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東映アニメーション(4816)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • アニメ作品の企画・製作・販売
    東映アニメーションは、劇場やテレビ向けのアニメ作品を企画し、実際に制作しています。そして、完成した作品の放映権を国内外のテレビ局や配信サービスに販売することで収益を得ています。例えば、「ワンピース」や「ドラゴンボール」といった人気作品を自社で生み出し、その権利を売ることで稼いでいます。
  • 版権ビジネスで収益最大化
    制作したアニメ作品のキャラクター(例:プリキュアのキャラクター)を、おもちゃや文房具などの商品に使うことを他社に許可し、その使用料(ロイヤリティ)を得る事業です。作品の人気が高ければ高いほど、キャラクターグッズの需要も増え、安定した収益源となります。
  • 商品販売と多角的な展開
    自社でキャラクター商品を企画・販売する事業も行っています。また、ブルーレイやDVDなどのパッケージソフト化権の販売、インターネットや携帯端末向けの映像配信など、多様な方法でアニメ作品から収益を生み出すビジネスモデルを構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 映像製作・販売事業
    この事業は、アニメ作品の企画・制作から、国内外への放映権販売、ブルーレイ・DVDなどのパッケージソフト化権の販売、インターネット配信などを手掛けています。売上高は373.11億円、営業利益は103.79億円で、アニメ制作の根幹をなす事業です。
  • 版権事業
    制作したアニメ作品のキャラクターを、おもちゃや文房具、ゲームなどの商品に利用することを他社に許諾し、その使用料(ロイヤリティ)を得る事業です。売上高503.06億円、営業利益259.24億円と、最も高い売上と利益を上げており、会社の収益の柱となっています。
  • 商品販売事業
    自社でアニメキャラクター関連商品を企画・製造し、販売する事業です。売上高は91.99億円、営業利益は6.54億円で、他の事業に比べて規模は小さいですが、キャラクタービジネスの一環として重要な役割を担っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
VideoProductionAndSelling 事業 373 104 27.8%
Copyright 事業 503 259 51.5%
GoodsSelling 事業 92 7 7.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,627 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社7社及び関連会社3社で構成され、主に劇場・テレビ向けの各種アニメ作品等の企画・製作及び放映権等の販売を行う映像製作・販売事業、製作した作品の商品化権等に基づき当社作品のキャラクターの使用をライセンス許諾しロイヤリティを得る版権事業、キャラクター商品等を販売する商品販売事業を主な事業として取り組んでおります。 当社は、2025年3月31日現在でテレビアニメ作品244タイトル、劇場アニメ作品275タイトル、その他にTVSP等を合わせまして、総コンテンツ数にして約14,000本を保有しております。当社テレビアニメ作品の代表作としては以下のものがあります。放映開始時期作品名1960年代「魔法使いサリー」「ゲゲゲの鬼太郎」「サイボーグ009」「ひみつのアッコちゃん」「タイガーマスク」1970年代「デビルマン」「マジンガーZ」「バビル2世」「キューティーハニー」「ゲッターロボ」「UFOロボ グレンダイザー」「一休さん」「宇宙海賊キャプテンハーロック」「銀河鉄道999」1980年代「Dr.スランプ アラレちゃん」「パタリロ!」「キン肉マン」「夢戦士ウイングマン」「北斗の拳」「メイプルタウン物語」「ドラゴンボール」「聖闘士星矢」「ビックリマン」「悪魔くん」1990年代「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」「美少女戦士セーラームーン」「スラムダンク」「ママレード・ボーイ」「地獄先生ぬ~べ~」「花より男子」「キューティーハニーF」「金田一少年の事件簿」「夢のクレヨン王国」「おジャ魔女どれみ」「デジモンアドベンチャー」「ワンピース」2000年代「明日のナージャ」「金色のガッシュベル!!」「ボボボーボ・ボーボボ」「ふたりはプリキュア」「冒険王ビィト」「出ましたっ!パワパフガールズZ」「モノノ怪」「墓場鬼太郎」「うちの3姉妹」「ドラゴンボール改」「怪談レストラン」2010年代「デジモンクロスウォーズ」「トリコ」「聖闘士星矢Ω」「探検ドリランド」「京騒戯画」「マジンボーン」「美少女戦士セーラームーンCrystal」「ワールドトリガー」「ドラゴンボール超」「デジモンユニバース アプリモンスターズ」「タイガーマスクW」「正解するカド」「ゲゲゲの鬼太郎」「おしりたんてい」「爆釣バーハンター」2020年代「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」「デジモンゴーストゲーム」「ワールドトリガー 3rdシーズン」「キミとアイドルプリキュア♪」 当社グループの事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。 (1) 映像製作・販売事業当社は、劇場・テレビ向け等の各種アニメ作品の企画・製作とともに、国内外への放映権の販売を行っております。また、ブルーレイ・DVDを中心とする当社アニメ作品のパッケージソフト化権の販売及びそれに伴う発売元事業や、インターネット・携帯端末に向けた映像配信等の展開を行っております。 ① 製作実際のアニメ作品の製作工程は、基本的に以下のようになります。 1 企画映像製作の基になる題材を様々な分野から掘り起こし、マーケット戦略に基づき、プロデューサーは、映像製作の立案、関係者の利害調整を経て、製作の決定を図ります。漫画雑誌を中心とした原作の映像化が主流となっています。2 脚本原案・原作等を基に、プロデューサー・脚本家・演出家間で打合わせをし、脚本家は映像作品を前提にした場面設定や話の展開及び台詞やアクションからなる脚本を作成します。3 絵コンテ脚本を絵に置き換えます。以降の全作業の指示書となります。物語の展開を、文字から絵に置き換えます。文節・文・文章を映像の最小単位であるカットに置き換え、そのカットの積重ねで物語を見せることになりますが、演出家は絵コンテに1カット毎の絵の構図やその中での人物の演技・動作、森羅万象を描く指示を、絵と文字を付記して表します。4 原画・動画原画はアニメーションのキーポイントとなる部分であり、動画は原画と原画の間の動きをつなぐ部分であります。原画は絵コンテの指示に沿って、作画のプロである原画アニメーターが本番の絵を描いていきます。ここでは各カットの大まかな構図取りと、主要且つ動きのポイントとなる絵を原画として描きます。動きのタイミングや台詞のペース、カメラワークなどは、シートという1秒を24コマの時間軸で表した専用の表に表記します。人物や動きのある物は作画(原画・動画)部分、その背後の視界は背景と称し、分業となりますが、構図取りにあたっては両方含めての構図の構成となります。原画アニメーターによる原画作業の後、作画監督のチェックへと回り、人物の絵の統一を中心にした原画修正が加えられます。この時点でアニメーションのおおもとの絵が決まったことになります。動画については、動きのタイミングは原画と原画の間に何枚の動く途中の絵(中割)を入れるかで変わります。中割の枚数は原画アニメーターがシートに指定してありますので、それに従い中割の動作ポーズは動画アニメーターが考え作画します。そして原画とともにクリンアップという清書した絵に仕上げます。原画・動画はデジタル化が進み、パソコンでの作業が主流となっております。5 彩色パソコン上で動画に色を塗ります。6 検査色違い等をチェックします。7 特殊効果エアーブラシ効果を中心に、塗りでは不可能な表現を加味します。8 背景背景にあたる部分の絵を描きます。原図を基に背景画のプロである美術デザイナーが正確に構図を取り直し、背景画を描く上での下絵=背景原図を作成します。背景画を専門とする背景員は、この背景原図を基に本番の絵を描いていきます。 9 撮影工程がデジタル化された現在では、撮影もパソコンを使って行われます。背景画をデジタル化した上で、デジタル合成します。演出家は作品の映像表現をより豊かにするために、様々な撮影効果を駆使します。シートにはそれらの撮影用指定も付記されますので、撮影担当者はシートの情報をパソコンに入力し、合成にかけます。撮影という言葉はフィルム製作時代の名残で、現在はパソコン内でデータの計算が行われ絵が合成されます。アニメ製作の性格上、作画部分も背景もカット単位で物が流れるため両者が揃ったカットから順に合成作業が進んでいきます。合成が済んだカットはパソコンからビデオテープ(HDCAM)に出力・収録します。10 編集撮影したカットは、順不同でビデオテープに収録されていきますが、これを撮影上がりと言います。撮影上がりは、編集専用のパソコンに再び取り込み、編集もパソコンで行います。絵コンテの順にカットを並べた上で(棒つなぎ)、全体の長さを規定の長さ(編集尺)にします。通常、編集尺に対して1分前後の余裕をもって製作を進めますので、1カットずつアニメーションの動きを確認しながら、カットの繋がり具合などを念頭に置き、カットの長さを詰めていきます。編集された絵は、1秒=24コマからなる映像(アニメーション)に変わります。11 アフレコ  ・ダビング映像に合わせ、声優の演技、効果音・BGMを録音します。編集が終了し、各カットの長さが確定し全体が規定の長さになったら、今度はその映像に合わせ台詞や効果音・BGMを録音します。先にアフレコが行われ、声優は台詞が書かれているアフレコ台本を手に、映像を見ながら映像に合わせた声の演技をします。演出家は演技の確認や指導をし、録音スタッフが収録します。遅れて数日後、音響効果と選曲と呼ばれる専門職が、前もって演出家と打合せ準備した効果音やBGMを持ち合ってダビングが行われます。アフレコ同様に映像に合わせ音の録音をしますが、同時にアフレコで収録した声とのミックス録音を行い、音の部分が完成します。 ② 販売劇場向けでは年3~5本の公開作品を製作・販売しております。また、テレビ向けでは週3~5本のシリーズ作品を製作・販売しており、2025年3月31日現在放映中の作品は「ワンピース」、「キミとアイドルプリキュア♪」、「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」等であります。なお、海外については、アジア・ヨーロッパ・北中南米地域にわたり、主に当社の海外子会社を通して当社アニメ作品の放映権を販売しております。 <関係会社>(企画)株式会社AMAZONLATERNA映像作品の企画製作等を行っております。 (製作)TOEI ANIMATION PHILS., INC.当社作品の製作工程における動画・彩色・背景等の作業を請負っております。東映アニメーション音楽出版株式会社当社作品の音楽製作を行っております。株式会社タバック当社作品の製作工程における録音編集作業を請負っております。 (販売)東映株式会社当社劇場作品の配給及びテレビ放送業者へのテレビシリーズ作品の放映権販売等を行っております。株式会社テレビ朝日 ※当社テレビシリーズ作品の放映等を行っております。東映アニメーション音楽出版株式会社当社作品の音楽の販売等を行っております。TOEI ANIMATION ENTERPRISESLTD.当社作品の海外放映権販売を行っております。TOEI ANIMATION INCORPORATED当社作品の海外放映権販売を行っております。TOEI ANIMATION EUROPE S.A.S.当社作品の海外放映権販売を行っております。  ※ 株式会社テレビ朝日ホールディングスの子会社 ③ パッケージソフト収入等ブルーレイ・DVDを中心とする当社アニメ作品のビデオ化権に伴う発売元事業や、インターネット・携帯端末に向けた映像配信事業等を行っております。 <関係会社>東映株式会社当社劇場・テレビシリーズ作品のビデオ化権の販売を行っております。東映ビデオ株式会社当社劇場・テレビシリーズ作品のパッケージソフトの販売を行っております。 (2) 版権事業当社は、当社アニメ作品に登場するキャラクターの使用許諾を、玩具・ゲームメーカーや文具メーカー、アパレルメーカー等のライセンシーに与えることにより版権収入を得ております。なお、海外については、アジア・ヨーロッパ・北中南米地域にわたり、主に当社の海外子会社を通して当社アニメ作品の版権を販売しております。 <関係会社>TOEI ANIMATION ENTERPRISESLTD.当社作品の海外版権販売を行っております。東映アニメーション音楽出版株式会社当社作品の音楽に関する著作権の管理を受託しております。TOEI ANIMATION INCORPORATED当社作品の海外版権販売を行っております。TOEI ANIMATION EUROPE S.A.S.当社作品の海外版権販売を行っております。 (3) 商品販売事業当社は、キャラクター商品等の販売を行っております。 (4) その他事業当社は、着ぐるみショーやミュージカル等の各種イベントの企画運営を行っております。 <関係会社>東映株式会社当社作品の着ぐるみショーの運営を行っております。 ※ 当社関係会社である株式会社東映京都スタジオは「東映太秦映画村」の運営を行っております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
長年の経験と実績に裏付けされた優れた企画力・製作力・展開力を擁しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
テレビアニメ作品244タイトル、劇場アニメ作品275タイトル、総コンテンツ数約14,000本を保有。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:アニメーションの人気予測困難と先行費用 / 企業間競争の激化と人材獲得競争 / 技術革新への対応遅れによる競争力低下
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★★★
根拠:強いブランド・特許・許認可

東映アニメーションは、ドラゴンボール、ONE PIECE、セーラームーンなど、世界的に認知され、長年にわたり愛され続ける強力なアニメIP(知的財産)を多数保有している。これらのIPは、新作アニメ、映画、グッズ、ゲームなど多岐にわたるメディアミックス展開を通じて、継続的な収益を生み出す源泉となっている。特に海外市場での人気は高く、ブランド価値は計り知れない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

アニメ作品の視聴者やファンは、特定の作品やキャラクターへの愛着が強いものの、他のアニメ作品への乗り換えに対する直接的な経済的・時間的コストは低い。ただし、長年応援してきたIPへの愛着やコミュニティへの帰属意識は、一定のスイッチング障壁となりうる。

ネットワーク効果★★☆☆☆
根拠:中程度利用者増が価値を生む

人気アニメ作品は、SNSでの話題性やファンコミュニティの形成を通じて、新たな視聴者を引きつけるネットワーク効果を持つ。作品の人気が高まるほど、関連グッズやイベントへの関心も高まり、IP価値をさらに強化する側面がある。しかし、これは作品ごとの一時的な効果に留まる場合が多い。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

アニメ制作におけるコスト構造は、制作費、人件費、放映権料などが主であり、競合他社と比較して構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。むしろ、高品質なアニメ制作には多額の投資が必要となる。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

長年のアニメ制作・配給で培われたノウハウ、国内外の放送局や配信プラットフォームとの強固なネットワーク、そして多数のIPを管理・活用する体制は、一定の規模の経済性を生み出している。特に、グローバルな配給網は強みである。

  • 豊富なコンテンツ資産
    東映アニメーションは、1960年代の「魔法使いサリー」から最新の「キミとアイドルプリキュア♪」まで、約14,000本ものアニメ作品を保有しています。この膨大な作品群は、他社にはない強力な資産であり、再放送や配信、商品化など、様々な形で長期的に収益を生み出す基盤となっています。
  • 長年の経験と製作力
    半世紀以上にわたるアニメ制作の歴史の中で培われた企画力、製作力、そして展開力は、東映アニメーションの大きな強みです。企画から脚本、作画、撮影、編集、アフレコまで、アニメ制作の全工程を高い品質で実現できるノウハウと体制を確立しています。
  • 強力なブランドと認知度
    数々の国民的アニメ作品を生み出してきたことで、「東映アニメーション」というブランド自体が強い信頼と認知度を持っています。このブランド力は、新たな作品を市場に投入する際や、国内外でのビジネス展開において、大きなアドバンテージとなります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針・世界の子どもたちに「夢」と「希望」を提供する“創発企業”となる。 当社はこの経営理念の下、1956年の創業以来半世紀以上の長きにわたり、日本アニメーション界のパイオニアとして、テレビアニメ作品244タイトル、劇場アニメ作品275タイトル、総コンテンツ数約14,000本に及ぶ日本最大・世界有数の規模のアニメーション作品を製作して参りました。 これらの多彩なライブラリー作品群、そして今後創作する新作品/新作話からなる魅力的かつインパクトのある「IP(=intellectual property)」を事業戦略の軸とし、世界を魅了する“新たな映像表現”を創造し続けグローバルに展開する、世界有数の映像製作・事業会社になることを目指しております。 (2)経営指標アニメーションビジネスは不確定要素が多く、作品により予想と結果が著しく乖離する場合があります。特定の指標をもって経営目標とすることはしておりませんが、堅牢な財務基盤の維持を大前提に、「IPを戦略の軸に据えたグローバル事業展開」をより一層強化し、持続的成長と中長期的な企業価値向上に資する事業機会やグローバル企画に積極的に戦略的投資を行って参ります。また配当については、安定配当を基本方針としつつ、投資戦略や業績動向に応じて柔軟に、総合的な判断を行って参ります。 (3)対処すべき課題当社グループでは、「IPを戦略の軸に据えたグローバル事業展開」をより一層強化し、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指します。日本最大・世界有数の作品数を有するアニメーション製作会社としての競争優位性を基盤に、魅力的でインパクトのある新たな作品を創作し世界に届けることを梃子に、収益化の機会を限りなく広げていくことを最重要課題として掲げています。 ① IP増強:新規IP創出数の増強とIPライフサイクルの長期化新規IP創出を加速すると共に、産み出した作品を自ら育成・発展させ、IPライフサイクルを長期化することで、作品ファンの親子二世代化・三世代化(エバーグリーン化)を目指します。 ② 事業拡張:顧客接点の拡大とIP当たり収益規模の伸張これまでに当社が獲得してきた作品製作や権利運用のノウハウを活かし、既存ライセンス事業に加え、IPの育成・発展に寄与する自社事業にも注力し、IP当たりの収益規模の最大化を目指します。 ③ 地域展開拡大:日本発IPの増強と海外発IPの強化国内市場に加え、海外市場へと作品展開をグローバルに加速し、マーケットシェアを高め、世界に冠たる「東映アニメーションブランド」の確立を目指します。日本発IPは、従来からの国内外での取組みをより一層強化すると共に、特に海外輸出については、新たな有望国や地域を見定め、ビジネスの拡大を図ります。海外IPは、欧州・中東・中国等において現地有力パートナーと手を組み、地域の文化・慣習・規制等の事業障壁を乗り越え作品展開しヒットを目指す地産地消型ビジネスや、当社の指揮・統括の下、海外で企画製作した作品を、グローバルな配信配給流通網を活用して、全世界に一斉展開し、関連ビジネス全体で収益獲得を目指すハリウッド型ビジネスを推進します。 ④ 製作能力の進化:IP別に目的特化した製作体制構築と2D/3D先端技術の統合IP・顧客セグメント別の訴求ポイントを明確化すると共に、国内外の提携スタジオのノウハウ・人材ネットワークの有効化と最適化により、子どもから大人まで幅広いファンを魅了する作品を創作していきます。また、独自の演出・作画技法をはじめとする当社の伝統技術とCG・AI等の革新技術を融合し、全く新たな映像表現を産み出す製作スタジオを目指します。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針・世界の子どもたちに「夢」と「希望」を提供する“創発企業”となる。 当社はこの経営理念の下、1956年の創業以来半世紀以上の長きにわたり、日本アニメーション界のパイオニアとして、テレビアニメ作品244タイトル、劇場アニメ作品275タイトル、総コンテンツ数約14,000本に及ぶ日本最大・世界有数の規模のアニメーション作品を製作して参りました。 これらの多彩なライブラリー作品群、そして今後創作する新作品/新作話からなる魅力的かつインパクトのある「IP(=intellectual property)」を事業戦略の軸とし、世界を魅了する“新たな映像表現”を創造し続けグローバルに展開する、世界有数の映像製作・事業会社になることを目指しております。 (2)経営指標アニメーションビジネスは不確定要素が多く、作品により予想と結果が著しく乖離する場合があります。特定の指標をもって経営目標とすることはしておりませんが、堅牢な財務基盤の維持を大前提に、「IPを戦略の軸に据えたグローバル事業展開」をより一層強化し、持続的成長と中長期的な企業価値向上に資する事業機会やグローバル企画に積極的に戦略的投資を行って参ります。また配当については、安定配当を基本方針としつつ、投資戦略や業績動向に応じて柔軟に、総合的な判断を行って参ります。 (3)対処すべき課題当社グループでは、「IPを戦略の軸に据えたグローバル事業展開」をより一層強化し、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指します。日本最大・世界有数の作品数を有するアニメーション製作会社としての競争優位性を基盤に、魅力的でインパクトのある新たな作品を創作し世界に届けることを梃子に、収益化の機会を限りなく広げていくことを最重要課題として掲げています。 ① IP増強:新規IP創出数の増強とIPライフサイクルの長期化新規IP創出を加速すると共に、産み出した作品を自ら育成・発展させ、IPライフサイクルを長期化することで、作品ファンの親子二世代化・三世代化(エバーグリーン化)を目指します。 ② 事業拡張:顧客接点の拡大とIP当たり収益規模の伸張これまでに当社が獲得してきた作品製作や権利運用のノウハウを活かし、既存ライセンス事業に加え、IPの育成・発展に寄与する自社事業にも注力し、IP当たりの収益規模の最大化を目指します。 ③ 地域展開拡大:日本発IPの増強と海外発IPの強化国内市場に加え、海外市場へと作品展開をグローバルに加速し、マーケットシェアを高め、世界に冠たる「東映アニメーションブランド」の確立を目指します。日本発IPは、従来からの国内外での取組みをより一層強化すると共に、特に海外輸出については、新たな有望国や地域を見定め、ビジネスの拡大を図ります。海外IPは、欧州・中東・中国等において現地有力パートナーと手を組み、地域の文化・慣習・規制等の事業障壁を乗り越え作品展開しヒットを目指す地産地消型ビジネスや、当社の指揮・統括の下、海外で企画製作した作品を、グローバルな配信配給流通網を活用して、全世界に一斉展開し、関連ビジネス全体で収益獲得を目指すハリウッド型ビジネスを推進します。 ④ 製作能力の進化:IP別に目的特化した製作体制構築と2D/3D先端技術の統合IP・顧客セグメント別の訴求ポイントを明確化すると共に、国内外の提携スタジオのノウハウ・人材ネットワークの有効化と最適化により、子どもから大人まで幅広いファンを魅了する作品を創作していきます。また、独自の演出・作画技法をはじめとする当社の伝統技術とCG・AI等の革新技術を融合し、全く新たな映像表現を産み出す製作スタジオを目指します。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度において、当社グループでは「ワンピース」、「ドラゴンボール」シリーズ、「プリキュア」シリーズ、「スラムダンク」といった主力作品群からの安定的な収益の確保・拡大を図りました。この結果、当連結会計年度における売上高は1,008億36百万円(前連結会計年度比13.7%増)、営業利益は324億32百万円(同38.8%増)、経常利益は331億88百万円(同25.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は236億23百万円(同25.7%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります(セグメント間取引金額を含む)。なお、セグメント損益は、営業利益ベースの数値であります。 [映像製作・販売事業]劇場アニメ部門では、前年度からの継続公開となった映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」(2023年11月公開)、「映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ」(2024年3月公開)に加え、8月に映画「THE FIRST SLAM DUNK」(復活上映)、9月に映画「わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!」、10月に映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版」、3月に「映画おしりたんてい スター・アンド・ムーン」を公開しました。前年同期に公開した映画「THE FIRST SLAM DUNK」程には至らず、大幅な減収となりました。テレビアニメ部門では、「ドラゴンボールDAIMA」、「ワンピース」、「わんだふるぷりきゅあ!」(2025年2月より「キミとアイドルプリキュア♪」)、「魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~」、「科学×冒険サバイバル!」、「逃走中 グレートミッション」、「おしりたんてい」、「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」、「ガールズバンドクライ」の9作品を放映しました。前年同期と比較して放映作品話数が増加したこと等から、増収となりました。コンテンツ部門では、映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」のブルーレイ・DVDが好調に推移したものの、前年発売の映画「THE FIRST SLAM DUNK」のブルーレイ・DVD程には至らず、前年同期と比較して大幅な減収となりました。海外映像部門では、前年同期好調に稼働した映画「THE FIRST SLAM DUNK」の海外上映権販売の反動減があったものの、「ワンピース」、「ドラゴンボール」シリーズの海外配信権販売が好調だったことに加え、サウジアラビア向けテレビアニメ作品の納品により、前年同期と比較して大幅な増収となりました。その他部門では、映画「THE FIRST SLAM DUNK」、映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」をはじめ、国内の映像配信権販売が好調に稼働したことから、前年同期と比較して大幅な増収となりました。この結果、映像製作・販売事業全体では、売上高は373億23百万円(前連結会計年度比7.2%増)、セグメント利益は、103億79百万円(同51.9%増)と増収増益となりました。 [版権事業]国内版権部門では、「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売、商品化権販売や、「ワンピース」の商品化権販売が好調に稼働したことから、前年同期と比較して大幅な増収となりました。海外版権部門では、「ワンピース」、「ドラゴンボール」シリーズ、「デジモン」シリーズの商品化権販売、「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売が好調に稼働したことから、前年同期と比較して大幅な増収となりました。この結果、版権事業全体では、売上高は505億82百万円(前連結会計年度比27.5%増)、セグメント利益は259億24百万円(同36.8%増)と増収増益となりました。 [商品販売事業]商品販売部門では、「ワンピース」、「プリキュア」シリーズのショップ事業が好調に稼働しましたが、前年同期に好調に稼働した映画「THE FIRST SLAM DUNK」の商品販売の反動減により、前年同期と比較して大幅な減収となりました。この結果、売上高は92億11百万円(前連結会計年度比13.8%減)、セグメント利益は6億54百万円(同64.1%減)と減収減益となりました。 [その他事業]その他部門では、催事イベントやキャラクターショー等を展開しました。「ワンピース」や「ゲゲゲの鬼太郎」の催事が好調に稼働したことから、前年同期と比較して増収となりました。この結果、売上高は43億15百万円(前連結会計年度比10.0%増)、セグメント利益は1億76百万円(同31.0%増)と増収増益となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ146億79百万円増加し、667億82百万円となりました。その要因は以下のとおりであります。なお、連結貸借対照表に掲記されている現金及び預金勘定824億74百万円との差異は、預入期間3ヶ月超の定期預金157億79百万円等であります。 [営業活動によるキャッシュ・フロー]営業活動の結果得られた資金は、271億63百万円(前連結会計年度は162億84百万円の獲得)となりました。資金の増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益328億9百万円、仕入債務の増加7億67百万円、資金の減少の主な内訳は、売上債権の増加45億83百万円、棚卸資産の増加2億63百万円、法人税等の支払額64億9百万円であります。なお、減価償却費7億82百万円は、資金流出の発生しない費用であるため、キャッシュ・フロー計算書では資金増の要因となっております。 [投資活動によるキャッシュ・フロー]投資活動の結果使用した資金は、55億41百万円(前連結会計年度は45億42百万円の使用)となりました。資金の増加の主な内訳は、定期預金の払戻による収入584億37百万円、資金の減少の主な内訳は、定期預金の預入による支出657億58百万円であります。 [財務活動によるキャッシュ・フロー]財務活動の結果使用した資金は、64億40百万円(前連結会計年度は64億10百万円の使用)となりました。これは、主に配当の支払によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績イ 受注製作事業実績当社グループは、映像製作・販売事業において、劇場アニメ作品・テレビアニメ作品の受注製作を行っており、当連結会計年度の製作実績及び受注実績を示すと次のとおりであります。 a.製作実績区分製作高(百万円)前期比(%)劇場アニメ作品2,349167.2テレビアニメ作品6,08495.1合計8,433108.0 (注) アニメ作品製作について、作業の一部を外注に依存しております。(主な外注先:㈱青二プロダクション、㈱ぎゃろっぷ、㈱スタジオディーン)なお、当連結会計年度における外注費は、6,500百万円であります。 b.受注実績区分本数受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)劇場アニメ作品4360141.2135-テレビアニメ作品1641,44789.81,17078.4合計1681,80796.91,30587.4 ロ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)映像製作・販売事業37,311107.2版権事業50,306127.6商品販売事業9,19986.6その他事業4,018106.0合計100,836113.7 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)㈱バンダイナムコエンターテインメント18,09520.417,27117.1 3.東映グループ(除く東映㈱及び当社の子会社)に対する販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)東映グループ2,5152.82590.3 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(a) 財政状態の分析(資産の部)当連結会計年度末の総資産は、前期末比282億40百万円増の1,909億80百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて6.2%増加し、1,279億40百万円となりました。これは、現金及び預金が34億66百万円、受取手形及び売掛金が53億63百万円、商品及び製品が3億12百万円それぞれ増加し、仕掛品が2億80百万円減少したこと等によるものです。その結果、流動資産合計は前期末比74億85百万円増の1,279億40百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて49.1%増加し、630億39百万円となりました。これは、建物及び構築物(純額)が2億22百万円、投資有価証券が47億3百万円、長期預金が185億円それぞれ増加し、関係会社長期貸付金が30億円減少したこと等によるものです。その結果、固定資産合計は前期末比207億55百万円増の630億39百万円となりました。(負債の部)当連結会計年度末の負債合計は、前期末比67億55百万円増の377億81百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて18.5%増加し、340億35百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が17億55百万円、未払法人税等が31億60百万円それぞれ増加したこと等によるものです。その結果、流動負債合計は、前期末比53億5百万円増の340億35百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べて63.2%増加し、37億45百万円となりました。これは、繰延税金負債が13億86百万円、固定負債のその他が1億40百万円それぞれ増加したこと等によるものです。その結果、固定負債合計は、前期末比14億50百万円増の37億45百万円となりました。(純資産の部)当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比214億85百万円増の1,531億98百万円となりました。株主資本については、利益剰余金が前期に係る剰余金の配当により63億44百万円減少し、親会社株主に帰属する当期純利益により236億23百万円増加いたしました。その結果、株主資本は、前期末比172億79百万円増の1,385億53百万円となりました。その他の包括利益累計額については、その他有価証券評価差額金が30億9百万円、為替換算調整勘定が12億円それぞれ増加いたしました。その結果、その他の包括利益累計額は、前期末比42億5百万円増の146億45百万円となりました。 (b) 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度の売上高は、商品販売事業は減収の一方で映像制作・販売事業、版権事業は増収であったため、前期比121億81百万円増の1,008億36百万円となりました。各セグメントの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」、海外部門の売上高につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の「セグメント情報等 関連情報」をご参照ください。(売上原価及び売上総利益)当連結会計年度の売上原価は、前期比12億8百万円増の524億13百万円となりました。増収に伴い売上原価も増加しましたが、前年の「聖闘士星矢The Beginning」の評価損計上の影響消失に加え、収益性の高い配信権販売や版権事業の好調により、原価率は52.0%となりました。その結果、当連結会計年度の売上総利益は、前期比109億72百万円増の484億22百万円となりました。 (販売費及び一般管理費並びに営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、劇場、TVアニメ作品に係る広告宣伝費の増加や、人件費の増加等により、前期比19億4百万円増の159億89百万円となりました。その結果、当連結会計年度の営業利益は、前期比90億67百万円増の324億32百万円となりました。また、売上高営業利益率は26.4%から32.2%となりました。(営業外損益及び経常利益)当連結会計年度の営業外損益は、為替差損が増加したこと等により、営業外損益の純額では、前期比23億33百万円の減となりました。その結果、当連結会計年度の経常利益は、前期比67億34百万円増の331億88百万円となりました。また、売上高経常利益率は29.8%から32.9%となりました。(特別損益)当連結会計年度の特別損益は、投資有価証券評価損及び減損損失の計上があったことにより、特別損益の純額では、前期比6億32百万円の減となりました。その結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前期比61億2百万円増の328億9百万円となりました。(法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の法人税等合計は、前期比12億74百万円増の91億85百万円となりました。また、税効果会計適用後の法人税等の負担率は28.0%となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比48億28百万円増の236億23百万円となりました。 当連結会計年度も、事業内容では、売上高、利益に占める国内外のアプリゲーム化権、中国向けの大口映像配信権の割合が引続き大きい状況にあり、作品でも、売上高、利益に占める「ドラゴンボール」シリーズ、「ワンピース」の2タイトルの割合が大きい状況が続いています。こうした中、当社グループは、海外における展開地域や事業の拡大、新規IPの創出とIPライフサイクルの長期化、映像製作能力の進化等により、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指すべく、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)対処すべき課題」に記載した方針に基づき、各種課題に取り組んでまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの分析)当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますが、営業活動によるキャッシュ・フローの収入から、投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは216億21百万円(前連結会計年度は117億42百万円)となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フローが増加したこと及び定期預金の払戻による収入が増加したことが主な要因です。なお、翌連結会計年度において、重要な資本的支出の予定はございません。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)アニメーションビジネスは、先行投資型ビジネスであり、製作段階で、多額の製作資金を投入し、その後、完成した作品の映像著作権をベースに、各種事業を展開し、製作資金を回収していくのが基本的なスキームです。作品によって、回収に要する期間はさまざまであり、複数の作品が、一定の成績に達しない場合、営業活動から創出される資金が減少することも想定されますが、新規作品の企画製作は、当社グループが成長・発展していくために欠かせないものです。そのため、当社グループは、運転資金、設備投資資金はもとより、新規作品の企画製作費用についても、充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することに努めております。また、各子会社の余剰資金につきましては、配当金により当社へ集約することを基本に考えておりますが、将来におけるより効率的な資金運用に向けた施策として、キャッシュ・マネジメント・システムにより、一部の海外子会社より資金を集約しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、製品、仕掛品の評価、非上場株式の評価、貸倒引当金の計上、退職給付に係る負債の計上、役員株式給付引当金の計上等について見積り計算を行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 作品人気の変動と収益性
    アニメ作品の人気は、消費者の好みや経済状況に大きく左右され、事前に予測することは非常に困難です。多額の先行費用を投じて制作しても、作品がヒットしなければ二次利用による収益が伸びず、会社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 激化する競争と人材獲得
    アニメ業界ではコンテンツ数の増加に伴い、原作やアニメーターなどの優秀な人材の獲得競争が激化しています。また、海外企業の台頭も進んでおり、競争力の低下や人材流出が会社の経営成績に影響を与える可能性があります。
  • 著作権侵害と収益機会損失
    保有するアニメ作品の著作権が、海賊版や模倣品、違法配信などによって侵害されるリスクがあります。これにより、正規の商品やサービスの売上が阻害されるだけでなく、将来的な収益機会の損失や、ブランドイメージの毀損につながる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,512 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① アニメーションビジネスについて当社グループはアニメーションを主軸として各事業を展開しております。当社では常に高品質なアニメーションを企画・製作することを心がけておりますが、アニメーションの人気は経済環境・市場環境のほか消費者の嗜好に左右され、事前にそれを正確に予測することは困難であるため、作品により人気の差異が大きく、当社の製作する作品が全てヒットするとは限りません。また、アニメーション製作には多額の先行費用を要するため、人気が出ず二次利用による収益が伸びない場合には、業績に大きな悪影響が生じます。そのため、当社が魅力的な作品を定期的かつ適時に投入できない場合や複数の新規投入作品が一定の成績に達しない場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 ② 企業間競争についてアニメーション業界においては、メディアの多様化やターゲットの拡大等により展開されるコンテンツ数が増える一方で厳しい市場環境により、企業間での原作やアニメーターを始めとする人材の獲得競争が激しくなってきております。また、海外においては韓国や中国企業等が力をつけてきており、日本にも進出しています。当社は長年の経験と実績に裏付けされた、優れた企画力・製作力・展開力を擁して、成長戦略を推進しておりますが、競合企業が急速に成長した場合は、当社の競争力が低下し、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 技術革新について近時、アニメーション業界において技術革新が進んでおり、例えばアニメーションの配信方法等に影響が生じております。また、当社においても、アニメーションの製作過程において、2Dと3D技術の融合などの新たな映像表現の開発に努めております。しかしながら、新技術の導入に伴い、追加の規制対応や人材確保が必要となりうるほか、当社グループがこれらの技術革新に適時適切に対応できなかった場合には、当社グループの競争力が低下し、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 著作権の侵害について当社グループは保有するアニメーションの著作権をもとにビジネスを展開しておりますが、海賊版や模倣品、違法配信等の権利侵害が確認されています。それらについてはケースごとに適切な対応をとるよう努めておりますが、著作権保護を十分に受けられない場合もあります。著作権侵害により正規商品やサービスの売上が阻害されるのはもちろんのこと、将来における機会逸失が見込まれ、また、第三者より著作権の侵害等のクレームを受ける可能性もあり、そのような場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 海外展開について当社グループは、国内市場のみならず海外市場に向けてもアニメーション作品を展開しております。しかしながら、海外における事業展開は、各国の地政学リスクの影響を受けることに加え、当社グループのアニメーション作品が現地で受け入れられない可能性、法規制、商慣習及び言語の違いによるトラブル、現地企業との協業が奏功しない可能性、現地従業員の採用その他労働問題等の様々なリスクがあります。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの海外事業に支障が生じ、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 人材の採用等について当社グループの事業の継続的な成長においては、優秀なアニメーター等の採用、確保及び育成が重要となります。しかしながら、近時アニメーション業界においては、新規参入企業の増加や業界全体の製作量の増加により、アニメーター等の獲得競争が激化しております。当社グループは人材の採用、確保及び育成のために諸施策を講じておりますが、かかる施策が奏功せず、事業に必要なアニメーター等を採用、確保及び育成できなかった場合や、当社グループのアニメーター等が他社へ流出した場合には、当社グループの競争力が低下し、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 第三者との関係について当社グループは、テレビ放映局、映画配給会社及び配信プラットフォーム業者、原作者及び出版社、アニメーションに係る権利のライセンス先、アニメーション製作過程における外注先等様々な第三者との事業上の関係があります。これら第三者との関係が悪化し、事業上の関係が解消された場合には、当社グループの事業遂行に重大な支障が生じ、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 為替変動について当社グループの事業には、海外におけるアニメーションの製作と販売が含まれており、海外企業(海外子会社を含む)との外貨建取引において、急激な為替の変動等により、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 情報セキュリティについて当社グループでは、情報管理を徹底し、適切なセキュリティ対策を行い、関連する各種規程を整備しております。しかしながら、予測の範囲を超えたサイバー攻撃、不正なアクセス、コンピュータウィルスへの感染等により情報システムや情報通信ネットワークに重大な障害が発生した場合には、当社グループの社会的信用やブランドイメージが毀損される可能性があります。かかるリスクへの対応として、当社では、従業員への情報セキュリティに関する知識の向上に向けた教育及び不正アクセスへの対応体制の強化などを行っています。 ⑩ 自然災害・感染症等について当社グループは、日本をはじめ世界各国で事業を展開しておりますが、地震等の大規模な自然災害、新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症等の世界的流行(パンデミック)が発生した場合には、当社グループの事業活動の一部又は全体に大きな支障をきたすことが考えられ、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 社会的信用について当社グループの事業の拡大のためには、社会的信用並びに広く認知されたブランドが非常に重要ですが、当社グループ及びその事業等に否定的な主張や風評がなされ、また、ソーシャルメディアで拡散された場合には、仮にかかる主張や風評が真実でないとしても、当社グループの社会的信用やブランドに重大な悪影響を及ぼす可能性があります。かかる事態が生じた場合には、当社グループの事業、人材獲得、株価、経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ M&Aや提携等について当社グループは、更なる事業成長のためにM&Aや提携等を実施する可能性があります。しかしながら、M&Aや提携等の実施に際しては、当初期待したシナジーや収益が得られる保証はなく、相手方により解消を求められる可能性もあります。また、M&Aや提携等の実施後に、当初想定していなかった新たな問題点が発見される可能性もあります。かかる事態が生じた場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 法規制について当社グループは、グローバルに事業を展開していることから、国内外で様々な法規制の適用を受けております。当社グループは関連法令等の遵守に係る体制整備に努めておりますが、今後、法規制の新設又は改正が行われた場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 訴訟等について当社グループは、事業活動を行う中で、消費者、顧客、提携先、ライセンス元、ライセンス先、外注先、従業員、当局を含む様々な第三者から訴訟その他法的手段の提起等やクレームを受ける可能性があります。かかる事態が生じた場合には、それ自体当社グループの社会的信用を棄損する可能性があるうえ、仮に当社グループに不利益な決定がなされた場合には、金銭的な負担に加え、当社グループの社会的信用、経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 ※当社は東映グループとして、リスクマネジメント体制においてもその優先すべきリスクについて共有し、グループ全体としての優先すべきリスクについて適切に対処しております。

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