研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 692 |
| 2024-03 | - | 437 |
| 2023-03 | - | 394 |
| 2022-03 | - | 356 |
| 2021-03 | - | 423 |
研究開発活動(本文)
FY2025|4,428 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、「一番上手にできる技術」の幅を広げ、持続可能な社会に貢献できるデンカならではの製品開発を推進し、新たな価値を生み出す魅力的な新規事業・製品の創出を加速していきます。そのために、複数の異種技術を融合し、組織の境界、領域を超えたデンカグループ全体のシナジー効果を発揮すべく、グループの総合力を活かす研究開発を推進しております。デンカイノベーションセンターを中核拠点として、多くの国内外産学官とのオープンイノベーションを推進しております。物質材料研究機構(NIMS)とのNIMS-Denka次世代材料研究センター、山形大学および新潟大学との包括共同研究を展開する等、引き続き積極的な外部連携強化を推進致します。これらの研究開発、製品化をさらに加速するため、新事業開発部門、コーポレート研究部門・デンカイノベーションセンターを再編するとともに既存事業部門との連携をこれまで以上に強化して、新事業創出の強化と既存事業の更なる発展、研究の責任・運営体制を明確化して、市場の動向を直視し、次世代の市場ニーズに確実かつ迅速に対応することで、早期の実需化につなげたいと考えております。また、ESG(環境・社会・統治)の視点を常に意識し、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)を羅針盤として研究開発に注力致します。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は14,887百万円、研究要員は867名であり、当連結会計年度に国内で出願公開された特許は181件、国際出願で公開された特許は203件、国内で登録された特許(実用新案を含む)は428件となりました。当連結会計年度における各事業部門別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。 (1)電子・先端プロダクツ電子部材分野では、市場が拡大するパワーモジュール、車両電動化向けなど電子回路基板や放熱材料の多様なニーズに対応したソリューションを提案すべく、当社固有のセラミックスの開発技術や有機・無機材料の複合化技術の進化による高機能材料や新規部材の研究開発を、産学官との連携も行いながら推進しております。高機能粘接着分野では、ハードロックSGA(高機能構造用接着剤)の新グレード、新規用途開発を推進するとともに、ハードロックOP/UVでは紫外線硬化技術を応用した特殊高機能接着剤の新製品開発の他、電子デバイス製造プロセス用仮固定剤の開発(TBM)などの新規市場開拓にも取り組んでおります。高機能フィルム分野では、当社保有の樹脂素材技術、有機・無機複合材料設計技術に加え、シートやフィルムの先端加工技術を活かし、ダイアタッチメントフィルム(DAF)用ダイシングテープをはじめとした、電子部品半導体搬送テープ、半導体ウェハやパッケージの保護・仮固定用粘着テープや5Gの伝送損失低減フィルムなど、最先端ニーズを先取りした新規製品を供給すべく開発を進めております。先端機能材料分野では、半導体封止材向け球状シリカ、放熱材料向け球状アルミナ等、フィラーの高性能化を進めるとともに、5Gに対応する低誘電正接材料(シリカ等)など、先進的な各種機能材料の開発を積極的に推進しております。新規開発品として、回路基板などに用いられる低誘電有機絶縁材料(LDM、商品名スネクトン)の量産設備の投資を行っており、さらに拡販予定です。機能性セラミックス分野では液晶ディスプレイ・照明に用いるLED向けサイアロン蛍光体や放熱材料として用いられる各種窒化物等の特性向上、さらに低誘電特性を持つフィラーの開発にも取り組んでおります。特殊導電材料分野では、車両電動化に必要不可欠なリチウムイオン二次電池市場での事業を更に拡大すべく超高純度かつ高機能なカーボンブラックの新製品開発と事業化に取り組んでおります。当セグメントに係わる研究開発費は5,296百万円でした。 (2)ライフイノベーションヘルスケア分野では、デンカイノベーションセンター(東京都町田市)、五泉事業所(新潟県五泉市)、Denka Life Innovation Research (シンガポール)、Icon Genetics(ドイツ)の4拠点体制で、(ポテンシャル)ニーズ優先の研究開発に取り組んでおります。グローバルな視点で最先端の技術を積極的に導入しつつ、スペシャリティー事業の成長加速化を進めるため、予防・早期診断の取り組みに加え、がん領域・遺伝子領域など新規事業展開のための研究開発を推進しております。がん治療用ウイルスG47Δについては、製剤の供給が当初の計画よりも低い水準で推移しています。現在、使用をご希望される医療機関と患者の皆様にお届けすることを目指し、製造プロセスの見直しを進めています。G47Δを用いたがんウイルス療法は、従来のがん治療法とは全く異なる新規治療法であり、がん治療の体系を根本から変革する可能性のあるものです。当社は、G47Δ製剤の製造を通じ、この治療法の普及に取り組んで行きます。遺伝子領域においては、戦略的パートナーであるPlexBio社(台湾)の保有する迅速かつ簡便に同時多項目の細菌同定を可能とする測定技術IntelliPlex™を活用し、感染症領域での遺伝子検査システムの開発を推進しており、敗血症の検査薬は早期上市を目標に取り組んでおります。また、新たな取り組みとして、国立大学法人東北大学との共同研究成果をもとに国内外の内視鏡治療技術発展への貢献を目指した「Medical Rising STAR」プロジェクトを始動しております。プロジェクト第1弾として内視鏡的止血術のシミュレータモデルの試験販売を23年8月に開始し、続いて、プロジェクトの第2弾として胆膵内視鏡シミュレータモデルの開発を行い、24年夏に試験販売を始めました。さらに、製品ラインナップを強化すべく新製品の開発を進めております。既存事業領域であるワクチン・臨床試薬についても、当社グループの開発リソースを集結させ、次世代mRNAインフルワクチンの開発研究、ならびに各種感染症用迅速検査試薬や健康管理に欠かせない臨床生化学検査試薬や免疫検査試薬の新製品研究開発を、産学連携も活用して推進しており、Mission2030に向けた製品開発活動を活発化させています。当セグメントに係わる研究開発費は4,370百万円でした。 (3) エラストマー・インフラソリューションクロロプレンゴム、ERゴムなどのエラストマー分野においては、海外市場を含めた事業拡大のために、スペシャリティー製品の開発および生産技術の強化を進めております。クロロプレンゴムは世界トップシェア維持を確実なものとすべく、独自の技術で差別化した新規グレードを開発し事業の拡大を推進しています。ERゴムは配合技術や新グレードの開発を通じて高付加価値化を図り、事業強化を推進しています。また、エラストマー加工技術を保有するデンカエラストリューション社との連携も強化しております。特殊混和材分野では、従来からの鉄道や道路などのトンネル建設向けコンクリート混和材に加え、コンクリート製品の製造時に二酸化炭素を吸収・固定化・排出削減できる環境対応技術、3Dプリンティングやコンクリート二次製品の生産性向上、工事現場施工時の仕上げ時間短縮といった省力化に繋がる技術、老朽箇所の修繕・補強、構造物の長寿命化に貢献する技術といった、次世代型技術・製品の開発と事業化に注力しております。無機製品分野では、無機材料設計の基盤技術を応用し、結晶質アルミナ短繊維と多孔質セラミック材料を複合した耐火炉用高断熱ボードを開発し、事業化を進めております。アグリプロダクツ分野では国内のみならず海外市場に向けた次世代農業資材として、従来の肥料開発で蓄積した製品技術と遺伝子発現解析技術を基盤とした高機能性バイオスティミュラント製品の開発を推進しております。当セグメントに係わる研究開発費は2,564百万円でした。 (4)ポリマーソリューション透明樹脂、耐熱樹脂、シュリンクラベル用樹脂など、特長あるスチレン系機能性樹脂の分野では、市場トレンドにマッチした新規用途展開並びに新規の高機能性樹脂の開発、そして更なる品質向上や生産技術の深耕をシンガポール子会社と一体となり推進しております。さらに、新しい重合技術やポリマーアロイ技術を駆使した新規高分子材料の開発にチャレンジし、新規機能性樹脂の開発に取り組んでおります。また、スチレン系製品に関しては、持分法適用関連会社である東洋スチレン社と取り組んでいるスチレンケミカルリサイクルによる使用済みポリスチレンを原料とした再資源化・再製品化や、バイオマス素材の活用(マスバランス方式を含む)など、スチレン系材料の環境対応に関わる各種開発活動にも取り組んでおります。機能樹脂分野においては、ABS樹脂の耐熱性付与剤であるデンカIP®に関して、当社が長年にわたって高分子樹脂設計で培ってきたスチレン系の精密・重合技術をより深化させ、塗装性等の特性に優れるグレード デンカIPXシリーズの市場開発を進めております。光学用途では、液晶テレビの高輝度化・高精細化に対応した導光板用透明樹脂の市場展開を推進中です。更に今後の市場トレンドにマッチした開発、および環境対応にフォーカスした各種開発も進めております。化成品分野においては、PVA樹脂の水溶性、生分解性などの特長を活かした開発を推進しております。樹脂加工製品分野においては、市場のトレンドにマッチしたウィッグ・ヘアピース用合成繊維、食品包装用の耐熱耐油性透明シート、電子レンジ対応容器等に用いる耐熱性透明シートなどの製品群の開発を引き続き推進しております。食品包装材料分野においては、バイオマス材料の活用等による各種環境対応新規製品、フードロス低減に対応した製品を開発し市場展開を進めております。ウィッグ・ヘアピース用合成繊維 Toyokalon®に関しては、市場ニーズにマッチした製品開発や市場展開および環境負荷低減ニーズに対応した製品開発を進めております。なお本製品の研究活動は、2026年3月末の大船工場稼働停止に伴いシンガポール子会社へ移管予定です。当セグメントに係わる研究開発費は2,197百万円でした。 (5) その他事業産業設備の設計・施工等を行なっているデンカエンジニアリング㈱では効率的な粉体の空気輸送設備の技術開発や廃水設備等の研究開発をおこなっている他、各事業所に設置している生産技術部を中心に、デジタル技術を活用した生産性向上について検討する等、研究段階から事業化を見据えたプロセス設計、開発の充実を図っております。その他事業に係わる研究開発費は458百万円でした。
FY2024|4,431 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、「一番上手にできる技術」の幅を広げ、持続可能な社会に貢献できるデンカならではの製品開発を推進し、新たな価値を生み出す魅力的な新規事業・製品の創出を加速していきます。そのために、複数の異種技術を融合し、組織の境界、領域を超えたデンカグループ全体のシナジー効果を発揮すべく、グループの総合力を活かす研究開発を推進しております。デンカイノベーションセンターを中核拠点として、多くの国内外産学官とのオープンイノベーションを推進しております。物質材料研究機構(NIMS)とのNIMS-Denka次世代材料研究センター、山形大学および新潟大学との包括共同研究を展開する等、引き続き積極的な外部連携強化を推進致します。これらの研究開発、製品化をさらに加速するため、新事業開発部門を再編、コーポレート研究部門・デンカイノベーションセンター・既存事業部門の研究開発体制を強化して、新事業創出の強化と既存事業の更なる発展、研究の責任・運営体制を明確化して、市場の動向を直視し、次世代の市場ニーズに確実かつ迅速に対応することで、早期の実需化につなげたいと考えております。また、ESG(環境・社会・統治)の視点を常に意識し、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)を羅針盤として研究開発に注力致します。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は15,162百万円、研究要員は864名であり、当連結会計年度に国内で出願公開された特許は196件、国際出願で公開された特許は215件、国内で登録された特許(実用新案を含む)は291件となりました。当連結会計年度における各事業部門別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。 (1)電子・先端プロダクツ電子部材分野では、市場が拡大するパワーモジュール、車両電動化向けなど電子回路基板や放熱材料の多様なニーズに対応したソリューションを提案すべく、当社固有のセラミックスの開発技術や有機・無機材料の複合化技術の進化による高機能材料や新規部材の研究開発を、産学官との連携も行いながら推進しております。高機能粘接着分野では、ハードロックSGA(高機能構造用接着剤)の新グレード、新規用途開発を推進するとともに、ハードロックOP/UVでは紫外線硬化技術を応用した特殊高機能接着剤の新製品開発の他、有機EL製造プロセス、半導体製造プロセスへの適用などの新規市場開拓にも取り組んでおります。高機能フィルム分野では、当社保有の樹脂素材技術、有機・無機複合材料設計技術に加え、シートやフィルムの先端加工技術を活かし、電子部品半導体搬送テープ、半導体ウェハやパッケージの保護・仮固定用粘着テープや5Gの伝送損失低減フィルムなど、最先端ニーズを先取りした新規製品を供給すべく開発を進めております。先端機能材料分野では、半導体封止材向け球状シリカ、放熱材料向け球状アルミナ等、フィラーの高性能化を進めるとともに、5Gに対応する低誘電正接材料(シリカ等)など、先進的な各種機能材料の開発を積極的に推進しております。新規開発品として、回路基板などに用いられる低誘電有機絶縁材料(LDM、商品名スネクトン)の量産設備の投資を行う予定です。機能性セラミックス分野では液晶ディスプレイ・照明に用いるLED向けサイアロン蛍光体や放熱材料として用いられる各種窒化物等の特性向上にも取り組んでおります。特殊導電材料分野では、車両電動化に必要不可欠なリチウムイオン二次電池市場での事業を更に拡大すべく超高純度かつ高機能なカーボンブラックの新製品開発と事業化に取り組んでおります。当セグメントに係わる研究開発費は5,274百万円でした。 (2)ライフイノベーションヘルスケア分野では、デンカイノベーションセンター(東京都町田市)、五泉事業所(新潟県五泉市)、Denka Life Innovation Research (シンガポール)、Icon Genetics(ドイツ)の4拠点体制で、(ポテンシャル)ニーズ優先の研究開発に取り組んでおります。グローバルな視点で最先端の技術を積極的に導入しつつ、スペシャリティー事業の成長加速化を進めるため、予防・早期診断の取り組みに加え、がん領域・遺伝子領域など新規事業展開のための研究開発を推進しております。当社最重点事業であるがん治療用ウイルスG47Δ事業については、生産技術の深耕ならびに更なる品質の向上に継続的に取り組むとともに、東大医科研内に設置された寄付研究部門との連携により、先端的大規模製造法等の研究開発も推進しております。G47Δを用いたがんウイルス療法は、従来のがん治療法とは全く異なる新規治療法であり、がん治療の体系を根本から変革する可能性のあるものです。当社は、G47Δ製剤の製造を通じ、この治療法の普及に取り組んで行きます。遺伝子領域においては、戦略的パートナーであるPlexBio社(台湾)の保有する迅速かつ簡便に同時多項目の細菌同定を可能とする測定技術IntelliPlex™を活用し、感染症領域での遺伝子検査システムの開発を推進しており、敗血症の検査薬は早期上市を目標に取り組んでおります。また、22年度からの新たな取り組みとして、国立大学法人東北大学との共同研究成果をもとに国内外の医療技術発展への貢献を目指す「Medical Rising STAR」プロジェクトを始動しており、プロジェクト第1弾として内視鏡的止血術のシミュレータモデルの試験販売を23年8月に開始しました。続いて、プロジェクトの第2弾として胆膵内視鏡シミュレータモデルの開発を行い、24年2月にプレスリリースを実施、24年夏には試験販売を始める予定です。既存技術周辺においても、当社グループの開発リソースを集結させ、高品質ワクチンの開発、および感染症検査試薬や健康管理に欠かせない臨床生化学検査試薬や免疫検査試薬の新技術・新製品開発を推進しております。感染症分野では、すでに上市している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、ならびにCOVID-19・インフルエンザ同時診断用抗原定性キットをはじめ、その他の項目も含めての弊社製品ユーザーの利便性を追求した自動読み取りリーダーの上市を致しました。また、新たな感染症に挑むべく産学連携の元での開発活動も引き続き推進しており、Mission2030に向けた製品開発活動を活発化させています。当セグメントに係わる研究開発費は4,457百万円でした。 (3) エラストマー・インフラソリューションクロロプレンゴム、ERゴムなどのエラストマー分野においては、海外市場を含めた事業拡大のために、スペシャリティー製品の開発および生産技術の強化を進めております。クロロプレンゴムは世界トップシェア維持を確実なものとすべく、独自の技術で差別化した新規グレードを開発してラテックス事業の拡大を推進するとともに、米国デンカパフォーマンスエラストマー(DPE)社との、研究開発、生産技術を含む総合的なシナジー効果による一体運営の強化を図っています。また、エラストマー加工技術を保有するデンカエラストリューション社との連携も強化しております。特殊混和材分野では、従来からの鉄道や道路などのトンネル建設向けコンクリート混和材に加え、コンクリート製品の製造時に二酸化炭素を吸収・固定化できる環境対応技術、3Dプリンティングやコンクリート二次製品の生産性向上、工事現場施工時の仕上げ時間短縮といった省力化に繋がる技術、老朽箇所修繕、構造物の長寿命化に貢献する技術といった、次世代型技術・製品の開発と事業化に注力しております。また社会資本の維持補修に関する調査・診断ソリューションの研究開発として、3Dデジタル計測技術を活用した文化財等を含む建築構造物の設計・維持管理への応用展開に取り組んでおります。無機製品分野では、無機材料設計の基盤技術を応用し、結晶質アルミナ短繊維と多孔質セラミック材料を複合した耐火炉用高断熱ボードを開発し、事業化を進めております。アグリプロダクツ分野では国内のみならず海外市場に向けた次世代農業資材として、従来の肥料開発で蓄積した製品技術と遺伝子発現解析技術を基盤とした高機能性バイオスティミュラント製品の開発を推進しております。当セグメントに係わる研究開発費は2,755百万円でした。 (4)ポリマーソリューション透明樹脂、耐熱樹脂、シュリンクラベル用樹脂など、特長あるスチレン系機能性樹脂の分野では、市場トレンドにマッチした新規用途展開並びに新規な高機能性樹脂の開発、そして更なる品質向上や生産技術の深耕をシンガポール子会社と一体となり推進しております。さらに、新しい重合技術やポリマーアロイ技術を駆使した新規高分子材料の開発にチャレンジし、新規機能性樹脂の開発に取り組んでおります。機能樹脂分野においては、ABS樹脂の耐熱性付与剤であるデンカIP®に関して、当社が長年にわたって高分子樹脂設計で培ってきたスチレン系の精密・重合技術をより深化させ、塗装性等の特性に優れるグレード デンカIPXシリーズの市場開発を進めております。光学用途では、液晶テレビの高輝度化・高精細化に対応した導光板用透明樹脂の市場展開を推進中です。更に今後の市場トレンドにマッチした開発、および環境対応にフォーカスした各種開発も進めております。化成品分野においては、PVA樹脂の水溶性、生分解性などの特長を活かした開発を推進しております。樹脂加工製品分野においては、市場のトレンドにマッチしたウィッグ・ヘアピース用合成繊維、食品包装用の耐熱耐油性透明シート、電子レンジ対応容器等に用いる耐熱性透明シート、産業用高機能フィルムなどの製品群の開発を引き続き推進しております。食品包装材料分野においては、バイオマス材料の活用等による各種環境対応新規製品、フードロス低減に対応した製品を開発し市場展開を進めております。産業用高機能フィルム分野に関しても環境負荷低減ニーズに対応した製品の開発を進めております。ウィッグ・ヘアピース用合成繊維分野に関しては、市場ニーズにマッチした製品を開発し市場展開を進めております。当セグメントに係わる研究開発費は2,223百万円でした。 (5) その他事業産業設備の設計・施工等を行なっているデンカエンジニアリング㈱では効率的な粉体の空気輸送設備の技術開発や廃水設備等の研究開発をおこなっている他、各事業所に設置している生産技術部を中心に、デジタル技術を活用した生産性向上について検討する等、研究段階から事業化を見据えたプロセス設計、開発の充実を図っております。その他事業に係わる研究開発費は451百万円でした。
FY2023|4,475 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、「一番上手にできる技術」の幅を広げ、持続可能な社会に貢献できるデンカならではの製品開発を推進し、新たな価値を生み出す魅力的な新規事業・製品の創出を加速していきます。そのために、複数の異種技術を融合し、組織の境界、領域を超えたデンカグループ全体のシナジー効果を発揮すべく、グループの総合力を活かす研究開発を推進しております。デンカイノベーションセンターを中核拠点として、多くの国内外産学官とのオープンイノベーションを推進しております。物質材料研究機構(NIMS)とのNIMS-Denka次世代材料研究センター、山形大学および新潟大学との包括共同研究を展開する等、引き続き積極的な外部連携強化を推進致します。これらの研究開発、製品化をさらに加速するため、新事業開発部門を新設、コーポレート研究部門・デンカイノベーションセンター・既存事業部門の研究開発体制を再編して、新事業創出の強化と既存事業の更なる発展、研究の責任・運営体制を明確化して、市場の動向を直視し、次世代の市場ニーズに確実かつ迅速に対応することで、早期の実需化につなげたいと考えております。また、ESG(環境・社会・統治)の視点を常に意識し、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)を羅針盤として研究開発に注力致します。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は14,931百万円、研究要員は853名であり、当連結会計年度に国内で出願公開された特許は185件、国際出願で公開された特許は292件、国内で登録された特許(実用新案を含む)は229件となりました。当連結会計年度における各事業部門別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。 (1)電子・先端プロダクツ電子部材分野では、市場が拡大するパワーモジュール、車両電動化向けなど電子回路基板や放熱材料の多様なニーズに対応したソリューションを提案すべく、当社固有のセラミックスの開発技術や有機・無機材料の複合化技術の進化による高機能材料や新規部材の研究開発を、産学官との連携も行いながら推進しております。高機能粘接着分野では、ハードロックSGA(高機能構造用接着剤)の新グレード、新規用途開発を推進するとともに、ハードロックOP/UVでは紫外線硬化技術を応用した特殊高機能接着剤の新製品開発の他、有機EL製造プロセス、半導体製造プロセスへの適用などの新規市場開拓にも取り組んでおります。高機能フィルム分野では、当社保有の樹脂素材技術、有機・無機複合材料設計技術に加え、シートやフィルムの先端加工技術を活かし、電子部品半導体搬送テープ、半導体ウェハやパッケージの保護・仮固定用粘着テープや5Gの伝送損失低減フィルムなど、最先端ニーズを先取りした新規製品を供給すべく開発を進めております。先端機能材料分野では、半導体封止材向け球状シリカ、放熱材料向け球状アルミナ等、フィラーの高性能化を進めるとともに、5Gに対応する低誘電正接材料(シリカ等)など、先進的な各種機能材料の開発を積極的に推進しております。加えて、液晶ディスプレイ・照明に用いるLED向けサイアロン蛍光体や放熱材料の特性向上にも取り組んでおります。特殊導電材料分野では、車両電動化に必要不可欠なリチウムイオン二次電池市場での事業を更に拡大すべく超高純度かつ高機能なカーボンブラックの新製品開発と事業化に取り組んでおります。更なる開発促進のため、複数の研究機関とのオープンイノベーションにも取り組んでおります。当セグメントに係わる研究開発費は4,678百万円でした。 (2)ライフイノベーションヘルスケア分野では、デンカイノベーションセンター(東京都町田市)、五泉事業所(新潟県五泉市)、Denka Life Innovation Research (シンガポール)、Icon Genetics(ドイツ)の4拠点体制で、(ポテンシャル)ニーズ優先の研究開発に取り組んでおります。グローバルな視点で最先端の技術を積極的に導入しつつ、スペシャリティー事業の成長加速化を進めるため、予防・早期診断の取り組みに加え、がん領域・遺伝子領域など新規事業展開のための研究開発を推進しております。当社最重点事業であるがん治療用ウイルスG47Δ事業については、現行製法・試験法の改良に継続的に取り組むとともに、昨年、東大医科研内に設置された寄付研究部門との連携により、先端的大規模製造法の研究開発にも着手しました。G47Δを用いたがんウイルス療法は、従来のがん治療法とは全く異なる新規治療法であり、がん治療の体系を根本から変革する可能性のあるものです。当社は、G47Δ製剤の製造を通じ、この治療法の普及に取り組んで行きます。遺伝子領域においては、戦略的パートナーであるPlexBio社(台湾)の保有する迅速かつ簡便に同時多項目の細菌同定を可能とする測定技術IntelliPlex™を活用し、感染症領域での遺伝子検査システムの開発を推進しており、敗血症の検査薬は早期上市を目標に取り組んでおります。また、Icon Genetics社が保有する、遺伝子組み換え技術を駆使した植物によるタンパク産生技術magnICON ®を、ノロウイルスワクチン等の新規ワクチンや体外診断用医薬品原料など抗体・ワクチン抗原等の高分子タンパク質産生に活用しております。ノロウイルスワクチンにつきましては、欧州ベルギーにて実施していた治験第Ⅰ相はすでに終了しており、次の治験に向けて検討を進めております。新たな取り組みとしては、国立大学法人東北大学との共同研究成果をもとに内視鏡的止血術のシミュレータモデルの開発を実行しました。国内外の医療技術発展への貢献を目指す「Medical Rising STAR」プロジェクトの第1弾として試験販売を致します。既存技術周辺においても、当社グループの開発リソースを集結させ、高品質ワクチンの開発、および感染症検査試薬や健康管理に欠かせない臨床生化学検査試薬や免疫検査試薬の新技術・新製品開発を推進しております。感染症分野では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、ならびにCOVID-19・インフルエンザ同時診断用の抗原定性キットを開発・上市しており、ユーザー利便性を考え同キットの自動読み取りリーダーの開発を進めました。当セグメントに係わる研究開発費は3,825百万円でした。 (3) エラストマー・インフラソリューションクロロプレンゴム、ERゴムなどのエラストマー分野においては、海外市場を含めた事業拡大のために、スペシャリティー製品の開発および生産技術の強化を進めております。クロロプレンゴムは世界トップシェア維持を確実なものとすべく、独自の技術で差別化した新規グレードを開発してラテックス事業の拡大を推進するとともに、米国デンカパフォーマンスエラストマー(DPE)社との、研究開発、生産技術を含む総合的なシナジー効果による一体運営の強化を図っています。また、エラストマー加工技術を保有するデンカエラストリューション社との連携も強化しております。特殊混和材分野では、従来からの鉄道や道路などのトンネル建設向けコンクリート混和材に加え、コンクリート製品の製造時に二酸化炭素を吸収・固定化できる環境対応技術、3Dプリンティングやコンクリート二次製品の生産性向上といった省力化に繋がる技術、老朽箇所を修繕し、構造物の長寿命化に貢献する技術といった、次世代型技術・製品の開発と事業化に注力しております。また社会資本の維持補修に関する調査・診断ソリューションの研究開発として、3Dデジタル計測技術を活用した文化財等を含む建築構造物の設計・維持管理への応用展開に取り組んでおります。無機製品分野では、無機材料設計の基盤技術を応用し、結晶質アルミナ短繊維と多孔質セラミック材料を複合した耐火炉用高断熱ボードを開発し、事業化を進めております。また、JSP社のビーズ法発泡ポリスチレン技術と当社の無機材料設計技術を融合した、不燃性・遮熱性・断熱性を併せ持つ軽量・不燃ボードを共同開発し、木造多層建築物等への適用を目指しております。アグリプロダクツ分野では国内のみならず海外市場に向けた次世代農業資材として、従来の肥料開発で蓄積した製品技術と遺伝子発現解析技術を基盤とした高機能性バイオスティミュラント製品の開発を推進しております。当セグメントに係わる研究開発費は3,370百万円でした。 (4)ポリマーソリューション透明樹脂、耐熱樹脂、シュリンクラベル用樹脂など、特長あるスチレン系機能性樹脂の分野では、市場トレンドにマッチした新規用途展開並びに新規な高機能性樹脂の開発、そして更なる品質向上や生産技術の深耕をシンガポール子会社と一体となり推進しております。さらに、新しい重合技術やポリマーアロイ技術を駆使した新規高分子材料の開発にチャレンジし、新規機能性樹脂の開発に取り組んでおります。機能樹脂分野においては、ABS樹脂の耐熱性付与剤であるデンカIP®に関して、当社が長年にわたって高分子樹脂設計で培ってきたスチレン系の精密・重合技術をより深化させ、塗装性等の特性に優れるグレード デンカIPXシリーズを上市し市場開発を進めております。光学用途では、液晶テレビの高輝度化・高精細化に対応した導光板用透明樹脂を開発し市場展開を推進中で、更に今後の市場トレンドにマッチした開発も推進しております。併せて、環境対応にフォーカスした各種研究テーマも進めております。化成品分野においては、PVA樹脂の水溶性、生分解性などの特長を活かした開発を推進しております。樹脂加工製品分野においては、市場のトレンドにマッチした頭髪用合成繊維、食品包装用の耐熱耐油性透明シート、電子レンジ対応容器等に用いる耐熱性透明シート、産業用高機能フィルムなどの製品群の開発を引き続き推進しております。食品包装材料分野においては、バイオマス材料の活用等による各種環境対応新規製品、フードロス低減に対応した製品の開発を進めております。産業用高機能フィルム分野に関しても環境負荷低減ニーズに対応した製品の開発を進めています。頭髪用合成繊維分野に関しては、市場における最先端のトレンドにマッチした製品の開発を進めております。当セグメントに係わる研究開発費は2,548百万円でした。 (5) その他事業産業設備の設計・施工等を行なっているデンカエンジニアリング㈱では効率的な粉体の空気輸送設備の技術開発や廃水設備等の研究開発をおこなっている他、各事業所に設置している生産技術部を中心に、デジタル技術を活用した生産性向上について検討する等、研究段階から事業化を見据えたプロセス設計、開発の充実を図っております。その他事業に係わる研究開発費は507百万円でした。
FY2022|4,562 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、「チャレンジ&オープンイノベーション」をスローガンに、既存事業の強化、拡大を図るとともに、特に重点3分野である『ヘルスケア』『環境・エネルギー』『高付加価値インフラ』において、グローバルな視点で市場密着型の新しいニーズを把握し、複数の異種技術の融合により、新たな価値、次世代新規事業・製品の創出を加速していきます。そのために、組織の境界、領域を超えたデンカグループ全体のシナジー効果を発揮すべく、グループの総合力を活かす研究開発を推進しております。デンカイノベーションセンターを中核拠点として、多くの国内外産学官とのオープンイノベーションを推進しております。物質材料研究機構(NIMS)とのNIMS-Denka次世代材料研究センター、山形大学および新潟大学との包括共同研究を展開する等、引き続き積極的な外部連携強化を推進致します。これらの研究開発、製品化をさらに加速するため、「研究推進部」と「新事業開発部」が緊密に連携し、社内外のオープンイノベーションを戦略的、効率的且つ、スピーディーに進めます。事業部門との連携をこれまで以上に強化し、市場の動向を直視し、次世代の市場ニーズに確実かつ迅速に対応することで、早期の実需化につなげたいと考えております。また、ESG(環境・社会・統治)の視点を常に意識し、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)を羅針盤として研究開発に注力致します。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は14,231百万円、研究要員は858名であり、当連結会計年度に国内で出願された特許は446件、国内で登録された特許(実用新案を含む)221件となりました。当連結会計年度における各事業部門別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。 (1)電子・先端プロダクツ電子部材分野では、市場が拡大するパワーモジュール、車両電動化向けなどの電子回路基板や放熱材料について、当社固有のセラミックスの開発技術や有機・無機材料の複合化技術をさらに進化させ、多様なニーズに合致するソリューションを提供すべく、高機能材料や新規部材の研究開発を産学官との連携も行いながら推進しております。接着剤分野では、ハードロックSGA(高機能構造用接着剤)の新グレード、新規用途開発を推進するとともに、ハードロックOP/UVでは紫外線硬化技術を応用した特殊高機能接着剤の新製品開発や有機EL製造プロセスへの適用など新規市場開拓にも注力しております。高機能フィルム分野では、当社保有の樹脂素材技術、有機・無機複合材料設計技術に加え、シートやフィルムの先端加工技術を活かし、電子部品・半導体搬送テープ、半導体ウェハやパッケージの保護・仮固定用粘着テープや5Gの伝送損失低減フィルムなど、最先端ニーズに対応した新規製品を供給すべく開発を進めております。先端機能材料分野では、半導体封止材向け球状シリカ、放熱材料向け球状アルミナ等のフィラーの高性能化を行うとともに、液晶ディスプレイ・照明に用いるLED向けサイアロン蛍光体や放熱材料の特性向上に加え、5Gに対応する低誘電正接シリカなど先進的な各種機能性セラミックス粉体の開発を推進しております。特殊導電材料分野では、高純度で導電性に優れるカーボンブラックのxEVに搭載されるリチウムイオン二次電池市場での事業拡大を目指し、最先端ニーズに対応した超高純度かつ高機能な新製品の開発と事業化に取り組んでおります。また、複数の研究機関とのオープンイノベーションを進め、開発促進を図っております。当セグメントに係わる研究開発費は4,266百万円でした。 (2)ライフイノベーションヘルスケア分野では、ライフイノベーション研究所(東京都町田市)、五泉事業所(新潟県五泉市)、Denka Life Innovation Research (シンガポール)、Icon Genetics(ドイツ)の4拠点体制で、(ポテンシャル)ニーズ優先の研究開発に取り組んでおります。グローバルな視点で最先端の技術を積極的に導入しつつ、スペシャリティー事業の成長加速化を進めるため、予防・早期診断の取り組みに加え、がん領域および遺伝子領域をキーワードとする新規事業展開のための研究開発を推進しております。2017年2月に米KEW社から導入したがん遺伝子変異検査技術について、薬事承認申請をめざした取り組みを、デンカ、KEW社、および両社のJVであるデンカ・キュー・ジェノミクスの連携により進めております。これに加えて、新潟大学と情報科学を駆使したデータ解析に関する共同研究を実施したほか、九州大学と次世代がんゲノム検査につながる共同研究を進めております。また五泉事業所では、がん治療用ウイルス製剤「G47Δ(デルタ)」の実用化へ向けた大量生産技術の開発を進め、6月に製造販売業者である第一三共株式会社が製造販売承認を取得いたしました。これにより、がんウイルス療法という新たな医療技術の開拓を進めます。さらに、戦略的パートナーである台湾PlexBio社の保有する迅速かつ簡便に同時多項目の細菌同定を可能とする測定技術IntelliPlex™を活用し、感染症領域での遺伝子検査システムの開発を推進しており、敗血症の検査薬は2023年度の上市を目標に取り組んでおります。また、Icon Genetics社が保有する、遺伝子組み換え技術を駆使した植物によるタンパク産生技術magnICON ®を抗体・ワクチン抗原等の高分子タンパク質産生に活用し、ノロウイルスワクチン等の新規ワクチンや体外診断用医薬品原料の開発を進めており、ノロウイルスワクチンにつきましては、欧州ベルギーにて実施していた治験第Ⅰ相が終了し、ワクチンの安全性と免疫原性が確認できました。また、同技術の将来展開を見据え、Icon社周辺に新施設を建設すべく引き続き検討を進めております。既存技術周辺においても、当社グループの開発リソースを集結させ、高品質ワクチンの開発、および感染症検査試薬や健康管理に欠かせない臨床生化学検査試薬や免疫検査試薬の新技術・新製品開発を推進しております。感染症分野では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断のために、抗原定性POCTを開発・上市し、更に高感度や短時間化などの改良を進めると共に抗体を検出するキットなどの開発に注力しております。当セグメントに係わる研究開発費は4,173百万円でした。 (3) エラストマー・インフラソリューションクロロプレンゴム、ERゴムなどのエラストマー分野においては、海外市場を含めた事業拡大のために、スペシャリティー製品の開発および生産技術の強化を進めております。特にクロロプレンゴムは世界トップシェア維持を確実なものとすべく、独自の技術で差別化した新規グレードを開発してラテックス事業の拡大を推進するとともに、米国デンカパフォーマンスエラストマー(DPE)社との、研究開発、生産技術を含む総合的なシナジー効果による一体運営の強化を図っています。また、エラストマー加工技術を保有するデンカエラストリューション社との連携も強化しております。セメント・特殊混和材分野では、従来からの鉄道や道路などのトンネル建設向けコンクリート混和材に加え、コンクリート製品の製造時に二酸化炭素を吸収・固定化できる環境対応技術、3Dプリンティングやコンクリート二次製品の生産性向上といった省力化に繋がる技術、老朽箇所を修繕し、構造物の長寿命化に貢献する技術といった、次世代型技術・製品の技術開発と事業化に注力しております。また社会資本の維持補修に関する調査・診断ソリューションの研究開発として、3Dデジタル計測技術を活用した文化財等を含む建築構造物の設計・維持管理への応用展開に取り組んでおります。無機製品分野では、無機材料設計の基盤技術を応用し、結晶質アルミナ短繊維と多孔質セラミック材料を複合した耐火炉用高断熱ボードを開発し、事業化を進めております。また、JSP社のビーズ法発泡ポリスチレン技術と当社の無機材料設計技術を融合した、不燃性・遮熱性・断熱性を併せ持つ軽量・不燃ボードを共同開発し、木造多層建築物等への適用を目指しております。アグリプロダクツ分野では次世代農業資材の開発から圃場の維持管理技術、栽培技術および施肥技術をベースにした農業ソリューションビジネスへの展開を目指しております。次世代農業資材としては、従来の肥料開発で蓄積した製品技術と、遺伝子発現解析技術を基盤とした、高機能性バイオスティミュラント製品の開発を推進しております。当セグメントに係わる研究開発費は3,018百万円でした。 (4)ポリマーソリューション透明樹脂、耐熱樹脂、シュリンクラベル用樹脂など、特長あるスチレン系機能性樹脂の分野では、市場トレンドにマッチした新規用途展開並びに新規な高機能性樹脂の開発、そして更なる品質向上や生産技術の深耕をシンガポール子会社と一体となり推進しております。さらに、新しい重合技術やポリマーアロイ技術を駆使した新規高分子材料の開発にチャレンジし、新規機能性樹脂の開発に取り組んでおります。機能樹脂分野においては、ABS樹脂の耐熱性付与剤であるデンカIP®に関して、塗装性等の特性に優れる新規グレードデンカIPXシリーズを実績化しました。更に、他の樹脂系へ適用可能な新規耐熱性付与剤の開発を進めております。光学用途では、液晶テレビの高輝度化・高精細化に対応した導光板用透明樹脂の開発を推進中です。併せて、環境対応にフォーカスした各種研究テーマも進めております。樹脂加工製品分野においては、市場のトレンドにマッチした頭髪用合成繊維、食品包装用の耐熱耐油性透明シート、電子レンジ対応容器等に用いる耐熱性透明シート、産業用高機能フィルムなどの製品群の開発を引き続き推進しております。食品包装材料分野においては、環境負荷低減ニーズへの対応と食品容器としての更なる高機能化に注力しており、容器の軽量化に寄与する高強度薄肉シートを実績化しました。更に、バイオマス材料の活用等による各種環境対応新規製品、電子レンジ耐性や幅広い食材に対応可能な容器に寄与する製品、フードロス低減に対応した製品の開発を進めております。産業用高機能フィルム分野に関しても環境負荷低減ニーズに対応した製品の開発を進めています。頭髪用合成繊維分野に関しては、市場における最先端のトレンドにマッチした製品の開発を進めています。当セグメントに係わる研究開発費は2,244百万円でした。 (5) その他事業産業設備の設計・施工等を行なっているデンカエンジニアリング㈱では効率的な粉体の空気輸送設備の技術開発や廃水設備等の研究開発をおこなっている他、各事業所に設置している生産技術部を中心に、デジタル技術を活用して生産性向上について検討する等、研究段階から事業化を見据えたプロセス設計、開発の充実を図っております。その他事業に係わる研究開発費は529百万円でした。
FY2021|4,848 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、「チャレンジ&オープンイノベーション」をスローガンに、既存事業の強化、拡大を図るとともに、特に重点3分野である『ヘルスケア』『環境・エネルギー』『高付加価値インフラ』において、グローバルな視点で市場密着型の新しいニーズを把握し、複数の異種技術の融合により、新たな価値、次世代新規事業・製品の創出を加速していきます。そのために、組織の境界、領域を超えたデンカグループ全体のシナジー効果を発揮すべく、グループの総合力を活かす研究開発を推進しております。デンカイノベーションセンターを中核拠点として、多くの国内外産学官とのオープンイノベーションを推進しております。物質材料研究機構(NIMS)とのNIMS-Denka次世代材料研究センター、山形大学および新潟大学との包括共同研究を展開する等、引き続き積極的な外部連携強化を推進致します。これらの研究開発、製品化をさらに加速するため、「研究推進部」と「新事業開発部」が緊密に連携し、社内外のオープンイノベーションを戦略的、効率的且つ、スピーディーに進めます。事業部門との連携をこれまで以上に強化し、市場の動向を直視し、次世代の市場ニーズに確実かつ迅速に対応することで、早期の実需化につなげたいと考えております。また、ESG(環境・社会・統治)の視点を常に意識し、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)を羅針盤として研究開発に注力致します。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は14,736百万円、研究要員は849名であり、当連結会計年度に国内で出願された特許は483件、国内で登録された特許(実用新案を含む)182件となりました。当連結会計年度における各事業部門別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。 (1)エラストマー・機能樹脂クロロプレンゴム、ERゴムなどのエラストマー分野においては、海外市場を含めた事業拡大のために、スペシャリティー製品の開発および生産技術の強化を進めております。特にクロロプレンゴムは世界トップシェア維持を確実なものとすべく、従来の用途展開を推進するとともに、米国デンカパフォーマンスエラストマー(DPE)社と研究開発、生産技術を含む総合的なシナジーを推進しております。また、エラストマー加工技術を保有するデンカエラストリューション社との連携も強化しております。また、透明樹脂、耐熱樹脂、シュリンクラベル用樹脂など、特長あるスチレン系機能性樹脂の分野では、市場トレンドにマッチした新規用途展開並びに新規な高機能性樹脂の開発、そして更なる品質向上や生産技術の深耕をシンガポール子会社と一体となり推進しております。さらに、新しい重合技術やポリマーアロイ技術を駆使した新規高分子材料の開発にチャレンジし、高機能エラストマーや新規機能性樹脂の開発を進めております。エラストマー分野においては、耐油性や動的環境下での耐屈曲疲労性に優れる新規高機能エラストマーEvolmer®の市場開発を推進するとともに、約190℃の温度領域下での耐熱性を具現化した高耐熱特殊エラストマーを新たに開発し、市場開発を進めております。一方、機能樹脂分野においては、ABS樹脂の耐熱性付与剤であるデンカIP®に関して、塗装性等の特性に優れる新規グレードデンカIPXシリーズを実績化しました。更に、他の樹脂系へ適用可能な新規耐熱性付与剤も開発中です。併せて、環境対応にフォーカスした各種研究テーマも推進しております。当セグメントに係わる研究開発費は2,053百万円でした。 (2)インフラ・ソーシャルソリューションセメント・特殊混和材分野では、環境への配慮に加え省力化、長寿命化への貢献を目指して、コンクリート製品の製造時に二酸化炭素を吸収・固定化できる環境対応製品の技術開発、人手不足の解消や生産効率の向上に貢献できる省力化技術の開発、老朽化したコンクリート構造物を修繕するための高耐久製品の技術開発と事業化に注力しております。また社会資本の維持補修に関する調査・診断ソリューションの研究開発として、3Dデジタル計測技術を活用した文化財等を含む建築構造物の設計・維持管理への応用展開に取り組んでおります。無機製品分野では、無機材料設計の基盤技術を応用し、結晶質アルミナ短繊維と多孔質セラミック材料を複合した耐火炉用高断熱ボードを開発し、事業化を進めております。また、JSP社のビーズ法発泡ポリスチレン技術と当社の無機材料設計技術を融合した、不燃性・遮熱性・断熱性を併せ持つ軽量・不燃ボードを共同開発し、木造多層建築物等への適用を目指しております。アグリプロダクツ分野では次世代農業資材の開発から圃場の維持管理技術、栽培技術および施肥技術をベースにした農業ソリューションビジネスへの展開を目指しております。次世代農業資材としては、従来の肥料開発で蓄積した製品技術と、遺伝子発現解析技術を基盤とした、高機能性バイオスティミュラント製品の開発を推進しております。当セグメントに係わる研究開発費は2,081百万円でした。 (3) 電子・先端プロダクツ電子部材分野では、市場の伸びが期待されるパワーモジュール、車両電動化向けなどの電子回路基板や放熱材料について、当社固有のセラミックス技術や有機・無機ハイブリッド材料技術をさらに進化させ、多様なニーズに合致するソリューションを提供すべく各種高機能材料や部材の研究開発を産学官との連携も行いながら推進しております。接着剤分野では、ハードロックSGA(高機能構造用接着剤)の新グレード、新規用途開発を推進するとともに、ハードロックOP/UVでは紫外線硬化技術を応用した特殊高機能接着剤の新製品開発や有機EL製造プロセスへの適用など新規市場開拓にも注力しております。高機能フィルム分野では、当社保有の樹脂素材技術、無機・有機複合材料設計技術に加え、シートやフィルムの先端加工技術を活かし、電子部品・半導体搬送テープ、半導体ウェハやパッケージの保護・仮固定用粘着テープや5Gの伝送損失低減フィルムなど、最先端ニーズに対応した新規製品をタイムリーに供給すべく開発を進めております。先端機能材料分野では、半導体封止材向け球状シリカ、放熱材料向け球状アルミナ等のフィラーの高性能化を行うとともに、液晶ディスプレイ・照明に用いるLED向けサイアロン蛍光体や放熱材料の特性向上に加え、5Gに対応する低誘電正接シリカなど先進的な各種機能性セラミックス粉体の開発を推進しております。特殊導電材料分野では、高純度で導電性に優れるアセチレンブラックのリチウムイオン二次電池市場での事業拡大を目指し、最先端ニーズに対応した超高純度かつ高機能な新製品の開発と事業化に取り組んでおります。また、国内外の研究機関とのオープンイノベーションを進め、開発促進を図っております。当セグメントに係わる研究開発費は3,778百万円でした。 (4)生活・環境プロダクツ生活・環境に関わる各分野に展開する樹脂加工製品においては、工業用、産業用高機能性フィルム・シート、工業用や自動車用の高機能テープ、市場のトレンドにマッチした頭髪用合成繊維、食品包装用の耐油性透明シート、電子レンジ対応容器等に用いる耐熱性透明シートなどの製品群の開発を引き続き推進しております。また、コーポレート研究所であるポリマー・加工技術研究所を中核拠点として、配合技術による機能性付与や、シート・フィルムの製膜、多層成形、ラミネーション、精密塗工など各種加工技術の高度化を推進するなど、当社グループ全体のポリマー・加工技術の研究開発を加速するとともに、関連グループ会社との連携を強化しております。これにより当社グループの樹脂加工製品の新規用途展開、特性改善、および新製品開発を積極的に進め、更なる事業拡大を図っております。食品包装材料分野においては、環境負荷低減ニーズへの対応と食品容器としての更なる高機能化に注力しており、容器の軽量化に寄与する高強度薄肉シート、バイオマス材料の活用等による各種環境対応新規製品、更に電子レンジ耐性や幅広い食材に対応可能な容器に寄与する製品の開発を進めております。頭髪用合成繊維分野に関しては、市場における最先端のトレンドにマッチした製品開発を進めています。当セグメントに係わる研究開発費は1,170百万円でした。 (5) ライフイノベーションヘルスケア分野では、ライフイノベーション研究所(東京都町田市)、五泉事業所(新潟県五泉市)、Denka Life Innovation Research (DLIR, シンガポール)、Icon Genetics(独)の4拠点体制で、(ポテンシャル)ニーズ優先の研究開発に取り組んでおります。グローバルな視点で最先端の技術を積極的に導入しつつ、スペシャリティー事業の成長加速化を進めるため、予防・早期診断の取り組みに加え、がん領域および遺伝子領域をキーワードとする新規事業展開のための研究開発を推進しております。2017年2月に米KEW社から導入したがん遺伝子変異検査技術について、薬事承認申請をめざした取り組みを、デンカ、KEW社、および両社のJVであるデンカ・キュー・ジェノミクスの連携により進めております。これに加えて、新潟大学と情報科学を駆使したデータ解析に関する共同研究を実施したほか、九州大学と次世代がんゲノム検査につながる共同研究を進めております。また五泉事業所では、ウイルス製剤「G47Δ(デルタ)」の実用化へ向けた大量生産法の開発を進め、昨年末、製造販売業者である第一三共株式会社により製造販売承認申請が行われました。現在医薬品医療機器総合機構において審査中ですが、本品は先駆け制度の指定品目であることから早期の承認が得られる見通しです。これにより、がんウイルス療法という新たな医療技術の開拓を進めます。さらに、戦略的パートナーである台湾PlexBio社の保有する迅速かつ簡便に同時多項目の細菌同定を可能とする測定技術IntelliPlexTMを活用し、感染症領域での遺伝子検査システムの開発を推進しており、敗血症の検査薬は2022年度の上市を目標に取り組んでおります。また、Icon Genetics社が保有する、遺伝子組み換え技術を駆使した植物によるタンパク産生技術magnICON ®を抗体・ワクチン抗原等の高分子タンパク質産生に活用し、ノロウイルスワクチン等の新規ワクチンや体外診断用医薬品の開発を進めており、ノロウイルスワクチンにつきましては、欧州ベルギーにて治験第Ⅰ相を開始いたしました。また、同技術の将来展開を見据え、Icon社周辺に新施設を建設すべく検討を進めております。既存技術周辺においても、当社グループの開発リソースを集結させ、高品質ワクチンの開発、および感染症検査試薬や健康管理に欠かせない臨床生化学検査試薬や免疫検査試薬の新技術、新製品開発を推進しております。感染症分野では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断のために、抗原定性POCTを発売し、更に高感度や短時間化などの改良を進めると共に抗体を検出するキットなどの開発に注力しております。当セグメントに係わる研究開発費は5,380百万円でした。 (6)その他事業産業設備の設計・施工等を行なっているデンカエンジニアリング㈱では効率的な粉体の空気輸送設備の技術開発や廃水設備等の研究開発をおこなっている他、各事業所に設置している生産技術部を中心に、デジタル技術を活用して生産性向上について検討する等、研究段階から事業化を見据えたプロセス設計、開発の充実を図っております。その他事業に係わる研究開発費は273百万円でした。
FY2020|4,567 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、「チャレンジ&オープンイノベーション」をスローガンに、既存事業の強化、拡大を図るとともに、特に重点3分野である『ヘルスケア』『環境・エネルギー』『高付加価値インフラ』において、グローバルな視点で市場密着型の新しいニーズを把握し、複数の異種の技術の融合により、新たな価値、次世代新規事業・製品の創出を加速していきます。そのために、組織の境界、領域を超えたデンカグループ全体のシナジー効果を発揮すべく、グループの総合力を活かす研究開発を推進しております。デンカイノベーションセンターを中核拠点として、多くの国内外産学官とのオープンイノベーションを推進しております。物質材料研究機構(NIMS)とのNIMS-Denka次世代材料研究センター、山形大学および新潟大学との包括共同研究を展開する等、引き続き積極的な外部連携強化を推進致します。これらの研究開発、製品化をさらに加速するため、「研究推進部」と「新事業開発部」が緊密に連携し、社内外のオープンイノベーションを戦略的、効率的かつ、スピーディーに進めます。事業部門との連携をこれまで以上に強化し、市場の動向を直視し、次世代の市場ニーズに確実かつ迅速に対応することで、早期の実需化につなげたいと考えております。また、研究開発ではESG(環境・社会・統治)の視点を常に意識し、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献する研究テーマに注力致します。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は15,031百万円、研究要員は842名であり、当連結会計年度に国内で出願された特許は311件、国内で登録された特許(実用新案を含む)128件となりました。当連結会計年度における各事業部門別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。 (1)エラストマー・機能樹脂クロロプレンゴム、ERゴムなどのエラストマー分野においては、海外市場を含めた事業拡大のために、スペシャリティー製品の開発および生産技術の強化を進めております。特にクロロプレンゴムは世界トップシェア維持を確実なものとすべく、従来の用途展開を推進するとともに、米国デンカパフォーマンスエラストマー(DPE)社と研究開発、生産技術を含む総合的なシナジーを推進しております。また、エラストマー加工技術を保有するデンカエラストリューション社との連携も強化しております。また、透明樹脂、耐熱樹脂、シュリンクラベル用樹脂など、特長あるスチレン系機能性樹脂の分野では、生産技術の深耕、品質向上、新規用途展開並びに新規高機能性樹脂の開発をシンガポール子会社と一体となり推進しております。さらに、新規用途展開のために、新しい重合技術やポリマーアロイ技術を駆使した新規高分子材料の開発にチャレンジし、高機能エラストマーや新規機能性樹脂の開発を進めております。エラストマー分野においては、耐油性や動的環境下での耐屈曲疲労性に優れる新規高機能エラストマーEvolmer®の市場開発を推進するとともに、アクリル系ではこれまで困難であった約190℃の温度領域下での耐熱性を具現化したアクリル系ベースの高耐熱特殊エラストマーを新たに開発致しました。一方、機能樹脂分野においては、ABS樹脂の耐熱性付与剤であるデンカIP®に関して、塗装性等の特性に優れる新規グレードデンカIPXシリーズを開発し、本格販売を開始致しました。併せて、環境対応にフォーカスした各種研究テーマも推進しております。当セグメントに係わる研究開発費は2,973百万円でした。 (2)インフラ・ソーシャルソリューションセメント・特殊混和材分野では、高温焼成反応などを活用した粉体合成技術と特性評価技術を基盤に、コンクリートの高機能化や建設構造物の長寿命化など社会の多様なニーズに応える研究開発を推進しております。二酸化炭素排出量を削減する環境対応製品の技術開発を進めており、さらに製品を使用・施工する機械を含めたトータルシステムの開発と事業化、また社会資本の維持補修に関する診断技術など、診断ソリューションの研究開発を進めております。特殊混和材は海外事業展開にも注力しており、主にアジア・欧州地域にて現地のニーズを吸い上げた製品開発を進めております。無機製品分野では、JSP社のビーズ法発泡ポリスチレン技術と当社の無機材料設計技術との融合により、不燃性・遮熱性・断熱性を併せ持つ軽量・不燃ボードを共同開発し、木造多層建築や他の構造物等への適用を目指しております。アグリプロダクツ分野では従来の肥料事業のみならず、次世代農業資材の開発から圃場の維持管理技術、栽培技術および施肥技術をベースにした農業ソリューションビジネスへの展開を目指しております。また、農産物の生産拡大を支援するバイオスティミュラント製品の開発においては、肥料「アヅミン」の製造販売で蓄積した技術を基盤に、腐植酸製品の更なる高機能化を推進しております。 当セグメントに係わる研究開発費は1,838百万円でした。 (3) 電子・先端プロダクツ電子部材分野では、市場の伸びが期待されるパワーモジュール、車両電動化向けなどの電子回路基板や放熱材料について、当社固有のセラミックス技術や有機・無機ハイブリッド材料技術をさらに進化させ、多様なニーズに合致するソリューションを提供すべく各種高機能材料や部材の研究開発を産学官と連携し推進しております。接着剤分野では、ハードロックSGA(高機能構造用接着剤)の積極的な海外展開を含め、新グレード、新規用途開発を推進するとともに、ハードロックOP/UVでは紫外線硬化技術を応用した特殊高機能接着剤の新製品開発や有機EL製造プロセスへの適用など新規市場開拓にも注力しております。高機能フィルム分野では、当社が保有する樹脂素材技術、無機・有機複合材料設計技術に加え、シートやフィルムの先端加工技術を活かし、電子部品・半導体搬送テープ、半導体ウェハやパッケージの保護・仮固定用粘着テープなど、市場における最先端ニーズに対応した新規製品をタイムリーに市場に供給すべく開発を進めております。先端機能材料分野では、半導体封止材向け球状シリカ、放熱材料向け球状アルミナの高性能化や5Gを想定した新素材の開発を行うとともに、液晶ディスプレイに用いる白色LED向けサイアロン蛍光体や放熱材料に加え化粧品用途への展開が進むBN粉の更なる特性向上など、先進的な各種機能性セラミックス粉体の開発を推進しております。特殊導電材料分野では、高純度で導電性に優れるアセチレンブラックのリチウムイオン二次電池市場での事業拡大を目指し、最先端ニーズに対応した超高純度かつ高機能な新製品の開発と事業化に取り組んでおります。また、国内外の研究機関とのオープンイノベーションを進め、開発促進を図っております。 当セグメントに係わる研究開発費は3,755百万円でした。 (4)生活・環境プロダクツ生活・環境に関わる各分野に展開する樹脂加工製品においては、工業用、産業用高機能性フィルム・シート、工業用や自動車用の高機能テープ、市場のトレンドにマッチした頭髪用合成繊維、食品包装用の耐油性透明シート、電子レンジ対応容器等に用いる耐熱性透明シートなどの製品群の開発を引き続き推進しております。 また、コーポレート研究所であるポリマー・加工技術研究所を中核拠点として、配合技術による機能性付与や、シート・フィルムの製膜、多層成形、ラミネーション、精密塗工など各種加工技術の高度化を推進するなど、当社グループ全体のポリマー・加工技術の研究開発を加速するとともに、関連グループ会社との連携を強化しております。これにより当社グループの樹脂加工製品の新規用途展開、特性改善、および新製品開発を積極的に進め、更なる事業拡大を図っております。 本事業分野のうち、特に食品包装材料分野においては、環境負荷低減ニーズに対応し、シートの薄肉化、バイオマス材料の活用等を含めた各種新規製品の開発を進めております。 当セグメントに係わる研究開発費は1,465百万円でした。 (5) ライフイノベーションヘルスケア分野では、ライフイノベーション研究所(東京都町田市)、デンカ生研(新潟県五泉市)、Denka Life Innovation Research (DLIR, シンガポール)およびIcon Genetics(独)の4拠点体制で、(ポテンシャル)ニーズ優先の研究開発に取り組んでおります。グローバルな視点で最先端の技術を積極的に導入しつつ、スペシャリティー事業の成長加速化を進めるため、予防・早期診断の取り組みに加えて、がん領域および遺伝子領域をキーワードとする新規事業展開のための研究開発を推進しております。当社グループでは、2017年2月に米KEW社から導入したがん遺伝子変異検査技術について、薬事承認申請をめざした取り組みを、デンカ、KEW社、および両社のJVであるデンカ・キュー・ジェノミクスの連携により進めております。これに加えて、九州大学に共同研究部門を設置して、次世代がんゲノム検査につながる研究を開始致します。またデンカ生研では、ウイルス製剤「G47Δ(デルタ)」の製造設備が竣工し、実用化へ向けた大量生産法の開発を進めております。これにより、がんウイルス療法という新たな医療技術の開拓を進めます。さらに、戦略的パートナーである台湾PlexBio社の保有する迅速かつ簡便に同時多項目の細菌同定を可能とする測定技術IntelliPlexTMを活用し、感染症領域での遺伝子検査システムの開発を推進しており、敗血症の検査薬は2022年度の上市を目標に取り組んでおります。また、Icon Genetics社が保有する、遺伝子組み換え技術を駆使した植物によるタンパク産生技術magnICON ®を抗体・ワクチン抗原等の高分子タンパク質産生に活用し、ノロウィルスワクチン等の新規ワクチンや体外診断用医薬品の開発を進めております。同技術の将来展開を見据え、Icon社周辺に新施設建設用地を確保致しました。既存技術周辺においても、当社グループの開発リソースを集結させ、高品質ワクチンの開発、および感染症検査試薬や健康管理に欠かせない臨床生化学検査試薬や免疫検査試薬の新技術、新製品開発を推進しております。感染症分野では、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の診断のために、抗原や抗体を迅速かつ簡易に検出するキットなどの開発に注力しております。 当セグメントに係わる研究開発費は4,532百万円でした。 (6)その他事業産業設備の設計・施工等を行なっているデンカエンジニアリング㈱では効率的な粉体の空気輸送設備の技術開発や廃水設備等の研究開発をおこなっている他、各事業所に設置している生産技術部を中心に、デジタル技術を活用して生産性向上について検討する等、研究段階から事業化を見据えたプロセス設計、開発の充実を図っております。その他事業に係わる研究開発費は467百万円でした。
FY2019|4,079 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、保有している固有の基盤技術の深耕による既存事業を核とし、重点3分野『ヘルスケア』『環境・エネルギー』『高付加価値インフラ』における高機能製品群の開発を進めるとともに、次世代新製品開発および新事業創出に取り組んでおります。研究開発方針としてチャレンジ&オープンイノベーションを掲げ、デンカイノベーションセンターをベースとして、多くの国内外産学官とのコラボレーション研究を推進しております。物質材料研究機構(NIMS)とのNIMS-Denka次世代材料研究センター、山形大学および新潟大学との包括共同研究を展開する等、引き続き積極的な外部連携強化を推進致します。これらの研究開発、製品化をさらに加速するため、「研究推進部」と「新事業開発部」が緊密に連携し、社内外のオープンイノベーションを戦略的、効率的且つ、スピーディーに進めます。事業部門との連携をこれまで以上に強化し、市場の動向を直視し、次世代の市場ニーズに確実かつ迅速に対応することで、早期の実需化につなげたいと考えております。また、研究開発ではESG(環境・社会・統治)の視点を常に意識し、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献する研究テーマに注力致します。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は14,562百万円、研究要員は807名であり、当連結会計年度に国内で出願された特許は214件、国内で登録された特許(実用新案を含む)は97件となりました。当連結会計年度における各事業部門別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。 (1)エラストマー・機能樹脂透明樹脂、耐熱樹脂、シュリンクラベル用樹脂など特長あるスチレン系機能性樹脂分野では、生産技術の深耕、品質向上、新規用途展開並びに新規な高機能性樹脂の開発をシンガポール子会社と一体となり推進しております。また、クロロプレンゴム、ERゴムなどのエラストマー分野においても、海外市場を含めた事業拡大のために、スペシャリティー製品の開発および生産技術の強化を進めております。特にクロロプレンゴムは世界トップシェア維持を確実なものとすべく、従来の用途展開を推進するとともに、米国デュポン社よりクロロプレン事業を譲り受けたデンカパフォーマンスエラストマー(DPE)社と研究開発、生産技術を含む総合的なシナジーを推進しております。また、エラストマー加工技術を保有するデンカエラストリューション (旧シー・アール・ケイ)社との連携も強化しています。さらに、新規用途展開のために、新しい重合技術やポリマーアロイ技術を駆使した新規高分子材料の開発にチャレンジし、新規機能性樹脂の市場開発や高機能エラストマーの材料開発を進めています。エラストマー分野における大きな成果として、耐油性や動的環境下での耐屈曲疲労性に優れる新規高機能エラストマーEvolmer®を開発し、2018年度に市場投入致しました。当セグメントに係わる研究開発費は3,270百万円でした。 (2)インフラ・ソーシャルソリューションセメント・特殊混和材分野では、高温焼成反応などを活用した粉体合成技術と特性評価技術を基盤に、コンクリートの高機能化や建設構造物の長寿命化など社会の多様なニーズに応える研究開発を推進しております。二酸化炭素排出量を削減する環境対応製品の技術開発を進めており、さらに製品を使用・施工する機械を含めたトータルシステムの開発と事業化、また社会資本の維持補修に関する診断技術など、診断ソリューションの研究開発を進めております。特殊混和材は海外事業展開にも注力しており、主にアジア地域にて現地のニーズを吸い上げた製品開発を進めております。無機製品分野では、耐火物として実績のあるアルミナ繊維の自動車分野への展開に向けた研究開発を行っており、高機能、高性能製品開発と生産技術向上を進めております。アグリプロダクツ分野では従来の肥料事業のみならず、次世代農業資材の開発から圃場の維持管理技術、栽培技術および施肥技術をベースにした農業ソリューションビジネスへの展開を目指しております。また、新たな取り組みとして、腐植酸を使用した肥料「アヅミン」の製造販売で蓄積した技術を基盤に、オープンイノベーション等によるバイオスティミュラト製品の開発を推進してまいります。当セグメントに係わる研究開発費は1,739百万円でした。 (3) 電子・先端プロダクツ電子部材分野では、市場の伸びが期待されるパワーモジュール、車両電動化向けなどの電子回路基板や放熱材料について、当社固有のセラミックス技術や有機・無機ハイブリッド放熱材料技術をさらに進化させ、多様なニーズに合致するソリューションを提供すべく各種高機能材料の研究開発を産学官と連携し推進しています。接着剤分野では、ハードロックSGA(高機能構造用接着剤)の積極的な海外展開を含め、新グレード、新規用途開発を推進するとともに、ハードロックOP/UVでは紫外線硬化技術を応用した特殊高機能接着剤の新製品開発や有機EL製造プロセスへの適用など、新規市場開拓にも注力しています。高機能フィルム分野では、当社が保有する樹脂素材技術、無機・有機複合材料設計技術に加え、シートやフィルムの先端加工技術を活かし、電子部品・半導体搬送テープ、半導体ウェハやパッケージの保護・仮固定用粘着テープなど、市場における最先端ニーズに対応した新規製品をタイムリーに市場に供給すべく開発を進めております。先端機能材料分野では、半導体封止材向け球状シリカ、放熱材料向け球状アルミナの高性能化を追求するとともに、液晶ディスプレイに用いる白色LED向けサイアロン蛍光体や放熱材料に加え化粧品用途への展開が進むBN粉の更なる特性向上、先進的な各種機能性粉体の開発を推進しています。特殊導電材料分野では、高純度で導電性に優れるアセチレンブラックのリチウムイオン二次電池市場での事業拡大を目指し、超高純度かつ高機能な製品の開発と事業化に取り組んでいます。また、国内外の研究機関と多数の共同研究を進め、開発促進を図っております。当セグメントに係わる研究開発費は3,886百万円でした。 (4)生活・環境プロダクツ住設資材、生活・産業資材、環境製品、生活包材の各分野に展開する樹脂加工製品においては、耐光性フィルムやそれに続く高機能性フィルム・シート、工業用や自動車用の高機能テープ、市場のトレンドにマッチした頭髪用合成繊維、食品包装用の耐油性透明シート、電子レンジ対応容器等に用いる耐熱性透明シートなどの製品群の開発を引き続き推進しております。また、コーポレート研究所であるポリマー・加工技術研究所を中核として、配合技術による機能性付与や、シート・フィルムの製膜、成形、ラミネーション、精密塗工など各種加工技術の高度化を推進するなど、当社グループ全体のポリマー・加工技術の研究開発を加速することに加え、自社素材の活用を含めて関連グループ会社との連携を強化しています。これにより当社グループの樹脂加工製品の新規用途展開、特性改善、および新製品開発を積極的に進め、更なる事業拡大を図っております。当セグメントに係わる研究開発費は1,226百万円でした。 (5) ライフイノベーションヘルスケア分野では、ライフイノベーション研究所(東京都町田市)、デンカ生研(新潟県五泉市)、Denka Life Innovation Research (DLIR, シンガポール)およびIcon Genetics(独)の4拠点体制で、ニーズ優先の研究開発に取り組んでいます。グローバルな視点で最先端の技術を積極的に導入しつつ、スペシャリティー事業の成長加速化を進めるため、予防・早期診断の取り組みに加えて、がん領域および遺伝子領域をキーワードとする新規事業展開のための研究開発を推進します。当社グループでは、2017年2月に米KEW社から導入したがん遺伝子変異検査技術について、国内大学医学部など研究施設とのコラボレーションを推進しつつ、薬事承認申請をめざした取り組みを、デンカ、KEW社、および両社のJVであるデンカ・キュー・ジェノミクスの連携により進めています。またデンカ生研では、ウイルス製剤「G47Δ(デルタ)」の製造設備が竣工し、実用化へ向けた大量生産法の開発を進めております。これにより、がんウイルス療法という新たな医療技術の開拓を進めます。さらに、遺伝子領域においては、感染症分野を対象として、戦略的パートナーである台湾PlexBio社と協業し、同社の保有する遺伝子法をベースとした迅速かつ簡便に同時多項目の細菌同定を可能とする測定技術IntelliPlexTMシステムを活用し、2022年度の上市を目標に敗血症の検査薬の開発にも取り組んでいます。また、Icon Genetics社が保有する、遺伝子組み換え技術を駆使した植物によるタンパク産生技術magnICON ®を抗体・ワクチン抗原等の高分子タンパク質産生に活用し、ノロウィルスワクチン等の新規ワクチンや体外診断用医薬品の開発を進めています。既存技術周辺においても、引き続きデンカ生研が中心となり、ライフイノベーション研究所とも協働し、高品質ワクチンの開発、および感染症検査試薬や健康管理に欠かせない臨床生化学検査試薬や免疫検査試薬の新技術、新製品開発を推進しています。当セグメントに係わる研究開発費は4,012百万円でした。 (6)その他事業産業設備の設計・施工等を行なっているデンカエンジニアリング㈱では効率的な粉体の空気輸送設備の技術開発や廃水設備等の研究開発をおこなっている他、各事業所に設置している生産技術部を中心に、研究段階から事業化を見据えたプロセス設計、開発の充実を図っています。その他事業に係わる研究開発費は426百万円でした。
FY2018|3,652 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、保有している固有の基盤技術の深耕による既存事業を核とし、重点3分野『ヘルスケア』『環境・エネルギー』『インフラ』における高機能製品群の開発を進めるとともに、次世代新製品開発および新事業創出に取り組んでおります。研究開発方針としてチャレンジ&オープンイノベーションを掲げ、2014年にオープンしたデンカイノベーションセンター本館をベースとして、多くの国内外産学官とのコラボレーション研究を推進しております。物質材料研究機構(NIMS)とのNIMS-Denka次世代材料研究センター、山形大学および新潟大学との包括共同研究を展開する等、引き続き積極的な外部連携強化を推進致します。これらの研究開発、製品化をさらに加速するため、「研究推進部」と「新事業開発部」が緊密に連携し、社内外のオープンイノベーションを戦略的、効率的且つ、スピーディーに進めます。事業部門との連携をこれまで以上に強化し、市場の動向を直視し、次世代の市場ニーズに確実かつ迅速に対応することで、早期の実需化につなげたいと考えております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は138億68百万円、研究要員は801名であり、当連結会計年度に国内で出願された特許は216件、国内で登録された特許(実用新案を含む)は115件となりました。当連結会計年度における各事業部門別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。 (1)エラストマー・機能樹脂透明樹脂、耐熱樹脂、シュリンクラベル用樹脂など特長あるスチレン系機能性樹脂分野では、生産技術の深耕、品質向上、新規用途展開並びに新高機能製品の開発につき、シンガポール子会社と一体となり推進しております。またクロロプレンゴム、ERゴム、アセチレンブラック等の分野でも、海外市場を含めた事業拡大のために生産技術の強化を進めるとともに、特にクロロプレンゴムは世界トップシェア維持を確実なものとすべく従来の用途展開に加え、米国デュポン社よりクロロプレン事業を譲り受けたデンカパフォーマンスエラストマー(DPE)社と研究開発、生産技術を含む総合的なシナジーを推進しております。さらに、新規用途展開のために、新しい重合技術やポリマーアロイ技術を駆使した新規高分子材料の開発にチャレンジし、新規機能性樹脂の市場開発や高機能エラストマーの材料開発を進めています。アセチレンブラックはリチウムイオン二次電池市場での事業拡大を目指し、2015年に千葉工場に新たなプラントを建設して商業運転を開始し、2017年に同じく千葉工場に研究開発拠点として新たに電池導電材料開発室を開設し、超高純度かつ高機能品の開発と事業化に取り組んでいます。また、本事業分野に関連して国内外の研究機関と多数の共同研究を進めており、新製品開発を図っております。当セグメントに係わる研究開発費は34億円でした。 (2)インフラ・ソーシャルソリューションセメント・特殊混和材分野では、高温焼成反応などを活用した粉体合成技術と特性評価技術を基盤に、コンクリートの高機能化や建設構造物の長寿命化など社会の多様なニーズに応える研究開発を推進しております。二酸化炭素排出量を削減する環境対応製品の技術開発を進めており、さらに製品を使用・施工する機械を含めたトータルシステムの開発と事業化、また社会資本の維持補修に関する診断技術など、診断ソリューションの研究開発を進めております。特殊混和材は海外事業展開にも注力しており、主にアジア地域にて開発と製造の現地化を進めております。無機製品分野では、耐火物として実績のあるアルミナ繊維の自動車分野への展開に向けた研究開発を進めており、高機能、高性能製品開発と生産技術向上を進めております。アグリプロダクツ分野では従来の肥料事業のみならず、次世代農業資材の開発から圃場の維持管理技術、栽培技術および施肥技術をベースにした農業ソリューションビジネスへの展開を目指しております。当セグメントに係わる研究開発費は18億74百万円でした。 (3) 電子・先端プロダクツ電子部材分野では、市場の伸びが期待されるパワーモジュール、自動車電装用LED向けなどの回路基板や放熱材料について、当社固有のセラミックス技術や有機・無機ハイブリッド放熱材料技術をさらに進化させ、市場に対しトータル・サーマル・ソリューションを提案すべく各種高機能材料の研究開発を産学官と連携し推進しています。接着剤分野では、ハードロックSGA(高機能構造用接着剤)の積極的な海外展開を含め、新グレード、新用途開発を推進し、ハードロックOP/UVでは紫外線硬化技術を応用した特殊高機能性接着剤の新製品開発や有機EL製造プロセスへの適用など、新規市場開拓にも注力しています。機能フィルム分野では、当社が保有する樹脂素材技術、無機・有機複合材料設計技術に加え、シートやフィルムの先端加工技術を活かし、電子部品搬送テープ、半導体ウェハやパッケージの保護・仮固定用粘着テープなど、市場における最先端ニーズに対応した新規製品をタイムリーに市場に供給すべく開発を進めております。先端機能材料分野では、半導体封止材用球状シリカの更なる高性能化を追求するとともに、白色LED向けサイアロン蛍光体の性能向上や放熱材料用途に加え化粧品用途への展開が進むBN粉、放熱材料や半導体封止用途向け球状アルミナのナノフィラーをはじめとする機能性粉体の開発を進めております。当セグメントに係わる研究開発費は32億41百万円でした。 (4)生活・環境プロダクツ住設資材、生活・産業資材、環境製品、生活包材の各分野における樹脂加工製品では、耐光性フィルムやそれに続く高機能性フィルム・シート、高機能の各種テープ、頭髪用合成繊維、電子レンジ対応容器等に用いる耐熱性透明シートなどの製品群の開発を引き続き推進しております。また、コーポレート研究所であるポリマー・加工技術研究所を中核としたシート・フィルムの製膜、ラミネーション、精密塗工など各種加工技術の高度化など、当社グループ全体のポリマー・加工技術の新たな研究開発を加速するとともに、自社素材の活用を含めて関連グループ会社との連携を強化することで、多岐にわたる当社グループの樹脂加工製品の新規用途展開並びにそれらに適合した性能改善、新製品開発を積極的に進め、更なる事業拡大を図っております。当セグメントに係わる研究開発費は13億64百万円でした。 (5) ライフイノベーションヘルスケア分野では、ライフイノベーション研究所(東京都町田市)、デンカ生研(新潟県五泉市)、Denka Life Innovation Research (DLIR, シンガポール)およびIcon Genetics(独)の4拠点体制で、ニーズ優先の研究開発に取り組んでいます。グローバルな視点で最先端の技術を積極的に導入しつつ、研究開発を推進します。当社グループでは、新たな切り口での研究開発・新事業開発として、がん領域での新たな価値創造を目指しています。2017年2月に米KEW社のがん遺伝子変異検査技術を導入し、同社とのJVであるデンカ・キュー・ジェノミクス合同会社を設立しました。当分野の研究開発においては、国内大学医学部など研究施設とのコラボレーション推進により、技術の価値を高めつつ、更にその先にある技術への展開をめざしております。またデンカ生研では、ウイルス製剤「G47Δ(デルタ)」の製造設備が竣工し、実用化へ向けた大量生産法の開発を進めております。これにより、がんウイルス療法という新たな医療技術の開拓を進めます。さらに、感染症領域では台湾PlexBio社が開発した、従来に比べ短時間かつ簡便で同時に多項目の細菌の測定が出来る画期的な測定システムIntelliPlex Ⓡシステムを用いた血流感染症の検査薬の開発にも取り組んでいます。また、Icon Genetics社での植物の遺伝子組換え技術を用いて、抗体やワクチン抗原等の高分子タンパク質を産生する技術を駆使し、ノロウィルスワクチン等の新規ワクチンや検査試薬の開発を進めます。既存技術周辺においても、デンカ生研による高品質ワクチンの開発、および感染症検査試薬や健康管理に欠かせない臨床生化学検査試薬や免疫検査試薬の新技術、新製品開発を引き続き推進しています。当セグメントに係わる研究開発費は35億84百万円でした。 (6)その他事業産業設備の設計・施工等を行なっているデンカエンジニアリング㈱では効率的な粉体の空気輸送設備の技術開発や廃水設備等の研究開発をおこなっている他、各事業所に設置している生産技術部を中心に、研究段階から事業化を見据えたプロセス設計、開発の充実を図っています。その他事業に係わる研究開発費は4億3百万円でした。
FY2017|3,748 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、保有している固有のコア、基盤技術の深耕により既存事業を核とし、重点3分野『ヘルスケア』『環境・エネルギー』『インフラ』における高機能製品群の開発を進めるとともに、次世代新製品開発および新事業創出に取り組んでおります。研究開発方針としてチャレンジ&オープンイノベーションを掲げ、2014年にオープンしたデンカイノベーションセンター本館を中核として、多くの国内外産学官とのコラボレーション研究を推進しております。従来から進めてきたNIMS-DENKA次世代材料研究センターや、山形大学との包括共同研究に加え、2016年度からは新潟大学との医歯学分野を中心とした包括共同研究を開始する等、引き続き積極的な外部連携強化を推進致します。また、本年2月にはライフサイエンス分野初の海外研究開発拠点となるDenka Life Innovation Research (DLIR)をシンガポールに開設しライフサイエンス分野における研究開発の更なる展開を目指します。これらの研究開発、製品化、また新事業創出をさらに加速するため、「研究推進部」と「新事業開発部」が緊密に連携し、社内外のオープンイノベーションを戦略的、効率的且つ、スピーディーに進めております。事業部門との連携をこれまで以上に強化し、市場の動向を直視し、次世代のニーズを確実に吸い上げ迅速に対応することで、早期の実需化につなげたいと考えております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は130億25百万円、研究要員は787名であり、当連結会計年度に国内で出願された特許は243件、国内で登録された特許(実用新案を含む)は163件となりました。当連結会計年度における各事業部門別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。 (1) エラストマー・機能樹脂透明樹脂、耐熱樹脂、シュリンクラベル用樹脂などスチレン系機能性樹脂分野では、生産技術の深耕、品質向上、新規用途展開並びに新高機能製品の開発を推進し、日本およびシンガポールでの生産体制最適化も含め、グローバル市場への展開を推進しています。またクロロプレンゴム、ERゴム等の分野でも、海外市場を含めた事業拡大のために生産技術の強化を進めております。特にクロロプレンゴムは世界トップシェア維持を確実なものとすべく従来の用途展開に加え、米国デュポン社よりクロロプレン事業を譲り受けたデンカパフォーマンスエラストマー(DPE)社のスタートを契機に北南米市場開拓強化を進めております。さらに、新用途分野開拓を推進するため、新しい重合技術やポリマーアロイ技術を駆使した新グレード開発や新規ポリマー開発にもチャレンジしています。アセチレンブラックはリチウムイオン二次電池分野でのシェアアップの一環として、2015年8月に千葉工場で商業運転を開始し、超高純度かつ高機能品の拡充に取り組んでいます。また本事業分野に関連して山形大学やシンガポール国立研究機関など、国内外の研究機関と連携した多数の共同研究を進めており、新規事業創出を図っております。当セグメントに係わる研究開発費は29億21百万円でした。 (2) インフラ・ソーシャルソリューションセメント・特殊混和材分野では、高温焼成反応などを活用した粉体合成技術と特性評価技術を基盤に、コンクリートの高機能化や建設構造物の長寿命化など社会の多様なニーズに応える研究開発を推進しております。二酸化炭素排出量を削減する環境負荷低減技術などの環境対応製品の技術開発も進めており、さらに製品を使用する施工機械を含めたシステムの開発と事業化、また社会資本の維持補修に関する評価・対応技術など、診断ソリューションの提供に踏み込んだ研究開発を進めております。特殊混和材は海外事業展開にも注力しており、アジア地域を主に開発と製造の現地化を進めております。無機製品分野では、自動車分野向けにアルミナ繊維の生産技術向上と高機能、高性能製品開発を進めております。アグリプロダクツ分野では大学・公的研究機関と連携した新肥料や新規農法、さらには新規農業関連資材の開発など、従来の肥料事業から新しい事業展開を目指す研究開発に注力しております。当セグメントに係わる研究開発費は17億93百万円でした。 (3) 電子・先端プロダクツ電子部材分野では、市場の大きな伸びが期待される自動車電装用LED向けなどの回路基板や放熱材料、部材について、当社固有のセラミックス技術や有機・無機ハイブリッド放熱材料技術をさらに進化させ、市場に対しトータル・サーマル・ソリューションを提案すべく各種高機能材料開発を推進しています。さらに、接着剤関係ではハードロックSGA(高機能構造用接着剤)は積極的な海外展開を含め、新グレード、新用途開発、またハードロックOP/UVは紫外線硬化型接着剤技術を応用した特殊高機能性接着剤の新製品開発、有機EL製造プロセスへの適用など新規市場への参入及び拡販を推進しております。電子包材分野では、当社が有する樹脂素材開発技術、無機・有機複合材料設計技術に加え、シートやフィルムの各種先端加工技術を活かし、電子部品搬送テープ(特殊部品用搬送テープ)、半導体ウェハやパッケージの保護・仮固定用粘着テープなど、市場における最先端ニーズに呼応した新規製品をタイムリーに市場に供給すべく開発を進めております。機能性セラミックス分野では、半導体封止材用球状シリカで更なる高性能化を追求するとともに、白色LED向けの特性向上や新規用途開発も本格的に開始した蛍光体、放熱材料用途に加え化粧品用途への展開が進むBN粉、放熱材料や半導体封止用途向け球状アルミナ等をはじめとする機能性粉体群の開発に取り組んでいます。当セグメントに係わる研究開発費は34億3百万円でした。 (4) 生活・環境プロダクツ包装資材、建材、産業資材分野の樹脂加工製品では、太陽光発電や太陽電池向け耐候性フィルムや、アフリカ・アメリカ市場向け頭髪の付け毛用合成繊維などの製品群開発を引き続き推進するとともに、新たな用途分野への展開を推進しています。また、コーポレート研究所であるポリマー・加工技術研究所を中核としたシート・フィルムの製膜技術、ラミネーション技術、精密塗工技術など各種加工技術のブラッシュアップなど、当社グループ全体のポリマー・加工技術の進展を加速するとともに、自社素材の活用を含めて関連グループ会社との連携を強化することで、多岐に渡る当社グループの樹脂加工製品の新規用途展開並びにそれらに適合した特性改善、新製品開発を積極的に進め、更なる事業拡大に取り組んでおります。健康・ライフサイエンス分野では、グローバルな体制作りと最先端技術の導入を戦略とした、新たな切り口での研究開発を推進しています。本年2月に健康・ライフサイエンス分野初の海外研究開発拠点となるDenka Life Innovation Research (DLIR)をシンガポールに開設し、東京都町田市のライフイノベーション研究所および新潟県五泉市のデンカ生研と合わせ、研究拠点を3拠点体制としました。互いの持ち味を活かしユニークな研究を進めるとともに、相互コラボレーションによるスピードアップを図ります。新たな切り口での研究開発・新製品創出として、がん領域での新たな価値創造を図っています。がん遺伝子変異検査および情報提供サービスにより精密医療分野に貢献すべく、その技術を保有する米KEW社や、国内大学医学部など研究施設とのコラボレーションを推進しました。その結果、当該技術の有用性を見出し、KEW社と共同でデンカ・キュー・ジェノミクス(DKGX)を本年2月に設立しました。またデンカ生研では、がんの画期的な治療薬として期待されているウィルス製剤G47Δに着目し、その実用化に向けた大量生産法の開発を進めております。これにより、がんウィルス療法という新しい分野を開拓します。新たな技術プラットフォーム構築も進めております。独Icon Genetics社の抗体やワクチン抗原を産出する技術を駆使し、引き続き新たなワクチンや検査試薬の開発を進めます。さらに分子診断法といわれる遺伝子を調べる診断薬技術に着目し、感染症簡易診断のイノベーションを推進します。既存技術周辺においても、デンカイノベーションセンターと中心とした高分子ヒアルロン酸の新用途開発やデンカ生研による高品質ワクチンの開発、および感染症検査試薬や健康管理に欠かせない臨床生化学検査試薬や免疫検査試薬の新技術、新製品開発を引き続き推進しています。当セグメントに係わる研究開発費は48億75百万円でした。 (5) その他産業設備の設計・施工等を行なっているデンカエンジニアリング㈱が、効率的な粉体の空気輸送設備の技術開発や廃水設備等の研究開発をおこなっている他、各事業所に設置している生産技術部を中心に、研究段階から事業化を見据えたプロセス設計、開発の充実を図っています。その他事業に係わる研究開発費は31百万円でした。
FY2016|3,227 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、保有している固有のコア、基盤技術の深耕により既存事業を核とした環境、エネルギー、インフラ、健康市場など成長性のある周辺技術分野の高機能製品群の開発を進めるとともに、次世代新製品開発に取り組んでおります。研究開発方針としてチャレンジ&オープンイノベーションを掲げ、2014年にオープンしたデンカイノベーションセンター本館を中核として、従来から進めてきたNIMS-DENKA次世代材料研究センターや、山形大学との包括共同研究をはじめ、多くの国内外産学官との連携、共同研究を進めており、引き続き積極的な外部連携強化を推進致します。これらの研究開発、製品化をさらに加速するため、「研究推進部」と「新事業開発部」が緊密に連携し、社内外のオープンイノベーションを戦略的、効率的且つ、スピーディーに進めます。事業部門との連携をこれまで以上に強化し、市場の動向を直視し、次世代のニーズを確実に吸い上げ迅速に対応することで、早期の実需化につなげたいと考えております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は117億87百万円、研究要員は755名であり、当連結会計年度に国内で出願された特許は137件、国内で登録された特許(実用新案を含む)は172件となりました。当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。 (1) エラストマー・機能樹脂透明樹脂、耐熱樹脂、シュリンクラベル用樹脂など特長あるスチレン系機能性樹脂分野では、生産技術の深耕、品質向上、新規用途展開並びに新高機能製品の開発を推し進め、シンガポール子会社の製造能力増強もそれらの拡販に寄与しております。またクロロプレンゴム、ERゴム、アセチレンブラック等の分野でも、海外市場を含めた事業拡大のために生産技術の強化を進めるとともに、特にクロロプレンゴムは世界トップシェア維持を確実なものとすべく従来の用途展開に加え、米国デュポン社よりクロロプレン事業を譲り受けたデンカパフォーマンスエラストマー(DPE)社のスタートを契機に北南米市場開拓強化を進めております。さらに、新用途開拓のために、新しい重合技術やポリマーアロイ技術を駆使した新グレード開発にチャレンジし、アセチレンブラックはリチウムイオン二次電池分野でのシェアアップの一環で、昨年8月商業運転を開始した千葉工場で超高純度かつ高機能品の拡充に取り組んでいます。また本事業分野に関連して山形大学や上海交通大学、シンガポール国立研究機関など、国内外の研究機関と連携した多数の共同研究を進めており、新規事業創出を図っております。また当セグメントに係わる研究開発費は28億66百万円でした。 (2) インフラ・無機材料(インフラ・ソーシャルソリューション)セメント・特殊混和材系分野では、長い歴史の中で培われた高温焼成反応などを駆使した粉体合成技術と構造解析、特性評価技術を基盤に、セメント・コンクリートの欠点を補い高い性能、機能を付与する製品開発に加えて、震災復興対応も含めた地盤改良用途や二酸化炭素排出量を削減する環境負荷低減技術などの環境対応製品の上市、さらなる技術開発も積極的に行っております。また昨今要求が高まっている社会資本などのメンテナンスに関する評価・対応技術など、単に材料だけでなく診断ソリューションの提供に踏み込んだ研究開発を進めております。肥料・無機製品分野では、今後欧州の排ガス規制強化などによる需要増が期待されるアルミナ繊維の生産技術の高度化と自動車用途などの展開を目指した高機能、高性能製品開発に注力するとともに、大学・公的研究機関と連携した新肥料や新規農法の開発など、事業体質強化に向けた研究開発に注力しております。当セグメントに係わる研究開発費は15億92百万円でした。 (3) 電子・先端プロダクツ電子部材分野では、市場の伸びが期待されるパワーモジュール、LED向けなどの回路基板や放熱材料について、当社固有のセラミックス技術や有機・無機ハイブリッド放熱材料技術をさらに進化させ、市場に対しトータル・サーマル・ソリューションを提案すべく各種高機能材料、製品開発研究を産学官とも連携し、推し進めています。さらに、接着剤関係ではハードロックSGA(高機能構造用接着剤)は積極的な海外展開を含め、新グレード、新用途開発をはじめ紫外線硬化型接着剤技術を応用した特殊高機能性接着剤の新製品開発や市場開拓を推進しております。さらに各種電子部品、製品製造プロセスの著しい生産性向上を可能にする仮固定接着剤テンプロックやソーラーロックが急速な立ち上がりを見せつつある中、更なる拡販に向けた加工技術の開発、有機ELなど新規市場へ向けたソリューション提案にも注力しています。電子包材分野では、当社が有する樹脂素材開発技術、無機・有機複合材料設計技術に加え、シートやフィルムの各種先端加工技術を活かし、電子部品搬送テープ、半導体ウェハやパッケージの保護・仮固定用粘着テープなど、市場における最先端ニーズに呼応した新規製品をタイムリーに市場に供給すべく開発を進めております。機能性セラミックス分野では、半導体封止材用球状シリカで更なる高性能化を追求するとともに、LED向け蛍光体の特性向上や新規用途開発、放熱材料用途に加え化粧品用途への展開が進むBN粉、放熱材料や半導体封止用途向け球状アルミナをはじめとしたナノフィラーをはじめとする機能性粉体群の開発に取り組んでいます。当セグメントに係わる研究開発費は34億9百万円でした。 (4) 生活・環境プロダクツ包装資材、建材、産業資材分野の樹脂加工製品では、太陽光発電や太陽電池向け耐候性フィルムや黒人女性の頭髪用の付け毛用合成繊維などの製品群開発を引き続き推進いたします。また、コーポレート研究所であるポリマー・加工技術研究所を中核としたシート・フィルムの製膜技術、ラミネーション技術、精密塗工技術など各種加工技術の高度化など、当社グループ全体のポリマー・加工技術の新たな研究開発を加速するとともに、自社素材の活用を含めて関連グループ会社との連携を強化することで、多岐に渡る当社グループの樹脂加工製品の新規用途展開並びにそれらに適合した特性改善、新製品開発を積極的に進め、更なる事業拡大を図っております。医薬品関連分野では、デンカイノベーションセンターのライフイノベーション研究所を中心に、当社独自の培養精製技術により開発した高分子ヒアルロン酸の「膝関節機能改善剤」のシェア拡大、新用途開発、開拓や、新たな医薬品開発の為の基礎研究として植物遺伝子組み換え技術を用いて抗体やワクチン抗原を産出するアイコン社の技術を用い、新たなワクチン・検査試薬の開発にも注力するなど医薬品関連分野における新しい価値を創造し、新事業創出を進めてまいります。デンカ生研㈱では、安全かつ有効な高品質ワクチンの開発および社会的損失が大きい感染症の検査に必要な細菌検査試薬やウィルス検査試薬、健康管理に欠かせない臨床生化学検査試薬や免疫検査試薬の新技術、新製品開発を推進しています。また、がんのウィルス療法という新しい分野を開拓する画期的な治療薬として期待されているウィルス製剤G47Δの実用化へ向けた大量生産法の開発に着手しています。デンカグループ全体の当セグメントに係わる研究開発費は38億89百万円でした。 (5) その他産業設備の設計・施工等を行なっているデンカエンジニアリング㈱が、効率的な粉体の空気輸送設備の技術開発や廃水設備等の研究開発をおこなっている他、各事業所に設置している生産技術室を中心に、研究段階から事業化を見据えたプロセス設計、開発の充実を図っています。その他事業に係わる研究開発費は29百万円でした。