事業の概要
- 調剤システム提供イーエムシステムズは、薬局向けのシステム開発・販売を主力としています。具体的には、薬局の業務を効率化するソフトウェアをパソコンに導入し、消耗品の供給や保守サービスも提供しています。これにより、薬局の運営を総合的に支援し、安定した収益を得ています。
- ネットワークシステム展開インターネットを活用した調剤業務支援システムも提供しており、グループ薬局間の情報共有や本部での一括管理を可能にしています。また、グループ外の薬局とも在庫情報を共有できるシステムも提供し、薬局の連携を強化することで、より広範な顧客基盤を構築しています。
- 医療・介護システムクリニック向けの電子カルテシステムなどの医療事務処理システムや、介護・福祉サービス事業者向けのシステムも開発・販売しています。これらのシステムも、導入後のサプライ供給や保守メンテナンスサービスを含め、医療・介護現場のIT化を支援し、収益源としています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 調剤システム事業薬局向けのシステム開発・販売が主要な事業で、売上高は192.18億円、営業利益は39.67億円と、同社グループの収益の大部分を占める稼ぎ頭です。薬局の業務効率化を支援するソフトウェアやネットワークシステムを提供し、サプライ供給や保守サービスも行っています。
- 医科システム事業クリニックを主とする医療機関向けの医療事務処理コンピュータシステムを開発・販売しており、売上高は28.79億円、営業利益は0.32億円です。電子カルテシステムなどが主な製品で、医療機関のIT化をサポートしています。
- 介護/福祉システム事業介護/福祉サービス事業者向けのシステムと医療介護連携ソリューションを提供しており、売上高は5.66億円ですが、営業利益は-3.78億円と赤字です。超高齢社会を背景に成長が見込まれる市場ですが、現在は投資フェーズにある可能性があります。
2025-12 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| PharmacyReceiptComputer | 事業 | 192 | 40 | 20.6% |
| MedeclComputer | 事業 | 29 | 0 | 1.1% |
| CareWelfareITSystemsBusiness | 地域 | 6 | -4 | -66.8% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、株式会社イーエムシステムズ(以下当社)及び連結子会社9社、非連結子会社2社、持分法非適用関連会社1社で構成されております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、次の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (1)調剤システム事業……………薬局向けのシステムを開発販売し、付帯するサプライの供給や保守メンテナンスサービスを行っております。 ① 調剤システム……………主要な製品は薬局向けシステムであり、自社開発のソフトウェアをパソコンに導入調整してお客様に納入します。当社及び連結子会社の株式会社グッドサイクルシステム及び連結子会社の株式会社ユニケソフトウェアリサーチが販売するほか、販売代理店経由で販売しております。連結子会社の株式会社EMテクノロジー研究所及び益盟軟件系統開発(南京)有限公司は、当社からの受託開発を行っております。 ② ネットワークシステム…主要な製品はASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)による、インターネットを利用した調剤業務支援システムであり、グループ薬局間の情報共有と本部統括管理を実現するシステムや、グループ薬局以外の在庫情報等を共有することができるシステム等も提供しております。 (2)医科システム事業……………クリニックを主とする医療機関向けに医療事務処理コンピュータシステムを開発販売し、付帯するサプライの供給や保守メンテナンスサービスを行っております。 ① 医科システム……………主要な製品は電子カルテシステム等のクリニック向けシステムであり、パソコンに導入調整してお客様に納入します。当社及び連結子会社株式会社ポップ・クリエイションが販売するほか、販売代理店経由でも販売しております。連結子会社の株式会社EMテクノロジー研究所及び意盟軟件系統開発(上海)有限公司は、当社からの受託開発を行っております。 (3)介護/福祉システム事業……主要な製品は、介護/福祉サービス事業者向けシステムと医療介護連携ソリューションであり、パソコンに導入調整してお客様に納入します。当社が販売するほか、販売代理店経由でも販売しております。連結子会社の株式会社EMテクノロジー研究所は、当社からの受託開発を行っております。 (4)その他の事業…………………連結子会社の株式会社ブリック薬局は、薬局の経営を行っております。また、チョキ株式会社は、クリニック・薬局向けのキャッシュレス化の推進及び統計情報を活用した業務・経営支援を行っており、株式会社ユニケソフトウェアリサーチは、人材派遣業務を行っております。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 (注)※1 連結子会社※2 非連結子会社で持分法非適用会社※3 持分法非適用関連会社
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 医療保険制度・介護保険制度の改正に伴うプログラム変更の必要性があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 医療保険制度及び介護保険制度の改正に伴うプログラム変更が頻繁に発生するため、対応力が求められる。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:医療保険制度の改正による影響 / 医療・介護保険制度改正に伴うプログラム変更 / 新製品開発及びソフトウェアの減損に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
イーエムシステムズの財務サマリデータが入手できず、ブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な情報がないため、無形資産による競争優位性は評価できません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
医療機関向け電子カルテシステムを提供しているが、顧客の乗り換えコストに関する具体的なデータや、システム導入後の定着度を示す情報が不足している。ただし、医療システムは一般的に導入・習熟に時間を要するため、一定のスイッチングコストは存在する可能性がある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
イーエムシステムズの事業内容から、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果が働くビジネスモデルであるという証拠は見当たりません。
コスト優位☆☆☆☆☆
情報通信業であり、特に医療機関向けシステム提供において、構造的に他社より安価に生産・提供できるコスト優位性を示す具体的な証拠はありません。
規模の経済★☆☆☆☆
医療機関向けシステム市場におけるシェアや、事業規模に関する具体的なデータが不足しているため、効率規模による競争優位性は現時点では判断できません。ただし、特定のニッチ市場で一定の規模を確保している可能性はあります。
- 医療特化の専門性同社は長年にわたり医療分野、特に薬局向けのシステム開発に特化しており、この分野における深い専門知識とノウハウを蓄積しています。これにより、医療機関のニーズに合致した高品質なシステムを提供し、顧客からの信頼を得ています。
- 包括的なサービスシステム開発・販売だけでなく、導入後のサプライ供給、保守メンテナンス、さらにはネットワークシステムによる業務支援まで、包括的なサービスを提供しています。これにより、顧客はシステム導入から運用までを一貫して任せることができ、高いスイッチングコストが発生し、顧客の囲い込みにつながっています。
- 開発体制の強化連結子会社であるEMテクノロジー研究所や中国の受託開発会社を活用し、効率的なシステム開発体制を構築しています。これにより、多様なニーズに対応できる製品開発力を持ち、市場の変化に迅速に対応できる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営理念及び会社方針(経 営 理 念) 「感謝」 「感動」 「共感」 ・私達は、人と地球の健康に貢献し続けます。 ・私達は、お客様から信頼され、感動を提供し続けます。 ・私達は、明るく元気で、あたたかい会社づくりに挑戦し続けます。 ・私達は、適正な利益の確保、健全な経営を維持し続けます。 ・私達は、「ありがとう」を合言葉に、互いを認め、成長し続けます。 (会 社 方 針) 私達は、先進的なテクノロジーを活用し、国民の健康レベル向上に貢献する、 世の中に無くてはならない企業になります。 私達は、仕事を通じて幸せになれる企業を目指します。 (PURPOSE) デジタルで日本の医療・介護の現場を支える会社 <解説> 医療・介護従事者は人を救う。では、医療・介護従事者を救うのは誰だろう。日本のお医者さんは優秀です。看護師さんも優秀です。薬剤師さんも介護士さんも優秀です。その事実を、私たちは誇りに思っていい。けれど、その力や勤勉さや優しさは、もっと豊かな結果を出せるはず。もっと患者さんのためになれるはず。EMシステムズは、そう思うのです。世界に誇れる医療・介護従事者のみなさんの力、勤勉さ、優しさをつなぐことで、日本の医療・介護は、きっと進化します。私たちはEMシステムズ。デジタルで、この国の医療・介護の現場を支えてゆきます。 (2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題少子高齢化社会において、医療・介護/福祉業界の改革が急務となっており、感染症対策や医療DX活用等、医療・介護/福祉従事者においては、より一層地域住民に対する重要な役割が期待されております。政府は、医療DXの推進を行う方針を示しており、その中においては、マイナンバーカードを活用したオンライン資格確認システムや電子処方箋システムの導入が進められ、さらに医療情報のデジタル化が進み、ICTを活用することで、介護/福祉を含めた他職種での情報連携に対するニーズが引き続き高まることが予想されます。また、診療報酬改定でも医療従事者に対する処遇改善や医療DXに対応した加算が整備される等、薬局において対物業務から対人業務へのシフトが進み、患者に寄り添うサービスが求められるとともにDXへの対応も求められています。このような状況のもと、当社グループといたしましては、長期ビジョン実現に向けた基盤構築を目指し、2027年度を最終年度とする新中期経営計画を策定しました。本計画では、収益性及び資本効率の改善、調剤領域におけるウォレットシェア拡大、医科領域における市場シェア拡大、介護/福祉領域における黒字化の達成を掲げています。具体的には、収益性及び資本効率の改善として、2027年12月期のROEを17%に引き上げます。セグメント別では、調剤システム事業において、経営に関するオプション機能の拡充と価格の適正化などによる収益性の向上、医科システム事業において、クラウドの強みを活かした製品開発や代理店網の拡大を通じたシェア拡大、介護/福祉システム事業において、サービスラインナップの拡充と業務効率化による黒字化を目指します。また、長期ビジョンとして掲げる「医療と介護の連携によるシナジー創出」の実現に向け、新中期経営計画を「強い土台作り」の期間と位置付け取り組んでいます。具体的には、収益性と資本効率の改善を最優先に、各事業セグメントの収益基盤をより強固なものにしていきます。同時に、40年以上にわたる医療DXのノウハウを活用した行政対応や、M&Aやアライアンスを積極的に検討し持続的な成長を実現する事業ポートフォリオ構築を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営理念及び会社方針(経 営 理 念) 「感謝」 「感動」 「共感」 ・私達は、人と地球の健康に貢献し続けます。 ・私達は、お客様から信頼され、感動を提供し続けます。 ・私達は、明るく元気で、あたたかい会社づくりに挑戦し続けます。 ・私達は、適正な利益の確保、健全な経営を維持し続けます。 ・私達は、「ありがとう」を合言葉に、互いを認め、成長し続けます。 (会 社 方 針) 私達は、先進的なテクノロジーを活用し、国民の健康レベル向上に貢献する、 世の中に無くてはならない企業になります。 私達は、仕事を通じて幸せになれる企業を目指します。 (PURPOSE) デジタルで日本の医療・介護の現場を支える会社 <解説> 医療・介護従事者は人を救う。では、医療・介護従事者を救うのは誰だろう。日本のお医者さんは優秀です。看護師さんも優秀です。薬剤師さんも介護士さんも優秀です。その事実を、私たちは誇りに思っていい。けれど、その力や勤勉さや優しさは、もっと豊かな結果を出せるはず。もっと患者さんのためになれるはず。EMシステムズは、そう思うのです。世界に誇れる医療・介護従事者のみなさんの力、勤勉さ、優しさをつなぐことで、日本の医療・介護は、きっと進化します。私たちはEMシステムズ。デジタルで、この国の医療・介護の現場を支えてゆきます。 (2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題少子高齢化社会において、医療・介護/福祉業界の改革が急務となっており、感染症対策や医療DX活用等、医療・介護/福祉従事者においては、より一層地域住民に対する重要な役割が期待されております。政府は、医療DXの推進を行う方針を示しており、その中においては、マイナンバーカードを活用したオンライン資格確認システムや電子処方箋システムの導入が進められ、さらに医療情報のデジタル化が進み、ICTを活用することで、介護/福祉を含めた他職種での情報連携に対するニーズが引き続き高まることが予想されます。また、診療報酬改定でも医療従事者に対する処遇改善や医療DXに対応した加算が整備される等、薬局において対物業務から対人業務へのシフトが進み、患者に寄り添うサービスが求められるとともにDXへの対応も求められています。このような状況のもと、当社グループといたしましては、長期ビジョン実現に向けた基盤構築を目指し、2027年度を最終年度とする新中期経営計画を策定しました。本計画では、収益性及び資本効率の改善、調剤領域におけるウォレットシェア拡大、医科領域における市場シェア拡大、介護/福祉領域における黒字化の達成を掲げています。具体的には、収益性及び資本効率の改善として、2027年12月期のROEを17%に引き上げます。セグメント別では、調剤システム事業において、経営に関するオプション機能の拡充と価格の適正化などによる収益性の向上、医科システム事業において、クラウドの強みを活かした製品開発や代理店網の拡大を通じたシェア拡大、介護/福祉システム事業において、サービスラインナップの拡充と業務効率化による黒字化を目指します。また、長期ビジョンとして掲げる「医療と介護の連携によるシナジー創出」の実現に向け、新中期経営計画を「強い土台作り」の期間と位置付け取り組んでいます。具体的には、収益性と資本効率の改善を最優先に、各事業セグメントの収益基盤をより強固なものにしていきます。同時に、40年以上にわたる医療DXのノウハウを活用した行政対応や、M&Aやアライアンスを積極的に検討し持続的な成長を実現する事業ポートフォリオ構築を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国の経済は、資源価格の高止まりや国際情勢の緊張に加え、国内における政治情勢の変化がもたらす不確実性など、企業収益に影響を及ぼす要因について、引き続き注視を要する状況で推移いたしました。当社グループの主要取引先である医療業界におきましては、「医療DX令和ビジョン2030」等に基づいた医療DXの社会実装が加速しております。効率化や適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性向上が喫緊の課題となる中、各種報酬改定により、医療・介護/福祉従事者の人材確保や処遇改善に向けた具体的な取り組みが本格化しており、経営基盤の強化を目的としたシステム投資の重要性が一段と高まっております。当社グループにおきましては、質の高い医療の実現に向け、医療DXやイノベーション推進等の取り組みを継続してまいりました。具体的には、「医療DX令和ビジョン2030」によるオンライン資格確認システム運用対象範囲の拡大や医療扶助への対応、さらには電子処方箋の普及加速に合わせ、各システムの導入支援を強力に推進しました。この結果、当連結会計年度の導入設置件数は、当初の想定を上回りました。また、当社グループの各セグメント事業におきましては、「中期経営計画FY2025〜FY2027」の達成に向け、インサイドセールスを強化した営業活動やWebサイトリニューアル、MAツール活用、デジタルコンテンツ強化等のマーケティングミックスの改善を図り、潜在案件の効率的な獲得に注力しました。さらにカンパニー制の導入による組織再編を実施し、各セグメントにおける意思決定の迅速化と、顧客ニーズに即応した最適なサービスの提供体制を構築しました。加えて、コールセンターへのAIツール導入や、オンラインを活用した効率的なシステム操作講習の実施、社内業務へのAI活用を推進し、サービス品質の向上と業務効率化による収益構造の強化を図っております。当連結会計年度においては、オンライン資格確認システムの医療扶助への対応とWindows10サポート終了によるハードウェアリプレイスが堅調に進捗しました。一方で、前連結会計年度に活発であった電子処方箋の集中需要が一巡した影響により、売上高及び営業利益は減少しました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、当連結会計年度において非上場株式の減損処理が発生したものの、前連結会計年度に医科システム事業と介護/福祉システム事業において計上した減損損失の反動により、増益を確保しました。この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高23,658百万円(前期比4.7%減)、営業利益3,676百万円(同17.6%減)、経常利益4,313百万円(同16.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,452百万円(同1.1%増)となりました。セグメント別の経営成績は次のとおりであります。 (調剤システム事業)調剤システム事業につきましては、オンライン資格確認システムの運用範囲拡大に伴うオプション導入や、Windows10サポート終了を背景としたハードリプレイスが着実に進捗しました。一方で、前連結会計年度に発生した電子処方箋の導入需要が一巡した影響により、売上高及び営業利益は減少しました。この結果、当連結会計年度の調剤システム事業は、売上高19,236百万円(前期比7.1%減)、営業利益3,967百万円(同24.5%減)となりました。 (医科システム事業)医科システム事業につきましては、カンパニー制導入に伴う組織体制の再構築やデジタルマーケティングを活用した多角的なアプローチにより、潜在案件の獲得を強化しました。これに加え、電子処方箋の導入加速やWindows10サポート終了に伴うハードリプレイス需要を順調に獲得した結果、売上高、営業利益ともに増加しました。この結果、当連結会計年度の医科システム事業は、売上高2,879百万円(前期比12.3%増)、営業利益32百万円(同営業損失423百万円)となりました。 (介護/福祉システム事業)介護/福祉システム事業につきましては、2025年の介護報酬改定及び介護DXの進展を見据え、「MAPs for NURSING CARE」へのリプレイスを戦略的に前倒しで推進しました。このリプレイスに伴い一部ライセンス数及び保守売上高が一時的に減少したものの、前連結会計年度に実施した減損損失に伴う減価償却費の低減や、徹底したコスト削減の効果により、営業損失は前連結会計年度比で改善しました。なお、本システム移行は、将来の安定的なストック収益基盤の構築と、さらなるDX関連サービスの提供を見据えた先行的な取り組みであり、「MAPs for NURSING CARE」による課金売上高は着実に増加しております。この結果、当連結会計年度の介護/福祉システム事業は、売上高566百万円(前期比0.6%減)、営業損失378百万円(同営業損失450百万円)となりました。 (その他の事業)その他の事業につきましては、チョキ株式会社の業績が伸長した一方で、前連結会計年度に益盟軟件系統開発(南京)有限公司の個別新機能開発及び法改正に伴う有償対応が一巡したことにより、売上高及び営業利益は減少しました。この結果、当連結会計年度のその他の事業は、売上高1,119百万円(前期比4.7%減)、営業利益28百万円(同52.1%減)となりました。 (上記セグメント別の売上高及び営業利益(損失)は、セグメント間の内部取引消去前の金額であります。) ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,036百万円減少し、7,847百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は2,008百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が3,624百万円、減価償却費を1,086百万円計上したものの、法人税等の支払額が2,407百万円あったこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は2,222百万円となりました。これは主に、投資不動産の賃貸による収入が1,048百万円あったものの、本社改装及びサーバー入替に係る有形固定資産の取得による支出が935百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が995百万円あったこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は3,840百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が835百万円、配当金の支払額が2,971百万円あったこと等によるものであります。 ③生産、受注及び販売の状況a.生産実績該当事項はありません。 b.商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)調剤システム事業(百万円)4,87791.7医科システム事業(百万円)681116.4介護/福祉システム事業(百万円)48403.7その他の事業(百万円)473114.8合計(百万円)6,07996.1 c.受注状況該当事項はありません。d.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)調剤システム事業(百万円)19,23692.9医科システム事業(百万円)2,879112.3介護/福祉システム事業(百万円)56699.4その他の事業(百万円)1,11995.3報告セグメント計(百万円)23,80195.2調整額(百万円) △14283.4合計(百万円)23,65895.3(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。 a.経営成績の分析(売上高)当連結会計年度における売上高は23,658百万円(前期比4.7%減)となりました。これは主にオンライン資格確認システムの医療扶助への対応とWindows10サポート終了によるハードウェアリプレイスが堅調に進捗しました。一方で、前連結会計年度に活発であった電子処方箋の集中需要が一巡した影響により、売上高は減少しました。 (売上総利益)当連結会計年度における売上総利益は11,879百万円(前期比12.4%減)となりました。これは主に売上の一部がハードウエアリプレイスとなった影響により、仕入額の増加によるものであります。 (営業利益)当連結会計年度における営業利益は3,676百万円(前期比17.6%減)となりました。これは主に電子処方箋の集中需要が一巡りした影響によるものであります。 (経常利益)当連結会計年度における営業外収益は1,106百万円となりました。これは主に本社ビルのテナント事業が引き続き堅調であったことによるものであります。また営業外費用は470百万円となりました。これは主にテナント事業に係る減価償却及び維持費によるものであります。この結果、経常利益は4,313百万円(前期比16.8%減)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度における特別損失は689百万円となりました。これは主に医科システム事業及び介護/福祉システム事業の減損損失の計上や投資有価証券評価損の計上によるものであります。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,452百万円(前期比1.1%増)となりました。 b.財政状態の分析(資産)当連結会計年度末における流動資産は12,948百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,401百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が4,036百万円、受取手形及び売掛金が1,086百万円、商品及び製品が417百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定資産は14,558百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,238百万円増加いたしました。これは主に、のれんが797百万円、投資不動産が200百万円それぞれ増加したことによるものであります。この結果、総資産は27,506百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,163百万円減少いたしました。(負債)当連結会計年度末における流動負債は5,769百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,302百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が194百万円、1年内返済予定の長期借入金が256百万円、未払金が855百万円、未払法人税等が1,455百万円、未払消費税等が437百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は1,304百万円となり、前連結会計年度末に比べ673百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が564百万円、長期未払金が193百万円それぞれ減少したことによるものであります。この結果、負債合計は7,074百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,976百万円減少いたしました。(純資産)当連結会計年度末における純資産は20,432百万円となり、前連結会計年度末に比べ187百万円減少いたしました。これは主に、利益剰余金が522百万円減少したものの、その他有価証券評価差額金が237百万円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は73.9%(前連結会計年度末は64.8%)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 a.資本の財源及び資金の流動性についての分析(資金需要)当社グループの運転資金需要のうち、主なものは当社グループが保有する販売用ソフトウェアの維持に係る人件費及び外注加工費等、販売活動やお客様のサポートに係る人件費をはじめとする販売費及び一般管理費、並びに商品仕入等であります。 (資金調達と流動性マネジメント)当社グループの運転資金につきましては、主に、内部資金及び金融機関からの借入により調達しております。 b.キャッシュ・フロー状況の分析当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 d.経営方針・経営戦略等当社グループが定めている経営方針・経営戦略等につきましては、以下のとおりであります。当連結会計年度において、当社グループは、積極的な変革に挑みつつ、安定した経営を実現していくために高収益企業を目指しており、ROE(株主資本当期純利益率)を重要な経営指標と考えております。なお、2026年2月13日に公表しております決算短信における「2026年12月期の連結業績予想」の営業利益は2025年12月期の営業利益実績より360百万円減の3,316百万円を予想しております。また、ROEにつきましては、毎月開催しております取締役会において評価を行っており、順調に推移していることを確認しております。2024年11月14日公表の新中期経営計画につきましては、変更が必要となれば開示する予定であります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 医療保険制度改正の影響超高齢社会に伴う医療制度改革は、薬価差益の減少や患者負担増による来院患者数の減少を引き起こす可能性があります。これにより、クリニックや薬局の設備投資意欲が低下し、同社のシステム販売に悪影響を及ぼす可能性があります。
- プログラム変更の複雑化医療保険制度や介護保険制度の改正は、システムの大幅なプログラム変更を必要とします。変更範囲が広い場合、開発業務の増加や複雑化により、経営成績に影響を与える可能性があります。また、提供したプログラムに修正が必要となった場合も、追加コストが発生するリスクがあります。
- 新製品開発と減損リスク競争に勝ち抜くための新製品開発は重要ですが、開発が順調に進まない場合や中止された場合、ソフトウェアの減損処理が必要となる可能性があります。また、中国での開発費用高騰や国際情勢の変化、想定外の新技術普及による既存システムの陳腐化も、減損リスクを高める可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 医療保険制度の改正について超高齢社会に伴う医療制度改革が継続して実施されており、薬価差益の減少や、患者個人負担額の増加による来院患者数の減少等、制度改革の内容や規模によっては、クリニック・薬局の設備投資意欲の萎縮につながる可能性があり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループとしましては、医療機関の負担を削減することで、医療機関の経営に貢献してまいります。 ② 医療保険制度及び介護保険制度の改正に伴うプログラム変更について医療保険制度及び介護保険制度の改正に伴い大幅な制度変更が実施され、変更するプログラムの範囲が広い場合、変更プログラム作成の複雑化による業務量の増加が当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、提供した変更プログラムに修正が必要となった場合、修正の規模もしくは内容によって当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループとしましては、改正内容を早期に入手、対策することで、スムーズな対応に努めてまいります。 ③ 新製品の開発及びソフトウェアの減損に係るリスク当社グループは他社との競争に勝ち抜くため、最新の情報技術を活用したクリニック・薬局向け及び介護/福祉サービス事業者向けシステムの開発に注力しております。しかし、開発の全てが順調に進みサービスを提供できるとは限らず、制作途中における修正や見直し等によりサービスの投入に遅れが生じたり、開発そのものが中止された結果、ソフトウェアの減損処理が必要となった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。アプリケーションソフトウェアにつきましては、益盟軟件系統開発(南京)有限公司と意盟軟件系統開発(上海)有限公司で主たる開発を行っており、エンジニアの給料の高騰や中国の税制方針変更に伴い、費用が増大する可能性があります。また、不透明な国際情勢の影響を受ける可能性もあります。現行の保険請求システムが大幅に変更した場合や、当社グループが想定していない新技術の普及により事業環境が激変した場合、必ずしも対応できなくなる可能性があります。そのため、当社グループの提供するソフトウェア並びにサービスが陳腐化し、ソフトウェアの減損処理が必要となった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、一部クラウドシステムの運用においては、サーバーの運用や通信環境の状況が不安定となった場合、接続しているお客様の業務に対し影響を与える可能性があり、影響の範囲が大きくなる場合があります。これらの対策として、組織再編により開発子会社を新設分割し、開発力の強化を図っております。さらに当社グループは、時代をリードする先進的医療システムの普及の促進にあたり、業務提携やM&Aの活用を実施しております。しかし、今後において当社グループが想定する事業展開又は業績への寄与が図れるか否かについては不透明であり、場合によっては、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。この対策として、業務提携やM&Aを実施するか否かの検討に際しては、様々な情報の集約と、経験豊富な外部の会計事務所等を活用し、慎重に検討を行っております。 ④ 個人情報の保護について当社の主たるシステムは、その性質上患者情報を扱うことになり、個人情報に関わることがあります。万が一個人情報が漏洩するような事実が発生した場合は社会的信用を失墜し、それに伴う不利益は甚大なものとなり、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。この対策として、データセンターにおいては、入退室管理並びに運用担当者を厳格に定め、サーバー類の運用ルールも厳格なマニュアルに規定して運用しており、運用状況が適正に行われるよう、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)及び個人情報保護マネジメントシステム(PMS)の第三者認証を受けております。また、ローカルシステムでお客様(クリニック・薬局)のデータを取り扱う際は暗号化処理を施すなど、個人情報保護のための対応を徹底しております。 ⑤ 優秀人材の確保・育成に関するリスク当社グループの事業は人材に大きく依存しており、高い専門性を持った人材を獲得し、維持する必要がありますが、少子高齢化や事業にITを活用して競争力を強化するDXの提唱等により、全産業においてIT人材の獲得競争が激化しています。このような環境の下、当社グループでは、多様な人材が活躍できる風土、人事制度、オフィス環境の整備等を通じて優秀な人材の確保に努めるとともに、教育制度の充実等、人材の育成に注力しておりますが、人材の確保・育成が想定通りに進まなかった場合や人材が多数流出した場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 新大阪ブリックビルの活用について当社グループは2005年2月に大阪市淀川区に土地を取得、2008年3月に本社ビルとして新大阪ブリックビルを建設し、本社部門及び大阪の営業拠点が入居いたしました。また、クリニックモール内に各種医療施設、テナントオフィス部分にテナント企業が入居しております。以下に掲げたものを含む様々な要因により新大阪ブリックビルの収支計画が想定していたものと異なる可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態あるいはキャッシュ・フローに重大な影響を与える可能性があります。現時点においては、入居率も一定水準確保しており、賃料収入におきましても、安定した収益を確保し、相場と合わせる形で賃料収入の増加を図っております。 ⅰ)賃料収入に係るリスク新大阪ブリックビルの収支計画は一定の空室リスクを想定しておりますが、今後、想定以上に空室が発生した場合や、賃料について想定している水準を確保できなかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⅱ)減損に係るリスク今後の経済情勢の変化等により空室率の上昇や賃料水準の低下等が生じ、新大阪ブリックビルに対して減損処理が必要となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⅲ)自然災害等に係るリスク地震、火災、事故やテロ等により、新大阪ブリックビルが毀損、滅失又は劣化する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑦ アフターコロナによる影響について感染症の影響が一時期ほどではなくなったものの、各市場には次のような影響が出てきております。薬局市場におきましては、処方の長期化やオンライン服薬指導、処方薬の配達が求められてきております。医科市場におきましては、オンライン診療の普及がみられるようになってきております。また、介護/福祉市場は、超高齢社会に伴う新規施設の増加による成長市場ではありますが、経営安定に向けてより一層の業務効率化が求められております。このような環境の中、医療(クリニック・薬局)、介護/福祉業界のシステムを通じてサポートしていく当社グループとしましては、医療DXの推進に向け、関わる様々な方々の健康と安全、効率化を行い、安定したシステム供給とサービスを継続してご提供するため、以下の取組みを当社グループ全体で実施しております。 ⅰ)営業活動デジタルマーケティングの推進インサイドセールスの強化、ハイブリッド展示会の活用ポータルサイトの運用及びコンテンツの強化国が進める医療DXへの参画 ⅱ)サポート活動インサイドセールス担当によるお客様支援ポータルサイトによる取引先や顧客ロイヤリティの向上 ⅲ)勤務体制の整備時差出勤・在宅勤務の活用Web会議、テレワークができる環境の体制、セキュリティ対策の実施