4401

ADEKA(4401)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 多角的な事業展開
    ADEKAは化学品、食品、ライフサイエンス、その他という4つの主要事業を展開しており、幅広い分野で製品を提供しています。これにより、特定の市場の変動に左右されにくい安定した収益構造を目指しています。例えば、化学品事業では半導体材料から樹脂添加剤まで、食品事業ではマーガリンから機能性食品素材まで多岐にわたります。
  • グローバルな事業基盤
    世界中に子会社58社、関連会社20社(2026年3月31日現在)を展開し、製品の製造・販売を行っています。これにより、各地域の市場ニーズに対応し、リスクを分散しながら事業を拡大しています。特に化学品事業では、アジア、欧米、中東など広範な地域に拠点を持ち、国際的なサプライチェーンを構築しています。
  • 産業用中間素材の供給
    ADEKAの製品は、様々な産業の最終製品に使われる中間素材として提供されています。例えば、化学品事業の樹脂添加剤はプラスチック製品に、半導体材料は電子機器に不可欠です。これにより、幅広い業界の成長を取り込むことができ、安定した需要を確保しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 化学品事業
    売上2,184.26億円、営業利益280.28億円。この事業はADEKAの最大の稼ぎ頭であり、樹脂添加剤(ポリオレフィン用添加剤、難燃剤など)、半導体材料(高純度半導体材料、光酸発生剤など)、環境材料(エポキシ樹脂、電池材料など)の3つの分野で製品を製造・販売しています。世界中に生産・販売拠点を持ち、幅広い産業の基盤を支えています。
  • 食品事業
    売上825.4億円、営業利益43.9億円。マーガリン、ショートニング、チョコレート用油脂、プラントベースフード、ホイップクリーム、マヨネーズ・ドレッシング類、機能性食品素材などを製造・販売しています。主に日本国内とアジア地域に拠点を持ち、食卓や食品加工業界に貢献しています。
  • ライフサイエンス事業
    売上999.54億円、営業利益77.7億円。農薬、医薬品、医薬部外品、動物用医薬品、木材薬品、医療材料などを製造・販売しています。日本農薬株式会社をはじめとする関係会社が国内外で事業を展開しており、農業や医療分野の発展に寄与しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Chemicals 事業 2,184 280 12.8%
FoodProducts 事業 825 44 5.3%
LifesciemceReportableSegment 事業 1,000 78 7.8%
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FY2026|2,055 文字
3 【事業の内容】当社及び当社の関係会社(当社、子会社58社及び関連会社20社(2026年3月31日現在)により構成)においては、化学品、食品、ライフサイエンス及びその他の4事業を主として行っており、その製品はあらゆる種類にわたっています。各事業における当社及び関係会社の位置付け等は以下のとおりです。 (1) 化学品事業当事業は、大きく3種類の製品に分類しています。樹脂添加剤製品ポリオレフィン用添加剤、塩ビ用安定剤・可塑剤、難燃剤等を製造・販売しています。 <主な関係会社> ADEKAケミカルサプライ㈱、AMFINE CHEMICAL CORP.、オキシラン化学㈱ 長江化学股份有限公司、ADEKA KOREA CORP.、ADEKA (ASIA) PTE.LTD. ADEKA Europe GmbH、ADEKA POLYMER ADDITIVES EUROPE SAS 艾迪科(中国)投資有限公司、艾迪科精細化工(常熟)有限公司 ADEKA FINE CHEMICAL(THAILAND)CO.,LTD.、AM STABILIZERS CORP. 艾迪科精細化工(浙江)有限公司、ADEKA AL OTAIBA MIDDLE EAST LLC ADEKA INDIA PVT.LTD.、ADEKA BRASIL LTDA.、昭和興産㈱ 長連旭(上海)貿易有限公司、長連旭(常熟)貿易有限公司 半導体材料製品高純度半導体材料、光酸発生剤、電子回路基板エッチング装置及び薬剤、光硬化樹脂、光開始剤、画像材料等を製造・販売しています。 <主な関係会社> ADEKAケミカルサプライ㈱、ADEKA KOREA CORP.、ADEKA (ASIA) PTE.LTD. ADEKA Europe GmbH、台湾艾迪科精密化学股份有限公司 艾迪科(中国)投資有限公司、ADEKA USA CORP. 艾迪科精細化工(浙江)有限公司、昭和興産㈱ 環境材料製品エポキシ樹脂、ポリウレタン原料、水系樹脂、界面活性剤、潤滑油添加剤、厨房用洗浄剤、化粧品原料、プロピレングリコール類、過酸化水素及び誘導品、水膨張性シール材、電池材料等を製造・販売しています。 <主な関係会社> ADEKAケミカルサプライ㈱、ADEKAクリーンエイド㈱、AMFINE CHEMICAL CORP. ADEKA KOREA CORP.、ADEKA (ASIA) PTE.LTD.、ADEKA Europe GmbH 台湾艾迪科精密化学股份有限公司、艾迪科(中国)投資有限公司 艾迪科精細化工(浙江)有限公司、ADEKA INDIA PVT.LTD. ㈱コープクリーン、昭和興産㈱ (2) 食品事業食品製品当事業においては、マーガリン類、ショートニング、チョコレート用油脂、フライ・調理用油脂、プラントベースフード、ホイップクリーム、練り込み用クリーム、フィリング類、マヨネーズ・ドレッシング類、機能性食品素材等を製造・販売しています。 <主な関係会社> ADEKAファインフーズ㈱、ADEKA(SINGAPORE)PTE.LTD.、ADEKA食品販売㈱ 艾迪科食品(常熟)有限公司、ADEKA FOODS(ASIA)SDN.BHD. (3) ライフサイエンス事業ライフサイエンス製品当事業においては、農薬、医薬品、医薬部外品、動物用医薬品、木材薬品、医療材料等を製造・販売しています。 <主な関係会社> 日本農薬㈱、㈱ニチノー緑化、㈱ニチノーサービス NICHINO AMERICA,INC.、日本エコテック㈱、日佳農葯股份有限公司 ㈱アグリマート、NICHINO INDIA PVT.LTD.、SIPCAM NICHINO BRASIL S.A. NICHINO EUROPE CO.,LTD.、NICHINO VIETNAM CO.,LTD. NICHINO DO BRASIL AGROQUIMICOS LTDA.、INTERAGRO(UK)LTD.、NICHINO NETHERLANDS BV. NICHINO SOUTH AFRICA(PTY)LTD.、NICHINO MEXICO S. DE R.L. DE C.V.、タマ化学工業㈱ AGRICULTURAL CHEMICALS(MALAYSIA)SDN.BHD.、日農(上海)商貿有限公司 NIHON NOHYAKU ANDICA S.A.S.、NICHINO KOREA CO.,LTD. SIPCAM EUROPE S.P.A.、NICHINO CHILE SPA (4) その他当事業においては、プラントの設計、施工管理、設備メンテナンス、物流業、倉庫業、車輌等リース、不動産業、保険代理業等を行っています。 <主な関係会社> ADEKA総合設備㈱、ADEKA物流㈱、ADEKAライフクリエイト㈱、㈱東京環境測定センター 以上の結果、主な事業の系統図は以下のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料価格の変動を販売価格への転嫁や為替リスクヘッジで回避しようとしているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
高機能樹脂添加剤、高純度半導体材料、新規高性能透明化剤などの自社技術を活用した製品開発。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済状況、地政学リスク(台湾有事、中東紛争等) / 原材料の調達価格変動(石油化学原料、油脂原料等) / 為替の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

ADKは、長年にわたり培ってきた独自の触媒技術や機能性材料に関するノウハウを有している。特に、半導体材料や自動車関連材料分野での技術的優位性は、特許や研究開発投資によって裏付けられているが、競合他社も同様の技術開発を進めており、絶対的な独占性は限定的。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

ADKの製品は、顧客の製造プロセスに組み込まれることが多く、特に半導体材料や高機能樹脂添加剤などでは、仕様変更に伴う再評価や設備投資が必要となるため、顧客は容易にサプライヤーを変更できない。ただし、代替材料の開発や顧客の技術革新によっては、スイッチングコストが低下する可能性もある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ADKの事業モデルは、ネットワーク効果を直接的に活用するものではない。製品の価値は、個々の技術力や品質に依存する。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

化学品製造においては、規模の経済や効率的な生産プロセスがコスト競争力に影響を与える。ADKは一定の生産規模を有しているが、原料価格の変動やグローバルな競合他社のコスト構造と比較すると、顕著なコスト優位性は見出しにくい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ADKは、特定のニッチ市場において、一定のシェアを確保している。特に、半導体材料や機能性化学品分野では、主要プレイヤーの一つとして、その規模が競争優位に寄与している。しかし、化学業界全体で見ると、より巨大なグローバル企業との競争も存在し、絶対的な寡占状態ではない。

  • 幅広い製品ポートフォリオ
    化学品、食品、ライフサイエンスと多岐にわたる事業を展開し、それぞれで多様な製品を提供しています。例えば、化学品事業では半導体材料や樹脂添加剤、食品事業ではマーガリンやチョコレート用油脂など、幅広いニーズに対応できる点が強みです。これにより、特定の市場の変動リスクを分散し、安定した収益基盤を築いています。
  • グローバルな生産・販売網
    世界各地に多数の生産・販売拠点を有しており、地域ごとの市場特性や顧客ニーズに合わせた製品供給が可能です。例えば、化学品事業ではアジア、欧米、中東に、ライフサイエンス事業では南北アメリカ、ヨーロッパ、アジアに拠点を持ち、効率的なサプライチェーンを構築しています。これにより、国際的な競争力を高め、市場シェアの拡大を図っています。
  • 研究開発と品質管理
    新製品開発に注力し、自社技術を活用した優位性のある製品を生み出しています。また、ISO9001やFSSC22000などの品質・食品安全マネジメントシステムを導入し、製品の品質と安全性を厳しく管理しています。これにより、顧客からの信頼を獲得し、競争の激しい市場で差別化を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。 1.会社経営の基本方針当社グループは、社会の一員として、社会との調和を図りながら持続的に発展し、さらにステークホルダーの期待に積極的に応えていくことの重要性を強く認識しており、「新しい潮流の変化に鋭敏であり続けるアグレッシブな先進企業を目指す」「世界とともに生きる」を経営理念として、独自性のある優れた技術で、時代の先端をいく製品と顧客ニーズに合った製品を提供し、企業の社会的責任を果たしていくことを経営の基本方針としています。 2.目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略当社グループは、中長期的な目指すべき方向性を示した2030年のありたい姿『ADEKA VISION 2030~持続可能な社会と豊かなくらしに貢献するInnovative Company~』を掲げ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、幅広い事業を世界中で展開し、革新的な技術で世界をリードすることで、持続可能な社会と人々の豊かなくらしに貢献する企業となることを目指しています。 『ADEKA VISION 2030』の実現に向けたセカンドステージとして、2024年度から2026年度の中期経営計画『ADX 2026』をスタートしました。 「ADX」は「ADEKAは変わります(ADEKA Transformation)」という決意を表しています。『ADX 2026』は、『ADEKA VISION 2030』の実現に向けて、変革を続ける3年間と位置付け、成長戦略としてサステナビリティを推進し、社会価値の創出を通じた稼ぐ力の強化を図ります。また、環境貢献製品の拡大やカーボンニュートラルの実現に向けたGHG排出量削減の推進に努め、より強靭な経営基盤のもと企業価値のさらなる向上を目指してまいります。 〔基本方針〕〔基本戦略〕 社会価値と利益の共創による企業価値のさらなる向上を目指し、「稼ぐ力の強化、高収益構造への転換」「環境貢献製品の拡大、及び事業構造の変革によるGHG削減」「経営基盤の強靭化」を進めます。 ◆稼ぐ力の強化、高収益構造への転換収益の柱である半導体材料に積極的に経営資源を投下していく一方、将来を見据えた事業の再構築を進めます。各事業の成長戦略を遂行し収益性向上を図るとともに、将来の成長の柱となる新製品の拡大や新規事業を推進します。また資本効率性の向上に向けた施策を実行し、当社の稼ぐ力の向上を図ります。稼ぐ力の強化により、規模拡大から利益を重視した事業成長を図ります。 ◆環境貢献製品の拡大、及び事業構造の変革によるGHG削減環境貢献製品の拡大と創出を進め、社会課題解決の機会を取り込んだ成長戦略を遂行します。また、カーボンニュートラルの実現に向けて各事業でGHG排出量削減に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を推進し、多様な人財活躍の機会を創出するとともに、人権デュー・ディリジェンスの実行により、サプライチェーン全体で人権を尊重します。 ◆経営基盤の強靭化各事業における戦略製品群の安定生産に向けて、重要原料を把握・管理し、外部環境が激しく変化した際にも事業継続できる強靭なサプライチェーンを構築します。人的資本活用の基盤を整備し、各事業の成長ステージにあわせた人財の配置・育成を推進します。デジタル技術を取り入れ、継続的に業務改革を進めていきます。 3.2025年度の取り組み当期は、中期経営計画『ADX 2026』の2期目として、持続的かつ中長期的な企業価値向上に取り組みました。 『ADX 2026』の3つの基本方針(1)稼ぐ力の強化、高収益構造への転換◆化学品事業化学品事業では、設備投資施策による開発及び生産能力の強化を、継続して進めています。当期は、半導体市場における前工程用製品のさらなる拡大、後工程用製品への領域拡大を図るべく、鹿島化学品工場における次世代EUVリソグラフィ向け金属酸化物レジスト用金属化合物の新工場の建設決定、久喜開発研究所における新研究棟の完成、三重工場における車載用電子部品向けエポキシ樹脂接着剤生産設備の運転開始などの進捗がありました。また、当社が保有する産業資材事業について、製品の安定供給と事業のさらなる発展のため、2026年4月1日に当社連結子会社であるADEKAケミカルサプライ株式会社へ譲渡することを決定しました。 ◆食品事業食品事業では、フードテックを活かした環境貢献製品、高機能製品を中心とした戦略製品のグローバル展開を推進しています。プラントベースフード*「デリプランツ」シリーズについては、北米、インド、欧州などを新規のターゲットとし、当期は北米向けの製品のトライアル輸出を開始しました。さらに、インド・欧州向けのトライアル輸出も計画しています。*当社では原材料及び食品添加物に動物性原料を直接配合していない製品を「プラントベース」と表記しています。 ◆ライフサイエンス事業当社連結子会社の日本農薬株式会社は、2025年9月、BASFジャパン株式会社との間で、同社の果樹分野向け製品の国内農薬市場における独占供給による販売について合意し、2025年10月より販売を開始しています。BASFジャパン株式会社が展開する果樹分野向け製品をポートフォリオに加えることにより、日本農薬株式会社は、国内農薬市場における販売拡大を図ります。 (2)環境貢献製品の拡大、及び事業構造の変革によるGHG削減◆化学品事業環境対応型樹脂添加剤について、社外パートナーとの共創によるビジネス拡大を推進しています。当社は、2026年2月、ソニー株式会社の高機能製品向けに、再生可能なバイオマス資源を原料にしたプラスチックを製造するグローバルサプライチェーンの共同構築に参加しました。当該プロジェクトにおいて当社は、バイオマス特性を割り当てた難燃剤を製造しています。また、大成建設株式会社が2026年2月~3月に実施した、石垣島・真栄里ビーチにおける小型モビリティの走行実証において、当社は協力会社の一社として、漂着プラスチックの分析及び評価、並びにリサイクル材の品質を改善するための樹脂添加剤の提供を行いました。 (3)経営基盤の強靭化前期に引き続き、人的資本の向上への取り組みを継続しています。当期は、第二期DE&Iプロジェクトチームにて女性活躍推進施策を推進し、当社単体での女性管理職比率は5.9%を達成しています。取り組みの結果、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人(大規模法人部門)」へ5年連続で認定されています。また、株式会社JPX総研と株式会社日本経済新聞社が2025年7月から算出開始した新しい株価指数「JPX日経インデックス人的資本100」の構成銘柄に初めて選定されるなど、社外からの高い評価を得ています。 資本効率重視の経営への変革当社グループは、『ADX 2026』において資本効率重視の経営への変革を果たすべく、成長投資、固定資産の管理強化、負債の圧縮、株主還元強化の観点から資本政策を遂行しています。当期、当社は、この資本政策の一環として、株価や財務状況、成長投資の資金需要、資本構成の状況などを総合的に勘案し、自己株式の取得及び消却を実施することとしました。 自己資本の圧縮を通じて資本効率の向上を図るとともに、『ADX 2026』で掲げる「配当性向 40%以上」に加え、利益還元手段の多様化を進めることで、株主還元のさらなる強化を目指してまいります。今後も、持続的かつ中長期的な企業価値向上に向け、将来の投資や株価水準、財務安全性を考慮し、あらゆる企業価値向上策を検討してまいります。 4.サステナビリティを意識した企業経営当社グループは、中長期的な視点に立ち「サステナビリティ」における課題に取り組むことで、グループの持続的かつ安定的な成長による企業価値の向上を実現し、持続可能な社会と人々の豊かなくらしに貢献していきます。ADEKAグループ サステナビリティ基本方針「ADEKAグループは、公正・透明な企業活動を通じて、技術と信頼でステークホルダーの期待に応え、持続可能な社会に貢献します。」は、当社グループが社会の一員としての基本的責務を果たしつつ、本業を通じて持続可能な社会に貢献すること、ひいては自らの持続的成長を目指す基本姿勢を表現したものです。同基本方針に基づいた企業活動を具体的に推進するため、サステナビリティ委員会(委員長:代表取締役社長)では、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の3分野にわたるサステナビリティ優先課題と、SDGs達成の目標年度である2030年を念頭に置いた目標(2030年KPI)を定め、全社横断的な取り組みを行っています。中期経営計画『ADX 2026』においては、環境貢献製品売上高、GHG排出量、女性管理職比率の3項目をサステナビリティ指標として新たに導入しました。環境(E)においては「オールADEKAでアイデアを結集し2050年にカーボンニュートラルを目指す」ため、生産工場におけるエネルギーロスの削減や再生可能エネルギー由来の電力導入を進めるとともに、引き続き適正な情報開示を行うため国内外グループ会社との情報共有を行いました。社会(S)では、人権に関する取り組みの高度化として、昨年に引き続き人権デュー・ディリジェンスを推進、さらに、第二期DE&Iプロジェクトチームにて女性活躍推進も加速させています。ガバナンス(G)では、グループリスクマネジメント体制の強化、取締役会実効性の向上等、コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取り組みを実行しました。 〔2025年度の主な活動〕環境(E)・「カーボンニュートラル推進戦略」の実行及び浸透活動・非生産拠点を中心に国内14拠点において再生可能エネルギー由来電力を導入(その内11拠点で使用電力の再生可能エネルギー化実質100%を達成・「環境貢献製品」2025年度売上高は、対2019年度比2倍へ拡大社会(S)・人権尊重の取り組みとして人権デュー・ディリジェンスを推進。2025年度は化学品事業における労働安全衛生の再評価及びサプライチェーン管理の強化により人権リスク低減に取り組むとともに、食品事業で人権影響評価を実施・DE&I推進として、第二期DE&IプロジェクトにおいてDE&Iポスターの掲出や交流会開催、心理的安全性に関する講演会など各種施策を推進。2025年度は、女性管理職比率5.9%となり、年度目標を達成・エンゲージメントサーベイを活用し、従業員エンゲージメント向上策を推進・「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定(2026年3月)。健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定は5年連続ガバナンス(G)・グローバルで「ADEKAグループ行動憲章」の理解・浸透を図る・グループ全体での平時及び有事リスクマネジメント体制の強化(ERM(統合型リスク管理)の運用強化)・地政学リスク対応の強化(緊急事態対応ガイドラインの策定等)・情報セキュリティ強化(国内外グループ会社の情報セキュリティ強化(実態調査に基づく技術的対策の高度化、情報セキュリティ関連規定の整備拡充)、サイバー攻撃対応訓練、情報セキュリティ教育の実施)・取締役会実効性の向上(取締役会での経理戦略等に関する議論機会の充実化)・後継者計画の運用 5.グループ戦略課題2026年度の世界経済は、緩やかな成長が見込まれる一方で、中東情勢の緊迫化による資源価格動向の不確実性が高く、インフレ再燃リスクなどが懸念され、先行きは依然として不透明な状況が続くと見込まれます。当社グループの主要ターゲットである半導体分野は、AI・データセンター投資を背景に、先端メモリ・ロジック分野は拡大基調にあり、自動車、食品、農業などの各分野は、世界人口増加を背景に、いずれも中長期的な成長機会を有する一方、地政学リスクや原材料市況の変動など不確実性が高い事業環境が続く見通しです。このような事業環境のもと、中期経営計画『ADX 2026』は最終年度を迎えます。当社グループは引き続き、社会価値と利益の共創の実現に向けて、基本戦略に掲げる稼ぐ力の強化、サステナビリティの取り組みの推進、並びに外部環境の変化に柔軟に対応可能な強靭なサプライチェーンの構築など各施策を着実に実行してまいります。 (現下の中東情勢による事業及び業績への影響について)当社グループは、一部の製品にナフサ由来の原材料を用いて事業展開をしています。中東情勢の緊迫化を受け、現時点では一部の原材料に逼迫が生じているものの、当面は供給体制を維持できる見込みです。一方、今後の動向によっては、原材料や包装材料価格の上昇やサプライチェーンの混乱などが生じる可能性があります。その場合には、製品価格への転嫁などの対応を行うことで影響の最小化に努めてまいりますが、事業及び業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。 報告セグメント別の2026年度の見通し事  業売上高・営業利益要  因 化学品増収・増益 樹脂添加剤増収・増益新規透明化剤を国内外で販売拡大。家電向け難燃剤、自動車向け核剤、光安定剤の販売拡大。半導体材料増収・増益高誘電材料及び半導体リソグラフィ材料の販売拡大。新研究棟の稼働による研究開発力の強化、生産設備の増強。環境材料増収・増益自動車向け潤滑油添加剤を海外中心に販売拡大。建築塗料向け反応性乳化剤、光学フィルム向け光硬化樹脂をアジアで販売拡大。食品増収・増益高機能製品及びプラントベースフードを販売拡大。中国市場で販売復調。原材料費・包装材料費の上昇に対応し販売価格を適正化。ライフサイエンス増収・増益農薬は、引き続き北米・日本で堅調。ブラジル・インドで収益性向上施策を推進。欧州で市場深耕。 (注)将来の予測などに関する記述は、現時点における将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測が含まれています。当社グループの事業を取り巻く経済情勢、市場の動向、為替の変動などに関わるリスクや不確定要因により、実際の業績が、記載と異なる可能性がありますことをご承知おきください。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。 1.会社経営の基本方針当社グループは、社会の一員として、社会との調和を図りながら持続的に発展し、さらにステークホルダーの期待に積極的に応えていくことの重要性を強く認識しており、「新しい潮流の変化に鋭敏であり続けるアグレッシブな先進企業を目指す」「世界とともに生きる」を経営理念として、独自性のある優れた技術で、時代の先端をいく製品と顧客ニーズに合った製品を提供し、企業の社会的責任を果たしていくことを経営の基本方針としています。 2.目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略当社グループは、中長期的な目指すべき方向性を示した2030年のありたい姿『ADEKA VISION 2030~持続可能な社会と豊かなくらしに貢献するInnovative Company~』を掲げ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、幅広い事業を世界中で展開し、革新的な技術で世界をリードすることで、持続可能な社会と人々の豊かなくらしに貢献する企業となることを目指しています。 『ADEKA VISION 2030』の実現に向けたセカンドステージとして、2024年度から2026年度の中期経営計画『ADX 2026』をスタートしました。 「ADX」は「ADEKAは変わります(ADEKA Transformation)」という決意を表しています。『ADX 2026』は、『ADEKA VISION 2030』の実現に向けて、変革を続ける3年間と位置付け、成長戦略としてサステナビリティを推進し、社会価値の創出を通じた稼ぐ力の強化を図ります。また、環境貢献製品の拡大やカーボンニュートラルの実現に向けたGHG排出量削減の推進に努め、より強靭な経営基盤のもと企業価値のさらなる向上を目指してまいります。 〔基本方針〕〔基本戦略〕 社会価値と利益の共創による企業価値のさらなる向上を目指し、「稼ぐ力の強化、高収益構造への転換」「環境貢献製品の拡大、及び事業構造の変革によるGHG削減」「経営基盤の強靭化」を進めます。 ◆稼ぐ力の強化、高収益構造への転換収益の柱である半導体材料に積極的に経営資源を投下していく一方、将来を見据えた事業の再構築を進めます。各事業の成長戦略を遂行し収益性向上を図るとともに、将来の成長の柱となる新製品の拡大や新規事業を推進します。また資本効率性の向上に向けた施策を実行し、当社の稼ぐ力の向上を図ります。稼ぐ力の強化により、規模拡大から利益を重視した事業成長を図ります。 ◆環境貢献製品の拡大、及び事業構造の変革によるGHG削減環境貢献製品の拡大と創出を進め、社会課題解決の機会を取り込んだ成長戦略を遂行します。また、カーボンニュートラルの実現に向けて各事業でGHG排出量削減に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を推進し、多様な人財活躍の機会を創出するとともに、人権デュー・ディリジェンスの実行により、サプライチェーン全体で人権を尊重します。 ◆経営基盤の強靭化各事業における戦略製品群の安定生産に向けて、重要原料を把握・管理し、外部環境が激しく変化した際にも事業継続できる強靭なサプライチェーンを構築します。人的資本活用の基盤を整備し、各事業の成長ステージにあわせた人財の配置・育成を推進します。デジタル技術を取り入れ、継続的に業務改革を進めていきます。 3.2025年度の取り組み当期は、中期経営計画『ADX 2026』の2期目として、持続的かつ中長期的な企業価値向上に取り組みました。 『ADX 2026』の3つの基本方針(1)稼ぐ力の強化、高収益構造への転換◆化学品事業化学品事業では、設備投資施策による開発及び生産能力の強化を、継続して進めています。当期は、半導体市場における前工程用製品のさらなる拡大、後工程用製品への領域拡大を図るべく、鹿島化学品工場における次世代EUVリソグラフィ向け金属酸化物レジスト用金属化合物の新工場の建設決定、久喜開発研究所における新研究棟の完成、三重工場における車載用電子部品向けエポキシ樹脂接着剤生産設備の運転開始などの進捗がありました。また、当社が保有する産業資材事業について、製品の安定供給と事業のさらなる発展のため、2026年4月1日に当社連結子会社であるADEKAケミカルサプライ株式会社へ譲渡することを決定しました。 ◆食品事業食品事業では、フードテックを活かした環境貢献製品、高機能製品を中心とした戦略製品のグローバル展開を推進しています。プラントベースフード*「デリプランツ」シリーズについては、北米、インド、欧州などを新規のターゲットとし、当期は北米向けの製品のトライアル輸出を開始しました。さらに、インド・欧州向けのトライアル輸出も計画しています。*当社では原材料及び食品添加物に動物性原料を直接配合していない製品を「プラントベース」と表記しています。 ◆ライフサイエンス事業当社連結子会社の日本農薬株式会社は、2025年9月、BASFジャパン株式会社との間で、同社の果樹分野向け製品の国内農薬市場における独占供給による販売について合意し、2025年10月より販売を開始しています。BASFジャパン株式会社が展開する果樹分野向け製品をポートフォリオに加えることにより、日本農薬株式会社は、国内農薬市場における販売拡大を図ります。 (2)環境貢献製品の拡大、及び事業構造の変革によるGHG削減◆化学品事業環境対応型樹脂添加剤について、社外パートナーとの共創によるビジネス拡大を推進しています。当社は、2026年2月、ソニー株式会社の高機能製品向けに、再生可能なバイオマス資源を原料にしたプラスチックを製造するグローバルサプライチェーンの共同構築に参加しました。当該プロジェクトにおいて当社は、バイオマス特性を割り当てた難燃剤を製造しています。また、大成建設株式会社が2026年2月~3月に実施した、石垣島・真栄里ビーチにおける小型モビリティの走行実証において、当社は協力会社の一社として、漂着プラスチックの分析及び評価、並びにリサイクル材の品質を改善するための樹脂添加剤の提供を行いました。 (3)経営基盤の強靭化前期に引き続き、人的資本の向上への取り組みを継続しています。当期は、第二期DE&Iプロジェクトチームにて女性活躍推進施策を推進し、当社単体での女性管理職比率は5.9%を達成しています。取り組みの結果、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人(大規模法人部門)」へ5年連続で認定されています。また、株式会社JPX総研と株式会社日本経済新聞社が2025年7月から算出開始した新しい株価指数「JPX日経インデックス人的資本100」の構成銘柄に初めて選定されるなど、社外からの高い評価を得ています。 資本効率重視の経営への変革当社グループは、『ADX 2026』において資本効率重視の経営への変革を果たすべく、成長投資、固定資産の管理強化、負債の圧縮、株主還元強化の観点から資本政策を遂行しています。当期、当社は、この資本政策の一環として、株価や財務状況、成長投資の資金需要、資本構成の状況などを総合的に勘案し、自己株式の取得及び消却を実施することとしました。 自己資本の圧縮を通じて資本効率の向上を図るとともに、『ADX 2026』で掲げる「配当性向 40%以上」に加え、利益還元手段の多様化を進めることで、株主還元のさらなる強化を目指してまいります。今後も、持続的かつ中長期的な企業価値向上に向け、将来の投資や株価水準、財務安全性を考慮し、あらゆる企業価値向上策を検討してまいります。 4.サステナビリティを意識した企業経営当社グループは、中長期的な視点に立ち「サステナビリティ」における課題に取り組むことで、グループの持続的かつ安定的な成長による企業価値の向上を実現し、持続可能な社会と人々の豊かなくらしに貢献していきます。ADEKAグループ サステナビリティ基本方針「ADEKAグループは、公正・透明な企業活動を通じて、技術と信頼でステークホルダーの期待に応え、持続可能な社会に貢献します。」は、当社グループが社会の一員としての基本的責務を果たしつつ、本業を通じて持続可能な社会に貢献すること、ひいては自らの持続的成長を目指す基本姿勢を表現したものです。同基本方針に基づいた企業活動を具体的に推進するため、サステナビリティ委員会(委員長:代表取締役社長)では、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の3分野にわたるサステナビリティ優先課題と、SDGs達成の目標年度である2030年を念頭に置いた目標(2030年KPI)を定め、全社横断的な取り組みを行っています。中期経営計画『ADX 2026』においては、環境貢献製品売上高、GHG排出量、女性管理職比率の3項目をサステナビリティ指標として新たに導入しました。環境(E)においては「オールADEKAでアイデアを結集し2050年にカーボンニュートラルを目指す」ため、生産工場におけるエネルギーロスの削減や再生可能エネルギー由来の電力導入を進めるとともに、引き続き適正な情報開示を行うため国内外グループ会社との情報共有を行いました。社会(S)では、人権に関する取り組みの高度化として、昨年に引き続き人権デュー・ディリジェンスを推進、さらに、第二期DE&Iプロジェクトチームにて女性活躍推進も加速させています。ガバナンス(G)では、グループリスクマネジメント体制の強化、取締役会実効性の向上等、コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取り組みを実行しました。 〔2025年度の主な活動〕環境(E)・「カーボンニュートラル推進戦略」の実行及び浸透活動・非生産拠点を中心に国内14拠点において再生可能エネルギー由来電力を導入(その内11拠点で使用電力の再生可能エネルギー化実質100%を達成・「環境貢献製品」2025年度売上高は、対2019年度比2倍へ拡大社会(S)・人権尊重の取り組みとして人権デュー・ディリジェンスを推進。2025年度は化学品事業における労働安全衛生の再評価及びサプライチェーン管理の強化により人権リスク低減に取り組むとともに、食品事業で人権影響評価を実施・DE&I推進として、第二期DE&IプロジェクトにおいてDE&Iポスターの掲出や交流会開催、心理的安全性に関する講演会など各種施策を推進。2025年度は、女性管理職比率5.9%となり、年度目標を達成・エンゲージメントサーベイを活用し、従業員エンゲージメント向上策を推進・「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定(2026年3月)。健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定は5年連続ガバナンス(G)・グローバルで「ADEKAグループ行動憲章」の理解・浸透を図る・グループ全体での平時及び有事リスクマネジメント体制の強化(ERM(統合型リスク管理)の運用強化)・地政学リスク対応の強化(緊急事態対応ガイドラインの策定等)・情報セキュリティ強化(国内外グループ会社の情報セキュリティ強化(実態調査に基づく技術的対策の高度化、情報セキュリティ関連規定の整備拡充)、サイバー攻撃対応訓練、情報セキュリティ教育の実施)・取締役会実効性の向上(取締役会での経理戦略等に関する議論機会の充実化)・後継者計画の運用 5.グループ戦略課題2026年度の世界経済は、緩やかな成長が見込まれる一方で、中東情勢の緊迫化による資源価格動向の不確実性が高く、インフレ再燃リスクなどが懸念され、先行きは依然として不透明な状況が続くと見込まれます。当社グループの主要ターゲットである半導体分野は、AI・データセンター投資を背景に、先端メモリ・ロジック分野は拡大基調にあり、自動車、食品、農業などの各分野は、世界人口増加を背景に、いずれも中長期的な成長機会を有する一方、地政学リスクや原材料市況の変動など不確実性が高い事業環境が続く見通しです。このような事業環境のもと、中期経営計画『ADX 2026』は最終年度を迎えます。当社グループは引き続き、社会価値と利益の共創の実現に向けて、基本戦略に掲げる稼ぐ力の強化、サステナビリティの取り組みの推進、並びに外部環境の変化に柔軟に対応可能な強靭なサプライチェーンの構築など各施策を着実に実行してまいります。 (現下の中東情勢による事業及び業績への影響について)当社グループは、一部の製品にナフサ由来の原材料を用いて事業展開をしています。中東情勢の緊迫化を受け、現時点では一部の原材料に逼迫が生じているものの、当面は供給体制を維持できる見込みです。一方、今後の動向によっては、原材料や包装材料価格の上昇やサプライチェーンの混乱などが生じる可能性があります。その場合には、製品価格への転嫁などの対応を行うことで影響の最小化に努めてまいりますが、事業及び業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。 報告セグメント別の2026年度の見通し事  業売上高・営業利益要  因 化学品増収・増益 樹脂添加剤増収・増益新規透明化剤を国内外で販売拡大。家電向け難燃剤、自動車向け核剤、光安定剤の販売拡大。半導体材料増収・増益高誘電材料及び半導体リソグラフィ材料の販売拡大。新研究棟の稼働による研究開発力の強化、生産設備の増強。環境材料増収・増益自動車向け潤滑油添加剤を海外中心に販売拡大。建築塗料向け反応性乳化剤、光学フィルム向け光硬化樹脂をアジアで販売拡大。食品増収・増益高機能製品及びプラントベースフードを販売拡大。中国市場で販売復調。原材料費・包装材料費の上昇に対応し販売価格を適正化。ライフサイエンス増収・増益農薬は、引き続き北米・日本で堅調。ブラジル・インドで収益性向上施策を推進。欧州で市場深耕。 (注)将来の予測などに関する記述は、現時点における将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測が含まれています。当社グループの事業を取り巻く経済情勢、市場の動向、為替の変動などに関わるリスクや不確定要因により、実際の業績が、記載と異なる可能性がありますことをご承知おきください。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものです。 (1) 業績等の概要当期における世界経済は、各国における金融緩和やAI関連投資の拡大を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方、米国の関税政策や、中国経済の成長鈍化に伴う需要減速への懸念、中東情勢の緊迫化による資源価格の上昇や物流への影響など、不確実性の高い状況が続きました。 このような情勢のもとで、当期の業績につきましては、以下のとおりとなりました。通期の売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、いずれも過去最高を更新しました。 連結経営成績                                    (単位:億円) 当期2026年3月期前期2025年3月期増減増減率(%)売上高4,1654,071942.3化学品2,1482,184△36△1.7 樹脂添加剤9841,054△70△6.7 半導体材料360340195.8 環境材料803789141.8食品83082540.6ライフサイエンス1,11799911811.8その他6962711.7営業利益41641061.5化学品263280△16△6.0 樹脂添加剤96108△12△11.6 半導体材料7490△16△17.7 環境材料92801114.8食品4343△0△0.6ライフサイエンス98772026.4その他108230.8経常利益427393348.7親会社株主に帰属する当期純利益2782502811.4 (注) 金額は億円未満を切捨て、増減率は小数点第2位を四捨五入。 報告セグメント別の概況は以下のとおりです。なお、2025年4月1日付で化学品事業のサブセグメントである「電子材料」を「半導体材料」に改称しました。また、「電子材料」に含めていたエレクトロニクス関連材料は、「環境材料」に含めました。前期実績は変更後のセグメント区分に組み替えて比較しています。 (化学品事業)減収・減益化学品事業を構成する樹脂添加剤、半導体材料、環境材料の概況は以下のとおりです。 ① 樹脂添加剤 減収・減益家電・EV市況の低迷が続くなか、価格競争の激化により、欧米を中心に難燃剤の販売が低調でした。また、自動車生産は持ち直しの動きを見せたものの、石油化学市場で生産が鈍化し、プラスチック製品全般に使用される酸化防止剤の販売が低調でした。一方、データセンター投資の拡大を背景に、電線向け塩ビ用安定剤の販売が好調でした。 〇主要因売上高(低調)難燃剤(家電筐体、自動車部材)(低調)酸化防止剤、ワンパック顆粒添加剤(プラスチック製品全般)(低調)可塑剤(食品包装材)(好調)塩ビ用安定剤(電線、住宅内装材)営業利益(-)数量、価格 (+)固定費 ② 半導体材料 増収・減益EUV露光装置の導入拡大やPFASフリー化の需要拡大により、先端フォトレジスト向け半導体リソグラフィ材料の販売が好調でした。また、最新世代DRAMの生産開始に対応した新製品の出荷により、高誘電材料の販売が第3四半期から拡大基調に転じ、通期では堅調でした。一方、研究開発増員や生産プラント新設などの先行投資により固定費負担が増加しました。 〇主要因売上高(好調)半導体リソグラフィ材料(先端フォトレジスト)(堅調)高誘電材料(先端DRAM)営業利益(-)価格、固定費、為替 (+)数量 ③ 環境材料 増収・増益アジアや米国で自動車エンジンオイル向け潤滑油添加剤や電子部品用特殊エポキシ樹脂の販売が好調でした。また、ディスプレイ向け光硬化樹脂の販売が堅調でした。中国での建築需要低迷の影響を受けながらも、接着剤向けなどの用途拡大により反応性乳化剤の販売が堅調でした。 〇主要因売上高(好調)潤滑油添加剤(自動車エンジンオイル)(好調)特殊エポキシ樹脂(電子部品)(堅調)光硬化樹脂(ディスプレイ)(堅調)反応性乳化剤(建築塗料、接着剤)営業利益(+)数量、価格 (-)為替 (食品事業)増収・減益国内では、収益性の改善や環境貢献製品の拡大に取り組み、食品の生産ロス削減に貢献する高機能練込素材やプラントベースチーズを中心とした「デリプランツ」シリーズの販売が堅調でした。景気低迷が続く中国では、パンや菓子類に使用されるショートニング、マーガリン類の販売が低調でした。 〇主要因売上高(堅調)高機能練込素材(製パン等)(堅調)プラントベースフード「デリプランツ」シリーズ(カフェ、製パン等)(低調)中国/ショートニング、マーガリン類(製パン、製菓)営業利益(-)数量 (+)価格 (ライフサイエンス事業)増収・増益海外では、欧州で果樹やばれいしょ向け除草剤が好調でした。また、アメリカで果樹やナッツ向け殺虫剤の販売が好調でした。国内では、米価高騰による生産意欲の高まりから水稲作付面積が増加し、水稲向け除草剤と殺虫剤などの販売が好調でした。 〇主要因売上高(好調)欧州/殺虫剤の原体、除草剤(果樹・ばれいしょ)(好調)北米/殺虫剤(果樹・ナッツ)(好調)日本/除草剤、殺虫剤等(水稲)営業利益(+)数量、価格、為替 (-)固定費 (2) 財政状態の分析連結財政状態                                      (単位:億円) 当連結会計年度末前連結会計年度末増減増減率(%)流動資産3,5433,498441.3有形固定資産1,3171,258584.7無形固定資産15314674.8投資その他の資産5855275811.0資産合計5,5995,4311683.1流動負債1,1541,222△68△5.6固定負債729690385.6負債合計1,8841,913△29△1.5純資産合計3,7153,5171975.6 (注) 金額は億円未満を切捨て、増減率は小数点第2位を四捨五入。 〇主要因(流動資産)商品及び製品の増加(有形固定資産)建物及び構築物、機械装置及び運搬具の増加(無形固定資産)のれんの増加(投資その他の資産)投資有価証券の増加(流動負債)短期借入金の減少(固定負債)社債の増加(純資産合計)利益剰余金の増加 (3) キャッシュ・フローの状況 連結キャッシュ・フローの状況      (単位:億円) 当連結会計期間前連結会計期間増減増減率(%)営業活動によるキャッシュ・フロー406462△56△12.2投資活動によるキャッシュ・フロー△300△125△175139.6財務活動によるキャッシュ・フロー△353△222△13058.4 (注) 金額は億円未満を切捨て、増減率は小数点第2位を四捨五入。 〇主要因(営業活動によるキャッシュ・フロー)売上債権及び契約資産の増減による収入の減少(投資活動によるキャッシュ・フロー)有形固定資産の取得による支出の増加(財務活動によるキャッシュ・フロー)自己株式の取得による支出の増加以上の要因に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額等により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より198億83百万円(前連結会計年度末比△18.5%)減少して、878億84百万円となりました。 (キャッシュ・フロー関連指標の推移) 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)52.652.252.554.656.0時価ベースの自己資本比率(%)58.646.360.650.463.1キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)2.84.01.91.51.6インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)26.48.313.010.911.2 (注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しています。営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。4.2023年3月期より、一部の在外子会社等の収益及び費用は、在外子会社等の決算日の直物為替相場により円貨に換算する方法から、期中平均為替相場により円貨に換算する方法に変更し、2022年3月期のキャッシュ・フロー関連指標について、遡及処理後の数値を記載しています。 (4) 生産、受注及び販売の状況イ.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 (単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)化学品事業164,410△1.6食品事業64,7740.5ライフサイエンス事業69,62913.2報告セグメント計298,8142.0その他--合計298,8142.0 (注) 1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。2.その他については、生産は行っていません。 ロ.受注実績その他の一部で受注生産を行っていますが、金額僅少のため省略しています。 ハ.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 (単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)化学品事業214,810△1.7食品事業83,0030.6ライフサイエンス事業111,79711.8報告セグメント計409,6112.2その他6,95111.7合計416,5632.3 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しています。2.販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上である販売先はありません。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。また、この連結財務諸表を作成するにあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積りを用いています。これら繰延税金資産の回収可能性や固定資産の減損等の見積りは、過去の実績やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果と異なる可能性があります。なお、固定資産の評価に係る重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 (6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当連結グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を常に目指し、安定的な資金調達手段の確保に努めています。当連結グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資・投融資資金は、主に手元のキャッシュと営業活動からのキャッシュ・フローに加え、借入及び社債により調達しています。当連結会計年度末現在において、当連結グループの流動性は十分な水準にあり、資金調達手段は分散されていることから、財務の柔軟性は高いと考えています。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の総額は878億84百万円となっています。 (7) 経営成績に重要な影響を与える要因経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

事業リスク

  • 経済・地政学リスク
    世界経済の変動や地政学的な問題が、ADEKAの業績に影響を与える可能性があります。例えば、イランと米国・イスラエル間の紛争はUAEの子会社に影響を与え、ロシア・ウクライナ紛争は原燃料価格の高騰や物流停滞を引き起こす可能性があります。特に台湾に複数の生産・販売拠点があるため、台湾有事が発生した場合には、供給網の寸断やサイバー攻撃など、甚大な影響が想定されます。
  • 原材料の価格変動と調達
    石油化学原料や油脂原料、電力などの主要原材料の価格は、市況や為替相場の影響を受けやすく、ADEKAの業績に影響を及ぼす可能性があります。紛争による原油価格の高騰や、異常気象による油糧作物の価格変動、さらには日本国内のエチレン設備統廃合による調達リスクも懸念されます。これらの変動を販売価格に転嫁できない場合、利益が圧迫される可能性があります。
  • 新製品開発と技術競争
    関連業界の技術進歩は著しく、企業間の技術競争が激化しています。新製品開発が顧客ニーズに合わなかったり、競合他社の追随が早かったりすると、製品の陳腐化や価格競争の激化により、将来の成長と収益性が損なわれる可能性があります。また、共同研究におけるパートナー企業の最終製品の動向や、知的財産権侵害のリスクも存在します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,807 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当連結グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものです。なお、ここに記載しました事項は、当連結会計年度末現在において、当連結グループがリスクと判断したものであり、当連結グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。 1.経済状況、地政学リスク等グローバル事業展開の拡大を進めている当連結グループは、海外に多数の生産・販売拠点を有しており、当連結グループが製品を販売する国や地域の経済状況、地政学リスク、天候等による影響を受ける可能性があります。また、当連結グループは多様な事業ポートフォリオを有しており、提供する製品は幅広い業界で産業用中間素材として使用されています。このため、当社の関連需要業界における景気や市場動向、公的規制等による需要の減少と、それに伴う取引先の倒産による貸倒れリスクや棚卸資産の長在化リスク等、直接的、間接的な影響を受けます。地政学リスクに関しては、イランと米国・イスラエルとの紛争が発生しており、それによりUAEにある連結子会社の生産・販売に影響が生じています。ロシアによるウクライナ侵攻も継続しています。当連結グループは、ロシア・ウクライナに生産・販売拠点を有しておらず、直接的な影響は少ないものの、両国の軍事的対立の長期化による原燃料価格の高止まりや物流停滞、世界的なインフレの加速といった間接的なリスクが業績に影響を及ぼす可能性があります。また、台湾情勢は緊迫化しており、台湾有事リスクが懸念されています。当連結グループは、台湾に複数の生産・販売拠点を有しており、万一、台湾で有事が発生した場合、従業員の生命・身体への危険、台湾封鎖に伴う供給網の寸断、対中金融制裁による決済の滞りや、サイバー攻撃による情報流出・事業中断など、様々な影響が想定されます。さらにイスラエル・パレスチナ地域における紛争は、今後の紛争の動向によっては中東地域の顧客との取引に大きな影響が発生する可能性があります。これらの他、米国の関税政策により当連結グループが事業展開する業界の市場動向に影響を及ぼす事象が発生した場合、当連結グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。地政学リスクに対しては、リスクマネジメント委員会を中心として、各国法制や政策の動向など外部情報をタイムリーに入手し、事業影響分析を行う等、グループにおける体制の強化に取り組んでいます。 2.感染症防止対策について当連結グループの従業員に感染症が蔓延した場合、一時的に当連結グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。新型コロナウイルス感染症は、2023年5月に第5類に移行しましたが、当連結グループでは、引き続き、新型コロナウイルスやインフルエンザを含めた感染症に関する情報収集に努めるとともに、従業員の感染防止対策を徹底し、万一、感染症の世界的な蔓延が発生した場合にも、製品・サービスの提供に支障が生じないよう、業務のデジタル化、事業継続計画(BCP)の整備と、サプライチェーン網の維持等に努めます。また、在宅勤務・サテライトオフィス等でのリモートワーク、会議のオンライン化やペーパーレス化を推進し、従業員のパフォーマンスの向上と業務効率化に向け、きめ細かなITサポートを拡充していきます。 3.原材料の調達について当連結グループの事業で用いる主要原材料である石油化学原料及び油脂原料、電力等ユーティリティの購入価格は、国内・国外の市況、為替相場の変動の影響を受けます。業績に及ぼす影響は、販売価格への転嫁、為替リスクヘッジ等により極力回避していますが、予期せぬ異常な変動が生じた場合には、販売価格への転嫁の時間的ギャップ等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。① 紛争やホルムズ海峡閉鎖等の産油国の地政学リスク等により、原油価格、ナフサ価格及び天然ガス価格が影響を受け、石油化学原料や包材等にも大きな影響を及ぼす可能性があります。② 油糧作物、穀物の価格は天候により大きな影響を受けますが、温暖化、大規模森林火災の発生等、異常気象(旱魃・豪雨等)が頻発しています。また、パーム油や大豆油等の原料価格は、生産国の地政学リスク等や、中国・インドといった大口需要国の動向による影響を受けます。昨今は、搾油量の減少、石油代替燃料としての需要拡大や、人口増加等により、動きが激しくなっています。また、ホルムズ海峡封鎖が油脂相場へ影響を与えることも考えられ、海上運賃上昇の可能性は既に高まっています。③ 原材料価格に関しても米国による関税引き上げ政策の影響を受ける可能性があります。④ 日本国内のエチレン設備の統廃合が検討・実行されていく中で、当連結グループの原材料の安定調達に影響が出る可能性があり、複数購買化の検討を進めることでそのリスクに備えていきます。 4.為替の変動について当連結グループは世界各国で事業を展開しており、連結子会社の財務諸表項目は連結財務諸表の作成のために円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、輸出入等の外貨建て取引においても、同様の可能性があります。これに対し、当連結グループでは、主要通貨の為替動向を注視するとともに、ヘッジ等を通じて為替リスクの低減に努めていますが、為替相場が大きく変動した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。 5.新製品開発当連結グループは、自社技術を活用した優位性のある新製品開発に注力していますが、関連業界では、技術進歩、変化が著しく、それに伴う企業間の技術競争が激しくなっています。また、近年は、開発・製造技術の進歩により、新興国をはじめとする国内外の競合他社による追随の速度が速まっています。このような状況の中、次のようなリスクが想定されます。① 顧客との共同研究により新製品開発を進めるケースが増えています。関連業界でパートナー企業の最終製品が優位となれば、当社製品の需要も拡大しますが、逆の場合には、当社製品の需要が実現しない可能性もあります。② 技術の急速な進歩により、当社製品・技術の一部が陳腐化する可能性があります。また、技術の急速な普及や国内外の競合他社の新規参入に伴う価格競争の激化により、製品価格が想定以上に下落する可能性があります。③ 新製品の開発や生産、販売を行うにあたり、競合他社の知的財産権を侵害することがないよう、事前に調査していますが、見解の相違等により、競合他社から知的財産権の侵害を主張される可能性があります。その場合、当該製品を販売できなくなる可能性や、損害賠償責任、訴訟費用等が発生する可能性があります。上記のリスクを含め、当連結グループが、業界や市場の変化を十分に予測できず、顧客のニーズにあった魅力ある新製品を開発できない場合には、将来の成長と収益性に影響を及ぼす可能性があります。 これらリスクが顕在化する時期や影響の程度は、現時点で想定していません。 6.製品の欠陥当連結グループは、人体や環境への安全性に配慮して、製品の品質規格と安全審査基準を定めており、新製品を開発・販売する際に厳しくチェックしています。また、化学品ではSDS、イエローカードにより、食品では製品規格書により、安全な使用と取扱いのための情報提供を行っています。加えて、工場は、ISO9001、FSSC22000等の品質や食品安全に対するマネジメントシステム、トレーサビリティシステム等を導入し、製造を行っています。製品検査値の改ざん・転記ミス防止対策を含む品質安全管理は、統一したルールに基づき実施されていることを監査により確認しています。しかし、これらの対策を講じているものの、全ての製品について欠陥がなく、将来的にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入していますが、当該保険によって最終的に発生するすべての賠償額を十分に補償できるとは限らず、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 7.災害・事故等のトラブル当連結グループは、ステークホルダーに安全・安心を提供すべく、「労働安全」、「環境安全」、「品質安全」、「設備安全」のいわゆる「4つの安全」を重点テーマに掲げ、各種安全活動を推進しています。ISO45001、ISO14001、ISO9001、FSSC22000、ISO22301等の国際標準に基づくマネジメントシステムを必要に応じて導入し、保安力の向上活動に注力することで事故・災害の予防を図っています。また、自然災害、パンデミック等による予期せぬ事業停止に備えた事業継続マネジメントシステム(BCMS)の構築に取り組み、2010年に国内の化学工業として初めて、当社化学品の一部製品の製造についてBCMS規格 BS25999-2の認証を取得しました。さらに、2013年にISO22301を取得、2015年には適用範囲に物流関係会社を加え、顧客への安定供給体制を構築・運用を進めています。当社グループでは、グループ全体でトラブル情報を共有化するとともに、監査を通じて安全管理状況を確認しています。加えて、工場パトロール、入出管理の強化、安全教育及び技術継承、設備点検・メンテナンス、緊急時対応訓練の実施、海外拠点やOEMを含む併産工場の確保並びに取引先事業者への監督・指導の強化などに継続的に取り組んでいます。しかし、当連結グループ又はサプライチェーンにおいて以下のトラブルが発生した場合には、工場停止又は稼動率低下による供給不能又は供給困難、製品の品質・環境・地域住民や従業員の安全への影響が発生する可能性があります。① 地政学的リスクやパンデミック等によるサプライチェーン供給網の寸断、調達への影響② 無差別テロによる食品への異物・毒物混入、化学品等の危険物漏洩③ 天災による工場破損、製品在庫の滅失・毀損④ 爆発・火災・人為的ミスによる事故災害⑤ 集団食中毒や伝染病・感染症の蔓延による操業停止⑥ コンビナート関連企業、公共機関の事故災害による影響⑦ 単一工場でのトラブルによる生産停止⑧ 原料サプライヤー、外注先、OEM依頼先における工場トラブル等による製品供給停止⑨ 物流事故の発生 8.情報漏洩、セキュリティ・インシデント当連結グループは、研究開発の強化・生産技術の深化によるイノベーションの創出と競争力の強化を目指しています。技術立地なハイテクメーカーとして、技術情報等の営業秘密の保護は不可欠であり、また、各国における個人情報保護法制の強化に伴い、個人情報保護対策が重要性を増しています。近年では、サイバー攻撃等による情報漏洩やセキュリティ事故等が発生した場合、当局による行政処分・制裁、利害関係者からの損害賠償請求による経済的損失や、当連結グループの競争力やレピュテーションの低下につながり、業績に影響を及ぼす可能性があります。当連結グループでは、コンプライアンス推進委員会の下部組織である情報管理部会が中心となり、情報セキュリティ・ポリシー及びセキュリティ関連規定に基づき、ハッキング、コンピューターウイルス、サイバー攻撃への対策や、従業員教育等、情報セキュリティと情報管理の強化に向けた様々な取り組みを実施しています。 9.システムトラブル(1) ソフトウエアの更新・改良に伴うトラブル多様化する業務に対応すること等を目的として、ソフトウエアの更新・改良を行う場合があります。ソフトウエアの更新・改良にあたっては、システム保守体制等の万全を期していますが、更新・改良に伴う予期せぬ障害等によりシステムトラブルが発生した場合には、当連結グループの業務に影響を及ぼす可能性があります。(2) 災害等によるシステムトラブルデータセンター等に設置しているシステムが災害等により稼働できなくなった場合に備え、遠隔地へのデータ複製のほかバックアップ用回線等の整備を行っていますが、予期せぬ災害等によりシステムトラブルが発生した場合には、当連結グループの業務に影響を及ぼす可能性があります。 10.公的規制事業を取り巻く様々な政府規制、法規制について、特に近年は、欧州REACH規則やPFAS規制をはじめとして、世界各国で化学物質規制法の強化・改正が行われています。規制に関する重大な変更がなされた場合には、当連結グループの活動が制限され、あるいはコストが増加し、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、米国・中国間の対立激化に伴い、米国の安全保障貿易関連規制等が強化され、中国で2020年12月に輸出管理法が施行されるなど、幅広い分野で規制措置の応酬が繰り広げられています。当連結グループは、両国の幅広い業界で産業用中間素材として使用される製品を供給していることから、このような米中対立に伴う規制強化により、製品の販売に、直接的、間接的な影響を受ける可能性があります。当連結グループでは、各部門・グループ各社における年度コンプライアンス活動計画の遂行を通じ重要法令への対応を図り、コンプライアンス推進委員会においてモニタリングしています。コンプライアンス推進委員会その他の各種委員会の活動を通じて、引き続き情報収集力の強化と法規制対応に注力していきます。 11.プラスチック規制プラスチックは車の軽量化に貢献する等のメリットが多く、世界的な需要量は今後も増加が見込まれているものの、使い捨て用途の部材で使用が見直される等、一部で環境問題から敬遠されるケースも見受けられます。当社のプラスチックに関係する製品は、万一プラスチックの規制に関する国際条約案による規制が行われた場合、その影響を受ける可能性がありますが、サーキュラーエコノミーの推進への取り組みやプラスチックの長寿命化を含めた高機能化を推進する製品供給により、社会とプラスチック産業に貢献していきます。

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