研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 0 |
| 2024-03 | - | 0 |
| 2023-03 | - | 0 |
| 2022-03 | - | 0 |
| 2021-03 | - | 0 |
研究開発活動(本文)
FY2025|1,563 文字
6 【研究開発活動】当社は、設立以来、新規作用メカニズムのがん免疫治療薬の研究開発を行っています。なお、当社は医薬品開発事業及びこれに付随する単一セグメントであり、当事業年度における研究開発費は888,064千円であります。 (1)iPS細胞由来再生NKT細胞療法(BP2201)当社は、これまでに本細胞療法の開発元である国立研究開発法人理化学研究所(以下「理研」)から、他家細胞療法使用を広範かつ排他的に保護する特許(日米欧で登録済み)の独占使用権を取得しております。2020年6月より千葉大学医学部附属病院で進められた頭頚部がんを対象とする医師主導治験が2024年1月に終了しました。2024年2月に学会で発表されたトップライン・データでは、主要評価項目である忍容性および安全性に問題ないこと、並びに初期的な臨床活性が確認されました。2025年4月に開催された米国癌学会(The American Association for Cancer Research、AACR 2025)年次総会では、当社が作製したHER2を目標抗原とするCAR-iPSNKTが、まわりの抗腫瘍性免疫細胞を活性化するアジュバント効果を示し、持続的な治療効果を達成できる可能性を示唆するデータを発表しました。 (2)CAR-iPSNKT細胞療法(BP2202)2023年5月に導入した遺伝子編集技術を利用し、高度な遺伝子組み換え型CAR-iPSNKTの最初の製品として、多発性骨髄腫を標的とするBCMA CAR-iPSNKTの研究開発を進めています。現在、米国における臨床試験の開始申請を目指し、マスターセルバンクの構築と治験薬製造の準備に着手しています。2024年12月にはCellistic社とプロセス開発・製造契約を締結し、当社で確立した高純度かつ高増殖の製造工程を同社へ移管し、GMP準拠の臨床規模での製造方法の開発を進めています。2025年5月に開催された米国遺伝子治療学会議(American Society of Gene + Cell Therapy、 ASGCT 2025)年次総会では、GMP準拠の製造条件のもと、高純度かつ高増殖のBP2202を分化・増殖工程を構築し、作製された細胞がin vitro及びin vivo双方で抗腫瘍効果を示したことを発表しました。 (3)HER2 CAR-T細胞療法(BP2301)2022年5月よりHER2陽性の再発・進行骨・軟部肉腫及び婦人科悪性腫瘍を対象とする非ウイルス遺伝子改変HER2 CAR-T細胞の臨床第Ⅰ相医師主導治験が、信州大学医学部附属病院において進められています。当初国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の研究助成を受けた本研究開発は、数年間を予定する臨床第Ⅰ相医師主導治験で臨床上の安全性及び薬効が示唆された後は、企業治験となる第Ⅱ相臨床試験へ進みます。 (4)抗体医薬 抗CD73抗体(BP1200)、抗CD39抗体(BP1202)、抗TIM-3抗体(BP1210)、抗CD39×抗TIM-3二重特異性抗体(BP1212)および抗CD39 T細胞エンゲージャー(BP1223)について、先行品と差別化されたリード抗体を有し、担がんマウスモデルでの有効性を確認し、非臨床コンセプト証明に至っています。今後はこれらの導出活動を進めてまいります。 (5)がんワクチン ・免疫チェックポイント抗体連結個別化ネオアンチゲン・ワクチン(BP1209)抗腫瘍免疫を指令する樹状細胞に効率よくワクチン抗原を送達することによって、ネオアンチゲン(腫瘍抗原)を目印にがん細胞を殺傷するT細胞をペプチド単体よりもはるかに多く誘導することを、担がんマウスモデルで証明しています。
FY2024|1,608 文字
6 【研究開発活動】当社は、設立以来、新規作用メカニズムのがん免疫治療薬の研究開発を行っています。なお、当社は医薬品開発事業及びこれに付随する単一セグメントであり、当事業年度における研究開発費は775,556千円であります。 (1)iPS細胞由来再生NKT細胞療法(BP2201)当社は、これまでに本細胞療法の開発元である国立研究開発法人理化学研究所(以下「理研」)から、他家細胞療法使用を広範かつ排他的に保護する特許(日米欧で登録済み)の独占使用権を取得しております。2020年6月より千葉大学医学部附属病院で進められた頭頚部がんを対象とする医師主導治験が2024年1月に終了しました。2024年2月に学会で発表されたトップライン・データでは、主要評価項目である忍容性および安全性に問題ないこと、並びに初期的な臨床活性が確認されました。 (2)CAR-iPSNKT細胞療法(BP2202)2023年5月に米国Artisan Bio社から遺伝子編集技術を導入する契約を締結し、固形がんを含む様々な適応症に対して高度な遺伝子組み換え型CAR-iPSNKTを利用した細胞療法プログラムを創出することが可能となり、現在そのプロトタイプ製品の研究開発を進めています。なお、当該遺伝子編集技術の知的財産権は、2024年4月にベルギーCellistic社に譲渡されておりますが、当社の当該遺伝子編集技術使用に対する影響はありません。2023年11月に開催された2023年度米国癌免疫療法学会(Society for Immunotherapy of Cancer、以下「SITC2023」)年次会議では、当社が試作したHER2を目標抗原とするCAR-iPSNKTが、非遺伝子改変iPS-NKTと比較してマウスモデルで抗腫瘍効果が高まることを示すデータを発表しました。 (3)HER2 CAR-T細胞療法(BP2301)2022年5月よりHER2陽性の再発・進行骨・軟部肉腫及び婦人科悪性腫瘍を対象とする非ウイルス遺伝子改変HER2 CAR-T細胞の臨床第Ⅰ相医師主導治験が、信州大学医学部附属病院において進められています。本研究開発は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の研究助成を受けています。数年間を予定する臨床第Ⅰ相医師主導治験で臨床上の安全性及び薬効が示唆された後は、企業治験となる第Ⅱ相臨床試験へ進みます。当社は2023年11月開催のSITC2023において、HER2を発現するがんに現在標準治療として用いられる薬剤に対して抵抗性を示したがん細胞を用いた動物実験で、BP2301が抗腫瘍効果を示したことを発表しました。 (4)抗体医薬 抗CD73抗体(BP1200)、抗CD39抗体(BP1202)、抗TIM-3抗体(BP1210)および抗CD39×抗TIM-3二重特異性抗体(BP1212)について、先行品と差別化されたリード抗体を有し、担がんマウスモデルでの有効性を確認し、非臨床コンセプト証明に至っています。今後はこれらの非臨床試験を進めてまいります。 (5)がんワクチン ・免疫チェックポイント抗体連結個別化ネオアンチゲン・ワクチン(BP1209)抗腫瘍免疫を指令する樹状細胞に効率よくワクチン抗原を送達することによって、ネオアンチゲン(腫瘍抗原)を目印にがん細胞を殺傷するT細胞をペプチド単体よりもはるかに多く誘導することを、担がんマウスモデルで証明しています。 ・がんペプチドワクチン(GRN-1201)2022年5月に米国で実施してきた非小細胞肺がんを対象とする免疫チェックポイント抗PD-1抗体併用第Ⅱ相臨床試験の早期中止を決定し、当初の治験対象と試験プロトコルを見直し、開発パートナーと新しく臨床試験を開始する道を模索していましたが、外部環境の変化により導出活動の継続を断念いたしました。
FY2023|2,094 文字
6 【研究開発活動】当社は、設立以来、新規作用メカニズムのがん免疫治療薬の研究開発を行っています。なお、当社は医薬品開発事業及びこれに付随する単一セグメントであり、当事業年度における研究開発費は1,168,473千円であります。 (1)iPS細胞由来再生NKT細胞療法(BP2201)当社は、本細胞療法の研究開発に、開発元の国立研究開発法人理化学研究所(以下「理研」)とともに取り組んでまいりましたが、2022年11月に導入オプション権を行使し、全世界で独占的に開発・製造・販売するライセンスを取得しました。 本ライセンスにより、1) iPS由来NKT細胞の他家細胞療法使用を広範かつ排他的に保護する「特許」(日米欧で登録済み)、2)現在進行中の治験によって臨床上の安全性と一定の有効性の示唆が期待される「マスターiPSセルバンク」、3)マスターiPSセルバンクからNKT細胞へ高純度で大量に分化誘導させる「製造法」の3つで構成されるプラットフォームを構築できました。このプラットフォームは、いろいろながん種のがん抗原に対するCAR遺伝子を導入した、新たな遺伝子改変iPS-NKT細胞医薬へ展開する土台となり、幅広いがん種と世界の幅広い地域への展開を可能にします。 2022年11月には、世界で初めてiPS-NKTプラットフォームで作製したプロトタイプのCAR-iPSNKTを2022年度米国癌免疫療法学会(Society for Immunotherapy of Cancer、以下「SITC2022」)年次会議で発表し、in vitroでの抗腫瘍効果を示しました。 2023年5月には、米国Artisan Bio社から遺伝子編集技術を導入する契約を締結し、固形がんを含む様々な適応症に対して高度な遺伝子組み換え型CAR-iPSNKTを利用した細胞療法プログラムを創出することが可能となりました。 また、2020年6月より国立大学法人千葉大学において頭頸部がんを対象とするiPS-NKTの臨床第Ⅰ相医師主導治験(以下「本治験」)が行われています。 (2)HER2 CAR-T細胞療法(BP2301)2022年5月6日付でHER2陽性の再発・進行骨・軟部肉腫及び婦人科悪性腫瘍を対象とする非ウイルス遺伝子改変HER2 CAR-T細胞の臨床第Ⅰ相医師主導治験が、信州大学医学部附属病院において開始されました。数年間を予定する臨床第Ⅰ相医師主導治験で臨床上の安全性及び薬効が示唆された後は、企業治験となる第Ⅱ相臨床試験へ進みます。 (3)抗体医薬 抗CD73抗体(BP1200)、抗CD39抗体(BP1202)、抗TIM-3抗体(BP1210)について、先行品と差別化されたリード抗体を有し、担がんマウスモデルでの有効性を確認し、非臨床コンセプト証明に至っています。今後はこれらの非臨床試験を進めるとともに、まだ非臨床コンセプト証明に至っていない抗体をその段階へ到達させます。 また、これらの1つの標的抗原に対する抗体を基に、免疫抑制性の腫瘍微小環境でより高い抗腫瘍免疫を発揮させることを目的として、2つの標的抗原に対する二重特異性を付与したバイスペシフィック抗体を作製し、付加価値を高めていく展開を想定しています。他社先行抗体とスペックにおいて差別化されたシングル標的抗体である抗CD39抗体(BP1202)、抗TIM-3抗体(BP1210)に、BP1210開発過程において樹立した二重特異性抗体化技術を掛け合わせることにより、抗CD39×抗TIM-3二重特異性抗体(BP1212)を創出しました。 (4)がんワクチン ・免疫チェックポイント抗体連結個別化ネオアンチゲン・ワクチン(BP1209)BP1209は、がん細胞由来の遺伝子変異に由来しヒトの免疫システムが高い反応性を示すネオアンチゲンを標的とするがん免疫を、患者1人ひとりに対応して誘導するのに最適化された、完全個別化ネオアンチゲン・ワクチン・プラットフォームです。ワクチンとなるネオアンチゲン・ペプチドを、T細胞へ標的情報を伝える樹状細胞へ送達するのに免疫チェックポイント抗体を用います。同抗体への結合が可能となるよう当社オリジナルのリンカー技術が組み込まれています。抗腫瘍免疫を指令する樹状細胞に効率よくワクチン抗原を送達することによって、ネオアンチゲンを目印にがん細胞を殺傷するT細胞をペプチド単体よりもはるかに多く誘導することを、担がんマウスモデルで証明しました。 ・がんペプチドワクチン(GRN-1201)GRN-1201は、欧米人に多いHLA*6-A2型の共通抗原ペプチド4種で構成される、米国や欧州を始めとするグローバル展開を想定したがんペプチドワクチンです。2022年5月に米国で実施してきたGRN-1201の非小細胞肺がんを対象とする免疫チェックポイント抗PD-1抗体併用第Ⅱ相臨床試験の早期中止を決定し、現在は当初の治験対象と試験プロトコルを見直し、開発パートナーと新しく臨床試験を開始する道を模索しています。
FY2022|1,569 文字
5 【研究開発活動】当社は、設立以来、新規作用メカニズムのがん免疫治療薬の研究開発を行っています。なお、当社は医薬品開発事業及びこれに付随する単一セグメントであり、当事業年度における研究開発費は1,135,847千円であります。 (1)iPS細胞由来再生NKT細胞療法(iPS-NKT)2020年6月より世界でも初となるiPS細胞由来再生NKT細胞療法の医師主導治験が、頭頚部がんを対象として千葉大学医学部附属病院で進められています。当社は2018年に、理化学研究所が進める本開発プロジェクトに参画し、共同研究を進めており、iPS-NKTの独占的開発製造販売ライセンスの導入オプション権を有しています。本治験は順調に進んでおり、当社は医師主導治験を支援するとともに、次相企業治験を見据えた製造工程改良を進めています。 (2)HER2 CAR-T細胞療法(BP2301)2022年5月6日付でHER2陽性の再発・進行骨・軟部肉腫及び婦人科悪性腫瘍を対象とする非ウイルス遺伝子改変HER2 CAR-T細胞の臨床第Ⅰ相医師主導治験が、信州大学医学部附属病院において開始されました。数年間を予定する臨床第Ⅰ相医師主導治験で臨床上の安全性及び薬効が示唆された後は、企業治験となる第Ⅱ相臨床試験へ進みます。 (3)抗体医薬 抗CD73抗体(BP1200)、抗CD39抗体(BP1202)、抗TIM-3抗体(BP1210)について、先行品と差別化されたリード抗体を有し、担がんマウスモデルでの有効性を確認し、非臨床コンセプト証明に至っています。今後はこれらの非臨床試験を進めるとともに、まだ非臨床コンセプト証明に至っていない抗体をその段階へ到達させます。 また、これらの1つの標的抗原に対する抗体を基に、免疫抑制性の腫瘍微小環境でより高い抗腫瘍免疫を発揮させることを目的として、2つの標的抗原に対する二重特異性を付与したバイスペシフィック抗体を作製し、付加価値を高めていく展開を想定しています。他社先行抗体とスペックにおいて差別化されたシングル標的抗体である抗CD39抗体(BP1202)、抗TIM-3抗体(BP1210)に、BP1210開発過程において樹立した二重特異性抗体化技術を掛け合わせることにより、抗CD39×抗TIM-3二重特異性抗体(BP1212)を創出しました。 (4)がんワクチン ・免疫チェックポイント抗体連結個別化ネオアンチゲン・ワクチン(BP1209)抗腫瘍免疫を指令する樹状細胞に効率良くワクチン抗原を送達することによって、腫瘍抗原を標的とする細胞性免疫をBP1101よりもはるかに強力に惹起させることを、担がんマウスモデルで証明しました。 ・がんペプチドワクチン(GRN-1201)2022年5月12日開催の取締役会で、米国で実施してきたGRN-1201の非小細胞肺がんを対象とする免疫チェックポイント抗PD-1抗体併用第Ⅱ相臨床試験(以下、「本試験」)を計画より早く切り上げることを決議しました。このまま当初の治験対象と試験プロトコルで継続するよりも、評価項目、適格要件を再検討して、仕切り直す方が適切と判断しました。 本試験の主要評価項目であるORR(Objective Response Rate: 奏効率)の妥当性や、より長期的な指標であるPFS(Progression Free Survival: 無増悪生存期間)やOS(Overall Survival: 全生存期間)といった本来がんワクチンが存在感を示すことができる臨床データも見えており、将来の承認申請に至るスピード、上市後の市場規模、その他の点でよりよい前提条件は何かを検討し、条件が整った上でGRN-1201のプロジェクトを継続することを考えています。
FY2021|3,090 文字
5 【研究開発活動】当社は、設立以来、新規作用メカニズムのがん免疫治療薬の研究開発を行っています。なお、当社は医薬品開発事業及びこれに付随する単一セグメントであり、当事業年度における研究開発費は1,408,443千円であります。 (1)GRN-1201:がんペプチドワクチンGRN-1201は、欧米人に多いHLA-A2型のペプチド4種で構成される、米国や欧州を始めとするグローバル展開を想定したがんペプチドワクチンです。より多くの抗腫瘍効果をもつT細胞(リンパ球の一種で、抗腫瘍活性や抗腫瘍免疫促進機能をもつ)を誘導できるよう複数抗原をワクチンとして投与するところに特徴があります。米国でメラノーマ(悪性黒色腫)を対象に第一相臨床試験を実施し、安全性と免疫誘導が示され、現在は同じく米国で、非小細胞肺がんの、免疫細胞にダメージを与える化学療法をいくつも経た患者でなく一次治療(ファースト・ライン)の患者を対象に、免疫チェックポイント阻害抗体ペンブロリズマブとの併用による第二相臨床試験を実施しています。これまでのがんワクチンの開発では、ワクチンで誘導された活性化T細胞が、免疫抑制がかかる腫瘍局所に浸潤したとき「疲弊」(無機能化)してしまうことが、技術課題として挙げられてきました。そこで、本第二相臨床試験では、ペンブロリズマブをワクチンと併用することで免疫抑制を一部解除し、T細胞が本来の抗腫瘍効果を発揮できるようになることを想定しています。一定の累積症例数に至ったところで、中間評価を行い、目標とする奏効率をクリアしていれば、さらに症例数を積み重ねていきます。米国における新型コロナウイルス感染状況を受けて、臨床試験は停止や中止をすることなく継続できていますが、症例登録には時間がかかっています。 (2)BP1101:ネオアンチゲン非臨床段階にあるBP1101は、がん特有の遺伝子変異由来の抗原(ネオアンチゲン)に対するがん免疫を誘導する完全個別化ネオアンチゲンワクチンです。がん遺伝子変異量(ネオアンチゲンの量)と免疫チェックポイント抗体療法の奏功が相関することから、同抗体によりネオアンチゲンをがんの目印として認識するT細胞の抗腫瘍効果が高まると考えられています。このネオアンチゲンは患者一人ひとりで全く異なるため、一人ひとりに個別のネオアンチゲンワクチンを製造し投与する完全個別化治療となり、一定の患者層に共通した薬剤を大量製造することを前提とする従来の医薬品とは異なる開発法が求められます。BP1209は、BP1101の次世代型で、投与されたネオアンチゲンワクチンが体内で効果的にT細胞を活性化できるように、樹状細胞とT細胞が会合するリンパ節へのネオアンチゲンワクチン送達能を高めた、樹状細胞マーカー抗体結合ワクチンです。現在探索研究を進めています。 (3)BP1401:TLR9アゴニスト同じく非臨床段階にあるBP1401は、免疫抑制が強くかかる腫瘍微小環境において抗腫瘍効果を持つT細胞が能動的に賦活化される環境を整えるために、樹状細胞の受容体TLR9を刺激するTLR9アゴニストです。がん細胞を攻撃するT細胞が腫瘍局所に存在しない“Cold Tumor”を、それらが多く存在する“Hot Tumor”へと転換することを図るものです。 (4)iPS-NKT:iPS細胞由来再生NKT細胞療法iPS-NKTは、iPS細胞から再分化誘導したNKT細胞を用い、固形がんを対象とする新規の他家細胞医薬です。NKT細胞は、がん細胞を直接殺傷するのみならず、他の免疫細胞を活性化するという多面的な抗腫瘍効果を持ちます。しかし、血中に僅かしか存在しないため、従来の培養法では、細胞療法として用いるには、機能を保った細胞を十分量確保できないという課題がありました。そこで、NKT細胞を一旦iPS細胞化することによってiPS細胞ならではの高い増殖能を付与し、そこからNKT細胞に再び分化誘導する技術の開発に成功し、これをがん免疫細胞療法に用いられるようになりました。iPS細胞技術は、現在の患者さん自身の血液から製造開始する自家中心の細胞療法の世界に、ドナー健常人の血液からマスターiPSセルバンクを作製し、このマスターセルバンクから均質な細胞を大量製造する他家細胞療法を可能にしました。2020年6月から頭頸部がんを対象として、世界でも初となるiPS細胞由来再生NKT細胞療法の医師主導治験が開始されました。固形がんを対象とするiPSC細胞由来のマスターセルバンク型の免疫細胞療法には大手製薬企業も参入し始めていますが、臨床試験に進むに当たって先行組の一つとなっております。当社は2018年に、理化学研究所が進める本開発プロジェクトに参画し、共同研究を進めており、iPS-NKTの独占的開発製造販売ライセンスの導入オプション権を有しています。当社は医師主導治験を後押しするとともに、医師主導治験に続く企業治験を見据えた製造工程改良を進めています。 (5)BP2301:HER2 CAR-TBP2301は、様々な固形がんで高発現しているHER2抗原を認識するキメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞(HER2 CAR-T細胞)療法です。血液がんで70-90%の奏効率に至ることもあり、優れた臨床効果を示し承認されたCAR-T療法を、より多くの患者がいる固形がんへと適応を拡げることを目指しています。固形がんへの展開には、がん免疫に抑制がかかる腫瘍微小環境においてCAR-T細胞が疲弊し十分に機能を発揮できないという課題があります。この課題を解決するために、当社は信州大学の中沢洋三教授及び京都府立医科大学の柳生茂希助教らと新規CAR-T細胞培養法を共同開発し、これを中沢教授の非ウイルス遺伝子導入法と組み合わせることにより、若いメモリーフェノタイプの、体内で長期生存可能で、したがって持続的な抗腫瘍効果発現が期待されるCAR-T細胞の製造に成功しました。最初の治験対象がん種として小児がんの一つである骨・軟部肉腫を対象とする臨床試験開始に向けて準備を進めています。 (6)抗体医薬BP1200(抗CD73抗体)、BP1210(抗TIM-3抗体)等がん免疫を成立させることを目指した抗体を複数開発しています。T細胞ががん細胞を殺傷する「がん免疫」の成立を妨げる様々な要因が腫瘍局所には存在しますが、その要因のトリガーとなる免疫調整因子の代表的なものがPD-1/PD-L1です。ニボルマブやペンブロリズマブといった抗PD-1抗体は、T細胞疲弊を促す免疫チェックポイントPD-1を抗体で阻害することによってがん免疫の成立が可能となることを、科学的に証明しました。抗PD-1抗体はがん治療の革新をもたらしましたが、それでも奏効率はがん種により10-40%であり、残りの抗PD-1抗体で効果が得られない60-90%の患者においても効果が得られる次世代免疫調整因子抗体となることを目指して開発を進めています。現在複数候補の探索研究を進めています。 (7)その他の開発プログラムこれらに加え、新しい世代のがん免疫を亢進する抗体医薬シーズを複数創製しており、川崎創薬研究所においてこれらの研究を進めています。また、国立研究開発法人国立がん研究センターとの間のネオアンチゲンワクチン設計に用いる抗原予測アルゴリズムを新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のウイルス抗原同定に活用する共同研究があります。
FY2020|3,391 文字
5 【研究開発活動】当社は、設立以来、新規作用メカニズムのがん免疫治療薬の研究開発を行っています。なお、当社は医薬品開発事業及びこれに付随する単一セグメントであり、当事業年度における研究開発費は1,484百万円であります。 (1)GRN-1201:がんペプチドワクチンGRN-1201は、欧米人に多いHLA-A2型のペプチド4種で構成される、米国や欧州を始めとするグローバル展開を想定したがんペプチドワクチンです。より多くの抗腫瘍効果をもつT細胞を誘導できるよう複数抗原をワクチンとして投与するところに特徴があります。米国でメラノーマ(悪性黒色腫)を対象に第一相臨床試験を実施し、安全性と免疫誘導が示され、現在は同じく米国で、非小細胞肺がんの、免疫細胞にダメージを与える化学療法をいくつも経た患者でなく一次治療(ファースト・ライン)の患者を対象に、日本発ワクチンとしては初となる、免疫チェックポイント阻害抗体ペンブロリズマブとの併用による第二相臨床試験を実施しています。これまでのがんワクチンの開発は、ワクチンで誘導された活性化T細胞が、免疫抑制がかかる腫瘍局所に浸潤したとき疲弊してしまう可能性が技術課題として挙げられてきました。そこで、本第二相臨床試験では、ペンブロリズマブをワクチンと併用することで免疫抑制を一部解除し、T細胞が本来の抗腫瘍効果を発揮できるようになることを想定しています。一定の累積症例数に至ったところで、中間評価を行い、目標とする奏効率をクリアしていれば、さらに症例数を積み重ねていきます。本試験は米国で進めており、治験施設は地域の中核病院として新型コロナウイルスの感染拡大防止への対応に追われているため、現在の臨床試験中のがん治療薬候補の大部分と同様に、追加の患者登録が一時的に滞っている状況にあります。この状況が想定より長引けば全体の治験計画に影響を及ぼす可能性があります。 (2)BP1101:ネオアンチゲンBP1101は、がん特有の遺伝子変異由来の抗原(ネオアンチゲン)に対するがん免疫を誘導する完全個別化ネオアンチゲンワクチンです。がん遺伝子変異量(ネオアンチゲンの量)と免疫チェックポイント抗体療法の奏功が相関することから、同抗体によりネオアンチゲンをがんの目印として認識するT細胞の抗腫瘍効果が高まると考えられています。このネオアンチゲンは患者一人ひとりで全く異なるため、一人ひとりに個別のネオアンチゲンワクチンを製造し投与する完全個別化治療となり、一定の患者層に共通した薬剤を大量製造することを前提とする従来の医薬品とは異なる開発法が求められます。現在非臨床試験を進めています。 (3)BP1401:TLR9アゴニストBP1401は、免疫抑制が強くかかる腫瘍微小環境において抗腫瘍効果を持つT細胞が能動的に賦活化される環境を整えるために、樹状細胞の受容体TLR9を刺激するTLR9アゴニストです。BP1401による刺激はサイトカインシグナルを介して、T細胞が腫瘍局所に浸潤していない“Cold Tumor”を、それらが多く存在する“Hot Tumor”へと転換することを図るものです。BP1401は、このTLR9アゴニストの有効成分である核酸を脂質に織り込む脂質製剤とすることで安定性を高め、標的とするTLR9発現樹状細胞へのデリバリーを高めています。現在非臨床試験を進めています。 (4)iPS-NKT:iPS細胞由来再生NKT細胞療法iPS-NKTは、iPS細胞から再分化誘導したNKT細胞を用い、固形がんを対象とする新規の他家細胞医薬です。NKT細胞は、多面的な抗腫瘍効果を持ちながら、血中に僅かしか存在しないため、従来の培養法では細胞療法として機能を保った細胞を十分量確保できないという課題がありました。そこで、NKT細胞を一旦iPS細胞化することによって、培養での高い増殖能を付与し、そこからNKT細胞に再び分化誘導するという技術開発に成功し、これをがん免疫細胞療法に用いることができるようになりました。iPS細胞技術は、現在の自家中心の細胞療法に、均質な細胞の大量製造を可能にするマスターセルバンク型の他家細胞療法を可能にし、当年度は数々の大手製薬企業の参入が表明されましたが、臨床試験に進むに当たってこれらに先行しております。当社は2018年に、理化学研究所が進める本開発プロジェクトに参画し、共同研究を進めており、iPS-NKTの独占的開発製造販売ライセンスの導入オプション権を有しています。世界でも初となるiPS細胞由来再生NKT細胞療法の臨床応用実現に向け、医師主導治験を後押しするとともに、医師主導治験に続く企業治験を見据えた製造工程改良を進めてまいります。 (5)BP2301:HER2 CAR-TBP2301は、様々な固形がんで高発現しているHER2抗原を認識するキメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞(HER2 CAR-T細胞)療法です。血液がんで70-90%の奏効率に至ることもあり、優れた臨床効果を示し承認されたCAR-T療法を、より多くの患者がいる固形がんへと適応を拡げることを目指しています。固形がんへの展開には、がん免疫に抑制がかかる腫瘍微小環境においてCAR-T細胞が疲弊し十分に機能を発揮できないという課題があります。この課題を解決するために、当社は信州大学の中沢洋三教授及び京都府立医科大学の柳生茂希助教らと新規CAR-T細胞培養法を共同開発し、これを中沢教授の非ウイルス遺伝子導入法と組み合わせることにより、若いメモリーフェノタイプの、体内で長期生存可能で、したがって持続的な抗腫瘍効果発現が期待されるCAR-T細胞の製造に成功しました。現在、非臨床試験を実施中です。 (6)BP1200:抗CD73抗体BP1200は、腫瘍内でのアデノシン産生に介入するCD73を標的とする新規免疫調整因子抗体です。腫瘍内で産生されるアデノシンは、T細胞の疲弊と抑制を引き起こし、抗腫瘍免疫活性を低下させます。CD73は多くのがんで高発現し、予後不良を引き起こすことが報告されています。BP1200はCD73のアデノシン産生酵素の機能を阻害します。T細胞ががん細胞を殺傷するがん免疫の成立を妨げる様々な要因が腫瘍局所には存在しますが、その要因のトリガーとなる免疫調整因子の代表的なものがPD-1/PD-L1です。ニボルマブやペンブロリズマブといった抗PD-1抗体は、T細胞疲弊を促す免疫チェックポイントPD-1を抗体で阻害することによってがん免疫の成立が可能となることを、科学的に証明しました。抗PD-1抗体はがん治療の革新をもたらしましたが、それでも奏効率はがん種により10-40%であり、残りの抗PD-1抗体で効果が得られない60-90%の患者の「がん免疫」を、PD-1以外の抑制系免疫調整因子の一つであるCD73を阻害することによって成立させようとするのがBP1200です。今後リード最適化とさらなる機能評価ならびにより機能の高い新規クローンの取得を進める予定です。 (7)BP1210:抗TIM-3抗体BP1210は、世界各国の多様ながん種、ステージで医薬品承認が進む免疫チェックポイントPD-1/PD-L1阻害抗体に続く、免疫チェックポイントTIM-3を阻害する新規抗体です。TIM-3はPD-1分子の局在や機能と同様に、T細胞に発現し、腫瘍局所においてT細胞の疲弊を促します。BP1210は、T細胞に発現するTIM-3を阻害することにより、TIM-3がもたらす細胞疲弊を回避し、抗腫瘍免疫活性を亢進します。抗PD-1抗体で、抑制系免疫チェックポイントの阻害で「がん免疫」が成立することが科学的に証明されたように、同じ抑制系免疫チェックポイントTIM-3を阻害することにより、抗PD-1抗体だけでは不十分だった「がん免疫」を成立させることを目指します。今後リード最適化とさらなる機能評価ならびにより機能の高い新規クローンの取得を進める予定です。 (8)その他の開発プログラムこれらに加え、新しい世代のがん免疫を亢進する抗体医薬シーズを複数創製しており、川崎創薬研究所においてこれらの研究を加速してまいります。
FY2019|1,540 文字
5 【研究開発活動】当社は、設立以来、新規作用メカニズムのがん免疫治療薬の研究開発を行っています。現在のパイプラインは、以下の通りです。 (1) GRN-1201:がんペプチドワクチンGRN-1201は欧米人に多いHLA(ヒト組織適合抗原)型であるHLA-A2拘束性のペプチド4種で構成されるペプチドワクチンであり、現在、米国にてメラノーマ(悪性黒色腫)を対象とした第一相臨床試験及び非小細胞肺がんを対象とした、免疫チェックポイント阻害抗体併用の第二相臨床試験を行っております。 がん治療を大きく進展させた免疫チェックポイント阻害抗体は、これまでに様々ながん種において顕著な臨床効果を示して来ましたが、単剤では2-4割の人しか効果を得られておらず、残りの6-8割の効果が得られない人のために、様々な併用療法の臨床試験が進められています。GRN-1201も、がん免疫療法が奏功する人を増やすための複合的がん免疫療法の創製を目指しています。 米国でも、非小細胞肺がん一次治療において多数の臨床試験が進められており、その中で必要な数の被験者の登録を完了し、免疫チェックポイント阻害抗体単剤ヒストリカル・コントロールを上回る併用療法の有効性を示唆する臨床試験データを取得し、より大きな規模の後期臨床試験を遂行する製薬企業へのライセンスアウトに備える必要があります。 (2)iPS-NKT:iPS細胞由来再生NKT細胞療法iPS-NKTは、iPS細胞技術をがん免疫療法に応用し、世界で承認が進む血液がん対象自家CAR-Tの次に来る固形がん対象の他家細胞医薬品の創製を図るものです。がん細胞を直接殺傷する能力と他の免疫細胞を活性化させるアジュバント作用を持つものの体内には微量にしか存在しないNKT細胞を多数のがん患者で使えるようにするため、健常人から採取したNKT細胞をiPS細胞化し、iPS細胞の高い増殖性を活かして必要なときに増殖、NKT細胞へ再分化誘導して用いる新規細胞療法になります。 当社は、理化学研究所が日本医療研究開発機構(AMED)の再生医療実現 拠点ネットワークプログラムの下で本細胞医薬の技術開発と臨床応用を進めるプロジェクトに、2018年3月に理化学研究所から独占的開発製造販売ライセンスのオプション権を取得することによって参画しました。 本プロジェクトは2019年度中を目処に医師主導治験が開始される予定で、順当に進めばその後企業治験を経て再生医療新法下での条件付承認申請を目指します。本医師主導治験で本細胞医薬の安全性と有効性を示唆するデータが得られること、また企業治験及び承認後の細胞供給を踏まえて現在の細胞製造工程の移管と最適化を進めることが当面の開発マイルストンとなります。 (3) その他の開発プログラム近年がんゲノム医療として注目を集める、遺伝子レベルで個人差に対応する完全個別化ネオアンチゲンワクチン療法を開発するべく、国立がん研究センター、東京大学及び神奈川県立がんセンター並びに三重大学との共同研究を引き続き継続してまいります。2018年12月には、東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター長である宮野 悟教授や、ゲノム解析における統計数理モデリングを専門とする井元 清哉教授を中心とした研究グループとネオアンチゲン予測アルゴリズムの高精度化を目的とした共同研究を開始しております。 これらに加え、新しい世代のがん免疫を亢進する抗体医薬シーズを複数創製しており、川崎創薬研究所においてこれらの研究を加速してまいります。 なお、当社は医薬品開発事業及びこれに付随する単一セグメントであり、当事業年度における研究開発費は1,387百万円であります。
FY2018|1,082 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、設立以来、新規作用メカニズムのがん免疫治療薬の研究開発を行っています。現在のパイプラインは、以下の通りです。 (1) [ITK-1去勢抵抗性前立腺がんを適応症とする薬剤選択型がんペプチドワクチン]平成30年5月に第Ⅲ相臨床試験の開鍵(キーオープン)を行った結果、主要評価項目を達成することができませんでした。今後の方針については、導出先である富士フイルム株式会社が検討してまいります。 (2) [GRN-1201 グローバル展開を想定した欧米人向けがんペプチドワクチン]グローバル展開を想定したパイプラインであり、現在米国においてメラノーマ(悪性黒色腫)を対象とする第Ⅰ相臨床試験(平成27年10月開始)及び非小細胞肺がんを対象とする免疫チェックポイント阻害剤との併用による第Ⅱ相臨床試験(平成29年1月開始)を行っております。欧米人に多いHLA-A2型に対応した複数種類のがん抗原タンパク由来のペプチドから構成されるがんペプチドワクチンを開発しております。 (3) [GRN-1301 ネオアンチゲン(遺伝子変異抗原)ペプチドワクチン]平成28年12月に、非小細胞肺がんを適応症とするネオアンチゲンペプチドワクチンを開発するべく、地方独立行政法人 神奈川県立病院機構が有する特許「上皮成長因子受容体(EGFR)のT790M点突然変異に由来する抗原ペプチド」の譲渡を受け、開発を開始いたしました。 (4) [iPS-T iPS細胞再生T細胞療法]平成28年12月に、株式会社アドバンスト・イミュノセラピーを子会社化し、中内啓光東京大学医科学研究所教授兼スタンフォード大学教授等が創製した同社の技術を承継して、iPS細胞由来再生T細胞療法に関する研究開発を開始いたしました。適応症は、ウイルス性血液がんの一種であるEBウイルス性リンパ腫としております。 (5) [iPS-NKT iPS細胞再生NKT細胞療法]平成30年3月に、国立研究開発法人理化学研究所統合生命医科学研究センターが進める本細胞医薬の技術開発と臨床応用に向けたプロジェクトに参画しました。頭頸部がんを対象とする医師主導治験が平成31年度中をめどに開始される計画です。理化学研究所からiPS-NKT細胞療法の独占的開発製造販売ライセンスのオプション権を取得し、世界でも初となるiPS-NKT細胞療法の臨床応用実現を目指します。 なお、当社グループは医薬品開発事業及びこれに付随する単一セグメントであり、当連結会計年度における研究開発費は1,253百万円であります。
FY2017|1,081 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、設立以来、新規作用メカニズムのがん免疫治療薬の研究開発を行っています。現在のパイプラインは、以下の通りです。 (1) [ITK-1去勢抵抗性前立腺がんを適応症とする薬剤選択型がんペプチドワクチン]平成23年11月に富士フイルム株式会社と商業化許諾契約を締結し、ライセンス・アウトいたしました。これにより、富士フイルム株式会社主導により第Ⅲ相臨床試験が開始、実施され、当社は富士フイルム株式会社から治験実施を委託され、同臨床試験を進めております。平成28年4月に症例登録が完了し、現在観察期間となっております。日本人に多いHLA-A24型に対応した腫瘍抗原由来のペプチド群から、個々の患者ごとに免疫応答の誘導を見込むことのできるペプチドを、バイオマーカーを用いて選択して投与する「テーラーメイド型」ペプチドワクチンです。 (2) [GRN-1201 グローバル展開を想定した欧米人向けがんペプチドワクチン]ITK-1に続くパイプラインとして、グローバル展開を想定したパイプラインであり、現在米国においてメラノーマ(悪性黒色腫)を対象とする第Ⅰ相臨床試験(平成27年10月開始)及び非小細胞肺がんを対象とする免疫チェックポイント阻害剤との併用による第Ⅱ相臨床試験(平成29年1月開始)を行っております。欧米人に多いHLA-A2型に対応した複数種類のがん抗原タンパク由来のペプチドから構成されるがんペプチドワクチンを開発しております。 (3) [GRN-1301 ネオアンチゲン(遺伝子変異抗原)ペプチドワクチン]平成28年12月に、非小細胞肺がんを適応症とするネオアンチゲンペプチドワクチンを開発するべく、地方独立行政法人 神奈川県立病院機構が有する特許「上皮成長因子受容体(EGFR)のT790M点突然変異に由来する抗原ペプチド」の譲渡を受け、開発を開始いたしました。 (4) [T-iPS iPS細胞再生T細胞療法]平成28年12月に、株式会社アドバンスト・イミュノセラピーを子会社化し、中内啓光東京大学医科学研究所教授兼スタンフォード大学教授等が創製した同社の技術を承継して、iPS細胞由来再生T細胞療法に関する研究開発を開始いたしました。適応症として、当初はコンセプトを示しやすいウイルス性血液がんの一種であるEBウイルス性リンパ腫から始め、将来的には固形がんへの展開を見込んでおります。 なお、当社グループは医薬品開発事業及びこれに付随する単一セグメントであり、当連結会計年度における研究開発費は816百万円であります。
FY2016|1,386 文字
6 【研究開発活動】当社は、設立以来、新規作用メカニズムのがん免疫治療薬の研究開発を行っています。 現在のパイプラインは、臨床開発段階にあるHLA-A24拘束性ペプチドで構成されるがんペプチドワクチンITK-1と、米国で第Ⅰ相臨床試験を実施中のHLA-A2拘束性ペプチドで構成されるグローバル向けがんペプチドワクチンGRN-1201の2本があります。 ITK-1は第Ⅲ相臨床試験中、GRN-1201は、米国FDA(米国食品医薬品局)に平成27年10月に治験申請(IND)を行い、メラノーマ(悪性黒色腫)を対象とする米国での第Ⅰ相臨床試験を開始しております。 (1)[ITK-1去勢抵抗性前立腺がんを適応症とする薬剤選択型がんペプチドワクチン]平成23年11月に富士フイルム株式会社と商業化許諾契約を締結し、ライセンス・アウトいたしました。これにより、富士フイルム株式会社主導により第Ⅲ相臨床試験が開始、実施され、当社は富士フイルム株式会社から治験実施を委託され、同臨床試験を進めております。日本人に多いHLA-A24型に対応した腫瘍抗原由来のペプチド群から、個々の患者ごとに免疫応答の誘導を見込むことのできるペプチドを、バイオマーカーを用いて選択して投与する「テーラーメイド型」ペプチドワクチンです。 (2)[GRN-1201 グローバル展開を想定した欧米人向けがんペプチドワクチン]ITK-1に続くパイプラインとして、グローバル展開を想定したパイプラインであり、現在米国において第Ⅰ相臨床試験を行っております。欧米人に多いHLA-A2型に対応した複数種類のがん抗原タンパク由来のペプチドから構成されるがんペプチドワクチンを開発しております。第1適応はメラノーマで、まずは単剤で第Ⅰ相臨床試験を行いますが、他のがん免疫治療薬、特に免疫チェックポイント阻害剤との併用療法や、他のがん種への適応拡大を順次進めていきます。なお、当社は医薬品開発事業及びこれに付随する単一セグメントであります。 当事業年度における研究開発費は848,993千円であります。ITK-1においては、第Ⅲ相臨床試験を第11期事業年度より開始しており、平成27年6月に行われた中間解析において、最終解析における主要評価項目達成の見込みが一定以上あることが示され、第三者機関である効果安全性評価委員会より治験計画書の変更なく治験を継続するよう勧告を受け、治験継続となりました。前事業年度から引き続き、症例の獲得活動を行い、平成28年4月に一定数の被験者数を確保して、症例登録活動を終了しました。当社はライセンス先の富士フイルム株式会社から本試験の実施に関する委託を受けており、同社へデータ・資料・情報提供を行っております。GRN-1201においては、平成26年の資金調達により、米国における開発体制を整備し、第13期中の米国食品医療品局(FDA:Food and Drug Administration)に対する治験申請(IND)に向けて、非臨床試験および治験薬製造を実施しました。そして、平成27年10月にFDAへ治験申請(IND)を行い、同年11月に審査が完了したことにより、米国で第Ⅰ相臨床試験を開始いたしました。第1適応としてメラノーマ(悪性黒色腫)患者を対象とする臨床試験の準備を進めております。