事業の内容
ラクオリア創薬グループは、医薬品の研究開発を行う創薬ベンチャー企業です。主に、新しい薬の候補(開発化合物)を自社で作り、その特許権を製薬会社に提供(ライセンスアウト)することで収益を得ています。収益源は、契約時の一時金、開発の進捗に応じたマイルストン収入、薬が販売された後のロイヤルティ収入、共同研究の協力金などです。探索研究から初期臨床試験までの段階を主な事業領域とし、多額の費用がかかる後期臨床試験の手前で製薬会社に導出するビジネスモデルです。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
年度を切り替えて推移を確認できます。
FY2025|6,704 文字|出典 docID: S100XSQX
3【事業の内容】当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 (1)事業の概要当社グループは、当社(ラクオリア創薬株式会社)及び連結子会社2社(テムリック株式会社及びファイメクス株式会社)により構成されております。なお、2026年1月1日付で、当社を存続会社、テムリック株式会社を消滅会社とする吸収合併を行っております。当社グループは、先端科学技術を活用し、医療分野においてニーズの高い疾患領域に対する新たな医薬品を生み出すことを目指す研究開発型の創薬ベンチャー企業であり、独自に創出した開発化合物(*)の知的財産権を製薬企業各社等に対して導出(使用許諾契約によりライセンスアウト)することにより収益を獲得することを事業展開の基本としております。 ① 当社グループの事業の背景世界的な規模で進行する人口の高齢化や新興国の発展により世界の医薬品市場は拡大しています。遺伝子治療、細胞医薬、デジタルヘルスケア等、新たな技術が医薬品の開発や治療法に革新をもたらし、これらの技術がさらなる成長をもたらす可能性があります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により製薬業界も大きな変化を経験しましたが、mRNAワクチンの開発・製造・販売等、業界の成長に寄与する変化も生まれました。一方、日本国内では、常態化した毎年の薬価改定による薬剤費の削減や医療保険の適用基準の厳格化等の影響により、医薬品販売高の成長率は鈍化しております。また、近年、新薬開発の成功確率の低下と必要なコストの増加により、製薬企業各社の研究開発費は増加の一途をたどっています。このような状況の中、製薬企業各社は、医薬品として成功する可能性の高い高品質な開発化合物(*)を外部からも積極的に導入し、パイプラインを充実させております。米国では新薬の約6割の起源がバイオベンチャー由来とされており、医療ニーズに応える新薬候補の供給源としてのバイオベンチャーに対する期待はますます高まっております。当社グループは研究開発型の創薬ベンチャー企業として、このような製薬企業各社の期待に応えるべく、自社の研究開発に留まらず、アカデミアやスタートアップ、ベンチャー企業等との協力関係を深め、次世代型創薬バリューチェーンの構築を通じて、医薬品の研究開発事業を展開しております。 ② 医薬品研究開発の一般的進行(*)及び当社グループの事業領域一般的に新薬の開発は、探索研究、前臨床試験、臨床試験、厚生労働省(あるいは米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)等の各国の医薬品許認可審査機関)への製造販売承認申請、医薬品としての承認取得、薬価基準収載(*)を経て行われます。その後、初めて新薬として販売が開始され、病院・医師・患者へ提供することが可能となります。(注)医薬品の研究開発における標準的な各段階の所要年数は、あくまでも標準的な想定期間を表示したものであり、各プロジェクトがこの想定期間どおりに進捗するとは限りません。各プロジェクトが経過した、あるいは現在進行中の各段階の幅についても、実際の所要期間あるいは想定所要期間を示すものではありません。 当社グループは、医薬品の研究開発段階のうち、探索研究段階、前臨床試験段階及び初期臨床試験段階を主たる事業分野としております。第Ⅲ相臨床試験などの後期臨床試験段階においては多額の研究開発費が必要となるため、当社グループにおける研究開発に係る費用及びリスク負担を低減する目的から、有効性及び安全性が概ね評価可能となる段階(前期第Ⅱ相臨床試験)までを当社グループにて行い、その後製薬企業各社等へ開発化合物(*)を導出することを基本としております。 ③ 低分子化合物から新規モダリティ(*)への展開を目指す研究開発活動当社グループは、従来、低分子化合物に係る研究開発を行ってまいりました。近年、医薬品業界においては、抗体医薬やワクチン等のいわゆるバイオ医薬の研究開発が盛んに行われておりますが、低分子化合物は依然として医薬品開発の大きな柱であります。当社グループにおきましては、これまで蓄積してきた低分子化合物に係る高い技術力を軸に据えつつ、業界の動向や当社グループが保有する技術との親和性等を総合的に考慮して低分子化合物以外の新たなモダリティ(*)への展開にも取り組んでおります。 ④ 研究開発活動(A)研究開発の概要当社グループの研究開発部門が行っている研究開発の概要とその流れは、以下のとおりであります。当社グループでは、創薬標的分子(*)の探索から初期臨床試験(主として第Ⅰ相臨床試験、必要に応じて前期第Ⅱ相臨床試験)まで、博士・修士号を有した研究者を中心にこの業務を推進しております。 (B)当社グループの研究開発体制当社グループは、豊富な知識と経験を有する研究員を有し、国内バイオベンチャートップクラスのインフラを最大限に活かした創薬研究開発体制を構築しております。 a)プロジェクトを中心とした研究開発体制当社グループの研究開発体制は、組織横断的なプロジェクトを単位として運営されており、迅速な意思決定及び業務の遂行を可能にしております。実際の業務は、プロジェクト単位で協議し決定され、特に重要な方針に関わる場合は、プロジェクトから経営戦略委員会へ提案が行われ、その決定は速やかにプロジェクト活動に反映されます。 b)研究・開発・事業開発活動の一体化当社グループにおいては、探索研究から開発そして導出に至るまで、プロジェクトチームが一貫して主体性を持ち、組織横断的に業務を実施しております。これにより、一貫した研究・開発、導出計画の下、必要な情報を随時共有し、適切な情報をタイムリーに導出先企業に提供することを可能としております。 (C)研究開発ポートフォリオ(*)による展開当社グループの研究開発は、創薬の初期段階を担うものであり、少数の限られたプロジェクトを選択して経営資源を集中することにより、研究開発ポートフォリオ(*)を拡充し、製薬企業各社等へ開発化合物(*)を導出していくことに重点を置いたものであります。医薬品開発は、研究開発のいずれの段階においても、安全性、有効性及び薬物動態(*)並びにその他の開発上の問題から中止される可能性があります。当社グループにおいては、探索段階から海外市場において上市済みのものまで、各段階のプロジェクトを保有しており、さらに、自社の探索研究から新たな開発化合物(*)を継続して創出する能力を備えていることから、複数のプロジェクトからなる研究開発ポートフォリオ(*)を拡充するとともに、開発リスクを低減し、より安定した事業の遂行を図りたいと考えております。 ⑤ 導出活動当社グループの導出活動は、内外の各製薬企業各社における医薬品として成功する可能性の高い高品質な化合物に対するニーズに対応するため、初期探索段階から臨床開発段階までの各段階において保有する研究開発ポートフォリオ(*)のすべてを対象とし、機動的かつ柔軟に営業活動を進めております。また、研究開発ポートフォリオ(*)は、各プロジェクトの特性と導出先である製薬企業各社等のニーズに応じて、日本・東アジア・米国・欧州等の地域ごと、あるいは剤形(経口剤、注射剤、局所用剤)ごと、さらには動物用医薬品用途での導出等、様々な形態で導出を図っております。 ⑥ 当社グループの収益当社グループの収益は、探索研究、前臨床試験及び初期臨床試験の成果として創出した開発化合物(*)を製薬企業各社等に導出することにより獲得するものであり、その概要は以下のとおりであります。収 益内 容契約一時金収入導出または共同研究に係る契約締結時に、当社グループが提供するそれまでの研究開発成果の対価等として受け取る収入マイルストン収入契約相手先の研究開発の進捗(契約書に規定された研究開発段階の達成)または売上の進捗(契約書に規定された売上高の達成)に応じて受け取る収入ロイヤルティ収入医薬品の上市後に販売額の一定割合(契約書に規定された料率に基づく)を受け取る収入研究協力金収入共同研究の期間中に提供する役務等の対価等として受け取る収入 ⑦ 事業系統図当社グループの事業の系統図は、以下のとおりであります。 (2)当社グループの研究開発対象領域及び研究開発ポートフォリオ(*)① 当社グループの研究開発対象領域当社グループは、当社の前身であるファイザー株式会社中央研究所から引き続き消化器疾患領域及び疼痛疾患領域を中心に研究開発活動を行ってまいりましたが、2014年より国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学(以下「名古屋大学」)に研究拠点を移した後は、幅広い疾患領域における魅力ある創薬テーマの研究開発に取り組んでおります。テムリック株式会社及びファイメクス株式会社の買収等も通じて、疾患領域の拡大に取り組み、現在はがんと神経疾患を含む医療ニーズの高い疾患に対する創薬研究開発を進めております。 ② 当社グループのポートフォリオ(*)及び研究開発の状況一般的に医薬品の研究開発は長期に渡って多額の資金を必要とされております。当社グループは、当社グループ保有の開発化合物(*)の研究開発投資において、パートナーシップに基づくオープンイノベーション型の研究開発を積極的に展開するとともに適切な選択と集中を行うことで、資源の有効活用を図っております。具体的には、当社グループが強みを持つ探索段階から第Ⅰ相臨床試験を中心に自社単独で開発化合物(*)の研究開発に注力して導出に向けて推進するプログラムを「導出準備プログラム」、当社グループからの導出後に導出先が中心となって開発を進めるプログラムを「導出済みプログラム」と定義しております。また、探索研究段階においては、当社グループと提携先企業の双方が強みを持ち寄りイノベーティブな開発化合物(*)の創出を目指す共同研究プログラムを「共同研究プログラム」と定義しております。当連結会計年度末現在の主な「導出準備プログラム」及び「導出済みプログラム」、「共同研究プログラム」の状況は、以下のとおりであります。 (A)導出準備プログラム当連結会計年度末現在の「導出準備プログラム」は、以下のとおりであります。当社グループは、これらのプロジェクトに関して一部導出済みの契約を除き、全世界を対象とする開発、販売及び製造に関する権利を有しております。プログラム化合物コード(注)1導出対象地域主な想定適応症研究開発段階5-HT4作動薬RQ-00000010全世界胃不全麻痺機能性胃腸症(*)慢性便秘第Ⅰ相臨床試験終了(英国)5-HT2B拮抗薬RQ-00310941全世界下痢型過敏性腸症候群(*)第Ⅰ相臨床試験終了(英国)モチリン受容体作動薬RQ-00201894全世界胃不全麻痺機能性胃腸症(*)術後イレウス前臨床試験終了グレリン受容体作動薬RQ-00433412全世界便秘がんに伴う食欲不振悪液質症候群前臨床試験終了TRPM8遮断薬RQ-00434739日本疼痛(注)2選択的ナトリウムチャネル遮断薬非開示全世界疼痛・掻痒―タミバロテンtamibaroteneTM-411全世界がん臨床段階IRAK-M分解誘導薬FIM-001全世界がん前臨床試験実施中(注)1.化合物コードは、RQ-(当社)、FIM-(ファイメクス株式会社)、TM-(テムリック株式会社)で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.日本以外の権利を導出しているXgene Pharmaceutical Co. Ltd.(香港)により、前臨床試験が行われ、当連結会計年度末時点で豪州における第Ⅰ相臨床試験が進行中です。 (B)導出済みプログラム当連結会計年度末現在、当社グループの導出済みのプログラムの状況は、以下のとおりであります。なお、契約内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 5 重要な契約等」をご参照ください。 [ヒト用医薬品領域]プロジェクト化合物コード(注)1主な想定適応症研究開発段階権利地域導出先カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)胃食道逆流症(*)販売中(韓国、中国、フィリピン、インドネシア、メキシコを含む中南米諸国など、全19カ国)審査中・承認申請準備中(米国、ベトナム他)第Ⅰ相臨床試験終了(日本)全世界HK inno.N Corporation(韓国)EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant)疼痛第Ⅰ相臨床試験終了(中国)(注)2全世界株式会社AskAtがん第Ⅰ相臨床試験終了(米国)(注)3第Ⅰ相臨床試験実施中(中国)RQ-00000008変形性関節症、自己免疫疾患他前臨床試験終了5-HT4部分作動薬RQ-00000009アルツハイマー病第Ⅰ相臨床試験終了(注)3全世界シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬RQ-00317076疼痛第Ⅰ相臨床試験実施中(中国)(注)2全世界CB2作動薬RQ-00202730疼痛等第Ⅰ相臨床試験実施中(英国)全世界P2X7受容体拮抗薬RQ-00466479-非開示(注)4全世界旭化成ファーマ株式会社TRPM8遮断薬RQ-00434739慢性疼痛第Ⅰ相臨床試験実施中(豪州)日本を除く全世界Xgene Pharmaceutical Co. Ltd.(香港)ナトリウムチャネル遮断薬RQ-00350215慢性疼痛非開示全世界久光製薬株式会社(注)1.化合物コードは、RQ-(当社)で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.Pfizer Inc.(米国)において、前期第Ⅱ相臨床試験を実施済みです。3.Pfizer Inc.(米国)において、第Ⅰ相臨床試験を実施済みです。4.2021年1月にEli Lilly and Company(米国)にサブライセンスされ開発が進められておりましたが、当連結会計年度におけるパイプライン見直しによりPainを対象とした開発からは除外されました。なお、ライセンス契約は有効に存続しており、今後の開発方針は同社にて検討されております。 [動物用医薬品領域]プロジェクト化合物コード(注)7主適応症研究開発段階権利地域導出先グレリン受容体作動薬RQ-00000005(capromorelin、ENTYCE™、ELURA™)食欲不振(犬)販売中(米国)全世界Elanco Animal Health Inc.(米国)慢性腎疾患の体重減少管理(猫)販売中(米国、フランス、ベルギー、日本、ブラジル)全世界EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant、GALLIPRANT®)変形性関節症(犬)販売中(米国、欧州、日本他)全世界シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬RQ-00317076疼痛パイロットフィールド試験実施中(注)2全世界株式会社AskAt/Velo-1, Inc.(米国)5-HT4作動薬RQ-00000010腸管運動障害(犬・猫)POC試験実施中全世界Vetbiolix SAS特定の4化合物非開示評価中評価中全世界Velovia Pharma, LLC(注)1.化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.2022年7月にVelo-1, Inc.(米国)にサブライセンスされ、現在、パイロットフィールド試験を実施中です。 (C)共同研究プログラム当連結会計年度末現在、製薬企業各社等との共同研究プログラムは、以下のとおりであります。なお、研究内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 6 研究開発活動」をご参照ください。プロジェクト共同研究先研究開発段階眼疾患治療薬創製に向けた共同研究株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所探索研究段階メッセンジャーRNA(mRNA)を標的とした低分子医薬品の創出に向けた共同研究株式会社Veritas In Silico探索研究段階
FY2024|6,954 文字|出典 docID: S100VH52
3【事業の内容】当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 (1)事業の概要当社グループは、当社(ラクオリア創薬株式会社)及び連結子会社2社(テムリック株式会社及びファイメクス株式会社)により構成されております。当社グループは、先端科学技術を活用し、医療分野においてニーズの高い疾患領域に対する新たな医薬品を生み出すことを目指す研究開発型の創薬ベンチャー企業であり、独自に創出した開発化合物(*)の知的財産権を製薬企業各社等に対して導出(使用許諾契約によりライセンスアウト)することにより収益を獲得することを事業展開の基本としております。 ① 当社グループの事業の背景世界的な規模で進行する人口の高齢化や新興国の発展により世界の医薬品市場は拡大しています。遺伝子治療、細胞医薬、デジタルヘルスケア等、新たな技術が医薬品の開発や治療法に革新をもたらし、これらの技術がさらなる成長をもたらす可能性があります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により製薬業界も大きな変化を経験しましたが、mRNAワクチンの開発・製造・販売等、業界の成長に寄与する変化も生まれました。一方、日本国内では、常態化した毎年の薬価改定による薬剤費の削減や医療保険の適用基準の厳格化等の影響により、医薬品販売高の成長率は鈍化しております。また、近年、新薬開発の成功確率の低下と必要なコストの増加により、製薬企業各社の研究開発費は増加の一途をたどっています。このような状況の中、製薬企業各社は、医薬品として成功する可能性の高い高品質な開発化合物(*)を外部からも積極的に導入し、パイプラインを充実させております。米国では新薬の約6割の起源がバイオベンチャー由来とされており、医療ニーズに応える新薬候補の供給源としてのバイオベンチャーに対する期待はますます高まっております。当社グループは研究開発型の創薬ベンチャー企業として、このような製薬企業各社の期待に応えるべく、自社の研究開発に留まらず、アカデミアやスタートアップ、ベンチャー企業等との協力関係を深め、次世代型創薬バリューチェーンの構築を通じて、医薬品の研究開発事業を展開しております。 ② 医薬品研究開発の一般的進行(*)及び当社グループの事業領域一般的に新薬の開発は、探索研究、前臨床試験、臨床試験、厚生労働省(あるいは米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)等の各国の医薬品許認可審査機関)への製造販売承認申請、医薬品としての承認取得、薬価基準収載(*)を経て行われます。その後、初めて新薬として販売が開始され、病院・医師・患者へ提供することが可能となります。(注)医薬品の研究開発における標準的な各段階の所要年数は、あくまでも標準的な想定期間を表示したものであり、各プロジェクトがこの想定期間どおりに進捗するとは限りません。各プロジェクトが経過した、あるいは現在進行中の各段階の幅についても、実際の所要期間あるいは想定所要期間を示すものではありません。 当社グループは、医薬品の研究開発段階のうち、探索研究段階、前臨床試験段階及び初期臨床試験段階を主たる事業分野としております。第Ⅲ相臨床試験などの後期臨床試験段階においては多額の研究開発費が必要となるため、当社グループにおける研究開発に係る費用及びリスク負担を低減する目的から、有効性及び安全性が概ね評価可能となる段階(前期第Ⅱ相臨床試験)までを当社グループにて行い、その後製薬企業各社等へ開発化合物(*)を導出することを基本としております。 ③ 低分子化合物から新規モダリティ(*)への展開を目指す研究開発活動当社グループは、従来、低分子化合物に係る研究開発を行ってまいりました。近年、医薬品業界においては、抗体医薬やワクチン等のいわゆるバイオ医薬の研究開発が盛んに行われておりますが、低分子化合物は依然として医薬品開発の大きな柱であります。当社グループにおきましては、これまで蓄積してきた低分子化合物に係る高い技術力を軸に据えつつ、業界の動向や当社グループが保有する技術との親和性等を総合的に考慮して低分子化合物以外の新たなモダリティ(*)への展開にも取り組んでおります。 ④ 研究開発活動(A)研究開発の概要当社グループの研究開発部門が行っている研究開発の概要とその流れは、以下のとおりであります。当社グループでは、創薬標的分子(*)の探索から初期臨床試験(主として第Ⅰ相臨床試験、必要に応じて前期第Ⅱ相臨床試験)まで、博士・修士号を有した研究者を中心にこの業務を推進しております。 (B)当社グループの研究開発体制当社グループは、豊富な知識と経験を有する研究員を有し、国内バイオベンチャートップクラスのインフラを最大限に活かした創薬研究開発体制を構築しております。 a)プロジェクトを中心とした研究開発体制当社グループの研究開発体制は、組織横断的なプロジェクトを単位として運営されており、迅速な意思決定及び業務の遂行を可能にしております。実際の業務は、プロジェクト単位で協議し決定され、特に重要な方針に関わる場合は、プロジェクトから経営戦略委員会へ提案が行われ、その決定は速やかにプロジェクト活動に反映されます。 b)研究・開発・事業開発活動の一体化当社グループにおいては、探索研究から開発そして導出に至るまで、プロジェクトチームが一貫して主体性を持ち、組織横断的に業務を実施しております。これにより、一貫した研究・開発、導出計画の下、必要な情報を随時共有し、適切な情報をタイムリーに導出先企業に提供することを可能としております。 (C)研究開発ポートフォリオ(*)による展開当社グループの研究開発は、創薬の初期段階を担うものであり、少数の限られたプロジェクトを選択して経営資源を集中することにより、研究開発ポートフォリオ(*)を拡充し、製薬企業各社等へ開発化合物(*)を導出していくことに重点を置いたものであります。医薬品開発は、研究開発のいずれの段階においても、安全性、有効性及び薬物動態(*)並びにその他の開発上の問題から中止される可能性があります。当社グループにおいては、探索段階から海外市場において上市済みのものまで、各段階のプロジェクトを保有しており、さらに、自社の探索研究から新たな開発化合物(*)を継続して創出する能力を備えていることから、複数のプロジェクトからなる研究開発ポートフォリオ(*)を拡充するとともに、開発リスクを低減し、より安定した事業の遂行を図りたいと考えております。 ⑤ 導出活動当社グループの導出活動は、内外の各製薬企業各社における医薬品として成功する可能性の高い高品質な化合物に対するニーズに対応するため、初期探索段階から臨床開発段階までの各段階において保有する研究開発ポートフォリオ(*)のすべてを対象とし、機動的かつ柔軟な営業活動を進めております。また、研究開発ポートフォリオ(*)は、各プロジェクトの特性と導出先である製薬企業各社等のニーズに応じて、日本・東アジア・米国・欧州等の地域ごとの導出、あるいは剤形(経口剤、注射剤、局所用剤)ごとの導出、さらには動物用医薬品用途での導出等、様々な形態で導出を図っております。 ⑥ 当社グループの収益当社グループの収益は、探索研究、前臨床試験及び初期臨床試験の成果として創出した開発化合物(*)を製薬企業各社等に導出することにより獲得するものであり、その概要は以下のとおりであります。収 益内 容契約一時金収入導出または共同研究に係る契約締結時に、当社グループが提供するそれまでの研究開発成果の対価等として受け取る収入マイルストン収入契約相手先の研究開発の進捗(契約書に規定された研究開発段階の達成)または売上の進捗(契約書に規定された売上高の達成)に応じて受け取る収入ロイヤルティ収入医薬品の上市後に販売額の一定割合(契約書に規定された料率に基づく)を受け取る収入研究協力金収入共同研究の期間中に提供する役務等の対価等として受け取る収入 ⑦ 事業系統図当社グループの事業の系統図は、以下のとおりであります。 (2)当社グループの研究開発対象領域及び研究開発ポートフォリオ(*)① 当社グループの研究開発対象領域当社グループは、当社の前身であるファイザー社中央研究所から引き続き消化器疾患領域及び疼痛疾患領域を中心に研究開発活動を行ってまいりましたが、2014年より国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学(以下「名古屋大学」)に研究拠点を移した後は、幅広い疾患領域における魅力ある創薬テーマの研究開発に取り組んでおります。テムリック株式会社及びファイメクス株式会社の買収等も通じて、疾患領域の拡大に取り組み、現在はがんと神経疾患を含む医療ニーズの高い疾患に対する創薬研究開発を進めております。 ② 当社グループのポートフォリオ(*)及び研究開発の状況一般的に医薬品の研究開発は長期に渡って多額の資金を必要とされております。当社グループは、当社グループ保有の開発化合物(*)の研究開発投資において、パートナーシップに基づくオープンイノベーション型の研究開発を積極的に展開するとともに適切な選択と集中を行うことで、資源の有効活用を図っております。具体的には、当社グループが強みを持つ探索段階から第Ⅰ相臨床試験を中心に自社単独で開発化合物(*)の研究開発に注力して導出に向けて推進するプログラムを「導出準備プログラム」、当社グループからの導出後に導出先が中心となって開発を進めるプログラムを「導出済みプログラム」と定義しております。また、探索研究段階においては、当社グループと提携先企業の双方が強みを持ち寄りイノベーティブな開発化合物(*)の創出を目指す共同研究プログラムを「共同研究プログラム」と定義しております。当連結会計年度末現在の主な「導出準備プログラム」及び「導出済みプログラム」、「共同研究プログラム」の状況は、以下のとおりであります。 (A)導出準備プログラム当連結会計年度末現在の「導出準備プログラム」は、以下のとおりであります。当社グループは、これらのプロジェクトに関して一部導出済みの契約を除き、全世界を対象とする開発、販売及び製造に関する権利を有しております。プログラム化合物コード(注)1導出対象地域主な想定適応症研究開発段階カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)日本胃食道逆流症(*)第Ⅰ相臨床試験終了(日本)5-HT4作動薬RQ-00000010全世界胃不全麻痺機能性胃腸症(*)慢性便秘第Ⅰ相臨床試験終了(英国)5-HT2B拮抗薬RQ-00310941全世界下痢型過敏性腸症候群(*)第Ⅰ相臨床試験終了(英国)モチリン受容体作動薬RQ-00201894全世界胃不全麻痺機能性胃腸症(*)術後イレウス前臨床試験終了グレリン受容体作動薬RQ-00433412全世界便秘がんに伴う食欲不振悪液質症候群前臨床試験実施中TRPM8遮断薬RQ-00434739日本疼痛(注)2IRAK-M分解誘導薬FIM-001全世界がん前臨床試験実施中(注)1.化合物コードは、RQ-(当社)、FIM-(ファイメクス株式会社)で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.日本以外の権利を導出しているXgene Pharmaceutical Co. Ltd.(香港)により、前臨床試験が行われ、当連結会計年度末時点で豪州における第Ⅰ相臨床試験が進行中です。 (B)導出済みプログラム当連結会計年度末現在、当社グループの導出済みのプログラムの状況は、以下のとおりであります。なお、契約内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。 [ヒト用医薬品領域]プロジェクト化合物コード(注)1主な想定適応症研究開発段階権利地域導出先カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)胃食道逆流症(*)販売中(韓国、中国、フィリピン、インドネシア、メキシコを含む中南米諸国など、全15カ国)審査中・承認申請準備中(ベトナム他)第Ⅲ相臨床試験実施中(米国)日本を除く全世界HK inno.N Corporation(韓国)EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant)疼痛第Ⅰ相臨床試験終了(中国)(注)3全世界株式会社AskAtがん第Ⅰ相臨床試験終了(米国)(注)4第Ⅰ相臨床試験実施中(中国)RQ-00000008変形性関節症、自己免疫疾患他前臨床試験終了5-HT4部分作動薬RQ-00000009アルツハイマー病第Ⅰ相臨床試験終了(注)4全世界シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬RQ-00317076疼痛第Ⅰ相臨床試験実施中(中国)(注)2全世界CB2作動薬RQ-00202730鎮痛等第Ⅰ相臨床試験実施中(英国)全世界P2X7受容体拮抗薬RQ-00466479慢性疼痛第Ⅱ相臨床試験実施中(米国)(注)4全世界旭化成ファーマ株式会社特定のイオンチャネル(*)-消化器領域非開示全世界EAファーマ株式会社TRPM8遮断薬RQ-00434739慢性疼痛第Ⅰ相臨床試験実施中(豪州)(注)5日本を除く全世界Xgene Pharmaceutical Co. Ltd.(香港)ナトリウムチャネル遮断薬RQ-00350215慢性疼痛非開示全世界久光製薬株式会社タミバロテンtamibaroteneTM-411SY-1425高リスク骨髄異形成症候群第Ⅲ相臨床試験実施中(米国)北米及び欧州Syros Pharmaceuticals, Inc.(米国)急性骨髄性白血病第Ⅱ相臨床試験実施中(米国)(注)1.化合物コードは、RQ-(当社)TM-(テムリック株式会社)で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.Pfizer Inc.(米国)において、前期第Ⅱ相臨床試験を実施済みです。3.Pfizer Inc.(米国)において、第Ⅰ相臨床試験を実施済みです。4.2021年1月にEli Lilly and Company(米国)にサブライセンスされ、2022年11月より第Ⅱ相臨床試験が開始されました。5.2024年5月に、Xgene Pharmaceutical Co. Ltd.(香港)が第Ⅰ相臨床試験を開始したことを発表しました。 [動物用医薬品領域]プロジェクト化合物コード(注)7主適応症研究開発段階権利地域導出先グレリン受容体作動薬RQ-00000005(capromorelin、ENTYCE®、ELURA®)食欲不振(犬)販売中(米国)全世界Elanco Animal Health Inc.(米国)慢性腎疾患の体重減少管理(猫)販売中(米国、欧州、日本)全世界EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant、GALLIPRANT®)変形性関節症(犬)販売中(米国、欧州、日本他)全世界シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬RQ-00317076疼痛パイロットフィールド試験実施中(注)8全世界株式会社AskAt/Velo-1, Inc.(米国)5-HT4作動薬RQ-00000010腸管運動障害(犬・猫)POC試験実施中全世界Vetbiolix SAS特定の4化合物非開示評価中評価中全世界Velovia Pharma, LLC(注)7.化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。8.2022年7月にVelo-1, Inc.(米国)にサブライセンスされました。. (C)共同研究プログラム当連結会計年度末現在、製薬企業各社等との共同研究プログラムは、以下のとおりであります。なお、研究内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 6 研究開発活動」をご参照ください。プロジェクト共同研究先研究開発段階当社化合物の難病・希少疾患への適応可能性の探索に関する共同研究ソシウム株式会社探索研究段階難病・希少疾患治療薬の創製を目指した細胞内抗体技術(STAND技術)の創薬応用の可能性検証STAND Therapeutics株式会社探索研究段階眼疾患治療薬創製に向けた共同研究株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所探索研究段階メッセンジャーRNA(mRNA)を標的とした低分子医薬品の創出に向けた共同研究株式会社Veritas In Silico探索研究段階膜タンパク質の3次元立体構造解析leadXpro AG探索研究段階
FY2023|6,917 文字|出典 docID: S100T4WQ
3【事業の内容】当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 (1)事業の概要当社グループは、当社(ラクオリア創薬株式会社)及び連結子会社1社(テムリック株式会社)により構成されております。当社グループは、先端科学技術を活用し、医療分野においてニーズの高い疾患領域に対する新たな医薬品を生み出すことを目指す研究開発型の創薬ベンチャー企業であり、独自に創出した開発化合物(*)の知的財産権を製薬企業各社等に対して導出(使用許諾契約によりライセンスアウト)することにより収益を獲得することを事業展開の基本としております。なお、当社は、2024年2月14日開催の取締役会において、ファイメクス株式会社の全株式を取得することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。2024年3月26日付で全株式を取得し、子会社化しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 (1)連結財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。 ① 当社グループの事業の背景世界的な規模で進行する人口の高齢化や新興国の発展により世界の医薬品市場は拡大しています。遺伝子治療、細胞医薬、デジタルヘルスケア等、新たな技術が医薬品の開発や治療法に革新をもたらし、これらの技術がさらなる成長をもたらす可能性があります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により製薬業界も大きな変化を経験しましたが、mRNAワクチンの開発・製造・販売等、業界の成長に寄与する変化も生まれました。一方、日本国内では、常態化した毎年の薬価改定による薬剤費の削減や医療保険の適用基準の厳格化等の影響により、医薬品販売高の成長率は鈍化しております。また、近年、新薬開発の成功確率の低下と必要なコストの増加により、製薬企業各社の研究開発費は増加の一途をたどっています。このような状況の中、製薬企業各社は、医薬品として成功する可能性の高い高品質な開発化合物(*)を外部からも積極的に導入し、パイプラインを充実させております。海外では新薬の約6割の起源がバイオベンチャー由来とされており、医療ニーズに応える新薬候補の供給源としてのバイオベンチャーに対する期待はますます高まっております。当社グループは研究開発型の創薬ベンチャー企業として、このような製薬企業各社の期待に応えるべく、自社の研究開発に留まらず、アカデミアやスタートアップ、ベンチャー企業等との協力関係を深め、次世代型創薬バリューチェーンの構築を通じて、医薬品の研究開発事業を展開しております。 ② 医薬品研究開発の一般的進行(*)及び当社グループの事業領域一般的に新薬の開発は、探索研究、前臨床試験、臨床試験、厚生労働省(あるいは米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)等の各国の医薬品許認可審査機関)への製造販売承認申請、医薬品としての承認取得、薬価基準収載(*)を経て行われます。その後、初めて新薬として販売が開始され、病院・医師・患者へ提供することが可能となります。(注)医薬品の研究開発における標準的な各段階の所要年数は、あくまでも標準的な想定期間を表示したものであり、各プロジェクトがこの想定期間どおりに進捗するとは限りません。各プロジェクトが経過した、あるいは現在進行中の各段階の幅についても、実際の所要期間あるいは想定所要期間を示すものではありません。 当社グループは、医薬品の研究開発段階のうち、探索研究段階、前臨床試験段階及び初期臨床試験段階を主たる事業分野としております。第Ⅲ相臨床試験などの後期臨床試験段階においては多額の研究開発費が必要となるため、当社グループにおける研究開発に係る費用及びリスク負担を低減する目的から、有効性及び安全性が概ね評価可能となる段階(前期第Ⅱ相臨床試験)までを当社グループにて行い、その後製薬企業各社等へ開発化合物(*)を導出することを基本としております。 ③ 低分子化合物から新規モダリティ(*)への展開を目指す研究開発活動当社グループは、従来、低分子化合物に係る研究開発を行ってまいりました。近年、医薬品業界においては、抗体医薬やワクチン等のいわゆるバイオ医薬の研究開発が盛んに行われておりますが、低分子化合物は依然として医薬品開発の大きな柱であります。当社グループにおきましては、これまで蓄積してきた低分子化合物に係る高い技術力を軸に据えつつ、業界の動向や当社グループが保有する技術との親和性等を総合的に考慮して低分子化合物以外の新たなモダリティ(*)への展開にも取り組んでおります。 ④ 研究開発活動(A)研究開発の概要当社グループの研究開発部門が行っている研究開発の概要とその流れは、以下のとおりであります。当社グループでは、創薬標的分子(*)の探索から初期臨床試験(主として第Ⅰ相臨床試験、必要に応じて前期第Ⅱ相臨床試験)まで、博士・修士号を有した研究者を中心にこの業務を推進しております。 (B)当社グループの研究開発体制当社グループは、豊富な知識と経験を有する研究員を有し、国内バイオベンチャートップクラスのインフラを最大限に活かした創薬研究開発体制を構築しております。 a)プロジェクトを中心とした研究開発体制当社グループの研究開発体制は、組織横断的なプロジェクトを単位として運営されており、迅速な意思決定及び業務の遂行を可能にしております。実際の業務は、プロジェクト単位で協議し決定され、特に重要な方針に関わる場合は、プロジェクトから経営戦略委員会へ提案が行われ、その決定は速やかにプロジェクト活動に反映されます。 b)研究・開発・事業開発活動の一体化当社グループにおいては、探索研究から開発そして導出に至るまで、プロジェクトチームが一貫して主体性を持ち、組織横断的に業務を実施しております。これにより、一貫した研究・開発、導出計画の下、必要な情報を随時共有し、適切な情報をタイムリーに導出先企業に提供することを可能としております。 (C)研究開発ポートフォリオ(*)による展開当社グループの研究開発は、創薬の初期段階を担うものであり、少数の限られたプロジェクトを選択して経営資源を集中することにより、研究開発ポートフォリオ(*)を拡充し、製薬企業各社等へ開発化合物(*)を導出していくことに重点を置いたものであります。医薬品開発は、研究開発のいずれの段階においても、安全性、有効性及び薬物動態(*)並びにその他の開発上の問題から中止される可能性があります。当社グループにおいては、探索段階から海外市場において上市済みのものまで、各段階のプロジェクトを保有しており、さらに、自社の探索研究から新たな開発化合物(*)を継続して創出する能力を備えていることから、複数のプロジェクトからなる研究開発ポートフォリオ(*)を拡充するとともに、開発リスクを低減し、より安定した事業の遂行を図りたいと考えております。 ⑤ 導出活動当社グループの導出活動は、内外の各製薬企業各社における医薬品として成功する可能性の高い高品質な化合物に対するニーズに対応するため、初期探索段階から臨床開発段階までの各段階において保有する研究開発ポートフォリオ(*)のすべてを導出対象とし、機動的かつ柔軟な営業活動を進めております。また、研究開発ポートフォリオ(*)は、各プロジェクトの特性と導出先である製薬企業各社等のニーズに応じて、日本・東アジア・米国・欧州等の地域ごとの導出、あるいは剤形(経口剤、注射剤、局所用剤)ごとの導出、さらには動物用医薬品用途での導出等、様々な形態で導出を図っております。 ⑥ 当社グループの収益当社グループの収益は、探索研究、前臨床試験及び初期臨床試験の成果として創出した開発化合物(*)を製薬企業各社等に導出することにより獲得するものであり、その概要は以下のとおりであります。収 益内 容契約一時金収入導出または共同研究に係る契約締結時に、当社グループが提供するそれまでの研究開発成果の対価等として受け取る収入マイルストン収入契約相手先の研究開発の進捗(契約書に規定された研究開発段階の達成)または売上の進捗(契約書に規定された売上高の達成)に応じて受け取る収入ロイヤルティ収入医薬品の上市後に販売額の一定割合(契約書に規定された料率に基づく)を受け取る収入研究協力金収入共同研究の期間中に提供する役務等の対価等として受け取る収入 ⑦ 事業系統図当社グループの事業の系統図は、以下のとおりであります。 (2)当社グループの研究開発対象領域及び研究開発ポートフォリオ(*)① 当社グループの研究開発対象領域当社グループは、当社の前身であるファイザー社中央研究所から引き続き消化器疾患領域及び疼痛疾患領域を中心に研究開発活動を行ってまいりましたが、2014年より国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学(以下「名古屋大学」)に研究拠点を移した後は、産学医連携を軸として幅広い疾患領域における魅力ある創薬テーマの研究開発に取り組んでいる他、がん領域に特化したテムリック株式会社も含め、医療ニーズの高い疾患に対する創薬研究開発を進めております。 ② 当社グループのポートフォリオ(*)及び研究開発の状況一般的に医薬品の研究開発は長期に渡って多額の資金を必要とされております。当社グループは、当社グループ保有の開発化合物(*)の研究開発投資において、パートナーシップに基づくオープンイノベーション型の研究開発を積極的に展開するとともに適切な選択と集中を行うことで、資源の有効活用を図っております。具体的には、当社グループが強みを持つ探索段階から第Ⅰ相臨床試験を中心に自社単独で開発化合物(*)の研究開発に注力して導出に向けて推進するプログラムを「導出準備プログラム」、当社グループからの導出後に導出先が中心となって開発を進めるプログラムを「導出済みプログラム」と定義しております。また、探索研究段階においては、基本に当社グループと提携先企業の双方が強みを持ち寄りイノベーティブな開発化合物(*)の創出を目指す共同研究プログラムを「共同研究プログラム」と定義しております。当連結会計年度末現在の主な「導出準備プログラム」及び「導出済みプログラム」、「共同研究プログラム」の状況は、以下のとおりであります。 (A)導出準備プログラム当連結会計年度末現在の「導出準備プログラム」は、以下のとおりであります。当社グループは、これらのプロジェクトに関して一部導出済みの契約を除き、全世界を対象とする開発、販売及び製造に関する権利を有しております。プログラム化合物コード(注)1導出対象地域主な想定適応症研究開発段階カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)日本胃食道逆流症(*)第Ⅰ相臨床試験終了(日本)5-HT4作動薬RQ-00000010全世界胃不全麻痺機能性胃腸症(*)慢性便秘第Ⅰ相臨床試験終了(英国)5-HT2B拮抗薬RQ-00310941全世界下痢型過敏性腸症候群(*)第Ⅰ相臨床試験終了(英国)モチリン受容体作動薬RQ-00201894全世界胃不全麻痺機能性胃腸症(*)術後イレウス前臨床試験終了グレリン受容体作動薬RQ-00433412全世界脊椎損傷に伴う便秘がんに伴う食欲不振悪液質症候群前臨床試験実施中TRPM8遮断薬RQ-00434739日本疼痛(注)2(注)1.化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.日本以外の権利を導出しているXgene Pharmaceutical Co. Ltd.(香港)により、前臨床試験が行われ、当連結会計年度末時点で豪州における第Ⅰ相臨床試験の準備中です。 (B)導出済みプログラム当連結会計年度末現在、当社グループの導出済みのプログラムの状況は、以下のとおりであります。なお、契約内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。 [ヒト用医薬品領域]プロジェクト化合物コード(注)1主な想定適応症研究開発段階権利地域導出先カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)胃食道逆流症(*)販売中(韓国、中国、フィリピン、モンゴル、メキシコ、インドネシア、シンガポール、ペルー)審査中・承認申請準備中(タイ、ベトナム、マレーシア他)第Ⅲ相臨床試験実施中(米国)韓国他(注)2HK inno.N Corporation(韓国)EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant)疼痛第Ⅰ相臨床試験終了(中国)(注)3全世界株式会社AskAtがん第Ⅰ相臨床試験終了(米国)(注)4第Ⅰ相臨床試験実施中(中国)RQ-00000008変形性関節症、自己免疫疾患他前臨床試験終了5-HT4部分作動薬RQ-00000009アルツハイマー病第Ⅰ相臨床試験終了(注)4全世界シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬RQ-00317076疼痛第Ⅰ相臨床試験実施中(中国)(注)3全世界CB2作動薬RQ-00202730鎮痛等第Ⅰ相臨床試験実施中(英国)全世界選択的ナトリウムチャネル遮断薬-鎮痛・鎮痒非開示全世界マルホ株式会社P2X7受容体拮抗薬RQ-00466479慢性疼痛第Ⅱ相臨床試験実施中(米国)(注)5全世界旭化成ファーマ株式会社TRPM8遮断薬RQ-00434739慢性疼痛第Ⅰ相臨床試験準備中(豪州)(注)6日本を除く全世界Xgene Pharmaceutical Co. Ltd.(香港)ナトリウムチャネル遮断薬RQ-00350215慢性疼痛前臨床試験実施中全世界久光製薬株式会社(注)1.化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.韓国、中国(香港を含む)及び台湾、米国及び欧州、東南アジア、中南米、中東及びロシアを含む東欧圏諸国等3.Pfizer Inc.(米国)において、前期第Ⅱ相臨床試験を実施済みです。4.Pfizer Inc.(米国)において、第Ⅰ相臨床試験を実施済みです。5.2021年1月にEli Lilly and Company(米国)にサブライセンスされ、2022年11月より第Ⅱ相臨床試験が開始されました。6.2023年12月に、Xgene Pharmaceutical Co. Ltd.(香港)が臨床試験開始に向けた取り組み状況を発表しました。 [動物用医薬品領域]プロジェクト化合物コード(注)7主適応症研究開発段階権利地域導出先グレリン受容体作動薬RQ-00000005(capromorelin、ENTYCE®、ELURA®)食欲不振(犬)販売中(米国)全世界Elanco Animal Health Inc.(米国)慢性腎疾患の体重減少管理(猫)販売中(米国)販売準備中(欧州)全世界EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant、GALLIPRANT®)変形性関節症(犬)販売中(米国、欧州、日本他)全世界シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬RQ-00317076疼痛探索終了(注)8全世界株式会社AskAt5-HT4作動薬RQ-00000010腸管運動障害(犬・猫)POC試験実施中全世界Vetbiolix SAS(注)7.化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。8.2022年7月にVelo-1, Inc.(米国)にサブライセンスされました。 (C)共同研究プログラム当連結会計年度末現在、製薬企業各社等との共同研究プログラムは、以下のとおりであります。なお、研究内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 6 研究開発活動」をご参照ください。プロジェクト化合物コード共同研究先研究開発段階当社化合物の難病・希少疾患への適応可能性の探索に関する共同研究―ソシウム株式会社探索研究段階難病・希少疾患治療薬の創製を目指した細胞内抗体技術(STAND技術)の創薬応用の可能性検証―STAND Therapeutics株式会社探索研究段階眼疾患治療薬創製に向けた共同研究―株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所探索研究段階メッセンジャーRNA(mRNA)を標的とした低分子医薬品の創出に向けた共同研究―株式会社Veritas In Silico探索研究段階膜タンパク質の3次元立体構造解析―leadXpro AG探索研究段階
FY2022|6,303 文字|出典 docID: S100QGEL
3【事業の内容】当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 (1)事業の概要当社グループは、当社(ラクオリア創薬株式会社)及び連結子会社1社(テムリック株式会社)により構成されております。当社グループは、先端科学技術を活用し、医療分野においてニーズの高い疾患領域に対する新たな医薬品を生み出すことを目指す研究開発型の創薬ベンチャー企業であり、独自に創出した開発化合物(*)の知的財産権を製薬企業各社等に対して導出(使用許諾契約によりライセンスアウト)することにより収益を獲得することを事業展開の基本としております。 ① 当社グループの事業の背景製薬業界は、高度化する医療技術の進展や多様化する医療ニーズへの対応等により、今後も更なる成長が見込まれております。その一方で、ジェネリック医薬品の普及に伴う薬剤費の削減や医療保険の適用基準の厳格化の影響等により、国内における医薬品販売高の成長率は鈍化することも予想されております。また、近年の臨床試験の厳格化の流れにより臨床試験の規模が拡大すると共に開発期間が長期化し、製薬企業各社の研究開発費が増加していることに加え、製薬業界では欧米の巨大企業群を中心とした激しいグローバル競争が展開されていることから、新薬開発の効率化が製薬企業各社の課題となっております。このような状況の中、製薬企業各社は、医薬品として成功する可能性の高い高品質な開発化合物(*)を外部からも積極的に導入し、パイプラインを充実させております。海外では新薬の約6割の起源がバイオベンチャー由来とされており、医療ニーズに応える新薬候補の供給源としてのバイオベンチャーに対する期待はますます高まっております。当社グループは研究開発型の創薬ベンチャー企業としてこのような製薬企業各社の期待に応えるべく、前身であるファイザー株式会社中央研究所(以下「ファイザー社中央研究所」)にて蓄積した創薬研究開発に係る経験及びノウハウをベースにした創薬研究開発に加え、アカデミアなどの提携先との連携も活用して創薬研究開発事業を展開しております。 ② 医薬品研究開発の一般的進行(*)及び当社グループの事業領域一般的に新薬の開発は、探索研究、前臨床試験、臨床試験、厚生労働省(あるいは米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)等の各国の医薬品許認可審査機関)への製造販売承認申請、医薬品としての承認取得、薬価基準収載(*)を経て行われます。その後、初めて新薬として販売が開始され、病院・医師・患者へ提供することが可能となります。(注)医薬品の研究開発における標準的な各段階の所要年数は、あくまでも標準的な想定期間を表示したものであり、各プロジェクトがこの想定期間どおりに進捗するとは限りません。各プロジェクトが経過した、あるいは現在進行中の各段階の幅についても、実際の所要期間あるいは想定所要期間を示すものではありません。 当社グループは、医薬品の研究開発段階のうち、探索研究段階、前臨床試験段階及び初期臨床試験段階を主たる事業分野としております。第Ⅲ相臨床試験などの後期臨床試験段階においては多額の研究開発費が必要となるため、当社グループにおける研究開発に係る費用及びリスク負担を低減する目的から、有効性及び安全性が概ね評価可能となる段階(前期第Ⅱ相臨床試験)までを当社グループにて行い、その後製薬企業各社等へ開発化合物(*)を導出することを基本としております。③ 低分子化合物を軸とした研究開発活動当社グループは、主に低分子化合物に係る研究開発を行っております。近年、医薬品業界においては、抗体医薬やワクチン等のいわゆるバイオ医薬の研究開発が盛んに行われておりますが、低分子化合物は依然として医薬品開発の大きな柱であります。当社グループにおきましては、これまで蓄積してきた低分子化合物に係る高い技術力を軸に据えつつ、低分子化合物以外の新たなアプローチによる創薬研究も進めております。 ④ 研究開発活動(A)研究開発の概要当社グループの研究開発部門が行っている研究開発の概要とその流れは、以下のとおりであります。当社グループでは、創薬標的分子(*)の探索から初期臨床試験(主として第Ⅰ相臨床試験、必要に応じて前期第Ⅱ相臨床試験)まで、博士・修士号を有した研究者を中心にこの業務を推進しております。 (B)当社グループの研究開発体制当社グループは、前身のファイザー社中央研究所の創薬研究開発ノウハウを受け継いだ経験豊富な研究員や研究手法をベースに、国内バイオベンチャートップクラスのインフラを最大限に活かした創薬研究開発体制を構築しております。 a)プロジェクトを中心とした研究開発体制当社グループの研究開発体制は、組織横断的なプロジェクトを単位として運営されており、迅速な意思決定及び業務の遂行を可能にしております。実際の業務は、プロジェクト単位で協議し決定され、特に重要な方針に関わる場合は、プロジェクトから経営戦略委員会へ提案が行われ、その決定は速やかにプロジェクト活動に反映されます。 b)研究・開発・営業活動の一体化当社グループにおいては、探索研究から開発そして導出に至るまで、プロジェクトチームが一貫して主体性を持ち、組織横断的に業務を実施しております。これにより、一貫した研究・開発、導出計画の下、必要な情報を随時共有し、適切な情報をタイムリーに導出先企業に提供することを可能としております。 (C)研究開発ポートフォリオ(*)による展開当社グループの研究開発は、創薬の初期段階を担うものであり、少数の限られたプロジェクトを選択して経営資源を集中することにより、研究開発ポートフォリオ(*)を拡充し、製薬企業各社等へ開発化合物(*)を導出していくことに重点を置いたものであります。医薬品開発は、研究開発のいずれの段階においても、安全性、有効性及び薬物動態(*)並びにその他の開発上の問題から中止される可能性があります。当社グループにおいては、探索段階から海外市場において上市済みのものまで、各段階のプロジェクトを保有しており、さらに、自社の探索研究から新たな開発化合物(*)を継続して創出する能力を備えていることから、複数のプロジェクトからなる研究開発ポートフォリオ(*)を拡充するとともに、開発リスクを低減し、より安定した事業の遂行を図りたいと考えております。 ⑤ 導出活動当社グループの導出活動は、内外の各製薬企業各社における医薬品として成功する可能性の高い高品質な化合物に対するニーズに対応するため、初期探索段階から臨床開発段階までの各段階において保有する研究開発ポートフォリオ(*)のすべてを導出対象とし、機動的かつ柔軟な営業活動を進めております。また、研究開発ポートフォリオ(*)は、各プロジェクトの特性と導出先である製薬企業各社等のニーズに応じて、日本・東アジア・米国・欧州等の地域ごとの導出、あるいは剤形(経口剤、注射剤、局所用剤)ごとの導出、さらには動物用医薬品用途での導出等、様々な形態で導出を図っております。 ⑥ 当社グループの収益当社グループの収益は、探索研究、前臨床試験及び初期臨床試験の成果として創出した開発化合物(*)を製薬企業各社等に導出することにより獲得するものであり、その概要は以下のとおりであります。収 益内 容契約一時金収入契約締結時に、当社グループが提供するそれまでの研究開発成果の対価等として受け取る収入マイルストン収入契約相手先の研究開発の進捗(契約書に規定された研究開発段階の達成)または売上の進捗(契約書に規定された売上高の達成)に応じて受け取る収入ロイヤルティ収入医薬品の上市後に販売額の一定料率を受け取る収入研究協力金収入共同研究の開始時に当社グループのそれまでの研究成果を提供する対価等として受け取る収入及び共同研究の期間中に提供する役務等の対価等として受け取る収入 ⑦ 事業系統図当社グループの事業の系統図は、以下のとおりであります。 (2)当社グループの研究開発対象領域及び研究開発ポートフォリオ(*)① 当社グループの研究開発対象領域当社グループは、当社の前身であるファイザー社中央研究所から引き続き消化器疾患領域及び疼痛疾患領域を中心に研究開発活動を行ってまいりましたが、2014年より国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学(以下「名古屋大学」)に研究拠点を移した後は、産学医連携を軸として幅広い疾患領域における魅力ある創薬テーマの研究開発に取り組んでいる他、がん領域に特化したテムリック株式会社も含め、医療ニーズの高い疾患に対する創薬研究開発を進めております。 ② 当社グループのポートフォリオ(*)及び研究開発の状況一般的に医薬品の研究開発は長期に渡って多額の資金を必要とされております。当社グループは、自社の強みを最大限に活かすべく、当社グループ保有の開発化合物(*)について「選択と集中」を図っております。具体的には、当社グループが強みを持つ探索段階から第Ⅰ相臨床試験を中心に自社単独で開発化合物(*)の研究開発に注力して導出に向けて推進するプログラムを「導出準備プログラム」、当社グループからの導出後に導出先が中心となって開発を進めるプログラムを「導出済みプログラム」と定義しております。また、探索研究段階を基本に当社グループと製薬企業各社の双方が強みを持ち寄りイノベーティブな開発化合物(*)の創出を目指す共同研究プログラムを「共同研究プログラム」と定義しております。当連結会計年度末現在の主な「導出準備プログラム」及び「導出済みプログラム」、「共同研究プログラム」の状況は、以下のとおりであります。 (A)導出準備プログラム当連結会計年度末現在の「導出準備プログラム」は、以下のとおりであります。当社グループは、これらのプロジェクトに関して一部導出済みの契約を除き、全世界を対象とする開発、販売及び製造に関する権利を有しております。プログラム化合物コード(注)導出対象地域主な想定適応症研究開発段階カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)日本胃食道逆流症(*)第Ⅰ相臨床試験準備中(日本)5-HT4部分作動薬RQ-00000010全世界胃不全麻痺機能性胃腸症(*)慢性便秘第Ⅰ相臨床試験終了(英国)5-HT2B拮抗薬RQ-00310941全世界下痢型過敏性腸症候群(*)第Ⅰ相臨床試験終了(英国)モチリン受容体作動薬RQ-00201894全世界胃不全麻痺機能性胃腸症(*)術後イレウス前臨床試験終了グレリン受容体作動薬RQ-00433412全世界がんに伴う食欲不振悪液質症候群脊椎損傷に伴う便秘前臨床試験実施中TRPM8遮断薬RQ-00434739日本疼痛前臨床試験検討中(※)※2021年9月にXgene Pharmaceutical Co. Ltd.(香港)に導出(注)化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。 (B)導出済みプログラム当連結会計年度末現在、当社グループの導出済みのプログラムの状況は、以下のとおりであります。なお、契約内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。 [ヒト用医薬品領域]プロジェクト化合物コード(注)1主な想定適応症研究開発段階権利地域導出先カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)胃食道逆流症(*)販売中(韓国、中国、フィリピン)、販売準備中 (モンゴル、インドネシア)、審査中 ・申請準備中(タイ、ベトナム、メキシコ他)、第Ⅲ相臨床試験実施中(米国)韓国他(注)2HK inno.N Corporation(韓国)EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant)疼痛第Ⅰ相臨床試験終了(中国)(注)3全世界株式会社AskAtがん第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験実施中(米国)(注)4第Ⅰ相臨床試験実施中(中国)RQ-00000008変形性関節症、自己免疫疾患前臨床試験終了5-HT4部分作動薬RQ-00000009アルツハイマー病第Ⅰ相臨床試験終了(注)4全世界シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬RQ-00317076疼痛第Ⅰ相臨床試験実施中(中国)(注)3全世界CB2作動薬-鎮痛等前臨床試験実施中全世界選択的ナトリウムチャネル遮断薬-鎮痛・鎮痒非開示全世界マルホ株式会社P2X7受容体拮抗薬RQ-00466479慢性疼痛第Ⅱ相臨床試験実施中(米国)(注)5全世界旭化成ファーマ株式会社TRPM8遮断薬RQ-00434739慢性疼痛前臨床試験実施中日本を除く全世界Xgene Pharmaceutical Co. Ltd.(香港)ナトリウムチャネル遮断薬RQ-00350215慢性疼痛前臨床試験準備中全世界久光製薬株式会社(注)1.化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.韓国、中国(香港を含む)及び台湾、米国及び欧州、東南アジア、中南米、中東及びロシアを含む東欧圏諸国等3.Pfizer Inc.(米国)において、前期第Ⅱ相臨床試験を実施済みです。4.Pfizer Inc.(米国)において、第Ⅰ相臨床試験を実施済みです。5.2021年1月にEli Lilly & Company(米国)にサブライセンスされ、2022年11月、第Ⅱ相臨床試験が開始されました。 [動物用医薬品領域]プロジェクト化合物コード(注)6主適応症研究開発段階権利地域導出先グレリン受容体作動薬RQ-00000005(capromorelin、ENTYCE®、ELURA®)食欲不振(犬)販売中(米国)全世界Elanco Animal Health Inc.(米国)慢性腎疾患の体重減少管理(猫)販売中(米国)全世界EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant、GALLIPRANT®)骨関節炎(犬)販売中(米国、欧州、 日本他)全世界シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬RQ-00317076疼痛パイロット試験 準備中(注)7全世界株式会社AskAt(注)6.化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。7.2022年7月にVelo-1, Inc.(米国)にサブライセンスされ、以降の開発は同社が行います。 (C)共同研究プログラム当連結会計年度末現在、製薬企業各社等との共同研究プログラムは、以下のとおりであります。なお、研究内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 5 研究開発活動」をご参照ください。プロジェクト化合物コード共同研究先研究開発段階特定のイオンチャネル(*)を標的とした創薬研究に関する共同研究―あすか製薬株式会社探索研究段階特発性小児ネフローゼ症候群治療薬の創出に向けた共同研究―株式会社Epigeneron探索研究段階
FY2021|6,326 文字|出典 docID: S100NR0F
3【事業の内容】当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 (1)事業の概要当社グループは、当社(ラクオリア創薬株式会社)及び連結子会社1社(テムリック株式会社)により構成されております。当社グループは、先端科学技術を活用し、医療分野においてニーズの高い疾患領域に対する新たな医薬品を生み出すことを目指す研究開発型の創薬企業であり、独自に創出した開発化合物(*)の知的財産権を製薬企業各社等に対して導出(使用許諾契約によりライセンスアウト)することにより収益を獲得することを事業展開の基本としております。 ① 当社グループの事業の背景製薬業界は、高度化する医療技術の進展や多様化する医療ニーズへの対応等により、今後も更なる成長が見込まれております。その一方で、ジェネリック医薬品の普及に伴う薬剤費の削減や医療保険の適用基準の厳格化の影響等により、国内における医薬品販売高の成長率は鈍化することも予想されております。また、近年の臨床試験の厳格化の流れにより臨床試験の規模が拡大すると共に開発期間が長期化し、製薬企業各社の研究開発費が増加していることに加え、製薬業界では欧米の巨大企業群を中心とした激しいグローバル競争が展開されていることから、新薬開発の効率化が製薬企業各社の課題となっております。このような状況の中、製薬企業各社は、医薬品として成功する可能性の高い高品質な開発候補化合物(*)及び開発化合物(*)を外部からも積極的に導入し、パイプラインを充実させております。海外では新薬の約6割の起源がバイオベンチャー由来とされており、医療ニーズに応える新薬候補の供給源としてのバイオベンチャーに対する期待はますます高まっております。当社グループは研究開発型の創薬企業としてこのような製薬企業各社の期待に応えるべく、前身であるファイザー株式会社中央研究所(以下「ファイザー社中央研究所」)にて蓄積した創薬研究開発に係る経験及びノウハウをベースにした創薬研究開発に加え、アカデミアなどの提携先との連携も活用して創薬研究開発事業を展開しております。 ② 医薬品研究開発の一般的進行(*)及び当社グループの事業領域一般的に新薬の開発は、探索研究、前臨床試験、臨床試験、厚生労働省(あるいは米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)等の各国の医薬品許認可審査機関)への製造販売承認申請、医薬品としての承認取得、薬価基準収載(*)を経て行われます。その後、初めて新薬として販売が開始され、病院・医師・患者へ提供することが可能となります。(注)医薬品の研究開発における標準的な各段階の所要年数は、あくまでも標準的な想定期間を表示したものであり、各プロジェクトがこの想定期間どおりに進捗するとは限りません。各プロジェクトが経過した、あるいは現在進行中の各段階の幅についても、実際の所要期間あるいは想定所要期間を示すものではありません。 当社グループは、医薬品の研究開発段階のうち、探索研究段階、前臨床試験段階及び初期臨床試験段階を主たる事業分野としております。第Ⅲ相臨床試験などの後期臨床試験段階においては多額の研究開発費が必要となるため、当社グループにおける研究開発に係る費用及びリスク負担を低減する目的から、有効性及び安全性が概ね評価可能となる段階(前期第Ⅱ相臨床試験)までを当社グループにて行い、その後製薬企業各社等へ開発化合物(*)を導出することを基本としております。 ③ 低分子化合物を軸とした研究開発活動当社グループは、主に低分子化合物に係る研究開発を行っております。近年、医薬品業界においては、抗体医薬やワクチン等のいわゆるバイオ医薬の研究開発が盛んに行われておりますが、低分子化合物は依然として医薬品開発の大きな柱であります。当社グループにおきましては、これまで蓄積してきた低分子化合物に係る高い技術力を軸に据えつつ、低分子化合物以外の新たなアプローチによる創薬研究も進めております。 ④ 研究開発活動(A)研究開発の概要当社グループの研究開発部門が行っている研究開発の概要とその流れは、以下のとおりであります。当社グループでは、創薬標的分子(*)の探索から初期臨床試験(主として第Ⅰ相臨床試験、必要に応じて前期第Ⅱ相臨床試験)まで、博士・修士号を有した研究者を中心にこの業務を推進しております。(B)当社グループの研究開発体制当社グループは、前身のファイザー社中央研究所の創薬研究開発ノウハウを受け継いだ経験豊富な研究員や研究手法をベースに、国内バイオベンチャートップクラスのインフラを最大限に活かした創薬研究開発体制を構築しております。 a)プロジェクトを中心とした研究開発体制当社グループの研究開発体制は、組織横断的なプロジェクトを単位として運営されており、迅速な意思決定及び業務の遂行を可能にしております。実際の業務は、プロジェクト単位で協議し決定され、特に重要な方針に関わる場合は、プロジェクトから経営戦略委員会へ提案が行われ、その決定は速やかにプロジェクト活動に反映されます。 b)研究・開発・営業活動の一体化当社グループにおいては、探索研究から開発そして導出に至るまで、プロジェクトチームが一貫して主体性を持ち、組織横断的に業務を実施しております。これにより、一貫した研究・開発、導出計画の下、必要な情報を随時共有し、適切な情報をタイムリーに導出先企業に提供することを可能としております。 (C)研究開発ポートフォリオ(*)による展開当社グループの研究開発は、創薬の初期段階を担うものであり、少数の限られたプロジェクトを選択して経営資源を集中することにより、研究開発ポートフォリオ(*)を拡充し、製薬企業各社等へ開発化合物(*)を導出していくことに重点を置いたものであります。医薬品開発は、研究開発のいずれの段階においても、安全性、有効性及び薬物動態(*)並びにその他の開発上の問題から中止される可能性があります。当社グループにおいては、探索段階から海外市場において上市済みのものまで、各段階のプロジェクトを保有しており、さらに、自社の探索研究から新たな開発化合物(*)を継続して創出する能力を備えていることから、複数のプロジェクトからなる研究開発ポートフォリオ(*)を拡充するとともに、開発リスクを低減し、より安定した事業の遂行を図りたいと考えております。 ⑤ 導出活動当社グループの導出活動は、内外の各製薬企業各社における医薬品として成功する可能性の高い高品質な化合物に対するニーズに対応するため、初期探索段階から臨床開発段階までの各段階において保有する研究開発ポートフォリオ(*)のすべてを導出対象とし、機動的かつ柔軟な営業活動を進めております。また、研究開発ポートフォリオ(*)は、各プロジェクトの特性と導出先である製薬企業各社等のニーズに応じて、日本・東アジア・米国・欧州等の地域ごとの導出、あるいは剤形(経口剤、注射剤、局所用剤)ごとの導出、さらには動物用医薬品用途での導出等、様々な形態で導出を図っております。 ⑥ 当社グループの収益当社グループの収益は、探索研究、前臨床試験及び初期臨床試験の成果として創出した開発化合物(*)を製薬企業各社等に導出することにより獲得するものであり、その概要は以下のとおりであります。収 益内 容契約一時金収入契約締結時に、当社グループが提供するそれまでの研究開発成果の対価等として受け取る収入マイルストン収入契約相手先の研究開発の進捗(契約書に規定された研究開発段階の達成)または売上の進捗(契約書に規定された売上高の達成)に応じて受け取る収入ロイヤルティ収入医薬品の上市後に販売額の一定料率を受け取る収入研究協力金収入共同研究の開始時に当社グループのそれまでの研究成果を提供する対価等として受け取る収入及び共同研究の期間中に提供する役務等の対価等として受け取る収入 ⑦ 事業系統図当社グループの事業の系統図は、以下のとおりであります。 (2)当社グループの研究開発対象領域及び研究開発ポートフォリオ(*)① 当社グループの研究開発対象領域当社グループは、当社の前身であるファイザー社中央研究所から引き続き消化器疾患領域及び疼痛疾患領域を中心に研究開発活動を行ってまいりましたが、2014年より国立大学法人名古屋大学(以下「名古屋大学」)に研究拠点を移した後は、産学医連携を軸として幅広い疾患領域における魅力ある創薬テーマの研究開発に取り組んでいる他、癌領域に特化したテムリック株式会社も含め、医療ニーズの高い疾患に対する創薬研究開発を進めております。② 当社グループのポートフォリオ(*)及び研究開発の状況一般的に医薬品の研究開発は長期に渡って多額の資金を必要とされております。当社グループは、自社の強みを最大限に活かすべく、当社グループ保有の開発化合物(*)について「選択と集中」を図っております。具体的には、当社グループが強みを持つ探索段階から第Ⅰ相臨床試験を中心に自社単独で開発化合物(*)の研究開発に注力して導出に向けて推進するプログラムを「導出準備プログラム」、当社グループからの導出後に導出先が中心となって開発を進めるプログラムを「導出済みプログラム」と定義しております。また、探索研究段階を基本に当社グループと製薬企業各社の双方が強みを持ち寄りイノベーティブな開発化合物(*)の創出を目指す共同研究プログラムを「共同研究プログラム」と定義しております。当連結会計年度末現在の主な「導出準備プログラム」及び「導出済みプログラム」、「共同研究プログラム」の状況は、以下のとおりであります。 (A)導出準備プログラム当連結会計年度末現在の「導出準備プログラム」は、以下のとおりであります。当社グループは、これらのプロジェクトに関して一部導出済みの契約を除き、全世界を対象とする開発、販売及び製造に関する権利を有しております。プログラム化合物コード(注)導出対象地域想定適応症研究開発段階カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)日本胃食道逆流症(*)第Ⅰ相臨床試験終了(日本)5-HT4部分作動薬RQ-00000010全世界胃不全麻痺機能性胃腸症(*)慢性便秘第Ⅰ相臨床試験終了(英国)第Ⅱ相臨床試験検討中5-HT2B拮抗薬RQ-00310941全世界下痢型過敏性腸症候群(*)第Ⅰ相臨床試験終了(英国)第Ⅱ相臨床試験検討中モチリン受容体作動薬RQ-00201894全世界胃不全麻痺機能性胃腸症(*)術後イレウス第Ⅰ相臨床試験検討中グレリン受容体作動薬RQ-00433412全世界がんに伴う食欲不振・悪液質脊椎損傷に伴う便秘前臨床試験実施中TRPM8遮断薬RQ-00434739日本神経障害性疼痛前臨床試験準備中(※)※2021年9月にXgene Pharmaceutical Co. Ltd.(香港)に導出(注)化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。 (B)導出済みプログラム当連結会計年度末現在、当社グループの導出済みのプログラムの状況は、以下のとおりであります。なお、契約内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。 [ヒト用医薬品領域]プロジェクト化合物コード(注)1想定適応症研究開発段階権利地域導出先5-HT2A及びD2拮抗薬RQ-00000003(ziprasidone)統合失調症第Ⅲ相臨床試験(日本)日本Meiji Seikaファルマ株式会社カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)胃食道逆流症(*)販売中(韓国)、販売準備中(モンゴル)、審査中 ・申請準備中(中国東南アジア諸国および中南米諸国)、第Ⅰ相臨床試験終了(米国)韓国他(注)2HK inno.N Corporation(韓国)EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant)変形性関節症第Ⅰ相臨床試験終了(中国)(注)4全世界株式会社AskAt自己免疫疾患、アレルギー、がん第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験実施中(米国、がん)(注)3第Ⅰ相臨床試験実施中(中国、がん)RQ-00000008変形性関節症、自己免疫疾患、アレルギー、がん前臨床試験終了5-HT4部分作動薬RQ-00000009アルツハイマー病第Ⅰ相臨床試験(注)3全世界シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬RQ-00317076急性痛第Ⅰ相臨床試験実施中(中国)(注)4全世界CB2作動薬-鎮痛等前臨床試験実施中全世界選択的ナトリウムチャネル遮断薬-鎮痛・鎮痒非開示全世界マルホ株式会社P2X7受容体拮抗薬RQ-00466479神経障害性疼痛第Ⅰ相臨床試験終了(日本)(注)5全世界旭化成ファーマ株式会社TRPM8遮断薬RQ-00434739慢性疼痛前臨床試験準備中日本を除く全世界Xgene Pharmaceutical Co. Ltd.(香港)ナトリウムチャネル遮断薬RQ-00350215慢性疼痛前臨床試験準備中全世界久光製薬株式会社(注)1.化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.韓国、中国(香港を含む)及び台湾、米国及び欧州、東南アジア、中南米、中東及びロシアを含む東欧圏諸国等3.Pfizer Inc.(米国)において、第Ⅰ相臨床試験を実施済みです。4.Pfizer Inc.(米国)において、前期第Ⅱ相臨床試験を実施済みです。5.2021年1月にEli Lilly & Company(米国)にサブライセンスされ、現在、第Ⅱ相臨床試験の準備中です。 [動物用医薬品領域]プロジェクト化合物コード(注)主適応症研究開発段階権利地域導出先グレリン受容体作動薬RQ-00000005(capromorelin、ENTYCE®、ELURA®)食欲不振販売中(米国)全世界Elanco Animal Health Inc.(米国)慢性腎疾患の体重減少管理販売中(米国)全世界EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant、GALLIPRANT®)変形性関節症販売中(米国、欧州、日本他)全世界(注)化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。 (C)共同研究プログラム当連結会計年度末現在、製薬企業各社等との共同研究プログラムは、以下のとおりであります。なお、研究内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 5 研究開発活動」をご参照ください。プロジェクト化合物コード共同研究先研究開発段階疼痛領域における特定の蛋白質間相互作用を標的とした共同研究―インタープロテイン株式会社探索研究段階特定のイオンチャネル(*)を標的とした創薬研究に関する共同研究―あすか製薬株式会社探索研究段階特発性小児ネフローゼ症候群治療薬の創出に向けた共同研究―株式会社Epigeneron探索研究段階
FY2020|5,960 文字|出典 docID: S100L2QK
3【事業の内容】当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 (1)事業の概要当社グループは、当社(ラクオリア創薬株式会社)及び連結子会社2社(テムリック株式会社、ラクオリア イノベーションズ株式会社)により構成されております。当社グループは、先端科学技術を活用し、医療分野においてニーズの高い疾患領域に対する新たな医薬品を生み出すことを目指す研究開発型の創薬企業であり、独自に創出した開発候補化合物(*)の知的財産権を製薬企業各社等に対して導出(使用許諾契約によりライセンスアウト)することにより収益を獲得することを事業展開の基本としております。 ① 当社グループの事業の背景製薬業界は、高度化する医療技術の進展や多様化する医療ニーズへの対応等により、今後も更なる成長が見込まれております。その一方で、ジェネリック医薬品の普及に伴う薬剤費の削減や医療保険の適用基準の厳格化の影響等により、医薬品販売高の成長率は鈍化することも予想されております。また、近年の臨床試験の厳格化の流れにより臨床試験の規模が拡大すると共に開発期間が長期化し、製薬企業各社の研究開発費が増加しているため、新薬開発の効率化が製薬企業各社の課題となっております。このような状況の中、製薬企業各社は、医薬品として成功する可能性の高い高品質な開発候補化合物(*)を外部からも積極的に導入し、パイプラインを充実させております。当社グループは研究開発型の創薬企業としてこのような製薬企業各社の期待に応えるべく、前身であるファイザー株式会社中央研究所(以下「ファイザー社中央研究所」)にて蓄積した創薬研究開発に係る経験及びノウハウをベースにした創薬研究開発に加え、アカデミアとの産学連携による共同研究も活用して創薬研究開発事業を展開しております。 ② 医薬品研究開発の一般的進行(*)及び当社グループの事業領域一般的に新薬の開発は、探索研究、前臨床試験、臨床試験、厚生労働省(あるいは米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)等の各国の医薬品許認可審査機関)への製造販売承認申請、医薬品としての承認取得、薬価基準収載(*)を経て行われます。その後、初めて新薬として販売が開始され、病院・医師・患者へ提供することが可能となります。 (注)医薬品の研究開発における標準的な各段階の所要年数は、あくまでも標準的な想定期間を表示したものであり、各プロジェクトがこの想定期間どおりに進捗するとは限りません。各プロジェクトが経過した、あるいは現在進行中の各段階の幅についても、実際の所要期間あるいは想定所要期間を示すものではありません。 当社グループは、医薬品の研究開発段階のうち、探索研究段階、前臨床試験段階及び初期臨床試験段階(うち一部)を主たる事業分野としております。臨床試験段階においては多額の研究開発費が必要となるため、当社グループにおける研究開発に係る費用及びリスク負担を低減する目的から、安全性及び有効性が概ね評価可能となる段階(必要に応じて前期第Ⅱ相臨床試験)までを当社グループにて行い、その後製薬企業各社等へ開発化合物(*)を導出することを基本としております。 ③ 低分子化合物を軸とした研究開発活動当社グループは、主に低分子化合物に係る研究開発を行っております。近年、医薬品業界においては、抗体医薬やワクチン等のいわゆるバイオ医薬の研究開発が盛んに行われておりますが、低分子化合物は依然として医薬品開発の大きな柱であります。当社グループにおきましては、これまで蓄積してきた低分子化合物に係る高い技術力を軸に据えつつ、低分子化合物以外の新たなアプローチによる創薬研究も進めております。 ④ 研究開発活動(A)研究開発の概要当社グループの研究開発部門が行っている研究開発の概要とその流れは、以下のとおりであります。当社グループでは、創薬標的分子(*)の探索から初期臨床試験(主として第Ⅰ相臨床試験、必要に応じて前期第Ⅱ相臨床試験)まで、博士・修士号を有した研究者を中心にこの業務を推進しております。 (B)当社グループの研究開発体制当社グループは、前身のファイザー社中央研究所の創薬研究開発ノウハウを受け継いだ経験豊富な研究員や研究手法をベースに、国内バイオベンチャートップクラスのインフラを最大限に活かした創薬研究開発体制を構築しております。 a)プロジェクトを中心とした研究開発体制当社グループの研究開発体制は、組織横断的なプロジェクトを単位として運営されており、迅速な意思決定及び業務の遂行を可能にしております。実際の業務は、プロジェクト単位で協議し決定され、特に重要な方針に関わる場合は、プロジェクトから経営戦略委員会へ提案が行われ、その決定は速やかにプロジェクト活動に反映されます。 b)研究・開発・営業活動の一体化当社グループにおいては、探索研究から開発そして導出に至るまで、プロジェクトチームが一貫して主体性を持ち、組織横断的に業務を実施しております。これにより、一貫した研究・開発、導出計画の下、必要な情報を随時共有し、適切な情報をタイムリーに導出先企業に提供することを可能としております。 (C)研究開発ポートフォリオ(*)による展開当社グループの研究開発は、創薬の初期段階を担うものであり、少数の限られたプロジェクトを選択して経営資源を集中することにより、研究開発ポートフォリオ(*)を拡充し、製薬企業各社等へ開発候補化合物(*)を導出していくことに重点を置いたものであります。医薬品開発は、研究開発のいずれの段階においても、安全性、有効性及び薬物動態(*)並びにその他の開発上の問題から中止される可能性があります。当社グループにおいては、探索段階から海外市場において上市済みのものまで、各段階のプロジェクトを保有しており、さらに、自社の探索研究から新たな開発化合物(*)を継続して創出する能力を備えていることから、複数のプロジェクトからなる研究開発ポートフォリオ(*)を拡充するとともに、開発リスクを低減し、より安定した事業の遂行を図りたいと考えております。 ⑤ 導出活動当社グループの導出活動は、内外の各製薬企業各社における希少疾患領域や医薬品として成功する可能性の高い高品質な化合物に対するニーズに対応するため、初期探索段階から臨床開発段階までの各段階において保有する研究開発ポートフォリオ(*)のすべてを導出対象とし、機動的かつ柔軟な営業活動を進めております。また、研究開発ポートフォリオ(*)は、各プロジェクトの特性と導出先である製薬企業各社等のニーズに応じて、日本・東アジア・米国・欧州等の地域ごとの導出、あるいは剤形(経口剤、注射剤、局所用剤)ごとの導出、さらには動物用医薬品用途での導出等、様々な形態で導出を図っております。 ⑥ 当社グループの収益当社グループの収益は、探索研究、前臨床試験及び初期臨床試験の成果として創出した開発化合物(*)を製薬企業各社等に導出することにより獲得するものであり、その概要は以下のとおりであります。収 益内 容契約一時金収入契約締結時に、当社グループが提供するそれまでの研究成果の対価等として受け取る収入マイルストン収入契約相手先の研究開発の進捗(契約書に規定された研究開発段階の達成)または売上の進捗(契約書に規定された売上高の達成)に応じて受け取る収入ロイヤルティ収入医薬品の上市後に販売額の一定料率を受け取る収入研究協力金収入共同研究で設定された条件に従って、共同研究の開始に伴い当社グループのそれまでの研究成果を提供する対価等として受け取る収入及び共同研究の期間中に提供する役務等の対価等として受け取る収入 ⑦ 事業系統図当社グループの事業の系統図は、以下のとおりであります。 (2)当社グループの研究開発対象領域及び研究開発ポートフォリオ(*)① 当社グループの研究開発対象領域当社グループは、当社の前身であるファイザー社中央研究所から引き続き消化器疾患領域及び疼痛疾患領域を中心に研究開発活動を行ってまいりましたが、2014年より国立大学法人名古屋大学(以下「名古屋大学」)との産学連携を軸としたアカデミアとの共同研究開発を開始し幅広い疾患領域における魅力ある創薬テーマの研究開発に取り組んでいる他、癌領域に特化したテムリック株式会社も含め、医療ニーズの高い疾患に対する創薬研究開発を進めております。② 当社グループのポートフォリオ(*)及び研究開発の状況一般的に医薬品の研究開発は長期に渡って多額の資金を必要とされております。当社グループは、自社の強みを最大限に活かすべく、当社グループ保有の開発化合物(*)について「選択と集中」を図っております。具体的には、当社グループが強みを持つ探索段階から第Ⅰ相臨床試験を中心に自社単独で開発化合物(*)の研究開発に注力して導出に向けて推進するプログラムを「導出準備プログラム」、第Ⅱ~Ⅲ相臨床試験を中心に導出先が主軸となって開発を進めるプログラムを「導出済みプログラム」と定義しております。また、探索ステージを基本に当社グループと製薬企業各社、双方が強みを持ち寄りイノベーティブな開発化合物(*)の創出を目指す共同研究プログラムを「共同研究プログラム」と定義しております。当連結会計年度末現在の主な「導出準備プログラム」及び「導出済みプログラム」、「共同研究プログラム」の状況は、以下のとおりであります。 (A)導出準備プログラム当連結会計年度末現在の「導出準備プログラム」は、以下のとおりであります。当社グループは、これらのプロジェクトに関して一部導出済みの契約を除き、全世界を対象とする開発、販売及び製造に関する権利を有しております。プログラム化合物コード(注)想定適応症研究開発段階カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)胃食道逆流症(*)第Ⅰ相臨床試験終了(日本)5-HT4部分作動薬RQ-00000010胃不全麻痺機能性胃腸症(*)慢性便秘第Ⅰ相臨床試験終了(英国)5-HT2B拮抗薬RQ-00310941下痢型過敏性腸症候群(*)第Ⅰ相臨床試験終了(英国)モチリン受容体作動薬RQ-00201894胃不全麻痺機能性胃腸症(*)術後イレウス第Ⅰ相臨床試験検討中グレリン受容体作動薬RQ-00433412がんに伴う食欲不振・悪液質脊椎損傷に伴う便秘前臨床試験準備中TRPM8遮断薬RQ-00434739神経障害性疼痛前臨床試験検討中選択的ナトリウムチャネル遮断薬-炎症性・神経障害性疼痛探索段階実施中(注)化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。 (B)導出済みプログラム当連結会計年度末現在、当社グループの導出済みのプログラムの状況は、以下のとおりであります。なお、契約内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。 [ヒト領域]プロジェクト化合物コード(注)1想定適応症研究開発段階権利地域導出先5-HT2A及びD2拮抗薬RQ-00000003(ziprasidone)統合失調症第Ⅲ相臨床試験(日本)日本Meiji Seikaファルマ株式会社カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)胃食道逆流症(*)販売中(韓国)承認申請中 (中国)第Ⅰ相臨床試験終了(米国)韓国他(注)2HK inno.N Corporation(韓国)EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant)変形性関節症第Ⅰ相臨床試験終了(中国)(注)4全世界株式会社AskAt自己免疫疾患、アレルギー、がん第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験実施中(米国、がん)(注)3第Ⅰ相臨床試験実施中(中国、がん)RQ-00000008変形性関節症、自己免疫疾患、アレルギー、がん前臨床試験終了5-HT4部分作動薬RQ-00000009アルツハイマー病第Ⅰ相臨床試験(注)3全世界シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬RQ-00317076急性痛第Ⅰ相臨床試験実施中(中国)(注)4全世界CB2作動薬-鎮痛等 前臨床準備中 全世界選択的ナトリウムチャネル遮断薬-鎮痛・鎮痒非開示全世界マルホ株式会社P2X7受容体拮抗薬RQ-00466479神経障害性疼痛第Ⅰ相臨床試験終了(日本)全世界旭化成ファーマ株式会社(注)1.化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.韓国、中国(香港を含む)及び台湾、米国及び欧州、東南アジア、中南米、中東及びロシアを含む東欧圏諸国等3.Pfizer Inc.(米国)において、第Ⅰ相臨床試験を実施しております。4.Pfizer Inc.(米国)において、前期第Ⅱ相臨床試験を実施しております。[動物領域]プロジェクト化合物コード(注)主適応症研究開発段階権利地域導出先グレリン受容体作動薬RQ-00000005(capromorelin、ENTYCE®)食欲不振販売中(米国)全世界Elanco Animal Health Inc.(米国)慢性腎疾患の体重減少管理承認取得(米国)全世界EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant、GALLIPRANT®)変形性関節症販売中(米国、欧州)全世界(注)化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。 (C)共同研究プログラム当連結会計年度末現在、製薬企業各社等との共同研究プログラムは、以下のとおりであります。なお、研究内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 5 研究開発活動」をご参照ください。プロジェクト化合物コード共同研究先研究開発段階疼痛領域における特定の蛋白質間相互作用を標的とした共同研究―インタープロテイン株式会社探索研究を実施中特定のイオンチャネル(*)を標的とした創薬研究に関する共同研究―あすか製薬株式会社探索研究を実施中特発性小児ネフローゼ症候群治療薬の創出に向けた共同研究―株式会社Epigeneron探索研究を実施中
FY2019|5,939 文字|出典 docID: S100IBIC
3【事業の内容】当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 (1)事業の概要当社グループは、当社(ラクオリア創薬株式会社)及び連結子会社2社(テムリック株式会社、ラクオリア イノベーションズ株式会社)により構成されております。当社グループは、先端科学技術を活用し、医療分野においてニーズの高い疾患領域に対する新たな医薬品を生み出すことを目指す研究開発型の創薬企業であり、独自に創出した開発候補化合物(*)の知的財産権を製薬企業各社等に対して導出(使用許諾契約によりライセンスアウト)することにより収益を獲得することを事業展開の基本としております。 ① 当社グループの事業の背景製薬業界は、高度化する医療技術の進展や多様化する医療ニーズへの対応等により、今後も更なる成長が見込まれております。その一方で、ジェネリック医薬品の普及に伴う薬剤費の削減や医療保険の適用基準の厳格化の影響等により、医薬品販売高の成長率は鈍化することも予想されております。また、近年の臨床試験の厳格化の流れにより臨床試験の規模が拡大すると共に開発期間が長期化し、製薬企業各社の研究開発費が増加しているため、新薬開発の効率化が製薬企業各社の課題となっております。このような状況の中、製薬企業各社は、医薬品として成功する可能性の高い高品質な開発候補化合物(*)を外部からも積極的に導入し、パイプラインを充実させております。当社グループは研究開発型の創薬企業としてこのような製薬企業各社の期待に応えるべく、前身であるファイザー株式会社中央研究所(以下「ファイザー社中央研究所」)にて蓄積した創薬研究開発に係る経験及びノウハウをベースにした創薬研究開発に加え、アカデミアとの産学連携による共同研究も活用して創薬研究開発事業を展開しております。 ② 医薬品研究開発の一般的進行(*)及び当社グループの事業領域一般的に新薬の開発は、探索研究、前臨床試験、臨床試験、厚生労働省(あるいは米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)等の各国の医薬品許認可審査機関)への製造販売承認申請、医薬品としての承認取得、薬価基準収載(*)を経て行われます。その後、初めて新薬として販売が開始され、病院・医師・患者へ提供することが可能となります。 (注)医薬品の研究開発における標準的な各段階の所要年数は、あくまでも標準的な想定期間を表示したものであり、各プロジェクトがこの想定期間どおりに進捗するとは限りません。各プロジェクトが経過した、あるいは現在進行中の各段階の幅についても、実際の所要期間あるいは想定所要期間を示すものではありません。 当社グループは、医薬品の研究開発段階のうち、探索研究段階、前臨床試験段階及び初期臨床試験段階(うち一部)を主たる事業分野としております。臨床試験段階においては多額の研究開発費が必要となるため、当社グループにおける研究開発に係る費用及びリスク負担を低減する目的から、安全性及び有効性が概ね評価可能となる段階(必要に応じて前期第Ⅱ相臨床試験)までを当社グループにて行い、その後製薬企業各社等へ開発化合物(*)を導出することを基本としております。 ③ 低分子化合物を軸とした研究開発活動当社グループは、主に低分子化合物に係る研究開発を行っております。近年、医薬品業界においては、抗体医薬やワクチン等のいわゆるバイオ医薬の研究開発が盛んに行われておりますが、低分子化合物は依然として医薬品開発の大きな柱であります。当社グループにおきましては、これまで蓄積してきた低分子化合物に係る高い技術力を軸に据えつつ、低分子化合物以外の新たなアプローチによる創薬研究も進めております。 ④ 研究開発活動(A)研究開発の概要当社グループの研究開発部門が行っている研究開発の概要とその流れは、以下のとおりであります。当社グループでは、創薬標的分子(*)の探索から初期臨床試験(主として第Ⅰ相臨床試験、必要に応じて前期第Ⅱ相臨床試験)まで、博士・修士号を有した研究者を中心にこの業務を推進しております。 (B)当社グループの研究開発体制当社グループは、前身のファイザー社中央研究所の創薬研究開発ノウハウを受け継いだ経験豊富な研究員や研究手法をベースに、国内バイオベンチャートップクラスのインフラを最大限に活かした創薬研究開発体制を構築しております。 a)プロジェクトを中心とした研究開発体制当社グループの研究開発体制は、組織横断的なプロジェクトを単位として運営されており、迅速な意思決定及び業務の遂行を可能にしております。実際の業務は、プロジェクト単位で協議し決定され、特に重要な方針に関わる場合は、プロジェクトから経営戦略委員会へ提案が行われ、その決定は速やかにプロジェクト活動に反映されます。 b)研究・開発・営業活動の一体化当社グループにおいては、探索研究から開発そして導出に至るまで、プロジェクトチームが一貫して主体性を持ち、組織横断的に業務を実施しております。これにより、一貫した研究・開発、導出計画の下、必要な情報を随時共有し、適切な情報をタイムリーに導出先企業に提供することを可能としております。 (C)研究開発ポートフォリオ(*)による展開当社グループの研究開発は、創薬の初期段階を担うものであり、少数の限られたプロジェクトを選択して経営資源を集中することにより、研究開発ポートフォリオ(*)を拡充し、製薬企業各社等へ開発候補化合物(*)を導出していくことに重点を置いたものであります。医薬品開発は、研究開発のいずれの段階においても、安全性、有効性及び薬物動態(*)並びにその他の開発上の問題から中止される可能性があります。当社グループにおいては、探索段階から海外市場において上市済みのものまで、各段階のプロジェクトを保有しており、さらに、自社の探索研究から新たな開発化合物(*)を継続して創出する能力を備えていることから、複数のプロジェクトからなる研究開発ポートフォリオ(*)を拡充するとともに、開発リスクを低減し、より安定した事業の遂行を図りたいと考えております。 ⑤ 導出活動当社グループの導出活動は、内外の各製薬企業各社における希少疾患領域や医薬品として成功する可能性の高い高品質な化合物に対するニーズに対応するため、初期探索段階から臨床開発段階までの各段階において保有する研究開発ポートフォリオ(*)のすべてを導出対象とし、機動的かつ柔軟な営業活動を進めております。また、研究開発ポートフォリオ(*)は、各プロジェクトの特性と導出先である製薬企業各社等のニーズに応じて、日本・東アジア・米国・欧州等の地域ごとの導出、あるいは剤形(経口剤、注射剤、局所用剤)ごとの導出、さらには動物用医薬品用途での導出等、様々な形態で導出を図っております。 ⑥ 当社グループの収益当社グループの収益は、探索研究、前臨床試験及び初期臨床試験の成果として創出した開発化合物(*)を製薬企業各社等に導出することにより獲得するものであり、その概要は以下のとおりであります。収 益内 容契約一時金収入契約締結時に、当社グループが提供するそれまでの研究成果の対価等として受け取る収入マイルストン収入契約相手先の研究開発の進捗(契約書に規定された研究開発段階の達成)または売上の進捗(契約書に規定された売上高の達成)に応じて受け取る収入ロイヤルティ収入医薬品の上市後に販売額の一定料率を受け取る収入研究協力金収入共同研究で設定された条件に従って、共同研究の開始に伴い当社グループのそれまでの研究成果を提供する対価等として受け取る収入及び共同研究の期間中に提供する役務等の対価等として受け取る収入 ⑦ 事業系統図当社グループの事業の系統図は、以下のとおりであります。 (2)当社グループの研究開発対象領域及び研究開発ポートフォリオ(*)① 当社グループの研究開発対象領域当社グループは、当社の前身であるファイザー社中央研究所から引き続き消化器疾患領域及び疼痛疾患領域を中心に研究開発活動を行ってまいりましたが、2014年より国立大学法人名古屋大学(以下「名古屋大学」)との産学連携を軸としたアカデミアとの共同研究開発を開始し幅広い疾患領域における魅力ある創薬テーマの研究開発に取り組んでいる他、癌領域に特化したテムリック株式会社も含め、医療ニーズの高い疾患に対する創薬研究開発を進めております。② 当社グループのポートフォリオ(*)及び研究開発の状況一般的に医薬品の研究開発は長期に渡って多額の資金を必要とされております。当社グループは、自社の強みを最大限に活かすべく、当社グループ保有の開発化合物(*)について「選択と集中」を図っております。具体的には、当社グループが強みを持つ探索段階から第Ⅰ相臨床試験を中心に自社単独で開発化合物(*)の研究開発に注力して導出に向けて推進するプログラムを「導出準備プログラム」、第Ⅱ~Ⅲ相臨床試験を中心に導出先が主軸となって開発を進めるプログラムを「導出済みプログラム」と定義しております。また、探索ステージを基本に当社グループと製薬企業各社、双方が強みを持ち寄りイノベーティブな開発化合物(*)の創出を目指す共同研究プログラムを「共同研究プログラム」と定義しております。当連結会計年度末現在の主な「導出準備プログラム」及び「導出済みプログラム」、「共同研究プログラム」の状況は、以下のとおりであります。 (A)導出準備プログラム当連結会計年度末現在の「導出準備プログラム」は、以下のとおりであります。当社グループは、これらのプロジェクトに関して一部導出済みの契約を除き、全世界を対象とする開発、販売及び製造に関する権利を有しております。プログラム化合物コード(注)想定適応症研究開発段階カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)胃食道逆流症(*)第Ⅰ相臨床試験終了(日本)5-HT4部分作動薬RQ-00000010胃不全麻痺機能性胃腸症(*)慢性便秘第Ⅰ相臨床試験終了(英国)5-HT2B拮抗薬RQ-00310941下痢型過敏性腸症候群(*)第Ⅰ相臨床試験終了(英国)モチリン受容体作動薬RQ-00201894胃不全麻痺機能性胃腸症(*)術後イレウス第Ⅰ相臨床試験検討中グレリン受容体作動薬RQ-00433412がんに伴う食欲不振・悪液質脊椎損傷に伴う便秘前臨床試験準備中TRPM8遮断薬RQ-00434739神経障害性疼痛前臨床試験準備中選択的ナトリウムチャネル遮断薬-炎症性・神経障害性疼痛探索段階実施中(注)化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。 (B)導出済みプログラム当連結会計年度末現在、当社グループの導出済みのプログラムの状況は、以下のとおりであります。なお、契約内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。 [ヒト領域]プロジェクト化合物コード(注)1想定適応症研究開発段階権利地域導出先5-HT2A及びD2拮抗薬RQ-00000003(ziprasidone)統合失調症第Ⅲ相臨床試験実施中(日本)日本Meiji Seikaファルマ株式会社カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)胃食道逆流症(*)販売中(韓国)第Ⅲ相臨床試験実施中(中国)第Ⅰ相臨床試験終了(米国)韓国他(注)2CJ HealthCare Corporation(韓国)EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant)変形性関節症第Ⅰ相臨床試験実施中(中国)(注)4全世界株式会社AskAt自己免疫疾患、アレルギー、がん第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験実施中(米国、がん)(注)3第Ⅰ相臨床試験実施中(中国、がん)RQ-00000008変形性関節症、自己免疫疾患、アレルギー、がん前臨床試験終了5-HT4部分作動薬RQ-00000009アルツハイマー病第Ⅰ相臨床試験(注)3全世界シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬RQ-00317076急性痛第Ⅰ相臨床試験実施中(中国)(注)4全世界CB2作動薬-鎮痛等 前臨床準備中 全世界選択的ナトリウムチャネル遮断薬-鎮痛・鎮痒非開示全世界マルホ株式会社P2X7受容体拮抗薬RQ-00466479神経障害性疼痛非開示全世界旭化成ファーマ株式会社(注)1.化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.韓国、中国(香港を含む)及び台湾、米国及び欧州、東南アジア、中南米、中東及びロシアを含む東欧圏諸国等3.Pfizer Inc.(米国)において、第Ⅰ相臨床試験を実施しております。4.Pfizer Inc.(米国)において、前期第Ⅱ相臨床試験を実施しております。[動物領域]プロジェクト化合物コード(注)主適応症研究開発段階権利地域導出先グレリン受容体作動薬RQ-00000005(capromorelin、ENTYCE®)食欲不振販売中(米国)全世界Elanco Animal Health Inc.(米国)EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant、GALLIPRANT®)変形性関節症販売中(米国、欧州)全世界(注)化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。 (C)共同研究プログラム当連結会計年度末現在、製薬企業各社等との共同研究プログラムは、以下のとおりであります。なお、研究内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 5 研究開発活動」をご参照ください。プロジェクト化合物コード共同研究先研究開発段階疼痛領域における特定の蛋白質間相互作用を標的とした共同研究―インタープロテイン株式会社探索研究を実施中特定のイオンチャネル(*)を標的とした創薬研究に関する共同研究―あすか製薬株式会社探索研究を実施中特発性小児ネフローゼ症候群治療薬の創出に向けた共同研究―株式会社Epigeneron探索研究を実施中
FY2018|6,215 文字|出典 docID: S100FGNT
3【事業の内容】当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 (1)事業の概要当社グループは、当社(ラクオリア創薬株式会社)及び連結子会社2社(テムリック株式会社、ラクオリア イノベーションズ株式会社)により構成されております。当社グループは、先端科学技術を活用し、医療分野においてニーズの高い疾患領域に対する新たな医薬品を生み出すことを目指す研究開発型の創薬企業であり、独自に創出した開発候補化合物(*)(低分子化合物医薬)の知的財産権を製薬会社等に対して導出(使用許諾契約によりライセンスアウト)することにより収益を獲得することを事業展開の基本としております。 ① 当社グループの事業の背景製薬産業は、中国を始めとする新興国市場の需要拡大や多様化する医療ニーズへの対応等により、今後も更なる成長が見込まれております。その一方で、既存医薬品の特許切れによるジェネリック医薬品の参入、医療保険の適用基準の厳格化の影響等により、今後、医薬品販売高の成長率は鈍化するといった指摘もあります。しかしながら、大手製薬会社の大型医薬品の特許切れが続いていることから、特許切れに伴う収益減少を補完するため、これらの製薬会社にとって、新たな医薬品の開発が重要な課題となっております。近年臨床試験の厳格化等により、臨床試験の規模の拡大に伴う開発期間の長期化により、製薬会社の研究開発費が増加する傾向にある一方で、新薬の承認取得数は減少傾向にあるため、新薬開発の効率化が製薬会社の課題となっております。このような状況の中、製薬会社は、医薬品として成功する可能性の高い高品質な開発候補化合物(*)を外部から導入して、パイプラインを充実させる傾向にあります。当社グループは研究開発型の創薬企業としてこうした製薬会社の期待に応えるべく、前身であるファイザー株式会社中央研究所(以下、「ファイザー社中央研究所」)にて蓄積した創薬研究に係る経験及びノウハウを活用し、事業を展開しております。 ② 医薬品研究開発の一般的進行(*)及び当社グループの事業領域一般的に新薬の開発は、探索研究、前臨床試験、臨床試験、厚生労働省(あるいは米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)等の各国の医薬品許認可審査機関)への製造販売承認申請、医薬品としての承認取得、薬価基準収載(*)を経て行われます。その後、初めて新薬として販売が開始され、病院・医師・患者へ提供することが可能となります。(注)医薬品の研究開発における標準的な各段階の所要年数は、あくまでも標準的な想定期間を表示したものであり、各プロジェクトがこの想定期間どおりに進捗するとは限りません。各プロジェクトが経過した、あるいは現在進行中の各段階の幅についても、実際の所要期間あるいは想定所要期間を示すものではありません。 当社グループは、医薬品の研究開発段階のうち、探索研究段階、前臨床試験段階及び初期臨床試験段階(うち一部)を主たる事業分野としております。臨床試験段階においては多額の研究開発費が必要となるため、当社グループにおける研究開発に係る費用及びリスク負担を低減する目的から、安全性及び有効性が概ね評価可能となる段階(必要に応じて前期第Ⅱ相臨床試験)までを当社グループにて行い、その後製薬会社等へ開発化合物(*)を導出することを基本としております。 ③ 低分子化合物医薬への特化当社グループは、主に低分子化合物に係る研究開発を行っております。近年、医薬品業界においては、抗体医薬やワクチン等のいわゆるバイオ医薬の研究開発が盛んに行われておりますが、低分子化合物は依然として医薬品開発の大きな柱であります。当社グループにおいては、低分子化合物において高い専門性を有していることから、当面は低分子化合物を中心とした研究開発を推進していく方針であります。 ④ 研究開発活動(A)研究開発の概要当社グループの研究開発部門が行っている研究開発の概要とその流れは、以下のとおりであります。当社グループでは、創薬標的分子(*)の探索から初期臨床試験(主として第Ⅰ相臨床試験、必要に応じて前期第Ⅱ相臨床試験)まで、博士・修士号を有した研究者を中心にこの業務を推進しております。 (B)当社グループの研究開発体制当社グループは、前身であるファイザー社中央研究所の創薬研究に係る主要な機能及び研究設備を引き継いでおります。当社グループは、研究領域において豊富な知識、経験及びノウハウを有する従業員が在籍しており、国内外の研究機関に引けを取らない創薬研究開発環境が構築されています。 a)プロジェクトを中心とした研究開発体制当社グループの研究開発体制は、組織横断的なプロジェクトを単位として運営されており、迅速な意思決定及び業務の遂行を可能にしております。実際の業務は、プロジェクト単位で協議し決定され、特に重要な方針に関わる場合は、プロジェクトから経営戦略委員会へ提案が行われ、その決定は速やかにプロジェクト活動に反映されます。 b)研究・開発・営業活動の一体化当社グループにおいては、探索研究から開発そして導出に至るまで、プロジェクトチームが一貫して主体性を持ち、組織横断的に業務を実施しております。これにより、一貫した研究・開発、導出計画の下、必要な情報を随時共有し、適切な情報をタイムリーに導出先企業に提供することを可能としております。 (C)研究開発ポートフォリオ(*)による展開当社グループの研究開発は、創薬の初期段階を担うものであり、少数の限られたプロジェクトを選択して経営資源を集中することにより、研究開発ポートフォリオ(*)を拡充し、製薬会社等へ開発候補化合物(*)を導出していくことに重点を置いたものであります。医薬品開発は、研究開発のいずれの段階においても、安全性、有効性及び薬物動態(*)並びにその他の開発上の問題から中止される可能性があります。当社グループにおいては、探索段階から海外市場において上市済みのものまで、各段階のプロジェクトを保有しており、さらに、自社の探索研究から新たな開発化合物(*)を継続して創出する能力を備えていることから、複数のプロジェクトからなる研究開発ポートフォリオ(*)を拡充するとともに、開発リスクを低減し、より安定した事業の遂行を図りたいと考えております。 ⑤ 導出活動当社グループの導出活動は、前臨床試験及び臨床試験を通じて、ヒトにおける安全性及び有効性が評価可能となった段階にて、開発化合物(*)を製薬会社へ導出することを基本としてきました。しかしながら、近年の各製薬会社等の動向は、医薬品として成功する可能性の高い高品質な化合物を、研究開発の段階を問わず、創薬ベンチャー企業や大学などの研究機関等に求めるケースが増加していることから、当社グループは、初期探索段階から臨床開発段階までの各段階において保有する研究開発ポートフォリオ(*)のすべてを導出対象とし、機動的かつ柔軟な営業活動を展開しております。また、当社グループの研究開発ポートフォリオ(*)は、その研究開発戦略の特性から、全世界を対象とする開発、販売及び製造に関する権利の導出を最優先の目標としておりますが、一方では、それに捉われることなく、各プロジェクトの特性と導出先である製薬会社等のニーズに応じて、日本・東アジア・米国・欧州等の地域ごとの導出、あるいは剤形(経口剤、注射剤、局所用剤)ごとの導出、さらには動物用医薬品用途での導出等、収益の最大化を図るべく様々な形態で導出を図る方針であります。 ⑥ 当社グループの収益当社グループの収益は、探索研究、前臨床試験及び初期臨床試験の成果として創出した開発化合物(*)を製薬会社等に導出することにより獲得するものであり、その概要は以下のとおりであります。収 益内 容契約一時金収入契約締結時に、当社グループが提供するそれまでの研究成果の対価等として受け取る収入マイルストン収入契約相手先の研究開発の進捗(契約書に規定された研究開発段階の達成)または売上の進捗(契約書に規定された売上高の達成)に応じて受け取る収入ロイヤルティ収入医薬品の上市後に販売額の一定料率を受け取る収入研究協力金収入共同研究で設定された条件に従って、共同研究の開始に伴い当社グループのそれまでの研究成果を提供する対価等として受け取る収入及び共同研究の期間中に提供する役務等の対価等として受け取る収入 ⑦ 事業系統図当社グループの事業の系統図は、以下のとおりであります。 (2)当社グループの研究開発対象領域及び研究開発ポートフォリオ(*)① 当社グループの研究開発対象領域当社グループは、前身であるファイザー社中央研究所から引き続き、主として疼痛疾患領域及び消化管疾患領域を研究開発の中核として位置付けており、当該領域における豊富なノウハウを蓄積しております。当該2つの事業領域に関して、医薬品としての全世界の市場規模は拡大傾向にあり、今後も市場成長が見込まれるものと想定しており、これらの領域を柱として研究開発を推進していく方針であります。一方、平成26年から平成27年にかけて研究拠点を国立大学法人名古屋大学(以下「名古屋大学」)のキャンパス内に移転したことにより、名古屋大学を中心としたアカデミアからあらゆる疾患領域における魅力ある創薬テーマの提供を受けており、今後はこれまでの2つの疾患領域に加えて医療ニーズの高い疾患に対する創薬研究も推進していく方針であります。 ② 当社グループのポートフォリオ(*)及び研究開発の状況一般的に医薬品の研究開発は長期に渡って多額の資金を必要とされています。当社グループは、自社の強みを最大限に活かすべく、当社グループ保有の開発化合物(*)について「選択と集中」を図っております。具体的には、当社グループが強みを持つ探索段階から第Ⅰ相臨床試験を中心に自社単独で開発化合物(*)の研究開発に注力して導出に向けて推進するプログラムを「導出準備プログラム」、第Ⅱ~Ⅲ相臨床試験を中心に導出先が主軸となって開発を進めるプログラムを「導出済みプログラム」と定義しております。また、探索ステージを基本に当社グループと製薬会社、双方が強みを持ち寄りイノベーティブな開発化合物(*)の創出を目指す共同研究プログラムを「共同研究プログラム」と定義しております。当連結会計年度末現在の主な「導出準備プログラム」及び「導出済みプログラム」、「共同研究プログラム」の状況は、以下のとおりであります。 (A)導出準備プログラム当連結会計年度末現在、「導出準備プログラム」は以下のとおりであります。当社グループは、これらのプロジェクトに関して一部導出済みの契約を除き、全世界を対象とする開発、販売及び製造に関する権利を有しております。プログラム化合物コード(注)想定適応症研究開発段階カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)胃食道逆流症(*)第Ⅰ相臨床試験終了(日本、米国)5-HT4部分作動薬RQ-00000010胃不全麻痺機能性胃腸症(*)慢性便秘第Ⅰ相臨床試験終了(英国)5-HT2B拮抗薬RQ-00310941下痢型過敏性腸症候群(*)第Ⅰ相臨床試験終了(英国)モチリン受容体作動薬RQ-00201894胃不全麻痺機能性胃腸症(*)術後イレウス第Ⅰ相臨床試験検討中グレリン受容体作動薬RQ-00433412がんに伴う食欲不振・悪液質前臨床試験準備中TRPM8遮断薬RQ-00434739神経障害性疼痛前臨床試験準備中選択的ナトリウムチャネル遮断薬-炎症性・神経障害性疼痛探索段階実施中(注)化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。 (B)導出済みプログラム当連結会計年度末現在、当社グループの導出済みのプログラムの状況は、以下のとおりであります。なお、契約内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。 [ヒト領域]プロジェクト化合物コード(注)1想定適応症研究開発段階権利地域導出先D2及び5-HT2A拮抗薬RQ-00000003(ziprasidone)統合失調症第Ⅲ相臨床試験実施中(日本)日本Meiji Seikaファルマ株式会社カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)胃食道逆流症承認(韓国)第Ⅲ相臨床試験実施中(中国)韓国他(注)2CJ HealthCare Corporation(韓国)EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant)変形性関節症第Ⅰ相試験実施中(中国)(注)4全世界株式会社AskAt自己免疫疾患、アレルギー、がん第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験実施中(米国、がん)(注)3RQ-00000008変形性関節症、自己免疫疾患、アレルギー、がん前臨床試験終了5-HT4部分作動薬RQ-00000009アルツハイマー病第Ⅰ相臨床試験(注)3全世界シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬RQ-00317076急性痛第Ⅰ相臨床試験準備中(中国)(注)4全世界選択的ナトリウムチャネル遮断薬-鎮痛・鎮痒前臨床試験実施中全世界マルホ株式会社P2X7受容体拮抗薬RQ-00466479神経障害性疼痛前臨床試験実施中全世界旭化成ファーマ株式会社(注)1.化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.韓国、中国(香港を含む)、台湾及び東南アジア、中南米、中東、ロシアを含む東欧圏諸国3.Pfizer Inc.(米国)において、第Ⅰ相臨床試験を実施しております。4.Pfizer Inc.(米国)において、前期第Ⅱ相臨床試験を実施しております。 [動物領域]プロジェクト化合物コード(注)主適応症研究開発段階権利地域導出先グレリン受容体作動薬RQ-00000005(capromorelin、ENTYCE®)食欲不振販売中(米国)全世界Aratana Therapeutics, Inc.(米国)EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant、GALLIPRANT®)変形性関節症販売中(米国)承認(欧州)全世界(注)化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。 (C)共同研究プログラム当連結会計年度末現在、製薬会社等との共同研究プログラムは、以下のとおりであります。なお、研究内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 5 研究開発活動」をご参照ください。プロジェクト化合物コード共同研究先研究開発段階疼痛領域における特定の蛋白質間相互作用を標的とした共同研究―インタープロテイン株式会社探索研究を実施中
FY2017|6,230 文字|出典 docID: S100CP5R
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の子会社)は、単一セグメントであるため、セグメントの情報は記載しておりません。 (1)事業の概要当社グループは、当社(ラクオリア創薬株式会社)及び子会社(テムリック株式会社)により構成されております。当社グループは、先端科学技術を活用し、医療分野においてニーズの高い疾患領域に対する新たな医薬品を生み出すことを目指す研究開発型の創薬企業であり、独自に創出した開発候補化合物(*)(低分子化合物医薬)の知的財産権を製薬会社等に対して導出(使用許諾契約によりライセンスアウト)することにより収益を獲得することを事業展開の基本としております。 ① 当社グループの事業の背景製薬産業は、中国を始めとする新興国市場の需要拡大や多様化する医療ニーズへの対応等により、今後も更なる成長が見込まれております。その一方で、既存医薬品の特許切れによるジェネリック医薬品の参入、医療保険の適用基準の厳格化の影響等により、今後、医薬品販売高の成長率は鈍化するといった指摘もあります。しかしながら、大手製薬会社の大型医薬品の特許切れが続いていることから、特許切れに伴う収益減少を補完するため、これらの製薬会社にとって、新たな医薬品の開発が重要な課題となっております。近年臨床試験の厳格化等により、臨床試験の規模の拡大に伴う開発期間の長期化により、製薬会社の研究開発費が増加する傾向にある一方で、新薬の承認取得数は減少傾向にあるため、新薬開発の効率化が製薬会社の課題となっております。このような状況の中、製薬会社は、医薬品として成功する可能性の高い高品質な開発候補化合物を外部から導入して、パイプラインを充実させる傾向にあります。当社グループは研究開発型の創薬企業としてこうした製薬会社の期待に応えるべく、前身であるファイザー株式会社中央研究所(以下、「ファイザー社中央研究所」)にて蓄積した創薬研究に係る経験及びノウハウを活用し、事業を展開しております。 ② 医薬品研究開発の一般的進行(*)及び当社グループの事業領域一般的に新薬の開発は、探索研究、前臨床試験、臨床試験、厚生労働省(あるいは米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)等の各国の医薬品許認可審査機関)への製造販売承認申請、医薬品としての承認取得、薬価基準収載(*)を経て行われます。その後、初めて新薬として販売が開始され、病院・医師・患者へ提供することが可能となります。(注)医薬品の研究開発における標準的な各段階の所要年数は、あくまでも標準的な想定期間を表示したものであり、各プロジェクトがこの想定期間どおりに進捗するとは限りません。各プロジェクトが経過した、あるいは現在進行中の各段階の幅についても、実際の所要期間あるいは想定所要期間を示すものではありません。 当社グループは、医薬品の研究開発段階のうち、探索研究段階、前臨床試験段階及び初期臨床試験段階(うち一部)を主たる事業分野としております。臨床試験段階においては多額の研究開発費が必要となるため、当社グループにおける研究開発に係る費用及びリスク負担を低減する目的から、安全性及び有効性が概ね評価可能となる段階(必要に応じて前期第Ⅱ相臨床試験)までを当社グループにて行い、その後製薬会社等へ開発化合物を導出することを基本としております。 ③ 低分子化合物医薬への特化当社グループは、主に低分子化合物に係る研究開発を行っております。近年、医薬品業界においては、抗体医薬やワクチン等のいわゆるバイオ医薬の研究開発が盛んに行われておりますが、低分子化合物は依然として医薬品開発の大きな柱であります。当社グループにおいては、低分子化合物において高い専門性を有していることから、当面は低分子化合物を中心とした研究開発を推進していく方針であります。 ④ 研究開発活動(A)研究開発の概要当社グループの研究開発部門が行っている研究開発の概要とその流れは、以下のとおりであります。当社グループでは、創薬標的分子(*)の探索から初期臨床試験(主として第Ⅰ相臨床試験、必要に応じて前期第Ⅱ相臨床試験)まで、博士・修士号を有した研究者を中心にこの業務を推進しております。 (B)当社グループの研究開発体制当社グループは、前身であるファイザー社中央研究所の創薬研究に係る主要な機能及び研究設備を引き継いでおります。当社グループは、研究領域において豊富な知識、経験及びノウハウを有する従業員が在籍しており、国内外の研究機関に引けを取らない創薬研究開発環境が構築されています。 a)プロジェクトを中心とした研究開発体制当社グループの研究開発体制は、組織横断的なプロジェクトを単位として運営されており、迅速な意思決定及び業務の遂行を可能にしております。実際の業務は、プロジェクト単位で協議し決定され、特に重要な方針に関わる場合は、プロジェクトから経営戦略委員会へ提案が行われ、その決定は速やかにプロジェクト活動に反映されます。 b)研究・開発・営業活動の一体化当社グループにおいては、探索研究から開発そして導出に至るまで、プロジェクトチームが一貫して主体性を持ち、組織横断的に業務を実施しております。これにより、一貫した研究・開発、導出計画の下、必要な情報を随時共有し、適切な情報をタイムリーに導出先企業に提供することを可能としております。 (C)研究開発ポートフォリオ(*)による展開当社グループの研究開発は、創薬の初期段階を担うものであり、少数の限られたプロジェクトを選択して経営資源を集中することにより、研究開発ポートフォリオを拡充し、製薬会社等へ開発候補化合物を導出していくことに重点を置いたものであります。医薬品開発は、研究開発のいずれの段階においても、安全性、有効性及び薬物動態(*)並びにその他の開発上の問題から中止される可能性があります。当社グループにおいては、探索段階から海外市場において上市済みのものまで、各段階のプロジェクトを保有しており、さらに、自社の探索研究から新たな開発化合物を継続して創出する能力を備えていることから、複数のプロジェクトからなる研究開発ポートフォリオを拡充するとともに、開発リスクを低減し、より安定した事業の遂行を図りたいと考えております。 ⑤ 導出活動当社グループの導出活動は、前臨床試験及び臨床試験を通じて、ヒトにおける安全性及び有効性が評価可能となった段階にて、開発化合物を製薬会社へ導出することを基本としてきました。しかしながら、近年の各製薬会社等の動向は、医薬品として成功する可能性の高い高品質な化合物を、研究開発の段階を問わず、創薬ベンチャー企業や大学などの研究機関等に求めるケースが増加していることから、当社グループは、初期探索段階から臨床開発段階までの各段階において保有する研究開発ポートフォリオのすべてを導出対象とし、機動的かつ柔軟な営業活動を展開しております。また、当社グループの研究開発ポートフォリオは、その研究開発戦略の特性から、全世界を対象とする開発、販売及び製造に関する権利の導出を最優先の目標としておりますが、一方では、それに捉われることなく、各プロジェクトの特性と導出先である製薬会社等のニーズに応じて、日本・東アジア・米国・欧州等の地域ごとの導出、あるいは剤形(経口剤、注射剤、局所用剤)ごとの導出、さらには動物用医薬品用途での導出等、収益の最大化を図るべく様々な形態で導出を図る方針であります。 ⑥ 当社グループの収益当社グループの収益は、探索研究、前臨床試験及び初期臨床試験の成果として創出した開発化合物を製薬会社等に導出することにより獲得するものであり、その概要は以下のとおりであります。収 益内 容契約一時金収入契約締結時に、当社グループが提供するそれまでの研究成果の対価等として受け取る収入マイルストン収入契約相手先の研究開発の進捗(契約書に規定された研究開発段階の達成)または売上の進捗(契約書に規定された売上高の達成)に応じて受け取る収入ロイヤルティ収入医薬品の上市後に販売額の一定料率を受け取る収入研究協力金収入共同研究で設定された条件に従って、共同研究の開始に伴い当社グループのそれまでの研究成果を提供する対価等として受け取る収入及び共同研究の期間中に提供する役務等の対価等として受け取る収入 ⑦ 事業系統図当社グループの事業の系統図は、以下のとおりであります。 (2)当社グループの研究開発対象領域及び研究開発ポートフォリオ① 当社グループの研究開発対象領域当社グループは、前身であるファイザー社中央研究所から引き続き、主として疼痛疾患領域及び消化管疾患領域を研究開発の中核として位置付けており、当該領域における豊富なノウハウを蓄積しております。当該2つの事業領域に関して、医薬品としての全世界の市場規模は拡大傾向にあり、今後も市場成長が見込まれるものと想定しており、これらの領域を柱として研究開発を推進していく方針であります。一方、平成26年から平成27年にかけて研究拠点を名古屋大学のキャンパス内に移転したことにより、名古屋大学を中心としたアカデミアからあらゆる疾患領域における魅力ある創薬テーマの提供を受けており、今後はこれまでの2つ疾患領域に加えて医療ニーズの高い疾患に対する創薬研究も推進していく方針であります。 ② 当社グループのポートフォリオ及び研究開発の状況一般的に医薬品の研究開発は長期に渡って多額の資金を必要とされています。当社グループは、自社の強みを最大限に活かすべく、当社グループ保有の開発化合物について「選択と集中」を図っております。具体的には、当社グループが強みを持つ探索段階から第Ⅰ相臨床試験を中心に自社単独で開発化合物の研究開発に注力して導出に向けて推進するプログラムを「導出準備プログラム」、第Ⅱ~Ⅲ相臨床試験を中心に導出先が主軸となって開発を進めるプログラムを「導出済みプログラム」と定義しております。また、探索ステージを基本に当社グループと製薬会社、双方が強みを持ち寄りイノベーティブな開発化合物の創出を目指す共同研究プログラムを「共同研究プログラム」と定義しております。当連結会計年度末現在の主な「導出準備プログラム」及び「導出済みプログラム」、「共同研究プログラム」の状況は、以下のとおりであります。 (A)導出準備プログラム当連結会計年度末現在、「導出準備プログラム」は以下のとおりであります。当社グループは、これらのプロジェクトに関して一部導出済みの契約を除き、全世界を対象とする開発、販売及び製造に関する権利を有しております。プログラム化合物コード(注)想定適応症研究開発段階カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)胃食道逆流症第Ⅰ相臨床試験終了(日本、米国)5-HT4部分作動薬RQ-00000010胃不全麻痺機能性胃腸症慢性便秘第Ⅰ相臨床試験終了(英国)5-HT2B拮抗薬RQ-00310941下痢型過敏性腸症候群(*)第Ⅰ相臨床試験実施中(英国)モチリン受容体作動薬RQ-00201894胃不全麻痺機能性胃腸症術後イレウス前臨床試験終了TRPM8遮断薬RQ-00434739神経障害性疼痛前臨床試験準備中グレリン受容体作動薬RQ-00433412がんに伴う食欲不振・悪液質前臨床試験準備中選択的ナトリウムチャネル遮断薬-炎症性・神経障害性疼痛探索段階実施中(注)化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。 (B)導出済みプログラム当連結会計年度末現在、当社グループの導出済みのプログラムの状況は、以下のとおりであります。なお、契約内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。[ヒト領域]プロジェクト化合物コード(注)1想定適応症研究開発段階権利地域導出先D2および5-HT2A拮抗薬RQ-00000003(ziprasidone)統合失調症第Ⅲ相臨床試験実施中(日本)日本Meiji Seikaファルマ株式会社カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)胃食道逆流症他NDA申請中(韓国)第Ⅰ相臨床試験実施中(中国)韓国他(注)2CJ HealthCare Corporation(韓国)EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant)変形性関節症第Ⅰ相試験準備中(中国)(注)3全世界株式会社AskAt自己免疫疾患、アレルギー、がん第Ⅱ相臨床研究準備中(米国、がん)(注)3RQ-00000008変形性関節症、自己免疫疾患、アレルギー、がん前臨床試験終了5-HT4部分作動薬RQ-00000009アルツハイマー病第Ⅰ相臨床試験(注)3全世界シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬RQ-00317076急性痛第Ⅱ相臨床試験(注)5全世界株式会社AskAt選択的ナトリウムチャネル遮断薬-鎮痛・鎮痒前臨床試験準備中全世界マルホ株式会社(注)1.化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.韓国、中国(香港を含む)、台湾及び東南アジア、中南米、中東、ロシアを含む東欧圏諸国3.米国ファイザー社において、第Ⅰ相臨床試験を実施しております。4.韓国、中国(香港を含む)、台湾、インド及び東南アジア5.米国ファイザー社において、前期第Ⅱ相臨床試験を実施しております。 [動物領域]プロジェクト化合物コード(注)1想定適応症研究開発段階権利地域導出先グレリン受容体作動薬RQ-00000005(capromorelin)体重減少、食欲不振販売中(米国)全世界Aratana Therapeutics, Inc.(米国)EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant)変形性関節症販売中(米国)承認申請(欧州)全世界(注)2(注)1.化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社グループで研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.注射剤については日本、中国、韓国、台湾を除きます。 (C)共同研究プログラム当連結会計年度末現在、製薬会社等との共同研究プログラムは、以下のとおりであります。なお、契約内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 5経営上の重要な契約等」をご参照ください。プロジェクト化合物コード共同研究先研究開発段階疼痛領域における特定の蛋白質間相互作用を標的とした共同研究―インタープロテイン株式会社探索研究を実施中疼痛領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究―XuanZhu Pharma Co., Ltd探索研究を実施中疼痛領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究―旭化成ファーマ株式会社探索研究を実施中
FY2016|6,244 文字|出典 docID: S1009ZZN
3【事業の内容】当社は、単一セグメントであるため、セグメントの情報は記載しておりません。 (1)事業の概要当社は、先端科学技術を活用し、医療分野においてニーズの高い疾患領域に対する新たな医薬品を生み出すことを目指す研究開発型の創薬企業であり、独自に創出した新薬の開発化合物(*)の知的財産権を製薬会社等に対して導出(使用許諾契約によりライセンスアウト)することにより収益を獲得することを事業展開の基本としております。 ① 当社の事業の背景製薬産業は、中国を始めとする新興国市場の需要拡大や多様化する医療ニーズへの対応等により、今後も更なる成長が見込まれております。その一方で、既存医薬品の特許切れによるジェネリック医薬品の参入、医療保険の適用基準の厳格化の影響等により、今後、医薬品販売高の成長率は鈍化するといった指摘もあります。しかしながら、大手製薬会社の大型医薬品の特許切れが続いていることから、特許切れに伴う収益減少を補完するため、これらの製薬会社にとって、新たな医薬品の開発が重要な課題となっております。近年臨床試験の厳格化等により、臨床試験の規模の拡大に伴う開発期間の長期化により、製薬会社の研究開発費が増加する傾向にある一方で、新薬の承認取得数は減少傾向にあるため、新薬開発の効率化が製薬会社の課題となっております。このような状況の中、製薬会社は、医薬品として成功する可能性の高い高品質な開発候補化合物を外部から導入して、パイプラインを充実させる傾向にあります。当社は研究開発型の創薬企業としてこうした製薬会社の期待に応えるべく、前身であるファイザー株式会社中央研究所(以下、「ファイザー社中央研究所」)にて蓄積した創薬研究に係る経験及びノウハウを活用し、事業を展開しております。 ② 医薬品研究開発の一般的進行(*)及び当社の事業領域一般的に新薬の開発は、探索研究、前臨床試験、臨床試験、厚生労働省(あるいは米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)等の各国の医薬品許認可審査機関)への製造販売承認申請、医薬品としての承認取得、薬価基準収載(*)を経て行われます。その後、初めて新薬として販売が開始され、病院・医師・患者へ提供することが可能となります。 (注)医薬品の研究開発における標準的な各段階の所要年数は、あくまでも標準的な想定期間を表示したものであり、各プロジェクトがこの想定期間どおりに進捗するとは限りません。各プロジェクトが経過した、あるいは現在進行中の各段階の幅についても、実際の所要期間あるいは想定所要期間を示すものではありません。 当社は、医薬品の研究開発段階のうち、探索研究段階、前臨床試験段階及び臨床試験段階(うち一部)を主たる事業分野としております。臨床試験段階においては多額の研究開発費が必要となるため、当社における研究開発に係る費用及びリスク負担を低減する目的から、安全性及び有効性が概ね評価可能となる段階(必要に応じて前期第Ⅱ相臨床試験を実施)までを当社にて行い、その後製薬会社等へ開発化合物を導出することを基本としております。 ③ 低分子化合物医薬への特化当社は、低分子化合物医薬に係る研究開発を行っております。近年、医薬品業界においては、抗体医薬やワクチン等のいわゆるバイオ医薬の研究開発が盛んに行われておりますが、低分子化合物は依然として医薬品開発の大きな柱であります。当社においては、低分子化合物医薬において高い専門性を有していることから、当面は低分子化合物医薬を中心とした研究開発を推進していく方針であります。 ④ 研究開発活動(A)研究開発の概要当社の研究開発部門が行っている研究開発の概要とその流れは、以下のとおりであります。当社では、創薬標的分子(*)の探索から初期臨床試験(主として第Ⅰ相臨床試験まで、必要に応じて第Ⅱ相臨床試験)まで、博士・修士号を有した研究者を中心にこの業務を推進しております。 (B)当社の研究開発体制当社は、前身であるファイザー社中央研究所の創薬研究に係る主要な機能を引き継いでおります。当社は、研究領域において豊富な知識、経験及びノウハウを有する従業員が在籍するほか、ファイザー株式会社より研究機器等の研究設備を譲り受けるなど、国内外の研究機関に引けを取らない創薬研究開発環境が構築されています。 a)プロジェクトを中心とした研究開発体制当社の研究開発体制は、組織横断的なプロジェクトを単位として運営されており、迅速な意思決定及び業務の遂行を可能にしております。実際の業務は、プロジェクト単位で協議し決定され、特に重要な方針に関わる場合は、プロジェクトから経営戦略委員会へ提案が行われ、その決定は速やかにプロジェクト活動に反映されます。 b)研究・開発・営業活動の一体化当社においては、探索研究から開発そして導出に至るまで、プロジェクトチームが一貫して主体性を持ち、組織横断的に業務を実施しております。これにより、一貫した研究・開発、導出計画の下、必要な情報を随時共有し、適切な情報をタイムリーに導出先企業に提供することを可能としております。 (C)研究開発ポートフォリオ(*)による展開当社の研究開発は、創薬の初期段階を担うものであり、少数の限られたプロジェクトを選択して経営資源を集中することにより、研究開発ポートフォリオを拡充し、製薬会社等へ開発候補化合物を導出していくことに重点を置いたものであります。医薬品開発は、研究開発のいずれの段階においても、安全性、有効性及び薬物動態(*)並びにその他の開発上の問題から中止される可能性があります。当社においては、探索段階から海外市場において上市済みのものまで、各段階のプロジェクトを保有しており、さらに、自社の探索研究から新たな開発化合物を継続して創出する能力を備えていることから、複数のプロジェクトからなる研究開発ポートフォリオを拡充するとともに、開発リスクを低減し、より安定した事業の遂行を図りたいと考えております。 ⑤ 導出活動当社の導出活動は、前臨床試験及び臨床試験を通じて、ヒトにおける安全性及び有効性が評価可能となった段階にて、開発化合物を製薬会社へ導出することを基本としてきました。しかしながら、近年の各製薬会社等の動向は、医薬品として成功する可能性の高い高品質な化合物を、研究開発の段階を問わず、創薬ベンチャー企業や大学などの研究機関等に求めるケースが増加していることから、当社は、初期探索段階から臨床開発段階までの各段階において保有する研究開発ポートフォリオのすべてを導出対象とし、機動的かつ柔軟な営業活動を展開しております。また、当社の研究開発ポートフォリオは、その研究開発戦略の特性から、全世界を対象とする開発、販売及び製造に関する権利の導出を最優先の目標としておりますが、一方では、それに捉われることなく、各プロジェクトの特性と導出先である製薬会社等のニーズに応じて、日本・東アジア・米国・欧州等の地域ごとの導出、あるいは剤形(経口剤、注射剤、局所用剤)ごとの導出、さらには動物用医薬品用途での導出等、収益の最大化を図るべく様々な形態で導出を図る方針であります。 ⑥ 当社の収益当社の収益は、探索研究、前臨床試験及び初期臨床試験の成果として創出した開発化合物を製薬会社等に導出することにより獲得するものであり、その概要は以下のとおりであります。収 益内 容契約一時金収入契約締結時に、当社が提供するそれまでの研究成果の対価等として受け取る収入マイルストン収入契約相手先の研究開発の進捗(契約書に規定された研究開発段階の達成)または売上の進捗(契約書に規定された売上高の達成)に応じて受け取る収入ロイヤルティ収入医薬品の上市後に販売額の一定料率を受け取る収入研究協力金収入共同研究で設定された条件に従って、共同研究の開始に伴い当社のそれまでの研究成果を提供する対価等として受け取る収入及び共同研究の期間中に提供する役務等の対価等として受け取る収入 ⑦ 事業系統図当社の事業の系統図は、以下のとおりであります。 (2)当社の研究開発対象領域及び研究開発ポートフォリオ① 当社の研究開発対象領域当社は、前身であるファイザー社中央研究所から引き続き、主として疼痛疾患領域及び消化管疾患領域を研究開発の中核として位置付けており、当該領域における豊富なノウハウを蓄積しております。当該2つの事業領域に関して、医薬品としての全世界の市場規模は拡大傾向にあり、今後も市場成長が見込まれるものと想定しており、これらの領域を中心に研究開発を推進していく方針であります。 ② 当社のポートフォリオ及び研究開発の状況一般的に医薬品の研究開発は長期に渡って多額の資金を必要とされています。当社は、研究開発に係るリスク軽減を目的として、当社保有の開発化合物について「選択と集中」を図っております。具体的には、当社が強みを持つ探索段階から第Ⅰ相臨床試験を中心に自社単独で開発化合物の研究開発に注力して導出に向けて推進するプログラムを「導出準備プログラム」、第Ⅱ~Ⅲ相臨床試験を中心に導出先が主軸となって開発を進めるプログラムを「導出済みプログラム」と定義しております。また、探索ステージを基本に当社と製薬会社、双方が強みを持ち寄りイノベーティブな開発化合物の創出を目指す共同研究プログラムを「共同研究プログラム」と定義しております。当事業年度末現在の主な「導出準備プログラム」及び「導出済みプログラム」、「共同研究プログラム」の状況は、以下のとおりであります。 (A)導出準備プログラム当事業年度末現在、「導出準備プログラム」は以下のとおりであります。当社は、これらのプロジェクトに関して一部導出済みの契約を除き、全世界を対象とする開発、販売及び製造に関する権利を有しております。プログラム化合物コード(注)想定適応症研究開発段階カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)胃食道逆流症第Ⅰ相臨床試験終了(日本、米国)RQ-00000774胃食道逆流症探索段階終了5-HT4部分作動薬RQ-00000010胃不全麻痺機能性胃腸症慢性便秘第Ⅰ相臨床試験終了(英国)5-HT2B拮抗薬RQ-00310941下痢型過敏性腸症候群(*)第Ⅰ相臨床試験実施中(英国)細胞壁ペプチドグリカン合成阻害薬RQ-00000002(dalbavancin)MRSA感染症前臨床試験終了1,3-β-D-グルカン合成阻害薬RQ-00000001(anidulafungin)カンジダ症前臨床段階終了モチリン受容体作動薬RQ-00201894胃不全麻痺機能性胃腸症術後イレウス前臨床試験終了TRPM8遮断薬RQ-00434739神経障害性疼痛前臨床試験準備中グレリン受容体作動薬RQ-00433412癌に伴う食欲不振・悪液質前臨床試験準備中選択的ナトリウムチャネル遮断薬-炎症性・神経障害性疼痛探索段階実施中(注)化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社で研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。 (B)導出済みプログラム当事業年度末現在、当社の導出済みのプログラムの状況は、以下のとおりであります。なお、契約内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。 [ヒト領域]プロジェクト化合物コード(注)1想定適応症研究開発段階権利地域導出先D2および5-HT2A拮抗薬RQ-00000003(ziprasidone)統合失調症第Ⅲ相臨床試験実施中(日本)日本Meiji Seikaファルマ株式会社カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)RQ-00000004(tegoprazan)胃食道逆流症他第Ⅲ相臨床試験実施中(韓国)韓国他(注)2CJ HealthCare Corporation(韓国)RQ-00000774胃食道逆流症他探索段階終了CJ HealthCare Corporation(韓国)EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant)術後疼痛(注射剤)前臨床試験準備中日本及び中国、韓国、台湾丸石製薬株式会社変形性関節症第Ⅰ相試験準備中(中国)全世界(注)3株式会社AskAt自己免疫疾患、アレルギー、がん第Ⅱ相臨床研究準備中(米国、がん)RQ-00000008変形性関節症、自己免疫疾患、アレルギー、がん前臨床試験終了5-HT4部分作動薬RQ-00000009アルツハイマー病第Ⅰ相臨床試験(注)4全世界RQ-00000010消化管疾患前臨床試験終了韓国他(注)5CJ HealthCare Corporation(韓国)シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬RQ-00317076急性痛第Ⅱ相臨床試験(注)6全世界株式会社AskAt(注)1.化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社で研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.韓国、中国(香港を含む)、台湾及び東南アジア3.注射剤については、日本、中国、韓国、台湾を除きます。4.米国ファイザー社において、第Ⅰ相臨床試験を終了しております。5.韓国、中国(香港を含む)、台湾、インド及び東南アジア6.米国ファイザー社において、前期第Ⅱ相臨床試験を実施しました。 [動物領域]プロジェクト化合物コード(注)1想定適応症研究開発段階権利地域導出先グレリン受容体作動薬RQ-00000005(capromorelin)体重減少、食欲不振承認取得(米国)全世界Aratana Therapeutics, Inc.(米国)EP4拮抗薬RQ-00000007(grapiprant)変形性関節症承認取得(米国、欧州)全世界(注)2(注)1.化合物コードは、RQ-で始まるコードで表記されており、当社で研究・開発・評価に使用するすべての化合物に対して付与しております。2.注射剤については日本、中国、韓国、台湾を除きます。 (C)共同研究プログラム 当事業年度末現在、製薬会社等との共同研究プログラムは、以下のとおりであります。なお、契約内容の詳細については、後述の「第2 事業の状況 5経営上の重要な契約等」をご参照ください。プロジェクト化合物コード共同研究先研究開発段階消化器領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究―EAファーマ株式会社(注)探索研究を実施中疼痛領域における特定の蛋白質間相互作用を標的とした共同研究―インタープロテイン株式会社探索研究を実施中疼痛領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究―XuanZhu Pharma Co., Ltd探索研究を実施中疼痛領域における特定のイオンチャネルを標的とした共同研究―旭化成ファーマ株式会社探索研究を実施中(注)平成28年4月1日付で味の素製薬株式会社はエーザイ株式会社の消化器疾患領域事業を統合し、味の素製薬株式会社を承継会社とする新統合会社EAファーマ株式会社となりました。