有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|9,232 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの業績は、今後起こり得る様々な事業展開上のリスクにより大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスクとなる可能性があると考えられる主要な事項を記載していますが、すべてを網羅したものではなく、記載以外のリスクも存在し、それらは投資家の判断に影響を与える可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <リスクマネジメント体制>当社グループは、リスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の予防に努め、発生した場合には的確に対処する体制を整備しています。部分最適でなく全体最適のリスクマネジメント活動を目指し、ERM(Enterprise Risk Management:全社的リスクマネジメント)を2019年度より導入しました。リスクマネジメント最高責任者(代表取締役社長)とリスクマネジメント統括責任者(代表取締役副社長/経営戦略本部長)を選任し、リスク・コンプライアンス管理部を主管部署と定め、「リスクマネジメントグローバルポリシー」に基づきリスクマネジメント委員会を定期開催しERMを推進しています。 <ERM体制図> 1線: 事業推進とリスク管理を実践する役割。2線: 1線の活動をモニタリングし牽制する役割。3線: 独立した保証を提供する役割。 ERMを推進するにあたり、経営層にインタビューを行い経営層が重要と考えるリスクを抽出したうえで、各本部から選出されたリスクマネジャーとワークショップ形式でリスクの評価・分類を行っています(発生頻度と影響度から各リスクを特大・大・中・小に分類)。「大」以上のリスクについては「主要なリスク」と位置づけ、本部長・統括部長レベルの部門リスクマネジメント統括責任者が、リスクオーナーとして部門横断の対応策に責任を負い、より経営に密着したERMを推進しています。また、各部門のリスクへの対応は、リスク・コンプライアンス管理部がリスクマネジャーと連携してモニタリングします。このような取り組みを通して、リスクマネジメントの精度を継続的に高め、リスクの低減に努めています。「主要なリスク」では、上記で分類したリスクのうち「大」以上のリスクを記載しています。なお、洗い出したリスクは、「戦略上のリスク」「外部要因リスク」「オペレーショナルリスク(業務遂行に伴うリスク)」に3分類し、リスクへの基本的な対応方針や優先順位を決定しています。リスク分類毎の基本的な対応方針は以下のとおりです。・戦略上のリスク:事業計画の失敗等、ビジネスそのものに伴うリスクで、中期計画等で対応すべきもの。・外部要因リスク:管理不能な外部要因により発生するリスクで、BCP等を含めERMで対応すべきもの。・オペレーショナルリスク:想像力を働かせれば避けえた管理の失敗により発生するリスクで、ERMで対応すべきもの。この3分類に基づく、当社の「主要なリスク」は以下のとおりです。 分野主要なリスク項目リスク分類(1)新製品の開発について・新製品の開発の失敗戦略上のリスク(2)海外展開について・欧米自販の失敗戦略上のリスク(3)特定の製品への依存について・特定製品への依存脱却の失敗戦略上のリスク(4)コンプライアンスについて・薬機法違反・贈収賄防止関連法規違反・独占禁止法違反・コード オブ プラクティス違反オペレーショナルリスク(5)製品の品質管理について・製品不具合・回収の発生オペレーショナルリスク(6)サプライチェーン(安定供給)について・サプライチェーンリスク外部要因リスクオペレーショナルリスク(7)新たな副作用について・新たな副作用等の発生戦略上のリスク(8)市場環境の変化(競争環境の変化・医療制度改革)への対応について・競合品や後発品との競争激化・医療費抑制策への対応の失敗戦略上のリスク外部要因リスク(9)情報セキュリティについて・サイバー攻撃・不正アクセス・社外関係者の個人情報流出外部要因リスクオペレーショナルリスク(10)人財の採用・育成・確保(リテンション)について・人財の採用・育成・確保の遅延戦略上のリスク(11)知的財産について・第三者の知的財産への侵害・第三者からの知的財産の侵害オペレーショナルリスク(12)減損リスク(販売権、仕掛研究開発費およびのれん等)への対応について・巨額な減損処理の発生戦略リスク(13)自然災害(大規模地震・気候変動)、感染症および事故について・自然災害・事故等の発生外部要因リスク(14)金融市況の変動について・為替変動・金融資産の価格変動外部要因リスク(15)環境問題への対応について・温暖化対策コスト増・環境汚染事故の発生外部要因リスクオペレーショナルリスク <主なリスクとその対応>(1) 新製品の開発について 当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされていない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる独創的で革新的な新薬開発に取り組むことを通して、世界のフィールドで闘える開発型国際製薬企業(グローバルスペシャリティファーマ)を目指しています。そのために、自ら革新的な医薬品の創製に挑むとともに、世界最先端の技術や知見を取り入れるオープンイノベーションを積極的に進めています。しかしながら、長期かつ多額の研究開発投資が実を結ばず、開発中断を余儀なくされ、結果的に独創的な新薬の上市に至らない事態も予想されます。このような事態に陥った場合には、将来に期待していた収益が得られず、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (2) 海外展開について当社グループは、独創的かつ革新的な新薬を創製し、世界のフィールドで闘える開発型国際製薬企業(グローバルスペシャリティファーマ)を目指した海外展開に取り組んでいます。すでに、韓国、台湾では、現地法人を設立して自社製品を販売しており、現在は欧米での開発・自販体制等の整備・強化にも努めています。2024年6月、がん領域における優れた研究開発能力と欧米でのコマーシャルケイパビリティを有するデサイフェラ社をグループ企業として迎え入れ、当社グループのパイプラインの拡充およびグローバル展開を加速させていきます。グローバルな事業活動を行うにあたり、開発リスクに対して、開発パイプライン拡充により複数の上市品候補を揃えると共に、各国の法的規制、経済情勢、政情不安、地域固有の自然災害や事業環境の不確実性等の情報を入手し、必要な対応を検討していますが、リスクを完全に回避することができない場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (3) 特定の製品への依存について当社グループの売上収益のうち、「オプジーボ点滴静注」および「抗PD-1/PD-L1抗体関連のロイヤルティ」の売上収益は、売上収益合計の約50%台半ば(2025年3月期)を占めています。薬価改定、他の有力な競合品の出現、特許等の保護期間の満了、その他予期せぬ事情により、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。かかるリスクに対処すべく、当社グループでは、2017年度から展開している中期経営計画の中で、事業のグローバル展開を加速すべく取り組んでいます。これまで、当社では、日本・韓国・台湾において臨床開発・販売を行い、欧米やその他の地域については新薬候補のライセンスアウトを基本とするというビジネスモデルでした。しかし、そのモデルを転換し、自ら欧米での臨床開発・販売を行うべく取り組んでいます。その一環として2024年6月には米国デサイフェラ社を買収し、欧米での臨床開発体制を強化し、世界40数か国での販売網を獲得しました。デサイフェラ社の持っていたアセットであるキンロック、ロンビムザに続き、当社が創製したベレキシブル、更には2025年3月にIonis社から導入したSapablursenを始め、臨床開発段階にある当社の持つアセットをグローバル市場に速やかに投入していくことで、オプジーボに依存した経営体制を一気に改善していきます。 (4) コンプライアンスについて当社グループは、事業活動を行う上で、製品の品質、安全、環境関連、化学物質関連の他、取引関連、労務関連、会計基準や税法等の様々な法規制の適用を受けています。また、気候変動の緩和のための各国の政策や法規制強化への対応が必要となります。当社グループおよび委託先等が重大な法令違反を起こした場合は、当社グループへの信用、経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、法規制の変更等により事業活動が制限され、その対応のために投資が必要になる場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。当社グループでは、ONOグループ コード・オブ・コンダクトのもとに、コンプライアンスグローバルポリシー等を制定しているほか、グループコンプライアンス委員会やコンプライアンス違反通報窓口を社内外に設置する等、コンプライアンス管理の体制を構築しています。さらに、コンプライアンスリスクの洗い出しとモニタリングを定期的に行うことで、違反の未然防止を実現する体制を確立し、事業活動に関連する法規制が遵守されるよう徹底しています。 (5) 製品の品質管理について当社グループは、医薬品の品質に係る法的要件のみならず、患者さん・介護者・医療従事者の視点に立った品質の高い医薬品を安定的に提供するため、「品質が高度に保証された医薬品を安定的に供給することにより社会に貢献する」という方針のもと、独自の品質マニュアルに基づいた品質システムを確立するとともに、システムの継続的な改善に取り組んでいます。しかしながら、予期せぬ重大な品質トラブルまたは新たな科学的知見により製品の安全と安心に対する懸念や製造物責任(PL)問題等が発生した場合には、当該製品ブランドだけではなく、当社グループ全体の信用低下や損害賠償責任にもつながり、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。なお、当社グループでは、製品の品質、有効性、安全性に関する懸念が生じた際には速やかに評価を行い、回収が決定された場合は速やかに医療従事者へ情報を提供すると共に、当該製品を回収する体制を整えています。 (6) サプライチェーン(安定供給)について当社グループは、自然災害および事故のリスクや薬機法からの逸脱リスクに対応する体制を構築しています。しかしながら、地震や台風等の自然災害、大規模感染症の蔓延、火災、システム障害やテロ等の事件、薬機法からの逸脱等により、特定の工場や外部委託先の機能、取引先からの原材料の供給が停止し、生産活動の停滞・遅延が起こった場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。自然災害および事故への対応策の詳細については、「(13)自然災害(大規模地震・気候変動)、感染症および事故について」に記載しています。薬機法からの逸脱リスクへの対応については、自社に厳格な品質基準を定め、生産に関する記録書類や照査、変更管理、逸脱管理を徹底して行っています。また、自社工場や委託先への品質監査を行い、それらが適切に運用されているかを定期的に確認しています。さらに、社員には患者さん目線の行動や違和感を持った時には迅速に報告、共有することを推奨し、品質文化の醸成、定着に努め、委託先にも同様の行動をお願いしています。このように規格に適合しない製品が出荷されないよう一貫した高水準の品質管理を徹底しています。 (7) 新たな副作用について医薬品には、治験段階では経験したことがない新たな副作用が市販後において報告される可能性や、副作用の頻度が高まる可能性があります。新たに重篤な副作用が発生した場合には、損害賠償金の支払いや承認取消等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。当社グループでは、医薬品ごとにリスク管理計画を策定し、継続的に安全性(副作用)情報の収集と評価を行っています。収集した情報は重篤性や注意喚起の必要性を評価したうえで、必要に応じて添付文書の改訂や医薬品の適正使用に関するお知らせの提供等の安全性対策を実施しています。 (8) 市場環境の変化(競争環境の変化・医療制度改革)への対応について当社グループの医薬品製造販売事業は、各国の薬事行政によりさまざまな規制を受けています。競合品や後発品の販売状況等の医薬品の市場環境の変化や、日本国内における公定薬価の引下げ、後発医薬品の使用促進等の医療制度改革や海外における様々な医療費抑制策の影響により、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。これらに対し、積極的な研究開発活動、全社を横断する迅速な部門間連携の強化による製品価値最大化を図っています。医療制度の変化をいち早く察知・対応することに加え、市場環境においても開発早期からその変化を見据え、競争優位性を担保する戦略で臨んでいます。また、製品ライフサイクルでは絶えず市場動向を捉え、製品のポテンシャルを最大限引き出せるようリソースを準備しています。 (9) 情報セキュリティについて当社グループは、業務の効率化・高度化はもとより、ビジネス環境に合わせてより柔軟に企業の変革を進めていけるようデジタル・ITの活用を進めています。また、これらのシステムにおいて機密性の高い情報や個人情報を取り扱っています。ビジネスのグローバル化の推進やデータ活用範囲の拡大とともに複雑性が増しており、技術的に発生する可能性がある障害、第三者または社内からの不正アクセスや攻撃によるビジネスオペレーションの停止、重要情報流出の可能性があります。これらによりコンピュータウイルスの感染、サイバー攻撃等によるシステム障害や事故等の原因により情報の改ざん、悪用、漏えい等が発生した場合には、社会的信用を大きく失うこと等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。これらのリスクを低減するため、セキュリティ関連ポリシーやガイドラインの整備、社会環境の変化に合わせた適切な技術対策・サービス利用に加え、インシデント対応体制の構築、国内外全社員を対象としたトレーニング、第三者によるセキュリティ評価に基づく継続的な対策強化を行っています。 (10) 人財の採用・育成・確保(リテンション)について当社グループは、持続的成長のために多様かつ優秀な人財の採用・育成・確保(リテンション)に努めていますが、中長期的に多様かつ優秀な人財が採用・育成・確保できない場合は、事業活動の停滞等が生じ、当社グループの経営成績および財政状態は、影響を受ける可能性があります。多様な人財の一人ひとりがいきいきと働き、その能力を最大限に発揮するために、多様な働き方ができる制度や職場環境の整備を進めています。また、働きがいのある魅力的な企業に向けた取り組みを通じて人財の採用・確保を図っており、個々人の成長や能力開発に向けたチャレンジ機会の創出や研修制度の充実を進めています。さらに、環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、企業価値を向上させるためには、人財の多様性を高めるとともに、相互に尊重しあう風土の醸成を重要視しています。事業成長をリードするマネジメント層において、年齢・性別・社歴の多様化の観点から、若手、女性、キャリア採用者の登用を進めています。あわせて、エンゲージメント調査を通じて、多様な人財が意欲高く働ける風土醸成を進めています。 (11) 知的財産について当社グループは、製造または販売する製品が第三者の知的財産権に抵触することのないように十分に注意を払っていますが、万が一、抵触があった場合には、損害賠償の支払いや製造販売の差し止め等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、当社グループでは、発明者等を適切に決定、管理し、社内規定や契約等で定めた適切な対価を支払っていますが、発明者等から訴訟を受けた場合には、損害賠償の支払い等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。更に、当社グループが保有、または他社からライセンスを受けている知的財産権が第三者から侵害された場合には、期待される収益が失われることにより、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (12) 減損リスク(販売権・仕掛研究開発費・のれん等)への対応について当社グループは、予実管理等を通じて業績のモニタリングを行っており、業績悪化の兆候があれば、適時に減損損失の測定等を行う体制を構築しています。今後、「事業等のリスク」に記載している様々なリスクが顕在化すること等により、業績計画との乖離が生じ、将来期待していたキャッシュ・フローが獲得できなくなった場合には、販売権、仕掛研究開発費およびのれんの減損損失が発生する可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (13) 自然災害(大規模地震・気候変動)、感染症および事故について大規模地震や気候変動に伴う自然災害、大規模感染症の蔓延等により、原材料の確保、生産の継続、流通過程等に問題が生じること、あるいは、生産工場の爆発・火災事故、情報・制御システムの障害、電力や水等の社会インフラの機能不全、有害物質による環境汚染、テロ、政変、暴動等が発生することがあります。これらにより、製商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。当社グループは、地震や気候変動に伴う洪水等の自然災害および事故発生時に対して、事業が中断した場合でも速やかに復旧・再開できるよう、事業継続計画(BCP)を策定しています。生産拠点をフジヤマ工場、山口工場の2か所、物流拠点を国内の複数個所に確保することで、当社製品の安定的な供給のためのリスク軽減を図っています。重要拠点である本社、東京ビル、各工場および各研究所には、災害対策として非常用電源設備や電力供給ラインの二重化等の停電対策の設備を採用しています。加えて本社、東京ビル、水無瀬研究所、山口工場には、免震装置を導入し地震に対するリスク軽減を図っています。また、大規模災害に備え、本社と東京ビルの2拠点で対応できる体制の構築、いち早く従業員の安否を確認できるシステムの導入等、社内体制の整備や定期的な訓練等の実施により、継続的な対応力の強化に努めています。事業継続管理(BCM)を担うBCM委員会では自然災害や重大事故だけでなく、様々なインシデントに対応できるオールハザードに対応した事業継続計画の立案に取り組んでいます。さらに、海外子会社を含めたグローバルでの危機対応・事業継続計画の策定を進めています。 (14) 金融市況の変動について ・為替変動当社グループは、国際的に事業展開を行っており、外貨建てでの受取ロイヤルティや経費支払い等があるため、為替相場の変動により、売上収益の減少や仕入原価、研究開発費の増加、為替差損の発生等のリスクに晒されています。当社グループは上記リスクを緩和すべく、市場リスク管理方針に基づき外貨建て取引の一定の割合について先物為替予約による為替リスクヘッジをしています。しかしながら、外貨の為替変動が想定以上となった場合、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 ・価格変動当社グループは、資本性金融商品から生じる株式価格の変動リスクに晒されています。当社グループは、短期トレーディング目的で保有する資本性金融商品はなく、ビジネス戦略を円滑に遂行するために資本性金融商品を保有していますが、定期的に公正価値や発行体の財務状況等を把握するとともに、当該企業との関係を勘案し、必要に応じて保有状況を見直しています。しかしながら、資本性金融商品の公正価値が予想を超えて大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (15) 環境問題への対応について当社グループは、環境関連問題への対応として、環境グローバルポリシーに基づいた環境ビジョン(ECO VISION 2050)を定め、脱炭素社会の実現、水循環社会の実現、資源循環社会の実現に向けて全社的に取り組んでいます。加えて、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)提言に基づき、気候変動関連、自然関連のリスクの特定とその対応策について検討をし、情報開示をおこなっています。このように、環境に対する企業の社会的責任を認識し、豊かな地球環境の保全に向けて事業活動の全分野において環境に配慮した活動を推進しています。医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質や生物由来試料の中には、人の健康や生態系への負荷が高いものもあり、適切な管理が求められます。当社グループでは事業活動を行う国や地域における有害物質の使用、製造、保管、廃棄等の取り扱いに関して、関連する法規制の遵守はもとより、法規制よりも厳しい自主基準を設け、モニタリングによる適正管理を実施しています。(詳細な取組につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。)しかしながら、今後、環境に関する法規制の改定により、より厳しい要請への対応が課せられた場合には、その対応のためのコストが増加することに加え、当社の研究、開発、製造その他の事業活動が制限される可能性があります。また、万が一、環境に関する法規制の不適合や有害物質による予期せぬ環境汚染、それに伴う危害が顕在化した場合には、社会的信頼を損なうとともに、保険の適用からの除外または補償金額を超える費用負担、法的責任を負う可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
FY2024|9,257 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの業績は、今後起こり得る様々な事業展開上のリスクにより大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスクとなる可能性があると考えられる主な事項を記載しておりますが、すべてのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在し、それらは投資家の判断に影響を与える可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <リスクマネジメント体制>当社グループは、主要なリスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の予防に努め、発生した場合には的確に対処する体制を整備しています。部分最適でなく全体最適のリスクマネジメント活動を目指し、ERM(Enterprise Risk Management:全社的リスクマネジメント)を2019年度より導入しました。リスクマネジメント最高責任者(代表取締役社長)とリスクマネジメント統括責任者(代表取締役副社長/経営戦略本部長)を選任し、リスク・コンプライアンス管理部を主管部署と定め、「リスクマネジメントグローバルポリシー」に基づきリスクマネジメント委員会を定期開催しERMを推進しています。 <ERM体制図> ERMを推進するにあたり、経営層にインタビューを行い経営層が重要と考えるリスクを抽出したうえで、各本部から選出されたリスクマネージャーとワークショップ形式でリスクの評価・分類を行っています(発生頻度と影響度から各リスクを特大・大・中・小に分類)。「大」以上のリスクについては「主要リスク」と位置づけ、本部長・統括部長レベルの部門リスクマネジメント統括責任者が、リスクオーナーとして部門横断の対応策に責任を負い、より経営に密着したERMを推進しています。また、各部門のリスクへの対応は、リスク・コンプライアンス管理部がリスクマネージャーと連携してモニタリングします。このような取り組みを通して、リスクマネジメントの精度を継続的に高め、リスクの低減に努めています。「主要なリスク」では、上記で分類したリスクのうち「大」以上のリスクを記載しています。なお、洗い出したリスクは、「戦略リスク」「外部要因リスク」「オペレーショナルリスク」に3分類し、リスクへの基本的な対応方針や優先順位を決定しています。リスク分類毎の基本的な対応方針は以下の通りです。・戦略リスク:事業計画の失敗等、ビジネスそのものに伴うリスクで、中期計画等で対応すべきもの。・外部要因リスク:管理不能な外部要因により発生するリスクで、BCP等を含めERMで対応すべきもの。・オペレーショナルリスク:想像力を働かせれば避けえた管理の失敗により発生するリスクで、ERMで対応すべきもの。この3分類に基づく、当社の「主要なリスク」は以下のとおりです。 分野主要なリスク項目リスク分類(1)新製品の開発について・新製品の開発の失敗戦略リスク(2)企業買収について・買収効果等の失敗戦略リスク(3)市場環境変化への対応について・競合品や後発品との競争激化戦略リスク(4)コンプライアンスについて・贈収賄防止関連法規違反・コード オブ プラクティス違反・独占禁止法違反・薬機法違反オペレーショナルリスク(5)製品の品質管理について・製品不具合・回収の発生オペレーショナルリスク(6)情報セキュリティについて・サイバー攻撃・不正アクセス・社外関係者の個人情報流出オペレーショナルリスク(7)人財の採用・育成・確保(リテンション)について・人財の採用・育成・確保の遅延戦略リスク(8)大規模地震や気候変動等に伴う自然災害および事故について・自然災害・事故等の発生外部要因リスク(9)サプライチェーン(安定供給)について・サプライチェーンリスク外部要因リスク(10)医療保険制度改革について・医療費抑制策への対応の失敗外部要因リスク(11)特定の製品への依存について・特定製品への依存脱却の失敗戦略リスク(12)新たな副作用について・新たな副作用等の発生戦略リスク(13)海外展開について・欧米自販の失敗戦略リスク(14)知的財産について・第三者の知的財産の侵害オペレーショナルリスク(15)訴訟について(他のリスクに包含) (16)他社との提携について・事業提携の失敗戦略リスク(17)金融市況の変動について・為替変動・金融資産の価格変動外部要因リスク(18)環境問題への対応について・温暖化対策コスト増・環境汚染事故の発生外部要因リスクオペレーショナルリスク(19)大規模感染症拡大について・新しいパンデミックの発生外部要因リスク(20)販売権、仕掛研究開発費およびのれんの減損処理について・巨額な減損処理の発生戦略リスク <主なリスク>(1)新製品の開発について当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる独創的で革新的な新薬開発に取り組むことを通して、特定分野に特化した「グローバル スペシャリティ ファーマ」の実現を目指しています。そのために、自ら革新的な医薬品の創製に挑むとともに、世界最先端の技術や知見を取り入れるオープンイノベーションを積極的に進めております。しかしながら、長期でかつ多額の研究開発投資が独創的な新薬の上市に至らず途中で開発を断念しなければならない事態も予想されます。このような事態に陥った場合には、将来に期待していた収益が得られず、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (2)企業買収について当社グループは、中長期成長戦略である「パイプライン強化とグローバル開発の加速」および「欧米自販の実現」を見据え、医療現場に革新をもたらす新薬の創出に取り組んでいます。企業買収を行うにあたり、対象企業の経営環境や事業環境の変化等、並びに各国の政策変更などの外部環境の変化により、業績に影響を受け、期待されていた買収効果等が実現されない可能性があります。 (3)市場環境変化への対応について当社グループは、積極的な研究開発活動、全社を横断する迅速な部門間連携の強化により、製品価値最大化を図っております。そのため、常に開発早期から市場環境を見据え、競争優位性を担保しうるよう戦略を見直し、変化に対応しております。また、製品ライフサイクルに影響が及ぶ側面においても絶えず市場動向を捉え、製品のポテンシャルを最大限引き出せるようリソースを準備しております。しかしながら、競合品や後発品の販売状況により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (4)コンプライアンスについて当社グループは、事業活動を行う上で、製品の品質、安全、環境関連、化学物質関連の他、取引関連、労務関連、会計基準や税法等の様々な法規制の適用を受けております。また、気候変動の緩和のための各国の政策や法規制強化への対応が必要となります。当社グループは、ONOグループ コード・オブ・コンタクトのもとに、コンプライアンスグローバルポリシー等を制定しているほか、グループコンプライアンス委員会やコンプライアンス違反通報・就労相談窓口を社内外に設置する等、コンプライアンス体制を構築し、事業活動に関連する法規制が遵守されるよう徹底等しておりますが、当社グループおよび委託先等が重大な法令違反を起こした場合は、当社グループへの信用、経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、法規制の変更などにより事業活動が制限され、その対応のために投資が必要になる場合には、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (5)製品の品質管理について当社グループは、医薬品の品質に係る法的要件のみならず、患者さん・介護者・医療従事者の視点に立った品質の高い医薬品を安定的に提供するため、「品質が高度に保証された医薬品を安定的に供給することにより社会に貢献する」という方針のもと、独自の品質マニュアルに基づいた品質システムを確立するとともに、システムの継続的な改善に取り組んでいます。一方、当社製品の品質、有効性、安全性に懸念がある場合は、速やかに評価し、回収が決定された場合はその情報を速やかに医療従事者に提供して当該製品を回収する体制を整えています。しかしながら、予想を超える重大な品質トラブルまたは新たな科学的知見により製品の安全と安心に対する懸念等が発生した場合には、当該製品ブランドだけではなく、当社グループ全体の信用の低下にもつながり、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (6)情報セキュリティについて当社グループは、業務の効率化・高度化はもとより、ビジネス環境に合わせてより柔軟に企業の変革を進めていけるようデジタル・ITの活用を進めております。また、これらのシステムにおいて機密性の高い情報や個人情報を取り扱っております。ビジネスのグローバル化の推進やデータ活用範囲の拡大とともに複雑性が増しており、技術的に発生する可能性がある障害、第三者または社内からの不正アクセスや攻撃によるビジネスオペレーションの停止、重要情報流出の可能性があります。これらのリスクを低減するため、セキュリティ関連ポリシーやガイドラインの整備、社会環境の変化に合わせた適切な技術対策・サービス利用に加え、インシデント対応体制の構築、国内外全社員を対象としたトレーニング、第三者によるセキュリティ評価に基づく継続的な対策強化を行っております。しかしながら、コンピュータウイルスの感染、サイバー攻撃等によるシステム障害や事故等の原因により情報の改ざん、悪用、漏えい等が発生した場合には、社会的信用を大きく失うこと等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (7)人財の採用・育成・確保(リテンション)について当社グループは、持続的成長のために多様かつ優秀な人財の採用・育成・確保(リテンション)に努めております。多様な人財の一人ひとりがいきいきと働き、その能力を最大限に発揮するために、多様な働き方ができる制度や職場環境の整備を進めております。また、働きがいのある魅力的な企業に向けた取り組みを通じて人財の採用・確保を図っており、個々人の成長や能力開発に向けたチャレンジ機会の創出や研修制度の充実を進めています。さらに、環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、企業価値を向上させるためには、人財の多様性を高めるとともに、相互に尊重しあう風土の醸成を重要視しています。事業成長をリードするマネジメント層において、年齢・性別・社歴の多様化の観点から、若手、女性、キャリア採用者の登用を進めています。あわせて、エンゲージメント調査を通じて、多様な人財が意欲高く働ける風土醸成を進めています。 しかしながら、中長期的に多様かつ優秀な人財が採用・育成・確保できない場合は、事業活動の停滞等が生じ、当社グループの経営成績および財政状態は、大きな影響を受ける可能性があります。 (8)大規模地震や気候変動等に伴う自然災害および事故について当社グループは、地震や気候変動に伴う洪水(水リスク)等の自然災害に対して、生産工場および主要な事業拠点を対象とした災害対策、事業継続計画(BCP)を策定しています。また、TCFD提言に基づいて特定した気候変動リスクとその対応策については、ERMと連携を取って管理し、情報開示を行っています。当社グループは、生産拠点をフジヤマ工場(静岡県)、山口工場(山口県)の2か所、物流拠点を国内の複数個所に確保することで、当社製品の安定的な供給のためのリスク軽減を図っています。また、重要拠点である本社、東京ビル、各工場および各研究所には、災害対策として、非常用電源設備や2回線受電等の停電対策の設備を採用しています。加えて本社、東京ビル、水無瀬研究所、山口工場には、免震装置を導入し、地震に対するリスク軽減を図っております。また、大規模災害に備え、大阪と東京の2拠点で対応できる体制の構築、いち早く従業員の安否を確認できる「安否確認システム」の導入を図る等、社内体制の整備を進めるとともに、定期的な災害訓練等の実施により、継続的な有事対応力の強化や意識向上に努めております。さらに、欧米自販を見据えて、海外子会社を含めたグローバルでの危機対応・事業継続計画の策定を進めています。しかしながら、大規模地震や気候変動に伴う自然災害等により、原材料の確保、生産の継続、流通過程等に問題が生じて製商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。また、大規模感染症の蔓延、生産工場の爆発・火災事故、情報・制御システムの障害、原材料購入先のトラブル、電力や水等の社会インフラの機能不全、有害物質による環境汚染、テロ、政変、暴動等が発生し、製商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (9)サプライチェーン(安定供給)について当社グループは「製品および商品の安定供給」をマテリアリティとして特定し、自然災害および事故のリスクや薬機法からの逸脱リスクに対応する体制を構築しています。自然災害および事故への対応策の詳細については、「(6)大規模地震や気候変動等に伴う自然災害および事故について」に記載しております。薬機法からの逸脱リスクへの対応については、自社に厳格な品質基準を定め、生産に関する記録書類や照査、変更管理、逸脱管理を徹底して行っております。また、自社工場や委託先への品質監査を行い、それらが適切に運用されているかを定期的に確認しています。このように規格に適合しない製品が出荷されないよう一貫した高水準の品質管理を徹底しています。しかしながら、地震や台風などの自然災害、大規模感染症の蔓延、火災、システム障害やテロなどの事件、薬機法からの逸脱などにより、特定の工場や外部委託先の機能、取引先からの原材料の供給が停止し、生産活動の停滞・遅延が起こった場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (10)医療保険制度改革について当社グループの医薬品製造販売事業は、各国の薬事行政によりさまざまな規制を受けております。日本国内における公定薬価の引下げ、後発医薬品の使用促進などの医療制度改革の影響や海外における様々な医療費抑制策の影響などにより、販売価格が下落し販売数量の伸長等でカバーできず、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (11)特定の製品への依存について当社グループの売上収益のうち、「オプジーボ点滴静注」および「抗PD-1/PD-L1抗体関連のロイヤルティ」の売上収益は、売上収益合計の約60%台半ば(2024年3月期)を占めております。薬価改定、他の有力な競合品の出現、特許などの保護期間の満了、その他予期せぬ事情により、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (12)新たな副作用について当社グループは、医薬品ごとにリスク管理計画を策定し、継続的に安全性(副作用)情報の収集と評価を行っています。収集した情報は重篤性や注意喚起の必要性を評価したうえで、必要に応じて添付文書の改訂や医薬品の適正使用に関するお知らせの提供などの安全性対策を実施しております。しかしながら、医薬品には、治験段階では経験したことがない新たな副作用が市販後において報告される可能性や、副作用の頻度が高まる可能性があります。新たに重篤な副作用が発生した場合には、損害賠償金の支払いや承認取消等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (13)海外展開について当社グループは、自社で創製した新薬を世界中に提供できる「グローバル スペシャリティ ファーマ」を目指した海外展開に取り組んでおります。すでに、韓国、台湾では、現地法人を設立して自社製品を販売しており、現在は欧米での自社販売も視野に入れて、開発・自販体制などの整備・強化にも努めています。グローバルな事業活動を行うにあたり、開発リスクに対して、開発パイプライン拡充により複数の上市品候補を揃えると共に、各国の法的規制、経済情勢、政情不安、地域固有の自然災害や事業環境の不確実性等の情報を入手し、必要な対応を検討しておりますが、リスクを完全に回避することができない場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (14)知的財産について当社グループは、製造または販売する製品が第三者の知的財産権に抵触することのないように十分に注意を払っておりますが、万が一、抵触があった場合には、損害賠償の支払いや製造販売の差し止め等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、当社グループでは、発明者等を適切に決定、管理し、社内規定や契約等で定めた適切な対価を支払っておりますが、発明者等から訴訟を受けた場合には、損害賠償の支払い等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (15)訴訟について当社グループの事業活動に関連して、医薬品副作用、製造物責任(PL)、労務問題、公正取引に関する問題および環境に関する問題に関して訴訟を提起される可能性があります。訴訟が発生した場合、その結果によっては、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (16)他社との連携について当社グループは、共同研究、共同開発、開発品の導出入、共同販売等様々な形で他社と提携を行っております。何らかの理由により提携の合意内容が変更・解消になった場合、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (17)金融市況の変動について・為替変動当社グループは、国際的に事業展開を行っており、外貨建てでの受取ロイヤルティや経費支払い等があるため、為替相場の変動により、売上収益の減少や仕入原価、研究開発費の増加、為替差損の発生等のリスクに晒されています。当社グループは上記リスクを緩和すべく、市場リスク管理方針に基づき外貨建て取引の一定の割合について先物為替予約による為替リスクヘッジをしております。しかしながら、外貨の為替変動が想定以上となった場合、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。・価格変動当社グループは、資本性金融商品から生じる株式価格の変動リスクに晒されています。当社グループは、短期トレーディング目的で保有する資本性金融商品はなく、ビジネス戦略を円滑に遂行するために資本性金融商品を保有しておりますが、定期的に公正価値や発行体の財務状況等を把握するとともに、当該企業との関係を勘案し、必要に応じて保有状況を見直しております。しかしながら、資本性金融商品の公正価値が予想を超えて大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (18)環境問題への対応について当社グループは、環境関連問題への対応として、環境グローバルポリシーに基づいた環境ビジョン(ECO VISION 2050)を定め、脱炭素社会の実現、水循環社会の実現、資源循環社会の実現に向けて全社的に取り組んでいます。加えて、自然関連財務影響開示タスクフォース(TNFD)提言に基づき、自然関連のリスクの特定とその対応策について検討を開始しました。このように、環境に対する企業の社会的責任を認識し、豊かな地球環境の保全に向けて事業活動の全分野において環境に配慮した活動を推進しています。医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質や生物由来試料の中には、人の健康や生態系への負荷が高いものもあり、適切な管理が求められます。当社グループでは事業活動を行う国や地域における有害物質の使用、製造、保管、廃棄等の取り扱いに関して、関連する法規制の遵守はもとより、法規制よりも厳しい自主基準を設け、モニタリングによる適正管理を実施しています。(詳細な取組につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。)しかしながら、今後、環境に関する法規制の改定により、より厳しい要請への対応が課せられた場合には、その対応のためのコストが増加することに加え、当社の研究、開発、製造その他の事業活動が制限される可能性があります。また万が一、環境に関する法規制の不適合や有害物質による予期せぬ環境汚染、それに伴う危害が顕在化した場合には、社会的信頼を損なうとともに、保険の適用からの除外または補償金額を超える費用負担、法的責任を負う可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (19)大規模感染症拡大について当社グループは、生命関連企業として医薬品の安定供給を図るため、関係会社や取引先とも連携し、安定供給を維持しており、当面の当社医薬品の生産および医療機関への供給体制に問題はありません。しかしながら、今後、大規模感染症が蔓延し、製品および商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (20)販売権、仕掛研究開発費およびのれんの減損処理について当社グループは、予実管理等を通じて業績のモニタリングを行っており、業績悪化の兆候があれば、適時に減損損失の測定等を行う体制を構築しています。今後、「事業等のリスク」に記載している様々なリスクが顕在化すること等により、業績計画との乖離が生じ、将来期待していたキャッシュ・フローが獲得できなくなった場合には、販売権、仕掛研究開発費およびのれんの減損損失が発生する可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
FY2023|8,863 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの業績は、今後起こり得る様々な事業展開上のリスクにより大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスクとなる可能性があると考えられる主な事項を記載しておりますが、すべてのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在し、それらは投資家の判断に影響を与える可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <リスクマネジメント体制>当社グループは、主要なリスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の予防に努め、発生した場合には的確に対処する体制を整備しています。部分最適でなく全体最適のリスクマネジメント活動を目指し、2018年度よりERM(Enterprise Risk Management:全社的リスクマネジメント)の導入準備を開始し、2019年度より導入しました。リスクマネジメント最高責任者(代表取締役社長)とリスクマネジメント統括責任者(取締役専務執行役員/経営戦略本部長)を選任し、法務部を主管部署と定め、「リスクマネジメント規程」を制定しERMを推進しています。 <ERM体制図> ERMを推進するにあたり、経営層にインタビューを行い経営層が重要と考えるリスクを抽出したうえで、各本部から選出されたリスクマネージャーとワークショップ形式でリスクの評価・分類を行いました。ワークショップにおいては、経営層が考えるリスクと各マネージャーが持ち寄ったリスクを、実際に起こりうるシナリオとともに議論し、そのリスクが実際に発生する頻度を7段階で、発生した時の影響の重大性を5段階で評価してリスク指数を導き出し、各リスクを特大・大・中・小に分類しました。特定したリスクについては、それぞれ対応責任者を定め、定めた対応策に責任を負うこととしています。各部門のリスクへの対応は、法務部が中心となりモニタリングします。また、法務部はリスクマネージャーと連携して、環境の変化に伴い新たに発生したリスクだけでなく将来発生する可能性のある潜在リスクの把握やリスク指数の見直しなどを定期的に行います。このような取り組みを通して、リスクマネジメントの精度を継続的に高め、リスクの低減に努めています。「主要なリスク」では、上記で分類したリスクのうち「大」以上のリスクを記載しています。なお、洗い出したリスクは、「戦略リスク」「外部要因リスク」「オペレーショナルリスク」に3分類し、リスクへの基本的な対応方針や優先順位を決定しています。リスク分類毎の基本的な対応方針は以下の通りです。・戦略リスク:事業計画の失敗等、ビジネスそのものに伴うリスクで、中期計画等で対応すべきもの。・外部要因リスク:管理不能な外部要因により発生するリスクで、BCP等で対応すべきもの。・オペレーショナルリスク:想像力を働かせれば避けえた管理の失敗により発生するリスクで、ERMで対応すべきもの。この3分類に基づく、当社の「主要なリスク」は以下のとおりです。 分野主要なリスク項目リスク分類(1)新製品の開発について・新製品の開発の失敗戦略リスク(2)市場環境変化への対応について・競合品や後発品との競争激化戦略リスク(3)コンプライアンスについて・贈収賄防止関連法規違反・コード オブ プラクティス違反・独占禁止法違反・薬機法違反オペレーショナルリスク(4)製品の品質管理について・製品不具合・回収の発生オペレーショナルリスク(5)人財の採用・育成・確保(リテンション)について・人財の採用・育成・確保の遅延戦略リスク(6)大規模地震や気候変動等に伴う自然災害および事故について・自然災害・事故等の発生外部要因リスク(7)サプライチェーン(安定供給)について・サプライチェーンリスク外部要因リスク(8)医療保険制度改革について・医療費抑制策への対応の失敗外部要因リスク(9)特定の製品への依存について・特定製品への依存脱却の失敗戦略リスク(10)新たな副作用について・新たな副作用等の発生戦略リスク(11)知的財産について・第三者の知的財産の侵害オペレーショナルリスク(12)訴訟について(他のリスクに包含) (13)情報管理について・サイバー攻撃・不正アクセス・社外関係者の個人情報流出オペレーショナルリスク(14)海外展開について・欧米自販の失敗戦略リスク(15)他社との提携について・事業提携の失敗戦略リスク(16)金融市況の変動について・為替変動・金融資産の価格変動外部要因リスク(17)環境問題への対応について・温暖化対策コスト増・環境汚染事故の発生外部要因リスクオペレーショナルリスク(18)大規模感染症拡大について・新しいパンデミックの発生外部要因リスク(19)繰延税金資産や減損処理について・巨額な減損処理の発生戦略リスク <主要なリスク>(1)新製品の開発について当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる独創的で革新的な新薬開発に取り組むことを通して、特定分野に特化した「グローバル スペシャリティ ファーマ」の実現を目指しています。そのために、自ら革新的な医薬品の創製に挑むとともに、世界最先端の技術や知見を取り入れるオープンイノベーションを積極的に進めております。しかしながら、長期でかつ多額の研究開発投資が独創的な新薬の上市に至らず途中で開発を断念しなければならない事態も予想されます。このような事態に陥った場合には、将来に期待していた収益が得られず、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (2)市場環境変化への対応について当社グループは、積極的な研究開発活動、全社を横断する迅速な部門間連携の強化により、製品価値最大化を図っております。そのため常に開発早期から市場環境を見据え、競争優位性を担保しうるよう戦略を見直し、変化に対応しております。また、製品ライフサイクルに影響が及ぶ側面においても絶えず市場動向を捉え、製品のポテンシャルを最大限引き出せるようリソースを準備しております。しかしながら、競合品や後発品の販売状況により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (3)コンプライアンスについて当社グループは、事業活動を行う上で、製品の品質、安全、環境関連、化学物質関連の他、取引関連、労務関連、会計基準や税法等の様々な法規制の適用を受けております。また、今後は気候変動の緩和のための各国の政策や法規制強化への対応が必要となります。当社グループは、ONOグループ コード・オブ・コンタクトのもとに、コンプライアンスグローバルポリシー等を制定しているほか、コンプライアンス委員会やコンプライアンス違反通報・就労相談窓口を社内外に設置する等、コンプライアンス体制を構築し、事業活動に関連する法規制が遵守されるよう徹底等しておりますが、当社グループおよび委託先等が重大な法令違反を起こした場合は、当社グループへの信用、経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、法規制の変更などにより事業活動が制限され、その対応のために投資が必要になる場合には、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (4)製品の品質管理について当社グループは、医薬品の品質に係る法的要件のみならず、患者さん・介護者・医療従事者の視点に立った品質の高い医薬品を安定的に提供するため、「品質が高度に保証された医薬品を安定的に供給することにより社会に貢献する」という方針のもと、独自の品質マニュアルに基づいた品質システムを確立するとともに、システムの継続的な改善に取り組んでいます。一方、当社製品の品質、有効性、安全性に懸念がある場合は、速やかに評価し、回収が決定された場合はその情報を速やかに医療従事者に提供して当該製品を回収する体制を整えています。しかしながら、予想を超える重大な品質トラブルまたは新たな科学的知見により製品の安全と安心に対する懸念等が発生した場合には、当該製品ブランドだけではなく、当社グループ全体の信用の低下にもつながり、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (5)人財の採用・育成・確保(リテンション)について当社グループは、持続的成長のために多様かつ優秀な人財の採用・育成・確保(リテンション)に努めております。多様な人財の一人一人がいきいきと働き、その能力を最大限に発揮するために、多様な働き方ができる制度や職場環境の整備を進めております。また、働きがいのある魅力的な企業に向けた取り組みを通じて人財の採用・確保を図っており、個々の成長や能力に沿った研修制度を充実させています。さらに、環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、企業価値を向上させるためには、組織を構成するメンバーの属性や価値観、行動特性の多様性を高め、その個性を認めることが重要であると考えており、「女性活躍推進」、「障がい者活躍推進」、「キャリア採用推進」に取り組んでいます。しかしながら、中長期的に多様かつ優秀な人財が採用・育成・確保できない場合は、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は、大きな影響を受ける可能性があります。 (6)大規模地震や気候変動等に伴う自然災害および事故について当社グループは、地震や気候変動に伴う洪水(水リスク)等の自然災害に対して、生産工場および主要な事業拠点を対象とした災害対策、事業継続計画(BCP)を策定するとともに、TCFD提言に基づき、気候変動リスクの特定とその対応策について情報開示を行っています。当社グループは、生産拠点をフジヤマ工場(静岡県)、山口工場(山口県)の2か所、物流拠点を国内の複数個所に確保することで、当社製品の安定的な供給のためのリスク軽減を図っています。また、重要拠点である本社、東京ビル、各工場および各研究所には、災害対策として、非常用電源設備や2回線受電等の停電対策の設備を採用しています。加えて本社、東京ビル、水無瀬研究所、山口工場には、免震装置を導入し、地震に対するリスク軽減を図っております。また、大規模災害に備え、大阪と東京の2拠点で対応できる体制の構築、いち早く従業員の安否を確認できる「安否確認システム」の導入を図る等、社内体制の整備を進めるとともに、定期的な災害訓練等の実施により、継続的な有事対応力の強化や意識向上に努めております。しかしながら、大規模地震や気候変動に伴う自然災害等により、原材料の確保、生産の継続、流通過程等に問題が生じて製品および商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。また、大規模感染症の蔓延、生産工場の爆発・火災事故、情報・制御システムの障害、原材料購入先のトラブル、電力や水等の社会インフラの機能不全、有害物質による環境汚染、テロ、政変、暴動等が発生し、製商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (7)サプライチェーン(安定供給)について当社グループは「製品および商品の安定供給」をマテリアリティとして特定し、自然災害および事故のリスクや薬機法からの逸脱リスクに対応する体制を構築しています。自然災害および事故への対応策の詳細については、「(6)大規模地震や気候変動等に伴う自然災害および事故について」に記載しております。薬機法からの逸脱リスクへの対応については、自社に厳格な品質基準を定め、生産に関する記録書類や照査、変更管理、逸脱管理を徹底して行っております。また、自社工場や委託先への品質監査を行い、それらが適切に運用されているかを定期的に確認しています。このように規格に適合しない製品が出荷されないよう一貫した高水準の品質管理を徹底しています。しかしながら、地震や台風などの自然災害、大規模感染症の蔓延、火災、システム障害やテロなどの事件、薬機法からの逸脱などにより、特定の工場や外部委託先の機能、取引先からの原材料の供給が停止し、生産活動の停滞・遅延が起こった場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (8)医療保険制度改革について当社グループの医薬品製造販売事業は、各国の薬事行政によりさまざまな規制を受けております。日本国内における公定薬価の引下げ、後発医薬品の使用促進などの医療制度改革の影響や海外における様々な医療費抑制策の影響などにより、販売価格が下落し販売数量の伸長等でカバーできず、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (9)特定の製品への依存について当社グループの売上収益のうち、「オプジーボ点滴静注」および「抗PD-1/PD-L1抗体関連のロイヤルティ」の売上収益は、売上収益合計の約60%台半ば(2023年3月期)を占めております。薬価改定、他の有力な競合品の出現、特許などの保護期間の満了、その他予期せぬ事情により、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (10)新たな副作用について当社グループは、医薬品ごとにリスク管理計画を策定し、継続的に安全性(副作用)情報の収集と評価を行っています。収集した情報は重篤性や注意喚起の必要性を評価したうえで、必要に応じて添付文書の改訂や医薬品の適正使用に関するお知らせの提供などの安全性対策を実施しております。しかしながら、医薬品には、治験段階では経験したことがない新たな副作用が、市販後において報告される可能性があります。新たな重篤な副作用が発生した場合には、損害賠償金の支払いや承認取消等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (11)知的財産について当社グループは、製造または販売する製品が第三者の知的財産権に抵触することのないように十分に注意を払っておりますが、万が一、抵触があった場合には、損害賠償金の支払いや製造販売の差し止め等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、当社グループでは、発明者等を適切に決定、管理し、社内規定や契約等で定めた適切な対価を支払っておりますが、発明者等から訴訟を受けた場合には、損害賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (12)訴訟について当社グループの事業活動に関連して、医薬品副作用、製造物責任(PL)、労務問題、公正取引に関する問題および環境に関する問題に関して訴訟を提起される可能性があります。訴訟が発生した場合、その結果によっては、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (13)情報管理について当社グループは、業務の効率化・高度化はもとより、ビジネス環境に合わせてより柔軟に企業の変革を進めていけるようデジタル・ITの活用を進めております。また、これらのシステムにおいて機密性の高い情報や個人情報を取り扱っております。ビジネスのグローバル化の推進やデータ活用範囲の拡大とともに複雑性が増しており、技術的に発生する可能性がある障害、第三者または社内からの不正アクセスや攻撃によるビジネスオペレーションの停止、重要情報流出の可能性があります。これらのリスクを低減するため、セキュリティや安定運用に関わるポリシーの制定、技術・社会環境の変化に合わせた適切な技術・サービスの選択に加え、全社員を対象としたトレーニング、第三者によるセキュリティ評価に基づく継続的な対策強化を行っております。しかしながら、コンピュータウイルスの感染、サイバー攻撃等によるシステム障害や事故等の原因により情報の改ざん、悪用、漏えい等が発生した場合には、社会的信用を大きく失うこと等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (14)海外展開について当社グループは、自社で創製した新薬を世界中に提供できる「グローバル スペシャリティ ファーマ」を目指した海外展開に取り組んでおります。すでに、韓国、台湾では、現地法人を設立して自社製品を販売しており、現在は欧米での自社販売も視野に入れて、開発体制などの整備・強化にも努めています。グローバルな事業活動を行うにあたり、開発リスクに対して、開発パイプライン拡充により複数の上市品候補を揃えると共に、各国の法的規制、経済情勢、政情不安、地域固有の自然災害や事業環境の不確実性等の情報を入手し、必要な対応を検討しておりますが、リスクを完全に回避することができない場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (15)他社との提携について当社グループは、共同研究、共同開発、開発品の導出入、共同販売等様々な形で他社と提携を行っております。何らかの理由により提携の合意内容が変更・解消になった場合、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (16)金融市況の変動について・為替変動当社グループは、国際的に事業展開を行っており、外貨建てでの受取ロイヤルティや経費支払い等があるため、為替相場の変動により、売上収益の減少や仕入原価、研究開発費の増加、為替差損の発生等のリスクに晒されています。当社グループは上記リスクを緩和すべく、市場リスク管理方針に基づき外貨建て取引の一定の割合について先物為替予約による為替リスクヘッジをしております。しかしながら、外貨の為替変動が想定以上となった場合、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。・価格変動当社グループは、資本性金融商品から生じる株式価格の変動リスクに晒されています。当社グループは、短期トレーディング目的で保有する資本性金融商品はなく、ビジネス戦略を円滑に遂行するために資本性金融商品を保有しておりますが、定期的に公正価値や発行体の財務状況等を把握するとともに、当該企業との関係を勘案し、必要に応じて保有状況を見直しております。しかしながら、資本性金融商品の公正価値が予想を超えて大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (17)環境問題への対応について当社グループは、環境関連問題への対応として、環境グローバルポリシーに基づいた環境ビジョン(ECO VISION 2050)を定め、脱炭素社会の実現、水循環社会の実現、資源循環社会の実現に向けて全社的に取り組むとともに、環境に対する企業の社会的責任を認識し、事業活動の全分野において、環境に配慮して活動し、豊かな地球環境実現に向けて事業活動の全分野において環境に配慮した活動を推進しています。また、医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれているため、当社グループでは事業活動を行う国や地域における有害物質の使用、製造、保管、廃棄等の取り扱いに関して、一部では法よりも厳しい自主基準を設ける等、環境法規制を遵守しています。(詳細な取組につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。)しかしながら、今後、温暖化対策としての新たな炭素税の導入や温室効果ガス排出規制などが強化された場合には、コストが増加する可能性があります。また、万が一、有害物質による予期せぬ汚染やそれに伴う危害が顕在化した場合には、保険の適用からの除外または補償金額を超える費用負担、法的責任を負う可能性があります。また、環境法規制の変更により、当社の研究、開発、製造その他の事業活動が制限される可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (18)大規模感染症拡大について当社グループは、生命関連企業として医薬品の安定供給を図るため、関係会社や取引先とも連携し、安定供給を維持しており、当面の当社医薬品の生産および医療機関への供給体制に問題はありません。しかしながら、今後、大規模感染症が拡大し、製品および商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (19)繰延税金資産や減損処理について当社グループは、予実管理等を通じて業績のモニタリングを行っており、業績悪化の兆候があれば、適時に繰延税金資産の回収可能性の見直しや減損損失の測定等を行う体制を構築しています。今後、「事業等のリスク」に記載している様々なリスクが顕在化すること等により、業績計画との乖離が生じ、将来期待していたキャッシュ・フローが獲得できなくなった場合には、有形固定資産、無形資産の減損が発生し、また繰延税金資産が減少する可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
FY2022|9,052 文字
2 【事業等のリスク】当社グループの業績は、今後起こり得る様々な事業展開上のリスクにより大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスクとなる可能性があると考えられる主な事項を記載しておりますが、すべてのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在し、それらは投資家の判断に影響を与える可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <リスクマネジメント体制>当社グループは、主要なリスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の予防に努め、発生した場合には的確に対処する体制を整備しています。部分最適でなく全体最適のリスクマネジメント活動を目指し、2018年度よりERM(Enterprise Risk Management:全社的リスクマネジメント)の導入準備を開始し、2019年度より導入しました。リスクマネジメント最高責任者(代表取締役社長)とリスクマネジメント統括責任者(取締役専務執行役員/経営戦略本部長)を選任し、法務部を主管部署と定め、「リスクマネジメント規程」を制定しERMを推進しています。 <ERM体制図> ERMを推進するにあたり、経営層にインタビューを行い経営層が重要と考えるリスクを抽出したうえで、各本部から選出されたリスクマネージャーとワークショップ形式でリスクの評価・分類を行いました。ワークショップにおいては、経営層が考えるリスクと各マネージャーが持ち寄ったリスクを、実際に起こりうるシナリオとともに議論し、そのリスクが実際に発生する頻度を7段階で、発生した時の影響の重大性を5段階で評価してリスク指数を導き出し、各リスクを特大・大・中・小に分類しました。特定したリスクについては、それぞれ対応責任者を定め、定めた対応策に責任を負うこととしています。各部門のリスクへの対応は、法務部が中心となりモニタリングします。また、法務部はリスクマネージャーと連携して、環境の変化に伴い新たに発生したリスクだけでなく将来発生する可能性のある潜在リスクの把握やリスク指数の見直しなどを定期的に行います。このような取り組みを通して、リスクマネジメントの精度を継続的に高め、リスクの低減に努めています。「主要なリスク」では、上記で分類したリスクのうち「大」以上のリスクを記載しています。なお、洗い出したリスクは、「戦略リスク」「外部要因リスク」「オペレーショナルリスク」に3分類し、リスクへの基本的な対応方針や優先順位を決定しています。リスク分類毎の基本的な対応方針は以下の通りです。・戦略リスク:事業計画の失敗等、ビジネスそのものに伴うリスクで、中期計画等で対応すべきもの。・外部要因リスク:管理不能な外部要因により発生するリスクで、BCP等で対応すべきもの。・オペレーショナルリスク:想像力を働かせれば避けえた管理の失敗により発生するリスクで、ERMで対応すべきもの。この3分類に基づく、当社の「主要なリスク」は以下のとおりです。 分野主要なリスク項目リスク分類(1)新製品の開発について・新製品の開発の失敗戦略リスク(2)市場環境変化への対応について・競合品や後発品との競争激化戦略リスク(3)コンプライアンスについて・贈収賄防止関連法規違反・コード オブ プラクティス違反・独占禁止法違反・薬機法違反オペレーショナルリスク(4)製品の品質管理について・製品不具合・回収の発生オペレーショナルリスク(5)人財の確保および育成について・人材確保・育成の失敗戦略リスク(6)大規模地震や気候変動等に伴う自然災害および事故について・自然災害・事故等の発生外部要因リスク(7)サプライチェーン(安定供給)について・サプライチェーンリスク外部要因リスク(8)医療保険制度改革について・医療費抑制策への対応の失敗外部要因リスク(9)特定の製品への依存について・特定製品への依存脱却の失敗戦略リスク(10)新たな副作用について・新たな副作用等の発生戦略リスク(11)知的財産について・第三者の知的財産の侵害オペレーショナルリスク(12)訴訟について(他のリスクに包含) (13)情報管理について・サイバー攻撃・不正アクセス・社外関係者の個人情報流出オペレーショナルリスク(14)海外展開について・欧米自販の失敗戦略リスク(15)他社との提携について・事業提携の失敗戦略リスク(16)金融市況の変動について・為替変動・金融資産の価格変動外部要因リスク(17)環境問題への対応について・温暖化対策コスト増・環境汚染事故の発生外部要因リスクオペレーショナルリスク(18)新型コロナウイルス感染拡大について・新しいパンデミックの発生外部要因リスク(19)繰延税金資産や減損処理について・巨額な減損処理の発生戦略リスク <主要なリスク>(1)新製品の開発について当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる独創的で革新的な新薬開発に取り組むことを通して、特定分野に特化した「グローバル スペシャリティ ファーマ」の実現を目指しています。そのために、自ら革新的な医薬品の創製に挑むとともに、世界最先端の技術や知見を取り入れるオープンイノベーションを積極的に進めております。しかしながら、長期でかつ多額の研究開発投資が独創的な新薬の上市に至らず途中で開発を断念しなければならない事態も予想されます。このような事態に陥った場合には、将来に期待していた収益が得られず、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (2)市場環境変化への対応について当社グループは、積極的な研究開発活動、全社を横断する迅速な部門間連携の強化により、製品価値最大化を図っております。そのため常に開発早期から市場環境を見据え、競争優位性を担保しうるよう戦略を見直し、変化に対応しております。また、製品ライフサイクルに影響が及ぶ側面においても絶えず市場動向を捉え、製品のポテンシャルを最大限引き出せるようリソースを準備しております。しかしながら、競合品や後発品の販売状況により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (3)コンプライアンスについて当社グループは、事業活動を行う上で、製品の品質、安全、環境関連、化学物質関連の他、取引関連、労務関連、会計基準や税法等の様々な法規制の適用を受けております。また、今後は気候変動の緩和のための各国の政策や法規制強化への対応が必要となります。当社グループは、行動規範のもとに、コンプライアンスプログラムポリシー等を制定しているほか、コンプライアンス委員会やコンプライアンス違反通報・就労相談窓口を社内外に設置する等、コンプライアンス体制を構築し、事業活動に関連する法規制が遵守されるよう徹底等しておりますが、当社グループおよび委託先等が重大な法令違反を起こした場合は、当社グループへの信用、経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、法規制の変更などにより事業活動が制限され、その対応のために投資が必要になる場合には、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (4)製品の品質管理について当社グループは、医薬品の品質に係る法的要件のみならず、患者さん・介護者・医療従事者の視点に立った高い品質の医薬品を安定的に提供するため、「品質が高度に保証された医薬品を安定的に供給することにより社会に貢献する」という方針のもと、独自の品質マニュアルに基づいた品質システムを確立するとともに、システムの継続的な改善に取り組んでいます。一方、当社製品の品質、有効性、安全性に懸念がある場合は、速やかに評価し、回収が決定された場合はその情報を速やかに医療従事者に提供して当該製品を回収する体制を整えています。しかしながら、予想を超える重大な品質トラブルまたは新たな科学的知見により製品の安全と安心に対する懸念等が発生した場合には、当該製品ブランドだけではなく、当社グループ全体の信用の低下にもつながり、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (5)人財の確保および育成について当社グループは、持続的成長のために多様で優秀な人財の確保、育成に努めております。多様な人財の一人一人が生き生きと働き、その能力を最大限に発揮するために、多様な働き方ができる支援制度や職場環境の整備を進め、働きがいのある魅力ある企業となる取り組みを通じて人財の確保を図っており、個々の成長や能力に沿った研修制度を充実させています。また、環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、企業価値を向上させるためには、組織を構成するメンバーの属性や価値観、行動特性の多様性を高め、その個性を認めることが重要であると考え、「女性活躍推進」、「障がい者活躍推進」、「キャリア採用推進」に取り組んでいます。しかしながら、中長期的に多様で優秀な人財が確保、育成できない場合は、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は、大きな影響を受ける可能性があります。 (6)大規模地震や気候変動等に伴う自然災害および事故について当社グループは、地震や気候変動に伴う洪水(水リスク)等の自然災害に対して、生産工場および主要な事業拠点を対象とした災害対策、事業継続計画(BCP)を策定するとともに、TCFD提言に基づき、気候変動リスクの特定とその対応策について情報開示を行っています。当社グループは、生産拠点をフジヤマ工場(静岡県)、山口工場(山口県)の2か所、物流拠点を国内の複数個所に確保することで、当社製品の安定的な供給のためのリスク軽減を図っています。また、重要拠点である本社、東京ビル、各工場および各研究所には、災害対策として、非常用電源設備や2回線受電等の停電対策の設備を採用しています。加えて本社、東京ビル、水無瀬研究所、山口工場には、免震装置を導入し、地震に対するリスク軽減を図っております。また、大規模災害に備え、大阪と東京の2拠点で対応できる体制の構築、いち早く従業員の安否を確認できる「安否確認システム」の導入を図る等、社内体制の整備を進めるとともに、定期的な災害訓練等の実施により、継続的な有事対応力の強化や意識向上に努めております。しかしながら、大規模地震や気候変動に伴う自然災害等により、原材料の確保、生産の継続、流通過程等に問題が生じて製商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。また、新型コロナウイルス等の感染症の蔓延、生産工場の爆発・火災事故、情報・制御システムの障害、原材料購入先のトラブル、電力や水等の社会インフラの機能不全、有害物質による環境汚染、テロ、政変、暴動等が発生し、製商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (7)サプライチェーン(安定供給)について当社グループは「製商品の安定供給」をマテリアリティとして特定し、自然災害および事故のリスクや薬機法からの逸脱リスクに対応する体制を構築しています。自然災害および事故への対応策の詳細については、「(6)大規模地震や気候変動等に伴う自然災害および事故について」に記載しております。薬機法からの逸脱リスクへの対応については、自社に厳格な品質基準を定め、製造に関する記録書類や照査、変更管理、逸脱管理を徹底して行っております。また、自社工場や委託先への品質監査を行い、それらが適切に運用されているかを定期的に確認しています。このように規格に適合しない製品が出荷されないよう一貫した高水準の品質管理を徹底しています。しかしながら、地震や台風などの自然災害、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大等のパンデミック、火災、システム障害やテロなどの事件、薬機法からの逸脱などにより、特定の工場や外部委託先の機能、取引先からの原材料の供給が停止し、生産活動の停滞・遅延が起こった場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (8)医療保険制度改革について当社グループの医薬品製造販売事業は、各国の薬事行政によりさまざまな規制を受けております。日本国内における公定薬価の引下げ、後発医薬品の使用促進などの医療制度改革の影響や海外における様々な医療費抑制策の影響などにより、販売価格が下落し販売数量の伸長等でカバーできず、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (9)特定の製品への依存について当社グループの売上収益のうち、「オプジーボ点滴静注」および「抗PD-1/PD-L1抗体関連のロイヤルティ」の売上収益は、売上収益合計の約6割(2022年3月期)を占めております。薬価改定、他の有力な競合品の出現、特許などの保護期間の満了、その他予期せぬ事情により、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (10)新たな副作用について当社グループは、医薬品ごとにリスク管理計画を策定し、継続的に安全性(副作用)情報の収集と評価を行っています。収集した情報は重篤性や注意喚起の必要性を評価したうえで、必要に応じて添付文書の改訂や医薬品の適正使用に関するお知らせの提供などの安全性対策を実施しております。しかしながら、医薬品には、治験段階では経験したことがない新たな副作用が、市販後において報告される可能性があります。新たな重篤な副作用が発生した場合には、損害賠償金の支払いや承認取消等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (11)知的財産について当社グループは、製造または販売する製品が第三者の知的財産権に抵触することのないように十分に注意を払っておりますが、万が一、抵触があった場合には、損害賠償金の支払いや製造販売の差し止め等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、当社グループでは、発明者等を適切に決定、管理し、社内規定や契約等で定めた適切な対価を支払っておりますが、発明者等から訴訟を受けた場合には、損害賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。継続中の重要な知的財産に関する判決および訴訟の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 38 偶発債務」をご参照ください。これらの判決および訴訟が、当社グループの経営成績等へ与える影響については、現時点では見積もることはできません。なお、2020年6月に本庶佑氏よりPD-1特許に関する対第三者訴訟関連分配金請求訴訟を大阪地方裁判所に提起され訴訟手続きが進んでおりましたが、裁判所からの和解の勧めを受けて、2021年11月12日付で、和解が成立しました。なお、和解の要旨については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 23 引当金」をご参照ください。 (12)訴訟について当社グループの事業活動に関連して、医薬品副作用、製造物責任(PL)、労務問題、公正取引に関する問題および環境に関する問題に関して訴訟を提起される可能性があります。訴訟が発生した場合、その結果によっては、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (13)情報管理について当社グループは、業務の効率化・高度化はもとより、ビジネス環境に合わせてより柔軟に企業の変革を進めていけるようデジタル・ITの活用を進めております。また、これらのシステムにおいて個人情報や機密性の高い情報を取り扱っております。ビジネスのグローバル化の推進やデータ活用範囲の拡大とともに複雑性が増しており、技術的に発生する可能性がある障害、第三者または社内からの不正アクセスや攻撃によるビジネスオペレーションの停止、重要情報流出の可能性があります。これらのリスクを低減するため、セキュリティや安定運用に関わるポリシーの制定、技術・社会環境の変化に合わせた適切な技術・サービスの選択に加え、全社員を対象としたトレーニング、第三者によるセキュリティ評価に基づく継続的な対策強化を行っております。しかしながら、ネットワークウイルスの感染、サイバー攻撃等によるシステム障害や事故等の原因によりその情報が改ざん、悪用、漏えい等した場合には、社会的信用を大きく失うことなどにより、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (14)海外展開について当社グループは、自社で創製した新薬を世界中に提供できる「グローバル スペシャリティ ファーマ」を目指した海外展開に取り組んでおります。すでに、韓国、台湾では、現地法人を設立して自社製品を販売しており、今後は欧米での自社販売も視野に入れて、開発体制などの整備・強化にも努めていきます。グローバルな事業活動を行うにあたり、各国の法的規制、経済情勢、政情不安、地域固有の自然災害や事業環境の不確実性等の情報を入手し、必要な対応を検討しておりますが、リスクを完全に回避することができない場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (15)他社との提携について当社グループは、共同研究、共同開発、開発品の導出入、共同販売等様々な形で他社と提携を行っております。何らかの理由により提携の合意内容が変更・解消になった場合、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (16)金融市況の変動について・為替変動当社グループは、国際的に事業展開を行っており、外貨建てでの受取ロイヤルティや経費支払い等があるため、為替相場の変動により、売上収益の減少や仕入原価、研究開発費の増加、為替差損の発生等のリスクに晒されています。当社グループは上記リスクを緩和すべく、市場リスク管理方針に基づき外貨建て取引の一定の割合について先物為替予約による為替リスクヘッジをしております。しかしながら、外貨の為替変動が想定以上となった場合、経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。・価格変動当社グループは、資本性金融商品から生じる株式価格の変動リスクに晒されています。当社グループは、短期トレーディング目的で保有する資本性金融商品はなく、ビジネス戦略を円滑に遂行するために資本性金融商品を保有しておりますが、定期的に公正価値や発行体の財務状況等を把握するとともに、当該企業との関係を勘案し、必要に応じて保有状況を見直しております。しかしながら、資本性金融商品の公正価値が予想を超えて大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (17)環境問題への対応について当社グループは、環境関連問題への対応として、環境グローバルポリシーに基づいた環境ビジョン(ECO VISION 2050)を定め、脱炭素社会の実現、水循環社会の実現、資源循環社会の実現に向けて全社的に取り組むとともに、環境に対する企業の社会的責任を認識し、事業活動の全分野において、環境に配慮して活動し、豊かな地球環境実現に向けて事業活動の全分野において環境に配慮した活動を推進しています。また、医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれているため、当社グループでは事業活動を行う国や地域における有害物質の使用、製造、保管、廃棄等の取り扱いに関して、一部では法よりも厳しい自主基準を設ける等、環境法規制を遵守しています。しかしながら、今後、温暖化対策としての新たな炭素税の導入や温室効果ガス排出規制などが強化された場合には、コストが増加する可能性があります。また、万が一、有害物質による予期せぬ汚染やそれに伴う危害が顕在化した場合には、保険の適用からの除外または補償金額を超える費用負担、法的責任を負う可能性があります。また、環境法規制の変更により、当社の研究、開発、製造その他の事業活動が制限される可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (18)新型コロナウイルス感染拡大について当社グループは、生命関連企業として医薬品の安定供給を図るため、関係会社や取引先とも連携し、安定供給を維持しており、当面の当社医薬品の生産および医療機関への供給体制に問題はありません。しかしながら、今後、更なる感染拡大やパンデミックにあたる状況が長期化し、製商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (19)繰延税金資産や減損処理について当社グループは、予実管理等を通じて業績のモニタリングを行っており、業績悪化の兆候があれば、適時に繰延税金資産の回収可能性の見直しや減損損失の測定等を行う体制を構築しています。今後、「事業等のリスク」に記載している様々なリスクが顕在化すること等により、業績計画との乖離が生じ、将来期待していたキャッシュ・フローが獲得できなくなった場合には、有形固定資産、無形資産の減損が発生し、また繰延税金資産が減少する可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
FY2021|7,554 文字
2 【事業等のリスク】当社グループの業績は、今後起こり得る様々な事業展開上のリスクにより大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスクとなる可能性があると考えられる主な事項を記載しておりますが、全てのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在し、それらは投資家の判断に影響を与える可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <リスクマネジメント体制>当社グループは、主要なリスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の予防に努め、発生した場合には的確に対処する体制を整備しています。 部分最適でなく全体最適のリスクマネジメント活動を目指し、2018年度よりERM(Enterprise Risk Management)の導入準備を開始し、2019年度より導入しました。導入にあたり、リスクマネジメント最高責任者(代表取締役社長)とリスクマネジメント統括責任者(取締役専務執行役員/経営戦略本部長)を選任および「リスクマネジメント室」を新設するとともに、「リスクマネジメント規程」を制定しERMを推進しています。ERMを推進するにあたり、リスクマネジメント室が経営層にインタビューを行い経営層が重要と考えるリスクを抽出したうえで、各本部から選出されたリスクマネージャーとワークショップ形式でリスクの評価・分類を行いました。ワークショップにおいては、経営層が考えるリスクと各マネージャーが持ち寄ったリスクを、実際に起こりうるシナリオとともに議論し、そのリスクが実際に発生する頻度を7段階で、発生した時の影響の重大性を5段階で評価してリスク指数を導き出し、各リスクを特大・大・中・小に分類しました。特定したリスクについては、それぞれ対応責任者を定め、定めた対応策に責任を負うこととしています。また、特に重点的に対応すべきリスクは経営会議にて「重大リスク」として選定、優先的にリソースを配分し、全社で対応・モニタリングを実施する体制を構築しています。重大リスクへの対応や各部門での対応は、リスクマネジメント室が中心となりモニタリングします。また、リスクマネジメント室はリスクマネージャーと連携して、環境の変化に伴い新たに発生したリスクだけでなく将来発生する可能性のある潜在リスクの把握やリスク指数の見直しなどを定期的に行います。このような取り組みを通して、リスクマネジメントの精度を継続的に高め、リスクの低減に努めています。「主要なリスク」では、上記で分類したリスクのうち「大」以上のリスクを記載しています。 <主要なリスク>(1)新製品の開発について当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる独創的で革新的な新薬開発に取り組むことを通して、特定分野に特化した「グローバル スペシャリティ ファーマ」の実現を目指しています。そのために、自ら革新的な医薬品の創製に挑むとともに、世界最先端の技術や知見を取り入れるオープンイノベーションを積極的に進めております。しかしながら、長期でかつ多額の研究開発投資が独創的な新薬の上市に至らず途中で開発を断念しなければならない事態も予想されます。このような事態に陥った場合には、将来に期待していた収益が得られず、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (2)市場環境変化への対応について当社グループは、積極的な研究開発活動、全社を横断する迅速な部門間連携の強化により、製品価値最大化を図っております。そのため常に開発早期から市場環境を見据え、研究開発を含めた製品ステージ毎に 競争優位性を担保しうるよう戦略を見直し、変化に対応しております。また、製品ライフサイクルに影響が及ぶ側面においても絶えず市場動向を捉え、製品のポテンシャルが最大限引き出せるようリソースを担保し準備しております。しかしながら、競合品や後発品の販売状況により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (3)コンプライアンスについて当社グループは、事業活動を行う上で、製品の品質、安全、環境関連、化学物質関連の他、取引関連、労務関連、会計基準や税法等の様々な法規制の適用を受けております。また、今後は気候変動の緩和のための各国の政策や法規制強化への対応が必要となります。当社グループは、行動規範のもとに、コンプライアンスプログラム等を制定しているほか、企業コンプライアンス委員会や従業員通報・相談窓口を社内外に設置する等、コンプライアンス体制を構築し、事業活動に関連する法規制が遵守されるよう徹底等しておりますが、当社グループおよび委託先等が重大な法令違反を起こした場合は、当社グループへの信用、経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、法規制の変更などにより事業活動が制限され、その対応のために投資が必要になる場合には、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (4) 製品の品質管理について当社グループは、医薬品の品質に係る法的要件のみならず、患者さん・介護者・医療従事者の視点に立った高い品質の医薬品を安定的に提供するため、「品質が高度に保証された医薬品を安定的に供給することにより社会に貢献する」という方針のもと、独自の品質マニュアルに基づいた品質システムを確立するとともに、システムの継続的な改善に取り組んでいます。一方、当社製品の品質、有効性、安全性に懸念がある場合は、速やかに評価し、回収が決定された場合はその情報を速やかに医療従事者に提供し、必要に応じて当該製品を回収する体制を整えています。しかしながら、予想を超える重大な品質トラブルまたは新たな科学的知見により製品の安全と安心に対する懸念等が発生した場合には、当該製品ブランドだけではなく、当社グループ全体の信用の低下にもつながり、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (5)人財の確保および育成について当社グループは、持続的成長のために多様で優秀な人財の確保、育成に努めております。多様な人財の一人ひとりが生き生きと働き、その能力を最大限に発揮するために、多様な働き方ができる支援制度や職場環境の整備を進め、働きがいのある魅力ある企業となる取り組みを通じて人財の確保を図っており、個々の成長や能力に沿った研修制度を充実させています。また、環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、企業価値を向上させるためには、組織を構成するメンバーの属性や価値観、行動特性の多様性を高め、その個性を認めることが重要であると考え、「女性活躍推進」、「障がい者活躍推進」、「キャリア採用推進」に取り組んでいます。しかしながら、中長期的に多様で優秀な人財が確保、育成できない場合は、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (6)大規模地震や気候変動等に伴う自然災害および事故について当社グループは、地震や気候変動に伴う洪水(水リスク)等の自然災害に対して、生産工場および主要な事業拠点を対象とした災害対策、事業継続計画(BCP)を策定するとともに、TCFD提言に基づき、気候変動リスクの特定とその対応策について情報開示を行っています。当社グループは、生産拠点をフジヤマ工場(静岡県)、山口工場(山口県)の2か所、物流拠点を国内の複数個所に確保することで、当社製商品の安定的な供給のためのリスク軽減を図っています。また、重要拠点である本社、東京ビル、各工場および各研究所には、災害対策として、非常用電源設備や2回線受電等の停電対策の設備を採用しています。加えて本社、東京ビル、水無瀬研究所、山口工場には、免震装置を導入し、地震に対するリスク軽減を図っております。また、大規模災害に備え、大阪と東京の2拠点で対応できる体制の構築、いち早く従業員の安否を確認できる「安否確認システム」の導入を図る等、社内体制の整備を進めるとともに、定期的な災害訓練等の実施により、継続的な有事対応力の強化や意識向上に努めております。しかしながら、大規模地震や気候変動に伴う自然災害等により、原材料の確保、生産の継続、流通過程等に問題が生じて製商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。また、新型コロナウイルス等の感染症の蔓延、生産工場の爆発・火災事故、情報・制御システムの障害、原材料購入先のトラブル、電力や水等の社会インフラの機能不全、有害物質による環境汚染、テロ、政変、暴動等が発生し、製商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (7)医療保険制度改革について当社グループの医薬品製造販売事業は、各国の薬事行政によりさまざまな規制を受けております。日本国内における公定薬価の引下げ、後発医薬品の使用促進などの医療制度改革の影響や海外における様々な医療費抑制策の影響などにより、販売価格が下落し販売数量の伸長等でカバーできず、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (8)特定の製品への依存について当社グループの売上収益のうち、「オプジーボ点滴静注」および「抗PD-1/PD-L1抗体関連のロイヤルティ」の売上収益は、売上収益合計の約6割(2021年3月期)を占めております。薬価改定、他の有力な競合品の出現、特許などの保護期間の満了、その他予期せぬ事情により、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (9)新たな副作用について当社グループは、医薬品ごとにリスク管理計画を策定し、継続的に安全性(副作用)情報の収集と評価を行っています。収集した情報は重篤性や注意喚起の必要性を評価したうえで、必要に応じて添付文書の「使用上の注意」の改訂や医薬品の適正使用に関するお知らせの提供などの安全性対策を実施しております。しかしながら、医薬品には、治験段階では経験したことがない新たな副作用が市販後において報告される可能性があります。新たな重篤な副作用が発生した場合には、損害賠償金の支払いや承認取消等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (10)知的財産について当社グループは、製造または販売する製品が第三者の知的財産権に抵触することのないように十分に注意を払っておりますが、万が一抵触があった場合には、損害賠償の支払いや製造販売の差し止め等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、当社グループでは、発明者等を適切に決定、管理し、社内規定や契約等で定めた適切な対価を支払っておりますが、発明者等から訴訟を受けた場合には、損害賠償の支払い等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。継続中の重要な知的財産に関する判決および訴訟の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 38 偶発債務」をご参照ください。 これらの判決および訴訟が、当社グループの経営成績等へ与える影響については、現時点では見積もることはできません。なお、2020年6月に本庶佑氏よりPD-1特許に関する対第三者訴訟関連分配金請求訴訟を大阪地方裁判所に提起され訴訟手続きが進んでいます。 (11)訴訟について当社グループの事業活動に関連して、医薬品副作用、製造物責任(PL)、労務問題、公正取引に関する問題および環境に関する問題に関して訴訟を提起される可能性があります。訴訟が発生した場合、その結果によっては、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (12)情報管理について当社グループは、個人情報を含め多くの重要情報を保有しております。これらの情報管理については、規程等を整備し、従業員に対し情報管理の重要性を周知徹底するとともに、ITシステム上のセキュリティ対策等を行うなどの努力を行っております。しかしながら、ネットワークウイルスの感染、サイバー攻撃等によるシステム障害や事故等の原因によりその情報が改ざん、悪用、漏えい等した場合には、社会的信用を大きく失うことなどで、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (13)海外展開について当社グループは、自社で創製した新薬を世界中に提供できる「グローバル スペシャリティ ファーマ」をめざした海外展開に取り組んでおります。すでに、韓国、台湾では、現地法人を設立して自社製品を販売しており、今後は欧米での自社販売も視野に入れて、開発体制などの整備・強化にも努めていきます。グローバルな事業活動を行うにあたり、各国の法的規制、経済情勢、政情不安、地域固有の自然災害や事業環境の不確実性等の情報を入手し、必要な対応を検討していますが、リスクを完全に回避することができない場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (14)他社との提携について当社グループは、共同研究、共同開発、開発品の導出入、共同販売等様々な形で他社と提携を行っております。何らかの理由により提携の合意内容が変更・解消になった場合、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (15) 金融市況の変動について・為替変動当社グループは、国際的に事業展開を行っており、外貨建てでの受取ロイヤルティや経費支払い等があるため、為替相場の変動により、売上収益の減少や仕入原価、研究開発費の増加、為替差損の発生等のリスクに晒されています。当社グループは上記リスクを緩和すべく、市場リスク管理方針に基づき外貨建て取引の一定の割合について先物為替予約による為替リスクヘッジをしております。しかしながら、外貨の為替変動が想定以上となった場合、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。・価格変動当社グループは、資本性金融商品から生じる株式価格の変動リスクに晒されています。当社グループは、短期トレーディング目的で保有する資本性金融商品はなく、ビジネス戦略を円滑に遂行するために資本性金融商品を保有しておりますが、定期的に公正価値や発行体の財務状況等を把握するとともに、当該企業との関係を勘案し、必要に応じて保有状況を見直しております。しかしながら、資本性金融商品の時価が予想を超えて大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (16)環境問題への対応について当社グループは、環境関連問題への対応として、環境グローバルポリシーに基づいた環境ビジョン(ECO VISION 2050)を定め、脱炭素社会の実現、水循環社会の実現、資源循環社会の実現に向けて全社的に取り組むとともに、環境に対する企業の社会的責任を認識し、事業活動の全分野において、環境に配慮して活動し、豊かな地球環境実現に向けて事業活動の全分野において環境に配慮した活動を推進しています。また、医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれているため、当社グループでは事業活動を行う国や地域における有害物質の使用、製造、保管、廃棄等の取り扱いに関して、一部では法よりも厳しい自主基準を設ける等、環境法規制を遵守しています。しかしながら、今後、温暖化対策としての新たな炭素税の導入や温室効果ガス排出規制などが強化された場合には、コストが増加する可能性があります。また、万が一有害物質による予期せぬ汚染やそれに伴う危害が顕在化した場合には、保険の適用からの除外または補償金額を超える費用負担、法的責任を負う可能性があります。また、環境法規制の変更により、当社の研究、開発、製造その他の事業活動が制限される可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (17)新型コロナウイルス感染拡大について当社グループは、生命関連企業として医薬品の安定供給を図るため、関係会社や取引先とも連携し、安定供給を維持しており、当面の当社医薬品の生産および医療機関への供給体制に問題はありません。また、患者さん、医療従事者および従業員の安全確保と健康保持、感染拡大の防止を目的に、医療機関への訪問は自粛してきましたが、昨年6月以降は、影響の少ない地域・医療機関から段階的に営業活動を再開し始め、従来の訪問形態に加え、Webを活用した面会やリモート講演会の企画等、新たな手段も用いつつMRの責務である情報提供活動に臨んでおります。さらに、国内および海外出張の原則禁止、講演会・セミナー・社内外研修等のイベントの原則中止・延期もしくはWeb形式での実施等、最大限の予防措置を講じてきています。しかしながら、今後、更なる感染拡大やパンデミックにあたる状況が長期化し、製商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (18)繰延税金資産や減損処理について当社グループは、事業用の様々な有形固定資産、無形資産および繰延税金資産等を計上しております。これらの資産については、「事業等のリスク」に記載している様々なリスクが顕在化すること等により、業績計画との乖離が生じ、将来期待していたキャッシュ・フローが獲得できなくなった場合には、有形固定資産、無形資産の減損が発生したり、繰延税金資産が減少する可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
FY2020|7,266 文字
2 【事業等のリスク】当社グループの業績は、今後起こり得る様々な事業展開上のリスクにより大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスクとなる可能性があると考えられる主な事項を記載しておりますが、全てのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在し、それらは投資家の判断に影響を与える可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <リスクマネジメント体制>当社グループは、主要なリスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の予防に努め、発生した場合には的確に対処する体制を整備しています。部分最適でなく全体最適のリスクマネジメント活動を目指し、2018年度よりERM(Enterprise Risk Management)の導入準備を開始し、2019年度より導入しました。導入にあたり、リスクマネジメント最高責任者(代表取締役社長)とリスクマネジメント統括責任者(取締役常務執行役員/経営戦略本部長)を選任および「リスクマネジメント室」を新設するとともに、「リスクマネジメント規程」を制定しERMを推進しています。 <主要なリスク>(1)新製品の開発について当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる独創的な新薬開発を目指し、特定分野に特化した研究開発型国際製薬企業の実現に向けて、自ら革新的な医薬品の創製に挑むとともに、世界最先端の技術や知見を取り入れるオープンイノベーションを進めております。しかしながら、長期でかつ多額の研究開発投資が独創的な新薬の上市に至らず途中で開発を断念しなければならない事態も予想されます。このような事態に陥った場合には、将来に期待していた収益が得られず、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (2)市場環境変化への対応について当社グループは、積極的な研究開発活動、全社を横断する迅速な部門間連携と人財育成機能の強化により、製品価値最大化を図っております。そのために製品ライフサイクルに影響が及ぶ側面からも絶えず市場環境を捉え、製品ステージ毎に常に競争優位性を担保しうるよう戦略を見直し、変化に対応しております。それを実現するためのリソースも担保し、製品のポテンシャルが最大限引き出せるよう準備しております。しかしながら、競合品や後発品の販売状況により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (3)コンプライアンスについて当社グループは、事業活動を行う上で、製品の品質、安全、環境関連、化学物質関連の他、取引関連、労務関連、会計基準や税法等の様々な法規制の適用を受けております。また、今後は気候変動の緩和のための各国の政策や法規制強化への対応が必要となります。当社グループは、行動規範のもとに、コンプライアンスプログラム等を制定しているほか、企業コンプライアンス委員会や従業員通報・相談窓口の設置等、コンプライアンス体制を構築し、事業活動に関連する法規制が遵守されるよう徹底等しておりますが、当社グループおよび委託先等が重大な法令違反を起こした場合は、当社グループへの信用、経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、法規制の変更などにより事業活動が制限され、その対応のために投資が必要になる場合には、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (4) 製品の品質管理について当社グループは、医薬品の品質に係る法的要件のみならず、患者さん・介護者・医療従事者の視点に立った高い品質の医薬品を安定的に提供するため、「品質が高度に保証された医薬品を安定的に供給することにより社会に貢献する」という方針のもと、独自の品質マニュアルに基づいた品質システムを確立するとともに、システムの継続的な改善に取り組んでいます。一方、当社製品の品質、有効性、安全性に懸念がある場合は、速やかに評価し、回収が決定された場合はその情報を速やかに医療従事者に提供し、必要に応じて当該製品を回収する体制を整えています。しかしながら、予想を超える重大な品質トラブルまたは新たな科学的知見により製品の安全と安心に対する懸念等が発生した場合には、当該製品ブランドだけではなく、当社グループ全体の信用の低下にもつながり、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (5)人財の確保および育成について当社グループは、持続的成長のために多様で優秀な人財の確保、育成に努めております。多様な人財の一人ひとりが生き生きと働き、その能力を最大限に発揮するために、多様な働き方ができる支援制度や職場環境の整備を進め、働きがいのある魅力ある企業となる取り組みを通じて人財の確保を図っており、個々の成長や能力に沿った研修制度を充実させています。また、環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、企業価値を向上させるためには、組織を構成するメンバーの属性や価値観、行動特性の多様性を高め、その個性を認めることが重要であると考え、「女性活躍推進」、「障がい者活躍推進」、「キャリア採用推進」に取り組んでいます。しかしながら、中長期的に多様で優秀な人財が確保、育成できない場合は、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は、大きな影響を受ける可能性があります。 (6)大規模地震や気候変動等に伴う自然災害および事故について当社グループは、地震や気候変動に伴う洪水(水リスク)等の自然災害に対して、生産工場および主要な事業拠点を対象とした災害対策、事業継続計画(BCP)の策定、TCFD提言に基づいた気候変動リスク対応を行っています。当社グループは、生産工場として、静岡県にフジヤマ工場を有していますが、今後の事業拡大に加え、事業継続の面から大規模災害のリスク軽減を図るために山口県に「山口工場」を建設しました。また、本社、東京ビル、各工場および各研究所には、非常用電源設備や2回線受電等災害に備えた設備を採用し、本社、東京ビル、水無瀬研究所、山口工場には、地震対策のための免震装置を導入しています。また、大規模災害が発生した際には、大阪と東京の2拠点で対応できる体制の構築、いち早く従業員の安否を確認できる「安否確認システム」の導入を図るとともに、定期的な災害訓練等の実施により、継続的な有事対応力の強化や意識向上に努めております。しかしながら、大規模地震や気候変動に伴う自然災害等により、原材料の確保、生産の継続、流通過程等に問題が生じて製商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。また、新型コロナウイルス等の感染症の蔓延、生産工場の爆発・火災事故、情報・制御システムの障害、原材料購入先のトラブル、電力や水等の社会インフラの機能不全、有害物質による環境汚染、テロ、政変、暴動等が発生し、製商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は大きな影響を受ける可能性があります。 (7)医療保険制度改革について当社グループの医薬品製造販売事業は、各国の薬事行政によりさまざまな規制を受けております。日本国内における公定薬価の引下げ、後発医薬品の使用促進などの医療制度改革の影響や海外における様々な医療費抑制策の影響などにより、販売価格が下落し販売数量の伸長等でカバーできず、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (8)特定の製品への依存について当社グループの売上収益のうち、「オプジーボ点滴静注」および「抗PD-1抗体関連のロイヤルティ」の売上収益は、売上収益合計の約6割(2020年3月期)を占めております。当該「オプジーボ点滴静注」や「抗PD-1抗体関連のロイヤルティ」に関して、薬価改定、他の有力な競合品の出現、特許などの保護期間の満了、その他予期せぬ事情により、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (9)新たな副作用について当社グループは、医薬品ごとにリスク管理計画を策定し、継続的に安全性(副作用)情報の収集と評価を行っています。収集した情報は重篤性や注意喚起の必要性を評価したうえで、必要に応じて添付文書の「使用上の注意」の改訂や医薬品の適正使用に関するお知らせの提供などの安全性対策を実施しております。しかしながら、医薬品には、治験段階では経験したことがない新たな副作用が、市販後において報告される可能性があります。新たな重篤な副作用が発生した場合には、損害賠償金の支払いや承認取消等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (10)知的財産について当社グループは、製造または販売する製品が第三者の知的財産権に抵触することのないように十分に注意を払っておりますが、万一、抵触があった場合には、損害賠償の支払いや製造販売の差し止め等による売上収益の減少等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。また、当社グループでは、発明者等を適切に決定、管理し、社内規定や契約等で定めた適切な対価を支払っておりますが、発明者等から訴訟を受けた場合には、損害賠償の支払い等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。なお、2015年9月、当社が保有する抗PD-1抗体および抗PD-L1抗体の用途特許について、米国のダナファーバーがん研究所が、発明者の追加を求めて、当社、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社ならびに本庶佑氏を米国マサチューセッツ州連邦地裁に提訴しました。2019年5月に、第一審の判決が出され、Clive R. Wood博士とダナファーバーがん研究所のGordon J. Freeman博士を発明者に追加することが認められましたが、当社は、判決内容に不服があることから控訴しました。同様の訴訟が欧州でも提起されております。また、2019年6月21日、Gordon J. Freeman博士から本発明に関する権利および利益を譲り受けたダナファーバーがん研究所は、当社およびブリストル・マイヤーズ スクイブ社が上記特許の独占的所有者として競合他社に対して特許侵害訴訟を提起し、和解またはライセンス契約を締結したことで得たライセンス収入の一部の利益を受ける権利を有していると主張し、米国マサチューセッツ州連邦地裁に提訴しました。 なお、これらの判決が、当社グループの経営成績等へ与える影響については、現地点では見積もることはできません。 (11)訴訟について当社グループの事業活動に関連して、医薬品副作用、製造物責任(PL)、労務問題、公正取引に関する問題および環境に関する問題に関して訴訟を提起される可能性があります。訴訟が発生した場合、その結果によっては、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (12)情報管理について当社グループは、個人情報を含め多くの重要情報を保有しております。これらの情報管理については、規程等を整備し、従業員に対し情報管理の重要性を周知徹底するとともに、ITシステム上のセキュリティ対策等を行うなどの努力を行っております。しかしながら、ネットワークウイルスの感染、サイバー攻撃等のシステム障害や事故等の原因によりその情報が改ざん、悪用、漏えい等した場合には、社会的信用を大きく失うことなどで、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (13)海外展開について当社グループは、自社で創製した新薬を世界中に提供できる「グローバルスペシャリティファーマ」をめざした海外展開に取り組んでおります。すでに、韓国、台湾では、現地法人を設立して自社製品を販売しており、今後は欧米での自社販売も視野に入れて、開発体制などの整備・強化にも努めていきます。グローバルな事業活動を行うにあたり、各国の法的規制、経済情勢、政情不安、地域固有の自然災害や事業環境の不確実性等の情報を入手し、必要な対応を検討していますが、リスクを完全に回避することができない場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (14)他社との提携について当社グループは、共同研究、共同開発、開発品の導出入、共同販売等様々な形で他社と提携を行っております。何らかの理由により提携の合意内容が変更・解消になった場合、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (15) 金融市況の変動について・為替変動当社グループは、国際的に事業展開を行っており、外貨建てでの受取ロイヤルティや経費支払い等があるため、為替相場の変動により、売上収益の減少や仕入原価、研究開発費の増加、為替差損の発生等のリスクに晒されています。当社グループは上記リスクを緩和すべく、市場リスク管理方針に基づき外貨建て取引の一定の割合について先物為替予約による為替リスクヘッジをしております。しかしながら、外貨の為替変動が想定以上となった場合、経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。・価格変動当社グループは、資本性金融商品から生じる株式価格の変動リスクに晒されています。当社グループは、短期トレーディング目的で保有する資本性金融商品はなく、ビジネス戦略を円滑に遂行するために資本性金融商品を保有しておりますが、定期的に公正価値や発行体の財務状況等を把握するとともに、当該企業との関係を勘案し、必要に応じて保有状況を見直しております。しかしながら、資本性金融商品の時価が予想を超えて大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (16)環境問題への対応について当社グループは、環境関連問題への対応として、環境グローバルポリシーに基づいた環境ビジョン(ECO VISION 2050)を定め、脱炭素社会の実現、水循環社会の実現、資源循環社会の実現に向けて全社的に取り組むとともに、環境に対する企業の社会的責任を認識し、事業活動の全分野において、環境に配慮して活動し、豊かな地球環境実現に向けて努力しております。また、医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれているため、当社グループでは事業活動を行う国や地域における有害物質の使用、製造、保管、廃棄などの取り扱いに関する環境法規制の遵守に努めております。しかしながら、今後、温暖化対策としての新たな炭素税の導入や温室効果ガス排出規制などが強化された場合には、コストが増加する可能性があります。また、万が一、有害物質による予期せぬ汚染やそれに伴う危害が顕在化した場合には、保険の適用からの除外または補償金額を超える費用負担、法的責任を負う可能性があります。また、環境法規制の変更により、当社の研究、開発、製造その他の事業活動が制限される可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (17)新型コロナウイルス感染拡大について当社グループは、生命関連企業として医薬品の安定供給を図るため、関係会社や取引先とも連携し、安定供給を維持しており、当面の当社医薬品の生産および医療機関への供給体制に問題はありません。また、治療薬等の研究開発に貢献すべく、慢性膵炎および術後逆流性食道炎の治療薬である経口蛋白分解酵素阻害剤「カモスタットメシル酸塩」を用いた臨床試験を開始するとともに、国内外の医療機関・研究機関からの臨床研究実施の要請に対して、臨床研究用製剤を提供しています。また、患者さん、医療従事者および従業員の安全確保と健康保持、感染拡大の防止を目的に、医療機関への訪問は自粛してきましたが、6月以降は、影響の少ない地域・医療機関から段階的に営業活動を再開し始め、従来の訪問形態に加え、Webを活用した面会やリモート講演会の企画等、新たな手段も用いつつMRの責務である情報提供活動に臨んでおります。さらに、国内および海外出張の原則禁止、講演会・セミナー・社内外研修等のイベントの原則中止・延期もしくはWeb形式での実施等、最大限の予防措置を講じてきています。しかしながら、今後、更なる感染拡大やパンデミックにあたる状況が長期化し、製品商品の供給や研究開発活動等に支障をきたした場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。 (18)繰延税金資産や減損処理について当社グループは、事業用の様々な有形固定資産、無形資産および繰延税金資産等を計上しております。これらの資産については、「事業等のリスク」に記載している様々なリスクが顕在化すること等により、業績計画との乖離が生じ、将来期待していたキャッシュ・フローが獲得できなくなくなった場合には、有形固定資産、無形資産の減損が発生したり、繰延税金資産が減少する可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態は影響を受ける可能性があります。
FY2019|1,927 文字
2 【事業等のリスク】当社グループの業績は、今後起こり得る様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。当社グループはこれらリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防および発生した場合の対応に努める方針です。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 新製品の開発について当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる独創的な新薬開発を目指し、特定分野に特化した研究開発型国際製薬企業の実現に向けて積極的な努力を続けていますが、長期でかつ大量の経営資源の投入がその独創的な新薬の上市につながる保証はなく、途中で開発を断念しなければならない事態も予想されます。そのような事態に陥った場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (2) 医療保険制度改革について種々の医療保険制度改革が実施されるなど環境的に不透明な状況が今後も続くと考えていますが、それら制度改革の動向により、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (3) 競合品、後発品の影響について製薬業界におきましては国内外の企業間競争が一段と激化しており、競合品の販売や医薬品の特許が切れると上市される後発品の販売により、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (4) 知的財産について当社グループは様々な知的財産を保護できない場合または当社グループの認識の範囲外で第三者の知的財産を侵害する場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (5) 特定の製品への依存について当社グループの医薬品のうち、「オプジーボ点滴静注」の売上収益(ロイヤルティ収入を含む)は、売上収益合計の約5割(2019年3月期)を占めています。 当該「オプジーボ点滴静注」に関して、薬価改定、他の有力な競合品の出現、特許などの保護期間の満了、その他予期せぬ事情により、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (6) 生産の停滞、遅延について自然災害、火災などにより生産活動の停滞または遅延が発生し製品の供給が滞った場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (7) 製品回収について当社グループは工場において世界的に認められる品質管理基準に従って各種の製品を製造しています。しかし、全ての製品について欠陥がなく、将来的に製品回収の事態が発生しないという保証はありません。また、製造物責任(PL)賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。そのような事態に陥った場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (8) 新たな副作用について医薬品には、治験段階では経験したことがない新たな副作用が、市販後において報告される可能性があります。この新たな副作用が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (9) 金融市況の変動について株価・金利・外国為替等の金融市場の変動によって保有する資産や年金資産の時価が下落したり、外貨建ての取引において為替リスクがあります。また、金利動向によっては、退職給付債務や勤務費用が増加するリスクがあります。こうした場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (10) 訴訟リスクについて当社グループは、製造物責任(PL)関連、独占禁止法関連、環境関連その他に関して訴訟を提起される可能性があります。訴訟が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (11) 情報管理に関するリスクについて当社グループは、個人情報を含め多くの重要情報を保有しており、システム障害や事故等によりその情報が流出した場合には、社会的信用を大きく失うことなどで当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 なお、上記以外にも様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
FY2018|1,943 文字
2 【事業等のリスク】当社グループの業績は、今後起こり得る様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。当社グループはこれらリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防および発生した場合の対応に努める方針です。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 新製品の開発について当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる独創的な新薬開発を目指し、特定分野に特化した研究開発型国際製薬企業の実現に向けて積極的な努力を続けていますが、長期でかつ大量の経営資源の投入がその独創的な新薬の上市につながる保証はなく、途中で開発を断念しなければならない事態も予想されます。そのような事態に陥った場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (2) 医療保険制度改革について種々の医療保険制度改革が実施されるなど環境的に不透明な状況が今後も続くと考えていますが、それら制度改革の動向により、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (3) 競合品、後発品の影響について製薬業界におきましては国内外の企業間競争が一段と激化しており、競合品の販売や医薬品の特許が切れると上市される後発品の販売により、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (4) 知的財産について当社グループは様々な知的財産を保護できない場合または当社グループの認識の範囲外で第三者の知的財産を侵害する場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (5) 特定の製品への依存について当社グループの医薬品のうち、「オプジーボ点滴静注」の売上収益(ロイヤルティ収入を含む)は、売上収益合計の約5割(2018年3月期)を占めており、今後も売り上げ拡大が見込まれます。 当該「オプジーボ点滴静注」に関して、薬価改定、他の有力な競合品の出現、特許などの保護期間の満了、その他予期せぬ事情により、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (6) 生産の停滞、遅延について自然災害、火災などにより生産活動の停滞または遅延が発生し製品の供給が滞った場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (7) 製品回収について当社グループは工場において世界的に認められる品質管理基準に従って各種の製品を製造しています。しかし、全ての製品について欠陥がなく、将来的に製品回収の事態が発生しないという保証はありません。また、製造物責任(PL)賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。そのような事態に陥った場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (8) 新たな副作用について医薬品には、治験段階では経験したことがない新たな副作用が、市販後において報告される可能性があります。この新たな副作用が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (9) 金融市況の変動について株価・金利・外国為替等の金融市場の変動によって保有する資産や年金資産の時価が下落したり、外貨建ての取引において為替リスクがあります。また、金利動向によっては、退職給付債務や勤務費用が増加するリスクがあります。こうした場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (10) 訴訟リスクについて当社グループは、製造物責任(PL)関連、独占禁止法関連、環境関連その他に関して訴訟を提起される可能性があります。訴訟が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (11) 情報管理に関するリスクについて当社グループは、個人情報を含め多くの重要情報を保有しており、システム障害や事故等によりその情報が流出した場合には、社会的信用を大きく失うことなどで当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 なお、上記以外にも様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
FY2017|1,943 文字
4 【事業等のリスク】当社グループの業績は、今後起こり得る様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。当社グループはこれらリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防および発生した場合の対応に努める方針です。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 新製品の開発について当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる独創的な新薬開発を目指し、特定分野に特化した研究開発型国際製薬企業の実現に向けて積極的な努力を続けていますが、長期でかつ大量の経営資源の投入がその独創的な新薬の上市につながる保証はなく、途中で開発を断念しなければならない事態も予想されます。そのような事態に陥った場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (2) 医療保険制度改革について種々の医療保険制度改革が実施されるなど環境的に不透明な状況が今後も続くと考えていますが、それら制度改革の動向により、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (3) 競合品、後発品の影響について製薬業界におきましては国内外の企業間競争が一段と激化しており、競合品の販売や医薬品の特許が切れると上市される後発品の販売により、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (4) 知的財産について当社グループは様々な知的財産を保護できない場合または当社グループの認識の範囲外で第三者の知的財産を侵害する場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (5) 特定の製品への依存について当社グループの医薬品のうち、「オプジーボ点滴静注」の売上収益(ロイヤルティ収入を含む)は、売上収益合計の約5割(2017年3月期)を占めており、今後も売り上げ拡大が見込まれます。 当該「オプジーボ点滴静注」に関して、薬価改定、他の有力な競合品の出現、特許などの保護期間の満了、その他予期せぬ事情により、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (6) 生産の停滞、遅延について自然災害、火災などにより生産活動の停滞または遅延が発生し製品の供給が滞った場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (7) 製品回収について当社グループは工場において世界的に認められる品質管理基準に従って各種の製品を製造しています。しかし、全ての製品について欠陥がなく、将来的に製品回収の事態が発生しないという保証はありません。また、製造物責任(PL)賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。そのような事態に陥った場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (8) 新たな副作用について医薬品には、治験段階では経験したことがない新たな副作用が、市販後において報告される可能性があります。この新たな副作用が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (9) 金融市況の変動について株価・金利・外国為替等の金融市場の変動によって保有する資産や年金資産の時価が下落したり、外貨建ての取引において為替リスクがあります。また、金利動向によっては、退職給付債務や勤務費用が増加するリスクがあります。こうした場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (10) 訴訟リスクについて当社グループは、製造物責任(PL)関連、独占禁止法関連、環境関連その他に関して訴訟を提起される可能性があります。訴訟が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (11) 情報管理に関するリスクについて当社グループは、個人情報を含め多くの重要情報を保有しており、システム障害や事故等によりその情報が流出した場合には、社会的信用を大きく失うことなどで当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 なお、上記以外にも様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
FY2016|1,961 文字
4 【事業等のリスク】当社グループの業績は、今後起こり得る様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。当社グループはこれらリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防および発生した場合の対応に努める方針です。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 新製品の開発について当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる独創的な新薬開発を目指し、特定分野に特化した研究開発型国際製薬企業の実現に向けて積極的な努力を続けていますが、長期でかつ大量の経営資源の投入がその独創的な新薬の上市につながる保証はなく、途中で開発を断念しなければならない事態も予想されます。そのような事態に陥った場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (2) 医療保険制度改革について種々の医療保険制度改革が実施されるなど環境的に不透明な状況が今後も続くと考えていますが、それら制度改革の動向により、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (3) 競合品、後発品の影響について製薬業界におきましては国内外の企業間競争が一段と激化しており、競合品の販売や医薬品の特許が切れると上市される後発品の販売により、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (4) 知的財産について当社グループは様々な知的財産を保護できない場合または当社グループの認識の範囲外で第三者の知的財産を侵害する場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (5) 特定の製品への依存に関するリスク当社グループの医薬品のうち、「オプジーボ点滴静注」の売上収益(ロイヤルティ収入を含む)は、売上収益合計の約2割(2016年3月期)を占めており、今後も売り上げ拡大が見込まれます。 当該「オプジーボ点滴静注」に関して、薬価改定、他の有力な競合品の出現、特許などの保護期間の満了、その他予期せぬ事情により、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (6) 生産の停滞、遅延について自然災害、火災などにより生産活動の停滞または遅延が発生し製品の供給が滞った場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (7) 製品回収について当社グループは工場において世界的に認められる品質管理基準に従って各種の製品を製造しています。しかし、全ての製品について欠陥がなく、将来的に製品回収の事態が発生しないという保証はありません。また、製造物責任(PL)賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。そのような事態に陥った場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (8) 新たな副作用について医薬品には、治験段階では経験したことがない新たな副作用が、市販後において報告される可能性があります。この新たな副作用が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (9) 金融市況の変動に関して株価・金利・外国為替等の金融市場の変動によって保有する資産や年金資産の時価が下落したり、円安が進むことで外貨建て経費の支払額が円ベースで増加するリスクがあります。また、金利動向によっては、退職給付債務や勤務費用が増加するリスクがあります。こうした場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (10) 訴訟リスクについて当社グループは、製造物責任(PL)関連、独占禁止法関連、環境関連その他に関して訴訟を提起される可能性があります。訴訟が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 (11) 情報管理に関するリスクについて当社グループは、個人情報を含め多くの重要情報を保有しており、システム障害や事故等によりその情報が流出した場合には、社会的信用を大きく失うことなどで当社グループの経営成績および財政状態は重要な影響を受ける可能性があります。 なお、上記以外にも様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。