事業の概要
- 医療用医薬品の製造販売: 扶桑薬品工業は、病院などで使われる医療用医薬品や医療機器の製造・販売を主な事業としています。特に、輸液(点滴)や人工腎臓用の透析剤といった、患者さんの生命維持に不可欠な基礎的な医薬品を多く手掛けており、安定した需要が見込めるビジネスモデルです。
- 製造受託サービス: 自社製品の製造だけでなく、他の製薬会社からの医薬品製造受託も行っています。これは、自社の製造設備や技術を有効活用し、安定的な収益源を確保する事業であり、医薬品製造における専門性と信頼性が強みとなります。
- 不動産賃貸事業: 医薬品事業の他に、保有する不動産の賃貸も行っています。これは、本業とは異なる安定した収益源を確保することで、事業全体の安定性を高める役割を果たしています。医薬品事業の景気変動リスクを一部補完する効果も期待できます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 医薬品事業: 輸液(点滴)や人工腎臓用透析剤などの医療用医薬品、および医療用機械器具の製造・販売が主な事業です。病院やクリニックで使用される基礎的な医薬品を供給しており、人々の健康を支える重要な役割を担っています。また、他の製薬会社からの医薬品製造受託も行い、自社の生産能力を有効活用しています。
- 不動産事業: 会社が保有する不動産を第三者に賃貸することで収益を得ています。この事業は、医薬品事業とは異なる安定した収益源を提供し、会社全体の収益基盤の安定化に貢献しています。医薬品市場の変動リスクを分散する効果も期待できます。
- セグメント情報の非開示: 扶桑薬品工業は、有価証券報告書においてセグメント情報を開示していません。そのため、各事業の具体的な売上高や利益の規模感、地域別の構成比率などを詳細に把握することはできませんが、事業内容としては医薬品事業が中心であることが示唆されています。
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3 【事業の内容】当社は、主な事業内容として医療用医薬品及び医療用機械器具の製造・販売やその他にも製造受託、また、不動産の賃貸を営んでおります。 当社の事業内容は、次のとおりであります。なお、セグメント情報を記載していないため、事業別に記載しております。 医薬品事業輸液を中心とする注射剤や人工腎臓用透析剤等の医療用医薬品及び医療用機械器具の製造・販売や医療用医薬品の製造受託等を行っております。不動産事業不動産の賃貸を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 医療費抑制策の一環として、医療用医薬品の薬価引き下げ政策がとられているため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 医薬品事業は薬事行政のもと様々な規制を受けており、所管官庁等の許認可等が必要 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:医療費抑制策・法的規制等に関するリスク / 医薬品の開発及び発売に係るリスク / 特定の製品への依存に関わるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
扶桑薬品工業は、特定の疾患領域における長年の研究開発で培われた専門知識と、それに基づく医薬品の特許や製造ノウハウを無形資産として有している。特に、既存薬の改良やジェネリック医薬品の製造においても、品質と信頼性で一定のブランドを確立している点が評価できる。
スイッチングコスト★★☆☆☆
医療用医薬品は、医師の処方箋に基づき使用されるため、患者が自ら製薬会社を切り替えることは稀である。しかし、医療機関や薬剤師の採用・推奨、後発医薬品への切り替え促進など、一定のスイッチング・コストは存在するものの、その影響力は限定的と言える。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
医薬品の価値は個々の製品の有効性・安全性に依存し、ユーザー数の増加によって直接的に価値が増大するネットワーク効果は基本的に存在しない。
コスト優位★☆☆☆☆
ジェネリック医薬品の製造においては、効率的な生産体制やサプライチェーン管理がコスト競争力に影響を与える可能性がある。しかし、研究開発費や品質管理コストも高く、構造的なコスト優位性は限定的である。
規模の経済★★☆☆☆
国内医薬品市場において一定のシェアを持つが、グローバルな大手製薬企業と比較すると規模は小さく、効率規模による圧倒的な優位性は見られない。ただし、特定の領域においては、ある程度の規模の経済性が働く可能性はある。
- 人工腎臓用透析剤のトップシェア: 扶桑薬品工業は、人工腎臓用透析剤市場においてトップシェアを誇っています。これは、長年の研究開発と品質管理によって培われた信頼と実績の証であり、高い市場競争力と安定した収益基盤を形成しています。新規参入が難しい医療分野での強固な地位が優位性です。
- 基礎的医薬品の安定供給体制: 輸液や人工腎臓用透析剤といった、患者さんの生命に直結する基礎的な医薬品を多く扱っており、その安定供給に強い責任を持っています。製造拠点を東西に分散し、製品保管庫も各地区に設けることで、自然災害やパンデミック時でも供給を継続できる体制を構築しており、これが大きな強みです。
- 医薬品製造の専門性と信頼性: 医薬品事業は、薬事行政のもと厳格な規制を受けており、高い品質基準と製造技術が求められます。扶桑薬品工業は、長年にわたる医薬品製造の経験とノウハウを有しており、製造受託事業も手掛けることで、その専門性と信頼性が競争優位性となっています。法令遵守体制も徹底しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
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経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。(1) 経営方針・経営戦略等①会社の経営の基本方針当社は、医療用医薬品を主力とする医薬品メーカーであります。社会の高齢化が進むなか、医療技術の進歩と国民意識の健康福祉指向を背景に、医療ニーズの増大と多様化に対応する医薬品の開発とその安定供給に努めることにより生命関連産業の一員としての本分を尽くし、株主をはじめとした関係者の皆様の期待に応えていくことを経営の基本方針といたしております。 ②目標とする経営指標経営指標につきましては、特定の経営指標を定めておりませんが、当社は健全性、収益性、効率性、成長性などを総合的に勘案し、持続的かつ安定的な企業価値の向上を重視しております。 ③中長期的な会社の経営戦略当社の売上の主力は血液体液用薬であり、その主柱であります人工腎臓用透析剤の需要見通しが中期戦略のポイントとなります。人工透析を必要とされる患者さんに対する関連製品の迅速かつ安定的な供給を行うために基幹政策として建設した岡山・茨城両工場の生産性向上を図るとともに、現下の厳しい経営環境に対処すべく、新しい医療ニーズに応えた製品の開発・育成により透析関連製品と並ぶ新たな主力製品群を確立し、将来に向けて安定した成長を目指してまいります。 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社は人工腎臓用透析剤や輸液製剤といった基礎的な医薬品を多く取り扱っており、安定供給への重大な責任を有しております。地震等の自然災害やパンデミックとなった新型コロナウイルス感染症等、突発的に発生する事象に備えて、安定供給に支障を来たしかねない事象が判明した際には、直ちに緊急対策会議を開催し、優先してその解消に努める等の対策を常日頃より行っております。製造設備に関しても大規模な拠点を東西に分散設置し、製品保管庫を各地に設けており、想定外の需要が生じた場合にも対応可能な在庫数量を確保していることに加え、製品が全体的に重量物の占める割合が高いため、物流コストの上昇による影響は大きく、必然的に売上原価や販売費及び一般管理費は非常に高くなる傾向となっております。そのため、優先的に対処すべき課題として、既存の主力製品を中心に、市場へのさらなる浸透による販売強化に全力を挙げて取り組み、透析剤メーカーとしてトップシェアを堅持するため、新規透析剤の開発や、後発医薬品を含めた製品ラインアップの拡充に努める等、事業基盤の更なる強化を図っております。さらに、徹底した品質管理による大規模な製造設備の使用、これまで積み上げてきたブランド力や知識、経験等が当社の核となる技術であります。それらを活用しながら、他社製品の受託製造等、新たな収益の拡大につなげるとともに、より経営資源を効率的に活用し、製品原価率低減等の相乗効果を図るために、新規事業及び領域への推進を開始しております。 今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が景気の緩やかな回復を支えることが期待されます。一方で、米国の通商政策の動向、物価上昇の継続、金融資本市場の変動等の様々な要因により、社会経済情勢は不安定な状況が続くものと予想されます。このような環境のもと、安定供給の社会的使命を全うした上で、同時に経営基盤の強化を行い、すべてのステークホルダーから信頼され続けるため、企業価値の向上に一層取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。(1) 経営方針・経営戦略等①会社の経営の基本方針当社は、医療用医薬品を主力とする医薬品メーカーであります。社会の高齢化が進むなか、医療技術の進歩と国民意識の健康福祉指向を背景に、医療ニーズの増大と多様化に対応する医薬品の開発とその安定供給に努めることにより生命関連産業の一員としての本分を尽くし、株主をはじめとした関係者の皆様の期待に応えていくことを経営の基本方針といたしております。 ②目標とする経営指標経営指標につきましては、特定の経営指標を定めておりませんが、当社は健全性、収益性、効率性、成長性などを総合的に勘案し、持続的かつ安定的な企業価値の向上を重視しております。 ③中長期的な会社の経営戦略当社の売上の主力は血液体液用薬であり、その主柱であります人工腎臓用透析剤の需要見通しが中期戦略のポイントとなります。人工透析を必要とされる患者さんに対する関連製品の迅速かつ安定的な供給を行うために基幹政策として建設した岡山・茨城両工場の生産性向上を図るとともに、現下の厳しい経営環境に対処すべく、新しい医療ニーズに応えた製品の開発・育成により透析関連製品と並ぶ新たな主力製品群を確立し、将来に向けて安定した成長を目指してまいります。 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社は人工腎臓用透析剤や輸液製剤といった基礎的な医薬品を多く取り扱っており、安定供給への重大な責任を有しております。地震等の自然災害やパンデミックとなった新型コロナウイルス感染症等、突発的に発生する事象に備えて、安定供給に支障を来たしかねない事象が判明した際には、直ちに緊急対策会議を開催し、優先してその解消に努める等の対策を常日頃より行っております。製造設備に関しても大規模な拠点を東西に分散設置し、製品保管庫を各地に設けており、想定外の需要が生じた場合にも対応可能な在庫数量を確保していることに加え、製品が全体的に重量物の占める割合が高いため、物流コストの上昇による影響は大きく、必然的に売上原価や販売費及び一般管理費は非常に高くなる傾向となっております。そのため、優先的に対処すべき課題として、既存の主力製品を中心に、市場へのさらなる浸透による販売強化に全力を挙げて取り組み、透析剤メーカーとしてトップシェアを堅持するため、新規透析剤の開発や、後発医薬品を含めた製品ラインアップの拡充に努める等、事業基盤の更なる強化を図っております。さらに、徹底した品質管理による大規模な製造設備の使用、これまで積み上げてきたブランド力や知識、経験等が当社の核となる技術であります。それらを活用しながら、他社製品の受託製造等、新たな収益の拡大につなげるとともに、より経営資源を効率的に活用し、製品原価率低減等の相乗効果を図るために、新規事業及び領域への推進を開始しております。 今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が景気の緩やかな回復を支えることが期待されます。一方で、米国の通商政策の動向、物価上昇の継続、金融資本市場の変動等の様々な要因により、社会経済情勢は不安定な状況が続くものと予想されます。このような環境のもと、安定供給の社会的使命を全うした上で、同時に経営基盤の強化を行い、すべてのステークホルダーから信頼され続けるため、企業価値の向上に一層取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当事業年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等により、緩やかな回復基調で推移しました。一方、ウクライナ情勢や中東情勢の長期化、資源・原材料価格の高騰、物価上昇、米国の通商政策、金融資本市場の変動等により、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。医薬品業界では、薬価制度改革をはじめとして後発医薬品の使用促進策の強化等、医療費適正化諸施策が引き続き推進されており、経営のさらなる強化が求められるなか、研究開発費の増加、開発リスクの増大等、収益環境の厳しさが増しております。このような状況のもと、当社は、主力製品の人工腎臓用透析剤キンダリー等、人工透析関連製商品及び輸液等のより強固な浸透を図るとともに、後発医薬品の販売促進にも注力してまいりました。その結果、当事業年度の業績につきましては、腎・透析関連の後発医薬品の販売促進及び輸液・注射剤の他社品代替供給による製造販売増加の影響等により、売上高は605億63百万円と前年同期と比べ51億55百万円(9.3%)の増加となりました。利益面につきましては、原材料費や物流関連諸費用等の高騰は続いているものの、増産及び特例的な不採算品再算定等の影響によって輸液全体の不採算が緩和され売上原価率が若干改善されたため、営業利益は41億31百万円と前年同期と比べ21億67百万円(110.3%)の増加、経常利益は37億80百万円と前年同期と比べ19億12百万円(102.4%)の増加となりました。また、当社は、東レ株式会社より、2018年12月13日付にて経口そう痒症改善剤ナルフラフィン塩酸塩OD錠2.5μg「フソー」[先発代表製品:レミッチOD錠2.5μg]に関する特許権侵害差止等請求訴訟を東京地方裁判所に提起されました。その後、東京地方裁判所は東レ株式会社の請求を棄却する判決を下したため、2021年3月30日、東レ株式会社はこれを不服とし、知的財産高等裁判所に控訴いたしました。2025年5月27日に知的財産高等裁判所は、東レ株式会社の請求を一部認容し、当社に対し、合計74億7,287万8,838円及びこれに対する遅延損害金の支払いを命じる判決を言い渡しました。本判決に伴って、訴訟関連損失引当金繰入額87億44百万円を特別損失として計上し、当期純損失は32億88百万円(前年同期は当期純利益13億77百万円)となりました。なお、当社はこれまで、本製品は東レ株式会社が保有する特許権を侵害しないこと等を主張してまいりましたが、控訴審において当社の主張が認められなかったことは誠に遺憾であり承服できかねることから、2025年6月6日付けにて、最高裁判所に上告及び上告受理の申立てを行っております。 当事業年度の総資産は、建物(純額)や機械及び装置(純額)の減少等があったものの、現金及び預金や売掛金、ソフトウェアの増加等により前事業年度末から59億27百万円(7.8%)増加し、817億29百万円となりました。負債は、支払手形や電子記録債務、長期借入金の減少等があったものの、短期借入金の増加や訴訟関連損失引当金の計上等により前事業年度末から95億45百万円(24.4%)増加し、486億85百万円となりました。純資産は、その他有価証券評価差額金の増加があったものの、繰越利益剰余金の減少により前事業年度末から36億17百万円(9.9%)減少し、330億43百万円となり、自己資本比率は40.4%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ11億44百万円増加し、62億64百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費や訴訟関連損失引当金繰入額の計上等があったものの、税引前当期純損失の計上や売上債権の増加、仕入債務の減少等により33億5百万円の支出となりました。これは、主にサプライチェーン全体の持続的発展を目的に、マルチステークホルダー方針に基づくサプライヤーへの支払期日短縮等への対応による仕入債務支払の一過性の増加によるものです。(前事業年度は6億27百万円の収入) (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出等により31億68百万円の支出となりました。(前事業年度は35億36百万円の支出) (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の減少や配当金の支払等があったものの、短期借入金の増加により76億18百万円の収入となりました。(前事業年度は14百万円の収入) ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当事業年度における生産実績は次のとおりであります。事業の名称生産高(百万円)前年同期比(%)医薬品事業29,3168.4 (注) 金額は、卸売価格によっております。 b.受注実績当社は、主に見込生産を行っているため、記載を省略しております。 c.販売実績当事業年度における販売実績は次のとおりであります。事業の名称販売高(百万円)前年同期比(%)医薬品事業60,4479.4不動産事業115△28.4合計60,5639.3 (注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合 相手先前事業年度当事業年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)アルフレッサ㈱9,71917.59,32515.4㈱メディセオ7,81614.19,03614.9㈱スズケン10,88919.78,35713.8東邦薬品㈱6,67812.15,2608.7 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社の当事業年度の経営成績等は、売上高は605億63百万円と前年同期と比べ51億55百万円(9.3%)の増加となりました。利益面では、売上総利益は165億32百万円と前年同期と比べ26億94百万円(19.5%)の増加、営業利益は41億31百万円と前年同期と比べ21億67百万円(110.3%)の増加、経常利益は37億80百万円と前年同期と比べ19億12百万円(102.4%)の増加となりました。また、当社は、東レ株式会社より、2018年12月13日付にて経口そう痒症改善剤ナルフラフィン塩酸塩OD錠2.5μg「フソー」[先発代表製品:レミッチOD錠2.5μg]に関する特許権侵害差止等請求訴訟を東京地方裁判所に提起されました。その後、東京地方裁判所は東レ株式会社の請求を棄却する判決を下したため、2021年3月30日、東レ株式会社はこれを不服とし、知的財産高等裁判所に控訴いたしました。2025年5月27日に知的財産高等裁判所は、東レ株式会社の請求を一部認容し、当社に対し、合計74億7,287万8,838円及びこれに対する遅延損害金の支払いを命じる判決を言い渡しました。本判決に伴って、訴訟関連損失引当金繰入額87億44百万円を特別損失として計上し、当期純損失は32億88百万円(前期は当期純利益13億77百万円)となりました。なお、当社はこれまで、本製品は東レ株式会社が保有する特許権を侵害しないこと等を主張してまいりましたが、控訴審において当社の主張が認められなかったことは誠に遺憾であり承服できかねることから、2025年6月6日付けにて、最高裁判所に上告及び上告受理の申立てを行っております。主な事業内容である医薬品事業においては、腎・透析関連の後発医薬品の販売促進及び輸液・注射剤の他社品代替供給による製造販売増加の影響等により、売上高は604億47百万円と前年同期と比べ52億1百万円(9.4%)の増加となりました。利益面につきましては、原材料費や物流関連諸費用等の高騰は続いているものの、増産及び特例的な不採算品再算定等の影響によって輸液全体の不採算が緩和され売上原価率が若干改善されたため、営業利益は41億58百万円と前年同期と比べ22億33百万円(116.0%)の増加となりました。当社は人工腎臓用透析剤や輸液製剤といった基礎的な医薬品を多く取り扱い、安定供給への重大な責任を有していることから、地震等の自然災害やパンデミックとなった新型コロナウイルス感染症等、突発的に発生する事象に備えて、安定供給に支障を来たしかねない事象が判明した際には、直ちに緊急対策会議を開催し、優先してその解消に努める等の対策を常日頃より行っております。製造設備に関しても大規模な拠点を東西に分散設置し、製品保管庫を各地に設けており、想定外の需要が生じた場合にも対応可能な在庫数量を確保していることに加え、製品が全体的に重量物の占める割合が高いため、物流コストの上昇による影響は大きく、必然的に売上原価や販売費及び一般管理費は非常に高くなり、営業利益率は低くなる傾向となっております。その上で、製造原価の低減等のコスト削減に努め、また、販売面においても既存の主力製品だけではなく後発医薬品の販売促進にも注力した結果、売上総利益及び営業利益で増益の結果となりました。医薬品の安定供給の社会的使命を全うし、同時に経営基盤の強化を行っていくことが今後も必須であると考えております。なお、文中に記載した内容を以下の表に示しております。(割合(%)には、売上高に対する比率を記載しております。) 前事業年度当事業年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)売上高55,407100.060,563100.0売上原価41,56875.044,03072.7販売費及び一般管理費11,87421.412,40120.5 うち、運送費及び保管費等2,8095.12,9514.9営業利益1,9643.54,1316.8 ② 経営成績に重要な影響を与える要因当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性に関する状況当社の資本の財源及び資金の流動性について、主要な資金需要は、製品製造に使用される原材料の調達、商品の仕入、販売費及び一般管理費並びに生産設備の新設、更新や、透析医療のさらなる活性化や新領域への研究開発に係るものであります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、生産設備投資・研究開発の計画に照らして、金融機関からの借入による資金調達にて対応していく方針であります。当事業年度におきましては、主にERPシステムに関する投資や、研究開発活動を当該方針のもと資金調達を行いました。翌事業年度におきましては、資本的支出として、主に各工場の医薬品製造装置への投資や、透析医療のさらなる活性化と新領域への研究開発活動を推進していく予定であり、その資金調達につきましても、必要に応じ、当該方針の通り対応いたします。なお、2024年5月13日付で、今後の当社の事業拡大に伴い運転資金の増加が見込まれることから、より強固な財務基盤を構築するとともに金融費用の圧縮を行うことを目的として、株式会社三井住友銀行をアレンジャーとするシンジケートローン契約を締結し、資金調達を実行しました。また、東レ株式会社に対して合計74億7,287万8,838円及びこれに対する遅延損害金の支払いを命じる判決が下ったことを踏まえ、中長期的な資金流動性を担保するため、2025年6月2日付で株式会社三井住友銀行と特殊当座借越契約を締結しております。 ④ 目標とする経営指標について経営指標につきましては、特定の経営指標を定めておりませんが、当社は、医療用医薬品を主力とする医薬品メーカーであり、社会の高齢化が進むなか、医療技術の進歩と国民意識の健康福祉指向を背景に、医療ニーズの増大、多様化に対応する医薬品の開発とその安定供給に努め、「より良き医薬」のスローガンのもと、生命関連産業の一員としての本分を尽くしております。その上で、株主をはじめとした関係者の皆様の期待に応えていくことを経営の基本方針としながら、健全性、収益性、効率性、成長性などを総合的に勘案し、持続的かつ安定的な企業価値の向上を重視し、経営を行ってまいります。 (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 ① 棚卸資産の評価当社の棚卸資産の評価は、各在庫品目について滞留により破棄することが見込まれる数量を算出し、該当数量分の正味売却価額を零として評価損の金額を算出した上で、収益性の低下に基づき簿価を切り下げております。その際、当事業年度の販売数量に関する趨勢を踏まえた各在庫品目の将来の販売予測数量を重要な仮定として用いております。当該仮定として用いた販売数量に関する趨勢が変動した場合には、翌事業年度以降の医薬品部門売上原価に追加の評価損を計上する可能性があります。 ② 固定資産の減損当社は、一部の製造設備において減損テストを実施するにあたり、回収可能価額を使用価値により測定しております。使用価値は見積将来キャッシュ・フローの割引現在価値により測定を行い、重要な仮定は、販売単価、市場規模、市場シェア及び割引率等であります。使用価値の算定結果は、一定のリスクを反映させた上で不確実性を評価しておりますが、重要な仮定の変動により、翌事業年度以降の財務諸表において、減損損失が発生する可能性があります。
事業リスク
- 医療費抑制策と法的規制: 医療用医薬品の価格引き下げや後発医薬品の使用促進といった国の医療費抑制策は、医薬品の売上や利益に直接影響を与える可能性があります。また、医薬品事業は厳格な法的規制下にあり、万が一法令違反があった場合、製品回収や販売中止、許認可取り消しなどにより、経営成績に重大な影響を及ぼすリスクがあります。
- 医薬品開発の不確実性: 新薬の開発には多額の費用と長い期間が必要ですが、臨床試験で有効性や安全性が確認できない場合、開発を中止せざるを得ないことがあります。この場合、投下した研究開発費の回収が困難になり、製品上市の遅延や断念により、将来の収益機会を失う可能性があります。
- 特定の製品への依存と市場競争: 人工腎臓用透析剤は主力製品であり、市場でトップシェアを占めていますが、厳しい競争環境にあります。革新的な新製品や治療技術が登場した場合、市場環境が大きく変化し、主力製品の競争力が低下する可能性があります。これにより、業績に重大な影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。(1) 医療費抑制策・法的規制等に関するリスク医薬品事業は、薬事行政のもと様々な規制を受けています。医療費抑制策の一環として、医療用医薬品の薬価引き下げや後発医薬品の使用促進等の政策がとられており、このような医療政策が当社の経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、医薬品事業は所管官庁等の許認可等を受けて活動しています。当社は、定期的な研修や内部通報制度の整備等により関連法令等の遵守に努めておりますが、法令違反等により許認可等が取り消された場合等には、製品の回収、販売中止等により当社の経営成績は重要な影響を受ける可能性があります。 (2) 医薬品の開発及び発売に係るリスク医薬品の開発には、多大な経営資源の投入と長い時間を要しますが、有効性や安全性が審査当局による承認に必要な水準に達しないことが判明した場合又は想定される場合には、開発の継続を断念する事や、追加の試験を実施することがあります。その場合には投下資本の回収が困難になる可能性や、製品の上市が遅延する可能性があります。当社では、開発を多角的な視点から評価するプロセスを採り入れるなど、選択と集中を図ることにより効率化に努めておりますが、これら内在する研究開発に関するリスクを完全に排除しうるものではありません。 (3) 特定の製品への依存に関わるリスク医薬品事業の主力製品である人工腎臓用透析剤は厳しい市場競争下にあり、透析剤メーカーとしてトップシェアを占める当社では、その市場競争力を高めるべく、新規透析剤の開発や製造原価の低減に努めるとともに、新たな医療ニーズに応える新領域や新規事業の展開を推進しておりますが、革新的な製品や治療技術の登場などにより市場環境が想定を超える変化をした場合、業績に重大な影響を与える可能性があります。 (4) 医薬品の副作用・安全性に係るリスク医薬品には、発売後予期せぬ副作用が確認される可能性があります。当社は人工腎臓用透析剤や輸液製剤といった基礎的な医薬品を多く取り扱っているため、リスクが顕在化する可能性は比較的低いと思われますが、医薬品を販売している限りリスクが顕在化する可能性はあります。当社では、製造物責任などの賠償責任に関する保険に加入していますが、製品に重大な副作用やその他の安全性の問題が発生した全ての場合に、保険金が支払われる保証はなく、製品の回収、販売中止等により売上の減少や回収費用の負担、ブランド・イメージの著しい悪化の可能性があります。 (5) 自然災害・パンデミックなどによるリスク当社は、人工腎臓用透析剤や輸液製剤といった基礎的な医薬品を多く取り扱っているため、安定供給への重大な責任を有しております。そのため、突発的に発生する地震等の自然災害やパンデミック、事故等による工場の操業停止に備えて、これらの製品の製造拠点を東西に分散し、製品保管庫を各地区に設けております。また、社内に安定供給マニュアルに基づく委員会を設置し、常日頃から情報収集に努めるとともに、原材料の調達や製造ラインの異常など安定供給に支障を来たしかねない事象が判明した際には、直ちに緊急対策会議を開催し、優先してその解消にあたるなど、当社医薬品を必要としている患者さんにその供給を途絶えさせない取り組みを実施しております。しかし、広域・長期に影響を及ぼすような自然災害やパンデミック、事故等により製品の供給が困難となった場合、当社の事業に重要な支障を来たす可能性があります。なお、パンデミックとなった新型コロナウイルス感染症に関しては、リスク管理委員会において対策を実施し、事業継続に最低限必要な社員を除き在宅勤務や時差出勤を行うことで接触機会を低減させる等の感染対策に取り組んでまいりました。今後も医薬品の安定供給の社会的使命を全うするため、引き続き事業活動の継続に向けた取り組みを行ってまいります。 (6) 訴訟リスク知的財産権の侵害、製造物責任法違反、環境汚染、労務問題、公正取引等に関する訴訟を提起される可能性があります。訴訟を提起され敗訴した場合、巨額の損害賠償金の発生や、経営成績及び社会的信頼に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (7) 情報セキュリティに関するリスク当社は、研修等を通じて従業員に対し情報管理の徹底を促すとともに、情報システムのセキュリティ対策を進めておりますが、情報の不適切な取扱いやシステム不備、サイバー攻撃等により、個人情報や当社の機密情報が流出した場合や業務が阻害された場合、ブランド・イメージが悪化し、社会的信頼が失墜する可能性があります。 (8) 売掛債権の回収に関するリスク当社は、販売管理規程及び経理規程等に従い、営業本部及び総務本部が主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や、前受金を受領することにより、回収に関するリスクの軽減を図っております。ただし、取引先の予期せぬ財務状況の悪化等により、債権回収が滞る場合には、当社の経営成績及び財務状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (9) 棚卸資産の評価損に関するリスク当社は、基礎的な医薬品を多く取り扱っており、安定供給への重大な責任を有しているため、想定外の需要が生じた場合にも対応可能な在庫数量を確保しております。そのため、滞留により破棄する数量を最小限に抑えるよう、需要予測に基づいた生産計画等を行い、適切な在庫管理に努めておりますが、販売数量に関する趨勢が変動した場合には、棚卸資産の評価損や廃棄損が発生する可能性があります。 (10) 固定資産の減損に関するリスク一部の投資の意思決定に際し、回収可能価額を使用価値により測定しております。使用価値は見積将来キャッシュ・フローの割引現在価値により測定を行い、重要な仮定は、販売単価、市場規模、市場シェア及び割引率等であります。ただし、重要な仮定の変動により、減損損失が発生する可能性があります。 (11) 有価証券などの価格変動リスク当社は、有価証券などの価格変動リスクのあるものを保有しており、これらの価格が下落した場合、投資有価証券評価損が発生する可能性があります。