FY2025|2,558 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、既存事業の製造技術の高度化及び周辺や延長分野における事業拡大を図るとともに、新規事業の創出及び長期的な視野に立った基盤技術の強化を志向しています。研究開発活動は、当社の研究開発本部並びに、製造技術開発部門及び各事業部門の開発部門で行っているほか、一部には連結子会社独自で行っているものもあります。当社及び連結子会社における研究開発スタッフは578名にのぼりますが、これは総従業員数の約8%に当たります。当社では、研究・開発・技術・製造・営業を強固に連携し、事業としての意思統一、責任体制の明確化及び研究開発のスピードアップを図りながら、既存事業関連の研究を各事業部のもとに集約して行っています。また、研究開発本部については環境関連の技術開発及び新規事業創出に向けた研究開発の役割を担っています。当連結会計年度における研究開発費の総額は9,917百万円であり、セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりです。機能品次世代のディスプレイや畜電池用材料、高速通信用回路基板材料、拡大する環境・エネルギー市場でのニーズに対応するガス分離膜、次世代航空機等の先端技術市場に対応したチラノ繊維、窒化珪素セラミックスの研究開発等に取り組んでいます。UBEは原料(BPDA:ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)からの一貫生産によるポリイミドチェーンを有しており、ワニス、フィルム、パウダー等のポリイミド製品や、ポリイミド中空糸を用いたガス分離膜の開発に取り組んでいます。耐熱性、機械特性等におけるポリイミドの優れた特徴を活かしつつ、長年培ってきた設計技術を駆使し、それぞれの用途においてお客さまのニーズに応えられる製品の開発を進めています。また、セラミックス材料を中心として新しい事業・製品・プロセスの工業化に向けた開発を行っています。特に、UBEの化学を活かした特徴ある製造技術・設計技術をベースとして、窒化珪素粉末、炭化珪素繊維、酸化物電池材料、光学樹脂用無機ナノ粒子等の強化に取り組むとともに、素材の特異性や長年培ってきたセラミックス合成技術を駆使することにより、先端無機材料の開発を推進しています。当セグメントに係る研究開発費は2,565百万円です。樹脂・化成品C1ケミカル、環境型コーティング、廃プラリサイクル、エンジニアリングプラスチックを用いた複合材料、バイオマスプラスチック、リサイクル炭素繊維強化プラスチックの研究開発等に取り組んでいます。大阪研究開発センターに新棟「スペシャリティマテリアルアプリケーション棟」を建設しました。本施設では、ナイロン及びその他エンジニアリングプラスチックスを用いたコンポジット材料の開発を行なっています。また、環境貢献型材料への要求の高まりにも対応して、リサイクルやバイオポリマーの開発にも注力しています。材料設計・成形加工・解析技術等の要素技術を駆使して、材料提案や改良、設計支援等のテクニカルサポートを高度かつタイムリーに実行することで、お客様に貢献しています。このほか、UBEのコンポジット事業の中核として、タイ・スペインを含む3生産拠点の開発部門の中心として連携強化に努め、グローバルでの事業拡大を積極的に進めています。DMC(ジメチルカーボネート)を起点としたC1ケミカルチェーンの展開を行っており、DMCから派生されるPCD(ポリカーボネートジオール)やPUD(ポリウレタンディスパージョン)は、高機能コーティング製品として、基盤技術を活かした新製品開発を行っています。C1ケミカルチェーンはグローバルでの成長を目指しており、研究開発においてもタイ・スペイン等とのグローバルな連携を強化しています。工業薬品等の化成品については、品質・技術・プロセスの改良・開発を行うとともに、新規事業・新規製品のマーケティング・製品開発や、自社技術プラットフォームを利用した地球環境貢献テーマにも取り組んでいます。当セグメントに係る研究開発費は2,117百万円です。機械機械分野の研究開発は連結子会社のUBEマシナリー㈱で行っています。ダイカストマシン関連ではギガキャスト向けダイカストマシンの市場展開に向けた開発のほか、EV電装ケース向けハイサイクル鋳造技術の開発、鋳造品の良品率改善及び設備稼動率向上に寄与するICTの開発を行っています。射出成形機関連では大型2プラテン電動機(5500emⅢ)の開発のほか、省エネバレルヒーターの開発を行っています。また、カーボンニュートラルに向けた取組みとして、EVモーター等の高周波ノイズフィルター、リサイクル材の利用率を向上させる成形方法の開発を行っています。当セグメントに係る研究開発費は553百万円です。 その他・全社共通医薬事業分野では、製薬会社等との共同研究開発や独自に進めている創薬研究開発による新規医薬品の創製、受託医薬品原体の製造プロセスの開発等を行っています。大学、他企業等とのオープンイノベーション・コラボレーションのほか、新たなモダリティ研究等を加速させることを目指し、湘南ヘルスイノベーションパークに創薬研究拠点を開設しました。また、抗体薬物複合体(ADC)に関する共同研究契約を㈱ペルセウスプロテオミクスと締結しているほか、消化器がんに対する免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を強化する新規複合がん免疫療法の共同研究を山口大学大学院消化器・腫瘍外科学講座と開始しています。主な成果としては、塩野義製薬㈱と共同開発を行っている新規抗RS(respiratory syncytial)ウイルス薬候補について、米国FDA(食品医薬品局)よりファストトラック指定を受領し、第2相臨床試験において主要評価項目を達成したことなどが挙げられます。各セグメントに属さない研究開発としては、持続的な成長を可能にする新規事業創出に向けた研究開発の領域として、「サステナビリティ」「エネルギーマネジメント」「ライフサイエンス」を設定し、放熱複合材料、細胞培養技術活用等の研究開発を行っています。その他セグメント及び全社共通に係る研究開発費は4,682百万円です。
FY2024|2,275 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、既存事業の製造技術の高度化及び周辺や延長分野における事業拡大を図るとともに、新規事業の創出及び長期的な視野に立った基盤技術の強化を志向しています。研究開発活動は、当社の研究開発本部並びに、生産・技術部門及び各事業部門の開発部門で行っているほか、一部には連結子会社独自で行っているものもあります。当社及び連結子会社における研究開発スタッフは548名にのぼりますが、これは総従業員数の約7%に当たります。当社では、研究・開発・技術・製造・営業を強固に連携し、事業としての意思統一、責任体制の明確化及び研究開発のスピードアップを図りながら、既存事業関連の研究を各事業部のもとに集約して行っています。また、研究開発本部については環境関連の技術開発及び新規事業創出に向けた研究開発の役割を担っています。当連結会計年度における研究開発費の総額は10,296百万円であり、セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりです。機能品次世代蓄電池、5G対応フィルム、次世代ディスプレイや電池用途及び有害性の低い材料を使用したワニス、バイオガス用新規CO2分離膜、次世代航空機等の先端技術市場に対応したチラノ繊維、窒化珪素セラミックスの研究開発等に取り組んでいます。ポリイミド・機能品開発部では、UBE独自のBPDA(ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物)ベースのポリイミドを中心に、粉体・ワニス・フィルム・繊維・膜等の様々な形の製品の特性設計・プロセス設計開発を行っています。開発製品は、フレキシブル回路基板用等の電子情報材料や空気分離等のガス分離装置等に展開されており、お客様と連携して高性能化・高品質化も推進しています。無機材料開発部では、セラミックス材料を中心として新しい事業・製品・プロセスの工業化に向けた開発を行っています。特に、UBEの化学を活かした特徴ある製造技術・設計技術をベースとして、窒化珪素粉末、炭化珪素繊維、酸化物電池材料、光学樹脂用無機ナノ粒子等の強化に取り組むとともに、素材の特異性や長年培ってきたセラミックス合成技術を駆使することにより、先端無機材料の開発を推進しています。当セグメントに係る研究開発費は2,614百万円です。樹脂・化成品C1ケミカル、環境型コーティング、廃プラリサイクル、エンジニアリングプラスチックを用いた複合材料、バイオマスプラスチックの研究開発等に取り組んでいます。大阪研究開発センターでは、各種エンジニアリングプラスチックスを用いたコンポジット材料、新規ナイロン及びそれを用いたフィルムやモノフィラメント用材料の開発、並びに環境貢献型材料への要求の高まりにも対応して、リサイクルやバイオポリマーの開発にも注力しています。材料設計・成形加工・解析技術等の要素技術を駆使して、材料提案や改良、設計支援等のテクニカルサポートを高度かつタイムリーに実行することで、お客様に貢献しています。このほか、UBEのエンプラ事業の中核として、タイ・スペインを含む3生産拠点の開発部門の中心として連携強化に努め、グローバルでの事業拡大を積極的に進めています。また、ファインケミカル製品、高機能コーティング製品、工業薬品等の品質・技術・プロセスの改良・開発を行うとともに、新規事業・新規製品のマーケティング・製品開発・アプリケーション開発や、自社技術プラットフォームを利用したCO2有効利用や廃プラリサイクル等の地球環境貢献テーマにも取り組んでいます。当セグメントに係る研究開発費は2,082百万円です。機械機械分野の研究開発は連結子会社のUBEマシナリー㈱で行っています。ダイカストマシン関連ではギガキャスト向けダイカストマシンの市場展開に向けた開発のほか、EV電装ケース向けハイサイクル機及び鋳造技術の開発を行っています。射出成形機関連では大型2プラテンサーボ油圧機(1300MMXⅡ)の開発を行っています。また、カーボンニュートラルに向けた取組みとして、燃料アンモニア産業への対応機器、低温高圧ガス圧縮用途鋳鋼、EVモーター等の高周波ノイズフィルターの開発を行っています。主な成果としては、大型2プラテンサーボ油圧機(1300MMXⅡ-i120)の上市を実現したことなどが挙げられます。当セグメントに係る研究開発費は607百万円です。 その他・全社共通医薬事業分野では、製薬会社等との共同研究開発や独自に進めている創薬研究開発による新規医薬品の創製、受託医薬品原体の製造プロセスの開発等を行っています。主な成果としては、HiLung㈱と共同開発を行っているリゾホスファチジン酸受容体1選択的アンタゴニストについて、米国FDA(医薬食品庁)より希少疾病用医薬品指定を取得したことや、全世界における独占的ライセンスをNovo Nordisk社に供与したSemicarbazide-Sensitive Amine Oxidase / Vascular Adhesion Protein-1選択的阻害薬の第Ⅰ相臨床試験が開始されましたことなどが挙げられます。各セグメントに属さない研究開発としては、持続的な成長を可能にする新規事業創出に向けた研究開発の領域として、「サステナビリティ」「エネルギーマネジメント」「ライフサイエンス」を設定し、放熱複合材料、細胞培養技術活用等の研究開発を行っています。その他セグメント及び全社共通に係る研究開発費は4,993百万円です。
FY2021|2,001 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、既存事業の製造技術の高度化及び周辺や延長分野における事業拡大を図るとともに、新分野における新規事業の創出及び長期的な視野に立った基盤技術の強化を志向しております。研究開発活動は、当社の研究開発本部並びに、化学生産部門及び各事業部門の開発部門で行っているほか、一部には連結子会社独自で行っているものもあります。当社及び連結子会社における研究開発スタッフは682名にのぼりますが、これは総従業員数の約6%に当たります。当社では、研究・開発・技術・営業を強固に連携し、事業としての意思統一、責任体制の明確化及び研究開発のスピードアップを図りながら、既存事業関連の研究を各事業部のもとに集約して行っております。また、研究開発本部については環境関連の技術開発及び新規事業創出に向けた研究開発の役割を担っています。当連結会計年度における研究開発費の総額は11,378百万円であり、セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりです。化学既存事業の強化、高度化を図るため、カプロラクタムやナイロン等の革新的プロセス開発及び独自技術による新規グレードや新製品の開発を行っております。合成ゴム関係では新規触媒を用いたポリブタジエンの製造技術開発や市場開発、タイヤ用途で省燃費性、耐久性に優れる新規の合成ゴムを開発中です。ナイロン関係では日本、タイ、スペインに設立した研究所を基点にして、グローバルなニーズに応える研究開発を進め、パラダイムシフトに対応した次世代の材料開発を行っております。また、リチウムイオン二次電池及び次世代蓄電池の材料の開発、ポリイミドフィルム及びワニス等関連製品の開発、窒化珪素セラミックスの開発、新規高機能ガス分離膜の開発、CMC(Ceramic Matrix Composites)向け次世代炭化ケイ素繊維の開発、航空宇宙材料(熱制御フィルム、チラノ繊維など)の開発、C1ケミカル及び二価フェノール誘導品の開発、環境型コーティング材料(水系ポリウレタンディスパージョン等)の開発等を行っています。医薬事業分野では、製薬会社などとの共同研究開発や独自に進めている創薬研究開発による新規医薬品の創製、受託医薬品原体の製造プロセスの開発などを行なっております。主な成果としては、参天製薬㈱と共同開発した緑内障・高眼圧症治療剤 エイベリス®点眼液0.002%の韓国における販売を開始したこと、同剤の新薬承認申請が米国食品医薬品局により受理されたことがあげられます。環境を意識した研究にも力を入れており、低炭素化貢献事業としてCO2鉱物化固定・CO2電解の検討スキームの確立、廃プラスチックリサイクル技術開発、㈱アカネと高熱伝導性材料を開発し、サンプル提供などを行っております。その他、モビリティ、建築インフラ、ヘルスケアの各ドメインで新規事業を創出すべく研究開発を行いました。当セグメントに係る研究開発費は9,532百万円です。建設資材セメント・コンクリート及び建材関連分野では、セメント工場での廃棄物・副産物の継続的な利用拡大に向けた研究開発、生コンや二次製品会社からのニーズに対応した商品の開発や技術サービス、セルフレベリング材・リニューアル・防水材関連商品の開発、環境資材等の新規事業分野の研究開発、そのほかカルシウム及びマグネシウムの基礎材料を元とした複合系材料の研究開発などに取り組んでおります。主な成果としては、通常の10倍の耐硫酸性を有するコンクリートの開発でエンジニアリング奨励特別賞を受賞したこと、海洋の極限環境(深海)におけるセメント系材料利用に関する探索研究で深海におけるセメント系材料の劣化機構についてまとめた論文を世界で初めて国際学術誌で発表したことなどがあげられます。エネルギー事業分野では、当社燃料コストと環境コストの持続的低減と、「環境に配慮したエネルギー事業」の実現に貢献することを目指し、低品位燃料の利用拡大、低環境負荷燃料(低CO2負荷燃料)の利用拡大、省エネ・低CO2負荷プロセス構築の3つの視点から、廃棄物の利活用拡大に加え、再生可能エネルギーの利用拡大に向け新規バイオマス燃料の製造及び利用技術の開発などに取り組んでおります。当セグメントに係る研究開発費は1,615百万円です。機械機械分野の研究開発は連結子会社の宇部興産機械㈱で行っております。ダイカスト・押出プレス事業では自動車ボディー・シャシー系の大型部品を製造するためのアルミダイカストプロセスやマシン開発を進めており、射出成形事業では全電動射出成形機 HH(ダブルH)シリーズを大型機に展開し販売を開始しました。産機事業では軽量新型エアー浮上コンベアの開発に取り組んでおります。当セグメントに係る研究開発費は231百万円です。