4627

ナトコ(4627)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 塗料製造販売
    ナトコグループは、塗料、ファインケミカル製品、再生溶剤の製造・販売を主な事業としています。特に塗料事業では、合成樹脂塗料を国内外の自社工場で製造し、直接販売や特約代理店を通じて顧客に提供しています。これにより、幅広い産業分野のニーズに応える製品供給体制を構築しています。
  • ファインケミカル製品
    高機能性樹脂や樹脂素材用コート剤などのファインケミカル製品も手掛けており、これも国内外の拠点で製造し、多様な販売チャネルを通じて展開しています。これにより、特定の産業だけでなく、より専門的な用途にも対応できる製品ポートフォリオを持っています。
  • 再生溶剤と廃棄物処理
    子会社を通じて再生溶剤の製造・販売も行い、さらに産業廃棄物の収集運搬・処分も手掛けています。これは環境負荷低減に貢献する事業であり、資源の有効活用と廃棄物処理という社会的なニーズに応えることで、グループ全体の収益構造を多角化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 塗料事業
    ナトコグループの主要な収益源であり、売上高は約142.95億円、営業利益は約11.64億円を計上しています。合成樹脂塗料の製造・販売が中心で、日本国内だけでなく、中国、フィリピン、ベトナムの海外子会社でも製造し、タイを含むアジア地域で幅広く展開しています。グループ全体の事業の柱となっています。
  • ファインケミカル事業
    高機能性樹脂や樹脂素材用コート剤などを手掛ける事業で、売上高は約24.85億円、営業利益は約5.36億円です。塗料事業と同様に、国内外の拠点で製造・販売されており、より専門的な用途や高付加価値製品に特化しています。グループの技術力を示す重要な事業分野です。
  • 蒸留事業
    再生溶剤の製造・販売と産業廃棄物の収集運搬・処分を行う事業で、売上高は約54.95億円、営業利益は約4.89億円です。子会社を通じて展開されており、環境負荷低減に貢献するビジネスモデルです。資源の有効活用と廃棄物処理という社会的なニーズに応えることで、グループ全体の収益構造を多様化しています。
2025-10 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PaintBusiness 地域 143 12 8.1%
FineChemicalBusiness 地域 25 5 21.6%
DistillationBusiness 地域 55 5 8.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|653 文字
3【事業の内容】当社グループは、ナトコ株式会社(当社)及び子会社8社により構成されており、塗料、ファインケミカル製品及び再生溶剤の製造・販売を主な事業としております。当社グループの事業内容及び当社と子会社の当該事業に係る位置付け並びにセグメント情報との関連は、次のとおりであります。 [塗料事業]合成樹脂塗料 … 当社、耐涂可精細化工(青島)有限公司、NATOCO PAINT PHILIPPINES,INC.、NATOCO VIETNAM COMPANY LIMITEDで製造し、直接又はNATOCO PAINT (THAILAND)CO.,LTD.及び特約代理店を通じて販売しております。塗料関連製品 … 当社で仕入れ、直接又は特約代理店を通じて販売しております。[ファインケミカル事業]高機能性樹脂・樹脂素材用コート剤等 … 当社、耐涂可精細化工(青島)有限公司、NATOCO PAINT PHILIPPINES,INC.、NATOCO VIETNAM COMPANY LIMITEDで製造し、直接又はNATOCO PAINT (THAILAND)CO.,LTD.及び特約代理店を通じて販売しております。[蒸留事業]再生溶剤等 … 巴興業株式会社、三丸化学株式会社及び有限会社アイシー産業で製造し、直接又は特約代理店を通じて販売しております。産業廃棄物 … 巴興業株式会社及び三丸化学株式会社が産業廃棄物の収集運搬及び処分をしております。 以上の事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
需要の変化、競争激化により販売価格が下落する可能性があり、原材料価格上昇を転嫁できない可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
顧客や市場ニーズに対応した新製品・新技術の開発力、高分子材料技術、分散技術、コーティング技術、色彩技術。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:需要業界の低迷 / 新製品開発の遅れや代替製品の出現 / 製品・原材料価格の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ナトコは塗料・コーティング剤メーカーであり、特定のニッチ分野(例:自動車補修用塗料、工業用特殊塗料)で長年の実績とノウハウを持つ可能性がある。しかし、具体的な特許やブランド力が競合他社と比較して突出しているという情報は現時点では限定的。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車補修用塗料など、特定の用途においては、顧客(整備工場や塗装業者)が長年使用してきた塗料メーカーからの切り替えには、品質への懸念や再度の色合わせテストなどの手間が発生する可能性がある。ただし、代替塗料の選択肢も存在するため、スイッチング・コストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

塗料・コーティング剤事業は、基本的に個々の製品の性能や価格、供給体制が重視されるビジネスモデルであり、ユーザーの増加が製品価値を直接的に高めるネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

化学品メーカーとして、原材料調達や生産プロセスにおける効率化努力は行っていると考えられる。しかし、ナトコが業界平均を大きく下回るコスト構造を持っているという明確な証拠は現時点では見当たらない。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

ナトコは中堅の化学メーカーであり、業界全体で見ると大手企業と比較して規模の経済性は限定的である。特定のニッチ市場においては一定のシェアを持つ可能性があるが、業界全体を寡占するほどの規模ではない。

  • 多角的な事業展開
    塗料、ファインケミカル、再生溶剤という異なる3つの事業を展開している点が強みです。これにより、特定の市場の変動リスクを分散し、安定した収益基盤を築いています。例えば、塗料市場が低迷しても、ファインケミカルや再生溶剤事業がそれを補完する可能性があります。
  • グローバルな製造・販売網
    中国、フィリピン、ベトナムに製造拠点を持ち、タイにも販売拠点を置くなど、アジア地域を中心に国際的な事業展開を進めています。これにより、各地域の市場ニーズに迅速に対応し、効率的な生産・供給体制を構築することで、競争力を高めています。
  • 環境配慮型ビジネス
    再生溶剤の製造・販売や産業廃棄物処理を手掛ける蒸留事業は、環境規制が厳しくなる中で需要が高まる分野です。これは単なる収益源だけでなく、企業の社会的責任(CSR)を果たす上でも重要な役割を担い、持続可能な経営に貢献する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針当社グループは「ユニークな発想で新しい価値を創造する」ことをミッションとし、絶えず独創的、革新的な研究と技術力の向上に努め、“あらゆる表面のリノベーション&イノベーションカンパニーへ”発展する事を2030ビジョンとして定めております。 (2)経営戦略等当社グループは2030ビジョン実現に向けた経営基本方針として、サステナビリティ基本方針と中期経営計画基本方針を策定しております。[サステナビリティ基本方針]① 環境対応重視の事業展開② 人的資本経営の実現③ 責任ある事業活動[中期経営計画基本方針]① 環境対応を重視した「機能・技術」と「市場」を掛け合わせた事業拡大② 「人的資本」を中核経営基盤と位置付け③ 社会の一員としての責務、社会と顧客からの信頼獲得 (3)経営環境当社グループは、経営をとりまく環境として、以下のように認識しています。① 環境意識の高まり(SDGs実現に向けたESGやカーボンニュートラルへの対応、世界的な環境規制の強化)② 技術革新の進展(塗装レス技術、高効率塗装技術、デジタル技術による多方面での大きな影響)③ 働き方・ライフスタイルの多様化、少子高齢化の進展④ 安全・品質、コンプライアンスに対する要求水準の高まり⑤ 政治・経済の先行き不透明さ、不確実性の増大や地政学リスク(原材料調達や輸出入、新設住宅着工件数等の個人消費の低迷) (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、2030ビジョン達成に向け、以下を重点課題として設定しております。①環境対応を重視 当社製品を使用するユーザーに対し、「低VOC、工程短縮、低温焼付塗料」・「高耐久性、省エネ型塗料」といった環境配慮型製品を提供して行く他、「蒸留事業拡大」・「廃棄物削減」により循環型社会の実現を図ってまいります。②技術革新の進展を見据えた研究開発・製品開発 祖業の塗料で培った「ポリマー合成技術」・「分散技術」・「コーティング技術」・「色彩技術」の4つの要素技術を組み合わせ、技術革新の進展を見据えた研究開発体制を構築してまいります。 また新たな材料・製法を活用し、機能性や意匠性、質感を追求した、独自性のある高付加価値製品を開発してまいります。③特徴ある機能・技術を市場にシンクロさせた事業拡大 塗料事業においては、環境配慮型製品の提供を拡大して行く他、印刷技術のデジタル化に対応したインクジェット商材により事業拡大を図ってまいります。またファインケミカル事業においては、当社の要素技術と応用技術を活かし、塗装レス技術への対応を進めるとともに、電子材料・モビリティ分野での事業拡大に注力してまいります。蒸留事業においては、地域ごとの効率の良い廃液回収と蒸留前処理の改善を図るとともに、より純度の高い蒸留技術にチャレンジし、高純度リサイクル溶剤に対する需要増に応えてまいります。④人的資本経営の実現 持続的成長を支える根幹は人的資本にあるとの認識の下、経営基盤としての人的資本の充実を図り、絶え間なくリノベーションとイノベーションを生み出せる組織を構築してまいります。 ⑤社会の一員としての責務の遂行 (安全第一) 会社の基盤を健全に維持し、持続的に発展して行くために、従業員の安全確保と健康の保持・促進を図ってまいります。 (品質保証) 絶えず現場力の向上を図り、お客様から信頼される品質の製品とサービスの提供を目指してまいります。 (コンプライアンス) 国内外の各拠点で現地の法令を遵守し、社会の一員として、倫理的に事業活動を行う方針を徹底してまいります。また「内部通報制度」や「代表取締役社長直轄の内部監査室」を設置し、企業内の不正・不祥事の早期発見・是正やリスク低減を図っております。⑥国内外の生産体制の強化・最適化 政治・経済の先行き不透明さ、不確実性の増大や地政学リスクの高まりを踏まえ、グループ全体の国内外の生産体制の強化・最適化を図ってまいります。 なお、国内の老朽化した設備については、今後の生産増や高品質化が求められる製品にもフレキシブルに対応可能な生産設備(自動化・省人化、DX活用)へのリニューアルの検討を開始しております。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、独創的な高付加価値製品を開発し、生産性の向上を推進するなかで収益率を重視した経営を目指し、2027年10月期までにEBITDA28億円、ROE6%前後(株主資本コストと同水準)を目標としております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針当社グループは「ユニークな発想で新しい価値を創造する」ことをミッションとし、絶えず独創的、革新的な研究と技術力の向上に努め、“あらゆる表面のリノベーション&イノベーションカンパニーへ”発展する事を2030ビジョンとして定めております。 (2)経営戦略等当社グループは2030ビジョン実現に向けた経営基本方針として、サステナビリティ基本方針と中期経営計画基本方針を策定しております。[サステナビリティ基本方針]① 環境対応重視の事業展開② 人的資本経営の実現③ 責任ある事業活動[中期経営計画基本方針]① 環境対応を重視した「機能・技術」と「市場」を掛け合わせた事業拡大② 「人的資本」を中核経営基盤と位置付け③ 社会の一員としての責務、社会と顧客からの信頼獲得 (3)経営環境当社グループは、経営をとりまく環境として、以下のように認識しています。① 環境意識の高まり(SDGs実現に向けたESGやカーボンニュートラルへの対応、世界的な環境規制の強化)② 技術革新の進展(塗装レス技術、高効率塗装技術、デジタル技術による多方面での大きな影響)③ 働き方・ライフスタイルの多様化、少子高齢化の進展④ 安全・品質、コンプライアンスに対する要求水準の高まり⑤ 政治・経済の先行き不透明さ、不確実性の増大や地政学リスク(原材料調達や輸出入、新設住宅着工件数等の個人消費の低迷) (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、2030ビジョン達成に向け、以下を重点課題として設定しております。①環境対応を重視 当社製品を使用するユーザーに対し、「低VOC、工程短縮、低温焼付塗料」・「高耐久性、省エネ型塗料」といった環境配慮型製品を提供して行く他、「蒸留事業拡大」・「廃棄物削減」により循環型社会の実現を図ってまいります。②技術革新の進展を見据えた研究開発・製品開発 祖業の塗料で培った「ポリマー合成技術」・「分散技術」・「コーティング技術」・「色彩技術」の4つの要素技術を組み合わせ、技術革新の進展を見据えた研究開発体制を構築してまいります。 また新たな材料・製法を活用し、機能性や意匠性、質感を追求した、独自性のある高付加価値製品を開発してまいります。③特徴ある機能・技術を市場にシンクロさせた事業拡大 塗料事業においては、環境配慮型製品の提供を拡大して行く他、印刷技術のデジタル化に対応したインクジェット商材により事業拡大を図ってまいります。またファインケミカル事業においては、当社の要素技術と応用技術を活かし、塗装レス技術への対応を進めるとともに、電子材料・モビリティ分野での事業拡大に注力してまいります。蒸留事業においては、地域ごとの効率の良い廃液回収と蒸留前処理の改善を図るとともに、より純度の高い蒸留技術にチャレンジし、高純度リサイクル溶剤に対する需要増に応えてまいります。④人的資本経営の実現 持続的成長を支える根幹は人的資本にあるとの認識の下、経営基盤としての人的資本の充実を図り、絶え間なくリノベーションとイノベーションを生み出せる組織を構築してまいります。 ⑤社会の一員としての責務の遂行 (安全第一) 会社の基盤を健全に維持し、持続的に発展して行くために、従業員の安全確保と健康の保持・促進を図ってまいります。 (品質保証) 絶えず現場力の向上を図り、お客様から信頼される品質の製品とサービスの提供を目指してまいります。 (コンプライアンス) 国内外の各拠点で現地の法令を遵守し、社会の一員として、倫理的に事業活動を行う方針を徹底してまいります。また「内部通報制度」や「代表取締役社長直轄の内部監査室」を設置し、企業内の不正・不祥事の早期発見・是正やリスク低減を図っております。⑥国内外の生産体制の強化・最適化 政治・経済の先行き不透明さ、不確実性の増大や地政学リスクの高まりを踏まえ、グループ全体の国内外の生産体制の強化・最適化を図ってまいります。 なお、国内の老朽化した設備については、今後の生産増や高品質化が求められる製品にもフレキシブルに対応可能な生産設備(自動化・省人化、DX活用)へのリニューアルの検討を開始しております。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、独創的な高付加価値製品を開発し、生産性の向上を推進するなかで収益率を重視した経営を目指し、2027年10月期までにEBITDA28億円、ROE6%前後(株主資本コストと同水準)を目標としております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度(2024年11月1日~2025年10月31日)における世界経済は、ウクライナや中東情勢の長期化、中国経済の減速、米国の通商政策等の動向を受け、依然として先行き不透明な状況が続いております。 わが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加により緩やかな回復が続きましたが、不安定な国際情勢、原材料及びエネルギー価格の高止まり、物価の上昇等、経済に与える影響が引き続き懸念され、依然として予断を許さない状況にあります。 このような状況のもと、当社グループは、当社のミッション「ユニークな発想で新しい価値を創造する」を起点に、サスティナビリティ方針と中期経営計画(2025~2027年度)を策定いたしました。このサスティナビリティ方針と中期経営計画は、「Ⅰ.環境対応方針」、「Ⅱ.人的資本経営」、「Ⅲ.責任ある事業活動」の3つの柱から構成されます。これらの方針に基づく施策を着実に実行するとともに、M&A等の戦略投資、成長投資(DX投資・R&D投資・人的資本投資)、更新投資などに対し経営資源を効率的に配分することで、中長期的な事業価値向上に努めてまいります。また、本年6月30日には、三丸化学株式会社の議決権66%の株式を取得し子会社化いたしました。 この結果、当連結会計年度の財政状態、経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態の状況当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,197百万円増加し、31,026百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ185百万円増加し、6,441百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,012百万円増加し、24,584百万円となりました。 b.経営成績の状況 当連結会計年度の売上高は22,275百万円(前年同期比7.3%増)、営業利益1,398百万円(前年同期比13.4%増)、経常利益1,509百万円(前年同期比9.6%増)、上記の子会社化による負ののれん発生益を101百万円計上したことにより親会社株主に帰属する当期純利益は1,137百万円(前年同期比19.0%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 塗料事業金属用塗料分野では、焼き付け塗料や遮熱塗料での新規案件の獲得や工作機械向けやボンベ向けの塗料の需要が増えたことで、売上高は前年同期に比べ増加いたしました。建材用塗料分野では、主力ユーザーの国内向けの需要増や2024年7月1日付でDICグループから内装建材用塗料の販売事業を譲り受けたことにより、売上高は前年同期に比べ増加いたしました。セグメント利益は、売上高の増加により前年同期に比べ増加いたしました。この結果、塗料事業における当連結会計年度の売上高は14,295百万円(前年同期比11.7%増)、セグメント利益は1,163百万円(前年同期比32.6%増)となりました。 ファインケミカル事業光学フィルム向けのコーティング剤は堅調であったものの、モビリティ(自動車関連)向けのコーティング剤の低迷により、売上高及びセグメント利益は前年同期に比べ減少いたしました。この結果、ファインケミカル事業における当連結会計年度の売上高は2,484百万円(前年同期比7.3%減)、セグメント利益は536百万円(前年同期比17.7%減)となりました。 蒸留事業車両関係の生産低迷による需要減はあるものの、既存顧客の需要増や新規顧客の獲得、2025年6月30日付で三丸化学株式会社がナトコグループに加わったことにより、売上高及びセグメント利益は前年同期に比べ増加いたしました。この結果、蒸留事業における当連結会計年度の売上高は5,494百万円(前年同期比4.2%増)、セグメント利益は489百万円(前年同期比30.6%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より1,259百万円増加し、当連結会計年度末には7,809百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期は1,592百万円の収入に対し、前年同期比254百万円収入が増加し、1,847百万円の収入となりました。これは主に、売上債権の減少額の増加、役員退職慰労引当金の増加額の増加によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期は789百万円の支出に対し、前年同期比577百万円支出が減少し、211百万円の支出となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入の増加によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期は413百万円の支出に対し、前年同期比15百万円支出が減少し、398百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払の減少によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年11月1日至 2025年10月31日)前年同期比(%)塗料事業(千円)14,206,22112.3 金属用塗料(千円)6,161,9735.5 建材用塗料(千円)7,630,32814.5 その他(千円)413,920186.3ファインケミカル事業(千円)2,412,937△9.3蒸留事業(千円)5,489,0224.2合計(千円)22,108,1817.5 (注)1.金額は販売価格で表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。2.上記の実績のうちには、外注生産によるものが各種類ごとに含まれております。 b.受注実績 当社グループは、主として見込生産によっており、受注高及び受注残高について特に記載すべき事項はありません。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年11月1日至 2025年10月31日)前年同期比(%)塗料事業(千円)14,295,41811.7 金属用塗料(千円)6,251,0415.6 建材用塗料(千円)7,633,68613.3 その他(千円)410,690184.0ファインケミカル事業(千円)2,484,809△7.3蒸留事業(千円)5,494,7734.2合計(千円)22,275,0017.3 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年11月1日至 2024年10月31日)当連結会計年度(自 2024年11月1日至 2025年10月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)ニチハ株式会社4,838,49623.35,358,00924.1 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析(資産) 当連結会計年度末における流動資産は21,112百万円となり、前連結会計年度末に比べ378百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が557百万円、電子記録債権が110百万円増加したものの、受取手形及び売掛金が125百万円、有価証券が600百万円、信託受益権が300百万円減少したことによるものであります。固定資産は9,914百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,575百万円増加いたしました。これは主に、土地が256百万円、長期預金が1,147百万円、投資有価証券が186百万円増加したことによるものであります。 この結果、総資産は31,026百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,197百万円増加いたしました。(負債) 当連結会計年度末における流動負債は5,771百万円となり、前連結会計年度末に比べ51百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が24百万円、未払金が31百万円、未払法人税等が30百万円、賞与引当金が38百万円増加したものの、その他流動負債が195百万円減少したことによるものであります。固定負債は670百万円となり、前連結会計年度末に比べ237百万円増加いたしました。これは主に、その他固定負債が191百万円増加したことによるものであります。 この結果、負債合計は6,441百万円となり、前連結会計年度末に比べ185百万円増加いたしました。(純資産) 当連結会計年度末における純資産の合計は24,584百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,012百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を1,137百万円計上した一方で、配当金の支払392百万円があったこと、その他有価証券評価差額金が65百万円、為替換算調整勘定が21百万円、非支配株主持分が167百万円増加したことによるものであります。 この結果、自己資本比率は78.7%(前連結会計年度末は79.0%)となりました。 b.経営成績の分析(売上高) 当連結会計年度における売上高は22,275百万円(前年同期比7.3%増)となりました。 この内訳といたしましては、塗料事業の売上高が14,295百万円(前年同期比11.7%増)、ファインケミカル事業の売上高が2,484百万円(前年同期比7.3%減)、蒸留事業の売上高が5,494百万円(前年同期比4.2%増)であります。 概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。(営業利益) 売上原価は17,305百万円(前年同期比6.8%増)となりました。これは主に売上高の増加に伴う原材料費の増加や生産設備に係る修繕費用の増加によるものであります。また、売上原価率は77.7%(前連結会計年度は78.1%)となりました。 販売費及び一般管理費は3,571百万円(前年同期比7.8%増)となりました。これは主に物流コストの上昇や三丸化学株式会社の株式取得のための費用計上や人件費の増加によるものであります。 この結果、当連結会計年度における営業利益は1,398百万円(前年同期比13.4%増)となりました。(経常利益) 営業外収益は125百万円(前年同期比15.6%減)となりました。主な内容としては、受取利息80百万円、受取配当金22百万円であります。 営業外費用は14百万円(前年同期比273.9%増)となりました。主な内容としては、為替差損7百万円であります。 この結果、当連結会計年度における経常利益は1,509百万円(前年同期比9.6%増)となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益) 特別利益は118百万円となりました。主な内容としては、負ののれん発生益101百万円であります。 特別損失は54百万円となりました。主な内容としては、固定資産処分損45百万円であります。 この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1,137百万円(前年同期比19.0%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容 キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。 2021年10月期2022年10月期2023年10月期2024年10月期2025年10月期自己資本比率(%)78.478.378.979.078.7時価ベースの自己資本比率(%)47.341.036.835.338.4キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.10.10.10.10.2インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)600,145596,953318,7226,3821,901自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式総数をベースに計算しております。(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。 ③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料の購入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要の主なものは、生産設備等の設備投資であります。 これらの運転資金や投資資金は、自己資金により充当することを基本方針としておりますが、必要に応じて資金調達を行ってまいります。 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は335百万円となっております。 また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は7,809百万円となっております。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 なお、当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するため客観的な指標等 当社グループは、独創的な高付加価値製品を開発し、生産性の向上を推進するなかで収益率を重視した経営を目指し、売上高営業利益率15%、海外売上高比率30%を目標としておりました。 当連結会計年度の売上高営業利益率は6.3%(前年同期5.9%)、海外売上高比率は15.5%(前年同期17.2%)となりました。 なお、2024年12月13日公表の中期経営計画(2025~2027年度)においては、2027年10月期までにEBITDA28億円、ROE6%前後(株主資本コストと同水準)を目標としております。 当連結会計年度におけるEBITDAは21億円、ROEは4.7%となりました。

事業リスク

  • 需要業界の変動
    ナトコグループの製品は、金属、機械、電機・電子、住宅、自動車など多岐にわたる産業の生産財として使われています。これらの主要な需要業界の景気が悪化し、製品の需要が低迷すると、ナトコグループの売上や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 新製品開発の遅れ
    市場や顧客のニーズは常に変化しており、技術革新も急速に進んでいます。もしナトコグループが最適なタイミングで新しい製品や技術を提供できなかった場合、競争力を失い、将来の成長や収益性が低下するリスクがあります。代替製品の登場も脅威となり得ます。
  • 原材料価格と為替変動
    製品の製造には石油化学原料が多く使われており、原油価格の変動や為替レートの変動が原材料の仕入れ価格に大きく影響します。原材料価格が上昇しても、製品の販売価格に十分に転嫁できない場合、利益が圧迫され、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,601 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 需要業界の動向について 当社グループの製品は、金属、機械、電機・電子、住宅、自動車を始め多分野の業界において生産財として使用されており、これらの業界の需要が低迷した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(2) 新製品開発について 当社グループは顧客や市場のニーズに対応した新製品・新技術の開発を行っておりますが、急激な技術の進歩、代替製品の出現等により最適な時期に最適な新製品の提供ができなかった場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(3) 製品・原材料価格について 当社グループの製品市場において需要の変化、競争の激化等の要因により、販売価格が下落した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの製品の生産に使用する原材料には石化原料が多く、原油価格や為替の動向が大きく影響を与えます。市況によって原材料価格が上昇した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(4) 法的規制等について 当社グループは国内外の事業拠点及び販売先でさまざまな法的規制の適用を受けております。また、地球環境や生物多様性、社会システムなどに影響を及ぼす要因に対し、社会的ルールも遵守すべきと考えています。これらの法的規制等を遵守できなかった場合及び予期しない法律又は規制等の変更が行われたとき、事業活動が制限される可能性があるとともに、法的規制等を遵守するための費用が、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(5) 海外事業について 当社グループは韓国、中国、フィリピン、タイ、ベトナムにおいて事業活動を行っており、人材の採用と確保の難しさ、その他経済的、社会的及び政治的混乱等のリスクが内在しております。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(6) 為替相場の変動について 当社グループは韓国に支店、中国、フィリピン、タイ、ベトナムに子会社を設置しており、外貨建ての売上、費用、資産、負債等の項目は、連結財務諸表作成のために邦貨換算しております。したがって換算時の為替相場の変動により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。(7) 製造物責任について 当社グループは、厳格な品質管理基準のもとに製品の製造を行っておりますが、製品に重大な欠陥が発生しないという絶対の保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、大規模な製造物責任賠償やリコールにつながるような製品の欠陥は、多額の費用や当社グループの製品の信頼性や社会的評価に重大な影響を与えることとなり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(8) 大規模災害等について 当社グループの製造拠点等の主要施設については、防災訓練及び定期的な災害防止活動や設備点検を行っておりますが、地震や水害などの災害による影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。また、耐震対策を進めておりますが、大規模地震が発生した場合には、甚大な損害を受け、生産活動の停止や製品供給の遅延、製造拠点の修復等により、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が ナトコ の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →