4832

JFEシステムズ(4832)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • システムインテグレーション
    JFEシステムズは、情報システムの企画、設計、開発、運用、保守を一貫して手掛けるシステムインテグレーション(SI)を主軸としています。顧客企業の業務効率化や課題解決をITの力で支援し、その対価として収益を得るビジネスモデルです。特に、JFEグループ向けのシステム開発で培ったノウハウを強みとしています。
  • ソリューション・プロダクト提供
    自社開発のソフトウェアや他社から導入したパッケージ商品を顧客に提供し、それらを活用したシステム構築も行っています。例えば、SCM(サプライチェーンマネジメント)やBI(ビジネスインテリジェンス)、原価管理システム、人事給与システムなど、特定の業務課題に対応する専門性の高いソリューションを展開し、ライセンス料や導入・カスタマイズ費用で収益を上げています。
  • ITインフラ構築・運用
    情報通信基盤の構築や運用、クラウドサービス、情報セキュリティ支援など、ITインフラに関する幅広いサービスを提供しています。企業のIT環境を安定稼働させるための基盤を支え、月額利用料や構築費用、保守費用などを収益源としています。これにより、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)を多角的にサポートしています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • DX事業
    鉄鋼事業をはじめとする各事業分野と連携し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する事業です。オフィスソリューション、製造現場ソリューション、プラットフォーム構築サポートなどを通じて、顧客企業のデジタル化を支援し、新たな価値創造を目指しています。これは、今後の成長ドライバーとして期待される分野です。
  • ソリューション・プロダクト事業
    自社開発や他社導入のソフトウェア商品の開発・販売、およびそれらを適用したシステムインテグレーションを行う事業です。EAI・ERP、SCM、BI、原価管理システム、人事給与システム、電子帳票システム、食品業界向け品質情報管理システムなど、特定の業務課題に対応する多様なソリューションを提供し、幅広い顧客ニーズに応えています。
  • 基盤サービス事業
    情報通信基盤の構築・運用、ITインフラソリューションを提供する事業です。クラウドサービス、ITインフラ構築サービス、サーバ仮想化サービス、情報セキュリティ支援サービス、音声クラウドサービスなどを手掛け、顧客のIT環境を安定稼働させるための基盤を支えています。これは、企業のIT投資に不可欠なサービスであり、安定的な収益源となっています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,108 文字
3 【事業の内容】当社、連結子会社JFEコムサービス株式会社及び株式会社アイエイエフコンサルティング(以下、当社グループという)は、情報システムの企画、設計、開発、運用、保守を行うシステム・インテグレーション(SI)に加え、特徴あるソリューションや自社プロダクトを活用したシステムの構築及び業務システムを支えるITインフラソリューションを主たる業務としております。主な事業内容は以下のとおりであります。 <DX事業>鉄鋼事業をはじめとする各事業分野と連携を取りつつDXビジネスを推進しております。(主な対象分野)・オフィスソリューション、製造現場ソリューション、プラットフォーム構築サポート <ソリューション・プロダクト事業>自社開発及び他社より導入したソフトウエア商品の開発、販売及びそれらを適用したSIを行っております。(主な対象分野)・EAI・ERP及び周辺テンプレート・SCM・BI(*1)・原価管理システム、購買管理システム、人事給与システム・eコマース、システム連携・電子帳票システム(帳票データの電子化)・食品業界向け品質情報管理システム、製法管理システム (*1) BI:Business Intelligence経営・会計・情報処理などの組織のデータを収集・蓄積・分析・報告することで、経営上などの意思決定に役立てる手法や技術のこと。 <基盤サービス事業>情報通信基盤の構築、運用及びそれらを利用したITインフラソリューションを提供しております。(主な対象分野)・クラウドサービス・ITインフラ構築サービス・サーバ仮想化サービス・情報セキュリティ支援サービス・音声クラウドサービス・ネットワーク関連機器販売及び付帯サービス(ヘルプデスク等) <ビジネスシステム事業>顧客の多様な業務ニーズに対応した、各業種・分野の業務システムのSIを行っております。(主な対象分野)・製造、流通業界向け:販売、生産・物流、会計、原価、購買、需給、品質等のシステム開発、保守・金融業界向け:勘定系、年金等のシステム開発、保守 <鉄鋼事業>主にJFEスチール株式会社及びJFEグループ会社向けの業務システムのSIを企画立案から行っております。(主な対象分野)・鉄鋼業界向け:販売、生産・物流、会計、原価、購買、需給、品質等のシステム開発、保守 ※当社は2025年4月1日付けで組織再編を実施し、6つの事業本部制に移行しております。①デジタル製造事業本部(DX)②ERPソリューション事業本部③基盤事業本部④産業ソリューション事業本部⑤スマートソリューション事業本部⑥鉄鋼事業本部 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
情報システムの企画、設計、開発、運用、保守を行うシステム・インテグレーションの技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
会社が挙げる主要リスク:国内景気と顧客のIT投資動向 / 情報システム構築に関するリスク / 情報セキュリティに関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

具体的なブランド価値、特許ポートフォリオ、規制ライセンス、または独占的IPに関する公開情報が限定的であり、無形資産による競争優位性は現時点では明確に評価できない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客の基幹システムや業務プロセスに深く統合されたITソリューションを提供しており、システム変更に伴うコストやリスクから、一定のスイッチング・コストが発生すると考えられる。しかし、競合他社も同様のサービスを提供しており、乗り換え障壁は限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、プラットフォーム型ではなく、個別のシステム開発・保守・運用が中心であり、ネットワーク効果による競争優位性は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

特定の技術や開発手法による効率化の可能性はあるものの、業界全体として価格競争が激しく、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。人件費や開発費の変動がコストに影響。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

大手鉄鋼メーカーグループ(JFEグループ)のIT子会社としての位置づけであり、グループ内での安定した需要と、長年のシステム開発・運用で培われたノウハウが強み。これにより、一定規模のプロジェクトを効率的に遂行できる。

  • JFEグループとの強固な関係
    JFEスチールをはじめとするJFEグループ会社向けのシステム開発・保守を長年手掛けており、鉄鋼業界特有の複雑な業務プロセスやシステム要件に関する深い知見と実績を有しています。この安定した顧客基盤と専門性は、他社が容易に参入できない強力な競争優位性となっています。
  • 多様な業界への対応力
    製造、流通、金融といった幅広い業界の顧客に対して、販売、生産・物流、会計、人事など多岐にわたる業務システムの開発・保守を行っています。これにより、特定の業界に依存しない収益構造を構築し、景気変動リスクを分散するとともに、様々な業界で培ったノウハウを相互に活用できる強みを持っています。
  • 自社プロダクトと専門ソリューション
    EAI・ERP、SCM、BI、原価管理システム、食品業界向け品質情報管理システムなど、特定の業務課題に特化した自社開発プロダクトやソリューションを多数保有しています。これにより、顧客のニーズに合わせた最適なシステムを迅速に提供できるだけでなく、他社との差別化を図り、高付加価値なサービスを提供できる点が強みです。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 当社グループの企業理念体系当社の存在意義を「パーパス」として言語化するとともに、パーパスの体現に向けて共有する価値観である「バリュー」を、率先する行動概念として「行動指針」を制定しております。当社グループの理念体系はこの「パーパス」「バリュー」「行動指針」で構成され、社員が実際の業務に取り組む際によりどころとする基軸を示すとともに、社外に対して当社が何を信じ、どのように社会に貢献していくのかを示しております。 ①パーパス社員が共感できる当社の存在意義。当社はこのパーパスの浸透と定着を通して、社員エンゲージメントを強化し、業務に対する社員の自主的貢献意欲を高め、持続的な成長と社会的な貢献を目指します。 はたらくをスマートに。はたらく人にスマイルを。 企業中心の時代から、人間中心の時代へ。業務を正確に、効率的にするだけでなく、はたらく人を夢中に、創造的にしてくれるITが求められている。私たちは、そんなITを「スマートフル(Smart+Heartful)IT」(*)と呼んでいます。JFEシステムズは、ITのプロフェッショナルとして、人のつながりを大切に、世の中の「こうなりたい」という想いに向き合い、スマートフルITの力で 「できるんだ!」を広げます。 (*)「スマートフル(Smart+Heartful)IT」当社パーパスをシンプルに表現したブランドシンボル ②バリュー組織内で共有する価値観。当社は「スマートフルIT」の体現に向け、下記の5つの価値観を共有・重視します。 (a) Smart    理にかなった思考で、常識を変え、はたらくをカッコよく。(b) Collaborate ナレッジ共有と多彩な知のつながりで、新たなアイデアを。(c) Empower   「こうなりたい」に向き合い、学び、はたらくを創造的に。(d) Challenge  考え抜いた挑戦には、失敗はない。新たな学びがある。(e) Speed    変化の激しい時代、スピードは圧倒的な価値を生み出す。 ③行動指針組織として優先する行動。当社は「人のつながり」を重視した組織文化が、組織のメンバーの能力発揮に大きな影響を与えるという考え方を重視し、人と人との関係性(Good Relationships)を行動指針の柱とします。 「スマートフルIT」実践に向け、GOOD RELATIONSHIPSをなにより大切にします。 (2) 経営環境、経営戦略等、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、2025~2027年度までの3か年を対象とした中期経営計画を策定しております。また、社会的価値の提供、事業規模の拡大、企業価値の向上により、スマートフルITを実現していくことを2030年度に目指す姿とし、具体的な数値として2030年度に連結売上高850億円以上、連結営業利益120億円以上を目標として掲げております。2025~2027年度の本中期経営計画は、その目標に向け事業ポートフォリオの抜本的再構築のための準備期間と位置付け、2028~2030年度に量的にも質的にも変化していくことを目指しております。 本中期経営計画については、売上高、利益ともに2025年度に鉄鋼事業本部の売上高の減少を主因として一旦落ち込むものの、2027年度には2024年度実績を上回る計画としております。『企業としての成長・事業間の協力連携・お客様との共創』をテーマに、JFEスチールとの取引で培った実績を強みとして、社会に貢献し、持続的に成長する企業を目指しております。具体的には、重点成長事業(DX、ERP、基盤サービス)への事業ポートフォリオ転換の推進、会社の持続的な発展と成長を目指した企業文化の変革、本中期経営計画3か年の事業活動により創出されるキャッシュと手元資金を活用した投資・財務戦略の強化を3つの基本戦略に定め、取り組んでおります。 戦略の要諦の詳細は以下のとおりです。 1. 事業ポートフォリオ転換重点成長領域の事業強化を推進し、持続的成長を実現する経営体質への変革を目指しております。DX、ERP、基盤サービスを重点成長領域として、人材や投資資金の大胆なシフトを行い、事業ポートフォリオの転換を進めております。また、顧客の経営課題に向き合い、コンサルティングを通じて顧客と一緒に課題解決に取り組む人材の確保・育成を進めております。 ○ 重点成長事業の事業戦略・DX(デジタル製造)デジタル製造事業においては、高度で複雑な製造設備制御や人手不足、危険な環境のなかでの設備保全などの市場ニーズに対応したソリューションとして、Cognite社のツールを活用したCPS(*1)プラットフォームの構築といったOT領域への取り組みを更に進め、グループ外のお客様へ販路を広げております。また、スピードと複雑化が更に進むグローバルSCM領域においては、Kinaxis社のMaestroを活用した需給予測・シミュレーションソリューションを軸とした事業展開を進めており、今後も機能拡張などに対応した先端ソリューションラインナップを適時に提供しております。また、これまでのソリューション提供を通じて新たに浮き彫りになったお客様の業務における課題を商機と捉え、新たなアプローチによるビジネスモデルの確立を図っております。リソース面では、お客様の業務に深く入り込み、グローバル視点で上記戦略を実行推進する能力を備える人材の育成・確保を進めております。(*1):Cyber Physical System 現実(Physical)のデータを仮想(Cyber)空間に再現し、モニタリングやシミュレーションを通じて、設備保全の効率化、品質向上、開発のコストダウンや期間短縮を図るシステム ・ERPソリューションERPソリューション事業においては、SAP社、Microsoft社のERPパッケージを中心に、主に製造業向けのお客様や当社の他の商材を導入いただいているお客様をターゲットとした拡販・事業拡大を図っております。当社は原価管理や購買業務といった領域でERPとの親和性が高い特徴ある商材を保有しており(原価管理システム:J-CCOREs、購買システム:Prociec)、これらの商材をリードとしたERP導入事業の拡大、また、既にERPを導入いただいているお客様へこれらの周辺ソリューションを提供することによる提供付加価値の向上を進め、商材間のシナジーによる事業拡大を進めております。更には、顧客の経営課題・業務課題に関する相談から最適なITソリューションを提案するコンサルティング領域への業務拡大を図り、これらシナジーの創出、提供付加価値の拡大を一層強化しております。 ・基盤サービス基盤サービス事業においては、あらゆるITソリューションに関わるITインフラ事業として、近年の大規模ネットワーク化、グローバル化、SaaS化といったITトレンドに伴い急速にニーズが高まっているサイバーセキュリティ技術やクラウド技術・運用といった領域を中心に、部門横断での強化・活用に向けた活動を進め、事業拡大を図っております。ITインフラサービス事業はもとより、当社が展開する各種ソリューション、アプリケーションに求められるクラウド化ニーズにも対応し、それぞれの商品価値を高め、各事業の一層の成長に資するITインフラ戦略を展開しております。 上記、重点成長事業における戦略展開に際しては、JFEグループで培った知見はもとより、高いシェアを持つ食品業界向けソリューションや電子帳票ソリューション、大手企業様向けに業務システムをカスタム開発・保守する産業ソリューション事業といった、良質で強固な顧客基盤を持つ事業アセットを有効に活用し、重点成長事業を軸とした事業ポートフォリオを構築しつつ全社で最大限のシナジー効果を目指していくことを基本戦略としております。 2. 企業文化の変革技術の進化や産業構造変化のスピードが速いIT産業界において将来に亘り持続的な成長を果たしていくには、市場変化への感度を高くもち、技術進化への追従とともに常に時代にあったビジネスモデルを具現化していく機能を組織として備えておくことが重要と考え、そのような企業文化を実現するための様々な施策を推進しております。組織の一体感やエンゲージメントの向上、事業成長へつながるイノベーションを促すため、個別分散型の事業展開から、事業間のシナジー創出につながる事業構造・事業運営への転換を目指しております。また、長期的な視点からの成長を図るため、事業部を事業本部の下に集約し、組織体制を一体化・強化することで、人材や顧客基盤、技術等の柔軟な最適運用を進めております。 企業文化の変革に向けた方針[連携意識の醸成]・ 個別分散型の事業展開から事業間のシナジー創出を目指す事業構造へ転換・ 組織の一体感やエンゲージメントの向上、事業成長へつながるイノベーションを促進[全社経営を意識した組織体制の構築]・ 長期的な成長と安定経営のため、組織全体での一体化を目指した体制へ変革 ・ 全社経営目線での事業成長を目指す[「あるべき姿」の追求]・ あるべき姿、自らがありたい姿を考える=未来志向により、現状とのギャップの認識を通じて社会や環境の変化に柔軟に対応する企業へ 「1. 事業ポートフォリオ転換」と「2. 企業文化の変革」について取り組む全社施策は、以下のとおりです。全社施策基本戦略との対応事業PF転換企業文化の変革① 事業本部編成の再編意思決定スピードと事業間のシナジー創出を加速させる。○○② 役員ローテーションの実施社内の新陳代謝を促し、組織の柔軟性を向上させる。○○③ 全社横断組織の設置ビジネスアセット、技術、人材を全社で連携・活用する事業運営を推進し、成長に向け事業間の連携意識を醸成する(人材、技術、顧客)。○○④ 処遇制度の充実化ハイスペック人材の確保及びリテンション策へつなげる。○ ⑤ 人材ローテーションの制度化現有リソースに制約されない事業体質を構築するとともに、培ってきたノウハウを幅広く活用、共有できる環境を整える。○○⑥ 社内研修プログラムの刷新上流工程、コンサル人材の育成を促進するプログラムを構築し、実施する。○○⑦ 人材育成ノウハウの構築・共有早期戦力化により事業成長スピードを加速する。○ ⑧ M&Aの実行支援着実な成長とシナジーを創出し、戦略実行スピードを加速する。○ 3. 投資・財務戦略の強化(キャッシュアロケーション)これまでの事業成果による手元資金240億円(2025年3月末時点)と、本中期経営計画3か年の事業活動により創出される営業キャッシュ・フロー約325億円(注)の合計約565億円は、将来の成長に資する活動への積極投資と、従来以上の株主還元を進める原資とし、成長戦略の実践と資本効率の改善を進め、更なる企業価値の向上を図っております。 (注)営業キャッシュ・フローは、費用項目である研究開発費及び人的資本投資(計80億円/3年間)の控除前の数字です。控除後の営業キャッシュ・フローは約245億円となります。  本中期経営計画3か年の投資及び株主還元計画は、以下のとおりです。 項目計画● 研究開発費技術力向上と新たなビジネスモデル構築に向けた戦略的な投資(生成AI活用研究、技術・市場調査 等)15億円/3年間● 商品開発・サービス提供投資新商品開発及び事業拡大に対応した投資(自社開発パッケージの商品改良・新機能・クラウドネイティブ化、JFEグループ向けPC・モバイル端末管理 等)75億円/3年間● 社内システム・設備投資経営基盤の整備、生産性向上に向けた投資(社内基幹システムの更新、営業ポータル・商品サイトの更新、事務所設備、業務効率化 等)45億円/3年間● 人的資本(人材開発・育成費)事業成長の礎となる人材確保、育成、処遇改善、エンゲージメント向上施策への投資65億円/3年間● 戦略投資(M&A)成長事業を中心に、技術・開発力強化やシナジー創出が可能な企業とのM&A、資本提携及び事業ポートフォリオの拡充・深化を補完する戦略投資50~100億円/3年間<投資計画 合計>250~300億円/3年間 ● 株主還元自社株買いも視野に入れた株主還元施策を推進配当性向50%目途 (3) 目標とする経営指標当社は、お客様へのより高度なサービスにつながる新たな商品開発や事業開発投資を行うべく、事業規模の拡大と利益率の向上に取り組んでおります。そして、その結果として、株主の皆様への利益還元をさらに充実させてまいります。経営指標としては売上高及び売上高経常利益率(ROS)、社員一人当たり付加価値生産額による経営の効率性も重視し、これらの拡大、向上に努めております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 当社グループの企業理念体系当社の存在意義を「パーパス」として言語化するとともに、パーパスの体現に向けて共有する価値観である「バリュー」を、率先する行動概念として「行動指針」を制定しております。当社グループの理念体系はこの「パーパス」「バリュー」「行動指針」で構成され、社員が実際の業務に取り組む際によりどころとする基軸を示すとともに、社外に対して当社が何を信じ、どのように社会に貢献していくのかを示しております。 ①パーパス社員が共感できる当社の存在意義。当社はこのパーパスの浸透と定着を通して、社員エンゲージメントを強化し、業務に対する社員の自主的貢献意欲を高め、持続的な成長と社会的な貢献を目指します。 はたらくをスマートに。はたらく人にスマイルを。 企業中心の時代から、人間中心の時代へ。業務を正確に、効率的にするだけでなく、はたらく人を夢中に、創造的にしてくれるITが求められている。私たちは、そんなITを「スマートフル(Smart+Heartful)IT」(*)と呼んでいます。JFEシステムズは、ITのプロフェッショナルとして、人のつながりを大切に、世の中の「こうなりたい」という想いに向き合い、スマートフルITの力で 「できるんだ!」を広げます。 (*)「スマートフル(Smart+Heartful)IT」当社パーパスをシンプルに表現したブランドシンボル ②バリュー組織内で共有する価値観。当社は「スマートフルIT」の体現に向け、下記の5つの価値観を共有・重視します。 (a) Smart    理にかなった思考で、常識を変え、はたらくをカッコよく。(b) Collaborate ナレッジ共有と多彩な知のつながりで、新たなアイデアを。(c) Empower   「こうなりたい」に向き合い、学び、はたらくを創造的に。(d) Challenge  考え抜いた挑戦には、失敗はない。新たな学びがある。(e) Speed    変化の激しい時代、スピードは圧倒的な価値を生み出す。 ③行動指針組織として優先する行動。当社は「人のつながり」を重視した組織文化が、組織のメンバーの能力発揮に大きな影響を与えるという考え方を重視し、人と人との関係性(Good Relationships)を行動指針の柱とします。 「スマートフルIT」実践に向け、GOOD RELATIONSHIPSをなにより大切にします。 (2) 経営環境、経営戦略等、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、2025~2027年度までの3か年を対象とした中期経営計画を策定しております。また、社会的価値の提供、事業規模の拡大、企業価値の向上により、スマートフルITを実現していくことを2030年度に目指す姿とし、具体的な数値として2030年度に連結売上高850億円以上、連結営業利益120億円以上を目標として掲げております。2025~2027年度の本中期経営計画は、その目標に向け事業ポートフォリオの抜本的再構築のための準備期間と位置付け、2028~2030年度に量的にも質的にも変化していくことを目指しております。 本中期経営計画については、売上高、利益ともに2025年度に鉄鋼事業本部の売上高の減少を主因として一旦落ち込むものの、2027年度には2024年度実績を上回る計画としております。『企業としての成長・事業間の協力連携・お客様との共創』をテーマに、JFEスチールとの取引で培った実績を強みとして、社会に貢献し、持続的に成長する企業を目指しております。具体的には、重点成長事業(DX、ERP、基盤サービス)への事業ポートフォリオ転換の推進、会社の持続的な発展と成長を目指した企業文化の変革、本中期経営計画3か年の事業活動により創出されるキャッシュと手元資金を活用した投資・財務戦略の強化を3つの基本戦略に定め、取り組んでおります。 戦略の要諦の詳細は以下のとおりです。 1. 事業ポートフォリオ転換重点成長領域の事業強化を推進し、持続的成長を実現する経営体質への変革を目指しております。DX、ERP、基盤サービスを重点成長領域として、人材や投資資金の大胆なシフトを行い、事業ポートフォリオの転換を進めております。また、顧客の経営課題に向き合い、コンサルティングを通じて顧客と一緒に課題解決に取り組む人材の確保・育成を進めております。 ○ 重点成長事業の事業戦略・DX(デジタル製造)デジタル製造事業においては、高度で複雑な製造設備制御や人手不足、危険な環境のなかでの設備保全などの市場ニーズに対応したソリューションとして、Cognite社のツールを活用したCPS(*1)プラットフォームの構築といったOT領域への取り組みを更に進め、グループ外のお客様へ販路を広げております。また、スピードと複雑化が更に進むグローバルSCM領域においては、Kinaxis社のMaestroを活用した需給予測・シミュレーションソリューションを軸とした事業展開を進めており、今後も機能拡張などに対応した先端ソリューションラインナップを適時に提供しております。また、これまでのソリューション提供を通じて新たに浮き彫りになったお客様の業務における課題を商機と捉え、新たなアプローチによるビジネスモデルの確立を図っております。リソース面では、お客様の業務に深く入り込み、グローバル視点で上記戦略を実行推進する能力を備える人材の育成・確保を進めております。(*1):Cyber Physical System 現実(Physical)のデータを仮想(Cyber)空間に再現し、モニタリングやシミュレーションを通じて、設備保全の効率化、品質向上、開発のコストダウンや期間短縮を図るシステム ・ERPソリューションERPソリューション事業においては、SAP社、Microsoft社のERPパッケージを中心に、主に製造業向けのお客様や当社の他の商材を導入いただいているお客様をターゲットとした拡販・事業拡大を図っております。当社は原価管理や購買業務といった領域でERPとの親和性が高い特徴ある商材を保有しており(原価管理システム:J-CCOREs、購買システム:Prociec)、これらの商材をリードとしたERP導入事業の拡大、また、既にERPを導入いただいているお客様へこれらの周辺ソリューションを提供することによる提供付加価値の向上を進め、商材間のシナジーによる事業拡大を進めております。更には、顧客の経営課題・業務課題に関する相談から最適なITソリューションを提案するコンサルティング領域への業務拡大を図り、これらシナジーの創出、提供付加価値の拡大を一層強化しております。 ・基盤サービス基盤サービス事業においては、あらゆるITソリューションに関わるITインフラ事業として、近年の大規模ネットワーク化、グローバル化、SaaS化といったITトレンドに伴い急速にニーズが高まっているサイバーセキュリティ技術やクラウド技術・運用といった領域を中心に、部門横断での強化・活用に向けた活動を進め、事業拡大を図っております。ITインフラサービス事業はもとより、当社が展開する各種ソリューション、アプリケーションに求められるクラウド化ニーズにも対応し、それぞれの商品価値を高め、各事業の一層の成長に資するITインフラ戦略を展開しております。 上記、重点成長事業における戦略展開に際しては、JFEグループで培った知見はもとより、高いシェアを持つ食品業界向けソリューションや電子帳票ソリューション、大手企業様向けに業務システムをカスタム開発・保守する産業ソリューション事業といった、良質で強固な顧客基盤を持つ事業アセットを有効に活用し、重点成長事業を軸とした事業ポートフォリオを構築しつつ全社で最大限のシナジー効果を目指していくことを基本戦略としております。 2. 企業文化の変革技術の進化や産業構造変化のスピードが速いIT産業界において将来に亘り持続的な成長を果たしていくには、市場変化への感度を高くもち、技術進化への追従とともに常に時代にあったビジネスモデルを具現化していく機能を組織として備えておくことが重要と考え、そのような企業文化を実現するための様々な施策を推進しております。組織の一体感やエンゲージメントの向上、事業成長へつながるイノベーションを促すため、個別分散型の事業展開から、事業間のシナジー創出につながる事業構造・事業運営への転換を目指しております。また、長期的な視点からの成長を図るため、事業部を事業本部の下に集約し、組織体制を一体化・強化することで、人材や顧客基盤、技術等の柔軟な最適運用を進めております。 企業文化の変革に向けた方針[連携意識の醸成]・ 個別分散型の事業展開から事業間のシナジー創出を目指す事業構造へ転換・ 組織の一体感やエンゲージメントの向上、事業成長へつながるイノベーションを促進[全社経営を意識した組織体制の構築]・ 長期的な成長と安定経営のため、組織全体での一体化を目指した体制へ変革 ・ 全社経営目線での事業成長を目指す[「あるべき姿」の追求]・ あるべき姿、自らがありたい姿を考える=未来志向により、現状とのギャップの認識を通じて社会や環境の変化に柔軟に対応する企業へ 「1. 事業ポートフォリオ転換」と「2. 企業文化の変革」について取り組む全社施策は、以下のとおりです。全社施策基本戦略との対応事業PF転換企業文化の変革① 事業本部編成の再編意思決定スピードと事業間のシナジー創出を加速させる。○○② 役員ローテーションの実施社内の新陳代謝を促し、組織の柔軟性を向上させる。○○③ 全社横断組織の設置ビジネスアセット、技術、人材を全社で連携・活用する事業運営を推進し、成長に向け事業間の連携意識を醸成する(人材、技術、顧客)。○○④ 処遇制度の充実化ハイスペック人材の確保及びリテンション策へつなげる。○ ⑤ 人材ローテーションの制度化現有リソースに制約されない事業体質を構築するとともに、培ってきたノウハウを幅広く活用、共有できる環境を整える。○○⑥ 社内研修プログラムの刷新上流工程、コンサル人材の育成を促進するプログラムを構築し、実施する。○○⑦ 人材育成ノウハウの構築・共有早期戦力化により事業成長スピードを加速する。○ ⑧ M&Aの実行支援着実な成長とシナジーを創出し、戦略実行スピードを加速する。○ 3. 投資・財務戦略の強化(キャッシュアロケーション)これまでの事業成果による手元資金240億円(2025年3月末時点)と、本中期経営計画3か年の事業活動により創出される営業キャッシュ・フロー約325億円(注)の合計約565億円は、将来の成長に資する活動への積極投資と、従来以上の株主還元を進める原資とし、成長戦略の実践と資本効率の改善を進め、更なる企業価値の向上を図っております。 (注)営業キャッシュ・フローは、費用項目である研究開発費及び人的資本投資(計80億円/3年間)の控除前の数字です。控除後の営業キャッシュ・フローは約245億円となります。  本中期経営計画3か年の投資及び株主還元計画は、以下のとおりです。 項目計画● 研究開発費技術力向上と新たなビジネスモデル構築に向けた戦略的な投資(生成AI活用研究、技術・市場調査 等)15億円/3年間● 商品開発・サービス提供投資新商品開発及び事業拡大に対応した投資(自社開発パッケージの商品改良・新機能・クラウドネイティブ化、JFEグループ向けPC・モバイル端末管理 等)75億円/3年間● 社内システム・設備投資経営基盤の整備、生産性向上に向けた投資(社内基幹システムの更新、営業ポータル・商品サイトの更新、事務所設備、業務効率化 等)45億円/3年間● 人的資本(人材開発・育成費)事業成長の礎となる人材確保、育成、処遇改善、エンゲージメント向上施策への投資65億円/3年間● 戦略投資(M&A)成長事業を中心に、技術・開発力強化やシナジー創出が可能な企業とのM&A、資本提携及び事業ポートフォリオの拡充・深化を補完する戦略投資50~100億円/3年間<投資計画 合計>250~300億円/3年間 ● 株主還元自社株買いも視野に入れた株主還元施策を推進配当性向50%目途 (3) 目標とする経営指標当社は、お客様へのより高度なサービスにつながる新たな商品開発や事業開発投資を行うべく、事業規模の拡大と利益率の向上に取り組んでおります。そして、その結果として、株主の皆様への利益還元をさらに充実させてまいります。経営指標としては売上高及び売上高経常利益率(ROS)、社員一人当たり付加価値生産額による経営の効率性も重視し、これらの拡大、向上に努めております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、物価上昇の影響が継続する中、雇用・所得環境の改善や企業収益の底堅さを背景に、設備投資やデジタル関連投資を中心として、緩やかな回復基調が続きました。情報サービス業界においても、企業のDX推進や業務効率化の取り組みを背景に、基幹システムの刷新、クラウド活用、セキュリティ対策等に関する需要が堅調に推移しました。このような事業環境の下、当社グループは、2025~2027年度の3か年の中期経営計画を策定し、『企業としての成長・事業間の協力連携・お客様との共創』をテーマに、JFEスチールとの取引で培った実績を強みとして、社会に貢献し、持続的に成長する企業を目指します。具体的には、重点成長事業(DX、ERPソリューション、基盤サービス)への事業ポートフォリオ転換の推進、会社の持続的な発展と成長を目指した企業文化の変革、本中期経営計画3か年の事業活動により創出されるキャッシュと手元資金を活用した投資・財務戦略の強化を3つの基本戦略に定め、取り組んでおります。当連結会計年度の営業成績につきまして、売上高は、重点成長領域である基盤事業本部、ERPソリューション事業本部、デジタル製造事業本部を中心に拡大したものの、鉄鋼事業本部の製鉄所システムリフレッシュ事業完遂に伴う作業量減少を主因として前期に比べ減収となりました。また、利益面では、売上高の減少に加え、成長基盤強化のための研究開発、社内システム投資、及び当事業年度の事業計画に沿った人材採用・育成費用の増加等により、減益となりました。これらにより、連結売上高は6,561百万円(10.3%)減の57,411百万円、営業利益は1,243百万円(16.4%)減の6,346百万円、経常利益は1,214百万円(15.8%)減の6,454百万円となりました。また、保有する非上場株式に係る投資有価証券評価損を計上したことによる影響もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,177百万円(21.6%)減の4,266百万円となりました。※経営成績の金額増減は前連結会計年度比で記載しています。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは8,448百万円の収入と、293百万円減少しました。これは、売上債権(残高)が2,900百万円減少している一方で、税金等調整前当期純利益が1,495百万円減少、仕入債務(残高)が1,570百万円減少したこと等が主な要因です。投資活動によるキャッシュ・フローは15,849百万円の支出となり、12,669百万円増加しました。これは、期間が3ヶ月を超える定期預金の預入額が14,150百万円増加したこと等が主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは3,202百万円の支出となり、410百万円増加しました。これは、配当金の支払額が298百万円増加したこと等が主な要因です。その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は期首残高に比べ10,603百万円減少し13,450百万円となっております。なお、現金及び預金残高は3,547百万円増加し27,560百万円となりました。※キャッシュ・フローの金額増減は前連結会計年度比で記載しています。 ③ 生産、受注及び販売の実績イ 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)情報サービス44,229,772△11.8合計44,229,772△11.8 (注)1 上記金額は製造原価で記載しております。  2 当社の報告セグメントは情報サービス単一セグメントであります。 ロ 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)情報サービス54,588,787△18.623,063,589△10.9合計54,588,787△18.623,063,589△10.9 (注)1 当社の報告セグメントは情報サービス単一セグメントであります。 ハ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)情報サービス57,410,583△10.3合計57,410,583△10.3 (注)1 当社の報告セグメントは情報サービス単一セグメントであります。  2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)JFEスチール株式会社33,602,23052.524,951,56643.5 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析イ 経営成績(金額単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減金額比率売上高63,97257,411△6,561△10.3%売上総利益15,08414,424△660△4.4%(売上総利益率)23.6%25.1% 営業利益7,5896,346△1,243△16.4%(売上高営業利益率)11.9%11.1% 経常利益7,6676,454△1,214△15.8%(売上高経常利益率)12.0%11.2% 親会社株主に帰属する当期純利益5,4424,266△1,177△21.6%(親会社株主に帰属する当期純利益率)8.5%7.4% 総資産53,06652,725△341△0.6%負債合計18,92116,027△2,894△15.3%純資産34,14536,698+2,553+7.5%自己資本比率62.2%67.3% 当連結会計年度の営業成績につきまして、売上高は基盤事業本部、ERPソリューション事業本部、デジタル製造事業本部といった重点成長事業、並びにスマートソリューション事業本部を含め、総じて堅調に推移しました。一方で、鉄鋼事業本部の製鉄所システムリフレッシュの完遂に伴う作業量減少の影響を主因として、前連結会計年度に比べ減収となりました。利益面では減収影響に加え、全社成長戦略に基づき、営業活動強化のための販売費、成長基盤強化を目的とした研究開発費、社内システム投資、並びに当連結会計年度の事業計画に沿った人材採用・育成費用が増加したことにより、減益となりました。これらにより、連結売上高は6,561百万円(10.3%)減の57,411百万円、連結営業利益は1,243百万円(16.4%)減の6,346百万円、連結経常利益は1,214百万円(15.8%)減の6,454百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、保有する非上場株式に係る投資有価証券評価損を計上したことによる影響もあり、1,177百万円(21.6%)減の4,266百万円となりました。 ロ 財政状態当連結会計年度末の総資産は、製鉄所システムリフレッシュ完遂に伴う売掛金の回収進展、有形固定資産の償却などにより、341百万円減(0.6%減)の52,725百万円となりました。負債合計は、買掛金やリース債務等の減少により、流動負債、固定負債ともに減少し、2,894百万円減(15.3%減)の16,027百万円となりました。純資産は、剰余金の配当に伴う減少を、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う増加が上回ったことを主因に、2,553百万円増(7.5%増)の36,698百万円となりました。※財政状態の金額増減は前連結会計年度末比で記載しています。 ② 資本の源泉及び資金の流動性に係る情報イ キャッシュ・フロー営業活動により得られたキャッシュ・フローは、8,448百万円の収入となりました。前連結会計年度比では減少となったものの、過去最高を記録した前年度に次ぐ高水準を維持しました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益が6,172百万円となったこと、売上債権の回収により2,956百万円増加したこと等であります。投資活動に使用したキャッシュ・フローは、3か月超の定期預金の純増加額14,150百万円、固定資産の取得による支出1,339百万円により、15,849百万円の支出となりました。また、財務活動に使用したキャッシュ・フローは、現中期経営計画(2025~2027年度)の配当方針である配当性向50%目途に沿った配当を実施し、非支配株主への配当金を含む配当金の支払を2,067百万円実施したこと、リース債務の支払額が1,136百万円となったこと等により3,202百万円の支出となりました。以上により、現金及び現金同等物の期末残高は13,450百万円となりました。なお、3か月超の定期預金の期末残高は14,150百万円と合わせた現金及び預金残高は27,560百万円(前連結会計年度末比3,547百万円増)となっております。ロ 資金需要当社グループの資金需要のうち主なものは、システム開発に係る人件費、外注費及びシステム製品等の購入に係る費用、並びに販売費及び一般管理費としての人件費及び諸経費であります。これに加え現中期経営計画では、研究開発費、商品開発やPCのライフサイクルマネジメントなどサービス提供型投資、社内システムや設備投資、人的資本、M&A等の戦略的投資等に積極的に資金を充当していくこととしております。ハ 財務政策当社グループの資金需要は、システム開発工程において発生する人件費、外注費、システム製品等の購入に係る費用及びその他経費からなる短期運転資金が中心でありますが、それに加えM&A等の事業投資への資金需要も生じます。短期運転資金については、発生する費用の回収は売上代金の入金をもって、その多くが完了することになりますが、M&A等の事業投資への資金需要については、通常資金の回収が長期間に亘ることとなるため長期投資資金を確保することが必要となります。当社グループでは、ここ数年間は短期運転資金及び長期投資資金のいずれも自己資金で賄っており、現中期経営計画においても資金需要を充たすための資金は営業活動によって得る計画としております。今後も資金需要の充足手段は主に自己資金とすることに変わりはありませんが、将来の当社グループの資金状況や長期投資資金の規模等の状況によっては、外部資金を活用する可能性もあります。また、当社グループでは現中期経営計画において、これまでの事業成果による手元資金と事業活動から創出されるキャッシュは、将来の成長に資する積極的な投資と従来以上の株主還元を進め、成長戦略の実践と資本効率の改善の原資としております。具体的な現中期経営計画におけるキャッシュアロケーションは、11ページ 3. 投資・財務戦略の強化(キャッシュアロケーション)の表に記載しております。 ③ 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものイ 関係会社株式及びのれんの評価連結貸借対照表に掲記しているのれんは、企業・事業買収における当該企業・事業の時価純資産の額を超えた収益力の実現を前提としております。この超過収益力は、当該企業・事業が属するビジネスドメインの成長性及び連結グループ間の相互補完による拡販効果等を見込んだ事業計画をベースに算定しており、この事業計画を想定通りに実行することが内外環境の変化等により困難となり、結果として関連する株式等の実質価額が著しく低下した場合には、連結貸借対照表でのれんを減額し、評価差額を認識した事業年度の損失とする可能性があります。ロ ソフトウエア開発契約に係る開発原価総額の見積りソフトウエア開発契約に係る開発原価総額の見積りは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通り、案件ごとに専門的な知識と経験を有するプロジェクト・リーダーが個別に行っておりますが、「事業等のリスク」において記載したように、開発工程における技術面・品質面等の様々なリスクが存在するため、これらリスクが顕在化した場合に以降の年度の損益に影響を与える可能性があります。

事業リスク

  • 国内景気とIT投資動向
    JFEシステムズの顧客は製造、流通、金融など多岐にわたるため、国内経済の状況や顧客企業のIT投資意欲の変動が、受注量や収益に直接影響を及ぼす可能性があります。景気悪化によるIT投資抑制や競合激化は、売上減少や利益率低下につながるリスクがあります。
  • 情報システム構築の遅延・コスト増
    顧客からの情報システム構築を請負契約で受託する場合、技術的な課題や品質問題、要件変更などにより開発スケジュールが遅延したり、想定外のコストが発生したりするリスクがあります。これにより、損失の発生や顧客からの信頼失墜、ひいては経営成績の悪化につながる可能性があります。
  • 情報セキュリティ侵害
    顧客の個人情報や機密情報の漏洩、サイバー攻撃によるシステム障害、知的財産権の侵害などが発生した場合、企業の社会的信用の低下、訴訟、損害賠償といった事態に発展する可能性があります。これは、JFEシステムズのブランドイメージを損ない、事業継続に重大な影響を及ぼすリスクとなります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,456 文字
3 【事業等のリスク】当社グループは、企業向けのコンピュータシステムの企画、設計、開発、運用保守を行うシステム・インテグレーションを主たる業務としております。当社グループの収益性は多様な要因により左右されます。当社グループの経営成績等の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは次の通りであります。(1) 国内景気と顧客のIT投資動向 当社グループの顧客は、製造、流通、金融、サービス等の様々な業界に広がっております。従って、経済の状況を背景とした顧客のIT投資・需要動向は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼします。また、当社グループは、各需要業界における顧客企業からの受注獲得に際しては、競合他社との競争に直面しております。以上に起因する経営成績等への影響は必ずしも見通せるものではありませんが、これらのリスクを回避すべく、当社グループでは、顧客企業の需要動向等を把握・予測した上で、当該動向に見合った要員配置を行うなど、当社グループの経営成績等への影響を最小限とすべく各種対策を講じております。(2) 情報システム構築に関するリスク 当社グループは、顧客の情報システム構築を請負契約で受託する場合もあり、その際は顧客の要求に沿った情報システムを納期までに完成させる責任を負います。そこには、技術面・品質面等様々なリスクが存在するため、そのリスクが顕在化した場合には開発スケジュールの遅延や開発コストの増加を通じて、当社グループの経営成績等を悪化させる可能性があります。当社グループではこのリスクが顕在化する可能性を常に意識しながら開発業務にあたっており、当社規程に則して組織されるプロジェクト評価の会議体がリスク評価・プロジェクト管理を支援する体制を整備し、リスクの顕在化を未然に防ぐよう努めております。(3) 情報セキュリティに関するリスク 顧客企業から入手した個人情報や機密情報の流出、外部からのコンピュータウィルスの進入、知的財産権の侵害等の発生により、社会的信用の低下や訴訟、損害賠償等の事態が発生した場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクの顕在化の可能性について見通すことは困難でありますが、これらのリスクの顕在化を回避すべく、当社グループでは、全てのJFEグループ会社を対象としたセキュリティ体制であるJFE-SIRT(*)への参画を通じ、当社グループのみならずJFEグループ各社の情報セキュリティ強化に寄与しております。 (*) JFE-SIRT(サート):JFE-Security Integration and Response Team高度化するサイバー攻撃や情報漏えいリスクからJFEグループ内の情報資産を守ることを目的とした情報セキュリティ・インシデント対応チーム(4) 大規模災害等に起因する事業活動への影響 地震等の大規模な自然災害や伝染病発生により、当社グループの従業員の多くが被害を受けた場合や主要な事業所、設備等が重大な損害を被った場合には、事業活動が制約を受け、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。自然災害や伝染病の発生時期を予見することはできませんが、これらの事象が発生した場合の当社グループの事業活動への影響を極力小さくするために、当社グループでは社員及び協力会社社員を対象にした在宅勤務制度や必要な情報通信機器の整備など、極力、事業活動が制約を受けないようにするための各種施策を推進しております。

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