や原材料費や人件費の高騰等の外部環境の変化が生じました。こうした環境変化に対応すべく、為替変動に対応した販売価格の設定や製造コストの低減を図ってまいりましたが、予定していた輸入原薬の新規採用における進捗の遅れや想定を上回る外部環境の変化により、売上高及び営業利益は当初計画に届かず、未達となりました。一方で、財務健全性を重視した経営を継続した結果、自己資本比率については計画を上回る水準を確保し、また配当性向についても安定的な株主還元を実現し、目標を達成することができました。 2025年5月期(当事業年度)実績2025年5月期目標売上高6,653百万円7,000百万円以上営業利益432百万円600百万円以上営業利益率6.5%8.5%以上ROE10.2%15%以上自己資本比率46.6%35%以上 これらの結果を踏まえ、2028年5月期を最終年度とする新たな3か年の計画『中期経営計画2028』を策定いたしました。本計画では、「事業の再構築と更なる成長に向けた基礎固め」をテーマに「既存事業の伸長と新市場・新技術へのチャレンジ」「売上増に対応した製造体制構築、製造設備の拡充」「アライアンスの積極活用」「人的資本経営の導入に向けた土台作り」「資本コストを意識した効率的な経営」を柱とし、経営資源の再配分と重点事業の伸長及び将来の成長に向けた投資を進めるとともに、財務戦略においては、引き続き自己資本の充実と資本効率の最適化を両立させ、株主還元についても安定的な配当を維持することで、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。 計画の達成状況を判断するための客観的な指標は以下のとおりです。 2028年5月期目標売上高7,200百万円以上営業利益360百万円以上営業利益率5%以上EBITDA650百万円以上ROE10%以上 (注)上記目標値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。 (3) 経営環境及び優先的に対処すべき課題等① 医薬品事業昨今の世界情勢を受け、原薬調達におけるカントリーリスクの懸念は高まっており、医薬品原薬の複数購買化はいっそう進むと考えております。当社においても、多地域からの調達ネットワークを強化し顧客の新たな要望に応えるとともに、既存品の安定供給に向けた施策を実施してまいります。また、メーカーとしての当社の技術と資源を最大限活かし、必要な設備投資を行いながら、お客様からいただいた多くの開発案件を着実に立ち上げ、取引の拡大につなげてまいります。 ② 健康食品事業新規案件の獲得が進み売上は伸長していたものの、原材料費や人件費の高騰に加えて、多様化する開発案件に対するコスト増等により収益改善の限界が見えてきました。そのような状況と、他の成長事業において製造能力増強を目的とした人員や製造スペース・倉庫等の拡充を急ぐ状況を鑑み、当事業より撤退することを決定いたしました。今後は、契約の残る受託製造品を確実に顧客へ届けることに注力するとともに、撤退により確保した人員を含めた経営資源の有効活用を進めてまいります。 ③ 化学品事業競合が多く激しい競争はあるものの、海外・国内共にイオン交換樹脂市場は堅調に成長しております。当社は長年培ってきた液体処理技術を活かし、各々の顧客の抱える課題を解決すべく製商品の開発を強化してまいります。海外のイオン交換樹脂メーカー等との共同開発にも積極的に取り組み、社会課題の解決に資する技術をはじめとした用途開発と、海外を含む新たなターゲット市場の開拓を加速させてまいります。 ④ 品質管理体制の強化高品質な製品を安定的に提供するため、品質管理体制の強化は重要なものと考えております。新製品の立ち上げが増加していくなかでも効率的に安定した品質管理を行えるよう、自動化装置等の設備投資を行いながら管理体制の維持・強化に努めてまいります。 ⑤ 生産体制の強化新製品の立ち上げや製造量の増加に対応すべく、生産技術の向上に取り組み、工場スペースの有効活用や最適な設備配置、工場インフラの強化など、今まで以上に効率的で安定生産が可能な体制を構築してまいります。 ⑥ 人的資本経営への取り組み魅力ある企業として持続的に成長するためには、人材への投資とエンゲージメント向上は不可欠だと考えております。当期は、「経営理念」の一部を見直し、加えて、人的資本経営の土台作りとして「大切にする価値観(コアバリュー)」を設定することで上位概念を整理し、企業としてありたい姿を明確にしました。今後は、同時にまとめた各々のポリシー(人材関連の方針)に基づき「採用」「育成」「評価」「職場環境」の仕組みと運用の改善を継続することで、従業員の意欲を引き出し、個々の能力を伸ばし、エンゲージメントを高めることで、企業価値の継続的な成長につなげます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。 (1) 経営成績の状況当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や堅調な企業収益、訪日外国人の増加によるインバウンド需要の回復等により、緩やかな回復傾向にありましたが、物価の高騰や金融・為替市場の変動、不安定な国際情勢やアメリカの政策動向による経済環境への影響などにより、先行きは不透明な状況になっております。このような状況の下、当社は厳正な品質管理の実施や原材料・商品の安定調達を基本として、新製品の開発や新分野への進出及び生産効率の改善に努めてまいりました。その結果、当事業年度における経営成績は、売上高6,653,028千円と前年同期と比べ283,931千円(4.5%増)の増収、営業利益432,188千円と前年同期と比べ10,350千円(2.5%増)の増益、経常利益430,093千円と前年同期と比べ1,987千円(0.5%増)の増益、当期純利益は241,277千円と前年同期に比べ88,919千円(26.9%減)の減益となりました。 セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。① 医薬品事業自社製造原薬については、開発案件やテスト生産は増加したものの、既存製品における前年の一時的な需要増の反動により前年同期の売上を下回りました。輸入原薬については、抗炎症薬用原薬などの売上増加や新規取り扱い原薬の販売開始などで売上が増加しましたが、事業全体としての売上は前年同期比で減少しました。開発センター移転に関連する費用や減価償却費の増加等により開発費が増加したものの、売上品目構成の変化や為替変動に応じた価格設定が進んだことなどにより原価率が改善し、営業利益は前年同期並みとなりました。その結果、医薬品事業における売上高は3,217,862千円と前年同期と比べ40,653千円(1.2%減)の減収、営業利益は473,568千円と前年同期と比べ2,334千円(0.5%減)の減益となりました。 ② 健康食品事業前事業年度に販売開始した新規の大型OEM案件や美容系製品を中心とした既存製品の売上が増加したため、前年同期比で売上が増加しました。売上増加に伴い工場稼働率は向上したものの、外注加工等の製造費用も増加したことから原価率は前年同期と同程度にとどまりました。また、案件増加に対応するため開発部門を強化したことにより販売費及び一般管理費が増加しました。これらの状況を踏まえ、当事業の今後の収益性や会社全体の成長等を勘案した結果、2025年6月の取締役会にて当事業の撤退を決議し、原材料の評価損や撤退に関する費用を計上したため、営業利益は大きく減少しました。その結果、健康食品事業における売上高は1,043,260千円と前年同期と比べ208,794千円(25.0%増)の増収、営業損失は98,556千円(前年同期は37,791千円の営業損失)となりました。 ③ 化学品事業半導体向け市場の活性化等を背景に主力のイオン交換樹脂の売上が好調に推移したことに加え、受託加工案件において受託量が増加したことなどから、事業全体として前年同期の売上を上回りました。原価率については、製造体制の見直しの効果等により改善しました。PFAS等の新たな分野への進出を見据え開発体制及び販売体制を強化したことに伴い、開発費や販売費が増加しましたが、売上総利益増加により営業利益は増加しました。その結果、化学品事業における売上高は2,391,905千円と前年同期と比べ115,790千円(5.1%増)の増収、営業利益は57,176千円(前年同期は16,273千円の営業損失)となりました。 (2) 財政状態の状況当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて205,306千円増加し、5,264,574千円となりました。① 流動資産商品及び製品が129,131千円増加、前渡金が80,819千円増加、仕掛品が66,971千円増加、売掛金が64,261千円増加、電子記録債権が237,049千円減少したことなどから、前事業年度末に比べて128,000千円増加し、3,608,522千円となりました。 ② 固定資産機械及び装置(純額)が64,361千円増加、建物(純額)が42,004千円増加、工具、器具及び備品(純額)が34,992千円増加、建設仮勘定が92,331千円減少したことなどから、前事業年度末に比べて77,305千円増加し、1,656,051千円となりました。 ③ 流動負債その他の流動負債が139,478千円減少、電子記録債務が97,453千円減少、1年内返済予定の長期借入金が80,444千円増加したことなどから、前事業年度末に比べて137,587千円減少し、1,455,333千円となりました。 ④ 固定負債長期借入金が141,100千円増加したことなどから、前事業年度末に比べて162,333千円増加し、1,357,458千円となりました。 ⑤ 純資産繰越利益剰余金が153,947千円増加したことなどから、前事業年度末に比べて180,560千円増加し、2,451,781千円となりました。その結果、自己資本比率は46.6%となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物は1,028,068千円となり、前事業年度末に比べ22,358千円減少しました。営業活動によるキャッシュ・フローは、215,961千円の収入(前年同期は637,701千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益350,048千円、減価償却費161,748千円、売上債権の減少額178,431千円などによるキャッシュの増加、棚卸資産の増加額183,526千円、仕入債務の減少額155,428千円などによるキャッシュの減少によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、370,504千円の支出(前年同期は232,230千円の支出)となりました。これは主に、医薬品開発センターの移転に関連した有形固定資産の取得による支出328,813千円などによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、123,200千円の収入(前年同期は209,954千円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入750,000千円、長期借入金の返済による支出528,456千円、配当金の支払いによる支出87,240千円、短期借入金の返済による支出10,000千円などによるものです。 (4) 生産実績当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)医薬品事業871,716111.1健康食品事業883,126144.9化学品事業984,28094.0合計2,739,123112.2 (注) 金額は、製造費用によっております。 (5) 受注実績当社は一部受注実績の記載になじまない商材があるため、当該記載を省略しております。 (6) 販売実績当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)医薬品事業3,217,86298.8健康食品事業1,043,260125.0化学品事業2,391,905105.1合計6,653,028104.5 (注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先第78期事業年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)第79期事業年度(自 2024年6月1日  至 2025年5月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)不二化学薬品株式会社873,64213.7758,85511.4 (7) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営成績の分析当事業年度における経営成績の状況の概要は「(1) 経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、主要な表示科目に沿った認識及び分析は次のとおりであります。 ・売上高当事業年度における売上高は、6,653,028千円と前年同期と比べ283,931千円の増収(4.5%増)となりました。医薬品事業では、新規取引品目も含め輸入原薬の販売が好調に推移しましたが、自社製造原薬の既存品の売上が前年同期を下回り、事業全体の売上は微減となりました。一方、健康食品事業では前事業年度に開始した大口のOEM製品を中心に売上が増加、化学品事業ではイオン交換樹脂の販売や受託製造の売上が好調に推移し、全社の売上としては前年同期を上回ることができました。 ・売上総利益当事業年度における売上総利益は、1,960,317千円と前年同期と比べ105,506千円の増益(5.7%増)となりました。化学品事業において前事業年度に行った製造体制の見直しの効果が表れてきたことや工場稼働率が向上したことなどにより売上総利益率が改善しました。一方、健康食品事業においては、売上が増加し工場稼働率も向上したものの、それに伴い製造費用も増加したため売上総利益率は前事業年度と同水準にとどまりました。 ・営業利益当事業年度における営業利益は、432,188千円と前年同期と比べ10,350千円の増益(2.5%増)となりました。医薬品開発センター移転に伴う減価償却費の増加や、各事業での販売体制、開発体制の強化により販売費及び一般管理費合計は1,528,128千円と前年同期と比べ95,155千円の増加(6.6%増)となりました。 ・経常利益当事業年度における経常利益は、430,093千円と前年同期と比べ1,987千円の増益(0.5%増)となりました。借入金の増加による支払利息の増加などにより営業外費用が増加しました。 ・当期純利益当事業年度における当期純利益は、241,277千円と前年同期と比べ88,919千円の減益(26.9%減)となりました。前事業年度は役員保険の解約により保険解約返戻金を計上し特別利益が増加しましたが、当事業年度は健康食品事業の撤退決定により減損損失を計上したため、当期純利益は大きく減少しました。 経営成績等の状況を踏まえた、経営方針及び課題への取り組みについては「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 ② 財政状態の分析財政状態の分析・検討内容については、「(2) 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。これらの短期及び長期的な必要資金は自己資金や金融機関からの借入金を中心とし、金融商品等での運用や投機的な取引を行わないことを基本としています。金融機関からの借入金については、取引金融機関との間で運転資金として借入枠総額1,300,000千円のコミットメントライン契約(対2行)及び借入枠総額300,000千円の当座貸越契約(対2行)を締結し、安定的な資金調達の体制を構築しております。 資金の流動性については、事業計画、投資計画に応じた現金及び預金残高の確保と必要に応じて外部資金の調達を行うことにより維持していきます。なお、通常時は、月商の1.5倍を目安に現預金の残高を確保することとしております。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。財務諸表作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」及び「(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について当社の経営成績等に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。 ⑥ 経営者の問題意識と今後の課題について経営者の問題意識と今後の課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境及び優先的に対処すべき課題等」に記載しております。 ⑦ 経営方針、経営戦略、経営上の目標達成を判断するための客観的指標等経営方針、経営戦略、経営上の目標達成を判断するための客観的指標等については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中期経営計画」に記載しております。

事業リスク

  • 原材料・商品の仕入に関するリスク
    医薬品原薬は主に海外から調達しており、市況変動や為替相場の急激な変動、海外メーカーの経営状態や供給体制、現地政情の変化などにより、調達価格の高騰や遅延、不可能となる可能性があります。これにより、当社の経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 市場及び顧客動向に関するリスク
    医薬品原薬の販売量は、関連する医薬品の市場需要や競合製品の動向に左右されます。また、液体処理市場では顧客の工場稼働率や設備投資の動向が需要に影響を与えます。さらに、特定の顧客への依存度が高く、上位5社への売上高が全体の32.8%を占めるため、これらの顧客の販売戦略変更や企業再編などが当社の経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
  • 許認可及び法的規制に関するリスク
    医薬品事業では薬機法、健康食品事業では食品衛生法や不当景品類及び不当表示防止法など、多岐にわたる法的規制を受けています。意図せぬ法令違反や予期せぬ法律・規制の変更、あるいは現行法令の解釈・適用によって新たな対策が必要となった場合、許認可の取り消しや業務停止などの不利益処分を受け、当社の事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|6,206 文字
3 【事業等のリスク】以下において、当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。なお、当社は、これらのリスクの発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。また、以下の記載は本株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。 (1) 原材料・商品の仕入に関するリスク医薬品原薬は、それを使用する医薬品メーカー等が製造する特定の製剤の仕様に応じて主に海外から継続的に調達しております。当社の原薬輸入及び原材料仕入に係る価格が市況変動及び為替相場等の事情によって急激に変動した場合、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、海外原薬メーカーの経営状態、販売方針、供給体制、許認可及び現地政情等の影響により、原薬の調達が遅延、難航あるいは不可能となった場合には、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 市場及び顧客動向に関するリスク医薬品原薬の販売量は当該製剤の市場での需要変動、競合製品の動向等による影響を受ける可能性があります。液体処理市場においては、顧客の工場操業度、設備投資の動向により需要が変化し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は現状、特定の相手先との取引に依存する割合が比較的高く、2025年5月期における当社の売上高の上位5社が占める割合は32.8%となります。顧客の販売戦略の変更や生産・在庫調整等が取引額に大きく影響する可能性があります。また、当社の取引先が企業再編、あるいは資本変更等により他社の傘下に入ること等が発生した場合には、その親会社等の意思決定に取引先動向が左右されることから取引額が減少し、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 許認可及び法的規制に関するリスク当社は医薬品原薬の販売に関して薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)、薬機法施行規則及びそれらに関するGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)省令等の規制を受けており、主に下記の承認・許認可等を受けております。当社は、当該許認可等を受け、また維持すべく諸条件及び関係法令の遵守を徹底しており、現時点において当該許認可等の取消又は停止等の行政処分事例は発生しておりません。しかし、意図せぬ法令違反等によりこれらの許認可に対し行政庁より許可の取り消しや業務の停止等、不利益処分が下された場合には、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす恐れがあります。また、健康食品そのものを単独に規定する法律は存在せず、健康食品の明確な定義もありません。しかしながら販売者が、健康食品等を特定疾病や身体機能への効果を標ぼうし販売すると、医薬品等を規定する「薬機法」における無許可無認可医薬品の販売としてみなされることになります。その他の法的規制としては、飲食に起因する衛生上の危害の発生防止及び公衆衛生の向上・増進を図る見地から、食品の規格・添加物・衛生管理・営業許可を定めた「食品衛生法」、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例を定めることにより公正な競争を確保し、もって一般消費者の利益を確保することを目的とした「不当景品類及び不当表示防止法」、健康増進の総合的な推進に関した基本的な事項を定めるとともに国民の健康の増進を図るための措置を講ずることを定めた「健康増進法」、食品の安全性の確保に関し、基本理念及び施策の策定に係わる基本方針を定め、関係者の責任及び役割を明らかにすることにより、食品の安全性の確保を総合的に推進することを目的とした「食品安全基本法」があります。当社としては、法律を遵守するよう最善の注意と努力を行うとともに、監督諸官庁に対する報告及び照会・指導の要請並びに立会いの受け入れを行い、指導内容に対しては迅速に改善をすることで対応しております。しかしながら予期しない法律又は規制の変更及び現行の法的規制における法令の解釈・適用によって新たな対策が必要になった場合には、当社の事業、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。当社の主要な承認・許認可等は以下のとおりです。許認可等の名称所管官庁等有効期間 主な許認可取消事由医薬品製造業許可証福岡県5年薬機法第75条第1項医薬品販売業許可証福岡県/東京都6年薬機法第75条第1項向精神薬輸入業者免許書厚生労働省5年麻薬及び向精神薬取締法第51条毒物劇物一般販売業登録票福岡県/東京都/茨城県6年毒物及び劇物取締法第19条第4項毒物劇物製造業登録票厚生労働省5年毒物及び劇物取締法第19条第4項毒物劇物輸入業登録票厚生労働省5年毒物及び劇物取締法第19条第4項菓子製造業(パン以外)福岡県6~10年食品衛生法第55条、第56条清涼飲料水製造業福岡県6~10年食品衛生法第55条、第56条JISマーク表示制度認証一般財団法人日本品質保証機構3年JIS Q 1001 15一般建設業許可福岡県5年建設業法第29条 (4) 品質に関するリスク当社は、取り扱う医薬品原薬や健康食品の製造の品質に関して、取扱い及び生産工程での管理徹底、継続的な研究開発によりその維持・向上に取り組んでおり、日本国内のGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)及び食品GMPの品質基準に適合する生産体制を備えております。しかしながら、外的要因等の影響によりこうした生産体制の維持が困難となり製品の品質低下が生じた場合、社会的信用力や営業上の競争力が低下することにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社では、品質管理基準等に適合するよう細心の注意を払い品質保証に取り組んでおりますが、原薬供給もしくは開発製造、受託製造を行う医薬品に関して品質保証の取り組みの範囲を超えてこれらの事態による販売中止、製品回収もしくは損害賠償等が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、医薬品の発売後に予期していなかった副作用が発生したり、製造過程での製品への異物混入等が発見される、あるいは薬機法に基づく再審査や再評価において、品質、有効性もしくは安全性に関して不適当と評価される可能性があります。輸入供給する原薬についても、特に海外における原薬製造の部分においては日本国内の種々の基準や規制に適合する製品が供給されるよう、継続した製造工程や製造環境等のコントロールが不可欠であり、納品後に異物混入が見つかるなどして回収を余儀なくされる場合があります。 (5) 薬価改定等に関するリスク医療用医薬品は政府の制定する薬価基準により保険価格が定められており、定期的に実施される薬価改定により販売が好調な品目等において薬価の引き下げ等が行われた場合の影響が予想されます。薬価改定後には、医薬品製造販売における販売価格低下、利益幅減少等の影響や、原薬販売における需要変動や販売価格低下、利益幅減少等の影響が生じ、政府による医療保険制度抜本改革と併せ当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 競合に関するリスク当社では、医薬品事業において自社で分析を行う設備を有しており、日本国内の品質基準への対応の面で取引先からも相応の評価を得ております。また、医薬品製造販売においても少量多品種生産に対応可能な工場を保有することから製造受託において競合他社に比べ優位な部分もあるものと考えております。しかしながら、競合他社の分析設備導入や同種工場新設によっては当社の優位性が損なわれ、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。化学品事業についてはイオン交換樹脂の粉砕・乾燥設備を保有しているのは国内でも稀であり、長年の加工実績により培われた技術は直ぐに真似できない領域まで来ています。しかしながら、一般的な水処理用途(純水製造等)で使用される製品については、特別な技術を必要とせず価格面による優位性が第一となり、取り扱う競合他社も多く、取引額の減少から経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 知的財産権に係る紛争に関するリスク物質、製法、用途、製剤等に関する特許権等、他者の権利の存否が製品開発に大きな影響をもたらすため、当社は特許権を中心とした知的財産権に関し調査を実施しております。しかしながら、当社と知財権者との見解の相違から、無効審判請求の申立を含む法的紛争に発展する可能性(当社が原告)や特許抵触の疑義があることを理由に法的紛争に発展する可能性(当社が被告)が想定され、そのような場合には判決の内容により当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 設備・固定資産に関するリスク当社は、固定資産を多数所有しており、経済情勢の変化等に伴ってそれらの資産価値が著しく変動し、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が保有する製造設備の中には、導入から長期間が経過した資産も含まれます。適時適切な修繕・メンテナンス・更新等を計画実施しておりますが、老朽化による予期せぬ機器不具合や不慮の故障により製造スケジュールに影響が生じる可能性があります。設備導入に際しては、事前に収益性や投資回収可能性に関する十分な検討を行っておりますが、新規開発品目の販売開始時期の遅延、又は販売予定数量の減少等が発生し、当初の事業計画からの大幅な乖離が生じた場合、固定資産の減損処理を行う必要が生じる等、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 研究開発に関するリスク当社は、取引先からの開発依頼案件、受託案件に関する研究開発活動、製法や品質の分析活動を行っております。これらの活動は、製造販売、業務受託に先行して開始する場合が多々ありますが、必ずしも見込んだ収益獲得につながらない可能性があり、これらの活動を通じて過大な先行投資が行われた場合には、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、新規開発商品を市場に出す際に、承認手続き等が必要な場合には計画的に対応しておりますが、当社又は取引先メーカー等において計画通りの承認取得ができない場合には市場への供給に遅延が生じ、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 自然災害、事故等に関するリスク当社の工場拠点は福岡県、茨城県にあり、自然災害等で両拠点同時に被害を受ける可能性は低いと考えられます。しかし、医薬品、健康食品、化学品全ての生産拠点は福岡県に集中し、当社の工場は全てにおいて直ちに代替が効くものではないことから、災害や事故等が発生した場合、製造設備等への損害、製造ラインの停止、取引先や工場近隣住民への補償等により、当社の事業、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 金利変動に関するリスク当社では、金融機関からの借入によって製造設備、運転資金その他必要な資金を調達しておりますが、今後、市場において金利が上昇した場合には当社の借入金利も上昇することが予想され、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社の借入金には財務制限条項が付されている契約があり、これらには財務諸表の純資産額、経常利益、当期利益等について一定水準の維持を条件とする財務制限条項が付されております。万一、当社の業績が悪化し、財務制限条項に抵触した場合には、当該契約による借入金の返済を求められる結果、当社の財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 売掛金回収に関するリスク当社では、取引先各社との売掛取引に際しては十分な与信管理の元で販売を行っておりますが、予期せぬ取引先の倒産等により貸倒れが発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 税効果会計に関するリスク繰延税金資産の計算にあたっては、将来の課税所得に関する見積りを含めた予測等に基づいており、実際の結果が予測と異なる可能性があります。将来の課税所得の見積りに基づく税金負担の軽減効果が得られないと判断された場合、当該繰延税金資産は取り崩され、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14) 安全性確保及び環境保全に関するリスク製造、分析、研究の過程等で使用し、又は発生する化学物質の中には、人体、生態系、その他環境に悪影響を与える可能性のある物質も含まれます。当社は、関連諸法令の遵守を徹底するとともに、有害物質の漏洩防止及び適法適切な廃棄処理を徹底し、土壌汚染、水質汚濁及び悪臭その他環境被害の発生防止に取り組んでおります。しかしながら、取り扱う物質の特性上予期し得ない現象や結果が発生する可能性も否定はできず、万一事業活動に関係する環境問題が発生した場合には、損害賠償義務の発生やブランドイメージの毀損等経営に影響を与える結果となる可能性があります。また、関連諸法令の改定に伴って多額の対策費用が発生する場合等においても、当社の事業、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 人材確保に関するリスク当社は今後の事業継続・拡大のため質の高い人材を継続的に確保していくことが重要な課題であると認識し人材確保に注力しておりますが、周辺情勢の変動により人材を十分に確保できなかった場合には当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (16) 機密情報の管理に関するリスク当社は、各事業における業務受託等において、取引先の生産計画や新製品の開発に関する機密性の高い情報を取得する場合があります。当社では、機密情報の授受に際し秘密保持契約締結を徹底しているほか、従業員教育やIT統制を通じて機密情報の管理の徹底を図っておりますが、万が一情報漏洩等が発生した場合には、当社の信用の失墜等により、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (17) ITに関するリスク当社は、各拠点・外部との通信ネットワークや様々なITシステムを使用し事業活動を行っております。円滑な事業活動のため、通信ネットワークやITシステム、機器等の適切な管理に努めておりますが、管理の不備やシステム障害、自然災害、サイバー攻撃等により通信ネットワークやITシステムの停止、誤作動が発生した場合には、正常な事業活動の継続が困難となり、当社の事業、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

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