事業の概要
- ソフトウェア開発・コンサルティング自動車や産業機械メーカー向けに、ソフトウェアの開発、コンサルティング、教育サービス、コンテンツ販売を提供しています。特に、オペレーティングシステムから制御アプリケーションまで幅広い領域に対応し、サイバーセキュリティや機能安全に関するコンサルティングも手掛けています。これにより、顧客企業の製品開発を技術面から支援し、収益を得ています。
- デジタルツイン・VR技術の提供製造業界向けデジタルツインプラットフォーム「SF Twin」や、VR技術を応用した交通シミュレーションシステム「WARXSS」を提供しています。「SF Twin」は工場の安全性・効率性向上を支援し、AIを活用した最適な生産方式の導出も可能です。これらの先進技術ソリューションを通じて、顧客の課題解決と効率化に貢献し、収益を上げています。
- X線検査・施設予約システム子会社を通じて、X線検査装置の製造・販売・保守、X線検査サービス、非接触スキャナー販売を行う「センシング事業」を展開しています。また、別の連結子会社であるリザーブマートは、公共施設や貸会議室向けのクラウド型施設予約システムを提供し、継続的な収益を得るストック型ビジネスを展開しています。これにより、事業の多角化と安定収益源の確保を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- ソフトウェア事業自動車、自動車部品、半導体検査装置、産業機械メーカー向けに、ソフトウェア開発、コンサルティング、教育サービス、コンテンツ販売を提供しています。売上高は398億2,658万円、営業利益は50億5,370万円と、当社グループの主要な収益源であり、幅広い産業分野で技術提供を行っています。
- センシング事業子会社のテスコ株式会社が担当し、X線検査装置の製造・販売・保守、X線検査サービス、非接触スキャナー販売などを手掛けています。主に機械、金属部品、電子基板の非破壊検査に貢献しており、売上高は86億1,558万円、営業利益は4億1,753万円となっています。
- その他事業連結子会社の株式会社リザーブマートが運営しており、全国の公共施設や貸会議室、音楽スタジオなどに向けてクラウド型施設予約システムの開発・保守サービスを提供しています。システム導入後に継続的かつ安定的に収益を得るストック型ビジネスを展開しており、事業の多角化に貢献しています。
2025-08 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| SoftwareBusinessAreas | 地域 | 40 | 5 | 12.7% |
| SensingBusinessAreas | 地域 | 9 | 0 | 4.8% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループの事業構成は、「ソフトウェア事業」、「センシング事業」および「その他事業」の3つとなっております。(下図、「当社グループの事業セグメントと事業構成図」参照)。なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。当連結会計年度に新たに連結子会社とした株式会社リザーブマートは、「その他事業」に記載しております。 当社グループの事業セグメントと事業構成図(1)ソフトウェア事業自動車および自動車部品、半導体検査装置、産業機械など各メーカに対して、ソフトウェア開発、コンサルティング、教育サービスおよびコンテンツ販売を行っております。また、当社製品としてSF Twin、 WARXSS、新たなサービスとしてAIセーフティを展開しています。ソフトウェア開発は、オペレーティングシステムの開発・提供から、制御アプリケーションまで全ての領域に対応しております。製品分野も、自動車、半導体検査装置、産業機械、建設機械など幅広い分野に技術提供を実施しております。サイバーセキュリティおよび機能安全のコンサルティングを展開しており、開発プロセス構築支援、脅威分析、安全分析等の分析支援、法規対応を支援しております。教育サービスとしては企業内教育教材を開発し、機能安全やサイバーセキュリティ対応のノウハウを解説したコンテンツ販売を行っております。また、近年のモデルベース開発に対応した HILS/SILS 等のシミュレーション環境を提供しております。 ソフトウェア事業が提供しているソフトウェアが使われている製品のイメージ これらの製品には下図のような小型コンピュータが搭載されています。このコンピュータ内に当社のソフトウェアが搭載されています。 SF Twin当社は、製造業界向けデジタルツインプラットフォーム「SF Twin」を提供しております。「SF Twin」は、製造現場の物理空間を仮想現実(VR)上に高精度で再現し、監視およびシミュレーションを通じてオペレーションの安全性・効率性向上を支援するソリューションです。本プラットフォームは、工場運営の最適化に寄与するのみならず、人工知能(AI)技術を活用することで、最適な生産方式の導出を可能とします。また、「SF Twin」の今後の展望として、完全自動シミュレーション機能の開発を進めており、これにより理想的な生産工程の自動提案が実現できる技術基盤の構築を目指しております。さらに、協働ロボット対応のデジタルツイン「SF Twin Cobot」を2023年4月より販売開始し、2024年6月からは機能拡張版である「SF Twin Cobot 2.0」の提供も開始しています。 WARXSS「WARXSS®」は、仮想現実(VR)技術を応用した交通シミュレーションシステムです。本ソリューションは、多様な道路状況の再現・分析を可能とし、自動運転サービスへの適用を視野に入れて、安全性向上および交通社会の発展を支援するプラットフォームとして継続的に開発されています。 AIセーフティAI技術の普及に伴い、安全かつ安心してAI技術を活用できる環境整備が重要性を増しています。品質および安全性を担保する技術の確立は、社会実装の推進に不可欠です。欧州連合ではAI規制法(AI Act)が提案されており、AIシステムのリスク区分に応じた厳格な基準策定および認証制度の導入が求められています。当社においては、これらの要素を包含し「AIセーフティ」と総称しております。このような動向を受け、当社は2020年よりAI搭載システムの安全性評価に資する「SEAMSガイドライン(AIの品質および安全性保証技術の指針)」を提供しています。本ガイドラインは自動車分野を初期対象としていましたが、現在では建設機械、工場内搬送機器等、多様な産業領域へと適用範囲を拡張し、AIセーフティの普及を推進しています。 (2)センシング事業センシング事業は、当社の子会社である「テスコ株式会社」が行っております。X線検査装置の製造・販売・保守を軸に、X線検査サービス、非接触スキャナー販売等、センシング関連の製品・サービスを提供しております。X線検査装置の製造・販売・保守は、X線を使用する主に機械や金属部品、電子基板を対象にした産業用非破壊検査装置の製品製造およびX線関連部材の販売及び販売後の点検・修理サービスを実施しております。X線検査サービスは、自社で保有する設備を利用したX線装置および協業各社の装置を使い、主に機械や金属部品、電子基板の内部検査を実施しております。非接触スキャナー販売は、CT装置以上の計測機能・精度を発揮するレーザーを使用する非接触スキャナー装置を販売しております。 (3)その他その他事業は、当社の子会社である「株式会社リザーブマート」が行っております。株式会社リザーブマートは、全国各地の公共施設、貸会議室、音楽スタジオ等に向けてクラウド型施設予約システムの開発、保守サービス等を提供し、システム導入後に継続的、安定的に収益を獲得できるストック型ビジネスを展開しております。 [事業系統図]
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 専門性の高いソフトウェア開発とコンサルティングを提供し、付加価値に応じた販売価格の見直しを実施。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 自動車、半導体検査装置、産業機械など幅広い分野でのソフトウェア開発技術とAIセーフティ技術。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:関連市場及び顧客経営状態に関連するリスク / 特定取引先及び特定産業分野への依存 / 品質不良による損害賠償のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
ヴィッツ(4440)に関する公開情報からは、特許、ブランド、規制ライセンスなどの明確な無形資産の存在を示す具体的な証拠は見当たりません。技術的な優位性や独自の知的財産に関する情報も限定的です。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
ヴィッツの提供するSaaS型統合開発環境「V-ONE」は、開発プロセス全体をカバーし、既存の顧客基盤があると考えられます。しかし、顧客が他の開発ツールへ移行する際の具体的なスイッチングコスト(学習コスト、データ移行、プロセス変更等)に関する情報は乏しく、現時点では限定的な優位性にとどまります。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ヴィッツの事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果が働く構造は確認できません。プラットフォーム型ビジネスではなく、個々の顧客へのサービス提供が中心と考えられます。
コスト優位☆☆☆☆☆
ヴィッツの事業内容から、競合他社と比較して構造的に低コストで製品やサービスを提供できるようなコスト優位性は見出せません。情報通信業における開発ツール提供は、一般的に技術力や機能性が重視される傾向があります。
規模の経済★☆☆☆☆
ヴィッツはSaaS型統合開発環境を提供しており、一定の顧客基盤を有していると考えられます。しかし、市場全体におけるシェアや、規模の経済によって他社を圧倒するような寡占状態にあるとは言えません。今後の成長による規模の拡大が期待されます。
- 幅広い技術提供と実績自動車、半導体検査装置、産業機械、建設機械など多岐にわたる分野でソフトウェア開発、コンサルティング、教育サービスを提供しており、幅広い製品分野での技術提供実績があります。これにより、特定の産業に依存しすぎず、多様な顧客ニーズに対応できる技術力とノウハウを蓄積している点が強みです。
- 先進技術ソリューション製造業界向けデジタルツインプラットフォーム「SF Twin」や、VR交通シミュレーションシステム「WARXSS」、AI搭載システムの安全性評価ガイドライン「SEAMSガイドライン」など、最先端の技術を活用した独自の製品・サービスを展開しています。これにより、顧客のDX推進や安全性向上に貢献し、技術的な優位性を確立しています。
- 多角的な事業ポートフォリオソフトウェア事業を主軸としつつ、X線検査装置や施設予約システムといった異なる分野の事業も展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤を構築しています。特に施設予約システムはストック型ビジネスであり、継続的な収益が期待できます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針・経営戦略当社グループは、設立初期から大切にしている “Creating Life of Your Dreams“ ~半歩先の技術で人々の生活を豊かに~ を実現することで、未来社会が抱える課題を解決し、貢献したいと考えております。そして、人々の生活の便利を実現するために、“世の中のニーズを敏感に察知し、半歩先のソフトウェア技術で「未知の課題」を解決すること”が、当社グループの使命であり、存在意義であると考えております。この使命を達成するために、当社グループは社会に存在するニーズを適時、的確に察知し、そのニーズに応えるために必要なソフトウェア技術の習得や高度化を実践するとともに、役職員が誇りを持ち活躍し続けられるような「社員が幸福を実感できる企業」を目指し、その実現に向けて努めてまいります。また、未来社会に貢献し企業を持続的に発展させていくには、より一層のソフトウェア技術の発展と、ソフトウェアの価値向上が重要であると認識し、“ソフトウェアの価値を高め、収益構造を変革する企業”として活躍できるよう努力いたします。中長期的な経営戦略といたしましては、将来的に必要とされるソフトウェア技術の高度化に加え、近年のエンジニア不足と少子化に向けた収益構造の変革に注力してまいります。これまでのモノづくりは当社グループ従業員の労働に対する対価が多くを占めておりましたが、今後は、知財や製品、さらには新たなサービスによる収益の比率を増加させ、労働対価と労働量に依存しないサービス収益の最良なバランスにより、「次世代事業の創生」と「収益性の向上」を実現したいと考えております。 (2)目標とする経営指標当社グループは安定的な経営と収益構造の変革を実現するために、目標とする経営指標として自己資本利益率(ROE)、営業利益及び売上総利益率を重要な経営指標としております。当社グループにとって重要な活動である研究開発費、採用教育費、営業費等を控除した残利益である営業利益は、将来に向けた活動を行いながら安定的な経営が実現できているかを測定するための指標として重要であると認識しています。また、売上総利益率は、収益構造の変革を行うことにより労働力に依存しない高付加価値のサービス事業の成長度合いを測定するための指標として重要であると認識しております。 (3)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題政府は、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させ、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会「Society 5.0」を我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱しており、当社グループはこれを実現するために必要な基本技術(シミュレーション、セキュリティ、セーフティ、AIセーフティなど)を保有している点で競争優位性があると考えております。ロボットや自動走行車開発などにおけるシミュレーション技術の活用、安心安全にIoT(モノのインターネット)で人とモノがつながるためのセキュリティ技術、システムが組み込まれた製品が安全に動作するためのセーフティ、AI(人工知能)を自律化システム等に安全に搭載するためのAIセーフティなど、未来社会の実現に向けて当社グループの技術に対する需要は今後も継続拡大するものと見込んでおります。一方で、開発技術者は不足しており、需要に見合ったリソースを確保することが困難な状況にあります。今後もこの状況は続き出生率低下の傾向と相俟って、人財の確保に関する課題は長期にわたるリスクになると考えております。 このような状況を踏まえ当社グループは、安心、安全で豊かな未来社会の実現に向けて、半歩先の未来で求められる技術に継続的に目を向けながら、組織力・技術力・収益力における課題に対処するとともに、継続的に事業リスクを低減させるためガバナンス体制や内部統制の充実強化に努めてまいります。 ①ソフトウェア事業1.技術者育成と次世代技術の獲得(技術力)当社グループの収益の源泉は高い技術力にありますが、当社グループを取り巻く事業環境は、技術の進歩が速く、顧客や社会のニーズも変化しやすい状況にあります。このような環境の下で当社グループが持続的に成長していくためには、需要に応じた技術力強化と未来社会に必要とされる技術を継続的にキャッチアップしていく必要があると考えております。このような課題に対処するため、当社グループは従業員のスキル棚卸と人財ポートフォリオ管理によりターゲットを絞った育成及び採用に努め、スキル向上のための教育プログラムの確立に取り組みます。また、エンジニア専門職による後進への技術教育、先行的な技術動向の情報収集・研究を推進し、継続的な技術力強化と次世代技術の獲得を図ってまいります。 2.人的資本の有効活用による収益性の向上(収益力)当社グループの収益は、SES(ソフトウェア・エンジニアリング・サービス)やソフトウェア受託開発等の労働力提供型の売上が多くを占めております。開発技術者が不足していく事業環境において、このような労働力提供を主とした収益構造はリスクであり、限られた人財を最大限有効に活用し、収益性を向上させる必要があると考えております。このような課題に対処するため、当社グループは蓄積した知財(技術、ノウハウ、情報等)をサービス・製品として提供・活用し、労働時間ではなく付加価値に応じて対価を得る収益構造へと変革を進めてまいります。また、自社開発の製品・サービスの販売拡大、労働力ではなく付加価値に応じた受注価額の設定等を実行するため営業力の強化に努めます。その他、人財リソースの最適配置、事業ポートフォリオ管理、AI活用・DX化による開発効率の向上等をあわせて推進し、限られた人的資本を有効に活用することで売上高の拡大と利益率の向上に努めます。 ②センシング事業1.非破壊検査技術の高度化による収益性の向上(技術力・収益力)X線CTスキャン装置による非破壊検査技術は、航空機、自動車、医療機器など部品や製品の欠陥等が生命の危機に直結するようなものを非破壊で検査できるなど、人々の安全・安心な未来社会に貢献できる技術であり、潜在的・将来的なニーズは存在するものと考えておりますが、そのニーズを実現し、利用用途、分野の拡大を進めていくためには高精度化、高速化、自動化など技術的に解決しなければならない課題も多く、実用化に向け、性能を強化するための技術開発が必要であると考えております。このような課題に対処するため、テスコ株式会社が長年培ってきたX線装置に関する豊富な知識・経験と当社が保有するソフトウェア技術の融合により、非破壊検査技術の利用用途の拡充と価値の向上を図り、事業規模の拡大と高利益率化につなげてまいります。 ③人材確保及び連携強化(組織力)当社グループの最大の経営資源はヒトであると考えておりますが、開発技術者は不足しており今後も出生率低下といった社会的課題と相俟って、人財の確保に関する課題は長期にわたるリスクになると考えております。また、限られた人財リソースで技術進歩の早い事業環境に対応していくためには、部署間やグループ会社間で技術的な連携や人財の流動性を高め、組織一体となって対応していく必要があると考えております。このような課題に対処するため、当社グループは、経営理念や経営方針の浸透活動を推進し、グループ構成員1人1人が共通の目標の実現に向けて意識・行動する良好な組織風土の醸成に努めます。また、従業員の能力や貢献に応じた公正な評価・報酬制度の整備をはじめ、従業員の心と体の健康を重視した労働環境、福利厚生の充実など従業員の働きやすい環境の整備を通じて、従業員エンゲージメントを高め人財の確保を図るとともに、グループ一体となって企業価値の向上に努めてまいります。 ④コーポレートガバナンス及び内部統制の充実強化当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上のためには、経営戦略や資本政策等の各施策の実行性を担保し、企業経営、企業行動において公正な判断や運営が行えるように監視・統制することで事業リスクを低減していくことが必要と考えております。このような課題に対処するため、当社グループは、コーポレートガバナンス・コードに則った監督機能の強化、報酬制度の改革、株主権利の確保等のガバナンス体制及び業務に組み込まれたプロセスである内部統制に対して継続的な検討及び見直しを行い、充実強化を図ってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針・経営戦略当社グループは、設立初期から大切にしている “Creating Life of Your Dreams“ ~半歩先の技術で人々の生活を豊かに~ を実現することで、未来社会が抱える課題を解決し、貢献したいと考えております。そして、人々の生活の便利を実現するために、“世の中のニーズを敏感に察知し、半歩先のソフトウェア技術で「未知の課題」を解決すること”が、当社グループの使命であり、存在意義であると考えております。この使命を達成するために、当社グループは社会に存在するニーズを適時、的確に察知し、そのニーズに応えるために必要なソフトウェア技術の習得や高度化を実践するとともに、役職員が誇りを持ち活躍し続けられるような「社員が幸福を実感できる企業」を目指し、その実現に向けて努めてまいります。また、未来社会に貢献し企業を持続的に発展させていくには、より一層のソフトウェア技術の発展と、ソフトウェアの価値向上が重要であると認識し、“ソフトウェアの価値を高め、収益構造を変革する企業”として活躍できるよう努力いたします。中長期的な経営戦略といたしましては、将来的に必要とされるソフトウェア技術の高度化に加え、近年のエンジニア不足と少子化に向けた収益構造の変革に注力してまいります。これまでのモノづくりは当社グループ従業員の労働に対する対価が多くを占めておりましたが、今後は、知財や製品、さらには新たなサービスによる収益の比率を増加させ、労働対価と労働量に依存しないサービス収益の最良なバランスにより、「次世代事業の創生」と「収益性の向上」を実現したいと考えております。 (2)目標とする経営指標当社グループは安定的な経営と収益構造の変革を実現するために、目標とする経営指標として自己資本利益率(ROE)、営業利益及び売上総利益率を重要な経営指標としております。当社グループにとって重要な活動である研究開発費、採用教育費、営業費等を控除した残利益である営業利益は、将来に向けた活動を行いながら安定的な経営が実現できているかを測定するための指標として重要であると認識しています。また、売上総利益率は、収益構造の変革を行うことにより労働力に依存しない高付加価値のサービス事業の成長度合いを測定するための指標として重要であると認識しております。 (3)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題政府は、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させ、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会「Society 5.0」を我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱しており、当社グループはこれを実現するために必要な基本技術(シミュレーション、セキュリティ、セーフティ、AIセーフティなど)を保有している点で競争優位性があると考えております。ロボットや自動走行車開発などにおけるシミュレーション技術の活用、安心安全にIoT(モノのインターネット)で人とモノがつながるためのセキュリティ技術、システムが組み込まれた製品が安全に動作するためのセーフティ、AI(人工知能)を自律化システム等に安全に搭載するためのAIセーフティなど、未来社会の実現に向けて当社グループの技術に対する需要は今後も継続拡大するものと見込んでおります。一方で、開発技術者は不足しており、需要に見合ったリソースを確保することが困難な状況にあります。今後もこの状況は続き出生率低下の傾向と相俟って、人財の確保に関する課題は長期にわたるリスクになると考えております。 このような状況を踏まえ当社グループは、安心、安全で豊かな未来社会の実現に向けて、半歩先の未来で求められる技術に継続的に目を向けながら、組織力・技術力・収益力における課題に対処するとともに、継続的に事業リスクを低減させるためガバナンス体制や内部統制の充実強化に努めてまいります。 ①ソフトウェア事業1.技術者育成と次世代技術の獲得(技術力)当社グループの収益の源泉は高い技術力にありますが、当社グループを取り巻く事業環境は、技術の進歩が速く、顧客や社会のニーズも変化しやすい状況にあります。このような環境の下で当社グループが持続的に成長していくためには、需要に応じた技術力強化と未来社会に必要とされる技術を継続的にキャッチアップしていく必要があると考えております。このような課題に対処するため、当社グループは従業員のスキル棚卸と人財ポートフォリオ管理によりターゲットを絞った育成及び採用に努め、スキル向上のための教育プログラムの確立に取り組みます。また、エンジニア専門職による後進への技術教育、先行的な技術動向の情報収集・研究を推進し、継続的な技術力強化と次世代技術の獲得を図ってまいります。 2.人的資本の有効活用による収益性の向上(収益力)当社グループの収益は、SES(ソフトウェア・エンジニアリング・サービス)やソフトウェア受託開発等の労働力提供型の売上が多くを占めております。開発技術者が不足していく事業環境において、このような労働力提供を主とした収益構造はリスクであり、限られた人財を最大限有効に活用し、収益性を向上させる必要があると考えております。このような課題に対処するため、当社グループは蓄積した知財(技術、ノウハウ、情報等)をサービス・製品として提供・活用し、労働時間ではなく付加価値に応じて対価を得る収益構造へと変革を進めてまいります。また、自社開発の製品・サービスの販売拡大、労働力ではなく付加価値に応じた受注価額の設定等を実行するため営業力の強化に努めます。その他、人財リソースの最適配置、事業ポートフォリオ管理、AI活用・DX化による開発効率の向上等をあわせて推進し、限られた人的資本を有効に活用することで売上高の拡大と利益率の向上に努めます。 ②センシング事業1.非破壊検査技術の高度化による収益性の向上(技術力・収益力)X線CTスキャン装置による非破壊検査技術は、航空機、自動車、医療機器など部品や製品の欠陥等が生命の危機に直結するようなものを非破壊で検査できるなど、人々の安全・安心な未来社会に貢献できる技術であり、潜在的・将来的なニーズは存在するものと考えておりますが、そのニーズを実現し、利用用途、分野の拡大を進めていくためには高精度化、高速化、自動化など技術的に解決しなければならない課題も多く、実用化に向け、性能を強化するための技術開発が必要であると考えております。このような課題に対処するため、テスコ株式会社が長年培ってきたX線装置に関する豊富な知識・経験と当社が保有するソフトウェア技術の融合により、非破壊検査技術の利用用途の拡充と価値の向上を図り、事業規模の拡大と高利益率化につなげてまいります。 ③人材確保及び連携強化(組織力)当社グループの最大の経営資源はヒトであると考えておりますが、開発技術者は不足しており今後も出生率低下といった社会的課題と相俟って、人財の確保に関する課題は長期にわたるリスクになると考えております。また、限られた人財リソースで技術進歩の早い事業環境に対応していくためには、部署間やグループ会社間で技術的な連携や人財の流動性を高め、組織一体となって対応していく必要があると考えております。このような課題に対処するため、当社グループは、経営理念や経営方針の浸透活動を推進し、グループ構成員1人1人が共通の目標の実現に向けて意識・行動する良好な組織風土の醸成に努めます。また、従業員の能力や貢献に応じた公正な評価・報酬制度の整備をはじめ、従業員の心と体の健康を重視した労働環境、福利厚生の充実など従業員の働きやすい環境の整備を通じて、従業員エンゲージメントを高め人財の確保を図るとともに、グループ一体となって企業価値の向上に努めてまいります。 ④コーポレートガバナンス及び内部統制の充実強化当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上のためには、経営戦略や資本政策等の各施策の実行性を担保し、企業経営、企業行動において公正な判断や運営が行えるように監視・統制することで事業リスクを低減していくことが必要と考えております。このような課題に対処するため、当社グループは、コーポレートガバナンス・コードに則った監督機能の強化、報酬制度の改革、株主権利の確保等のガバナンス体制及び業務に組み込まれたプロセスである内部統制に対して継続的な検討及び見直しを行い、充実強化を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善や設備投資の持ち直しの影響などを受け、緩やかに回復いたしました。一方で、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、アメリカの今後の政策動向、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響が見られ、引き続き先行きには十分に注意する必要があります。 当社グループを取り巻く環境においては、引き続き開発依頼は高い需要を維持しております。主力であります組込みソフトウェアをはじめ、シミュレータ・仮想空間技術、セキュリティ及びセーフティの技術分野で自動車及び産業機器向けの売上が好調に推移しました。さらに、前第1四半期連結会計期間において株式会社クリスタライトを設立したことに加え、前第2四半期連結会計期間において株式会社イーガー(以下、イーガー社という。)を、前第3四半期連結会計期間においてテスコ株式会社(以下、テスコ社という。)を新たに連結子会社とした影響もあり、売上高は前期比増収となりました。 営業利益においては、人件費の引き上げや外注費の増加に加え、子会社の増加、事業の拡大・推進・強化等を目的とした人員の増強や拠点の整備等により売上原価及び販管費が増加したものの、売上高の増収及び受注価額の見直し等による売上総利益率の上昇が牽引し、コスト増を上回る売上総利益の増加となった結果、前期比増益となりました。 経常利益においては、保険解約返戻金及びGo-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)に係る補助金収入が減少したものの、営業利益が増加した結果、前期比増益となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益においては、関係会社株式売却益等の特別利益の減少に加え、法人税等の負担率が増加したものの、経常利益が増加した結果、前期比増益となりました。 この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高4,856,610千円(前期比39.7%増)、営業利益566,563千円(同101.0%増)、経常利益588,597千円(同69.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益424,218千円(同54.2%増)となりました。 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。また、当期と前期の一方若しくは両方がマイナスの金額である場合は、前期比増減率の記載に代えて、前期額を記載しております。 「その他」については、当連結会計年度に新たに連結子会社とした株式会社リザーブマート(以下、RM社という。)のみが含まれているため、前期比増減率及び前期額は記載しておりません。 a.ソフトウェア事業 当セグメントにおいては、自動車や産業機器向けの制御ソフトウェアの受託・エンジニアの派遣等を軸とし、これらのソフトウェア開発におけるセキュリティやセーフティコンサルティング、AI(人工知能)を自律化システム等に安全に搭載するためのAIセーフティコンサルティング、ロボットや自動走行車開発等におけるシミュレーション及びモデルベース開発技術の提案・開発・提供、これらの技術に関するノウハウを商材化した製品及びサービスの提供などを行っております。なお、当社、テスコ社及びRM社以外の連結子会社は、当セグメントに含めております。 経営成績の状況といたしましては、主力であります組込みソフトウェアをはじめ、シミュレータ・仮想空間技術、セキュリティ及びセーフティの技術分野で自動車及び産業機器向けの売上が好調に推移したため、売上高及びセグメント利益は前期比増収増益となりました。 この結果、当連結会計年度において、売上高3,982,658千円(前期比19.5%増)、セグメント利益(営業利益)は505,370千円(同69.0%増)となりました。 b.センシング事業 当セグメントにおいては、X線透過・CT装置の製造・販売・保守などを行っており、事業の特性上9月及び3月付近に売上が集中し利益貢献する傾向にあります。なお、連結子会社であるテスコ社は当セグメントに含めております。 経営成績の状況といたしましては、X線透過・CT装置など大型案件の需要が高く、販売が好調に推移したため、売上総利益が販管費を上回り、セグメント利益となりました。 この結果、当連結会計年度において、売上高は861,558千円(前期比500.8%増)、セグメント利益(営業利益)は41,753千円(前期は47,285千円のセグメント損失)となりました。なお、前連結会計年度の売上高及びセグメント損失は、2024年4月から8月における経営成績であります。 c.その他 当セグメントにおいては、当連結会計年度に新たに連結子会社としたRM社が含まれております。RM社は自治体や公共施設、音楽スタジオに向けてクラウド型施設予約システムの開発、保守サービスを提供しております。 経営成績の状況といたしましては、自治体等に提供している施設予約システムの開発収益、利用料収益等により売上高は堅調に推移したものの、RM社の株式取得に伴うアドバイザリー費用等を計上したことからセグメント損失となりました。 この結果、当連結会計年度において、売上高は12,393千円、セグメント損失(営業損失)は7,662千円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,149,108千円(前期比577,044千円増)となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。 a.営業活動によるキャッシュ・フロー 営業活動の結果増加した資金は571,372千円(前期は355,535千円の収入)となりました。この主な要因は、法人税等の支払額194,073千円、棚卸資産の増加額126,268千円、役員退職慰労引当金の減少額61,455千円等による資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の計上578,953千円、賞与引当金の増加額90,435千円、売上債権及び契約資産の減少額61,086千円、減価償却費の計上59,190千円等による資金の増加があったことによるものであります。 b.投資活動によるキャッシュ・フロー 投資活動の結果増加した資金は85,388千円(前期は161,602千円の収入)となりました。この主な要因は、投資有価証券の取得による支出100,663千円、無形固定資産の取得による支出60,575千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出39,546千円等による資金の減少があったものの、定期預金の純減額300,000千円、差入保証金の回収による収入32,866千円等による資金の増加があったことによるものであります。 c.財務活動によるキャッシュ・フロー 財務活動の結果減少した資金は79,717千円(前期は263,684千円の支出)となりました。この主な要因は、配当金の支払額55,828千円、自己株式の取得による支出27,290千円等による資金の減少があったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)前年同期比(%)ソフトウェア事業 (千円)2,399,629112.6センシング事業 (千円)336,313305.7報告セグメント計 (千円)2,735,942122.0その他 (千円)--合計 (千円)2,735,942122.0(注)金額は製造原価によっております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)ソフトウェア事業 (千円)4,338,443126.2810,981196.2センシング事業 (千円)577,478131.7426,22060.0報告セグメント計 (千円)4,915,921126.81,237,202110.1その他 (千円)7,965-22,891-合計 (千円)4,923,887127.01,260,094112.1(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.金額は販売価格によっております。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)前年同期比(%)ソフトウェア事業 (千円)3,940,773118.8センシング事業 (千円)861,558600.8報告セグメント計 (千円)4,802,331138.8その他 (千円)12,393-合計 (千円)4,814,724139.1(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.販売実績は、当連結会計年度において顧客による成果物の検収が完了した金額を記載しております。そのため上表の金額は、連結損益計算書の売上高とは一致しません。3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)アイシン・ソフトウェア㈱891,07025.7869,02418.0レーザーテック㈱494,59914.3529,56911.0SCオートモーティブエンジニアリング㈱77,7982.2498,69310.4トヨタ自動車㈱380,88011.0485,51310.1(注)主な相手先別の販売実績は、顧客による成果物の検収が完了した金額を記載しております。そのため上表の金額は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)関連情報 3.主要な顧客ごとの情報」とは一致しない場合があります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態a.資産 当連結会計年度末における資産合計は、4,072,109千円(前期比14.3%増)となり、流動資産合計2,813,136千円(同13.0%増)、固定資産合計1,258,972千円(同17.2%増)となりました。 流動資産の主な内訳は、現金及び預金2,149,108千円(同21.3%増)、受取手形、売掛金及び契約資産315,724千円(同15.6%減)、仕掛品204,784千円(同52.4%増)であります。 固定資産の主な内訳は、投資有価証券297,588千円(同51.3%増)、のれん265,977千円(同17.9%増)、繰延税金資産244,674千円(同20.3%増)、保険積立金121,118千円(同1.8%減)、有形固定資産89,237千円(同9.7%減)であります。 b.負債 当連結会計年度末における負債合計は、1,234,365千円(前期比13.8%増)となり、流動負債合計909,729千円(同19.3%増)、固定負債合計324,635千円(同0.8%増)となりました。 流動負債の主な内訳は、賞与引当金272,570千円(同50.0%増)、未払法人税等122,217千円(同6.9%減)、未払消費税等87,138千円(同18.3%増)、買掛金67,617千円(同8.7%減)であります。 固定負債の主な内訳は、退職給付に係る負債227,143千円(同11.6%増)、長期未払金95,091千円(同17.5%減)であります。c.純資産 当連結会計年度末における純資産合計は、2,837,744千円(前期比14.5%増)となりました。主な内訳は、資本金612,524千円(前期末同額)、資本剰余金557,888千円(前期比1.1%増)、利益剰余金1,819,852千円(同25.3%増)であります。 ② 経営成績 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標として、売上総利益率及び営業利益を重要な指標として管理しております。 当連結会計年度の売上総利益は1,806,831千円(前期は1,224,948千円)、売上総利益率は37.2%(前期は35.2%)となり、売上総利益は前期比増益、売上総利益率は2.0ポイント上昇しております。これは、人件費の引き上げや外注費の増加等により売上原価の増加したものの、売上高の増収に加え、受注価額の見直し等による売上総利益率の上昇が牽引した結果であると認識しております。 また、当連結会計年度の営業利益は566,563千円(前期は281,874千円)となり、営業利益は前期比増益となりました。これは株式取得による子会社の増加、人件費の引き上げや事業の拡大・推進・強化等を目的とした人員の増強や拠点の整備等の影響により販管費が増加したものの、売上総利益の増益が牽引した結果であると認識しております。 このほか、詳細な経営成績の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照ください。 なお、当社が認識している経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載したとおりであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度末における資金の残高は2,149,108千円(前期比577,044千円増)となり、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しており、当社の経営戦略の1つである次世代事業の創生のための研究開発資金を十分に確保できているものと認識しております。 また、当社グループは、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、主に営業活動によるキャッシュ・フローを資金の源泉としております。なお、不測の事態においても機動的かつ安定的に経常運転資金を確保するため、複数の金融機関と当座貸越契約を締結しております。 このほか、詳細なキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件や仮定の変化により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 顧客産業の景気変動当社グループの顧客は自動車、産業機械、建設機械など多岐にわたりますが、大幅な為替変動やグローバルな政策・地政学的要因により、これらの産業全体が業績悪化する可能性があります。特に、数年先の顧客企業の投資計画に影響が出るような事象が発生した場合、当社グループの財政状態や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 特定取引先への依存当社グループの主要な売上は自動車分野に集中しており、特にトヨタ自動車やアイシンとそのグループからの受注が多くを占めています。自動車産業は技術革新が進むと予測されるものの、特定取引先の経営悪化や戦略変更、あるいは市場拡大が想定を下回る場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 品質不良と損害賠償ソフトウェア開発やエンジニアリングサービスにおいて、品質不良や納期遅延が発生した場合、損害賠償を請求されるリスクがあります。特に自動車向け開発は品質・納期要求が厳しく、IT賠償保険でカバーしきれないほどの賠償額が発生した場合、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断において重要であると考えられる事項については積極的に開示しております。当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項目以外の記載事項を、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えられます。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、当社グループの事業又は本株式の投資に関する全てのリスクを網羅するものではありません。 (1)関連市場及び顧客経営状態に関連するリスクについて(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)当社グループの顧客層は、自動車、産業機械メーカ、建設機械メーカなど様々な分野に及んでおります。大幅な為替変動や、グローバルな政策要因、地政学的要因等によって、それらの産業全体が業績に悪影響を被る場合があります。当社の主たる事業である組込ソフトウェアの開発は、顧客企業の数年先に発売される製品や研究試作に関する開発案件が大半を占めるため、足元の景気動向に左右される可能性は比較的低いと考えております。しかしながら、数年先に向けた顧客企業の投資計画に影響を与えるほどの事象が発生した場合、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)当該リスクは毎期顕在化する可能性があるものと認識しております。(リスクへの対応策)当社グループは、それら顧客企業の個別の経営状態の変動に関しては、様々な産業セクターへの営業活動を行ってその影響をできるだけ小さくすることによって、関連市場及び顧客経営状態に関するリスクの低減に努めております。 (2)特定取引先及び特定産業分野への依存について(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)当社グループの主たる売上は自動車分野であり、その多くは、トヨタ自動車株式会社および株式会社アイシン及び当該グループなどからの受注となっております。この自動車関連市場はCASEなどに代表される技術革新により今後も拡大していくと予測されます。しかし何らかの要因により拡大予測が想定を下回る場合、特定取引先の経営状態の悪化や経営戦略の変更があった場合、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)自動車産業は電動化及び、カーボンニュートラル対応に関わる大きな技術革新を迎えており、ソフトウェアの重要性はさらに高まると考えております。このような技術革新環境においては、当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。しかし、グローバル環境下において、自動車産業の収益構造に大幅な変化が認められた場合、当該リスクが顕在化する可能性があると認識しております。(リスクへの対応策)当社グループは、景気の変動や環境変化への耐性を高めるため、特定産業分野に集中した事業構造を脱却するよう尽力して参ります。具体的には半導体関連装置開発やソフトウェアを活用したサービス事業分野などの事業拡大を実現したいと考えております。 (3)品質不良による損害賠償のリスクについて(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)ソフトウェア開発およびエンジニアリングサービス、自動運転/先進安全シミュレータ事業、各種コンサルティング事業において、品質不良や納期遅延による損害賠償が発生する可能性があります。特に自動車向け開発は品質や納期に関する要求が厳密であり、瑕疵対応や損害賠償を求められる可能性があります。当社グループの責による品質不良や納期遅延による損害賠償請求が発生し、当社が加入しているIT賠償保険では賠償額を十分にカバーできなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (リスクが顕在化する可能性の程度や時期)当該リスクに常に晒されておりますが、下記に示すリスク対応策を適切に実施することにより、顕在化する可能性は低く管理されていると認識しております。(リスクへの対応策)当社グループは、業務受注前から受注審議会による審査を行い、開発時には品質保証室による品質、進捗の管理を実施しており、品質不良による損害賠償のリスクの低減に努めております。 (4)不採算プロジェクトの発生について(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)当社グループのエンジニアリングサービスで不採算プロジェクトが発生する可能性があります。不採算プロジェクトの発生要因として、発注側の大規模または頻繁な要求仕様変更や、見積りが適切になされず、開発に要する工数が大幅に増加した場合などがあげられます。大規模な要求仕様変更に対応しなければならない場合、見積りから逸脱した開発工数の増加や外注費が発生した場合、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)当該リスクに常に晒されておりますが、下記に示すリスク対応策などを適切に実施することにより、顕在化する可能性は低く管理されていると認識しております。(リスクへの対応策)当社グループでは全てのプロジェクトにおいて、予算管理、スケジュール管理、品質管理を実施しております。また、受注前に内在するリスク(技術難易度、採算性、人的リソース)について十分に検討し、必要に応じて受注審議会に諮り、事業の将来性、リスク内容などを勘案し受注可否を判断しております。 (5)人材の確保と人件費、外注費の高騰について(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)当社グループの事業継続及び拡大のため、新技術の獲得および既存技術の発展を支える技術部門のエンジニアを中心に、各部門で活躍できる十分な人材の確保が必要であります。しかしながら、計画した正社員の採用やパートナーの確保が十分にできない場合、退職者が続出した場合、また近年の採用難や働き方改革を背景にして人件費、外注費、オフショア費用高騰が起こった場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)当該リスクに常に晒されておりますが、下記に示すリスク対応策などを適切に実施することにより、顕在化する可能性は低く管理されていると認識しております。(リスクへの対応策)当社グループは、社員のエンゲージメント向上を目的とした人事・給与制度の見直しや教育研修の実施、福利厚生の拡充など労働環境の改善のほか、新卒・中途採用のための活動強化、新たなパートナー企業の確保に努めております。また、コストの高騰や付加価値に応じた販売価格の継続的な見直しを実施するとともにエンジニアの人数や労働時間に基づいた収益構造から、それらに依存しないサービスや製品を開発・販売する収益構造にシフトすることも図りながら、当該リスクの低減に努めてまいります。 (6)研究開発および製品化投資に関するリスク(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)技術優位性の向上や新たなサービス事業の創生のために、研究開発投資および製品化投資を実施しております。研究開発等の対象とする技術分野やサービス分野における技術進歩は著しく、当社事業の優位性を確保するためには相応の投資が必要であります。事業収益が研究等の投資額を下回る場合、研究開発及び製品化の進捗が想定より遅延した場合、または想定通り実現できなかった場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)当社グループの未来想定とソフトウェア技術進歩が大きく乖離している場合、当該リスクが顕在化する可能性があります。(リスクへの対応策)研究開発投資は自己資本による実施と公的資金を活用した投資があります。短期的な投資回収が可能と判断できる研究には自己資本を活用し、基礎研究要素が高いものは公的資金を活用し、当該リスクの低減に努めております。また、製品化投資は、研究事業および試作等により得られた成果を活用し、市場技術動向、社会動向を勘案し投資の可否を判断しております。これにより当該リスクの低減に努めております。 (7)のれんの減損リスクについて(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)企業結合により発生したのれんは、被取得企業の今後の事業展開によって期待される超過収益力として、取得原価と被取得企業の識別可能資産及び負債の企業結合日時点の時価との差額で計上し、その効果の及ぶ期間にわたって定額法により償却しております。今後、事業環境の急激な変化等により関係会社の業績が当初の想定を下回り想定していた超過収益力が低下した場合、当該のれんについて減損損失が発生し当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)当該リスクに常に晒されておりますが、下記に示すリスク対策などを適切に実施することにより、顕在化する可能性は低く管理されていると認識しております。(リスクへの対応策)対象となる被取得企業について、定期的な報告をもとに協議する機会を設け、経営の効率化・グループ間シナジーの創出等を進めることで収益力強化に努めております。 (8)企業買収に関するリスクについて(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)当社グループが企業買収を行う際には、対象企業の状況・将来性・シナジー・リスクなど様々な視点から十分に議論を重ねた上で、投資額を決定し実行しておりますが、事業環境の変化等により、対象企業の業績が当初の想定を下回った場合には、投資金額の回収が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)当該リスクに常に晒されておりますが、下記に示すリスク対策などを適切に実施することにより、顕在化する可能性は低く管理されていると認識しております。(リスクへの対応策)当社グループから役員を派遣し定期的に経営会議を実施することで、対象企業の事業及び業績の状況をモニタリングし、状況に応じて計画達成に向けた対策を講じる体制を整えております。 (9)法令違反、法的規制に関するリスクについて(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)当社グループの事業において、税制や商取引、労働問題、知的財産権など様々な法的規制を受けております。万が一これらの法規制、ルールを遵守できなかった場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、現時点では予測困難であると認識しております。(リスクへの対応策)当社グループは、コンプライアンス重視のもと、これらの法規制やルールを遵守した経営を行うことによって、法令違反、法的規制に関するリスクの低減に努めております。 (10)その他訴訟等による損害賠償責任に関するリスクについて(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)当社グループの提供するエンジニアリングサービスは、ソフトウェアの開発が主たるサービスとなります。そのため、他社から何らかの知的財産権の侵害についての申し立てを受ける可能性は否定できません。また、当社グループが保有している個人情報やソフトウェア開発に関する仕様並びに顧客企業が保持する技術情報などが社外に流出するリスク、当社製品の不具合等により生命・身体及び財産並びに社会などに損害を与えるリスク、安全衛生上や労務上の問題が発生するリスク等が存在します。何らかの事由によって訴訟となる事案が発生し、当社が賠償を求められた場合、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、現時点では予測困難であると認識しております。(リスクへの対応策)当社グループは、セキュリティ委員会を設置し、各種情報の管理体制を強化すると同時に、セキュリティ教育、eラーニングによる教育などを行っております。また、品質管理規程等を整備し、これらに従った運用を行うことで、製品の品質管理を行っております。その他、労働基準法の遵守や社員の健康管理に努めており、訴訟等による損害賠償責任に関するリスクの低減に努めております。 (11)災害および感染症に関するリスクについて(リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容)大規模地震、自然災害、感染症、災害等の発生により、当社グループ社員およびパートナー企業の社員などの人的被害、業務遂行に必要なITインフラなどの物的被害が生じるリスクがあり、これらのリスクが顕在化し事業の停止、失注、開発遅延などが発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(リスクが顕在化する可能性の程度や時期)当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、現時点では予測困難であると認識しております。(リスクへの対応策)当社グループの従業員およびその家族並びにパートナー社員の安全や健康状態を把握するため、安否確認システムを整備するとともに、テレワークやオンライン会議などの活用及びBCPの運用により、事業の継続あるいは早期復旧ができるよう備えております。また、同時に、顧客企業の業績、開発投資の動向などを注視し、業務シフトなど柔軟に対応し、リスク低減に努めております。