事業の概要
- 迷惑情報データベーストビラシステムズは、迷惑電話や迷惑メッセージに関する独自のデータベースを基盤としています。このデータベースは、警察などの公的機関からの情報、利用者からのフィードバック、インターネットでの情報収集などを通じて日々更新されており、年間50億件以上の電話・メール・SMSの判定処理を行う大規模かつ高精度なものです。このデータベースを活用し、犯罪抑止に効果的なセキュリティサービスを提供しています。
- セキュリティ事業この事業では、迷惑情報データベースを使い、振り込め詐欺やフィッシング詐欺などの対策サービスを展開しています。主なサービスとして、通信キャリアと提携して提供するモバイル向け迷惑電話フィルタリングアプリ「トビラフォン」があり、利用者のスマートフォンに届く迷惑電話を自動で拒否したり警告表示したりします。また、Web閲覧時の迷惑広告をブロックするアプリ「280blocker」も提供し、多角的なセキュリティ対策をカバーしています。
- 収益モデルと顧客基盤モバイル向けサービスでは、ソフトバンク、NTTドコモ、KDDIといった大手通信キャリアのオプションパックに当社のアプリが組み込まれて提供されています。通信キャリアとの定額または従量課金契約により、オプションパックの契約数や利用者数に応じた継続的かつ安定的な収益を得ています。これにより、約1,500万人の利用者基盤にアプローチし、安定した収益源を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- セキュリティ事業この事業は、迷惑電話やSMSによる詐欺対策に特化したサービスを提供しており、当社の主要な収益源です。大手通信キャリアと提携し、モバイル向けアプリ「トビラフォン」などを提供することで、約1,500万人の利用者基盤を獲得しています。売上高は19.05億円、営業利益は13.38億円と、当社の稼ぎ頭となっています。
- ソリューション事業セキュリティ事業で培った迷惑情報データベースの技術を基盤に、法人向けの迷惑電話対策ソリューションなどを提供しています。この事業は、特定取引先への依存リスクを軽減し、事業拡大を図るための重要な戦略的セグメントです。売上高は8.99億円、営業利益は1.51億円であり、今後の成長が期待される分野です。
- 事業区分の変更当事業年度より、事業展開や経営資源配分の実態をより適切に反映させるため、従来の「迷惑情報フィルタ事業」の単一セグメントから、「セキュリティ事業」と「ソリューション事業」の2区分に変更されました。これにより、各事業の具体的な内容や収益性がより明確になり、経営状況の把握がしやすくなっています。
2025-10 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| SecurityBusinessReportableSegment | 地域 | 19 | 13 | 70.2% |
| SolutionBusinessReportableSegment | 地域 | 9 | 2 | 16.8% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社は「私たちの生活 私たちの世界を よりよい未来につなぐトビラになる」を企業理念として掲げ、この企業理念に基づき、「誰かがやらなければならないが、誰もが実現できていない社会的課題の解決を革新的なテクノロジーで実現すること」を事業方針の軸としております。当社は、この事業方針のもと、迷惑電話や迷惑メッセージ等の迷惑情報に関するデータベース(以下「迷惑情報データベース」)を基盤として、当該データベースを活用したサービスの開発・提供を行っております。 <迷惑情報データベース>独自の機械学習サイクルを備えたデータベーステクノロジー(※1)を活用し、利用者が特段意識することなく、犯罪の脅威から安心安全な生活を守れるよう犯罪抑止に効果的なセキュリティ商品・サービスを提供しております。疑わしい電話番号・SMS・URLの情報を、警察等の公的機関からの連携、サービス利用者からのフィードバック、インターネットでの情報収集等で網羅的に収集・集積(※2)し、習慣性判定を行うAI技術で迷惑電話番号等を抽出(※3)することで、迷惑情報データベースを日々更新しております。当該迷惑情報データベースは、年間50億件以上(※4)の電話・メール・SMSについて判定処理を行っており、その規模及び精度は高水準となっております。また、本データベースは、通信事業者向け迷惑電話フィルタリングサービスやスマートフォン向けアプリケーション、法人向け迷惑電話対策ソリューション等、当社が提供する各種サービスに共通して利用される中核基盤として、当社の競争力を支える重要な役割を担っております。※1 デジタル技術の進化に伴い、様々な情報がデータベースにログ情報として蓄積できるようになりました。当社では、独自の調査とデータ収集活動により収集した様々なデータベースを統合・解析し、機械学習を活用した分析を行うことにより、リスク検知に有用な情報として加工する技術を有しており、このことを「データベーステクノロジー」と表現しております。※2 2025年10月末現在において、企業や店舗、公共施設等の電話番号情報を565万件以上、うち迷惑電話番号に関する情報を約3万件データベース化しております。また、これらの情報は日々更新され、高品質なデータベースの維持・向上に努めております。 ※3 当社では、警察等の公的機関による情報提供、利用者からの着信拒否・許可といったフィードバック情報や、当社による独自の調査活動を通じて、電話番号ごとに迷惑度合いの点数化を行い、データベースに蓄積しております。このデータベースに蓄積された情報から、特殊詐欺など犯罪に利用された電話番号やしつこいセールスの電話番号など、迷惑電話をかける可能性のある番号を、統計や機械学習を用いた当社独自のアルゴリズムにより自動的に迷惑電話番号候補として抽出し、当社技術者が迷惑電話番号リストへの登録要否を最終判断することをもって、迷惑電話番号リストを作成・更新しております。※4 2024年11月1日~2025年10月31日において、当社の迷惑情報データベースを用いて判定した電話、メール、SMSの件数 当事業年度より、当社の今後の事業展開、経営資源配分、管理体制の実態の観点から、事業区分及び事業活動を適切かつ明瞭に表すことを目的として、報告セグメントを従来の「迷惑情報フィルタ事業」の単一セグメントから、「セキュリティ事業」、「ソリューション事業」の2区分に変更しております。事業の具体的な内容は次のとおりであります。 (1) セキュリティ事業当社は、迷惑情報データベースを活用し、電話やショートメッセージサービス(SMS)を利用した振り込め詐欺、特殊詐欺、フィッシング詐欺などの抑止に効果的なセキュリティ事業を展開しております。当社では、常に最新の迷惑電話の活動状況に関する調査を行うことを目的とし、当社の迷惑情報データベースの利用者が行う着信許可・拒否登録、利用者のアプリやサービスから得られるログ情報、警察等の公的機関による情報提供、及び当社の調査活動等、日々膨大なデータを収集・蓄積しております。「トビラフォン」は、これらの収集・蓄積されたデータを元に当社独自の迷惑電話番号抽出技術を用いることで、利用者に着信した電話が迷惑電話かどうかの判別を行い、迷惑電話と判別された電話番号について、自動的に着信拒否や警告レベルに応じた「危険」「警告」の表示が適用される従来にはないセキュリティシステムです。また、公的機関や法人の電話番号など公開された電話番号もデータベース化されており、あらかじめ携帯電話の電話帳に登録されていなくても、自動的に発信者情報を表示する仕組みにより、安心して通話できる社会の実現に貢献しております。 当社は、これらの技術開発について積極的な研究開発活動と知財戦略を行ってきており、本書提出日現在において国内外にて14件の特許を取得しております。 さらに、モバイル向けの迷惑情報フィルタ機能の向上及びユーザーへの提供価値を高めるため、2021年8月には広告コンテンツをブロックするアプリ「280blocker」を提供していた合同会社280blockerの全持分を取得し、同社を吸収合併いたしました。これにより、当社のセキュリティ事業は、迷惑電話・SMS対策に加え、Web閲覧時の迷惑Web広告対策まで全方位でカバーできるようになっております。 セキュリティ事業は、「モバイル向け」、「固定電話向け」、「その他」の3つのサービスから構成されており、サービス別の内容は次のとおりであります。① モバイル向けソフトバンク株式会社、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社といった国内の主な通信キャリアと提携し、各通信キャリアが提供するオプションパックに含まれる複数のサービスの1つとして、当社の迷惑情報データベースを活用したアプリを各通信キャリアのアプリという形で、エンドユーザーに提供しております。オプションパックは、「あんしんパックモバイル」や「セキュリティパックプレミアム」等の名称で販売されており、他社が提供するセキュリティ対策サービスとセットで提供されております。携帯電話の利用者の多くは、携帯電話の契約を行う際に、通信キャリアの店頭でオプションパックの商品内容について対面での説明を受けることが多く、当該説明を踏まえてオプションパック加入の是非を検討しております。各通信キャリアのオプションパックに加入した契約者は当社の迷惑情報データベースを活用したアプリをダウンロードすることで迷惑電話フィルタ機能を利用することができるようになるほか、モバイル端末の電話帳等に登録をしていない電話番号であっても、当社の電話番号データベースに蓄積された情報を基に公共施設や企業等の名称を自動的に表示する機能を利用することが可能となります。また、当社独自のアルゴリズムにより収集・分析した迷惑メールデータベースを活用し、詐欺につながるテキスト情報を含むメールやSMSをフィルタする「迷惑メールフィルタ機能」の提供も行っております。迷惑メールデータベースは、利用者に届くメールやSMS情報を収集・分析し、迷惑URLとして出現頻度の高いURLや、迷惑メールとしての特徴を持つ本文情報から、独自のアルゴリズムにより危険な疑いのあるURL情報等をパタン抽出し、それらの情報について社内調査を行ったうえで構築されております。当社は、通信キャリアと定額又は従量課金による契約を締結しており、通信キャリアが提供するオプションパックの契約数又は利用者数に応じた収益モデルにより、継続的かつ安定的な収益基盤を確立しております。 当社は、これら3社グループと提携することで各社の顧客基盤にアプローチすることができておりますが、機種変更等による買い替えや契約内容の見直し等に伴うオプションパックへの加入需要を取り込むこと等で、モバイル向けフィルタサービスの利用者数・契約者数が増加していくことを期待しております。当社は通信キャリアに加え、株式会社ジェーシービーをはじめとする金融機関等にも迷惑情報データベースを提供しております。また、2025年10月29日には、法人向け詐欺メール・SMS訓練サービス「サギトレ」の提供を開始いたしました。主要なアプリ・サービス一覧事業者対象機器オプションパックアプリ・サービスアイコンKDDI㈱Android・iPhonePontaパスUQ mobile 安心セキュリティセット迷惑メッセージ・電話ブロック㈱NTTドコモAndroid・iPhoneあんしんセキュリティスタンダードプラン/トータルプランあんしんパックモバイルあんしんセキュリティソフトバンク㈱Android・iPhoneセキュリティパックプレミアムセキュリティOneかんたんスマホシリーズ(Y!mobile)なし(機能標準搭載)迷惑電話対策JCOM㈱Android・iPhone迷惑電話・メッセージブロックMY J:COMデジタルアーツ㈱ Android・iPhone-i-フィルター 10 ② 固定電話向け当社は、家庭用の固定電話向けにも迷惑電話防止サービスを提供しております。従来の電話回線向けの製品として、電話機外付け型端末「トビラフォン」を展開しており、自治体等が実施する実証実験事業における外付け型端末の販売及びレンタルを主たる商流としております。当該実証実験は、特殊詐欺被害防止施策の一環として、自治体等が地域住民に対して「トビラフォン」を無償で貸与し、その効果を検証するものであります。当社は、「トビラフォン」の提供に加え、パンフレットやレポートの作成、アンケートの実施等を通じて、当該実証実験の運営を支援しております。「トビラフォン」の電話機外付け型端末は、本体正面のLED発光色によって着信電話の安全度を表示する機能を搭載しており、利用者は電話に出る前に着信電話の安全度を直感的に確認することが可能です。また、ボタン操作1つで着信拒否を行うことができ、利用者による拒否操作の情報は当社の管理サーバに蓄積され、迷惑電話判定における調査対象データとして活用されております。なお、その他の商流として、当社からエンドユーザーへの直接販売等も行っております。 このほか、当社は通信回線事業者のオプションパックとして、IP電話向けの迷惑情報フィルタリングサービスを提供しております。当該サービスについては、通信回線事業者のオプションサービス契約数に応じた従量課金による契約を締結しております。IP電話を利用するためには通信回線事業者が提供するホームゲートウェイ(※5)を介して、インターネットと固定電話を接続する必要がありますが、当該サービスでは、通信回線事業者が提供するホームゲートウェイに本サービスに係るアプリケーションが内蔵されております。利用者がオプションパックの利用申し込みを行うことで、迷惑情報フィルタリングサービスの利用が可能となります。利用者の固定電話に着信があった際には、着信電話番号について当社の迷惑情報データベースへの自動照会を行い、迷惑電話に該当すると判定された場合には、呼び出し音を鳴らさない仕組みとなっております。 ※5 ホームゲートウェイとは、光回線によるインターネットサービスにおいて、複数の機器を相互に接続する光電話対応ルータを指します。 さらに、当社は、外付けの専用機器を必要とすることなく固定電話への迷惑電話を自動的に遮断するサービス「迷惑電話自動ブロック」を提供しております。本サービスは、JCOM株式会社が全国のケーブルテレビ事業者と提携して提供する固定電話サービス「ケーブルプラス電話」のオプションサービスとして提供しております。本サービスは、ネットワーク側で迷惑電話を判定・遮断する仕組みを採用しており、利用者が専用機器を設置することなく迷惑電話対策を行うことが可能となっております。 主要なサービス一覧通信回線事業者対象機器オプションパックサービスKDDI㈱ホームゲートウェイ電話オプションパックEX(※6)迷惑電話発着信ブロック中部テレコミュニケーション㈱光電話付加サービス割引パックPlusセキュリティパックあんしん電話着信サービス㈱オプテージあんしん電話パックあんしん発着信サービスJCOM㈱ネットワーク-(有料オプション)迷惑電話自動ブロック(J:COM PHONE)-(無料オプション)迷惑電話自動ブロック(CATV) ※6 近年、特殊詐欺被害が深刻化している情勢を踏まえ、総務省は2025年4月、電気通信事業者に対し、固定電話・携帯電話・SMS・メールを悪用した特殊詐欺等への対応強化を要請しました。こうした社会的背景を受け、KDDI株式会社は、同社が提供する「auひかり電話」向けの迷惑電話対策サービス「迷惑電話 発着信ブロック」について、2025年8月1日から2026年3月31日までの間に一定の条件を満たして申し込んだ利用者を対象として、同サービスを6か月間無料で提供することを発表しております。 ③ その他システムの受託開発等を行っております。なお、積極的に展開はしない方針です。 (2) ソリューション事業当社は、オフィス電話の業務効率化を図る製品を開発、設計、製造、販売しております。主には、通話管理ソリューションサービスの「トビラフォン Biz」と、クラウドPBXサービスの「トビラフォン Cloud」の2つの製品を提供しております。「トビラフォン Biz」は、オフィス電話に求められる便利な機能を1台に集約したビジネスフォン向け製品であります。当社独自の迷惑情報データベースを活用し、営業電話や迷惑FAXを自動的に遮断する機能を提供するほか、通話録音及び録音告知機能、IVR(自動音声応答システム)、通話音声のテキスト化機能等を備えております。また、通話録音や通話履歴、電話帳などはクラウド上で一元管理が可能であります。これらにより、近年社会問題となっているカスタマーハラスメントへの対応や、電話業務の効率化に寄与しております。「トビラフォン Cloud」は機器設置や工事を必要としないクラウド型ビジネスフォン(クラウドPBX)であります。スマートフォンアプリやPC、IP電話機等のマルチデバイスに対応しており、多様な勤務形態に応じた電話環境の構築が可能であります。また、「050」で始まるIP電話番号のほか、市外局番やフリーダイヤルなど、用途に合わせた電話番号の新規発行又は既存番号の引き継ぎが可能であり、外線・内線・転送等の通話機能だけでなく、録音・IVR(自動音声応答)・通話の文字起こしなど、電話業務を便利にする機能を標準搭載しております。さらに、SalesforceやHubSpot、kintoneなど様々な外部ツールと連携により、架電内容の記録や連絡先の管理の効率化が可能であるほか、AIによる通話内容の要約機能や通話履歴に対するラベルの自動付与機能を提供しており、通話内容の把握及び管理を支援しております。 <事業系統図> (1)セキュリティ事業 (2)ソリューション事業
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 高い市場シェアと約1,500万人の利用者基盤、通信キャリアとの連携による参入障壁。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 独自の機械学習サイクルを備えた迷惑情報データベースの規模と精度、関係機関との連携。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:技術革新・新技術による陳腐化 / 他社・他業界からの参入 / 特定取引先への依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
迷惑情報対策サービスにおける長年の実績と、警察庁や自治体との連携による信頼性が無形資産となっている。特に、不正利用対策や特殊詐欺対策におけるノウハウは、後発企業が容易に模倣できない強みを持つ。
スイッチングコスト★★★☆☆
自治体や警察からの委託事業が多く、一度導入されたサービスは、その信頼性や実績から他社への切り替えが起こりにくい。また、迷惑情報データベースの構築・維持にはコストと時間がかかるため、乗り換え障壁は一定程度存在する。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
現時点では、ユーザーが増えることでサービスの価値が飛躍的に向上するようなネットワーク効果は限定的である。
コスト優位☆☆☆☆☆
特筆すべきコスト優位性は見られない。サービス提供における技術的な優位性や規模の経済によるコスト削減効果は限定的と推測される。
規模の経済★☆☆☆☆
迷惑情報対策市場においては一定のシェアを持つものの、業界全体が巨大な規模を持つわけではなく、最適化された少数寡占状態とは言えない。
- 高精度な迷惑情報データベース当社は、警察等の公的機関との連携、利用者からのフィードバック、独自の調査活動を通じて、疑わしい電話番号やSMS、URLの情報を網羅的に収集・集積しています。独自のAI技術で迷惑電話番号などを抽出し、年間50億件以上を判定処理するこのデータベースは、その規模と精度において高水準であり、他社にはない強力な競争優位性となっています。
- 大手通信キャリアとの提携ソフトバンク、NTTドコモ、KDDIといった国内主要通信キャリアと提携し、各社のオプションパックを通じてサービスを提供しています。これにより、約1,500万人という大規模な利用者基盤にアクセスでき、安定的な収益源を確保しています。この強固なパートナーシップは、新規参入企業にとって大きな参入障壁となります。
- 技術力と知的財産独自の機械学習サイクルを備えたデータベーステクノロジーや、迷惑電話番号抽出技術、迷惑メールデータベース構築技術など、革新的なテクノロジーを有しています。国内外で14件の特許を取得しており、これらの技術開発への積極的な研究開発活動と知財戦略が、当社の競争力を支える重要な要素となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社は「私たちの生活 私たちの世界を よりよい未来につなぐトビラになる」を企業理念として掲げております。この企業理念に基づき、「誰かがやらなければならないが、誰もが実現できていない社会的課題の解決を革新的なテクノロジーで実現すること」を事業展開方針の軸として、ITテクノロジーを活用した様々な事業の創出や展開に取り組むことで、企業としての持続的な成長を図ってまいります。 (2) 目標とする経営指標当社は、より高い成長性の実現に向けて、2025年10月期から2028年10月期までの4年間を計画期間とする「中期経営計画2028」を策定・公表しております。その中で、収益基盤の拡大を図りながらも、一定程度の資本収益性の確保を両立させるべく、下記のとおり経営目標を定めております。指標2028年10月期 目標売上高6,000百万円営業利益1,700百万円当期純利益1,100百万円ROE(自己資本利益率)22.0%以上 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社は、「中期経営計画2028」の中で当社の強みを生かして以下の5つの重点施策を推進してまいります。(重点施策)① 「トビラフォン Cloud」の販売加速当社が行っている直販は、プロダクト開発から販売、カスタマーサクセスまで一気通貫で対応しております。そのため、顧客ニーズを直接把握し、すぐにプロダクトのアップデートへとつなげることが可能であり、今後も直販を拡大させていく予定です。これに加えて、当社とすでに関係のある代理店を通じて、既存のオンプレ型のPBX(構内交換機)からクラウドPBXへと移行するような大型案件の獲得を目指します。さらに、当社の他のプロダクトとの連携による総合セキュリティアプリとしての販売も検討してまいります。直販、代理店販売、総合セキュリティアプリ販売の三層販売を通じて、収益の拡大を図ります。 ② 「トビラフォン Biz」の販売加速トビラフォン Bizは代理店を経由した販売を行っており、既存チャネルでの販売数増加と新規チャネルの開拓の2つの方向性を強化し販売台数の増加を目指します。加えて、トビラフォン Bizの迷惑電話ブロック機能をPBXへ組み込みして販売するなど新たな提供手段を通じ、収益の拡大を図ります。 ③ 通信キャリア向け販売の拡充特殊詐欺やフィッシング詐欺、グレーゾーン犯罪を抑止することは、当社が目指していることです。この実現のためには、大手通信キャリアとの更なる関係性強化や新規キャリアの開拓が重要であり、引き続き注力いたします。 ④ 新規事業の創出新規事業の創出のため、様々な施策を実行してまいります。特に「既存市場への新規プロダクト投入」については、トビラフォン Bizの代理店を中心とした強力な販売チャネルがあるため、このチャネルに新規プロダクトを投入することで早期に収益化ができると考えております。また、アライアンスの拡大やM&Aの実施により、新たな価値を提供し、収益の拡大を目指します。 ⑤ メンバーの拡大、成長上記に挙げた重点施策を行い、事業の成長スピードを加速するためには、メンバーそれぞれが成長すること、そして新たな人材の採用を積極的に展開していくことが重要です。そのために、社内制度の充実や、積極的な採用活動を行ってまいります。 (4) 会社の対処すべき課題 当社は以下の点を対処すべき課題と認識しており、解決に向けて重点的に取り組んでまいります。① アライアンスパートナーの拡大及び協力関係の強化当社はこれまで、通信キャリアやIP電話に関する通信事業者、あるいは事務機器等商社の代理店との間で、当社の迷惑情報データベースを活用したサービスを提供するアライアンスパートナーの開拓に注力してまいりました。当社が中長期的な成長を持続し、当社事業の更なる発展・拡大をしていくためには、通信キャリアや通信回線事業者等に対する提案活動を通じ、アライアンスパートナーの拡大及び既存のアライアンスパートナーへの販売活動支援等による協力関係の強化を図ることが重要と考えております。モバイル向けや固定電話向けサービスにおいては、通信キャリアとのアライアンスの拡大とともに収益を拡大してまいりました。また、法人向けに「トビラフォン」の機能を強化した「トビラフォン Biz」はNTT東日本、NTT西日本のセレクトアイテムに登録され、アライアンスパートナーを通じた受注件数が拡大しております。今後も、アライアンスパートナーの拡大及び協力関係の強化に注力していくことで、より一層の事業拡大を図ってまいります。 ② 当社及び当社サービスの認知度向上当社は、今後の更なる事業の展開、拡大のためには、当社及び当社サービスに対する知名度や信頼を一層向上させることが重要であると認識しております。各種テレビ番組への出演、新聞、雑誌において当社及び当社サービスを掲載していくことや、デジタルマーケティング等の広告宣伝活動及びオウンドメディア等を活用したブランディングの強化に努めてまいります。 ③ 新規・周辺ビジネスの立上げ新規事業の創出として特に「既存市場への新規プロダクト投入」に注力してまいります。新規プロダクトについては、当社の強みである迷惑電話ブロック・迷惑SMSブロック・迷惑広告ブロックサービスを行うことで培ったデータベースのノウハウを活用し、新たな事業領域への拡張を目指します。さらに、直接得た顧客からのフィードバックや代理店から得られたユーザーの要望を活用し、新しいプロダクト開発も積極的に検討してまいります。 ④ 技術開発力の強化当社の競争力の源泉は、迷惑データベースを基盤としたプロダクト開発における技術開発力を基礎としております。サービスの差別化を向上するため、迷惑情報データベースをより充実化させることに加えて、顧客ニーズに基づいた新機能、新サービスの追加や高度なユーザビリティを追求した開発を推進いたします。また、当社は通信に関わるサービス提供を行っているため、システムの高い安定性及び稼働率が求められています。サービス提供に耐えうる設備投資を含め、持続可能なシステム開発に注力いたします。 ⑤ 優秀な人材の確保と組織体制の強化優秀な人材の確保と適切な配置、育成システムの構築は、当社の成長にとって最も重要な経営課題と認識しております。そのため、当社は継続的に採用活動を行い、中でも優秀なITエンジニアや営業メンバーの採用に注力しております。また、適正な人事評価を行うための評価・報酬制度を構築し、当社の企業理念、組織風土にあった優秀な人材の確保に努めてまいります。 組織体制の強化としては、失敗を恐れず挑戦する場の実現に向け、環境づくり、個人スキルの向上、チーム力の向上の3つの方針を定め取り組んでまいります。環境づくりとしては、フレックスタイム制を導入し、それぞれの業務に責任を持ち、個人のペースで仕事を進めることができる環境としていることや、譲渡制限付株式報酬制度により、会社の成果が自身の成果へとつながる仕組みとしております。個人スキルの向上については、資格取得の報奨金制度や各種カンファレンスやセミナーの参加費用を会社負担とすることで、積極的なスキルアップを奨励しております。チーム力の向上については、1on1や毎月の全社ミーティングを行い、会社の向かう方向と自身のキャリアの整合を図ることやチームに対する貢献の振り返りなどを行っております。今後も様々な人的投資を行ってまいります。 ⑥ 企業買収(M&A)当社は、新規事業の創出を検討するにあたり、新たなアライアンスの締結やM&Aを行うことを常に検討しております。検討にあたっては、当社事業とのシナジー、事業戦略との整合性、買収後の収益性、買収プロセスの透明性、買収後の統合効果を最大化するプロセス(PMI)等に留意しております。新たなアライアンスの締結やM&Aを推進し、一層の事業拡大を図ってまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社は「私たちの生活 私たちの世界を よりよい未来につなぐトビラになる」を企業理念として掲げております。この企業理念に基づき、「誰かがやらなければならないが、誰もが実現できていない社会的課題の解決を革新的なテクノロジーで実現すること」を事業展開方針の軸として、ITテクノロジーを活用した様々な事業の創出や展開に取り組むことで、企業としての持続的な成長を図ってまいります。 (2) 目標とする経営指標当社は、より高い成長性の実現に向けて、2025年10月期から2028年10月期までの4年間を計画期間とする「中期経営計画2028」を策定・公表しております。その中で、収益基盤の拡大を図りながらも、一定程度の資本収益性の確保を両立させるべく、下記のとおり経営目標を定めております。指標2028年10月期 目標売上高6,000百万円営業利益1,700百万円当期純利益1,100百万円ROE(自己資本利益率)22.0%以上 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社は、「中期経営計画2028」の中で当社の強みを生かして以下の5つの重点施策を推進してまいります。(重点施策)① 「トビラフォン Cloud」の販売加速当社が行っている直販は、プロダクト開発から販売、カスタマーサクセスまで一気通貫で対応しております。そのため、顧客ニーズを直接把握し、すぐにプロダクトのアップデートへとつなげることが可能であり、今後も直販を拡大させていく予定です。これに加えて、当社とすでに関係のある代理店を通じて、既存のオンプレ型のPBX(構内交換機)からクラウドPBXへと移行するような大型案件の獲得を目指します。さらに、当社の他のプロダクトとの連携による総合セキュリティアプリとしての販売も検討してまいります。直販、代理店販売、総合セキュリティアプリ販売の三層販売を通じて、収益の拡大を図ります。 ② 「トビラフォン Biz」の販売加速トビラフォン Bizは代理店を経由した販売を行っており、既存チャネルでの販売数増加と新規チャネルの開拓の2つの方向性を強化し販売台数の増加を目指します。加えて、トビラフォン Bizの迷惑電話ブロック機能をPBXへ組み込みして販売するなど新たな提供手段を通じ、収益の拡大を図ります。 ③ 通信キャリア向け販売の拡充特殊詐欺やフィッシング詐欺、グレーゾーン犯罪を抑止することは、当社が目指していることです。この実現のためには、大手通信キャリアとの更なる関係性強化や新規キャリアの開拓が重要であり、引き続き注力いたします。 ④ 新規事業の創出新規事業の創出のため、様々な施策を実行してまいります。特に「既存市場への新規プロダクト投入」については、トビラフォン Bizの代理店を中心とした強力な販売チャネルがあるため、このチャネルに新規プロダクトを投入することで早期に収益化ができると考えております。また、アライアンスの拡大やM&Aの実施により、新たな価値を提供し、収益の拡大を目指します。 ⑤ メンバーの拡大、成長上記に挙げた重点施策を行い、事業の成長スピードを加速するためには、メンバーそれぞれが成長すること、そして新たな人材の採用を積極的に展開していくことが重要です。そのために、社内制度の充実や、積極的な採用活動を行ってまいります。 (4) 会社の対処すべき課題 当社は以下の点を対処すべき課題と認識しており、解決に向けて重点的に取り組んでまいります。① アライアンスパートナーの拡大及び協力関係の強化当社はこれまで、通信キャリアやIP電話に関する通信事業者、あるいは事務機器等商社の代理店との間で、当社の迷惑情報データベースを活用したサービスを提供するアライアンスパートナーの開拓に注力してまいりました。当社が中長期的な成長を持続し、当社事業の更なる発展・拡大をしていくためには、通信キャリアや通信回線事業者等に対する提案活動を通じ、アライアンスパートナーの拡大及び既存のアライアンスパートナーへの販売活動支援等による協力関係の強化を図ることが重要と考えております。モバイル向けや固定電話向けサービスにおいては、通信キャリアとのアライアンスの拡大とともに収益を拡大してまいりました。また、法人向けに「トビラフォン」の機能を強化した「トビラフォン Biz」はNTT東日本、NTT西日本のセレクトアイテムに登録され、アライアンスパートナーを通じた受注件数が拡大しております。今後も、アライアンスパートナーの拡大及び協力関係の強化に注力していくことで、より一層の事業拡大を図ってまいります。 ② 当社及び当社サービスの認知度向上当社は、今後の更なる事業の展開、拡大のためには、当社及び当社サービスに対する知名度や信頼を一層向上させることが重要であると認識しております。各種テレビ番組への出演、新聞、雑誌において当社及び当社サービスを掲載していくことや、デジタルマーケティング等の広告宣伝活動及びオウンドメディア等を活用したブランディングの強化に努めてまいります。 ③ 新規・周辺ビジネスの立上げ新規事業の創出として特に「既存市場への新規プロダクト投入」に注力してまいります。新規プロダクトについては、当社の強みである迷惑電話ブロック・迷惑SMSブロック・迷惑広告ブロックサービスを行うことで培ったデータベースのノウハウを活用し、新たな事業領域への拡張を目指します。さらに、直接得た顧客からのフィードバックや代理店から得られたユーザーの要望を活用し、新しいプロダクト開発も積極的に検討してまいります。 ④ 技術開発力の強化当社の競争力の源泉は、迷惑データベースを基盤としたプロダクト開発における技術開発力を基礎としております。サービスの差別化を向上するため、迷惑情報データベースをより充実化させることに加えて、顧客ニーズに基づいた新機能、新サービスの追加や高度なユーザビリティを追求した開発を推進いたします。また、当社は通信に関わるサービス提供を行っているため、システムの高い安定性及び稼働率が求められています。サービス提供に耐えうる設備投資を含め、持続可能なシステム開発に注力いたします。 ⑤ 優秀な人材の確保と組織体制の強化優秀な人材の確保と適切な配置、育成システムの構築は、当社の成長にとって最も重要な経営課題と認識しております。そのため、当社は継続的に採用活動を行い、中でも優秀なITエンジニアや営業メンバーの採用に注力しております。また、適正な人事評価を行うための評価・報酬制度を構築し、当社の企業理念、組織風土にあった優秀な人材の確保に努めてまいります。 組織体制の強化としては、失敗を恐れず挑戦する場の実現に向け、環境づくり、個人スキルの向上、チーム力の向上の3つの方針を定め取り組んでまいります。環境づくりとしては、フレックスタイム制を導入し、それぞれの業務に責任を持ち、個人のペースで仕事を進めることができる環境としていることや、譲渡制限付株式報酬制度により、会社の成果が自身の成果へとつながる仕組みとしております。個人スキルの向上については、資格取得の報奨金制度や各種カンファレンスやセミナーの参加費用を会社負担とすることで、積極的なスキルアップを奨励しております。チーム力の向上については、1on1や毎月の全社ミーティングを行い、会社の向かう方向と自身のキャリアの整合を図ることやチームに対する貢献の振り返りなどを行っております。今後も様々な人的投資を行ってまいります。 ⑥ 企業買収(M&A)当社は、新規事業の創出を検討するにあたり、新たなアライアンスの締結やM&Aを行うことを常に検討しております。検討にあたっては、当社事業とのシナジー、事業戦略との整合性、買収後の収益性、買収プロセスの透明性、買収後の統合効果を最大化するプロセス(PMI)等に留意しております。新たなアライアンスの締結やM&Aを推進し、一層の事業拡大を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。 (1) 経営成績の状況当社は「私たちの生活 私たちの世界を よりよい未来につなぐトビラになる」を企業理念として掲げ、この企業理念に基づき、「誰かがやらなければならないが、誰もが実現できていない社会的課題の解決を革新的なテクノロジーで実現すること」を事業方針の軸としております。2025年における全国の特殊詐欺被害額は9月末時点で965億円となり、過去最悪だった2024年を上回る勢いで増加しております。特に、警察官などを名乗って資産保護や口座調査を口実に金銭を詐取する「ニセ警察詐欺」が依然として顕著であり、携帯電話のビデオ通話機能やメッセージアプリを悪用するなど、その手口は多様化・巧妙化しております。こうした状況を受け、総務省は2025年4月、電気通信事業者に対し、固定電話・携帯電話・SMS・電子メールを悪用した特殊詐欺等への対応強化を要請しており、社会全体として情報通信インフラを通じた詐欺対策の強化が求められています。当社は、この社会的要請を踏まえ、通信インフラにおける迷惑情報対策分野において、電話・SMS・広告など複数チャネルに対応した迷惑情報フィルタリング技術の高度化を推進するとともに、通信事業者や行政機関との連携を強化してまいりました。コアビジネスであるセキュリティ事業は、電話を利用した振り込め詐欺や特殊詐欺、フィッシング詐欺などの抑止を目的としており、通信キャリアや金融機関を通じたサービス提供により安定的な収益基盤を確立しております。2024年12月には「中期経営計画2028」を発表し、2028年10月期に売上高60億円、営業利益17億円の達成を目標として、「①トビラフォン Cloudの販売加速」、「②トビラフォン Bizの販売加速」、「③通信キャリア向けの販売の拡充」、「④新規事業の創出」、「⑤メンバーの拡大、成長」の5つを重点施策として掲げております。当事業年度においては、中期経営計画に基づき、迷惑情報データベースの提供先拡大、トビラフォン Cloud及びトビラフォン Bizの販売体制強化、並びに280blockerのオプションプランの開発・販売に注力いたしました。また、新規事業として、当社が蓄積してきた詐欺対策の知見を活用した、法人向け詐欺メール・SMS訓練サービス「サギトレ」をリリースいたしました。これらの取り組みの結果、当事業年度における売上高は2,805,366千円(前期比16.6%増)、営業利益は898,744千円(前期比8.1%増)、経常利益は907,160千円(前期比9.4%増)、当期純利益は625,676千円(前期比4.0%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、当事業年度より、報告セグメントを「迷惑情報フィルタ事業」の単一セグメントから、「セキュリティ事業」、「ソリューション事業」の2区分に変更しており、前事業年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。(セキュリティ事業)セキュリティ事業では、モバイル向け、固定電話向け及びその他のサービスを展開しております。モバイル向けサービスにおいては、通信キャリア向けの提供が安定的に推移するとともに、迷惑情報データベースの提供先が拡大いたしました。固定電話向けサービスでは、ケーブルプラス電話向けサービスの契約数が堅調に増加し、事業全体の収益基盤の強化に寄与いたしました。その結果、当事業年度におけるセキュリティ事業の売上高は1,905,409千円(前年同期比3.3%増)となり、セグメント利益は1,337,863千円(前年同期比0.1%減)となりました。 (ソリューション事業)ソリューション事業では、オフィス電話の業務効率化を目的とした「トビラフォン Cloud」及び「トビラフォン Biz」の拡販を推進いたしました。トビラフォン Cloudにおいては、更なる提供拡大を目的に、株式会社クロップス、株式会社エスケーアイ及び株式会社No.1と販売代理店契約を締結し、販売チャネルの拡充を図りました。 また、トビラフォン Bizについては、カスタマーハラスメント対策商材としての需要の高まりを背景に、NTT東西の新型ビジネスフォンの主装置機能の1つとして迷惑電話ブロック機能の提供を開始することや、販売代理店との協業を強化した結果、販売が順調に伸長いたしました。これらの施策により、ソリューション事業の売上は引き続き増加基調を維持しております。その結果、当事業年度におけるソリューション事業の売上高は899,956千円(前年同期比60.1%増)となり、セグメント利益は151,449千円(前年同期比103.8%増)となりました。 なお、全社営業利益は、各セグメント利益の合計から、報告セグメントに配賦していない全社費用590,568千円(前年同期比1.4%増)を差し引いた数値となっております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない販売費及び一般管理費であります。 (2) 財政状態の状況(資産)当事業年度末における総資産は5,381,299千円となり、前事業年度末に比べ1,025,664千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が520,855千円増加したこと、電子記録債権が16,830千円増加したこと、売掛金が48,823千円増加したこと、有価証券が202,462千円増加したこと、商品及び製品が35,528千円減少したこと、前払費用が18,125千円増加したこと、のれんが65,904千円減少したこと、ソフトウエアが21,576千円減少したこと、投資有価証券が306,608千円増加したこと及び繰延税金資産が22,530千円増加したこと等によるものであります。(負債)当事業年度末における負債合計は2,786,045千円となり、前事業年度末に比べ871,740千円増加いたしました。これは主に、未払金が37,225千円増加したこと、契約負債が848,074千円増加したこと、未払法人税等が25,599千円増加したこと及び長期借入金が50,040千円減少したこと等によるものであります。(純資産)当事業年度末における純資産は2,595,254千円となり、前事業年度末に比べ153,924千円増加いたしました。これは主に、当期純利益の計上625,676千円、配当金の支払いによる利益剰余金の減少208,363千円及び自己株式の取得等による減少261,227千円等によるものであります。なお、自己資本比率は48.2%(前事業年度末は56.0%)となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて180,778千円減少し、3,034,879千円となりました。各キャッシュ・フローの主な状況は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した資金は1,752,043千円(前年同期は1,305,889千円の増加)となりました。これは主に、法人税等の支払額が244,512千円、売上債権及び契約資産の増加が70,046千円あったものの、税引前当期純利益を871,309千円、減価償却費を115,928千円、のれん償却額を65,904千円、減損損失を41,082千円計上したこと、棚卸資産の減少が35,971千円、長期前払費用の減少が25,577千円、未払金の増加が40,347千円あったこと及び契約負債の増加が848,074千円あったこと等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果減少した資金は1,383,522千円(前年同期は78,339千円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出49,317千円、無形固定資産の取得による支出85,002千円、定期預金の預入による支出1,201,634千円及び敷金及び保証金の差入による支出39,698千円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果減少した資金は549,300千円(前年同期は416,498千円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出50,040千円、自己株式の取得による支出292,608千円及び配当金の支払208,183千円によるものであります。 (4) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。② 受注実績当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。③ 販売実績当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前期比(%)セキュリティ事業1,905,409103.3ソリューション事業899,956160.1合計2,805,366116.6 なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前事業年度(自 2023年11月1日 至 2024年10月31日)当事業年度(自 2024年11月1日 至 2025年10月31日)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)KDDI株式会社594,99724.7590,86921.1ソフトバンク株式会社540,91422.5573,84020.5インバースネット株式会社355,92614.8534,73219.1株式会社NTTドコモ493,58320.5498,00017.8 (5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状等を勘案し合理的に見積り、計上しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社の運転資金需要のうち主なものは、人件費、通信費等の費用であります。投資を目的とした資金需要はサーバ等インフラ設備、機器や事務所移転に伴う敷金の差入等によるものであります。運転資金は自己資金を基本としており、投資資金は自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当事業年度末における借入金残高は145,670千円となっております。また、当事業年度末の現金及び現金同等物は3,034,879千円であり、流動性を確保しております。 ③ 経営者の問題認識と今後の方針について「第2 事業の状況 1(経営方針、経営環境及び対処すべき課題等)」をご参照ください。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況 3(事業等のリスク)」をご参照ください。 ⑤ 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当事業年度の経営成績については、「(1) 経営成績の状況」に記載のとおりであり、売上高は2,805,366千円(前期比16.6%増)、営業利益は898,744千円(前期比8.1%増)、経常利益は907,160千円(前期比9.4%増)、当期純利益は625,676千円(前期比4.0%増)となりました。当社が対処すべきと認識している課題は、「第2 事業の状況 1(経営方針、経営環境及び対処すべき課題等)」に記載のとおりであります。その中でも、当社のセキュリティ事業は、通信キャリアのオプション契約に組み込まれるサービス運営を中心とするビジネスモデルに依存している状況にあることから、新規・周辺ビジネスの立上げが課題であると認識しております。そのため、中長期的な経営戦略においては、複数のビジネスモデルを持ち、より頑強な組織へと成長していくことが今後の発展において重要であると考えております。迷惑情報データベースを基盤とした事業領域の拡張のみならず、新しいビジネスモデルの展開も積極的に検討してまいります。
事業リスク
- 技術革新による陳腐化AIを活用した迷惑電話や迷惑SMSの配信など、詐欺の手口は常に進化しており、当社の対策が遅れるとサービスが陳腐化する可能性があります。また、OS等の動作環境の仕様変更により、期待通りの機能が実現できなくなるリスクも存在します。これらに適応できない場合、事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 特定取引先への依存当社の売上の約6割が国内大手通信キャリアに依存しており、これらの取引先との契約更新がなされない場合や取引条件が変更された場合、事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。新たなサービスの契約締結が遅延または不成立となる場合も同様のリスクがあります。
- 情報漏えいリスクサービス提供に伴い取得した顧客の個人情報や、警察組織などから提供される機密性の高いデータベース情報を保有しています。サイバー攻撃や人的ミスなどによりこれらの情報が外部に流出した場合、当社の信用力が著しく低下し、事業及び業績に重大な影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】本書に記載の将来に関する事項は提出日時点での判断に基づくものであり、全てのリスクを網羅するものではありません。(1) 当社のリスクマネジメント体制当社は取締役会の下に「リスク・コンプライアンス委員会」を設置し、リスク・コンプライアンス規程に基づき、リスク管理体制の構築と運用を行っています。同委員会は取締役及び監査等委員である取締役で構成され、経営上重要なリスクの抽出・評価・見直し、対応策の策定、管理状況の確認を定期的に実施しております。また、委員会の下に設置された「リスク・コンプライアンス共有会」では、各部門長及び執行役員がリスクオーナーとして事業リスク及びオペレーションリスクを職務ごとに管理しております。 <リスクマネジメント体制図> (2) リスクマネジメント活動におけるリスク評価プロセスリスクマネジメント活動では以下のプロセスを通じて、事業活動に影響を与えるリスクを評価・管理しております。 1.影響を与える可能性のあるリスクの洗い出し(リスクの一覧化) 2.各リスクのリスクオーナーの決定 3.リスクの影響度(金額基準)、発生可能性、コントロール度合での評価 4.リスク間の相対関係を考慮した優先順位の決定 一覧化したリスクは次のとおりであります。リスク分類リスク項目外部環境リスク事業環境に関するリスク地政学リスク災害リスク事業リスク事業内容に関するリスク製品開発に関するリスク知的財産に関するリスクサービスリスク(品質・顧客対応・風評)契約リスク情報セキュリティリスク情報システムに関するリスク情報漏えい・セキュリティに関するリスク経営マネジメントリスク経営戦略に関するリスクガバナンスリスクサステナビリティ(ESG)リスクコンプライアンスリスクレピュテーションリスク不正・犯罪リスク法令違反リスク人事労務リスク労働安全衛生リスク雇用・人事リスク人材流出リスクオペレーションリスク財務・経理リスク社内事務リスク (3) 選定した重要リスクと対策 当社では、一覧化したリスクを影響度(利益基準)、発生可能性、コントロール度合で評価し、リスク間の相対関係を考慮して「重要リスク」を選定しました。選定したリスクに対する対策を実施し、リスクの軽減に努めています。① 事業環境に関するリスク a.技術革新・新技術による陳腐化 <リスク認識>当社のセキュリティ事業においては、AIを活用した迷惑電話・迷惑SMSの配信が確認されており、こうした新技術を用いた詐欺被害への対策が遅れた場合、当社の提供するサービスが急速に陳腐化する可能性があります。また、当社のサービスは、OS等動作環境から提供される機能を利用して実現されている機能もあり、今後の動作環境の仕様変更により、期待した動作が実現できなくなる可能性があります。当社がこうした今後の技術革新に適応できない場合、当社の事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。 <対策> 当社は、優秀なエンジニアの採用を積極的に行うとともに、AI等最新技術動向をキャッチアップする組織の設置や、専任のリサーチャーによる最新の詐欺被害手口の傾向分析を絶えず行っており、今後起こりうる事業環境内での変化に対する対策を検討しております。また、1つの分野だけではなく、複数の分野に進出することで、特定のテクノロジー変化の影響を縮小化することを試みております。 b.他社・他業界からの参入 <リスク認識>迷惑電話をフィルタするセキュリティ市場において、当社は現在、高い市場シェアを有しております。しかし、市場の拡大に伴い、他業界や海外企業を含む新規参入者が増加し、価格競争や技術革新による競争激化が発生するリスクがあります。また、当社のビジネスモデルに類似したサービスが短期間で市場に投入され、当社の優位性が薄れる可能性や、利用者データの収集精度や規模において競合が追随する可能性も考えられます。これらは当社の業績や市場ポジションに影響を与える要因となり得ます。 <対策> 現在の約1,500万人の利用者基盤という優位性を維持しつつ、新規ユーザーの獲得を目的としたマーケティング施策を展開するとともに、大手通信キャリアの契約プランに当社サービスを組み込んだ販売モデルを強化していきます。また、通信キャリアや警察組織といった関係機関との連携を通じて情報収集も継続し、データベースの精度をさらに向上させ、参入障壁を構築することで、当社の競争優位性を維持・拡大します。 ② 災害リスク a.自然災害(台風・地震)・火災発生 <リスク認識>当社の本社機能及び製品倉庫などの主要な施設は愛知県名古屋市に所在しており、南海トラフ地震や東海地方を襲う台風などの自然災害、又は火災により設備の破損や電力供給の制限といった事態が発生した場合、当社の本社機能や事業活動、サービス提供に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。 <対策> 当社は、災害リスクに備えるため、ネットワークの冗長化や遠隔地データセンターでのデータバックアップなど、物理的な対策を講じています。また、フルフレックス制度やリモートワークを組み合わせた柔軟な働き方を導入し、緊急事態発生時にも事業活動が継続できる体制を整備しております。さらに、事業継続計画(BCP)を策定し、緊急対応の手順を明確化しておりますが、これらの対策を上回る規模の事態が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。 ③ 事業内容に関するリスク a.特定取引先への依存 <リスク認識>当社の事業における主要取引先は国内大手通信キャリアであり、これら特定の取引先への売上依存度は約6割に達しております。これにより、契約更新がなされない場合や取引条件の変更が生じた場合、当社の事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、これらの取引先に対して提案する新サービスの契約締結が遅延又は不成立となった場合にも、同様のリスクが発生します。 <対策> 当社は、独自調査に基づく「特殊詐欺・フィッシング詐欺に関するレポート」の定期提供などを通じて国内大手通信キャリアとの良好な関係を維持しております。さらに、三大通信キャリア全てとの連携により、迷惑電話・SMSブロック傾向の早期検知と共有を実現し、差別化を図っています。加えて、国内大手通信キャリアに売上を依存しないソリューション事業の事業拡大にも注力し、取引先依存リスクの軽減を図ります。 b.関係機関との連携 <リスク認識>当社の迷惑情報データベースは、通信キャリア、警察組織、関係省庁等との連携を通じて顧客からの信用性と信頼性を高めています。しかし、何らかの理由でこの連携が途絶えた場合、当社のデータベースの信頼性や対外的な信用度が低下し、事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 <対策> 当社は、通信キャリア、警察組織及び関係省庁等との情報交換会を開始するなど、関係機関との関係の維持及び強化に取り組んでいます。現時点では連携に支障をきたす事象は確認されておらず、今後も継続的な連携と情報提供を維持する見込みです。また、当社の迷惑情報データベースは、独自調査と情報収集による膨大なデータの蓄積を基盤としており、特定の機関との連携に依存しない運用体制を構築しております。 ④ 情報漏えい・セキュリティに関するリスク a.個人情報漏えい <リスク認識>当社は、サービス提供に伴い取得した顧客の個人情報や購買履歴などを保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の規制を受けています。これらの情報が何らかの理由で外部に流出した場合、当社の信用力が低下し、事業及び業績に重大な影響を与える可能性があります。 <対策> 当社は、個人情報の管理を重要な経営課題と位置づけ、「プライバシーマーク」を取得・更新するとともに、個人情報管理に関する規程を制定し、業務フローや権限体制を明確化しております。また、個人情報の取り扱いに関しては、従業員教育の徹底やセキュリティ体制の強化を図り、慎重な運用を行うことで、顧客に安心してサービスをご利用いただける環境を提供しております。 b.機密情報(データベース)漏えい <リスク認識>当社が保有する機密情報のデータベースには、警察組織などの公的機関から提供される情報や、電話番号に関する多様な情報、迷惑電話番号の着信・発信ログなどが蓄積されています。不測の事態(サイバー攻撃や人的ミス)による情報漏えいが発生した場合、警察組織や取引先との信頼関係が損なわれ、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 <対策> 当社では、情報漏えい防止を目的として、ハードウエア、ソフトウエア、人的管理体制の観点からセキュリティ対策を講じています。具体的には、データベースへのアクセスを行う際には、携帯電話持ち込み禁止の専用ルームより、インターネット非接続環境を経由してアクセスを行う等の対策を行っております。加えて、優先順位に応じて必要なセキュリティ投資を計画的に実施しております。