研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
| 2025-03 |
- |
812 |
| 2024-03 |
- |
614 |
| 2023-03 |
- |
792 |
| 2022-03 |
- |
480 |
| 2021-03 |
- |
506 |
研究開発活動(本文)
FY2025|4,434 文字
6 【研究開発活動】急激な国内産業構造の変化および国際的な社会課題が変化する中、CSV(*)を意識した研究開発を基本方針とし、基盤事業の強化・拡大と当社の持続的成長への新規事業の創出に向けて、当社の研究開発部門およびオルガノ株式会社の開発センターが中心となった研究開発活動を推進しております。(*)Creating Shared Valueの略。社会課題を解決する「社会的価値」と企業が追求する「経済的価値」を両立させる考え方。 社会課題や成長分野への取り組み、研究のデジタルトランスフォーメーション等への対応、部門間の連携強化を目的として、当社では2024年6月に研究開発体制を再編いたしました。具体的には、全研究部門を統括する研究本部を社長直轄の組織として新設し、研究本部の下に3つの機能別研究センターを設置いたしました。先端融合研究センター(先端材料研究所、ライフサイエンス研究所)では先端材料および健康・医療事業分野、石化・高分子研究センター(高分子材料研究所、ウレタン研究所)では石油化学、ポリマー、ウレタン事業分野、機能材料研究センター(無機材料研究所、有機材料研究所)では機能商品事業分野の研究開発を担っております。MIセンターでは研究開発効率化のためのMI技術構築を進めております。 また、当社グループ全体の生産技術、エンジニアリングの拠点である技術センターでは各製品に関わるプロセス開発を担っております。さらに、オルガノ株式会社の開発センターではエンジニアリング事業分野の研究開発を担っております。 また、高度専門職を志向する風土を社内に醸成し、高度な専門性を有する研究者の育成を促進するため、2024年4月より高度専門職制度を新設しました。 技術革新が急速に進む中、当社グループ単独での研究開発を補完すべく、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでおり、国内外の研究機関との共同研究、大学との社会連携講座の開設、さらには、ベンチャーキャピタルファンド投資や米国への研究員派遣により、技術情報収集力の強化と外部技術の獲得を進めております。特に、社会的課題であるCO2の分離回収や有効利用技術の検討を進めるため、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に関わるプロジェクトに参画しております。中でもNEDOの「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」において、CO2排出量削減とその利用を目的にCO2からのポリウレタン原料製造技術の検討を進めております。 また、研究開発体制の強化として、四日市事業所の研究本館・カスタマーラボ棟、南陽事業所の研究本館・ベンチ棟に引き続き、東京研究センターにおいても新研究棟、カスタマーサポート棟が、2025~2026年度の竣工に向けて作業が進められております。 一方、効率的な材料開発を目的としたマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の推進部門として、2023年4月にMIセンターを設立いたしました。電子実験ノートや自動実験設備の活用により、社内データベースの構築を進めております。更に、大型計算機を用いた材料シミュレーションや機械学習により、当社研究開発の加速に貢献しております。またMI技術の更なる活用を促進するため、自己学習教材の導入など研究員へのMI教育も進めております。当連結会計年度における当社グループ全体での研究開発要員は約1,140名であり、研究開発費は約221億円であります。 セグメント別の主な研究開発活動の状況を概観すると、次のとおりであります。 石油化学事業 石油化学事業に関しては、既存ポリマー製品の改良、周辺技術の強化および新規ポリマー材料の開発を推進しております。 ポリエチレン関連では、半導体の製造に用いる高純度薬液容器向けにクリーン性を一層向上したグレードを開発し市場評価が進んでいます。また、通常では困難な複合プラスチックの繰り返しリサイクルを可能とする改質剤「メルセン®-S」を開発し、販売しております。PPS関連では、新規に開発した金属接着性に優れるグレードがEV関連部品で採用されております。 一方、CR、CSM、ペースト塩ビ、石油樹脂の機能性ポリマーについても、より付加価値の高い製品の開発を継続しており、CRは医療向け手袋グレードの開発に注力しております。また、2022年度まで参画していたNEDOの助成事業「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー(CNF)関連技術開発」を活用した新製品を上市し、社会実装しております。 電子関連への展開としては、液晶および有機ELディスプレイ用光学材料など、当社独自コンセプトに基づく新規ポリマー材料の開発を積極的に進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約25億円であります。 クロル・アルカリ事業 クロル・アルカリ事業に関しては、ビニル・イソシアネート・チェーン関連技術の更なる強化へ向けて継続的な製造技術の革新に取り組んでおります。具体的には、塩ビモノマーの原料となる二塩化エタンを製造するオキシ塩素化工程において、活性・選択性・耐久性の全てに優れ、世界をリードする独自触媒への転換を進めております。また、電解関連においても、食塩電解の継続的な技術改良による省エネルギー化に取り組んでおります。 ポリウレタン関連では、原料であるイソシアネートの機能性向上と製造プロセスの開発、機能性ポリオールの開発、および、ポリウレタンフォーム、エラストマーおよびコーティングを始めとするウレタン関連製品の処方開発に積極的に取り組むと共に、他の事業分野との連携による開発にも注力しております。具体的には、軽量で快適な乗り心地性を実現する自動車用All―MDI系シートクッションや、高い断熱性を長期間維持できる断熱材の開発に進展がありました。また、コーティング・合皮用途においては、成形加工エネルギー削減に貢献するウレタン樹脂やポリカーボネートポリオール、低粘度や低温硬化性を特徴とする硬化剤等、環境ニーズに適合した高付加価値製品の開発を積極的に進めております。なかでも開発品である低温硬化ブロックイソシアネートは、従来よりも低温である80℃で硬化可能なポリウレタン塗料用硬化剤として、塗装工程での熱エネルギー削減効果が認められ、公益社団法人新化学技術推進協会グリーン・サステイナブル ケミストリー ネットワーク会議の主催する第23回グリーン・サステイナブル ケミストリー賞奨励賞を受賞しました。なお、本事業分野における研究開発費は約40億円であります。 機能商品事業 機能商品事業に関しては、ライフサイエンス、電子材料、環境・エネルギーなどに関する研究開発を実施しております。 ライフサイエンス関連における免疫診断事業関連では次世代装置と試薬の開発、遺伝子検査事業関連では感染症診断のための新規製品開発を進めております。分離精製剤事業関連では、急速に市場が成長しているバイオ医薬品(抗体医薬品、遺伝子治療用ベクター、細胞医薬品)の分離剤や分析用液体クロマトグラフィーカラムの開発に注力しており、世界初の抗体医薬品活性分析用カラムの実用化に続き、製造用ゲルの開発を進めております。さらに、バイオプロセス上流工程向けの細胞培養器材等の新規製品開発に鋭意取り組んでおります。 また、セラミックス材料の開発では、歯科用透光感ジルコニアや装飾用カラージルコニアの新グレード開発を加速させると共に、東京大学に設置した社会連携講座を継続し、次世代ジルコニアの創出を目指しています。 電子材料関連におけるディスプレイ関連では、低消費電力化・高画質化を達成する有機EL用材料、更に半導体関連では、高品位スパッタリングターゲット、将来の半導体素子の微細化に対応した次世代配線用の有機金属化合物、次世代半導体製造装置用の高機能石英部材などの開発を推進しております。また、LEDやパワーデバイスの製造プロセスを刷新可能なGaNスパッタリングターゲットを開発し、今年度出荷を開始いたしました。プリンテッドエレクトロニクス関連では、塗布型有機半導体材料、光硬化型絶縁材料、親撥処理膜材料、保護層材料等の一連の材料開発を産学連携で進めております。 環境・エネルギー関連では、今後も需要拡大が予想されるリチウム二次電池関連の材料開発、コンデンサの高容量化に寄与する新規導電性高分子(セルフトロン®)の開発が進展しており、セルフトロンでは新たに薄型太陽電池の電極に利用可能な無機フィラー複合化グレードを開発し、市場展開を開始しました。また、電池向け用途に、規制リスク懸念のある既存材料と代替可能なマンガン含有正極向けバインダーを開発しました。さらに、自動車排ガス浄化触媒用ゼオライトの開発では、脱硝性能、触媒耐久性の改良を進めています。更には、カーボンニュートラル触媒用や水質・大気浄化用のゼオライト設計にも取り組んでおります。アミン誘導体としてはVOC低減に有効なウレタン発泡触媒(RZETA®)の拡販が進展するとともに、工場等から排出されるCO2の回収に利用する高性能CO2回収アミンを開発し、南陽事業所に導入しました。さらに、重金属処理剤(飛灰処理用、排水処理用)については新グレードを開発し、上海にある技術サービス拠点と連携し、中国での拡販活動に注力しています。なお、本事業分野における研究開発費は約123億円であります。 エンジニアリング事業 エンジニアリング事業に関しては、オルガノ株式会社の開発センターを中心に開発を行っています。 水処理エンジニアリング関連では、半導体をはじめとした電子産業分野で求められる超純水や溶剤・薬液などの更なる高度化に向けた分離精製技術、高度分析技術の開発や、サステナビリティ課題に対して水・有価物回収技術、省エネルギーシステム、及びセンシング技術等の開発に取り組んでおり、超純水の水質を高感度で測定可能なモニタリング装置(UPW-ICA)を開発しました。また、水処理設備の運転状況を監視し、管理の省力化や廃棄物・CO2削減に寄与するセンシングシステム(オルスマートシリーズ)を開発しました。加えて、電子産業向け溶剤の高純度化や、エンジニアリング業務の効率化に寄与する技術開発を推進しました。 機能商品関連では、水処理薬品、新規機能材、ラボ・医療機関向け小型超純水製造装置、食品加工向けの食品添加物・素材などの開発を行い、冷却水向け高機能薬剤(オルリッチecoシリーズ)、およびセンシング技術(オルチェイサーⅤ)を開発しました。加えて、水処理用分離膜向け高機能薬剤の研究開発を推進しました。 なお、本事業分野における研究開発費は約33億円であります。
FY2024|4,040 文字
6 【研究開発活動】急激な国内産業構造の変化および国際的な社会課題が変化する中、CSV(*)を意識した研究開発を基本方針とし、基盤事業の強化・拡大と当社の持続的成長への新規事業の創出に向けて、8つの研究開発部門およびオルガノ株式会社の開発センターが中心となった研究開発活動を推進しております。(*)Creating Shared Valueの略。社会課題を解決する「社会的価値」と企業が追求する「経済的価値」を両立させる考え方。具体的には、アドバンストマテリアル研究所およびライフサイエンス研究所では機能商品事業分野、ファンクショナルポリマー研究所、高分子材料研究所、ウレタン研究所では石油化学事業分野およびクロル・アルカリ事業分野、無機材料研究所、有機材料研究所では機能商品事業分野、技術センターでは各製品に関わるプロセス開発、オルガノ株式会社の開発センターではエンジニアリング事業分野の研究開発を担っております。技術革新が急速に進む中、当社グループ単独での研究開発を補完すべく、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでおり、国内外の研究機関との共同研究、大学との社会連携講座の開設、さらには、ベンチャーキャピタルファンド投資や米国への研究員派遣により、技術情報収集力の強化と外部技術の獲得を進めております。特に、社会的課題であるCO2の分離回収や有効利用技術、多層プラスチックフィルムのリサイクル技術の検討を進めるため、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の先導研究プログラムに参画しております。中でもNEDOの「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」において、CO2排出量削減とその利用を目的にCO2からのポリウレタン原料製造技術の検討を進めております。また、研究開発体制の強化として、四日市事業所では研究本館・カスタマーラボ棟が竣工し、ポリマー・ウレタン製品関連研究の集約、南陽事業所でも研究本館・ベンチ棟が竣工し、高機能材料・有機化成品関連研究設備の刷新を図りました。また、東京研究センターにおいても新研究棟の建設が決定され、2025~2026年度の竣工に向けて作業が進められております。一方、東京研究センターに設置したマテリアルズ・インフォマティクス(MI)専門グループを中心に、2023年度よりMIセンターの運用を開始しました。全研究所へ導入した電子実験ノートの活用により、社内データベースの構築を進め、更に、増強したクラスタ計算機を用いた材料シミュレーションにより、MIに必要なデータの拡充を進めており各種材料の開発加速に貢献しています。当連結会計年度における当社グループ全体での研究開発要員は約1,090名であり、研究開発費は約220億円であります。 セグメント別の主な研究開発活動の状況を概観すると、次のとおりであります。 石油化学事業 石油化学事業に関しては、既存ポリマー製品の改良、周辺技術の強化および新規ポリマー材料の開発を推進しております。 ポリエチレン関連では、半導体の製造に用いる高純度薬液容器向けにクリーン性を一層向上したグレードを開発し市場評価が進んでいます。また、通常では困難な複合プラスチックの繰り返しリサイクルを可能とする改質剤「メルセンS」を開発し、販売を開始しました。PPS関連では、新規に開発した金属接着性に優れるグレードがEV関連部品で着実に採用されております。 一方、CR、CSM、ペースト塩ビ、石油樹脂の機能性ポリマーについても、より付加価値の高い製品の開発を継続しており、CRは医療向け手袋グレードの開発に注力しております。また、2022年度まで参画していたNEDOの助成事業「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー(CNF)関連技術開発」を活用した新製品を上市し、社会実装を開始しました。 電子関連への展開としては、液晶および有機ELディスプレイ用光学材料など、当社独自コンセプトに基づく新規ポリマー材料の開発を積極的に進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約25億円であります。 クロル・アルカリ事業 クロル・アルカリ事業に関しては、ビニル・イソシアネート・チェーン関連技術の更なる強化へ向けて継続的な製造技術の革新に取り組んでおります。具体的には、塩ビモノマーの原料となる二塩化エタンを製造するオキシ塩素化工程において、活性・選択性・耐久性の全てに優れ、世界をリードする独自触媒への転換を進めております。また、電解関連においても、食塩電解の継続的な技術改良による省エネルギー化に取り組んでおり、開発した活性陰極による省エネルギー化技術は日本ソーダ工業会の2022年度技術賞を受賞しました。ポリウレタン関連では、原料であるイソシアネートの機能性向上と製造プロセスの開発、機能性ポリオールの開発、および、ポリウレタンフォーム、エラストマーおよびコーティングを始めとするウレタン関連製品の処方開発に積極的に取り組むと共に、他の事業分野との連携による開発にも注力しております。具体的には、軽量で快適な乗り心地性を実現する自動車用AII-MDI系シートクッションや、高い断熱性を長期間維持できる断熱材の開発に進展がありました。また、コーティング・合皮用途においては、成形加工エネルギー削減に貢献するウレタン樹脂やポリカーボネートポリオール、低粘度や低温硬化性を特徴とする硬化剤等、環境ニーズに適合した高付加価値製品の開発を積極的に進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約39億円であります。 機能商品事業 機能商品事業に関しては、ライフサイエンス、環境・エネルギー、電子材料などに関する研究開発を実施しております。ライフサイエンス関連における免疫診断事業関連では次世代装置と試薬の開発、遺伝子検査事業関連では感染症診断のための新規製品開発を進めております。分離精製剤事業関連では、急速に市場が成長しているバイオ医薬品(抗体医薬品、ウイルス医薬品、細胞医薬品)の分離剤や分析用液体クロマトグラフィーカラムの開発に注力しており、世界初の抗体医薬品活性分析用カラムの実用化に続き、製造用ゲルの開発を進めております。さらにウイルス医薬品、細胞医薬品向けの分析カラムや分析装置、バイオプロセス上流工程向けの細胞培養器材等の新規製品開発に鋭意取り組んでおります。また、セラミックス材料の開発では、歯科用透光感ジルコニアや装飾用カラージルコニアの新グレード開発を加速させると共に、東京大学に設置した社会連携講座を継続し、次世代ジルコニアの創出を目指しています。環境・エネルギー関連では、今後も需要拡大が予想されるリチウム二次電池の材料開発、コンデンサの高容量化に寄与する新規導電性高分子(セルフトロン®)の開発が進展しており、セルフトロンでは新たに有機溶剤に溶けるグレードを開発し、市場展開を開始しました。また、自動車排ガス浄化触媒用ゼオライトの開発では、脱硝性能、触媒耐久性の改良を進めると同時にゼオライトの革新的・高効率合成プロセス構築を東京大学との社会連携講座で推進しています。更には、水質・大気浄化用のゼオライト設計にも取り組んでおります。アミン誘導体としてはVOC低減に有効なウレタン発泡触媒(RZETA®)の拡販が進展するとともに、工場等から排出されるCO2の回収に利用する高性能CO2回収アミンを開発し、南陽事業所に導入することが決まりました。さらに、重金属処理剤(飛灰処理用、排水処理用)については新グレードを開発し、上海にある技術サービス拠点と連携し、中国での拡販活動に注力しています。電子材料関連におけるディスプレイ関連では、低消費電力化・高画質化を達成する有機EL用材料、更に半導体関連では、高品位スパッタリングターゲット、将来の半導体素子の微細化に対応した次世代配線用の有機金属化合物、次世代半導体製造装置用の高機能石英部材などの開発を推進しております。また、LEDやパワーデバイスの製造プロセスを刷新可能なGaNスパッタリングターゲットの上市を決定いたしました。プリンテッドエレクトロニクス関連では、塗布型有機半導体材料、光硬化型絶縁材料、親撥処理膜材料、保護層材料等の一連の材料開発を産学連携で進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約128億円であります。 エンジニアリング事業 エンジニアリング事業に関しては、オルガノ株式会社の開発センターを中心に開発を行っています。 水処理エンジニアリング関連では、半導体をはじめとした電子産業分野で求められる超純水や溶剤・薬液などの更なる高度化に向けた分離精製技術、高度分析技術の開発や、サステナビリティ課題に対して水・有価物回収技術、省エネルギーシステム、及びセンシング技術等の開発に取り組んでおり、薬品使用量の削減につながる大流量電気再生式脱塩装置(EDI)や、水処理装置の運転状況を監視して使用薬品量を自動でコントロールし、設備管理の省力化・廃棄物やCO2削減に寄与するセンシングシステムを開発しました。また高度な膜処理技術を利用した有価物回収システムを開発しました。加えて、前連結会計年度より稼働している新実験棟を活用し、最先端半導体工場向け次世代型超純水製造技術の開発を進め、その評価のため超純水や薬液中の不純物を高感度で測定する技術の開発を行いました。 機能商品関連では、水処理薬品、新規機能材、ラボ・医療機関向け小型超純水製造装置、食品加工向けの食品添加物・素材などの開発を行い、水処理用分離膜向け高機能薬剤、冷却水向け高機能薬剤、およびセンシング技術の研究開発を推進しました。 なお、本事業分野における研究開発費は約28億円であります。
FY2023|3,948 文字
6 【研究開発活動】急激な国内産業構造の変化および国際的な社会課題が変化する中、CSV(*)を意識した研究開発を基本方針とし、基盤事業の強化・拡大と当社の持続的成長への新規事業の創出に向けて、8つの研究開発部門およびオルガノ株式会社の開発センターが中心となった研究開発活動を推進しております。(*)Creating Shared Valueの略。社会課題を解決する「社会的価値」と企業が追求する「経済的価値」を両立させる考え方。具体的には、アドバンストマテリアル研究所およびライフサイエンス研究所では機能商品事業分野、ファンクショナルポリマー研究所、高分子材料研究所、ウレタン研究所では石油化学事業分野およびクロル・アルカリ事業分野、無機材料研究所、有機材料研究所では機能商品事業分野、技術センターでは各製品に関わるプロセス開発、オルガノ株式会社の開発センターではエンジニアリング事業分野の研究開発を担っております。技術革新が急速に進む中、当社グループ単独での研究開発を補完すべく、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでおり、国内外の研究機関との共同研究、大学との社会連携講座の開設、さらには、ベンチャーキャピタルファンド投資や米国への研究員派遣により、技術情報収集力の強化と外部技術の獲得を進めております。特に、社会的課題であるCO2の分離回収や有効利用技術、多層プラスチックフィルムのリサイクル技術の検討を進めるため、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の先導研究プログラムに参画しております。中でもNEDOの「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」において、CO2排出量削減とその利用を目的にCO2からのポリウレタン原料製造技術の検討を進めております。また、研究開発体制の強化として、四日市事業所では研究本館・カスタマーラボ棟が竣工し、ポリマー・ウレタン製品関連研究の集約、南陽事業所でも研究本館・ベンチ棟が竣工し、高機能材料・有機化成品関連研究設備の刷新を図りました。また、東京研究センターに設置したマテリアルズ・インフォマティクス(MI)専門グループを中心に、2023年度よりMIセンターの運用を開始します。全研究所へ導入した電子実験ノートの活用により、社内データベースの構築を進め、更に、増強したクラスタ計算機を用いた材料シミュレーションにより、MIに必要なデータの拡充を進めています。当連結会計年度における当社グループ全体での研究開発要員は約1,100名であり、研究開発費は約214億円であります。 セグメント別の主な研究開発活動の状況を概観すると、次のとおりであります。 石油化学事業 石油化学事業に関しては、既存ポリマー製品の改良、周辺技術の強化及び新規ポリマー材料の開発を推進しております。 ポリエチレン関連では、新規ポリエチレンを使用した耐熱輸液バッグが国内外で採用に向けた評価が進んでいます。また、通常では困難な複合プラスチックの繰り返しリサイクルを可能とする改質剤「メルセンS」を開発し、市場展開を開始しました。PPS関連では、新規に開発した金属接着性に優れるグレードがEV関連部品で着実に採用されております。 一方、CR、CSM、ペースト塩ビ、石油樹脂の機能性ポリマーについても、より付加価値の高い製品の開発を継続しており、CRは医療向け手袋グレードの開発に注力しております。また、NEDOの助成事業「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー(CNF)関連技術開発」に参画し、バイオマスを利用した製品の社会実装に取り組んでいます。 電子関連への展開としては、液晶用光学材料、有機EL用光学材料など、当社独自コンセプトに基づく新規ポリマー材料の開発を積極的に進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約25億円であります。 クロル・アルカリ事業 クロル・アルカリ事業に関しては、ビニル・イソシアネート・チェーン関連技術の更なる強化へ向けて継続的な製造技術の革新に取り組んでおります。具体的には、塩ビモノマーの原料となる二塩化エタンを製造するオキシ塩素化工程において、活性・選択性・耐久性の全てに優れ、世界をリードする独自触媒への転換を進めております。この触媒技術は一般社団法人触媒学会の2019年度学会賞(技術部門)を受賞しました。また、電解関連においても、食塩電解の継続的な技術改良による省エネルギー化に取り組んでおり、開発した活性陰極による省エネルギー化技術は日本ソーダ工業会の2022年度技術賞を受賞しました。ポリウレタン関連では、原料であるイソシアネートの機能性向上と製造プロセスの開発、機能性ポリオールの開発、および、ポリウレタンフォーム、エラストマーおよびコーティングを始めとするウレタン関連製品の処方開発に積極的に取り組むと共に、他の事業分野との連携による開発にも注力しております。具体的には、軽量で快適な乗り心地性を実現する自動車用All-MDI系シートクッションや、薄くて防音性に優れたフォームの開発に進展がありました。また、コーティング・合皮用途においては、耐薬品性に優れたウレタン樹脂やポリカーボネートポリオール、低粘度や低温硬化性を特徴とする環境ニーズに適合した硬化剤の開発を積極的に進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約37億円であります。 機能商品事業 機能商品事業に関しては、ライフサイエンス、環境・エネルギー、電子材料などに関する研究開発を実施しております。ライフサイエンス関連における免疫診断事業関連では次世代装置と試薬の開発、遺伝子検査事業関連では感染症診断のための新規製品開発を進めております。分離精製剤事業関連では、急速に市場が成長しているバイオ医薬品(抗体医薬品、ウイルス医薬品、細胞医薬品)の分離剤や分析用液体クロマトグラフィーカラムの開発に注力しており、世界初の抗体医薬品活性分析用カラムの実用化に続き、製造用ゲルの開発を進めております。さらにウイルス医薬品、細胞医薬品向けの分析カラムや分析装置、バイオプロセス上流工程向けの細胞培養器材等の新規製品開発に鋭意取り組んでおります。また、セラミックス材料の開発では、歯科用透光感ジルコニアや装飾用カラージルコニアの新グレード開発を加速させると共に、東京大学に設置した社会連携講座を継続し、次世代ジルコニアの創出を目指しています。環境・エネルギー関連では、今後も需要拡大が予想されるリチウム二次電池の材料開発、コンデンサの高容量化に寄与する新規導電性高分子(セルフトロン®)の開発が進展しております。また、自動車排ガス浄化触媒用ゼオライトの開発では、脱硝性能、触媒耐久性の改良を進めると同時にゼオライトの革新的・高効率合成プロセス構築を東京大学との社会連携講座で推進しています。更には、水質・大気浄化用のゼオライト設計にも取り組んでおります。アミン誘導体としてはVOC低減に有効なウレタン発泡触媒(RZETA®)の拡販、アルデヒド捕捉剤(エミデリート®)の開発が進展するとともに、工場等から排出されるCO2の回収に利用する高性能CO2回収用アミンを開発しました。さらに、重金属処理剤(飛灰処理用、排水処理用)の技術サービス拠点を上海に設置し、拡販活動に注力しています。電子材料関連におけるディスプレイ関連では、低消費電力化・高画質化を達成する有機EL用材料、更に半導体関連では、高品位スパッタリングターゲット、将来の半導体素子の微細化に対応した次世代配線用の有機金属化合物、製造プロセスを刷新可能なGaNスパッタリングターゲット、次世代半導体製造装置用の高機能石英部材などの開発を推進しております。有機EL用材料は、電子輸送材料の開発に関して科学技術振興機構の第47回井上春成賞を受賞しました。また、プリンテッドエレクトロニクス関連では、塗布型有機半導体材料、光硬化型絶縁材料、親撥処理膜材料、保護層材料等の一連の材料開発を産学連携で進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約126億円であります。 エンジニアリング事業 エンジニアリング事業に関しては、オルガノ株式会社の開発センターを中心に開発を行っています。 水処理エンジニアリング関連では、純水、超純水、上水等の用水処理装置、下排水処理装置などの大型水処理設備、バイオ医薬精製工程向けクロマト分離装置、溶剤・薬液などの分離精製装置、および高度分析・センシング技術などの開発を実施しており、半導体工場向け大型電気再生式脱塩装置(大型EDI)を完成・上市しました。また、新実験棟を活用した最先端半導体工場向けの次世代型超純水製造技術や高度分析技術、高純度薬液精製システム及び水回収・再利用システム、公共下水向け高機能処理設備、バイオ医薬精製工程向け連続クロマト分離装置、リチウムイオン二次電池向けのn-メチルピロリドン回収精製装置、水処理プラントの高度運転監視システムなどの研究開発を推進しております。 機能商品関連では、ラボ・医療機関向け小型超純水製造装置、水処理薬品、新規機能材料、加工食品向けの食品添加物・素材の開発を実施しており、RO処理向け薬注制御システム「オルスマートRO」やRO膜用新規殺菌剤、ユニット型ろ過装置(LUシリーズ)を完成・上市しました。また、ラボ向け超純水装置や水処理用分離膜向け高機能薬剤などの研究開発を推進しました。 なお、本事業分野における研究開発費は約26億円であります。
FY2022|3,888 文字
5 【研究開発活動】急激な国内産業構造の変化及び国際的な社会課題が変化する中、CSV(*)を意識した研究開発による経営貢献を基本方針とし、基盤事業の強化・拡大と当社の持続的成長への新規事業の創出に向けて、8つの研究開発部門及びオルガノ株式会社の開発センターが中心となった研究開発活動を推進しております。(*)Creating Shared Valueの略。社会課題を解決する「社会的価値」と企業が追求する「経済的価値」を両立させる考え方。具体的には、アドバンストマテリアル研究所、ライフサイエンス研究所、無機材料研究所及び有機材料研究所では機能商品事業分野、ファンクショナルポリマー研究所、高分子材料研究所、ウレタン研究所では石油化学事業分野及びクロル・アルカリ事業分野、技術センターでは各製品に関わるプロセス開発、オルガノ株式会社開発センターではエンジニアリング事業分野の研究開発を担っております。技術革新が急速に進む中、当社グループ単独での研究開発を補完すべく、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでおり、国内外の研究機関との共同研究、大学との社会連携講座の開設、さらには、ベンチャーキャピタルファンド投資や米国への研究員派遣により、技術情報収集力の強化と外部技術の獲得を進めております。特に、社会的課題であるCO2の分離回収や有効利用技術、多層プラスチックフィルムのリサイクル技術の検討を進めるため、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の先導研究プログラムに参画しております。中でも本年はNEDOの「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」において、当社の提案した「CO2を原料とする機能性プラスチック材料の製造技術開発」が採択され、CO2排出量削減と機能性向上を目標にCO2からのポリウレタン原料製造技術の検討を開始しました。また、研究開発体制の強化として、四日市事業所では研究本館、カスタマーラボ棟が竣工し、ポリマー・ウレタン製品関連研究の集約、南陽事業所では新研究棟、ベンチ棟の建設による高機能材料、有機化成品関連研究設備の刷新を図りました。東京研究センターではスペシャリティ事業の拡大を目指し、新研究棟やカスタマーサポート棟の新設を進めています。また、東京研究センターに設置したマテリアルズ・インフォマティクス(MI)専門グループを中心に、2023年度にMIセンター設立を計画しています。全研究所へ導入した電子実験ノートの活用により、社内データベースの構築を進め、更に、増強したクラスタ計算機を用いた材料シミュレーションにより、MIに必要なデータの拡充を進めています。当連結会計年度における当社グループ全体での研究開発要員は約1,100名であり、研究開発費は約199億円であります。 セグメント別の主な研究開発活動の状況を概観すると、次のとおりであります。 石油化学事業 石油化学事業に関しては、既存ポリマー製品の改良、周辺技術の強化及び新規ポリマー材料の開発を推進しております。 ポリエチレン関連では、新規ポリエチレンを使用した耐熱輸液バッグが海外を中心に採用に向けた評価が進んでいます。また、通常では困難な複合プラスチックの繰り返しリサイクルを可能とする改質剤「メルセンS」を開発し、市場展開を開始しました。PPS関連では、新規に開発した耐冷熱衝撃性に優れるグレードがHEV関連部品で着実に採用されております。 一方、CR、CSM、ペースト塩ビ、石油樹脂の機能性ポリマーについても、より付加価値の高い製品の開発を継続しており、CRは医療向け手袋グレードの開発に注力しております。また、NEDOの助成事業「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー(CNF)関連技術開発」に参画し、バイオマスを利用した製品の社会実装に取り組んでいます。 電子関連への展開としては、液晶用光学材料、有機EL用光学材料など、当社独自コンセプトに基づく新規ポリマー材料の開発を積極的に進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約25億円であります。 クロル・アルカリ事業 クロル・アルカリ事業に関しては、ビニル・イソシアネート・チェーン関連技術の更なる強化へ向けて継続的な製造技術の革新に取り組んでおります。具体的には、塩ビモノマーの原料となる二塩化エタンを製造するオキシ塩素化工程において、活性・選択性・耐久性の全てに優れ、世界をリードする独自触媒への転換を進めております。この触媒技術は一般社団法人触媒学会の2019年度学会賞(技術部門)を受賞しています。また、電解関連においても、食塩電解の継続的な技術改良による省エネルギー化に取り組んでおります。ポリウレタン関連では、原料であるイソシアネートの機能性向上と製造プロセスの開発、機能性ポリオールの開発、及び、ポリウレタンフォーム、エラストマー及びコーティングを始めとするウレタン関連製品の処方開発に積極的に取り組むと共に、他の事業分野との連携による開発にも注力しております。具体的には、自動車用All-MDI系シートクッションは、低密度化と乗心地性改良、さらに臭気やVOC低減においても進展がありました。また、コーティング・合皮用途においては、耐薬品性に優れたウレタン樹脂やポリカーボネートポリオール、低粘度・高硬度硬化剤の品揃えが進み、高まる環境ニーズに適合した水系塗料用硬化剤の開発を積極的に進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約36億円であります。 機能商品事業 機能商品事業に関しては、ライフサイエンス、環境・エネルギー、電子材料などに関する研究開発を実施しております。ライフサイエンス関連における免疫診断事業関連では次世代装置と試薬の開発、遺伝子検査事業関連では感染症診断のための新規製品開発を進めております。分離精製剤事業関連では、急速に市場が成長しているバイオ医薬品(抗体医薬品、ウイルス医薬品、細胞医薬品)の分離剤や分析用液体クロマトグラフィーカラムの開発に注力しており、世界初の抗体医薬品活性分析用カラムの実用化に続き、製造用ゲルの開発を進めております。さらにウイルス医薬品、細胞医薬品向けの分析カラムや分析装置等の新規製品開発に鋭意取り組んでおります。また、セラミックス材料の開発では、歯科用透光感ジルコニアや装飾用カラージルコニアの新グレード開発を加速させると共に、東京大学に設置した社会連携講座を継続し、次世代ジルコニアの創出を目指しています。環境・エネルギー関連では、今後も需要拡大が予想されるリチウム二次電池の材料開発、コンデンサの高容量化に寄与する新規導電性高分子(セルフトロン®)の開発が進展しております。また、自動車排ガス浄化触媒用ゼオライトの開発では、脱硝性能、触媒耐久性の改良を進めると同時にゼオライトの革新的・高効率合成プロセス構築を東京大学との社会連携講座で推進しています。更には、水質・大気浄化用のゼオライト設計にも取り組んでおります。アミン誘導体としてはVOC低減に有効なウレタン発泡触媒(RZETA®)の拡販、アルデヒド捕捉剤(エミデリート®)の開発が進展するとともに、工場等から排出されるCO2の回収に利用する高性能CO2回収用アミンを開発しました。さらに、重金属処理剤(飛灰処理用、排水処理用)の技術サービス拠点を上海に設置し、拡販活動に注力しています。電子材料関連におけるディスプレイ関連では、低消費電力化・高画質化を達成する有機EL用材料、更に半導体関連では、高品位スパッタリングターゲット、将来の半導体素子の微細化に対応した次世代配線用の有機金属化合物、製造プロセスを刷新可能なGaNスパッタリングターゲット、次世代半導体製造装置用の高機能石英部材などの開発を推進しております。また、プリンテッドエレクトロニクス関連では、塗布型有機半導体材料、光硬化型絶縁材料、親撥処理膜材料、保護層材料等の一連の材料開発を産学連携で進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約117億円であります。 エンジニアリング事業 エンジニアリング事業に関しては、オルガノ株式会社の開発センターを中心に開発を行っています。 水処理エンジニアリング関連では、純水、超純水、上水等の用水処理装置、下排水処理装置などの大型水処理装置、バイオ医薬精製工程向けクロマト分離装置、溶剤・薬液などの分離精製装置、および高度分析・センシング技術などの開発を実施しており、半導体工場向け超純水中の極低レベル無機元素評価技術を完成しました。また、国内外の最先端半導体工場向けの次世代型超純水製造技術、高純度薬液精製システム及び水回収・再利用システム、公共下水向け高機能処理設備、バイオ医薬精製工程向け連続クロマト分離装置、リチウムイオン二次電池向けのn-メチルピロリドン回収精製装置、水処理プラントの高度運転監視システムなどの研究開発を推進しております。 機能商品関連では、ラボ・医療機関向け小型超純水製造装置、水処理薬品、新規機能材料、加工食品向けの食品添加物・素材の開発を実施しており、RO膜用新規殺菌剤(オルパージョンE111)、自立運転機能と通信機器を搭載した標準型純水装置(スーパーデサリナーSD-HF/XP)を上市しております。 なお、本事業分野における研究開発費は約21億円であります。
FY2021|3,642 文字
5 【研究開発活動】急激な国内産業構造の変化及び国際的な社会課題が変化する中、CSV(*)を意識した研究開発による経営貢献を基本方針とし、基盤事業の強化・拡大と当社の持続的成長への新規事業の創出に向けて、8つの研究開発部門及びオルガノ株式会社の開発センターが中心となった研究開発活動を推進しております。(*)Creating Shared Valueの略。社会課題を解決する「社会的価値」と企業が追求する「経済的価値」を両立させる考え方。具体的には、アドバンストマテリアル研究所、ライフサイエンス研究所、無機材料研究所及び有機材料研究所では機能商品事業分野、ファンクショナルポリマー研究所、高分子材料研究所、ウレタン研究所では石油化学事業分野及びクロル・アルカリ事業分野、技術センターでは各製品に関わるプロセス開発、オルガノ株式会社開発センターではエンジニアリング事業分野の研究開発を担っております。技術革新が急速に進む中、当社グループ単独での研究開発を補完すべく、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでおり、国内外の研究機関との共同研究、大学との社会連携講座の開設、さらには、ベンチャーキャピタルファンド投資や米国への研究員派遣により、技術情報収集力の強化と外部技術の獲得を進めております。特に、社会的課題であるCO2の分離回収や有効利用技術、多層プラスチックフィルムのリサイクル技術の検討を進めるため、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の先導研究プログラムに参画しております。また、研究開発体制の強化として、四日市事業所では研究本館、カスタマーラボ棟が竣工し、ポリマー・ウレタン製品関連研究の集約、南陽事業所では新研究棟、ベンチ棟の建設による高機能材料、有機化成品関連研究設備の刷新を図りました。東京研究センターではスペシャリティ事業の拡大を目指し、新研究棟やカスタマーサポート棟の新設を進めています。また、東京研究センターに設置したマテリアル・インフォマティクス(MI)専門チームを中心に、2023年度にMIセンター設立を計画しています。当連結会計年度における当社グループ全体での研究開発要員は約1,100名であり、研究開発費は約195億円であります。 セグメント別の主な研究開発活動の状況を概観すると、次のとおりであります。 石油化学事業 石油化学事業に関しては、既存ポリマー製品の改良、周辺技術の強化及び新規ポリマー材料の開発を推進しております。 ポリエチレン関連では、新規ポリエチレンを使用した耐熱輸液バッグが海外を中心に採用に向けた評価が進んでいます。また、独自触媒による超高分子量ポリエチレン(デカミレン®)は、リチウム二次電池セパレーター、摺動部材用途での海外展開を本格化しております。さらに、PPS関連では、新規に開発した耐冷熱衝撃性に優れるグレードがHEV関連部品で着実に採用されております。 一方、CR、CSM、ペースト塩ビ、石油樹脂の機能性ポリマーについても、より付加価値の高い製品の開発を継続しており、CRは医療向け手袋グレードの開発に注力しております。また、NEDOの助成事業「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー(CNF)関連技術開発」に参画し、バイオマスを利用した製品の社会実装を目指します。 電子関連への展開としては、液晶用光学材料、有機EL用光学材料など、当社独自コンセプトに基づく新規ポリマー材料の開発を積極的に進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約26億円であります。 クロル・アルカリ事業 クロル・アルカリ事業に関しては、ビニル・イソシアネート・チェーン関連技術の更なる強化へ向けて継続的な製造技術の革新に取り組んでおります。具体的には、塩ビモノマーの原料となる二塩化エタンを製造するオキシ塩素化工程において、活性・選択性・耐久性の全てに優れ、世界をリードする独自触媒への転換を進めております。この触媒技術は一般社団法人触媒学会の2019年度学会賞(技術部門)を受賞しています。ポリウレタン関連では、原料であるイソシアネートの機能性向上と製造プロセスの開発、機能性ポリオールの開発、及び、ポリウレタンフォーム、エラストマー及びコーティングを始めとするウレタン関連製品の処方開発に積極的に取り組むと共に、他の事業分野との連携による開発にも注力しております。具体的には、自動車用All-MDI系シートクッションは、低密度化と乗心地性改良、さらに臭気やVOC低減においても進展がありました。また、コーティング・合皮用途においては、耐薬品性に優れたウレタン樹脂やポリカーボネートポリオール、低粘度・高硬度硬化剤の品揃えが進み、高まる環境ニーズに適合した水系塗料用硬化剤の開発を積極的に進めております。 また、電解関連においても、継続的な技術改良(省エネルギー化)に取り組んでおります。なお、本事業分野における研究開発費は約38億円であります。 機能商品事業 機能商品事業に関しては、ライフサイエンス、環境・エネルギー、電子材料などに関する研究開発を実施しております。ライフサイエンス関連における免疫診断事業関連では次世代装置と試薬の開発、遺伝子検査事業関連では感染症診断のための新規製品開発を進めております。分離精製剤事業関連では、急速に市場が成長しているバイオ医薬品(抗体医薬品、ウイルス医薬品、細胞医薬品)の分離剤や分析用液体クロマトグラフィーカラムの開発に注力しており、世界初の抗体医薬品活性分析用カラムの実用化に続き、製造用ゲルの開発を進めております。さらにウイルス医薬品、細胞医薬品向けの分析カラムや分析装置等の新規製品開発に鋭意取り組んでおります。また、セラミックス材料の開発では、歯科用透光感ジルコニアや装飾用カラージルコニアの新グレード開発を加速させると共に、次世代ジルコニアの創出を目指した社会連携講座を東京大学に開設致しました。加えて、これまでのジルコニアの技術開発及び事業化の進展と将来性が高く評価され、第53回市村産業賞功績賞を受賞しました。環境・エネルギー関連では、今後も需要拡大が予想されるリチウム二次電池の材料開発、コンデンサの高容量化に寄与する新規導電性高分子(セルフトロン®)の開発が進展しております。また、自動車排ガス浄化触媒用ゼオライトの開発では、脱硝性能、触媒耐久性の改良を進めると同時にゼオライトの革新的・高効率合成プロセス構築を東京大学との社会連携講座で推進しています。更には、水質・大気浄化用のゼオライト設計にも取り組んでおります。アミン誘導体としてはVOC低減に有効なウレタン発泡触媒(RZETA®)や環境負荷の極めて小さいHFO用のウレタン発泡触媒の拡販、アルデヒド捕捉剤(エミデリート®)の開発が進展しました。さらに、重金属処理剤(飛灰処理用、排水処理用)の技術サービス拠点を上海に設置し、拡販活動を開始しました。電子材料関連におけるディスプレイ関連では、低消費電力化・高画質化を達成する有機EL用材料、更に半導体関連では、高品位スパッタリングターゲット、将来の半導体素子の微細化に対応した次世代配線用の有機金属化合物、製造プロセスを刷新可能なGaNスパッタリングターゲット、次世代半導体製造装置用の高機能石英部材などの開発を推進しております。また、プリンテッドエレクトロニクス関連では、塗布型有機半導体材料、光硬化型絶縁材料、親撥処理膜材料、保護層材料等の一連の材料開発を産学連携で進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約108億円であります。 エンジニアリング事業 エンジニアリング事業に関しては、オルガノ株式会社の開発センターを中心に開発を行っています。 水処理エンジニアリング関連では、純水、超純水、上水などの用水処理装置、下排水処理装置、クロマト分離装置などの大型水処理関連設備、及び溶剤・薬液などの分離精製装置の開発を実施しており、半導体工場向け改良型尿素分析装置、水処理用凝集センサ、排水処理向け新規除濁膜システムの実用化を推進し、上市しました。また、国内外の最先端半導体工場向け次世代型超純水製造技術及び水回収・再利用技術、公共下水向け高機能処理技術、バイオ医薬精製工程向け連続クロマト分離装置、リチウムイオン二次電池向けのn-メチルピロリドン回収精製装置などの開発を推進しております。 機能商品関連では、ラボ・医療機関向け小型超純水製造装置、水処理薬品、新規機能材料、加工食品向けの食品添加剤・素材等の開発を実施しており、ラボ・医療機関向け小型超純水製造装置、排水処理向け新規薬剤、RO膜向け次世代型殺菌剤などの開発を積極的に進めております。 なお、本事業分野における研究開発費は約23億円であります。
FY2020|3,394 文字
5 【研究開発活動】急激な国内産業構造の変化及び国際的な社会課題が変化する中、CSV(*)を意識した研究開発による経営貢献を基本方針とし、基盤事業の強化・拡大と当社の持続的成長への新規事業の創出に向けて、8つの研究開発部門及びオルガノ株式会社の開発センターが中心となった研究開発活動を推進しております。(*)Creating Shared Valueの略。社会課題を解決する「社会的価値」と企業が追求する「経済的価値」を両立させる考え方。具体的には、アドバンストマテリアル研究所、ライフサイエンス研究所、無機材料研究所及び有機材料研究所では機能商品事業分野、ファンクショナルポリマー研究所、高分子材料研究所、ウレタン研究所では石油化学事業分野及びクロル・アルカリ事業分野、技術センターでは各製品に関わるプロセス開発、オルガノ株式会社開発センターではエンジニアリング事業分野の研究開発を担っております。技術革新が急速に進む中、当社グループ単独での研究開発を補完すべく、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでおり、国内外の研究機関との共同研究、大学との社会連携講座の開設、さらには、ベンチャーキャピタルファンド投資や米国への研究員派遣により、技術情報収集力の強化と外部技術の獲得を進めております。特に、当社の生産活動から排出したCO2をポリウレタン原料等の有用な化学製品へ変換し、有効利用していくため、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構の先導研究プログラムに参画し、検討を進めております。また、研究開発体制の強化として、四日市事業所では研究本館、カスタマーラボ棟が竣工し、ポリマー・ウレタン製品関連研究の集約、南陽事業所では新研究棟、ベンチ棟の建設による高機能材料、有機化成品関連研究設備の刷新を図りました。また、東京研究センターにマテリアル・インフォマティクス(MI)専門チームを設置し、MI技術構築による材料設計の効率化を進めております。当連結会計年度における当社グループ全体での研究開発要員は約1,040名であり、研究開発費は約182億円であります。 セグメント別の主な研究開発活動の状況を概観すると、次のとおりであります。 石油化学事業 石油化学事業に関しては、既存ポリマー製品の改良、周辺技術の強化及び新規ポリマー材料の開発を推進しております。 ポリエチレン関連では、新規ポリエチレンを使用した耐熱輸液バッグが海外を中心に採用に向けた評価が進んでいます。また、独自触媒による超高分子量ポリエチレン(デカミレン®)は、リチウム二次電池セパレーター、摺動部材用途での海外展開を本格化しております。さらに、PPS関連では、新規に開発した耐冷熱衝撃性に優れるグレードがHEV関連部品で着実に採用されております。 一方、CR、CSM、ペースト塩ビ、石油樹脂の機能性ポリマーについても、より付加価値の高い製品の開発を継続しており、CRは医療向け手袋グレードの開発に注力しております。 電子関連への展開としては、液晶用光学材料、有機EL用光学材料など、当社独自コンセプトに基づく新規ポリマー材料の開発を積極的に進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約23億円であります。 クロル・アルカリ事業 クロル・アルカリ事業に関しては、ビニル・イソシアネート・チェーン関連技術の更なる強化へ向けて継続的な製造技術の革新に取り組んでおります。具体的には、塩ビモノマーの原料となる二塩化エタンを製造するオキシ塩素化工程において、活性・選択性・耐久性の全てに優れ、世界をリードする独自触媒への転換を進めております。この触媒技術は一般社団法人触媒学会の2019年度学会賞(技術部門)を受賞しました。ポリウレタン関連では、原料であるイソシアネートの機能性向上と製造プロセスの開発、機能性ポリオールの開発、及び、ポリウレタンフォーム、エラストマー及びコーティングを始めとするウレタン関連製品の処方開発に積極的に取り組むと共に、他の事業分野との連携による開発にも注力しております。具体的には、自動車用All-MDI系シートクッションは、低密度化と乗心地性改良、さらに臭気やVOC低減においても進展がありました。また、コーティング・合皮用途においては、耐薬品性に優れたウレタン樹脂やポリカーボネートポリオール、低粘度・高硬度硬化剤の品揃えが進み、高まる環境ニーズに適合した水系塗料用硬化剤の開発を積極的に進めております。 また、電解関連においても、継続的な技術改良(省エネルギー化)に取り組んでおります。なお、本事業分野における研究開発費は約37億円であります。 機能商品事業 機能商品事業に関しては、ライフサイエンス、環境・エネルギー、電子材料などに関する研究開発を実施しております。ライフサイエンス関連における免疫診断事業関連では次世代装置と試薬の開発、遺伝子検査事業関連では感染症診断のための新規製品開発を進めております。分離精製剤事業関連では、急速に市場が成長しているバイオ医薬品の分離剤や分析用液体クロマトグラフィーカラムの開発に注力しており、世界初の抗体医薬品活性分析用カラムの実用化に続き、製造用ゲルの開発を進めております。また、「次世代バイオ医薬品製造技術研究組合」に参加し、抗体やウイルス医薬品等を分離精製する革新的なプロセスの開発、先進的な抗体、ウイルスの解析技術の開発に鋭意取り組んでおります。さらに、微細加工技術を用いた血中の異常細胞検出・解析技術を確立し、研究活用を目的とした細胞解析受託事業を㈱東ソー分析センターで開始しました。また、歯科用透光感ジルコニアや装飾用カラージルコニアの品揃えも進みました。環境・エネルギー関連では、今後も需要拡大が予想されるリチウム二次電池の材料開発、コンデンサの高容量化に寄与する新規導電性高分子(セルフトロン®)の開発が進展しております。また、自動車排ガス浄化触媒用ゼオライトの開発では、ゼオライトの革新的・高効率合成プロセスを構築する目的で東京大学と社会連携講座を開設すると同時に、水質・大気浄化用の高機能ゼオライト開発にも取り組んでおります。アミン誘導体としてはVOC低減に有効なウレタン発泡触媒(RZETA®)の拡販、環境負荷の極めて小さいHFO用のウレタン発泡触媒、アルデヒド捕捉剤の開発が進展しました。さらに、重金属処理剤(飛灰処理用、排水処理用)の品揃えも進みました。電子材料関連におけるディスプレイ関連では、有機EL用電荷輸送材の高効率・長寿命化、反射防止膜用スパッタリングターゲットの製品化、さらに半導体関連では、将来の半導体素子の微細化に対応した次世代配線用の有機金属化合物、製造プロセスを刷新可能なGaNスパッタリングターゲット、次世代半導体製造装置用の高機能石英部材などの開発を推進しております。また、プリンテッドエレクトロニクス関連では、塗布型有機半導体材料、光硬化型絶縁材料、親撥処理膜材料、保護層材料等の一連の材料開発を産学連携で進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約100億円であります。 エンジニアリング事業 エンジニアリング事業に関しては、オルガノ株式会社の開発センターを中心に開発を行っています。 水処理エンジニアリング関連では、純水、超純水、上水等の用水処理装置、下排水処理装置、クロマト分離装置などの大型水処理関連設備の開発を実施しており、超純水製造向けの2段RO+2段EDIシステム及び新規ホウ素選択性樹脂、超純水中の高度分析手法の実用化を推進し、上市しました。また、バイオ医薬精製工程向け連続クロマト分離装置、リチウムイオン二次電池向けのn-メチルピロリドン回収精製装置及び電解液精製技術、電子材料の高度精製技術、ICT対応水質センサシステム、公共下水処理向け好気グラニュール技術などの開発を推進しております。 機能商品関連では、標準型水処理機器、水処理薬品、食品加工材等の開発を実施しており、排水処理向け新薬剤、RO膜向け次世代型殺菌剤、次世代型標準タイプ純水装置などの開発を積極的に進めております。 なお、本事業分野における研究開発費は約22億円であります。
FY2019|2,992 文字
5 【研究開発活動】急激な国内産業構造の変化及び国際的な社会課題が変化する中、SDGs(持続可能な開発目標)を意識した研究開発による経営貢献を基本方針とし、基盤事業の強化・拡大と当社の持続的成長への新規事業の創出に向けて、8つの研究開発部門及びオルガノ株式会社開発センターが中心となった研究開発活動を推進しております。具体的には、アドバンストマテリアル研究所、ライフサイエンス研究所、無機材料研究所及び有機材料研究所では機能商品事業分野、ファンクショナルポリマー研究所、高分子材料研究所、ウレタン研究所では石油化学事業分野及びクロル・アルカリ事業分野、技術センターでは各製品に関わるプロセス開発、オルガノ株式会社開発センターではエンジニアリング事業分野の研究開発を担っております。技術革新が急速に進む中、当社グループ単独での研究開発を補完すべく、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでおり、国内外の研究機関との共同研究、産学連携講座の開設、さらには、ベンチャーキャピタルファンド投資や米国への研究員派遣により、技術情報収集力の強化と外部技術の獲得を進めております。特に、当社の生産活動から排出したCO2をポリウレタン原料等の有用な化学製品へ変換し、有効利用していくため、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構の先導研究プログラムに参画しております。また、研究開発体制の強化として、南陽事業所では新研究棟、ベンチ棟の建設による高機能材料、有機化成品関連研究設備の刷新、四日市事業所では新研究棟、カスタマーラボ棟の建設によるポリマー、ウレタン製品関連研究の集約を進めております。当連結会計年度における当社グループ全体での研究開発要員は約990名であり、研究開発費は約166億円であります。 セグメント別の主な研究開発活動の状況を概観すると、次のとおりであります。 石油化学事業 石油化学事業に関しては、既存ポリマー製品の改良、周辺技術の強化及び新規ポリマー材料の開発を推進して おります。ポリエチレン関連では、新規ポリエチレンを使用した耐熱輸液ボトルが海外を中心に高い評価を受け、市場展開が本格化しました。また、独自触媒による超高分子量ポリエチレン(デカミレン®)は量産化技術を確立し、リチウム二次電池セパレーター、摺動部材用途での採用の目途を得ています。さらに、PPS関連は耐冷熱衝撃性に優れるグレードを開発し、自動車部品向けに国内外での展開を加速しています。一方、フル生産中である石油樹脂、CR、CSMについても、より付加価値の高い製品の開発を継続しています。ペースト塩ビは自動車向けのコーティンググレードの本格採用が始まりました。電子関連への展開としては、液晶用光学材料、有機EL用光学材料など、当社独自コンセプトに基づく新規ポリマー材料の開発を積極的に進めております。 なお、本事業分野における研究開発費は約24億円であります。 クロル・アルカリ事業クロル・アルカリ事業に関しては、ビニル・イソシアネート・チェーン関連技術の更なる強化へ向けて継続的な製造技術の革新に取り組んでおります。具体的には、塩ビモノマーの原料となる二塩化エタンを製造するオキシ塩素化工程において、活性・選択性・耐久性の全てに優れ、世界をリードする独自触媒への転換を進めております。ポリウレタン関連では、原料であるイソシアネートの機能性向上と製造プロセスの開発、機能性ポリオールの開発、及び、ポリウレタンフォーム、エラストマー及びコーティングを始めとするウレタン関連製品の処方開発に積極的に取り組むと共に、他の事業分野との連携による開発にも注力しております。具体的には、自動車の軽量化や高性能化に対応した低密度・高耐久性のAll-MDI系シートクッション、耐薬品性に優れた合皮用ウレタン樹脂とポリカーボネートポリオール、及び、クリアトップコート用低粘度硬化剤や高硬度硬化剤の開発、さらには、高まる環境ニーズに適合した水系塗料用原料や地球温暖化係数の低い新発泡剤を用いた断熱ポリウレタンフォームの開発を積極的に進めております。また、電解関連においても、継続的な技術改良(省エネルギー化)に取り組んでおります。 なお、本事業分野における研究開発費は約34億円であります。 機能商品事業機能商品事業に関しては、ライフサイエンス、環境・エネルギー、電子材料などに関する研究開発を実施しております。ライフサイエンス関連における免疫診断事業関連では次世代装置と試薬の開発、遺伝子検査事業関連では感染症診断のための新規製品開発を進めております。分離精製剤事業関連では、急速に市場が成長しているバイオ医薬品の分離剤や分析用液体クロマトグラフィーカラムの開発に注力しており、世界初の抗体医薬品活性分析用カラムが実用化に至りました。また、「次世代バイオ医薬品製造技術研究組合」に参加し、抗体医薬品等を分離精製する革新的なプロセスの開発、先進的な抗体の解析技術の開発に鋭意取り組んでおります。また、微細加工技術を用いた早期がん検査技術、細胞医薬品の検査技術などの研究開発も大きく進展すると共に、歯科用透光感ジルコニアや装飾用カラージルコニアの品揃えも進みました。環境・エネルギー関連では、今後も需要拡大が予想されるリチウム二次電池の材料開発、コンデンサの高容量化に寄与する新規導電性高分子(セルフトロン®)の開発が進展しております。また、自動車排ガス浄化触媒用ゼオライトに加え、水質・大気浄化用の高機能ゼオライト開発にも取り組んでおります。アミン誘導体としてはVOC低減に有効なウレタン発泡触媒(RZETA®)の拡販、環境負荷の極めて小さいHFO用のウレタン発泡触媒、アルデヒド捕捉剤の開発が進展しました。さらに、重金属処理剤(飛灰処理用、排水処理用)の品揃えも進みました。電子材料関連におけるディスプレイ関連では有機EL用輸送材の高効率・長寿命化、タッチパネル用途では低温低抵抗薄膜用スパッタリングターゲット、半導体関連では将来の半導体素子の微細化に対応した次世代配線用の有機金属化合物や次世代半導体製造装置用の高機能石英部材などの開発を推進しております。また、プリンテッドエレクトロニクス関連では、塗布型有機半導体材料、光硬化型絶縁材料、親撥処理膜材料、保護層材料等の一連の材料開発を産学連携で進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約90億円であります。 エンジニアリング事業エンジニアリング事業に関しては、オルガノ株式会社の開発センターを中心に開発を推進しております。水処理エンジニアリング関連では、純水、超純水、上水等の用水処理装置、下排水処理装置、クロマト分離装置などの大型水処理関連設備の開発を実施しており、微量尿素計、新規凝集沈殿装置、新規生物処理装置、新規電気式脱塩装置、キャビネット型超純水製造装置の実用化を推進し、事業に寄与しました。機能商品関連では、標準型水処理機器、水処理薬品、加工食品向けの食品添加物・素材の開発を実施しており、新規電子材料精製用樹脂、新規排水処理用栄養剤の実用化を推進し、事業に寄与しました。 なお、本事業分野における研究開発費は約18億円であります。
FY2018|3,017 文字
5 【研究開発活動】急激な国内産業構造の変化及び技術革新が進む中、SDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献を通して、基盤事業の強化・拡大と当社の持続的成長への新規事業の創出に向けて、8つの研究開発部門及びオルガノ株式会社開発センターが中心となった研究開発活動を推進しております。具体的には、アドバンストマテリアル研究所及びライフサイエンス研究所では機能商品事業分野、ファンクショナルポリマー研究所、高分子材料研究所、ウレタン研究所では石油化学事業分野及びクロル・アルカリ事業分野、無機材料研究所、有機材料研究所では機能商品事業分野、技術センターでは各製品に関わるプロセス開発、オルガノ株式会社開発センターではエンジニアリング事業分野の研究開発を担っております。技術革新が急速に進む中、当社グループ単独での研究開発を補完すべく、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでおり、国内外の研究機関との共同研究、産学連携講座の開設、さらには、研究ファンド投資や米国への研究員派遣により、技術情報収集力の強化と外部技術の獲得を進めております。 研究開発組織の観点では、南陽事業所における新研究棟の建設及び四日市事業所では新研究棟、カスタマーラボ建設による高分子、ウレタン製品関連研究の集約を進めており、研究体制の強化を図っていきます。当連結会計年度における当社グループ全体での研究開発要員は約960名であり、研究開発費は約155億円であります。 セグメント別の主な研究開発活動の状況を概観すると、次のとおりであります。 石油化学事業 石油化学事業に関しては、既存ポリマー製品の改良、周辺技術の強化及び新規ポリマー材料の開発を推進して おります。ポリエチレン関連では、高機能化による差別化・高付加価値化を目指した研究開発を実施しており、メディカル関連分野、ラミネート分野などにおいて、グレード開発・改良に取り組んでおります。特に、メディカル関連の用途では、新規ポリエチレンを適用した輸液バッグ・ボトルが国内外で高い評価を得ております。また、独自の触媒技術を用いた超高分子量ポリエチレン(デカミレン®)は、リチウム二次電池用セパレーター、摺動部材等の幅広い分野での顧客評価が大きく進んでいます。PPS関連では自動車部品の軽量かつ複雑化に対応する高強度のグレード開発、石油樹脂関連においては、粘着剤用途、エコタイヤの改質剤として採用が進んでいます。さらに、ゴム関連では、CRが伝動ベルト用途に適した耐久性向上グレードの開発が進展し、顧客評価の段階に入るとともに、高品位かつ世界最大の生産能力を有するCSMについては、その特徴である耐水性と耐薬品性を利用した用途開発を進めております。ペースト塩ビ関連では、壁紙や床材の用途に加えて、自動車分野においても顧客要求に応じたグレード開発を積極的に取り組んでおります。電子関連への展開としては、液晶用光学材料、フレキシブルディスプレイ用基板材料など、当社独自コンセプトに基づく新規ポリマー材料の開発を積極的に進めております。 なお、本事業分野における研究開発費は約22億円であります。 クロル・アルカリ事業クロル・アルカリ事業に関しては、ビニル・イソシアネート・チェーン関連技術の更なる強化へ向けて継続的な製造技術の革新に取り組んでおります。 ポリウレタン関連では、原料であるイソシアネートの製造プロセス改良、機能性ポリオールの開発及びポリウレタンフォーム、エラストマー及びコーティングを始めとするウレタン関連製品の処方開発に積極的に取り組むと共に、他の事業分野との連携による開発にも注力しております。具体的には、自動車の軽量化や高性能化に対応した低密度・高耐久性のAll-MDI系シートクッション、耐薬品性に優れた合皮用ウレタン樹脂とポリカーボネートポリオール及びクリアトップコート用低粘度硬化剤の開発、さらには、高まる環境ニーズに適合した水系塗料用原料や地球温暖化係数ゼロの新発泡剤を用いた断熱ポリウレタンフォームの開発を積極的に進めております。 また、電解関連においても、継続的な技術改良(省エネルギー化)に取り組んでおります。 なお、本事業分野における研究開発費は約32億円であります。 機能商品事業機能商品事業に関しては、ライフサイエンス、環境・エネルギー、電子材料などに関する研究開発を実施しております。ライフサイエンス関連における免疫診断事業関連では次世代装置と試薬の開発、遺伝子検査事業関連では感染症診断のための新規製品開発を進めております。分離精製剤事業関連では、急速に市場が成長しているバイオ医薬品の精製用分離剤や分析用液体クロマトグラフィーカラムの開発に注力しており、「次世代バイオ医薬品製造技術研究組合」に参加し、抗体医薬品を精製する革新的なプロセスの開発、先進的な抗体の解析技術の開発に鋭意取り組んでおります。また、微細加工技術を用いた早期がん検査技術、再生医療用細胞の検査技術などの研究開発も大きく進展すると共に、歯科用透光感ジルコニアや装飾用カラージルコニアの品揃えも進みました。環境・エネルギー関連では、今後の需要拡大が予想されるリチウム二次電池の材料開発、コンデンサの高容量化に寄与する新規導電性高分子の開発が進展しております。また、自動車排ガス浄化触媒用ゼオライトに加え、新規用途での高機能ゼオライト開発にも取り組んでおります。アミン誘導体としてはVOC低減に有効なウレタン発泡触媒(RZETA®)の拡販、環境負荷の極めて小さいHFO用のウレタン発泡触媒、低燃費に寄与するエンジンオイル添加剤、アルデヒド捕捉剤の開発が進展しました。さらに、重金属処理剤(飛灰処理用、排水処理用)の品揃えも進みました。電子材料関連におけるディスプレイ関連では有機EL用輸送材の高効率・長寿命化、タッチパネル用途では低温で低抵抗の薄膜を実現するスパッタリングターゲット、半導体関連では将来の半導体素子の微細化に対応した次世代配線用の有機金属化合物や次世代半導体製造装置用の高機能石英部材の開発が大きく進展すると共に、プリンテッドエレクトロニクス関連では、塗布型有機半導体材料、光硬化型絶縁材料、親撥処理膜材料、保護層材料等の一連の材料開発を産学連携で進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約83億円であります。 エンジニアリング事業エンジニアリング事業に関しては、オルガノ株式会社の開発センターを中心に開発を推進しております。水処理エンジニアリング関連では、純水、超純水、上水等の用水処理装置、下排水処理装置、クロマト分離装置 などの大型水処理関連設備の開発を実施しております。更に、水以外の各種溶剤や電子材料、ガス等の分離・精製・回収など新たな事業分野への展開も図っております。これらの開発により、微量尿素計、新規凝集沈殿装置、新規生物処理装置、新規電気式脱塩装置、キャビネット型超純水製造装置、新規電子材料精製用樹脂の実用化を推進し、事業に寄与しました。機能商品関連では、標準型水処理機器、水処理薬品、加工食品向けの食品添加物・素材の開発を実施しており、新規排水処理用栄養剤の実用化を推進し、事業に寄与しました。 なお、本事業分野における研究開発費は約18億円であります。
FY2017|2,987 文字
6 【研究開発活動】急激な国内産業構造の変化及び技術革新が進む中で、当社グループは、基盤事業の強化・拡大と新規事業の創出による体質強化に向けて、当社の8つの研究開発部門及びオルガノ株式会社の開発センターを中心に研究開発活動を実施しております。具体的には、当社のアドバンストマテリアル研究所及びライフサイエンス研究所では機能商品事業分野、ファンクショナルポリマー研究所及び高分子材料研究所では石油化学事業分野、無機材料研究所、有機材料研究所、ウレタン研究所では機能商品事業分野及びクロル・アルカリ事業分野、技術センターでは各製品に関わるプロセス開発を主担当分野とした研究開発を行っており、オルガノ株式会社の開発センターではエンジニアリング事業分野の研究開発を行っております。大学あるいは公的研究機関などの外部研究機関との共同研究等を積極的に実施し、研究開発力の強化と技術開発の迅速化に努めております。さらに、新たな成長分野を開発するため研究ファンド投資や米国への研究員派遣を行い、技術情報収集力を強化しております。研究開発の組織においても四日市事業所の研究棟を建て替え、現在3地区に分散しているポリマー製品関連の研究を集約すると同時に、南陽事業所においても研究棟建て替えを計画する等、新規商品開発のために研究体制の強化を図っていきます。 当連結会計年度における当社グループ全体での研究開発要員は約900名であり、研究開発費は約144億円であります。 セグメント別の主な研究開発活動の状況を概観すると、次のとおりであります。 石油化学事業石油化学事業に関しては、既存ポリマー製品の改良や周辺技術の強化と、新規ポリマー材料の開発を主に実施しております。ポリエチレンでは、高機能化による差別化・高付加価値化を目指した研究開発を実施しており、ラミ分野、食品包装分野などにおいて、グレード開発・改良に取り組んでおります。特に注力している高清浄・高耐熱グレードによる医療分野を中心とした用途開発では、輸液バッグの高い耐熱性と透明性の両立が国内外で高い評価を得ております。また、独自の触媒技術による世界最高水準の高分子量と狭い分子量分布を有する超高分子量ポリエチレン(デカミレン®)を新たに開発し、リチウム二次電池用セパレーター、摺動部材等の幅広い分野での用途開発が進展しました。PPSでは自動車部品の軽量かつ複雑化に対応するグレード開発を進めております。石油樹脂ではエコタイヤの改質剤として性能向上に貢献しております。CRでは当社が得意とする伝動ベルト用途に適したグレード開発を進め、高耐久性タイプの顧客評価を進めております。高品位かつ世界最大の生産能力を有するCSMについては、その特徴である耐水性と耐薬品性をさらに向上する新規配合処方を確立し顧客評価を進めております。また、更なる市場拡大に向けた一層の高機能化も進めております。ペースト塩ビでは、壁紙や床材他の用途に関し、顧客要求に応じたグレード開発に積極的に取り組んでおります。また、液晶用光学材料、フレキシブルディスプレイ用基板材料など、当社独自コンセプトに基づく新規ポリマー材料の開発を積極的に進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約19億円であります。 クロル・アルカリ事業クロル・アルカリ事業に関しては、主としてコア事業であるビニル・イソシアネート・チェーン関連技術の更なる強化へ向けて継続的な製造技術の革新に取り組んでおります。ポリウレタン関連では、原料であるイソシアネートの製造プロセス改良や、ポリウレタンフォーム、エラストマー及びコーティングを始めとするウレタン関連製品の処方開発等に積極的に取り組むとともに、他の事業分野との連携による開発にも注力しております。具体的には、自動車用シートクッション用途での軽量化、高耐久化、環境対応による差別化を図っており、All-MDI系で低密度と耐久性を両立した薄肉化を実現、更に低VOC化技術の確立を進めております。機能性ポリウレタンに関しては、自動車クリアトップコート用低粘度硬化剤、及び合皮用ウレタン樹脂やプラスチック塗装用の耐薬品性塗料用原料の開発を積極的に進めております。また、電解関連技術についても継続的な技術改良(省エネルギー化)に取り組んでおります。なお、本事業分野における研究開発費は約30億円であります。 機能商品事業機能商品事業に関しては、ライフサイエンス、環境・エネルギー、電子材料などに関する研究開発を実施しております。ライフサイエンス関連のうち、免疫診断事業関連では次世代装置と試薬の開発、遺伝子検査事業関連では感染症診断のための新規製品開発を進めております。分離精製剤事業関連では、急速に市場が成長しているバイオ医薬品の精製用分離剤や分析用液体クロマトグラフィーカラムの開発に注力しており、「次世代バイオ医薬品製造技術研究組合」に参加し、抗体医薬品を精製する革新的なプロセスの開発、先進的な抗体の解析技術の開発に鋭意取り組んでおります。また、微細加工技術を用いた早期がん検査技術の開発も着実に進展しております。さらに、再生医療用細胞の検査ツールなどの研究開発も開始しました。歯科用透光感ジルコニアや装飾用カラージルコニアの開発にも継続的に取り組んでおります。エネルギー関連では、今後の需要拡大が予想されるリチウム二次電池の材料開発に取り組んでおります。さらに、コンデンサの高容量化に寄与する新規導電性高分子の開発も進展しております。環境関連では、自動車排ガス浄化触媒用ゼオライトに加え、新規用途での高機能ゼオライト開発にも取り組んでおります。また、アミン誘導体として、VOC低減に有効なウレタン発泡触媒(RZETA®)や低燃費に寄与するエンジンオイル添加剤の開発が進展しております。さらに、重金属処理剤(飛灰処理用、排水処理用)の開発を進めております。電子材料関連のうち、ディスプレイ関連では有機EL用の電子輸送材並びに正孔輸送材の開発を精力的に進めております。また、昨年度実用化したタッチパネル用途の低温低抵抗薄膜用スパッタリングターゲットの高性能化に取り組んでおります。半導体関連では、将来の半導体素子の微細化に対応した次世代配線用の有機金属化合物や次世代半導体製造装置用の高機能石英部材などの開発を推進しております。また、プリンテッドエレクトロニクスにおけるキーマテリアルである塗布型有機半導体材料についても開発に取り組んでおります。なお、本事業分野における研究開発費は約79億円であります。 エンジニアリング事業エンジニアリング事業に関しては、オルガノ株式会社の開発センターを中心に、純水、超純水、上水等の用水処理装置、下排水処理装置、クロマト分離装置などの大型水処理関連設備並びに標準型水処理機器、水処理薬品、加工食品向けの食品添加物・素材などの販売・サービスを促進するため、基盤技術の強化、商品の品質向上、新商品の開発などを実施しており、新規脈動式高速凝集沈殿池、機能水製造装置、キャビネット型純水製造装置及びN-メチルピロリドン回収精製装置等が実用化に至りました。なお、本事業分野における研究開発費は約15億円であります。
FY2016|2,726 文字
6 【研究開発活動】急激な国内産業構造の変化及び技術革新が進む中で、当社グループは、基盤事業の強化・拡大と新規事業の創出による体質強化に向けて、当社の8つの研究開発部門及びオルガノ株式会社の開発センターを中心に研究開発活動を実施しております。具体的には、当社のアドバンストマテリアル研究所及びライフサイエンス研究所では機能商品事業分野、ファンクショナルポリマー研究所及び高分子材料研究所では石油化学事業分野、無機材料研究所、有機材料研究所、ウレタン研究所では機能商品事業分野及びクロル・アルカリ事業分野、技術センターでは各製品に関わるプロセス開発を主担当分野とした研究開発を行っており、オルガノ株式会社の開発センターではエンジニアリング事業分野の研究開発を行っております。また、大学あるいは公的研究機関などの外部研究機関との共同研究等を積極的に実施し、研究開発力の強化と技術開発の迅速化に努めております。当連結会計年度における当社グループ全体での研究開発要員は約890名であり、研究開発費は約137億円であります。 セグメント別の主な研究開発活動の状況を概観すると、次のとおりであります。 石油化学事業石油化学事業に関しては、既存ポリマー製品の改良や周辺技術の強化と、新規ポリマー材料の開発を主に実施しております。ポリエチレンでは、高機能化による差別化・高付加価値化を目指した研究開発を実施しており、ラミ分野、食品包装分野などにおいて、グレード開発・改良に取り組んでおります。一例として、新たに上市した高清浄・高耐熱グレードによる医療分野を中心とした用途開発に取り組んでおります。また、独自の触媒技術による世界最高水準の高分子量と狭い分子量分布を有する超高分子量ポリエチレン(デカミレン®)を新たに開発し、リチウム二次電池用セパレーター、摺動部材等の幅広い分野での用途開発が進展いたしました。ポリフェニレンサルファイド(PPS)では用途開発が進展し、スマートフォン筐体用途の拡販に貢献いたしました。石油樹脂ではエコタイヤの改質剤として性能向上に貢献しております。クロロプレンゴム(CR)では当社が得意とする伝動ベルト用途に適したグレード開発を進め、高耐久性タイプの顧客評価を進めております。高品位かつ世界最大の生産能力を有するクロロスルホン化ポリエチレン(CSM)については、更なる市場拡大に向けた一層の高機能化を進めております。ペースト塩ビでは、壁紙や床材他の用途に関し、顧客要求に応じたグレード開発に積極的に取り組んでおります。また、液晶用光学材料、フレキシブルディスプレイ用基板材料など、当社独自コンセプトに基づく新規ポリマー材料の開発を積極的に進めております。なお、本事業分野における研究開発費は約19億円であります。 クロル・アルカリ事業クロル・アルカリ事業に関しては、主としてコア事業であるビニル・イソシアネート・チェーン関連技術の更なる強化へ向けて継続的な製造技術の革新に取り組んでおります。ポリウレタン関連では、原料であるイソシアネートの製造プロセス改良や、ポリウレタンフォーム、エラストマー及びコーティングを始めとするウレタン関連製品の処方開発等に積極的に取り組むと共に、他の技術分野との融合による新素材開発にも注力しております。具体的には、自動車用シートクッション用途での軽量化、高耐久化、環境対応による差別化を図っており、All-MDI系で低密度と耐久性を両立した薄肉化を実現、更に低VOC化技術の確立を進めております。機能性ポリウレタンに関しては、自動車クリアトップコート用低粘度硬化剤、及び合皮用ウレタン樹脂やプラスチック塗装用の耐薬品性塗料用原料の開発を積極的に進めております。また、電解関連技術についても継続的な技術改良(省エネルギー)に取り組んでおります。なお、本事業分野における研究開発費は約26億円であります。 機能商品事業機能商品事業に関しては、ライフサイエンス、環境・エネルギー、電子材料などに関する研究開発を実施しております。ライフサイエンス関連のうち、免疫診断事業関連では次世代装置と試薬の開発、遺伝子検査事業関連では感染症診断のための新規製品開発を進めております。分離精製剤事業関連では、急速に市場が成長しているバイオ医薬品の精製用分離剤や分析用液体クロマトグラフィーカラムの開発に注力しており、「次世代バイオ医薬品製造技術研究組合」に参加し、抗体医薬品を精製する革新的なプロセスの開発、先進的な抗体の解析技術の開発に鋭意取り組んでおります。また、微細加工技術を用いた早期がん検査技術の開発も着実に進展しております。さらに、歯科用透光感ジルコニアや装飾用カラージルコニアの開発にも取り組んでおります。エネルギー関連では、今後の需要拡大が予想されるリチウム二次電池の正極に用いられるマンガン酸化物などの開発に取り組んでおります。環境関連では、自動車排ガス浄化触媒用ゼオライトに加え、新規用途でのゼオライト開発にも取り組んでおります。また、アミン誘導品であるウレタン発泡触媒の開発にも継続して取り組んでおり、触媒性能と環境負荷の低減を両立した環境対応型ウレタン発泡触媒(RZETA®)が実用化に至りました。さらに、重金属処理剤(飛灰処理用、排水処理用)の開発を進めております。電子材料関連のうち、ディスプレイ関連では有機EL用の電子輸送材並びに正孔輸送材の開発を精力的に進めております。また、タッチパネル用途の低温低抵抗薄膜用スパッタリングターゲットが実用化に至り、次世代材料の開発にも取り組んでおります。半導体関連では、将来の半導体素子の微細化に対応した次世代配線用の有機金属化合物や次世代半導体製造装置用の石英部材などの開発を推進しております。また、プリンテッドエレクトロニクスにおけるキーマテリアルである塗布型有機半導体材料についても開発に取り組んでいます。なお、本事業分野における研究開発費は約79億円であります。 エンジニアリング事業エンジニアリング事業に関しては、オルガノ株式会社の開発センターを中心に、純水、超純水、上水等の用水処理装置、下排水処理装置、クロマト分離装置などの大型水処理関連設備並びに標準型水処理装置、水処理薬品、加工食品向けの食品添加物・素材などの販売・サービスを促進するため、基盤技術の強化、商品の品質向上、新商品の開発などを実施しており、単糖分離クロマト分離材やキャビネットタイプ純水製造装置等が実用化に至りました。なお、本事業分野における研究開発費は約14億円であります。