研究開発活動(本文)
FY2025|3,433 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックス、メディカルのそれぞれの事業部門で定めた狙いに対して、基礎研究や応用技術から新規事業の開拓まで、先端技術で際立つための研究・開発を進めた。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、44,249百万円である。また、各セグメント別の研究開発内容及び研究開発費は次のとおりである。(1) 住宅事業 住宅事業では、「地球環境にやさしく、60年以上安心して快適に住み続けることのできる住まいの提供」という事業ミッションのもと、新築住宅分野では、鉄骨系及び木質系ユニット住宅の新製品開発・要素技術の開発を、リフォーム分野では、ストック型住宅事業の強化に向けたリフォーム技術・メニュー開発を行っている。 当連結会計年度の主な成果としては、以下の通りである。 新築住宅分野では、蓄電容量を10%拡大した大容量蓄電池を搭載し、災害時のレジリエンス性能強化に加え、半屋外空間を備えた快適な暮らしを提案する『新スマートパワーステーションプラス』を発売(10月)。また、鉄骨ユニット住宅の建築デザイン性と、フラットでオープンな住空間、高い住性能を兼ね備えながら、工場生産技術によって高いコストパフォーマンスも併せ持った平屋住宅『The Designer’s HeimD1』を発売(2月)。多雪地域や、都市・地方など各地域のニーズに対応した戸建住宅や集合住宅の開発に注力した。 リフォーム分野では、外壁・バス・蓄電池を中心とした商品ラインアップの拡充と対応力の向上に加えて、外壁の屋外側に断熱材を付加する外張り断熱リフォーム工法「外壁TR」により断熱等級6相当を実現可能な断熱改修「あったかハイムTR」を発売(1月)した。 当事業に係る研究開発費は3,591百万円である。 (2) 環境・ライフライン事業 環境・ライフライン事業の研究開発は、社会課題解決にむけて挑戦し続ける技術集団へ成長し、イノベーションを通して持続可能な社会インフラ構築に貢献する を方針とし、パイプ・システムズ、住・インフラ複合材、インフラ・リニューアルの戦略3分野、および革新領域において、新製品の企画・開発、市場導入、基盤技術開発、知的財産権構築を行っている。 当連結会計年度の主な成果は以下の通りである。 売上のトップライン引き上げに資するA型新製品は、住・インフラ複合材分野では、住宅用給水・給湯配管であるエスロペックス(架橋ポリエチレン管)の被覆保温材コルゲートウォームを上市した。優れた保温性を持ち、被覆保温材部の耐傷性と伸縮性を向上させることで現場のさらなる易施工に貢献する。また、海外売上が多い塩素化塩ビ事業では、さらに時間当たりの生産量を向上できる成形性に優れた新配合品を上市した。 インフラ・リニューアル分野では社会課題となっている老朽管起因による道路陥没事故の防止に貢献する、小中口径の下水道管など老朽管リニューアル工法であるSPR-SEエキスパンドタイプ工法を上市した。本工法は、既設管内で帯状のプロファイルを既設管より小さくらせん状に製管した後に拡径して既設管に密着させる画期的な工法でかつ下水を止めずに工事可能であり工期の大幅短縮を可能にした。 当事業に係る研究開発費は7,866百万円である。 (3) 高機能プラスチックス事業 高機能プラスチックス事業では、高機能素材、成形加工品の新製品及び新素材、生産技術の開発を推進している。 当連結会計年度の3戦略分野別の主な成果は以下のとおりである。 エレクトロニクス分野では、次の成長領域と位置づける半導体・実装関連で、工程材(セルファ®)や高速通信基板に必要な層間絶縁フィルムなどの部材を上市済みであり、さらに開発を継続中である。情報通信分野では、5G電波死角エリア解消を目的とした透明フレキシブル電波反射フィルムの新製品開発を進めている。また、融合強化領域と位置づけるカーエレクトロニクス部材(分野横断)では、環境対応車のリチウムイオンバッテリー向け放熱材料の拡販、新製品開発を進めている。 モビリティ分野では、自動車の軽量化・省エネ・高度情報化に対応した新製品の開発に注力している。具体的には、自動車用中間膜において、EV市場の拡大、および、ADASの発展により、それらに適した高性能遮音・遮熱などの新製品を上市している。また、発泡成形技術を利用した自動車用軽量化部材、薄膜技術を活用したADAS用ミリ波レーダーに用いる電波吸収体などの新製品開発・市場開拓を進めている。 インダストリアル分野では、高齢化社会に向けた介護士の負担を減らすセンサー(商品名ANSIEL®)の新たな機能として、ネットカメラと連携しモニタリングできるサービスを開発・発売した。この機能により、利用者居室への夜間訪室回数の削減ができ、介護士の業務負担軽減と、利用者の安眠時間確保につなげることが期待できる。その他、抗原抗体反応を示す特定のタンパク質を低減させる寝具・衣類製品ニーズの高まりを受け、繊維市場に向けSEK規格に準拠する製品の開発を進めている。 当事業に係る研究開発費は15,318百万円である。 (4) メディカル事業 メディカル事業では、検査事業と医療事業の研究開発を推進している。 検査事業分野では、新領域への参入と機器ビジネスの更なる伸長のための新プラットフォーム開発に注力している。具体的には、高感度免疫測定技術で「がん」、「ホルモン」領域の拡大、および、感染症遺伝子POCTシステムによる遺伝子検査市場参入を推進している。 医療事業分野では、医薬品モダリティに対応した医薬合成、創薬支援技術獲得に注力している。具体的には、新たな医薬品独自合成技術の開発とInVitro毒性評価技術の展開を推進している。 当事業に係る研究開発費は8,683百万円である。 (5) その他事業 その他事業では、「新事業創出による新たな社会的価値の創出と社会貢献」を目指し、主に環境・エネルギー分野、ライフサイエンス分野などの社会課題の解決に繫がるイノベーション創出に注力している。 環境・エネルギー分野では、再生可能エネルギーの活用に向け、独自技術である「封止、成膜、材料、プロセス技術」を活かし、発電効率15%、耐久性10年相当のフィルム型ペロブスカイト太陽電池のロール・ツー・ロール製造プロセス(30cm幅)を確立。三菱UFJ銀行(実店舗)、JR東日本(新幹線防音壁)、エム・エム ブリッジおよび恒栄電設(水上)、TERRA(営農型太陽光発電)など分野毎、また複数の自治体との軽量屋根における共同実証実験を推進している。また、国内初となる既設ビル外壁への本施工設置を大阪本社ビルにおいて実施、他にも2025年4月に開幕した大阪・関西万博の会場西側のバス停屋根250mに、ペロブスカイト太陽電池を載せ、発電した電力は大型蓄電池に充電し、バス停の夜間照明に電力を供給するなど社会実装に向けた取り組みを進めている。並行してNEDOのグリーンイノベーション基金を活用し、1m 幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる向上に向けた開発を進め、2025年の事業化を目指している。 また、定置型リチウムイオン電池事業では、災害に強いレジリエント住宅用の蓄電池開発に注力し、エネルギー自給自足型の暮らしに特化した大容量蓄電池システムに採用されている。一方、持続可能な社会への大きな貢献が期待される炭素資源循環システムであるバイオリファイナリー技術(可燃ごみ由来のガスから微生物の力でエタノールを製造)の事業化に向けて、岩手県久慈市に建設した商用1/10規模プラントで実証運転を進めている。さらに製鉄の際に排出されるガスからCO2を分離・回収し、再利用の技術開発にも取り組んでおり、世界をリードする鉄鋼および鉱業会社であるArcelorMittal, S.A.と鉄鋼プロセスに活用するカーボン・リサイクルの国際共同研究開発を推進している。 ライフサイエンス分野では、細胞培養ソリューションとして、均質性と保存安定性に優れた、動物由来材料を含まない化学合成足場材の開発を進めており、国内外の再生医療分野への参入を目指している。 当事業に係る研究開発費は8,789百万円である。
FY2024|3,265 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックス、メディカルのそれぞれの事業部門で定めた狙いに対して、基礎研究や応用技術から新規事業の開拓まで、先端技術で際立つための研究・開発を進めた。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、41,701百万円である。また、各セグメント別の研究開発内容及び研究開発費は次のとおりである。(1) 住宅事業 住宅事業では、「地球環境にやさしく、60年以上安心して快適に住み続けることのできる住まいの提供」という事業ミッションのもと、新築住宅分野では、鉄骨系及び木質系ユニット住宅の新製品開発・要素技術の開発を、リフォーム分野では、ストック型住宅事業の強化に向けたリフォーム技術・メニュー開発を行っている。 当連結会計年度の主な成果としては、以下の通りである。 新築住宅分野では、ZEH+水準の省エネルギー性能や断熱等性能等級6相当の高断熱性能に加え、災害時のレジリエンス性能を備えた環境住宅パッケージ『ミライクラス+(プラス)』を発売(3月)したほか、多雪地域や、都市・地方など各地域のニーズに対応した戸建住宅や集合住宅の開発に注力した。 リフォーム分野では、外壁・バス・蓄電池を中心とした商品ラインアップの拡充と対応力の向上に加えて、鉄骨系住宅「セキスイハイム」の既存住宅を対象としたZEH水準の断熱性能を目指すリノベーション『あったかハイムTR』を発売(10月)した。 当事業に係る研究開発費は3,414百万円である。 (2) 環境・ライフライン事業 環境・ライフライン事業の研究開発は、社会課題解決にむけて挑戦し続ける技術集団へ成長し、イノベーションを通して持続可能な社会インフラ構築に貢献する を方針とし、パイプ・システムズ、住・インフラ複合材、インフラ・リニューアルの戦略3分野、および革新領域において、新製品の企画・開発、市場導入、基盤技術開発、知的財産権構築を行っている。 当連結会計年度の主な成果は以下の通りである。 売上のトップライン引き上げに資するA型新製品は、住・インフラ複合材分野では、大型建築物向けにサイフォン技術を用いて効率的に雨水排水可能な超芯V-MAXを、不燃ウレタンであるPUXFLAMEシリーズに自主規制分野に対応したPUXFLAME-UNIおよび新配合製品を上市した。インフラ・リニューアル分野では、海外売上増大を目指して主に米国市場向け老朽管リニューアル市場の価格競争力を強化するSPR-TFを上市した。 基盤技術開発では、汎用品収益改善および生産性向上施策の発現に資する生産技術革新で8テーマ、成長エンジンとなる新製品開発に必要なKey Technology構築で3テーマ、地球環境貢献に資する資源循環技術構築で1テーマを工場および新製品開発部門に技術移管した。 革新領域のひとつである水活用・水循環分野では、低消費電力で汚泥発生量が少なく、維持管理容易な水処理方式であるMABR型水処理膜(Membrane-Aerated Biofilm Reactor)のユーザーおよび自社水処理施設への実機導入・評価を行い、地球環境に貢献する水処理事業の創出・拡大を目指している。 当事業に係る研究開発費は7,605百万円である。 (3) 高機能プラスチックス事業 高機能プラスチックスカンパニーでは、高機能素材、成形加工品の新製品及び新素材、生産技術の開発を推進している。 当連結会計年度の3戦略分野別の主な成果は以下のとおりである。 エレクトロニクス分野では、次の成長領域と位置づける半導体・実装関連で、工程材(セルファⓇ)や高速通信基板に必要な層間絶縁フィルムなどの部材を上市済みであり、さらに開発を継続中である。情報通信分野では、5G電波死角エリア解消を目的とした透明フレキシブル電波反射フィルムの新製品開発を進めている。また、融合強化領域と位置づけるカーエレクトロニクス部材(分野横断)では、環境対応車のリチウムイオンバッテリー向け放熱材料の拡販、新製品開発を進めている。 モビリティ分野では、自動車の軽量化・省エネ・高度情報化に対応した新製品の開発に注力している。具体的には、自動車用中間膜において、EV市場の拡大、および、ADASの発展により、それらに適した高性能遮音・遮熱などの新製品を上市した。また、発泡成形技術を利用した自動車用軽量化部材、薄膜技術を活用したADAS用ミリ波レーダーに用いる電波吸収体などの新製品開発・市場開拓を進めている。 インダストリアル分野では、高齢化社会に向けた介護士の負担を減らすセンサー(商品名ANSIEL®)の新たな機能として、「覚醒」「浅眠」「睡眠」状態を検知・モニタリングできるサービスを開発・発売した。この機能により、利用者居室への夜間訪室回数の削減ができ、介護士の業務負担軽減と、利用者の安眠時間確保につなげることが期待できる。その他、昨今の新型コロナウイルスによる抗ウイルス製品ニーズの高まりを受け、建材市場(壁・床材など)に向けSIAA規格に準拠する製品の開発を進めている。 当事業に係る研究開発費は13,837百万円である。 (4) メディカル事業 メディカル事業では、検査事業と医療事業の研究開発を推進している。 検査事業分野では、新領域への参入と機器ビジネスの更なる伸長のための新プラットフォーム開発に注力している。具体的には、高感度免疫測定技術で「がん」、「ホルモン」領域の拡大、および、感染症遺伝子POCTシステムによる遺伝子検査市場参入を推進している。 医療事業分野では、医薬品モダリティに対応した医薬合成、創薬支援技術獲得に注力している。具体的には、新たな医薬品独自合成技術の開発とInVitro毒性評価技術の展開を推進している。 当事業に係る研究開発費は9,089百万円である。 (5) その他事業 その他事業では、「新事業創出による新たな社会的価値の創出と社会貢献」を目指し、主に環境・エネルギー分野、ライフサイエンス分野などの社会課題の解決に繫がるイノベーション創出に注力している。 環境・エネルギー分野では、再生可能エネルギーの活用に向け、独自技術である「封止、成膜、材料、プロセス技術」を活かし、発電効率15%、耐久性10年相当のフィルム型ペロブスカイト太陽電池のロール・ツー・ロール製造プロセス(30cm幅)を確立。東京都(下水道)、NTTデータ(既設ビル壁)、世界最大級の発電事業者であるJERA(沿岸施設)、JR西日本(一般共用施設)など分野毎の共同実証実験を推進。また、国内初となる既設ビル外壁への本施工設置を大阪本社ビルにおいて実施し、発電電力の利用を開始している。並行してNEDOのグリーンイノベーション基金を活用し、1m 幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる向上に向けた開発を進め、2025年の事業化を目指している。 また、定置型リチウムイオン電池事業では、災害に強いレジリエント住宅用の蓄電池開発に注力し、エネルギー自給自足型の暮らしに特化した大容量蓄電池システムに採用されている。一方、持続可能な社会への大きな貢献が期待される炭素資源循環システムであるバイオリファイナリー技術(可燃ごみ由来のガスから微生物の力でエタノールを製造)の事業化に向けて、岩手県久慈市に建設した商用1/10規模プラントで実証運転を進めている。さらに製鉄の際に排出されるガスからCO2を分離・回収し、再利用の技術開発にも取り組んでおり、世界をリードする鉄鋼および鉱業会社であるArcelorMittal, S.A.と鉄鋼プロセスに活用するカーボン・リサイクルの国際共同研究開発を推進している。 ライフサイエンス分野では、細胞培養ソリューションとして足場材などの開発を進めている。 当事業に係る研究開発費は7,754百万円である。
FY2023|3,020 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックス、メディカルのそれぞれの事業部門で定めた狙いに対して、基礎研究や応用技術から新規事業の開拓まで、先端技術で際立つための研究・開発を進めた。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、40,471百万円である。また、各セグメント別の研究開発内容及び研究開発費は次のとおりである。(1) 住宅事業 住宅事業では、「地球環境にやさしく、60年以上安心して快適に住み続けることのできる住まいの提供」という事業ミッションのもと、新築住宅分野では、鉄骨系及び木質系ユニット住宅の新製品開発・要素技術の開発を、リフォーム分野では、ストック型住宅事業の強化に向けたリフォーム技術・メニュー開発を行っている。当連結会計年度の主な成果としては、以下の通りである。 新築住宅分野では、ZEH区分の最高ランクである『ZEH』に標準対応し、環境・防災性能を高めたファミリー向け賃貸集合住宅「Letoit AZ『ZEH-M』モデル」を発売した(4月)ほか、大容量の太陽光発電システムと蓄電池の搭載によりエネルギー自給自足率を高めた木質系ユニット住宅「グランツーユーⅤ(ファイブ) GREENMODEL」を発売した(7月)。 リフォーム分野では、外壁・バス・蓄電池を中心とした商品ラインアップの拡充と対応力の向上、並びに断熱リフォームへの取り組みを行った。 当事業に係る研究開発費は3,356百万円である。 (2) 環境・ライフライン事業 環境・ライフライン事業では、持続経営力の強靱化と事業ポートフォリオの再構築に向けて、汎用品収益性大幅改善、成長エンジンでの勝ちパターン確立、生産性向上施策の発現、ガバナンス体制の強靱化に取り組んでいる。 研究開発部門では、ゆるぎない基盤技術とそれに支えられた社会課題解決に資する新製品開発の両輪で収益拡大に貢献している。 基盤技術確立では、汎用品収益改善および生産性向上施策の発現に資する生産技術革新で11テーマ、成長エンジンとなる新製品開発に必要なKey Technology構築で7テーマ、地球環境貢献に資する資源循環技術構築で1テーマを工場および新製品開発部門に技術移管した。成長エンジンおよびトップライン引き上げに資する新製品開発では17製品を上市した。 パイプシステムズ分野では、高速道路架橋などにおいてサイフォン技術を活用し、ゲリラ豪雨等の大量の雨水を従来と比較して小口径のパイプで排水し、かつ紫外線劣化に強いUVストロング雨水高排水システムを上市した。 住・インフラ複合材分野では、高速鉄道などの騒音を低減する先端型防音壁を上市した。インフラリニューアル分野では、下水道など老朽管リニューアル工法で下水を止めずに施工可能で、当社従来工法と比較してさらに工期が短く工事費を低減するSPR―NX01工法新verを上市した。 当事業に係る研究開発費は6,817百万円である。 (3) 高機能プラスチックス事業 高機能プラスチックス事業では、高機能素材、成形加工品の新製品及び新素材、生産技術の開発を推進している。 当連結会計年度の3戦略分野別の主な成果は以下のとおりである。 エレクトロニクス分野では、次の成長領域と位置づける半導体・実装関連で、工程材(セルファⓇ)や高速通信基盤に必要な層間絶縁フィルムなどの部材を上市済みであり、さらに開発を継続中である。 情報通信分野では、5G電波死角エリア解消を目的とした透明フレキシブル電波反射フィルムの新製品開発を進めている。 また、融合強化領域と位置づけるカーエレクトロニクス部材(分野横断)では、環境対応車のリチウムイオンバッテリー向け放熱材料の拡販、新製品開発を進めている。 モビリティ分野では、自動車の軽量化・省エネ・高度情報化に対応した新製品の開発に注力している。具体的には、自動車用中間膜において高性能遮音・遮熱などの新製品に加えて、搭載が拡大しているディスプレイ用途に向けた最適な製品の開発が進捗中である。また、発泡成形技術を利用した自動車用軽量化部材、薄膜技術を活用したADAS用ミリ波レーダーに用いる電波吸収体などの新製品開発・市場開拓を進めている。 インダストリアル分野では、高齢化社会に向けた介護士の負担を減らすセンサー(商品名ANSIEL®)を開発。介護記録ソフト等の周辺技術との連携を進めており、介護現場でのより一層の負担軽減、安全性向上のソリューションとして市場浸透を図っている。その他、昨今の新型コロナウイルスによる抗ウイルス製品ニーズの高まりを受け、建材市場(壁・床材など)に向けSIAA規格に準拠する製品の開発を進めている。 当事業に係る研究開発費は13,801百万円である。 (4) メディカル事業 メディカル事業では、検査事業と医療事業の研究開発を推進している。 検査事業分野では、新領域への参入と機器ビジネスの更なる伸長のための新プラットフォーム開発に注力している。具体的には、高感度免疫測定技術で「がん」領域の拡大、および、感染症遺伝子POCTシステムによる遺伝子検査市場参入を推進している。 医療事業分野では、新たなペプチド合成法によるペプチド製造技術の開発と独自のPALSAR核酸測定技術を活用した高感度核酸医薬分析の市場開拓を推進している。 当事業に係る研究開発費は8,822百万円である。 (5) その他事業 その他事業では、「新事業創出による新たな社会的価値の創出と社会貢献」を目指し、主に環境・エネルギー分野、ライフサイエンス分野などの社会課題の解決に繫がるイノベーション創出に注力している。 環境・エネルギー分野では、再生可能エネルギーの活用に向け、独自技術である「封止、成膜、材料、プロセス技術」を活かし、フィルム型ペロブスカイト太陽電池開発の肝といわれる屋外耐久性において10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築している。軽量・柔軟という特徴を活かし、東京都、NTTデータや、世界最大級の発電事業者であるJERAとの共同実証実験を開始した。並行してNEDOのグリーンイノベーション基金を活用し、1m幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる向上に向けた開発を進め、2025年の事業化を目指している。 また、定置型リチウムイオン電池事業では、災害に強いレジリエント住宅用の蓄電池開発に注力し、エネルギー自給自足型の暮らしに特化した大容量蓄電池システムに採用されている。一方、持続可能な社会への大きな貢献が期待される炭素資源循環システムであるバイオリファイナリー技術(可燃ごみ由来のガスから微生物の力でエタノールを製造)の事業化に向けて、岩手県久慈市に建設した商用1/10規模プラントで実証運転を進めている。さらに製鉄の際に排出されるガスからCO2を分離・回収し、再利用の技術開発にも取り組んでおり、世界をリードする鉄鋼および鉱業会社であるArcelorMittal, S.A.と鉄鋼プロセスに活用するカーボン・リサイクルの国際共同研究開発を推進している。 ライフサイエンス分野では、細胞培養ソリューションとして足場材などの開発を進めている。 当事業に係る研究開発費は7,673百万円である。
FY2022|2,862 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックス、メディカルのそれぞれの事業部門で定めた狙いに対して、基礎研究や応用技術から新規事業の開拓まで、先端技術で際立つための研究・開発を進めた。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、37,010百万円である。また、各セグメント別の研究開発内容及び研究開発費は次のとおりである。(1) 住宅事業 住宅事業では、「地球環境にやさしく、60年以上安心して快適に住み続けることのできる住まいの提供」という事業ミッションのもと、新築住宅分野では、鉄骨系及び木質系ユニット住宅の新製品開発・要素技術の開発を、リフォーム分野では、ストック型住宅事業の強化に向けたリフォーム技術・メニュー開発を行っている。 当連結会計年度の主な成果としては、以下の通りである。 新築住宅分野では、“人生100年時代”に備えたレジリエンス機能に加え、換気システム・建材の機能や暮らし方提案を強化し“新しい生活様式”への対応力を高めた「レジリエンス 100 STAY&WORKモデル TS」を発売した(7月)ほか、新開発の大容量蓄電池と大容量太陽光発電システムを搭載し、「環境貢献」「経済性」「レジリエンス」の3つのスマート性能を大幅に進化させた「新スマートパワーステーションFR GREENMODEL」を発売した(10月)。 リフォーム分野では、外壁・バス・蓄電池を中心に、商品ラインアップの拡充と対応力の向上を行った。 当事業に係る研究開発費は3,410百万円である。 (2) 環境・ライフライン事業 環境・ライフライン事業では、持続経営力強化と新たな成長に向けて、事業基盤再構築および生産性の抜本的改革および売上・利益のトップライン引き上げに取り組んでいる。これらに向けて研究開発部門では、生産革新技術開発にてBCPや生産性改善を実施するとともに、2021年度は21件の新商品を上市した。 配管・インフラ分野では、金属管代替による新市場獲得と過去上市製品のお客様要望に応えた品揃えによるシェア拡大を実施している。排水管市場ではビルや集合住宅・ホテル等で採用されているエスロン単管式排水システムの拡充、雨水対策市場では易点検型ドロップシャフトの拡充製品を、プラント市場では半導体工場等に使用される透明で優れた帯電防止性能を有するエスロンDCプレートに真空成形で形状付与した後も帯電防止性能を保持するサーモフォームDCプレートを上市した。 建築・住環境分野では、自動洗浄浴槽および高齢者入浴用器具の拡充製品を上市した。 機能材料分野では、欧州高速鉄道車両内装材をターゲットに欧州鉄道内装用燃焼規格(EN45545)をクリアした欧州鉄道EN規格品を上市した。 当事業に係る研究開発費は6,244百万円である。 (3) 高機能プラスチックス事業 高機能プラスチックス事業では、高機能素材、成形加工品の新製品及び新素材、生産技術の開発を推進している。 当連結会計年度の3戦略分野別の主な成果は以下のとおりである。 エレクトロニクス分野では、次の成長領域と位置づける半導体・実装関連で、工程材(セルファⓇ)や回路の高集積化に必要な層間絶縁フィルムなどの部材を上市済みであり、さらに開発を継続中である。 情報通信分野では、5G電波死角エリア解消を目的とした透明フレキシブル電波反射フィルムの新製品開発を進めている。 また、融合強化領域と位置づけるカーエレクトロニクス部材(分野横断)では、環境対応車のリチウムイオンバッテリー向け放熱材料の拡販、新製品開発を進めている。 モビリティ分野では、自動車の軽量化・省エネ・高度情報化に対応した新製品の開発に注力している。具体的には、自動車用中間膜において高性能遮音・遮熱などの新製品に加えて、搭載が拡大しているディスプレイ用途に向けた最適な製品の開発が進捗中である。また、発泡成形技術を利用した自動車用軽量化部材、薄膜技術を活用したADAS用ミリ波レーダーに用いる電波吸収体などの新製品開発・市場開拓を進めている。 住インフラ材分野では、防火・耐火関連の新製品開発に注力している。当期は、不燃性ポリウレタンフォームの特長を活かし、有機材料として国内初の不燃認定を取得したウレタン系現場発泡不燃性断熱材(パックスフレイムⓇ)の拡販・新製品開発を進めている。また高齢化社会に向けた介護士の負担を減らすセンサー(ANSiELⓇ)を開発。独自開発の高精度センサーで検知速度が速く誤情報がほとんどないため市場評価も高く、製品だけでなく周辺アプリの開発も進めている。その他、昨今のCOVID-19による抗ウイルス製品ニーズの高まりを受け、建材市場(壁・床材など)に向けSIAA規格に準拠する製品の開発を進めている。 当事業に係る研究開発費は14,180百万円である。 (4) メディカル事業 メディカル事業では、検査事業と医療事業の研究開発を推進している。 検査事業分野では、新領域への参入と機器ビジネスの更なる伸長のための新プラットフォーム開発に注力している。具体的には、高感度免疫測定技術で「がん」領域の拡大、および、遺伝子POCTシステムによる遺伝子検査市場参入を推進している。 医療事業分野では、新たなペプチド合成法によるペプチド製造技術の開発と独自のPALSAR核酸測定技術を活用した高感度核酸医薬分析の市場開拓を推進している。 当事業に係る研究開発費は6,943百万円である。 (5) その他事業 その他事業では、「新事業創出による新たな社会的価値の創出と社会貢献」を目指し、主に環境・エネルギー分野、ライフサイエンス分野などの社会課題の解決に繋がるイノベーション創出に注力している。 環境・エネルギー分野では、CO2排出量削減への大きな貢献が期待される究極の資源循環システムであるバイオリファイナリー技術(ごみ焼却施設が排出するガスから微生物の力でエタノールを製造)商用化の実証に向けて、岩手県久慈市に建設されたプラントが稼働した。さらに製鉄の際に排出されるガスからCO2を分離・回収し、再利用する技術開発にも取り組んでおり、世界をリードする鉄鋼および鉱業会社であるArcelorMittal, S.A.と鉄鋼プロセスに活用するカーボン・リサイクルの国際共同研究開発に着手した。 一方、再生可能エネルギーの活用に向け、ペロブスカイト太陽電池の開発に取り組んでいる。「超軽量」の特徴から壁や重量制約のある工場屋根などへも設置が可能である。また、定置型リチウムイオン電池事業では、災害に強いレジリエント住宅用の蓄電池開発に注力し、エネルギー自給自足型の暮らしに特化した大容量蓄電池システムに採用された。 ライフサイエンス分野では、細胞培養ソリューションとして足場材などの開発を進めている。 当事業に係る研究開発費は6,231百万円である。
FY2021|2,524 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックス、メディカルのそれぞれの事業部門で定めた狙いに対して、基礎研究や応用技術から新規事業の開拓まで、先端技術で際立つための研究・開発を進めた。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、35,110百万円である。また、各セグメント別の研究開発内容及び研究開発費は次のとおりである。(1) 住宅事業住宅事業では、「地球環境にやさしく、60年以上安心して快適に住み続けることのできる住まいの提供」という事業ミッションのもと、新築住宅分野では、鉄骨系及び木質系ユニット住宅の新製品開発・要素技術の開発を、リフォーム分野では、ストック型住宅事業の強化に向けたリフォーム技術・メニュー開発を行っている。 当連結会計年度の主な成果としては、以下の通りである。新築住宅分野では、“人生100年時代”に備えたレジリエンス機能に加え“新しい生活様式”への対応力を高めた「レジリエンス 100 STAY&WORK モデル」を発売した(7月)ほか、平均的な延床面積において通常の約2倍の大容量太陽光発電システムと、当社製フィルム型セルを使用した大容量蓄電池を搭載し、コロナ禍で在宅時間が増加するなかでも、昼も夜もできる限り太陽光エネルギーを利用し、災害による停電時でも普段と変わらない暮らしが可能な「スマートパワーステーションFR GREENMODEL」を発売した(10月)。 リフォーム分野では、新外壁・バス・蓄電池を中心に、商品ラインアップの拡充と対応力の向上を行った。 当事業に係る研究開発費は3,545百万円である。 (2) 環境・ライフライン事業環境・ライフライン事業では、持続経営力強化と新たな成長に向けて、事業基盤再構築および生産性の抜本的改革およびリターン型投資拡充と開発加速に取り組んでいる。これらに向けて研究開発部門では、生産革新技術開発にてBCPや生産性改善を実施するとともに、2020年度は18件の新商品を上市した。 配管・インフラ分野では、金属管代替による新市場獲得と過去上市製品のお客様要望に応えた品揃えによるシェア拡大を実施している。排水管分野ではビルや集合住宅・ホテル等で採用されている「エスロン単管式排水システム」の拡充、下水管等のリニューアル分野では小型製管機等による安全・短工期施工を実現した新管路更生工法「SPR-NX工法」の拡充製品を上市した。 建築・住環境分野では、ゲリラ豪雨対策としてサイフォン原理を用いて排水能力を高めた大型高排水システムの拡充・拡販に力を注いでいる。 機能材料分野では、社会課題であるインフラ老朽化に対応する製品群インフラガードシリーズにトンネル背面空洞に注入して強度復元する「インフラガードCRJ-M」を上市した。 当事業に係る研究開発費は6,385百万円である。 (3) 高機能プラスチックス事業 高機能プラスチックス事業では、主に各事業部と開発研究所が連携して高機能素材、成形加工品の新製品及び新素材、生産技術の開発を推進している。 当連結会計年度の3戦略分野別の主な成果は以下のとおりである。 エレクトロニクス分野では、次の成長領域と位置づける半導体・実装関連で、工程材(セルファⓇ)、異方導電ペースト(エポウェルⓇ)や回路の高集積化に必要な層間絶縁フィルムなどの部材を上市済みであり、さらに開発を継続中である。 また、融合強化領域と位置づけるカーエレクトロニクス部材(分野横断)では、環境対応車のリチウムイオンバッテリー向け放熱材料の拡販、新製品開発を進めている。 モビリティ分野では、自動車の軽量化・省エネ・高度情報化に対応した新製品の開発に注力している。具体的には、自動車用中間膜において遮音・遮熱などの機能膜の新製品に加えて、ガラス窓への全く新しい表示システムの提案として、自発光中間膜の開発が進捗中であるほか、発泡成形技術を利用した自動車用軽量化部材などの新製品開発・市場開拓を進めている。 住インフラ材分野では、防火・耐火関連の新製品を中心に開発に注力している。当期は、不燃性ポリウレタンフォームの特長を活かし、有機材料として国内初の不燃認定を取得したウレタン系現場発泡不燃性断熱材(パックスフレイムⓇ)の拡販・新製品開発を進めている。また高齢化社会に向けた介護士の負担を減らす非接触式センサー(ANSiELⓇ)を開発。独自開発の高精度センサーで検知速度が速く誤情報がほとんどないため市場評価も高く、製品だけでなく周辺アプリの開発も進めている。 当事業に係る研究開発費は13,864百万円である。 (4) メディカル事業 メディカル事業では、検査事業と医療事業の研究開発を推進している。 検査事業分野では、新領域への参入と機器ビジネスの更なる伸長のための新プラットフォーム開発に注力している。具体的には、高感度免疫検査システムで「がん」領域の拡大、および、遺伝子POCTシステムによる遺伝子検査市場参入を推進している。 医療事業分野では、新たなペプチド合成法によるペプチド製造技術の開発と独自のPALSAR核酸測定技術を活用した高感度核酸医薬分析の市場開拓を推進している。 当事業に係る研究開発費は5,320百万円である。 (5) その他事業 その他事業では、「新事業創出による新たな社会的価値の創出と社会貢献」を目指し、主に環境・エネルギー面などの社会課題の解決に繫がるイノベーション創出に注力している。 究極の資源循環システムであるバイオリファイナリー技術(ごみ焼却施設が排出するガスから微生物の力で工タノールを製造)の開発は実証段階に至り、現在、岩手県久慈市にて実証プラントが建設されており、2021年度末に本格的な実証開始を予定している。 フィルム化型リチウムイオン電池の開発では、災害に強いレジリエント住宅用の蓄電池用途に向けて更なる改良を進めている。また、大気圧プラズマ技術を新たに医療などの分野へ用途を広げるための開発も行われている。 当事業に係る研究開発費は5,995百万円である。
FY2020|2,650 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックス、メディカルのそれぞれの事業部門で定めた狙いに対して、基礎研究や応用技術から新規事業の開拓まで、先端技術で際立つための研究・開発を進めた。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、37,146百万円である。また、各セグメント別の研究開発内容及び研究開発費は次のとおりである。(1) 住宅事業 住宅事業では、「地球環境に優しく、60年以上安心して快適に住み続けることのできる住まいの提供」という事業ミッションのもと、新築住宅分野では、鉄骨系及び木質系ユニット住宅の新製品開発・要素技術の開発を、リフォーム分野では、ストック型住宅事業の強化に向けたリフォーム技術・メニュー開発を行っている。当連結会計年度の主な成果としては、以下の通りである。 新築住宅分野では、エネルギーの自給自足を目指す当社「スマートパワーステーション」シリーズの新商品として、ボリュームゾーン攻略に向け、敷地対応力の向上とデザインバリエーションの拡充を図った、高コストパフォーマンスな鉄骨系ユニット住宅「スマートパワーステーションアーバン」を発売(4月)すると共に、スマートハウスのレジリエンス機能の強化を進め、経済性と災害時の安心を両立させた「新・スマートパワーステーション」シリーズを発売した(10月)。また、建替え需要への対応強化を図るべく、中高額層向けの商品として、勾配屋根商品「新・ドマーニ」と3階建て住宅「新・デシオ」を発売(10月)し、レジリエンス機能強化と多様な外観デザインを実現した。 リフォーム分野では、新外壁・バス・蓄電池を中心に、商品ラインアップの拡充と対応力の向上を行った。 当事業に係る研究開発費は3,886百万円である。 (2) 環境・ライフライン事業 環境・ライフライン事業では、技術力・製品力を武器に領域拡大で成長路線にシフトし、新製品によるその加速を図るため、金属を中心とした他素材の代替製品を拡充している。2019年度は19件の新商品を上市した。 配管・インフラ分野では、ビルやマンション建築の排水遮音性をより高めた「耐火プラAD継手HG、SG」、工場等での配管接続を容易にする「TSルーズフランジ」、下水管等のリニューアル部門では小型製管機等による安全・短工期施工を実現した新管路更生工法「SPR-NX工法」を上市した。 建築・住環境分野では、ゲリラ豪雨などの対策としてサイフォン原理を用いて排水能力を高めた工場や倉庫用の大型高排水システムが好評であり、口径を75に加えて100、125タイプの拡充・上市を行った。 機能材料分野では、鉄道の枕木などに用いられる合成木材「エスロンネオランバーFFU」の生産設備増強を行った。設備増強に併せて、厚物製作用の複数枚貼り合わせ工程を不要として生産性向上も実現した。 新素材では、コーポレート部門と融合して「熱可塑CFRP(*1)連続異型成形技術」の事業化加速のため、主なターゲットを輸送用機器に選択集中して開発を進めている。 当事業に係る研究開発費は6,228百万円である。 (*1) CFRP=炭素繊維強化プラスチック(3) 高機能プラスチックス事業 高機能プラスチックス事業では、主に各事業部と開発研究所が連携して高機能素材、成形加工品の新製品及び新素材、生産技術の開発を推進している。 当連結会計年度の3戦略分野別の主な成果は以下のとおりである。 エレクトロニクス分野では、次の成長領域と位置づける半導体・実装関連で、工程材(セルファⓇ)、異方導電ペースト(エポウェルⓇ)や回路の高集積化に必要な層間絶縁フィルムなどの部材を上市済みであり、さらに開発を継続中である。 また、融合強化領域と位置づけるカーエレクトロニクス部材(分野横断)では、環境対応車のリチウムイオンバッテリー向け放熱材料の拡販、新製品開発を進めている。 車輌・輸送分野では、自動車の軽量化・省エネ・高度情報化に対応した新製品の開発に注力している。具体的には、自動車用中間膜において遮音・遮熱などの機能膜の新製品に加えて、ガラス窓への全く新しい表示システムの提案として、自発光中間膜の開発が進捗中であるほか、発泡成形技術を利用した自動車用軽量化部材などの新製品開発・市場開拓を進めている。 住インフラ材分野では、防火・耐火関連の新製品を中心に開発に注力している。当期は、不燃性ポリウレタンフォームの特長を活かし、有機材料として国内初の不燃認定を取得したウレタン系現場発泡不燃性断熱材(パックスフレイムⓇ)の拡販・新製品開発を進めている。 当事業に係る研究開発費は15,329百万円である。 (4) メディカル事業 メディカル事業では、検査事業と医療事業の研究開発を推進している。 検査事業分野では、新領域への参入と機器ビジネスの更なる伸長のための新プラットフォーム開発に注力している。具体的には、高感度免疫検査システムで「がん」領域の拡大、および、感染症遺伝子POCTシステムによる遺伝子検査市場参入を推進している。 医療事業分野では、新たなペプチド合成法によるペプチド製造技術の開発と独自のPALSAR核酸測定技術を活用した高感度核酸医薬分析の市場開拓を推進している。 当事業に係る研究開発費は5,200百万円である。 (5) その他事業 その他事業では、新しい事業創出を目指して、研究開発及び事業立ち上げを行っている。R&Dセンターでは、「住・社会のインフラ創造」「ケミカルソリューション」という2つのグループビジョンにフォーカスし、特に環境・エネルギー分野での新規事業創出に注力している。 環境分野では、可燃ごみをガスにし、微生物で分解してエタノール化する革新的生産技術を開発済みで、この技術を2019年12月に開催された「エコプロ2019」に出展した。また、事業化に向けて、自治体を始めとする社外の事業パートナーと幅広く連携し、実証プラント建設開始を目指している。 エネルギー分野では、家庭用太陽光発電の余剰電力の買売サービスを2019年9月に開始した。また、将来的には余剰電力だけでなく、各住宅の蓄電池にためられた太陽光発電電力も買い取り、その電力を束ねて活用するバーチャルパワープラントの構築を目指した実証評価も進めている。 当事業に係る研究開発費は6,501百万円である。
FY2019|2,636 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックスのそれぞれの事業部門で定めた狙いに対して、基礎研究や応用技術から新規事業の開拓まで、先端技術で際立つための研究・開発を進めた。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、38,838百万円である。また、各セグメント別の研究開発内容及び研究開発費は次のとおりである。(1) 住宅事業 住宅事業では、「地球環境に優しく、60年以上安心して快適に住み続けることのできる住まいの提供」という事業ミッションのもと、新築住宅分野では、鉄骨系及び木質系ユニット住宅の新製品開発・要素技術の開発を、リフォーム分野では、ストック型住宅事業の強化に向けたリフォーム技術・メニュー開発を行っている。当連結会計年度の主な成果としては、以下の通りである。 新築分野では、エネルギーの自給自足の実現を目指した「スマートパワーステーション」シリーズとして、大容量PVと新型VtoHで二世帯住宅でも高いエネルギー自給自足率を実現した『スマートパワーステーションFR』を発売(4月)。また、主に中高額層を中心とした建て替え需要に対しては、格調高い外観デザインの実現とライフサイクルコストをより一層低減した新型『パルフェ』(7月)を、共働き・子育て家族向けには、シンプルモダン外観を実現する外構メニューを拡充した『パルフェ-bjスタイル』(11月)を発売した。木質系住宅では、屋根バリエーションの拡充によりZEH対応仕様を標準化した『グランツーユーV(ファイブ)-ZEHモデル』を発売(1月)。賃貸住宅においても、ZEH対応仕様の『レトアAZ』を新たに発売(11月)し、戸建住宅並みの断熱性能を実現した。リフォーム分野では、新外壁やユニットバスを中心に、商品ラインアップの拡充を行った。 当事業に係る研究開発費は4,248百万円である。 (2) 環境・ライフライン事業 環境・ライフライン事業では、技術力・製品力を武器に新製品による成長ステップの加速を図るため、金属を中心とした他素材の代替製品を拡充している。2018年度は30件以上の新商品を上市した。 配管・インフラ分野では、夏期等の熱による反りに強い「エスロンパイプ・+(プラス)」、ゲリラ豪雨等対策としてビル・マンション等の雨水配水管の本数・口径を小さくできる「雨水ハイパーRD」、ビル・マンション等の給水・給湯管に用いる架橋ポリエチレン管の省施工が可能な「エスロン ラクのびペックスCV」を上市した。 建築・住環境分野では、高齢化社会に対応した「介護施設向けユニットバス KGS-F」、「介護・医療福祉施設向けユニットバス用 wells自動洗浄・湯はり浴槽」を上市した。 機能材料分野では、コンクリートのひび割れ部分を省施工に湿潤下でも補修できる「インフラガードCRJ」を上市した。 新素材では、コーポレート部門との融合テーマとして「熱可塑CFRP(*1)連続異型成形技術」の事業化に向け、主に輸送用機器への開発を進めている。 当事業に係る研究開発費は5,937百万円である。 (*1) CFRP=炭素繊維強化プラスチック(3) 高機能プラスチックス事業 高機能プラスチックスカンパニーでは、主に各事業部と開発研究所が連携して高機能素材、成形加工品、メディカル関連の新製品及び新素材、生産技術の開発を推進している。 当連結会計年度の4戦略分野別の主な成果は以下のとおりである。 エレクトロニクス分野では、次の成長強化領域と位置づける半導体・実装関連で、工程材(セルファ)、異方導電ペースト(エポウェル)や回路の高集積化に必要な層間絶縁フィルムなどの部材を上市済みであり、さらに開発を継続中である。 また、融合強化領域と位置づけるカーエレクトロニクス部材(分野横断)では、環境対応車のリチウムイオンバッテリー向け放熱材料の拡販、新製品開発を進めている。 車輌・輸送分野では、自動車の軽量化・省エネ・高度情報化に対応した新製品の開発に注力している。具体的には、自動車用中間膜において遮音・遮熱などの機能膜の新製品に加えて、ガラス窓への全く新しい表示システムの提案として、自発光中間膜の開発が進捗中であるほか、発泡成形技術を利用した自動車用軽量化部材などの新製品開発・市場開拓を進めている。 ライフサイエンス分野では、機器ビジネスの更なる伸長のための新型機投入、新領域参入のための新製品・新プラットフォーム開発を推進している。具体的には、「高脂血症」、「血液疾患」、「糖尿病」、「感染症」、「リウマチ」の既存重点領域に加え、統合したエーディアの強みの一つである「がん」領域を中心に、積水メディカル、エーディアの保有技術の相互活用を推進している。また、医薬事業では、新たなペプチド合成法によるペプチド製造技術の開発を推進している。 住インフラ材分野では、防火・耐火関連の新製品を中心に開発に注力している。当期は、日本初の不燃性ポリウレタンフォームの特長を活かした用途開発を進めている。 当事業に係る研究開発費は21,233百万円である。 (4) その他事業 その他事業では、新しい事業創出を目指して、研究開発及び事業立ち上げを行っている。 R&Dセンターでは、「住・社会のインフラ創造」「ケミカルソリューション」という2つのグループビジョンにフォーカスし、特に環境・エネルギー分野での新規事業創出に注力している。 2019年2月には、屋内照明で発電するフィルム型色素増感太陽電池を搭載したカウントダウンボードを開発し、G20大臣会合が開催される地方自治体に寄贈し、好評価を受けた。他の自治体への採用も進んでいる。また屋外向けにもフィルム型ペロブスカイト太陽電池の開発を推進しており、昨年12月に開催された「エコプロ2018」に出展し、注目を集めた。 さらに再生可能エネルギーの導入拡大と電力系統の安定化の両立を目指したタウンエネルギーマネジメントシステムの開発も進めており、住宅分譲地での実証実験を通じてその有効性を確認している。 一方、環境分野では、一般ごみを極めて高い生産効率でエタノール化する生産技術を確立済みで、自治体を始めとする社外の事業パートナーと幅広く連携し、1/10プラントの建設開始を目指している。 当事業に係る研究開発費は7,418百万円である。
FY2018|2,749 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックスのそれぞれの事業部門で定めた狙いに対して、基礎研究や応用技術から新規事業の開拓まで、先端技術で際立つための研究・開発を進めた。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、36,974百万円である。また、各セグメント別の研究開発内容及び研究開発費は次のとおりである。(1) 住宅事業 住宅事業では、「地球環境に優しく、60年以上安心して快適に住み続けることのできる住まいの提供」という事業ミッションのもと、新築住宅分野では、鉄骨系及び木質系ユニット住宅の新製品開発・要素技術の開発を、リフォーム分野では、ストック型住宅事業の強化に向けたリフォーム技術・メニュー開発を行っている。当連結会計年度の主な成果としては、以下の通りである。 新築分野では、エネルギーの自給自足の実現を目指した「スマートパワーステーション」シリーズとして、新たに開発した「スマートGルーフ」により寄棟タイプの屋根でも大容量の太陽光パネルを搭載可能にした『スマートパワーステーションGR』を発売(7月)。また、一次取得者を中心としたボリュームゾーンへの攻略商品として、木質系ユニット住宅『グランツーユーV(ファイブ)』を発売(10月)する一方、都市部及び中核都市の3階建て市場に対しては、鉄骨系3階建て住宅『デシオ』シリーズを強化し、狭小間口に対応した『デシオアーバン』を新たに発売した(1月)。 リフォーム分野では、磁器タイル外壁材の種類や、周辺アルミ外装材・エクステリア部材等のラインアップを拡充し、外まわりリフォーム商品 『エコシャンテ』をリニューアル発売した(9月)。またユニットバスを中心とした商品ラインアップの拡充を行った。 当事業に係る研究開発費は4,625百万円である。 (2) 環境・ライフライン事業 環境・ライフライン事業では、2017年4月にスピード感ある新製品の事業化と垂直立ち上げを図るため、ニーズの収集から製品の立ち上げまでの機能を一元化する開発体制変更を行った。開発の方向性は更なる高収益化を目指し、金属を中心とした他素材の代替製品の拡充、新素材開発、新用途開拓の3つを中心に推進している。2017年度は2016年度の新製品上市18件に対して27件の新製品を上市した。 配管・インフラ分野では、高層ビル・マンションの高耐圧用途のポリエチレン管「エスロハイパーAW HP」、高い圧力がかかる消火管用途の「エスロハイパーAW消火管」を上市した。また、屋外用途で高耐候性「UVストロングパイプ」につきスクレープ作業無しで接合を可能にする仕様変更を実施した。 建築・住環境分野では、ゲリラ豪雨などの対策としてサイフォン原理を用いて排水能力を高めた工場や倉庫用の「大型高排水システム」を、また温度変化による伸縮が小さくかつしなやかで強靭な住宅用新雨といの「超芯LEVOL(レボル)」を上市した。 機能材分野では、道路標識等の老朽化した鋼柱を補強する「インフラガードCF-PPS」、コンクリートクラックに注入補強する「インフラガードCRJ」を上市した。 当事業に係る研究開発費は6,063百万円である。(3) 高機能プラスチックス事業 高機能プラスチックス事業では、主に各事業部と開発研究所が連携して高機能素材、成型加工品、メディカル関連の新製品及び新素材、生産技術の開発を推進している。 当連結会計年度の4戦略分野別の主な成果は以下のとおりである。 エレクトロニクス分野では、次の成長強化領域と位置づける半導体・実装関連で、工程材(セルファ)、異方導電ペースト(エポウェル)や回路の高集積化に必要な層間絶縁フィルムなどの部材を上市済みであり、さらに開発を継続中である。 また、融合強化領域と位置づけるカーエレクトロニクス部材(分野横断)では、新たに加わった積水ポリマテック株式会社とのシナジーによる熱マネージメント製品の拡販、新製品開発も加速させている。 車輌・輸送分野では、自動車の軽量化・省エネ・高度情報化に対応した新製品の開発に注力している。具体的には、自動車用中間膜において遮音・遮熱などの機能膜の新製品に加えて、ガラス窓への全く新しい表示システムの提案として、自発光中間膜の開発が進捗中であるほか、発泡成形技術を利用した自動車用軽量化部材などの新製品開発・市場開拓を進めている。 ライフサイエンス分野では、機器ビジネスの更なる伸長のための新型機投入、新領域参入のための新製品・新プラットフォーム開発を推進している。具体的には、「高脂血症」、「血液疾患」、「糖尿病」、「感染症」、「リウマチ」の既存重点領域に加え、統合したエーディアの強みの一つである「がん」領域を中心に、積水メディカル、エーディアの保有技術の相互活用を推進している。また、医薬事業では、新たなペプチド合成法によるペプチド製造技術の開発を推進している。 住インフラ材分野では、防火・耐火関連の新製品を中心に開発に注力している。当期は、日本初の不燃性ポリウレタンフォームの特長を活かした用途開発を進めており、建築吹付用など順次上市している。 当事業に係る研究開発費は18,933百万円である。 (4) その他事業 その他事業では、新しい事業創出を目指して、研究開発及び事業立ち上げを行っている。 LBプロジェクトでは、2016年度からフィルム型リチウムイオン電池の販売を開始しており、同製品は、住宅用蓄電池メーカーの蓄電システムを構成する電池ユニットに搭載されている。同ユニットは当社のセキスイハイム商品に採用されており、販売台数が順調に伸長している。 R&Dセンターでは、「住・社会のインフラ創造」「ケミカルソリューション」という2つのグループビジョンにフォーカスし、特に環境・エネルギー分野での新規事業創出に注力している。 フィルムタイプ色素増感太陽電池については、電子ペーパーメーカーと共同開発した、室内でも発電しながら駆動できるデジタルサイネージの実証試験を2017年4月から開始している。また、センサーメーカーと次世代セキュリティセンサーの共同開発も進めており、これらを12月に開催された「エコプロ2017」展に出展した。 また、バイオテクノロジー分野では、一般ごみを極めて高い生産効率でエタノール化する技術の開発に成功した。既存プロセスに比べ、十分競争力のあるコストでの連続安定生産を実現できるものであり、各自治体やごみ処理関連企業等のパートナー候補を幅広く募り、事業化を目指している。 当事業に係る研究開発費は7,352百万円である。
FY2017|2,643 文字
6【研究開発活動】当社グループは、住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックスのそれぞれの事業部門で定めた狙いに対して、基礎研究や応用技術から新規事業の開拓まで、先端技術で際立つための研究・開発を進めた。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、34,169百万円である。また、各セグメント別の研究開発内容及び研究開発費は次のとおりである。(1) 住宅事業住宅事業では、「地球環境に優しく、60年以上安心して快適に住み続けることのできる住まいの提供」という事業ミッションのもと、新築住宅分野では、鉄骨系及び木質系ユニット住宅の新製品開発・要素技術の開発を、リフォーム分野では、ストック型住宅事業の強化に向けたリフォーム技術・メニュー開発を行っている。当連結会計年度の主な成果としては、以下の通りである。新築分野では、邸宅感とスタイリッシュさをあわせ持った高耐久磁器タイル外壁「レジデンスタイル-G」を新たに開発し採用したセキスイハイム『Gシリーズ』を発売(4月)し、主に都市部・建替市場への展開を図った。また、「スマートパワーステーション」シリーズを進化させ、大容量でコンパクトかつV2H併設を実現した屋内設置型蓄電池を搭載すると共に、HEMS制御付き全室空調と断熱性能向上により快適かつ省エネを実現した『スマートパワーステーション”100% Edition”』を発売した(1月)。リフォーム分野では、エネルギー自給自足を目指した『GREEN SHIFT!』リフォームの第2弾として、太陽光発電システムと電気自動車及びプラグインハイブリッド車、コンサルティング型HEMS「スマートハイム・ナビ」が電力連係する『V to Heim リフォーム』を発売した(7月)。また「高耐久・外装リフレッシュ」、「水廻り・設備」を含めたパッケージ商材の開発により、リフォームメニューの拡充を行った。 当事業に係る研究開発費は4,491百万円である。 (2) 環境・ライフライン事業環境・ライフライン事業では、スピード感ある新製品の事業化と垂直立ち上げを図るため、ニーズの収集から製品の立ち上げまでの機能を一元化する開発体制変更を行い、2017年4月に総合研究所と改称した。開発の方向性は更なる高収益化を目指し、金属を中心とした他素材の代替製品の拡充、新素材開発、新用途開拓の3つを中心に推進する。管材分野では、短養生接着剤「エスロン 20S」を上市した。改修市場でのニーズを受け、塩ビ管接着の養生時間の短縮に活用できる。機能材分野では、FFU合成まくらぎの新たな用途展開として、「脱線防止ガード用まくらぎ」を上市した。これは、地震発生時の脱線防止の対策として東海道新幹線等で進められている「脱線防止ガード材」の設置を橋梁部分でも可能とするものである。新素材では、コーポレート部門との融合テーマとして「熱可塑CFRP(*1)連続異型成形技術」の事業化に向け、インフラ・土木・建築分野や輸送用機器への開発を進める。当事業に係る研究開発費は5,742百万円である。(*1) CFRP=炭素繊維強化プラスチック(3) 高機能プラスチックス事業高機能プラスチックス事業では、主に各事業部と開発研究所が連携して高機能素材、成型加工品、メディカル関連の新製品及び新素材、生産技術の開発を推進している。当連結会計年度の主な成果は以下のとおりである。前々期より、新戦略分野としてエレクトロニクス分野、車輌・輸送分野、ライフサイエンス分野、住インフラ材分野の4つを設定した。エレクトロニクス分野では、スマートフォンやタブレット型PCなどをターゲットとしたモバイルソリューション関連の開発を強化している。具体的には、薄型化・狭額縁設計に対応した液晶用シール剤、耐衝撃フォームテープ、高機能両面テープなどの製品において新製品開発が進捗し、順次上市を進めている。また次の成長分野と位置づける半導体・実装関連では、工程材(セルファ)、回路基板と接合する異方導電ペースト(エポウェル)や回路の高集積化に必須の層間絶縁フィルムなどの部材を上市済みであり、さらに開発を継続中である。車輌・輸送分野では、自動車の軽量化・省エネに対応した新製品の開発に注力している。具体的には、自動車用中間膜において遮音・遮熱などの機能膜の新製品開発が進捗中であるほか、発泡用成型技術を利用した自動車用軽量化部材などの新製品開発・市場開拓を進めている。ライフサイエンス分野では、機器ビジネスの更なる伸長のための新型機投入、新領域参入のための新製品・新プラットフォーム開発を推進している。具体的には、「高脂血症」、「血液疾患」、「糖尿病」、「感染症」、「リウマチ」の既存重点領域に加え、統合したエーディアの強みの一つである「がん」領域を中心に、積水メディカル、エーディアの保有技術の相互活用を推進している。創薬支援事業においては、新生児代謝異常検査など個別化医療への進出を進めている。住インフラ材分野では、防火・耐火関連の新製品を中心に開発に注力している。当期は、日本初の不燃性ポリウレタンフォームの特長を活かした用途開発を進めており、建築吹付用など順次上市を予定している。当事業に係る研究開発費は18,035百万円である。 (4) その他事業その他事業では、新しい事業創出を目指して、研究開発及び事業立ち上げを行っている。LBプロジェクトでは、2017年1月に高安全・長寿命・高容量を同時に実現する「大容量フィルム型リチウムイオン電池」事業を開始し、定置・住宅向けに販売を開始した。R&Dセンターでは、「住・社会のインフラ創造」「ケミカルソリューション」という2つのグループビジョンにフォーカスし、特に環境・エネルギー分野での新規事業創出に注力している。2017年2月には、世界初の「熱可塑CFRP連続異型成形技術」を確立し、第1弾製品として「熱可塑CFRP製止水板」を発表、2017年度にカンパニー・コーポレート融合テーマとして熱可塑CFRP事業を開始する。また、開発に取り組んでいた、室温プロセスによるフィルム型色素増感太陽電池ではロール・ツー・ロール量産技術を完成させ、エネルギーハーベスト向け独立電源として事業を開始した。2017年度には、まず電子広告及びIoTセンサー分野向けに発売する。当事業に係る研究開発費は5,900百万円である。
FY2016|2,720 文字
6【研究開発活動】当社グループは、住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックスのそれぞれの事業部門で定めた狙いに対して、基礎研究や応用技術から新規事業の開拓まで、先端技術で際立つための研究・開発を進めた。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、31,693百万円である。また、各セグメント別の研究開発内容及び研究開発費は次のとおりである。(1) 住宅事業住宅事業では、「地球環境に優しく、60年以上安心して快適に住み続けることのできる住まいの提供」という事業ミッションのもと、新築住宅分野では、鉄骨系及び木質系ユニット住宅の新製品開発・要素技術の開発を、リフォーム分野では、ストック型住宅事業の強化に向けたリフォーム技術・メニュー開発を行っている。当連結会計年度の主な成果としては、以下の通りである。新築分野では、2013年10月に発売開始した「スマートパワーステーション」シリーズの拡充を行った。分譲市場向けに、工場生産化率を向上させ高性能・高コストパフォーマンスを実現した「スマートパワーステーションα」(4月)、積雪エリア向けの大容量PV一体型屋根を開発し展開した「スマートパワーステーションN」(1月)を発売し、エネルギー自給自足住宅の普及を推進した。またZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業)基準に合致する高い省エネ性を標準仕様でクリアできる木質系高性能2×6住宅でありながら、新工法により低価格化を実現し、一次取得者の中心である30歳代世帯のニーズに対応したプラン・外観デザイン提案を可能にした新商品として、「グランツーユーf」を発売(12月)した。加えて鉄骨系ユニット住宅では、賃貸集合住宅「ウィズハイムFⅡ」を発売(1月)した。リフォーム分野では、①「スマートハウスリフォーム」、②「水まわり・内部改装リフォーム」、③「外装・髙耐久化リフォーム」の3つの強化ポイントで開発を推進。太陽光発電システム・蓄電池・HEMSの3つの設備を基本にエネルギー自給自足を目指した『GREENSHIFT!』リフォーム、温熱環境改善や断熱・気密性強化の為のリフォームメニューの拡充を行った。 当事業に係る研究開発費は4,758百万円である。 (2) 環境・ライフライン事業環境・ライフライン事業では、開発研究所を中心に事業部・工場と連携して技術開発を推進しており、高収益化に向けた開発ポートフォリオの充実に取り組んでいる。建築分野では、国内初の空調冷温本管を樹脂化した「クウチョウハイパーCH」を上市した。課題であった熱伸縮と酸素透過性を抑制し、軽量・易施工・耐食性を特徴とする。また耐火プラ配管システム防振・遮音仕様タイプを上市し、高層マンションなどへの展開を計っている。プラント分野では、工場等の屋外配管向けに髙耐候性塩化ビニル管・継手「エスロンUVストロング」を上市した。すでに展開している、工場配管の紫外線劣化診断および薬液劣化診断と併せて、劣化診断からの長寿命化を提案していく。また戸建て住宅分野では、大規模地震やゲリラ豪雨などの自然災害に備える「防災・安心パッケージ」を上市した。これは、2014年度に先行上市した「飲料水貯留システム」に加えて、新たに上市した「圧力開放フタ」、「耐震排水キット」、「オーバーフローソケット」からなる戸建て配管の安全・安心なトータルパッケージ提案である。下水道分野では、「下水道用透明支管」を上市した。下水道接合時の接合部を透明にすることで接着状況を視認できる製品で、施工品質の向上に有効である。引き続き、製・販・開の機能強化を推進し、事業別製品収益力の向上に貢献する。当事業に係る研究開発費は5,311百万円である。 (3) 高機能プラスチックス事業高機能プラスチックス事業では、主に各事業部と開発研究所が連携して高機能素材、成型加工品、メディカル関連の新製品及び新素材、生産技術の開発を推進している。当連結会計年度の主な成果は以下のとおりである。前連結会計年度より、新戦略分野としてエレクトロニクス分野、車輌・輸送分野、ライフサイエンス分野、住インフラ材分野の4つを設定した。エレクトロニクス分野では、スマートフォンやタブレット型PCなどをターゲットとしたモバイルソリューション関連の開発を強化している。具体的には、薄型化・狭額縁設計に対応した液晶用シール材、耐衝撃フォームテープ、高機能両面テープ、回路基板と接合する異方導電ペーストなどの製品において新製品開発が進捗し、順次上市を進めている。また次の成長分野と位置づけるエネルギー関連では、LED用レジスト、リチウムイオン電池用セパレータなどの部材を上市済みであり、さらに開発を継続中である。車輌・輸送分野では、自動車の軽量化・省エネに対応した新製品の開発に注力している。具体的には、自動車用中間膜において遮音・遮熱などの機能膜の新製品開発が進捗中であるほか、発泡用成型技術を利用した自動車用軽量化部材などの新製品開発・市場開拓を進めている。ライフサイエンス分野では、機器ビジネスの更なる伸長のための新型機投入、新領域参入のための新製品開発を推進している。具体的には、「高脂血症」、「血液疾患」、「糖尿病」、「感染症」、「リュウマチ」の既存重点領域に加え、エーディアの強みの一つである「がん」領域を中心に、積水メディカル、エーディアの両社保有技術の相互活用を推進している。創薬支援事業においては、新生児代謝異常検査など個別化医療への進出を進めている。住インフラ材分野では、防火・耐火関連の新製品を中心に開発に注力している。当期は、日本初の不燃性ポリウレタンフォームの特長を活かした用途開発を進めており、建築吹付用など順次上市を予定している。当事業に係る研究開発費は16,727百万円である。 (4) その他事業その他事業では、新しい事業創出を目指して、R&Dセンターで研究開発及び事業立ち上げを行っている。「住社会インフラ創造」「ケミカルソリューション」という2つのグループビジョンにフォーカスし、特に環境・エネルギー分野での新規事業創出に注力している。当期はフィルム型リチウムイオン二次電池の開発を完了し、定置・住宅用蓄電池を第一ターゲットとした事業化を発表した。2016年4月にはLBプロジェクトを新設し、フィルム型リチウムイオン二次電池の更なる開発・マーケティングを加速する。また、フィルム型色素増感太陽電池についても2016年度の事業化に向けた開発を進めている。当事業に係る研究開発費は4,896百万円である。