事業の概要
- 化学品・機能品の製造販売日本化学工業グループは、主に化学品と機能品の製造・仕入れ・販売を行っています。化学品事業では、基礎化学品から特殊化学品まで多岐にわたる製品を自社や国内外の子会社・関連会社を通じて製造・販売しており、幅広い産業に製品を提供しています。
- 不動産賃貸事業グループは化学品・機能品事業の他に、不動産の賃貸事業も行っています。これは安定的な収益源の一つと考えられ、事業ポートフォリオの多様化に貢献しています。
- その他事業子会社が不動産管理、環境測定、電子材料の分析業務などを手掛けています。これらの事業は、グループ全体の事業活動をサポートし、専門的なサービスを提供することで、本業との相乗効果も期待されます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 無機化学品事業この事業は、売上高182.85億円、営業利益15.42億円を計上しており、グループの主要な収益源の一つです。基礎的な化学品を製造・販売しており、幅広い産業の基盤を支える重要な役割を担っています。
- 特殊化学品事業売上高188.76億円、営業利益12.13億円と、無機化学品事業に匹敵する規模を持つ事業です。特定の機能や用途に特化した高付加価値な化学品を提供しており、技術力や研究開発力が競争力の源泉となっています。
- 賃貸事業売上高9.17億円、営業利益5.45億円を計上しています。不動産の賃貸を主な内容としており、比較的安定した収益をもたらす事業です。グループ全体の収益基盤を補完し、事業の多様性を高める役割を担っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| InorganicChemicals | 事業 | 183 | 15 | 8.4% |
| SpecialtyChemicals | 事業 | 189 | 12 | 6.4% |
| LeasingBusiness | 地域 | 9 | 5 | 59.4% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社7社及び関連会社4社で構成され、化学品及び機能品の製造、仕入、販売を主な内容とし、その他に不動産賃貸等の事業を行っております。 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置づけは次の通りであります。 なお、次の4部門は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。 東邦顔料工業㈱は、2024年5月20日開催の当社の取締役会において解散及び清算することを決議いたしました。必要な手続きが完了次第、清算結了となる予定であります。 化学品事業…… 当社が製造し、当社、子会社JCI USA INC.、捷希艾(上海)貿易有限公司、JCI(THAILAND)CO.,LTD.、台灣日本化學工業股份有限公司が販売するほか、子会社東邦顔料工業㈱、関連会社京葉ケミカル㈱、エヌシー・テック㈱、CT GLASS CO., LTD.が製造販売しており、一部を当社で仕入れて販売しております。 なお、原材料の一部については、子会社JCI USA INC.、捷希艾(上海)貿易有限公司、関連会社シンライ化成㈱から仕入れております。機能品事業…… 当社が製造し、当社、子会社JCI USA INC.、捷希艾(上海)貿易有限公司、JCI(THAILAND)CO.,LTD.、台灣日本化學工業股份有限公司、関連会社シンライ化成㈱が販売しております。なお、原材料の一部については、子会社JCI USA INC.、捷希艾(上海)貿易有限公司、台灣日本化學工業股份有限公司、関連会社シンライ化成㈱から仕入れております。 賃貸事業……… 当社が不動産を賃貸しております。その他………… 子会社㈱ニッカシステムが不動産管理及びコンサルティング、子会社㈱日本化学環境センターが環境測定、当社の電子材料の原材料、製品等の分析業務を行っております。 以上に述べた事項を事業系統図で示すと次の通りであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料価格が製品価格に連動する価格決定フォーミュラを一部原料に導入しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 長年培ってきた技術やノウハウをベースとした各種シリカ製品、燐製品、クロム製品、バリウム製品、リチウム製品などの開発。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:経済変動に係るリスク / 国内外の事業継続に係るリスク / 為替レートの変動に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な評価は困難です。公開情報からは、特定の強力な無形資産の存在を特定できません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
化学製品は顧客の製造プロセスに組み込まれることが多く、切り替えにはコストやリスクが伴う可能性があります。しかし、特定の製品群や顧客基盤におけるスイッチング・コストの強さを具体的に示すデータはありません。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
事業内容から、ネットワーク効果が競争優位の源泉となる可能性は低いと考えられます。製品やサービスの利用者が増えることで価値が増大するようなビジネスモデルではありません。
コスト優位★★☆☆☆
長年の事業継続により、一定の生産ノウハウや効率化が進んでいる可能性はありますが、構造的なコスト優位性を示す具体的な証拠はありません。原料調達や製造プロセスにおける顕著な優位性は不明です。
規模の経済★★☆☆☆
化学業界は規模の経済が働く側面がありますが、日本化学工業が業界内で圧倒的なシェアや規模を持つわけではなく、最適規模に対して少数寡占を形成しているとは言えません。市場におけるポジションは中堅レベルと推測されます。
- 多角的な製品ポートフォリオ同社グループは基礎化学品からスペシャリティケミカルまで幅広い製品群を扱っており、多様な産業や用途に展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した事業基盤を築いていると考えられます。
- グローバルな事業展開日本国内だけでなく、米国、中国、タイ、台湾などに子会社を展開し、製品の製造・販売を行っています。これにより、地域経済の変動リスクを低減し、成長市場へのアクセスを確保していると推測されます。
- 研究開発と知的財産既存製品の改良や新規製品の開発に積極的に取り組み、独自の技術を保有しています。知的財産権の取得にも力を入れており、技術的な優位性を維持し、競争力を高めていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針当社は130年以上という長きにわたり、大きな社会変動を乗り越えて良質な製品とより良いサービスを提供してきました。この伝統と実績を受け継ぎ、「人を大切に、技を大切に」を経営理念とし、如何なる市場環境変化の時代においても、高収益体質企業を実現させ、長年蓄積してきた「人と技術」を通して、高品質の製品とサービスを提供し、価値創造企業へ向けて更なる挑戦を行うことを経営の基本方針としております。 (2)中期経営計画当社グループでは、新中期経営計画(2024年度~2026年度)において、成長戦略の推進と新たな価値の創造に向け、サステナビリティ経営の推進をベースとした「事業拡大と体質強化」、「グローバル化の推進」、「新たな価値の創造」という3つの重点施策に取り組んでおります。 サステナビリティ経営の推進サステナビリティ経営の実践には、環境、社会、経済のバランスが大切と認識しております。環境、社会、ガバナンスに関わる様々な要請を考慮しつつ、ありたい姿からバックキャスティングによる新たな価値の創出を通して、持続的な経済成長を目指してまいります。サステナビリティ経営の推進により、新たな価値の創出に注力します。 ①事業拡大と体質強化電子セラミック材料への戦略的投資継続による事業機会の獲得と、半導体向け材料の生産効率化および安定化追求により、事業拡大を目指します。また、基礎分野においては、生産スケールの最適化などによりコスト競争力を強化し、製品の価値を最大限に高め、確実に利益を出せる企業体質への改善に取り組んでまいります。さらに、固有技術の見える化や、デジタル・AI技術の導入による生産体制の向上にも取り組み、顧客の要求品質を満たす製品を安定かつ安全に生産する体制を構築してまいります。 ②グローバル化の推進海外拠点の組織力の強化と、拠点間の連携を高めることで、現地ニーズに合った製品の販売を促進し、新たなビジネスモデルを探求・発展させることによりグローバル化を推進してまいります。 ③新たな価値の創造積み重ねてきたコア技術・知的財産に加え、外部リソースを活用して技術プラットフォームを広げ、多様化・高度化する顧客ニーズに対応してまいります。また、カーボンニュートラルをはじめとする事業環境の変化を的確に捉え、社会課題の解決に繋がる製品開発にチャレンジしてまいります。 当社では、企業価値をさらに向上すべく、2030年のありたい姿として営業利益60億円、ROE8%(連結)を目標数値として設定しております。このありたい姿を実現するため、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画において、営業利益33億円、ROE6%(連結)を目標数値として設定しております。持続的成長を可能とするため、中長期的な戦略や優先的に対処すべき事業上の課題につきましては、部門横断的に分析および検討を行っております。さらに、資本コストについて、取締役会を通じて定期的に検証する体制を有しており、その分析および検討の結果、構築された収益向上に向けた施策につきましては、中期経営計画等に反映し公表しております。中期経営計画等の各種施策により収益力を向上させ、事業構造の見直しや資産の効率化、キャッシュ創出強化を図ることで、企業価値およびPBRの向上を目指してまいります。 ・決算説明資料、中期経営計画資料:下記URLをご参照ください。https://www.nippon-chem.co.jp/ir/financial/presentations.html ・資本コスト経営の推進について:下記URLをご参照ください。https://www.nippon-chem.co.jp/dcms_media/other/20250514_irrelease.pdf 「株主との対話の実施状況」・株主との対話の実施状況について:下記URLをご参照ください。https://www.nippon-chem.co.jp/ir/stockholder/dialogue.html (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等中期経営計画(2024~2026年度)の最終年度において売上高490億円、営業利益33億円を目標といたします。また、EBITDA80億円、ROE6%を重要経営指標に設定しております。 中期経営計画最終年度(2026年度)目標値売上高490億円営業利益33億円重要経営指標EBITDA(※)80億円ROE6%(※)EBITDA=営業利益+減価償却費 (4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題わが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、緩やかに回復しつつあるものの、原燃料価格の高止まり、不安定な世界情勢、物価の上昇等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画に掲げる成長戦略の推進と新たな価値の創造に向け、サステナビリティ経営の推進をベースとした「事業拡大と体質強化」、「グローバル化の推進」、「新たな価値の創造」という3つの重点施策に、全社一丸となって取り組んでおります。当社グループは『如何なる市場環境変化の時代においても、高収益体質企業を実現させ、長年蓄積してきた「人と技術」を通して、高品質の製品とサービスを提供し、価値創造企業へ向けて更なる挑戦を行う』を経営の基本方針に掲げております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針当社は130年以上という長きにわたり、大きな社会変動を乗り越えて良質な製品とより良いサービスを提供してきました。この伝統と実績を受け継ぎ、「人を大切に、技を大切に」を経営理念とし、如何なる市場環境変化の時代においても、高収益体質企業を実現させ、長年蓄積してきた「人と技術」を通して、高品質の製品とサービスを提供し、価値創造企業へ向けて更なる挑戦を行うことを経営の基本方針としております。 (2)中期経営計画当社グループでは、新中期経営計画(2024年度~2026年度)において、成長戦略の推進と新たな価値の創造に向け、サステナビリティ経営の推進をベースとした「事業拡大と体質強化」、「グローバル化の推進」、「新たな価値の創造」という3つの重点施策に取り組んでおります。 サステナビリティ経営の推進サステナビリティ経営の実践には、環境、社会、経済のバランスが大切と認識しております。環境、社会、ガバナンスに関わる様々な要請を考慮しつつ、ありたい姿からバックキャスティングによる新たな価値の創出を通して、持続的な経済成長を目指してまいります。サステナビリティ経営の推進により、新たな価値の創出に注力します。 ①事業拡大と体質強化電子セラミック材料への戦略的投資継続による事業機会の獲得と、半導体向け材料の生産効率化および安定化追求により、事業拡大を目指します。また、基礎分野においては、生産スケールの最適化などによりコスト競争力を強化し、製品の価値を最大限に高め、確実に利益を出せる企業体質への改善に取り組んでまいります。さらに、固有技術の見える化や、デジタル・AI技術の導入による生産体制の向上にも取り組み、顧客の要求品質を満たす製品を安定かつ安全に生産する体制を構築してまいります。 ②グローバル化の推進海外拠点の組織力の強化と、拠点間の連携を高めることで、現地ニーズに合った製品の販売を促進し、新たなビジネスモデルを探求・発展させることによりグローバル化を推進してまいります。 ③新たな価値の創造積み重ねてきたコア技術・知的財産に加え、外部リソースを活用して技術プラットフォームを広げ、多様化・高度化する顧客ニーズに対応してまいります。また、カーボンニュートラルをはじめとする事業環境の変化を的確に捉え、社会課題の解決に繋がる製品開発にチャレンジしてまいります。 当社では、企業価値をさらに向上すべく、2030年のありたい姿として営業利益60億円、ROE8%(連結)を目標数値として設定しております。このありたい姿を実現するため、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画において、営業利益33億円、ROE6%(連結)を目標数値として設定しております。持続的成長を可能とするため、中長期的な戦略や優先的に対処すべき事業上の課題につきましては、部門横断的に分析および検討を行っております。さらに、資本コストについて、取締役会を通じて定期的に検証する体制を有しており、その分析および検討の結果、構築された収益向上に向けた施策につきましては、中期経営計画等に反映し公表しております。中期経営計画等の各種施策により収益力を向上させ、事業構造の見直しや資産の効率化、キャッシュ創出強化を図ることで、企業価値およびPBRの向上を目指してまいります。 ・決算説明資料、中期経営計画資料:下記URLをご参照ください。https://www.nippon-chem.co.jp/ir/financial/presentations.html ・資本コスト経営の推進について:下記URLをご参照ください。https://www.nippon-chem.co.jp/dcms_media/other/20250514_irrelease.pdf 「株主との対話の実施状況」・株主との対話の実施状況について:下記URLをご参照ください。https://www.nippon-chem.co.jp/ir/stockholder/dialogue.html (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等中期経営計画(2024~2026年度)の最終年度において売上高490億円、営業利益33億円を目標といたします。また、EBITDA80億円、ROE6%を重要経営指標に設定しております。 中期経営計画最終年度(2026年度)目標値売上高490億円営業利益33億円重要経営指標EBITDA(※)80億円ROE6%(※)EBITDA=営業利益+減価償却費 (4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題わが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、緩やかに回復しつつあるものの、原燃料価格の高止まり、不安定な世界情勢、物価の上昇等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画に掲げる成長戦略の推進と新たな価値の創造に向け、サステナビリティ経営の推進をベースとした「事業拡大と体質強化」、「グローバル化の推進」、「新たな価値の創造」という3つの重点施策に、全社一丸となって取り組んでおります。当社グループは『如何なる市場環境変化の時代においても、高収益体質企業を実現させ、長年蓄積してきた「人と技術」を通して、高品質の製品とサービスを提供し、価値創造企業へ向けて更なる挑戦を行う』を経営の基本方針に掲げております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、緩やかに回復しつつあるものの、原燃料価格の高止まり、不安定な世界情勢、物価の上昇等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画に掲げる成長戦略の推進と新たな価値の創造に向け、サステナビリティ経営の推進をベースとした「事業拡大と体質強化」、「グローバル化の推進」、「新たな価値の創造」という3つの重点施策に、全社一丸となって取り組んでまいりました。 「事業拡大と体質強化」成長分野におきましては、電子部品業界では足元で需要回復の遅れが見られる中、デジタル化の進展を背景に、中長期的には継続的な成長が期待されております。そのような成長への期待を受け、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の誘電体として使用されるチタン酸バリウムへの設備能力増強に取り組んでおり、2025年上期中に完成予定です。一方で、半導体ドーパント材料である高純度ホスフィンガスへの投資については、需要鈍化と資材コスト上昇を受けて計画を見直しております。基礎分野におきましては、国内生産の強みを活かし、技術と品質の向上に努めることで製品価値を高め、安定した利益を確保できる体質へとシフトしております。 「グローバル化の推進」海外拠点のネットワークを最大限に活用し、グローバルな販売体制の強化に取り組んでおります。足元では地政学的変化に伴い、リスク分散と新市場探索の必要性の高まりから、持続可能なサプライチェーンの構築と新たな事業機会の獲得に注力しております。また、アジア地域を中心とした販売体制の強化を目的とし、2024年6月に台湾に現地法人を設立し、営業を開始いたしました。 「新たな価値の創造」基盤技術やノウハウをベースに、多様化・複雑化する社会課題の解決につながる新たな価値の創造を追求しております。研究開発の効率化・早期化を目指し、外部の知識や技術を積極的に取り入れるオープンイノベーションを活用しております。さらに、研究テーマの選定においては環境貢献指標を設け、環境への貢献度の高いテーマを優先的に推進しております。 さらに、事業の効率化を図るため、連結子会社である東邦顔料工業株式会社の解散及び清算を決定しました。なお、同社主力事業の当社への移管は2025年度中の完了を見込んでおります。また、書店事業については撤退を行いました。 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。 a.財政状態当連結会計年度末の資産は、前年同期に比べ13億9千8百万円減少し、751億5百万円となりました。当連結会計年度末の負債は、前年同期に比べ27億4千6百万円減少し、287億9百万円となりました。当連結会計年度末の純資産は、前年同期に比べ13億4千7百万円増加し、463億9千5百万円となりました。 b.経営成績当連結会計年度の売上高は、388億4千3百万円(前年同期比3億4百万円増)となり、営業利益は33億4千2百万円(同10億7千8百万円増)となり、経常利益は31億9千9百万円(同8億1千6百万円増)となりました。この経常利益に投資有価証券売却益4億8千7百万円の特別利益を加え、固定資産除却損3億5千4百万円、減損損失3千3百万円の特別損失及び法人税等4億9千3百万円を差引き、更に法人税等調整額2億4千6百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は25億5千9百万円(同9億6千8百万円増)となりました。 セグメントの業績は次の通りであります。 (化学品事業)化学品事業は、クロム製品、シリカ製品、燐製品等の化学品の製造・販売を行っております。当社の燐製品は、燐酸、燐酸塩、無水燐酸等であり、工業薬品の原料としてばかりでなく、食品の添加剤、医薬原料、分析試薬、金属表面処理、近年では電材用途でご使用いただく等、数多くの分野に利用されています。クロム製品は、国内唯一のクロム化合物メーカーとして世界屈指の技術と設備を用いて製造され、国内の大部分の需要を賄っているばかりでなく、東南アジアをはじめ多くの国々に輸出されており、めっき、耐火レンガ、顔料等に用いられています。シリカ製品は、1902年(明治35年)に日本で初めて珪酸ソーダの試作に成功して以来、たゆまぬ研究と設備の拡充に努め、これまで世の中のニーズに合ったシリカ製品を数多く販売してまいりました。当社の製品は、古紙の脱インク、土壌硬化材、食品のろ過材原料等に用いられています。化学品事業の売上高は182億8千5百万円(同5億7百万円増)、セグメント利益は15億4千2百万円(同4億7千2百万円増)となりました。 (機能品事業)機能品事業は、ホスフィン誘導体、農薬、電池材料、電子セラミック材料、回路材料、高純度電子材料等の製造・販売を行っています。ホスフィン誘導体は、様々な化成品や樹脂を合成する際の触媒、量子ドットの原料等に利用されています。電池材料は、リチウムイオン二次電池用正極活物質として、コバルト酸リチウムを製造しています。最近では独自の製造方法技術により微粉化も成功しており、さまざまな用途から高い評価を得ています。電子セラミック材料は、積層セラミックコンデンサの誘電体であるチタン酸バリウムと、誘電体材料である高純度炭酸バリウムから構成されております。長年にわたりバリウム原料を扱ってきた強みを活かし、蓚酸塩法、アルコキシド法等の製法でチタン酸バリウムを製造販売しています。次世代高速通信(5G)関連やIoT関連及び自動車向けで長期的な需要の拡大が見込まれます。回路材料は、主にACF(異方性導電フィルム)やACP(異方性導電接着剤)用の導電粒子と、導電粒子を使用した異方性導電接着剤を製造しています。高純度電子材料は、主に半導体向けの高純度ホスフィンガス、高純度赤燐で、半導体市場の拡大に伴い、需要の増大が見込まれます。機能品事業の売上高は188億7千6百万円(同1億8千4百万円減)、セグメント利益は12億1千3百万円(同6億2千3百万円増)となりました。 (賃貸事業)賃貸事業は、大阪府大阪市西淀川区と福島県郡山市において、病院・小売業等への土地・建屋の賃貸を行っております。賃貸事業の売上高は、9億1千7百万円(同1百万円増)、セグメント利益は5億4千5百万円(同1千6百万円増)となりました。 (その他)報告セグメントに含まれない事業セグメントは書籍等の販売、環境測定、当社の原材料、製品等の分析業務を行っています。報告セグメントに含まれない事業セグメントの売上高は、7億6千3百万円(同2千万円減)、セグメント利益は3千1百万円(同1千7百万円減)となりました。なお、書店事業につきましては撤退を行いました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは63億6千7百万円の収入(前年同期は61億5千2百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益32億9千9百万円、減価償却費35億8千2百万円、売上債権の減少額31億円、棚卸資産の増加額10億5千6百万円、仕入債務の減少額6億7百万円、未払消費税等の減少額5億7千2百万円、法人税等の支払額10億2百万円を加減したことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは固定資産の取得による支出等があり、50億7千万円の支出(前年同期は44億1千4百万円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは借入金の返済による支出や配当金の支払等により、24億1千9百万円の支出(前年同期は8億7千万円の支出)となりました。この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前年同期に比べ11億2百万円減少し、76億2千8百万円となりました。また、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額から、配当金の支払額を控除したフリーキャッシュ・フローは、5億8千5百万円の収入(前年同期は11億2千2百万円の収入)となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)化学品事業(百万円)15,310110.6機能品事業(百万円)19,53499.7賃貸事業(百万円)-- 報告セグメント計(百万円)34,844104.2その他(百万円)--合計(百万円)34,844104.2(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。 b.商品仕入実績 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)化学品事業(百万円)4,114117.1機能品事業(百万円)166133.0賃貸事業(百万円)-- 報告セグメント計(百万円)4,280117.6その他(百万円)36391.3合計(百万円)4,644115.0 c.受注実績 当社グループ(当社及び連結子会社)は主として見込み生産を行っているため、受注実績を記載しておりません。 d.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)化学品事業(百万円)18,285102.9機能品事業(百万円)18,87699.0賃貸事業(百万円)917100.2 報告セグメント計(百万円)38,079100.9その他(百万円)76397.4合計(百万円)38,843100.8(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)(単位:百万円)相手先売上高割合(%)TDK株式会社6,85917.8 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(単位:百万円)相手先売上高割合(%)TDK株式会社5,53114.2小西安株式会社4,59211.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際しては、経営者による会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、見積りに当たって過去の実績や状況等を勘案し合理的な判断を行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態当連結会計年度末の総資産は、前年同期に比べ13億9千8百万円減少し、純資産は、13億4千7百万円増加しております。増減の主なものは次の通りであります。流動資産では、現金及び預金が8億1千3百万円減少、売掛金が30億4千7百万円減少、商品及び製品が8億3千7百万円増加、原材料及び貯蔵品が1億3千5百万円増加しております。固定資産では、有形固定資産が12億7千8百万円増加、無形固定資産が3千2百万円減少、投資有価証券が13億4千9百万円減少、退職給付に係る資産が12億6千3百万円増加しております。流動負債では、支払手形及び買掛金が5億9千8百万円減少、短期借入金が14億1千8百万円増加、未払法人税等が5億2千8百万円減少、未払消費税等が4億4千7百万円減少しております。固定負債では、長期借入金が28億7千5百万円減少、退職給付に係る負債が1百万円増加、繰延税金負債が1億4千5百万円増加しております。株主資本では、利益剰余金が18億4千4百万円増加しております。その他の包括利益累計額では、その他有価証券評価差額金が9億7千7百万円減少、退職給付に係る調整累計額が6億5千1百万円増加しております。 2)経営成績経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 b.経営成績」に記載しています。 3)キャッシュ・フローの状況キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 b.経営成績に重要な影響を与える要因経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2「事業の状況」 3「事業等のリスク」」に記載しています。 c.当社グループの資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備投資によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、短期運転資金の一部は、コミットメントライン契約を取引先金融機関と締結しており、機動的な資金調達を図っております。 d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等「第2「事業の状況」 1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しています。 e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(化学品事業)クロム製品はめっき向けが好調に推移したことにより、売上高は増加しました。シリカ製品は需要の減少や、原燃料価格の上昇に伴う価格改定による買い控えが見られ、低調に推移したことにより、売上高は減少しました。燐製品は堅調に推移したことにより、売上高は前年同期並みとなりました。この結果、化学品事業の売上高は、182億8千5百万円(同5億7百万円増)となりました。 (機能品事業)ホスフィン誘導体は海外向け触媒が大幅に落ち込んだものの、量子ドット向け及び有機合成用触媒原料が大幅に伸びたことにより、売上高は大きく増加しました。農薬原体は堅調に推移したことにより、売上高は前年同期並みとなりました。電池材料は原燃料高を起因とする販売価格の改定により、売上高は増加しました。電子セラミック材料は車載向けが大幅に落ち込んだものの、通信向けで需要の回復傾向が継続したことにより、売上高は前年同期並みとなりました。回路材料は異方導電材料向けが大幅に伸びたものの、接着剤向けが大幅に落ち込んだことにより、売上高は大きく減少しました。高純度電子材料は、半導体向けの一部製品の需要が低調に推移したことにより、売上高は減少しました。この結果、機能品事業の売上高は、188億7千6百万円(同1億8千4百万円減)となりました。 (賃貸事業)賃貸事業は、堅調に推移したことにより、売上高は前年同期並みとなりました。この結果、賃貸事業の売上高は、9億1千7百万円(同1百万円増)となりました。 (その他)書店事業は、事業撤退に伴い、売上高は大幅に減少しました。この結果、報告セグメントに含まれない事業セグメントの売上高は、7億6千3百万円(同2千万円減)となりました。
事業リスク
- 経済変動リスク自動車や電子部品といった特定の最終用途向け製品を多く扱っているため、これらの業界の生産動向や、製品を販売する国・地域の経済状況が大きく変動すると、業績に影響が出る可能性があります。世界経済の動向や主要産業の景気変動を注視する必要があります。
- 原材料調達・価格変動リスク化学品の製造には様々な原材料が必要ですが、地政学的リスクや環境問題などにより、サプライヤーの生産停止や需給の逼迫が起こると、原材料の調達が困難になったり、仕入れ価格が高騰したりする可能性があります。これは製品コストの増加に直結し、利益を圧迫する要因となります。
- 国内外の事業継続リスク事業を展開する国内外の地域で、経済成長の鈍化、政情不安、自然災害、感染症、テロ、戦争などが発生した場合、生産活動やサプライチェーンに重大な支障が生じ、事業活動の継続が困難になる可能性があります。大規模な災害や地政学リスクは、事業全体に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 当社グループを取り巻くリスクは一層多様化・複雑化しておりますが、当社グループでは、事業を取り巻くさまざまなリスクを認識・評価し、適切にリスクを統制しております。 当社グループの経営成績等の状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項及び記載したリスクは、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、記載は将来発生し得るすべてを、必ずしも網羅したものではありません。 ①経済変動に係るリスク当社グループは、基礎化学品からスペシャリティケミカルに渡る多種多様な製品を扱い、グローバルかつ幅広い用途に事業を展開しています。そのため、当社グループの製品及び商品が販売されている国又は地域の経済状況が大幅に変化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、最終用途が自動車、電子部品である製品を多く取り扱っており、これら業界の生産動向に大きな変化が生じた場合にも、同様の影響を与える可能性があります。リスク対策:当社グループを取り巻く経済状況や業界動向の変化を把握するために常に情報収集を行い、変化に応じた生産、在庫調整等により、これらの影響の低減を図っております。 ②国内外の事業継続に係るリスク当社グループの国内外における事業展開エリアでの経済成長鈍化、政情不安、労働問題、インフラ障害、テロ・戦争勃発による社会的混乱、予期しない法的規制、異常気象、天候不順等による自然災害、感染症等が発生した場合、当社グループの財政状況、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、大規模な災害・事故、地政学リスクの顕在化・発生・拡大等に起因して、生産・販売・研究開発の停止・制限により事業活動の継続に重大な影響が発生した場合、当社グループの財政状況、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。リスク対策:国内外における拠点での情報収集と共有を行い、当社グループが直面するリスクを洗い出し、優先的に対処すべきリスクに対しては戦略の立案、見直しを行っております。また、万が一の災害発生に備え、設備の保全強化、被害拡大防止のための防災訓練の実施、BCP復旧計画の策定と実行性を高めるための見直しを年一回実施し、気候変動リスクを含む大災害等の緊急時においても事業活動への影響を最小限にとどめるよう備えています。 ③為替レートの変動に係るリスク当社グループは、製品の一部を海外に輸出し、原材料の一部を海外から輸入しております。そのため、為替レートに大幅な変動があった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。リスク対策:為替変動の影響を最小限に抑えるため、一部取引については将来の為替レートを事前に固定することで、リスクを軽減しております。 ④原材料調達及び価格変動に係るリスク当社グループが使用する原材料においては、地政学的リスク、環境問題等の発生により、サプライヤーが生産停止・操業停止した場合、需給のタイト化による調達リスク、相場上昇による仕入価格変動リスク等を抱えております。この場合、需給タイト化、納入遅延、仕入価格上昇等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。リスク対策:複数購買化を推進し、新規サプライヤーの探索と評価体制を構築することで、調達リスクと仕入価格変動リスクを低減しております。 ⑤在庫に係るリスク当社グループは、顧客の需要予測をもとに適正在庫を保有しながら販売を行っている製品や商品があります。しかしながら、実際の受注が需要予測を下回った場合には、大量の在庫を抱える可能性があり、在庫の削減が進まなければ廃棄処分や評価損が発生する可能性があります。また、棚卸資産の再調達価格(原材料)又は正味売却価額(仕掛品、製品、仕入品)の下落に起因して、多額の棚卸資産評価損を計上する可能性があります。この場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。リスク対策:適正な在庫量を保つため、顧客の需要動向と景気動向から生産量と購買量をマネジメントしています。また、定期的に在庫量と在庫回転数を管理評価し、適正在庫量を見直すと共に、収益性の低下による簿価切下げについて懸念のある一部原料については、原材料価格が製品価格に連動する価格決定フォーミュラを導入しております。なお、長期滞留の恐れのある棚卸資産については、調達先や調達方法・調達時期を見直して、リードタイムの短縮を図っております。 ⑥固定資産の減損に係るリスク当社グループは、さまざまな有形固定資産及び無形固定資産を有しております。事業環境の急激な変化に伴う生産設備の遊休化や稼動率の低下等により、保有資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。リスク対策:設備投資の計画段階から、将来の収益計画や投資額の回収見込みを意識して取り組み、重要な生産設備の新設、改造及び処分については、取締役会の承認を経て、減損リスクの極小化に努めています。投資判断についてはハードルレート(WACC)を設定しており、年一回資本コストと合わせて見直しを実施しております。また、大型投資案件については投資後の回収状況をチェックする体制を整えております。 ⑦法的規制等に係るリスク当社グループは、化学品の製造及び販売を主たる事業としており、それに関連した各種の法的規制を受けております。これらの法的規制の大幅な変更等があった場合は、生産活動に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。リスク対策:化学品の法的規制の動向に関し、複数の情報源から最新情報を入手して適切に対応しております。 ⑧研究開発に係るリスク当社グループでは、既存製品の改良や新規製品の開発を積極的に行っております。これらの研究開発には、多くの人的、財務的資源及び長い期間を必要とします。しかし、開発期間中の市場環境の変化や技術の進歩等により、開発テーマの中止・変更を余儀なくされる場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。リスク対策:研究開発テーマの選択及びその後の管理の徹底、他企業や大学・研究機関との連携やアウトソーシング等による研究開発の迅速化を図っています。また、顧客との面談、やり取り等を通じて顧客の最新状況を確認しており、研究テーマ戦略については、半年毎の審議会にて審査、軌道修正が行われております。研究開発に係る技術の知的財産化によりリスク低減に努めています。 ⑨知的財産に係るリスク当社グループは、研究開発や製品製造において独自の技術を有しており、その保護のため、知的財産権の取得を積極的に行っており、第三者の知的財産の尊重にも努めております。当社グループの知的財産が第三者により侵害を受けた場合、また第三者から知的財産権の侵害を訴えられた場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。リスク対策:知的財産権保護のための体制を整え、第三者の知的財産権を侵害しないよう、先行する技術の調査を行っております。また、社員教育を通して知的財産に対する意識の向上を推進しております。これらに加え、各案件において秘密保持契約書等を締結することで当社開発品の秘密情報を保護しております。 ⑩情報セキュリティーに係るリスク当社グループでは、サイバー攻撃や不正アクセス等により、情報の流出やネットワーク障害等の問題が発生した場合、競争力の低下、事業活動の停滞及び信用の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。リスク対策:当社グループで使用する情報システムに、様々なセキュリティを施すことで、防衛策を強化しております。 ⑪気候変動に係るリスク気候変動1.5℃シナリオにおいては、政府の環境規制強化にともなう炭素税導入や、再生可能エネルギー需要の増加による価格上昇等費用の増加、世界規模での地球温暖化対策が講じられることによる資源調達費用の増加が想定されます。また、気候変動4℃シナリオにおいては、異常気象による自然災害の発生に伴う事業活動の停止やサプライチェーンの断絶が大きなリスクとなります。自然災害は、発生の予測が難しく、一度発生すれば、当社の製造拠点が被災し、化学物質の漏洩等甚大な被害をもたらす可能性があります。設備損傷や化学物質漏洩による操業停止等を回避するためには、災害対策に関する設備投資が必要となり、投資による製造コスト上昇も想定されます。GHGの削減が計画通り行われない場合、炭素税や排出権などのコスト負担が増え、さらに顧客や社会からの評判が落ちて事業存続が難しくなる可能性もあり、これら想定されるリスクの発生により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。リスク対策:気候変動リスクに係る大災害に対応できるよう、専門の委員会を設置することで、BCP(事業継続計画)体制を構築し、緊急時においても事業活動への影響を最小限にとどめるよう備えています。また、GHGの排出量を算定・把握し、削減計画を立てて削減に取り組んでおります。 ⑫コンプライアンスに係るリスク当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、国内外における法令や企業倫理等の社会的規範に抵触し、刑事罰、行政処分、損害賠償責任等の法的責任の追及や、社会的制裁を受ける懸念があります。この様な事象が発生した場合、当社に対する信頼やブランド価値の低下により当社の財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。リスク対策:社内でのコンプライアンス教育を徹底し、全社員が法令遵守の重要性を理解するよう推進しており、定期的に内部監査を実施しコンプライアンス状況をチェックする体制を整えております。また、有識者からのアドバイス等を活用し、関係する法令への対応とその進捗管理を行う体制を整えております。海外各拠点においては、現地の法令や規制の変更を適宜調査し、最新の情報の把握と情報共有を推進しております。必要に応じて現地のビジネスパートナーや法律専門家との協力により、現地の法令や規制に迅速に対応できる体制を整えております。 ⑬事業基盤に係るリスク当社グループが事業を継続し、成長するためには、人材確保と経営戦略に連動した人材戦略が必要です。生産労働人口の減少や特定領域における人材ニーズの高まり等により、必要な人材を確保できないといったリスクや社員のエンゲージメント低下による離職の増加といったリスクにより当社の財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの企業活動は、様々なステークホルダーからの理解の下に成り立っており、社会の評価基準の多様化や、当社グループからの情報開示の不足、当社への理解が進まないことにより、企業価値の毀損等が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。リスク対策:多様な人材の確保のために女性活躍推進、キャリア採用推進、外国人採用推進を進めるとともにワークライフバランスを充実させ、健康経営や労働安全衛生を推進し、心理的に安心して働ける職場環境を構築することで離職低下につなげてまいります。また、決算説明会、IR・SR面談等により、株主、機関投資家との積極的なコミュニケーションを図り、企業の経営理念や長期的なビジョンを共有し、理解を深めてもらうよう努めております。統合報告書、ホームページ、外部評価機関等を通して財務・非財務情報の積極的な開示も積極的に行っております。