事業の概要
- 抗体関連事業の展開株式会社免疫生物研究所グループは、主に「抗体関連事業」と「化粧品関連事業」の2つの事業を展開しています。主力は抗体関連事業で、診断薬サービス、検査サービス、TGカイコサービスという3つの柱があります。診断薬サービスでは、病気の診断や研究に使われる抗体ベースの試薬や医薬品の製造・販売、受託サービスを提供しています。
- 検査サービスの中核は「LipoSEARCH®」で、リポタンパク質の詳細分析を通じて、臨床研究や動物医療などに貢献しています。また、登録衛生検査所「IBL解析センター」を運営し、独自のELISA測定キットを用いた研究検査も受託しています。
- TGカイコサービスでは、カイコを使って目的のタンパク質や抗体を効率的に大量生産する技術を提供しており、試薬原料やヒト型コラーゲンの製造・販売も行っています。これらの事業を通じて、医療や研究分野に貢献し、収益を上げています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 免疫関連事業この事業は、診断試薬サービス、検査サービス、TGカイコサービスで構成されており、同社グループの主要な収益源です。最新年度の売上高は約9.64億円、営業利益は約2.08億円と、グループ全体の収益を牽引しています。主に抗体を用いた研究用試薬や体外診断用医薬品の製造・販売、リポタンパク質プロファイリング詳細解析サービス、カイコによるタンパク質生産受託など、多岐にわたるサービスを提供しています。
- 化粧品事業化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅠ」を配合した化粧品の製品開発と販売を行っています。最新年度の売上高は約0.05億円、営業利益は約0.01億円と、免疫関連事業と比較すると規模は小さいですが、新たな収益の柱として育成を図っています。連結子会社の株式会社ネオシルク化粧品がこの事業を担っています。
- 事業セグメントの構成同社グループは、株式会社免疫生物研究所(当社)と連結子会社2社(株式会社AI Bio、株式会社ネオシルク化粧品)で構成されており、主に抗体関連事業と化粧品関連事業の2つのセグメントで事業を展開しています。抗体関連事業が圧倒的な売上と利益を占めており、グループの中核をなしています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ImmunityRelatedReportableSegment | 事業 | 10 | 2 | 21.6% |
| Cosmetics | 事業 | 0 | 0 | 22.6% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】1.当社グループの事業概要について(1)当社グループの概要当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、株式会社免疫生物研究所(当社)及び連結子会社2社で構成されております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 ①抗体関連事業主要なサービスは、診断試薬サービス、検査サービス及びTGカイコサービスを展開しております。診断試薬サービスは、主に抗体を基盤とした研究用試薬、体外診断用医薬品、及び体外診断用医薬品原料の製造・販売並びに試薬関連受託サービスの提供、さらに、医薬シーズライセンス導出事業を行っております。検査サービスは主にLipoSEARCH®を中核事業とし、臨床研究、基礎研究、動物医療及び自由診療領域でのリポタンパク質プロファイリング詳細解析サービスを提供しております。また、藤岡研究所内に登録衛生検査所「IBL解析センター」を開設し、当社独自のELISA測定キットを用いた研究検査の受託測定を実施しております。TGカイコサービスは、カイコの繭中に目的タンパク質や抗体を効率よく大量生産できる技術による受託サービスや試薬原料並びに、ヒト型コラーゲンの製造・販売を行っております。・・・株式会社免疫生物研究所・・・株式会社AI Bio(連結子会社) ②化粧品関連事業化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅠ」を配合した化粧品の製品開発、販売が主な事業となっております。・・・株式会社ネオシルク化粧品(連結子会社) 当社グループの事業内容を図示すると以下のようになります。 2.当社グループの事業セグメントについて(1)抗体関連事業抗体関連事業は、診断試薬サービス、検査サービス及びTGカイコサービスから構成されております。その各々の事業内容は次のとおりであります。①診断試薬サービス診断試薬サービスは、研究用試薬販売、試薬関連受託サービス、医薬シーズライセンス及び体外診断用医薬品並びに体外診断用医薬品原料の製造・販売から構成されております。研究用試薬販売は、抗体関連試薬販売及びその他の試薬販売に分類されます。抗体関連試薬販売では、ELISA測定キット及び抗体を販売しております。また、その他の試薬販売では、合成ペプチドその他を販売しております。 ・抗体関連試薬販売主に抗体を基盤にした研究用試薬を販売しており、当事業の主力製品であります。抗体試薬は、抗原の定性及び定量、単離・精製など幅広く利用されており、現在では生命科学の研究に欠かせないツールとなっております。当事業では様々な研究に使用する抗体試薬を供給できる体制を整えております。また、免疫反応を利用した体外診断用医薬品及び体外診断用医薬品原料では抗体試薬は大量に使用されますが、このような需要に対しても、バルク及びOEM供給できる体制を整えております。これらの事業を適正に遂行するために、診断薬を含む医療機器に関する品質マネジメントシステムISO13485を取得しております。イ ELISA測定キット抗原を定性あるいは定量するための研究用キットであります。抗体、酵素、反応液、反応をさせるためのプレートなど測定に必要な試薬が全てセットになっており、血液や尿中等に存在する目的の抗原物質の濃度を簡便に測定することができます。ロ 抗体生化学、分子生物学及び病理学等の基礎研究に広く使用されております。例えば免疫組織染色用の抗体は、薄切された組織を染色することで、病因となる抗原の有無や組織中での局在状態など、多くの情報を得ることができます。その他、抗原抗体反応を利用した多くの技術が広く研究を行う現場で使用されております。 ・その他の試薬販売イ 細胞培養関連試薬細胞の栄養源となる細胞培養液など、細胞を培養するために必要な試薬であります。ロ 合成ペプチド抗体を作製するために、抗原として使用するペプチドであり、有機化学の手法によって合成されるものであります。ハ その他細胞の分離に必要な試薬や研究用キットの部品などであります。 ・試薬関連受託サービス製薬企業の多くは、経営の効率化から研究開発をアウトソーシングする方針を打ち出しております。一方、公的研究機関や国立大学においても、法人化への移行に伴い研究の効率化が求められております。このような環境の下、研究開発に対する支援事業の需要は高まっております。一方、確実に成果の得られる支援先企業の選択が行われております。当社グループは「抗体作製に関する技術力の高さ」を強みとして、公的研究機関、大学、製薬企業などに対して、以下に掲げるサービスを主に提供しております。イ 抗体の作製、精製、標識ロ 細胞培養によるタンパク質製造ハ 抗体による測定系の開発ニ 受託試験 ・医薬シーズライセンス当社では、抗体作製技術を基盤として、治療用医薬品あるいは診断用医薬品に適した抗体の創製に取り組んでおります。治療用医薬品開発においては、製薬企業各社がパイプラインを充実させるために医薬シーズに係る権利の譲渡又は許諾を受ける活動を積極的に展開していることを受けて、当社の人的資源と効率を鑑み、創薬ターゲットの探索及びそのターゲットに対する各種抗体の作製とそれらの抗体の薬効評価に特化しております。現在進行している研究開発の状況につきましては、下記のとおりです。イ ダニ媒介性感染症であるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)を治療するための抗体医薬品候補「ACT101」は、SML Biopharm Co., Ltd.(韓国企業、以下「SML」という。)と、SFTSウイルスに対する抗体遺伝子配列を治療薬目的にて使用する独占的実施許諾契約を締結し、SMLにおいて抗体医薬品を目指し研究開発を実施しております。 ロ 国立大学法人徳島大学との共同開発によって、胃や腸の消化管壁の粘膜下にある未熟な間葉系細胞に由来する「肉腫」の一種とされるGIST(消化管間質腫瘍)を診断、治療するための抗体医薬品の研究開発について、日本国内における「c-KIT陽性腫瘍特異的抗体断片」に関する特許を取得(2024年4月4日公表の「特許取得に関するお知らせ」参照)し、今後について、提携先と協議を進めております。 ・体外診断用医薬品販売及び体外診断用医薬品原料今までに研究用試薬として販売していたELISA測定キットのうち、診断に向け測定価値の認められるものを体外診断用医薬品や体外診断用医薬品原料登録に向けて開発を行ってまいります。既に国内外での登録を視野に入れ、海外他社との連携も開始しており、今後、生産量に応じた収益を見込んでまいります。現在進行している主要な研究開発の状況は、以下のとおりです。イ 外リンパ瘻患者は突発性難聴やメニエール病などの症候学的に診断されている疾患に潜伏していることも多く、似通った症候を示す外リンパ瘻が見落とされるケースが発生しております。その患者数は正確には算出されておりませんが、潜在的に外リンパ瘻患者が含まれていると考えられる、めまいなどの有訴者数は約400万人にものぼると算出されており、外リンパ瘻の疑われる患者に対して、当社が製造を担当しているCTP(cochlin-tomoprotein) ELISA「コスミック」を用いることにより正確な診断が可能になることが期待されます。当社は、学校法人埼玉医科大学と簡便性・迅速性に優れたイムノクロマト法によるCTP測定試薬の開発を共同で行っております。ロ 神経筋疾患患者の尿中に存在するタイチンというタンパク質に対するELISA測定キットを開発し、神経筋疾患の病気診断・病態のモニタリングマーカーとして、2026年3月期の販売承認申請を目指し、研究開発を行ってまいります。また、販売承認の申請までの間、研究用試薬として販売をするために、認定検査試薬としての確認申請を行い、承認されましたので、認定検査試薬として販売を開始しております。タイチンは神経筋疾患のみならず、老化に伴うサルコペニア、フレイル等の疾患との関係も示唆されており、対象疾患の広がりが期待されています。当キットの研究開発は、他の開発テーマに開発資源を集中させる目的で、認定検査試薬から研究用試薬へ販売の切り替えを行いました。ハ 赤痢アメーバ症は赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)という寄生性の原虫が原因となって引き起こされる病気で、日本国内において、2012年以降、感染症法に基づく報告数は900例を超えてきており、増加傾向にあります。現在、簡便な血液検査で赤痢アメーバ感染の有無をチェックできる体外診断用医薬品(製品名:赤痢アメーバ抗体 ELISA-IBL)の製造販売承認を取得し、保険適用され、販売を開始いたしました。ニ 国内診断薬メーカーとの提携により、診断薬開発技術の相互利用を進めることで、より独創的で高品質な製品を開発し全世界に向けて提供することを目指しております。現在、数品目の診断薬原料候補の抗体やタンパク質の共同開発を行っておりますが、詳細につきましては、守秘義務があるため、開示しておりません。ホ 海外診断薬メーカーとの共同研究当社が保有する有用な抗体を体外診断用医薬品原料として提供するために評価・検討を行っております。なお、現在、1品目の体外診断用医薬品用の原料提供が決定しており、今後も数品目の採用を予定しております。詳細につきましては、守秘義務があるため、開示しておりません。ヘ 抗HIV抗体について株式会社CURED(以下「CURED」という。)が中心となり、HIV感染症の治療薬のIND-enabling試験が順調に進んでおります。45期中に抗体産生細胞のマスターセルバンク構築に着手、46期中に治験薬の製造を開始し治験計画届をPMDAに提出する予定ですが、その詳細につきましては非公開とさせていただきます。なお、本研究開発のもととなる「抗HIV抗体及びその製造方法」についての特許取得状況は、以下のとおりです。特許査定済米国・中国・日本・台湾・香港・韓国特許査定中欧州・カナダ ②検査サービス当サービスは、「LipoSEARCH®」を主とした研究検査と登録衛生検査所「IBL解析センター」による検査で構成されております。「LipoSEARCH®」を主とした研究検査では、生活習慣病領域での創薬・研究支援に加え予防・診断支援などに特化した事業を行っております。特に、世界で唯一の高感度ゲルろ過高速液体クロマトグラフィーを用いた血中リポタンパク質詳細プロファイリングサービス「LipoSEARCH®」は、最先端のリポタンパク質解析技術として、当領域の専門研究機関・製薬企業・食品企業における研究・開発及び創薬支援として広く利用されております。本「LipoSEARCH®」は、血中の各リポタンパク質の粒子サイズにより分画した波形データ(クロマトグラム)と、各分画におけるコレステロール量と中性脂肪量を提供する事により、病態や薬剤投与の影響によるリポタンパク質プロファイルの全体的かつ詳細な変化をとらえることができます。さらに、伴侶動物(ペット)向けの脂質代謝関連疾患検査サービス「LipoTEST」を動物病院の獣医師を経由して飼い主様に提供しております。また、IBL解析センターでは、診断試薬サービスで開発された独自のELISA測定キットを用いた研究検査の受託測定を実施しており、生活習慣病関連疾患や老化関連疾患領域での総合的な支援を推進しております。このように、当社グループはヒトから伴侶動物に至るまで、豊富な研究ネットワークを有して、総合的な支援を通じた医療貢献を目指しております。 ③TGカイコサービス当サービスは、目的とするタンパク質を遺伝子組換え手法によりカイコの繭に産生させる技術を有しております。この産生技術は、下記の図に示しますように、目的とするタンパク質の元になる遺伝子を用意することから始まります。用意した遺伝子を、ベクターと呼ばれる遺伝子の運び屋に組み込み、次にそのベクターをカイコの卵に注入することで、目的タンパク質の遺伝子が組み込まれた遺伝子組換えカイコを作出します。この遺伝子組換えカイコは、目的タンパク質を繭の中に吐き出すように工夫されており、そのため繭から簡便にタンパク質を回収することが可能です。当サービスは、遺伝子組換え手法によりカイコの繭に産生させた各種抗体等のタンパク質の販売を行っております。また、株式会社ニッピとの共同研究により、iPS細胞等の培養足場材として有効であるラミニン511-E8の生産にも成功し、研究用試薬としての販売も実現しております。遺伝子組換えカイコで生産したラミニン511-E8(iMatrix-511 silk)は、機能および価格的優位性から、多くの研究者の皆様に利用いただいております。また、化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅠ」につきましても、美容機器製品等の開発に成功したイタリア法人の303 Pharmaとの間でOEM契約を締結し、同社の自社ブランド製品として提供しております。また、当サービスにおいては、ヒト感染性の病原体を持たないカイコを用い、組換え型の血漿フィブロネクチン(Fibronectin Neosilk®, Plasma)と細胞性フィブロネクチン(Fibronectin Neosilk®, Cellular)の生産技術を開発し、研究用試薬として販売しております。 フィブロネクチンは、代表的な細胞外マトリックスタンパク質の一つであり、細胞の接着・伸展、移動、増殖および分化等を制御することから、間葉系幹細胞をはじめとする各種培養細胞の足場材として再生医療領域での研究等に使用可能です。また、本製品は、遺伝子組換えカイコの繭から精製するために動物由来成分の混入が無い、いわゆるXeno-freeであることから、安全性の高い製品としても期待されています。一方で、化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅢ」の販売が開始されましたが、産生効率が不均等なため、産生効率向上の改善を図っております。 (2)化粧品関連事業当事業は、当社グループの遺伝子組換えカイコサービスにおいて開発した化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンI」及びネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅠ配合化粧品「フレヴァン」を化粧品業界や美容業界に広く販売するため、連結完全子会社の株式会社ネオシルク化粧品が事業を展開しております。「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンI」は、遺伝子組換えカイコの繭に生産させたもので、現在使用されている魚や豚等の異種動物から生産されるコラーゲンとは異なる、今までにない全く新しい化粧品原料です。また、繭から精製したネオシルク®-ヒト型コラーゲンIには、組換え遺伝子は含まれておらず、純粋にヒトのコラーゲンと同等なアミノ酸骨格を有するものであることから、安全性が高く、消費者の皆様に安心してお使いいただける化粧品原料であると考えております。 (注)用語解説については、「第4提出会社の状況 5従業員の状況等」の末尾に記載しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 独自のELISA測定キットやヒト型コラーゲン技術を持ち、ISO13485も取得しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 抗体関連技術、TGカイコによるタンパク質生産技術、ヒト型コラーゲン製造技術。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:他社との業務提携、合弁会社設立等 / 知的財産権に関連するリスク / 機密情報の流出
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
特定の抗体や試薬に関する特許やノウハウは存在する可能性があるが、公開情報からは具体的なブランド力や独占的IPの強さを判断するには情報が不足している。研究開発型企業としての無形資産の蓄積は期待できるものの、現時点での明確な優位性は限定的。
スイッチングコスト★★☆☆☆
研究用試薬は、一度特定のメーカーの製品に慣れると、代替品への切り替えには実験プロトコルの変更や再検証が必要となる場合がある。しかし、価格や性能でより優れた代替品があれば、乗り換えのハードルはそれほど高くない可能性もある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。製品の利用者が増えることで、その製品自体の価値が向上するような構造は見られない。
コスト優位★☆☆☆☆
特殊な試薬の製造には高度な技術が必要であり、参入障壁は一定程度存在する。しかし、大量生産によるコスト削減効果は限定的であり、構造的なコスト優位性は低いと考えられる。
規模の経済★☆☆☆☆
医薬品・バイオ関連の研究用試薬市場はニッチであり、同社が業界全体に対して圧倒的な規模の経済を持つとは考えにくい。特定の製品群では優位性がある可能性もあるが、全体的な効率規模の優位性は限定的。
- 抗体作製技術の高さ同社グループは、抗体作製に関する高い技術力を強みとしています。この技術は、病気の診断や治療薬の開発に不可欠な抗体関連試薬の製造、および受託サービスにおいて競争優位性をもたらしています。特に、ELISA測定キットや様々な研究用抗体試薬の供給体制を整え、生命科学研究の基盤を支えています。
- 医薬シーズライセンス事業抗体作製技術を基盤に、治療用医薬品や診断用医薬品に適した抗体の創製にも取り組んでいます。ダニ媒介性感染症SFTSの治療薬候補「ACT101」や、消化管間質腫瘍(GIST)の診断・治療薬に関する特許取得など、医薬シーズのライセンス導出を通じて、将来的な収益源を確保しようとしています。これは、自社開発だけでなく、他社との提携による事業展開も視野に入れていることを示しています。
- 品質管理体制の確立診断薬を含む医療機器に関する品質マネジメントシステムISO13485を取得しており、製品の品質と信頼性を保証しています。これにより、研究用試薬だけでなく、体外診断用医薬品やその原料の製造・販売においても、厳格な品質基準を満たした製品を提供できる体制が整っており、顧客からの信頼獲得に繋がっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループは、生物の生命維持に不可欠である免疫機構「抗体」について研鑽することによって、人類が病気から安全に免れるような治療用医薬品、診断用医薬品の開発や生活習慣病領域での検査サービスができるよう、独自の研究開発と協業会社や大学・研究機関などとの共同研究の成果を製品の品質向上に結びつけるべく、研究開発活動を行っております。また、カイコ繭中に、抗体を始めとした様々な安全性の高いタンパク質を発現させる技術を用いて製品化を行っております。このように、「抗体」を通じて、世界で難病に苦しむ人々が、一日も早く、病気を克服し、明るく豊かな暮らしを営めるよう社会に貢献することを経営理念としております。 (2)目標とする経営指標当社グループは、44年以上抗体を開発し抗体作製のノウハウが蓄積され、コア技術として確立されており、国内外の医薬品関連市場において開発・製造・販売を行ってまいりました。当社グループは、以下の取り組みにより、収益の拡大をはかり財務を安定化し、株主の皆様への還元の早期実現を目指してまいります。①市場規模が大きい診断用医薬品市場へ本格参入②海外における研究用試薬市場の拡大③医薬品シーズ関連の開発コストの選択と集中④不採算事業の黒字化 (3)中長期的な会社の経営戦略当社グループのセグメント別中長期経営戦略は、次のとおりであります。・抗体関連事業(診断試薬サービス)当サービスは、利益率の高い自社ELISAキットが海外のCRO企業に継続して採用されていることや体外診断用医薬品原料及びネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅠの販売が順調に推移し、売上高の増加が予想されます。今後においても、SNS等を活用した情報戦略を強化し販売販路を拡大するとともに、当社の強みである特異性の高い抗体作製技術を用い、国内外の協業会社との共同研究や技術融合により、優位性の高い抗体の開発に注力し、体外診断用医薬品原料の提供を進めてまいります。当事業の研究開発の状況につきましては、下記のとおりです。〇医薬品シーズとしての可能性がある研究開発・ダニ媒介性感染症であるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)を治療するための抗体医薬品候補「ACT101」は、SMLと、SFTSウイルスに対する抗体遺伝子配列を治療薬目的にて使用する独占的実施許諾契約を締結(2024年6月20日公表の「抗重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス抗体遺伝子の独占的実施許諾契約締結に関するお知らせ」を参照)し、SMLにおいて抗体医薬品を目指し研究開発を実施しております。⇒継続。・国立大学法人徳島大学と胃や腸の消化管壁の粘膜下にある未熟な間葉系細胞に由来する「肉腫」の一種とされるGIST(消化管間質腫瘍)を診断、治療するための抗体医薬品の研究開発について、日本国内における「c-KIT陽性腫瘍特異的抗体断片」に関する特許を取得(2024年4月4日公表の「特許取得に関するお知らせ」参照)し、今後について、提携先と協議を進めております。⇒継続。 〇下記の体外診断用医薬品の上市を目指します。(開発中の主なテーマと進捗状況)・外リンパ瘻患者は突発性難聴やメニエール病などの症候学的に診断されている疾患に潜伏していることも多く、似通った症候を示す外リンパ瘻が見落とされるケースが発生しております。その患者数は正確には算出されておりませんが、潜在的に外リンパ瘻患者が含まれていると考えられ、めまいなどの有訴者数は約400万人にものぼると算出されており、外リンパ瘻の疑われる患者に対して、当社が製造を担当しているCTP ELISA「コスミック」を用いることにより正確な診断が可能になることが期待されます。当社は、学校法人埼玉医科大学と簡便性・迅速性に優れたイムノクロマト法によるCTP測定試薬の開発を共同で行っております。・神経筋疾患患者の尿中に存在するタイチンというタンパク質に対するELISA測定キットを開発し、神経筋疾患の病気診断・病態のモニタリングマーカーとして、2026年3月期の販売承認申請を目指し、研究開発を行ってまいります。また、販売承認の申請までの間、研究用試薬として販売をするために、認定検査試薬としての確認申請を行い、承認されましたので、認定検査試薬として販売を開始しております。タイチンは神経筋疾患のみならず、老化に伴うサルコペニア、フレイル等の疾患との関係も示唆されており、対象疾患の広がりが期待されています。当キットの研究開発は、他の開発テーマに開発資源を集中させる目的で、認定検査試薬から研究用試薬へ販売の切り替えを行いました。・赤痢アメーバ症は赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)という寄生性の原虫が原因となって引き起こされる病気で、日本国内において、2012年以降、感染症法に基づく報告数は900例を超えてきており、増加傾向にあります。当社は、簡便な血液検査で赤痢アメーバ感染の有無をチェックできる体外診断用医薬品(製品名:赤痢アメーバ抗体 ELISA-IBL)の製造販売承認を取得し、保険適用され、販売を開始いたしました。・国内診断薬メーカーとの提携により、診断薬開発技術の相互利用を進めることで、より独創的で高品質な製品を開発し全世界に向けて提供することを目指しております。現在、数品目の診断薬原料候補の抗体やタンパク質の共同開発を行っておりますが、詳細につきましては、守秘義務があるため、開示しておりません。・海外診断薬メーカーとの共同研究により、当社が保有する有用な抗体を体外診断用医薬品原料として提供するために評価・検討を行っております。なお、現在、1品目の体外診断用医薬品用の原料提供が決定しており、今後も数品目の採用を予定しております。詳細につきましては、守秘義務があるため、開示しておりません。・CUREDが中心となり、HIV感染症の治療薬のIND-enabling試験が順調に進んでおります。45期中に抗体産生細胞のマスターセルバンク構築に着手、46期中に治験薬の製造を開始し治験計画届をPMDAに提出する予定ですが、その詳細につきましては非公開とさせていただきます。なお、本研究開発のもととなる「抗HIV抗体及びその製造方法」についての特許取得状況は、以下のとおりです。特許査定済米国・中国・日本・台湾・香港・韓国特許査定中欧州・カナダ (検査サービス)生活習慣病領域での創薬・研究支援に加え予防・診断支援などに特化した事業を行っております。特に、世界で唯一の高感度ゲルろ過高速液体クロマトグラフィーを用いた血中リポタンパク質詳細プロファイリングサービス「LipoSEARCH®」は、最先端のリポタンパク質解析技術として、当領域の専門研究機関・製薬企業・食品企業における研究・開発及び創薬支援として広く利用されております。本「LipoSEARCH®」は、血中の各リポタンパク質の粒子サイズにより分画した波形データ(クロマトグラム)と、各分画におけるコレステロール量と中性脂肪量を提供する事により、病態や薬剤投与の影響によるリポタンパク質プロファイルの全体的かつ詳細な変化をとらえることができます。さらに、伴侶動物(ペット)向けの脂質代謝関連疾患検査サービス「LipoTEST」を動物病院の獣医師を経由して飼い主様に提供しております。また、IBL解析センターでは、診断試薬サービスで開発された独自のELISA測定キットを用いた研究検査の受託測定を実施しており、生活習慣病関連疾患や老化関連疾患領域での総合的な支援を推進しております。なお、秋田臨床検査センターは、人材面や設備面での業務効率を向上させるため、2024年10月に閉鎖し、藤岡研究所(群馬県藤岡市)内に移設しております。 (TGカイコサービス)遺伝子組換え手法によりカイコの繭に生産させた各種抗体等のタンパク質の販売を行っております。株式会社ニッピとの共同研究により、iPS細胞等の培養足場材として有効であるラミニン511-E8(iMatrix-511 silk)の生産にも成功し、研究用試薬としての販売も実現しております。遺伝子組換えカイコで生産したラミニン511-E8は、機能および価格的優位性から、多くの研究者の皆様に利用いただいております。化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅠ」につきましても、美容機器製品等の開発に成功したイタリア法人の303 Pharmaとの間でOEM契約を締結し、同社の自社ブランド製品として提供してまいります。ヒト感染性の病原体を持たないカイコを用い、組換え型の血漿フィブロネクチン(Fibronectin Neosilk®,Plasma)と細胞性フィブロネクチン(Fibronectin Neosilk®, Cellular)の生産技術を開発し、研究用試薬として販売をしております。フィブロネクチンは、代表的な細胞外マトリックスタンパク質の一つであり、細胞の接着・伸展、移動、増殖および分化等を制御することから、間葉系幹細胞をはじめとする各種培養細胞の足場材として再生医療領域での研究等に使用可能です。また、本製品は、遺伝子組換えカイコの繭から精製するために動物由来成分の混入が無い、いわゆるXeno-freeであることから、安全性の高い製品としても期待されています。今後につきましては、ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅠの販売増加が見込まれており、生産方法やコストの改善を行い、利益の最大化を目指してまいります。 ・化粧品関連事業当社グループの遺伝子組換えカイコサービスにおいて開発した化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンI」及びネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅠ配合化粧品「フレヴァン」を化粧品業界や医療業界に広く販売するため、連結完全子会社の株式会社ネオシルク化粧品が事業を展開しております。「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンI」は、遺伝子組換えカイコの繭に生産させたもので、現在使用されている魚や豚等の異種動物から生産されるコラーゲンとは異なる、今までにない全く新しい化粧品原料です。また、繭から生成したネオシルク®-ヒト型コラーゲンIには、組換え遺伝子は含まれておらず、純粋にヒトのコラーゲンと同等なアミノ酸骨格を有するものであることから、安全性が高く、消費者の皆様に安心してお使いいただける化粧品原料であると考えております。 (4)当社グループをめぐる業界や市場の動向等の経営環境・医薬品業界世界の医薬品関連事業を取り巻く環境は大きく変化し、高齢化社会、高ストレス社会の進展により、医薬品や診断薬に対する需要が伸び続けております。さらに、重症熱性血小板減少症候群やHIVウイルスなどの、治療法がない、もしくは治療満足度の低い疾患が多数あり、そのような疾患に対する治療薬の開発が待たれており、医薬品事業の重要性は、ますます高まっているといえます。しかしながら、創薬技術の高度化や医薬品承認要件の厳格化などにより、治療用医薬品あるいは診断用医薬品の開発には、多額の研究開発費と長い年月が必要であり、経営環境は厳しさを増しています。従って、これら医薬品や診断薬の開発には、当社グループの人的資源と効率を鑑み、自社では製品化するまでの全過程を行うことが可能かどうか注意深く検討し、製品開発においては、選択と集中による積極的な投資によって、抗体に付加価値を付け、パイプラインを充実させることで企業価値の最大化を追求いたします。・化粧品業界化粧品市場は、2023年に新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけが5類へ移行したことなどを受けて外出機会が増加し、身だしなみへの意識も高まり、化粧品需要も増加しております。また、新たなビジネスチャンスとして、ECサイトへのシフトチェンジやインフルエンサーマーケティングを活用して、異業種参入が増えております。当社グループが販売する化粧品「フレヴァン」シリーズにつきましては、スキンケア製品を中心に安全・安心をコンセプトに製造販売を行っております。一方で、米国の相互関税問題やウクライナ紛争の長期化、中東情勢をはじめとする地政学リスクや、原油・ナフサなどの市場変動、物価上昇による個人消費への影響、高齢社会や人口縮小などの諸問題により、日本では今後市場の縮小が懸念されていることから、日本の化粧品メーカーは生き残りを懸けて海外進出を図っておりますが、当社グループにおきましても中国を中心に海外販路の開拓を行っております。 (5)会社の対処すべき課題・研究開発の重点投資当社グループは、遺伝子組換えカイコによる医薬品原料生産に向けた新規開発を中止することといたしましたが、治療用医薬品及び診断用医薬品のさらなるパイプラインの充実が、事業の安定化のためには必要となります。そのため、資源投入の集中と研究開発の効率化を図り、また、現行の共同研究先である大学などに加え、優秀な人材を採用し、研究開発のスピードアップを図ってまいります。さらに、海外企業が保有する有用なシーズの発掘も積極的に行ってまいります。・体外診断用医薬品関連への取り組み国内診断薬メーカーとの提携により、診断薬開発技術の相互利用を進めることで、より独創的で高品質な製品を開発し全世界に向けて提供することを目指しております。現在、数品目の診断薬原料候補の抗体やタンパク質の共同開発を行っておりますが、詳細につきましては、守秘義務があるため、開示しておりません。・抗HIV抗体についてCUREDが中心となり、HIV感染症の治療薬のIND-enabling試験が順調に進んでおりますが、その詳細につきましては非開示とさせていただきます。・遺伝子組換えカイコへの取り組み遺伝子組換えカイコによる医薬品原料生産に向けた新規開発を中止することといたしましたが、遺伝子組換えカイコの繭中に産生される抗体やタンパク質は、非特異反応が低いことや動物愛護の対象とならないことから、短期的には、研究用試薬・体外診断用医薬品関連にて使用する抗体をはじめとした目的タンパク質の置換え利用や、化粧品原料等への産業利用を推進し、具体的な生産拡大や製造方法の改良を目指してまいります。・化粧品関連事業における販売の取り組み海外市場におけるBtoB販売は、コロナ禍の鎮静化により、中国市場への展開を再度、模索しております。今後は、人材を採用し、SNSを活用して、中国国内のバイヤーの方々に直接情報発信し、販路拡大の準備をすすめてまいります。本事業については、既存製品での利益創出を重要課題ととらえ、販売拡大を目指してまいります。また、販売拡大の目途が立ち次第、遺伝子組換えカイコ事業が開発した、化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅢ」を使用した高級化粧品の開発に取り組み、幅広いユーザーに提供できる製品を開発してまいります。・人材の確保及び教育当社グループは、各事業に精通した研究員及びプロジェクトを推進できる人材の確保が必要不可欠と考えており、研究開発の効率を上げるため、ハード面とソフト面の両面から研究開発に適した環境作りを行い、企業価値の最大化を目指してまいります。研究開発型企業である当社グループにおいては、自由な発想が生み出される柔軟な組織がふさわしいと考えております。組織が硬直化し、研究開発活動が滞ることがないように、常に問題意識をもって物事に対処する集団として組織を維持運営いたします。・財務安定性の確保当社グループは、研究開発型企業として、選択と集中により積極的かつ継続的に研究開発に投資していく方針であります。投資の源泉は事業からの収益をもって行われることが望ましいと考えております。当社グループは、引き続き、収益確保のため、新製品の開発やコストの効率化に努めてまいります。また、研究テーマの選択を行い、経営資源を集中して効率的な経営を行うことが重要であると認識しております。・経営管理体制の強化既存事業に加え、新規事業やサービスの展開が加速し、多角期を迎える当社グループにおきましては、経営の公正性・透明性・継続性を確保するためのさらなる管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。特に昨今におきましては、世界情勢の悪化や新型コロナウイルス感染症の影響により、物流の停滞・各種コストの増大・急激な為替の変動等、社会環境が不安定・不透明な状況となっております。その状況下においても着実に事業を継続するため、各種社内規程や関係法令等の遵守を積極的に推進し、内部統制に資する業務プロセスの整備・運用、必要に応じた是正活動を定常的に行うことで、より透明性が高く健全な経営管理体制を構築してまいります。 (注)用語解説については、「第4提出会社の状況 5従業員の状況等」の末尾に記載しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループは、生物の生命維持に不可欠である免疫機構「抗体」について研鑽することによって、人類が病気から安全に免れるような治療用医薬品、診断用医薬品の開発や生活習慣病領域での検査サービスができるよう、独自の研究開発と協業会社や大学・研究機関などとの共同研究の成果を製品の品質向上に結びつけるべく、研究開発活動を行っております。また、カイコ繭中に、抗体を始めとした様々な安全性の高いタンパク質を発現させる技術を用いて製品化を行っております。このように、「抗体」を通じて、世界で難病に苦しむ人々が、一日も早く、病気を克服し、明るく豊かな暮らしを営めるよう社会に貢献することを経営理念としております。 (2)目標とする経営指標当社グループは、44年以上抗体を開発し抗体作製のノウハウが蓄積され、コア技術として確立されており、国内外の医薬品関連市場において開発・製造・販売を行ってまいりました。当社グループは、以下の取り組みにより、収益の拡大をはかり財務を安定化し、株主の皆様への還元の早期実現を目指してまいります。①市場規模が大きい診断用医薬品市場へ本格参入②海外における研究用試薬市場の拡大③医薬品シーズ関連の開発コストの選択と集中④不採算事業の黒字化 (3)中長期的な会社の経営戦略当社グループのセグメント別中長期経営戦略は、次のとおりであります。・抗体関連事業(診断試薬サービス)当サービスは、利益率の高い自社ELISAキットが海外のCRO企業に継続して採用されていることや体外診断用医薬品原料及びネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅠの販売が順調に推移し、売上高の増加が予想されます。今後においても、SNS等を活用した情報戦略を強化し販売販路を拡大するとともに、当社の強みである特異性の高い抗体作製技術を用い、国内外の協業会社との共同研究や技術融合により、優位性の高い抗体の開発に注力し、体外診断用医薬品原料の提供を進めてまいります。当事業の研究開発の状況につきましては、下記のとおりです。〇医薬品シーズとしての可能性がある研究開発・ダニ媒介性感染症であるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)を治療するための抗体医薬品候補「ACT101」は、SMLと、SFTSウイルスに対する抗体遺伝子配列を治療薬目的にて使用する独占的実施許諾契約を締結(2024年6月20日公表の「抗重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス抗体遺伝子の独占的実施許諾契約締結に関するお知らせ」を参照)し、SMLにおいて抗体医薬品を目指し研究開発を実施しております。⇒継続。・国立大学法人徳島大学と胃や腸の消化管壁の粘膜下にある未熟な間葉系細胞に由来する「肉腫」の一種とされるGIST(消化管間質腫瘍)を診断、治療するための抗体医薬品の研究開発について、日本国内における「c-KIT陽性腫瘍特異的抗体断片」に関する特許を取得(2024年4月4日公表の「特許取得に関するお知らせ」参照)し、今後について、提携先と協議を進めております。⇒継続。 〇下記の体外診断用医薬品の上市を目指します。(開発中の主なテーマと進捗状況)・外リンパ瘻患者は突発性難聴やメニエール病などの症候学的に診断されている疾患に潜伏していることも多く、似通った症候を示す外リンパ瘻が見落とされるケースが発生しております。その患者数は正確には算出されておりませんが、潜在的に外リンパ瘻患者が含まれていると考えられ、めまいなどの有訴者数は約400万人にものぼると算出されており、外リンパ瘻の疑われる患者に対して、当社が製造を担当しているCTP ELISA「コスミック」を用いることにより正確な診断が可能になることが期待されます。当社は、学校法人埼玉医科大学と簡便性・迅速性に優れたイムノクロマト法によるCTP測定試薬の開発を共同で行っております。・神経筋疾患患者の尿中に存在するタイチンというタンパク質に対するELISA測定キットを開発し、神経筋疾患の病気診断・病態のモニタリングマーカーとして、2026年3月期の販売承認申請を目指し、研究開発を行ってまいります。また、販売承認の申請までの間、研究用試薬として販売をするために、認定検査試薬としての確認申請を行い、承認されましたので、認定検査試薬として販売を開始しております。タイチンは神経筋疾患のみならず、老化に伴うサルコペニア、フレイル等の疾患との関係も示唆されており、対象疾患の広がりが期待されています。当キットの研究開発は、他の開発テーマに開発資源を集中させる目的で、認定検査試薬から研究用試薬へ販売の切り替えを行いました。・赤痢アメーバ症は赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)という寄生性の原虫が原因となって引き起こされる病気で、日本国内において、2012年以降、感染症法に基づく報告数は900例を超えてきており、増加傾向にあります。当社は、簡便な血液検査で赤痢アメーバ感染の有無をチェックできる体外診断用医薬品(製品名:赤痢アメーバ抗体 ELISA-IBL)の製造販売承認を取得し、保険適用され、販売を開始いたしました。・国内診断薬メーカーとの提携により、診断薬開発技術の相互利用を進めることで、より独創的で高品質な製品を開発し全世界に向けて提供することを目指しております。現在、数品目の診断薬原料候補の抗体やタンパク質の共同開発を行っておりますが、詳細につきましては、守秘義務があるため、開示しておりません。・海外診断薬メーカーとの共同研究により、当社が保有する有用な抗体を体外診断用医薬品原料として提供するために評価・検討を行っております。なお、現在、1品目の体外診断用医薬品用の原料提供が決定しており、今後も数品目の採用を予定しております。詳細につきましては、守秘義務があるため、開示しておりません。・CUREDが中心となり、HIV感染症の治療薬のIND-enabling試験が順調に進んでおります。45期中に抗体産生細胞のマスターセルバンク構築に着手、46期中に治験薬の製造を開始し治験計画届をPMDAに提出する予定ですが、その詳細につきましては非公開とさせていただきます。なお、本研究開発のもととなる「抗HIV抗体及びその製造方法」についての特許取得状況は、以下のとおりです。特許査定済米国・中国・日本・台湾・香港・韓国特許査定中欧州・カナダ (検査サービス)生活習慣病領域での創薬・研究支援に加え予防・診断支援などに特化した事業を行っております。特に、世界で唯一の高感度ゲルろ過高速液体クロマトグラフィーを用いた血中リポタンパク質詳細プロファイリングサービス「LipoSEARCH®」は、最先端のリポタンパク質解析技術として、当領域の専門研究機関・製薬企業・食品企業における研究・開発及び創薬支援として広く利用されております。本「LipoSEARCH®」は、血中の各リポタンパク質の粒子サイズにより分画した波形データ(クロマトグラム)と、各分画におけるコレステロール量と中性脂肪量を提供する事により、病態や薬剤投与の影響によるリポタンパク質プロファイルの全体的かつ詳細な変化をとらえることができます。さらに、伴侶動物(ペット)向けの脂質代謝関連疾患検査サービス「LipoTEST」を動物病院の獣医師を経由して飼い主様に提供しております。また、IBL解析センターでは、診断試薬サービスで開発された独自のELISA測定キットを用いた研究検査の受託測定を実施しており、生活習慣病関連疾患や老化関連疾患領域での総合的な支援を推進しております。なお、秋田臨床検査センターは、人材面や設備面での業務効率を向上させるため、2024年10月に閉鎖し、藤岡研究所(群馬県藤岡市)内に移設しております。 (TGカイコサービス)遺伝子組換え手法によりカイコの繭に生産させた各種抗体等のタンパク質の販売を行っております。株式会社ニッピとの共同研究により、iPS細胞等の培養足場材として有効であるラミニン511-E8(iMatrix-511 silk)の生産にも成功し、研究用試薬としての販売も実現しております。遺伝子組換えカイコで生産したラミニン511-E8は、機能および価格的優位性から、多くの研究者の皆様に利用いただいております。化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅠ」につきましても、美容機器製品等の開発に成功したイタリア法人の303 Pharmaとの間でOEM契約を締結し、同社の自社ブランド製品として提供してまいります。ヒト感染性の病原体を持たないカイコを用い、組換え型の血漿フィブロネクチン(Fibronectin Neosilk®,Plasma)と細胞性フィブロネクチン(Fibronectin Neosilk®, Cellular)の生産技術を開発し、研究用試薬として販売をしております。フィブロネクチンは、代表的な細胞外マトリックスタンパク質の一つであり、細胞の接着・伸展、移動、増殖および分化等を制御することから、間葉系幹細胞をはじめとする各種培養細胞の足場材として再生医療領域での研究等に使用可能です。また、本製品は、遺伝子組換えカイコの繭から精製するために動物由来成分の混入が無い、いわゆるXeno-freeであることから、安全性の高い製品としても期待されています。今後につきましては、ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅠの販売増加が見込まれており、生産方法やコストの改善を行い、利益の最大化を目指してまいります。 ・化粧品関連事業当社グループの遺伝子組換えカイコサービスにおいて開発した化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンI」及びネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅠ配合化粧品「フレヴァン」を化粧品業界や医療業界に広く販売するため、連結完全子会社の株式会社ネオシルク化粧品が事業を展開しております。「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンI」は、遺伝子組換えカイコの繭に生産させたもので、現在使用されている魚や豚等の異種動物から生産されるコラーゲンとは異なる、今までにない全く新しい化粧品原料です。また、繭から生成したネオシルク®-ヒト型コラーゲンIには、組換え遺伝子は含まれておらず、純粋にヒトのコラーゲンと同等なアミノ酸骨格を有するものであることから、安全性が高く、消費者の皆様に安心してお使いいただける化粧品原料であると考えております。 (4)当社グループをめぐる業界や市場の動向等の経営環境・医薬品業界世界の医薬品関連事業を取り巻く環境は大きく変化し、高齢化社会、高ストレス社会の進展により、医薬品や診断薬に対する需要が伸び続けております。さらに、重症熱性血小板減少症候群やHIVウイルスなどの、治療法がない、もしくは治療満足度の低い疾患が多数あり、そのような疾患に対する治療薬の開発が待たれており、医薬品事業の重要性は、ますます高まっているといえます。しかしながら、創薬技術の高度化や医薬品承認要件の厳格化などにより、治療用医薬品あるいは診断用医薬品の開発には、多額の研究開発費と長い年月が必要であり、経営環境は厳しさを増しています。従って、これら医薬品や診断薬の開発には、当社グループの人的資源と効率を鑑み、自社では製品化するまでの全過程を行うことが可能かどうか注意深く検討し、製品開発においては、選択と集中による積極的な投資によって、抗体に付加価値を付け、パイプラインを充実させることで企業価値の最大化を追求いたします。・化粧品業界化粧品市場は、2023年に新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけが5類へ移行したことなどを受けて外出機会が増加し、身だしなみへの意識も高まり、化粧品需要も増加しております。また、新たなビジネスチャンスとして、ECサイトへのシフトチェンジやインフルエンサーマーケティングを活用して、異業種参入が増えております。当社グループが販売する化粧品「フレヴァン」シリーズにつきましては、スキンケア製品を中心に安全・安心をコンセプトに製造販売を行っております。一方で、米国の相互関税問題やウクライナ紛争の長期化、中東情勢をはじめとする地政学リスクや、原油・ナフサなどの市場変動、物価上昇による個人消費への影響、高齢社会や人口縮小などの諸問題により、日本では今後市場の縮小が懸念されていることから、日本の化粧品メーカーは生き残りを懸けて海外進出を図っておりますが、当社グループにおきましても中国を中心に海外販路の開拓を行っております。 (5)会社の対処すべき課題・研究開発の重点投資当社グループは、遺伝子組換えカイコによる医薬品原料生産に向けた新規開発を中止することといたしましたが、治療用医薬品及び診断用医薬品のさらなるパイプラインの充実が、事業の安定化のためには必要となります。そのため、資源投入の集中と研究開発の効率化を図り、また、現行の共同研究先である大学などに加え、優秀な人材を採用し、研究開発のスピードアップを図ってまいります。さらに、海外企業が保有する有用なシーズの発掘も積極的に行ってまいります。・体外診断用医薬品関連への取り組み国内診断薬メーカーとの提携により、診断薬開発技術の相互利用を進めることで、より独創的で高品質な製品を開発し全世界に向けて提供することを目指しております。現在、数品目の診断薬原料候補の抗体やタンパク質の共同開発を行っておりますが、詳細につきましては、守秘義務があるため、開示しておりません。・抗HIV抗体についてCUREDが中心となり、HIV感染症の治療薬のIND-enabling試験が順調に進んでおりますが、その詳細につきましては非開示とさせていただきます。・遺伝子組換えカイコへの取り組み遺伝子組換えカイコによる医薬品原料生産に向けた新規開発を中止することといたしましたが、遺伝子組換えカイコの繭中に産生される抗体やタンパク質は、非特異反応が低いことや動物愛護の対象とならないことから、短期的には、研究用試薬・体外診断用医薬品関連にて使用する抗体をはじめとした目的タンパク質の置換え利用や、化粧品原料等への産業利用を推進し、具体的な生産拡大や製造方法の改良を目指してまいります。・化粧品関連事業における販売の取り組み海外市場におけるBtoB販売は、コロナ禍の鎮静化により、中国市場への展開を再度、模索しております。今後は、人材を採用し、SNSを活用して、中国国内のバイヤーの方々に直接情報発信し、販路拡大の準備をすすめてまいります。本事業については、既存製品での利益創出を重要課題ととらえ、販売拡大を目指してまいります。また、販売拡大の目途が立ち次第、遺伝子組換えカイコ事業が開発した、化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅢ」を使用した高級化粧品の開発に取り組み、幅広いユーザーに提供できる製品を開発してまいります。・人材の確保及び教育当社グループは、各事業に精通した研究員及びプロジェクトを推進できる人材の確保が必要不可欠と考えており、研究開発の効率を上げるため、ハード面とソフト面の両面から研究開発に適した環境作りを行い、企業価値の最大化を目指してまいります。研究開発型企業である当社グループにおいては、自由な発想が生み出される柔軟な組織がふさわしいと考えております。組織が硬直化し、研究開発活動が滞ることがないように、常に問題意識をもって物事に対処する集団として組織を維持運営いたします。・財務安定性の確保当社グループは、研究開発型企業として、選択と集中により積極的かつ継続的に研究開発に投資していく方針であります。投資の源泉は事業からの収益をもって行われることが望ましいと考えております。当社グループは、引き続き、収益確保のため、新製品の開発やコストの効率化に努めてまいります。また、研究テーマの選択を行い、経営資源を集中して効率的な経営を行うことが重要であると認識しております。・経営管理体制の強化既存事業に加え、新規事業やサービスの展開が加速し、多角期を迎える当社グループにおきましては、経営の公正性・透明性・継続性を確保するためのさらなる管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。特に昨今におきましては、世界情勢の悪化や新型コロナウイルス感染症の影響により、物流の停滞・各種コストの増大・急激な為替の変動等、社会環境が不安定・不透明な状況となっております。その状況下においても着実に事業を継続するため、各種社内規程や関係法令等の遵守を積極的に推進し、内部統制に資する業務プロセスの整備・運用、必要に応じた是正活動を定常的に行うことで、より透明性が高く健全な経営管理体制を構築してまいります。 (注)用語解説については、「第4提出会社の状況 5従業員の状況等」の末尾に記載しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況当連結会計年度における経済環境は、米国の相互関税問題やウクライナ紛争の長期化、中東情勢をはじめとする地政学リスクが一段と高まり、金融資本市場の変動や米国の今後の政策動向等について、引き続き注視が必要な状況です。こうした状況のもと、当社グループの業績につきましては、以下のとおりとなりました。 <抗体関連事業>・診断試薬サービス当サービスの売上高は、海外販売において、主力製品であるELISAキットが、継続して海外CRO企業の治験に採用されていることや、国内販売において、体外診断用医薬品原料抗体の販売が増加したこと、受託サービス等の販売が順調に推移したこと等により、前年に比べ増加いたしました。・検査サービス当サービスの売上高は、血中リポタンパク質プロファイリングサービス「LipoSEARCH®」に関連する纏まった国内外の検査がなかったことや、臨床検査サービスの検査数が減少したことにより、前年に比べ大幅に減少いたしました。・TGカイコサービス当サービスの売上高は、ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅠ販売が増加したことや、ラミニン511-E8(iMatrix-511 silk)や大手体外診断用医薬品企業からの抗体受託サービスの販売が予定通り計上され、前年に比べ増加いたしました。 以上により、当事業の売上高は、1,002,307千円(前年同期比3.9%増)となりました。当事業の営業利益につきましては、人件費や製造費用等のコストが増加しましたが、利益率の高い製品の売上高が増加したことやコスト管理の強化、事業の効率化に努めたことにより、前年と比べ35.4%増加し、281,886千円となりました。 <化粧品関連事業>当事業においては、国内通信販売を中心として化粧品の販売をしておりますが、広告宣伝等を含め充分な販促活動が行えなかったことにより、売上高は2,679千円(前年同期比48.1%減)となり、営業損失は、609千円(前年同期は1,164千円の営業利益)となりました。 以上の結果、当社グループの連結売上高は、前年に比べ3.7%増の1,004,987千円となり、営業利益については、前年に比べ34.4%増の281,277千円となりました。経常利益につきましては、退職に伴う保険解約返戻金や為替差益、補助金収入等が計上され、前年に比べ43.2%増の300,562千円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、法人税等調整額等の計上により、前年に比べ32.1%増の329,015千円となりました。 ②財政状態・流動資産当連結会計年度における流動資産の残高は、前連結会計年度と比較して、12.9%増の1,569,646千円となりました。この主な要因は、売上債権が52,866千円減少しましたが、棚卸資産が61,970千円増加したことや売上債権の回収により現金及び預金が163,741千円増加したこと等によるものであります。・固定資産当連結会計年度における固定資産の残高は、前連結会計年度と比較して、28.7%増の585,475千円となりました。この主な要因は、有形固定資産が22,022千円増加したことや投資有価証券の取得により75,000千円増加したこと等によるものであります。・流動負債当連結会計年度における流動負債の残高は、前連結会計年度と比較して、1.8%減の276,194千円となりました。この主な要因は、1年以内返済予定の長期借入金が12,719千円減少したこと等によるものであります。・固定負債当連結会計年度における固定負債の残高は、前連結会計年度と比較して、28.5%減の35,553千円となりました。この主な要因は、1年以内に到達する長期借入金の振替等により16,417千円減少したこと等によるものであります。・純資産当連結会計年度における純資産の残高は、前連結会計年度と比較して、21.7%増の1,843,374千円となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益329,015千円の計上等によるものであります。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度と比較して、157,694千円増の928,257千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により獲得した資金は、301,093千円(前年は183,495千円の獲得)となりました。この主な要因は、棚卸資産が61,970千円増加しましたが、税金等調整前当期純利益を300,562千円計上したことや、減価償却費を18,543千円計上したこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により減少した資金は、116,463千円(前年は53,660千円の減少)となりました。この主な要因は、投資有価証券を75,000千円取得したこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により減少した資金は、27,136千円(前年は31,755千円の減少)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出が29,136千円あったこと等によるものであります。 (注)用語解説については、「第4提出会社の状況 5従業員の状況等」の末尾に記載しております。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)抗体関連事業302,012△1.7化粧品関連事業--合計302,012△1.7 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、製造原価によっております。 b.商品仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比(%)抗体関連事業23,239△6.2化粧品関連事業--合計23,239△6.2 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、仕入価格によっております。 c.受注実績当社グループは、主として見込生産を行っているため、該当事項はありません。 d.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)抗体関連事業1,002,3073.9化粧品関連事業2,679△48.1合計1,004,9873.7 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度(自 2024年4月1日(自 2025年4月1日至 2025年3月31日)至 2026年3月31日)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)Immuno-Biological Laboratories, Inc.150,60215.5159,76715.9シスメックス㈱91,2829.5112,85711.3 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討の内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①経営成績の分析当社グループは抗体関連事業及び化粧品関連事業により構成されており、当連結会計年度の当社グループの業績の分析につきましては、次のとおりであります。・売上高抗体関連事業は、主力製品であるELISAキットが継続して海外CRO企業の治験に採用されていることや、国内販売において体外診断用医薬品原料抗体の販売が増加したことが主な要因となり、前年比3.9%増の1,002,307千円と増加しております。化粧品関連事業については、国内通信販売を中心として化粧品の販売をしておりますが、広告宣伝等を含め充分な販促活動が行えなかったことにより、売上高は前年比48.1%減の2,679千円となっております。・売上原価、売上総利益原価面につきましては、作業効率の改善や仕入価格低減に向けた活動を絶えず行うこと等、原価低減活動を行っておりますが、諸物価高騰及び円安影響を受け、原材料、経費等にかなり影響を受けておりますが、棚卸資産の増加により、売上原価は前期比11.1%減の297,974千円となりました。売上総利益は、売上高が大幅に増加したことにより、前年比11.4%増の707,012千円となりました。 ・販売費及び一般管理費、営業利益円安や海外情勢の不安定化をはじめとしたさまざまな要因により物価高が進行しており、製造費用はもとより販売費及び一般管理費においても費用高騰圧力となっておりますが、事業所統合や太陽光発電設備の導入等経費削減を行った結果、販売費及び一般管理費は、前年比0.2%増の425,735千円となり、営業利益は、前年比34.4%増加し281,277千円となりました。・営業外損益、経常利益当連結会計年度においては、為替差益や保管解約返戻金の計上等により、経常利益は、前年比43.2%増加し300,562千円となりました。・特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度においては、法人税等調整額を33,073千円計上し、これにより親会社株主に帰属する当期純利益は、前年比32.1%増加し329,015千円となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源、資金の流動性に係る情報当連結会計年度においては、営業活動が好調なことや経費削減効果等により営業収支が増加しており、営業活動によるキャッシュ・フローは301,093千円(資金の獲得)となっております。また、投資活動によるキャッシュ・フローにおいては、有形固定資産の取得や投資有価証券の取得による支出等により116,463千円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては、長期借入金の返済による支出等により27,136円減少いたしました。資金の財源については、自己資金で賄うことを基本としておりますが、状況に応じて金融機関からの借入や新株発行による増資等によるものも考慮に入れております。資金の流動性については、前述のとおり当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローが301,093千円の資金の獲得、投資活動によるキャッシュ・フローが116,463千円の資金の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが27,136千円の資金の減少、現金及び現金同等物の期末残高は928,257千円であり、各キャッシュ・フローの規模等を勘案し、十分な手元流動性を確保しているものと考えております。翌連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、運転資金での支出が主なものであり、重要な設備投資は予定しておりませんので、先に述べましたとおり、現金及び現金同等物で十分賄える見込みであります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
事業リスク
- 他社提携・買収のリスク事業拡大のために他社との業務提携や買収を行う可能性がありますが、提携先との合意形成が困難になったり、提携先の経営状況が悪化したりすると、期待通りの成果が得られない可能性があります。これにより、同社グループの事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 知的財産権侵害のリスク同社グループの事業活動において、意図せず他社の知的財産権を侵害してしまう可能性があります。もし訴訟が提起された場合、事業戦略や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。このため、知的財産権の管理体制強化に努めていますが、リスクは常に存在します。
- 特定人物への依存代表取締役社長である清藤勉氏が事業の立案や運営において重要な役割を担っており、また組織が小規模であるため、個々の役職員への依存度が高い側面があります。もし主要な人物が事業に関与できなくなった場合、同社グループの事業や業績に大きな影響を与える可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループの事業活動において、リスクとなる可能性があると考えられる主な事項について記載しております。また、当社グループとして必ずしも重要なリスクとは考えていない事項についても、投資判断のうえで、あるいは当社グループの事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から開示いたします。当社グループは、これらのリスクが発生する可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項及び本書中の本項以外の記載を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、以下の記載における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、当社グループで想定される範囲で記載したものであります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。 (1)他社との業務提携、合弁会社設立等について当社グループは、戦略を実行していくうえで、合弁企業の設立や子会社化(持分法適用会社化を含む)を行うなど、他社の買収やその他の株式投資を行う可能性があります。その際、各投資の実行の検討に際し、リスクの大きさに応じ、必要十分なデュー・ディリジェンスを実施したうえで、定められた承認プロセスを経て投資判断を行っております。当社グループの業務提携先や合弁先と共同事業を行う場合には、当局の許認可が必要となったり、当該業務提携先や合弁先と共同事業の内容について合意できることが前提となります。また、当社グループの業務提携先や合弁先に対して当社グループが支配権を有するとは限らず、これらの会社が、当社グループの意向にかかわらず、事業戦略を大幅に変更する可能性があります。さらに、第三者割当増資や当社グループ以外の株主がコールオプションを行使したことにより当社グループの持株比率が低下したり、その経営成績や財政状態が大幅に悪化する可能性もあります。これらの場合、その業務提携、合弁事業などが期待どおりの成果を生まない可能性や、継続が困難となる可能性があります。また、特定の第三者との業務提携や合弁事業などを実施したことにより、他者との業務提携や合弁事業などが制約される可能性もあります。その結果、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)知的財産権に関連するリスクについて当社グループの事業を遂行していく中で、他者が所有している知的財産権を使用する場合、ライセンス契約等の締結を行い、当該知的財産権を使用する事としておりますが、当社の認識外で他者の知的財産権を侵害してしまうこともあります。当該侵害に対して訴訟が提起された場合は、当社の事業戦略や業績に重大な影響を与える可能性があります。そのため、当社グループでは、他者の知的財産権への抵触が判明した時は、遅滞なく当該抵触について検討のうえ、当該他社とライセンス契約を締結する等の対応策を講じております。また、事業の拡大とともにこのようなリスクは増大するものと思われますので、知的財産権に関する管理体制をより強化していく方針であります。 (3)機密情報の流出について当社グループの事業を遂行するうえで、社外の研究者や研究機関との情報交換は有益であると考えております。今後も積極的に情報交換を行っていく方針であり、商品・サービスの提供や営業活動に必要となる顧客氏名・性別・住所・電話番号等の個人情報、その他業務上、必要となる各種情報をシステム上で管理しております。第三者に当該機密情報を窃取された場合、企業にとって致命傷となりかねません。そのため、当社グループでは、基幹システムやサーバーのセキュリティー強化に加え、情報を外部に開示する際の手続を明確化して組織の末端まで周知徹底させております。しかしながら、万が一機密情報が流出した場合には、多大な損害を被るおそれがあります。 (4)個人情報に対する漏洩リスク当社グループは、個人情報を保有しておりますが、個人情報の漏洩防止のため社内規程を整備し、セキュリティー対策を行っております。しかしながら、昨今の企業情報漏洩に関しては、悪質化する犯罪の増加に伴い個人情報が流出するなどの不測の事態が起こっております。このような場合、企業の信用は失墜し、社会的制裁を受ける事となり、「個人情報漏洩保険」に加入していますが、当社グループの業績の悪化と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (5)特定人物への依存について代表取締役社長である清藤勉は、当社グループの創業以来の最高経営責任者であり、事業の立案や運営、開発活動の遂行等についてリーダーシップを発揮しています。また、当社グループは、小規模な組織であり、人的資源に限りがあるため、個々の役職員の働きに依存している面があります。こうした属人的な事業体制を見直すために、権限の委譲や業務分掌に取り組んでおります。今後の事業展開に必要な役職員が、不慮の事故等何らかの理由により当社グループの事業展開に関与することが困難になった場合には、当社グループの事業および業績に大きな影響を与える可能性があります。 (6)海外展開による影響について当社グループの活動の範囲は、世界各地に及んでおり、各々の地域における経済状況等により影響を受ける可能性があります。具体的には、以下に掲げるいくつかのリスクが内在しています。・政治的又は経済的要因・事業・投資許可、租税、為替管制、独占禁止、通商制限など公的規制の影響・他社と合弁・提携する事業の動向により生じる影響・戦争、暴動、テロ、海賊、伝染病、ストライキ、コンピューターウイルス、その他の要因による社会的混乱の影響・地震、津波、台風等の自然災害の影響これらリスクに対しては、グループ内での情報収集、外部コンサルタント起用等を通じ、その予防・回避に努めてまいりますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。 (7)体外診断用医薬品について体外診断用医薬品は、所轄官庁の定めた企業としての責任体制、製品の有効性、安全性、生産方法・管理体制に関する厳格な審査により許認可を得てはじめて上市可能となります。このため、研究開発が計画通りに進行しない、許認可取得に時間を要する、あるいは治験段階において新製品が期待通りの性能を示さない等の事由により、開発期間の延長や開発の中止を余儀なくされることがあります。これらにより、多額の追加投資が必要となった場合や、それまでに投下した研究開発投資の回収見込みがなくなったり、主要な製品商品について他社から画期的なものが発売されたりした場合、また、診療報酬が改定された際の内容によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (注)用語解説については、「第4提出会社の状況 5従業員の状況等」の末尾に記載しております。