事業の内容
ヴィッツは、主に自動車や産業機械向けのソフトウェア開発、コンサルティング、教育サービス、コンテンツ販売を行う会社です。特に、製造現場のデジタル化を支援する「SF Twin」や交通シミュレーションシステム「WARXSS」、AIの安全利用を推進する「AIセーフティ」といった自社製品・サービスも展開しています。また、子会社を通じてX線検査装置の製造・販売・保守を行うセンシング事業や、クラウド型施設予約システムを提供するその他事業も手掛けており、多角的な収益構造を持っています。
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FY2025|2,255 文字|出典 docID: S100X6ND
3【事業の内容】当社グループの事業構成は、「ソフトウェア事業」、「センシング事業」および「その他事業」の3つとなっております。(下図、「当社グループの事業セグメントと事業構成図」参照)。なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。当連結会計年度に新たに連結子会社とした株式会社リザーブマートは、「その他事業」に記載しております。 当社グループの事業セグメントと事業構成図(1)ソフトウェア事業自動車および自動車部品、半導体検査装置、産業機械など各メーカに対して、ソフトウェア開発、コンサルティング、教育サービスおよびコンテンツ販売を行っております。また、当社製品としてSF Twin、 WARXSS、新たなサービスとしてAIセーフティを展開しています。ソフトウェア開発は、オペレーティングシステムの開発・提供から、制御アプリケーションまで全ての領域に対応しております。製品分野も、自動車、半導体検査装置、産業機械、建設機械など幅広い分野に技術提供を実施しております。サイバーセキュリティおよび機能安全のコンサルティングを展開しており、開発プロセス構築支援、脅威分析、安全分析等の分析支援、法規対応を支援しております。教育サービスとしては企業内教育教材を開発し、機能安全やサイバーセキュリティ対応のノウハウを解説したコンテンツ販売を行っております。また、近年のモデルベース開発に対応した HILS/SILS 等のシミュレーション環境を提供しております。 ソフトウェア事業が提供しているソフトウェアが使われている製品のイメージ これらの製品には下図のような小型コンピュータが搭載されています。このコンピュータ内に当社のソフトウェアが搭載されています。 SF Twin当社は、製造業界向けデジタルツインプラットフォーム「SF Twin」を提供しております。「SF Twin」は、製造現場の物理空間を仮想現実(VR)上に高精度で再現し、監視およびシミュレーションを通じてオペレーションの安全性・効率性向上を支援するソリューションです。本プラットフォームは、工場運営の最適化に寄与するのみならず、人工知能(AI)技術を活用することで、最適な生産方式の導出を可能とします。また、「SF Twin」の今後の展望として、完全自動シミュレーション機能の開発を進めており、これにより理想的な生産工程の自動提案が実現できる技術基盤の構築を目指しております。さらに、協働ロボット対応のデジタルツイン「SF Twin Cobot」を2023年4月より販売開始し、2024年6月からは機能拡張版である「SF Twin Cobot 2.0」の提供も開始しています。 WARXSS「WARXSS®」は、仮想現実(VR)技術を応用した交通シミュレーションシステムです。本ソリューションは、多様な道路状況の再現・分析を可能とし、自動運転サービスへの適用を視野に入れて、安全性向上および交通社会の発展を支援するプラットフォームとして継続的に開発されています。 AIセーフティAI技術の普及に伴い、安全かつ安心してAI技術を活用できる環境整備が重要性を増しています。品質および安全性を担保する技術の確立は、社会実装の推進に不可欠です。欧州連合ではAI規制法(AI Act)が提案されており、AIシステムのリスク区分に応じた厳格な基準策定および認証制度の導入が求められています。当社においては、これらの要素を包含し「AIセーフティ」と総称しております。このような動向を受け、当社は2020年よりAI搭載システムの安全性評価に資する「SEAMSガイドライン(AIの品質および安全性保証技術の指針)」を提供しています。本ガイドラインは自動車分野を初期対象としていましたが、現在では建設機械、工場内搬送機器等、多様な産業領域へと適用範囲を拡張し、AIセーフティの普及を推進しています。 (2)センシング事業センシング事業は、当社の子会社である「テスコ株式会社」が行っております。X線検査装置の製造・販売・保守を軸に、X線検査サービス、非接触スキャナー販売等、センシング関連の製品・サービスを提供しております。X線検査装置の製造・販売・保守は、X線を使用する主に機械や金属部品、電子基板を対象にした産業用非破壊検査装置の製品製造およびX線関連部材の販売及び販売後の点検・修理サービスを実施しております。X線検査サービスは、自社で保有する設備を利用したX線装置および協業各社の装置を使い、主に機械や金属部品、電子基板の内部検査を実施しております。非接触スキャナー販売は、CT装置以上の計測機能・精度を発揮するレーザーを使用する非接触スキャナー装置を販売しております。 (3)その他その他事業は、当社の子会社である「株式会社リザーブマート」が行っております。株式会社リザーブマートは、全国各地の公共施設、貸会議室、音楽スタジオ等に向けてクラウド型施設予約システムの開発、保守サービス等を提供し、システム導入後に継続的、安定的に収益を獲得できるストック型ビジネスを展開しております。 [事業系統図]
FY2024|2,661 文字|出典 docID: S100UUYP
3【事業の内容】当社グループの事業構成は、「ソフトウェア開発事業」、「サービスデザイン事業」、「センシング事業」および「その他事業」の4つとなっております。(下図、「当社グループの事業セグメントと事業構成図」参照)。なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。また、当連結会計年度より、「センシング事業」を報告セグメントとして追加しております。これは、テスコ株式会社の全株式を取得し、連結子会社化したことから、「センシング事業」を新たな事業として開始したためです。 当社グループの事業セグメントと事業構成図 (1)ソフトウェア開発事業自動車および自動車部品、半導体装置、産業機械など各メーカに対して、ソフトウェア開発、コンサルティング支援、教育サービスおよびコンテンツ販売を行っております。ソフトウェア開発は、オペレーティングシステムの開発・提供から、制御アプリケーションまで全ての領域に対応しております。製品分野も、自動車、半導体検査装置、産業機械、デジタル家電、建機など幅広い分野に技術提供を実施しております。コンサルティング支援は、サイバーセキュリティおよび機能安全に対応しており、それぞれ、開発プロセス構築支援、脅威分析、安全分析等の分析支援、法規対応を支援しております。教育サービスとしては企業内教育を展開し、機能安全やサイバーセキュリティ対応のノウハウを解説したコンテンツ販売を行っております。また、近年のモデルベース開発に対応した HILS/SILS 等の制御モデルも提供しております。 ソフトウェア開発事業が提供しているソフトウェアが使われている製品のイメージ これらの製品には下図のような小型コンピュータが搭載されています。このコンピュータ内に当社のソフトウェアが搭載されています。 (2)サービスデザイン事業仮想空間技術を利用した、自働搬送、自動運転の効率化を支援するツール販売や開発サービス事業、AI技術を安心して活用するための品質保証サービスを提供しております。 ●SF Twin当社では、製造現場向けのデジタルツインプラットフォーム「SF Twin」の開発を進めております。「SF Twin」は、製造現場を仮想空間に再現し、モニタリングやシミュレーションを通じて安全性や効率性の向上を目指すものです。本製品の最終目標は、コンピュータを活用して工場運営の最適化を図るとともに、人工知能を用いて最適な生産方法を導き出す技術を開発することにあります。また、「SF Twin」の将来的な展望として、自動シミュレーション機能を通じて理想的な生産方法を自動的に導き出す技術の実現を目指しています。 派生製品として、協働ロボット向けのデジタルツイン環境を簡便に構築するソリューション「SF Twin Cobot」を2023年4月より販売開始し、2024年6月からは機能を拡充した「SF Twin Cobot 2.0」を提供しております。 ●WARXSS「WARXSS®」は、高精度CG技術を利用して構築した「仮想自動車試験場」です。現実で起こりうる様々な状況を、いつでもどこでも繰り返し検証することができるシミュレータを提供しております。 ●AIの品質安全保証サービスAI技術の利用が広がる中、安心してAI技術を活用できる環境を整えるため、その品質と安全性を保証する技術の重要性がますます高まっています。特に、欧州連合においてはAI規制法(AI Act)が提案され、AIシステムのリスクレベルに応じた厳格な基準や認証プロセスが求められるようになってきております。このような背景を踏まえ、当社は2020年から、AI技術を備えたシステムの安全性を証明するための「SEAMSガイドライン(AIの品質と安全性保証技術のガイドブック)」を提供しています。このガイドラインは、当初は自動車分野を対象としていましたが、現在では建設機械や工場内搬送機など、幅広い分野に対してAI品質安全保証サービスの提供を拡大しております。 (3)センシング事業センシング事業は、当社の子会社である「テスコ株式会社」が行っております。X線検査装置の製造・販売・保守を軸に、X線検査サービス、非接触スキャナー販売等、センシング関連の製品・サービスを提供しております。X線検査装置の製造・販売・保守は、X線を使用する主に機械や金属部品、電子基板を対象にした産業用非破壊検査装置の製品製造およびX線関連部材の販売及び販売後の点検・修理サービスを実施しております。X線検査サービスは、自社で保有するでも設備を利用したX線装置および協業各社の装置を使い、主に機械や金属部品、電子基板の内部検査を実施しております。非接触スキャナー販売は、CT装置以上の計測機能・精度を発揮するレーザーを使用する非接触スキャナー装置の販売しております。 (4)その他その他事業は、当社の子会社である「株式会社アトリエ」と「株式会社ヴィッツ沖縄」が行っております。 株式会社アトリエは、ヴィッツグループの安全業務ハブとして、グループ各社の顧客が抱える安全面の課題解決を支援しています。自動運転や人工知能の発展に伴い、安全リスクも複雑化する現代社会において、アトリエでは以下の3本柱を軸に革新的技術の安全な導入を支援しています。 ●システム安全設計国際安全規格(ISO 26262、ISO 13849、SOTIF等)に準拠したリスクアセスメントと安全設計により、事故リスクを低減します。●サイバーセキュリティ対策ISO/SAE 21434などに基づく防御策を用いて、IoT化機器をサイバー脅威から保護します。●産業安全安全行動を促す施策やウェルビーイング支援を通じ、作業者の安全と健康を確保します。 株式会社ヴィッツ沖縄は沖縄県の若い人材を活用した組込ソフトウェア開発・評価支援を行っております。沖縄県はソフトウェア産業分野では現在発展途上の状況であるため、技術者教育とソフトウェア開発経験の蓄積が必要となります。当社グループでは若年層技術者にソフトウェアの下流工程の開発、評価、組込機器の画面開発など、比較的低難易度の開発部位を担当させるとともに、ソフトウェア開発の教育を実施しております。これらの若年層技術者の活用が、当社グループ全体での開発コスト削減に寄与しております。 [事業系統図]
FY2023|2,400 文字|出典 docID: S100SCPH
3【事業の内容】当社グループの事業構成は、「ソフトウェア開発事業」、「サービスデザイン事業」および「その他事業」の3つとなっております。(下図、「当社グループの事業セグメントと事業構成図」参照)。なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 当社グループの事業セグメントと事業構成図 当社グループは設立以来、「半歩先の技術で人々の生活を豊かにする」を企業理念として掲げております。人々が毎日利用する製品の多くは、組込システムと呼ばれる製品であり、その代表例は自動車、家電、スマートデバイスなどがあげられます。これらの製品の機能や性能は組込ソフトウェアにより実現されております。当社グループは組込ソフトウェア分野において常に先端技術獲得に取り組み、製品に組込まれるソフトウェア開発支援やコンサルティング等のサービス提供を行っております。また、仮想空間技術を利用したツール販売や開発のサービス、AI関連の事業を実施しております。(下図、「デジタル技術動向と当社グループの技術と支援サービスの変遷」参照) デジタル技術動向と当社グループの技術と支援サービスの変遷 (1)ソフトウェア開発事業自動車および自動車部品、半導体装置、産業機械など各メーカに対して、ソフトウェア開発、コンサルティング支援、教育サービスおよびコンテンツ販売を行っております。ソフトウェア開発は、オペレーティングシステムの開発・提供から、制御アプリケーションまで全ての領域に対応しております。製品分野も、自動車、半導体検査装置、産業機械、デジタル家電、建機など幅広い分野に技術提供を実施しております。コンサルティング支援は、サイバーセキュリティおよび機能安全に対応しており、それぞれ、開発プロセス構築支援、脅威分析、安全分析等の分析支援、法規対応を支援しております。教育サービスとしては企業内教育を展開し、機能安全やサイバーセキュリティ対応のノウハウを解説したコンテンツ販売を行っております。また、近年のモデルベース開発に対応した HILS/SILS 等の制御モデルも提供しております。 ソフトウェア開発事業が提供しているソフトウェアが使われている製品のイメージ これらの製品には下図のような小型コンピュータが搭載されています。このコンピュータ内に当社のソフトウェアが搭載されています。 (2)サービスデザイン事業仮想空間技術を利用した、自働搬送、自動運転の効率化を支援するツール販売や開発サービス事業、AI技術を安心して活用するための品質保証サービスを提供しております。 ●SF Twin製造現場におけるデジタルツインプラットフォーム「SF Twin」の研究開発を進めております。このプラットフォームは、現実の製造現場を仮想空間上に複製し、モニタリングやシミュレーションを可能にします。目標は、コンピュータを使用して工場の安全性と効率性を向上させること、そして人工知能を活用して最適な生産方法を導き出す技術の開発であります。「SF Twin」の将来的な目標は、自動シミュレーションを通じて理想的な生産方法を割り出す技術の実現であります。「SF Twin」を活用し、2023年4月から、デジタルツインを使用して協働ロボットのティーチング作業を行うソフトウェア「SF Twin Cobot」の販売を開始いたしました。この製品は、協働ロボットのデジタルツイン環境を簡単に構築できるソリューションであります。 ●WARXSSモビリティ開発向け仮想空間技術「WARXSS」は、経済産業省と国土交通省が主導する「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト「RoAD to the L4」」の一環として、自動運転移動サービスの安全性検証や社会受容性の醸成に活用されております。 ●AIの品質安全保証サービスAIの利用が広がる中、AI技術を安心して使用するため、その品質と安全性を保証する技術の重要性が高まっております。当社は2020年から、AI技術を備えたシステムの安全性を証明するための「SEAMSガイドライン(AIの品質と安全性保証技術のガイドブック)」を提供しております。当初は自動車分野のみでしたが、現在ではAI品質安全保証サービスの適用分野範囲を建設機械や工場内搬送機などへ拡大しております。 (3)その他その他事業は、当社の子会社である「株式会社アトリエ」と「株式会社ヴィッツ沖縄」が行っております。 ●国際安全規格に適合する安全化支援サービス株式会社アトリエは、ヴィッツグループにおける安全業務のHub(ハブ)として、グループ各社の顧客の安全面の課題解決サービスを提供しております。自律移動車等の先進技術を搭載した機器向けの国際安全規格に準拠したリスクアセスメント、システム安全分析サービスの他、ユーザーの機器導入後に生じる新たなハザードの分析から、不安全行動の低減、作業者のウェルビーイング改善支援など、先端機器が安心して利用され、世の中に受け入れられるためのソリューションを提供しております。 ●組込ソフトウェア開発・評価支援株式会社ヴィッツ沖縄は沖縄県の若い人材を活用した組込ソフトウェア開発・評価支援を行っております。沖縄県はソフトウェア産業分野では現在発展途上の状況であるため、技術者教育とソフトウェア開発経験の蓄積が必要となります。当社グループでは若年層技術者にソフトウェアの下流工程の開発、評価、組込機器の画面開発など、比較的低難易度の開発部位を担当させるとともに、ソフトウェア開発の教育を実施しております。これらの若年層技術者の活用が、当社グループ全体での開発コスト削減に寄与しております。 [事業系統図]
FY2022|2,827 文字|出典 docID: S100POWU
3【事業の内容】当社グループの事業構成は、当連結会計年度にセグメント変更し、旧セグメント組込サービス事業、システムズエンジニアリング事業、トラストシステムコンサルティング事業を統合した「ソフトウェア開発事業」、新たな事業として開始した「サービスデザイン事業」および、「その他事業」の3つとなっております。(下図、「当社グループの事業セグメントと事業構成図」参照)。なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 当社グループの事業セグメントと事業構成図当社グループは設立以来、「半歩先の技術で人々の生活を豊かにする」を企業理念として掲げております。人々が毎日利用する製品の多くは、組込システムと呼ばれる製品であり、その代表例は自動車、家電、スマートデバイスなどがあげられます。これらの製品の機能や性能は組込ソフトウェアにより実現されております。当社グループは組込ソフトウェア分野において常に先端技術獲得に取り組み、製品に組込まれるソフトウェア開発支援やコンサルティング等のサービス提供を行っております(下図、「デジタル技術動向と当社グループの技術と支援サービスの変遷」参照)。 デジタル技術動向と当社グループの技術と支援サービスの変遷(1)ソフトウェア開発事業自動車および自動車部品、半導体装置、産業機械など各メーカに対して、ソフトウェアの受託開発(一部、派遣を行っている組織もあります)、コンサルティング支援、および教育サービスを行っております。ソフトウェア開発は、オペレーティングシステムの開発・提供から、制御アプリケーションまで全ての領域に対応しております。製品分野も、自動車、半導体検査装置、産業機械、デジタル家電、建機など幅広い分野に技術提供を実施しております。また、近年のモデルベース開発に対応した HILS/SILS 等の制御モデルも提供しております。コンサルティング支援は、サイバーセキュリティおよび機能安全に対応しており、それぞれ、開発導入支援、法規対応、企業内教育、教育コンテンツの販売などを行っております。 ソフトウェア開発事業が提供しているソフトウェアが使われている製品のイメージ これらの製品には下図のような小型コンピュータが搭載されています。このコンピュータ内に当社のソフトウェアが搭載されています。 (2)サービスデザイン事業製造現場や一般公道などの効率化を目指した技術の高度化を支援するツールやサービスを提供する仮想空間技術を活用したサービス事業を開始しております。また、個人情報を保護しつつ、入退場管理やMaaS(Mobility as Service)などのサービスを提供するツールやプラットフォームなど、ブロックチェーン技術を活用したサービスの開発を行っております。 仮想空間技術を活用したシミュレーション関連ツール ●SF Twin製造現場にデジタルツイン(現実世界と対になる双子(ツイン)を仮想空間上に構築し、モニタリングやシミュレーションを可能にする仕組み)プラットフォームとして 「SF Twin」 の研究開発を行っております。工場の安全化と効率化をコンピュータ上で検討し、また、人工知能との連携で理想的な生産方法を推測する技術の実現を狙っております。「SF Twin」の将来的な構想としては、工場を自動でシミュレーションし、理想的な生産方法を推測する技術の実現を狙っております。 ●WARXSS一般公道における、一般車両や歩行者と“自動運転車両”のリスクアセスメントツール「WARXSS」の研究開発も同時に行っております。 ●ブロックチェーン技術を活用したツールGAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)に代表されるデジタルプラットフォーム事業者は利用者に無料のサービスを提供して収集した個人情報を活用し大きな収益を得ています。このビジネスモデルに対し、個人情報保護を求める声が近年急速に高まり、Web3.0 と呼ばれる分散型(非中央集権型)のインターネットが要望されております。当社グループは、ブロックチェーンを個人情報保護に活用し、データの民主化 (個人データの非中央集権型管理) に関する研究開発を行っております。現在、個人情報を扱う企業は、厳密な個人情報管理の実施が必要であります。当社の個人情報管理は、必要な情報の開示は個人の判断に任せるため(データの民主化)、各事業者が個人情報取扱管理の必要が無くなるメリットがあります。同時に、非個人情報である趣味嗜好や行動などの一般化した情報は扱うことができます。 ●SXiM当社のMaaSプラットフォームであります。当社の MaaS は、移動空間・移動時間を、共に移動する人たちと、経験や楽しみを共有することをコンセプトにしたMaaS プラットフォームです。趣味嗜好を意識せずに合わせたり、感動を共有したりできる、移動支援ツールです。 ●TISIWIT個人情報管理を Web3.0 が推奨する、非中央集権型 で管理した、当社開発の入退場管理ツールです。単に入退場を管理するだけでなく、個人の趣味嗜好による誘導、個人情報を利用せずに感染症拡大防止に活用できる通知機能などを備えており、すでに実証実験を行っております。地方公共団体などの施設予約などに活用できるツールです。 (3)その他その他事業は、当社の子会社である「株式会社アトリエ」と「株式会社ヴィッツ沖縄」が行っております。 ●ソフトウェア開発に関する新技術及び規格調査当社グループに必要な新技術の調査及びソフトウェア開発に関する新規格調査を行っております。ソフトウェア開発に関する進歩は急速に進んでおり、短期間で新たな対応規格が数多く公開されます。多くの規格は実施するべき項目が記載されておりますが、“なぜ実施する必要があるのか”といった規格の背景や、“どこまでやれば十分か”といった対応範囲などは明確に記載されていないのが現状です。国立研究開発法人産業技術総合研究所に所属し、規格策定や調査を担当した技術メンバーが中心となり、新規格の調査を行い、顧客企業へ調査結果を提供するサービスを行っております。 ●組込ソフトウェア開発・評価支援沖縄県の若い人材を活用した組込ソフトウェア評価・開発支援を行っております。沖縄県はソフトウェア産業において現在発展途上の状況であるため、技術者教育とソフトウェア開発経験の蓄積が必要となります。当社グループでは若年層技術者にソフトウェアの評価、組込機器の画面開発など、比較的低難易度の開発部位を担当させるとともに、ソフトウェア開発の教育を実施しております。これらの若年層技術者の活用が、当社グループ全体での開発コスト削減に寄与しております。 [事業系統図]
FY2021|4,119 文字|出典 docID: S100MY7A
3【事業の内容】当社グループの事業構成は、「組込サービス事業」、「システムズエンジニアリング事業」「トラストシステムコンサルティング事業」および、「その他事業」の4つとなっております。(下図、「当社グループの事業セグメントと事業構成図」参照)。なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 当社グループの事業セグメントと事業構成図 当社グループは設立以来、「半歩先の技術で人々の生活を豊かにする」を企業理念として掲げております。人々が毎日利用する製品の多くは、組込システムと呼ばれる製品であり、その代表例は自動車、家電、スマートデバイスなどがあげられます。これらの製品の機能や性能は組込ソフトウェアにより実現されております。当社グループは組込ソフトウェア分野において常に先端技術獲得に取り組み、製品に組込まれるソフトウェア開発支援やコンサルティング等のサービス提供を行っております(下図、「デジタル技術動向と当社グループの技術と支援サービスの変遷」参照)。 デジタル技術動向と当社グループの技術と支援サービスの変遷(1)組込サービス事業国内外顧客(産業機械メーカ、自動車メーカ、自動車部品メーカ、半導体装置メーカなど)に対して、組込ソフトウェアの受託開発、コンサルティング支援を行っております。ソフトウェア開発はオペレーティングシステム(OS)からアプリケーションまで全ての領域に対応しております。コンサルティング支援はサイバーセキュリティ、自動車セキュリティの分野で製品企画から製品出荷までの全てのシーンで支援しております。組込サービス事業の主な提供サービスの概要は以下のとおりとなります。 ●制御ソフトウェアエンジニアリングサービス当社が提供する制御ソフトウェアエンジニアリングサービスは、産業横断的に利用される基盤技術です。現在は自動車、産業機器及び半導体製造装置メーカを中心にサービスを提供しております。 ●リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)開発、販売OWLS(オウルズ)という名称にて(Owls for Automotive, Owls for Industry) 自動車と産業機器に特化したRTOSを自社開発し、販売提供しております。また、機能安全に対応したRTOSやセキュリティ機能を付加したモデルもラインアップしております。製品販売のほか、顧客企業の要望に合わせたカスタマイズも行っております。 ●自動運転技術支援サービス当社グループは、来るべき自律システム社会を支える基盤技術を得るため、経済産業省の研究事業を活用し、積雪路面での自動運転を実現するための技術研究を実施いたしました。研究で得られた知見は産業車両の自動運転向け技術支援に活用しております。除雪、ゴルフ場等での芝刈り作業など、人手不足が深刻な領域へのサービス提供が中心となります。 ●組込セキュリティサービスコネクテッドカーの普及に伴いクルマのセキュリティが重視され、日本・欧州等向けに車両を販売する自動車メーカは自動車のセキュリティに関する安全基準に準拠することが2022年以降求められております。当社は基準となる規格策定の段階から調査を実施し、他社に先行して関連するセキュリティサービス(コンサルタント、脅威分析支援、プロセス構築支援、対応ソフトウェア開発、SIRT(Security Incident Response Team)支援)を提供しております。 ●組込セキュリティ教育セキュリティ対策に取り組む企業向けに学習用コンテンツの提供及びカスタマイズサービスを実施しております。 (2)システムズエンジニアリング事業自動運転システムは、自動車システム・交通システム・経路探索システム・人間行動システムなど多岐にわたるシステムを連携させ、実現しております。このような複雑なシステムに対して効率的な開発を実現するための、「自動運転/先進安全向けシミュレーション技術による開発支援」、「車載制御モデル開発」、「車載制御シミュレーション開発」などの事業を実施しております。 システムズエンジニアリングのイメージ図(自動運転システムを例にして説明) システムズエンジニアリング事業の主な提供サービスの概要は以下のとおりとなります。 ●自動運転/先進安全向けシミュレーション技術による開発支援自動車や自動運転車両の開発では、天候や路面状況等様々な環境での動作検証と莫大な走行時間(走行距離)の動作検証が必要となります。当社は、シミュレーション技術によりコンピュータ上で公道走行と同じ環境、様々な天候状況などを再現し、顧客企業の自動運転車両等の開発支援を行っております。 当社が提供している自動運転シミュレータの例●車載制御モデル開発/車載制御シミュレーション開発「車載制御モデル開発/車載制御シミュレーション開発」は、エンジンやトランスミッション等、自動車を構成する各種部品の動作をつかさどるソフトウェアをモデル表記図で作成するとともに、シミュレーションを活用して開発の効率化や品質向上を実現するための技術を提供しております。 この例では、エンジンECUのHILSモデルを示します。開発対象のエンジン制御(ソフトウェアもしくはモデル)を実際のECU上で動作させ、エンジンを通常動作させて試験を実施します。エンジンには各種センサー(O2センサー、温度センサー)が搭載されています。それらのセンサー類は実物もしくはプラントモデル内で模擬します。またエンジンと連携をするサブシステムや外部環境はプラントモデルを作成して、あたかも実際の環境であるかのようにエンジンシステムと連携します。これにより車両完成前であっても各種の試験を実施することができます。これらのシミュレーション環境を当社グループは提供しております。 (3)トラストシステムコンサルティング事業2008年から工作機械メーカ、自動車関連メーカなど製品の安全性が求められるメーカ向けに、機能安全(Safety & Security)コンサルティングを実施しております。機能安全とは、コンピュータを用いた制御装置に対し、監視装置や防護装置などの付加機能によるリスクの低減を施すことです(下図、「本質安全と機能安全 ~踏切の安全例~」参照)。当社はドイツの第三者認証機関TÜV SÜDから、産業機械やプラント工場向けの機能安全規格IEC 61508のソフトウェアプロセス認証を2010年に国内で初めて取得、自動車の機能安全規格ISO 26262のソフトウェアプロセス認証を2012年に世界で初めて取得しております。当該認証取得にあたって、安全なソフトウェア開発のための装置全体に何らかのソフトウェア防御策を施す技術的な対策と、ソフトウェアの不具合が少なくなるよう開発するための開発プロセスの2つの対応を習得しております。認証取得で得られた経験や規格への対応方法を活かして、機能安全規格に準拠した開発を行いたい企業にコンサルティングサービスを提供しております。トラストシステムコンサルティング事業の主な提供サービスの概要は以下のとおりとなります。 ●開発標準構築支援機能安全規格準拠に必要なソフトウェア開発プロセスにかかる社内標準文書などを作成するサービスを提供しております。 ●機能安全設計・評価支援顧客企業の製品・システム・ソフトウェアを機能安全規格に準拠するための設計、分析、検証などのエンジニアリングを実施するサービスを提供しております。 ●AI、自動運転の安全設計・評価支援AIや自動運転などの複雑なシステムに対する先行研究や安全の標準化活動の知見を活かして、安全設計や安全性評価を実施するサービスを提供しております。 ●安全規格適合用技術コンテンツ販売安全認証取得に必要なソフトウェア設計エビデンスのフォーマット、対策方法をまとめた資料などの技術文書を販売しております。 ●ソフトウェア開発支援ツール輸入、販売機能安全をはじめ、信頼性の高いソフトウェアを設計するためには、人手による確認だけでは不十分です。当社は信頼性などを向上させるための支援ツールをドイツのソフトウェアツールメーカなどから輸入し、販売しております。 ●教育サービス当社グループは、機能安全規格の解説、安全性の考え方などの教育をセミナー形式で実施しております。また、オンデマンドの動画研修サービスも提供開始しております。 (4)その他その他事業は、当社の子会社である「株式会社アトリエ」と「株式会社ヴィッツ沖縄」が行っており、いずれも当社との協業により実施しております。 ●ソフトウェア開発に関する新技術及び規格調査当社グループに必要な新技術の調査及びソフトウェア開発に関する新規格調査を行っております。ソフトウェア開発に関する進歩は急速に進んでおり、短期間で新たな対応規格が数多く公開されます。多くの規格は実施するべき項目が記載されておりますが、“なぜ実施する必要があるのか”といった規格の背景や、“どこまでやれば十分か”といった対応範囲などは明確に記載されていないのが現状です。国立研究開発法人産業技術総合研究所に所属し、規格策定や調査を担当した技術メンバーが中心となり、新規格の調査を行い、顧客企業へ調査結果を提供するサービスを行っております。●組込ソフトウェア開発・評価支援沖縄県の若い人材を活用した組込ソフトウェア評価・開発支援を行っております。沖縄県はソフトウェア産業において現在発展途上の状況であるため、技術者教育とソフトウェア開発経験の蓄積が必要となります。当社グループでは若年層技術者にソフトウェアの評価、組込機器の画面開発など、比較的低難易度の開発部位を担当させるとともに、ソフトウェア開発の教育を実施しております。これらの若年層技術者の活用が、当社グループ全体での開発コスト削減に寄与しております。 [事業系統図]
FY2020|12,600 文字|出典 docID: S100K8ZP
3【事業の内容】当社グループは当社(株式会社ヴィッツ)及び、連結子会社(株式会社アトリエ及び、株式会社ヴィッツ沖縄)で構成されております。事業構造としては、主に製品メーカに対して組込ソフトウェアを提供する「組込システム事業」、シミュレーション環境を提供する「システムズエンジニアリング事業」及びSafety & Securityコンサルティングを提供する「機能安全開発事業」の3つを主たる業務としており、「その他」として子会社における研究事業の推進やソフトウェア開発の検証事業等を行っております(下図、「当社グループの事業セグメントと事業構成図」参照)。なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 当社グループの事業セグメントと事業構成図当社は設立以来、「半歩先の技術で人々の生活を豊かにする」を企業理念として掲げております。人々が毎日利用する製品の多くは、組込システムと呼ばれる製品であり、その代表例は自動車、デジタル家電、白物家電、スマートデバイスなどがあげられます。これらの製品の機能や性能は組込ソフトウェアにより実現されております。当社グループは顧客企業から信頼されうる安全な組込ソフトウェアを提供するとともに、近未来社会で必要となる新技術や新たな課題へいち早く対応することにより、人々の生活を豊かにすることを支援いたします(下図、「未来社会を支える当社グループの技術と支援サービス」参照)。 未来社会を支える当社グループの技術と支援サービス●組込システムと組込ソフトウェアとは人々が日々の暮らしの中で利用する電子機器(電子制御を伴った電気炊飯器、デジタルテレビ、自動車 等)のことを組込機器と呼びます。この組込機器は、マイクロコンピュータと呼ばれる小型のコンピュータを搭載し、このコンピュータを含むハードウェアとコンピュータを動作させるソフトウェアで構成されております。このハードウェアとソフトウェアを合わせて組込システムと呼び、ソフトウェアを組込ソフトウェアと呼びます。一般的に組込システムは、機器を動作させるため長時間動作や省電力などの要求レベルが高く、また、自動車や大型機械などはその動作が人命を預かるため、信頼性・安全性などが要求されます。また、組込機器の多くで利用する通信技術や安全(SafetyやSecurity)技術はIoT/CPS世界実現のための必須の基盤技術であると当社グループは考えております。 安全性が重要とされる組込システムの開発には、エンジニアリングに加え、安全に開発するためのコンサルティング、開発支援などが必要です。また、製品によっては現実社会での試験が困難(例えば、自動運転は安全性、社会許容性、法規などの問題で公道での試験が困難)であるため、網羅的に試験を行うための仮想環境など、開発支援環境が必要となります。組込ソフトウェア開発、リアルタイムオペレーティングシステム、自動運転技術、機能安全や組込セキュリティ支援、仮想化技術等を個別にサービス提供する国内ソフトウェア開発企業は多数ありますが、当社はこれらのすべてのサービスを1社(グループ)で提供することができるという特徴があります。また、組込ソフトウェアは組込装置(例:自動車、家電など)と一体をなして開発されるために、大手メーカ又はその子会社が手掛けることがありますが、当社グループはこのような企業系列に属していない独立系の企業グループです。そのため系列や製品分野を超えた企業へのサービス提供が可能であります。 (1)組込システム事業当社グループは、設立以来、組込システムに関するソフトウェア開発を主要な事業基盤としております。組込システム事業の具体的な内容は、国内外顧客(産業機械メーカ、自動車メーカ、自動車部品メーカ、デジタル家電メーカ、建設機械メーカなど)に対して、組込ソフトウェアの受託開発業務「制御ソフトウェアエンジニアリングサービス」を提供しております。また、これら顧客企業向けに「リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)開発、販売」を実施しております。また、近年は自動車メーカに「組込セキュリティ支援」サービスを提供しております。これは、自動車をはじめとする多くの製品分野で外部ネットワークとの接続による新たなサービスの提供を開始しておりますが、それに伴い発生するセキュリティ課題の解決を支援するものです。これら当社グループが提供するソリューションは、今後成長が期待されるIoT/CPSの基盤技術であり、下図、「組込技術は分野共通の中核技術」に示すように、産業分野全域に必要な技術要素であります。そのため幅広い分野の顧客企業を対象としております。 組込技術は分野共通の中核技術 組込システム事業の主な提供サービスの概要は以下のとおりとなります。 ●制御ソフトウェアエンジニアリングサービス当社が提供する自動車及び組込システム向けの制御ソフトウェアエンジニアリングサービスは、様々な産業で利用される基盤技術であります。特に、近年電子化が急速に進展する自動車関連向けの制御ソフトウェアエンジニアリングサービスは当社の中核技術となっております。また、自社で保有する自動車向けRTOS(欧州の規格で実質的な標準仕様であるAUTOSARやOSEK/VDX仕様のOS)のカスタマイズやインテグレーションサービスを自動車メーカや自動車部品メーカに提供しており、制御ソフトウェアエンジニアリングサービスとのシナジー効果を高めております。 ●リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)開発、販売主に自動車と産業機器に特化したRTOSを自社開発し、販売提供しております。いずれもOWLS(オウルズ)という名称にて販売しております(Owls for Automotive, Owls for Industry)。また、機能安全に対応したRTOSやセキュリティ機能を付加したモデルもラインアップしております。これらのRTOSはソフトウェア部品の製品として販売しているため、顧客企業ごとに専用ソフトウェアを提供するソフトウェア開発支援サービスと比較して利益率が高いという特徴があります。●自動運転技術支援サービス自動車や各種ロボットなどが自律的に動作し、人々の生活を支援する社会が現実味をおびてきました。当社グループは、来るべき自律システム社会を支える基盤技術を得るため、経済産業省の研究事業を活用し、積雪路面での自動運転を実現するための技術研究を実施いたしました。この研究では世界的に研究が進められている“ダイナミックマップ”(※)が活用できない積雪路面で、雪道を判別し安全に走行するための基礎技術を開発し、その技術を過疎化地域で活用することを目的としております。※ダイナミックマップとは高精度な三次元地図情報や動的に更新される道路状況などを組み合わせた地図情報です。自動運転ではカメラなどで認識した人工構造物(信号、センターライン、側溝など)とダイナミックマップ情報を比較して、自己位置を推定します。当社グループは、自動車メーカ各社が自動運転をはじめとする自律システムを開発する場合に、研究活動で得たセンサー技術や人工知能を活用した判断技術の提供を開始いたしました。提供先は自動運転車両開発メーカ及び自動運転車両への電装部品のサプライヤーとなります。 自動運転走行実験の様子自動運転に必要なシミュレータ及びセンシング技術 ※SLAM(Simultaneous Localization And Mapping):各種センサーなどを用いて移動中の自身の位置を測定し、同時にローカルな地図を作成する機能。 ●組込セキュリティ支援コネクテッドカーの普及に伴いクルマが「繋がる」ことで車載セキュリティが重要になっており、国際的な安全基準が策定され、まもなく施行されることとなっております。当社は保有する車載ソフトウェア開発ノウハウと研究活動成果である組込ソフトウェア向けセキュリティ対応のノウハウを活かして、組込セキュリティ支援事業 (セキュリティコンサルタント、セキュリティ脅威分析支援、セキュリティプロセス構築支援、セキュリティ教育、セキュリティ対応ソフトウェア開発、SIRT支援サービス)を提供しております。製品のセキュリティインシデント活動を担う SIRT 支援サービスについては、近年の需要増を受け、子会社である株式会社ヴィッツ沖縄と連携し、機密情報やノウハウは顧客ごとに守りつつ、米国発の脆弱性データベースの調査と対策など汎用的な作業を効率化し運用コスト低減に貢献するものとなっております。組込セキュリティ支援は、当社の事業拡大を実現する重要なサービスと位置付けており、自動車メーカや自動車部品メーカはじめ多くの組込機器開発企業に幅広く提供すべく、当社グループで体制を強化しております。 (2)システムズエンジニアリング事業システムズエンジニアリングとは「システムの実現を成功させることができる複数の専門分野にまたがるアプローチ及び手段」と定義されております。すなわち複数の専門分野(例えば、電気工学、機械工学、ソフトウェア工学など)を統合し、束ねるためのアプローチを指します(下図、「システムズエンジニアリングのイメージ図(自動運転システムを例にして説明)」参照)。システムの定義は、「ハードウェア、ソフトウェア、人、情報、技術、サービスなどの支援要素で定義された目的を成し遂げるための、相互作用する要素を組み合わせたもの」であるため、システムズエンジニアリングは複数のシステムを並列・階層的に接続して目的を達成することになります。例えば自動運転システムは、自動車システム、交通システム、経路探査システム、人間行動システムなど多岐にわたるシステムを連携して実現される、システムズエンジニアリングにより解決するべきシステムであります。自動車システムなど複雑なシステムに対して効率的な開発をするために、近年はモデルと呼ばれる表記法(様々なモデル表記が実在します)が用いられるようになってきております。当社グループは、設立3年目の1999年からモデル表記法を利用したモデルベース開発を実施しております。具体的な内容としては、「自動運転/先進安全向けシミュレーション技術による開発支援」、「車載制御モデル開発」、「車載制御シミュレーション開発」などの事業を実施しております。 システムズエンジニアリングのイメージ図(自動運転システムを例にして説明) システムズエンジニアリング事業の主な提供サービスの概要は以下のとおりとなります。 ●自動運転/先進安全向けシミュレーション技術による開発支援自動車関連企業を対象に、自動運転の検証を目的とした仮想環境技術を提供しております。自動運転車両の開発には莫大な走行時間(走行距離)による検証が必要となりますが、日本では研究段階の車両を公道で走行させることができる地域が限られており、申請手続きも煩雑であるため、検証が進まないという課題があります。当社は、コンピュータ上で公道走行と同じ仮想環境を作ることができ、また、様々な天候状況なども再現できます。したがって、自動運転車両の研究開発には仮想環境技術の活用は必須であるといえます。さらに、自動運転技術の更なる高度化を支援する、リスクポテンシャルシンセサイザ―の提供を開始いたしました。この技術は近未来のリスクをシミュレーションし、自動運転の判断を司る人工知能の高度化を支援するための製品であります。 当社が提供している自動運転シミュレータの例 ●車載制御モデル開発/車載制御シミュレーション開発「車載制御モデル開発/車載制御シミュレーション開発」は、自動車を構成する各種部品の動作をつかさどるソフトウェアをモデル表記図で作成するとともに、シミュレーションを活用して開発の早期化や品質向上を実現するための技術を提供しております。中でも自動車制御システムのラピッドプロトタイピング開発(製品開発で用いられる試作手法)であるHILSシステムを得意としております。HILSは、開発するシステムの周辺装置の完成を待つことなく、開発を進めることができます。下図「HILS(Hardware In the Loop Simulation )のシステム例」では、開発対象となるエンジンシステムの周辺装置には、トランスミッションなどの多くのシステムが必要となります。通常、自動車開発ではエンジンやトランスミッションなどは同時に開発されるため、エンジン開発でトランスミッションの開発完了を待たず、HILSと呼ばれるシミュレータ技術を利用します。この例では、エンジンECUのHILSモデルを示します。開発対象のエンジン制御(ソフトウェアもしくはモデル)を実際のECU上で動作させ、エンジンを通常動作させて試験を実施します。エンジンには各種センサー(O2センサー、温度センサー)が搭載されています。それらのセンサー類は実物もしくはプラントモデル内で模擬します。またエンジンと連携をするサブシステムや外部環境はプラントモデルを作成して、あたかも実際の環境であるかのようにエンジンシステムと連携します。これにより車両完成前であっても各種の試験を実施することができます。これらのシミュレーション環境を当社グループは提供しております。 ●人工知能の安全活用技術の提供2020年3月まで公的研究費 ( 日本政府および英国政府 ) を活用して人工知能の安全活用技術に関する研究を行ってきました。これらの研究成果を 「SEAMS ガイドライン」にまとめております。自律制御の開発を行うメーカ及び研究機関にガイドラインの販売、技術の提供をしております。 (3)機能安全開発事業当社グループは2008年から工作機械メーカ、自動車関連メーカなど製品の安全性が求められるメーカ向けに、機能安全(Safety & Security)コンサルティングを実施しております。機能安全とは、コンピュータを用いた制御装置に対し、監視装置や防護装置などの付加機能によるリスクの低減を施すことです(下図、「本質安全と機能安全 ~踏切の安全例~」参照)。自動車や電車などの装置は、人々の生活に不可欠な存在になっております。これらの装置は膨大なソフトウェアを利用して機能を提供しております。このような装置が何らかの問題(ハードウェアの故障やソフトウェアの不具合)で動作が不安定になったり機能を停止した場合には、人々に危害を及ぼす危険があります。例をあげると、自動車・電車などのブレーキが何らかの原因で動作しなくなった場合には、重大な事故につながりかねません。当社グループは機能安全の考え方を規定した機能安全規格を取得(産業機械やプラント工場などの機能安全であるIEC 61508のソフトウェアプロセス認証を国内で初めて取得(2010年)、自動車の機能安全規格ISO 26262のソフトウェアプロセス認証を世界で初めて取得(2012年))しております。 機能安全開発事業の主な提供サービスの概要は以下のとおりとなります。 ●コンサルティング/安全対策用技術コンテンツ販売当社グループは、機能安全規格に対応したソフトウェア開発プロセスに関する認証を第三者認証機関であるドイツTÜV SÜDから取得しております。当該認証取得にあたって、安全なソフトウェア開発のための装置全体に何らかのソフトウェア防御策を施す技術的な対策と、ソフトウェアの不具合が少なくなるよう開発するための開発プロセスの2つの対応を習得しております。当該認証取得で得られた経験や規格への対応方法を活かして、機能安全規格に準拠した開発を行いたい企業にコンサルティングサービスを提供しております。また、コンサルティングサービスのひとつとして機能安全規格に関する認証を取得したいと考える企業が認証に必要な各種ドキュメントや、機能安全規格に準拠するソフトウェア開発プロセスにかかる規定文書などを作成するサービスを提供しております。さらに、安全対策用技術コンテンツ販売については、認証取得に必要なソフトウェア設計エビデンスのフォーマット、対策方法をまとめた資料などを販売しております。 ●ソフトウェア開発支援ツール輸入、販売機能安全をはじめ、信頼性の高いソフトウェアを設計するためには、人手による確認だけでは不十分です。当社は信頼性などを向上させるための支援ツールをドイツのソフトウェアツールメーカなどから輸入し、販売しております。 ●教育サービス当社グループは、機能安全規格の解説、安全性の考え方などの教育をセミナー形式で実施しております。 (4)その他その他事業は、当社の子会社である「株式会社アトリエ」と「株式会社ヴィッツ沖縄」が行っており、いずれも当社との協業により実施しております。 ●ソフトウェア開発に関する新技術及び規格調査当社グループに必要な新技術の調査及びソフトウェア開発に関する新規格調査を行っております。ソフトウェア開発に関する進歩は急速に進んでおり、短期間で新たな対応規格が数多く公開されます。多くの規格は実施するべき項目が記載されておりますが、“なぜ実施する必要があるのか”といった規格の背景や、“どこまでやれば十分か”といった対応範囲などは明確に記載されていないのが現状です。国立研究開発法人産業技術総合研究所に所属し、規格策定や調査を担当した技術メンバーが中心となり、新規格の調査を行い、顧客企業へ調査結果を提供するサービスを行っております。 ●組込ソフトウェア評価・開発支援沖縄県の若い人材を活用した組込ソフトウェア評価・開発支援を行っております。沖縄県はソフトウェア産業において現在発展途上の状況であるため、ソフトウェア開発などを実現するには技術者教育と開発などの経験が必要となります。当社グループでは若年層技術者にソフトウェアの評価、組込機器の画面開発など、比較的開発が容易な部位を担当させるとともに、ソフトウェア開発の教育を実施しております。評価や画面開発など多数の技術者を必要とする業務を若年技術者を活用することにより、当社グループ全体での開発コストの削減に寄与しております。沖縄県は雇用費用が低いため、ソフトウェア開発の試験、組込機器の画面開発など、比較的要求される技術が低い開発を担当し、当社グループ全体での開発コストの削減に寄与しております。 [事業系統図] [用語の定義]本書記載内容に対する理解を容易にするために、また、正しい理解をいただくために、本書で使用する用語の定義と解説を以下に記載します。(五十音順)用語用語の定義インテグレーションインテグレーションとは統合の意味をもつ英単語です。複数の要素を組み合わせて1つに統合することを意味します。本文書では、コンピュータシステム上にリアルタイムオペレーティングシステムや他のサービスプログラムと、機能実現をするアプリケーションプログラムを統合することを意味しています。開発プロセスソフトウェア開発において、開発プロセスとは、ソフトウェアの開発手順や工程、要因、成果物、進め方などの基本的な考えを定義したもの。仮想化技術一般にはコンピュータのリソースを抽象化する技術を示す。本書では、自動車の設計開発や検証過程で実車を用いず、コンピュータを用いたシミュレーションや、自動運転技術の向上のために必要な走行テストをコンピュータ上で実現するための技術を仮想化技術と定義する。機能安全「監視装置や防護装置などの付加機能によるリスク低減策」であり、安全方策(安全を確保する為の考え方)の1つである。人間、財産、環境などに危害を及ぼすリスクを、機能や装置の働きにより、許容可能なまでに低減する一つの手法である。機能安全規格コンピュータを利用して装置を制御する場合のシステムレベルでの安全性立証をする安全規格を指す。一般産業機器向けの基本規格(IEC 61508)や自動車向け規格(ISO 26262)がある。組込システム特定の機能を実現するために機械や装置等に組み込まれるコンピュータシステムを指す。PC等の汎用的なシステムと対比され、特定の機能を実現する目的で組み込まれる。産業用機器、医療用機器、家庭用機器等、制御を必要とする多くの製品に用いられている。 用語用語の定義組込セキュリティ単にソフトウェアのセキュリティはIT系を指すことが多い。組込セキュリティはITセキュリティと守るべき資産や動作環境などが異なるため、同種の対応では実施できないため区別される。ここでは組込システムを対象としたセキュリティを組込セキュリティとしている。組込ソフトウェア組込システムは、ハードウェアとソフトウェアから構成されており、組込ソフトウェアはソフトウェア部位を示す。特定機能を実現するために開発されており、汎用のもの、独自のもの、両方を組み合わせたものがある。形式手法ソフトウェア工学における数学を基盤としたソフトウェア及びハードウェアシステムの仕様記述、開発、検証の技術である。システムズエンジニアリングシステムの実現を成功させることができる複数の専門分野にまたがるアプローチ及び手段を指す。システムズエンジニアリングは、技術分野には依存しない仕事の仕方である。ここで言うシステムとは、ハードウェア、ソフトウェア、情報、設備、組織、社会、人間など、相互作用し合う要素を組み合せたあらゆるものを含む。自動運転技術自動運転車とは、人間が運転操作を行わなくとも自動で走行できる自動車のことを指し、自動運転技術は自動運転車を実現するための多様な技術の集まりを指す。人工知能人間の知的能力をコンピュータ上で実現する、様々な技術・ソフトウェア・コンピュータシステムを指す。セマンティックセグメンテーション画像認識技術の一種。ディープラーニング(深層学習)を中心とした機械学習を利用し、画像内の物を認識するもの。センサーフュージョン検出するべき対象を確実に認識できるセンサーが存在しない場合、検出原理の異なる複数のセンサーを組み合わせて、認識を高める方法。フュージョンは融合を示すため、センサー融合の意味を持つ。ソフトウェア開発プロセス認証本文中で使用する「ソフトウェア開発プロセス認証」とは、機能安全規格が要求する開発プロセスを十分に満たしたと第三者認証機関が判断した場合に認証される、認証書もしくは認証されたプロセスを示す。プラットフォームコンピュータやシステムの基礎部分となるものを指す。通常、ハードウェア及び(又は)オペレーティングシステムを指す。本書ではソフトウェアアプリケーションの基礎部分を指す。モデル動作条件や機能などを図などで示すこと。モデルベース開発シミュレーション技術を活用することで、品質と生産性の向上を両立させることができる開発プロセス。上流工程でモデルを作成し、シミュレーションを行うことで設計品質の向上効果がある。また、上流工程で作成したモデルはプログラムの自動生成、リアルタイムシミュレータ(HILS)を使った検証など、すべての工程で活用でき、生産性、品質向上に効果を発揮する。ラピッドプロトタイピング開発製品開発で用いられる試作の手法です。高速(rapid)に試作(prototyping)することを目的とした開発手法を示します。本書で説明している、HILSシステムは、ラピッドプロトタイピング開発の一例となります。リアルタイムオペレーティングシステムReal-time operating systemの略称。リアルタイムシステムのためのオペレーティングシステム(OS)である。OSの主要な機能である資源管理において、時間資源の優先度に基づく配分と実行時間の予測可能性を提供することに特化している。AGLAutomotive Grade Linuxの略称。The Linux Foundationが2012年に発足させたワーキンググループ。Connected Carの共通基盤となるLinuxベースのソフトウェアスタックを開発するオープンソース共同開発プロジェクトの名称。 用語用語の定義AUTOSARAUTomotive Open System ARchitectureの略称2003年に発足した自動車業界のグローバル開発パートナーシップである。活動目的は、インフォテインメントを除く領域で、車載電子制御ユニット用の共通標準ソフトウェアアーキテクチャを策定、確立することである。さまざまな車種やプラットフォームに対応できる拡張性、ソフトウェアの可搬性、可用性への配慮、安全要求への対応、多種多様なパートナーとの協業、天然資源のサステナブルな利用、車両の「製品ライフサイクル」全般にわたる保守性などを目標とする。なお、本書では当該用語を単に団体名称として使う場合と、当該団体が策定した各種仕様、さらには仕様に準拠したソフトウェアモジュールの名称として利用する。Connected Car常時インターネットに接続できる機能を備えた自動車のこと。自動車がインターネットにつながることで、さまざまな情報を収集・活用できるだけでなく、自動車から情報を配信することもできる車両を指す。CPSCyber-Physical Systemの略称。現実世界(フィジカル空間)でのセンサーネットワークが生みだす膨大な観測データなどの情報について、サイバー空間の強力なコンピューティング能力と結びつけ数値化し定量的に分析することで、これまで「経験と勘」に頼っていた事象を効率化し、より高度な社会を実現するために、「あらゆる社会システムの効率化」「新産業の創出」「知的生産性の向上」などを目指すサービス及びシステムを指す。ECUElectronic Control Unitの略、Engine Control Unit の略の場合もある。車に搭載されているコンピュータを指す。現在販売されている自動車は、全て電子制御化されており、各センサーからの情報をECUがクルマの状況に合わせ、理想となる「燃料噴射量」を調整し、「点火時期」の進角・遅角、各「動弁機構」などを制御している。また、エンジン制御だけではなく、AT、CVTなどトランスミッションの制御、ABS、EBDの制動系など、車の進化に伴いECUの役割も多様化している。FlexRayFlexRay Consortiumによって開発された、自動車などの車載ネットワーク(車載LAN)の通信プロトコル(ビークルバス)の1つである。HILSHardware In the Loop Simulatorの略称。主に自動車で発達した技術で、エンジンや車両挙動等を模擬した数式をリアルタイムに実行することで、実機を模擬したシミュレーションを行うことが可能な開発用シミュレータを指す。IEC 61508IEC(国際電気標準会議)が制定した基本安全規格(basic safety publication)であり、プロセス産業における電気・電子・プログラマブル電子(Electrical・Electronic・Programmable Electronic)(以下、E/E/PE)機能安全に関する国際規格である。E/E/PEの機能又は故障・障害によって人命、環境、財産に大きな影響を与えるものなどを対象とする。機械だけで構成する装置はIEC 61508の対象外である。IEC 61508は、プラント、発電所、機械、鉄道、医療機器、家電やシステムのリスクを軽減するために使用するコンピュータ・ソフトウェアを含むE/E/PEによる安全性を高めるための機能安全規格である。IEC 62443制御システムを対象とするセキュリティに関する標準規格。IoTInternet of Thingsの略称。様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され(単に繋がるだけではなく、モノがインターネットのように繋がる)、情報交換することにより相互に制御する仕組みである。それによる社会の実現も指す。「物のインターネット」と表記された例もある。IoTデバイスIoTとしてインターネットに接続される機器を指す。代表例:スマートフォン、ネットワークカメラなど。ISO/SAE21434自動車サイバーセキュリティの国際規格。WP29 法規要件の実現手段として参照。2020 年 2月 DIS 発行。※DIS:Draft International StandardISO 26262自動車の電気/電子に関する機能安全についての国際規格。IEC 61508を自動車分野に適用したもの。 用語用語の定義MILSModel In the Loop Simulatorの略称。制御対象となる装置の動作をモデルで記述し、外部環境モデルと結合して動作させるシミュレーション環境を指す。OSEKOffene Systeme und deren Schnittstellen für die Elektronik im Kraftfahrzeugの略称。自動車制御を行うエンジンコントロールユニット(ECU)で用いるプログラムの業界標準作成を目標としてドイツの自動車産業が1993年に設立したプロジェクトである。 また、そのプロジェクトが規定したオペレーティングシステム仕様も指す。本書ではオペレーティングシステム仕様を指す。なお、OSEKと同様のプロジェクトであったVDXが協調路線をとり、OSEK/VDXとして表記する場合もある。RTOS「リアルタイムオペレーティングシステム」参照。SILSSoftware In the Loop Simulatorの略称。制御装置と制御対象等のシステム全体を、すべてソフトウェアでシミュレーションする事で、ソフトウェア環境のみで制御開発が可能となるシミュレータ環境を指す。SIRTSecurity Incident Response Teamの略称。脆弱性情報を収集、分析を実施する組織を指す。TÜV SÜD認証、試験、検査、ナレッジサービス、トレーニングビジネスを提供している世界第6位の第三者認証機関である。μITRON組込システム向けのリアルタイムオペレーティングシステム(OS) の仕様名称です。μは小型を意味し、マイコンと呼ばれる小型コンピュータで利用することを示しております。ITRON は、産業向けのOSであるIndustrial TRON の略称であり、TRONは仕様を策定するプロジェクト団体の名称です。
FY2019|13,339 文字|出典 docID: S100HHHV
3【事業の内容】当社グループは当社(株式会社ヴィッツ)及び、連結子会社(株式会社アトリエ及び、株式会社ヴィッツ沖縄)で構成されております。事業構造としては、主に製品メーカに対して組込ソフトウェアを提供する「組込システム事業」、シミュレーション環境を提供する「システムズエンジニアリング事業」及びSafety & Securityコンサルティングを提供する「機能安全開発事業」の3つを主たる業務としており、「その他」として子会社における研究事業の推進やソフトウェア開発の検証事業等を行っております(下図、「当社グループの事業セグメントと事業構成図」参照)。なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 当社グループの事業セグメントと事業構成図当社は設立以来、「半歩先の技術で人々の生活を豊かにする」を企業理念として掲げております。人々が毎日利用する製品の多くは、組込システムと呼ばれる製品であり、その代表例は自動車、デジタル家電、白物家電、スマートデバイスなどがあげられます。これらの製品の機能や性能は組込ソフトウェアにより実現されております。当社グループは顧客企業から信頼されうる安全な組込ソフトウェアを提供するとともに、新しい社会で必要となる新技術や新たな課題へいち早く対応することにより、人々の生活を豊かにすることを支援いたします(下図、「未来社会を支える当社グループの技術と支援サービス」参照)。 未来社会を支える当社グループの技術と支援サービス●組込システムと組込ソフトウェアとは人々が日々の暮らしの中で利用する電子機器(電子制御を伴った電気炊飯器、デジタルテレビ、自動車 等々)のことを組込機器と呼びます。この組込機器は、マイクロコンピュータと呼ばれる小型のコンピュータを搭載し、このコンピュータを含むハードウェアとコンピュータを動作させるソフトウェアで構成されております。このハードウェアとソフトウェアを合わせて組込システムと呼び、ソフトウェアを組込ソフトウェアと呼びます。一般的に組込システムは、機器を動作させるため長時間動作や省電力などの要求レベルが高く、また、自動車や大型機械などはその動作が人命を預かるため、信頼性・安全性などが要求されます。また、組込機器の多くで利用する通信技術や安全性(SafetyやSecurity)技術はIoT/CPS世界実現のための必須の基盤技術であると当社グループは考えております。 安全性が重要とされる組込システムの開発支援のためには、コンサルティングなどの支援環境が必要となります。また、製品によっては現実社会での試験が困難(例えば、自動運転は安全性、社会許容性、法規などの問題で公道での試験が困難)であるものなどは、仮想環境などの支援環境が必要となります。国内のソフトウェア開発企業には、組込ソフトウェア開発企業、リアルタイムオペレーティングシステムを提供する企業、自動運転技術を提供する企業、機能安全や組込セキュリティ支援をする企業、仮想化技術(以下、「バーチャル環境」とする)それぞれを提供する企業は存在するものの、当社はこれらのすべてのサービスを1社(グループ)で提供することができるという特徴があります。また、組込ソフトウェアは組込装置(例:自動車、家電など)と一体をなして開発されるために、大手メーカ又はその子会社が手掛けることがありますが、当社グループはこのような企業系列に属していない独立系の企業グループです。そのため系列や製品分野を超えた企業へのサービス提供が可能であります。 (1)組込システム事業当社グループは、平成9年の設立以来、組込システムに関するソフトウェア開発を事業基盤としております。組込システム事業の具体的な内容は、国内外顧客(産業機械メーカ、自動車メーカ、自動車部品メーカ、デジタル家電メーカ、建設機械メーカなど)に対して、組込ソフトウェアの受託開発業務「制御ソフトウェアエンジニアリングサービス」を提供しております。また、これら顧客企業向けにリアルタイムオペレーティングシステムに関する業務「リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)開発、販売」を実施しております。近年、自動車をはじめ多くの機器がインターネットなどの外部ネットワークに接続し、新たなサービス提供を開始しつつあり、当該製品分野におけるセキュリティ課題が問題となっております。そこで当社グループでは、自動車メーカに「組込セキュリティサービス」、「組込セキュリティ教育」を提供しております。これら当社グループが提供するソリューションは、今後成長が期待されるIoT(Internet of Things)/CPS(Cyber Physical System)の基盤技術であり、下図、「組込技術は分野共通の中核技術」に示すように、個別産業分野の技術でなく、広く産業分野全域に必要な技術要素であります。そのため幅広い分野の様々な顧客企業を対象としております。 組込技術は分野共通の中核技術 組込システム事業の主な提供サービスの概要は以下のとおりとなります。 ●制御ソフトウェアエンジニアリングサービス当社が提供する自動車及び組込システム向けの制御ソフトウェアエンジニアリングサービスは、産業横断的に様々な産業で利用される基盤技術であります。特に、近年電子化が急速に進展する自動車関連向けの制御ソフトウェアエンジニアリングサービスは当社の中核技術となっております。また、当社は、自社で保有する自動車向けRTOS(欧州の規格で実質的な標準仕様であるAUTOSARやOSEK/VDX仕様のOS)のカスタマイズやインテグレーションサービスを自動車メーカや自動車部品メーカに提供しており、制御ソフトウェアエンジニアリングサービスとのシナジー効果を高めております。 ●リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)開発、販売当社グループは、主に自動車と産業機器に特化したオペレーティングシステムを自社開発し、販売提供しております。自動車向けのRTOSは欧州の規格で実質的な標準仕様であるAUTOSARやOSEK/VDX仕様に準拠したものです。また、産業機械向けのRTOSは日本で仕様策定されたμITRON仕様に準拠したものになります。いずれもOWLS(オウルズ)という名称にて販売しております(Owls for Automotive, Owls for Industry)。また、機能安全に対応したRTOSやセキュリティ機能を付加したモデルもラインアップしております。これらのRTOSはソフトウェア部品の製品として不特定多数の顧客企業に同一製品を販売しているため、顧客企業ごとに専用ソフトウェアを提供するソフトウェア開発支援サービスと比較して利益率が高いという特徴があります。●自動運転技術研究と技術支援サービス<研究事業>自動車や各種ロボットなどが自律的に動作し、人々の生活を支援する社会が現実味をおびてきました。当社グループは、来るべき自律システム社会を支える基盤技術を得るため、経済産業省の研究事業を活用し、積雪路面での自動運転を実現するための技術研究を実施しております。この研究では世界的に研究が進められている“ダイナミックマップ”(※)が活用できない積雪路面で、雪道を判別し安全に走行するための基礎技術を開発し、その技術を過疎化地域で活用することを検討しております。※ダイナミックマップとは高精度な三次元地図情報や動的に更新される道路状況などを組み合わせた地図情報です。自動運転ではカメラなどで認識した人工構造物(信号、センターライン、側溝など)とダイナミックマップ情報を比較して、自己位置を推定します。 <技術支援サービス>当社グループは、自動車メーカ各社が自動運転をはじめとする自律システムを開発する場合に、当社が研究活動で得たセンサー技術や人工知能を活用した判断技術の提供を予定しております。提供先は自動運転車両開発メーカ及び自動運転車両への電装部品のサプライヤーとなります。 当社グループが実施している自動運転走行実験の様子自動運転に必要なシミュレータ及びセンシング技術 ※SLAM(Simultaneous Localization And Mapping):各種センサーなどを用いて移動中の自身の位置を測定し、同時にローカルな地図を作成する機能。 ●組込セキュリティサービス/組込セキュリティ教育当社グループが提供する、組込セキュリティサービスにはコンサルティングと教育があります。これまでインターネットに接続されていなかった装置が、近年、新たにネットワークに接続されてクラウド連携サービスを開始しております。その一例としてConnected Carといわれる自動車や、今後商品化が期待される自動運転車両があげられます。今後は外部ネットワークに接続される自動車が増えることが予想され、セキュリティ対応が必要になると当社グループは考えております。さらに自動車はセキュリティの脆弱性をつかれてハッキングされると、制御が乗っ取られる可能性があり、利用者の安全や公道上の安全などが脅かされる危険性があります。当社グループは、国内大手自動車関連企業及び建設機械メーカ等が開発・生産する装置の組込セキュリティ対応に向けたコンサルティングサービス、ソフトウェアのセキュリティ対応モジュール提供、セキュリティ対応ソフトウェア開発支援サービスを提供しております。また、ソフトウェア開発におけるセキュリティ対策に必要な考えや活動を教育資料としてまとめており、この資料を利用した教育サービスを顧客企業などに提供しております。また、当社グループは、新たに製品のセキュリティインシデント活動を担うSIRT支援サービスの需要増を受けて、沖縄にてエンジニア育成を行っており、機密情報、ノウハウは顧客ごとに守りつつ、米国発の脆弱性データベースの調査と対策など汎用的な作業を効率化し運用コスト低減に貢献するSIRT支援サービスを開始しました。今後、自動車メーカや自動車部品メーカなどに幅広く提供することにより当社グループの事業拡大を実現する重要なサービスとして位置付けております。 (2)システムズエンジニアリング事業システムズエンジニアリングとは「システムの実現を成功させることができる複数の専門分野にまたがるアプローチ及び手段」と定義されております。すなわち複数の専門分野(例えば、電気工学、機械工学、ソフトウェア工学など)を統合し、束ねるためのアプローチを指します(下図、「システムズエンジニアリングのイメージ図(自動運転システムを例にして説明)」参照)。システムの定義は、「ハードウェア、ソフトウェア、人、情報、技術、サービスなどの支援要素で定義された目的を成し遂げるための、相互作用する要素を組み合わせたもの」であるため、システムズエンジニアリングは複数のシステムを並列・階層的に接続して目的を達成することになります。例えば自動運転システムは、自動車システム、交通システム、経路探査システム、人間行動システムなど多岐にわたるシステムを連携して実現される、システムズエンジニアリングにより解決するべきシステムであります。自動車システムなど複雑なシステムに対して効率的な開発をするために、近年はモデルと呼ばれる表記法(様々なモデル表記が実在します)が用いられるようになってきております。当社グループは、設立3年目の平成11年からモデル表記法を利用したモデルベース開発を実施しております。具体的な内容としては、「自動運転/先進安全向けシミュレーション技術による開発支援」、「車載制御モデル開発」、「車載制御シミュレーション開発」などの事業を実施しております。 システムズエンジニアリングのイメージ図(自動運転システムを例にして説明) システムズエンジニアリング事業の主な提供サービスの概要は以下のとおりとなります。 ●自動運転/先進安全向けシミュレーション技術による開発支援当社グループは、自動車関連企業を対象に、自動運転の検証を目的としたバーチャル環境技術を提供しております。自動運転車両の開発には莫大な走行時間(走行距離)による検証が必要となりますが、日本では研究段階の車両を公道で走行させることができる地域が限られており、申請手続きも煩雑であるため、検証が進まないという課題があります。バーチャル環境は、コンピュータ上で公道走行と同じ環境を作ることができ、また、様々な天候状況なども再現できます。したがって、自動運転車両の研究開発にはバーチャル環境技術の活用は必須であるといえます。 当社が提供している自動運転シミュレータの例 ●車載制御モデル開発/車載制御シミュレーション開発当社グループが提供する「車載制御モデル開発/車載制御シミュレーション開発」は、自動車を構成する各種部品の動作をつかさどるソフトウェアをモデル表記図で作成するとともに、シミュレーションを活用して開発の早期化や品質向上を実現するための技術を提供しております。中でも当社グループは自動車制御システムのラピッドプロトタイピング開発(製品開発で用いられる試作手法)であるHILSシステムを得意としております。HILSは、開発するシステムの周辺装置の完成を待つことなく、開発を進めることができます。下図「HILS(Hardware In the Loop Simulation )のシステム例」では、開発対象となるエンジンシステムの周辺装置には、トランスミッションなどの多くのシステムが必要となります。通常、自動車開発ではエンジンやトランスミッションなどは同時に開発されるため、エンジン開発でトランスミッションの開発完了を待つことはありません。そのような場合、HILSと呼ばれるシミュレータ技術を利用します。この例では、エンジンECUのHILSモデルを示します。開発対象のエンジン制御(ソフトウェアもしくはモデル)を実際のECU上で動作させ、エンジンを通常動作させて試験を実施します。エンジンには各種センサー(O2センサー、温度センサー)が搭載されています。それらのセンサー類は実物もしくはプラントモデル内で模擬します。またエンジンと連携をするサブシステムや外部環境はプラントモデルを作成して、あたかも実際の環境であるかのようにエンジンシステムと連携します。これにより車両完成前であっても各種の試験を実施することができます。これらのシミュレーション環境を当社グループは提供しています。 ●人工知能の安全活用技術の研究<研究事業>自動運転車両を活用したサービスが現実味を帯びてまいりました。これら自律的な動作をする装置では、人間の判断の代わりに人工知能による判断が装置の動作を決定します。したがって、人工知能は常に正しい判断を下すことが求められます。当社グループは経済産業省の研究事業を活用し、人工知能の安全活用技術に関する技術研究を実施しております。人工知能は通常のプログラムとは異なり判断ロジックが明確でないことから、安全分析方法、安全立証に関するガイドラインなどを作成する活動をしております。また、平成30年10月よりイギリス政府の研究予算を活用した“TIGARS Project”(https://www.adelard.com/all-news/2018/10/22/tigars-uk-japan-project-on-assuring-autonomous-systems-underway/)を英国研究機関と開始しており、人工知能を用いた自動運転車両の安全性を客観的に立証する新たな分析手法の研究と説明責任を果たすためのガイドラインを作成しております。 (3)機能安全開発事業当社グループは平成20年から工作機械メーカ、自動車関連メーカなど製品の安全性が求められるメーカ向けに、機能安全(Safety & Security)コンサルティングを実施しております。機能安全とは、コンピュータを用いた制御装置に対し、監視装置や防護装置などの付加機能によるリスクの低減を施すことです(下図、「本質安全と機能安全 ~踏切の安全例~」参照)。自動車や電車などの装置は、人々の生活に不可欠な存在になっております。これらの装置は膨大なソフトウェアを利用して機能を提供しております。このような装置が何らかの問題(ハードウェアの故障やソフトウェアの不具合)で動作が不安定になったり機能を停止した場合には、人々に危害を及ぼす危険があります。例をあげると、自動車・電車などのブレーキが何らかの原因で動作しなくなった場合には、重大な事故につながりかねません。当社グループは機能安全の考え方を規定した機能安全規格を取得(産業機械やプラント工場などの機能安全であるIEC 61508のソフトウェアプロセス認証を国内で初めて取得(平成22年)、自動車の機能安全規格ISO 26262のソフトウェアプロセス認証を世界で初めて取得(平成24年))しております。 機能安全開発事業の主な提供サービスの概要は以下のとおりとなります。 ●コンサルティング/安全対策用技術コンテンツ販売当社グループは、機能安全規格に対応したソフトウェア開発プロセスに関する認証を第三者認証機関であるドイツTÜV SÜDから取得しております。当該認証取得にあたって、安全なソフトウェア開発のための装置全体に何らかのソフトウェア防御策を施す技術的な対策と、ソフトウェアの不具合が少なくなるよう開発するための開発プロセスの2つの対応を習得しております。当該認証取得で得られた経験や規格への対応方法を活かして、機能安全規格に準拠した開発を行いたい企業にコンサルティングサービスを提供しております。また、コンサルティングサービスのひとつとして機能安全規格に関する認証を取得したいと考える企業が認証に必要な各種ドキュメントや、機能安全規格に準拠するソフトウェア開発プロセスにかかる規定文書などを作成するサービスを提供しております。さらに、安全対策用技術コンテンツ販売については、認証取得に必要なソフトウェア設計エビデンスのフォーマット、対策方法をまとめた資料などを販売しております。 ●ソフトウェア開発支援ツール輸入、販売機能安全をはじめ、信頼性の高いソフトウェアを設計するためには、人手による確認だけでは不十分です。当社は信頼性などを向上させるための支援ツールをドイツのソフトウェアツールメーカなどから輸入し、販売しております。 ●教育サービス当社グループは、機能安全規格の解説、安全性の考え方などの教育をセミナー形式で実施しております。 (4)その他その他事業は、当社の子会社である「株式会社アトリエ」と「株式会社ヴィッツ沖縄」が行っており、いずれも当社との協業により実施しております。 ●ソフトウェア開発に関する新技術及び規格調査当社グループに必要な新技術の調査及びソフトウェア開発に関する新規格調査を行っております。ソフトウェア開発に関する進歩は急速に進んでおり、短期間で新たな対応規格が数多く公開されます。多くの規格は実施するべき項目が記載されておりますが、“なぜ実施する必要があるのか”といった規格の背景や、“どこまでやれば十分か”といった対応範囲などは明確に記載されていないのが現状です。国立研究開発法人産業技術総合研究所に所属し、規格策定や調査を担当した技術メンバーが中心となり、新規格の調査を行い、顧客企業へ調査結果を提供するサービスを行っております。 ●組込ソフトウェア評価・開発支援沖縄県の若い人材を活用した組込ソフトウェア評価・開発支援を行っております。沖縄県はソフトウェア産業において現在発展途上の状況であるため、ソフトウェア開発などを実現するには技術者教育と開発などの経験が必要となります。当社グループでは若年層技術者にソフトウェアの評価、組込機器の画面開発など、比較的開発が容易な部位を担当させるとともに、ソフトウェア開発の教育を実施しております。評価や画面開発など多数の技術者を必要とする業務を若年技術者を活用することにより、当社グループ全体での開発コストの削減に寄与しております。沖縄県は雇用費用が低いため、ソフトウェア開発の試験、組込機器の画面開発など、比較的要求される技術が低い開発を担当し、当社グループ全体での開発コストの削減に寄与しております。 [事業系統図] [用語の定義]本書記載内容に対する理解を容易にするために、また、正しい理解をいただくために、本書で使用する用語の定義と解説を以下に記載します。(五十音順)用語用語の定義インテグレーションインテグレーションとは統合の意味をもつ英単語です。複数の要素を組み合わせて1つに統合することを意味します。本文書では、コンピュータシステム上にリアルタイムオペレーティングシステムや他のサービスプログラムと、機能実現をするアプリケーションプログラムを統合することを意味しています。開発プロセスソフトウェア開発において、開発プロセスとは、ソフトウェアの開発手順や工程、要因、成果物、進め方などの基本的な考えを定義したもの。仮想化技術(バーチャル環境)一般にはコンピュータのリソースを抽象化する技術を示す。本書では、自動車の設計開発や検証過程で実車を用いず、コンピュータを用いたシミュレーションや、自動運転技術の向上のために必要な走行テストをコンピュータ上で実現するための技術を仮想化技術と定義する。機能安全「監視装置や防護装置などの付加機能によるリスク低減策」であり、安全方策(安全を確保する為の考え方)の1つである。人間、財産、環境などに危害を及ぼすリスクを、機能や装置の働きにより、許容可能なまでに低減する一つの手法である。機能安全規格コンピュータを利用して装置を制御する場合のシステムレベルでの安全性立証をする安全規格を指す。一般産業機器向けの基本規格(IEC 61508)や自動車向け規格(ISO 26262)がある。組込システム特定の機能を実現するために機械や装置等に組み込まれるコンピュータシステムを指す。PC等の汎用的なシステムと対比され、特定の機能を実現する目的で組み込まれる。産業用機器、医療用機器、家庭用機器等、制御を必要とする多くの製品に用いられている。 用語用語の定義組込セキュリティ単にソフトウェアのセキュリティはIT系を指すことが多い。組込セキュリティはITセキュリティと守るべき資産や動作環境などが異なるため、同種の対応では実施できないため区別される。ここでは組込システムを対象としたセキュリティを組込セキュリティとしている。組込ソフトウェア組込システムは、ハードウェアとソフトウェアから構成されており、組込ソフトウェアはソフトウェア部位を示す。特定機能を実現するために開発されており、汎用のもの、独自のもの、両方を組み合わせたものがある。形式手法ソフトウェア工学における数学を基盤としたソフトウェア及びハードウェアシステムの仕様記述、開発、検証の技術である。システムズエンジニアリングシステムの実現を成功させることができる複数の専門分野にまたがるアプローチ及び手段を指す。システムズエンジニアリングは、技術分野には依存しない仕事の仕方である。ここで言うシステムとは、ハードウェア、ソフトウェア、情報、設備、組織、社会、人間など、相互作用し合う要素を組み合せたあらゆるものを含む。自動運転技術自動運転車とは、人間が運転操作を行わなくとも自動で走行できる自動車のことを指し、自動運転技術は自動運転車を実現するための多様な技術の集まりを指す。人工知能人間の知的能力をコンピュータ上で実現する、様々な技術・ソフトウェア・コンピュータシステムを指す。セマンティックセグメンテーション画像認識技術の一種。ディープラーニング(深層学習)を中心とした機械学習を利用し、画像内の物を認識するもの。センサーフュージョン検出するべき対象を確実に認識できるセンサーが存在しない場合、検出原理の異なる複数のセンサーを組み合わせて、認識を高める方法。フュージョンは融合を示すため、センサー融合の意味を持つ。ソフトウェア開発プロセス認証本文中で使用する「ソフトウェア開発プロセス認証」とは、機能安全規格が要求する開発プロセスを十分に満たしたと第三者認証機関が判断した場合に認証される、認証書もしくは認証されたプロセスを示す。プラットフォームコンピュータやシステムの基礎部分となるものを指す。通常、ハードウェア及び(又は)オペレーティングシステムを指す。本書ではソフトウェアアプリケーションの基礎部分を指す。モデル動作条件や機能などを図などで示すこと。モデルベース開発シミュレーション技術を活用することで、品質と生産性の向上を両立させることができる開発プロセス。上流工程でモデルを作成し、シミュレーションを行うことで設計品質の向上効果がある。また、上流工程で作成したモデルはプログラムの自動生成、リアルタイムシミュレータ(HILS)を使った検証など、すべての工程で活用でき、生産性、品質向上に効果を発揮する。ラピッドプロトタイピング開発製品開発で用いられる試作の手法です。高速(rapid)に試作(prototyping)することを目的とした開発手法を示します。本書で説明している、HILSシステムは、ラピッドプロトタイピング開発の一例となります。リアルタイムオペレーティングシステムReal-time operating systemの略称。リアルタイムシステムのためのオペレーティングシステム(OS)である。OSの主要な機能である資源管理において、時間資源の優先度に基づく配分と実行時間の予測可能性を提供することに特化している。AGLAutomotive Grade Linuxの略称。The Linux Foundationが平成24年に発足させたワーキンググループ。Connected Carの共通基盤となるLinuxベースのソフトウェアスタックを開発するオープンソース共同開発プロジェクトの名称。 用語用語の定義AUTOSARAUTomotive Open System ARchitectureの略称平成15年に発足した自動車業界のグローバル開発パートナーシップである。活動目的は、インフォテインメントを除く領域で、車載電子制御ユニット用の共通標準ソフトウェアアーキテクチャを策定、確立することである。さまざまな車種やプラットフォームに対応できる拡張性、ソフトウェアの可搬性、可用性への配慮、安全要求への対応、多種多様なパートナーとの協業、天然資源のサステナブルな利用、車両の「製品ライフサイクル」全般にわたる保守性などを目標とする。なお、本書では当該用語を単に団体名称として使う場合と、当該団体が策定した各種仕様、さらには仕様に準拠したソフトウェアモジュールの名称として利用する。Connected Car常時インターネットに接続できる機能を備えた自動車のこと。自動車がインターネットにつながることで、さまざまな情報を収集・活用できるだけでなく、自動車から情報を配信することもできる車両を指す。CPSCyber-Physical Systemの略称。現実世界(フィジカル空間)でのセンサーネットワークが生みだす膨大な観測データなどの情報について、サイバー空間の強力なコンピューティング能力と結びつけ数値化し定量的に分析することで、これまで「経験と勘」に頼っていた事象を効率化し、より高度な社会を実現するために、「あらゆる社会システムの効率化」「新産業の創出」「知的生産性の向上」などを目指すサービス及びシステムを指す。ECUElectronic Control Unitの略、Engine Control Unit の略の場合もある。車に搭載されているコンピュータを指す。現在販売されている自動車は、全て電子制御化されており、各センサーからの情報をECUがクルマの状況に合わせ、理想となる「燃料噴射量」を調整し、「点火時期」の進角・遅角、各「動弁機構」などを制御している。また、エンジン制御だけではなく、AT、CVTなどトランスミッションの制御、ABS、EBDの制動系など、車の進化に伴いECUの役割も多様化している。FlexRayFlexRay Consortiumによって開発された、自動車などの車載ネットワーク(車載LAN)の通信プロトコル(ビークルバス)の1つである。HILSHardware In the Loop Simulatorの略称。主に自動車で発達した技術で、エンジンや車両挙動等を模擬した数式をリアルタイムに実行することで、実機を模擬したシミュレーションを行うことが可能な開発用シミュレータを指す。IEC 61508IEC(国際電気標準会議)が制定した基本安全規格(basic safety publication)であり、プロセス産業における電気・電子・プログラマブル電子(Electrical・Electronic・Programmable Electronic)(以下、E/E/PE)機能安全に関する国際規格である。E/E/PEの機能又は故障・障害によって人命、環境、財産に大きな影響を与えるものなどを対象とする。機械だけで構成する装置はIEC 61508の対象外である。IEC 61508は、プラント、発電所、機械、鉄道、医療機器、家電やシステムのリスクを軽減するために使用するコンピュータ・ソフトウェアを含むE/E/PEによる安全性を高めるための機能安全規格である。IEC 62443制御システムを対象とするセキュリティに関する標準規格。IoTInternet of Thingsの略称。様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され(単に繋がるだけではなく、モノがインターネットのように繋がる)、情報交換することにより相互に制御する仕組みである。それによる社会の実現も指す。「物のインターネット」と表記された例もある。IoTデバイスIoTとしてインターネットに接続される機器を指す。代表例:スマートフォン、ネットワークカメラなど。ISO 26262自動車の電気/電子に関する機能安全についての国際規格。IEC 61508を自動車分野に適用したもの。MILSModel In the Loop Simulatorの略称。制御対象となる装置の動作をモデルで記述し、外部環境モデルと結合して動作させるシミュレーション環境を指す。 用語用語の定義OSEKOffene Systeme und deren Schnittstellen für die Elektronik im Kraftfahrzeugの略称。自動車制御を行うエンジンコントロールユニット(ECU)で用いるプログラムの業界標準作成を目標としてドイツの自動車産業が平成5年に設立したプロジェクトである。 また、そのプロジェクトが規定したオペレーティングシステム仕様も指す。本書ではオペレーティングシステム仕様を指す。なお、OSEKと同様のプロジェクトであったVDXが協調路線をとり、OSEK/VDXとして表記する場合もある。RTOS「リアルタイムオペレーティングシステム」参照。SILSSoftware In the Loop Simulatorの略称。制御装置と制御対象等のシステム全体を、すべてソフトウェアでシミュレーションする事で、ソフトウェア環境のみで制御開発が可能となるシミュレータ環境を指す。SIRTSecurity Incident Response Teamの略称。脆弱性情報を収集、分析を実施する組織を指す。TÜV SÜD認証、試験、検査、ナレッジサービス、トレーニングビジネスを提供している世界第6位の第三者認証機関である。μITRON組込システム向けのリアルタイムオペレーティングシステム(OS) の仕様名称です。μは小型を意味し、マイコンと呼ばれる小型コンピュータで利用することを示しております。ITRON は、産業向けのOSであるIndustrial TRON の略称であり、TRONは仕様を策定するプロジェクト団体の名称です。