4206

アイカ工業(4206)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 多角的な事業展開
    アイカ工業グループは、化成品と建装建材という大きく異なる二つの分野で事業を展開しています。化成品では、外装・内装仕上塗材や接着剤などを製造・販売し、建装建材ではメラミン化粧板や室内用ドアなどを手掛けています。これにより、特定の市場に依存しすぎない安定した収益構造を目指しています。
  • グローバルな事業体制
    国内外に多数の子会社や関連会社を持ち、グループ全体で密接に連携しながら開発、生産、販売活動を行っています。特に海外売上高比率が約5割に達しており、世界中の市場で製品を提供することで、事業規模の拡大とリスク分散を図っています。
  • BtoBビジネスが中心
    同社の製品は、最終消費者向けの完成品ではなく、住宅、店舗、公共施設などの建設や改修に使われる部材や材料が中心です。これにより、幅広い建設関連企業や製造業を顧客とし、多様なニーズに応えることで安定的な需要を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 化成品事業
    売上高1,385億8,700万円、営業利益93億3,100万円。この事業では、主に外装・内装仕上塗材、塗り床材、各種接着剤、有機微粒子などを製造・販売しています。国内外のグループ会社が連携し、建設関連や産業用途など幅広い分野に製品を提供しており、グループの収益を支える柱の一つです。
  • 建装建材事業
    売上高1,101億900万円、営業利益225億3,500万円。この事業は、メラミン化粧板、化粧合板、室内用ドア、インテリア建材、カウンター、収納扉、不燃化粧材などを手掛けています。主に日本国内の住宅、店舗、公共施設などの建設・改修市場向けに製品を提供しており、グループ内で最も高い営業利益を上げています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ChemicalProducts 事業 1,386 93 6.7%
BuildingMaterials 事業 1,101 225 20.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|702 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社(アイカ工業株式会社)、子会社53社及び関連会社3社により構成されており、化成品、建装建材の製造及び販売を国内外のグループ各社が相互協力のもとに密接に連携し、化成品、建装建材の開発、生産及び販売活動を行っております。 事業の内容と当社、子会社及び関連会社の当該事業における位置づけ、ならびにセグメントとの関連は次のとおりであります。事業区分主要製品主要な会社化成品外装・内装仕上塗材、塗り床材、各種接着剤、有機微粒子、他当社、西東京ケミックス㈱、アイカインドネシア社、昆山愛克樹脂有限公司、瀋陽愛克浩博化工有限公司、アイカ・アジア・パシフィック・ホールディング社、アイカドンナイ社、アイカハチャイ社、アイカシンガポール社、アイカ広東社、アイカインドリア社、アイカニュージーランド社、アイカ南京社、アイカアドテック社、アイカタイケミカル社、ADBシーラント社エバモア・ケミカル・インダストリー社建装建材メラミン化粧板、化粧合板、室内用ドア、インテリア建材、カウンター、収納扉、不燃化粧材、押出成形セメント板、他当社、アイカインテリア工業㈱、アイカハリマ工業㈱、アイカテック建材㈱、アイカインドネシア社、テクノウッド社、マイカラミネート社、アイカ・ラミネーツ・インディア社、アイカ・ラミネーツ・ベトナム社、アイカ・アジア・ラミネーツ・ホールディング社、アイカウィルソナート・タイ社、アイカウィルソナート上海社 上記の事業区分・主要製品と、別記セグメント情報における事業区分・主要製品とは同一であります。  以上述べた事項を、事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
多数の競合が存在し、市場ニーズが多様化しているが、オリジナル性の高い技術開発を推進。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
オリジナル性の高い技術開発、コア技術の応用、M&Aによる技術共有化と活用。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:世界経済の変動によるリスク / 市場ニーズ・顧客ニーズの変化に関するリスク / 特定の部門における建設需要への依存度に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

アイカ工業は、建材、化成品、セラミックスなどの分野で長年培ってきた独自の配合技術やノウハウを強みとする。特にメラミン化粧板や不燃化粧板においては、高いブランド認知度と品質への信頼を確立しており、これが無形資産として機能している。長年の研究開発投資による特許取得も競争優位の源泉となっている。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

建築・内装業界において、アイカ工業の建材製品は、その品質、デザイン性、耐久性から長年にわたり採用実績を積み重ねている。一度採用された製品は、リピート発注や関連製品への展開が見込まれるため、顧客(ハウスメーカー、工務店、設計事務所など)にとって、他社製品への切り替えは、品質リスクや仕様確認の手間を伴う。特に、不燃認定などの法規制に関わる製品では、切り替えコストは無視できない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

アイカ工業の事業モデルは、直接的なネットワーク効果を生み出す性質のものではない。製品の価値は、個々の性能や品質に依存し、ユーザー数の増加によって製品自体の価値が向上するような構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

化学メーカーとして、原料調達力や生産効率の改善は継続的に行われていると考えられる。しかし、特定のニッチ分野に強みを持つ一方で、汎用化学品のような規模の経済による圧倒的なコスト優位性は限定的である。特殊な機能性材料においては、研究開発費や設備投資が先行するため、単純なコスト競争力というよりは、技術力による付加価値が重視される傾向にある。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

建材分野、特にメラミン化粧板や不燃化粧板においては、国内市場で高いシェアを誇っており、一定の効率規模の経済が働いていると考えられる。生産能力や販売網の広さが、競合他社に対する優位性の一因となっている。しかし、グローバル市場全体で見ると、大手化学メーカーと比較して規模の優位性は限定的である。

  • 技術開発力と製品多様性
    アイカ工業は、化成品と建装建材の両分野で独自の技術開発を進め、市場や顧客の多様なニーズに対応した製品を提供しています。安全・安心・健康・省エネルギー・環境に配慮した新製品開発に注力しており、これが競争力の源泉となっています。
  • グローバルな生産・販売網
    国内外に多数のグループ会社を展開し、グローバルな生産・調達体制と販売ネットワークを構築しています。これにより、各地域の市場特性に合わせた製品供給や、原材料調達の安定化を図ることができ、国際競争力を高めています。
  • M&Aによる事業拡大
    企業買収や資本提携を積極的に活用し、事業領域の拡大や収益性の向上を目指しています。コア技術の応用や他用途への展開、他地域への進出をM&Aを通じて加速させることで、持続的な成長と市場での優位性確立を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1)経営方針当社グループは、「挑戦と創造」を社是とし、「共生の理念のもと、たえざる革新により新しい価値を創造し、社会に貢献していく」ことを経営理念に掲げ、その下に「経営方針」「サステナビリティ方針」「行動規範」「アイカ10年ビジョン」「中期経営計画」「単年度会社方針」を定めています。「経営方針」は、以下の7項目で構成されており、様々な戦略の策定における基盤、指針となっています。 1. 化学とデザイン化学とデザインの力で独創性のある商品をつくり、豊かな社会の実現に貢献します。2. グループシナジー技術・素材連携やチャネル活用を追求し、グループシナジーを創出します。3. No.1事業分野や地域におけるNo.1商品を拡充します。4. グローバル海外における生産・販売拠点と人材の充実を図り、グローバル市場で持続的な成長を目指します。5. 人材と組織人材を最も重要な経営資源と捉え、相互理解と成長を通じ、活力あふれる人材・組織を形成します。6. コンプライアンス経営法令や社会秩序を守り、公正で透明性の高いコンプライアンス経営を実践します。7. 安心・安全への約束ステークホルダーとのコミュニケーションを重視し、「信頼される品質の確保」や「環境に配慮した事業活動」を推進します。 (2)経営環境当連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境は、日本国内においては、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などにより、景気は緩やかな回復基調で推移しました。アジア・オセアニア地域の経済につきましては、中国における不動産市況の停滞が続きましたが、東南アジアは観光業や個人消費の回復が進み、概ね堅調に推移しました。一方、エネルギーコストや原材料価格の高騰、為替・金利変動の影響に加えて、米国の関税政策の影響等により、国内外ともに先行きは不透明な状況で推移しました。国内建設市場においては、住宅市場では建築資材価格や運搬費・労務費等の上昇による住宅価格の高騰から、住宅取得マインドの低下が広がり、持家および戸建分譲が減少し、住宅着工戸数は前年を下回りました。非住宅市場では、インバウンド需要によるホテル・店舗の新築・改修需要が増加しましたが、医療福祉施設や倉庫などの需要が減少し、前年を下回りました。 翌連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境は、日本国内においては、賃上げによる消費者マインドの向上や設備投資の堅調な推移、インバウンド需要の拡大を背景に、緩やかな回復基調が続くと予想されます。一方、米国の関税政策、金利・為替の変動、物価上昇など、不透明な状況が続くと予想されます。国内建設需要につきましては、住宅着工は、住宅価格の高騰や住宅金利の上昇などにより、停滞気味で推移する見通しです。非住宅建設市場は、企業の設備投資に持ち直しの動きがみられ、堅調に推移することが予想されます。アジア・オセアニア地域の経済は、各国政府の政策の下支えにより前年を上回る成長率が期待できますが、米国の関税政策の影響、中国の不動産市場の回復動向などに留意する必要があります。なお、利益面においては、原材料価格が上昇した場合や過度な為替変動が生じた場合には、収益を圧迫する懸念があります。このような環境の中、当社グループでは引き続き中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」の方針に基づき、収益性の改善、成長事業の創出・育成、および気候変動対応や人的資本をはじめとした健全な経営基盤の構築に取組み、当社グループの持続的な成長とより一層の企業価値向上に努めてまいります。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①収益性・成長性の実績と将来像化成品国内・化成品海外・建装建材国内・建装建材海外の4つのマーケットにおけるそれぞれの課題を認識した上で、メリハリの効いた投資配分を行うとともに、適時適切に事業ポートフォリオを見直し、中期経営計画およびアイカ10年ビジョンの財務目標の達成に向けてさらに収益性を高めつつ、成長スピードを加速させます。化成品国内は、市場が成熟している上、近年の原材料価格の高騰により、収益性・成長性に課題がありましたが、改善傾向です。化成品海外は、償却が完了していない投資が多いため収益性・成長性ともに停滞感が見られますが、これまで行ってきた投資の効果がますます高まることによる改善を見込んでいます。建装建材国内は、高い収益性を保持しており、当社の収益の柱となっています。建装建材海外は、M&Aの効果もあり高い成長性を維持しているものの、中国不動産不況の影響により停滞感が見られます。 ②収益性の改善当社グループの今中期経営計画期間の最大の課題は、収益性の改善です。持続的に成長するためには、環境変化に強い筋肉質な体制を構築する必要があると考えています。持続的な利益創出力を重視する企業風土の醸成にさらに注力していくと同時に、商品ミックスの改善、コストダウンの推進、適正な売価設定、生産の最適化・効率化などを実行することで競争力を高めます。化成品国内は、汎用品の比率が高く競合企業が多いため、収益面で課題を抱えています。改善に向けて樹脂ごとの採算管理を強化して選択と集中による構造改革を進めるとともに、付加価値の高いAS商品※の開発・拡販に経営資源を集中します。収益の柱である建装建材国内については、顧客のニーズを捉えたことで確立した高収益なビジネスモデルを維持しつつ、そのノウハウ・技術を周辺領域に展開し新たな商品分野を開拓することで差別化を図ります。また、利益率が高く、トップシェア商品であるメラミン化粧板やセラールのシェアをさらに拡大し、商品ミックスを改善します。海外については化成品・建装建材ともに今後も伸長が期待できる市場であり、製造能力を増強してシェア拡大を図ります。特に化成品海外においては、アイカの強みが発揮できるフェノール樹脂やホットメルトなどの高付加価値商品を拡大させるとともに、原材料調達のグループシナジーを向上させることで収益性を引き上げます。建装建材海外は、日本からの技術移植や日本・中国・タイ・インドネシア・ベトナム・インドにおける生産拠点の最適化を推進し、グループシナジーを最大化します。また、成長が見込まれるハイエンド市場での差別化戦略を遂行し、各国における化粧板のシェア拡大を図ります。 ③成長事業の創出・育成企業の持続的な成長のためには、常に成長事業を創出し、ポートフォリオを組み替えていく必要があります。社会課題の解決や未開拓市場への進出・育成に注力し、化成品・建装建材、国内・海外ともに、バランスよく成長事業を創出し、持続的な成長基盤を構築します。 化成品セグメントにおいては、国内木工・家具市場の縮小、国内建設市場への依存などの課題を克服するため、成長市場である非建設分野と海外事業に引き続き注力します。創業以来、木工・家具、建設・施工市場で培った接着・接合技術を応用し、成長が見込める自動車、電子材料市場などの非建設分野のさらなる開拓を推し進めます。また、海外においては、投資効果やグループシナジーの最大化を図るとともに、現地のニーズを捉えた新商品を投入することで、経済成長が期待できるアジアの需要を取り込み、飛躍的な成長を目指します。 建装建材セグメントにおいては、国内・海外双方においてそれぞれの課題に応じた成長戦略を遂行します。メラミン化粧板国内トップシェアメーカーであるからこそ保有している技術資本・製造資本を最大限活用して市場の変化に柔軟に対応し、ニーズに即してポートフォリオを組み替えながら成長していきます。国内では、建設市場の縮小を見据えて、壁・床・天井など現場施工型商品の開発・拡販をさらに加速させます。木工・家具用のメラミン化粧板の技術を壁用のセラールに展開して市場の獲得に成功した経験を活かし、既存商品の用途をさらに広げることで、近年進出した床・天井市場でブランドを確立し、高収益ビジネスの拡大を図ります。海外では、経済発展に伴い高意匠化・高品質化が進むアジア市場に対して、日本のメラミン化粧板・セラール・加工品等の技術を展開することで、スピード感を持って事業拡大を図ります。積極的な投資を行い、生産拠点を最適な形へ整備することでアジア市場の需要を着実に取り込み、国内事業を上回る高い成長率で海外事業を拡大していきます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1)経営方針当社グループは、「挑戦と創造」を社是とし、「共生の理念のもと、たえざる革新により新しい価値を創造し、社会に貢献していく」ことを経営理念に掲げ、その下に「経営方針」「サステナビリティ方針」「行動規範」「アイカ10年ビジョン」「中期経営計画」「単年度会社方針」を定めています。「経営方針」は、以下の7項目で構成されており、様々な戦略の策定における基盤、指針となっています。 1. 化学とデザイン化学とデザインの力で独創性のある商品をつくり、豊かな社会の実現に貢献します。2. グループシナジー技術・素材連携やチャネル活用を追求し、グループシナジーを創出します。3. No.1事業分野や地域におけるNo.1商品を拡充します。4. グローバル海外における生産・販売拠点と人材の充実を図り、グローバル市場で持続的な成長を目指します。5. 人材と組織人材を最も重要な経営資源と捉え、相互理解と成長を通じ、活力あふれる人材・組織を形成します。6. コンプライアンス経営法令や社会秩序を守り、公正で透明性の高いコンプライアンス経営を実践します。7. 安心・安全への約束ステークホルダーとのコミュニケーションを重視し、「信頼される品質の確保」や「環境に配慮した事業活動」を推進します。 (2)経営環境当連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境は、日本国内においては、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などにより、景気は緩やかな回復基調で推移しました。アジア・オセアニア地域の経済につきましては、中国における不動産市況の停滞が続きましたが、東南アジアは観光業や個人消費の回復が進み、概ね堅調に推移しました。一方、エネルギーコストや原材料価格の高騰、為替・金利変動の影響に加えて、米国の関税政策の影響等により、国内外ともに先行きは不透明な状況で推移しました。国内建設市場においては、住宅市場では建築資材価格や運搬費・労務費等の上昇による住宅価格の高騰から、住宅取得マインドの低下が広がり、持家および戸建分譲が減少し、住宅着工戸数は前年を下回りました。非住宅市場では、インバウンド需要によるホテル・店舗の新築・改修需要が増加しましたが、医療福祉施設や倉庫などの需要が減少し、前年を下回りました。 翌連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境は、日本国内においては、賃上げによる消費者マインドの向上や設備投資の堅調な推移、インバウンド需要の拡大を背景に、緩やかな回復基調が続くと予想されます。一方、米国の関税政策、金利・為替の変動、物価上昇など、不透明な状況が続くと予想されます。国内建設需要につきましては、住宅着工は、住宅価格の高騰や住宅金利の上昇などにより、停滞気味で推移する見通しです。非住宅建設市場は、企業の設備投資に持ち直しの動きがみられ、堅調に推移することが予想されます。アジア・オセアニア地域の経済は、各国政府の政策の下支えにより前年を上回る成長率が期待できますが、米国の関税政策の影響、中国の不動産市場の回復動向などに留意する必要があります。なお、利益面においては、原材料価格が上昇した場合や過度な為替変動が生じた場合には、収益を圧迫する懸念があります。このような環境の中、当社グループでは引き続き中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」の方針に基づき、収益性の改善、成長事業の創出・育成、および気候変動対応や人的資本をはじめとした健全な経営基盤の構築に取組み、当社グループの持続的な成長とより一層の企業価値向上に努めてまいります。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①収益性・成長性の実績と将来像化成品国内・化成品海外・建装建材国内・建装建材海外の4つのマーケットにおけるそれぞれの課題を認識した上で、メリハリの効いた投資配分を行うとともに、適時適切に事業ポートフォリオを見直し、中期経営計画およびアイカ10年ビジョンの財務目標の達成に向けてさらに収益性を高めつつ、成長スピードを加速させます。化成品国内は、市場が成熟している上、近年の原材料価格の高騰により、収益性・成長性に課題がありましたが、改善傾向です。化成品海外は、償却が完了していない投資が多いため収益性・成長性ともに停滞感が見られますが、これまで行ってきた投資の効果がますます高まることによる改善を見込んでいます。建装建材国内は、高い収益性を保持しており、当社の収益の柱となっています。建装建材海外は、M&Aの効果もあり高い成長性を維持しているものの、中国不動産不況の影響により停滞感が見られます。 ②収益性の改善当社グループの今中期経営計画期間の最大の課題は、収益性の改善です。持続的に成長するためには、環境変化に強い筋肉質な体制を構築する必要があると考えています。持続的な利益創出力を重視する企業風土の醸成にさらに注力していくと同時に、商品ミックスの改善、コストダウンの推進、適正な売価設定、生産の最適化・効率化などを実行することで競争力を高めます。化成品国内は、汎用品の比率が高く競合企業が多いため、収益面で課題を抱えています。改善に向けて樹脂ごとの採算管理を強化して選択と集中による構造改革を進めるとともに、付加価値の高いAS商品※の開発・拡販に経営資源を集中します。収益の柱である建装建材国内については、顧客のニーズを捉えたことで確立した高収益なビジネスモデルを維持しつつ、そのノウハウ・技術を周辺領域に展開し新たな商品分野を開拓することで差別化を図ります。また、利益率が高く、トップシェア商品であるメラミン化粧板やセラールのシェアをさらに拡大し、商品ミックスを改善します。海外については化成品・建装建材ともに今後も伸長が期待できる市場であり、製造能力を増強してシェア拡大を図ります。特に化成品海外においては、アイカの強みが発揮できるフェノール樹脂やホットメルトなどの高付加価値商品を拡大させるとともに、原材料調達のグループシナジーを向上させることで収益性を引き上げます。建装建材海外は、日本からの技術移植や日本・中国・タイ・インドネシア・ベトナム・インドにおける生産拠点の最適化を推進し、グループシナジーを最大化します。また、成長が見込まれるハイエンド市場での差別化戦略を遂行し、各国における化粧板のシェア拡大を図ります。 ③成長事業の創出・育成企業の持続的な成長のためには、常に成長事業を創出し、ポートフォリオを組み替えていく必要があります。社会課題の解決や未開拓市場への進出・育成に注力し、化成品・建装建材、国内・海外ともに、バランスよく成長事業を創出し、持続的な成長基盤を構築します。 化成品セグメントにおいては、国内木工・家具市場の縮小、国内建設市場への依存などの課題を克服するため、成長市場である非建設分野と海外事業に引き続き注力します。創業以来、木工・家具、建設・施工市場で培った接着・接合技術を応用し、成長が見込める自動車、電子材料市場などの非建設分野のさらなる開拓を推し進めます。また、海外においては、投資効果やグループシナジーの最大化を図るとともに、現地のニーズを捉えた新商品を投入することで、経済成長が期待できるアジアの需要を取り込み、飛躍的な成長を目指します。 建装建材セグメントにおいては、国内・海外双方においてそれぞれの課題に応じた成長戦略を遂行します。メラミン化粧板国内トップシェアメーカーであるからこそ保有している技術資本・製造資本を最大限活用して市場の変化に柔軟に対応し、ニーズに即してポートフォリオを組み替えながら成長していきます。国内では、建設市場の縮小を見据えて、壁・床・天井など現場施工型商品の開発・拡販をさらに加速させます。木工・家具用のメラミン化粧板の技術を壁用のセラールに展開して市場の獲得に成功した経験を活かし、既存商品の用途をさらに広げることで、近年進出した床・天井市場でブランドを確立し、高収益ビジネスの拡大を図ります。海外では、経済発展に伴い高意匠化・高品質化が進むアジア市場に対して、日本のメラミン化粧板・セラール・加工品等の技術を展開することで、スピード感を持って事業拡大を図ります。積極的な投資を行い、生産拠点を最適な形へ整備することでアジア市場の需要を着実に取り込み、国内事業を上回る高い成長率で海外事業を拡大していきます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況<資産>当連結会計年度末における流動資産は179,554百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,933百万円増加いたしました。これは主に有価証券が6,096百万円増加したことによるものであります。固定資産は108,503百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,385百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が7,013百万円増加したことに対し、無形固定資産が1,042百万円減少したことによるものであります。この結果、総資産は、288,058百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,318百万円増加いたしました。 <負債>当連結会計年度末における流動負債は62,775百万円となり、前連結会計年度末に比べ47百万円減少いたしました。これは主に流動負債その他が1,980百万円増加したことに対し、電子記録債務が703百万円、未払法人税等が756百万円、未払消費税等が388百万円、賞与引当金が297百万円減少したことによるものであります。固定負債は35,559百万円となり、前連結会計年度末に比べ186百万円増加いたしました。これは主に繰延税金負債が642百万円増加したことに対し、長期借入金が546百万円減少したことによるものであります。この結果、負債合計は、98,334百万円となり、前連結会計年度末に比べ138百万円増加いたしました。 <純資産>当連結会計年度末における純資産合計は189,723百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,180百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が9,470百万円(親会社株主に帰属する当期純利益が16,896百万円及び剰余金の配当が7,426百万円)、為替換算調整勘定が7,494百万円、自己株式が3,985百万円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は60.2%(前連結会計年度末は58.9%)となりました。 <売上高>当連結会計年度の売上高は248,696百万円となり、前連結会計年度と比べ5.1%増加いたしました。 <売上総利益>経営資源の効率的な活用に一層の努力を続けるとともに、グループ一丸となって業務改革を推進し、生産効率の向上に努めました。この結果、売上総利益は67,906百万円となり、前連結会計年度と比べ5.9%増加いたしました。 <販売費及び一般管理費、営業利益>販売費及び一般管理費は、給料及び賞与や減価償却費等の増加により、1,644百万円増加し、40,497百万円となりました。この結果、営業利益は27,408百万円となり、前連結会計年度と比べ8.4%増加いたしました。 <営業外収益、営業外費用、経常利益>営業外収益は618百万円増加の2,596百万円、営業外費用は207百万円増加の1,336百万円となりました。この結果、経常利益は28,668百万円となり、前連結会計年度と比べ9.7%増加いたしました。 <税金等調整前当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益>税金等調整前当期純利益は27,250百万円となり、前連結会計年度と比べ5.7%増加いたしました。また、法人税、住民税及び事業税が710百万円減少の8,350百万円となったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は16,896百万円となり、前連結会計年度と比べ11.6%増加いたしました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、2,812百万円増加し、62,450百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるネットキャッシュ・フローは、26,751百万円の資金増加(前連結会計年度は28,482百万円の資金増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が27,250百万円(同25,784百万円)、減価償却費が8,122百万円(同7,070百万円)等の増加要因があったことに対し、法人税等の支払額9,305百万円(同8,540百万円)等の減少要因があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるネットキャッシュ・フローは、11,121百万円の資金減少(同7,574百万円の資金減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出8,265百万円(同8,475百万円)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,457百万円(同266百万円)等の減少要因があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるネットキャッシュ・フローは、16,790百万円の資金減少(同11,167百万円の資金減少)となりました。これは主に、配当金の支払額7,428百万円(同7,105百万円)、自己株式の取得による支出4,000百万円(同2百万円)等の減少要因があったことによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)前年同期比(%)化成品119,932106.5建装建材74,293100.6合計194,226104.1(注)金額は売価換算値によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。 b.受注実績  当社グループは主として見込み生産を行っているため、記載すべき事項はありません。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)前年同期比(%)化成品138,587106.4建装建材110,109103.6合計248,696105.1(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループは、化成品セグメントにおいては、人々の暮らしや社会インフラを支える建設分野向け樹脂の高付加価値化を進めつつ、自動車・日用品・電子材料など非建設分野で成長していくことを目指し、建装建材セグメントにおいては、木工家具市場ならびに、壁・床・天井・加工品への事業領域拡大で空間全体への提案力を高めつつ、ジャパンテクノロジーの海外展開を推進し、国内外で成長することを目指しております。2017年4月には、創立90周年を迎える2026年度に目指すべき姿「アイカ10年ビジョン」を策定し、売上高3,000億円、経常利益300億円、ROE10%以上、海外売上高比率45%以上といった長期目標を掲げております。2023年度からは、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」に取り組んでおります。その基本方針は、「収益性の改善」、「成長事業の創出・育成」、「健全な経営基盤の構築」です。財務面においては、化成品・建装建材の両セグメントで、付加価値の向上と適正な投資配分を行い、市場特長と投下資本に応じた利益率水準を目指しております。また、成長が見込めるマーケットや、当社の強みを発揮できるマーケットへ積極的に成長投資を行い、持続的成長を牽引できる新たな収益の柱を創出・育成しております。さらに、財務健全性の維持、資本効率の向上、株主還元の重視、この3つのバランスを取りつつ、グループ資本配分を最適化し、企業価値の向上を目指しております。資本コストを上回るROE・ROICを創出して株主価値向上のためのエクイティ・スプレッドを獲得することを目指し、株主還元と投資計画を支える稼ぐ力(営業キャッシュ・フロー)の向上に努めております。非財務面では、特に「気候変動対応」、「人的資本投資」に注力することで、持続的な成長とより一層の企業価値向上に努めております。具体的な目標と現在の状況は、以下の通りであります。項目前中期経営計画中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」2023年3月期実績2024年3月期実績2025年3月期実績2027年3月期目標財務売上高2,420億円2,366億円2,486億円3,000億円経常利益220億円261億円286億円300億円AS商品売上高※1※5193億円217億円241億円280億円海外売上高比率51.2%47.8%48.0%50%以上ROE6.9%9.9%10.1%10%以上ROIC8.1%8.9%9.6%9%以上非財務GHG※2排出量削減(Scopel+2)150,671t-CO2※32023年3月期比1.8%削減2023年3月期比7.7%削減見込※42023年3月期比14%削減環境投資額-2.9億円4.4億円(2年累計7.3億円)4年累計20億円人的資本投資額※58.7億円9.9億円11.4億円(2年累年21.3億円)4年累計40億円エンゲージメントスコア3.9ポイント-※63.97ポイント4.0ポイント以上※1 AICA Solution 商品の略。様々な社会課題を解決する商品※2 温室効果ガス(Greenhouse Gas)の略称※3 数値の集計精度の向上のため、数値を遡及して修正※4 第三者保証取得前※5 アイカ工業単体※6 2年に一度の実施のため実績なし 当連結会計年度の実績は以下のとおりであります。 当連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境は、日本国内においては、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などにより、景気は緩やかな回復基調で推移しました。アジア・オセアニア地域の経済につきましては、中国における不動産市況の停滞が続きましたが、東南アジアは観光業や個人消費の回復が進み、概ね堅調に推移しました。一方、エネルギーコストや原材料価格の高騰、為替・金利変動の影響に加えて、米国の関税政策の影響等により、国内外ともに先行きは不透明な状況で推移しました。国内建設市場においては、住宅市場では建築資材価格や運搬費・労務費等の上昇による住宅価格の高騰から、住宅取得マインドの低下が広がり、持家および戸建分譲が減少し、住宅着工戸数は前年を下回りました。非住宅市場では、インバウンド需要によるホテル・店舗の新築・改修需要が増加しましたが、医療福祉施設や倉庫などの需要が減少し、前年を下回りました。このような経営環境の下、当社グループは、中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」の方針に基づき、 収益性の改善、成長事業の創出・育成、健全な経営基盤の構築などを推進いたしました。この結果、当連結会計年度の業績は、売上高248,696百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益27,408百万円 (同8.4%増)、経常利益28,668百万円(同9.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益16,896百万円(同 11.6%増)となりました。また、1株当たり当期純利益は266.36円(同29.76円増)、ROEは10.1%(同0.2ポイント増)、海外売上比率は48.0%(同0.2ポイント増)となりました。なお、財政状態につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりであります。 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については次のとおりであります。なお、セグメント間の内部売上は除いております。 (化成品セグメント)接着剤系商品は、国内においては、合板用接着剤や集成材用接着剤が低迷したものの、自動車用のホットメルトが伸長し、施工用接着剤や木工・家具用接着剤なども堅調に推移したことから、売上を伸ばすことができました。海外においては、ベトナムやマレーシアなどで好調に推移し、売上を伸ばすことができましたが、シンガポール工場の閉鎖に伴う一時的な影響などにより利益は前年を下回りました。建設樹脂系商品は、塗り床材「ジョリエース」や水性硬質ウレタン樹脂系塗り床材「アイカピュール」が半導体工場、燃料電池工場、データセンターなどのニーズを捉えて好調に推移したことから、売上を伸ばすことができました。非建設分野への取り組みとして注力している機能材料事業は、国内においては、電子材料用・自動車用の高機能フィルム「ルミアート」や工業用の有機微粒子などが好調で、売上を伸ばすことができました。海外においては、中国では苦戦したものの台湾やベトナムで好調に推移し、売上を伸ばすことができ、高付加価値品の販売促進などにより利益も伸ばすことができました。この結果、売上高は138,587百万円(前年同期比6.4%増)、営業利益(配賦不能営業費用控除前)は9,331百万円(前年同期比0.6%増)となりました。 (建装建材セグメント)メラミン化粧板は、国内においては、高付加価値商品の伸長に加え、インバウンド需要の拡大や国内シェアNo.1のブランド力を活かした商品戦略により好調に推移し、売上が前年を上回りました。また、新規市場開拓に向けた戦略的商品として注力している床材「メラミンタイル」も着実に売上を伸ばすことができました。海外においては、タイやインドネシアなどで好調に推移しましたが、中国は不動産不況により低調に推移したことから、売上が前年を下回りました。ボード・フィルム類は、シート合板や柄物のポリエステル化粧合板が低調に推移しましたが、ラインナップを拡充した粘着剤付化粧フィルム「オルティノ」が好調に推移し、売上が前年を上回りました。メラミン不燃化粧板「セラール」は、店舗、ホテル、駅などの非住宅市場での需要を獲得するとともに高意匠メラミン不燃化粧板「セラール セレント」や抗ウイルスメラミン不燃化粧板「セラールウイルテクトPlus」などの高付加価値品の採用が拡大し、売上が前年を上回りました。不燃建材は、市場に従来存在しなかったサイズを展開したアクリル樹脂系塗装けい酸カルシウム板「ルナライト」が店舗、工場、教育施設で好調に推移しましたが、押出成形セメント板「メース」などが苦戦し、売上が前年を下回りました。住器建材は、造作風洗面化粧台「スマートサニタリー」や高級人造石「フィオレストーン」が好調で、売上を伸ばすことができました。スマートサニタリーは、求めやすい価格帯で、オーダーメイドのような高い自由度と意匠性が好評を博し、お施主さまのショールームへの来場が増加していました。そのため、東京・名古屋・大阪・福岡のショールームでスマートサニタリーの展示コーナーを拡充し、拡販を進めました。この結果、売上高は110,109百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益(配賦不能営業費用控除前)は22,535百万円(前年同期比10.8%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度末の借入金残高は11,081百万円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、将来必要とされる成長資金及び有利子負債の返済に対し、当面充分な流動性を確保しております。また、2022年4月において2027年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を発行しております。なお、当社グループのこれらの資金需要につきましては、主に営業活動によるキャッシュ・フローによって賄っております。また、事業活動を円滑に行うための資金調達に際しては、事前に充分な検討を加え、低コストで安定的な資金の確保を重視しており、今後において資金需要が発生する場合に備えております。また、キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ・のれん及び無形資産(顧客関連資産等)の減損 減損の兆候を判断するにあたっては、損益実績及び将来利益計画を用いております。 のれん及び無形資産(顧客関連資産等)を計上する法人各社については、減損の兆候を識別し、減損損失の認識の判定を行った結果、減損が必要と判断された場合、または年次で実施される減損テストにおいて、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識しております。なお、回収可能価額は主として使用価値によって算定しております。 事業環境の悪化により収益性が当初の想定を下回る場合や保有資産の市場価額等が下落する場合には、回収可能価額が低下し損失が発生する可能性があります。

事業リスク

  • 世界経済の変動リスク
    アイカ工業は海外売上高比率が約5割と高く、グローバルに事業を展開しているため、各国の景気変動、法令・税制変更、地政学リスク(戦争、政変、テロなど)が経営成績や財政状態に大きな影響を与える可能性があります。特に、通商政策の変更による関税措置や貿易摩擦の激化は、サプライチェーンに影響を及ぼし、製品コスト上昇や市場アクセス制限につながる恐れがあります。
  • 市場・顧客ニーズの変化
    化成品、建装建材の各市場には多数の競合が存在し、市場ニーズや顧客ニーズは常に変化しています。これらの変化への対応が遅れると、販売シェアの低下、販売価格の下落、滞留在庫の増加などが発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。常に競争力のある新製品開発が求められます。
  • 建設需要への依存度
    建装建材部門の製品や化成品部門の一部の製品は、主に日本国内の住宅、店舗、公共施設などの建設・改修需要に依存しています。そのため、国内の建設需要が減少した場合、これらの部門の売上が減少し、グループ全体の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。非建築分野への事業転換も進めていますが、依然として建設市場の影響は無視できません。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|8,376 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、事業等のリスクについてはこれらに限られるものではありません。 (1)世界経済の変動によるリスク 当社グループは、グローバルに事業を展開しており、連結ベースでの海外売上高比率は約5割に達しております。また、生産・調達のグローバル化も進んでおります。そのため、事業活動を行っている、または原材料を調達している各国、各地域において、景気、物価等の経済状況の変動や、予期しない法令・税制・規制の変更、天変地異や労務問題、戦争、政変、テロ、経済摩擦等の地政学リスクに伴う需要の減少や事業活動の停止等が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。合わせて、特定国による急激な関税措置の導入といった通商政策の変更や保護主義的な政策の導入により貿易摩擦が激化した場合、当社グループのサプライチェーンに直接的・間接的に影響が及び、製品コストの上昇や市場アクセスの制限を招き、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、外部の第三者機関等を通じて経済状況、各国の政治状況等をモニタリングするとともに、本社と各海外統括会社が連携支援し、各国、各地域のリスク関連情報や各国法規制動向の把握及び分析を行い、各国、各地域における個々のリスクが顕在化する兆候を早期に把握するよう努めております。また、海外統括会社を通じた現地ガバナンスの強化、ローカル経営人材やローカルパートナーの活用をしております。 (2)市場ニーズ・顧客ニーズの変化に関するリスク 当社グループが事業展開を行う、化成品、建装建材の各セグメントや各国、各地域においては、多数の競合会社が存在しております。また、市場ニーズ及び顧客ニーズが多様化しており、求められる製品は常に変化し続けています。この競争の激化やニーズの変化への対応の遅れにより、販売シェアの低下や販売価格の低下、滞留在庫の増加等が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、オリジナル性の高い技術開発を進め、安全・安心・健康・省エネルギー・環境等に配慮し、市場ニーズや顧客ニーズにマッチした競争力のある新製品の開発を推進しております。また、依存市場の分散化を図るべく、コア技術の応用やM&A等を活用して、他用途への展開、他地域への進出等に注力しております。更に、次世代要素技術の蓄積・創出のために産官学連携を活性化するとともに、M&A・提携による技術の共有化と活用、ステークホルダーとの関係強化による技術・営業人材の育成、組織としての技術開発力の強化を通じて、大型新製品開発を推進しております。 (3)特定の部門における建設需要への依存度に関するリスク 当社製品は、最終製品ではなく部材に特化しているとともに、幅広い分野に浸透しているため、当社グループの業績は、特定の市場環境による大きな影響を受けにくくなっております。ただし、当社製品の中で売上構成比の高い建装建材部門の製品は、主に日本国内の住宅、店舗、公共施設等の建設及び改修において使用されております。また、化成品部門における外装・内装仕上塗材、塗り床材についても国内の建設資材として使用されております。このため、日本国内の住宅、店舗、公共施設等の建設需要及び改修需要が減少した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、建装建材部門では既存製品の競争力を維持しつつ、主力である木工・家具にとどまらず、壁・床・天井など空間をトータル提案できる製品を育成することで新しい市場、新しい用途を開拓し、持続的な成長を目指しています。また、非建築分野向け事業である機能材料事業への経営資源の投入に注力し、建設需要及びリフォーム・改修需要に左右されない体質へと転換していきます。機能材料事業では、好調な伸びが見込まれる自動車・エレクトロニクス・日用品の市場をターゲットに、ホットメルト・UV樹脂・ウレタン樹脂・高機能フィルムといった育成製品を投入して飛躍的成長を目指しております。 (4)企業買収等の資本提携に関するリスク 当社グループは、事業の拡大や収益性向上の有効な手段の一つとして企業買収等の資本提携を積極的に実施しております。企業買収等の資本提携の実施後に当社グループが認識していない問題が明らかになった場合や、買収先企業や提携先企業を取り巻く事業環境が著しく変化し期待された利益やシナジー効果が得られなかった場合には、発生したのれんについて減損損失が計上される可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、買収対象企業や提携先企業に対する入念な調査や価値評価、取締役会での十分な審議、契約の締結等を実施しております。また、外部の専門家を適宜起用するとともに、案件執行能力を備えた社内の人材育成にも努めております。投資後は、各企業の業績等を分析し、情報の共有化を図り、シナジーの最大化や問題点の早期対処に努めております。 (5)主要原材料の価格変動、供給不足に関するリスク 当社グループは、コストダウンと調達の安定性のバランスを念頭において事業を行っておりますが、原油・ナフサ価格等の高騰、世界情勢の変化による原材料の需給バランスの不均衡等により主要原材料価格や燃料価格の高騰が進んだ場合、及び供給メーカーの方針転換やプラントトラブル、被災等により特定原材料の調達が困難となり生産活動に支障をきたした場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、複数購買の実施、取引先とのコミュニケーション、グループ間の連携等を図り、安定的な供給体制の構築に努めております。 (6)製品・サービスの品質、製造物責任に関するリスク 当社グループは、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001に従って各種製品を製造・出荷しておりますが、全ての製品について欠陥が無く将来クレームが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償保険に加入しておりますが、万一、製造物責任賠償保険で充分に填補できない製品の欠陥による損失が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、開発・設計段階における社内試験を充実することに加え、必要に応じて外部の第三者機関による試験を行い、製品の品質を維持し、欠陥の発生を最小限にするとともに、不具合のある製品の流出防止策を講じております。 (7)設備の改廃、用地の制限に関するリスク 当社グループの事業運営においては、多種多様な工場用地・機械・設備・ユーティリティを使用しております。突然の設備故障により生産停止等が発生した場合、また、借地使用の延長契約が進まない事態になった場合、生産量の減少や修繕コスト・移転コストの増加等で、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、日頃から設備メンテナンスに注力し、不意の故障を予防し、借地に関する交渉窓口との円滑なコミュニケーションを図り、また、必要な投資を行い、生産活動に支障をきたすことのないよう取り組んでおります。 (8)知的財産の流出、他社権利の侵害に関するリスク 当社グループが保有する知的財産が外部へ流出した場合や不正に利用された場合、または見解の相違等により意図せず他社の知的財産を侵害したと判断された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、知的財産の情報管理を徹底するとともに、当社技術の適切な特許登録を実施し、流出や不正利用防止を図っています。また、製品開発においては事前の調査を徹底し、他社の特許を侵害しないよう対策を講じております。 (9)物流網の能力不足、物流費の高騰に関するリスク 日本国内においては、ドライバーの労働環境の改善や労働人口の減少に伴う人手不足の深刻化により物流需給がひっ迫しています。また、国内・海外ともに、燃料価格の高騰、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機とした人々のライフスタイルの変容による物流量の増加、コンテナ不足、運輸・物流業界におけるストライキ、予期しない法令・税制・規制の変更、天変地異、事故、経済摩擦等により物流網が混乱するケースが頻発しています。このような背景から、当社グループの原材料や製品の輸送手段が不足する、あるいは物流コストが大幅に上昇するなどし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、国内においては、協力企業の拡充、ITシステムの活用、物流拠点の拡充等を行い、輸送業務の最適化を図っております。また、代理店システムが構築されており、市中在庫が各代理店に分散して存在し、リスク分散機能を担っています。海外においては、グループ各社での情報共有、原材料の確保協力等を行っております。効率的な輸送方法と在庫の最適化を追求し物流コストを抑制するとともに、多様な輸送手段を確保し製品供給責任を果たしてまいります。 (10)納期管理に関するリスク 当社グループは、販売先からの受注に対して定められた契約に基づいて納品するように対応しております。しかしながら、競業企業の生産能力の変化等の影響を受け、供給能力を超えた受注を抱え、納期遅延等が発生した場合には、対応に多額の費用負担が生じる、あるいは社会的信用が低下することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、販売部門、生産部門、物流部門において適切な生産管理と情報の共有化を図り、納期遅延等が発生しないよう努めております。 (11)取引先の信用に関するリスク 当社グループは、国内外の様々な企業と取引をしております。取引先の財政状態の悪化や経営破綻、後継者問題による廃業等が発生した場合、予期せぬ貸倒損失の発生、販売機会の損失等が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、信用リスクに応じた取引限度額の設定、担保や保証の取り付け、引当金 の設定等の対策を実施しております。また、取引条件は定期的な信用調査を基にリスクを勘案して設定するよう努めております。更に、当社グループの売上は国内外多数の顧客に分散しておりますが、更なる分散化 を図るべく、コア技術の応用やM&A等を活用して、他用途への展開、他地域への進出等に注力しております。 (12)財務・税務に関するリスク 当社グループは、事業展開を行っている各国の税法に準拠し適正な納税を行っておりますが、税務申告における税務当局との見解の相違等により、追加での税負担が生じる可能性があります。また、グループ会社間の取引価格に関しては、各国の移転価格税制や関税法の観点から適切な取引価格となるように注意を払っておりますが、税務当局または税関当局との見解の相違等により、取引価格が不適切であるとの指摘を受け追加の税負担が生じる可能性があります。これらの税務上の指摘が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、外部専門家の助言による移転価格文書の整備を行い、各拠点と情報交換し各国の税制改正の情報を事前に把握し影響を見極め、問題の発生を回避することに努めております。 (13)為替相場の変動に関するリスク 当社グループが行っている製品の販売及び投資活動等のうち、外国通貨建ての取引については、外国為替の変動による影響を受けることがあります。こうした外国為替のリスクを一定程度まで低減するよう為替予約等によるヘッジ策を講じておりますが、必ずしも完全に回避できるものではありません。また、当社は海外に多くのグループ会社が存在しており、各社の財務諸表を円貨に換算する際に、為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、先物為替予約を締結しリスクを軽減し、単一の通貨による変動影響を可能な限り減らすため、ポートフォリオの最適化に努めております。 (14)大規模災害や事故の発生に関するリスク 想定外の大規模災害や事故、感染症の流行等が発生した場合、事業所の機能停止、原材料調達の遅延、製造設備の損壊等の被害が、事業活動の継続に影響を及ぼし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、危機管理規程に基づき、大規模災害や事故、感染症の流行等により重要な事業を中断させないこと、また万一、事業活動が中断した場合においても残存する能力で目標復旧時間までに重要な事業を再開させることを目的に、事業継続計画(Business Continuity Plan:BCP)を策定し、緊急時の対応を即座に行えるよう準備・訓練するとともに、複数購買や生産拠点の複数化、大規模地震に備えた耐震工事、水害に備えた浸水対策工事等を行いできるだけ影響が少なくなるように努めております。 (15)環境保全に関するリスク 化成品、建装建材各セグメントの製品を製造する過程で使用される原材料の中には、人の健康や生態系に影響を与える物質も含まれております。また、処理委託した産業廃棄物が適正に処理されないことも想定されます。万一、当社グループの事業活動に起因する環境汚染が発生した場合には、対応に多額の費用負担が生じる、あるいは社会的信用が低下することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、環境保全に係る法規制を遵守し、ISO14001を基に環境マネジメントシステムを構築し、環境負荷の低減に取り組むとともに、土壌汚染、水質汚染等の環境汚染防止に取り組んでおります。 (16)気候変動に関するリスク 気候変動にともない、(1)予想を超えるような台風や洪水、猛暑等の気象災害が発生した場合には、事業所の機能停止、製造設備の損壊等の被害により事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。また、平均気温の上昇、降雨量の変化による水資源への影響等が徐々に進行した場合、当社グループがおかれる事業環境が変化し、運用コストの増加につながる可能性があります。一方で、(2)低炭素社会への移行の状況により、ステークホルダーから温室効果ガス削減製品の要請が増大し、新規技術導入での設備投資額の増加、原材料価格の上昇が引き起こされる可能性も想定されます。気候変動の緩和に向けた規制が強化され、それに適切に対処できなかった場合、操業規制を受け、新たな税負担や、再生可能エネルギーへのシフトに伴う費用、生産設備の高効率化に伴う設備投資額の増加等につながる可能性もあります。それらは、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、上記(1)の気候変動に伴い物理的に発生するリスクに対しては、「BCP分科会」により、分析・モニタリング・予防対策の推進・取締役会への報告を行っております。また、上記(2)の低炭素社会移行に伴うリスクに対しては、サステナビリティ推進委員会の内部組織として設置した「気候変動問題対応分科会」で温室効果ガス排出量の削減策について検討・実行し、その進捗を取締役が参加する「サステナビリティ推進会議」で半期に一度報告することに加え、社長が参加する「開発テーマ会議」において気候変動に関するテーマを取り扱い、商品の低炭素化を図ることで、中長期的視点で本リスクへの対策を講じております。 (17)人的資本に関するリスク<人材確保・育成に係るリスク> 当社グループが持続的に事業を発展させるためには、製造、販売、開発、経営、IT等、それぞれの分野で専門知識に精通した人材やマネジメント能力に優れた多様な人材を確保し、継続的に育成していくことが必要となります。また、海外事業を更に展開していくうえでは、優秀な現地人材を確保し、日本と海外とを結ぶグローバル人材を確保・育成する必要があります。しかしながら、特に日本国内においては少子高齢化に伴う労働人口の減少等もあり、必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、人材獲得や育成が計画通りに進まないことにより当社グループの事業活動が制限される場合があります。また、経済発展が著しい海外においては、人材獲得市場における競争が高まっています。それら人材確保・育成に係る状況は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、日本においては新卒採用や経験者の中途採用を積極的に進めるとともに、人事・教育制度を充実させ、多様な社員が活躍できる環境づくりに努めています。海外においては、ローカル人材を積極的に登用するとともに、各国の労働慣行を尊重し、権限と義務を明確にすることで高いモチベーションが維持できる環境づくりに努めています。<人体に影響を及ぼすリスク> 当社グループで、設備やオペレーションに起因した労働災害が発生したり、労務環境が悪化し健康被害が発生した場合には、社員の心身の健康に影響を及ぼし、労働生産性の低下や人材流出につながり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、従業員の安全と健康を最優先に考え、労働安全衛生活動や健康経営に継続的に取り組んでいます。 (18)情報セキュリティ・ITインフラに関するリスク 当社グループは、事業遂行に関連し、多くの個人情報や機密情報を有しているほか、様々なシステムやネットワークを利用しています。悪意のある第三者によるサイバー攻撃、ウイルスによる処理機器の事故が発生した場合、情報の流出・漏洩・改ざん、ランサムウェアのような悪意のあるプログラムの侵入が発生する可能性があります。また、天災等によるシステムインフラの停止等が発生した場合、重要な業務の停止や遅延が発生する可能性があります。このような事態が発生した場合、対応に多額の費用負担が生じ、あるいは社会的信用が低下することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、「アイカグループ情報セキュリティ基本原則」の遵守、情報管理規程による社内ルールの徹底、システムの二重化、データバックアップシステム構築等により、情報漏洩対策及び重要な業務の停止リスクの低減に努めております。 (19)コンプライアンスに関するリスク 当社グループは、事業展開をするうえで各国の法律、許認可等さまざまな法的規制の適用を受けています。これら法令等の改正や規制の強化により、当社グループの事業活動が制限される、あるいは遵守するためのコストが増加する場合があります。また、法令等に違反した場合や社会規範に反した行動等により、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受け、またはこれらに加え社会的信用が低下することで、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 このような状況に対処するため、当社グループは 「アイカグループ行動規範」において、各国・各地域の法令等を遵守し、人権尊重、環境への配慮、腐敗防止など、高い倫理観にもとづく行動を徹底することを定め、予期せぬ損失や信用の低下を防止すべく、役員・従業員に対する研修や規定の策定・周知を通じコンプライアンス意識の向上を図り、法令や社会規範に反した行為等の発生可能性を低減するよう努めています。

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