事業の概要
- 基礎化学品の製造販売大阪ソーダグループは、かせいソーダ、塩酸、液化塩素などの基本的な化学品を製造し販売しています。これらは様々な産業の基盤となる材料であり、連結子会社であるダイソーケミカル株式会社を通じて販売網を広げています。景気や市場価格の変動に影響を受けやすい特性があります。
- 機能化学品の製造販売アリルエーテル類、エピクロルヒドリンゴム、省エネタイヤ用改質剤、電極、レンズ材料といった、より高度な機能を持つ化学製品の製造・販売も行っています。これらは特定の用途に特化した高付加価値製品で、ダイソーエンジニアリング株式会社が電極を、Elite Advanced Polymers Inc.がゴム製品を製造するなど、専門子会社が事業を担っています。
- ヘルスケア製品の製造販売医薬品精製材料、医薬品原薬・中間体、光学活性体など、医療分野に貢献する製品を手掛けています。サンヨーファイン株式会社が医薬品原薬・中間体を、DAISO Fine Chem USA,Inc.が医薬品精製材料を製造・販売するなど、国内外の子会社が連携して事業を展開しており、高い品質と専門性が求められる分野です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 基礎化学品事業この事業は、かせいソーダ、塩酸、液化塩素などの基本的な化学製品の製造・販売が中心です。売上高は376.36億円、営業利益は22.75億円で、グループの基盤を支える事業ですが、市場価格の変動に影響を受けやすい特性があります。
- 機能化学品事業アリルエーテル類、エピクロルヒドリンゴム、省エネタイヤ用改質剤、電極、レンズ材料といった、特定の機能を持つ高付加価値化学製品を扱っています。売上高は290.97億円ですが、営業利益は43.27億円と、売上に対する利益率が高い「稼ぎ頭」の一つと言えます。
- ヘルスケア事業医薬品精製材料、医薬品原薬・中間体、光学活性体など、医療分野に貢献する製品を提供しています。売上高は136.84億円と他事業に比べて規模は小さいですが、営業利益は70.31億円と最も高く、非常に収益性の高い事業であり、グループ全体の利益を牽引しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| BasicChemicalProductsReportableSegment | 事業 | 376 | 23 | 6.0% |
| FunctionalChemicalProductsReportableSegment | 事業 | 291 | 43 | 14.9% |
| HealthcareReportableSegment | 事業 | 137 | 70 | 51.4% |
| TradingAndOthersReportableSegment | 事業 | 160 | 9 | 5.6% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社の企業集団は、2025年3月31日現在、当社、連結子会社14社、非連結子会社1社および関連会社2社で構成されております。当社グループが営んでいる主な事業内容と、グループを構成する各会社の位置づけ、および報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。 基礎化学品 主な製品として、かせいソーダ、塩酸、液化塩素、塩素ガス、次亜塩素酸ソーダ、亜塩素酸ソーダ、塩素酸ソーダ、かせいカリ、水素ガス、エピクロルヒドリン、アリルクロライド等の製造・販売を行っております。 当社が製造・販売するほか、連結子会社であるダイソーケミカル株式会社を通じて販売を行っております。 機能化学品 主な製品として、アリルエーテル類、エピクロルヒドリンゴム、ダップ樹脂、省エネタイヤ用改質剤、電極、レンズ材料等の製造・販売を行っております。 当社が製造・販売するほか、製品の一部をダイソーケミカル株式会社を通じて販売を行っております。連結子会社であるダイソーエンジニアリング株式会社は、電極の製造・販売を行っております。また、連結子会社であるDestinHaus Capital Fund 1 LPは、主に北米でのスペシャリティケミカル事業への投資を行っており、連結子会社であるElite Advanced Polymers Inc.はゴム製品の製造・販売を行っております。 ヘルスケア 主な製品として、医薬品精製材料、医薬品原薬・中間体、光学活性体等の製造・販売を行っております。 当社が製造・販売するほか、製品の一部をダイソーケミカル株式会社を通じて販売しております。連結子会社であるサンヨーファイン株式会社は、医薬品原薬・中間体の製造・販売、連結子会社であるサンヨーファイン医理化テクノロジー株式会社は、カラム・装置等分析機器の製造を行っております。連結子会社である三耀精細化工品銷售(北京)有限公司は、カラム・装置等分析機器の販売、連結子会社であるDAISO Fine Chem USA,Inc.は、医薬品精製材料の製造・販売、連結子会社であるDAISO Fine Chem GmbHは、医薬品精製材料等の販売を行っております。 商社部門ほか ダイソーケミカル株式会社は塗料原料、接着剤原料、感光性樹脂、カラーレジストの購入・販売、ダップ加工材、住宅関連製品等の購入・販売を行っております。連結子会社である大曹化工貿易(上海)有限公司とDAISO CHEMICAL(THAILAND)CO.,LTD.は電子材料等の購入・販売を行っております。連結子会社であるDSロジスティクス株式会社は当社製品の物流を取り扱っており、連結子会社である株式会社ジェイ・エム・アールは、資源リサイクル事業を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 基礎化学品事業のうち、クロール・アルカリ製品やエピクロルヒドリンは販売価格が変動を受けやすい構造。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 独創的新製品・新技術の研究開発、既存製品群の高付加価値化を積極的に展開。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:競合・市況変動による業績悪化 / 原材料の調達中断・停止による生産活動停止 / 海外事業展開における予期せぬ法律・規制変更、政治・経済情勢悪化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
大阪ソーダは、特殊化学品分野で長年の研究開発を通じて培われた独自の製造技術やノウハウを有している。特に、機能性化学品や電子材料分野におけるニッチな製品群は、他社が容易に模倣できない技術的優位性を示唆する。しかし、具体的な特許ポートフォリオの強さやブランド力の客観的な評価は限定的である。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
同社の製品は、顧客の製造プロセスに組み込まれることが多く、仕様変更やサプライヤー変更には一定のコストやリスクが伴う可能性がある。しかし、顧客の製品開発段階からの関与や、代替品の存在可能性を考慮すると、スイッチング・コストは限定的であると考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルは、製品の利用者が増えることで価値が増大するネットワーク効果を直接的に生み出すものではない。事業は主にBtoBであり、個々の顧客との関係性に基づいている。
コスト優位★★☆☆☆
長年の操業で培われた生産効率や、特定の原料調達における優位性がある可能性は否定できない。しかし、化学業界全体として原材料価格の変動リスクや、グローバルな競争環境を考慮すると、持続的なコスト優位性を確立しているとは断定しにくい。
規模の経済★★☆☆☆
特殊化学品分野におけるニッチ市場では、一定のシェアを確保していると考えられる。しかし、グローバルな化学メーカーと比較すると、規模の経済性は限定的であり、業界全体を代表するような寡占構造を形成しているとは言えない。
- 多角的な事業展開大阪ソーダグループは、基礎化学品から機能化学品、ヘルスケア製品、さらには商社部門や物流、資源リサイクルまで、幅広い事業を展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤を構築していると考えられます。各事業が相互に補完し合うことで、グループ全体の安定性を高めています。
- グローバルな事業体制アジア、欧州、北米に販売拠点を持ち、特にヘルスケア分野では医薬品精製材料の製造・販売を米国やドイツの子会社が行うなど、国際的な事業展開を進めています。これにより、海外市場の成長を取り込み、地域ごとの需要に対応できる体制を構築しており、収益機会の拡大に繋がっています。
- 専門技術と品質管理機能化学品やヘルスケア分野では、アリルエーテル類や医薬品精製材料といった高度な専門技術を要する製品を扱っています。また、製造物責任賠償保険への加入やレスポンシブル・ケア監査の実施、品質に関するコンプライアンス教育の徹底など、厳格な品質管理体制を敷いています。これにより、製品の信頼性を高め、顧客からの評価を得ています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループ企業理念「独創的な技術と製品により安心で豊かな社会の実現に貢献します」のもと、経営ビジョンである「化学を通じて社会が求める新たな価値を提供する企業グループ」を目指します。 その実現に向け、当社グループは、環境・安全に配慮したものづくりで、サステナブルな社会の実現に貢献し、グローバル競争力のある技術と品質で、お客様のニーズに応え、社員一人ひとりの価値観を大切にし、ともに成長する企業を目指します。 (2)対処すべき課題、中期的な経営戦略 今後の経済見通しにつきましては、景気の持ち直しが継続するものと期待されますが、米国の関税措置の影響、中国経済の先行き懸念、物価上昇の継続等景気の下振れリスクが懸念され、引き続き厳しい状況が続くものと予想されます。 このような情勢のもと、当社グループは、中期経営計画「Shape the Future-2025」(2023年~2025年度)の最終年度を迎えます。引き続き、業務改革活動のさらなる浸透を図りながら、「既存事業の継続的基盤強化」、「新製品創出力の強化」、「サステナビリティ経営の推進」の3つの基本方針からなる中期経営計画の具体的な施策を着実に実行してまいります。 「既存事業の継続的基盤強化」においては、引き続き安定したキャッシュの創出と成長分野への積極的な投資により事業基盤の拡充を図ってまいります。 基礎化学品事業では、生産効率改善のための更新投資・コストダウンに取り組み、安定的に収益を生み出せる事業基盤へと強化します。 機能化学品事業では、合成樹脂・合成ゴム等のグローバルニッチトップ製品の市場深耕、新規用途開拓に取り組みます。アクリルゴムとノンフタレート型アリル樹脂については、新規開拓により規模の拡大を図ってまいります。世界トップシェアであるアリルエーテル類については、市場での存在感をさらに高めるため、2022年2月の能力増強に引き続き次の設備増強計画を検討しております。 ヘルスケア事業では、医薬品精製材料においては、顧客と密に連携してサンプル評価を進めた結果、2024年9月に完工した松山工場の新設備の営業生産開始時期は2025年7月に早まる見込みです。また、糖尿病治療薬や肥満治療薬向けの需要増加が急速に進んでいることから、尼崎工場の増強工事では、より一層工程改善を実現したことで完工を当初計画から約1年前倒しとなる2025年9月に早め、さらに次期増産計画についても詳細検討を開始しており、2025年内に投資決定する計画です。医薬品原薬・中間体においては、バイオ医薬品領域の本格的な進出を目指した顧客獲得を推進するとともに、核酸医薬など中分子領域へのポートフォリオ拡充も視野に設備増強計画を検討しております。 「新製品創出力の強化」では、「環境・エネルギー」・「モビリティ」・「情報・通信」・「健康・ヘルスケア」の4つの分野を中心にさらなる強化を図り、次のグローバルニッチトップ製品の早期上市を達成いたします。 「環境・エネルギー」の分野では、NEDOのグリーンイノベーション基金事業である全固体電池用超高イオン伝導性ポリマーについては、パイロット設備設置の検討へと開発のステージを上げ、半固体電池の特殊ポリエーテルとともに、次世代蓄電池用材料の開発をさらに加速してまいります。 「モビリティ」の分野では、アクリルゴムの新規グレードや新規シランカップリング剤の早期上市を進めるとともに、今後の自動車電動化・自動運転化を支えるセンサー・アクチュエータ等の自動車ニューノーマル素材の開発に注力してまいります。 「情報・通信」の分野では、将来的に大きな需要が見込まれるパワー半導体の高熱伝導性接合剤としての銀ナノ粒子や、電子素子向けのカーボンナノチューブ等の半導体周辺材料の開発にも引き続き注力してまいります。 「健康・ヘルスケア」の分野では、医薬モダリティに対応したバイオ医薬品市場の拡大にあわせて、サイズ排除・高耐アルカリ性カラムを上市するとともに、さらにポリマーゲルや分取用ADMEゲルなど各種ゲルの開発も進めています。また、健康寿命の延伸に寄与する新規アンチエイジング素材として開発を進めてきた植物性乳酸菌OS-1010の採用の拡大を図ってまいります。 「サステナビリティ経営の推進」では、「事業活動を通じて持続可能な社会の実現への貢献と自らの企業価値の向上を両立させる」という当社サステナビリティの基本方針の下、サステナビリティ委員会が中心となり、コーポレートガバナンス・コードへの適切な対応として、TCFD対応・GHG排出量の算定・環境負荷低減策の立案と実行・健康経営の推進・人的資本への投資の一環として業務改革活動の浸透による人材育成等を実施してまいります。また、統合報告書等の開示情報の充足により投資家をはじめとするすべてのステークホルダーとの対話を深め、企業価値のより一層の向上に努めてまいります。 また、当社グループは、環境・安全と製品の品質の確保には、レスポンシブル・ケア活動とISO活動を通じて万全を期すとともに、省資源・省エネルギー活動など持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを強化しながら、地球環境と調和した企業の発展を図ってまいります。さらに、企業の社会的責任を重視し、日々の事業活動において法令遵守に積極的に取り組んでまいりますとともに内部統制システムを強化し、当社グループのコーポレートガバナンスのさらなる充実に努め、社会に信頼される企業グループを目指してまいります。株主のみなさまにおかれましては、今後とも一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループ企業理念「独創的な技術と製品により安心で豊かな社会の実現に貢献します」のもと、経営ビジョンである「化学を通じて社会が求める新たな価値を提供する企業グループ」を目指します。 その実現に向け、当社グループは、環境・安全に配慮したものづくりで、サステナブルな社会の実現に貢献し、グローバル競争力のある技術と品質で、お客様のニーズに応え、社員一人ひとりの価値観を大切にし、ともに成長する企業を目指します。 (2)対処すべき課題、中期的な経営戦略 今後の経済見通しにつきましては、景気の持ち直しが継続するものと期待されますが、米国の関税措置の影響、中国経済の先行き懸念、物価上昇の継続等景気の下振れリスクが懸念され、引き続き厳しい状況が続くものと予想されます。 このような情勢のもと、当社グループは、中期経営計画「Shape the Future-2025」(2023年~2025年度)の最終年度を迎えます。引き続き、業務改革活動のさらなる浸透を図りながら、「既存事業の継続的基盤強化」、「新製品創出力の強化」、「サステナビリティ経営の推進」の3つの基本方針からなる中期経営計画の具体的な施策を着実に実行してまいります。 「既存事業の継続的基盤強化」においては、引き続き安定したキャッシュの創出と成長分野への積極的な投資により事業基盤の拡充を図ってまいります。 基礎化学品事業では、生産効率改善のための更新投資・コストダウンに取り組み、安定的に収益を生み出せる事業基盤へと強化します。 機能化学品事業では、合成樹脂・合成ゴム等のグローバルニッチトップ製品の市場深耕、新規用途開拓に取り組みます。アクリルゴムとノンフタレート型アリル樹脂については、新規開拓により規模の拡大を図ってまいります。世界トップシェアであるアリルエーテル類については、市場での存在感をさらに高めるため、2022年2月の能力増強に引き続き次の設備増強計画を検討しております。 ヘルスケア事業では、医薬品精製材料においては、顧客と密に連携してサンプル評価を進めた結果、2024年9月に完工した松山工場の新設備の営業生産開始時期は2025年7月に早まる見込みです。また、糖尿病治療薬や肥満治療薬向けの需要増加が急速に進んでいることから、尼崎工場の増強工事では、より一層工程改善を実現したことで完工を当初計画から約1年前倒しとなる2025年9月に早め、さらに次期増産計画についても詳細検討を開始しており、2025年内に投資決定する計画です。医薬品原薬・中間体においては、バイオ医薬品領域の本格的な進出を目指した顧客獲得を推進するとともに、核酸医薬など中分子領域へのポートフォリオ拡充も視野に設備増強計画を検討しております。 「新製品創出力の強化」では、「環境・エネルギー」・「モビリティ」・「情報・通信」・「健康・ヘルスケア」の4つの分野を中心にさらなる強化を図り、次のグローバルニッチトップ製品の早期上市を達成いたします。 「環境・エネルギー」の分野では、NEDOのグリーンイノベーション基金事業である全固体電池用超高イオン伝導性ポリマーについては、パイロット設備設置の検討へと開発のステージを上げ、半固体電池の特殊ポリエーテルとともに、次世代蓄電池用材料の開発をさらに加速してまいります。 「モビリティ」の分野では、アクリルゴムの新規グレードや新規シランカップリング剤の早期上市を進めるとともに、今後の自動車電動化・自動運転化を支えるセンサー・アクチュエータ等の自動車ニューノーマル素材の開発に注力してまいります。 「情報・通信」の分野では、将来的に大きな需要が見込まれるパワー半導体の高熱伝導性接合剤としての銀ナノ粒子や、電子素子向けのカーボンナノチューブ等の半導体周辺材料の開発にも引き続き注力してまいります。 「健康・ヘルスケア」の分野では、医薬モダリティに対応したバイオ医薬品市場の拡大にあわせて、サイズ排除・高耐アルカリ性カラムを上市するとともに、さらにポリマーゲルや分取用ADMEゲルなど各種ゲルの開発も進めています。また、健康寿命の延伸に寄与する新規アンチエイジング素材として開発を進めてきた植物性乳酸菌OS-1010の採用の拡大を図ってまいります。 「サステナビリティ経営の推進」では、「事業活動を通じて持続可能な社会の実現への貢献と自らの企業価値の向上を両立させる」という当社サステナビリティの基本方針の下、サステナビリティ委員会が中心となり、コーポレートガバナンス・コードへの適切な対応として、TCFD対応・GHG排出量の算定・環境負荷低減策の立案と実行・健康経営の推進・人的資本への投資の一環として業務改革活動の浸透による人材育成等を実施してまいります。また、統合報告書等の開示情報の充足により投資家をはじめとするすべてのステークホルダーとの対話を深め、企業価値のより一層の向上に努めてまいります。 また、当社グループは、環境・安全と製品の品質の確保には、レスポンシブル・ケア活動とISO活動を通じて万全を期すとともに、省資源・省エネルギー活動など持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを強化しながら、地球環境と調和した企業の発展を図ってまいります。さらに、企業の社会的責任を重視し、日々の事業活動において法令遵守に積極的に取り組んでまいりますとともに内部統制システムを強化し、当社グループのコーポレートガバナンスのさらなる充実に努め、社会に信頼される企業グループを目指してまいります。株主のみなさまにおかれましては、今後とも一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。 1)財政状態及び経営成績の状況 当社グループは、2023年11月に公表した新中期経営計画「Shape the Future-2025」(2023~2025年度)で掲げた「既存事業の継続的基盤強化」、「新製品創出力の強化」、「サステナビリティ経営の推進」の3つの基本方針に沿った具体的な施策を着実に実行してまいりました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は、964億3千4百万円と前期比2.0%の増加となりました。利益面におきましても、営業利益は132億4千6百万円と前期比26.2%の増加、経常利益は141億5千4百万円と前期比17.9%の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は103億3千2百万円と前期比35.0%の増加となりました。 当連結会計年度末における当社グループの財政状態は次のとおりであります。 総資産は、前連結会計年度末に比べて、2.3%増加し1,539億3千5百万円となりました。 流動資産は、前連結会計年度末に比べて、0.5%増加し929億1千6百万円となりました。これは、主として現金及び預金が19億5百万円増加、有価証券が29億7千6百万円増加、受取手形、売掛金及び契約資産が43億2千5百万円減少したことによります。 固定資産は、前連結会計年度末に比べて、5.0%増加し610億1千8百万円となりました。これは、主として有形固定資産が13億6千2百万円、無形固定資産が7億4千9百万円増加したことによります。 負債合計は、前連結会計年度末に比べて、6.0%減少し383億3千9百万円となりました。 流動負債は、前連結会計年度末に比べて、4.5%減少し313億8千5百万円となりました。これは、主として支払手形及び買掛金が19億9千1百万円減少、未払法人税等が17億5千2百万円増加したことによります。 固定負債は、前連結会計年度末に比べて、12.2%減少し69億5千3百万円となりました。これは、退職給付に係る負債が7億9千2百万円減少したことによります。 純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、5.3%増加し1,155億9千6百万円となりました。これは、主として利益剰余金が80億4千8百万円増加、その他有価証券評価差額金が8億4千万円減少したことによります。 2)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて、48億8千1百万円増加し433億1千4百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、170億4千9百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が146億4千6百万円、売上債権及び契約資産の増減額が46億5千7百万円となったことによります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、81億3千5百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が67億3千7百万円となったことによります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、42億2千1百万円の支出となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が18億2百万円、配当金の支払額が22億5千5百万円となったことによります。 3)生産、受注及び販売の実績① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)基礎化学品44,34724.7%機能化学品24,02210.6%ヘルスケア13,45217.9%合計81,82318.1%(注)1 金額は、平均販売価格により算出したものであります。2 上記には自家使用分が含まれております。 ② 製品仕入実績 当連結会計年度における製品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)基礎化学品9,130△42.7%機能化学品3,005△14.7%ヘルスケア18△56.6%商社部門ほか9,670△19.0%合計21,825△30.6%(注) 金額は、仕入価格により算出したものであります。 ③ 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)商社部門ほか16△96.7%-△100.0% ④ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)基礎化学品37,6363.8%機能化学品29,097△0.1%ヘルスケア13,68415.3%商社部門ほか16,015△7.3%合計96,4342.0%(注)1 販売実績は、外部顧客に対する売上高を表示しております。2 セグメント間取引については、相殺消去しております。3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれも10%未満であるため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。 2)当連結会計年度の経営成績などの状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に加え、個人消費や設備投資の持ち直しの動きなど緩やかな回復が続きました。一方で、原燃料価格高騰や物価上昇に加え、ウクライナ情勢の長期化、中東地域をめぐる情勢、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞に伴う影響など、依然として厳しい状況で推移いたしました。 当連結会計年度における当社グループの経営成績は下記のとおりであります。 当連結会計年度の売上高は、964億3千4百万円と前期比2.0%の増加となりました。利益面におきましても、営業利益は132億4千6百万円と前期比26.2%の増加、経常利益は141億5千4百万円と前期比17.9%の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は103億3千2百万円と前期比35.0%の増加となりました。 セグメント別の概況は、以下のとおりであります。 (基礎化学品) クロール・アルカリは、水島工場の製造設備不具合による供給問題が解消したため販売数量は増加しましたが、市況軟化に伴う販売単価調整の影響もあり、売上高は減少しました。 エピクロルヒドリンは、海外市況軟化による影響を受けましたが、製造設備不具合による供給問題が解消し海外向け販売数量が増加したため、売上高は増加しました。 以上の結果、基礎化学品の売上高は376億3千6百万円と前期比3.8%の増加となりました。 (機能化学品) 合成ゴム関連では、エピクロルヒドリンゴムの販売が欧州およびアジアでの自動車生産台数減少の影響を受けたことに加え、アクリルゴムのデボトル増強工事の影響もあり、売上高は減少しました。 ダップ樹脂は、海外向けUVインキ用途で需要が堅調に推移したため、売上高は増加しました。 アリルエーテル類は、中国で塗料用途を中心としたシランカップリング剤向けの需要が堅調に推移したため、売上高は増加しました。 以上の結果、機能化学品の売上高は290億9千7百万円と前期比0.1%の減少となりました。 (ヘルスケア) 医薬品精製材料は、欧米並びにアジア向けの糖尿病治療薬用途等の需要が順調に拡大し、売上高は増加しました。医薬品原薬・中間体は、不眠症治療薬中間体および筋疾患治療薬原薬の販売が拡大しましたが、核酸医薬原薬や抗結核薬中間体の販売が減少したため、売上高は減少しました。 以上の結果、ヘルスケアの売上高は136億8千4百万円と前期比15.3%の増加となりました。 (商社部門ほか) ガラス繊維は電子材料および自動車向け商材を中心に需要が回復しましたが、生活関連商品の販売が減少したため、商社部門ほかの売上高は160億1千5百万円と前期比7.3%の減少となりました。 (3)キャッシュ・フローの分析 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。運転資金は自己資金、短期借入金により賄っております。 また、当社において子会社の資金を一元管理し、資金効率の向上を図っております。
事業リスク
- 市況変動と競合激化基礎化学品事業は、景気変動や他社との競合による市場価格の変動、為替・金利相場の影響を受けやすいです。特にクロール・アルカリ製品やエピクロルヒドリンは、販売価格や原材料調達価格が変動しやすく、他社の大型プラント建設などで需給が緩むと、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 原材料調達の不安定性原材料の複数調達先の確保に努めていますが、原料メーカーの事故や品質不良、倒産などにより供給が中断・停止した場合、生産活動に支障が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。安定的な生産を維持するためには、サプライチェーンの強靭化が重要です。
- 海外事業展開のリスクアジア、欧州、北米などでの海外事業活動は、予期せぬ法律・規制の変更、政治・経済情勢の悪化、テロ・戦争などによる社会的混乱のリスクを伴います。これらの事象が発生した場合、経営成績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。情報収集と早期のリスク認識、対策が求められます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 当社グループは、事業等のリスクに関し、組織的・体系的に対処することとしておりますが、現在、当社グループの経営成績および財務状況等に及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に影響を及ぼす可能性がある事項と考えております。 なお、ここに記載した事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断した主要なものであり、これらに限られるものではありません。 (1)競合・市況変動等にかかるもの 当社グループは市況製品を展開しており、景気、他社との競合にともなう市場価格の変動、また、為替、金利といった相場の変動により事業業績が大きく左右される可能性があります。特に、景気や他社との競合という観点からは、当社グループの基礎化学品事業のうち、クロール・アルカリ製品やエピクロルヒドリンは、販売価格および原材料調達価格に関し変動を受けやすい構造となっており、他社による大型プラントの建設等により需給が緩和した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(2)原材料の調達にかかるもの 当社グループは、原材料の複数調達先の確保などで、安定的な原材料の調達に努めておりますが、原料メーカーの事故による供給中断、品質不良や倒産による供給停止などの影響で、当社の生産活動に停止をきたし、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(3)製品の品質にかかるもの 当社は、事業活動全般における品質保証を確保する体制を敷いており、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、製品の結果により、当社グループの業績、財務状況、社会的評価等に悪影響を及ぼす可能性があります。年に2回実施しているレスポンシブル・ケア監査において、品質関連ルールの整備状況、遵守状況の確認を行っております。また、社員に対して、品質に関するコンプライアンス教育の徹底、品質関連ルールの教育を定期的に実施し、品質管理に努めております。(4)海外等の事業展開にかかるもの 当社グループは、アジア、欧州、北米などで販売活動を行っておりますが、海外での事業活動には、予期し得ない法律や規制の変更、政治・経済情勢の悪化、テロ・戦争等による社会的混乱等のリスクがあります。そのため、これらの事象が発生した場合は、当社グループの経営成績および財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。グループ各社で情報収集に取り組み、早期にリスクを認識し対策をとることで、予防・回避に努めております。(5)知的財産の保護にかかるもの 当社グループの事業展開にとって知的財産の保護は極めて重要であり、知的財産保護のための体制を整備しその対策を実施しております。しかし、他社との間に知的財産を巡り紛争が生じたり、他社から知的財産保護の侵害を受けたりした場合は、事業活動に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(6)訴訟にかかるもの 当社グループの事業活動に関連して、取引先や第三者との間で重要な訴訟が提起された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(7)自然災害にかかるもの 自然災害が発生した場合には、生産活動の中断あるいは製造設備の損壊等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおいては、定期的な防災訓練や保険加入といった対策を講じてます。万一大規模災害が発生した場合の「事業継続計画書(BCP)」を作成し、サプライチェーンならびに関連企業との協力体制を確立することにより、できる限りの安定供給に最大限努力し、事業の継続を図るとともに、従業員の安全ならびに地域住民の安全を確保し、事業活動に支障が無いように備えております。(8)事故災害にかかるもの 設備トラブルやヒューマンエラーなどによって事故が発生した場合には、生産活動の中断あるいは製造設備の損壊等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。事故発生防止のため、安全・安定操業の徹底を図り、すべての製造設備について定期的な点検を実施しております。また、生産に重要な影響がないよう、予備機・予備品の拡充、複線化を含めた設備改造等に取り組んでおります。(9)環境にかかるもの 当社グループでは、化学物質の開発から製造、流通、使用を経て廃棄に至る全ライフサイクルにおける「環境・安全・健康」を確保することを目的としたレスポンシブル・ケア活動を推進しております。しかしながら、周囲の環境に影響を及ぼすような事象が発生した場合には、補償などを含む対策費用、生産活動の停止による機会損失などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)企業買収・資本提携等にかかるもの 当社グループが実施する企業買収や他社との戦略的事業・資本提携について、当初想定していた成果が得られない場合、当社グループの業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合、当社グループの業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(11)感染症にかかるもの 従業員に感染症が拡大した場合、生産活動停止による機会損失で当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 感染症対策では、在宅勤務や時差出勤の実施、出張や面談の原則禁止といった感染予防のための措置を実施します。感染者が発生した場合には、あらかじめ定めたフローに従い、濃厚接触者の特定および感染者が使用していた業務スペースの消毒等を実施すると共に操業継続の可否、維持の程度を直ちに判断し必要な対処を進めることで拡大を防止し被害の最小化を図ることに努めております。(12)気候変動にかかるもの 気候変動等により、炭素価格など規制対応コストの増加やオフセットクレジット価格の上昇の可能性があります。当社グループでは、高効率機器の導入や生産工程の合理化を進めることで対応していく方針です。 なお、当社では、取締役会の下にサステナビリティ委員会を設置しており、気候変動に関するリスクについては、委員会で協議して対応方針や戦略・施策を立案し、取締役会へ定期的に報告することとしております。