研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-12 | - | 16 |
| 2024-12 | - | 8 |
| 2023-12 | - | 11 |
| 2022-12 | - | 8 |
| 2021-12 | - | 11 |
研究開発活動(本文)
FY2025|3,147 文字
6【研究開発活動】当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。当連結会計年度は、中期経営計画「INNOVATION25」の最終年度となりましたが、引き続き中長期重点領域である「EHD(Environment:環境・Health:健康/衛生・ Digital:デジタル、先端材料)」領域における研究開発活動に注力し、全世界の共通課題であるSDGsの達成に向け、デジタルツールの積極的な導入・活用および外部機関連携での人材育成によるデータ駆動型研究開発活動の推進と、当社グループの研究開発中核拠点である「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)における当社の技術力を活かした各分野でのオープンイノベーションを推進することで、ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合わせることで、新しい製品と事業の創出に取り組んでまいりました。さらに、化学品事業の界面科学研究所と化粧品事業の毛髪科学研究所が一体となり、日華化学(中国)有限公司の研究開発部門、台湾日華化学工業股份有限公司の先端研発センター、NICCA KOREA CO.,LTD. の付設研究所、PT. INDONESIA NIKKA CHEMICALSの研究開発部門など、海外子会社の研究開発部門と連携しながら相乗効果を発揮することで、既存事業の強化と新展開、新規事業の創生を進めております。当連結会計年度における新規の特許登録件数は、国内で10件、海外で8件となりました。特許の期間満了及び不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の特許保有件数は、国内で15件減少により188件となり、海外で7件増加により121件となりました。 当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。研究開発費については、当社グループの研究開発費を各セグメントに配分したもので、当連結会計年度の総額は2,732百万円であります。 (1) 化学品事業当連結会計年度における研究開発費は、2,353百万円となっております。当連結会計年度では、EHD領域の中でもE(環境)ならびにD(デジタル、先端材料)領域での実績化を加速する方針のもと、重点分野として、①半導体、②繊維・パルプ、③自動車の3分野に関連する開発を中心に推進いたしました。また、開発難易度の上昇や開発期間短縮化の要望に対応すべく、海外にある基幹研究所へのテーマ移管・人的交流を含めた連携を更に推進し、グループ展開を視野に入れた戦略開発テーマにおいては、多拠点同時開発を継続することで、開発効率の向上と早期実績化に取り組みました。E領域においては、天然・再生資源原料の積極活用によるカーボンフットプリント低減を志向したアパレル・パルプ・記録紙・プリント分野向け主力ソリューションの開発を推進し、染色工程での環境負荷低減を実現するSDP(スマートダイイングプロセス)や、PFASフリーを含む環境対応型撥水剤、資源循環に資するリサイクル関連ソリューションの市場展開強化に取り組みました。循環経済を実現するリサイクル関連ソリューション開発におきましては、ポリエステル布アップサイクル技術「ネオクロマト加工」の応用展開と社会実装に向けた取り組みを継続し、工程廃棄物や使用済み製品のリサイクル性向上に向け、モノマテリアル化検討や剥離・洗浄剤に関する顧客評価を進めました。D領域においては、半導体分野を中心に、当社グループ企業である大智化学産業が強みを持つシリコンウエハー向け製品と当社の界面科学技術を融合させ、半導体製造の川中工程における製品ラインアップ拡充に向けた取り組みを推進いたしました。加えて、DX・次世代通信分野で求められる高周波領域での低誘電損失が特徴の材料開発、ならびに半導体製造装置用途を含む特殊材料の開発についても、顧客との取り組みを進めました。H領域においては、健康・衛生関連の社会課題に対応する製品開発・拡販支援を継続し、海外展開を視野に入れた製品開発と、NICを活用した研修等を通じて、協業案件の創出を進めております。研究開発体制は、日本、中国・台湾、韓国、インドネシアの拠点を中心にグローバル開発を推進し、研究DXの取り組みとして、データ駆動型研究開発の基盤強化と社内人材育成を継続しております。また、EHDシフトの進展に伴い、最終製品に残る材料(主剤)領域の拡大も見据え、知的財産戦略の強化と実行を進めてまいります。今後も国内外の研究機関や大学とのオープンイノベーションを継続することで、開発品投入と新規事業創出の早期化を進め、社会課題の解決に寄与してまいります。 (2) 化粧品事業当連結会計年度における研究開発費は378百万円となっております。美容業界は、原材料費の高騰、人件費の高騰、人手不足、来店サイクルの長期化など依然として厳しい市場環境が続いております。このような市場環境のもと業界が一体となって、美容室における来店頻度の向上、スタッフの生産性アップのための高付加価値メニュー創出と店頭販売商品の推進にデジタルを取り入れながら取り組んでおります。 国内においてはヘアカラーにおけるブリーチスタイルが定番化し、繰り返し施術による髪のダメージが増加しており、ケアニーズは依然として高まっております。また、大人世代の髪が細くなる、薄くなる、白髪が増えるなどの悩みは変わらず増加しており、安全、安心に対する意識の高まりも相まって、高付加価値の店頭販売商品の市場は伸び続けております。このような状況に対応すべく、当社の毛髪科学研究所は、ヘアケア、スカルプケアの店頭販売商品開発及び美容室における高付加価値商品開発にさらに注力しております。ヘアケア分野においては、夏の爽快感や紫外線ケアニーズに応えるブランドとして「SUMMER BAR(サマーバー)」を新たに発売いたしました。従来のハレマオブランドから各機能性をアップデートし、ベタつきやニオイを洗い流す清涼感ヘアケア、紫外線から夏の肌と髪をキレイにみせるUVスプレー/ミストをラインナップすることで、夏のキレイをクールに楽しむブランドとなっております。スカルプ分野においては、スカルプケアブランド「DEMI DO(デミ ドゥ)」から、エイジングによる多面的なお悩みにアプローチする「DEMI DO ASSET(デミ ドゥ アセット)」を新たに発売いたしました。エイジングにより引き起こされる髪・地肌へのお悩みに対し、独自技術を搭載したヘッドスパとサロントリートメントを同時に叶えるアイテムラインナップにより地肌環境を整え、艶やかな美髪に導くブランドとなっております。ヘアカラー分野においては、サロン向けヘアカラー剤「TOIROCTION(トイロクション)」から、高機能性2剤「AC+(プラス)」を新たに発売いたしました。ブリーチスタイルの定番化が進む昨今に対応し、高いアルカリキャンセル(AC)効果を備えることで、特にブリーチを用いた施術において、髪への負担を軽減しながら高いパフォーマンスを発揮するアイテムとなっております。基礎研究においては、「すべての人に10代の髪を生やす」という長期ビジョンを掲げ、研究機関や大学との共同研究による毛髪と皮膚・頭皮の微細構造の解析、毛髪と皮膚のダメージの解析並びに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に取り組んでおります。また、サステナブルな社会を実現するために、さらに環境にやさしい製品開発に取り組んでおります。
FY2024|3,652 文字
6【研究開発活動】当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。当連結会計年度は、中長期重点領域である「EHD(E/環境、H/健康・衛生、D/先端材料)」領域における研究開発活動に注力し、全世界の共通課題であるSDGsの達成に向け、引き続きデジタルツールの積極的な導入・活用によるデータ駆動型研究開発活動の推進と、当社グループの研究開発中核拠点である「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)における当社の技術力を活かした各分野でのオープンイノベーションを推進することで、ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合わせることで、新しい製品と事業の創出に取り組んでまいりました。さらに、化学品事業の界面科学研究所と化粧品事業の毛髪科学研究所が一体となり、日華化学(中国)有限公司の研究開発部門、台湾日華化学工業股份有限公司の先端研発センター、NICCA KOREA CO.,LTD. の付設研究所、PT. INDONESIA NIKKA CHEMICALSの研究開発部門など、海外子会社の研究開発部門と連携しながら相乗効果を発揮することで、既存事業の強化と新展開、新規事業の創生を進めております。当連結会計年度における新規の特許登録件数は、国内で14件、海外で11件となりました。特許の期間満了及び不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の特許保有件数は、国内で8件減少により203件となり、海外で3件増加により114件となりました。 当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。研究開発費については、当社グループの研究開発費を各セグメントに配分したもので、当連結会計年度の総額は2,551百万円であります。 (1)化学品事業当連結会計年度における研究開発費は、2,201百万円となっております。当連結会計年度では、EHD領域の中でも2023年度に引き続きE領域での開発に傾注すると共に、早期実績化によるD領域拡大に向けた開発の充実化を図りました。また、益々高まる開発難易度の上昇と開発期間の短縮化要望の高まりに対応すべく、海外にある基幹研究所へのテーマ移管・人的交流を含めた連携を更に推進し、グループ展開を視野に入れた戦略開発テーマにおいては、多拠点同時開発を実施することにより、2023年からの2年間で約80の新製品を開発いたしました。E領域においては、天然・再生資源原料の積極活用によるカーボンフットプリント低減を志向したアパレル・パルプ・記録紙・プリント分野向け主力ソリューションの開発が進展いたしました。染色工程での環境負荷低減を実現するSDP(スマートダイイングプロセス)は適用・採用事例が拡大し、フッ素フリー系撥水剤では、新たに耐久性を大幅に高めたグレードと耐摩耗性に優れたグレードの開発を行い、これまでビスフェノール系が主力であった感熱紙用顕色剤では、新たにビスフェノールフリータイプを上市いたしました。高機能化と軽量化の実現が必要な次世代モビリティ分野を中心に、引き続き当社水系ウレタン技術を主体としたソリューションの新規採用が進むと共に、自動車部材加工用薬剤につきましても新規採用がグループ全体で進みました。循環経済を実現するリサイクル関連ソリューション開発におきましては、リサイクルにも有効なポリエステル布アップサイクル技術「ネオクロマト加工」の応用展開と社会実装に向けた取り組みが進み、大阪万博での展示も決定いたしました。また、要望が高まっている工程廃棄物や使用済み製品のリサイクル性向上におきまして、素材のモノマテリアル化検討や剥離・洗浄剤に関する顧客での評価が進展致しました。D領域においては、半導体、次世代通信端末、ディスプレイに関する新規デバイスおよび材料を中心として、当社グループ企業である大智化学産業を軸に開発連携強化を更に推進し、主力であるウエハー製造向けクーラント剤のグローバル展開に加え、半導体製造における前工程・後工程で必要となる加工薬剤、洗浄剤などのラインナップ拡充に向けた取り組みが進展いたしました。また、DX・5G通信分野で求められる高周波領域での低誘電損失が特徴のフッ素化学品の開発に加え、年々高度化する半導体製造装置用特殊フッ素誘導体の開発につきましても顧客との取り組みが進展いたしました。H領域においては、医科用洗浄機向け薬剤を上市すると共に、昨年上市したAHP(加速化過酸化水素)系環境除菌剤「リフレシアSH-01」の拡販支援を進めました。また、海外展開に向けた製品開発を進め、NICを活用した研修を実施することで、今後の更なる協業案件の創出を進めています。核酸医薬用途での検討が進む人工核酸については、引き続き既存品の安定供給に加え、新グレードの開発が完了し、供給を開始いたしました。研究開発体制は、引き続き日本、中国・台湾、韓国、インドネシアの5つの拠点を中心に約240名の研究人員でグローバル開発を推進しております。研究開発の効率化を目指し、2022年から開始したグループにおける研究基幹システムの刷新が完了し、データ駆動型研究開発の基盤を整備いたしました。研究開発活動において、総合的なインフォマティクスを活用すべく、大学への人材派遣を含め、継続した社内データサイエンティストの育成を通した研究DXを推進しています。また、技術の継承と新規事業創出の基盤としての技術の棚卸しと知財情報の一元化も完了したことから、今後は全社的な知財戦略議論を進めてまいります。これまで推進してきた繊維分野に加え、非繊維分野の成長が顕著な北東アジア地区を中心に、開発が活発に行われている市場に近い当社拠点を積極活用した多拠点同時開発と開発の現地化を進め、海外展開を加速してまいります。また、引き続き国内外の研究機関や大学とのオープンイノベーションを継続することで、開発品投入と新規事業創出の早期化を進め、社会課題の解決に寄与してまいります。 (2)化粧品事業当連結会計年度における研究開発費は350百万円となっております。美容業界は、経済の回復や外出機会の増加が進み、個人消費やインバウンド消費に緩やかな回復が見える一方で、賃金の上昇を上回る物価上昇が続き、先行き不透明な状況が続いております。このような市場環境のもと業界が一体となって、美容室における来店頻度の向上、スタッフの生産性アップのための高付加価値メニュー創出と店頭販売商品の推進にデジタルを取り入れながら取り組んでおります。国内においては、消費者ニーズが多様化しており、若者の間ではトレンドに敏感なスタイルを求める声が強く、男性美容市場も成長しており、男性向けヘアケアサービスが広がりつつあります。また、大人世代の髪が細くなる、薄くなる、白髪が増えるなどの悩みは変わらず増加しており、安全、安心に対する意識の高まりも相まって、高付加価値の店頭販売商品の市場は伸び続けております。このような状況に対応すべく、当社の毛髪科学研究所は、ヘアケア、スカルプケアの店頭販売商品開発及び美容室における高付加価値商品開発にさらに注力しております。ヘアケア分野においては、デミ最高峰ヘアケアブランド「「FLOWDIA(フローディア)」から様々な髪悩みに対応し、理想の美しい髪を叶える「FLOWDIA MORE(フローディアモア)」を新たに発売致しました。チオグルコール酸システアミンを配合した低ダメージ且つ、クセ・うねりにしっかり作用するストレートシリーズや、ハスの葉の構造から着想された撥水技術を応用した2ステップの反応型ヘアマスクなどをラインナップすることで様々な髪の悩みに対応するブランドとなっております。また、多様化するメンズのニーズに対応するべく、『XFLEEK(エクスフリーク)』及び、『CARAVAN(キャラバン)』の2ブランドを新たに発売致しました。『XFLEEK(エクスフリーク)』は美容を楽しむ世代向けにヘアケア・スタイリング剤・スキンケアを取り揃えトータルケアで応えていくブランドとなっており、『CARAVAN(キャラバン)』はバーバースタイルに特化したメンズブランドとなっております。多様化するお客様のニーズに対応すべく付加価値の高いヘアケア商品の開発に引き続き取り組んでおります。基礎研究においては、「すべての人に10代の髪を生やす」という長期ビジョンを掲げ、研究機関や大学との共同研究による毛髪と皮膚・頭皮の微細構造の解析、毛髪と皮膚のダメージの解析並びに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に取り組んでおります。また、サステナブルな社会を実現するために、さらに環境にやさしい製品開発に取り組んでおります。
FY2023|3,781 文字
6【研究開発活動】当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。当連結会計年度は、中長期重点領域である「EHD(E/環境、H/健康・衛生、D/先端材料)」領域における研究開発活動に注力し、全世界の共通課題であるSDGsの達成に向け、引き続きデジタルツールの積極的な導入・活用によるデータ駆動型研究開発活動の推進と、当社グループの研究開発中核拠点である「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)における当社の技術力を活かした各分野でのオープンイノベーションを推進することで、ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合わせることで、新しい製品と事業の創出に取り組んでまいりました。さらに、化学品事業の界面科学研究所と化粧品事業の毛髪科学研究所が一体となり、日華化学(中国)有限公司の研究開発部門、台湾日華化学工業股份有限公司の先端研発センター、NICCA KOREA CO.,LTD. の付設研究所、PT. INDONESIA NIKKA CHEMICALSの研究開発部門など、海外子会社の研究開発部門と連携しながら相乗効果を発揮することで、既存事業の強化と新展開、新規事業の創生を進めております。当連結会計年度における新規の特許登録件数は、国内で24件、海外で12件となりました。特許の期間満了及び不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の特許保有件数は、国内で8件減少により211件となり、海外で6件増加により111件となりました。 当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。研究開発費については、当社グループの研究開発費を各セグメントに配分したもので、当連結会計年度の総額は2,296百万円であります。 (1)化学品事業当連結会計年度における研究開発費は、1,980百万円となっております。①Eの領域当連結会計年度では、EHD領域の中でも特に、これまでも先駆的な環境対応型製品開発を行ってきたE領域での開発に傾注した結果、主力の繊維加工用薬剤では染色工場での使用水量を激減させるなどの環境対応処方を提案するSDP(Smart Dyeing Process)や、自然乾燥でも撥水性が回復するこれまでの常識を覆すフッ素フリー系撥水剤、自然由来原料やバイオ系原料、再生原料を積極活用した低カーボンフットプリントの分散均染剤等を開発致しました。また、有機溶剤を含まず環境と健康により優しい水系ウレタン樹脂については、高機能化と軽量化の実現が必要な次世代モビリティ用途に加え、意匠性を付与する機能性塗料・コーティング用バインダーとしての応用開発を継続して行っており、自動車内装材への採用が始まりました。循環経済実現に向けて要望が高まっている素材のリサイクル性向上においては、素材のモノマテリアル化検討や使用済みフイルムをリサイクルするための剥離剤について顧客での評価が進展致しました。また、オープンイノベーションの取組みをBtoB企業からBtoC企業に広げ、抗ピリング・抗スナッグ・防汚加工を施したニトリ社・帝人フロンティア社との3社共同開発家具「Nシールドファブリック」シリーズへの採用、ポリエステル繊維から分散染料を脱色するネオクロマト加工の技術をアートネイチャー社の人工毛髪「レクアファントム」に応用展開するなど、新たなビジネスモデル展開に先鞭をつけました。今後も益々要望が高まる環境対応に向け、カーボンフットプリントやウォーターフットプリント低減を意識した、非石油ベース・天然由来原料等を活用した製品そのものの環境対応を継続して推進すると共に、CO₂排出量削減に貢献する製品ならびにソリューション開発に注力し、持続可能な社会と循環型経済の実現に寄与してまいります。②Hの領域新領域開拓において、医科用洗浄機向け薬剤や医療現場向け環境除菌剤の開発が進展し、AHP(加速化過酸化水素)系環境除菌剤「リフレシアSH-01」及び医薬品製造ライン用洗浄剤の新製品を上市致しました。核酸医薬用途での検討が進む人工核酸については、既存品の安定供給に加え、新グレードの開発を実施し、体外診断薬キット開発では、複数の医工系大学との連携強化による開発を継続しております。引き続き世界中の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献してまいります。③Dの領域半導体、次世代通信端末、ディスプレイに関する新規デバイスおよび材料を中心に研究開発を実施しております。子会社の大智化学産業との連携強化により、環境にやさしい水系でリサイクル可能なセラミックス加工用薬剤のグローバル開発が進みました。DX・5G通信分野では、フィルムコンデンサー向けマスキングオイル、精密潤滑用途を中心に製品の工程改善を進め、品質向上と安定供給を実現しました。また、高周波領域での低誘電損失が特徴のフッ素化学品の開発につきましても、多様な開発品をお客様に提供することにより、多用途での取り組みが進展致しました。引き続き、高度化する機能要求に対応できる特殊樹脂原料、特殊ポリマー、接着剤並びにコーディング剤の開発を実施し、IoTやAIなど最新技術の活用がますます進行するスマート社会の進展に寄与してまいります。研究開発体制は、日本、中国・台湾、韓国、インドネシアの5つの拠点を中心に約250名の研究人員を擁しており、研究基幹システムの整備によりグループにおける研究開発の効率化を進めています。研究開発効率化と技術継承の点から電子実験ノートを国内で先行導入し、国内留学とe-learningを活用した社内教育プログラムの実施により、データ駆動型研究開発推進に不可欠なデジタル人材の育成を推進しております。また、技術継承の点においては、過去から現在までに実施してきた技術開発の棚卸しを行い、当社技術の整理による新規事業創出の基盤整備を行いました。今後もDXロードマップに基づくデータサイエンス関連強化と教育拡充による効率的な研究開発を担う人材開発を進めると共に、更なる研究・実験作業のスピードアップと省力化を目的としたロボティクス導入と積極的なデジタル活用を推進、北欧・アジア等の研究機関や大学とのオープンイノベーションによる開発品投入と新規事業創出の早期化を進め、社会課題の解決に寄与してまいります。 (2)化粧品事業当連結会計年度における研究開発費は316百万円となっております。美容業界は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類へ移行したことを受け、経済の回復や外出機会の増加が進み、個人消費やインバウンド消費に緩やかな回復が見える一方で、物価上昇に伴う節約志向の高まりなど先行き不透明な状況が続いています。このような市場環境のもと業界が一体となって、美容室における来店頻度の向上、スタッフの生産性アップのための高付加価値メニュー創出と店頭販売商品の推進にデジタルを取り入れながら取り組んでおります。国内においては、デザインカラーの人気が継続している一方で、繰り返しによる髪のダメージが増加し、ケアニーズが高まっています。また、大人世代の髪が細くなる、薄くなる、白髪が増えるなどの悩みは変わらず増加しており、安全、安心に対する意識の高まりも相まって、高付加価値の店頭販売商品の市場は伸び続けております。このような状況に対応すべく、当社の毛髪科学研究所は、ヘアケア、スカルプケアの店頭販売商品開発及び美容室におけるヘアカラーの高付加価値商品開発にさらに注力しております。スカルプケア分野において、国内有数の研究機関との共同研究で発見した毛根活性成分を配合したスカルプケアブランド「DEMI DO」及びメンズニーズに対応した「DEMI DO MEN」を発売致しました。お客様ひとりひとりの地肌と髪のパフォーマンスを最大限に引き出し、付加価値をさらに高めるスカルプケア商品の開発に引き続き取り組んでおります。また、ヘアカラー分野においては、ハイトーンカラーやデザインカラーなどヘアカラーニーズが多様化しており、そのニーズに対応するべく主力ブランド「アソート アリアC」をフルリニューアルし、「トイロクション」を発売致しました。彩度の高い力強い色味から透明感のある色味まで幅広く色を表現することが可能で、水鳥ケラチンを配合することで、髪のダメージホールを整えながらカラーリングをすることが可能となり、ダメージに左右されない発色を実現しています。また、従来よりも生産時間を8.4%短縮し、CO₂の削減にも寄与しております。お客様のニーズに対応すべく付加価値の高いヘアカラー開発に引き続き取り組んでおります。基礎研究においては、「すべての人に10代の髪を生やす」という長期ビジョンを掲げ、研究機関や大学との共同研究による毛髪と皮膚・頭皮の微細構造の解析、毛髪と皮膚のダメージの解析並びに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に取り組んでおります。また、サステナブルな社会を実現するために、さらに環境にやさしい製品開発に取り組んでおります。
FY2022|3,419 文字
5【研究開発活動】当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。当連結会計年度は、中長期重点領域である「EHD(E/環境、H/健康・衛生、D/先端材料)」領域における研究開発活動に注力し、全世界の共通課題であるSDGsの達成に向け、引き続きデジタルツールの積極的な導入・活用によるデータ駆動型研究開発活動の推進と、当社グループの研究開発中核拠点である「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)における当社の技術力を活かした各分野でのオープン・イノベーションを推進することで、ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合わせることで、新しい製品と事業の創出に取り組んでまいりました。さらに、化学品事業の界面科学研究所と化粧品事業の毛髪科学研究所が一体となり、日華化学(中国)有限公司の研究開発部門、台湾日華化学工業股份有限公司の先端研発センター、NICCA KOREA CO.,LTD. の研究開発部門、PT. INDONESIA NIKKA CHEMICALSの研究開発部門など、海外子会社の研究開発部門と連携しながら相乗効果を発揮することで、既存事業の強化と新展開、新規事業の創生を進めております。当連結会計年度における新規の特許登録件数は、国内で26件、海外で12件となりました。特許の期間満了及び不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の特許保有件数は、国内で12件増加により219件となり、海外で1件増加により105件となりました。当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。研究開発費については、当社グループの研究開発費を各セグメントに配分したもので、当連結会計年度の総額は2,250百万円であります。 (1)化学品事業当連結会計年度における研究開発費は、1,954百万円となっております。①Eの領域当社主力の繊維加工用薬剤では、自然由来原料やバイオ系原料、再生原料を積極活用した環境対応型製品の開発ならびに、工程短縮・省エネなどによりCO₂排出量削減に貢献するSDP(Smart Dyeing Process)関連開発が進展致しました。これまでも有機溶剤を含まず環境と健康により優しい水系ウレタン樹脂については、高機能化と軽量化の実現が必要な次世代モビリティ用途に加え、意匠性を付与する機能性塗料・コーティング用バインダーとしての応用開発を行い、業界に先駆けて環境対応に取り組むフッ素フリー系撥水剤の開発を実施しました。循環経済実現において要望が高まる接着剤・バインダーのモノマテリアル化、使用済みフイルムをリサイクルするための剥離剤の開発を実施しました。紙資源のリサイクル技術関連知財では、令和4年度近畿地方発明表彰において経済産業局長賞を「脱墨剤」で受賞致しました。今後も益々要望が高まる環境対応に向け、非石油ベース・天然由来原料等を活用した製品そのものの環境対応をさらに進めると共に、CO₂排出量削減に貢献する製品ならびにソリューション開発に注力し、持続可能な社会と循環型経済の実現に寄与してまいります。②Hの領域業界でも画期的な新製品として昨年上市した、独自の全素材対応・耐洗濯性抗ウイルス加工処方は、これまで対応ができなかった素材に対しても耐洗濯性の抗ウイルス性を付与できることから、アパレル製品の他、インテリア・産業資材など新用途の応用開発が進展すると共に、市場開発支援を実施しました。新領域開拓では医科用洗浄機向け薬剤や医療現場向け環境除菌剤の開発を実施しました。核酸医薬用途での検討が進む人工核酸については、増加する需要への供給体制強化や製造コスト削減などに取り組み、体外診断薬キット開発では、複数の医工系大学との連携強化による開発を実施しました。引き続き世界中の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献してまいります。③Dの領域半導体、次世代通信端末、ディスプレイに関する新規デバイスおよび材料を中心に研究開発を実施しております。子会社の大智化学産業で既に開発、実用化している環境にやさしい水系でリサイクル可能なクーラント剤のグローバル展開において技術支援並びに市場開発支援を実施しました。DX・5G通信分野では、フィルムコンデンサー向けマスキングオイルなどの採用が進み、品質向上と対応力強化に向けた開発を実施しました。また、高周波領域での低誘電損失が特徴のフッ素化学品の開発につきましても、お客様との取り組みによる開発を実施しました。光学材料分野では、さらに高度化する機能要求に対応できる特殊樹脂原料、接着剤並びにコーディング剤の開発を実施しました。引き続き先端材料領域における研究開発を実施することにより、IoTやAIなど最新技術の活用がますます進行するスマート社会の進展に寄与してまいります。研究開発体制は、日本、中国・台湾、韓国、インドネシアの5つの拠点を中心に約250名の研究人員を擁しており、研究基幹システムの整備によりグループにおける研究開発の効率化を進めています。人材開発面では、研究人員の能力や経験実績等を把握するタレントマネジメントシステムを導入、データ駆動型研究開発推進に不可欠なデジタル人材の育成を国内留学や社内教育プログラムの整備により実施しました。今後もDXロードマップに基づくデータサイエンス関連強化と教育拡充による効率的な研究開発を担う人材開発を進めると共に、更なる研究・実験作業のスピードアップと省力化を目的としたロボティクス導入と積極的なデジタル活用を推進、北欧・アジア等の研究機関や大学とのオープンイノベーションによる開発品投入と新規事業創出の早期化を進め、社会課題の解決に寄与してまいります。 (2)化粧品事業当連結会計年度における研究開発費は295百万円となっております。美容業界は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続する中、社会的経済活動の正常化に向けた気運が高まり、個人消費の緩やかな回復が見える一方で、原材料価格の高騰や急激な円安の進行等の影響もあり、先行きの不透明感は依然として強い状況です。このような市場環境のもと業界が一体となって、新型コロナウイルス感染症対策を十分に行った上での美容室における来店頻度の向上、スタッフの生産性アップのための高付加価値メニュー創出と店頭販売商品の推進にデジタルを取り入れながら取り組んでおります。国内においては、デザインカラーの人気が継続している一方で、繰り返しによる髪のダメージが増加し、ケアニーズが高まっています。また、大人世代の髪が細くなる、薄くなる、白髪が増えるなどの悩みは変わらず増加しており、安全、安心に対する意識の高まりも相まって、高付加価値の店頭販売商品の市場は伸び続けております。このような状況に対応すべく、当社の毛髪科学研究所は、ヘアケア、スキャルプケアの店頭販売商品開発及び美容室におけるヘアカラーの高付加価値商品開発にさらに注力しております。ヘアケアの分野において、「デミコスメティクス」の最高峰ブランドである「フローディア」(全25アイテム)に、髪の弾力低下などのエイジングケアニーズに対応すべく、毛髪のケラチン密度を強化する独自技術「ミセルショット」を搭載し、エイジングケアライン(全10アイテム)を追加いたしました。また、夏の爽快感や紫外線ケア等のニーズに応える「ハレマオ」ブランドを、速乾性を高めて夏の暑いドライヤータイムを短縮させる「クイックドライパウダー」や紫外線ケアアイテムで汗に負けないウォータープルーフ機能を追加し、フルリニューアルいたしました(全10アイテム)。さらに大人女性の髪と頭皮の悩みを解決するために機能性植物成分の探索とそれを生かした商品開発に取り組んでおります。基礎研究においては、「すべての人に10代の髪を生やす」という長期ビジョンをかかげ、研究機関や大学との共同研究による毛髪と皮膚の微細構造の解析、毛髪と皮膚のダメージの解析ならびに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に取り組んでおります。また、サステナブルな社会を実現するために、さらに環境にやさしい製品開発に取り組んでおります。
FY2021|3,464 文字
5【研究開発活動】当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。当連結会計年度は、引き続き徹底した新型コロナウイルス感染症対策の実施と、デジタルツールの積極的な導入・活用によるデータ駆動型研究開発活動の推進を通して当社グループの研究開発中核拠点である「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)での研究開発活動を維持・高度化することにより、ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合わせることで、新しい製品と事業の創出に取り組んでまいりました。また、中長期重点領域である「EHD(E/環境、H/健康・衛生、D/先端材料)」における開発においては、全世界の共通課題であるSDGsの達成に向け、当社の技術力を活かし、各分野でのオープン・イノベーションを推進しており、実績化と横展開の加速による早期事業化を進めております。さらに、化学品事業の界面科学研究所と化粧品事業の毛髪科学研究所が一体となり、日華化学(中国)有限公司の研究開発部門、台湾日華化学工業股份有限公司の先端研発センター、NICCA KOREA CO.,LTD. の研究開発部門など、海外子会社の研究開発部門と連携しながら相乗効果を発揮することで、既存事業の強化と新展開、新規事業の創生を進めております。当連結会計年度における特許登録件数は、国内で18件、海外で19件となりました。特許の期間満了及び不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の保有する特許登録件数は、国内は20件減少して、208件となり、海外は9件増加して104件となりました。当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。研究開発費については、当社グループの研究開発費を各セグメントに配分したもので、当連結会計年度の総額は2,166百万円であります。 (1)化学品事業当連結会計年度における研究開発費は、1,865百万円となっております。①Eの領域当社主力の繊維加工用薬剤では、これまでも有機溶剤を含まず環境と健康により優しい水系ウレタン樹脂やフッ素フリー系撥水剤、常温洗浄が可能で一般的な高温洗浄と比較しCO₂排出量の削減が期待される金属洗浄剤など、業界に先駆けて環境対応に取り組んでまいりました。特に今期は、二酸化炭素排出削減につながる繊維加工提案であるSDP(Smart Dyeing Process)関連での共同開発が進み、紙資源のリサイクル技術関連では、第16回福井県科学技術大賞を「キャタライザー技術」で受賞、環境対応洗浄剤関連知財では、令和3年度近畿発明協会会長賞を「スプレー洗浄剤」で受賞致しました。今後は、益々要望が高まっている環境対応に向け、非石油ベース・天然由来原料等を活用した製品そのものの環境対応をさらに進めると共に、CO₂排出量削減に貢献する製品ならびにソリューション開発に注力し、持続可能な社会と循環型経済の実現に寄与してまいります。②Hの領域業界でも画期的な新製品として、2020年度に立ち上げた開発プロジェクトから、全素材対応の耐洗濯性抗ウイルス加工処方(特許出願中)を上市致しました。本処方はこれまで対応ができなかった素材に対しても耐洗濯性の抗ウイルス性を付与できるものであり、アパレル製品の他、インテリア・産業資材など新用途への展開が期待されます。新領域開拓では衛生関連製品向けの薬剤採用が進み、医療分野の洗浄領域における展開進展と人工核酸製品のラインナップ拡充を行うとともに、次世代医療である個別化医療に有用な体外診断薬キット開発では、複数の医工系大学との連携強化により性能向上が進み、研究試薬としての早期実績化が見えてくるなど、引き続き世界中の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献してまいります。③Dの領域光学材料分野では、スマホなど光学レンズに使用される特殊樹脂原料が堅調に伸びるとともに、今後の業界トレンドに沿った新たな開発が進みました。また、引き続きDX・5G通信分野では、フィルムコンデンサー向けマスキングオイルなどの採用が進んでおり、高周波領域での低誘電損失が特徴のフッ素化学品の開発につきましても、お客様とのコラボレーションを通じて推進しており、引き続き数品目の上市を予定しております。子会社の大智化学産業で既に開発、実用化している環境にやさしい水系でリサイクル可能なクーラント剤のグローバル展開も加速させることにより、IoTやAIなど最新技術の活用がますます進行するスマート社会の進展に寄与してまいります。研究開発体制は、日本、中国・台湾、韓国、インドネシアの5つの拠点で約280名の研究人員を擁しておりますが、現地ニーズ開発はナショナルスタッフ主導で加速すべく、現地のお客様に近いナショナルスタッフを部長級に配置しました。また、今期からCTO室を設置、国内外の技術マーケティング、アライアンスの他、特許などIP(知的財産)全般において本社知財部門と連携、横串を通す体制を整備いたしました。人材開発面でも研究人員の能力や経験実績等を把握するタレントマネジメントシステムを導入、データ駆動型研究開発推進に不可欠なデジタル人材の育成を5年計画で開始しました。今後も積極的なデジタル活用とR&D基盤確立により、開発品投入と新規事業創出の早期化を進め、当社グループの技術力のベースを更に押し広げ、社会課題の解決に寄与してまいります。 (2)化粧品事業当連結会計年度における研究開発費は301百万円となっております。美容業界は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会的経済活動が制限され厳しい状況が続いております。ワクチン普及を背景に一時は回復の兆しも見られましたが、感染力の高い変異株の出現により、感染者数が増加傾向に転じ、いまだ十分に回復していない状況であります。このような市場環境のもと業界が一体となって、新型コロナウイルス感染症対策を十分に行った上での美容室における来店頻度の向上、スタッフの生産性アップのための高付加価値メニュー創出と店頭販売商品の推進にデジタルを取り入れながら取り組んでおります。国内においては大人社会の本格的到来、高齢化により、ヘアカラー、パーマの繰り返しによる髪のダメージ、頭皮のトラブル、髪が細くなる、薄くなる、白髪が増えるなどの悩みが年々増加しており、安全、安心に対する意識の高まりと相まって、本物志向の自然派商品、高付加価値商品の店頭販売商品の市場は伸び続けております。このような状況に対応すべく、当社の毛髪科学研究所は、ヘアケア、スキャルプケアの店頭販売商品開発及び美容室におけるヘアカラーの高付加価値商品開発にさらに注力しております。ヘアケアの分野においては、「デミコスメティクス」の最高峰ブランドである「フローディア」に新たな独自技術を搭載しフルリニューアルいたしました(全25アイテム)。コア技術である選択的補修ケア技術「バルネイドシステム」に、結合の乱れを整え、うねりのない扱いやすい艶髪を実現する新独自技術「ボンデイドシステム」を追加し、“より美しい髪”を“長く実感”できることを可能にするヘアケアブランドに進化いたしました。さらに大人女性の髪と頭皮の悩みを解決するために機能性植物成分の探索とそれを生かした商品開発に取り組んでおります。また、ヘアカラーの分野においては、酸化染料と酸性染料をミックスした当社独自処方を搭載し、多彩な色を表現できるヘアカラー「FUSIONIST(フュージョニスト)」(1剤全37アイテム、2剤全2アイテム)ブランドに、更に透明感と艶を重視するお客様のニーズに対応すべく、1剤全4アイテム、カラートリートメント1アイテムを追加いたしました。女性のファッションカラーに対する意識の高まりに対し、さらに付加価値を高めるべく、カラーバリエーションの充実に取り組んでおります。基礎研究においては、「すべての人に10代の髪を生やす」という長期ビジョンをかかげ、研究機関や大学との共同研究による毛髪と皮膚の微細構造の解析、毛髪と皮膚のダメージの解析ならびに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に取り組んでおります。また、サステナブルな社会を実現するために、さらに環境にやさしい製品開発に取り組んでおります。
FY2020|3,616 文字
5【研究開発活動】当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。当連結会計年度は、徹底した新型コロナウイルス感染対策の実施と、デジタルツールの積極的な活用を通して当社グループの研究開発中核拠点である「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)での研究開発活動を維持・高度化することにより、ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合わせることで、新しい製品と事業の創出に取り組んでまいりました。また、EHS(E/環境、H/健康、S/安全)への貢献をテーマに掲げ、各分野でのオープン・イノベーションを推進し、早期事業化を目指してまいりました。さらに、化学品事業の界面科学研究所と化粧品事業の毛髪科学研究所が一体となり、日華化学(中国)有限公司の研究開発部門、台湾日華化学工業股份有限公司の先端研発センター、NICCA KOREA CO.,LTD. の研究開発部門など、海外子会社の研究開発部門と連携しながら相乗効果を発揮することで、既存事業の強化と新展開、新規事業の創生を進めております。翌連結会計年度からは、これまでの環境、健康に新たに先端材料を加えた「EHD(E/環境、H/健康、D/先端材料)」を重点領域に位置付け、前中期経営計画でも重視していた「安全」は引き続き各領域で包括しながら、全世界の共通課題であるSDGsの達成に向けて当社の技術力を生かし、より具体的に貢献してまいります。当連結会計年度における特許登録件数は、国内で17件、海外で10件となりました。特許の譲受、期間満了の他不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の保有する特許登録件数は、国内は8件減少して228件となり、海外は1件増加して95件となりました。当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。研究開発費については、当社グループの研究開発費を各セグメントに配分したもので、当連結会計年度の総額は2,019百万円であります。 (1)化学品事業当連結会計年度における研究開発費は、1,683百万円となっております。①Eの領域当社主力の繊維加工用薬剤では、これまでも有機溶剤を含まず環境と健康により優しい水系ウレタン樹脂やフッ素フリー系撥水剤、常温洗浄が可能で一般的な高温洗浄と比較しCO₂排出量の削減が期待される金属洗浄剤など、業界に先駆けて環境対応に取り組んでまいりました。中でも、ダウ社との粘り強い共同研究の結果、米国R&D World Magazine主催の「2020 R&D100 Award」を受賞したシリコーン系のフッ素フリー繊維用撥水剤ネオシードNR-8800はオープン・イノベーションの実例であり、今後の展開が期待されます。今後は、非石油ベース・天然由来原料等を活用し、製品そのものの環境対応も進め、CO₂排出量削減に貢献する製品開発に注力し、持続可能な社会と循環型経済の実現に寄与してまいります。②Hの領域2020年度に「生活・環境衛生事業開発室」の新設と併せ、プロジェクト体制で手肌にやさしい保湿成分を配合した手指用消毒剤や抗ウイルス効果を見出したニッカノンRBシリーズ、オーリスシリーズを積極展開、更には処方検討を加速するために抗ウイルス試験室を設置いたしました。これにより、多くのお客様との協業が創出されてきており、衛生関連製品の様々な分野への展開を目指し開発、事業化を迅速に推進しているところであります。また、医療分野の洗浄領域の拡張、産学連携により個別化医療に有用な体外診断薬キット開発などの次世代医療への注力により、世界中の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献してまいります。③Dの領域近年、フッ素化学品をはじめ先端材料分野にも傾注してまいりましたが、2020年度に「スペシャリティケミカル事業部」が新設された事に伴い、DX・5G通信等での高周波・低誘電率材料など先端材料関連製品の開発を強力に推進しているところであります。子会社の大智化学産業で既に開発、実用化している環境にやさしい水系でリサイクル可能なクーラント剤や、新規開発品として需要増加が見込まれるマスキング剤などの開発スピードを加速し、IoTやAIなど最新技術の活用がますます進行するスマート社会の進展に寄与してまいります。 EHD領域での成功の鍵は、社会課題にマッチした新製品・新ソリューションの提案にあると考えております。さらにスピード感をもって上市していくために今後もパートナー企業、大学等との連携によるオープン・イノベーションを加速させてまいります。その仕掛けの場としてNICを有効に活用していくと共に、さらなる研究開発効率向上に向け、研究開発のデジタル化や、AIを用いたデータ解析ツールなどの導入を行うことで、1人1人の対応力を高めるアプローチで新しい試みに挑戦し、当社グループの技術力のベースを更に押し広げ、社会課題の解決に寄与してまいります。 (2)化粧品事業当連結会計年度における研究開発費は336百万円となっております。美容業界は、新型コロナウィルス感染拡大により、来店客数の減少、来店サイクルの長期化、コロナ感染対策による席数減少、美容室での滞在時間短縮による客単価の低下など厳しい市場環境が続いております。緊急事態宣言の解除後は、来客数は回復しつつあるものの、いまだ十分に回復していない状況であります。このような市場環境のもと業界が一体となって、コロナ感染対策を十分に行った上での美容室における来店頻度の向上、スタッフの生産性アップのために高付加価値メニュー創出と店頭販売商品の推進に取り組んでおります。また、美容師の人材不足問題に関しては、生涯美容師育成のためのスタッフ育成教育に業界を挙げて注力しており、代理店も含めて、リクルート&リテインの観点から働き方改革が促進されてきております。日本においては大人社会の本格的到来、高齢化により、ヘアカラー、パーマの繰り返しによる髪のダメージ、頭皮のトラブル、髪が細くなる、薄くなる、白髪が増えるなどの悩みが年々増加しており、安全、安心に対する意識の高まりと相まって、本物志向の自然派商品、高付加価値商品の店頭販売商品の市場は伸び続けております。このような状況に対応すべく、当社の毛髪科学研究所は、美容室におけるヘアカラーの高付加価値商品の開発ならびにヘアケア、スキャルプケアの店頭販売商品の開発にさらに注力しております。ヘアカラーの分野においては、酸化染料と酸性染料をミックスした当社独自処方を開発し、多彩な色を表現できるヘアカラー「FUSIONIST(フュージョニスト)」(1剤全37アイテム、2剤全2アイテム)ブランドに、更に色と艶を重視するお客様のニーズに対応すべく、1剤全14アイテムを追加いたしました。女性のファッションカラーに対する意識の高まりに対し、さらに付加価値を高めるべく、カラーバリエーションの充実に取り組んでおります。ヘアケア、スタイリング剤の分野においては、近年の本物志向・安心安全志向の高まりに対応すべく、オイル美容の概念を取り入れた新ブランド「UTAU (ウタウ)」(全14アイテム)を発売いたしました。仕事や子育て、目まぐるしく忙しい日々を送る女性に「ヘルスコンシャス」&「ナチュラルビューティー」を届けるべく、植物由来成分に徹底的にこだわり、作りこまないナチュラルなヘアスタイルとすこやかな艶髪を実現いたしました。「ウタウ」ブランドの強化に向けて、さらに大人女性の髪と頭皮の悩みを解決するために機能性植物成分の探索とそれを生かした商品開発に取り組んでおります。また、ヘアケア最高峰ブランドである「フローディア」に髪のねじれやゆがみで生じる浮き毛をケアすべく、コントロールライン(全3アイテム)を追加いたしました。フローディア独自技術「バルネイドシステム」に水分コントロール技術を付与することで、浮き毛を抑えてみずみずしい艶髪を実現しました。さらに大人女性の髪と頭皮の悩みを解決するために機能性植物成分の探索とそれを生かした商品開発に取り組んでおります。新規分野においては、大人の女性が抱える肌の悩みに応えるためにスキンケアに特化した研究開発をおこなっております。基礎研究においては、「すべての人に10代の髪を生やす」という長期ビジョンをかかげ、研究機関や大学との共同研究による毛髪と皮膚の微細構造の解析、毛髪と皮膚のダメージの解析ならびに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に取り組んでおります。また、サステナブルな社会を実現するために、さらに環境にやさしい製品開発に取り組んでおります。
FY2019|3,729 文字
5【研究開発活動】当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。当連結会計年度は、本社敷地内に2017年11月に竣工した研究開発の中核拠点である「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)をフルに活用し、より一層ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合わせることで、新しい製品と事業の創出に取り組んでまいりました。また、NICを産官学連携のプラットフォームとして活用することで、環境、電子材料、医療・福祉、自動車、先端素材など各分野でのオープン・イノベーションを推進し、早期事業化を目指しているところであります。また、NICの竣工に伴い当社研究開発の中核である化学品事業の界面科学研究所と化粧品事業の毛髪科学研究所が一体となり、日華化学(中国)有限公司の研究開発部門、台湾日華化学工業股份有限公司の先端研発センター、NICCA KOREA CO.,LTD. の研究開発部門など、海外子会社の研究開発部門と連携しながら相乗効果を発揮することで、既存事業の強化と新展開、新規事業の創生を進めております。当連結会計年度における特許登録件数は、国内で15件、海外で10件となりました。特許の譲受、期間満了の他不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の保有する特許登録件数は、国内は1件増加して、236件となり、海外は4件増加して94件となりました。当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。研究開発費については、当社グループの研究開発費を各セグメントに配分したもので、当連結会計年度の総額は2,289百万円であります。 (1)化学品事業当連結会計年度における研究開発費は、1,937百万円となっております。化学品事業においては、2015年に持続可能な開発目標(SDGs)が国連で採択されたように、深刻化する環境課題などへの解決に向けた持続可能な社会の構築に貢献することがますます要望されております。この様な状況を鑑み、化学品事業における研究開発活動は、NICの竣工とともに発足した界面科学研究所を核として、国外7拠点の開発部隊との連携を更に進めるとともに、産官学とのオープン・イノベーションを継続して展開し、EHS(環境・健康・安全)に配慮した技術・商品開発に注力しております。繊維化学品事業の研究開発においては、これまで注力してきた機能剤の開発と並行して弊社が伝統的に強みとしてきた合繊用の工程薬剤の開発に取り組み、サステナブルに着目した画期的な製品群を上市、お客様から好評を得ることができました。機能剤については、昨年開発してきたフッ素フリー撥水剤がこれまでにない性能を示すことを確認できており、今後非常に期待がもてる新製品上市を進めています。また、難燃剤については、国外開発部隊と連携して取り組んだ開発が進展し、難燃バッキング剤の上市・展開が進みました。クリーニング&メディカル事業の研究開発においては、ホームクリーニング分野で新たな挑戦として開発に取り組んだシューズクリーニングは業界を活性化させ、新たなマーケット創出が期待されます。リネンサプライ分野では、開発中の薬剤供給システムでお客様の品質管理に寄与するとともに、オープン・イノベーションにより、ユニフォーム類の再汚染防止や手術用リネンの洗浄処方検討が進展しました。メディカル分野では、医療器具向けの洗浄剤を中心にお客様との連携によりスムーズに新製品を上市いたしました。特殊化学品関連の研究開発においては、特殊樹脂用原料開発において課題解決を進め、顧客でのラボ認証を得るとともに工業スケールでの量産化検討を進めています。紙パルプ分野において、古紙リサイクル品の品質向上につながる薬剤の開発・提案を進めています。また、現在好評を頂いておりますUV硬化インク対応脱墨剤において、紙パルプ業界に貢献した個人・企業を表彰する佐々木賞を受賞しました。注力分野であるウレタン関連研究開発においては、繊維分野において国外開発部隊との連携による新規処方の確立を行いました。2019年に運用を開始した鹿島工場での生産は順調に立ち上がり、複数の開発品においてお客様での中量試験に移行いたしました。新規分野では、5G向けを中心としたフッ素ポリマーの開発に注力するとともに、人工核酸については、光架橋性人工核酸を用いた体外診断システムの実用化に向けた医工連携の取り組みが進展、実際の事例での開発を引き続き進めています。非環状型人工核酸については国の支援を受けた実用化検討を推進、工業化に目処をつけるとともに、オープン・イノベーションでの医療分野向け応用用途開拓が進展しております。精密重合技術を活用した用途開拓については、スケールアップ検討に移ったライフサイエンス用途に続いて、工業用途向け検討がスタートいたしました。界面科学研究所はNICという「創発の場」を最大限に活かし、様々な形でのオープン・イノベーションを積極的に推進し、コア技術を更に磨き上げ、弊社グループR&Dの研究開発力を高めることで、持続可能な社会の達成に貢献できる環境配慮型新製品の開発に引き続き注力してまいります。 (2)化粧品事業当連結会計年度における研究開発費は352百万円となっております。美容業界は、美容室への来店サイクルの長期化、客単価の低下、来客数の減少など、依然として厳しい市場環境が続いております。このような市場環境のもと、メーカー、代理店、美容室のそれぞれにおいてさらに二極化が拡大し、デフレ現象、供給過多、価格競争、代理店競争、サロン競争、人材確保が益々激化してきていることから、業界が一体となって、美容室における来店頻度の向上、スタッフの生産性アップのために高付加価値メニュー創出と店頭販売商品の推進に取り組んでおります。また、美容師の人材不足問題に関しては、生涯美容師育成のためのスタッフ育成教育に業界を挙げて注力しており、代理店も含めて、リクルート&リテインの観点から働き方改革が促進されてきております。日本においては大人社会の本格的到来、高齢化により、ヘアカラー、パーマの繰り返しによる髪のダメージ、頭皮のトラブル、髪が細くなる、薄くなる、白髪が増えるなどの悩みが年々増加しており、安全、安心に対する意識の高まりと相まって、本物志向の自然派商品、高付加価値商品の店頭販売商品の市場は伸び続けております。このような状況に対応すべく、当社の毛髪科学研究所は、美容室におけるヘアカラーの高付加価値商品の開発ならびにヘアケア、スキャルプケアの店頭販売商品の開発にさらに注力しております。ヘアカラーの分野においては、女性のファッションカラーに対する意識が高まり、色と艶を重視するお客様のニーズに対応すべく付加価値の高いヘアカラーの開発に取り組んでまいりました。その成果として、酸化染料と酸性染料をミックスした当社独自処方を開発し、多彩な色を表現できるヘアカラー「FUSIONIST(フュージョニスト)」(1剤全37アイテム、2剤全2アイテム)を発売いたしました。NIC開設により強化してきた社内オープンイノベーションの推進による界面科学研究所の繊維染色技術と毛髪科学研究所の毛髪科学に基づいて開発されました。さらに付加価値を高めるべく、カラーバリエーションの充実に取り組んでおります。ヘアケア、スキャルプケアの分野においては、近年メンズの美意識の高まりに対応すべくビジネスマンをサポートするメンズ向け新ブランド「ELEVATE (エレベート)」(全15アイテム)を発売いたしました。男性特有の髪、頭皮、肌の悩みを解決してメンズの清潔感を高めることに取り組みました。「エレベート」ブランドの強化に向けて、さらにメンズの髪、肌の悩みを解決するために、機能性植物成分の探索とそれを生かした商品開発に取り組んでおります。また、新たな取り組みとして、20代前半の流行に敏感な女性をターゲットにした新ブランド「Treneejo(トレニージョ)」(全22アイテム)を発売いたしました。気分に合わせて自由自在に色が表現できるように、塩基性染料、HC染料を使用したヘアカラー(染毛料)ならびに脱色剤・脱染剤とカラーを長く楽しんでもらうためのシャンプー、トリートメント、アウトバストリートメントなどのホームケアアイテムを開発いたしました。新規分野においては、大人の女性が抱える肌の悩みに応えるためにスキンケアに特化した研究開発をおこなっております。基礎研究においては、「すべての人に10代の髪を生やす」という長期ビジョンをかかげ、研究機関や大学との共同研究による毛髪と皮膚の微細構造の解析、毛髪と皮膚のタメージの解析ならびに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に取り組んでおります。また、サステナブルな社会を実現するために、さらに環境にやさしい製品開発に取り組んでおります。
FY2018|3,970 文字
5【研究開発活動】当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。当連結会計年度は、本社敷地内に2017年11月に竣工した研究開発の中核拠点である「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)をフルに活用し、より一層ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合わせることで、新しい製品と事業の創出に取り組んでまいりました。また、NICを産官学連携のプラットフォームとして活用することで、環境、電子材料、医療・福祉、自動車、先端素材など各分野でのオープン・イノベーションを推進し、早期事業化を目指しているところであります。また、NICの竣工に伴い当社研究開発の中核である化学品事業の界面科学研究所と化粧品事業の毛髪科学研究所が一体となり、日華化学(中国)有限公司の研究開発部門、台湾日華化学工業股フン有限公司の先端研発センター、NICCA KOREA CO.,LTD. の研究開発部門など、海外子会社の研究開発部門と連携しながら相乗効果を発揮することで、既存事業の強化と新展開、新規事業の創生を進めております。当連結会計年度における特許登録件数は、国内で5件、海外で7件となりました。特許の譲受、期間満了の他不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の保有する特許登録件数は、国内は8件減少して、235件となり、海外は7件増加して90件となりました。当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。研究開発費については、当社グループの研究開発費を各セグメントに配分したもので、当連結会計年度の総額は22億1千9百万円であります。 (1)化学品事業当連結会計年度における研究開発費は、18億9千4百万円となっております。化学品事業においては、2015年に持続可能な開発目標(SDGs)が国連で採択されたように、深刻化する環境課題などへの解決に向けた持続可能な社会の構築に貢献することがますます要望されております。この様な状況を鑑み、化学品事業における研究開発活動は、NICの竣工とともに発足した界面科学研究所を核として、国外7拠点の開発部隊との連携を更に進めると共に、産官学とのオープン・イノベーションを継続して展開し、EHS(環境・健康・安全)に配慮した技術・商品開発に注力しております。繊維化学品事業の研究開発においては、これまで注力してきた機能剤の開発と並行して弊社が伝統的に強みとしてきた合繊用の工程薬剤の開発に取り組み、サステナブルに着目した画期的な製品群を上市、お客様から好評を得ることができました。機能剤については、昨年開発してきたフッ素フリー撥水剤がこれまでにない性能を示すことを確認できており、今後非常に期待がもてる新製品上市を進めていきます。また、難燃剤については国外開発部隊と連携して取り組んだ開発が進展し、難燃バッキング剤の上市・展開が進みました。クリーニング&メディカル事業の研究開発においては、ホームクリーニング分野で新製品のワンショット洗剤が市場から好評を博しており、新たな挑戦として開発に取り組んだシューズクリーニングは業界を活性化させ、新たなマーケット創出が期待されます。リネンサプライ分野ではオープン・イノベーションにより、ユニフォーム類の再汚染防止や手術用リネンの洗浄処方検討が進展しました。メディカル分野では、医療器具向けの洗浄剤を中心にお客様との連携によりスムーズに新製品の上市を実施し、新規分野である3Dプリンター造形物用洗浄剤についても実績が出てきました。特殊化学品関連の研究開発においては、特殊樹脂用原料開発において課題解決を進め、顧客でのラボ認証を得ると共に工業スケールでの量産化に目処がつきました。また、現在好評を頂いておりますUV硬化インク対応脱墨剤に続く紙パルプ分野の新製品を開発中であり、先行して自己乳化型の消泡剤を上市致しました。情報記録分野においては更なるコストダウンに向けた製法検討を進めています。注力分野であるウレタン関連研究開発においては、繊維分野において国外開発部隊との連携による新規処方の確立を行うと共に新規採用を獲得し、台湾での生産実績を実現致しました。2019年に運用を開始する鹿島工場での生産を見据えた取り組みも加速し、複数の開発品においてお客様での中量試験に移行致しました。非繊維分野においては特に光硬化型ウレタンに関して家具用途に新規採用となり、植物由来・環境対応ウレタンアクリレートとしてプレスリリースを行いました。新規分野では、ナノダイヤを応用したプロジェクター用フィルムに関して、従来の透過型に加え新たにホワイト型を開発、上市致しました。現在更なる複合化による新グレード開発を加速しており、製品ラインナップの充実化を図っております。この他炭素繊維複合材料関連では、熱硬化型に加え熱可塑性樹脂向け特殊サイジング剤の開発を推進、特許化を行いました。人工核酸については、光架橋性人工核酸を用いた体外診断システムの実用化に向けた医工連携の取り組みが進展、コンセプト検証が終了し実際の事例での検証に入りました。非環状型人工核酸については国の支援を受けた実用化検討を推進、工業化に目処をつけると共に、オープン・イノベーションでの医療分野向け応用用途開拓が進展しております。精密重合技術を活用した用途開拓についてはスケールアップ検討に移ったライフサイエンス用途に続いて、工業用途向け検討がスタート致しました。NEDOの支援を受けたフェムトリアクター検討では、サイズ制御プレート型銀粒子の合成に成功、特許出願を行いました。本年は、特に機能発現における機構解明を分析担当と商品開発担当が協力して進め、新たな知見の獲得と共に新商品開発に繋げることができました。界面科学研究所はNICという「創発の場」を最大限に活かし、様々な形でのオープン・イノベーションを積極的に推進し、コア技術を更に磨き上げ、弊社グループR&Dの研究開発力を高めることで、持続可能な社会の達成に貢献できる環境配慮型新製品の開発に引き続き注力して参ります。 (2)化粧品事業当連結会計年度における研究開発費は3億2千4百万円となっております。美容業界は、美容室への来店サイクルの長期化、客単価の低下、来客数の減少など、依然として厳しい市場環境が続いております。このような市場環境のもと、メーカー、代理店、美容室のそれぞれにおいて二極化が拡大し、デフレ現象、供給過多、価格競争、代理店競争、サロン競争、人材確保が益々激化してきていることから、業界が一体となって、美容室における来店頻度の向上、高付加価値メニューの提案、店頭販売商品の推進に取り組んでおります。美容師の人材不足問題に関しては、生涯美容師育成のためのスタッフ育成教育に業界を挙げて注力しており、代理店も含めて、リクルート&リテインの観点から働き方改革が促進されてきております。また、日本においては大人社会の本格的到来、高齢化により、ヘアカラー、パーマの繰り返しによる髪のダメージ、頭皮のトラブル、髪が細くなる、薄くなる、白髪が増えるなどの悩みが増加しており、安全、安心に対する意識の高まりと相まって、本物志向の自然派商品、高付加価値商品の店頭販売商品は市場が伸び続けております。このような状況に対応すべく、当社の毛髪科学研究所は、美容室におけるヘアケア、スキャルプケアの店頭販売商品の開発ならびにヘアカラーの高付加価値商品の開発にさらに注力しております。ヘアカラーの分野においては、40~50代女性のサロンカラー比率の高まりに伴い、ヘアカラーの繰り返しによる毛髪のダメージ、頭皮のダメージを少なくして欲しいというお客様のニーズが高まり、これに対応すべく付加価値の高いヘアカラーの開発に取り組んでまいりました。その成果として、世界初の新規染料「グロス染料」を当社独自で開発し、同染料を配合した艶やかな発色で髪や頭皮におだやかなカラー「Le POLISSAGE(ル ポリサージュ)」(全23アイテム)を発売いたしました。「ル ポリサージュ」は、NIC開所を機に強化してきたオープンイノベーションの推進による、界面科学研究所の界面科学・高分子化学を中心とするサーフェスサイエンス技術・合成技術と、毛髪科学研究所の毛髪科学や皮膚科学に基づいた浸透技術・染色技術とのコラボレーションで開発されたもので、さらに付加価値を高めるべく、カラーバリエーションの充実と機能性の向上に取り組んでおります。ヘアケア、スキャルプケアの分野においては、高付加価値ヘアケアである「フローディア」ブランドに大人女性の頭皮の悩みを解決すべくスキャルプケアライン(全8アイテム)を追加いたしました。多様化するライフスタイルで、日々変化する頭皮環境により複雑化する悩みを解決して、すこやかで美しい艶髪を実現いたしました。「フローディア」ブランドの強化に向けて、さらに大人女性の髪と頭皮の悩みを解決するために、機能性植物成分の探索とそれを生かした商品開発に取り組んでおります。新規分野においては、大人の女性が抱える肌の悩みに応えるためにスキンケアに特化した研究開発をおこなっております。基礎研究においては、「すべての人に10代の髪を生やす」という長期ビジョンをかかげ、研究機関や大学との共同研究による毛髪と皮膚の微細構造の解析、毛髪と皮膚のタメージの解析ならびに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に取り組んでおります。
FY2017|3,513 文字
6【研究開発活動】当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。当連結会計年度は、本社敷地内に研究開発の中核拠点である「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)を竣工しました。より一層ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合わせることで、新しい製品と事業の創出を加速してまいります。また、NICを産官学連携のプラットフォームとして活用することで、環境、電子材料、医療・福祉、自動車、先端素材など各分野でのオープンイノベーションを推進し、早期事業化を目指してまいります。また、NICの竣工に伴い当社研究開発の中核である化学品事業の界面科学研究所と化粧品事業の毛髪科学研究所が一体となりました。海外においては、日華化学(中国)有限公司の研究開発部門、台湾日華化学工業股フン有限公司の先端研発センター、NICCA KOREA CO.,LTD.の研究開発部門が研究開発の中核を担っており、それぞれが連携しながら相乗効果を発揮することで、既存事業の強化と新展開、新規事業の創生を進めてまいります。当連結会計年度における特許登録件数は、国内で13件、海外で4件となりました。特許の譲受、期間満了の他不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の保有する特許登録件数は、国内は2件増加して、243件となり、海外は3件増加して83件となりました。当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。研究開発費については、当社グループの研究開発費を各セグメントに配分したもので、当連結会計年度の総額は20億6千5百万円であります。(1)化学品事業当連結会計年度における研究開発費は、18億1千4百万円となっております。化学品事業における研究開発活動は、従来組織では、化学品部門の繊維化学品事業部、ファインケミカル事業部、クリーニング&メディカル事業部内の各研究開発部やグループ、特殊化学品本部内の研究開発部及びコーポレート研究を担当するコーポレートイノベーション研究部で実施しておりましたが、NICの開所と同日の平成29年11月1日より、化学品事業全ての研究開発活動を一元的に担う新たな組織として、化学品部門内に界面科学研究所を発足致しました。これは、急速に変化する市場とグローバル化の進展に合わせた顧客志向の商品開発と先行開発となる中長期技術開発を機動的に行い、ユニークな製品群をより短期間で市場に提供することを目的としており、その達成に向けて産学官連携でのオープンイノベーションを積極的に展開しております。繊維化学品事業の研究開発においては、これまで以上に現場を意識した外向き研究開発活動が奏功し、環境対応型撥水剤に加え、公益社団法人発明協会主催による平成29年度近畿地方発明表彰において文部科学大臣賞を受賞した非フッ素系撥水剤の新規ラインナップ、難燃バッキング剤の新製品群、さらには画期的な環境対応型新規精練剤を開発致しました。引き続き、高度化する顧客要望への対応と共に新領域開拓に向け、国内外でのオープンイノベーションを加速すると共に海外拠点を含めたグループの総力を結集して開発活動に取り組んでおります。ファインケミカル事業の研究開発においては、主要技術であるビスフェノール誘導体の製法検討をさらに深化させ、新グレード製品を市場に導入致しました。現在新手法導入による工程の合理化や、品質の安定化を推し進めると共に、オープンイノベーションによる新たな感熱紙用機能加工剤の開発にも力を注いでおります。クリーニング&メディカル事業の研究開発においては、両事業における機能性新製品の自主開発に加え、医療機器の洗浄度サービスの実績化と、オープンイノベーションによる新製品開発が進展しました。現在、新領域開拓に向けた取り組みについても注力しております。特殊化学品関連の研究開発においては、機能材料分野における新規脱墨剤や柔軟剤、さらに前年上市した環境対応型金属洗浄剤の新グレード製品等を開発いたしました。機能ポリマー分野では、非繊維分野での実績化が進展し、繊維分野を含む機能性新製品の開発に注力すると共に、機構解明に向けた産学連携の取り組みを精力的に進めております。新規分野では、透過型スクリーン「DiaLumie」を上市し、そのラインナップ開発を進めると共に、金属ペーストでは接合剤としての開発を進めました。リビングアニオン重合といった精密重合技術や機能性人工核酸ではオープンイノベーションでの取り組みが進展、産官学の連携による事業化に向けた共同開発を進めております。コーポレート研究においては、複合材料分野における国内外でのオープンイノベーションを推進し、特に炭素繊維のリサイクルに有効な技術を開発し、発表を致しました。産業技術総合研究所と連携したフェムトリアクター検討ではNEDO(国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構)の先導研究プログラムの継続採択により実用研究をリードしております。分析関連では、先端技術の導入による表面解析を通じた機構解明を推し進め、イノベーション創発の推進に注力しております。新たに発足した界面科学研究所は、NICという「創発の場」を最大限活かし、様々な形でのオープンイノベーションをより積極的に推進すると共に、高分子合成・界面コロイド科学におけるコア技術をさらに強固で独自性のあるものとすることで、当社は引き続き持続可能な社会の達成に貢献できる環境配慮型製品の開発に力を注いでまいります。(2)化粧品事業当連結会計年度における研究開発費は2億5千1百万円となっております。美容業界は、依然として美容室への来店サイクルの長期化、客単価の低下、来客数の減少が続いており厳しい市場環境が続いております。また、美容室においては美容師の人材不足が益々深刻な問題となっております。美容業界市場が低迷する中、メーカー、代理店、サロンの二極化が益々進み、デフレ現象、供給過多、価格競争、代理店競争、サロン競争、人材確保が益々激化してきております。このような市場環境のもと、サロンにおいては、来店頻度を高める取り組み、高付加価値メニューの提案と店頭販売商品の強化、スタッフの育成教育に一層注力しております。日本人の平均年齢が47歳となり大人社会の本格的到来、高齢化が進んできていることで、ヘアカラー、パーマの繰り返しによる髪のダメージ、頭皮のトラブル、髪が細くなる、薄くなる、白髪が増えるなどの悩みも増加しております。また、安全、安心に対する意識もさらに高まり、本物志向の自然派商品、高付加価値商品の店頭販売商品についても、市場が伸び続けております。お客様のケア意識の高まりに対応すべく、当社の毛髪科学研究所は、サロンにおけるトリートメントメニューの開発とヘアケア、スキャルプケアの店頭販売商品の開発ならびにヘアカラーの高付加価値商品の開発にさらに注力しております。ヘアケアの分野においては、美しい自然な艶髪でありたい、毛髪ダメージを効果的にケアしたいという女性の想いに応えるため、7年の歳月をかけて毛髪の微細構造解析、ダメージ解析および肌に対する安全性に関する研究を重ね、医学発想の技術「バルネイドシステム」の開発をおこないダメージ部分だけを選択的かつ効果的に補修することを実現しました。その技術を応用することによりヘアケア最高峰ブランドである「フローディア」サロン用システムトリートメント(全11アイテム)、ホームケア(全11アイテム)を開発いたしました。さらに大人女性の頭皮の悩みを解決すべく機能性植物成分の研究を重ねており、スキャルプケア商品の開発に取り組んでおります。ヘアカラーの分野においては、40~50代女性のサロンカラー比率の高まりによりヘアカラーの繰り返しによる毛髪のダメージ、頭皮のダメージを少なくして欲しいというお客様のニーズに対応すべく付加価値の高いヘアカラー開発に引き続き取り組んでおります。新規分野においては、大人の女性が抱える肌の悩みに応えるためにスキンケアに特化した研究開発をおこなっております。基礎研究グループにおいては、イノベーション創出のための基礎研究に取り組んでおり、大学との共同研究による毛髪と皮膚の微細構造の解析、毛髪と皮膚のタメージの解析ならびに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に力を注いでおります。
FY2016|3,466 文字
6【研究開発活動】当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。すでに建築工事が始まったNICCA イノベーションセンター(以下「NIC」)は、今年2017年の秋に完成を予定しております。現在、化粧品事業の毛髪科学研究所、日華化学研発(上海)有限公司、台湾先端研発センター及びNICCA KOREA CO.,LTD.の研究開発部門と連携しながら活動を進めておりますが、NIC完成後は、国内の化学品と化粧品の研究所は同じ建物の中に統合されることになります。当連結会計年度における特許登録件数は、日本国内で17件、海外で10件となりました。特許の譲受、期間満了の他、不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の保有する特許登録件数は、国内は35件増加して241件、海外は23件増加して80件となりました。当社グループの研究開発費は各セグメントに配分しております。当連結会計年度の総額は、20億3千5百万円であります。当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。 (1)化学品事業当連結会計年度における研究開発費は、18億1百万円となっております。市場と密接に連携した技術開発及び製品開発活動を、化学品部門の繊維事業部製品企画開発部・ファインケミカル事業部研究開発部・クリーニング&メディカル事業部研究開発部及び新規育成事業部門の特殊化学品本部研究開発部で実施しております。また基盤技術からの中長期研究テーマを、コーポレートリサーチセンターのコーポレートイノベーション研究部で実施しております。急速な市場の変化とグローバル化の進展に合わせたスピード感のある製品開発を目指して、産学官連携のオープンイノベーションを積極的に展開しております。繊維用化学品では、非フッ素系撥水剤の開発に総力を結集し、シリコーン系やハイブリッド系のラインナップを取り揃えて、世界をリードする充実した製品群を実現いたしました。当社の主力製品のひとつであるカーシート用難燃バッキング剤でも、環境負荷の少ない非臭素系の新製品を開発しております。抗菌・消臭などの機能化のみならず、繊維内部に保湿成分を含浸して、肌にやさしいインナーウェアを実現する薬剤の開発も行っております。中国の日華化学研発(上海)有限公司と浙江日華化学有限公司では、過去に例のない綿用の吸水速乾加工剤を開発いたしました。ファインケミカル事業部は、主要技術であるビスフェノールS誘導体の開発の他、エンジニアリングプラスチック原料としての用途開発にも力を入れております。クリーニング&メディカル事業部では、医療機器の洗浄性向上のため血液凝固を防止するスプレーの開発にも成功しております。特殊化学品本部では、新たに開発した金属用スプレー洗浄剤ニッカサンクリーンSP-4500が、低温洗浄を可能とする省エネルギー性と、消泡性・加工適性等の高さが自動車部品メーカーにも高く評価されて、「産業洗浄優秀新製品賞」を受賞いたしました。ウレタン樹脂の開発を特殊化学品本部の機能ポリマー部に統合して、人工皮革用樹脂や、形状記憶性を有するコーティング樹脂の開発が迅速に行えるようになりました。精密重合制御や人工核酸の合成の技術をさらに進化させております。またどの角度からも鮮明な映像を見ることができるナノダイヤを用いた透過型スクリーンの実用化に成功しました。プリンタブルエレクトロニクス分野の低温焼結型の銅、及び窒化銅、導電性ペーストの開発も進めております。コーポレートリサーチセンターでは、炭素繊維用複合材料用の添加剤・電子線硬化樹脂の開発を推進し、ドイツの研究クラスターCFK Valley Stadeのコンベンションでブース展示し、注目を浴びました。アーヘン工科大学との共同研究の成果をもとに炭素繊維のリサイクル用途への展開を進めております。NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー産業技術総合開発機構)の先導研究プログラムと農研機構の異分野融合共同の委託研究では、将来の実用化に繋がる成果を残しました。福井大学とは、改めて包括的提携契約に調印し、大学内に弊社とのジョイント・ラボを設置して、反応のシミュレーションや界面挙動の解析等の共同開発を推進しております。界面科学・ナノテクノロジーのコア技術をさらに強固で独自性のあるものとするため、大阪大学・東京工業大学・北陸先端科学技術大学・京都工芸繊維大学・産業技術総合研究所・福井県工業技術センター・フラウンホーファー等とのオープンイノベーションを引き続き進めております。当社グループは、グローバルなグループ研究体制で、引き続き持続可能な社会の達成に貢献できる環境配慮製品の開発に力を注いでまいります。 (2)化粧品事業当連結会計年度における研究開発費は2億3千3百万円となっております。美容業界は、依然として美容室への来店サイクルの長期化、客単価の低下、来客数の減少が続いており厳しい市場環境です。また市場が低迷する中、メーカー、代理店及びサロンの二極化が益々進み、デフレ現象、供給過多、価格競争、代理店競争及びサロン競争も益々激化してきております。このような市場環境のもと、サロンにおいては、来店頻度を高める取り組み、高付加価値メニューの提案及び店頭販売商品の強化により一層注力しております。日本において高齢化が進行する中、健康でいつまでも若々しくいたいとの想いが強まり、ヘアカラーにおいては従来の黒く染めるグレイカラーから明るいファッショングレイカラーの需要が高まっております。また、一方、明るいグレイカラーの繰り返しによる髪のダメージ、頭皮のトラブル、髪が細くなる、薄くなる、白髪が増える等の悩みも益々増加しております。このような悩みからヘアケアやスキャルプケアに対する意識もより高まり、サロンにおけるヘッドスパメニューの需要もさらに高まりつつあり、エイジングケア市場分野はさらに成長しております。また、安全や安心に対する意識もより高まり、本物志向の自然派商品、高付加価値商品の店頭販売商品についても伸び続けております。そこで、当社の毛髪科学研究所は、ヘアカラーの高付加価値商品の開発とお客様のケア意識の高まりに対応すべく、スキャルプケア、ヘアケアの店頭販売商品の開発にさらに注力しております。ヘアカラーの分野においては、40~50代女性のサロンカラー比率の高まりとファッションカラーの需要に対応すべく主力ブランド「アソート アリア C」(全40アイテム)において、さらに16アイテムを開発して季節ごとにふさわしい髪色を提案いたしました。また、弱酸性ヘアカラー「アソート アリア エトレ」においても、さらに6アイテムの開発を行い、サロンならではのノンアルカリ(弱酸性)カラー、植物由来成分配合、トリートメント成分配合でヘアカラーの付加価値を高め生涯続けられるカラー提案の充実を図りました。さらに、ファッショングレイカラーの需要に対応すべく、新ヘアカラーシリーズ「アソート アリア S」(全20アイテム)の開発を行い、お客様が求めている明るくしっかりと染まりながらもダメージの少ないグレイカラーを実現いたしました。お客様のニーズに対応すべく付加価値の高いヘアカラー開発に引き続き取り組んでおります。スタイリング剤の分野においては、スタイリング剤「ウェーボ ジュカーラ」シリーズに髪の乾燥、ダメージに対応したミルキーシリーズ(全3アイテム)の開発を行い、髪の悩みを解決しながら思い通りのスタイリングができるようにいたしました。ヘアケアの分野においては、毛髪の微細構造解析、ダメージ解析および肌に対する安全性に関する研究を重ねており大人女性に対応したヘアケア店頭販売品の強化を図っております。また、スキャルプケアの分野においては、機能性植物成分の研究を重ねており、エイジングケア商品の開発に取り組んでおります。新規分野においては、大人の女性が抱える肌の悩みに応えるためのスキンケアに特化した研究開発を行っており、基礎研究グループにおいては、エイジングケアのための研究開発に取り組んでおります。また、大学との共同研究による毛髪の微細構造の解析、ダメージ解析ならびに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に力を注いでまいります。