研究開発活動(本文)
FY2025|29,961 文字
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【研究開発活動】当年度の研究開発費の総額は7,302億円であります。なお、当社の研究開発費の予算は、全社的に決定されており、特定の支出は開発の結果および優先事項に応じて再配分の対象となる場合があるため、当社の研究開発費について、疾患領域あるいは臨床試験段階毎の内訳を報告しておりません。医薬品の研究開発のプロセスは、長期にわたり多額の費用を伴い、その期間は10年を越えることもあります。このプロセスには、新薬の有効性および安全性の評価のための複数の試験、データを審査し販売承認の可否を判断する規制当局に対する申請が含まれます。こうした精査の過程を通過し、臨床での治療に用いることができる候補物質はごく僅かです。承認取得後も、上市後の製品に対しては、ライフサイクルマネジメント、メディカルアフェアーズやその他の投資を含め、継続的な研究開発活動による支援が行われます。臨床試験は、地域的および国際的な規制ガイドラインを遵守し、通常5から7年もしくはそれ以上を費やして実施されるものであり、相応の費用を伴います。通常、臨床試験は医薬品規制調和国際会議(ICH)が制定したガイドラインに沿って実施されます。これに関わる規制当局は、米国では食品医薬品局(FDA)、欧州連合では欧州医薬品庁(EMA)、日本では厚生労働省(MHLW)、中国では国家薬品監督管理局(NMPA)です。ヒトの臨床試験は以下の3相で実施されます(各相が一部重複することもあります):・臨床第1相試験少人数の健康な成人の志願者を被験者として、薬物の安全性、吸収、分布、代謝、排泄について評価するために実施・臨床第2相試験少人数の志願患者さんを被験者として、安全性、有効性、用量および用法を評価するために実施臨床第2相試験は臨床第2a相と臨床第2b相の2つのサブカテゴリーに分割されることがあります。臨床第2a相試験は通常臨床上の有効性または生物学的活性を示すためにデザインされたパイロット試験であり、臨床第2b相試験は薬物が最少の副作用で生物学的活性を示す最適用量を探索するために行われます。・臨床第3相試験大人数の志願患者さんを被験者として、既存の薬剤またはプラセボと比較した安全性および有効性を評価するために実施これら3相のうち、臨床第3相にかかる開発費用が最も大きく、臨床第3相試験へ進めるか否かの決定は、医薬品開発における重要なビジネス判断となります。臨床第3相試験を通過した候補薬物については、管轄の規制当局に新薬承認申請書(NDA)、生物製剤承認申請(BLA)または医薬品販売承認申請(MAA)を提出し、規制当局より承認を取得した場合に上市が可能となります。NDA、BLA、MAAの作成には、膨大な量のデータの収集、検証、分析が必要であり、多額の費用が伴います。製品上市後も、保健当局により有害事象の市販後調査や、当該医薬品のリスク・ベネフィットに関する追加情報を提供するための市販後試験の実施を求められることがあります。当社の研究開発は、サイエンスにより、患者さんの人生を根本的に変え得るような非常に革新性が高い医薬品を創製することに注力しております。当社は、「革新的なバイオ医薬品」、「血漿分画製剤」および「ワクチン」の3つの分野において研究開発活動を実施しております。「革新的なバイオ医薬品」に対する研究開発は、当社の研究開発投資費用の中で最も大きい比率を占めております。「革新的なバイオ医薬品」における重点疾患領域(消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー)には、希少疾患および有病率がより高い疾患のいずれにおいても、未だ有効な治療法が確立されていない高い医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)が存在する疾患に対し、当社はベスト・イン・クラスあるいはファースト・イン・クラスとなりうる画期的な新規候補物質を創出してまいりました。当社は希少疾患と有病率がより高い疾患のいずれに対してもコミットしており、当社が探求している患者さんの人生を根本的に変え得るような医薬品の多くは、当社の重点疾患領域および血漿分画製剤領域における希少疾患を治療するものとなります。当社では新たな研究開発能力、さらには次世代プラットフォームに対して社内および外部との提携によるネットワークを通じて投資し、細胞療法の領域の強化を図っております。また、当社はイノベーションの質を向上させ、実行を加速させることを目指し、データ・デジタル技術を活用しております。当社のパイプラインは、当社事業の短期的および長期的かつ持続的な成長を支えるものです。初回の承認取得後も上市後の製品に対して、地理的拡大や効能追加に加え、市販後調査および剤型追加の可能性を含めた継続的な研究開発活動による支援体制が整っております。当社の研究開発チームは、販売部門との緊密な連携を通じ既発売品の価値の最大化を図り、販売活動を通じて得られた知見を研究開発戦略やポートフォリオに反映します。自社の研究開発機能向上への注力に加え、社外パートナーとの提携も、当社研究開発パイプライン強化のための戦略における重要な要素の一つです。社外提携の拡充と多様化に向けた戦略により、様々な新製品の研究に参画し、当社が大きな研究関連のブレイクスルーを達成する可能性を高めます。当社の主要な研究開発施設には以下を含みます:• グレーターボストン地区研究開発サイト:当社のボストン研究開発サイトは米国マサチューセッツ州のケンブリッジおよびレキシントンに位置しています。本サイトは当社の研究開発部門のグローバル本部であり、グローバルでの消化器系・炎症性疾患およびオンコロジー領域の研究開発の中枢です。加えて、血漿分画製剤を含む他の疾患領域の研究開発も支援しています。最先端の細胞療法の製造施設を備えた、当社の細胞療法研究の拠点です。さらに当社は、ケンドール・スクエアに新たに建設中の約60万平方フィートの最新鋭の研究開発およびオフィス施設について、15年間のリース契約を締結し、2026年より入居する予定です。• 湘南ヘルスイノベーションパーク:日本の神奈川県藤沢・鎌倉地域に位置する湘南ヘルスイノベーションパーク(以下、「湘南アイパーク」)は、当社の湘南研究所を外部に開放する形で、2018年に設立された日本初の製薬企業発サイエンスパークであり、当社のニューロサイエンス研究の主要拠点です。当社はより多様なパートナーを招致し、湘南アイパークのさらなる成功を目指すため、2020年に信託設定、2023年には湘南アイパークの運営事業を当社が設立した会社に承継しました。当社は、アンカーテナントとして今後も日本におけるライフサイエンスの研究活性化に注力します。• オーストリア ウィーン研究開発サイト:オーストリア ウィーンに位置する当社の研究開発サイトであり、研究開発および血漿分画製剤のプログラムを支援しています。本研究サイトは、生物学的製剤の研究開発に注力するとともに血漿分画製剤の製造施設を備えています。ウィーンのドナウシュタット地区には最高の環境基準に準拠したグリーンビルディングとして新しい研究開発施設が2026年に設立されます。当社の2024年4月以降の主要な研究開発活動の進捗は、以下のとおりです。 研究開発パイプライン消化器系・炎症性疾患消化器系・炎症性疾患において、消化器系疾患(肝疾患を含む)および免疫介在性の炎症性疾患の患者さんに革新的で人生を変え得るような治療法をお届けすることに注力しております。炎症性腸疾患(IBD)においては、ENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)の皮下注射製剤の上市や、IBD治療パラダイムにおけるENTYVIOのバックボーン治療薬としての位置づけを実証し、患者さんの予後をさらに改善する方法への理解を深めるため、実臨床エビデンスを構築する臨床試験を実施するなど、フランチャイズのポテンシャルを最大化しております。Zasocitinib(TAK-279)は、ベスト・イン・クラスとなる可能性を有する次世代の経口チロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬であり、複数の免疫介在性の炎症性疾患の治療薬となる可能性があります。また、fazirsiran(TAK-999)は、α-1アンチトリプシン欠損関連肝疾患に対するファースト・イン・クラスのRNA干渉治療薬となる可能性があり、後期開発段階にあります。Mezagitamab(TAK-079)は、免疫性血小板減少症(ITP)やIgA腎症など複数の免疫介在性疾患に対する疾患修飾薬としてベスト・イン・クラスとなる可能性を有する抗CD38抗体です。さらに、当社は、自社創製、社外との提携および事業開発を通じて炎症性疾患(消化器系、皮膚科系、リウマチ性の疾患に加え、厳選した希少血液疾患および腎疾患(アジンマ、mezagitamab(TAK-079))、肝疾患、神経性消化器疾患における機会を探索し、パイプラインの構築を進めております。 [ENTYVIO/エンタイビオ 一般名:ベドリズマブ]- 2024年4月、当社は、ENTYVIO点滴静注製剤による導入療法後の成人の中等症から重症の活動期クローン病に対する維持療法として、ENTYVIO皮下注射製剤が米国食品医薬品局(FDA)により承認されたことを公表しました。本承認は、VISIBLE2試験(SC CD試験)のデータに基づきます。本試験は、0週および2週時点に非盲検下にてENTYVIOの点滴静注製剤による静脈内投与を2回実施後、6週時点で臨床的改善を達成した、中等症から重症の活動期クローン病成人患者全409例を対象に、ENTYVIO皮下注射製剤による維持療法の安全性と有効性をプラセボと比較して評価した無作為二重盲検臨床第3相試験です。52週時点における長期の臨床的寛解率において、ENTYVIO皮下注射製剤108mgを維持療法として2週間ごとに投与した群では、プラセボ投与群と比較し統計学的に有意に高い結果(ENTYVIO皮下注射群:48%、プラセボ投与群:34%、p [アジンマ 一般名:アパダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)/シナキサダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)]- 2024年8月、当社は、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)の小児および成人患者のADAMTS13欠乏症の治療薬として、欧州委員会(EC)がアジンマを承認したことを公表しました。本承認は、希少疾病用医薬品指定の確認を含むものであり、2024年5月に当社が発表した欧州医薬品評価委員会(CHMP)の肯定的見解に基づきます。本承認は、cTTPを対象とした初の無作為化、比較対照、非盲検、クロスオーバー第3相試験から得られた有効性、薬物動態、安全性および忍容性データの中間解析を含む包括的エビデンスおよび継続試験の安全性および有効性データに基づくものです。本臨床第3相試験のデータは、2024年5月にThe New England Journal of Medicine誌に掲載されました。- 2025年3月、当社は、アジンマについて、12歳未満の小児cTTP患者への適応拡大に関する製造販売承認事項一部変更承認申請を厚生労働省に行ったことを公表しました。今回の申請は、主に0歳から70歳のcTTP患者(日本人5名を含む)を対象としたグローバル臨床第3相試験である281102試験における安全性および有効性のデータ、およびグローバル臨床第3b相継続試験であるTAK-755-3002試験における安全性および有効性のデータに基づくものです。 [リブマーリ 一般名:マラリキシバット] - 2025年3月、当社は、回腸胆汁酸トランスポーター阻害薬リブマーリについて、アラジール症候群(ALGS)・進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)における胆汁うっ滞に伴うそう痒を効能または効果として厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。ALGSは、胆汁うっ滞により、最終的には進行性の肝機能障害を引き起こす稀な遺伝性疾患です。PFICは、肝細胞の胆汁を分泌する能力が低下し、肝細胞内に胆汁の蓄積が起こることにより、進行性の肝疾患に至る稀な遺伝性疾患です。どちらも小児慢性特定疾病や指定難病に指定されています。本承認は、ALGSを対象とした国内臨床第3相TAK-625-3001試験およびPFICを対象とした国内臨床第3相TAK-625-3002試験、ならびに海外で行われた複数の臨床試験の結果に基づくものです。リブマーリは、Mirum Pharmaceuticals, Inc.社が開発した薬剤であり、当社は、2021年9月に日本における独占的開発・販売に関するライセンス契約を締結しました。 [開発コード:TAK-079 一般名:mezagitamab]- 2024年6月、当社は、持続性もしくは慢性の一次性免疫性血小板減少症(特発性血小板減少性紫斑病:ITP)の患者を対象としたmezagitamabの安全性、忍容性および有効性を評価する臨床第2b相無作為化二重盲検プラセボ対照試験(TAK-079-1004試験)の良好な結果を第32回国際血栓止血学会(International Society on Thrombosis and Haemostasis Congress:ISTH)の口頭Late-Breakthrough Sessionで発表しました。TAK-079-1004試験は、慢性もしくは持続性のITP患者を対象に、3つの用量(100mg、300mgおよび600mg)を週1回、8週間にわたり皮下投与した後に8週間を超えて安全性追跡調査を行い、プラセボと比較評価しました。主要評価項目は、グレード3以上の有害事象、重篤な有害事象、および投与中止に至った有害事象を含む、試験治療下で有害事象を発現した患者の割合です。副次評価項目は、血小板反応、血小板反応の完全寛解、臨床的に意義のある血小板反応、止血血小板反応です。臨床第2b相試験の結果、評価した3つの用量すべてにおいて、mezagitamabの投与により血小板反応がプラセボと比較して大幅に改善することが示されました。Mezagitamab群では、血小板数の迅速かつ持続的な増加(治療閾値50,000/μL以上)が認められ、その効果が最終投与(8週目)から16週目まで8週間持続したことから、血小板反応に対する迅速な効果および治療後の効果が示されました。本試験で新たな安全性シグナルは検出されず、ITP患者においてmezagitamabの良好な安全性および忍容性プロファイルが示され、安全性プロファイルはこれまでに実施されたmezagitamabの試験と一致していました。当社は、ITP患者を対象としたmezagitamabの国際共同臨床第3相試験を2024年度下期に開始する予定です。なお、mezagitamabは米国食品医薬品局(FDA)よりITPを対象にオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を取得し、本プログラムはファストトラック(優先審査)の対象とされております。- 2025年6月、当社は、完全ヒト免疫グロブリンIgG1モノクローナル抗体mezagitamabが、慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を予定される効能・効果として厚生労働省よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を取得したことを公表しました。Mezagitamabは血小板数の迅速かつ持続的な改善をもたらすようにデザインされており、国際共同臨床第3相試験が進行中です。 ニューロサイエンス(神経精神疾患)当社は、高いアンメット・ニーズが存在する神経疾患および神経筋疾患を対象に、革新的治療法に研究開発投資を集中させ、社内の専門知識や外部パートナーとの提携を生かし、革新的なパイプラインを構築しています。当社のニューロサイエンス(神経精神疾患)における重点領域として、オレキシン生物学、希少神経疾患および神経変性疾患に注力しています。オレキシン生物学の関与が示唆される希少な睡眠・覚醒障害およびその他の疾患に対する標準治療の再定義を目指し、オレキシンの可能性を最大限に引き出すために最適化された治療薬ポートフォリオ(oveporexton(TAK-861)、TAK-360など)の開発を推進しています。また、当社のポートフォリオ全体にわたり、疾患生物学の理解、トランスレーショナルなツール、革新的モダリティ、デジタルイノベーションの進展を活用し、治療薬の開発および患者さんへのアクセスを加速させています。 [開発コード:TAK-861 一般名:oveporexton] - 2024年6月、米国睡眠学会および睡眠研究学会の第38回年次総会であるSLEEP2024において、ナルコレプシータイプ1(NT1)を対象としたoveporextonの臨床第2b相試験の良好な結果を発表しました。NT1患者112名を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照反復投与試験であるTAK-861-2001試験で、主要評価項目と副次評価項目において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が示され、有効性は8週間の投与期間にわたり持続しました。主要評価項目の覚醒維持検査(MWT)では、プラセボと比較して本試験で評価したoveporextonのすべての用量で統計学的に有意かつ臨床的に意味のある睡眠潜時の延長が認められました(プラセボとのLS平均差はすべてp≤0.001)。エプワース眠気尺度(ESS)および1週間あたりのカタプレキシー発現率(WCR)を含む主な副次評価項目でも一貫した結果が得られ、眠気およびカタプレキシー(筋緊張の突然の消失)の頻度に関する主観的評価項目がプラセボと比較して顕著に改善しました。本試験を完了した被験者の大部分は長期継続投与(LTE)試験に登録され、一部の患者は投与期間が1年に達しました。Oveporextonの安全性および忍容性は概ね良好であり、治験薬と関連のある重篤な有害事象または有害事象による投与中止はありませんでした。臨床第2b相試験および現在実施中のLTEにおいて、肝毒性や視覚障害の事例は認められていません。主な有害事象は不眠症、尿意切迫、頻尿および唾液分泌過多でした。大部分の有害事象の重症度は軽度から中等度であり、そのほとんどが投与後1~2日以内に発現し、一過性でした。米国食品医薬品局(FDA)は、臨床第2b相試験のデータに基づき、oveporextonをNT1患者の日中の過度の眠気(EDS)治療薬としてブレークスルーセラピーに指定しました。2025年5月、当社はNT1患者におけるoveporextonの臨床第2b相試験データがThe New England Journal of Medicine誌に掲載されたことを公表しました。 [開発コード:TAK-935 一般名:ソチクレスタット]- 2024年6月、当社は、ソチクレスタットについてSKYLINE試験およびSKYWAY試験のトップラインデータを発表しました。SKYLINE(TAK-935-3001)試験は、難治性のドラベ症候群(DS)患者を対象としてソチクレスタット+標準治療とプラセボ+標準治療を比較評価した臨床第3相多施設共同無作為化二重盲検試験です。ソチクレスタットは、プラセボと比較した、けいれん発作の発現頻度のベースラインからの減少という主要評価項目をわずかに達成しませんでした(p値=0.06)。6つの重要な副次評価項目のうち、ソチクレスタットは16週間の投与期間にわたり、レスポンダーの割合、介護者および医師による全般印象改善尺度-改善の指標、並びに発作強度および持続時間のスケールにおいて臨床的に意義があり、名目上有意な結果を示しました(すべてp値≤0.008)。SKYWAY(TAK-935-3002)試験は、難治性のレノックス・ガストー症候群(LGS)の患者を対象としてソチクレスタット+標準治療とプラセボ+標準治療を比較評価した臨床第3相多施設共同無作為化二重盲検試験です。ソチクレスタットはプラセボと比較して、major motor drop(MMD)発作の発現頻度のベースラインからの減少という新たな主要評価項目を達成しませんでした。SKYLINE試験およびSKYWAY試験では、事前に特定したサブグループの患者において、ソチクレスタットは16週間の投与期間にわたり、主要評価項目および副次評価項目である介護者および医師の全般印象改善尺度-改善、並びに発作強度および持続時間スケールで臨床的に意義があり、名目上有意な治療効果が示されました。SKYLINE試験およびSKYWAY試験のいずれにおいてもソチクレスタットの忍容性は概ね良好であり、これまでの臨床試験と一致する安全性プロファイルが示されました。- 2025年1月、当社は、ソチクレスタットの開発プログラムを中止する決定を公表しました。本決定は、2024年6月に公表した、ソチクレスタットのDSを対象とした臨床第3相SKYLINE試験およびLGSを対象とした臨床第3相SKYWAY試験が主要評価項目を達成しなかったことに基づいています。6月の公表以降、当社はソチクレスタットのLGS開発プログラムを中止し、米国食品医薬品局(FDA)とソチクレスタットのDSの治療に関する総合的なエビデンスについて協議しました。FDAは、現在の臨床データパッケージではソチクレスタットのDSに対する新薬承認申請(NDA)を支持するための有効性に関する実質的なエビデンスの要件を満たしていないと当社に通知しました。SKYLINE試験およびSKYWAY試験のデータは、ClinicalTrials.govで公開されています。 オンコロジーオンコロジー領域では、当社の治療薬のポートフォリオへのアクセスを確立し世界中の患者さんの治療に貢献するとともに、将来治療薬となりうるパイプラインの推進に注力しています。研究開発の取り組みにおいては、3つの疾患領域および4つのモダリティに焦点を当てています。当社は胸部、消化器および血液がんに対する治療薬の開発を推し進めており、血液がん領域では、骨髄性腫瘍に対するrusfertide(TAK-121)、elritercept(TAK-226)を含む治療薬ポートフォリオを拡充しています。注力するモダリティには抗体薬物複合体(ADC)、複雑な生物学的製剤、低分子化合物およびガンマ・デルタT細胞療法が含まれます。また、強固な提携ネットワークを活用することで、社内の専門性とグローバル拠点を補完しています。当社は、患者さんを通じて得られるインスピレーションおよびあらゆるイノベーションを活用することで、がんの治癒を目指しております。注)2024年度第4四半期より、rusfertideはオンコロジーポートフォリオに含まれます。 [アドセトリス 一般名:ブレンツキシマブ ベドチン] - 2024年6月、当社とファイザー株式会社は、第60回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会および第29回欧州血液学会(EHA)年次総会において、German Hodgkin Study Group(GHSG)が、アドセトリスと化学療法との併用療法を評価する臨床第3相HD21試験の良好な結果についてレイトブレーキングオーラルプレゼンテーションにて発表することを公表しました。GHSGが発表する4年時点での解析では、欧州における現在の標準治療レジメンと比較して優れた無増悪生存率(PFS)と忍容性の改善が示されました。HD21試験は、臨床第3相無作為化国際共同前向き非盲検試験であり、IIb/III/IV期古典的ホジキンリンパ腫と新たに診断された患者を対象に、アドセトリスとエトポシド、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダカルバジンおよびデキサメタゾンの併用療法(BrECADD)を、標準治療であるブレオマイシン、エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジンおよびprednisone(eBEACOPP)と比較して評価するデザインです。ASCOにおける発表では、GHSGが実施したHD21試験の4年PFS解析の詳細が発表されます。48ヵ月後、BrECADDはBEACOPPと比較して優れた有効性を示しました[BrECADD群PFS:94.3%、eBEACOPP群PFS:90.9%、ハザード比(HR):0.66(95% CI:88.7-93.1; p- 2025年6月、当社は、欧州委員会(EC)より、リスク因子を有するⅡb期、Ⅲ期およびⅣ期の未治療の成人ホジキンリンパ腫患者に対するアドセトリスとエトポシド、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダカルバジンおよびデキサメタゾン(BrECADD)の併用療法の承認を取得したことを公表しました。本承認は、2025年4月の欧州医薬品評価委員会(CHMP)による肯定的見解に基づくものです。BrECADDとして知られるホジキンリンパ腫のフロントライン治療におけるアドセトリス併用療法の承認は、無作為化臨床第3相HD21試験の結果に基づきます。本試験では、欧州における標準治療であるブレオマイシン、エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾンの増量レジメン(eBEACOPP)と比較して、BrECADDが治療関連合併症率(TRMB)において有意に優れた安全性を示し、無増悪生存率(PFS)の非劣性を示したことにより、安全性および有効性の複合主要評価項目を達成しました。 [FRUZAQLA/フリュザクラ 一般名:フルキンチニブ]- 2024年6月、当社は、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、オキサリプラチン、およびイリノテカンを含む化学療法、抗VEGF療法ならびに抗EGFR療法による治療歴があり、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤又はレゴラフェニブのいずれかによる治療中に進行した、もしくはこれらに不耐の転移性大腸がん(mCRC)成人患者に対する単剤療法として、FRUZAQLAが欧州委員会によって承認されたことを公表しました。本承認は、国際共同臨床第3相試験であるFRESCO-2試験の結果に基づくものです。- 2024年9月、当社は、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1/2/3に対して選択性を有する経口のチロシンキナーゼ阻害剤フリュザクラカプセル1mg/5mgについて、がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌を効能または効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得したことを公表しました。本承認は主に国際共同臨床第3相試験であるFRESCO-2試験の結果に基づくものです。 [ニンラーロ 一般名:イキサゾミブ] - 2024年8月、当社は、ニンラーロの剤形追加として、厚生労働省よりニンラーロカプセル0.5mgの製造販売承認を取得したことを公表しました。本剤形追加により、多発性骨髄腫における維持療法において、ニンラーロの低用量製剤による新たな治療選択肢(1.5mg用量(0.5mgカプセル×3))を提供することができ、従来よりも低用量の用量調節が可能となることで患者の状態に合わせた、より適切な用量調節の実現を目指すことが可能になります。本承認は、主に国際共同臨床第3相試験であるTOURMALINE-MM3試験ならびにTOURMALINE-MM4試験の結果に基づくものです。 [カボメティクス 一般名:カボザンチニブ]- 2024年9月、当社は、新規ホルモン療法(NHT)による1回の前治療歴があり、測定可能な骨盤外リンパ節腫大を有する去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)患者を対象に、カボザンチニブと免疫チェックポイント阻害薬であるアテゾリズマブの併用療法と2剤目のNHTを比較した、Exelixis社が主導する国際共同臨床第3相試験(CONTACT-02試験)の全生存期間(OS)に関する最終解析結果が2024年欧州腫瘍学会(European Society for Medical Oncology Congress:ESMO 2024)において発表されたことを公表しました。CONTACT-02試験の主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS)およびOSでした。追跡期間中央値24.0ヵ月において、OSの最終解析では、カボザンチニブとアテゾリズマブの併用療法に統計学的に有意な差はないものの、改善傾向が示されました(ハザード比:0.89、95%信頼区間:0.72-1.10、p=0.296)。本試験では、複数の集団(骨転移を有する患者集団、および肝転移を有する患者集団)において特にOSの延長が示唆されました。 [ベクティビックス 一般名:パニツムマブ]- 2024年11月、当社は、ベクティビックスについて、KRAS G12C変異陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんに対し、KRAS G12C阻害剤であるルマケラス(ソトラシブ)との併用療法として、日本国内における効能又は効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったことを公表しました。本申請は、KRAS G12C変異陽性の既治療の転移性の結腸・直腸がん患者を対象として、ベクティビックスと、ルマケラスの2用量(240mgまたは960mg)を併用投与した際の有効性および安全性を評価する、臨床第3相、国際共同、多施設共同、ランダム化、非盲検、実薬対照試験(CodeBreaK 300試験)に基づくものです。 [開発コード:TAK-121 一般名:rusfertide] - 2025年3月、当社とProtagonist Therapeutics社は、臨床第3相VERIFY試験の良好なトップライン結果を公表しました。本試験は瀉血依存の真性多血症(PV)患者の標準治療に追加する治療として、被験者をrusfertide群またはプラセボ群に無作為に割り付け実施されました。Rusfertideは、米国食品医薬品局(FDA)から希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)指定およびファストトラック指定を受けている、ファースト・イン・クラスのヘプシジン模倣薬として開発中のペプチド治療薬です。- 2025年6月、当社とProtagonist Therapeutics社は、臨床第3相VERIFY試験の詳細な結果を第61回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会のプレナリーセッションにおいて発表したことを公表しました。本試験は、主要評価項目である臨床的奏功割合を達成しました。臨床的奏効とは、20週から32週の間に瀉血の適格性がないことと定義されました。Rusfertideと現在の標準治療を併用した患者の76.9%が臨床的奏効を達成し、プラセボと現在の標準治療を併用した群では32.9%でした(p その他の希少疾患品目当社の研究開発は、3つの重点疾患領域(消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー)にわたり、希少疾患および有病率がより高い疾患のいずれにおいても、未だ有効な治療法が確立されていない高い医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)が存在する疾患に注力しております。その他の希少疾患品目においては、遺伝性血管性浮腫に対するタクザイロなどの既発売品に加え、高いアンメット・メディカル・ニーズが存在する複数の疾患に焦点をあて取り組んでおります。希少血液疾患においては、アドベイト、アディノベイト/ADYNOVIを通じて、出血性疾患治療における現在のニーズへ対応することに注力しております。また、リブテンシティにおいては、移植後サイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症の治療を再定義することを目指しております。当社は、希少疾患の患者さんに対し革新的な医薬品を届けるという当社のビジョンを実現するための取り組みに注力します。当社は、希少疾患において当社が有する専門能力の活用が可能であり、希少疾患に対する当社のコミットメントおよびリーダーシップを高める可能性のある、後期開発段階の事業開発機会の探索を今後も継続する予定です。 [リブテンシティ 一般名:マリバビル]- 2024年6月、当社は、リブテンシティ錠200mgについて、臓器移植(造血幹細胞移植も含む)における既存の抗サイトメガロウイルス(CMV)療法に難治性のCMV感染症を効能または効果として、厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。本承認は、主にHSCTまたはSOT後で既存の抗CMV治療に難治性のCMV感染・感染症を有する患者を対象とした海外第3相非盲検試験(SOLSTICE 試験)および日本人の造血幹細胞移植(HSCT)または固形臓器移植(SOT)後でCMV 感染・感染症を有する患者を対象とした国内第3相非盲検試験に基づくものです。 [タクザイロ 一般名:ラナデルマブ]- 2025年2月、当社は、青年期(12歳以上)および成人の遺伝性血管性浮腫(HAE)患者を対象に、タクザイロの2mLプレフィルドペン皮下注射製剤が追加の皮下投与選択肢として欧州医薬品庁(EMA)により承認されたことを公表しました。タクザイロは現在、150mgプレフィルドシリンジ製剤、300mgプレフィルドシリンジ製剤および300mgバイアル製剤が承認されています。追加の皮下注射の選択肢となるタクザイロ300mgプレフィルドペン製剤の承認は臨床試験の結果に基づきます。 [ボンベンディ 一般名:フォン・ヴィレブランド因子(遺伝子組み換え)] - 2025年6月、当社は、ボンベンディについて、18歳未満のフォン・ヴィレブランド病(VWD)患者に対する用法・用量追加に係る製造販売承認事項一部変更承認申請を厚生労働省に行ったことを公表しました。本申請は、主に海外臨床第3相非盲検試験(071102試験)および海外臨床第3b相継続投与試験(SHP677-304試験)における18歳未満のVWD患者の出血時ならびに周術期に関する安全性および有効性のデータに基づくものです。 血漿分画製剤当社は、血漿分画製剤(PDT)に特化したPDTビジネスユニットを設立し、血漿の収集から製造、研究開発および商用化まで、エンド・ツー・エンドのビジネスの運営に注力しております。本領域では、様々な希少かつ複雑な慢性疾患に対する患者さんにとって生命の維持に必要不可欠な治療薬の開発を目指しております。本領域に特化した研究開発部門は、既発売の治療薬の価値最大化、新たな治療ターゲットの特定および血漿収集から製造に至るまで血漿分画製剤のバリューチェーン全体にわたる効率性の最適化という役割を担っております。短期的には、当社の幅広い免疫グロブリン製剤ポートフォリオ(ハイキュービア、キュービトル、GAMMAGARD LIQUIDおよびGAMMAGARD S/D)における効能追加、地理的拡大および総合的な医療テクノロジーの活用を通じたより良い患者体験を追求しております。また、当社は、グローバルに販売している20種類以上にわたる治療薬ポートフォリオに加え、20%促進型皮下注用免疫グロブリン製剤(TAK-881)および低IgA含有免疫グロブリン液剤(TAK-880)といった次世代の免疫グロブリン製剤の開発、およびその他の早期段階の治療薬候補(高シアル化免疫グロブリン(hsIgG)を含む)の開発を行っております。 [ハイキュービア 一般名:遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼ含有皮下注(ヒト)免疫グロブリン10%(開発コード:TAK-771)]- 2024年6月、当社は、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)患者におけるハイキュービアの安全性および有効性を評価する長期継続試験である臨床第3相ADVANCE-CIDP3試験のデータを発表しました。本結果はハイキュービアの良好な長期安全性および忍容性と低い再発率を示しており、CIDPに対する維持療法としての使用を支持しております。これらの結果は、末梢神経学会(PNS)年次総会のポスターセッションで発表される予定です。ADVANCE-CIDP3試験はCIDPを対象とした臨床試験として、これまでで最長の延長試験です。本試験はADVANCE-CIDP1試験から85名の患者を登録し、主要評価項目は安全性、忍容性および免疫原性でした。ハイキュービアの投与期間中央値は33カ月(0カ月から77カ月)で、全追跡期間の累積は220人年でした。ハイキュービアの安全性および忍容性プロファイルは既知のプロファイルと一致しており、新たな安全性に関する懸念は認められませんでした。- 2024年12月、当社は、ハイキュービアについて、無又は低ガンマグロブリン血症を効能又は効果として、厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。無又は低ガンマグロブリン血症は、原発性免疫不全症(PID)または続発性免疫不全症(SID)による抗体が無いまたは減少した状態で、重篤な感染症の再発リスクが増加することを特徴とする疾患です。本承認は、主に有効性、安全性、忍容性および薬物動態を評価するために実施された、日本人のPID患者を対象とした2つの主要な非盲検非対照臨床第3相試験(TAK-771-3004試験、TAK-771-3005試験)に基づくものです。また、本製造販売承認申請の評価資料には、北米のPID患者を対象とした2つの海外臨床第3相試験(160603試験、160902試験)も含まれました。- 2025年6月、当社は、ハイキュービアについて、CIDP及び多巣性運動ニューロパチー(MMN)の運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)の適応追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を厚生労働省から取得したことを公表しました。本承認は、日本人のCIDP患者およびMMN患者を対象とした国内臨床第3相試験(TAK-771-3002試験)、ならびにCIDP患者を対象とした2つの海外臨床第3相試験(161403試験および161505試験)に基づくものです。 [献血グロベニン-I 一般名:静注(ヒト)免疫グロブリン] - 2025年2月、当社は献血グロベニン-I 10%静注について、厚生労働省に対し製造販売承認申請を行ったことを公表しました。本剤は、国内で承認を得ている当社の献血グロベニン-I静注用の剤型を凍結乾燥製剤から液状製剤へ改良し、有効成分濃度を既存製剤の5%から10%へと高濃度化した静注用人免疫グロブリン製剤です。有効成分濃度の高濃度化により、投与液量が減少し、投与時間が短縮するとともに、より少ない水分負荷での大量療法が可能になることが期待されます。 ワクチンワクチンでは、イノベーションを活用し、デング熱(QDENGA)、新型コロナウイルス感染(COVID-19)(ヌバキソビッド筋注)など、世界で最も困難な感染症に取り組んでおります。当社パイプラインの拡充およびプログラムの開発に対する支援を得るために、日本の政府機関およびWHO(世界保健機関)、PAHO(Pan American Health Organization)、Gavi(Global Alliance for Vaccines and Immunization)を含む主要な世界的機関とのパートナーシップを締結しております。これらのパートナーシップは、当社のプログラムを実行し、それらのポテンシャルを最大限に引き出すための重要な能力を構築するために必要不可欠です。 [ヌバキソビッド筋注 一般名:組換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン] - 2024年9月、当社は、2024年4月に製造販売承認申請を行ったヌバキソビッド筋注1mLについて、SARS-CoV-2による感染症の予防を効能または効果として厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。ヌバキソビッドは、オミクロン株JN.1系統に対応した1価ワクチンです。本製剤は、パンデミック下のまん延予防の緊急の必要性に応じた特例臨時接種と異なり、1日に多数の方に接種することを想定しない場合の流通および使用に適した1回0.5mL 接種2回分のバイアル製剤です。本承認は、抗原株の変更に係る臨床および品質のデータに加え、ヌバキソビッドがJN.1およびKP.2、KP.3を含むその下位系統に対しても中和抗体を誘導することが認められた非臨床データに基づきます。 パイプラインの現状当社グループの各疾患領域および事業分野における研究開発活動の概要は、以下に示すとおりです。後出する主要な疾患領域および事業分野において開示されている当社グループパイプライン上の治療薬の候補物質は、それぞれ異なる開発段階にあり、現在開発中の候補物質の開発中止や新たな候補物質の臨床ステージ入りにより、パイプラインの内容は今後変わる可能性があります。以下に示す候補物質が製品として上市に至るかは、前臨床試験や臨床試験の結果、様々な医薬品の市場動向、規制当局からの販売承認取得の有無など、様々な要因に影響されます。本表では当社が承認取得を目指しているパイプラインの主な効能および2024年度中に承認されたパイプラインを掲載しています。掲載している効能以外にも、将来の効能・剤型追加の可能性を検討するために臨床試験を行っています。以下の表記載は、米国・欧州・日本・中国に限定していますが、当社グループはその他の地域でも開発活動を行っています。以下、「グローバル」の表記は、米国・欧州・日本・中国を指します。下記の表にあるパイプラインのモダリティは、「低分子」、「ペプチド・オリゴヌクレオチド」、「細胞治療」、「生物学的製剤他」のいずれかに分類しています。 2025年5月8日(決算発表日)における当社グループの消化器系・炎症性疾患領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階MLN0002ENTYVIO(グローバル)エンタイビオ(日本)ヒト化抗α4β7インテグリンモノクローナル抗体(注射剤)生物学的製剤他クローン病(皮下投与製剤)米国承認(24/4)潰瘍性大腸炎・クローン病(小児)(静脈注射製剤)グローバルP-Ⅲ潰瘍性大腸炎・クローン病(小児)(皮下投与製剤)グローバルP-ⅢTAK-755(注1)アジンマ(米国、欧州、日本)ADAMTS13 酵素補充療法(注射剤)生物学的製剤他先天性血栓性血小板減少性紫斑病欧州中国承認(24/8)申請(25/3)免疫性血栓性血小板減少性紫斑病米国欧州P-ⅡbP-ⅡbTAK-625(注2)回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害薬(経口剤)低分子アラジール症候群日本承認(25/3)進行性家族性肝内胆汁うっ滞症日本承認(25/3)TAK-999(注3)GalNAcベースRNA干渉(RNAi)(注射剤)ペプチド・オリゴヌクレオチドα‑1アンチトリプシン欠乏症に伴う肝疾患米国欧州P-ⅢP-ⅢTAK-279チロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬(経口剤)低分子乾癬グローバルP-Ⅲ乾癬性関節炎グローバルP-Ⅲクローン病―P-Ⅱb潰瘍性大腸炎―P-ⅡbTAK-079抗CD38モノクローナル抗体(注射剤)生物学的製剤他免疫性血小板減少症グローバルP-ⅢIgA腎症―P-ITAK-227/ZED1227(注4)トランスグルタミナーゼ2阻害薬(経口剤)低分子セリアック病―P-ⅡbTAK-101(注5)Tolerizing Immune Modifying nanoParticle(TIMP)(注射剤)生物学的製剤他セリアック病―P-ⅡTAK-004ペプチドアゴニスト(注射剤)ペプチド・オリゴヌクレオチド悪心、嘔吐―P-I (注1)KMバイオロジクス社との提携(注2)Mirum社との提携(注3)Arrowhead Pharmaceuticals社との提携(注4)Zedira社およびDr. Falk Pharma社との提携、開発はDr. Falk Pharmaが主導(注5)COUR Pharmaceuticals社との提携 2025年5月8日(決算発表日)における当社グループのニューロサイエンス(神経精神疾患)領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階TAK-861オレキシン2受容体 アゴニスト(経口剤)低分子ナルコレプシータイプ1グローバル P-ⅢTAK-341/MEDI1341(注1)抗α‑シヌクレイン抗体(注射剤)生物学的製剤他多系統萎縮症(MSA)―P-ⅡTAK-594/DNL593(注2)脳内移行性を有するプログラニュリン融合蛋白質(注射剤)生物学的製剤他前頭側頭型認知症―P-ⅡTAK-360オレキシン2受容体アゴニスト(経口剤)低分子特発性過眠症―P-Ⅱナルコレプシータイプ2―P-ITAK-925オレキシン2受容体アゴニスト(注射剤)低分子ナルコレプシー―P-I (注1)Alexion社(AstraZeneca社の子会社)との提携(注2)Denali Therapeutics社との提携、開発は同社が主導 2025年5月8日(決算発表日)における当社グループのオンコロジー領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階TAK-113(注1) fruquintinib>FRUZAQLA(米国、欧州) フリュザクラ(日本)VEGFR阻害薬(経口剤)低分子治療歴を有する転移性大腸がん(mCRC)欧州承認(24/6)がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発大腸がん(CRC)日本承認(24/9)SGN-35(注2)vedotin>アドセトリス(欧州、日本、中国)CD30モノクローナル抗体薬物複合体(注射剤)生物学的製剤他ホジキンリンパ腫におけるBrECADDレジメン(brentuximab vedotin、etoposide、cyclophosphamide、doxorubicin、dacarbazine、dexamethasone)(フロントライン)(注3)欧州申請(24/4)(注4)TAK-121(注5)ヘプシジンミメティックスペプチド(注射剤)ペプチド・オリゴヌクレオチド真性多血症米国P-ⅢTAK-226(注6)アクチビンAおよびB阻害薬(注射剤)生物学的製剤他骨髄異形成症候群(MDS)に伴う貧血(2次治療)米国欧州P-Ⅲ(注7)骨髄繊維症(MF)に伴う貧血―P-ⅡTAK-853(注8)抗体薬物複合体葉酸受容体α(FRα)が標的(注射剤)生物学的製剤他プラチナ製剤感受性卵巣がん日本P-Ⅲプラチナ製剤抵抗性卵巣がん日本P-ⅡTAK-012可変デルタ1 (Vδ1)ガンマ・デルタ(γδ)T細胞(注射剤)細胞治療再発・難治性の急性骨髄性白血病―P-Ⅰ (注1)HUTCHMED社との提携(注2)Pfizer社との提携(注3)German Hodgkin Study Groupが実施したHD21試験のデータに基づく申請(注4)2025年6月、当社は欧州委員会(EC)より承認を取得したことを公表 (注5)Protagonist Therapeutics社との提携、開発は同社が主導(注6)Keros Therapeutics社との提携(注7)ElriterceptのMDSを対象とした試験は被験者登録中(注8)AbbVie社との提携、プラチナ製剤感受性卵巣がんを対象としたグローバルP-Ⅲ試験は同社が主導 2025年5月8日(決算発表日)における当社グループのその他の希少疾患品目のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階TAK-620(注1)LIVTENCITY(グローバル)ベンズイミダゾールリボシド系阻害薬(経口剤)低分子臓器移植(造血幹細胞移植も含む)における既存の抗サイトメガロウイルス療法に難治性のサイトメガロウイルス感染症日本承認(24/6)移植後のサイトメガロウイルス感染(十歳代を含む小児)グローバルP-ⅢTAK-577VONVENDI(米国、日本、中国)VEYVONDI(欧州)フォン・ヴィレブランド因子[遺伝子組換え](注射剤)生物学的製剤他フォン・ヴィレブランド病の出血時および周術期の補充療法(成人)中国承認(24/8)フォン・ヴィレブランド病の出血時および周術期の補充療法(小児)グローバルP-Ⅲ(注2)フォン・ヴィレブランド病の予防(小児)グローバルP-ⅢTAK-660アディノベイト(米国、日本)ADYNOVI(欧州)抗血友病因子[遺伝子組換え]PEG修飾(注射剤)生物学的製剤他血友病A(小児)欧州P-Ⅲ血友病A中国P-Ⅲ (注1)GSK社との提携(注2)2025年6月、当社は18歳未満の患者に対する用法・用量追加に係る申請を厚生労働省に行ったことを公表しました。 2025年5月8日(決算発表日)における当社グループの血漿分画製剤のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階TAK-771(注1)HYQVIA(米国、欧州)ハイキュービア(日本)遺伝子組換え型ヒトヒアルロニダーゼ含有免疫グロブリンG補充療法(皮下注射製剤)生物学的製剤他原発性免疫不全症候群・続発性免疫不全症候群日本承認(24/12)慢性炎症性脱髄性多発根神経炎・多巣性運動ニューロパチー日本申請(24/8)(注2)TAK-880(Low IgA)>免疫グロブリン 10%[ヒト由来](注射剤)(IgA低含有)生物学的製剤他原発性免疫不全症候群欧州米国承認(25/5)申請(24/8)TAK-961献血グロベニン-I(日本)免疫グロブリン 10%[ヒト由来](注射剤)生物学的製剤他複数の適応症日本申請(25/2)免疫グロブリン 5%[ヒト由来](注射剤)生物学的製剤他自己免疫性脳炎(AE)日本P-ⅢTAK-330PROTHROMPLEX TOTAL(欧州)4因子含有プロトロンビン複合体濃縮製剤[ヒト由来](注射剤)生物学的製剤他血液凝固障害、手術時の直接経口抗凝固薬(DOAC)使用に伴う出血傾向の抑制米国P-ⅢTAK-881遺伝子組換え型ヒトヒアルロニダーゼ含有免疫グロブリンG20% 補充療法(注射剤)生物学的製剤他原発性免疫不全症候群米国欧州日本P-ⅢP-ⅢP-Ⅲ (注1)Halozyme社との提携(注2)2025年6月、当社は、本適応追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を厚生労働省より取得したことを公表しました。 2025年5月8日(決算発表日)における当社グループのワクチンのパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階TAK-019(注1)ヌバキソビッド筋注(日本)組換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン(注射剤)生物学的製剤他新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症の予防(オミクロン株JN.1系統に対応した1価ワクチン)日本承認(24/9)TAK-003QDENGA(グローバル)4価デング熱ワクチン(注射剤)生物学的製剤他4種すべての血清型によるあらゆる重症度のデング熱ウイルスによる感染症の予防、ただし4歳以上が対象(追加接種としての延長投与)―P-Ⅲ (注1)Novavax社との提携 オプション契約:当社が臨床開発かつ/または商業化を将来行う可能性がある契約上の権利を保有するその他のパイプラインの一部2025年5月8日(決算発表日)における、当社が臨床開発かつ/または商業化を将来行う可能性がある契約上の権利を保有するその他のパイプラインの一部は以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード <一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階HQP-1351(注1)BCR-ABL/TKIチロシンキナーゼ阻害薬(経口剤)低分子慢性骨髄性白血病米国欧州日本P-ⅢACI-24.060(注2)アミロイドβ能動免疫生物学的製剤他アルツハイマー病―P-Ⅱ (注1)HQP-1351/olverembatinibは参考情報としてのみ掲載。特定の独占的ライセンスを取得するためのオプション権を当社が行使(規制当局による承認を含む慣習的な条件を満たす必要がある)するまでの間、Ascentage Pharma社は本候補物質を所有し単独で臨床開発を実施(注2)ACI-24.060は参考情報としてのみ掲載。特定の独占的ライセンスを取得するためのオプション権を当社が行使(規制当局による承認を含む慣習的な条件を満たす必要がある)するまでの間、AC Immune社は本候補物質を所有し単独で臨床開発を実施 パイプラインから削除されたプロジェクト 2024年4月1日以降に中止したプロジェクトは以下のとおりです。開発コード適応症/剤型追加(国/地域、開発段階)中止および終了理由TAK-141/JR-141ハンター症候群(中枢性および身体症状)(欧州 P-Ⅲ)提携に関する当社の戦略的評価の結果に基づき、当社は、ハンター症候群の治療薬であるpabinafusp alfa(JR-141・TAK-141)を商業化するための特定の地域を対象とした独占的な提携およびライセンス契約を終了することをJCRファーマと合意。JCRファーマは、これまで通りJR-141の臨床開発を主導し、参加している患者さんのために臨床第3相試験を継続する予定。TAK-935レノックス・ガストー症候群(グローバル、P-Ⅲ)臨床試験において主要評価項目を満たさなかった。フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(小児適応)(P-Ⅰ)用量制限毒性により臨床試験を終了。TAK-925麻酔後の回復(P-Ⅱ)患者登録の進捗不良のため試験を中止。Cx601難治性のクローン病に伴う複雑痔瘻(小児)(欧州・日本、P-Ⅲ)欧州市場での販売を中止。MLN0002同種造血幹細胞移植を受けている患者における移植片対宿主病の予防(静脈注射製剤)(欧州・日本、P-Ⅲ)COVID-19のパンデミック中に試験の患者募集を早期に終了。承認申請は行わない。転移性去勢抵抗性前立腺がん(アテゾリズマブとの併用)(日本、P-Ⅲ)臨床試験結果および当社の開発戦略の評価に基づき、転移性去勢抵抗性前立腺がんの開発を中止。TAK-500固形がん(P-Ⅰ)用量制限毒性により臨床試験を終了。TAK-653抗うつ薬による効果が不十分な大うつ病(P-Ⅱ)Neurocrine社との契約内容を変更。当社は日本における独占的権利を再獲得し、マイルストンおよびその他の地域の売上に基づくロイヤルティを受け取る権利を有する。当社は日本における開発に係る費用を負担。Neurocrine社は日本以外の全世界での開発に係る費用を負担し、日本における売上に基づくロイヤルティを受け取る権利を有する。TAK-935ドラベ症候群(グローバル、P-Ⅲ)臨床試験において主要評価項目を満たさなかった。TAK-186EGFR発現固形がん(P-Ⅱ)臨床第1/2相試験から得られているデータに基づき開発中止を決定。TAK-280B7‑H3発現固形がん(P-Ⅰ)臨床第1/2相用量漸増試験から得られているデータに基づき開発中止を決定。TAK-062セリアック病(P-Ⅱ)臨床試験において主要評価項目を満たさなかった。TAK-676固形がん(P-Ⅱ)臨床第1/2相試験から得られているデータに基づき開発中止を決定。 ライセンスおよび共同研究開発契約①ライセンスおよび共同研究開発契約の概要当社は通常の事業において、製品開発および商業化のために第三者とライセンス契約や業務提携を行うことがあります。当社の事業は、こうした個々の契約に大きく依存するものではありませんが、これらの契約は全体として、社内外のリソースを組み合わせて活用することで新製品の開発や上市を可能にするという当社の戦略の一部を構成しています。これまで製品上市に寄与してきた契約の一部に関する概要は以下の通りであります。- アドセトリス:2009年、当社はPfizer Inc.(Pfizer社)(2023年12月にPfizer社が買収したSeagen, Inc.の権利を継承)と、アドセトリスのグローバル共同開発および世界各国(同社が本剤を販売している米国、カナダを除く)における販売の提携契約を締結しました。本提携関係に基づき、当社による開発および販売の進捗に関してマイルストン支払いを行いました。また、契約対象地域におけるアドセトリスの正味売上高に基づき10%台前半から20%台半ばの割合で段階的なロイヤルティを支払います。当社とPfizer社は、本提携関係のもとで実施される選択された開発活動の費用を均等に共同で負担しますが、2025年3月31日現在、当社のアドセトリス提携契約に基づく販売マイルストンの残存支払見込額はありません。本提携関係は、いずれか一方の当事者による正当な事由または両者の合意をもって解除することができます。当社は本提携関係を自由に解除でき、Pfizer社は一定の状況において本提携関係を解除できます。両社により提携解除がなされなかった場合、本契約は全ての支払い義務の満了をもって自動的に終了します。- FRUZAQLA/フリュザクラ:2023年、当社はHUTCHMED Limited(HUTCHMED社)と、フルキンチニブの全世界(中国本土、香港およびマカオを除く)を対象とした開発、商業化および製造に関する独占的ライセンス契約を締結しました。FRUZAQLA/フリュザクラは、米国、欧州、日本および当社がライセンス権を有するその他の国々で承認を取得しています。本ライセンス契約に基づき、当社による開発、規制上および販売の進捗に関するマイルストンに加え、正味売上高に応じたロイヤルティを支払います。本契約は、当社がライセンス権を有する地域において最後のライセンス品のロイヤルティ期間の満了まで継続しますが、それ以前に終了する場合もあります。当社は書面通知により任意でライセンス契約を終了することが可能であり、またいずれの当事者も正当な事由がある場合にライセンス契約を終了することが可能です。 - トリンテリックス:2007年、当社はH. Lundbeck A/S(ルンドベック社)とライセンス、開発、供給および販売契約を締結し、同社の保有する気分障害・不安障害治療薬パイプライン上の複数の化合物について米国および日本における独占的な共同開発および共同販売権を取得しました。2024年7月、ルンドベック社は、当社が米国におけるトリンテリックスの正味売上高に基づきルンドベック社へロイヤルティを支払うことを定めた契約の変更について合意したことを公表しました。本契約変更により、ルンドベック社との共同販売および同社による開発資金の提供は終了しました。本契約は無期限に存続しますが、両者の合意または正当な事由をもって解除されます。 ②将来に向けた研究プラットフォームの構築/研究開発における提携の強化自社の研究開発機能向上への注力に加え、社外パートナーとの提携も、当社研究開発パイプライン強化のための戦略における重要な要素の一つです。社外提携の拡充と多様化に向けた戦略により、様々な新製品の研究に参画し、当社が大きな研究関連のブレイクスルーを達成する可能性を高めます。- 2024年4月、当社と公益財団法人がん研究会(がん研究会)は、がん領域の開発提携に関する契約を締結したことを公表しました。当社とがん研究会は、本契約に基づき、グローバル早期臨床試験の推進や橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ・リバーストランスレーショナルリサーチ)を推進すること等を目的として、双方の強みを活かした交流を行い、現在進行している医薬品開発における必要な情報共有や協議を行っていきます。これにより、優れた画期的な抗がん剤を創出し、いち早くがん患者とその家族の元にお届けすることを目指します。 - 2024年4月、当社、アステラス製薬株式会社(アステラス製薬)および株式会社三井住友銀行は、日本発の革新的な医薬品の創出に向けた創薬シーズのインキュベーションを行う合弁会社の設立に関する基本合意契約を締結したことを公表しました。3社は合弁会社の設立に加えて、当社およびアステラス製薬で培われたグローバル創薬研究開発のノウハウに基づいたサポートを合弁会社に提供し、新薬開発のオープンイノベーションならびに創薬シーズの社会実装の促進ならびに革新的な医薬品開発を行うスタートアップ企業創出につなげます。合弁会社は、設立後、国内のアカデミア・製薬企業・スタートアップ企業などが有する有望な創薬シーズへのアクセスをはじめ、共同研究等を通じてインキュベーション活動を開始予定です。- 2024年5月、当社とAC Immune SA(AC Immune社)は、AC Immune社がもつ毒性アミロイドβ(Aβ)を標的とする能動免疫療法に関する全世界の独占的オプションとライセンス契約を締結したことを公表しました。本契約には、AC Immune社がアルツハイマー病治療薬として開発中のACI-24.060が含まれます。ACI-24.060は、抗Aβ能動免疫療法候補薬で、 プラークの形成やアルツハイマー病を進行させると考えられている毒性Aβに対する強力な抗体反応を誘導するように設計されております。ACI-24.060は、脳内のプラークを除去し、かつプラーク形成を効果的に抑制することで、アルツハイマー病の進行を遅らせる可能性があります。ACI-24.060については現在、前駆期アルツハイマー病の被験者とダウン症候群の成人患者を対象に被験薬の安全性、忍容性と免疫原性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照臨床第1b/2相試験(ABATE試験)を実施しております。AC Immune社は、ABATE試験を完了させる責任を負います。当社がオプションを行使した場合、当社はオプション行使以降の臨床開発を当社の費用負担で行い、世界各地での申請業務と全世界での商業化の責任を負います。- 2024年6月、当社はAscentage Pharma社とolverembatinibの独占的ライセンスを獲得するためのオプション契約を締結したことを公表しました。Olverembatinibは、慢性骨髄性白血病(CML)およびその他の血液がんを対象に現在開発が進められており、ベスト・イン・クラスとなりうる経口の第三世代BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)です。当社がオプションを行使した場合、中国本土、香港、マカオ、台湾およびロシア以外の全地域でolverembatinibの開発および商業化に関する全世界的な権利を有することになります。本契約の一環として、Ascentage Pharma社は引き続きライセンスオプション行使前のolverembatinibのすべての臨床開発について単独で責任を負います。Olverembatinibは現在、TKI抵抗性の慢性期CML(CP-CML)またはT315I変異を有する移行期CML(AP-CML)の成人患者、および第一世代および第二世代TKIに抵抗性および/または不耐容を示すCP-CML成人患者の治療薬として、中国で承認・販売されております。- 2024年12月、当社は、Keros Therapeutics社とelriterceptの中国本土、香港、マカオを除く全世界での開発、製造、商業化に関する独占的なライセンス契約を締結したことを公表しました。Elriterceptは、骨髄異形成症候群(MDS)および骨髄線維症(MF)など一部の血液がんに関連する貧血を治療するために設計された、後期開発段階のアクチビン阻害剤です。Elriterceptは、貧血関連疾患において重要な役割を果たすと考えられているアクチビンAおよびBタンパク質を標的としています。現在2つの臨床第2相試験が進行中であり、1つはvery lowリスク、lowリスク、intermediateリスク MDS患者に対する試験、もう1つはMF患者に対する試験です。very lowリスク、lowリスク、intermediateリスク MDSの輸血依存性貧血の成人患者に対するelriterceptの評価を行う臨床第3相RENEW試験は、まもなく登録を開始します。当社は、これらのがんにおける患者層、治療全体においてelriterceptを評価する予定です。Elriterceptは米国食品医薬品局(FDA)から、very lowリスク、lowリスク、intermediateリスク MDSの治療開発に対して、ファストトラック指定を受けています。 - 2024年12月、当社および東北大学創薬戦略推進機構は、革新的な臨床試験ネットワーク構築と利活用を目的とした戦略的連携を開始したことを公表しました。本戦略的連携は、2024年10月から2027年9月までの3年間で臨床開発の効率化と患者の医療アクセス向上を同時に実現することを目指しています。東北大学病院は、医療データ基盤の構築や統合、また各種解析のためのデジタルツール開発等を行い、地域医療ネットワークや、そこに蓄積される医療関連データを臨床開発で利活用します。これにより、当社が主導する臨床試験への参加に適した患者の特定と登録、当社が主導する臨床試験への参加に適した患者への機会の提供が迅速化することが期待されます。- 2025年3月、当社は、Blackstone Life Sciences(BXLS社)とmezagitamab(TAK-079)の開発資金調達契約を締結しました。本契約に基づき、当社は、2026年3月期から2029年3月期までの間に、免疫性血小板減少症(ITP)およびIgA腎症の臨床第3相試験の共同資金として、最大300百万米ドルを受領します。当社は、研究開発費の発生に応じて当該資金を研究開発費の減額として認識します。全てのマイルストンを達成した場合、BXLS社は、規制当局による承認に関するマイルストン最大240百万米ドル、および累計売上に基づくマイルストン最大300百万米ドルを受領する権利を有します。加えて、商業化された後、BXLS社は米国における売上に対するロイヤルティを受領する権利を有します。 ③研究開発における提携下表では、「①ライセンスおよび共同研究開発契約の概要」以外の、研究開発における当社の提携および外部化提携を記載しており、全ての共同研究開発活動を記載しているものではありません。「内容/目的」欄の記述は、別途記載されていない限り契約締結時点のものを示しています。 消化器系・炎症性疾患領域提携先国内容/目的Arrowhead Pharmaceuticals米国α-1アンチトリプシン欠乏症による肝疾患(AATLD)を対象とし、臨床段階にあるRNA干渉(RNAi)治療薬fazirsiran(TAK‑999、ARO‑AAT)の開発に向けた提携およびライセンス契約。ARO‑AATは、AATLDの進行を引き起こす変異型α‑1アンチトリプシン蛋白の産生を低減する目的で設計されたファースト・イン・クラスの治療薬となる可能性がある。COUR Pharmaceuticals米国COUR社からグリアジンタンパク質含有のImmune Modifying NanoparticleであるTIMP-GLIA(TAK‑101)の全世界での独占的な開発および製品化の権利を獲得。Engitix英国Engitix社独自の細胞外マトリックス探索プラットフォームの活用による、肝線維症およびクローン病や潰瘍性大腸炎などの線維性の炎症性腸疾患に対する新規治療薬の特定と開発に関する共同研究およびライセンス契約。Genevant Sciences Corporation米国肝星細胞を標的とするGenevant社のLNPプラットフォームを活用し、肝線維症の進行を阻止または回復させるため当社が設計したRNAiオリゴヌクレオチドを送達することを目的とした提携およびライセンス契約。KMバイオロジクス日本血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)を対象とするが、同疾患に限らず、rADAMTS13(TAK-755)を治療に用いるための開発提携およびライセンス契約。Mirum Pharmaceuticals米国アラジール症候群(ALGS)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)および胆道閉鎖症(BA)を対象としたmaralixibat(TAK-625)の日本における開発および販売に関する独占的ライセンス契約。Pfizer米国2016年に締結されたTAK-647の全世界における開発および販売に関する独占的ライセンス契約。当社は、ポートフォリオの優先順位付けにより代謝障害関連脂肪肝炎(MASH)を対象としたTAK-647のさらなる開発を継続しないことを決定。UCSD/Fortis Advisors米国UCSD(カリフォルニア大学サンディエゴ校)からのライセンス技術を活用し、好酸球性食道炎治療薬としてブデソニド経口製剤(TAK-721)を開発。Zedira/Dr. Falk Pharmaドイツセリアック病におけるグルテンに対する免疫反応を予防するよう設計された、ファースト・イン・クラスの治療薬となる可能性のある組織トランスグルタミナーゼ2(TG2)阻害薬TAK-227/ZED1227の開発および販売に関する提携・ライセンス契約。当社は米国およびその他の地域(欧州、カナダ、オーストラリアおよび中国を除く)における独占的権利を保有。 ニューロサイエンス(神経精神疾患)領域提携先国内容/目的AC Immuneスイスアルツハイマー病治療薬として開発中のACI-24.060を含む、AC Immune社の毒性アミロイドβ(Aβ)を標的とする能動免疫療法に関する全世界の独占的オプションとライセンス契約。AcuraStem米国AcuraStem社の、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対するPIKFYVEを標的とした治療薬について、全世界の開発および商業化に関する独占的ライセンス契約。Alexion(AstraZenecaの子会社)英国多系統萎縮症(MSA)およびパーキンソン病の治療薬候補として、alpha‑synuclein抗体であるMEDI1341/TAK-341の共同開発・販売契約。Anima Biotech米国遺伝的に特定された神経疾患に対するmRNA翻訳調節薬に関する戦略的な共同研究・開発。BioMarin米国髄腔内投与により外因性アリルスルファターゼA酵素の中枢神経系への直接補充を可能にする技術の導入。急速に進行し、最終的には生命を脅かす希少な神経変性疾患である異染性白質ジストロフィー(MLD)患者において長期的な治療を行う(TAK-611)。Denali Therapeutics米国Denali社が有する脳へのバイオ治療薬移行性を高めるTransport Vehicle(TV)プラットフォーム技術を用いた、最大3つの神経変性疾患治療薬候補の開発および販売に関する戦略的オプションおよび提携契約。当社は2021年度第3四半期に、DNL593/TAK‑594およびDNL919/TAK‑920に関するオプション権を行使。2023年度第2四半期にDNL919/TAK-920の開発を中止。2025年2月にATV:TREM2に関する提携プログラムを、当社およびDenali社合意のもと終了。ルクサナバイオテク日本L
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6 【研究開発活動】当年度の研究開発費の総額は7,299億円であります。なお、当社の研究開発費の予算は、全社的に決定されており、特定の支出は開発の結果および優先事項に応じて再配分の対象となる場合があるため、当社の研究開発費について、疾患領域あるいは臨床試験段階毎の内訳を報告しておりません。医薬品の研究開発のプロセスは、長期にわたり多額の費用を伴い、その期間は10年を越えることもあります。このプロセスには、新薬の有効性および安全性の評価のための複数の試験、データを審査し販売承認の可否を判断する規制当局に対する申請が含まれます。こうした精査の過程を通過し、臨床での治療に用いることができる候補物質はごく僅かです。承認取得後も、上市後の製品に対しては、ライフサイクルマネジメント、メディカルアフェアーズやその他の投資を含め、継続的な研究開発活動による支援が行われます。臨床試験は、地域的および国際的な規制ガイドラインを遵守し、通常5から7年もしくはそれ以上を費やして実施されるものであり、相応の費用を伴います。通常、臨床試験は医薬品規制調和国際会議(ICH)が制定したガイドラインに沿って実施されます。これに関わる規制当局は、米国では食品医薬品局(FDA)、欧州連合では欧州医薬品庁(EMA)、日本では厚生労働省(MHLW)、中国では国家薬品監督管理局(NMPA)です。ヒトの臨床試験は以下の3相で実施されます(各相が一部重複することもあります):・臨床第1相(P-1)試験少人数の健康な成人の志願者を被験者として、薬物の安全性、吸収、分布、代謝、排泄について評価するために実施・臨床第2相(P-2)試験少人数の志願患者さんを被験者として、安全性、有効性、用量および用法を評価するために実施臨床第2相試験はP-2aとP-2bの2つのサブカテゴリーに分割されることがあります。P-2a試験は通常臨床上の有効性または生物学的活性を示すためにデザインされたパイロット試験であり、P-2b試験は薬物が最少の副作用で生物学的活性を示す最適用量を探索するために行われます。・臨床第3相(P-3)試験大人数の志願患者さんを被験者として、既存の薬剤またはプラセボと比較した安全性および有効性を評価するために実施これら3相のうち、臨床第3相にかかる開発費用が最も大きく、臨床第3相試験へ進めるか否かの決定は、医薬品開発における重要なビジネス判断となります。臨床第3相試験を通過した候補薬物については、管轄の規制当局に新薬承認申請書(NDA)、生物製剤承認申請(BLA)または医薬品販売承認申請(MAA)を提出し、規制当局より承認を取得した場合に上市が可能となります。NDA、BLA、MAAの作成には、膨大な量のデータの収集、検証、分析が必要であり、多額の費用が伴います。製品上市後も、保健当局により有害事象の市販後調査や、当該医薬品のリスク・ベネフィットに関する追加情報を提供するための市販後試験の実施を求められることがあります。当社の研究開発は、サイエンスにより、患者さんの人生を根本的に変えうるような非常に革新性が高い医薬品を創製することに注力しています。当社は、「革新的なバイオ医薬品」、「血漿分画製剤」および「ワクチン」の3つの分野において研究開発活動を実施しています。「革新的なバイオ医薬品」に対する研究開発は、当社の研究開発投資の中で最も高い比率を占めています。「革新的なバイオ医薬品」における重点疾患領域(消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー)には、希少疾患および有病率がより高い疾患のいずれにおいても、未だ有効な治療法が確立されていない高い医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)が存在する疾患に対し、当社はベスト・イン・クラスあるいはファースト・イン・クラスとなりうる画期的な新規候補物質を創出してまいりました。当社は希少疾患に対してコミットしており、当社が探求している患者さんの人生を根本的に変えうるような医薬品の多くは、当社の重点疾患領域および血漿分画製剤領域における希少疾患を治療するものとなります。当社では新たな研究開発能力、さらには次世代プラットフォームに対して社内および外部との提携によるネットワークを通じて投資し、細胞療法および遺伝子治療の領域の強化を図っています。また、当社はデータとデジタル技術を活用し、イノベーションの質を向上させ、実行を加速させています。 当社のパイプラインは、当社事業の短期的および長期的かつ持続的な成長を支えるものです。初回の承認取得後も上市後の製品に対して、地理的拡大や効能追加に加え、市販後調査および剤型追加の可能性を含めた継続的な研究開発活動による支援体制が整っています。当社の研究開発チームは、販売部門との緊密な連携を通じ既発売品の価値の最大化を図り、販売活動を通じて得られた知見を研究開発戦略やポートフォリオに反映します。自社の研究開発機能向上への注力に加え、社外パートナーとの提携も、当社研究開発パイプライン強化のための戦略における重要な要素の一つです。社外提携の拡充と多様化に向けた戦略により、様々な新製品の研究に参画し、当社が大きな研究関連のブレイクスルーを達成する可能性を高めます。当社の主要な研究開発施設には以下を含みます:• グレーターボストン地区研究開発サイト:当社のボストン研究開発サイトは米国マサチューセッツ州ケンブリッジに位置しています。本サイトは当社のグローバルでの消化器系・炎症性疾患領域、オンコロジー、ならびにその他の希少疾患品目の研究開発の中心であり、加えて血漿分画製剤やワクチンなど他の疾患領域の研究開発や免疫調節および生物学的製剤の研究も支援しています。最先端の細胞療法の製造施設を備えた、当社の細胞療法研究の拠点です。さらに当社は、ケンドール・スクエアに新たに建設中の約60万平方フィートの最新鋭の研究開発およびオフィス施設について、15年間のリース契約を締結し、2026年より入居する予定です。• 湘南ヘルスイノベーションパーク:日本の神奈川県藤沢・鎌倉地域に位置する湘南ヘルスイノベーションパーク(以下、「湘南アイパーク」)は、当社の湘南研究所を外部に開放する形で、2018年に設立された日本初の製薬企業発サイエンスパークであり、当社のニューロサイエンス研究の主要拠点です。当社はより多様なパートナーを招致し、湘南アイパークのさらなる成功を目指すため、2020年に信託設定、2023年には湘南アイパークの運営事業を当社が設立した会社に承継しました。当社は、アンカーテナントとして今後も日本におけるライフサイエンスの研究活性化に注力します。• サンディエゴ研究開発サイト(注):米国カリフォルニア州サンディエゴにある当社の研究開発拠点であり、消化器系・炎症性疾患およびニューロサイエンス領域における研究開発を支援しています。本研究サイトは、バイオテックのような形態で研究を行う拠点であり、構造生物学および生物物理学などの社内技術を駆使し、社内外で行われる研究を促進します。• オーストリア ウィーン研究開発サイト:オーストリア ウィーンに位置する当社の研究開発サイトであり、研究開発および血漿分画製剤のプログラムを支援しています。本研究サイトは、生物学的製剤の研究開発に注力するとともに血漿分画製剤の製造施設を備えています。ウィーンのドナウシュタット地区には、アクセシビリティ、快適性、環境の持続可能性に関する基準に準拠したTotal Quality Building(TQB)としての認証を受けられるようデザインされたグリーンビルディングとして、新たな研究開発施設が2026年に設立される予定です。(注)2024年5月、当社はサンディエゴ研究開発サイトを閉鎖することを決定しました。当社の2023年4月以降の主要な研究開発活動の進捗は、以下のとおりです。 研究開発パイプライン消化器系・炎症性疾患消化器系・炎症性疾患において、消化管疾患、肝疾患および免疫介在性の炎症性疾患の患者さんに革新的で人生を変えうるような治療法をお届けすることにフォーカスしています。炎症性腸疾患(IBD)においては、ENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)に関する皮下注射製剤の開発および活動性の慢性回腸嚢炎をはじめとする適応症拡大を含め、フランチャイズのポテンシャルを最大化しています。加えて、GATTEX/レベスティブの地理的拡大により当社の消化器系疾患におけるポジショニングの拡大を目指しています。また、当社は、自社創製、社外との提携および事業開発を通じて炎症性疾患(消化器系、皮膚科系、リウマチ性の疾患に加え、厳選した希少血液疾患および腎疾患(mezagitamab (TAK-079)など))、肝疾患、神経性消化器疾患における機会を探索し、パイプラインの構築を進めております。そのうち、後期開発段階にあり、複数の免疫介在性炎症性疾患の治療薬としてベスト・イン・クラスとなる可能性を有する経口アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬zasocitinib(TAK-279)は、事業開発を通じて獲得した候補物質の一例です。また、後期開発段階にあるfazirsiran(TAK-999)は、α-1アンチトリプシン欠損関連肝疾患に対するファースト・イン・クラスのRNA干渉治療薬となる可能性があり、社外との提携を通じたパイプライン構築の一例です。(注)アジンマ(apadamtase alfa/cinaxadamtase alfa(遺伝子組換え)(開発コード:TAK-755))およびmezagitamab(TAK-079)は、2023年度第4四半期より消化器系・炎症性疾患領域において開発が継続されています。 [ENTYVIO/エンタイビオ 一般名:ベドリズマブ]- 2023年4月、当社は、ENTYVIO点滴静注製剤による導入療法後の成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎に対する維持療法として、ENTYVIO皮下注射製剤の生物学的製剤承認申請(BLA)を米国食品医薬品局(FDA)に再提出し、受理されたことを公表しました。今回の再提出は、2019年12月の審査完了報告通知(CRL)におけるFDAの指摘内容に対応することを目的としていました。CRLの受領以降、当社はFDAと緊密に連携し、当局の指摘内容に取り組んでまいりました。今回の再提出パッケージには、ENTYVIO皮下注射製剤の使用について検討するために収集した追加データが含まれていました。同通知の内容は、ENTYVIO点滴静注製剤、臨床安全性および有効性データ、ならびにENTYVIO皮下注射製剤のBLAを支持する検証試験であるVISIBLE1試験の結論とは関連していませんでした。VISIBLE1試験では、0週および2週時点に非盲検下にてENTYVIO点滴静注製剤を2回投与後、6週時点で臨床的改善が得られた中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者216例を対象に、ENTYVIO皮下注射製剤の維持療法としての安全性および有効性を評価しました。主要評価項目は、52週時点における臨床寛解であり、これは完全Mayoスコアが2ポイント以下、かつすべてのサブスコアが1以下と定義しました。2023年9月、当社は、ENTYVIO点滴静注製剤による導入療法後の成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎に対する維持療法として、ENTYVIO皮下注射製剤が、FDAによって承認されたことを公表しました。 - 2023年9月、当社は、中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)を効能または効果として、エンタイビオ皮下注108mgペン/同皮下注108mgシリンジ(エンタイビオSC)について、厚生労働省より製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを公表しました。今回の承認は、エンタイビオSCの中等症から重症の活動期クローン病の維持療法としての有効性および安全性を評価した国際共同臨床第3相試験であるMLN0002SC-3031試験およびMLN0002SC-3030試験に基づくものです。 - 2024年4月、当社は、ENTYVIO点滴静注製剤による導入療法後の成人の中等症から重症の活動期クローン病に対する維持療法として、ENTYVIO皮下注射製剤がFDAにより承認されたことを公表しました。本承認は、VISIBLE2試験(SC CD試験)のデータに基づきます。本試験は、0週および2週時点に非盲検下にてENTYVIOの点滴静注製剤による静脈内投与を2回実施後、6週時点で臨床的改善を達成した、中等症から重症の活動期クローン病成人患者全409例を対象に、ENTYVIO皮下注射製剤による維持療法の安全性と有効性をプラセボと比較して評価した無作為二重盲検臨床第3相試験です。52週時点における長期の臨床的寛解率において、ENTYVIO皮下注射製剤108mgを維持療法として2週間ごとに投与した群では、プラセボ投与群と比較し統計学的に有意に高い結果(ENTYVIO皮下注射群:48%、プラセボ投与群:34%、p [アロフィセル 一般名:ダルバドストロセル] - 2023年10月、当社は、クローン病に伴う複雑痔瘻の治療薬アロフィセルの有効性および安全性を評価する臨床第3相ADMIRE-CD II試験において、主要評価項目である24週時点の複合寛解率を達成しなかったことを公表しました。アロフィセルの安全性プロファイルは過去の試験と一致し、安全性に関する新たな所見は認められませんでした。データ解析から得られた結果は、今後、医学学会または査読付き学術誌において発表する予定です。アロフィセルは、これまでに完了しているADMIRE-CD試験の良好な結果に基づき、欧州連合(EU)、イスラエル、スイス、セルビア、英国および日本において承認されています。 [アジンマ 一般名:apadamtase alfa/cinaxadamtase alfa(遺伝子組換え)(開発コード:TAK-755)]- 2023年6月、当社は、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)に対する予防的治療法として、TAK-755補充療法の安全性および有効性を評価する無作為化対照非盲検クロスオーバー国際共同ピボタル臨床第3相試験の中間解析の良好な結果およびTAK-755の薬物動態(PK)の特性に加えて、臨床第3b相継続試験からのTAK-755の予防効果に関する長期データを2023年の国際血栓止血学会(ISTH)で発表しました。本ピボタル試験では、TAK-755の予防的治療を受けている期間中に急性TTPイベントが発現した患者はいませんでした。また、TAK-755は、血漿製剤を用いた治療(血漿療法)と比較して血小板減少症事象の発現率を60%低減させました(ハザード比[HR]0.40;95%信頼区間[CI]:0.3–0.7)。試験治療下で発現した有害事象は、血漿療法群で50%であったのに対し、TAK-755の投与を受けた12歳以上68歳以下の患者において10.3%であり、良好な安全性および忍容性プロファイルが確認されるとともに血漿療法よりも安全性が高い可能性が示されました。加えて、12歳以上のcTTP患者36例を対象に、単回輸注後(0~168時間)のADAMTS13の薬物動態の特性を評価し、血漿療法と比較しました。TAK-755による治療を受けた患者は、血漿療法を受けた患者と比較して、ADAMTS13の活性レベルが5倍増加し(Cmax:TAK-755群 100% vs. 血漿療法群 19%)、かつ変動が少ないという結果でした(変動係数[CV]:23.8% vs. 56%)。 また、cTTP患者29例を対象にTAK-755の長期予防投与の安全性および有効性を評価した臨床第3b相継続試験の中間解析の結果、TAK-755の予防投与による安全性プロファイルは一貫して良好であり、中和抗体の産生は認められませんでした。TAK-755の予防投与期間中に発現した急性TTPイベントはなく、亜急性TTPイベントおよびTTP症状の発現率は、ピボタル試験におけるTAK-755予防投与時の発現率と同程度でした。- 2023年11月、当社は、米国食品医薬品局(FDA)により、cTTPの成人および小児患者の予防的治療薬ならびに酵素補充療法としてADZYNMAの承認を取得したことを公表しました。本剤は、cTTPを対象としたファスト・トラック指定、希少疾病用医薬品指定および希少小児疾患指定を受け、生物学的製剤承認申請(BLA)は優先審査指定を受けていました。また、FDAは本承認に対して希少小児疾患優先審査権を付与しました。本承認は、cTTPを対象とした初の無作為比較非盲検クロスオーバー臨床第3相試験の有効性、薬物動態、安全性および忍容性データの解析、ならびに継続試験のデータを含む包括的なエビデンスに基づきます。ADZYNMAは、欠乏したADAMTS13酵素を補充することによりcTTP患者のアンメット・メディカル・ニーズに対応するFDAに承認された初めてかつ唯一の遺伝子組換えADAMTS13(rADAMTS13)です。- 2024年3月、当社は、アジンマ静注用1500について、12歳以上の患者を対象に、cTTPを効能または効果として、厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。本承認は、主に12歳から68歳のcTTP患者(日本人5例を含む)を対象とした初のグローバル臨床第3相試験である281102試験における有効性、薬物動態、安全性および忍容性の中間解析データ、および継続試験であるTAK-755-3002試験における長期的安全性および有効性のデータに基づくものです。- 2024年5月、当社は、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)が、cTTPの小児および成人患者のADAMTS13欠乏症の治療薬としてTAK-755の承認を例外的な状況下において推奨したことを公表しました。欧州委員会の肯定的見解は、cTTPを対象とした初の無作為化比較対照非盲検クロスオーバー第3相試験から得られた有効性、薬物動態、安全性および忍容性データの中間解析を含む包括的エビデンスによって支持されました。 [EOHILIA 一般名:ブデソニド(開発コード:TAK-721)] - 2024年2月、当社は、米国食品医薬品局(FDA)より、11歳以上の好酸球性食道炎(EoE)患者を対象に12週間の投与を適応としてEOHILIA(ブデソニド経口懸濁液)の承認を取得したことを公表しました。今回のFDAによるEOHILIAの2mg1日2回投与の承認は、EoE患者(それぞれ11~56歳および11~42歳)を対象にした2つの多施設共同無作為化二重盲検並行群間プラセボ対照12週試験(試験1および試験2)の有効性および安全性データに基づくものです。 [開発コード:TAK-279 一般名:zasocitinib] - 2023年11月、当社は、活動性の乾癬性関節炎患者を対象としてzasocitinibを評価する無作為化二重盲検プラセボ対照臨床第2b相試験の良好な結果を、米国リウマチ学会(ACR)Convergence 2023のLate-Breaking Sessionにおいて発表しました。本試験では、1日1回投与した患者群において12週時点で米国リウマチ学会が定めた基準による20%以上の改善(ACR20)を示した患者の割合がzasocitinib群では53.3%(15mg)および54.2%(30mg)であり、プラセボ群の29.2%と比較して統計学的に有意に高く(p=0.002)主要評価項目を達成しました。本試験においてzasocitinibは重要な副次評価項目でも改善を示し、安全性および忍容性プロファイルは、尋常性乾癬を対象とした臨床第2b相試験と一致していました。本臨床第2b相試験の結果に基づき、乾癬性関節炎を対象としたzasocitinibの臨床第3相開発プログラムを開始する予定です。また当社は、2023年度第3四半期に尋常性乾癬を対象としたzasocitinibの臨床第3相開発プログラムを開始済みであり、クローン病、潰瘍性大腸炎などの免疫介在性炎症性疾患を対象としてzasocitinibを評価する予定です。 [開発コード:TAK-079 一般名:mezagitamab]- 2024年6月、当社は、持続性もしくは慢性の一次性免疫性血小板減少症(特発性血小板減少性紫斑病:ITP)の患者を対象としたmezagitamabの安全性、忍容性および有効性を評価する臨床第2b相無作為化二重盲検プラセボ対照試験(TAK-079-1004試験)の良好な結果を第32回国際血栓止血学会(International Society on Thrombosis and Haemostasis Congress:ISTH)の口頭Late-Breakthrough Sessionで発表しました。TAK-079-1004試験は、慢性もしくは持続性のITP患者を対象に、3つの用量(100 mg、300mgおよび600 mg)を週1回、8週間にわたり皮下投与した後に8週間を超えて安全性追跡調査を行い、プラセボと比較評価しました。主要評価項目は、グレード3以上の有害事象、重篤な有害事象、および投与中止に至った有害事象を含む、試験治療下で有害事象を発現した患者の割合です。副次評価項目は、血小板反応、血小板反応の完全寛解、臨床的に意義のある血小板反応、止血血小板反応です。臨床第2b相試験の結果、評価した3つの用量すべてにおいて、mezagitamabの投与により血小板反応がプラセボと比較して大幅に改善することが示されました。Mezagitamab群では、血小板数の迅速かつ持続的な増加(治療閾値50,000/μL以上)が認められ、その効果が最終投与(8週目)から16週目まで8週間持続したことから、血小板反応に対する迅速な効果および治療後の効果が示されました。本試験で新たな安全性シグナルは検出されず、ITP患者においてmezagitamabの良好な安全性および忍容性プロファイルが示され、安全性プロファイルはこれまでに実施されたmezagitamabの試験と一致していました。当社は、ITP患者を対象としたmezagitamabの国際共同臨床第3相試験を2024年度下期に開始する予定です。なお、mezagitamabは米国食品医薬品局(FDA)よりITPを対象にオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を取得し、本プログラムはファストトラック(優先審査)の対象とされています。 ニューロサイエンス(神経精神疾患)当社は、高いアンメット・ニーズが存在する神経疾患および神経筋疾患を対象に、革新的治療法に研究開発投資を集中させ、当社の専門知識やパートナーとの提携を生かし、パイプラインを構築しています。疾患の生物学的理解、トランスレーショナルなツール、革新的なモダリティの進展により、当社は希少神経疾患、特にオレキシン2受容体作動薬フランチャイズ(TAK-861、danavorexton(TAK-925)など)によるナルコレプシーや特発性過眠症などの睡眠・覚醒障害、およびsoticlestat(TAK-935)による希少てんかんの治療薬の開発に注力しています。当社はさらに、神経筋疾患、神経変性疾患および運動障害のうち患者セグメントを明確に定義できる疾患に特化した投資を行っています。 [開発コード:TAK-861] - 2024年2月、当社は、ナルコレプシータイプ1(NT1)の患者を対象として開発中のTAK-861の無作為化二重盲検プラセボ対照反復投与臨床第2b相試験の良好なトップライン結果が得られたことを公表しました。当社は、ナルコレプシーにおける臨床第2b相試験として、NT1を対象とした試験とナルコレプシータイプ2(NT2)を対象とした試験の2つの試験を実施しました。本試験結果と世界各地の医薬品規制当局との協議に基づき、当社はNT1を対象とするTAK-861の国際共同臨床第3相試験を2024年度上期に速やかに開始する予定です。現時点では 、NT2を対象としたTAK-861の開発を進める予定はありません。NT1およびNT2を対象とするいずれの試験においても、TAK-861の安全性および忍容性は概ね良好でした。 - 2024年6月、米国睡眠学会および睡眠研究学会の第38回年次総会であるSLEEP2024において、NT1を対象としたTAK-861の臨床第2b相試験の良好な結果を発表しました。NT1患者112名を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照反復投与試験であるTAK-861-2001試験で、主要評価項目と副次評価項目において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が示され、有効性は8週間の投与期間にわたり持続しました。主要評価項目の覚醒維持検査(MWT)では、プラセボと比較して本試験で評価したTAK-861のすべての用量で統計学的に有意かつ臨床的に意味のある睡眠潜時の延長が認められました(プラセボとのLS平均差はすべてp≤0.001)。エプワース眠気尺度(ESS)および1週間あたりのカタプレキシー発現率(WCR)を含む主な副次評価項目でも一貫した結果が得られ、眠気およびカタプレキシー(筋緊張の突然の消失)の頻度に関する主観的評価項目がプラセボと比較して顕著に改善しました。本試験を完了した被験者の大部分は長期継続投与(LTE)試験に登録され、一部の患者は投与期間が1年に達しました。TAK-861の安全性および忍容性は概ね良好であり、治験薬と関連のある重篤な有害事象または有害事象による投与中止はありませんでした。臨床第2b相試験および現在実施中のLTEにおいて、肝毒性や視覚障害の事例は認められていません。主な有害事象は不眠症、尿意切迫、頻尿および唾液分泌過多でした。大部分の有害事象の重症度は軽度から中等度であり、そのほとんどが投与後1~2日以内に発現し、一過性でした。米国食品医薬品局(FDA)は、臨床第2b相試験のデータに基づき、TAK-861をNT1患者の日中の過度の眠気(EDS)治療薬としてブレークスルーセラピーに指定しました。 [開発コード:TAK-935 一般名:soticlestat]- 2024年6月、当社は、soticlestatについてSKYLINE試験およびSKYWAY試験のトップラインデータを発表しました。SKYLINE(TAK-935-3001)試験は、難治性のドラベ症候群(DS)患者を対象としてsoticlestat+標準治療とプラセボ+標準治療を比較評価した臨床第3相多施設共同無作為化二重盲検試験です。Soticlestatは、プラセボと比較した、けいれん発作の発現頻度のベースラインからの減少という主要評価項目をわずかに達成しませんでした(p値=0.06)。6つの重要な副次評価項目のうち、soticlestatは16週間の投与期間にわたり、レスポンダーの割合、介護者および医師による全般印象改善尺度-改善の指標、並びに発作強度および持続時間のスケールにおいて臨床的に意義があり、名目上有意な結果を示しました(すべてp値≤0.008)。SKYWAY(TAK-935-3002)試験は、難治性のレノックス・ガストー症候群(LGS)の患者を対象としてsoticlestat+標準治療とプラセボ+標準治療を比較評価した臨床第3相多施設共同無作為化二重盲検試験です。Soticlestatはプラセボと比較して、major motor drop(MMD)発作の発現頻度のベースラインからの減少という新たな主要評価項目を達成しませんでした。SKYLINE試験およびSKYWAY試験では、事前に特定したサブグループの患者において、soticlestatは16週間の投与期間にわたり、主要評価項目および副次評価項目である介護者および医師の全般印象改善尺度-改善、並びに発作強度および持続時間スケールで臨床的に意義があり、名目上有意な治療効果が示されました。SKYLINE試験およびSKYWAY試験のいずれにおいてもsoticlestatの忍容性は概ね良好であり、これまでの臨床試験と一致する安全性プロファイルが示されました。今後の方針を決定するため、(SKYLINE試験、SKYWAY試験および臨床第2相試験のELEKTRA試験で)得られているデータ全体について規制当局と協議をする予定です。また、当社は両臨床第3相試験の結果を今後の学会で発表する予定です。 オンコロジーオンコロジー領域では、患者さんを通じて得られるインスピレーションおよびあらゆるイノベーションを活用することで、がんの治癒を目指しています。本疾患領域では、(1)既発売品(ニンラーロ、アドセトリス、アイクルシグなど)を通じた血液がん領域におけるさらなるプレゼンスの構築、(2)既発売品(アルンブリグ、FRUZAQLA(米国において上市、中国本土、香港およびマカオを除く他の地域における開発が進行中))による固形がん領域の拡充、(3)高度に革新的な治療薬候補および基盤技術からなる最先端のパイプラインの進捗の3つの分野にフォーカスしています。 [カボメティクス 一般名:カボザンチニブ] - 2024年1月、当社は、1種類の新規ホルモン療法による1回の前治療歴があり転移を有する去勢抵抗性前立腺がんで測定可能な軟部組織病変を有する患者を対象に、カボメティクスと抗PD-L1(Programmed Death-Ligand 1)ヒト化モノクローナル抗体アテゾリズマブの併用療法と、2剤目の新規ホルモン療法(NHT群)を比較した、Exelixis社が主導する国際共同臨床第3相CONTACT-02試験の結果が、2024年米国臨床腫瘍学会泌尿器癌シンポジウム(ASCO GU)の口頭セッションで発表されたことを公表しました。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)ITT(intent-to-treat)集団(400例)の追跡期間中央値14.3ヵ月において、ハザード比(HR)は0.65(95%信頼区間[CI]:0.50-0.84、p=0.0007)であり、PFS中央値(mPFS)は、カボメティクスとアテゾリズマブ併用群で6.3ヵ月であったのに対し、NHT群は4.2ヵ月でした。これはITT集団(507例)のPFSとほぼ同じでした(HRは0.64(95%信頼区間:0.50-0.81、p=0.0002))。もうひとつの主要評価項目である全生存期間(OS)中央値は、ITT集団の追跡期間中央値12.0ヵ月において、カボメティクスとアテゾリズマブ併用群の16.7ヵ月に対し、NHT群では14.6ヵ月であり(HR:0.79、95%CI:0.58-1.07、p=0.13)、改善傾向を示しました。本試験で認められたカボメティクスおよびアテゾリズマブの安全性プロファイルは、それぞれの単剤で既知の安全性プロファイルと一致しており、併用レジメンによる新たな安全性への懸念は特定されませんでした。 [アドセトリス 一般名:ブレンツキシマブ ベドチン] - 2023年10月、当社は、欧州委員会(EC)より、未治療のⅢ期CD30陽性ホジキンリンパ腫成人患者に対するドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン(AVD)との併用療法として、悪性リンパ腫治療剤アドセトリスの承認を取得したことを公表しました。この決定は、2023年9月の欧州医薬品評価委員会(CHMP)の承認を推奨する肯定的見解に沿ったものです。本承認は、未治療のⅢ期またはⅣ期の成人ホジキンリンパ腫患者を対象に、アドセトリス+AVD療法をドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカルバジン併用群(ABVD)と比較した無作為化臨床第3相ECHELON-1試験の結果に基づきます。本試験では、主要評価項目である修正無増悪生存期間(PFS)および重要な副次評価項目である全生存期間(OS)が達成され、未治療のⅢ期またはⅣ期古典的ホジキンリンパ腫に対してアドセトリス+AVD併用療法を受けた成人患者のOSに統計学的に有意な改善が示されました。アドセトリスの安全性プロファイルはこれまでの臨床試験と一致しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。 - 2023年11月、当社は、アドセトリスについて、再発又は難治性のCD30陽性の皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)を新たな効能・効果として、厚生労働省より製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを公表しました。本承認は、再発または難治性のCD30陽性のCTCL患者を対象とした、海外臨床第3相臨床ALCANZA試験ならびに国内臨床第2相医師主導SGN-35-OU試験の結果に基づきます。- 2024年6月、当社とファイザー株式会社は、第60回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会および第29回欧州血液学会(EHA)年次総会において、German Hodgkin Study Group(GHSG)が、アドセトリスと化学療法との併用療法を評価する臨床第3相HD21試験の良好な結果についてレイトブレーキングオーラルプレゼンテーションにて発表することを公表しました。GHSGが発表する4年時点での解析では、欧州における現在の標準治療レジメンと比較して優れた無増悪生存率(PFS)と忍容性の改善が示されました。HD21試験は、臨床第3相無作為化国際共同前向き非盲検試験であり、IIb/III/IV期古典的ホジキンリンパ腫と新たに診断された患者を対象に、アドセトリスとエトポシド、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダカルバジンおよびデキサメタゾンの併用療法(BrECADD)を、標準治療であるブレオマイシン、エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジンおよびprednisone(eBEACOPP)と比較して評価するデザインです。ASCOにおける発表では、GHSGが実施したHD21試験の4年PFS解析の詳細が発表されます。48ヵ月後、BrECADDはBEACOPPと比較して優れた有効性を示しました[BrECADD群PFS:94.3%、eBEACOPP群PFS:90.9%、ハザード比(HR):0.66(95% CI:88.7-93.1; p [ニンラーロ 一般名:イキサゾミブ] - 2023年9月、当社は、ニンラーロカプセル 2.3mg/3mg/4mgの剤形追加として、厚生労働省に対しニンラーロカプセル0.5mgの製造販売承認申請を行ったことを公表しました。当社は多発性骨髄腫患者の維持療法における、より適切な用量調節の実現を目指し、ニンラーロの低用量製剤による新たな治療選択肢(1.5mg用量(0.5mg/カプセル×3))を提供すべく、今回の製造販売承認申請を行いました。 [EXKIVITY 一般名:mobocertinib] - 2023年10月、当社は、プラチナ製剤ベースの化学療法を実施中あるいは実施後に病勢が進行した上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異陽性を伴う局所進行性または転移性非小細胞肺がんの成人患者の治療薬EXKIVITYについて、米国食品医薬品局(FDA)との議論の結果、米国における自主的取り下げに向けてFDAと協働していくことを公表しました。EXKIVITYが既に承認されている国においては全世界で同様に自主的取り下げを開始する予定であり、現在販売されているその他の国では規制当局と今後の対応について協議を進めています。この決定は、臨床第3相EXCLAIM-2検証試験の結果に基づいています。この試験で主要評価項目が達成されなかったため、FDAから付与された迅速承認および他の国々における条件付き承認の検証データの要件を満たしませんでした。EXCLAIM-2試験は、EGFRエクソン20挿入変異を伴う局所進行または転移性非小細胞肺がんの一次治療におけるEXKIVITY単剤療法とプラチナ製剤ベースの化学療法との安全性および有効性を検討するために計画された臨床第3相多施設共同非盲検試験です。EXCLAIM-2試験において新たな安全性シグナルは認められませんでした。試験の全データは、今後の医学学会もしくは査読付き学術誌にて発表する予定です。 [FRUZAQLA 一般名:フルキンチニブ]- 2023年6月、当社とHUTCHMED社は、治療歴を有する転移性大腸がん(mCRC)患者を対象にフルキンチニブを評価する臨床第3相試験FRESCO-2試験結果がThe Lancetに掲載されたことを公表しました。FRESCO-2試験は、治療歴を有するmCRC患者を対象に、フルキンチニブ+最良支持療法(BSC)群とプラセボ+BSC群を比較検討する、米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された国際共同臨床第3相試験です。FRESCO-2試験は主要評価項目および重要な副次評価項目を達成し、フルキンチニブの投与により、統計学的に有意で臨床的に意味のある全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の改善が示されました。FRESCO-2試験におけるフルキンチニブの安全性プロファイルは、これまでに報告されたフルキンチニブの試験結果と一致しています。- 2023年9月、当社は前治療歴を有するmCRCに対する治療薬フルキンチニブについて、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを公表しました。今回の製造販売承認申請は、国際共同臨床第3相FRESCO-2試験および臨床第3相FRESCO試験に基づくものです。 - 2023年11月、当社は、フルオロピリミジン、オキサリプラチン、およびイリノテカンを含む化学療法、抗VEGF療法、および抗EGFR療法(RAS野生型で医学的に適切な場合)の治療歴があるmCRC成人患者に対し、FRUZAQLAが米国食品医薬品局(FDA)によって承認されたことを公表しました。FRUZAQLAは、バイオマーカーのステータスにかかわらず、治療歴を有するmCRC患者の治療薬として、米国で承認された初めてかつ唯一の3種類のVEGFRキナーゼすべてに対して選択性を有する阻害薬です。FRUZAQLAの承認は、中国で実施されたFRESCO試験およびグローバル試験であるFRESCO-2試験の2つの大規模臨床第3相試験のデータに基づきます。- 2024年6月、当社は、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、オキサリプラチン、およびイリノテカンを含む化学療法、抗VEGF療法ならびに抗EGFR療法による治療歴があり、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤又はレゴラフェニブのいずれかによる治療中に進行した、もしくはこれらに不耐のmCRC成人患者に対する単剤療法として、FRUZAQLAが欧州委員会によって承認されたことを公表しました。今回の承認は、国際共同第3相試験であるFRESCO-2試験の結果に基づいています。 [アイクルシグ 一般名:ポナチニブ]- 2024年3月、当社は、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ ALL)と新たに診断された成人患者の化学療法併用下での治療薬としてのアイクルシグについて、米国食品医薬品局(FDA)より、医薬品承認事項変更申請(sNDA)の承認を取得したことを公表しました。本適応症は、グローバル臨床第3相PhALLCON試験から得られた導入療法終了時の微小残存病変(MRD)陰性完全寛解(CR)率の達成に基づく迅速承認において承認されました。アイクルシグはイマチニブと比較して優越性を示し、本試験におけるアイクルシグの安全性プロファイルはイマチニブと同等であり新たな安全性シグナルは確認されませんでした。本適応症の承認継続には、検証試験における臨床的有用性の確認と説明が条件となる場合があります。本迅速承認申請は優先審査指定を受け、リアルタイムオンコロジーレビュー(RTOR)プログラム(完全な申請書を提出する前に申請の構成要素の審査を可能にすることでがん治療薬の提供を迅速化することを目的とするFDAイニシアチブ)下で評価されました。 [ベクティビックス 一般名:パニツムマブ]- 2024年2月、当社は、ベクティビックスの切除不能進行再発大腸がんの初回薬物療法に関する国内臨床第3相試験であるPARADIGM試験に参加した患者から、治療開始前に採取した血液を用いて血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を解析し、治療効果との関連を検討したバイオマーカー研究に関する論文が、生物医学ジャーナルNature Medicineに掲載されたことを公表しました。本研究の結果、抗EGFR抗体薬の治療耐性との関連が報告されている10個の遺伝子異常(KRAS、NRAS、BRAF(V600E)、PTENおよびEGFR細胞外ドメインの変異、HER2及びMET増幅並びにALK、RET及びNTRK1融合)を認めない集団において、mFOLFOX6+ベバシズマブ併用療法群と比較し、mFOLFOX6+ベクティビックス併用療法群で原発巣の占拠部位に関わらず全生存期間の延長を認めました(ベクティビックス併用療法群:40.7か月、ベバシズマブ併用療法群:34.4か月、HR:0.76(95% CI: 0.62-0.92))。なお、本研究におけるベクティビックス投与時の安全性プロファイルはこれまで公表された臨床試験結果と同様の内容でした。本研究の結果、原発巣占拠部位による治療選択と比較し、患者の血液を用いた血中循環腫瘍DNAの解析はベクティビックスによる治療がより有用となりうる患者の特定に繋がる可能性を示唆しました。 その他の希少疾患品目当社の研究開発は、3つの重点疾患領域(消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー)にわたり、希少疾患および有病率がより高い疾患のいずれにおいても、未だ有効な治療法が確立されていない高い医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)が存在する疾患に注力しています。その他の希少疾患品目においては、高いアンメット・メディカル・ニーズが存在する複数の疾患に焦点をあて取り組んでいます。遺伝性血管性浮腫においては、タクザイロをはじめとするライフサイクルマネジメントプログラムへの継続的な研究開発投資を通じて、既存の治療パラダイムの変革を目指します。希少血液疾患においては、アドベイト、アディノベイト/ADYNOVIを通じて、出血性疾患治療における現在のニーズへ対応することに注力しています。また、LIVTENCITYにおいては、移植後サイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症の治療を再定義することを目指しています。当社は、希少疾患の患者さんに対し革新的な医薬品を届けるという当社のビジョンを実現するための取り組みに注力します。当社は、希少疾患において当社が有する専門能力の活用が可能であり、希少疾患に対する当社のコミットメントおよびリーダーシップを高める可能性のある、後期開発段階の事業開発機会の探索を今後も継続する予定です。 [アディノベイト/ADYNOVI 一般名:ルリオクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え)]- 2023年6月、当社は、アディノベイトについて、用法および用量に関する製造販売承認事項一部変更承認を日本において取得したことを公表しました。本承認により、患者の臨床状態や活動レベルに応じ、投与量だけではなく投与間隔を含む用法および用量を調整することで、最適な定期投与による個別化治療への貢献が可能となります。今回の承認は、主に国際共同臨床第3相試験であるCONTINUATION試験および海外臨床第3相試験 PROPEL試験の成績に基づくものです。 [オビザー 一般名:スソクトコグ アルファ(遺伝子組換え)] - 2024年3月、当社は、グリコシル化されたBドメイン欠損遺伝子組換えブタ血液凝固第VIII因子オビザー静注用500について、後天性血友病A(AHA)患者における出血抑制を効能または効果として、厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。本承認は、主に18歳以上の日本人AHA患者5例を対象とした国内臨床第2/3相試験および18歳以上の非日本人AHA患者を対象とした海外臨床第2/3相試験に基づくものです。 [LIVTENCITY 一般名:maribavir]- 2023年12月、当社は、LIVTENCITYについて、造血幹細胞移植(HSCT)または固形臓器移植(SOT)後の、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、シドフォビルまたはホスカルネットによる治療に対して難治性(遺伝子耐性有無にかかわらず)のサイトメガロウイルス(CMV)感染・感染症の成人患者を対象として中国国家食品薬品監督管理局(NMPA)より承認を取得したことを公表しました。NMPAによる本承認は、臨床第3相SOLSTICE試験の結果に基づきます。LIVTENCITYは2021年に中国医薬品審査評価センター(CDE)によりブレークスルー・セラピー指定を付与されていました。LIVTENCITYは中国において本適応症を有する初めてかつ唯一のCMV特異的UL97プロテインキナーゼ阻害薬です。- 2024年6月、当社は、リブテンシティ錠200mgについて、臓器移植(造血幹細胞移植も含む)における既存の抗CMV療法に難治性のCMV感染症を効能または効果として、厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。本承認は、主にHSCTまたはSOT後で既存の抗CMV治療に難治性のCMV感染・感染症を有する患者を対象とした海外第3相非盲検試験(SOLSTICE 試験)および日本人のHSCTまたはSOT後でCMV 感染・感染症を有する患者を対象とした国内第3相非盲検試験に基づくものです。 血漿分画製剤当社は、血漿分画製剤(PDT)に特化したPDTビジネスユニットを設立し、血漿の収集から製造、研究開発および商用化まで、エンド・ツー・エンドのビジネスの運営に注力しています。本領域では、様々な希少かつ複雑な慢性疾患に対する患者さんにとって生命の維持に必要不可欠な治療薬の開発を目指しています。本領域に特化した研究開発部門は、既発売の治療薬の価値最大化、新たな治療ターゲットの特定および血漿収集から製造に至るまで血漿分画製剤のバリューチェーン全体にわたる効率性の最適化という役割を担っています。短期的には、当社の幅広い免疫グロブリン製剤ポートフォリオ(HYQVIA、キュービトル、GAMMAGARD LIQUIDおよびGAMMAGARD S/D)における効能追加、地理的拡大および総合的な医療テクノロジーの活用を通じたより良い患者体験を追求しています。血液製剤およびスペシャリティケアのポートフォリオにおいては、PROTHROMPLEX(4F-PCC)、ファイバおよびセプーロチンにおける効能追加や剤型追加の開発機会の追求を優先しています。また、当社は、グローバルに販売している20種類以上にわたる治療薬ポートフォリオに加え、20% fSCIg(TAK-881)およびliquid low IgA IG(TAK-880)といった次世代の免疫グロブリン製剤の開発、およびその他の早期段階の治療薬候補(高シアル化免疫グロブリン(hsIgG)を含む)の開発を行っています。 [HYQVIA 一般名:遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼ含有皮下注(ヒト)免疫グロブリン10%(開発コード:TAK-771)]- 2023年4月、当社は、HYQVIAについて、米国食品医薬品局(FDA)より、原発性免疫不全(PI)治療薬として対象年齢を2歳から16歳までの小児患者へ拡大する生物製剤承認一部変更申請(sBLA)の承認を取得したことを公表しました。FDAによる小児PI患者の治療薬としてのHYQVIAの承認は、2歳から16歳までの44例の小児PI患者を対象に実施したピボタル前向き非盲検非対照臨床第3相試験のエビデンスに基づきます。HYQVIAは、主要評価項目である急性の重篤な細菌感染症(aSBIs)の発現率につき、12ヵ月の治療期間において有効性が確認されました。年間の平均aSBI発現率は0.04であり、事前に設定された達成規準である被験者1例あたりの年間aSBI発現率1未満に対し統計学的に有意に低率(片側上限99%信頼区間 0.21、p- 2023年6月、当社は、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の成人患者を対象とした維持療法としてのHYQVIAを評価するピボタル臨床第3相ADVANCE-CIDP1試験の結果を発表しました。ADVANCE-CIDP1試験は、前向き無作為化プラセボ対照二重盲検多施設共同臨床第3相試験であり、静注用免疫グロブリン(IVIG)による治療で病勢が安定している成人CIDP患者を1:1の割合でHYQVIA群(n=62)、プラセボ群(n=70)へ無作為に割り付け、再発または試験治療の中止に至らない限り6ヵ月間の治療を行いました。主要評価項目は、CIDPの症状の増悪をInflammatory Neuropathy Cause and Treatment(INCAT)スコアで評価する再発率です。副次評価項目には、機能的悪化、再発までの期間、Rasch-built Overall Disability Scale(R-ODS)スコアの皮下注製剤開始前のベースライン時からの変化および安全性が含まれます。本試験の結果において、HYQVIAはプラセボと比較して臨床的に意義のある再発率の低下を示し(9.7% vs. 31.4%、p=0.0045)、その他の解析ではHYQVIAはプラセボと比較して再発までの期間の延長を示しました。また、その他の評価項目でも良好なデータが得られ、良好な忍容性が確認されました。これらの結果は、2023年6月にデンマークで開催された2023年末梢神経学会(PNS)年次総会で発表され、同時にthe Journal of the Peripheral Nervous System (JPNS)に掲載されました。 - 2024年1月、当社は、CIDPの成人患者における神経筋障害および機能障害の再発予防の維持療法としてHYQVIAがFDAにより承認されたことを公表しました。本承認は、ADVANCE-CIDP1試験および単群非盲検継続試験であるADVANCE-CIDP3試験の結果に基づきます。HYQVIAはFDAが承認した唯一の免疫グロブリン(IG)とヒアルロニダーゼの組合せ製剤であり、皮下注用免疫グロブリン製剤(SCIG)です。ヒアルロニダーゼ成分により皮膚と筋肉の間の皮下組織における大量のIGの拡散と吸収が促進されるため、CIDPの成人患者ではHYQVIAを最長で1か月に1回(2、3または4週ごと)の間隔で投与できます。またHYQVIAは皮下投与のため、医療従事者が医療機関または患者の自宅で投与することが可能であり、適切なトレーニングを受けた後、患者や介護者が自己注射することも可能です。- 2024年1月、当社は、あらゆる年齢のCIDP患者を対象に、IVIGによる治療で安定した後の維持療法としてHYQVIAが欧州委員会(EC)により承認されたことを公表しました。本承認は、CIDP患者の再発予防のための維持療法としてHYQVIAの有効性と安全性を評価したピボタル臨床第3相ADVANCE-CIDP1試験のデータに基づいています。- 2024年2月、当社は、TAK-771について、無又は低ガンマグロブリン血症を予定する効能または効果として、厚生労働省に対し製造販売承認申請を行ったことを公表しました。無又は低ガンマグロブリン血症は、原発性免疫不全症(PID)または続発性免疫不全症(SID)による抗体が無いまたは低い状態で、重篤な感染症の再発リスクが増加することを特徴とする疾患です。本申請は、主に有効性、安全性、忍容性および薬物動態を評価するために実施された、原発性免疫不全症(PID)の日本人患者を対象とした臨床第3相TAK-771-3004試験ならびにPID患者を対象とした3つの海外臨床第2/3相試験(160603試験、160902試験および161503試験)に基づきます。- 2024年6月、当社は、CIDP患者におけるHYQVIAの安全性および有効性を評価する長期継続試験である臨床第3相ADVANCE-CIDP3試験のデータを発表しました。本結果はHYQVIAの良好な長期安全性および忍容性と低い再発率を示しており、CIDPに対する維持療法としての使用を支持しています。これらの結果は、末梢神経学会(PNS)年次総会のポスターセッションで発表される予定です。ADVANCE-CIDP3試験はCIDPを対象とした臨床試験として、これまでで最長の延長試験です。本試験はADVANCE-CIDP1試験から85名の患者を登録し、主要評価項目は安全性、忍容性および免疫原性でした。HYQVIAの投与期間中央値は33カ月(0カ月から77カ月)で、全追跡期間の累積は220人年でした。HYQVIAの安全性および忍容性プロファイルは既知のプロファイルと一致しており、新たな安全性に関する懸念は認められませんでした。 [キュービトル 一般名:皮下注(ヒト)免疫グロブリン20%] - 2023年9月、当社は、キュービトルについて、2歳以上の患者を対象に、無又は低ガンマグロブリン血症を効能または効果として、厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。無又は低ガンマグロブリン血症は、原発性免疫不全症(PID)または続発性免疫不全症(SID)による抗体が無いあるいは低い状態で、重篤な感染症の再発リスクが増加することを特徴とする疾患です。皮下投与の免疫グロブリン製剤の日本における承認取得は、当社として初めてです。本申請は、有効性、安全性、忍容性および薬物動態を評価するための、日本人のPID患者を対象とした臨床第3相試験、ならびに北米と欧州のPID患者を対象とした臨床第2/3相試験に基づくものです。日本の患者17例を対象とした試験において、有効性および安全性が確認されました。キュービトル投与期間中に、重篤または重度の有害事象は報告されておらず、良好な忍容性を示しました。主な有害事象は、頭痛および注射部位腫脹各4例(23.5%)、注射部位紅斑3例(17.6%)でした。これまでに報告されている臨床試験においても本剤の有効性および安全性が確認されています。 [GAMMAGARD LIQUID 一般名:(ヒト)免疫グロブリン10%] - 2024年1月、当社は慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の成人患者における神経筋障害および機能障害改善のための静注用人免疫グロブリン製剤(IVIG)治療薬として、GAMMAGARD LIQUIDが、米国食品医薬品局(FDA)により承認されたことを公表しました。本剤は、導入時用量とそれに続く維持時用量が含まれる導入療法としての使用が可能です。GAMMAGARD LIQUIDは、CIDPの治療において免疫グロブリン製剤未投与の患者に対して、または6か月を超える期間の維持療法としては検討されていません。本承認は、HYQVIAのADVANCE-CIDP1試験において再発した成人のCIDP患者を対象にGAMMAGARD LIQUIDの有効性および安全性を評価した無作為化プラセボ対照二重盲検ADVANCE-CIDP2試験の結果に基づいています。 [セプーロチン 一般名:乾燥濃縮ヒトプロテインC(開発コード:TAK-662)] - 2024年3月、当社は、セプーロチン静注用1000単位について、先天性プロテインC欠乏症に起因する静脈血栓塞栓症、電撃性紫斑病の治療および血栓形成傾向の抑制を効能または効果として厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。本承認は、主に日本人の4~27歳の先天性プロテインC欠乏症患者5例を対象とした国内臨床第1/2相試験および非日本人の先天性プロテインC欠乏症患者を対象とした2つの海外臨床第2/3相試験(IMAG-098試験、400101試験)に基づくものです。 ワクチンワクチンでは、イノベーションを活用し、デング熱(QDENGA(開発コード:TAK-003))、新型コロナウイルス感染(COVID-19)(ヌバキソビッド筋注)など、世界で最も困難な感染症に取り組んでいます。当社パイプラインの拡充およびプログラムの開発に対する支援を得るために、政府機関(日本、米国)や主要な世界的機関とのパートナーシップを締結しています。これらのパートナーシップは、当社のプログラムを実行し、それらのポテンシャルを最大限に引き出すための重要な能力を構築するために必要不可欠です。 [QDENGA 一般名:4価弱毒生デング熱ワクチン(開発コード:TAK-003)] - 2023年7月、当社はTAK-003について、現行の生物学的製剤承認申請(BLA)の審査サイクル内では解決が困難なデータ収集に関する米国食品医薬品局(FDA)との議論の結果、米国におけるTAK-003のBLAを自主的に取り下げたことを公表しました。TAK-003の米国における今後の計画は、旅行者およびプエルトリコなどの米国のデング熱流行地域に居住する人々のニーズを考慮し検討される予定です。TAK-003の有効性および安全性プロファイルは、8つのデング熱流行地域に居住する2万例を超える小児および成人を対象とした4.5年間の臨床第3相試験を含む強固な臨床試験プログラムにより示されています。この臨床試験は、世界保健機関(WHO)による第二世代のデング熱ワクチンに関するガイダンスに基づいており、デング熱流行地域において被験者脱落防止と治験実施計画書遵守を達成できるようデザインされていました。TAK-003は、複数のデング熱の流行国および非流行国で承認されており、今後数年で更なる承認が見込まれています。 - 2023年10月、当社は、WHOの予防接種に関する戦略的諮問委員会(SAGE)が、QDENGAの使用に関する推奨を発表したことを公表しました。SAGEは、以下の推奨を発表しました。 - 本ワクチンは、公衆衛生上のインパクトを最大化し、血清反応陰性者における潜在的リスクを最小限に抑えるため、デング熱による疾病負担と感染率が高い地域での導入を検討すること。- 6歳から16歳の小児を対象とする。この年齢範囲で、デング熱による入院の発生率がピークに達する年齢の約1-2年前にワクチンを導入すること。2回接種とし、接種間隔は3ヵ月とすること。- 本ワクチンは、よく検討された適切なコミュニケーションおよびコミュニティとの連携と併せて導入すること。SAGEは、第2世代デング熱ワクチンに関するWHOのガイダンスに従ってデザインされた臨床第3相TIDES(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)試験を含む、28,000人を超える小児および成人を対象とした19件にわたる臨床第1、2、3相試験のデータをレビューしました。 2024年5月、WHOはポジションペーパーを更新し、デング熱による疾病負担と感染率が高い地域において、6~16歳の小児にQDENGAを使用することを推奨しました。 パイプラインの現状当社グループの各疾患領域および事業分野における研究開発活動の概要は、以下に示すとおりです。後出する主要な疾患領域および事業分野において開示されている当社グループパイプライン上の治療薬の候補物質は、それぞれ異なる開発段階にあり、現在開発中の候補物質の開発中止や新たな候補物質の臨床ステージ入りにより、パイプラインの内容は今後変わる可能性があります。以下に示す候補物質が製品として上市に至るかは、前臨床試験や臨床試験の結果、様々な医薬品の市場動向、規制当局からの販売承認取得の有無など、様々な要因に影響されます。本表では当社が承認取得を目指しているパイプラインの主な効能および2023年度中に承認されたパイプラインを掲載しています。掲載している効能以外にも、将来の効能・剤型追加の可能性を検討するために臨床試験を行っています。以下の表記載は、米国・欧州・日本・中国に限定していますが、当社グループはその他の地域でも開発活動を行っています。以下、「グローバル」の表記は、米国・欧州・日本・中国を指します。下記の表にあるパイプラインのモダリティは、「低分子」、「ペプチド・オリゴヌクレオチド」、「細胞および遺伝子治療」、「生物学的製剤他」のいずれかに分類しています。 2024年5月9日(決算発表日)における当社グループの消化器系・炎症性疾患領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階MLN0002ENTYVIO(グローバル)エンタイビオ(日本)ヒト化抗α4β7インテグリンモノクローナル抗体(注射剤)生物学的製剤他潰瘍性大腸炎(皮下投与製剤)米国承認(23/9)クローン病(皮下投与製剤)日本米国承認(23/9)承認(24/4)同種造血幹細胞移植を受けている患者における移植片対宿主病の予防(静脈注射製剤)欧州日本P-ⅢP-Ⅲ潰瘍性大腸炎・クローン病(小児)(静脈注射製剤)グローバルP-ⅢTAK-438タケキャブ(日本)VOCINTI(中国)カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(経口剤)低分子酸関連疾患(ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助)中国承認(23/11)TAK-755(注1)アジンマ(米国)ADAMTS13 酵素補充療法(注射剤)生物学的製剤他先天性血栓性血小板減少性紫斑病米国日本欧州 中国承認(23/11)承認(24/3)申請(23/5)(注2)P-Ⅲ免疫性血栓性血小板減少性紫斑病米国欧州P-ⅡbP-ⅡbTAK-721EOHILIA(米国)糖質コルチコステロイド(経口剤)低分子好酸球性食道炎米国承認(24/2)TAK-633GATTEX(米国)レベスティブ(欧州、日本)GLP-2アナログ(注射剤)ペプチド・オリゴヌクレオチド短腸症候群中国承認(24/2)Cx601アロフィセル(欧州、日本)同種異系脂肪由来幹細胞懸濁剤(注射剤)生物学的製剤他難治性のクローン病に伴う複雑痔瘻(小児)欧州日本P-ⅢP-ⅢTAK-999(注3)GalNAcベースRNA干渉(RNAi)(注射剤)ペプチド・オリゴヌクレオチドα‑1アンチトリプシン欠乏症に伴う肝疾患米国欧州P-ⅢP-Ⅲ 開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階TAK-625(注4)回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害薬(経口剤)低分子アラジール症候群日本P-Ⅲ進行性家族性肝内胆汁うっ滞症日本P-ⅢTAK-121(注5)ヘプシジンミメティックスペプチド(注射剤)ペプチド・オリゴヌクレオチド真性多血症米国P-ⅢTAK-279チロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬(経口剤)低分子乾癬米国欧州日本P-ⅢP-ⅢP-Ⅲ乾癬性関節炎―P-Ⅱbクローン病―P-Ⅱb潰瘍性大腸炎―P-Ⅱb(注6)TAK-227/ZED1227(注7)トランスグルタミナーゼ2阻害薬(経口剤)低分子セリアック病―P-ⅡbTAK-062グルテン分解酵素(経口剤)生物学的製剤他セリアック病―P-ⅡTAK-101(注8)Tolerizing Immune Modifying nanoParticle(TIMP)(注射剤)生物学的製剤他セリアック病―P-ⅡTAK-079抗CD38モノクローナル抗体(注射剤)生物学的製剤他免疫性血小板減少症―P-ⅡIgA腎症―P-Ⅰ (注1)KMバイオロジクス社との提携(注2)2024年5月に、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)が、先天性血栓性血小板減少性紫斑病の小児および成人患者のADAMTS13欠乏症の治療薬として、TAK-755の承認を例外的な状況下において推奨(注3)Arrowhead Pharmaceuticals社との提携(注4)Mirum社との提携(注5)Protagonist Therapeutics社との提携、開発は同社が実施(注6)被験者登録中(注7)Zedira社およびDr. Falk Pharma社との提携(注8)COUR Pharmaceuticals社との提携 2024年5月9日(決算発表日)における当社グループのニューロサイエンス(神経精神疾患)領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階TAK-935CH24H阻害薬 (経口剤)低分子ドラベ症候群グローバルP-Ⅲ(注1)レノックス・ガストー症候群グローバルP-Ⅲ(注1)TAK-861オレキシン2受容体 アゴニスト(経口剤)低分子ナルコレプシータイプ1―P-ⅡbTAK-653/NBI-1065845(注2)AMPA受容体増強薬(経口剤)低分子抗うつ薬による効果が不十分な大うつ病(MDD)―P-ⅡTAK-341/MEDI1341(注3)抗α‑シヌクレイン抗体(注射剤)生物学的製剤他多系統萎縮症(MSA)―P-ⅡTAK-594/DNL593(注4)脳内移行性を有するプログラニュリン融合蛋白質(注射剤)生物学的製剤他前頭側頭型認知症―P-ⅡTAK-925オレキシン2受容体 アゴニスト(注射剤)低分子麻酔後の回復―P-Ⅱナルコレプシー―P-ⅠTAK-360オレキシン2受容体アゴニスト(経口剤)低分子ナルコレプシータイプ2・特発性過眠症―P-Ⅰ (注1)2024年6月、当社はドラベ症候群およびレノックス・ガストー症候群の患者を対象とした臨床第3相試験のトップライン結果を公表(注2)Neurocrine社との提携、開発は同社が実施(注3)AstraZeneca社との提携、パーキンソン病対象のP-Ⅰ試験を完了(注4)Denali Therapeutics社との提携、開発は同社が実施 2024年5月9日(決算発表日)における当社グループのオンコロジー領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階SGN-35(注1)vedotin>アドセトリス(欧州、日本、中国)CD30モノクローナル抗体薬物複合体(注射剤)生物学的製剤他ステージIII ホジキンリンパ腫(フロントライン)欧州承認(23/10)再発・難治性の皮膚T細胞リンパ腫日本承認(23/11)ホジキンリンパ腫におけるBrECADDレジメン(brentuximab vedotin、etoposide、cyclophosphamide、doxorubicin、dacarbazine、dexamethasone)(フロントライン)(注2)欧州申請(24/4)TAK-113(注3)FRUZAQLA(米国)VEGFR阻害薬(経口剤)低分子治療歴を有する転移性大腸がん(mCRC)米国欧州 日本承認(23/11)申請(23/6)(注4)申請(23/9)ICLUSIG(米国)BCR-ABL阻害薬(経口剤)低分子フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(フロントライン)米国承認(24/3)フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(小児適応)―P-Ⅰ(注5)(注6)カボメティクス(日本)マルチターゲットキナーゼ阻害薬(経口剤)低分子転移性去勢抵抗性前立腺がん(アテゾリズマブとの併用)(注7)日本P-ⅢTAK-676STINGアゴニスト(注射剤)低分子固形がん―P-ⅡTAK-500STINGアゴニスト抗体薬物複合体(注射剤)生物学的製剤他固形がん―P-ⅠTAK-186T細胞誘導抗体(注射剤)生物学的製剤他EGFR発現固形がん―P-ⅠTAK-280T細胞誘導抗体(注射剤)生物学的製剤他B7‑H3発現固形がん―P-ⅠTAK-012可変デルタ1 (Vδ1)ガンマ・デルタ(γδ)T細胞(注射剤)細胞および遺伝子治療再発・難治性の急性骨髄性白血病―P-Ⅰ (注1)Pfizer社との提携(注2)German Hodgkin Study Groupが実施したHD21試験のデータに基づく申請(注3)HUTCHMED社との提携(注4)2024年6月、欧州委員会(EC)より承認取得(注5)ICLUSIGのフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(小児適応)の臨床試験は患者登録を中止(注6)Exelixis社との提携(注7)中外製薬との提携、P-Ⅲ試験は当社が実施 2024年5月9日(決算発表日)における当社グループのその他の希少疾患領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階TAK-620(注1)LIVTENCITY(米国、欧州)ベンズイミダゾールリボシド系阻害薬(経口剤)低分子移植後の(バル)ガンシクロビル、シドフォビル、ホスカルネットに治療抵抗性・難治性のサイトメガロウイルス感染(症)中国承認(23/12)臓器移植(造血幹細胞移植も含む)におけるサイトメガロウイルス感染症日本申請(23/11)(注2)移植後のサイトメガロウイルス感染(十歳代を含む小児)欧州P-ⅢTAK-743タクザイロ(グローバル)血漿カリクレイン阻害薬(注射剤)生物学的製剤他遺伝性血管性浮腫(小児)欧州承認(23/11)TAK-577VONVENDI(米国、日本)VEYVONDI(欧州)フォン・ヴィレブランド因子[遺伝子組換え](注射剤)生物学的製剤他フォン・ヴィレブランド病の予防(成人)欧州承認(23/11)フォン・ヴィレブランド病の出血時および周術期の補充療法(成人)中国申請(23/1)フォン・ヴィレブランド病の出血時および周術期の補充療法(小児)グローバルP-ⅢTAK-672(注3)オビザー(米国、欧州)ブタ第VIII因子[遺伝子組換え](注射剤)生物学的製剤他後天性血友病A(AHA)中国日本承認(24/2)承認(24/3)TAK-660アディノベイト(米国、日本)ADYNOVI(欧州)抗血友病因子[遺伝子組換え]PEG修飾(注射剤)生物学的製剤他血友病A(小児)欧州P-Ⅲ血友病A中国P-Ⅲ (注1)GSK社との提携(注2)2024年6月、厚生労働省より製造販売承認取得(注3)Ipsen社との提携 2024年5月9日(決算発表日)における当社グループの血漿分画製剤のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階TAK-771(注1)HYQVIA(米国、欧州)遺伝子組換え型ヒトヒアルロニダーゼ含有免疫グロブリンG補充療法(皮下注射製剤)生物学的製剤他原発性免疫不全症候群(小児)米国承認(23/4)慢性炎症性脱髄性多発根神経炎米国欧州承認(24/1)承認(24/1)原発性免疫不全症候群・続発性免疫不全症候群日本申請(24/2)慢性炎症性脱髄性多発根神経炎・多巣性運動ニューロパチー日本P-ⅢTAK-664キュービトル(米国、欧州、日本)免疫グロブリン20%[ヒト由来](皮下注射製剤) 生物学的製剤他原発性免疫不全症候群・続発性免疫不全症候群日本承認(23/9)続発性免疫不全症候群欧州承認(24/1)ファイバ(米国、欧州、日本)プロトロンビン活性複合体濃縮物[ヒト由来](注射剤)生物学的製剤他インヒビター保有血友病AまたはB患者におけるFEIB
FY2023|29,986 文字
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【研究開発活動】当年度の研究開発費の総額は6,333億円であります。医薬品の研究開発のプロセスは、長期にわたり多額の費用を伴い、その期間は10年を越えることもあります。このプロセスには、新薬の有効性および安全性の評価のための複数の試験、データを審査し販売承認の可否を判断する規制当局に対する申請が含まれます。こうした精査の過程を通過し、臨床での治療に用いることができる候補物質はごく僅かです。承認取得後も、上市後の製品に対しては、ライフサイクルマネジメント、メディカルアフェアーズやその他の投資を含め、継続的な研究開発活動による支援が行われます。臨床試験は、地域的および国際的な規制ガイドラインを遵守し、通常5から7年もしくはそれ以上を費やして実施されるものであり、相応の費用を伴います。通常、臨床試験は医薬品規制調和国際会議(ICH)が制定したガイドラインに沿って実施されます。これに関わる規制当局は、米国では食品医薬品局(FDA)、欧州連合では欧州医薬品庁(EMA)、日本では厚生労働省(MHLW)、中国では国家薬品監督管理局(NMPA)です。ヒトの臨床試験は以下の3相で実施されます(各相が一部重複することもあります):・臨床第1相(P-1)試験少人数の健康な成人の志願者を被験者として、薬物の安全性、吸収、分布、代謝、排泄について評価するために実施・臨床第2相(P-2)試験少人数の志願患者さんを被験者として、安全性、有効性、用量および用法を評価するために実施臨床第2相試験はP-2aとP-2bの2つのサブカテゴリーに分割されることがあります。P-2a試験は通常臨床上の有効性または生物学的活性を示すためにデザインされたパイロット試験であり、P-2b試験は薬物が最少の副作用で生物学的活性を示す最適用量を探索するために行われます。・臨床第3相(P-3)試験大人数の志願患者さんを被験者として、既存の薬剤またはプラセボと比較した安全性および有効性を評価するために実施これら3相のうち、臨床第3相にかかる開発費用が最も大きく、臨床第3相試験へ進めるか否かの決定は、医薬品開発における重要なビジネス判断となります。臨床第3相試験を通過した候補薬物については、管轄の規制当局に新薬承認申請書(NDA)、生物製剤承認申請(BLA)または医薬品販売承認申請(MAA)を提出し、規制当局より承認を取得した場合に上市が可能となります。NDA、BLA、MAAの作成には、膨大な量のデータの収集、検証、分析が必要であり、多額の費用が伴います。製品上市後も、保健当局により有害事象の市販後調査や、当該医薬品のリスク・ベネフィットに関する追加情報を提供するための市販後試験の実施を求められることがあります。当社の研究開発は、サイエンスにより、患者さんの人生を根本的に変えうるような非常に革新性が高い医薬品を創製することに注力しています。当社は、「革新的なバイオ医薬品」、「血漿分画製剤」および「ワクチン」の3つの分野において研究開発活動を実施しています。「革新的なバイオ医薬品」に対する研究開発は、当社の研究開発投資の中で最も高い比率を占めています。「革新的なバイオ医薬品」における重点疾患領域(消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー、希少遺伝子疾患および血液疾患)には未だ有効な治療法が確立されていない疾患に対する高い医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)が存在し、当社はベスト・イン・クラスあるいはファースト・イン・クラスとなりうる画期的な新規候補物質を創出してまいりました。当社では新たな研究開発能力、さらには次世代プラットフォームに対して社内および外部との提携によるネットワークを通じて投資し、細胞療法および遺伝子治療の領域の強化を図っています。また、当社はデータとデジタル技術を活用し、イノベーションの質を向上させ、実行を加速させています。当社のパイプラインは、当社事業の短期的および長期的かつ持続的な成長を支えるものです。初回の承認取得後も上市後の製品に対して、地理的拡大や効能追加に加え、市販後調査および剤型追加の可能性を含めた継続的な研究開発活動による支援体制が整っています。当社の研究開発チームは、販売部門との緊密な連携を通じ既発売品の価値の最大化を図り、販売活動を通じて得られた知見を研究開発戦略やポートフォリオに反映します。自社の研究開発機能向上への注力に加え、社外パートナーとの提携も、当社研究開発パイプライン強化のための戦略における重要な要素の一つです。社外提携の拡充と多様化に向けた戦略により、様々な新製品の研究に参画し、当社が大きな研究関連のブレイクスルーを達成する可能性を高めます。当社の主要な研究開発施設には以下を含みます:• グレーターボストン地区研究開発サイト:当社のボストン研究開発サイトは米国マサチューセッツ州ケンブリッジに位置しています。本サイトは当社のグローバルでの消化器系・炎症性疾患領域、オンコロジー、ならびに希少遺伝子疾患および血液疾患領域の研究開発の中心であり、加えて血漿分画製剤やワクチンなど他の疾患領域の研究開発や免疫調節および生物学的製剤の研究も支援しています。最先端の細胞療法の製造施設を備えた、当社の細胞療法研究の拠点です。さらに当社は、ケンドール・スクエアに新たに建設中の約60万平方フィートの最新鋭の研究開発およびオフィス施設について、15年間のリース契約を締結し、2026年より入居する予定です。• 湘南ヘルスイノベーションパーク:日本の神奈川県藤沢・鎌倉地域に位置する湘南ヘルスイノベーションパーク(以下、「湘南アイパーク」)は、当社の湘南研究所を外部に開放する形で、2018年に設立された日本初の製薬企業発サイエンスパークであり、当社のニューロサイエンス研究の主要拠点です。当社はより多様なパートナーを招致し、湘南アイパークのさらなる成功を目指すため、2020年に信託設定、2023年には湘南アイパークの運営事業を当社が設立した会社に承継しました。当社は、アンカーテナントとして今後も日本におけるライフサイエンスの研究活性化に注力します。• サンディエゴ研究開発サイト:米国カリフォルニア州サンディエゴにある当社の研究開発拠点であり、消化器系・炎症性疾患およびニューロサイエンス領域における研究開発を支援しています。本研究サイトは、バイオテックのような形態で研究を行う拠点であり、構造生物学および生物物理学などの社内技術を駆使し、社内外で行われる研究を促進します。• オーストリア ウィーン研究開発サイト:オーストリア ウィーンに位置する当社の研究開発サイトであり、研究開発および血漿分画製剤のプログラムを支援しています。本研究サイトは、生物学的製剤の研究開発に注力するとともに血漿分画製剤の製造施設を備えています。当社の2022年4月以降の主要な研究開発活動の進捗は、以下のとおりです。 研究開発パイプライン消化器系・炎症性疾患消化器系・炎症性疾患において、消化管疾患、肝疾患およびその他の免疫介在性の炎症性疾患の患者さんに革新的で人生を変えうるような治療法をお届けすることにフォーカスしています。炎症性腸疾患(IBD)においては、「ENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)」に関する皮下注射製剤の開発および活動性の慢性回腸嚢炎をはじめとする適応症拡大を含め、フランチャイズのポテンシャルを最大化しています。加えて、「GATTEX/レベスティブ」および米国への地理的拡大のために臨床第3相試験を実施中の「アロフィセル」により当社の消化器系疾患におけるポジショニングの拡大を目指しています。また、当社は、自社創製、社外との提携および事業開発を通じて炎症性疾患(IBD、セリアック病、乾癬、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデスおよびその他疾患)、厳選した肝疾患、消化管運動関連疾患における機会を探索し、パイプラインの構築を進めております。そのうち後期開発段階にある「fazirsiran(TAK-999)」は、社外との提携を通じたパイプライン構築の一例であり、α-1アンチトリプシン欠損関連肝疾患に対するファースト・イン・クラスのRNA干渉治療薬となる可能性があります。また、後期開発段階にあり、炎症性疾患治療薬としてベスト・イン・クラスとなる可能性を有する経口アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬「TAK-279」も、事業開発を通じて獲得した候補物質の一例です。注)本疾患領域名は、消化器系疾患領域における重点分野の拡大とともに、現時点のパイプラインおよび免疫介在性疾患に対する当社の幅広い取組みをより適切に反映するため、「消化器系・炎症性疾患」(旧名称は「消化器系疾患」)となりました。 [ENTYVIO/エンタイビオ 一般名:ベドリズマブ]- 2023年2月、当社は、臨床第3相「GRAPHITE試験」の最新データを2023 Tandem Meetingsにおいて発表しました。本試験において、「ベドリズマブ」が同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)後180日目までに下部消化管における急性移植片対宿主病(aGvHD)非発症生存の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を達成し、プラセボと比較して安全性プロファイルに重要な差が認められなかったことが示されました。無作為化プラセボ対照二重盲検多施設共同臨床第3相「GRAPHITE試験」は、血液悪性腫瘍の治療として血縁関係のないドナー由来のallo-HSCTを受ける患者を対象に、腸管aGvHD発症抑制における「ベドリズマブ」の有効性および安全性を検討しました。本試験において「ベドリズマブ」は、allo-HSCT後180日目までの腸管aGvHD非発症生存においてプラセボと比較し統計学的に有意な改善を示しました(「ベドリズマブ」群 85.5%、プラセボ群 70.9%(HR=0.45; 95%信頼区間:0.27、0.73; p- 2023年3月、当社は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)を効能・効果として、「エンタイビオ皮下注108mgペン/同皮下注108㎎シリンジ」(「エンタイビオSC」)について、厚生労働省より製造販売承認を取得したことを公表しました。今回の承認は、「エンタイビオSC」の維持療法としての有効性および安全性を評価した国際共同臨床第3相試験である「MLN0002SC-3027試験」および「MLN0002SC-3030試験」に基づくものです。「エンタイビオSC」は、皮下注射として使用できることにより、点滴静注製剤で必要とされている薬液調製のための人員、器具、設備および時間の削減が可能となり、さらに薬液調製時または投与時の過誤等のリスクを低減することが期待できます。また、点滴静注製剤と比較して簡便に取り扱うことができると考えられ、かつ投与1回あたりの所要時間も短くすることが可能となります。- 2023年3月、当社は、慢性回腸嚢炎の治療薬としての「ベドリズマブ」の臨床第4相「EARNEST試験」の良好な結果が、the New England Journal of Medicine(NEJM)に掲載されたことを公表しました。今回公表した結果では、臨床第4相「EARNEST試験」がmodified Pouchitis Disease Activity Index(mPDAI)を用いた臨床的および内視鏡的寛解である有効性の主要評価項目を達成し、14週時点においてプラセボ投与群では10%(51名中5名)に対し、「ベドリズマブ」投与群では31%(51名中16名)であったことが示されました(95%信頼区間:5-38パーセンテージポイント[p.p.]差、p=0.01)。プラセボとの比較におけるこのような転帰の改善は、34週時点における有効性の副次評価項目でも認められました(mPDAIによる寛解達成率はプラセボ投与群では18%[51名中9名]に対し、「ベドリズマブ」投与群では35%[51名中18名]でした[95%信頼区間:0-35 p.p.差])。重篤な有害事象は、「ベドリズマブ」群の6%(51名中3名)、プラセボ群の8%(51名中4名)で発生しました。新たな安全性シグナルは確認されませんでした。- 2023年4月、当社は、「ENTYVIO」点滴静注製剤による導入療法後の成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎に対する維持療法として、「ENTYVIO」皮下注射製剤の生物学的製剤承認申請(BLA)を米国食品医薬品局(FDA)に再提出し、受理されたことを公表しました。今回の再提出は、2019年12月の審査完了報告通知(CRL)におけるFDAの指摘内容に対応することを目的としています。CRLの受領以降、当社はFDAと緊密に連携し、当局の指摘内容に取り組んでまいりました。今回の再提出パッケージには、「ENTYVIO」皮下注射製剤の使用について検討するために収集した追加データが含まれています。同通知の内容は、「ENTYVIO」点滴静注製剤、臨床安全性および有効性データ、ならびに「ENTYVIO」皮下注射製剤のBLAを支持する検証試験である「VISIBLE1試験」の結論とは関連していませんでした。「VISIBLE1試験」では、0週および2週時点に非盲検下にて「ベドリズマブ」点滴静注製剤を2回投与後、6週時点で臨床的改善が得られた中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者216名を対象に、「ENTYVIO」皮下注射製剤の維持療法としての安全性および有効性を評価しました。主要評価項目は、52週時点における臨床寛解であり、これは完全Mayoスコアが2ポイント以下、かつすべてのサブスコアが1以下と定義しました。当社は、2023年中にFDAから審査結果の結論が得られるものと見込んでいます。 [開発コード:TAK-999 一般名:fazirsiran]- 2022年6月、当社とArrowhead Pharmaceuticals Inc.(Arrowhead社)は、α-1アンチトリプシン欠乏症による肝疾患(AATD-LD)の治療薬として開発中の「fazirsiran」の臨床第2相試験「AROAAT-2002」の結果がthe New England Journal of Medicine(NEJM)に掲載され、欧州肝臓学会(EASL)の年次会議であるThe International Liver Congress 2022において口頭発表したことを公表しました。本剤は、変異型α-1アンチトリプシン蛋白(Z-AAT)の産生を低減する目的で設計されたファースト・イン・クラスの薬剤となる可能性のあるRNA干渉(RNAi)治療薬候補で、希少な遺伝子性疾患であるAATDによる肝疾患の治療薬として現在開発中です。「fazirsiran」はAATDの治療薬候補として、米国食品医薬品局(FDA)より2021年7月にブレークスルーセラピー指定(BTD)、2018年2月に希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)指定を受けています。- 2023年1月、当社とArrowhead社は、「fazirsiran」の臨床第2相「SEQUOIA試験」のトップライン結果を公表しました。「SEQUOIA試験」は、AATD-LDの患者42名を対象に「fazirsiran」の安全性、忍容性および薬力学的作用を評価するプラセボ対照反復投与臨床第2相試験です。試験開始時に肝線維化がみられた患者16名に「fazirsiran」を25mg、100mgまたは200mgの用量で投与したところ、Z-AATの血清中濃度が用量依存的に減少し、48週時点の平均低下率はそれぞれ74%、89%および94%でした。3用量群いずれにおいても肝臓内のZ-AATは劇的に減少し、ベースライン後の肝生検実施時の減少率の中央値は94%でした。また、組織のPAS-D検査で評価するZ-AAT蓄積度の指標である肝内封入体のスコアの平均値は、ベースライン時の5.9からベースライン後の肝生検実施時には2.3に低下しました。門脈炎症も42%の患者で改善し、悪化がみられた患者の割合はわずか7%でした。肝線維化については、50%の患者でMETAVIRスコアが1ポイント以上改善しました。これに対し、プラセボ群のうちベースライン時点で線維化がみられた患者9名の48週時点の評価では、血清中Z-AAT濃度に意義ある変化はなく、肝臓内のZ-AATは26%増加、PAS-D評価の肝内封入体に意義ある変化はありませんでした。プラセボ群で門脈炎症が改善した患者はおらず、44%で悪化しました。ベースライン後の肝生検実施時には肝線維化は22%で悪化、38%で改善を認めました。「fazirsiran」の忍容性は良好で、本報告時点で確認されている試験治療下で発現した有害事象は「fazirsiran」群とプラセボ群で同等でした。いずれの群においても、試験薬の投与中止、投与中断や試験中止に至る試験治療下で発現した有害事象は認められませんでした。「fazirsiran」を1年間投与した患者の呼吸機能検査の所見には、プラセボ群との比較において用量依存的な変化や臨床上意義ある変化はみられませんでした。両社はまた、当社とArrowhead社が共同で計画し、当社が実施中の臨床第3相試験の概要も公表しました。 [開発コード:TAK-625 一般名:maralixibat chloride]- 2022年12月、当社は、「maralixibat chloride」が、アラジール症候群(ALGS)および進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)を予定される効能・効果として厚生労働省より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を取得したことを公表しました。日本では、ALGSまたはPFICを適応とする医薬品は現時点において承認されていません。「maralixibat」は日本国内においてALGSおよびPFICを対象とした臨床第3相試験段階にあります。 [開発コード:TAK-279]- 2022年12月、当社は、Nimbus Therapeutics, LLC(Nimbus社)より「TAK-279」(Nimbus社の旧「NDI-034858」)に関する知的財産権およびその他の関連資産を所有または支配する、同社の完全子会社であるNimbus Lakshmi, Inc.(Lakshmi社)の全株式を取得する決定について公表しました。「TAK-279」は、高度に選択的な経口アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬であり、乾癬を対象とした臨床第2b相試験の結果に続き、複数の自己免疫疾患の治療薬として評価が行われています。2023年2月、当社は、Lakshmi社の全株式および乾癬や炎症性腸疾患、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデスを含む複数の免疫介在性疾患において、ベスト・イン・クラスの有効性および安全性ならびに利便性を示す可能性を有する「TAK-279」の取得を完了しました。今回の取得は、拡大する当社の後期開発パイプラインを強化し、ポートフォリオと患者へのインパクトを拡大する可能性とともに、当社のグローバル規模での中長期的な成長基盤を強固にするものです。- 2023年3月、当社は、中等度から重度の尋常性乾癬の患者を対象とした「TAK-279」の臨床第2b相試験の良好な結果を公表しました。本試験では、12週時点で、Psoriasis Area and Severity Index(PASI)75、90、100を達成した患者の割合が、「TAK-279」の5mg、15mg、30mgの各投与群でプラセボ投与群と比較して統計学的に有意に高く、主要評価項目と副次評価項目を達成しました。これらのデータは、米国皮膚科学会(AAD)年次総会のLate-Breaking Sessionにおいて発表されました。本試験では、5mg以上の投与群では12週時点のPASI 75達成率が有意に優れていたことが示されました。「TAK-279」の最高用量投与群では、12週時点で患者の46%がPASI 90、33%がPASI 100を達成し、皮膚病変のほぼ完全または完全な消失を示しました。有害事象(AE)の頻度は、治療群で53~62%、プラセボ群で44%でした。多くの事象は軽度から中等度でした。1例(15mg)で2件の重篤なAEが発生しましたが、治験薬投与との関連はなしと判断されました。臨床検査値パラメータの変化は、アロステリックTYK2阻害薬の既知の作用と一貫していました。当社は、これらの臨床第2b相試験の結果に基づき、乾癬を対象とした「TAK-279」の臨床第3相試験を2023年度に開始する予定です。2023年度に乾癬性関節炎を対象とした臨床第2b相試験のトップライン結果の取得を見込んでおり、全身性エリテマトーデス(SLE)や炎症性腸疾患(IBD)を含む他の複数の免疫介在性疾患を対象として「TAK-279」を評価する予定です。また、今後さらなる適応症を探索する予定です。 ニューロサイエンス(神経精神疾患)当社は、高いアンメット・ニーズが存在する神経疾患および神経筋疾患を対象に、革新的治療法に研究開発投資を集中させ、当社の専門知識やパートナーとの提携を生かし、パイプラインを構築しています。疾患の生物学的理解、トランスレーショナルなツール、革新的なモダリティの進展により、当社は希少神経疾患、特にオレキシン2受容体作動薬フランチャイズ(「TAK-861」、「danavorexton(TAK-925)」など)によるナルコレプシーや特発性過眠症などの睡眠・覚醒障害、「soticlestat(TAK-935)」による希少てんかん、および「pabinafusp alfa (TAK-141)」によるハンター症候群の中枢性および身体症状の治療薬の開発に注力しています。当社はさらに、神経筋疾患、神経変性疾患および運動障害のうち患者セグメントを明確に定義できる疾患に特化した投資を行っています。注)「pabinafusp alfa(TAK-141)」および「TAK-611」は、中枢神経系に関する専門性を活かし、2023年度第1四半期よりニューロサイエンス(神経精神疾患)領域において開発が継続されます。 [開発コード:TAK-994]- 2022年6月、当社は、「TAK-994」のベネフィット・リスクプロファイルを評価した結果、本プログラムの開発を継続しないことを決定しました。「TAK-994」の臨床第2相試験(「TAK-994-1501試験」および「TAK-994-1504試験」)において安全性シグナルの存在が明らかになったことにより、2021年10月に2つの臨床第2相試験を予定より早く終了することを決定していました。 [開発コード:TAK-611]- 2022年6月、当社は、遺伝子組換えヒトアリルスルファターゼA(recombinant human arylsulfatase A :rhASA)「TAK-611」が、異染性白質ジストロフィー(Metachromatic Leukodystrophy:MLD)を予定される効能・効果として厚生労働省より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を取得したことを公表しました。日本では、MLDの効能・効果を有する治療法は現時点においてなく、「TAK-611」はMLDに対する酵素補充療法を目的としたrhASAであり、現在、国際共同臨床第2b相試験などが進行中です。 オンコロジーオンコロジー領域では、患者さんを通じて得られるインスピレーションおよびあらゆるイノベーションを活用することで、がんの治癒を目指しています。本疾患領域では、(1)既発売品(「ニンラーロ」、「アドセトリス」、「アイクルシグ」など)およびパイプラインプログラムを通じた血液がん領域におけるさらなるプレゼンスの構築、(2)肺がんを対象とした既発売品(「アルンブリグ」、「EXKIVITY」)および大腸がん治療薬候補「フルキンチニブ(TAK-113)」を含むその他のがんを対象とする開発プログラムによる固形がん領域の拡充、(3)自然免疫を活用した最先端のパイプラインの進捗の3つの分野にフォーカスしています。 [アドセトリス 一般名:ブレンツキシマブ ベドチン]- 2022年5月、当社は、「アドセトリス」について、CD30陽性ホジキンリンパ腫における小児の一次治療に対する用法用量について、厚生労働省より製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを公表しました。- 2022年5月、当社とSeagen Inc.は、「アドセトリス」と化学療法の併用を検討した臨床第3相試験である「ECHELON-1」の全生存期間(OS)のデータを公表しました。本データは第59回米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO)および第27回欧州血液学会議年次総会(EHA)のオーラルセッションにおいて発表されました。未治療のⅢ期またはⅣ期の成人古典的ホジキンリンパ腫患者を対象とした「ECHELON-1試験」において、「アドセトリス」、「ドキソルビシン」、「ビンブラスチン」および「ダカルバジン」併用群(A+AVD)は、「ドキソルビシン」、「ブレオマイシン」、「ビンブラスチン」および「ダカルバジン」併用群(ABVD)に対して統計学的に有意なOSの改善を示しました。約6年間の観察期間(中央値73ヵ月)において、A+AVDの併用療法を受けた患者群は死亡リスクが41%低下し(ハザード比[HR]0.59;95%信頼区間[CI]:0.396-0.879)、推定全生存率は6年時点で93.9%(95%信頼区間[CI]:91.6-95.5)でした。「アドセトリス」の安全性プロファイルはこれまでの臨床試験の結果と一貫しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。- 2023年2月、当社は、「アドセトリス」について、再発又は難治性のCD30陽性皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)に対する効能効果及び用法用量に関する製造販売承認事項一部変更承認の申請を日本において行ったことを公表しました。今回の申請は、再発又は難治性のCTCLの患者を対象とし、「アドセトリス」の海外臨床第3相試験である「ALCANZA試験(C25001試験)」における有効性および安全性を評価した結果ならびに国内臨床第2相医師主導試験である「SGN-35-OU試験」における日本人に対する有効性および安全性を評価した結果に基づくものです。 [ベクティビックス 一般名:パニツムマブ]- 2022年6月、当社は、「ベクティビックス」のRAS遺伝子野生型で化学療法未治療の切除不能進行再発大腸がんの日本人患者を対象とした国内臨床第3相試験である「PARADIGM試験」に関するデータを、米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会のPlenary Sessionにおいて発表しました。「PARADIGM試験」は、RAS遺伝子野生型で原発巣占居部位が左側(下行結腸、S状結腸、直腸)である大腸がん患者における適切な治療を世界で初めて前向きに検証しました。主要評価項目である全生存期間(OS)において、原発巣占居部位が左側および全体、いずれの集団でもmFOLFOX6+「ベクティビックス」併用療法がmFOLFOX6+「ベバシズマブ」併用療法に対し、統計学的に有意な延長が認められました(左側 OS中央値:37.9 vs. 34.3 HR=0.82 [95.798% CI: 0.68-0.99] p=0.031、全体 OS中央値:36.2 vs. 31.3, HR=0.84 [95% CI:0.72-0.98], p=0.030)。なお、本試験における「ベクティビックス」投与時の安全性プロファイルはこれまでに公表された臨床試験結果と同様の内容でした。2023年4月、本試験に関する論文が、Journal of the American Medical Association(JAMA)に掲載されました。 [アイクルシグ 一般名:ポナチニブ]- 2022年11月、当社は、無作為化臨床第3相「PhALLCON試験」が主要評価項目を達成し、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)と新たに診断された成人患者において強度減弱化学療法併用下での「アイクルシグ」の投与により、「イマチニブ」と比較して高い微小残存病変(MRD)陰性の完全寛解(CR)率を示したことを公表しました。「PhALLCON試験」は、未治療の成人Ph+ALL患者を対象に、フロントラインにおける強度減弱化学療法併用下での2つのチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の有効性および安全性を比較した、最初で唯一の無作為化非盲検多施設共同国際臨床第3相直接比較試験です。本試験において、新たな安全性シグナルは認められませんでした。 [EXKIVITY 一般名:mobocertinib]- 2023年1月、当社は、「EXKIVITY」について、プラチナ製剤ベースの化学療法を実施中あるいは実施後に病勢が進行した、上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う局所進行または転移性非小細胞肺がんの成人患者に対する治療薬として中国国家食品薬品監督管理局(NMPA)より承認を取得したことを公表しました。「EXKIVITY」はEGFRエクソン20挿入変異を伴う局所進行または転移性非小細胞肺がんの患者において臨床的に意義のある持続的な奏効が示されており、現在、中国でこの患者集団に対して使用できる最初で唯一の治療薬です。エクソン20挿入変異を選択的に標的とするよう設計された経口チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)である「EXKIVITY」は、NMPAのブレークスルーセラピープログラムの一環として審査を受けました。今回の承認は、プラチナ製剤ベースによる治療歴を有する患者集団を対象に実施した「EXKIVITY」の臨床第1/2相試験に基づくもので、本適応症の完全承認は、検証試験における臨床的有用性の確認が条件となる可能性があります。 [開発コード:TAK-113 一般名:フルキンチニブ ]- 2023年1月、当社は、HUTCHMED(China)Limitedおよびその子会社であるHUTCHMED Limited(HUTCHMED社)と、中国本土、香港およびマカオを除く全世界を対象とした「フルキンチニブ」の開発および商業化に関する独占的ライセンス契約を締結したことを公表しました。2018年に中国で承認された「フルキンチニブ」は、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1/2/3に高い選択性を有する阻害薬です。「フルキンチニブ」は、バイオマーカーの状態にかかわらず、難治性の転移性大腸がん(mCRC)の様々なサブタイプで使用される可能性がある経口治療薬です。2022年9月の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)において、難治性mCRCを対象とした「フルキンチニブ」の臨床第3相国際共同「FRESCO-2試験」の有用性を示す結果が発表されました。「FRESCO-2試験」は、mCRC患者における全生存期間(OS)の改善という主要評価項目を達成し、概ね良好な忍容性を示しました。また、「フルキンチニブ」は、2020年に米国食品医薬品局(FDA)よりmCRC患者に対する治療薬としての開発についてファストトラック指定を受けています。2022年12月、HUTCHMED社はFDAに対して「フルキンチニブ」の新薬承認申請(NDA)の段階的申請を開始し、2023年3月に申請を完了しました。これに続き、欧州医薬品庁(EMA)への製造販売承認申請(MAA)、および厚生労働省(MHLW)への製造販売承認申請が予定されています。- 2023年5月、当社とHUTCHMED(China)Limited(HUTCHMED社)は、治療歴を有するmCRCの成人患者の治療薬として、VEGFR 1/2/3に高い選択性を有する阻害薬である「フルキンチニブ」のNDAが、FDAより優先審査に指定されたことを公表しました。承認された場合、「フルキンチニブ」は治療歴を有するmCRC患者の治療薬として、3種類のVEGF受容体すべてに対して高い選択性を有する米国で承認された最初で唯一の阻害薬となります。本申請には、中国で実施された臨床第3相「FRESCO試験」のデータとともに、米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された臨床第3相「FRESCO-2試験」から得られた結果を含めています。本申請において、FDAが設定した処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了目標日は2023年11月30日です。 希少遺伝子疾患および血液疾患当社は、希少遺伝子疾患および血液疾患において、高いアンメット・メディカル・ニーズが存在する複数の疾患に注力しています。遺伝性血管性浮腫においては、「タクザイロ」をはじめとするライフサイクルマネジメントプログラムへの継続的な研究開発投資を通じて、既存の治療パラダイムの変革を目指します。希少血液疾患においては、「アドベイト」、「アディノベイト/ADYNOVI」に加えて、免疫性血栓性血小板減少性紫斑病(iTTP)および先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)治療に対するパイプラインである「apadamtase alfa/cinaxadamtase alfa(TAK-755)」の開発を通じて、出血性疾患治療における現在のニーズへ対応することに注力しています。また、「LIVTENCITY」においては、移植後サイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症の治療を再定義することを目指しています。当社は、アデノ随伴ウイルス(AAV)遺伝子治療の探索および前臨床の取り組みを中止することを最近決定しましたが、引き続き希少疾患の患者さんに対し革新的な医薬品を届けるという当社のビジョンを実現するための取組みを継続します。 [タクザイロ 一般名:ラナデルマブ]- 2022年4月、当社は、2歳以上12歳未満の患者を対象とした臨床第3相試験である「SPRING試験」において、「タクザイロ」の安全性プロファイルおよび薬物動態の評価が終了し、主要評価項目を達成したことを公表しました。安全性プロファイルはこれまでに公表された12歳以上の小児患者を対象とした臨床プログラムと一致し、重篤な有害事象および有害事象による脱落はありませんでした。また、本試験において、2歳以上12歳未満の小児を対象とする遺伝性血管性浮腫(HAE)の発症抑制における「タクザイロ」の臨床活性および臨床アウトカムを評価し、本剤の薬力学を特徴付ける副次評価項目も達成しました。- 2022年7月、当社は、ハイブリッド形式で開催された2022年欧州アレルギー臨床免疫学会議(EAACI)において、「タクザイロ」の臨床第3相「SPRING試験」の最新データを発表しました。多施設共同非盲検臨床第3相試験である「SPRING試験」の主要評価項目は、2歳以上12歳未満のHAE患者を対象とした「タクザイロ」の安全性および薬物動態(PK)です。また、副次評価項目として、HAE発作抑制の臨床効果を評価しています。本試験では、本剤150mgを2歳以上6歳未満の患者では4週毎に、6歳以上12歳未満の患者では2週毎に投与しました。「タクザイロ」は投与開始時と比較して小児患者におけるHAEの発作発症率を平均94.8%低下させ、投与期間における発作は1ヵ月あたり1.84回から0.08回になりました。患者の大多数(76.2%)は52週間の投与期間中に無発作となり、平均99.5%の日数が無発作日となりました。本試験中に報告された死亡または重篤な有害事象(TEAEs)はなく、TEAEsにより試験を中止した患者はいませんでした。これらの結果は、成人および12歳以上の小児患者を対象に既に実施された試験結果と一貫していました。これらのデータは、「タクザイロ」の低年齢の患者への適応拡大に向けて、世界各国の規制当局に提出される予定です。- 2023年2月、当社は、「タクザイロ」について、米国食品医薬品局(FDA)より、2歳以上12歳未満の小児患者を対象としたHAE発作抑制治療薬としての対象年齢の拡大に関する生物製剤承認一部変更申請(sBLA)の承認を取得したことを公表しました。本申請はFDAより優先審査に指定されていました。sBLA承認は、12歳以上18歳未満の患者を含む臨床第3相試験である「HELP試験」の有効性データの外挿と、2歳以上12歳未満のHAE患者を対象とした非盲検臨床第3相試験である「SPRING試験」における成人と小児患者の類似した薬物曝露を示す追加の薬物動態分析および安全性と薬力学データに基づきます。これまで2歳以上6歳未満のHAE小児患者に対して承認された発作抑制薬はなく、「タクザイロ」は本承認によりこの年齢集団にとって初の発作抑制薬となります。 [LIVTENCITY 一般名:maribavir]- 2022年4月、当社は、米国ユタ州ソルトレークシティにて開催されたTandem移植・細胞治療学会およびポルトガルのリスボンにて開催された第32回欧州臨床微生物感染症学会議(ECCMID)において、「LIVTENCITY」に関する4つの抄録を発表しました。発表演題には、移植後のサイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症患者において、「LIVTENCITY」投与群では従来の抗ウイルス療法群と比較して、入院率の低下(34.8%、p=0.021)と入院期間の短縮(53.8%、p=0.029)を示す臨床第3相「SOLSTICE試験」の探索的解析が含まれます。また、臨床第3相「SOLSTICE試験」のサブグループ別の事後解析では、CMVのDNA濃度が定量検出限界以下(- 2022年11月、当社は、欧州委員会(EC)より、造血幹細胞移植(HSCT)または固形臓器移植(SOT)後の、既存療法(「ガンシクロビル」、「バルガンシクロビル」、「シドフォビル」、「ホスカルネット」のいずれか1つ以上の前治療)に抵抗性(抵抗性無しも含む)を示す難治性のCMV感染/感染症の成人患者を対象とした治療薬として、「LIVTENCITY」の販売承認を取得したことを公表しました。中央審査による販売承認は、すべてのEU加盟国ならびにアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーおよび北アイルランドで有効であり、HSCTおよびSOT移植後の既存療法のいずれか1種類以上に対して抵抗性(抵抗性無しも含む)を示す難治性の成人患者の治療薬として、従来の抗ウイルス療法(「ガンシクロビル」、「バルガンシクロビル」、「シドフォビル」または「ホスカルネット」)に対する「LIVTENCITY」の安全性および有効性が評価された臨床第3相「SOLSTICE試験」に基づいています。- 2022年12月、当社は、HSCT後患者におけるCMV感染治療薬として「バルガンシクロビル」と比較した「LIVTENCITY」の有効性および安全性を評価する無作為化ダブルダミー実薬対照二重盲検多施設共同臨床第3相「AURORA試験」において、「LIVTENCITY」はCMV血症の消失において臨床的意義のある有効性を示したものの、事前に規定した非劣性マージンである7%に基づき、「バルガンシクロビル」との非劣性を検討した主要評価項目を満たさなかったことを公表しました(「LIVTENCITY」69.6%[190/273]vs「バルガンシクロビル」77.4%[212/274]、調整群間差:-7.7%、95% CI:-14.98、-0.36)。主要評価項目は、治療期終了時(8週目)の「バルガンシクロビル」投与群との比較において、「LIVTENCITY」単独投与後にCMV血症の消失(血漿CMV DNAがLLOQ未満:<137 IU/mL)が確認された患者の割合と定義しました。重要な副次評価項目として、投与終了から8週後の16週目において、8週目に達成したCMV血症の消失および症状コントロールを維持した患者の割合は、「LIVTENCITY」群で52.7%であり、「バルガンシクロビル」群の48.5%に対し数値的に上回りました。「LIVTENCITY」による維持効果は、12週目(「LIVTENCITY」59.3%、「バルガンシクロビル」57.3%)および20週目(「LIVTENCITY」43.2%、「バルガンシクロビル」42.3%)における治療期終了後評価で確認されました。また、「バルガンシクロビル」の試験治療下での好中球減少症発現率が高いこと(「LIVTENCITY」の21.2%に対して63.5%)および好中球減少症による投与の早期中止率が高いこと(「LIVTENCITY」の4%に対して17.5%)より、「LIVTENCITY」の良好な安全性プロファイルを本試験において再確認しました。「LIVTENCITY」で最も多く報告された有害事象は、悪心(27.5%)と味覚不全(25.6%)でした。当社は引き続き移植領域に注力し、「AURORA試験」のアウトカムを検討するために規制当局と連携しています。 [アディノベイト/ADYNOVI 一般名:ルリオクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え)]- 2022年6月、当社は、「アディノベイト」について、定期補充療法の用法・用量に関する製造販売承認事項一部変更承認申請を日本において行ったことを公表しました。今回の申請は、主に国際共同臨床第3相試験である「CONTINUATION試験」および「PROPEL試験」の成績に基づいて行っています。 [フィラジル 一般名:イカチバント]- 2022年8月、当社は、「フィラジル」について、厚生労働省より2歳以上の小児の遺伝性血管性浮腫(HAE)に対する用法および用量の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを公表しました。本承認は、主に2歳以上18歳未満の小児HAE患者に「フィラジル」を皮下注射したときの安全性、有効性および薬物動態を評価した国内臨床第3相非盲検試験ならびに海外臨床第3相非盲検試験に基づきます。 [開発コード:TAK-755 一般名:apadamtase alfa/cinaxadamtase alfa]- 2022年12月、当社は、「TAK-755」が、血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP)を予定される効能・効果として厚生労働省より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を取得したことを公表しました。「TAK-755」は、TTPを標的とした初めての遺伝子組換えADAMTS13製剤(rADAMTS13)であり、先天性TTP(cTTP)および後天性(免疫性)TTP(iTTP)の治療薬としてグローバルで開発中です。- 2023年1月、当社は、「TAK-755」について、ピボタル臨床第3相試験において事前に計画した中間解析より得られた包括的なエビデンスから、cTTPに対する酵素補充療法薬としての有効性および安全性が支持されたことを公表しました。本試験では無作為化クロスオーバー法により、「TAK-755」を現在の標準治療(SoC)である血漿製剤を用いた治療と比較して評価しました。中間成績から、「TAK-755」がSoCと比較してcTTPの重要な疾患活動性マーカーである血小板減少症事象の発現率を60%(95%信頼区間:30%~70%)低減させることが示されました。また、治療と関連性がある有害事象が発現した被験者の割合は、SoCを受けている被験者(47.7%)と比較して、「TAK-755」が投与された被験者(8.9%)で実質的に低い結果でした。臨床第3相試験の中間解析から得られたこれらのデータに基づき、当社は、患者にとって大きなアンメット・ニーズが存在する疾患であるcTTPに対して初のrADAMTS13補充療法薬として「TAK-755」の製造販売承認申請を目指しています。- 2023年5月、当社は、ADAMTS13欠乏性疾患のcTTPに対する酵素補充療法としての「TAK-755」について、米国食品医薬品局(FDA)により生物学的製剤承認申請(BLA)が受理されたことを公表しました。本申請は5月16日に受理され、FDAにより優先審査指定を受けています。また、「TAK-755」はFDAよりcTTPに対する希少小児疾患(RPD)指定も受けています。本剤は既に、cTTPを対象としたファストトラック指定および希少疾病用医薬品指定も受けています。このたびのBLAは、cTTPを対象とした初の無作為化対照試験から得られた有効性、薬物動態、安全性および忍容性データから示される包括的エビデンスおよび継続試験から得られた長期の安全性と有効性のデータに基づきます。「TAK-755」が承認された場合、大きなアンメットニーズが存在するcTTPに対して初めてかつ唯一のrADAMTS13補充療法薬となります。なお、「TAK-755」については、iTTPに対する安全性、有効性および薬物動態に関する臨床評価も実施中です。 血漿分画製剤当社は、血漿分画製剤(PDT)に特化したPDTビジネスユニットを設立し、血漿の収集から製造、研究開発および商用化まで、エンド・ツー・エンドのビジネスを運営しています。本疾患領域では、様々な希少かつ複雑な慢性疾患に対する患者さんにとって生命の維持に必要不可欠な治療薬の開発を目指しています。本領域に特化した研究開発部門は、既発売の治療薬の価値最大化、新たな治療ターゲットの特定および現有する製品の製造効率の最適化という役割を担います。短期的には、当社の幅広い免疫グロブリン製剤ポートフォリオ(「HYQVIA」、「CUVITRU」、「GAMMAGARD」および「GAMMAGARD S/D」)における効能追加、地理的拡大および総合的な医療テクノロジーの活用を通じたより良い患者体験を追求しています。血液製剤およびスペシャリティケアのポートフォリオにおいては、「PROTHROMPLEX(4F-PCC)」、「ファイバ」、「CEPROTIN」および「ARALAST」における効能追加や剤型追加の開発機会の追求を優先しています。また、当社は、グローバルに販売している20種類以上にわたる治療薬ポートフォリオに加え、「20% fSCIg」(「TAK-881」)や「IgG Low IgA」(「TAK-880」)といった次世代の免疫グロブリン製剤の開発、およびその他の早期段階の治療薬候補(高シアル化免疫グロブリン(hsIgG)を含む)の開発を行っています。 [HYQVIA 一般名:遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼ含有皮下注(ヒト)免疫グロブリン10%]- 2022年7月、当社は、「HYQVIA」を慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)に対する維持療法として評価する無作為化プラセボ対照二重盲検臨床第3相「ADVANCE-1試験」において、主要評価項目を達成したことを公表しました。本試験では、投与前の少なくとも3ヵ月間、静注免疫グロブリン(IVIG)療法の用法・用量に変更がなかったCIDPの成人患者132名を対象として、「HYQVIA」の有効性、安全性、忍容性を評価しました。INCATスコアを指標とした主要評価項目の解析では、「HYQVIA」を事前のIVIGと同じ用量および用法で投与した場合、プラセボと比較してCIDPの再発を減少させました[それぞれ9.7% vs 31.4%、p値 = 0.0045]。本試験において患者の大半が「HYQVIA」の4週間投与レジメンでの治療を受けました。「HYQVIA」による治療を受けた患者62名のうち、治験薬と関連のある有害事象の大半が軽度または中等度であり、「HYQVIA」による新たな安全性リスクは報告されませんでした。CIDPにおける「HYQVIA」の安全性プロファイルは、同薬効で最長となる6年間の長期臨床試験で、一部の患者に対して進行中の「ADVANCE-3試験」のデータによって、さらに裏付けられる予定です。全データ解析が完了し、2022年度に米国およびEUの規制当局へ「HYQVIA」の申請を行いました。- 2023年4月、当社は、「HYQVIA」について、米国食品医薬品局(FDA)より、原発性免疫不全(PI)治療薬として対象年齢を2歳から16歳までの小児患者へ拡大する生物製剤承認一部変更申請(sBLA)の承認を取得したことを公表しました。FDAによる小児PI患者の治療薬としての「HYQVIA」の承認は、2歳から16歳までの44名の小児PI患者を対象に実施したピボタル前向き非盲検非対照臨床第3相試験のエビデンスに基づきます。「HYQVIA」は、主要評価項目である急性の重篤な細菌感染症(aSBIs)の発現率につき、12ヵ月の治療期間において有効性が確認されました。年間の平均aSBI発現率は0.04であり、事前に設定された達成規準である被験者1名あたりの年間aSBI発現率1未満に対し統計学的に有意に低率(片側上限99%信頼区間 0.21、p [CUVITRU 一般名:皮下注(ヒト)免疫グロブリン20%]- 2022年10月、当社は、「20%皮下注用ヒト免疫グロブリン製剤」について、無又は低ガンマグロブリン血症を予定される効能・効果として、厚生労働省に対し製造販売承認申請を行ったことを公表しました。本申請は、主に原発性免疫不全症候群(PID)の日本人患者を対象とした臨床第3相試験、およびPID患者を対象とした2つの海外臨床第2/3相試験に基づいています。これらの試験において、「20%皮下注用人免疫グロブリン製剤」は無又は低ガンマグロブリン血症の治療薬として有効性と安全性が確認されました。 [CEPROTIN 一般名:乾燥濃縮ヒトプロテインC(開発コード:TAK-662)]- 2023年4月、当社は「乾燥濃縮ヒトプロテインC(TAK-662)」について、先天性プロテインC欠乏症に起因する静脈血栓塞栓症、電撃性紫斑病の治療および血栓形成傾向の抑制を予定される効能・効果として厚生労働省に対し製造販売承認申請を行ったことを公表しました。今回の製造販売承認申請は、主に日本人の先天性プロテインC欠乏症患者を対象とした国内臨床第1/2相試験および先天性プロテインC欠乏症患者を対象とした2つの海外臨床第2/3相試験(「IMAG-098試験」、「400101試験」)に基づくものです。これらの試験において、「TAK-662」は先天性プロテインC欠乏症の治療薬として有効性と安全性が評価されました。 ワクチンワクチンでは、イノベーションを活用し、デング熱(「QDENGA(開発コード:TAK-003)」)、新型コロナウイルス感染(COVID-19)(「ヌバキソビッド筋注」)、ジカウイルス感染(「TAK-426」)など、世界で最も困難な感染症に取り組んでいます。当社パイプラインの拡充およびプログラムの開発に対する支援を得るために、政府機関(日本、米国)や主要な世界的機関とのパートナーシップを締結しています。これらのパートナーシップは、当社のプログラムを実行し、それらのポテンシャルを最大限に引き出すための重要な能力を構築するために必要不可欠です。 [スパイクバックス筋注(旧販売名:COVID-19ワクチンモデルナ筋注) 開発コード:mRNA-1273(日本での開発コード:TAK-919)]- 2022年5月、当社とModerna, Inc.(Moderna社)は、2022年8月1日付で「スパイクバックス筋注」の製造販売承認を当社からモデルナ・ジャパン株式会社(モデルナ・ジャパン)に承継することを公表しました。承継後モデルナ・ジャパンは、日本における「スパイクバックス筋注」の輸入、薬事、開発、品質保証および情報提供活動などのすべてに責任を持つことになります。当社は、当面の間、新型コロナウイルス感染症にかかわる特例臨時接種の枠組みの下、米国Moderna社の新型コロナウイルスワクチンの流通を引き続き担います。 [ヌバキソビッド筋注 開発コード:NVX-CoV2373(日本での開発コード:TAK-019)]- 2022年4月、当社は、組換えスパイクタンパクを抗原とした新型コロナウイルス感染症ワクチン 「ヌバキソビッド筋注」について、18歳以上を対象として、厚生労働省より初回免疫および追加免疫に対する製造販売承認を取得したことを公表しました。今回の承認は、当社が実施した国内臨床第1/2相試験における中間結果、Novavax社が実施した英国ならびに米国およびメキシコで実施した2つのピボタル臨床第3相試験、オーストラリアおよび米国における臨床第1/2相試験の安全性と有効性のデータ、申請後に追加提出した海外の安全性および有効性のデータに基づいています。国内臨床第1/2相試験の中間結果は良好で、これまで実施された臨床試験の結果と一致していました。国内臨床試験において本ワクチン投与群に重篤な有害事象は認められませんでした。また、米国およびオーストラリアで実施した臨床第1/2相試験ならびに南アフリカで実施した臨床第2相試験において、初回接種から約6ヵ月後に本ワクチンを1回追加接種したところ、追加接種前と比較して顕著な抗体価の上昇が確認され、安全性に関する大きな懸念は認められませんでした。- 2022年5月、当社は、「ヌバキソビッド筋注」について、予防接種法で定められた新型コロナワクチンの臨時予防接種に係る法令等の改正を経て、特例臨時接種として初回免疫(1、2回目接種)および追加免疫(3回目接種)を行う場合に使用するワクチンに指定されたことを公表しました。「ヌバキソビッド筋注」は、多くの医療用医薬品やワクチンと同様に冷蔵保存(保管温度:2-8℃)であり、通常のワクチンにおけるサプライチェーンを利用して輸送・保管することが可能です。 [QDENGA 一般名:4価弱毒生デング熱ワクチン(開発コード:TAK-003)]- 2022年6月、当社は、「TAK-003」がグローバル臨床第3相試験である「TIDES試験(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)」において、ワクチン接種後4年半(54ヵ月)にわたる継続したデング熱の予防効果を示し、安全性について大きな懸念が認められなかったことを、第8回Northern European Conference on Travel Medicine(NECTM8)で発表しました。4年半を通して、「TAK-003」はデングウイルス感染症による入院に対して84.1%のワクチン有効性(95%信頼区間:77.8, 88.6)を示し、ワクチン接種前の血清反応陽性者では85.9%の有効性(78.7, 90.7)、血清反応陰性者では79.3%の有効性(63.5, 88.2)を示しました。また、ウイルス学的に確認されたデングウイルス感染症に対して61.2%(95%信頼区間:56.0, 65.8)の全体的な有効性を示し、ワクチン接種前の血清反応陽性者では64.2%の有効性(58.4, 69.2)、血清反応陰性者では53.5%の有効性(41.6, 62.9)でした。有効性は血清型によって異なっていましたが、この結果はこれまでに報告された結果と一貫性のあるものでした。「TAK-003」の忍容性は概ね良好であり、重要な安全性リスクは特定されませんでした。また、54ヵ月間の探索的解析からは、疾患増強のエビデンスは認められませんでした。- 2022年8月、当社は、デング熱ワクチン「QDENGA」が、インドネシア国家医薬品食品管理庁(Badan Pengawas Obat dan Makanan:BPOM)により、いずれかのデングウイルス血清型により引き起こされるデング熱の予防を目的に、6歳から45歳を接種対象として承認されたことを公表しました。「QDENGA」は、デングウイルス感染歴を問わず、またワクチン接種前検査を必要としない唯一のデング熱ワクチンとしてインドネシアで承認されました。本承認は、進行中の臨床第3相試験である「TIDES試験」のワクチン接種後3年間の結果に基づくものです。- 2022年10月、当社は、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)が、欧州連合(EU)およびEU-M4all制度に参加しているデング熱流行国における「QDENGA」の承認を推奨したことを公表しました。2022年12月、当社は、「QDENGA」が欧州委員会(EC)により、EUにおける4種すべてのデングウイルス血清型により引き起こされるデング熱の予防を目的として、4歳以上を接種対象者として販売承認を取得したことを公表しました。ECによる承認は、28,000人以上の小児および成人を対象にした19件の臨床第1、2、3相試験の結果により裏付けられています。これには、グローバル臨床第3相「TIDES試験」の4.5年の追跡調査データが含まれています。当社は、アジア諸国およびラテンアメリカの他のデング熱流行国においても規制当局への申請を継続して進めています。- 2022年11月、当社は、米国食品医薬品局(FDA)が「TAK-003」の生物製剤承認申請(BLA)を受理し、優先審査に指定したことを公表しました。米国において「TAK-003」は、4歳から60歳を接種対象とした4種すべてのデングウイルス血清型によって引き起こされるデング熱の予防を目的として審査されています。「TAK-003」のBLA申請は、グローバル臨床第3相試験である「TIDES試験」の安全性および有効性データに基づいています。- 2023年3月、当社は、「QDENGA」がブラジルにおいて国家衛生監督庁(ANVISA: National Health Surveillance Agency)より、4種すべてのデングウイルス血清型により引き起こされるデング熱の予防を目的として、4歳から60歳までを接種対象として承認を取得したことを公表しました。「QDENGA」は、デングウイルス感染歴を問わず、またワクチン接種前の感染歴検査を必要としない、ブラジルで承認された唯一のデング熱ワクチンです。本承認は、28,000人以上の小児および成人を対象にした19件の臨床第1、2、3相試験の結果に基づいており、これには、グローバル臨床第3相「TIDES試験」の4.5年の追跡調査データが含まれています。 パイプラインの現状当社グループの各疾患領域および事業分野における研究開発活動の概要は、以下に示すとおりです。後出する主要な疾患領域および事業分野において開示されている当社グループパイプライン上の治療薬の候補物質は、それぞれ異なる開発段階にあり、現在開発中の候補物質の開発中止や新たな候補物質の臨床ステージ入りにより、パイプラインの内容は今後変わる可能性があります。以下に示す候補物質が製品として上市に至るかは、前臨床試験や臨床試験の結果、様々な医薬品の市場動向、規制当局からの販売承認取得の有無など、様々な要因に影響されます。本表では当社が承認取得を目指しているパイプラインの主な効能および承認されたパイプラインを掲載しています。掲載している効能以外にも、将来の効能・剤型追加の可能性を検討するために臨床試験を行っています。以下の表記載は、米国・欧州・日本・中国に限定していますが、当社グループはその他の地域でも開発活動を行っています。以下、「グローバル」の表記は、米国・欧州・日本・中国を指します。下記の表にあるパイプラインのモダリティは、「低分子」、「ペプチド・オリゴヌクレオチド」、「細胞および遺伝子治療」、「生物学的製剤他」のいずれかに分類しています。 2023年5月11日(決算発表日)における当社グループの消化器系・炎症性疾患領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階MLN0002ENTYVIO(グローバル)エンタイビオ(日本)ヒト化抗α4β7インテグリンモノクローナル抗体(注射剤)生物学的製剤他皮下投与製剤(潰瘍性大腸炎)日本米国承認(23/3)申請(23/4)皮下投与製剤(クローン病)日本米国申請(22/10)P-Ⅲ同種造血幹細胞移植を受けている患者における移植片対宿主病の予防欧州日本P-ⅢP-Ⅲ潰瘍性大腸炎・クローン病(小児)グローバルP-ⅢTAK-438タケキャブ(日本)VOCINTI(中国)カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(経口剤)低分子酸関連疾患(ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助)中国申請(22/8)Cx601アロフィセル(欧州、日本)同種異系脂肪由来幹細胞懸濁剤(注射剤)生物学的製剤他難治性のクローン病に伴う複雑痔瘻米国P-Ⅲ難治性のクローン病に伴う複雑痔瘻(小児)欧州日本P-ⅢP-ⅢTAK-999(注1)GalNAcベースRNA干渉(RNAi)(注射剤)ペプチド・オリゴヌクレオチドα‑1アンチトリプシン欠乏症に伴う肝疾患米国欧州P-ⅢP-ⅢTAK-625(注2)回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害薬(経口剤)低分子アラジール症候群日本P-Ⅲ進行性家族性肝内胆汁うっ滞症日本P-ⅢTAK-227/ZED1227(注3)トランスグルタミナーゼ2阻害薬(経口剤)低分子セリアック病―P-ⅡbTAK-279チロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬(経口剤)低分子乾癬―P-Ⅱb乾癬性関節炎―P-ⅡbTAK-062グルテン分解酵素(経口剤)生物学的製剤他セリアック病―P-ⅡTAK-101(注4)Tolerizing Immune Modifying nanoParticle(TIMP)(注射剤)生物学的製剤他セリアック病―P-ⅡTAK-951ペプチドアゴニスト(皮下注射製剤)ペプチド・オリゴヌクレオチド悪心、嘔吐―P-Ⅱ 開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階TAK-105ペプチドアゴニスト(皮下注射製剤)ペプチド・オリゴヌクレオチド悪心、嘔吐―P-ⅠTAK-647抗MAdCAM-1抗体(注射剤)生物学的製剤他非アルコール性脂肪肝炎(NASH)―P-Ⅰ(注5) (注1)Arrowhead Pharmaceuticals社との提携(注2)Mirum社との提携(注3)Zedira社およびDr. Falk Pharma社との提携(注4)COUR Pharmaceuticals社からTAK 101の開発および製品化の権利を獲得。旧名TIMP GLIA(注5)被験者登録中 2023年5月11日(決算発表日)における当社グループのニューロサイエンス(神経精神疾患)領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階TAK-935CH24H阻害薬 (経口剤)低分子ドラベ症候群グローバルP-Ⅲレノックス・ガストー症候群グローバルP-ⅢTAK-141/JR-141(注1)抗ヒトトランスフェリン受容体抗体とイズロン酸‑2‑スルファターゼの融合蛋白質[遺伝子組換え](注射剤)生物学的製剤他ハンター症候群(中枢性および身体症状)欧州P-ⅢTAK-861オレキシン2受容体アゴニスト(経口剤)低分子ナルコレプシータイプ1―P-Ⅱbナルコレプシータイプ2―P-ⅡbTAK-071M1ポジティブアロステリックモジュレーター(M1PAM)(経口剤)低分子パーキンソン病―P-ⅡTAK-041/NBI-846(注2)GPR139アゴニスト(経口剤)低分子大うつ病(MDD)における無快楽症―P-ⅡTAK-653/NBI-845(注2)AMPA受容体増強薬(経口剤)低分子抗うつ薬による効果が不十分な大うつ病(MDD)―P-ⅡTAK-341/MEDI1341(注3)抗α‑シヌクレイン抗体(注射剤)生物学的製剤他多系統萎縮症(MSA)―P-ⅡTAK-611髄腔内投与用ヒトアリールスルファターゼA[遺伝子組換え](注射剤)生物学的製剤他異染性白質ジストロフィー―P-ⅡTAK-594/DNL593(注4)脳内移行性を有するプログラニュリン融合蛋白質(注射剤)生物学的製剤他前頭側頭型認知症―P-ⅡTAK-925オレキシン2受容体アゴニスト(注射剤)低分子術後の麻酔からの回復、ナルコレプシー―P-ⅠTAK-920/DNL919(注4)脳内移行性を有するTREM2 アゴニストモノクローナル抗体(注射剤)生物学的製剤他アルツハイマー病―P-Ⅰ (注1)JCRファーマとの提携、開発は同社が実施(注2)Neurocrine社との提携、開発は同社が実施(注3)AstraZeneca社との提携、パーキンソン病対象のP-Ⅰ試験を完了(注4)Denali Therapeutics社との提携、P-Ⅰ試験は同社が実施 2023年5月11日(決算発表日)における当社グループのオンコロジー領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階TAK-788EXKIVITY(米国、中国)EGFR/HER2 阻害薬(エクソン20変異対応)(経口剤)低分子EGFRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がん(セカンドライン以降)(注1)中国欧州(注2)日本承認(23/1)申請取り下げ(22/7) P-ⅢEGFRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がん(フロントライン)グローバルP-ⅢTAK-113(注3) VEGFR阻害薬(経口剤)低分子転移性大腸がん米国欧州日本申請(23/3)P-ⅢP-ⅢSGN-35(注4)vedotin>アドセトリス(欧州、日本、中国)CD30モノクローナル抗体薬物複合体(注射剤)生物学的製剤他再発・難治性の皮膚T細胞リンパ腫日本申請(23/2)ステージIII ホジキンリンパ腫(ファーストライン)欧州申請(23/3)MLN9708ニンラーロ(グローバル)プロテアソーム阻害薬(経口剤)低分子自家造血幹細胞移植後の初発の多発性骨髄腫の維持療法(TOURMALINE-MM3試験)米国欧州P-ⅢP-Ⅲ(注5)カボメティクス(日本)マルチターゲットキナーゼ阻害薬(経口剤)低分子転移性去勢抵抗性前立腺がん(アテゾリズマブとの併用(注6))日本P-ⅢICLUSIG(米国)BCR-ABL阻害薬(経口剤)低分子フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(フロントライン)米国P-Ⅲフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(小児適応)―P-ⅠTAK-385LH‑RHアンタゴニスト(経口剤)低分子前立腺がん日本中国P-ⅢP-ⅢTAK-981SUMO阻害薬(注射剤)低分子複数のがん種―P-ⅡTAK-573(注7) 抗CD38抗体(IgG4)と活性減弱IFNαとの融合蛋白(注射剤)生物学的製剤他再発・難治性の多発性骨髄腫―P-Ⅱ固形がん―P-ⅠTAK-007(注8)CD19 CAR‑NK細胞療法(注射剤)細胞および遺伝子治療再発・難治性のB細胞性悪性腫瘍―P-ⅡTAK-102(注9)GPC3 CAR‑T(注射剤)細胞および遺伝子治療固形がん―P-ⅠTAK-103(注9)メソテリン CAR‑T(注射剤)細胞および遺伝子治療固形がん―P-ⅠTAK-676STINGアゴニスト(注射剤)低分子固形がん―P-ⅠTAK-500STINGアゴニスト抗体薬物複合体(注射剤)生物学的製剤他固形がん―P-Ⅰ 開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階TAK-940(注10)CD19 1XX CAR-T(注射剤)細胞および遺伝子治療再発・難治性のB細胞性悪性腫瘍―P-ⅠTAK-186(注11)T細胞誘導抗体(注射剤)生物学的製剤他EGFR発現固形がん―P-ⅠTAK-280(注11)T細胞誘導抗体(注射剤)生物学的製剤他B7‑H3発現固形がん―P-Ⅰ (注1)米国食品医薬品局(FDA)の審査は、FDA オンコロジー・センター・オブ・エクセレンス(腫瘍研究拠点:OCE)の取り組みである、国際的なパートナーとの間でオンコロジー製品の同時申請・同時審査を行う枠組みを提供するProject Orbisに基づいて行われました。現時点において、英国(2022年5月)、スイス(2022年6月)、オーストラリア(2022年7月)、韓国(2022年7月)およびブラジル(2023年3月)で承認を取得(注2)欧州医薬品庁(EMA)との議論を踏まえ販売許可申請を取り下げることを決定(注3)HUTCHMED社との提携(注4)Seagen社との提携(注5)Exelixis社との提携(注6)中外製薬との提携、P-Ⅲ試験は当社が実施(注7)Teva Pharmaceutical Industries社との提携(注8)The University of Texas MD Anderson Cancer Centerとの提携(注9)Noile immune Biotech社との提携(注10)Memorial Sloan Kettering Cancer Centerとの提携(注11)Maverick Therapeutics社買収を通じて取得 2023年5月11日(決算発表日)における当社グループの希少遺伝子疾患および血液疾患領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階TAK-620(注1)LIVTENCITY(米国、欧州) ベンズイミダゾールリボシド系阻害薬(経口剤)低分子移植後の(バル)ガンシクロビル、シドフォビル、ホスカルネットに治療抵抗性・難治性のサイトメガロウイルス感染(症)欧州中国承認(22/11)申請(22/12)臓器移植(造血幹細胞移植も含む)後におけるサイトメガロウイルス感染(症)日本P-ⅢTAK-743タクザイロ(グローバル)血漿カリクレイン阻害薬(注射剤)生物学的製剤他遺伝性血管性浮腫(小児)米国欧州承認(23/2)申請(22/12)TAK-672(注2)OBIZUR(米国、欧州)ブタ第VIII因子[遺伝子組換え](注射剤)生物学的製剤他後天性血友病A(AHA)中国日本申請(22/6)P-Ⅱ/ⅢTAK-577VONVENDI(米国、日本)VEYVONDI(欧州)フォン・ヴィレブランド因子[遺伝子組換え](注射剤)生物学的製剤他フォン・ヴィレブランド病の出血時および周術期の補充療法(成人)中国申請(23/1)フォン・ヴィレブランド病の予防(成人)欧州中国申請(23/3)P-Ⅲフォン・ヴィレブランド病の出血時および周術期の補充療法(小児)グローバルP-ⅢTAK-660アディノベイト(米国、日本)ADYNOVI(欧州)抗血友病因子[遺伝子組換え]PEG修飾(注射剤)生物学的製剤他血友病A(小児)欧州P-ⅢTAK-755(注3)欠損したADAMTS13 酵素の補充(注射剤)生物学的製剤他先天性血栓性血小板減少性紫斑病グローバルP-Ⅲ(注5)免疫性血栓性血小板減少性紫斑病米国欧州P-ⅡP-Ⅱ鎌状赤血球症米国P-ⅠTAK-079(注4)抗CD38モノクローナル抗体(注射剤)生物学的製剤他重症筋無力症―P-Ⅱ免疫性血小板減少性紫斑病―P-Ⅱ全身性エリテマトーデス―P-Ⅰ/ⅡIgA腎症―P-Ⅰ (注1)GlaxoSmithKline社との提携(注2)IPSEN社との提携(注3)KMバイオロジクス社との提携(注4)再発・難治性の多発性骨髄腫の試験は試験終了まで継続(注5)2023年5月、米国に
FY2021|29,976 文字
5 【研究開発活動】当年度の研究開発費の総額は4,558億円であります。医薬品の研究開発のプロセスは、長期にわたり、多額の費用を伴い、その期間は10年を越えることもあります。このプロセスには、新薬の有効性および安全性の評価のための複数の試験、データを審査し販売承認の可否を判断する規制当局に対する申請が含まれます。こうした精査の過程を通過し、臨床での治療に用いることができる候補物質はごく僅かです。承認取得後も、上市後の製品に対しては、メディカルアフェアーズやその他の投資を含め、継続的な研究開発活動による支援が行われます。臨床試験は、地域的および国際的な規制ガイドラインを遵守し、通常5から7年もしくはそれ以上を費やして実施されるものであり、相応の費用を伴います。通常、臨床試験は医薬品規制調和国際会議(ICH)が制定したガイドラインに沿って実施されます。これに関わる規制当局は、日本では厚生労働省、米国では食品医薬品局(FDA)、欧州連合では欧州医薬品庁(EMA)、中国では国家薬品監督管理局(NMPA)です。ヒトの臨床試験は以下の3相で実施されます(各相が一部重複することもあります):・臨床第1相(P-1)試験少人数の健康な成人の志願者を被験者として、薬物の安全性、吸収、分布、代謝、排泄について評価するために実施・臨床第2相(P-2)試験少人数の志願患者を被験者として、安全性、有効性、用量および用法を評価するために実施臨床第2相試験はP-2aとP-2bとの2つのサブカテゴリーに分割されることがあります。P-2a試験は通常臨床上の有効性または生物学的活性を示すためにデザインされたパイロット試験であり、P-2b試験は薬物が最少の副作用で生物学的活性を示す最適用量を探索するために行われます。・臨床第3相(P-3)試験大人数の志願患者を被験者として、既存の薬剤またはプラセボと比較した安全性および有効性を評価するために実施これら3相のうち、臨床第3相にかかる開発費用が最も大きく、臨床第3相試験へ進めるか否かの決定は、医薬品開発における重要なビジネス判断となります。臨床第3相試験を通過した候補薬物については、管轄の規制当局に新薬承認申請書(NDA)、生物製剤承認申請(BLA)または医薬品販売承認申請(MAA)を提出し、規制当局より承認を取得した場合に上市します。NDA、BLA、MAAの作成には、膨大な量のデータの収集、検証、分析が必要であり、多額の費用が伴います。製品上市後も、保健当局により有害事象の市販後調査や、当該医薬品のリスク・ベネフィットに関する追加情報を提供するための市販後試験の実施を求められることがあります。当社の研究開発は、サイエンスにより、患者さんの人生を根本的に変えうるような非常に革新性が高い医薬品を創製することに注力しています。当社は、「革新的なバイオ医薬品」、「血漿分画製剤」および「ワクチン」の3つの分野において研究開発活動を実施しています。革新的なバイオ医薬品に対する研究開発は、当社の研究開発投資の中で最も高い比率を占めています。革新的なバイオ医薬品における重点疾患領域(オンコロジー、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス、消化器系疾患)には未だ有効な治療法が確立されていない疾患に対する高い医療ニーズが存在し、当社はベストインクラスあるいはファーストインクラスとなりうる画期的な新規候補物質を創出してまいりました。これまでの数年間、最近ではShire社の買収によってさらに強化されましたが、当社では新たな研究開発能力、さらには次世代プラットフォームに対して社内および外部との提携によるネットワークを通じて投資し、細胞療法および遺伝子治療の領域の強化を図ってまいりました。自社の研究開発機能向上への注力に加え、社外パートナーとの提携も、当社研究開発パイプライン強化のための戦略における重要な要素の一つです。社外提携の拡充と多様化に向けた戦略により、様々な新製品の研究に参画し、当社が大きな研究関連のブレイクスルーを達成する可能性を高めます。当社の主要な研究開発施設には以下を含みます:• 湘南ヘルスイノベーションパーク:日本の神奈川県藤沢・鎌倉地域に位置する湘南ヘルスイノベーションパーク(以下、「湘南アイパーク」)は、当社の湘南研究所として2011年に設立された、当社のニューロサイエンス研究の主要拠点です。2018年4月に、当社は、サイエンスのイノベーションを推進し、多様な外部パートナーとのライフサイエンスエコシステムを構築するために、湘南アイパークを開所しました。2020年4月に、当社はより多様なパートナーを招致し、湘南アイパークのさらなる成功を目指すため、湘南アイパークの所有権を信託設定することとしました。当社は、アンカーテナントとして、信託先と20年間のリースバック契約を締結するとともに、今後も日本におけるライフサイエンス研究活性化にコミットします。• グレーターボストン地区研究開発サイト:当社のボストン研究開発サイトは米国マサチューセッツ州ケンブリッジに位置しています。本サイトは当社のグローバルでのオンコロジー、消化器系疾患領域および希少遺伝子疾患および血液疾患領域の研究開発の中心であり、加えて血漿分画製剤やワクチンなど他の疾患領域の研究開発や免疫調節および生物学的製剤の研究も支援しています。最近開設された最先端の細胞療法の製造施設を備えた、当社の細胞療法研究の拠点です。• サンディエゴ研究開発サイト:米国カリフォルニア州サンディエゴにある当社の研究開発拠点であり、消化器系疾患およびニューロサイエンス領域における研究開発を支援しています。本研究サイトは、バイオテックのような形態で研究を行う拠点であり、構造生物学および生物物理学などの社内技術を駆使し、社内外で行われる研究を促進します。• オーストリア ウィーン研究開発サイト:オーストリア ウィーンおよびオース近郊に位置する当社の研究開発サイトであり、血漿分画製剤および遺伝子治療分野における研究開発を支援しています。本研究サイトは、世界中の患者さんに革新的な医薬品を創製するため、血漿分画製剤および遺伝子治療薬の製造施設を備えています。当社の2020年4月以降の主要な研究開発活動の進捗は、以下のとおりです。 研究開発パイプラインオンコロジー世界中のがん患者さんに革新的な新薬をお届けするために努力し、患者さんの生活を改善するという情熱をもって、画期的なイノベーションの探求に取り組んでいます。本疾患領域では、(1)既発売品である「ニンラーロ」、「アドセトリス」、「アイクルシグ」のライフサイクルマネジメントならびに多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群およびその他血液がんのパイプラインへの継続的な研究開発投資を通じた、血液がんにおける基盤的な専門性の構築、(2)既発売品である「アルンブリグ」を含む肺がんを対象とするパイプラインおよび標的を絞った肺がん患者さんを対象とする開発プログラムのさらなる拡充、(3)社外との提携による新規のがん免疫療法標的および次世代基盤技術の追求ならびに革新的な細胞療法の探索、にフォーカスしています。 [ニンラーロ 一般名:イキサゾミブ]- 2020年5月、当社は、「ニンラーロ」について、多発性骨髄腫と診断された幹細胞移植歴のない成人患者を対象としたファーストライン(一次)治療後の維持療法の適応追加に係る製造販売承認事項一部変更承認の申請を厚生労働省に行ったことを公表しました。今回の申請は、主にランダム化プラセボ対照二重盲検の多施設共同国際臨床第3相試験である「TOURMALINE-MM4試験」の結果に基づくものです。- 2020年6月、当社は、第25回欧州血液学会(EHA)において、2つの臨床試験結果をオーラルプレゼンテーションとして発表しました。本発表には、多発性骨髄腫と診断された幹細胞移植歴のない成人患者を対象として、経口で単剤投与された「ニンラーロ」のファーストライン維持療法としての有効性を評価した無作為化臨床第3相試験である「TOURMALINE-MM4試験」における良好な結果も含まれています。また、当社は、非経口剤である「ボルテゾミブ」をベースとした3剤併用導入療法をすでに受けている初発の多発性骨髄腫患者を対象に、同じプロテアソーム阻害剤の経口薬である「ニンラーロ」と「レナリドミド」および「デキサメタゾン」との併用療法へ移行した際の有効性と安全性を検討した「US MM-6試験」から得られた重要な知見についても発表しました。- 2020年9月、当社は、第8回血液腫瘍学会議のバーチャル会議にて臨床第3相試験である「TOURMALINE-MM2試験」のデータを発表しました。本試験は、自家幹細胞移植が適応とならない初発の多発性骨髄腫患者を対象として、「ニンラーロ」と「レナリドミド」および「デキサメタゾン」の併用療法を、プラセボと「レナリドミド」および「デキサメタゾン」の併用療法と比較して評価しました。本試験結果では、「ニンラーロ」と「レナリドミド」および「デキサメタゾン」の併用療法群で無増悪生存期間(PFS)の中央値が13.5ヵ月(プラセボ群21.8ヵ月に対しニンラーロ群35.3ヵ月、HR=0.830、p=0.073)改善したことが実証されましたが、統計的有意水準を満たしておらず、主要評価項目であるPFSは達成されませんでした。- 2021年5月、当社は、「ニンラーロ」について、幹細胞移植歴のない多発性骨髄腫に対する初回治療後の維持療法の治療薬として、厚生労働省より多発性骨髄腫における維持療法の効能又は効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを公表しました。今回の承認は、主に、ランダム化プラセボ対照二重盲検多施設共同国際臨床第3相試験である「TOURMALINE-MM4試験」の結果に基づくものです。本試験では、幹細胞移植歴のない成人の多発性骨髄腫患者を対象に無増悪生存期間(PFS)を主要評価項目として、本剤による維持療法がPFSを統計学的に有意に改善することが確認されました。ニンラーロの維持療法における安全性プロファイルは、単剤療法における既知の安全性プロファイルと同様であり、「TOURMALINE-MM4試験」で新たな懸念は確認されませんでした。 [アイクルシグ 一般名:ポナチニブ]- 2020年5月、当社は、「アイクルシグ」について、バーチャルで開催された第56回米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)年次総会のオーラルセッションにおいて、臨床第2相試験「OPTIC(Optimizing Ponatinib Treatment In CML)」の中間解析データを発表しました。「OPTIC試験」は、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)による前治療へ抵抗性または不耐性を示す慢性期の慢性骨髄性白血病(CP-CML)患者に対する、有効性および安全性を最適化することを目的として、「アイクルシグ」の3つの投与開始用量(45mg~、30mg~あるいは15mg~)における奏効に基づく投与量調整レジメンをプロスペクティブに評価する、進行中の無作為化非盲検試験です。- 2020年12月、当社は、米国食品医薬品局(FDA)より、「アイクルシグ」について、少なくとも2種類以上のチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)による前治療へ抵抗性または不耐性を示す慢性期(CP)の慢性骨髄性白血病(CML)成人患者における医薬品承認事項変更申請(sNDA)の承認を取得したことを公表しました。改訂後の添付文書には、CP-CML患者に対して1日45mgから投与を開始し、BCR-ABL1IS≦1%を達成した時点で15mgに減量する、最適化された「アイクルシグ」の奏効に基づく投与量調整レジメンが追記されます。この投与量調整レジメンは、有効性を得ながら、動脈閉塞イベント(AOE)を含む有害事象(AE)のリスクを低減することによって、ベネフィット・リスクプロファイルの最適化を目的としています。 [アルンブリグ 一般名:ブリグチニブ]- 2020年5月、当社は、「アルンブリグ」について、米国食品医薬品局(FDA)が承認した検査により診断された成人の未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子転座陽性(ALK陽性)転移性非小細胞肺がん(NSCLC) 患者に対する治療薬としてFDAより承認を取得したことを公表しました。今回の承認により、「アルンブリグ」の適応症にファーストライン(一次)治療が追加されました。- 2020年9月、当社は、欧州臨床腫瘍学会(ESMO:European Society for Medical Oncology)のバーチャル会議において、「アルンブリグ」のサブ解析データを発表しました。臨床第3相試験である「ALTA 1L試験」のサブ解析により、未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子転座陽性(ALK陽性)の非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対するファーストライン治療薬としての「アルンブリグ」について、頭蓋内病変に対する有効性にかかる説得力のあるエビデンスを確認するとともに、QOLの改善効果も見られました。- 2021年1月、当社は、「アルンブリグ」について、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)を適応とする一次および二次以降の治療薬として、厚生労働省より製造販売承認を取得したことを公表しました。今回の承認は主に、ALKチロシンキナーゼ阻害剤治療後に増悪したALK融合遺伝子陽性(以下、ALK陽性)の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)患者72例を対象とした国内臨床第2相試験である「Brigatinib-2001 (J-ALTA)」およびALKチロシンキナーゼ阻害剤による治療歴のないALK陽性の切除不能な進行・再発のNSCLC患者を対象とした海外臨床第3相試験である「AP26113-13-301(ALTA-1L)」の結果に基づくものです。 [アドセトリス 一般名:ブレンツキシマブ ベドチン]- 2020年5月、当社は、「アドセトリス」について、欧州委員会(EC)より、現在の条件付承認に加えて、未治療の全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)の成人患者に対するCHP(シクロホスファミド・ドキソルビシン・プレドニゾン)との併用治療に関して適応追加の承認を取得したことを公表しました。ALCLは末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)のサブタイプです。- 2020年5月、当社は、「アドセトリス」について、再発・難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫またはCD30陽性ホジキンリンパ腫の成人患者に対する治療薬として、中国国家薬品監督管理局(NMPA)より承認を取得したことを公表しました。 [カボメティクス 一般名:カボザンチニブ]- 2020年4月、当社は、「カボメティクス」と小野薬品工業株式会社(小野薬品)のヒト型抗ヒトPD-1(programmed cell death-1)モノクローナル抗体、「オプジーボ」(ニボルマブ)について、未治療の進行性または転移性の腎細胞癌を対象に両製剤の併用療法を評価した多施設国際共同無作為化非盲検第3相試験である「CheckMate -9ER試験」のトップライン結果が得られたことを公表しました。本試験において、「オプジーボ」と「カボメティクス」の併用療法は、「スニチニブ」と比較して、最終解析で主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を、あらかじめ計画されていた中間解析で副次評価項目である全生存期間(OS)、および奏効率(ORR)を改善しました。本試験結果を踏まえ、2020年10月、当社と小野薬品は「オプジーボ」と「カボメティクス」について、根治切除不能または転移性の腎細胞癌を対象とした両製剤の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を厚生労働省に行ったことを公表しました。- 2020年9月、当社と中外製薬株式会社(中外製薬)は、抗PD-L1(Programmed Death-Ligand 1)ヒト化モノクローナル抗体「テセントリク点滴静注」(アテゾリズマブ)とキナーゼ阻害剤「カボメティクス錠」の併用療法について、国内での開発を両社で実施する決定をしたことを公表しました。日本における両剤の併用療法の開発は、Roche社-Exelixis社間で締結された全世界における「アテゾリズマブ」と「カボザンチニブ」の併用療法に関する共同開発契約に基づき、日本国内での権利を有する当社と中外製薬が実施します。新たな治療法としての「アテゾリズマブ」と「カボザンチニブ」併用療法を検討する3つのグローバル臨床第3相臨床試験である「CONTACT試験」が複数のがん種を対象として進行中であり、当社と中外製薬は国内においてこれらの臨床試験に参加する予定です。- 2020年9月、ピボタル臨床第3相試験である「CheckMate-9ER試験」の結果がブリストル マイヤーズ スクイブとExelixis社より発表されました。本試験において、未治療の進行腎細胞癌(RCC)を対象に、「オプジーボ」(ニボルマブ)と「カボメティクス」の併用療法が、全生存期間(OS)を含む全ての有効性評価項目で有意な改善を示しました。「オプジーボ」と「カボメティクス」の併用療法は、「スニチニブ」と比較して、死亡リスクを40%低減しました(ハザード比 [HR] 0.60;98.89% 信頼区間 [CI]:0.40 - 0.89;p=0.0010;OSの中央値は両群とも未達)。本試験の主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値は、「スニチニブ」単剤群(8.3カ月)と比較して、「オプジーボ」と「カボメティクス」の併用療法群(16.6カ月)で2倍の延長を示しました(HR 0.51;95% CI:0.41 - 0.64;p- 2020年11月、当社は、「カボメティクス」について、がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌に対する治療薬として、厚生労働省より製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを公表しました。今回の承認は、主に、プラセボ群と比較して本剤の有効性が統計的に有意な結果を示し、かつ安全性プロファイルについても確認された二次治療以降の進行肝細胞癌患者を対象とした海外臨床第3相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験である「CELESTIAL試験」、ならびに日本人における有効性および安全性を検討した国内臨床第2相非盲検単群試験である「Cabozantinib-2003試験」の結果に基づくものです。 [ゼジューラ 一般名:ニラパリブ]- 2020年9月、当社は、経口のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬「ゼジューラカプセル100㎎」について、「卵巣癌における初回化学療法後の維持療法、白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法、白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌」を適応とする治療薬として、厚生労働省より製造販売承認を取得したことを公表しました。本承認は、海外臨床第3相試験である「PRIMA試験」、海外臨床第3相試験である「NOVA試験」、海外臨床第2相試験である「QUADRA試験」、ならびに日本人卵巣癌患者に対し安全性を検討した国内臨床第2相試験の「Niraparib-2001試験」、日本人卵巣癌患者に対し有効性および安全性を検討した国内臨床第2相試験の「Niraparib-2002試験」の結果に基づくものです。- 2020年11月、当社は、厚生労働省に「ゼジューラカプセル100㎎」の剤形追加として、「ゼジューラ錠100㎎」の製造販売承認申請を行ったことを公表しました。今回の承認申請は、「ゼジューラカプセル」と「ゼジューラ錠」の同等性を確認した「ヒト生物学的同等性試験(3000-01-004 study)及び溶出試験」の結果に基づいています。 「ゼジューラカプセル」の貯法は冷蔵ですが、このたび承認申請を行った「ゼジューラ錠」は、室温で管理することが可能となり、医療関係者や患者における利便性の改善につながる可能性があります。 [開発コード:TAK-924 一般名:pevonedistat]- 2020年5月、当社は、「pevonedistat」について、バーチャルで開催された第56回米国臨床腫瘍学会(ASCO: American Society of Clinical Oncology)年次総会のオーラルセッションにおいて、臨床第2相試験「Pevonedistat-2001」の結果を発表しました。本試験では、高リスク骨髄異形成症候群(HR-MDS)を含む造血器腫瘍の患者を対象に、「pevonedistat」と「アザシチジン」の併用療法と「アザシチジン」単剤療法を比較しました。これらの結果より、「pevonedistat」と「アザシチジン」の併用療法は非常に有効であり、有望な治療法であることが示されるとともに、HR-MDS患者群においては、「アザシチジン」単剤療法と同様の安全性プロファイルであり、全生存期間(OS)、無イベント生存期間(EFS)、完全寛解率(CR)および輸血非依存達成率を含む臨床的に意義のある複数の評価項目でも有用性が示されました。- 2020年7月、当社は、「pevonedistat」について、高リスク骨髄異形成症候群(HR-MDS)に対する治療薬として米国食品医薬品局(FDA)よりBreakthrough Therapyの指定を受けたことを公表しました。 [開発コード:TAK-788 一般名:mobocertinib]- 2020年4月、当社は、プラチナ製剤をベースとした化学療法を実施中あるいは実施後に病勢が進行した上皮増殖因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する治療薬「mobocertinib」を米国食品医薬品局(FDA)がBreakthrough Therapyに指定したことを公表しました。- 2020年9月、当社は、欧州臨床腫瘍学会(ESMO:European Society for Medical Oncology)のバーチャル会議において、「mobocertinib」の臨床第1/2相試験の10カ月間の追跡調査結果を発表しました。本追跡調査では、上皮増殖因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う転移性NSCLC患者において、1年以上の奏効期間(DoR)を達成したことが示されました。- 2021年1月、当社は、国際肺癌学会(International Association for the Study of Lung Cancer:IASLC)の2020年度世界肺癌学会議(World Conference on Lung Cancer :WCLC)の最新演題オーラルセッションにおいて、治療歴を有する上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がん患者を対象とした「mobocertinib」の臨床第1/2相試験の新たなデータを発表しました。経口標的治療薬である「mobocertinib」は、治験責任医師の判定で奏効率35%、独立判定委員会(IRC)による判定で28%が確認され、臨床的に意義のある奏効を示し、IRCによる判定で奏効期間の中間値で17.5カ月と持続的奏効を示しました。安全性プロファイルは管理可能でした。2020年11月のデータカットオフ時からの安全性プロファイルは、同年5月のデータカットオフ時のものと一致していました。- 2021年4月、当社は、プラチナ製剤ベースの化学療法による治療歴を有し、米国食品医薬品局(FDA)で承認された検査で検出された上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がんの成人患者に対する治療薬「mobocertinib」の新薬承認申請(NDA)を、FDAが優先審査に指定したことを公表しました。「mobocertinib」は、EGFRエクソン20挿入変異を選択的に標的とするよう特異的に設計された初めての経口治療薬です。今回の新薬承認申請は、主に転移性非小細胞肺がん患者を対象に、経口投与された「mobocertinib」の安全性および有効性を評価する臨床第1/2相試験の結果に基づくものです。この申請はFDAの迅速承認制度により行われました。なお、審査終了目標日(PDUFA date)は2021年10月26日です。- 2021年5月、当社は、「mobocertinib」の安全性および有効性を評価する臨床第1/2相試験から、プラチナ製剤ベースの化学療法の治療歴を有する上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異陽性を伴う転移性非小細胞肺がん患者を対象とした最新データを公表しました。試験結果から、「mobocertinib」は1年間の追跡調査後も臨床的に意義のある効果を持続することが示され、バーチャルで開催される第57回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表される予定です。本試験の結果、全生存期間(OS)の中央値は24ヶ月、フォローアップ期間の中央値は14ヶ月、多様なEGFRエクソン20挿入変異に対して奏功したことが示されました。その他の主要なデータポイントである客観的奏効率(ORR)、奏功期間(DoR)の中央値および病勢コントロール率(DCR)においては、既報データと一貫していました。また、安全性プロファイルにおいても対応可能なもので、既報データと一貫していました。 希少遺伝子疾患および血液疾患当社は、既存の治療パラダイムを変えうる、最近上市された「TAKHZYRO」を含む遺伝性血管性浮腫に注力するとともに、今後は希少血液疾患および希少代謝性疾患において新たなモダリティとプラットフォームを活用し、特定の疾患に対して機能的な治療を提供していくことを目指します。 [TAKHZYRO 一般名:ラナデルマブ]- 2020年5月、当社は、「TAKHZYRO」のプレフィルドシリンジ製剤の一部変更承認申請(Type II Variation)について、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)より承認を推奨する旨の肯定的見解が示されたことを公表しました。「TAKHZYRO」は、12歳以上の遺伝性血管性浮腫(HAE)患者における再発性発作の標準的抑制薬として、欧州では皮下投与製剤として承認されています。- 2020年6月、当社は、臨床第3相「HELP(遺伝性血管性浮腫の長期抑制)試験の非盲検延長(OLE)試験」において、2つの新たな中間解析結果が得られたことを公表しました。解析の結果、「TAKHZYRO」は良好な忍容性を示し、遺伝性血管性浮腫(HAE)発作の1ヵ月あたりの発現率は様々なサブグループで持続的かつ一貫して低下しており、延長期間中においてもHAE発作を抑制していることが示されました。本試験結果は、オンライン開催となった2020年欧州アレルギー臨床免疫学会(EAACI:European Academy of Allergy and Clinical Immunology)にて発表されました。- 2020年11月、当社は、臨床第3相「HELP(遺伝性血管性浮腫の長期抑制)試験の非盲検延長(OLE)試験」より、「TAKHZYRO」による平均29.6ヵ月(標準偏差8.2ヵ月)の治療を受けた12歳以上の患者において、遺伝性血管性浮腫(HAE)発作が長期的に抑制され、発作頻度の低下を示す最終結果が得られたことを公表しました。結果はピボタル試験における「TAKHZYRO」の安全性および有効性と一致するものでした。HAE発作の平均発現率は全体でベースラインから87.4%(最小-100%、最大852.8%)低下し(n=212)、予め設定された探索的評価項目では、「TAKHZYRO」300mgによる治療を2週毎に受けた患者の70%近く(68.9%)で発作のない期間が12ヵ月を超えました(n=209)。本データは、2020年米国アレルギー喘息免疫学会(American College of Allergy, Asthma and Immunology: ACAAI)のオンライン年次総会で発表され、ACAAIの学会誌Annals of Allergy, Asthma & Immunology 11月号にも掲載されました。- 2020年12月、当社は、「TAKHZYRO」皮下注射剤について、12歳以上の遺伝性血管性浮腫(HAE)患者の発作を抑制する発作予防薬として、中国国家薬品監督管理局(NMPA)より承認を取得したことを公表しました。- 2021年3月、当社は、遺伝性血管性浮腫(HAE)発作を抑制するモノクローナル抗体である「ラナデルマブ」皮下投与製剤について、厚生労働省に対し製造販売承認申請を行ったことを公表しました。日本での製造販売承認申請は、主にグローバル臨床第3相試験である「HELP(Hereditary Angioedema Long-term Prophylaxis)試験」、臨床第3相「HELP Open-label Extension(OLE)試験」および日本人患者での「ラナデルマブ」の有効性と安全性を検証する臨床第3相試験の中間結果等に基づいています。これらの試験において、「ラナデルマブ」はHAE発作の予防的治療薬として有効性と安全性を示しました。 [アドベイト 一般名:ルリオクトコグ アルファ(遺伝子組換え)][アディノベイト 一般名:ルリオクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え)]- 2020年6月、当社は、2020年世界血友病連盟世界会議(WFH2020)のオーラルプレゼンテーションにおいて、血友病A患者に対する「アドベイト」について長期の転帰を検討した実臨床における「AHEAD試験」からの最新結果を発表しました。「AHEAD試験」の実臨床におけるアウトカム試験の中間解析からは、出血ゼロを達成することができた血友病Aの患者の数が、血液凝固第VIII因子(遺伝子組換え)を投与することによって長年にわたって増加したことを示しています。予防を受けている患者では、出血ゼロの患者数は1年目の34%から6年目の53%に増加し、オンデマンド治療を受けている患者では、1年目の28%から6年目の38%に増加しました。AHEAD(The Antihemophilic factor (recombinant) (rAHF) Hemophilia A outcome Database)試験は日常的臨床診療において血液凝固第VIII因子(遺伝子組換え)を投与されている血友病A患者における長期の有効性と安全性のアウトカムを調査する試験です。- 2021年2月、当社は、2021年欧州血友病学会議(EAHAD)において、「アドベイト」についての「AHEAD試験」の7年間データを発表しました。本データでは、全ての重篤な血友病A患者において、「アドベイト」を予防投与することによってオンデマンド治療群と比較してより低い年間出血率(ABRs)および年間関節出血率(AJBRs)を達成しました。有害事象は59%の症例(重篤な有害事象は20%)に見られ、12例において新たに第VIII因子インヒビターの発生が確認されました。別解析では、「アドベイト」の予防投与はオンデマンド治療と比較し、標的関節を有する中等度または重症の血友病A患者において7年間にわたり、より低い出血率を示しました。また、追加の後ろ向き解析では、米国の臨床診療において、中等度または重症の血友病A患者(インヒビター保有患者を除く)における、「アドベイト」の予防投与から「アディノベイト」または「エミシズマブ」への薬剤切り替えによる予防効果は統計学的有意差を示しませんでした。 [開発コード:TAK-620 一般名:maribavir]- 2020年12月、当社は、移植後の難治性/抵抗性サイトメガロウイルス(CMV)感染治療薬「maribavir」の有効性および安全性を評価する臨床第3相試験の結果が得られたことを公表しました。「TAK-620-303(SOLSTICE)試験」は、既存の抗ウイルス療法(「ガンシクロビル」、「バルガンシクロビル」、「ホスカルネット」、「シドフォビル」のいずれか1剤またはその併用)に難治性または抵抗性のCMV感染に罹患する移植後の患者を対象に、「maribavir」または治験責任医師が認めた治療法(IAT)のいずれかを8週間投与して比較する多施設共同、無作為化、非盲検、実薬対照試験です。「SOLSTICE試験」では、IATとの比較において、投与8週終了時にCMV血症が消失した患者の割合と定義される主要評価項目を達成しました。また、投与8週終了時に達成し、さらに投与16週まで維持されたCMV血症の消失および症状コントロールと定義される主な副次的評価項目も達成しました。新たな安全性シグナルは確認されず、「maribavir」はIATと比較して好中球減少症の発生率の低下と関連していました。- 2021年2月、当社は、デジタルで開催された移植・細胞治療学会議(TCT)2021において、「maribavir」の臨床第3相試験である「TAK-620-303(SOLSTICE)試験」の最新データを発表しました。本試験で、移植後の難治性抵抗性ありまたはなし(R/R)のサイトメガロウイルス(CMV)感染/疾患を有する移植患者において、本試験の主要評価項目である投与8週終了時(投与期終了時)のCMV血症の消失が達成された割合は、既存の抗ウイルス療法群(治験責任医師が定めた治療法[IAT]で、「ガンシクロビル」、「バルガンシクロビル」、「ホスカルネット」もしくは「シドフォビル」のいずれか1剤またはその併用)の23.9%(n=28/117)と比較して、「maribavir」投与群では2倍以上(55.7%、n=131/235)で、主要評価項目を達成しました(95%信頼区間:32.8%、22.8~42.7、p<0.001)。本試験の主な副次評価項目である、投与16週までの、CMV血症の消失および随伴症状コントロールでも、「maribavir」群が既存の抗ウイルス療法群を上回ることにより、達成しました。- 2021年3月、当社は、第47回欧州骨髄移植学会(EBMT)年次総会のプレジデンシャルシンポジウムにおいて、「maribavir」の臨床第3相試験である「TAK-620-303(SOLSTICE)試験」のサブグループ解析結果を発表しました。この解析結果は、全無作為化集団から得られた有効性を支持するものです。ベースラインで遺伝子型抵抗性CMV感染の移植患者において、投与8週時(投与期終了時)でCMV血症の消失が達成された割合は、既存の抗ウイルス療法群(治験責任医師が定めた治療法[IAT]で、「ガンシクロビル」、「バルガンシクロビル」、「ホスカルネット」もしくは「シドフォビル」のいずれか1剤またはその併用)(20.3%、14/69)と比較して、「maribavir」投与群では3倍以上(62.8%、76/121)でした。(調整群間差[95%信頼区間]:44.1%[31.3、56.9])- 2021年5月、当社は、固形臓器移植(SOT)または造血幹細胞移植(HCT)の両移植後の難治性/抵抗性(無しも含む)(R/R)サイトメガロウイルス(CMV)感染の治療薬である「maribavir」について、新薬承認申請(NDA)が米国食品医薬品局(FDA)に受理され、優先審査指定を受けたことを公表しました。この申請はグローバル臨床第3相試験である「TAK-620-303(SOLSTICE)試験」に基づいています。「maribavir」は、FDAから、臨床的に重篤なCMV血症およびCMV感染症リスクの高い患者の治療薬として希少疾病用医薬品指定を受けています。またFDAは、CMV感染およびCMV感染症を有し、既存の治療に抵抗性を有するまたは難治性の移植患者への治療薬として、「maribavir」のBreakthrough Therapy指定を行っています。 ニューロサイエンス当社は、高いアンメット・ニーズが存在する神経疾患および神経筋疾患を対象に、革新的治療法に研究開発投資をフォーカスし、当社の専門知識やパートナーとの提携を生かし、パイプラインを構築しています。疾患の生物学的理解、トランスレーショナルなツール、革新的なモダリティの進展により、当社は神経変性疾患のうち患者セグメントが明確に定義されている疾患(例えば、パーキンソン病)への治療可能性に特化した投資とともに、希少神経疾患(例えば、ナルコレプシー、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、その他の運動失調症)に主にフォーカスしています。 [ブコラム 一般名:ミダゾラム]- 2020年9月、当社は、てんかん重積状態の治療剤である「ブコラム口腔用液」について、厚生労働省より製造販売承認を取得したことを公表しました。今回の承認は、けいれん性てんかん重積状態を発症した18歳未満の患者に対して「ブコラム」を頬粘膜投与した2つの国内臨床第3相多施設共同介入非無作為化非盲検試験の結果などに基づくものです。「ブコラム」は日本初のてんかん重積状態に対する頬粘膜投与製剤であり、医師の指導に従い、家庭内など医療機関外でも投与可能です。2020年10月、当社は「ブコラム」のNeuraxpharm Groupの子会社(Neuraxpharm社)への売却を完了しました。当社は、日本における製造販売権の保持者として、一定期間にわたり一定のサービスをNeuraxpharm社に提供します。 [開発コード:TAK-935/OV935 一般名:soticlestat]- 2020年8月、当社とOvid Therapeutics Inc.(Ovid社)は、ドラベ症候群(DS)またはレノックス・ガストー症候群(LGS)の小児患者を対象とした「soticlestat」の無作為化臨床第2相「ELEKTRA試験」の良好なトップラインデータを発表しました。「ELEKTRA試験」において、12週間の治験薬投与維持期に、プラセボ投与群では、けいれん発作(DS)および脱力発作(LGS)の頻度が中央値で3.1%増加したのに対し、「soticlestat」投与群ではベースラインから中央値で27.8%の統計学的に有意な減少が示され(プラセボ調整後の減少率の中央値=30.5%、p=0.0007、治験薬投与維持期において発作がみられた120例での有効性解析に基づく)、主要評価項目を達成しました。さらに、「ELEKTRA試験」の20週間の全治療期間(用量最適化期および治験薬投与維持期)中にプラセボ投与群ではけいれん発作(DS)および脱力発作(LGS)の頻度の変化が中央値で0.0%であったのに対し、「soticlestat」による治療を受けたDSおよびLGS患者群では中央値で29.8%減少しました(プラセボ調整後の減少率=25.1%、p=0.0024)。「soticlestat」の忍容性は概ね良好で、安全性プロファイルはこれまでの試験と同様であり、新たに安全性で留意すべき点は認められませんでした。- 2021年3月、当社とOvid社は、当社が「soticlestat」について、ドラベ症候群(DS)またはレノックス・ガストー症候群(LGS)を含む発達性およびてんかん性脳症の治療薬として臨床段階にある「soticlestat」について、グローバルでの開発および販売権をOvid社から取得する独占契約を締結したことを公表しました。本独占契約に基づき、「soticlestat」のグローバルでの権利を当社が取得し、今後の全世界での開発と販売を単独で担います。 消化器系疾患消化器系疾患・肝疾患の患者さんに革新的で人生を変えうる治療法をお届けすることにフォーカスしています。「エンティビオ」および「ALOFISEL」といった炎症性腸疾患におけるフランチャイズのポテンシャルを最大化するとともに、「GATTEX/REVESTIVE」のスペシャリティ消化器系疾患領域におけるポジショニングを拡大させ、社外との提携を通じて消化管運動関連疾患、セリアック病、厳選した肝疾患における機会を探索し、パイプラインの構築を進めています。 [エンティビオ/エンタイビオ 一般名:ベドリズマブ]- 2020年4月、当社は、「エンティビオ」の自己注射製剤について、カナダにおいて、既存療法または TNF-αアンタゴニスト 「infliximab」 に対して、効果不十分、効果消失、または不耐性であった、18歳以上の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者の在宅での維持療法として承認されたことを公表しました。本承認は、中等症から重症の、活動期潰瘍性大腸炎の成人患者を対象とする、「エンティビオ」皮下注用製剤の維持療法の有効性および安全性を評価した無作為化二重盲検プラセボ対照試験である「VISIBLE 1試験」に基づくものです。- 2020年5月、当社は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎またはクローン病成人患者に対する維持療法として、「エンティビオ」の皮下注射(SC)製剤の製造販売について、欧州委員会より承認を取得したことを公表しました。「エンティビオ」のSC製剤は、プレフィルドシリンジ製剤およびペン製剤の両剤型で利用可能となります。- 2020年9月、当社は成人の中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者を対象とした維持療法に関する「エンティビオ」の皮下注射製剤の米国における開発プログラムの進捗を公表しました。当社は2020年8月にFDAと会議を行い、当社が新しく得たデータの評価を得るとともに、「エンティビオ」皮下注射製剤の承認を支持するのに必要な追加データについて助言を求めました。会議において、追加で必要な注射デバイスのデータに関して明確な理解が得られたため、その対応に向けて取り組んでいます。継続的な注射デバイスの試験実施に時間を要することから、米国での中等症から重症の潰瘍性大腸炎を対象とした「エンティビオ」皮下注射製剤の発売は、承認が得られた後、2022年になる可能性があります。- 2020年10月、当社は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者を対象とした、「エンティビオ」の皮下注射製剤による維持療法の長期安全性および有効性を検討する非盲検長期継続投与(VISIBLE OLE)試験の中間解析結果を発表しました。本試験における安全性の主要評価項目の評価において、潰瘍性大腸炎の患者集団の中間解析データから、2年間の「エンティビオ」皮下注射製剤による維持療法後の長期安全性に関する所見が「エンティビオ」の既報の安全性プロファイルと一致していることが示されました。また、この患者集団では、本試験の臨床的有効性の評価項目である臨床的寛解(注1)の維持およびステロイドフリーでの臨床的寛解(注2)が得られた患者の割合から、治療による臨床的効果が継続的に示されました。これらのデータは、バーチャルで開催された欧州消化器病週間(United European Gastroenterology Week: UEG Week)におけるオーラルプレゼンテーションで発表されました。(注1) 主要評価項目である臨床的寛解は、部分的Mayoスコアが2ポイント以下、かつ全てのサブスコアが1ポイント以下と定義(注2) ステロイドフリーの臨床的寛解は、ベースライン(0週目)で経口コルチコステロイドを使用している患者として定義 [GATTEX/REVESTIVE 一般名:テデュグルチド]- 2020年10月、当社は、「テデュグルチド」(遺伝子組換え)について、短腸症候群治療剤として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを公表しました。今回の申請は、国内で実施された成人および小児を対象とした臨床第3相試験、ならびに海外にて行われた試験結果に基づくものです。これらの試験において、本剤の有効性が認められ、安全性に大きな問題は見られませんでした。 [ALOFISEL 一般名:Darvadstrocel]- 2021年2月、当社は、「Darvadstrocel」について、非活動期/軽度活動期のクローン病成人患者における肛門周囲複雑瘻孔治療製品として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを公表しました。国内で実施された「Darvadstrocel-3002試験」および、欧州およびイスラエルで実施された「ADMIRE-CD試験」の結果に基づくものです。「Darvadstrocel-3002試験」は日本人の非活動期/軽度活動期のクローン病成人患者22名を対象に「Darvadstrocel」の有効性と安全性を検討した臨床第3相、多施設共同、非盲検非対照試験です。「Darvadstrocel-3002試験」の結果は、学会で今後公表される予定です。「ADMIRE-CD 試験」は、非活動期/軽度活動期のクローン病成人患者さん212名を対象に「Darvadstrocel」の有効性と安全性を検討した臨床第3相、無作為化二重盲検比較試験です。 [タケキャブ 一般名:ボノプラザン]- 2021年3月、当社は、酸関連疾患治療剤「タケキャブ錠10mg、同錠20mg」の剤形追加として、厚生労働省に口腔内崩壊錠「タケキャブOD錠10mg、同OD錠20mg」の製造販売承認申請を行ったことを公表しました。本申請は、国内で実施されたヒト生物学的同等性試験「TAK-438ODT-1001試験」および溶出試験に基づくものです。 [開発コード:TAK-721 一般名:ブデソニド経口懸濁液]- 2020年12月、当社は、好酸球性食道炎の治療薬として特異的にデザインされ開発中のブデソニド経口懸濁液である「TAK-721」について、新薬承認申請(NDA)が米国食品医薬品局(FDA)に受理され、優先審査に指定されたことを公表しました。承認された場合、「TAK-721」は好酸球性食道炎の治療薬として初のFDA承認となる見込みであり、製品名は「Eohilia」を予定しています。「TAK-721」はこれまでにFDAからBreakthrough TherapyおよびOrphan Drugの両方の指定を受けています。当社はFDAと協議中であり、議論の結果に応じて承認される見込みです。 血漿分画製剤当社は、血漿分画製剤(PDT)に特化したPDTビジネスユニットを設立し、血漿の収集から製造および商用化まで、エンド・ツー・エンドのビジネスを運営しています。本疾患領域では製品のライフサイクル全体にわたってイノベーションを推進することにより、希少および複雑な疾患に対する血漿分画製剤による治療の価値を最大化させます。血漿分画製剤に特化した研究開発組織は、新たな治療ターゲットの特定、および、現有する製品の製造効率の最適化という役割を担います。PDTでは、世界中で、様々な希少疾患や、生命を脅かす、慢性および遺伝性疾患の患者さんに有効な治療を行う上で不可欠な治療薬を開発することに焦点を絞ります。 [開発コード:CoVIg-19 (旧 TAK-888) 一般名:抗SARS-CoV-2ポリクローナル高度免疫グロブリン製剤]- 2020年4月、当社とCSL Behring社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬となり得る血漿分画製剤の開発に関する提携契約、「CoVIg-19 Plasma Alliance」を締結し、本提携にBiotest、BPL、LFB、Octapharmaの各社が参画したことを公表しました。本提携を通じ、COVID-19による重篤な合併症を有する患者の治療薬となり得るノーブランドの製品として、抗SARS-CoV-2ポリクローナル高度免疫グロブリン製剤の臨床開発に直ちに着手します。- 2020年5月、「CoVIg-19 Plasma Alliance」は参画メンバーとして血漿分画製剤に携わる企業を10社に拡大し、また、COVID-19から回復されたより多くの人々に血漿を提供してもらえるようにするために重要なサポートを行う血漿分画製剤の企業以外のグローバル機関も参画したことを公表しました。本アライアンスの発足当初に発表されたBiotest、BPL、CSL Behring、LFB、Octapharmaならびに当社に加え、新たな業界メンバーとしてADMA Biologics、BioPharma Plasma、GC Pharma、およびSanquinが参画します。これらの企業が一丸となり、COVID-19の治療選択肢となり得る薬剤の開発と流通を加速させるという本アライアンスの目標に寄与するため、専門知識に基づく助言、技術指導および/または物資による支援を提供します。- 2020年10月、「CoVIg-19 Plasma Alliance」は、米国国立衛生研究所(NIH)の米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が実施する臨床第3相試験「Inpatient Treatment with Anti-Coronavirus Immunoglobulin(ITAC)」において、患者が登録されたことを公表しました。「ITAC試験」では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により重篤な合併症のリスクのある入院した成人の治療における、抗コロナウイルス高度免疫グロブリン静注製剤(H-Ig)の安全性、忍容性、有効性を評価します。「ITAC試験」は、国際多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化試験で、NIHのグローバルなInterntaional Network of Strategic Initiatives in Global HIV Trials(INSIGHT)ネットワークを通じて米国やメキシコ、およびその他16カ国の5大陸にわたる最大58施設において成人患者500人を対象に実施される予定です。- 2021年4月、「CoVIg-19 Plasma Alliance」は、米国国立衛生研究所(NIH)の一部である米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が出資し実施した臨床第3相試験「Inpatient Treatment with Anti-Coronavirus Immunoglobulin(ITAC)」において、評価項目を達成しなかったことを公表しました。臨床試験において安全性の重大な懸念は認められませんでした。本試験は、重篤な合併症のリスクのある成人のCOVID-19入院患者に対して、抗コロナウイルス高度免疫グロブリン静注製剤(H-Ig)を、「レムデシビル」を含む標準治療に追加投与した際の、疾患進行のリスク低減を評価することを目的としていました。現在も解析は継続中であり、NIAIDおよびINSIGHT Networkは試験の全結果を近く発表する予定です。「ITAC試験」の結果を受けて、「CoVIg-19アライアンス」の取り組みは終了しました。 ワクチンワクチンでは、イノベーションを活用し、デング熱、新型コロナウイルス感染(COVID-19)、ジカウイルス感染、ノロウイルス感染など、世界で最も困難な感染症に取り組んでいます。当社パイプラインの拡充およびプログラムの開発に対する支援を得るために、政府機関(日本、米国)や主要な世界的機関とのパートナーシップを締結しています。これらのパートナーシップは、当社のプログラムを実行し、それらのポテンシャルを最大限に引き出すための重要な能力を構築するために必要不可欠です。 [COVID-19ワクチンモデルナ筋注 (開発コード:mRNA-1273、日本での開発コード:TAK-919)]- 2020年10月、当社は、Moderna, Inc.(Moderna社)の新型コロナウイルス感染症ワクチン候補である「mRNA-1273」を、2021年前半より、5,000万回の接種分を輸入し、日本において供給することを公表しました。この日本における供給は、日本国内での「mRNA-1273」の製造販売承認取得後に行われます。この取り組みは、当社、Moderna社、厚生労働省の三者間の契約に基づくものです。当該契約に基づき、当社は日本国内に「mRNA-1273」ワクチン5,000万回の接種分を流通させるために必要な製造販売承認の取得を目指します。Moderna社は、ワクチン最終製品の提供に加え、当社へ臨床開発および製造販売承認申請に関する支援を行います。- 2021年1月、当社は、「TAK-919」について、国内での臨床第1/2相試験を開始したことを公表しました。本試験は、成人被験者200例を対象に、「TAK-919」の安全性および免疫原性を評価するプラセボ対照試験です。- 2021年2月、当社は、Moderna社の新型コロナウイルス感染症ワクチン候補である「TAK-919」の日本人を対象とした安全性および免疫原性を評価する国内臨床第1/2相試験において、被験者の組み入れを完了したことを公表しました。- 2021年3月、当社は、「TAK-919」を輸入し、日本国内へ供給するため厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを公表しました。日本において現在実施中のプラセボ対照臨床第1/2相試験では、日本人の健康成人200例を対象に「TAK-919」を28日間の間隔で2回接種した際の安全性および免疫原性を評価しています。本試験成績は5月に揃う予定であり、その後、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出します。申請資料には、Moderna社が米国において実施中の臨床第3相試験(「COVE試験」)の安全性と有効性の成績も含まれています。- 2021年5月 、当社は日本における「TAK-919」の安全性および免疫原性を評価する国内臨床第1/2相試験の結果を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出したことを公表しました。当社はModerna社ならびに厚生労働省の三者間の合意により、「TAK-919」の5,000万回接種分を輸入し供給します。本試験の結果では、28日間の間隔で「TAK-919」0.5 mLを2回接種した被験者の100%に、結合抗体と中和抗体の上昇が本剤の2回目接種28日後に確認できたことが示されました。重大な安全性の懸念は報告されず、忍容性は概ね良好でした。当社は本試験の結果を、2021年3月に提出した新薬承認申請の一部として、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出しました。申請資料には、Moderna社が米国において実施中の臨床第3相試験(COVE試験)の安全性と有効性の結果も含まれています。- 2021年5月、「COVID-19ワクチンモデルナ筋注(TAK-919)」について、厚生労働省より医薬品医療機器等法第14条の3に基づく特例承認を取得したことを公表しました。本承認は、米国で実施されたModerna社の臨床第3相試験(COVE試験)の結果と同様の免疫反応が得られた、日本で実施した「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」の安全性および免疫原性を評価する臨床第1/2相試験の結果に基づいています。当社は、日本国内において「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」の供給を開始しました。 [開発コード:NVX-CoV2373(日本での開発コード:TAK-019) 一般名:新型コロナウイルス感染症ワクチン]- 2020年8月、当社とNovavax, Inc.(Novavax社)は、Novavax社が開発中の新型コロナウイルス感染症ワクチン「NVX-CoV2373」の日本における開発、製造、流通に向けた提携に関して基本合意したことを公表しました。「NVX-CoV2373」は、Novavax社の遺伝子組換えたんぱく質ナノ粒子技術を用いた安定したプレフュージョンたんぱく質であり、Novavax社が特許を有するアジュバント「Matrix-M™」を含有しています。当社とNovavax社の提携により、日本における「NVX-CoV2373」の開発、製造、承認申請が進められます。Novavax社は、当社へワクチンの製造技術の使用許諾および移転を行い、「Matrix-M™」を供給します。当社は、厚生労働省への承認申請ならびに、日本における「NVX-CoV2373」の製造および流通を行います。また、当社は、Novavax社からのワクチン製造技術の移転、生産設備の整備、およびスケールアップの資金として、厚生労働省から助成金を受領します。当社は年間2億5千万回分以上の新型コロナウイルス感染症ワクチンの生産能力を整備することを見込んでいます。- 2021年2月、当社は、Novavax社の新型コロナウイルス感染症ワクチン候補である「TAK-019」について日本人を対象に「TAK-019」の安全性および免疫原性を評価する国内臨床第1/2相試験を開始し、最初の被験者に治験薬の接種が行われたことを公表しました。当社はNovavax社からのワクチン製造技術の移転により、2億5千万回分以上の「TAK-019」の生産能力を有し、開発、供給を担います。「TAK-019」の国内臨床試験の成績は2021年後半に得られる予定で、試験成績は、製造販売承認申請手続きの一環として、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出される予定です。承認取得後、「TAK-019」は2021年後半の供給開始を目指します。 [開発コード:TAK-003 一般名:デング熱ワクチン]- 2021年3月、当社は、4歳から60歳の人を対象に、すべてのデングウイルス血清型で引き起こされるデング熱の予防を目的として開発中のデング熱ワクチン「TAK-003」について、欧州医薬品庁(EMA)へ承認申請を行い、受理されたことを公表しました。 「TAK-003」の申請資料には、現在進行中のグローバル臨床第3相試験である「TIDES試験(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)」の36ヵ月間の長期にわたる安全性および有効性データが含まれます。本36ヵ月間データの詳細については、学会や査読誌にて2021年内に発表される予定です。なお、当社は、欧州連合(EU)における承認とEU-M4all (旧称:Article 58)制度を通じてのEU域外の国々における承認を目的とした医薬品に適用されるEMAが実施する初の並行審査に参加しています。EU-M4all制度に参加している国々は、欧州医薬品評価委員会(CHMP)からの科学的見解に加え、独自の審査をしたうえで自国における承認について判断します。当社は、EU-M4all制度に参加していないデング熱流行国においても「TAK-003」の承認を目指します。- 2021年5月、当社は、「TAK-003」が現在進行中のグローバル臨床第3相試験「TIDES試験(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)」のワクチン接種後3年間にわたる長期評価において、本ワクチンのデング熱感染およびデング熱感染による入院に対して持続的な予防効果(被験者のワクチン接種前のデング熱感染歴の有無を問わない)を示し、懸念されるような安全性リスクも認められなかったことを公表しました。「TIDES試験」には、デング熱流行国であるラテンアメリカやアジア地域において2万人以上の小児・若年層(4歳から16歳)の健常被験者が登録されています。「TIDES試験」の36ヵ月間にわたる追跡調査の安全性および有効性データは、第17回国際渡航医学会(CISTM: Conference of the International Society of Travel Medicine)で発表されました。「TAK-003」の3年間(2回目接種後36ヵ月)にわたる長期評価では、デングウイルスの各血清型(計4種)に対する「TAK-003」のワクチン有効性は、各血清型で異なっていたものの、この結果は、これまで報告してきた結果と一貫性のあるものでした。また、安全性においても全般的に忍容性が良好で、懸念されるような安全性リスクも認められませんでした。病態の増悪のエビデンスは確認されませんでした。「TIDES試験」の36ヵ月間にわたる追跡調査の安全性および有効性データは、欧州連合(EU)およびデング熱流行国における承認申請資料に含まれており、今後、2021年内に承認申請が予定されている米国を含むその他の国々における申請資料にも含まれる予定です。 パイプラインの現状当社グループの各疾患領域および事業分野における研究開発活動の概要は、以下に示すとおりです。後出する主要な疾患領域および事業分野において開示されている当社グループパイプライン上の化合物は、それぞれ異なる開発段階にあり、現在開発中の化合物の開発中止や新規化合物の臨床ステージ入りにより、パイプラインの内容は今後変わる可能性があります。以下に示す化合物が製品として上市に至るかは、前臨床試験や臨床試験の結果、様々な医薬品の市場動向、規制当局からの販売承認取得の有無など、様々な要因に影響されます。以下の表記載は、米国・欧州・日本・中国に限定していますが、当社グループはその他の地域でも開発活動を行っています。以下、「グローバル」の表記は、米国・欧州・日本・中国を指します。下記の表にあるパイプラインのモダリティは、「低分子」、「ペプチド・オリゴヌクレオチド」、「細胞および遺伝子治療」、「マイクロバイオーム」、「生物学的製剤他」のいずれかに分類しています。2021年5月11日(決算発表日)における当社グループのオンコロジー(がん)領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加開発段階SGN-35(注1) vedotin> アドセトリス(欧州、日本、中国)CD30モノクローナル抗体薬物複合体(注射剤)生物学的製剤他未治療の全身性未分化大細胞リンパ腫欧州承認(20/5)再発・難治性のホジキンリンパ腫中国承認(20/5)再発・難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫中国承認(20/5)皮膚T細胞リンパ腫中国承認(21/4) アルンブリグ(グローバル)ALK阻害薬 (経口剤)低分子ALK陽性非小細胞肺がん(ファーストライン)米国承認(20/5)ALK陽性非小細胞肺がん(ファーストライン)日本承認(21/1)ALK阻害薬投与歴のあるALK陽性非小細胞肺がん日本承認(21/1)ALK陽性非小細胞肺がん(ファーストライン&セカンドライン)中国申請(20/12)ALK陽性非小細胞肺がん (セカンドライン;アレクチニブとの直接比較試験)グローバルP-ⅢMLN9708ニンラーロ(グローバル)プロテアソーム阻害薬 (経口剤)低分子造血幹細胞移植未実施の初発の多発性骨髄腫の維持療法日本 米国欧州中国申請(20/5)(注12)P-ⅢP-ⅢP-Ⅲ自家造血幹細胞移植後の初発の多発性骨髄腫の維持療法米国欧州P-ⅢP-Ⅲ 開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加開発段階(注2)カボメティクス(日本)マルチターゲットキナーゼ 阻害薬(経口剤)低分子肝細胞がん(セカンドライン)日本承認(20/11)腎がん(ファーストライン;ニボルマブとの併用)日本申請(20/10)転移性非小細胞肺がん(セカンドライン;アテゾリズマブとの併用 (注3))日本P-Ⅲ転移性去勢抵抗性前立腺がん(アテゾリズマブとの併用 (注4))日本P-Ⅲ (注5)ゼジューラ(日本)PARP1/2阻害薬(経口剤)低分子卵巣がん(ファーストライン・セカンドライン後の維持療法、 サルベージ療法)日本承認(20/9) ICLUSIG(米国)BCR-ABL阻害薬 (経口剤)低分子慢性骨髄性白血病(CML)患者におけるOPTIC試験の中間解析データおよび、CMLとフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病患者(Ph+ALL)とにおけるPACE試験の判定済みデータに基づいた、CMLおよびPh+ALLでのラベル変更米国承認(20/12)フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(フロントライン適応)米国P-ⅢTAK-924NEDD8活性化酵素阻害薬(注射剤)低分子高リスク骨髄異形成症候群グローバルP-Ⅲ移植非適応の急性骨髄性白血病グローバルP-ⅢTAK-788EGFR/HER2 阻害薬(exon20変異対応) (経口剤)低分子Exon20挿入変異を有する非小細胞肺がん(フロントライン適応)グローバルP-ⅢExon20挿入変異を有する非小細胞肺がん(セカンドライン以降)米国日本欧州中国申請(21/4)P-ⅢP-ⅢP-ⅢTAK-385LH-RHアンタゴニスト (経口剤)低分子前立腺がん日本中国P-ⅢP-ⅢTAK-007(注6)CD19 CAR-NK細胞療法(注射剤)細胞および 遺伝子治療再発・難治性のB細胞性悪性腫瘍-P-I/ⅡTAK-102(注7)GPC3 CAR-T(注射剤)細胞および 遺伝子治療固形がん-P-ⅠTAK-573(注8)抗CD38抗体(IgG4)と活性減弱IFNαとの融合蛋白 (注射剤)生物学的製剤他再発・難治性の多発性骨髄腫-P-ⅠTAK-605(注9)腫瘍溶解性ウイルス (腫瘍内投与)生物学的製剤他固形がん-P-Ⅰ 開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加開発段階TAK-676STINGアゴニスト(注射剤)低分子固形がん-P-ⅠTAK-940(注10)CD19 1XX CAR-T (注射剤)細胞および 遺伝子治療再発・難治性のB細胞性悪性腫瘍-P-ⅠTAK-981SUMO阻害薬(注射剤)低分子複数のがん種-P-ⅠTAK-252 / SL-279252(注11)PD-1-Fc-OX40L(注射剤)生物学的製剤他固形がん又はリンパ腫-P-ⅠTAK-186T細胞誘導抗体生物学的製剤他EGFR発現固形がん-P-Ⅰ (注1)Seagen社との提携(注2)Exelixis社との提携(注3)中外製薬との提携、P-Ⅲ試験は同社が実施(注4)中外製薬との提携、P-Ⅲ試験は当社が実施(注5)GlaxoSmithKline社との提携(注6)The University of Texas MD Anderson Cancer Centerとの提携(注7)Noile-immune Biotech社との提携(注8)Teva Pharmaceutical Industries社との提携(注9)Turnstone Biologics社との提携(注10)Memorial Sloan Kettering Cancer Centerとの提携(注11)Shattuck Labs社との提携(注12)2021年5月に承認取得 2021年5月11日(決算発表日)における当社グループの希少遺伝子疾患および血液疾患領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加開発段階TAK-743TAKHZYRO(米国、欧州、中国)血漿カリクレイン阻害薬 (注射剤)生物学的製剤他遺伝性血管性浮腫中国承認(20/12)遺伝性血管性浮腫日本申請(21/3)遺伝性血管性浮腫(小児)グローバルP-Ⅲブラジキニン介在性血管性浮腫グローバルP-ⅢTAK-577VONVENDI(米国、日本)VEYVONDI(欧州)フォン・ヴィレブランド因子 [遺伝子組換え](注射剤)生物学的製剤他フォン・ヴィレブランド病の予防(成人)米国日本欧州中国申請準備中P-ⅢP-ⅢP-Ⅲフォン・ヴィレブランド病の出血時および周術期の補充療法(小児)グローバルP-ⅢTAK-660アディノベイト(米国、日本)ADYNOVI(欧州)抗血友病因子[遺伝子組換え]PEG修飾(注射剤)生物学的製剤他血友病A(小児)欧州P-ⅢTAK-755(注1)欠損したADAMTS13 酵素の補充(注射剤) 生物学的製剤他先天性血栓性血小板減少性紫斑病米国欧州P-ⅢP-Ⅲ免疫性血栓性血小板減少性紫斑病米国欧州P-ⅡP-Ⅱ鎌状赤血球症米国P-I/Ⅱ 開発コード<一般名>製品名(国/地域)薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加開発段階TAK-620(注2)ベンズイミダゾールリボシド系阻害薬(経口剤)低分子移植手術を受けた患者におけるサイトメガロウイルス感染症米国 欧州申請準備中(注5)P-ⅢTAK-607インスリン様成長因子/インスリン様成長因子結合タンパク(注射剤)生物学的製剤他早産児合併症-P-ⅡTAK-609髄腔内投与用ヒトイズロン酸-2-スルファターゼ(遺伝子組換え)(注射剤)生物学的製剤他ハンター症候群(中枢性)米国欧州P-ⅡP-ⅡTAK-611髄腔内投与用ヒトアリールスルファターゼA(遺伝子組換え)(注射剤)生物学的製剤他異染性白質ジストロフィー-P-ⅡTAK-079(注3)抗CD38モノクローナル抗体(注射剤)生物学的製剤他重症筋無力症-P-Ⅱ免疫性血小板減少性紫斑病-P-Ⅱ全身性エリテマトーデス-P-Ⅰ/ⅡTAK-834NATPARA(米国)NATPAR(欧州)副甲状腺ホルモン(注射剤)生物学的製剤他副甲状腺機能低下症日本P-Ⅰ(注4) (注1)日本においてはKMバイオロジクス社との相互に独占的な共同販売契約(注2)GlaxoSmithKline社との提携(注3)再発・難治性の多発性骨髄腫の試験は試験終了まで継続(注4)日本におけるP-Ⅰ試験が完了し、P-Ⅲ試験開始の時期を検討中(注5)2021年5月に米国FDAが申請を受理済み 2021年5月11日(決算発表日)における当社グループのニューロサイエンス(神経精神疾患)領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。開発コード<一般名>薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加開発段階TAK-815ブコラム(日本)GABAアロステリック調節薬(頬粘膜投与)低分子てんかん重積状態日本承認(20/9)TAK-935CH24H阻害薬 (経口剤)低分子ドラベ症候群、レノックス・ガストー症候群- P-Ⅱ15q重複症候群、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)遺伝子欠損症- P-ⅡTAK-994オレキシン2Rアゴニスト(経口剤)低分子ナルコレプシー-P-ⅡTAK-831(注1)D-アミノ酸酸化酵素阻害薬(経口剤)低分子統合失調症に伴う陰性症状および認知機能障害- P-ⅡaTAK-071M1ポジティブアロステリック モジュレーター(M1PAM)(経口剤)低分子パーキンソン病- P-ⅡTAK-041(注2)GPR139アゴニスト(経口剤)低分子大うつ病における無快楽症-P-Ⅰ 開発コード<一般名>薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加開発段階TAK-341/MEDI1341(注3)抗α-シヌクレイン抗体 (注射剤)生物学的製剤他パーキンソン病-P-ⅠTAK-653(注2)AMPA受容体ポテンシエーター(経口剤)低分子治療抵抗性うつ病- P-ⅠTAK-861オレキシン2Rアゴニスト (経口剤)低分子ナルコレプシー-P-ⅠTAK-925オレキシン2Rアゴニスト (注射剤)低分子ナルコレプシー、その他の睡眠障害-P-Ⅰ (注1)Neurocrine社との50/50共同開発・共同販売のオプション契約(注2)Neurocrine社との50/50共同開発・共同販売契約(注3)AstraZeneca社との提携、P-Ⅰ試験は同社が実施 2021年5月11日(決算発表日)における当社グループの消化器系疾患領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日
FY2020|29,961 文字
5 【研究開発活動】 当年度の研究開発費の総額は4,924億円であります。医薬品の研究開発のプロセスは、長期にわたり、多額の費用を伴い、その期間は10年を越えることもあります。このプロセスには、新薬の有効性および安全性の評価のための複数の試験、データを審査し販売承認の可否を判断する規制当局に対する申請が含まれます。こうした精査の過程を通過し、臨床での治療に用いることができる候補物質はごく僅かです。承認取得後も、上市後の製品に対しては、メディカルアフェアーズやその他の投資を含め、継続的な研究開発活動による支援が行われます。臨床試験は、地域的および国際的な規制ガイドラインを遵守し、通常5から7年もしくはそれ以上を費やして実施されるものであり、相応の費用を伴います。通常、臨床試験は医薬品規制調和国際会議(ICH)が制定したガイドラインに沿って実施されます。これに関わる規制当局は、米国では食品医薬品局(FDA)、欧州連合では欧州医薬品庁(EMA)、日本では厚生労働省、中国では国家食品薬品監督管理局(NMPA)です。 ヒトの臨床試験は以下の3相で実施されます(各相が一部重複することもあります):・臨床第1相(P-1)試験少人数の健康な成人の志願者を被験者として、薬物の安全性、吸収、分布、代謝、排泄について評価するために実施・臨床第2相(P-2)試験少人数の志願患者を被験者として、安全性、有効性、用量および用法を評価するために実施臨床第2相試験はP-2aとP-2bとの2つのサブカテゴリ―に分割されることがあります。P-2a試験は通常臨床上の有効性または生物学的活性を示すためにデザインされたパイロット試験であり、P-2b試験は薬物が最少の副作用で生物学的活性を示す最適用量を探索するために行われます。・臨床第3相(P-3)試験大人数の志願患者を被験者として、既存の薬剤またはプラセボと比較した安全性および有効性を評価するために実施 これら3相のうち、臨床第3相にかかる開発費用が最も大きく、臨床第3相試験へ進めるか否かの決定は、医薬品開発における重要なビジネス判断となります。臨床第3相試験を通過した候補薬物については、管轄の規制当局に新薬承認申請書(NDA)または医薬品販売承認申請(MAA)を提出し、規制当局より承認を取得した場合に上市します。NDAやMAAの作成には、膨大な量のデータの収集、検証、分析が必要であり、多額の費用が伴います。製品上市後も、保健当局により有害事象の市販後調査や、当該医薬品のリスク・ベネフィットに関する追加情報を提供するための市販後試験の実施を求められることがあります。当社の研究開発は、サイエンスにより、患者さんの人生を根本的に変えうるような非常に革新性が高い医薬品を創製することに注力しています。当社は、「革新的なバイオ医薬品」、「血漿分画製剤」および「ワクチン」の3つの分野において研究開発活動を実施しています。革新的なバイオ医薬品に対する研究開発は、当社の研究開発投資の中で最も高い比率を占めています。革新的なバイオ医薬品における重点疾患領域(オンコロジー、希少疾患、ニューロサイエンス、消化器系疾患)には高いアンメットメディカルニーズが存在し、当社はベストインクラスあるいはファーストインクラスとなりうる画期的な新規候補物質を創出してまいりました。これまでの数年間、最近ではShire社の買収によってさらに強化されましたが、当社では新たな研究開発能力、さらには次世代プラットフォームに対して社内および外部との提携によるネットワークを通じて投資し、細胞療法および遺伝子治療の領域の強化を図ってまいりました。自社の研究開発機能向上への注力に加え、社外パートナーとの提携も、当社研究開発パイプライン強化のための戦略における重要な要素の一つです。社外提携の拡充と多様化に向けた戦略により、様々な新製品の研究に参画し、当社が大きな研究関連のブレイクスルーを達成する可能性を高めます。 当社の主要な研究開発施設には以下を含みます:・ 湘南ヘルスイノベーションパーク:日本の神奈川県藤沢・鎌倉地域に位置する湘南ヘルスイノベーションパーク(「湘南アイパーク」)は、当社の湘南研究所として2011年に設立された、当社のニューロサイエンス研究の主要拠点です。2018年4月に、当社は、サイエンスイノベーションを推進し、多様な外部パートナーとのライフサイエンスエコシステムを構築するために、湘南アイパークを開所致しました。2020年4月に、当社はより多様なプレーヤーを招致し、湘南アイパークのさらなる成功を目指すため、湘南アイパークの所有権を信託設定することを発表しました。当社は、アンカーテナントとして、信託先と20年間のリースバック契約を締結するとともに、今後も日本におけるライフサイエンス研究活性化にコミットします。・ グレーターボストン地区研究開発サイト:当社のボストン研究開発ハブは米国マサチューセッツ州ケンブリッジに位置しています。本サイトは当社のグローバルなオンコロジー(がん)、消化器系疾患領域および希少疾患領域の研究開発の中心であり、加えて血漿分画製剤やワクチンなど他の疾患領域の研究開発や免疫調節および生物学的製剤の研究も支援しています。最近開設された最先端の細胞療法の製造施設を備えた、当社の細胞療法研究の拠点です。・ サンディエゴ研究開発サイト:米国カリフォルニア州サンディエゴにある当社の研究開発拠点であり、消化器系疾患およびニューロサイエンス領域における研究開発を支援しています。本研究サイトは、バイオテックのような形態で研究を行う拠点であり、構造生物学および生物物理学などの社内技術を駆使し、社内外で行われる研究を促進します。 当社の2019年4月以降の主要な研究開発活動の進捗は、以下のとおりです。 研究開発パイプラインオンコロジー世界中のがん患者さんに革新的な新薬をお届けするために努力し、患者さんの生活を改善するという情熱をもって、画期的なイノベーションの探求に取り組んでいます。本疾患領域では、(1)既発売品である「ニンラーロ」、「アドセトリス」、「アイクルシグ」のライフサイクルマネジメントならびに多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群およびその他血液がんのパイプラインへの継続的な研究開発投資を通じた、血液がんにおける基盤的な専門性の構築、(2)既発売品である「ALUNBRIG」を含む肺がんを対象とするパイプラインおよび標的を絞った肺がん患者さんを対象とする開発プログラムのさらなる拡充、(3)社外との提携による新規のがん免疫療法標的および次世代基盤技術の追求ならびに革新的な細胞療法の探索、にフォーカスしています。 [ニンラーロ 一般名: イキサゾミブ]- 2019年6月、当社は、「ニンラーロ」について、再発又は難治性の全身性(AL)アミロイドーシス患者を対象とした臨床第3相試験である「TOURMALINE-AL1試験」において、2つの主要評価項目のうち最初の結果が主要評価項目を満たさなかったことを公表しました。「ニンラーロ」および「デキサメタゾン」の併用群は、医師が選択した標準治療群と比較して、血液学的奏効率において有意な改善はみられませんでした。解析の結果より、当社は本試験を中止することを決定しましたが、副次評価項目の有望なデータについては、12月、第61回米国血液学会(American Society of Hematology:ASH)年次総会のオーラルセッションにおいて発表されました。- 2019年11月、当社は、「ニンラーロ」について、移植歴のない初発の多発性骨髄腫患者を対象としたファーストライン維持療法に関する臨床第3相試験「TOURMALINE-MM4試験」が主要評価項目を達成したことを公表しました。無増悪生存期間が統計学的に有意に改善され、本試験データはバーチャルで開催された第56回米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)年次総会のオーラルセッションにおいて発表されました。- 2020年3月、当社は、「ニンラーロ」について、国際共同ランダム化二重盲検プラセボ対照の臨床第3相試験である 「TOURMALINE-MM2試験」において、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を達成しなかったことを公表しました。本試験は、幹細胞移植が適応とならない初発の多発性骨髄腫の成人患者を対象として、「ニンラーロ」を「レナリドミド」および「デキサメタゾン」に併用することにより、PFSの中央値が13.5ヵ月(プラセボ群21.8ヵ月に対しニンラーロ群35.3ヵ月、HR=0.83、p=0.073)改善が認められましたが、統計的有意水準を満たしませんでした。「TOURMALINE-MM2試験」から得られた「ニンラーロ」の安全性プロファイルは、既報の添付文書と概ね同様でした。本試験結果は、本試験データはバーチャルで開催された第56回米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)年次総会のオーラルセッションにおいて発表されました。- 2020年3月、当社は、「ニンラーロ」について、多発性骨髄腫における自家造血幹細胞移植後の維持療法の治療薬として、厚生労働省より製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを公表しました。今回の承認は、ランダム化プラセボ対照二重盲検多施設共同国際臨床第3相試験である「TOURMALINE-MM3試験」の結果に基づくものです。本試験では、大量化学療法および自家造血幹細胞移植に奏効した成人の多発性骨髄腫患者さんを対象に、無増悪生存期間(PFS)を主要評価項目として「ニンラーロ」の維持療法の有効性と安全性をプラセボと比較検討しました。- 2020年5月、当社は、「ニンラーロ」について、多発性骨髄腫と診断された幹細胞移植歴の無い成人患者を対象としたファーストライン(一次)治療後の維持療法の適応追加に係る製造販売承認事項一部変更承認の申請を厚生労働省に行ったことを公表しました。今回の申請は、主にランダム化プラセボ対照二重盲検の多施設共同国際臨床第3相試験である「TOURMALINE-MM4試験」の結果に基づくものです。 [アイクルシグ 一般名:ポナチニブ]- 2020年5月、当社は、「アイクルシグ」について、バーチャルで開催された第56回米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)年次総会のオーラルセッションにおいて、臨床第2相試験「OPTIC(Optimizing Ponatinib Treatment In CML)」の中間解析データを発表しました。「OPTIC試験」は、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)による前治療へ抵抗性または不耐性を示す慢性期の慢性骨髄性白血病(CP-CML)患者に対する、有効性および安全性を最適化することを目的として、アイクルシグの3つの投与開始用量(45mg~、30mg~あるいは15mg~)における奏効に基づく投与量調整レジメンをプロスペクティブに評価する、進行中の無作為化非盲検試験です。 [ALUNBRIG 一般名:ブリグチニブ]- 2019年11月、当社は、「ALUNBRIG」について、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害薬による前治療歴のない進行性未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子転座陽性(ALK陽性)の非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者に対する「ALUNBRIG」とクリゾチニブを評価した臨床第3相試験「ALTA-1L試験」の最新情報を発表しました。試験結果では、2年以上の追跡後も、「ALUNBRIG」は、全患者においても病状進行または死亡リスクを57%低下させることを示しました (HR: 0.43、95%CI: 0.31-0.61)。また、登録時の治験責任医師評価において脳転移を有すると新たに診断された患者に対して、病状進行または死亡リスクを76%低下させることが示されました(HR: 0.24、95%CI: 0.12-0.45)。これらのデータは、欧州臨床腫瘍学会(European Society for Medical Oncology:ESMO)2019アジア大会のプレジデンシャルセッションで発表されました。- 2020年2月、当社は、「ブリグチニブ」について、他の未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)チロシンキナーゼ阻害剤での治療に不耐容もしくは同治療後に進行が認められたALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する治療薬として厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを公表しました。今回の申請は、主に国内第2相試験のBrigatinib-2001 (J-ALTA)および海外第2相試験のAP26113-13-201(ALTA)の結果に基づくものです。- 2020年3月、当社は、「ALUNBRIG」について、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)が、ALK阻害薬による前治療歴のない成人の未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子転座陽性(ALK陽性)進行性非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する単剤療法として承認を推奨する肯定的見解を示したことを公表しました。続いて、2020年4月、欧州委員会(EC)より同適応での適応追加の承認を取得したことを公表しました。- 2020年5月、当社は、「ALUNBRIG」について、米国食品医薬品局(FDA)が承認した検査により診断された成人の未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子転座陽性(ALK陽性)転移性非小細胞肺がん患者に対する治療薬としてFDAより承認を取得したことを公表しました。今回の承認により、「ALUNBRIG」の適応症にファーストライン(一次)治療が追加されました。 [アドセトリス 一般名: ブレンツキシマブ ベドチン]- 2019年12月、当社は、「アドセトリス」について、第61回米国血液学会(American Society of Hematology:ASH)年次総会において、「アドセトリス」のフロントライン治療としての有用性を検討した臨床第3相試験である「ECHELON-1試験」と「ECHELON-2試験」についての追加解析データを発表しました。- 2019年12月、当社は、日本において、「アドセトリス」について、「CD30陽性末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)」に対する効能および用法用量、ならびに小児の「再発または難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫および末梢性T細胞リンパ腫」に対する用法用量に関する製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを公表しました。- 2020年5月、当社は、「アドセトリス」について、欧州委員会(EC)より、現在の条件付承認に加えて、未治療の全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)の成人患者に対するCHP(シクロホスファミド・ドキソルビシン・プレドニゾン)との併用治療に関して適応追加の承認を取得したことを公表しました。ALCLは末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)のサブタイプです。- 2020年5月、当社は、「アドセトリス」について、再発・難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫またはCD30陽性ホジキンリンパ腫の成人患者に対する治療薬として、中国国家食品薬品監督管理局(NMPA)より承認を取得したことを公表しました。 [カボメティクス 一般名: カボザンチニブ]- 2020年1月、当社は、「カボザンチニブ」について、がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌に対する治療薬として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを公表しました。今回の申請は、主に、プラセボ群と比較して「カボザンチニブ」の有効性が統計的に有意な結果を示し、かつ安全性プロファイルについても確認された二次治療以降の進行肝細胞癌患者を対象とした海外臨床第3相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験である「XL184-309試験」、ならびに日本人における有効性および安全性を検討した国内臨床第2相試験である「Cabozantinib-2003試験」の結果に基づくものです。- 2020年3月、当社は、「カボメティクス」について、切除不能又は転移性の腎細胞癌に対する治療薬として、厚生労働省より製造販売承認を取得したことを公表しました。今回の承認は、血管内皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(VEGFR-TKI)による治療後に増悪した、根治切除不能または転移性の腎細胞癌患者さんを対象とした国際臨床第3相試験の「METEOR試験」、化学療法歴のない、根治切除不能または転移性の腎細胞癌患者さんを対象とした海外臨床第2相試験の「CABOSUN試験」、およびVEGFR-TKIによる治療後に増悪した日本人進行腎細胞癌患者さん35名を対象に有効性と安全性を検討した国内臨床第2相試験である「Cabozantinib-2001試験」の結果に基づくものです。- 2020年4月、当社は、「カボメティクス」と小野薬品工業株式会社のヒト型抗ヒトPD-1(programmed cell death-1)モノクローナル抗体、「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)について、未治療の進行性又は転移性の腎細胞がんを対象に両製剤の併用療法を評価した多施設国際共同無作為化非盲検第3相試験である「CheckMate -9ER試験」のトップライン結果が得られたことを公表しました。本試験において、オプジーボとカボザンチニブの併用療法は、スニチニブと比較して、最終解析で主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を、あらかじめ計画されていた中間解析で副次評価項目である全生存期間(OS)、および奏効率(ORR)を改善しました。 [一般名: ニラパリブ]- 2019年11月、当社は、「ニラパリブ」について、卵巣がんに対する治療薬として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを公表しました。本申請は、海外臨床第3相試験である「NOVA試験」、海外臨床第2相試験である「QUADRA試験」、ならびに日本人卵巣がん患者に対し安全性を検討した国内臨床第2相試験の「Niraparib-2001試験」、日本人卵巣がん患者に対し有効性および安全性を検討した国内臨床第2相試験の「Niraparib-2002試験」の結果に基づくものです。 [開発コード: TAK-924 一般名:pevonedistat]- 2020年5月、当社は、「pevonedistat」について、バーチャルで開催された第56回米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)年次総会のオーラルセッションにおいて、臨床第2相試験「Pevonedistat-2001」の結果を発表しました。本試験では、高リスク骨髄異形成症候群(HR-MDS)を含む造血器腫瘍の患者を対象に、pevonedistatとアザシチジンの併用療法とアザシチジン単剤療法を比較しました。これらの結果より、pevonedistatとアザシチジンの併用療法は非常に有効であり、有望な治療法であることが示されるとともに、HR-MDS患者群においては、アザシチジン単剤療法と同様の安全性プロファイルであり、全生存期間(OS)、無イベント生存期間(EFS)、完全寛解率(CR)および輸血非依存達成率を含む臨床的に意義のある複数の評価項目でも有用性が示されました。 [開発コード: TAK-788 一般名:mobocertinib]- 2019年6月、当社は、「TAK-788」について、2019年米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)年次総会のオーラルセッションにおいて、新たなデータを発表しました。非盲検、多施設共同臨床第1/2相試験により、EGFR エクソン20挿入遺伝子変異を有する局所進行性あるいは転移性の非小細胞肺がん患者において、「TAK-788」の無増悪生存期間(PFS)の中央値が7.3ヵ月、客観的奏効率(ORR)が43%という結果が示されました。- 2020年4月、当社は、プラチナ製剤をベースとした化学療法を実施中あるいは実施後に病勢が進行した上皮増殖因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する治療薬「mobocertinib (TAK-788)」を米国食品医薬品局(FDA)がBreakthrough Therapyに指定したことを公表しました。 [開発コード: TAK-007]- 2019年11月、当社とThe University of Texas MD Anderson Cancer Centerは、臨床段階にある、既成のCAR-NK細胞療法製品「TAK-007」の開発を共同で加速することを公表しました。現在実施中の「TAK-007」の臨床第1/2a相試験から、2021年には主要臨床試験への患者登録を予定しています。「TAK-007」は外来患者に投与可能な初めてのCAR細胞療法となる可能性があります。 [開発コード: TAK-605]- 2019年12月、当社とTurnstone Biologics(「Turnstone社」)は、Turnstone社が有する独自のワクシニアウイルスプラットフォームを用いて幅広い種類のがんを対象とした複数の製品を開発するための戦略的共同開発契約を締結したことを発表しました。同社のリードプログラムである「TAK-605」(TBio-6517, RIVAL-01)は、Flt3リガンド、抗CTLA-4抗体およびIL-12サイトカインに対する導入遺伝子をコードするワクシニアウイルスバックボーンから構成されています。 希少疾患当社は、次の3治療分野に注力しています。(1)これまでの治療パラダイムを変え得る、最近上市された「TAKHZYRO」を含む希少免疫疾患(例:遺伝性血管性浮腫)、(2)幅広いポートフォリオを有する希少血液疾患、(3)希少代謝性疾患(ファブリー病、ハンター症候群、ならびにゴーシェ病治療薬への注力)。 [TAKHZYRO 一般名:lanadelumab-flyo]- 2019年6月、当社は、「TAKHZYRO」の効果発現を評価する臨床第3相試験である「HELP試験」における投与0~69日データについて追加解析を行い、新たなデータを欧州アレルギー・臨床免疫学会(European Academy of Allergy and Clinical Immunology:EAACI)にて発表しました。追加解析により「TAKHZYRO」が、プラセボ群と比較して月間平均発作発現率を80.1%減少させ、初期治療期間中において遺伝性血管性浮腫(HAE)の発症を防ぎ始めることが示唆されました。- 2019年11月、当社は、12歳以上の遺伝性血管性浮腫(HAE)患者を対象に実施中の臨床第3相「HELP試験」(長期予防試験)の非盲検延長(OLE)試験より、「TAKHZYRO」注射剤の長期安全性および有効性を示す新たなデータを発表しました。2019年米国アレルギー喘息免疫学会(American College of Allergy, Asthma and Immunology:ACAAI)年次総会において発表された解析結果では、「TAKHZYRO」が継続的にHAE発作を予防しており、多くの被験者が平均19.7ヵ月(0 - 26.1ヵ月)の投与延長期間においても、ピボタル「HELP試験」でみられた予防頻度と同様の割合で発作が発現しなかったことを示されました。解析結果は、ACAAIの学会誌である「Annals of Allergy, Asthma & Immunology」の11月号に掲載されました。- 2020年5月、当社は、「TAKHZYRO」のプレフィルドシリンジ製剤の一部変更承認申請(Type II Variation)について、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)より承認を推奨する旨の肯定的見解が示されたことを公表しました。TAKHZYROは、12歳以上の遺伝性血管性浮腫(HAE)患者における再発性発作の標準的抑制薬として、欧州では皮下投与製剤として承認されています。 [アディノベイト 一般名:ルリオクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え)]- 2019年7月、当社は、第27回国際血栓止血学会(International Society on Thrombosis and Haemostasis Congress:ISTH)年次総会において、「アディノベイト」の臨床第3b/4相試験である「PROPEL試験」の新たな成績を発表しました。「PROPEL試験」は重症血友病A患者を対象とし、2つの異なる第Ⅷ因子トラフ値をターゲットとして、薬物動態(PK)に基づく定期補充療法後に「アディノベイト」の安全性および有効性を比較する前向き無作為化多施設共同試験です。 [ボンベンディ 一般名:ボニコグ アルファ(遺伝子組換え)]- 2020年3月、当社は、ヒトフォン・ヴィレブランド因子(VWF)製剤「ボンベンディ」について、厚生労働省より製造販売承認を取得したことを公表しました。フォン・ヴィレブランド病は、止血に重要な役割を果たす凝固タンパク質であるフォン・ヴィレブランド因子の消失あるいは欠損に起因する遺伝性疾患です。フォン・ヴィレブランド因子の補充療法は、最も効果的な治療法です。 [開発コード:TAK-620 一般名:maribavir]- 2019年9月、当社は、経口投与可能な抗ウイルス性化合物である「TAK-620」の臨床第2相試験結果がThe New England Journal of Medicineに掲載されたことを公表しました。当試験は、造血幹細胞移植または固形臓器移植後のサイトメガロウイルス(CMV)感染患者を対象とし、無作為化、非盲検で12週間実施されました。CMVはベータヘルペスウイルスであり、臓器または幹細胞の移植者を含む免疫力が低下した患者では、死亡する可能性のある臨床的に対処が難しい合併症を引き起こします。 ニューロサイエンス当社は、治療法が確立していない神経疾患を患っている患者さんに革新的な医薬品を提供することを目指しています。当社は、社内の専門知識やパートナーとの提携をいかして、アルツハイマー病、パーキンソン病といった神経疾患、ナルコレプシーやその他の睡眠障害、ハンチントン病といった希少中枢疾患に対するパイプラインを構築します。 [トリンテリックス 一般名:ボルチオキセチン]- 2019年7月、当社は、第16回日本うつ病学会総会において大うつ病性障害治療薬「ボルチオキセチン」について、国内第3相無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験の結果を公表しました。本試験では、日本の成人再発うつ病患者さんを「ボルチオキセチン」10mg群、20mg群、プラセボ群のいずれかに無作為に割り付け、1日1回投与で有効性・安全性を評価しました。主要評価項目は、投与8週時におけるMontgomery-Åsberg Depression Rating Scale(MADRS)合計スコアのベースラインからの変化量で、プラセボ群との群間差が「ボルチオキセチン」10㎎、20㎎群でそれぞれ-2.66、-3.07であり、プラセボ群に対して統計学的に有意な低下が認められました(P値 0.0080, 0.0023)。- 2019年9月、当社は、「トリンテリックス」について、厚生労働省よりうつ病・うつ状態に対する治療薬として、製造販売承認を取得したことを公表しました。 [インチュニブ 一般名:グアンファシン塩酸塩]- 2019年6月、当社は、塩野義製薬が製造販売承認を有し、塩野義製薬と当社が情報提供を行っている注意欠陥/多動性障害治療剤「インチュニブ」について、厚生労働省より成人患者(18歳以上)に対する適応追加による一部変更が承認されたことを公表しました。 [BUCCOLAM 一般名:ミタゾラム]- 2020年2月、当社は、「ミダゾラム」(口腔用液)について、てんかん重積状態の治療剤として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを公表しました。今回の申請は、けいれん性てんかん重積状態を発症した 18 歳未満の患者さんに対して本剤を頬粘膜投与した2つの国内第3相多施設共同介入無作為化非盲検試験の結果などに基づくものです。これらの介入試験において、本剤の有効性が認められ、安全性に大きな問題はありませんでした。 [開発コード:TAK-925]- 2019年9月、当社は、開発中のオレキシン2受容体選択的作動薬である「TAK-925」のナルコレプシータイプ1に対する臨床第1相POC(コンセプト実証)試験ならびに断眠した健康成人を対象とする臨床試験の結果データを発表しました。これらの試験において、「TAK-925」の9時間単回静脈内投与時の安全性、忍容性、薬物動態、薬力学的作用が検討され、いずれの試験においても「TAK-925」はすべての用量において良好な忍容性を示しました。これらの試験結果は、2019年世界睡眠学会(World Sleep Congress)にて発表されました。 消化器系疾患消化器系疾患・肝疾患の患者さんに革新的で人生を変えうる治療法をお届けすることにフォーカスしています。「エンティビオ」および「アロフィセル」といった炎症性腸疾患におけるフランチャイズのポテンシャルを最大化するとともに、「ガテックス」のスペシャリティ消化器系疾患領域におけるポジショニングを拡大させ、社外との提携を通じて消化管運動関連疾患、セリアック病、肝疾患およびマイクロバイオーム(腸内細菌)における機会を探索し、パイプラインの構築を進めています。 [エンティビオ/エンタイビオ 一般名:ベドリズマブ]- 2019年5月、当社は、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者に対する維持療法として「ベドリズマブ」の皮下注射製剤の生物学的製剤承認申請を米国食品医薬品局(FDA)に提出し、受理されたことを公表しました。当社は、「ベドリズマブ」の皮下投与において、プレフィルドシリンジ製剤およびペン製剤の両剤型を申請しています。- 2019年5月、当社は、「エンタイビオ」について、中等症から重症の活動期のクローン病の治療及び維持療法の治療薬として、厚生労働省より製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを公表しました。- 2019年5月、当社は潰瘍性大腸炎を対象とした2つの生物学的製剤を初めて直接比較し、「ベドリズマブ」が「アダリムマブ」に対し52週時点で有意に高い臨床的寛解(注1)を達成したVARSITY試験から得た新たな探索的データを米国消化器病週間(Digestive Disease Week:DDW)2019において発表しました。(注1)主要評価項目である臨床的寛解は、完全Mayoスコア(潰瘍性大腸炎の疾患活動性を評価するための指標)が2ポイント以下、かつ全てのサブスコアが1ポイント以下と定義- 2019年8月、当社は、「ベドリズマブ」の皮下投与製剤について、中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎に対する維持療法の治療薬として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを公表しました。当社は、「ベドリズマブ」の皮下投与において、プレフィルドシリンジ製剤およびペン製剤の両剤型を申請しています。- 2019年9月、当社は、「ベドリズマブ」が、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に、「アダリムマブ」と直接比較したVARSITY試験において、主要評価項目である治療期52週時点での臨床的寛解(注1)について「ベドリズマブ」が有意に優れる結果を示したデータが、The New England Journal of Medicineに掲載されたことを公表しました。(注1)主要評価項目である臨床的寛解は、完全Mayoスコア(潰瘍性大腸炎の疾患活動性を評価するための指標)が2ポイント以下、かつ全てのサブスコアが1ポイント以下と定義 - 2019年10月、当社は、診療記録を用いたレトロスペクティブ研究である「EVOLVE試験」の結果を発表しました。本研究は、過去に生物学的製剤の投与経験のない中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者またはクローン病患者を対象に、「ベドリズマブ」および抗TNFα抗体製剤による重篤な有害事象および重篤な感染症の発現の可能性を、実臨床の場において調査したものです。これらのデータは、欧州消化器病週間(United European Gastroenterology Week: UEGW)2019のオーラルセッションにおいて発表されました。- 2019年12月、当社は、米国において、成人の中等症から重症の潰瘍性大腸炎における維持療法としての「ベドリズマブ」の皮下注射製剤の生物学的製剤承認申請に関し、米国食品医薬品局(FDA)から審査完了報告通知を受領したことを公表しました。本報告通知において、FDAからは、生物学的製剤承認申請に用いられた主試験から得られた臨床データおよびその結論とは関連のない質問が提起されています。- 2020年2月、当社は、中等症から重症の活動期クローン病成人患者に対して、「ベドリズマブ」の皮下注射製剤による維持療法を実施した第3相「VISIBLE 2試験」における有効性および安全性の評価結果を発表しました。本試験は、治療開始時点(0週)および2週時点に非盲検下にてベドリズマブの点滴静注製剤による静脈内投与を2回行う導入療法を実施後、6週時点で臨床的改善(注1)が得られた患者に対して実施されました。本試験の結果、52週時点で臨床的寛解(注2)が得られた患者の割合は、ベドリズマブ皮下投与群でプラセボ投与群と比較して有意に高く(48.0%[n=132/275]対34.3%[n=46/134]、p=0.008)、本試験の主要評価目的を達成したことが示されました。本成績は、第15回欧州クローン病・大腸炎会議(Congress of European Crohns and Colitis Organisation: ECCO)のオーラルプレゼンテーションにて発表されました。(注1)臨床的改善:クローン病活動指数(CDAI:Crohn's Disease Activity Index)のスコアがベースライン(0週)から70ポイント以上の減少と定義。(注2)主要評価項目:臨床的寛解は、CDAIのスコアが52週時点で150以下と定義- 2020年3月、当社は、「ENTYVIO」について、中国国家薬品監督管理局(NMPA)より承認されたことを公表しました。本剤は、標準療法又はTNFα阻害薬による治療のいずれかに対し効果不十分、効果消失がみられた、もしくは不耐性である中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病成人患者に対する治療薬として承認されました。「ENTYVIO」は、NMPAによる迅速承認のための「緊急に必要な」海外医薬品の、2018年の初回(first batch)のリストに含まれていました。- 2020年4月、当社は、「ENTYVIO」の自己注射製剤について、カナダにおいて、既存療法または TNF-αアンタゴニスト infliximab に対して、効果不十分、効果消失、または不耐性であった、18歳以上の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者の在宅での維持療法として承認されたことを公表しました。本承認は、中等症から重症の、活動期潰瘍性大腸炎の成人患者を対象とする、「ENTYVIO」皮下注用製剤の維持療法の有効性および安全性を評価した無作為化二重盲検プラセボ対照試験である「VISIBLE 1試験」に基づくものです。- 2020年5月、当社は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎またはクローン病成人患者に対する維持療法として、「ENTYVIO」の皮下注射(SC)製剤の製造販売について、欧州委員会より承認を取得したことを公表しました。「ENTYVIO」のSC製剤は、プレフィルドシリンジ製剤およびペン製剤の両剤型で利用可能となります。 [ガテックス 一般名:teduglutide]- 2019年5月、当社は、「ガテックス」について、追加の栄養もしくは液体の静脈投与(非経口栄養補給)が必要な短腸症候群の1歳以上の小児患者への投与が米国食品医薬品局(FDA)より追加で承認されたことを公表しました。 [キャブピリン:ボノプラザンと低用量アスピリンの配合剤]- 2020年3月、当社は、「ボノプラザン」と低用量アスピリンの配合剤である「キャブピリン配合錠」について、厚生労働省より製造販売承認を取得したことを公表しました。 血漿分画製剤当社は、血漿分画製剤(PDT)に特化したPDTビジネスユニットを設立し、血漿の収集から製造および商用化まで、エンド・ツー・エンドのビジネスを運営しています。本疾患領域では製品のライフサイクル全体にわたってイノベーションを推進することにより、希少および複雑な疾患に対する血漿分画製剤による治療の価値を最大化させます。血漿分画製剤に特化した研究開発組織は、新たな治療ターゲットの特定、および、現有する製品の製造効率の最適化という役割を担います。PDTでは、世界中で、様々な希少疾患や、生命を脅かす、慢性および遺伝性疾患の患者さんに有効な治療を行う上で不可欠な治療薬を開発することに焦点を絞ります。 [開発コード:CoVIg-19 (旧 TAK-888)/ 一般名:抗SARS-CoV-2ポリクローナル高度免疫グロブリン製剤]- 2020年3月、当社は、米国議会において、当社が新型コロナウイルスに感染されたハイリスク患者さんに対する治療薬として抗 SARS-CoV-2ポリクローナル高免疫グロブリン(H−IG)の開発を開始すること、および、当社の上市済みの製品およびパイプラインの中で感染者に対する有効な治療薬となり得るものを調査していることについて情報共有しました。SARS-CoV-2は、COVID-19の原因となるウイルスです。高度免疫グロブリンは、これまでに重症急性ウイルス性呼吸器感染症の治療薬として有効であることが示されている血漿分画製剤であり、COVID-19の治療選択肢となる可能性があります。- 2020年4月、当社とCSL Behring社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬となり得る血漿分画製剤の開発に関する提携契約、「CoVIg-19 Plasma Alliance」を締結し、本提携にBiotest、BPL、LFB、Octapharmaの各社が参画したことを公表しました。本提携を通じ、COVID-19による重篤な合併症を有する患者さんの治療薬となり得るノーブランドの製品として、抗SARS-CoV-2ポリクローナル高度免疫グロブリン製剤の臨床開発に直ちに着手します。- 2020年5月、「CoVIg-19 Plasma Alliance」は参画メンバーとして血漿分画製剤に携わる企業を10社に拡大し、また、COVID-19から回復されたより多くの人々に血漿を提供してもらえるようにするために重要なサポートを行う血漿分画製剤の企業以外のグローバル機関も参画したことを公表しました。本アライアンスの発足当初に発表されたBiotest、BPL、CSL Behring、LFB、Octapharmaならびに当社に加え、新たな業界メンバーとしてADMA Biologics、BioPharma Plasma、GC Pharma、およびSanquinが参画します。これらの企業が一丸となり、COVID-19の治療選択肢となり得る薬剤の開発と流通を加速させるという本アライアンスの目標に寄与するため、専門知識に基づく助言、技術指導および/または物資による支援を提供します。 ワクチンワクチンでは、イノベーションを活用し、デング熱、ジカウイルス感染、ノロウイルス感染など、世界で最も困難な感染症に取り組んでいます。当社パイプラインの拡充およびプログラムの開発に対する支援を得るために、政府機関(日本、米国、シンガポール)や主要な世界的機関とのパートナーシップを締結しています。これらのパートナーシップは、当社のプログラムを実行し、それらのポテンシャルを最大限に引き出すための重要な能力を構築するために必要不可欠です。 [開発コード: TAK-003]- 2019年11月、当社は、「TAK-003」について、現在進行中のグローバル臨床第3相試験である「TIDES試験」(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)の主要評価項目の解析結果が、The New England Journal of Medicineに掲載されたことを公表しました。「TAK-003」は、4歳から16歳の小児・若年層において、デングウイルスの感染歴に関係なく、主要評価項目であるウイルス学的に確認されたデング熱感染(VCD)に対する予防効果を示しました。「TAK-003」の初回接種3か月後に2回目を接種した後、12か月の追跡期間におけるワクチン有効率(VE)は80.2%(95%信頼区間:73.3%~85.3%、p- 2019年11月、当社は、「TAK-003」について、「TIDES試験」の最新結果を、米国熱帯医学会(American Society of Tropical Medicine and Hygiene:ASTMH)第68回年次学術集会にて発表しました。「TAK-003」の初回接種3ヵ月後に2回目を接種した後、18ヵ月の追跡期間で得られたデータには、ワクチン有効率(VE)に関する最新情報と、デングウイルスの血清型別、ワクチン接種前の血清反応(デングウイルス感染歴の有無)別および重症度別の有効性に関する副次評価項目の解析結果が含まれています。「TIDES試験」では解析に十分な発症例数を収集し、全ての副次評価項目を満たしました。18ヵ月間追跡におけるパート2のVEおよび安全性に関する結果は、12ヵ月間追跡における主要評価項目の解析で報告されたデータと一貫性のある結果を示しました[接種2回目以後18ヵ月間追跡におけるVE:73.3%(95%信頼区間:66.5%~78.8%)、接種2回目以後12ヵ月間追跡における主要評価項目解析時のVE:80.2%(95%信頼区間:73.3%~85.3%)、p- 2020年3月、当社は、「TAK-003」に関する2つの論文がLancetに掲載されたことを公表しました。これらの論文は、現在進行中の臨床第3相試験である「TIDES試験」の18ヵ月時点の解析結果および臨床第2相試験である「DEN-204試験」の最終的な48ヵ月の解析結果についての報告であり、既報における「TAK-003」の安全性、免疫原性および有効性データと一貫性のあるものでした。 パイプラインの現状当社グループの各疾患領域および事業分野における研究開発活動の概要は、以下に示すとおりです。後出する主要な疾患領域および事業分野において開示されている当社グループパイプライン上の化合物は、それぞれ異なる開発段階にあり、現在開発中の化合物の開発中止や新規化合物の臨床ステージ入りにより、パイプラインの内容は今後変わる可能性があります。以下に示す化合物が製品として上市に至るかは、前臨床試験や臨床試験の結果、様々な医薬品の市場動向、規制当局からの販売承認取得の有無など、様々な要因に影響されます。以下の表記載は、米国・欧州・日本・中国に限定していますが、当社グループはその他の地域でも開発活動を行っています。以下、「グローバル」の表記は、米国・欧州・日本・中国を指します。 2020年5月13日(決算発表日)における当社グループのオンコロジー領域のパイプラインは以下のとおりです。開発コード<一般名>製品名(国名/地域)(注1)薬効(投与経路)適応症/剤型追加開発段階(注2)自社品/導入品SGN-35vedotin>アドセトリス(欧州、日本)CD30モノクローナル抗体薬物複合体(注射剤)末梢性T細胞リンパ腫(フロントライン適応)欧州申請 (2019/6) (注3)導入品(SeattleGenetics社)再発・難治性のホジキンリンパ腫中国申請 (2019/3) (注3)再発・難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)中国申請 (2019/3) (注3)ALUNBRIG(米国、欧州)ALK阻害薬(経口剤)ALK陽性非小細胞肺がん(フロントライン適応)米国日本中国申請 (2020/1) (注3)P-IIIP-III自社品ALK阻害薬投与歴のある患者におけるALK陽性非小細胞肺がん日本申請 (2020/2)クリゾチニブ投与歴のある患者におけるALK陽性非小細胞肺がん(アレクチニブとの直接比較試験)グローバルP-III第2世代チロシンキナーゼ阻害薬の投与歴のある患者におけるALK陽性非小細胞肺がんグローバルP-IIカボメティクス(日本)マルチターゲットキナーゼ阻害薬(経口剤)肝細胞がん(セカンドライン治療)日本申請 (2020/1)導入品(Exelixis社)腎がん(ファーストライン治療、ニボルマブとの併用)日本P-IIIPARP1/2阻害薬(経口剤)卵巣がん(維持療法)日本申請(2019/11)導入品(GlaxoSmithKline社)卵巣がん(サルベージ療法)日本申請(2019/11)MLN9708ニンラーロ(グローバル)プロテアソーム阻害薬(経口剤)自家造血幹細胞移植後の初発の多発性骨髄腫の維持療法米国欧州P-IIIP-III自社品自家造血幹細胞移植未実施の初発の多発性骨髄腫の維持療法グローバルP-III (注4)再発・難治性の多発性骨髄腫(デキサメタゾンとの2剤併用療法)米国欧州P-IIP-II再発・難治性の多発性骨髄腫(ダラツムマブとデキサメタゾンとの3剤併用療法)グローバルP-II 開発コード<一般名>製品名(国名/地域)(注1)薬効(投与経路)適応症/剤型追加開発段階(注2)自社品/導入品ICLUSIG(米国)BCR-ABL阻害薬(経口剤)フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(フロントライン適応)米国P-III自社品チロシンキナーゼ阻害薬の治療に抵抗性を示す慢性骨髄性白血病の患者を対象とする用量設定試験米国P-II(b)TAK-924NEDD8活性化酵素阻害薬(注射剤)高リスク骨髄異形成症候群、慢性骨髄単球性白血病、低ブラスト急性骨髄性白血病米国欧州日本P-IIIP-IIIP-III自社品移植非適応の急性骨髄性白血病グローバルP-IIITAK-385LH-RHアンタゴニスト(経口剤)前立腺がん日本中国P-IIIP-III自社品TAK-788EGFR/HER2 阻害薬(exon20変異対応)(経口剤)exon20挿入変異を有する非小細胞肺がん(フロントライン適応)グローバルP-III自社品exon20挿入変異を有する非小細胞肺がん(セカンドライン以降)グローバルP-IITAK-007CD19 CAR-NK細胞療法(注射剤)再発・難治性のB細胞性悪性腫瘍-P-I/II導入品(MD Anderson Cancer)TAK-169CD38-SLTA(注射剤)再発・難治性の多発性骨髄腫-P-I導入品(Molecular Templates社)TAK-573抗CD38抗体(IgG4)と活性減弱IFNαとの融合蛋白(注射剤)再発・難治性の多発性骨髄腫-P-I導入品(Teva Pharmaceutical Industries社)TAK-981SUMO阻害薬(注射剤)複数のがん種-P-I自社品TAK-252/SL-279252PD-1-Fc-OX40L(注射剤)固形がん又はリンパ腫-P-I導入品(Shattuck Labs社) 2020年5月13日(決算発表日)における当社グループの希少疾患領域のパイプラインは以下のとおりです。開発コード<一般名>製品名(国名/地域)(注1)薬効(投与経路)適応症/剤型追加開発段階(注2)自社品/導入品TAK-743TAKHZYRO(米国、欧州)血漿カリクレイン阻害薬(注射剤)遺伝性血管性浮腫中国日本申請(2018/12)P-III自社品遺伝性血管性浮腫(小児)グローバルP-IIITAK-672OBIZUR(米国、欧州)抗血友病因子(遺伝子組換え)(注射剤)インヒビター保有先天性血友病A米国欧州P-IIIP-III購入品(IPSEN社)TAK-577/SHP677VONVENDI(米国)VEYVONDI(欧州)フォン・ヴィレブランド因子(遺伝子組換え)(注射剤)フォン・ヴィレブランド病の予防グローバルP-III自社品フォン・ヴィレブランド病の出血時補充療法(小児)グローバルP-III自社品TAK-660ADYNOVATE(米国)ADYNOVI(欧州)抗血友病因子(遺伝子組換え)、PEG修飾(注射剤)血友病A(小児)欧州P-III自社品TAK-755欠損したADAMTS13 酵素の補充(注射剤)先天性血栓性血小板減少性紫斑病米国欧州P-IIIP-III導入品(KMバイオロジクス社)免疫性血栓性血小板減少性紫斑病米国欧州P-IIP-II鎌状赤血球症米国P-I/IITAK-620ベンズイミダゾールリボシド系阻害薬(経口剤)移植手術を受けた患者におけるサイトメガロウイルス感染症米国欧州P-IIIP-III導入品(GlaxoSmithKline社)TAK-607インスリン様成長因子/インスリン様成長因子結合タンパク(注射剤)早産児合併症-P-II自社品TAK-609髄腔内投与用ヒトイズロン酸-2-スルファターゼ(遺伝子組換え)(注射剤)ハンター症候群(中枢性)米国欧州P-IIP-II自社品TAK-611ヒトアリールスルファターゼA(遺伝子組換え)(髄腔内投与)異染性白質ジストロフィー-P-II自社品TAK-754内因性第Ⅷ因子発現の回復(遺伝子治療)血友病A(第Ⅷ因子遺伝子治療)-P-I/II導入品(Askepios Biopharmaceutical社) 開発コード<一般名>製品名(国名/地域)(注1)薬効(投与経路)適応症/剤型追加開発段階(注2)自社品/導入品TAK-079(注5)抗CD38モノクローナル抗体(注射剤)重症筋無力症-P-I/II自社品全身性エリテマトーデス-P-I/IITAK-834NATPARA(米国)NATPAR(欧州)副甲状腺ホルモン(注射剤)副甲状腺機能低下症日本P-I (注6)自社品 2020年5月13日(決算発表日)における当社グループのニューロサイエンス領域のパイプラインは以下のとおりです。開発コード<一般名>製品名(国名/地域)(注1)薬効(投与経路)適応症/剤型追加開発段階(注2)自社品/導入品TAK-815BUCCOLAM(欧州)GABAアロステリック調節薬(経口剤)てんかん重積状態日本申請(2020/2)自社品TAK-831(注7)D -アミノ酸酸化酵素阻害薬(経口剤)統合失調症に伴う陰性症状および認知機能障害-P-II(a)自社品TAK-935CH24H阻害薬 (経口剤)ドラベ症候群、レノックス・ガストー症候群-P-II自社品(Ovid Therapeutics社との共同開発)15q重複症候群、サイクリン依存性キナーゼ様5(CDKL5)遺伝子欠損症-P-II複合性局所疼痛症候群-P-Ⅱ自社品WVE-120101mHTT SNP1アンチセンスオリゴヌクレオチド(注射剤)ハンチントン病-P-I/II導入品(Wave Life Science社)WVE-120102mHTT SNP2アンチセンスオリゴヌクレオチド(注射剤)ハンチントン病-P-I/II導入品(Wave Life Science社)TAK-041(注7)GPR139アゴニスト(経口剤)統合失調症に伴う陰性症状および認知機能障害-P-I自社品TAK-341/MEDI1341抗α-シヌクレイン抗体(注射剤)パーキンソン病-P-I導入品(AstraZeneca社)TAK-418LSD1阻害薬(経口剤)歌舞伎症候群-P-I自社品TAK-653(注7)AMPA受容体ポテンシエーター(経口剤)治療抵抗性うつ病-P-I自社品TAK-925オレキシン2Rアゴニスト(注射剤)ナルコレプシー、その他の睡眠障害-P-I自社品TAK-994オレキシン2Rアゴニスト(経口剤)ナルコレプシー-P-I自社品 2020年5月13日(決算発表日)における当社グループの消化器系疾患領域のパイプラインは以下のとおりです。開発コード<一般名>製品名(国名/地域)(注1)薬効(投与経路)適応症/剤型追加開発段階(注2)自社品/導入品MLN0002エンティビオ(米国、欧州、日本)ヒト化抗α4β7インテグリンモノクローナル抗体(注射剤)皮下投与製剤(潰瘍性大腸炎)米国日本審査完了通知受領(2019/12)(注8)申請(2019/8)自社品皮下投与製剤(クローン病)米国日本P-IIIP-III同種造血幹細胞移植を受けている患者における 移植片対宿主病の予防欧州日本P-IIIP-III潰瘍性大腸炎・クローン病(小児)グローバルP-IICx601ALOFISEL(欧州)同種異系脂肪由来幹細胞懸濁剤(注射剤)難治性のクローン病に伴う肛囲複雑瘻孔米国日本P-IIIP-III自社品TAK-438タケキャブ(日本)VOCINTI(中国)カリウムイオン競合型アシッドブロッカ(経口剤)酸関連疾患(逆流性食道炎の維持療法)中国申請(2020/3)自社品酸関連疾患(十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助)中国申請(2020/4)口腔内崩壊錠日本P-IIITAK-633GATTEX(米国)/REVESTIVE(欧州)GLP-2アナログ(注射剤)短腸症候群(小児)日本P-III自社品短腸症候群(成人)日本P-IIITAK-721糖質コルチコステロイド(経口剤)好酸球性食道炎米国P-III自社品(UCSDおよびFortis Advisorsとの研究協力)TAK-906ドパミンD2/D3受容体アンタゴニスト(経口剤)胃不全麻痺-P-II(b)自社品TAK-9545-HT4受容体アゴニスト(注射剤)術後消化器機能障害-P-II(b)導入品(Theravance社) 開発コード<一般名>製品名(国名/地域)(注1)薬効(投与経路)適応症/剤型追加開発段階(注2)自社品/導入品TAK-101 (注9)Tolerizing Immune Modifying nanoParticle (TIMP)(注射剤)セリアック病-P-II(a)導入品(Cour Pharmaceuticals社)TAK-018/EB8018FimHアンタゴニスト(経口剤)クローン病-P-II導入品(Enterome社)TAK-951ペプチドアゴニスト悪心、嘔吐-P-I自社品TAK-671プロテアーゼ阻害薬(注射剤)急性膵炎-P-I自社品(Samsung Bioepis社との共同開発)TAK-062 (注10)グルテン分解酵素(経口剤)セリアック病-P-I自社品TAK-039細菌コンソーシアム(経口剤)クロストリジウム・ディフィシル感染症―P-I導入品(NuBiyota社) 2020年5月13日(決算発表日)における当社グループの血漿分画製剤のパイプラインは以下のとおりです。開発コード<一般名>製品名(国名/地域)(注1)薬効(投与経路)適応症/剤型追加開発段階(注2)自社品/導入品TAK-616CINRYZE (米国、欧州)C1エステラーゼ阻害薬(注射剤)遺伝性血管性浮腫日本P-III自社品TAK-771HYQVIA(米国、欧州)遺伝子組換え型ヒトヒアルロニダーゼ含有免疫グロブリンG補充療法(注射剤)原発性免疫不全症(小児適応)米国P-III自社品(Halozyme社との提携)慢性炎症性脱髄性多発根神経炎米国欧州P-IIIP-III 2020年5月13日(決算発表日)における当社グループのワクチンのパイプラインは以下のとおりです。開発コード<一般名>製品名(国名/地域)(注1)薬効(投与経路)適応症/剤型追加開発段階(注2)自社品/導入品TAK-0034価デング熱ワクチン(注射剤)デング熱の予防-P-III自社品TAK-214ノロウイルスワクチン(注射剤)ノロウイルスによる急性胃腸炎の予防-P-II(b)自社品TAK-021EV71ワクチンエンテロウイルス71により発症する手足口病の予防-P-I自社品TAK-426ジカウイルスワクチン(注射剤)ジカウイルス感染の予防-P-I自社品(米国政府Biomedical Advanced Research and Development Authorityとの共同開発) (注1)製品名および国名/地域の記載は、米国・欧州・日本・中国のいずれかにおいて何らかの適応症で承認を取得した品目の製品名および国名であり、当社が該当品目の販売権を有していることを意味します。(注2)ここでの国/地域の記載は、米国・欧州・日本・中国のいずれかにおける販売承認取得の意図をもって臨床試験が進行中または承認申請済みであることを示しています。(注3)2020年5月に承認済み。(注4)日本については2020年5月に申請済み。(注5)再発・難治性の多発性骨髄腫の試験は試験終了まで継続。TAK-079は希少疾患の重症筋無力症および免疫性血小板減少性紫斑病で開発の予定(FSI(第一被験者の登録日)は2020年度前半の見込み)。(注6)日本におけるP-Ⅰ試験が完了し、P-Ⅲ試験開始の時期を検討。(注7)2020年6月16日に当社グループは、当社グループのTAK-041、TAK-653およびTAK-831を含む早期から中期開発段階の精神疾患領域パイプラインの開発および製品化に関する、Neurocrine Biosciences, Inc.との戦略的提携について発表致しました。当社グループは一時金として現金を受け取り、また、一定の開発マイルストン、販売マイルストン、および売上高に応じたロイヤルティを取得する権利を有します。特定の開発段階において、当社グループは、すべての臨床試験プログラムについて、1つひとつのパイプラインごとに、50:50の利益配分を受ける、または受けない選択をすることができます。当社グループが50:50の利益配分の適用を受けるパイプラインについて、当社グループは開発または販売マイルストンを受領する権利を有しません。(注8)米国FDAから受領した皮下投与製剤に対するComplete Response Letter(審査完了通知)は、臨床での安全性・有効性データに関連するものではなく、皮下投与製剤のデザインやラベルに関する内容です。本CRLの内の解決に向けて取り組んでおり、2020年前半にタイムラインを更新できることを期待しております。(注9)TAK-101(旧「TIMP-GLIA」)のライセンスはCour Pharmaceuticals社より取得しました。(注10)TAK-062を含むPvP Biologics社を買収しました。旧開発コードはKuma062です。 当社グループの承認取得の進捗状況は以下のとおりであります。開発コード<一般名>適応症/剤型追加国/地域(注1)進捗情報(注2)MLN0002クローン病日本承認(2019/5)TAK-633短腸症候群(小児)米国承認(2019/5)Lu AA21004うつ病・うつ状態日本承認(2019/9)SGN-35末梢性T細胞リンパ腫日本承認(2019/12)TAK-438酸関連疾患(逆流性食道炎)中国承認(2019/12)MLN9708自家造血幹細胞移植後の初発の多発性骨髄腫の維持療法日本承認(2020/3)根治切除不能又は転移性の腎細胞がん日本承認(2020/3)TAK-577フォン・ヴィレブランド病日本承認(2020/3)MLN0002クローン病(静脈投与製剤)中国承認(2020/3)MLN0002潰瘍性大腸炎(静脈投与製剤)中国承認(2020/3)TAK-438低用量アスピリンとの配合剤日本承認(2020/3)ALK陽性非小細胞肺がん(フロントライン適応)欧州承認(2020/4)MLN0002皮下投与製剤(潰瘍性大腸炎、クローン病)欧州承認(2020/5) (注1)国/地域の記載は、米国・欧州・日本・中国のいずれかにおいて、臨床試験が継続しているまたは販売承認申請がなされた国/地域を示しています。(注2)2020年5月13日(決算発表日)後、以下の品目が承認されています。・SGN-35 未治療の全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)(欧州、2020年5月承認)・SGN-35 再発・難治性のホジキンリンパ腫(中国、2020年5月承認)・SGN-35 再発・難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)(中国、2020年5月承認)・Brigatinib ALK陽性非小細胞肺がん(フロントライン適応)(米国、2020年5月承認) ライセンスおよび共同研究開発契約当社は通常の事業において、製品開発および商業化のために第三者とライセンス契約や業務提携を行うことがあります。当社の事業は、こうした個々の契約に大きく依存するものではありませんが、これらの契約は全体として、社内外のリソースを組み合わせて活用することで新製品の開発や上市を可能にするという当社の戦略の一部を構成しています。これまで製品上市に寄与してきた契約の一部に関する概要は以下の通りであります。- アドセトリス:2009年、当社はSeattle Genetics(以下、「シアトルジェネティクス社」)と、「アドセトリス」のグローバル共同開発および世界各国(同社が本剤を販売している米国、カナダを除く)における販売の提携契約を締結しました。本提携関係に基づき、当社による開発ならびに販売の進捗に関してマイルストン支払が発生する可能性があります。また、契約対象地域における「アドセトリス」の正味売上高に基づき10%台半ばから20%台半ばの割合で段階的なロイヤルティを支払います。当社とシアトルジェネティクス社は、本提携関係のもとで実施される選択された開発活動の費用を均等に共同で負担します。本提携関係は、いずれか一方の当事者による正当な事由または両者の合意をもって解除することができます。当社は本提携関係を自由に解除でき、シアトルジェネティクス社は一定の状況において本提携関係を解除できます。両社により提携解除がなされなかった場合、本契約は全ての支払い義務の満了をもって自動的に終了します。2020年3月31日現在、当社の「アドセトリス」提携契約に基づく開発およびコマーシャルマイルストンの残存支払見込額はありません。- トリンテリックス:2007年、当社はH. Lundbeck A/S(以下、「ルンドベック社」)とライセンス、開発、供給および販売契約を締結し、同社の保有する気分障害・不安障害治療薬パイプライン上の複数の化合物について米国および日本における独占的な共同開発および共同販売権を取得しました。本契約に基づき、当社は米国および日本で「トリンテリックス」を販売しております。本契約に基づき、当社とルンドベック社は、開発資金の大部分を当社が負担することとし、関連化合物の共同開発に合意しました。「トリンテリックス」による収益は当社が計上し、当社はルンドベック社に対し売上の一部に加え、当社による本剤の売上に基づき10%台前半から半ばの割合で段階的なロイヤルティを支払います。本契約は無期限に存続しますが、両者の合意または正当な事由をもって解除することができます。2020年3月31日現在、当社の「トリンテリックス」提携契約に基づく開発および販売マイルストンの残存支払見込額は、約5百万米ドルです。- アミティーザ:2004年10月、当社はSucampo Pharmaceuticals(後にMallinckrodtが買収、以下、「マリンクロット社」)と消化器系の適応症での「アミティーザ」の米国およびカナダにおける購買、開発および販売の契約を締結しました。本契約は2020年12月31日まで有効であり、当社により解除されるまで自動的に更新されます。本契約に基づき、当社はマリンクロット社から「アミティーザ」を合意された価格で購入し、北米における売上高に基づき10%台の毎年見直される割合で段階的なロイヤルティを支払います。2021年1月1日以降は、当社とマリンクロット社で「アミティーザ」ブランドの販売による年間正味売上高を均等に分配します。当社とマリンクロット社は、一部を除いて、規制当局の指示による治験を含む開発費用を当社が負担し、該当費用が合意された上限額を超えた場合は超過分を均等に負担することに合意しております。同社とは、日本および中国を除く、他の国と地域についても類似の契約を締結しています。当社は、本契約の期間において、売上目標達成を条件とした追加のコマーシャルマイルストンの支払いと、年間販売活動に対する最低額の出費に合意しました。これらの支払いは、本剤の後発品発売により減額される可能性があります。2020年3月31日現在、当社の「アミティーザ」提携契約に基づく販売マイルストンの残存支払見込額はありません。 将来に向けた研究プラットフォームの構築/研究開発における提携の強化- 2019年7月、当社と京都大学iPS細胞研究所(「CiRA」(サイラ))は、新規iPS細胞由来キメラ抗原受容体(CAR)1遺伝子改変T細胞療法(iCART)に関する研究成果が、両社の共同研究プログラムであるT-CiRAから当社に継承されたことを公表しました。本プログラムの臨床試験に向けたプロセス開発が開始されています。- 2019年10月、当社とCOUR Pharmaceuticals Development Company, Inc.(「COUR社」)は当社がCOUR社からグリアジンタンパク質含有のImmune Modifying Nanoparticleである「CNP-101/TAK-101」の全世界での独占的な開発および製品化の権利を獲得したことを公表しました。COUR社の抗原特異的な免疫寛容技術を用いた「TAK-101」は、グルテン摂取により小腸の炎症・傷害を引き起こす重篤な自己免疫疾患であるセリアック病の異常免疫反応に対するファーストインクラスとなる可能性のある治療薬です。セリアック病患者34名を対象とし、「TAK-101」の有効性および安全性を示す可能性のあるマーカーを検討した、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験である臨床試験の結果は、欧州消化器病週間(United European Gastroenterology Week: UEGW)2019のLate-breaking Abstractとして発表されました。良好にコントロールされ、生検によりセリアック病と診断された患者が本試験に登録され、その後、患者はグルテンチャレンジを実施しました。本試験の結果を受け、当社は「TAK-101」の独占的な全世界のライセンスを獲得するオプション権を行使しました。- 2019年11月、当社とThe University of Texas MD Anderson Cancer Center (「MD Anderson」)は、B細胞性悪性腫瘍やその他のがんをターゲットとしたIL-15分泌促進型キメラ抗原受容体を発現した臍帯血由来NK(CAR NK)細胞療法に関し、独占的ライセンス契約ならびに共同研究開発契約を締結したことを公表しました。本契約に基づき、当社はMD AndersonのCAR NK基盤技術へのアクセス権と、CD19をターゲットとしたCAR NK細胞療法や、B細胞成熟抗原(BCMA)をターゲットとしたCAR NK細胞療法を含む最大4つのプログラムについての開発および販売に関する独占的権利を獲得します。当社およびMD Andersonはまた、これらのCAR NKプログラムの開発をさらに進展させるための共同研究を実施します。- 2019年12月、当社とTurnstone Biologics(「Turnstone社」)は、Turnstone社が有する独自のワクシニアウイルスプラットフォームを用いて幅広い種類のがんを対象とした複数の製品を開発するための戦略的共同開発契約を締結したことを公表しました。両社はTurnstone社のリードプログラムである「RIVAL-01」(TAK-605)についてグローバルで共同開発・商業化を行うとともに、今後、ワクシニアウイルスプラットフォームに基づいた追加の新規治療薬候補を特定するための共同研究も併せて実施します。- 2020年2月、当社は、コントロール不良のセリアック病の治療薬である「TAK-062(Kuma062)」の臨床第1相試験としてのproof-of-mechanism試験(作用機序の確認試験)の結果を受け、PvP Biologics, Inc.を買収したことを公表しました。「TAK-062」は、ベストインクラスとなり得る、極めて強力なスーパーグルテナーゼ(摂取したグルテンを分解するタンパク質)であり、グルテンの摂取によって小腸に炎症や損傷がもたらされる深刻な自己免疫疾患であるセリアック病の治療薬としてコンピュータで設計されました。臨床第1相試験では、健常人とセリアック病患者の両方で「TAK-062」の安全性と忍容性を検討しました。摂取したグルテンに対するTAK-062の分解能については、健常人を対象として検討しました。当社は、本臨床第1相試験の結果を、今後の医学会において発表するため、データを提出する予定です。 当社の上記以外の研究開発ライセンスおよび提携のパイプラインは下表のとおりですが、これらに限定されません。提携先国提携の内容 オンコロジー(がん):Adimab LLC米国がん領域において、3つのモノクローナル抗体及び3つのCD3二重特異性抗体の創薬・開発・販売。Centre d’Immunologie de Marseille-Luminyフランス先天性生物学における専門知識を当社のBacTrap技術と組み合わせ、骨髄細胞における新規の標的および経路を検証。あすか製薬株式会社日本relugolix(一般名、開発コード:TAK-385)に関し、製品価値の最大化を目的に、日本における子宮筋腫の独占的販売権および子宮内膜症の独占的開発・販売権を、あすか製薬に導出するライセンス契約。Crescendo Biologics Ltd.英国がん領域におけるHumabody®を用いた治療薬の創製、開発および販売。CuraDev英国CuraDev社は新規低分子の Stimulator of Interferon Genes (STING) 作動薬(同社による呼称ではCRD5500) とその関連する特許を当社に導出。Exelixis, Inc.米国がん治療薬cabozantinibに関して、日本における進行性腎細胞がん及び肝細胞がんをはじめ適応拡大を含めた独占的な開発・販売権を獲得。GammaDelta Therapeutics Ltd. ("GammaDelta社")英国ヒト組織常在型のガンマ・デルタT細胞が有する独自の特性に基づくGammaDelta社の新規T細胞基盤技術を活用した、新たな免疫治療薬の研究開発。HiFiBiO Inc.米国消化器系疾患およびがん領域において新規の治療抗体を見出すためのハイスループット抗体探索基盤技術。Heidelberg Pharma GmbHドイツ抗体薬物複合体に関する2標的とライセンスを含む研究提携(アルファアマニチン毒素
FY2017|12,390 文字
6 【研究開発活動】 当社は、医薬品事業を中心に、幅広い研究開発活動を展開しております。当年度における全体の研究開発費は3,123億円であり、うち、医療用医薬品事業において3,052億円、コンシューマーヘルスケア事業において14億円を計上しております。当社では、全体にかかる研究開発費のほとんどを医療用医薬品の研究開発活動にあてております。 (医療用医薬品事業)- 研究開発体制の変革 当社は、2016年7月29日、研究開発体制の変革を加速するプランを策定したことを公表しました。当社は、「オンコロジー(がん)」、「消化器系疾患」、「中枢神経系疾患」の3つの重点疾患領域と「ワクチン」に研究開発分野を絞り込みます。また、業務の効率化を推進して必要とされる能力が適切な分野に確実に配置されるとともに、研究開発部門と事業部門やコーポレート部門との協働関係の最適化の必要性も検討しながら、取り組んでまいります。 このたびの研究開発体制の変革は、イノベーションを推進し、研究開発の生産性を高めることを目的としており、コスト削減が目的ではありません。当社は、今後数年間、自社と外部提携のバランスを取りながら研究開発への投資を行ってまいります。 研究開発の組織としては、世界レベルの拠点であり外部提携を推進する湘南およびボストン、各地域に配置されたスリムで最先端のリージョナル開発機能およびメディカルセンター、バイオテックに類似の研究センターがあるサンディエゴに集約します。いくつかの研究開発拠点の閉鎖あるいは集約については、従業員代表、労働組合、労使協議会と緊密に連携し、協議をオープンにかつ透明性を担保しながら継続してまいります。研究、開発、ファーマシューティカルサイエンス部門においては、起業家的ビジネスモデルやパートナーシップにより、多くの従業員に新たな機会を提供し、会社ニーズとも合致するより良い方策を検討します。 当社は、本研究開発体制の変革について、2016年7月に開示した方針の徹底と具体的施策を実施してまいりました。2016年7月29日以降の進捗状況は以下のとおりです。 •より効果的に研究開発を推進するべく、グローバルレベルで拠点を整理(日本と米国に集約) •PRAヘルス・サイエンシズ社(PRA社)と臨床開発に関するグローバルでのパートナーシップを締結し、予定通り計画を実施中;(i)米国および英国において、新薬開発および市販後製品の業務支援を行う従業員のPRA社への転籍を完了、(ii)日本においては、臨床開発業務およびファーマコビジランス業務を行う合弁会社の設立に合意 •武州製薬とファーマシューティカルサイエンス(CMC※)に関する日本におけるパートナーシップについて合意し、本合意のもと、事業の一部を武州製薬に移管予定※Chemistry, Manufacturing and Controls (化学、製造および品質管理)の略で、CMC研究とは創薬研究で見出された新薬候補物質を医薬品として市場に供給するための、原薬や製剤の設計・製品品質の設計・製造プロセスの開発を行う研究開発活動のこと •外部との革新的な提携として、セレバンス社およびスコヒアファーマ社と契約を締結 •創薬研究部門の一部事業を分社化し、湘南研究所に設立した当社100%子会社へ承継 当社は、バイオテク企業やアカデミアと幅広く提携することに注力しており、過去18ヶ月の間に50以上の共同研究開発契約を締結しました。アリアド社の買収も本研究開発体制の変革の一例です。 - 研究開発活動の内容および成果 当年度においてプレスリリースされた研究開発活動ならびに事業開発活動の主な内容および成果は下記のとおりです(領域毎に時系列に記載)。 オンコロジー[ニンラーロ]•2016年4月、経口プロテアソーム阻害剤「ニンラーロ(一般名:イキサゾミブ)」について、再発・難治性の多発性骨髄腫の患者を対象に、週1回経口投与カプセル剤のニンラーロ、レナリドミド、デキサメタゾンの併用群とプラセボ、レナリドミド、デキサメタゾンの併用群とを比較した、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照の国際共同試験である臨床第3相試験TOURMALINE-MM1の結果がNew England Journal of Medicine(NEJM)誌に掲載されました。 •2016年5月、欧州医薬品評価委員会(CHMP)より、再発・難治性の多発性骨髄腫の効能において、承認を推奨しないという否定的見解が示されました。当社は、本見解を不服とし、CHMPにおける再審査を要請しました。2016年9月、CHMPより、前治療歴のある多発性骨髄腫に対するレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用の効能において、条件付き承認を推奨する肯定的見解が示され、2016年11月、欧州委員会(EC)より、条件付き販売許可を取得しました。 •2016年7月、再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした製造販売承認申請を日本の厚生労働省に提出しました。2017年3月、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。 [アドセトリス]•2016年5月、米国シアトルジェネティクス社より導入した悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)」について、CHMPにおいて、条件付で承認されている適応を拡大し、自家造血幹細胞移植後の再発・進行リスクの高いCD30陽性ホジキンリンパ腫の適応追加の承認を推奨する見解が示され、2016年7月、ECより承認を取得しました。 •2016年7月、再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者に対し、「アドセトリス」を単独投与した臨床第2相試験の最終データがBlood誌に掲載されました。 •2016年8月、当社と米国シアトルジェネティクス社は、皮膚T細胞リンパ腫に対する「アドセトリス」の効果を検証した臨床第3相試験であるALCANZA試験において、主要評価項目を達成し、4ヵ月以上にわたる持続的な客観的奏効率の統計学的に有意な改善を示したことを公表しました。2016年12月、ALCANZA試験のデータを、米国血液学会(ASH)年次総会において、オーラルセッションで発表しました。 •2016年11月、当社と米国シアトルジェネティクス社は、未治療のCD30陽性成熟型T細胞リンパ腫患者を対象とし、化学療法と併用した場合の「アドセトリス」の一次(フロントライン)治療としての有用性を検討する無作為化グローバル臨床第3相試験であるECHELON-2試験の患者登録が完了したことを公表しました。 •2017年6月、皮膚T細胞リンパ腫に対する「アドセトリス」の効果を検証した臨床第3相試験であるALCANZA試験の結果がLancet誌に掲載されました。 • 2017年6月、当社と米国シアトルジェネティクス社は、未治療の進行期古典的ホジキンリンパ腫患者を対象とし、化学療法と併用した場合の「アドセトリス」の一次(フロントライン)治療としての有用性を検討した無作為化、多施設共同の臨床第3相試験であるECHELON-1試験において、主要評価項目を達成し、対照群と比較して統計学的に有意な修正無増悪生存期間の改善が示されたことを公表しました。 [パートナーシップ/事業開発活動]•2016年6月、当社は、米国エムツージェン社と、がん患者の膨大なゲノムデータを収集するための提携契約を締結しました。エムツージェン社は、北米を代表するがんセンターが参加する共同研究ネットワークOncology Research Information Exchange Network (ORIEN)を通じて米国の主要ながんセンターと提携しており、今回の同社との提携により、当社は、様々ながん患者を対象とした前向き観察試験であるTotal Cancer Care®プロトコルに基づいた、ORIEN AvatarTM研究プログラムの構築を支援し、本プログラムから得られた情報を活用します。 •2016年6月、当社は、米国アムジェン社から導入した複数の新薬候補および製品の日本における開発・販売権について、同社との既存の契約を改定しました。これにより、当社は、「AMG403(一般名:fulranumab)」と「AMG386(一般名:trebananib)」をはじめとする複数の新薬候補および製品について、当該権利をアムジェン社へ返還します。切除不能な進行・再発性大腸がん治療剤「ベクティビックス(一般名:パニツムマブ)」をはじめとした残りの品目については、日本における開発・販売の提携関係を今後も継続してまいります。 •2016年8月、当社は、多発性骨髄腫における最大級の製薬企業主導のグローバル観察研究を開始しました。INSIGHT-MMと名付けられた、オープンソースの本共同研究は、3年間で5,000名の患者登録を目指すとともに、本研究では、症状のパターン、患者特性、治療、転帰を追跡し、実臨床下において多発性骨髄腫の知見を深めることを目的として少なくとも5年間にわたって各患者さんのフォローアップを行います。 •2016年10月、当社は、英国クレッシェンド・バイオロジクス社と、Humabody®を用いた治療薬の創製、開発および販売に関して、グローバルでの戦略的提携契約およびライセンス契約を締結しました。クレッシェンド・バイオロジクス社は、今後、独自の遺伝子改変プラットフォームと工学技術を活かし、当社が選定した複数の標的に対するHumabody製剤(Humabody抗体薬物複合体およびがん免疫調節薬)を創製するとともに、その設計の最適化を行います。 •2017年1月、当社は、米国マーベリック・セラピューティクス社と、がん治療におけるマーベリック・セラピューティクス社のT細胞誘導療法の基盤技術開発に関する提携契約を締結しました。本技術は、T細胞によるがん細胞認識および攻撃能力の有効性を向上させるために開発されたものです。本提携にあたり、当社は契約一時金、株式および研究開発費用、ならびに5年間の提携後に同社を買収する独占的オプション権を含め、1億2,500万米ドルを支払います。 •2017年1月、当社は、米国エクセリシス社と、同社の有するがん治療薬cabozantinibについて、日本における独占的開発・販売権に関する契約を締結したことを公表しました。cabozantinibは既に米国や欧州で進行性腎細胞がんの治療剤「CABOMETYXTM錠」として販売されていますが、本契約により、当社は日本における進行性腎細胞がんをはじめ適応拡大を含めた独占的な開発権および販売権を有することになります。両社は今後、日本において進行性肝細胞がんを含めた臨床開発を行う予定です。 •2017年2月、当社は、米国アリアド社を買収しました。アリアド社の買収は非常に戦略的であり、固形がん分野への拡大と血液がん分野のさらなる強化によって、当社のグローバルなオンコロジーポートフォリオとパイプラインを変革します。brigatinibは、非小細胞肺がんに対する低分子ALK阻害薬であり、ベスト・イン・クラスとなる可能性、10億米ドルを超えるピーク年間売上の可能性を有しています。慢性骨髄性白血病とフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病治療剤「アイクルシグ」はグローバルに販売中です(米国外の一部地域における販売権は導出)。これら2つのターゲットを絞った革新的な治療薬は、コストシナジーも伴い、武田オンコロジーのバリュードライバーとなることが期待されます。また、同社は、魅力的な早期ステージのパイプラインを有しており、当社は同社の研究開発能力や基盤技術を活用します。本買収は、当社の医療用医薬品事業における短期的長期的な成長に貢献します。2017年4月、アリアド社は、米国食品医薬品局(FDA)より、brigatinib(米国製品名:「ALUNBRIG」)について、迅速承認制度に則り販売許可を取得しました。 消化器系疾患[エンティビオ]•2016年5月、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ(一般名:ベドリズマブ)」について、2016年米国消化器病週間(DDW)において、潰瘍性大腸炎治療パラダイムにおける本剤の最適な位置付けに関する評価、および本剤の治療初期の血中濃度トラフ値がその後の効果に及ぼす影響に関する調査について、オーラルプレゼンテーションで発表しました。 •2016年9月、中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎を対象として「エンティビオ」の治療効果を評価したGEMINI 1試験データのうち、抗TNFα抗体による治療歴に基づく探索的解析の結果がClinical Gastroenterology and Hepatology誌に掲載されました。 •2016年9月、中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病患者を対象とした長期治療データについて、現在実施中の非盲検試験であるGEMINI long-term safety (GEMINI LTS)試験の2つの中間解析データが、Journal of Crohn’s & Colitis誌に掲載されました。 •2016年10月、中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎・クローン病に対する実臨床下での「エンティビオ」の有効性および安全性に関するデータについて、欧州消化器病学会週間(UEGW)において発表しました。実臨床下において本剤による治療を受けた5,000名以上の潰瘍性大腸炎・クローン病患者を対象としたデータにより、本剤の治療による顕著な寛解率、疾患活動性スコアの減少、粘膜治癒が示されました。 •2016年12月、中等度から重度の活動期クローン病患者を対象に「エンティビオ」の治療効果を検討したGEMINI 2試験およびGEMINI 3試験のデータに関し、事前に規定されていた、および事後に探索的に検討されたアウトカムに基づく解析結果が、Inflammatory Bowel Diseases誌に掲載されました。 •2017年2月、第12回欧州クローン病・大腸炎会議(ECCO)において、GEMINI LTS試験の中間解析結果ならびにGEMINI 1試験の事後解析による追加データを発表しました。 •2017年5月、中等度から重度の活動期潰瘍性大腸炎・クローン病に対する「エンティビオ」の有効性および安全性について、2017年DDWにおいて、8つの実臨床解析データを発表しました。 [パートナーシップ/事業開発活動]•2016年6月、当社は、アイルランドのセラバンス・バイオファーマ社と、経腸栄養不耐性の患者を含む消化管運動障害治療薬として開発中の選択的5-HT4受容体作動薬「TD-8954」について、全世界における開発・販売に関する独占的権利を当社が獲得する契約に合意しました。 •2016年7月、当社は、米国アルトス・セラピューティクス社と、胃不全麻痺における嘔気・嘔吐症状に対する経口ドパミンD2/D3受容体拮抗薬として開発中の「ATC-1906」について、開発に関する契約を締結しました。2017年3月、当社は「ATC-1906」の臨床第1相試験終了後に、同社を買収するオプション権を行使しました。 •2016年7月、当社は、ベルギーのタイジェニクス社と、クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬であり、病変内に注入する同種異系の脂肪由来幹細胞の懸濁剤である「Cx601」について、米国外の独占的開発・販売権に関する契約を締結しました。本薬は、2009年に肛囲複雑瘻孔治療薬としてECよりオーファン指定を受けており、タイジェニクス社は、2016年3月、欧州医薬品庁(EMA)に販売許可申請を行ったことを公表しています。 •2016年8月、当社とベルギーのタイジェニクス社は、「Cx601」について、クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔に対する単回投与の有効性と安全性を検討するためにデザインされた、無作為化、二重盲検、プラセボ対照臨床第3相試験ADMIRE-CD試験の24週時点の成績が、Lancet誌(オンライン版)に掲載されたことを公表しました。2017年2月、第12回ECCOにおいて、ADMIRE-CD試験における52週時点の新たな成績を発表しました。 •2016年12月、当社は、米国PvPバイオロジクス社と、新しい酵素製剤「KumaMax」の開発におけるグローバルでの提携契約を締結しました。「KumaMax」は、グルテンが持つ自己免疫反応を引き起こす成分を胃の中で分解するよう設計された酵素製剤であり、誤ってグルテンを摂取した際のつらい症状や小腸の損傷を防ぐことが期待されます。本契約により、PvPバイオロジクス社は、あらかじめ定められた開発計画に基づき、すべての研究ならびに臨床第1相試験での概念実証(proof-of-principle)試験(グルテンを分解することを確認する試験)までの臨床開発を行います。当社は、あらかじめ定められたデータパッケージを受領した後に同社を買収するという独占的なオプション権を有することを条件に、開発計画に関する費用として35百万米ドルの資金を提供します。 •2017年3月、当社は、カナダのニューバイオタ社と、アンメットメディカルニーズが高い消化器系疾患を対象に、同社が有するMicrobial Ecosystem Therapeuticを活用した腸内細菌由来の治療薬の研究開発に関する戦略的提携を締結しました。当社はニューバイオタ社と協働で、同社の有する腸内細菌に関する基盤技術を活用し、消化器系疾患を対象とした腸内細菌由来の経口治療薬の研究開発を推進します。 •2017年4月、当社は、米国フィンチ・セラピューティクス社と、同社の有する「FIN-524」について、全世界を対象とした共同開発契約を締結したことを公表しました。「FIN-524」は、炎症性腸疾患を対象とした腸内細菌移植試験における良好な臨床結果との関連が示唆される複数の細菌株を培養した前臨床段階の生菌カクテル製剤です。 中枢神経系疾患[トリンテリックス]•2017年6月、当社は、大うつ病治療剤「トリンテリックス(一般名:ボルチオキセチン)」の米国添付文書の臨床試験の項へ、成人大うつ病性障害における認知機能障害に対する本剤の効果について追記するための医薬品承認事項変更申請について、FDAより追加解析提供後の審査完了報告書を受領しました。 [パートナーシップ/事業開発活動]•2016年9月、当社は、フランスのアフィロジック社と、同社が有するNanofitin®技術を活用し、中枢神経系疾患を対象とした治療薬に関する共同研究開発を実施する契約を締結しました。具体的には、米国カリフォルニア州サンディエゴの当社研究所において、神経疾患を対象に、脳にバイオ医薬品を到達させることを可能にするNanofitinを評価、最適化するため、両社がそれぞれの専門性を活かします。 •2017年1月、当社は、米国オービッド・セラピューティクス社と、当社の新規選択的CH24H阻害薬「TAK-935」について、希少小児てんかん領域での共同開発・販売契約を締結しました。臨床第1相試験の良好な結果を受け、今後、アンメットメディカルニーズの高い希少てんかん性脳症を対象に本薬の臨床第1b/2a相試験が開始される予定です。本契約に基づき、当社は、本薬の日本における販売権を有するとともにアジアおよび他の定められた地域における販売にかかるオプション権を有します。一方、オービッド・セラピューティクス社は、本薬の開発を主導するとともに、米国、欧州、カナダ、イスラエルでの販売権を獲得します。 ワクチン[ノロウイルスワクチン]•2016年6月、最も開発が先行しているノロウイルスワクチン「TAK-214」について、臨床第2相後期有効性フィールド試験を開始しました。 [デング熱ワクチン]•2016年9月、4価弱毒生デング熱ワクチン「TAK-003」について、二重盲検、無作為化、プラセボ対照の臨床第3相試験であるTIDES試験を開始しました。2017年4月、TIDES試験において、4歳から16歳の小児・若年被験者20,100名の組み入れが完了したことを公表しました。 •2017年3月、「TAK-003」を用いた臨床第2相試験であるDEN-204試験(現在も継続中)の6ヵ月時点での中間解析結果がLancet Infectious Diseasesに掲載されました。 [パートナーシップ/事業開発活動]•2016年5月、当社は、米国ビル&メリンダ・ゲイツ財団と発展途上国におけるポリオ根絶を目指し、事業提携契約を締結しました。当財団からの38百万米ドルの資金助成により、当社は、革新的なワクチン製造の基盤技術を強化し、安全かつ有効なセービン株不活化ポリオワクチンの開発を進め、承認を取得し、少なくとも年間5千万本のワクチンをGavi※(Global Alliance for Vaccine and Immunization:ワクチンと予防接種のための世界同盟)の援助を受けている70以上の発展途上国へ入手可能な価格で供給する計画です。※Gaviは、世界の貧困国で生活する子供たちへ、新たに開発されるも接種率が低いワクチンへの接種機会を等しく提供するという共通目標のもと、公共セクターおよび民間セクターがともに参加する、ワクチンに関するグローバルな同盟機構です。 •2016年9月、当社は、インドのザイダス・カディラ社と、チクングニア熱ワクチンについて、早期開発段階から上市に至るまで共同で取り組む契約を締結しました。 •2016年9月、当社は、米国生物医学先端研究開発局(Biomedical Advanced Research and Development Authority:BARDA)より、米国や世界中の流行地域でのジカ熱への取り組みを支援すべく、ワクチン開発の助成先として選定されました。臨床第1相試験までのワクチン開発の費用として、米国保健福祉省の事前準備対応次官補局(Assistant Secretary for Preparedness and Response:ASPR)の一部門であるBARDAより、最初の助成金として1,980万米ドルが交付されます。本ワクチンの臨床第3相試験実施および米国での生物学的製剤承認申請(BLA)にかかるオプション権をASPR/BARDAが行使した場合、助成金は最大で3億1,200万米ドルになる可能性があります。 その他[アログリプチン]•2016年6月、2型糖尿病治療剤「ネシーナ(一般名:アログリプチン)」の心血管系への安全性を評価したEXAMINE試験について、第76回米国糖尿病学会学術集会(ADA)において、本試験の新たな事後解析データを発表しました。 •2016年9月、当社は、「ネシーナ」とメトホルミン塩酸塩の配合剤である2型糖尿病治療剤「イニシンク配合錠」について、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。 [パートナーシップ/事業開発活動]•2016年5月、当社は、アステラス製薬株式会社および第一三共株式会社と、革新的医薬品の創出を効率化・加速化するため、健康成人におけるバイオマーカーの基礎データを網羅的に取得・解析する共同研究契約を締結したことを公表しました。本契約に基づき、三社は、臨床試験を実施する上で必要となる、健康成人におけるバイオマーカーの基礎データを網羅的に取得し、共同で解析を行います。サンプルはオランダのライデン大学が提携する臨床研究機関にて取得されます。 •2016年5月、当社は、米国のThe Global Alliance for TB Drug Development(TBアライアンス)と、結核の革新的な治療薬の開発に向け、新たな研究プログラムであるリード化合物探索(Hit-to-Lead)プログラム※に共同で取り組む契約を締結しました。本共同研究は、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund(GHIT Fund))の助成案件に選定されています。※当社とTBアライアンスは、2013年6月、当社が所有する20,000種類の化合物ライブラリーの中から、結核の新規治療薬開発へと繋がる特性を持つ候補化合物を特定するハイスループットスクリーニングプログラムを開始しました。リード化合物探索プログラムは、ハイスループットスクリーニングプログラムにおいて選定されたヒット化合物をもとに進められます。 •2016年6月、当社は、ロイバント・サイエンシズ社と、女性疾患および前立腺がんに対する革新的な治療法をお届けすることを目的としたバイオ医薬品の新会社ミオバント・サイエンシズ社を設立するとともに、子宮筋腫、子宮内膜症、前立腺がん治療薬として臨床開発中の「TAK-385(一般名:relugolix)」について、日本とアジアの一部の国を除く全世界における独占的権利を、女性不妊症の治療薬候補である新規のオリゴペプチド・キスペプチン受容体作動薬「RVT-602(TAK-448)」については、全世界における独占的権利を供与することを公表しました。 •2016年6月、当社は、米国ウルトラジェニクス・ファーマシューティカル社と、希少遺伝子疾患に対する治療薬の開発・製品化に関する戦略的提携を締結しました。 •2016年6月、当社は、米国のメモリアルスローンケタリングがんセンター、ロックフェラー大学、ワイルコーネルメディスンズと、2013年に締結した革新的な医薬品の初期段階の研究を加速させることを目的としたTri-Institutional Therapeutics Discovery Institute(Tri-I TDI)との提携について、対象を拡大することを公表しました。今回の提携拡大により、既存の提携が、低分子化合物の範囲から抗体医薬創出に向けた新たな研究も含むものへと拡大されます。 •2016年9月、当社と米国マクロジェニクス社は、「MGD010」に関するライセンスおよびオプション契約を終了し、全世界での権利をマクロジェニクス社に返還しました。当社は、契約で規定されたオプション権行使期間満了前に契約終了を決定しましたが、これは、当社の疾患領域の優先順位の再定義によるものです。 •2016年11月、当社は、米国のメモリアルスローンケタリングがんセンター、ロックフェラー大学、ワイルコーネルメディスンズと、医薬品の研究開発企業であるブリッジメディスンズ社を設立したことを公表しました。ブリッジメディスンズ社は、当社と3つの研究機関のほか、ヘルスケア投資会社のベイシティキャピタル社およびディアフィールドマネジメントとの提携により設立されました。ブリッジメディスンズ社の設立は、革新的な治療薬を効率的かつ迅速に開発することを目指し、コンセプトから新薬候補の創出まで、継ぎ目なく十分な資金で専門性の高い研究者が研究を行う画期的な取り組みです。同社の研究は、Tri-I TDIで行われた研究成果を基に行われます。 •2016年11月、当社と京都大学iPS細胞研究所(CiRA)、公立大学法人横浜市立大学は、ヒトiPS細胞由来ミニ肝臓創出手法(ミニ肝臓技術)※を基盤とした創薬応用研究について共同研究契約を締結しました。本プロジェクトは、2015年4月に当社とCiRAが発表したT-CiRAと称する共同研究プログラムのひとつとして位置づけられ、CiRA以外の研究者を責任研究者とする初めてのプロジェクトになります。※胎内で臓器が形成される初期の過程を模倣して、ヒトiPS細胞から立体的で血管構造を持つミニサイズのヒト臓器を作製する手法 •2017年3月、当社は、マラリアの革新的治療薬の開発に向け、スイスのMedicines for Malaria Venture(MMV)と共同でリード化合物探索(Hit-to-Lead)に取り組む研究契約を締結しました。本共同研究は、2013年に公表した当社とMMVによるマラリアに対する化合物探索プログラムが進展したものです。化合物探索プログラムおよび今回のリード化合物探索プログラムはGHIT Fundの助成案件に選定されています。 •2017年3月、当社とCiRA、国立研究開発法人理化学研究所(理研)は、糖タンパク質の糖鎖脱離酵素N-グリカナーゼをコードするNGLY1の欠損症の治療を目指した創薬研究について共同研究契約を締結しました。本プロジェクトは、T-CiRAの一環として位置づけられ、NGLY1を発見された理研のチームリーダーが研究責任者として本プロジェクトをリードします。 •2017年3月、当社と米国のHarrington Discovery Instituteは、希少疾患における革新的な治療研究を加速させることを目的とした提携を締結しました。本提携は、当社が重点領域として定めているがん、消化器系疾患および中枢神経系疾患領域における研究を補完するものです。 •2017年5月、当社と英国のガンマデルタ・セラピューティクス社は、ヒト組織常在型のガンマ・デルタT細胞が有する独自の特性に基づく同社の新規T細胞基盤技術の開発に関する戦略的提携契約を締結しました。当社とガンマデルタ・セラピューティクス社は、固形がんを含む幅広い種類のがんや自己免疫疾患の治療に向け、本新規技術を活用して新たな免疫治療薬の研究開発を行う予定です。 (コンシューマーヘルスケア事業)健康維持・増進に対する生活者の意識やニーズが高まる中で、常に生活者の立場から発想し、生活者のニーズに合った製品を提供し続けることを使命と考えております。高付加価値を追求しながら、エビデンスに裏付けられた高品質かつ有効性・安全性の高い製品の開発を進めてまいります。