4055

ティアンドエスグループ(4055)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • システム開発と関連サービス: ティアンドエスグループは、システム開発やその後の運用・保守サービスを提供しています。これは、企業が業務を効率化したり、新しいサービスを生み出したりするために必要なITシステムを設計・構築し、安定して使えるようにサポートする事業です。
  • 大手企業との長期取引: 主に大手企業を顧客とし、大規模なシステム開発から運用・保守までを一貫して手掛けています。これにより、単発の仕事だけでなく、長期的な関係を築き、安定した収益を得るビジネスモデルです。
  • 専門技術による価値提供: DX、半導体、AIといった専門性の高い分野で、顧客の課題解決を支援しています。特に半導体工場向けの生産管理システムや、AIを活用したソフトウェア開発支援など、高度な技術力で差別化を図り、顧客に価値を提供しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • DXソリューション事業: 重電、社会インフラ、業務系アプリケーションなどの分野で、大手企業向けに情報システムの開発、運用、保守サービスを提供しています。日立グループや東芝グループを中心に、大規模システムの受託開発と長期的なアフターサービスを主要な事業モデルとしています。
  • 半導体ソリューション事業: 半導体関連企業向けに、工場内の生産管理システムなどの開発、運用、保守サービスを提供しています。キオクシアグループ、東芝グループ、ソニーグループなどが主な顧客で、半導体工場の基幹システム開発における長年の経験とノウハウが強みです。
  • AIソリューション事業: AI関連製品を開発中の顧客向けに、AI(機械学習/ディープラーニング)、画像認識、ソフトウェア最適化などの高度技術を駆使したサービスを提供しています。AIソフトウェアや画像認識ソフトウェアの受託開発、AIアルゴリズムの研究開発支援などが主な内容です。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,881 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(ティアンドエスグループ株式会社)、連結子会社4社により構成されており、システム開発及びその関連サービスを主たる業務としております。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 当社グループは、システム開発及びその関連サービスの単一セグメントですが、事業の構成を3カテゴリーに分け事業展開しております。「DXソリューションカテゴリー」では、重電、社会インフラ、業務系アプリケーション等の領域において、大手企業顧客を中心に情報システムの開発を行うとともに、運用・保守等のITサービス事業を展開しております。「半導体ソリューションカテゴリー」では、半導体関連企業向けに工場内の生産管理システム等の開発を行うとともに、運用・保守等のITサービス事業を展開しております。「AIソリューションカテゴリー」では、AI関連製品を開発中のお客様向けに、AI(機械学習/ディープラーニング)・画像認識・ソフトウエア最適化・ハードウエア制御等の高度技術を駆使して、ソフトウエアの高機能化及び品質向上を実現するサービスや、最新AIプロセッサの性能を最大限に活かしたAIソリューションサービス事業を展開しております。 DXソリューション大手企業顧客向けに、重電、社会インフラ、業務系アプリケーション等のシステム開発、及び運用・保守サービスを提供半導体ソリューション半導体関連企業向けに、工場内の生産管理システム等の開発、及び運用・保守サービスを提供AIソリューションAI関連製品を開発中のお客様向けに、AI(機械学習/ディープラーニング)・画像認識・ソフトウエア最適化・ハードウエア制御等の高度技術を駆使して、ソフトウエアの高機能化及び品質向上を実現するサービスや、最新AIプロセッサの性能を最大限に活かしたAIソリューションサービスを提供  各カテゴリーの内容は次のとおりです。 (1)DXソリューションカテゴリーDXソリューションカテゴリーでは、重電、社会インフラ、業務系アプリケーション等の領域において、大手企業顧客を中心に情報システムの開発を行うとともに、運用・保守等のITサービス事業を展開しております。現在は、日立グループ、東芝グループ、その他大手企業グループを中心にサービスを展開しており、その経験と実績をもとに安定的に顧客層を拡大しております。本カテゴリーでは、産業領域に特化することなく製造業、社会インフラ企業、サービス業など様々な業種のユーザ企業をターゲットとしてサービスを展開しておりますが、特に大規模な環境における大型システムの受託開発と、その後の運用・保守を当社グループの主要な事業モデルと位置付けております。本カテゴリーの特徴は、大手企業を取引先の軸とし、大規模なシステム開発を中心に、単なる成果物の納品にとどまらない長期間にわたるアフターサービスを通じ、次のシステム開発につなげていく点です。システム開発にあたっては、コンサルティングから、要件定義、テスト、検証まで全てのバリューチェーンに対応し、システム開発後の運用・保守といったITサービスの提供に従事できる社内体制を整備するよう努めておりますので、お客様から見て、ワンストップでの対応が優位性となっているものと認識しております。システム開発だけではスポット取引(単発発注)になり易いため、検証・運用・保守まで広く対応することで、継続的な受注に繋がるものと考えております。加えて、大手企業を取引先の軸にしているため、そのグループ各社との取引にも繋がり、これらの実績と経験が、結果的に大手企業グループ以外のお客様にとって安心感となり、受注の継続と他の企業からの新規受注にも繋がっていると認識しております。このように、DXソリューションカテゴリーは、大手企業とそのグループ各社を中心とした顧客戦略に基づき、コンサルティング、要件定義、設計、開発、テスト、検証までの全てのバリューチェーンを網羅し、お客様の要求に適ったサービス提供モデルに柔軟に対応するものとしており、当社グループの基盤となるサービスカテゴリーとして位置付けております。 (2)半導体ソリューションカテゴリー半導体ソリューションカテゴリーでは、半導体関連企業向けに工場内の生産管理システム等の開発を行うとともに、運用・保守等のITサービス事業を展開しております。現在は、キオクシアグループ、東芝グループ、ソニーグループ等を中心に、サービス提供を行っております。半導体製造企業が有する半導体工場においては様々な情報システムが利用されます。当社グループが特に重点を置いて提供しているのは生産管理システムをはじめとする工場内の基幹システムの開発です。半導体工場の基幹システムは半導体生産において必須のものですが、一般的な製造業向けシステムとは異なり、その特殊性、独自性、機密性等の事情から、ノウハウを有するシステム開発企業が少なく、当社グループのように長年の開発、運用・保守を通じて蓄積された経験を有することが大きな優位性となっております。本カテゴリーにおいて当社グループが提供するサービスは、半導体工場内のシステム開発及びその運用・保守並びにITインフラ構築等の支援であります。当社の前身である旧株式会社テックジャパン創業当時から、30年近くにわたり、半導体工場を有する顧客との関係強化に努めてきており、安定的に顧客のニーズに応えられる体制を整えております。本カテゴリーの特徴は、工場内システムの開発業務と、開発後のシステムの運用や保守業務の双方を行っている点です。半導体工場の基幹システムは大規模かつ領域が広範にわたるため、開発期間も長期にわたります。顧客のニーズにより詳細なカスタマイズも求められるため、顧客との長期にわたるリレーションを通じたコミュニケーションが不可欠です。顧客の投資計画に依存する部分はありますが、近年は特に国内での半導体投資が極めて旺盛な状況にあります。これに対し、開発後のシステムの運用や保守業務は、工場が存続する限り安定的に事業が継続できるという特徴を持っております。工場内システム運用サービスは、お客様の日々の工場運用業務をシステム上のトラブルなくスムーズに稼働させるために、正常にシステム稼働を維持させる業務です。中でもシステム監視業務は工場内セキュリティ対策において重要性が高く、システム稼働状況の監視、データのバックアップ管理、不正アクセス管理・ウィルスチェック、工場内従業員のためのヘルプデスク業務などが含まれます。お客様が滞りなく安心して工場システムを利用するためには、日々継続的にシステムをチェックする当社グループの役目は極めて重要であると認識しております。また、工場内システム保守サービスは、当社グループの技術者がお客様の工場内で稼働する生産システムや社内インフラシステム等の改良・改修や調整・修理を行う業務であります。工場内で実稼働しているシステムに対して、お客様からの仕様や要望に基づき、当社技術者が実際にプログラム上の変更や追加を加えることで、お客様の要望にお応えいたします。システムの運用・保守といったITサービスは、工場が稼働するためには極めて重要な業務であるため、工場が稼働し存続する限り安定的に継続することが期待できます。近年は、半導体工場の新設や増設が相次いでいる状況にあるため、ビジネス規模の拡大も見込まれます。 (3)AIソリューションカテゴリーAIソリューションカテゴリーでは、AI関連製品を開発中のお客様向けに、AI(機械学習/ディープラーニング)・画像認識・ソフトウエア最適化・ハードウエア制御等の高度技術を駆使して、ソフトウエアの高機能化及び品質向上を実現するサービスや、最新AIプロセッサの性能を最大限に活かしたAIソリューションサービス事業を展開しております。本カテゴリーが提供するサービスは、AIソフトウエアや画像認識ソフトウエアの受託開発、AIアルゴリズムやAIモデルの研究開発支援、生成AIを活用したソフトウエア開発の効率化支援、最新エッジ AIプロセッサを用いたソフトウエアソリューション、AI技術の研究開発からAIソフトウエアの製品開発であります。本カテゴリーの特徴は、機械学習や画像認識、統計処理等、ソフトウエア専門家による高度ソフトウエア技術が必要であること、お客様にとって容易に開発できる分野ではないため、当社グループの技術力がお客様の課題を解決する付加価値になる点であります。このため、当社グループでは博士号又はそれに準ずる知識を有するソフトウエア技術者を積極的に採用するほか、大学その他の研究機関と共同で研究開発を行うなど、ノウハウの蓄積に努めております。他の2つのカテゴリーに比較するとまだ小規模ですが、本カテゴリーは、高度なソフトウエア開発力を武器に、急成長が見込まれる産業領域(AI、画像認識・機械学習、ロボット、自動運転等)にターゲットを置くもので、当社グループ事業の急成長を狙うサービスカテゴリーと位置付けております。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
大規模システム開発においてワンストップ対応が優位性となり、長期的な関係を構築。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
AI(機械学習/ディープラーニング)・画像認識・ソフトウエア最適化・ハードウエア制御等の高度技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:経済動向及び市場環境による影響 / 特定顧客への依存度 / 見積り違い及び納期遅延等の発生
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ティアンドエスグループの財務サマリデータが未収録のため、無形資産に関する具体的な評価は困難です。ブランド力、特許、規制ライセンス、IPに関する公開情報が不足しています。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客のシステム開発・運用保守における長期的な関係性は示唆されるものの、具体的なスイッチング・コストの高さを示すデータや事例は現時点では確認できません。特定の技術やプラットフォームへの依存度が低い可能性があります。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果に関する具体的な情報は見当たりません。プラットフォーム型ビジネスやコミュニティ形成といった要素は、現時点の公開情報からは確認できません。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

コスト優位性に関する具体的な情報は見当たりません。競合他社と比較した際の生産性やコスト構造の優位性を示すデータが不足しています。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

情報通信業におけるシステム開発・運用保守サービスを提供しており、一定の事業規模は推測されますが、業界全体に対する効率規模の優位性を示す具体的なデータは不足しています。

  • 大手企業との強固な関係性: 日立、東芝、キオクシアといった大手企業グループとの長年の取引実績があり、これが新規顧客獲得や継続的な受注に繋がっています。大手企業との取引経験は、信頼と安心感を与え、安定した事業基盤を形成しています。
  • 半導体分野の専門性とノウハウ: 半導体工場向けの生産管理システム開発において、30年近くにわたる経験とノウハウを蓄積しています。この分野は特殊性が高く、参入障壁が高いため、同社グループの専門性が大きな競争優位となっています。
  • ワンストップでのサービス提供: システム開発のコンサルティングから要件定義、テスト、運用、保守まで、全ての工程を自社で対応できる体制を整えています。これにより、顧客は複数のベンダーとやり取りする手間が省け、効率的かつ高品質なサービスを受けられる点が強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、「あらゆる産業において、ソフトウエア技術が生み出す新たな付加価値を通じて、お客様に安心と満足そして豊かさを提供すると共に、社員を大切にし、株主様に貢献する」ことを企業理念としております。この企業理念を基本とし、高度なソフトウエア技術力によりお客様の課題を解決し、お客様の製品や商品・インフラ開発を支援しております。また、社員全員が当社グループを愛し、自ら成長し続ける会社環境を提供し、社員一人ひとりが希望とやりがいが持てる会社を実現します。そして、地域社会と共に発展できる地域のコア企業としての役割を担います。 (2) 経営戦略等 当社グループは、とりわけ、半導体や重電といった領域でのソリューション提供を強みに、AI技術を駆使した研究開発支援など、特徴のあるシステムインテグレーターとして、ここまで成長を遂げてまいりました。 そのような中、当社グループは、2031年に向けた長期ビジョン「T&S Growth Journey 2031」を策定し、2031年までに、売上高100億円、EBITDA20億円、時価総額300億円の財務目標を掲げました。 長期ビジョンに掲げた3つのミッション、①半導体領域におけるナンバーワン・システムインテグレーター、②AI事業の独自ブランド化を起点とする高速成長、③そしてこれらを支えるエンジニア規模の拡大、の実現に向け努めてまいります。 (3) 経営環境①DXソリューションカテゴリーを取り巻く環境 近年ソフトウエアは、組込み機器やコンピュータに代表されるハードウエアの進歩と共にその需要は増大してきました。さらに今後は、ITを中心にサービスや価値が再設計される時代に入ると認識しております。このため、AIや自動運転、ロボット等に搭載されるソフトウエアが、ハードウエアを決定する「ソフトウエア中心」の時代になるといわれ、益々ソフトウエアの需要が拡大すると予想しております。 国内ソフトウエア市場は、右肩上がりの成長を持続する反面(*1)、ソフトウエア開発を支えるIT人材の不足が予想されます(*2)。つまり、日本のソフトウエア市場は益々拡大を重ね、当社グループのようなソフトウエアを専門として事業展開している企業の需要が益々高まっていき、一方で、IT人材をいかに獲得するかがこれらの企業の大きな課題になると考えております。②半導体ソリューションカテゴリーを取り巻く環境 半導体市場は、需給バランスの影響により「半導体サイクル」といわれる好不況の大きな波が存在しますが、全体としてはプラスの成長を維持しております。当社グループ調べによると、製品別半導体全市場のうち、約1/3をメモリデバイス(注1)が占め(*3)、DRAM(注2)とNAND Flash メモリ(注3)がその市場の中心となっております。特にNAND Flashメモリは、主にスマートフォン等の記憶デバイスとして採用されておりますが、近年のIoTによるデータ量の急激な増大に伴い今後も市場が拡大すると当社グループ独自に予想しております。 2025年はデータセンター投資の恩恵を受けるメモリや一部ロジック製品の高成長が予測されており、2026年はAI関連を牽引役とした更なる市場拡大が予測され、エッジAIなど応用領域が拡がることも、電子機器への半導体搭載金額の増加に繋がると期待されています(*4)。このような背景のもと、当社グループの得意先であるキオクシア株式会社も新たな製造棟の稼働を開始しております。③AIソリューションカテゴリーを取り巻く環境 当社グループが今後注力する市場である、AI(人工知能:Artificial Intelligence)技術を利用したロボット、自動運転、IoT等は、今後の企業活動で最も重要な開発領域と見ており、事業の成長を担う市場としては妥当であると考えております。 AI技術は、ロボット等の産業用機械、自動運転に代表される輸送機関連のほか、様々な民生用機器、医療、社会インフラなど、その用途は多岐にわたります。とりわけ、画像認識をはじめとするセンシング技術の応用は拡大を続けています。 AI技術の応用は、適切なAIアルゴリズムの実装が鍵を握ります。全世界の企業や研究機関がこぞってAIアルゴリズムを開発しておりますが、同時に製品開発に相応しいアルゴリズムを選択し、実装、評価する需要は益々高まっております。適切なアルゴリズムをベースにしたアプリケーション開発を行うことは、今や機械、電機メーカーに限らず、あらゆる産業分野で必要なものと認識されつつあります。 (4) 目標とする経営指標 当社グループは、短期的には事業規模を表す売上高と本業の収益力を表すEBITDAの伸びを重視しております。また、中長期的には自己資本利益率(ROE)を重視しながら安定した事業運営を行うと共に事業拡大と超過利潤の獲得を目指し、企業価値の継続的向上に努めてまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 (1) 経営方針及び(2) 経営戦略等に記載した事項の実現に向けた具体的な課題と対応方針は以下のとおりであります。①半導体領域におけるナンバーワン・システムインテグレーター 昨今、我が国においては、半導体産業の活性化のために国を挙げたプロジェクトが進んでおり、国内企業だけでなく、海外企業による日本進出も盛んになっております。このような状況下で、半導体産業にかかるシステム開発・保守・運用等のニーズが高まっておりますが、半導体産業にノウハウを有するシステム開発企業は多くなく、その専門性や機密性に起因する参入障壁も高い状況にあります。 そこで、当社グループが有する経験とノウハウを活かし、半導体産業領域におけるナンバーワン・システムインテグレーターとしての地位を確立しようというものであります。②AI事業の独自ブランド化を起点とする高速成長 現在、当社グループでは、画像認識に関する先進技術を駆使したAIソリューションの提供ビジネスを展開しております。画像認識技術を利用した自動化製品は様々な分野において応用されており、当該製品に必要なシステム開発の成長余地は相当程度高いと考えております。 現在は当社グループにおいて受託開発のサービス形態を中心にお客様へソリューション提供を行っておりますが、これに加え当社グループの有する技術をIP(知的財産)化し、ライセンスビジネスへの展開を図ってまいります。さらに、一般的には労働集約的であるといわれるITシステム開発・保守・運用の分野においても、生成AIをはじめとする自動化の技術が急速に取り入れられており、同様に大きなビジネスチャンスが潜んでいると考えております。 そこで、当社グループにおいても、研究開発やM&A等の手段により、AIソリューション事業の加速度的拡大と当社グループの半導体関連及びDX関連のシステム開発事業とのコラボレーションを図ってまいります。③そしてこれらを支えるエンジニア規模の拡大 2025年9月現在、当社グループの従業員数は368名であります。当社グループを取り巻く市場環境の需要は旺盛で、かつ当社グループの所属エンジニアの稼働率は極めて高い状況にあることから、エンジニアリソースの拡充は当社グループの収益拡大に直結いたします。これに加え、上記2つのミッション実現のためには、優秀なエンジニアリソースの更なる拡充は不可欠であります。 AI技術の進展により労働集約的ビジネスが変化していくことは予想しておりますが、AIがヒトに取って代わるのではなく、ヒトがAIを利用することで全体としての生産性を向上させることが真の姿と考えており、そのための高度専門人材の採用と育成を通じ、当社グループのエンジニア規模を拡大していく必要があると考えております。  以上の施策をスピーディーに実現するために、当社グループは、横浜キャピタル株式会社との事業提携を通じ、上記のミッション実現のための支援を受けることといたしました。横浜キャピタル株式会社は、これまでも投資先の経営支援と企業価値向上に多くの実績を有していることから、当社グループが目指す上記3つのミッション実現のための、(1) 採用・人材基盤強化、(2) M&A又は事業・資本提携による事業の拡大、(3) DX推進による営業基盤の拡充と生産性の向上といった各要素(ミッションマスター)に対し、有益な助言を得ることを予定しており、その活用を通じて諸施策の確実な実行を強力に推進してまいります。 用語解説   本項「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」等において使用しております用語の定義について以下に記します。注用語用語の定義注1メモリデバイスコンピュータにおいて、プログラムやデータを記憶する装置のことをいう。DRAM、SRAM、NAND Flashメモリ等がある。注2DRAMDynamic Random Access Memoryの略で、半導体メモリ(半導体記憶素子)の一つ。 読み出し/書き込みが自由に行えるRAMと呼ばれる半導体メモリの方式の一種であり、コンデンサーに電荷を蓄えて情報を記憶するタイプの半導体メモリのことをいう。注3NAND FlashメモリNAND Flashメモリとは、Flashメモリ(電界効果トランジスタでホットエレクトロンを浮遊ゲートに注入してデータ記録を行う不揮発性メモリ)の構造・動作原理の一種で、最初に発明されたNOR型Flashメモリに次いで考案された方式である。NOR型Flashメモリと比べて回路規模が小さく、安価に大容量化できることが特徴である。従来のフロッピーディスクやハードディスク(HDD)に代わるPC用のUSBメモリやソリッドステートドライブ(SSD)、デジタルカメラ用のメモリカード、携帯音楽プレーヤー、携帯電話などの記憶装置として使用される。近年では、サーバ用HDDに比べ速度が速いことから、クラウドサーバの記憶装置として用いられている。 *1 ソフトウエア開発を含む国内情報サービスの需要は、みずほ銀行産業調査部「日本産業の中期見通し(2024年12月5日)」※1 によれば、2025年以降も拡大が見込まれることが記述されています。※1 みずほ銀行産業調査部「日本産業の中期見通し(2024年12月5日)」 https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/industry/sangyou/pdf/1076.pdf *2 経済産業省「IT人材需給に関する調査(2019年3月)」※2によれば、ソフトウエア開発を支えるIT人材の不足が予想されております。この報告書の試算結果は、今後のIT需要の伸びをそれぞれ低位(需要伸び率1%)、中位(需要伸び率2-5%)、高位(需要伸び率3-9%)の3段階でIT人材の不足を予想しています。これによると、2019年時点において、約26万人が不足していると言われ、2030年までに16万人から79万人のIT人材不足が予想されています。※2 経済産業省「IT人材需給に関する調査」2019年3月 https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf *3 製品別世界のIC市場予測※3から、2026年の市場全体の出荷額は6,673億ドルであり、そのうちメモリは約2,148億ドルと市場のほぼ1/3をメモリが占めていることになります。※3 JEITA(電子情報技術産業協会)世界半導体市場統計(2025年春季半導体市場予測について) https://www.jeita.or.jp/japanese/stat/wsts/docs/20250603WSTS.pdf *4 半導体市場は、需給バランスの影響により「半導体サイクル」といわれる好不況の大きな波が存在しますが、JEITA(電子情報技術産業協会)世界半導体市場統計(2025年春季半導体市場予測)※4によれば、2025年は前年比+11.2%、2026年は前年比+8.5%となることが予測されております。2025年は引き続きデータセンター投資の恩恵を受けるメモリや一部ロジック製品の高成長が予測され、2026年はAI関連を牽引役とした更なる市場拡大が予測され、エッジAIなど応用領域が拡がることも、電子機器への半導体搭載金額の増加に繋がると期待されています。※4 JEITA(電子情報技術産業協会)世界半導体市場統計(2025年春季半導体市場予測について) https://www.jeita.or.jp/japanese/stat/wsts/docs/20250603WSTS.pdf
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、「あらゆる産業において、ソフトウエア技術が生み出す新たな付加価値を通じて、お客様に安心と満足そして豊かさを提供すると共に、社員を大切にし、株主様に貢献する」ことを企業理念としております。この企業理念を基本とし、高度なソフトウエア技術力によりお客様の課題を解決し、お客様の製品や商品・インフラ開発を支援しております。また、社員全員が当社グループを愛し、自ら成長し続ける会社環境を提供し、社員一人ひとりが希望とやりがいが持てる会社を実現します。そして、地域社会と共に発展できる地域のコア企業としての役割を担います。 (2) 経営戦略等 当社グループは、とりわけ、半導体や重電といった領域でのソリューション提供を強みに、AI技術を駆使した研究開発支援など、特徴のあるシステムインテグレーターとして、ここまで成長を遂げてまいりました。 そのような中、当社グループは、2031年に向けた長期ビジョン「T&S Growth Journey 2031」を策定し、2031年までに、売上高100億円、EBITDA20億円、時価総額300億円の財務目標を掲げました。 長期ビジョンに掲げた3つのミッション、①半導体領域におけるナンバーワン・システムインテグレーター、②AI事業の独自ブランド化を起点とする高速成長、③そしてこれらを支えるエンジニア規模の拡大、の実現に向け努めてまいります。 (3) 経営環境①DXソリューションカテゴリーを取り巻く環境 近年ソフトウエアは、組込み機器やコンピュータに代表されるハードウエアの進歩と共にその需要は増大してきました。さらに今後は、ITを中心にサービスや価値が再設計される時代に入ると認識しております。このため、AIや自動運転、ロボット等に搭載されるソフトウエアが、ハードウエアを決定する「ソフトウエア中心」の時代になるといわれ、益々ソフトウエアの需要が拡大すると予想しております。 国内ソフトウエア市場は、右肩上がりの成長を持続する反面(*1)、ソフトウエア開発を支えるIT人材の不足が予想されます(*2)。つまり、日本のソフトウエア市場は益々拡大を重ね、当社グループのようなソフトウエアを専門として事業展開している企業の需要が益々高まっていき、一方で、IT人材をいかに獲得するかがこれらの企業の大きな課題になると考えております。②半導体ソリューションカテゴリーを取り巻く環境 半導体市場は、需給バランスの影響により「半導体サイクル」といわれる好不況の大きな波が存在しますが、全体としてはプラスの成長を維持しております。当社グループ調べによると、製品別半導体全市場のうち、約1/3をメモリデバイス(注1)が占め(*3)、DRAM(注2)とNAND Flash メモリ(注3)がその市場の中心となっております。特にNAND Flashメモリは、主にスマートフォン等の記憶デバイスとして採用されておりますが、近年のIoTによるデータ量の急激な増大に伴い今後も市場が拡大すると当社グループ独自に予想しております。 2025年はデータセンター投資の恩恵を受けるメモリや一部ロジック製品の高成長が予測されており、2026年はAI関連を牽引役とした更なる市場拡大が予測され、エッジAIなど応用領域が拡がることも、電子機器への半導体搭載金額の増加に繋がると期待されています(*4)。このような背景のもと、当社グループの得意先であるキオクシア株式会社も新たな製造棟の稼働を開始しております。③AIソリューションカテゴリーを取り巻く環境 当社グループが今後注力する市場である、AI(人工知能:Artificial Intelligence)技術を利用したロボット、自動運転、IoT等は、今後の企業活動で最も重要な開発領域と見ており、事業の成長を担う市場としては妥当であると考えております。 AI技術は、ロボット等の産業用機械、自動運転に代表される輸送機関連のほか、様々な民生用機器、医療、社会インフラなど、その用途は多岐にわたります。とりわけ、画像認識をはじめとするセンシング技術の応用は拡大を続けています。 AI技術の応用は、適切なAIアルゴリズムの実装が鍵を握ります。全世界の企業や研究機関がこぞってAIアルゴリズムを開発しておりますが、同時に製品開発に相応しいアルゴリズムを選択し、実装、評価する需要は益々高まっております。適切なアルゴリズムをベースにしたアプリケーション開発を行うことは、今や機械、電機メーカーに限らず、あらゆる産業分野で必要なものと認識されつつあります。 (4) 目標とする経営指標 当社グループは、短期的には事業規模を表す売上高と本業の収益力を表すEBITDAの伸びを重視しております。また、中長期的には自己資本利益率(ROE)を重視しながら安定した事業運営を行うと共に事業拡大と超過利潤の獲得を目指し、企業価値の継続的向上に努めてまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 (1) 経営方針及び(2) 経営戦略等に記載した事項の実現に向けた具体的な課題と対応方針は以下のとおりであります。①半導体領域におけるナンバーワン・システムインテグレーター 昨今、我が国においては、半導体産業の活性化のために国を挙げたプロジェクトが進んでおり、国内企業だけでなく、海外企業による日本進出も盛んになっております。このような状況下で、半導体産業にかかるシステム開発・保守・運用等のニーズが高まっておりますが、半導体産業にノウハウを有するシステム開発企業は多くなく、その専門性や機密性に起因する参入障壁も高い状況にあります。 そこで、当社グループが有する経験とノウハウを活かし、半導体産業領域におけるナンバーワン・システムインテグレーターとしての地位を確立しようというものであります。②AI事業の独自ブランド化を起点とする高速成長 現在、当社グループでは、画像認識に関する先進技術を駆使したAIソリューションの提供ビジネスを展開しております。画像認識技術を利用した自動化製品は様々な分野において応用されており、当該製品に必要なシステム開発の成長余地は相当程度高いと考えております。 現在は当社グループにおいて受託開発のサービス形態を中心にお客様へソリューション提供を行っておりますが、これに加え当社グループの有する技術をIP(知的財産)化し、ライセンスビジネスへの展開を図ってまいります。さらに、一般的には労働集約的であるといわれるITシステム開発・保守・運用の分野においても、生成AIをはじめとする自動化の技術が急速に取り入れられており、同様に大きなビジネスチャンスが潜んでいると考えております。 そこで、当社グループにおいても、研究開発やM&A等の手段により、AIソリューション事業の加速度的拡大と当社グループの半導体関連及びDX関連のシステム開発事業とのコラボレーションを図ってまいります。③そしてこれらを支えるエンジニア規模の拡大 2025年9月現在、当社グループの従業員数は368名であります。当社グループを取り巻く市場環境の需要は旺盛で、かつ当社グループの所属エンジニアの稼働率は極めて高い状況にあることから、エンジニアリソースの拡充は当社グループの収益拡大に直結いたします。これに加え、上記2つのミッション実現のためには、優秀なエンジニアリソースの更なる拡充は不可欠であります。 AI技術の進展により労働集約的ビジネスが変化していくことは予想しておりますが、AIがヒトに取って代わるのではなく、ヒトがAIを利用することで全体としての生産性を向上させることが真の姿と考えており、そのための高度専門人材の採用と育成を通じ、当社グループのエンジニア規模を拡大していく必要があると考えております。  以上の施策をスピーディーに実現するために、当社グループは、横浜キャピタル株式会社との事業提携を通じ、上記のミッション実現のための支援を受けることといたしました。横浜キャピタル株式会社は、これまでも投資先の経営支援と企業価値向上に多くの実績を有していることから、当社グループが目指す上記3つのミッション実現のための、(1) 採用・人材基盤強化、(2) M&A又は事業・資本提携による事業の拡大、(3) DX推進による営業基盤の拡充と生産性の向上といった各要素(ミッションマスター)に対し、有益な助言を得ることを予定しており、その活用を通じて諸施策の確実な実行を強力に推進してまいります。 用語解説   本項「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」等において使用しております用語の定義について以下に記します。注用語用語の定義注1メモリデバイスコンピュータにおいて、プログラムやデータを記憶する装置のことをいう。DRAM、SRAM、NAND Flashメモリ等がある。注2DRAMDynamic Random Access Memoryの略で、半導体メモリ(半導体記憶素子)の一つ。 読み出し/書き込みが自由に行えるRAMと呼ばれる半導体メモリの方式の一種であり、コンデンサーに電荷を蓄えて情報を記憶するタイプの半導体メモリのことをいう。注3NAND FlashメモリNAND Flashメモリとは、Flashメモリ(電界効果トランジスタでホットエレクトロンを浮遊ゲートに注入してデータ記録を行う不揮発性メモリ)の構造・動作原理の一種で、最初に発明されたNOR型Flashメモリに次いで考案された方式である。NOR型Flashメモリと比べて回路規模が小さく、安価に大容量化できることが特徴である。従来のフロッピーディスクやハードディスク(HDD)に代わるPC用のUSBメモリやソリッドステートドライブ(SSD)、デジタルカメラ用のメモリカード、携帯音楽プレーヤー、携帯電話などの記憶装置として使用される。近年では、サーバ用HDDに比べ速度が速いことから、クラウドサーバの記憶装置として用いられている。 *1 ソフトウエア開発を含む国内情報サービスの需要は、みずほ銀行産業調査部「日本産業の中期見通し(2024年12月5日)」※1 によれば、2025年以降も拡大が見込まれることが記述されています。※1 みずほ銀行産業調査部「日本産業の中期見通し(2024年12月5日)」 https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/industry/sangyou/pdf/1076.pdf *2 経済産業省「IT人材需給に関する調査(2019年3月)」※2によれば、ソフトウエア開発を支えるIT人材の不足が予想されております。この報告書の試算結果は、今後のIT需要の伸びをそれぞれ低位(需要伸び率1%)、中位(需要伸び率2-5%)、高位(需要伸び率3-9%)の3段階でIT人材の不足を予想しています。これによると、2019年時点において、約26万人が不足していると言われ、2030年までに16万人から79万人のIT人材不足が予想されています。※2 経済産業省「IT人材需給に関する調査」2019年3月 https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf *3 製品別世界のIC市場予測※3から、2026年の市場全体の出荷額は6,673億ドルであり、そのうちメモリは約2,148億ドルと市場のほぼ1/3をメモリが占めていることになります。※3 JEITA(電子情報技術産業協会)世界半導体市場統計(2025年春季半導体市場予測について) https://www.jeita.or.jp/japanese/stat/wsts/docs/20250603WSTS.pdf *4 半導体市場は、需給バランスの影響により「半導体サイクル」といわれる好不況の大きな波が存在しますが、JEITA(電子情報技術産業協会)世界半導体市場統計(2025年春季半導体市場予測)※4によれば、2025年は前年比+11.2%、2026年は前年比+8.5%となることが予測されております。2025年は引き続きデータセンター投資の恩恵を受けるメモリや一部ロジック製品の高成長が予測され、2026年はAI関連を牽引役とした更なる市場拡大が予測され、エッジAIなど応用領域が拡がることも、電子機器への半導体搭載金額の増加に繋がると期待されています。※4 JEITA(電子情報技術産業協会)世界半導体市場統計(2025年春季半導体市場予測について) https://www.jeita.or.jp/japanese/stat/wsts/docs/20250603WSTS.pdf
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における流動資産は3,369,815千円となり、前連結会計年度末に比べ595,699千円増加いたしました。これは主に当期純利益の計上等により現金及び預金が585,880千円、売掛金が71,712千円、未収消費税等が69,478千円、契約資産が61,015千円増加し、ファクタリング債権の回収に伴い未収入金が233,215千円減少したことによるものであります。固定資産は293,142千円となり、前連結会計年度末に比べ146,159千円増加いたしました。これは主にエクステージ株式会社を取得したことに伴いのれんが86,611千円発生したことに加え、投資有価証券が62,875千円増加したことによるものであります。 この結果、総資産は3,662,958千円となり、前連結会計年度末に比べ741,859千円増加いたしました。(負債) 当連結会計年度末における流動負債は683,592千円となり、前連結会計年度末に比べ259,290千円増加いたしました。これは主に未払法人税等が149,749千円、未払消費税等が96,023千円増加したことによるものであります。固定負債は66,305千円となり、前連結会計年度末に比べ5,320千円増加いたしました。これは退職給付に係る負債が5,320千円増加したことによるものであります。 この結果、負債合計は749,898千円となり、前連結会計年度末に比べ264,611千円増加いたしました。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は2,913,059千円となり、前連結会計年度末に比べ477,248千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益509,237千円及び剰余金の配当60,630千円によるものであります。 この結果、自己資本比率は79.5%(前連結会計年度末は83.4%)となりました。 ②経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に足踏みが残るものの、緩やかな回復が見られました。物価上昇や通商政策などが景気を下押しするリスクとなっておりますが、企業活動においては、AI需要の高まり、オンラインミーティングやクラウドサービスの活用、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進など、ITの重要性や業務のIT化の流れはますます拡大している状況であります。 なお、前連結会計年度は決算期変更(11月30日から9月30日へ変更)に伴い、10か月の変則決算となっているため、前連結会計年度との比較は行っておりません。 当社グループの事業は、システム開発及びその関連サービスの単一セグメントですが、事業の構成をDXソリューション、半導体ソリューション、AIソリューションの3カテゴリーに分け事業展開しております。上記のような経済環境のなか「DXソリューションカテゴリー」では重電、社会インフラ、業務系システム等の領域において、大手企業顧客を中心に情報システムの開発及びITサービス事業の拡大を図ってまいりました。「半導体ソリューションカテゴリー」では半導体関連企業向けに、工場内システムの開発、保守及び運用サービスの拡大を図ってまいりました。「AIソリューションカテゴリー」ではAI関連製品を開発中のお客様向けのソリューション提供の拡大を図ってまいりました。 カテゴリー毎の売上高は下記のとおりであります。・DXソリューションカテゴリー ソリューションカテゴリーの当連結会計年度の売上高は2,392,911千円となりました。 主要取引先に加え、その他の既存取引先及び新規取引先からの受託開発案件の受注が堅調に推移しました。・半導体ソリューションカテゴリー 半導体カテゴリーの当連結会計年度の売上高は1,278,527千円となりました。 半導体市場の成長に伴い、半導体メーカーの強い投資需要を受け、工場内システムの開発案件が堅調に推移しました。・AIソリューションカテゴリー AIソリューションカテゴリーの当連結会計年度の売上高は431,879千円となりました。 AI需要の高まりから生成AIやエッジAIに関する引合いが多く、AI、画像認識、ハードウエア制御等の高度技術を駆使したサービスや最先端技術に関わる研究開発支援サービスが好調に推移いたしました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は4,103,317千円、営業利益は756,443千円、経常利益は753,712千円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は509,237千円となりました。 ③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、法人税等の支払、配当金の支払等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益753,712千円の計上等により、前連結会計年度末に比べ585,880千円増加し、当連結会計年度末には2,599,838千円となりました。 なお、前連結会計年度は決算期変更(11月30日から9月30日へ変更)に伴い、10か月の変則決算となっているため、前連結会計年度との比較は行っておりません。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は758,945千円となりました。これは主に、法人税等の支払額172,650千円があったものの、税金等調整前当期純利益753,712千円、その他の流動資産の減少額168,311千円があったことによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は123,129千円となりました。これは主にエクステージ株式会社の取得による支出97,417千円、投資有価証券の取得による支出24,735千円があったことによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は60,661千円となりました。これは配当金の支払額60,661千円があったことによるものです。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b.受注実績 当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 c.販売実績 当社グループの事業は、システム開発及びその関連サービスの単一セグメントですが、当連結会計年度のカテゴリー別販売実績は次のとおりであります。 なお、前連結会計年度は決算期変更(11月30日から9月30日へ変更)に伴い、10か月の変則決算となっているため、前年同期比は記載しておりません。カテゴリーの名称当連結会計年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)前年同期比(%)DXソリューション(千円)2,392,911-半導体ソリューション(千円)1,278,527-AIソリューション(千円)431,879-合計(千円)4,103,317- (注)1.半導体ソリューションカテゴリーには東芝グループ等キオクシアグループ以外への販売実績も含まれております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年12月1日至 2024年9月30日)当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)キオクシア株式会社439,35514.7729,69117.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであり、純資産は、前連結会計年度末に比べ477,248千円増加して、期末残高は2,913,059千円となりました。その結果、自己資本比率は79.5%、自己資本利益率(ROE)は19.0%となりました。売上高は4,103,317千円、営業利益は756,443千円となりました。これは、人材採用費やのれん償却額などの費用が発生したものの順調に推移している結果であり、税金等調整前当期純利益は753,712千円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は509,237千円となりました。なお、前連結会計年度は決算期変更(11月30日から9月30日へ変更)に伴い、10か月の変則決算となっているため、前連結会計年度との比較は行っておりません。当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ585,880千円増加して、期末残高は2,599,838千円となりました。当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、将来の事業活動に必要な資金を確保し、適切な流動性を維持することを基本方針としております。現在、金融機関からの借入は行っておりませんが、運転資金及び設備投資等の調達につきましては、自己資金を充当することを原則としながら、必要に応じて銀行借入及び第三者割当増資による調達を行う予定であります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 特定顧客への高い依存度: キオクシアグループ、日立グループ、東芝グループといった特定の顧客への売上依存度が高い状況です。これらの顧客の事業方針や経営状況が悪化した場合、同社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
  • 優秀な人材確保の困難さ: IT開発事業の成長に伴い、技術専門性の高い優秀なIT人材の確保と育成が極めて重要です。計画通りに人材を確保できなかったり、離職者が増加したりした場合、事業の遂行に支障をきたし、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • AI研究開発の成果不確実性: AIソリューションカテゴリーの事業は、大学等との共同研究によるAIアルゴリズムや画像処理技術の研究開発成果に依存する部分があります。研究成果が想定通りに進まない場合、このカテゴリーの事業の成長が鈍化し、業績に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,678 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経済動向及び市場環境による影響 経済動向や情報サービス市場環境の変動により、企業の情報システムへの投資抑制、予想を超える価格競争の激化、技術革新への対応が遅れる等の事態が発生した場合、また、法律、税制、会計制度等の各種規制・制度や電力、通信等の社会基盤の変動により事業環境が悪化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)特定顧客への依存度について 当社グループは、キオクシアグループ、日立グループ、東芝グループを重要顧客として長年にわたり取引を継続しております。従って、当該顧客の事業方針、経営状況等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。相手先前事業年度(自 2023年12月1日  至 2024年9月30日)当連結会計年度(自 2024年10月1日  至 2025年9月30日)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)キオクシアグループ733,88524.61,087,23726.5日立グループ689,45223.1779,05119.0東芝グループ569,56619.1688,72216.8 (3)見積り違い及び納期遅延等の発生 案件の作業工程等に基づき必要工数やコストを予測し、見積りを行っておりますが、仕様変更や追加作業に起因する作業工数の増大により実績が見積りを超えた場合、低採算又は採算割れとなる可能性があります。また、予め定めた期日までに顧客に対して作業を完了・納品できなかった場合には損害遅延金、最終的に作業完了・納品ができなかった場合には損害賠償が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)人材の確保について 当社グループの事業は、技術専門性及び人間性に富んだ技術者により支えられており、優秀な人材の確保と育成及び、定着率が最も重要な命題となります。人材の確保に関しては、IT開発事業の伸びからIT人材不足が懸念され中長期的に困難になることが予想されます。採用において計画どおり優秀な人材を確保できない場合や離職により技術者が大幅に減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)AIに関する研究開発について 当社グループは、大学等との共同研究等を通じ、AIアルゴリズム、画像処理、エッジデバイス等に関する研究開発を行っております。 当社グループのAIソリューションカテゴリーに属する事業は、当該共同研究等の成果に依存する部分があります。そのため、本研究の成果が想定どおりに進まない場合には、本カテゴリーに属する事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)法的規制についてa. 下請代金支払遅延等防止法(下請法) 当社グループが委託先に対し業務の一部を外注するにあたり、下請代金支払遅延等防止法(下請法)の適用を受け、3条書面の交付、5条書類の作成等、下請代金支払遅延の防止が求められる場合があります。下請法に違反した場合、公正取引委員会による勧告・指導に加え、罰金刑が科されるおそれがあります。当社グループでは、コンプライアンス規程を制定し、当社グループの役職員が遵守すべき法的規制の周知徹底を図り、内部通報制度の導入等によって速やかに法令違反行為等の情報を収集する体制を構築しております。しかしながら、法令に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用が著しく失墜し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 b. 労働者派遣法及び関係諸法令 当社グループの事業の一部である技術者派遣事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下「労働者派遣法」という)」に基づいて事業を営んでおり、労働者派遣法及び関係諸法令による法的規制を受けております。当社グループでは、コンプライアンスを徹底し、リスク・コンプライアンス委員会、内部監査により関係諸法令の遵守状況の把握・監視等に努めており、事業の遂行に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、労働者派遣法に定める派遣事業主としての欠格事由に該当した場合や、法令に違反する事由が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、将来これらの法令ならびに関連諸法令が社会情勢の変化などに伴って、改正や解釈の変更等があり、それらが当社グループの事業運営に不利な影響を及ぼすものであった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。会社名許認可等の名称有効期限登録の交付者取消事由等ティアンドエス株式会社労働者派遣事業許可2027年5月厚生労働大臣労働者派遣法第6条に定める欠格事由(注)に抵触した場合TSシステムソリューションズ株式会社労働者派遣事業許可2027年10月厚生労働大臣労働者派遣法第6条に定める欠格事由(注)に抵触した場合イントフォー株式会社労働者派遣事業許可2028年3月厚生労働大臣労働者派遣法第6条に定める欠格事由(注)に抵触した場合エクステージ株式会社労働者派遣事業許可2028年7月厚生労働大臣労働者派遣法第6条に定める欠格事由(注)に抵触した場合(注) 労働者派遣法第6条に定められている主な欠格事由としては、当社グループ役員又は当社グループ派遣元責任者が禁固以上の刑や関係諸法令に違反し罰金刑に処せられ5年を経過していない場合、成年被後見人、被保佐人又は破産者となり復権を得ていない場合、労働者派遣事業の許可取り消し後5年を経過していない場合等であります。 (7)業務請負契約に基づく瑕疵担保責任について 当社グループが業務請負契約で行う開発サービスについては、設計・開発を請負って完成すべき業務の遂行や成果物に対して対価を受領しております。したがって業務請負契約で完成すべき業務や成果物に係る瑕疵担保責任や製造物責任などの追及を受ける可能性があるため、当社グループでは、これら瑕疵担保責任や製造物責任に係るリスクを軽減するために、個別契約(注文書)において、完成すべき業務や成果物の仕様、検収方法を明確に定義しております。しかし、当該追及を受けた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)情報管理について 当社グループの事業においては、顧客企業の製品開発やシステム開発業務に従事しており、多くの個人情報・機密情報を扱っております。当社グループはISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の取得等により、規程の整備と共に全従業員に対して入社時及び定期的に個人情報・機密情報の取扱いに関する啓発・教育・周知徹底を行い、また内部監査を実施することにより情報管理の強化を行っております。しかしながら、取引先内(顧客企業内)にて勤務する技術社員が知り得た顧客情報や個人情報が故意又は過失により外部へ流出し、当社グループの管理責任問題、法律的リスク(訴訟等)、風評被害等が生じた場合、当社グループの社会的信用等の失墜や多額の賠償金支払い等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。登録の名称登録の内容有効期限JIS Q 27001:2023(ISO/IEC 27001:2022)情報セキュリティマネジメントシステム登録番号:IR02272027年3月23日 (9)法規制等に関するリスク 当社グループは、各種法令・規制等の遵守は極めて重要な企業の責務と認識の上、法令遵守の徹底を図っております。しかしながら、こうした対策を行ったとしても当社グループの事業活動に関連して、第三者から訴訟や法的手続が行われるリスクを完全に回避することはできず、これらの結果によっては、信用失墜若しくは予期せぬ多額の損害賠償責任を負うなど当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社グループでは、役員、従業員及び社外協力者に対するインセンティブを目的とし、また、事業提携先である横浜キャピタル株式会社が設立したYokohama Bridge投資事業有限責任組合に企業価値の向上を目的とし新株予約権を付与しております。本書提出日の前月末時点において、これらの新株予約権による潜在株数が1,171,900株であり、発行済株式総数の15.4%に相当しております。 これらの新株予約権が行使された場合には、当社株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

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