事業の概要
- デジタルリスク対策事業エルテスグループは、SNS炎上や情報漏洩といったデジタル社会特有のリスクから企業を守る「デジタルリスク事業」を中核としています。この事業では、Web上のビッグデータを分析し、リスクを早期に検知・対策することで、企業の評判維持や機密情報保護を支援し、主要な収益源となっています。
- AI活用セキュリティ事業警備業界のデジタル化を推進する「AIセキュリティ事業」も展開しています。AIやデータ活用により、警備業務の効率化を図るプラットフォーム「AIK order」や「AIK assign」を提供し、従来の警備サービスと組み合わせることで新たな収益機会を創出しています。
- DX推進・スマートシティ事業企業や自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する「DX推進事業」と、不動産や地域全体のデジタル化を目指す「スマートシティ事業」も手掛けています。自治体向けアプリ「DX-Pand」やLINEを活用した「スマート公共ラボ」などで、行政サービスのデジタル化を支援し、事業領域を広げています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- デジタルリスク事業この事業はエルテスグループの核となる稼ぎ頭で、売上高は約25.07億円、営業利益は約11.51億円と高い収益性を誇ります。SNS炎上対策や情報漏洩防止など、デジタル社会における企業の評判や機密情報を守るサービスを提供し、グループ全体の収益を牽引しています。
- AIセキュリティ事業売上高は約16.17億円ですが、営業利益は約-0.41億円と赤字です。警備業界のデジタル変革を目指し、AIを活用した警備プラットフォームや警備サービスを提供していますが、現在は投資フェーズであり、今後の収益改善が期待されます。
- DX推進事業売上高は約17.12億円、営業利益は約0.09億円とわずかな黒字です。自治体や企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するサービスを提供しており、行政サービスのデジタル化アプリ「DX-Pand」などで実績を上げています。成長途上の事業であり、今後の収益拡大が見込まれます。
2025-02 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| DigitalRiskReportableSegment | 事業 | 25 | 12 | 45.9% |
| AISecurityReportableSegment | 事業 | 16 | -0 | -2.5% |
| DXPromotionReportableSegment | 事業 | 17 | 0 | 0.6% |
| SmartCityReportableSegment | 事業 | 15 | -1 | -7.5% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社エルテス)及び子会社13社、関連会社2社の計16社で構成されており、「安全なデジタル社会をつくり、日本を前進させ続ける。」をミッションに掲げ、テクノロジーの発展によって生じる新たなリスク対策を講じるデジタルリスク(※1)事業をコア事業として、デジタル化の余地が大きく残る警備業界のデジタル化を支援するAIセキュリティ事業、行政サービスのデジタル化を中心に企業・自治体のDX支援を行うDX推進事業、不動産ビジネスのデジタル化からスマートな街づくりを目指すスマートシティ事業の4つの事業で構成しております。 (※1)デジタルテクノロジーの発展に応じて、その副作用として発生する新たな領域は、企業の競争にも影響を与える重大な事象であり、このような事象から発生するリスクを「デジタルリスク」と表現しております。 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。なお、次の事業セグメントは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 ① デジタルリスク事業デジタルリスク事業は、当社グループのコア事業であり、「健全なデジタルテクノロジーの発展を支援」することを目的に、SNSやブログ、インターネット掲示板などWeb上のソーシャルメディアに起因するソーシャルリスク対策と情報持ち出しなどの社内に潜むリスクを検知するインターナルリスク対策から構成されております。ソーシャルリスク対策については、当社グループ固有のノウハウと事例研究の蓄積によって、収集したビッグデータからリスクを高精度で検知する技術を開発し、課題解決に取り組んでまいりました。具体的には、SNS炎上を未然に防ぐためのソリューション、危機発生時の対応コンサルティング、レピュテーション回復のためのサービスを顧客の課題に応じてワンストップで提供しております。インターナルリスク対策については、昨今話題となっている営業秘密等の機密情報持ち出しや、経済安全保障の観点による技術情報の流出などの内部脅威の予兆を解析するサービスです。膨大な組織内部のシステムログや管理データを横断的に分析し、リスクの高い行動パターンを認識し、危険度や緊急度の高いものは即時通知することで、インシデント防止を支援します。(主な関係会社)当社 ② AIセキュリティ事業AIセキュリティ事業は、「警備DXで新時代の安全保障をつくること」をミッションとし、フィジカルな警備保障サービス事業を運営しつつ、運営の中で生じる課題解決のためにAIやデータを活用した警備業界のDXプロダクトの開発・提供を行っています。警備DX領域では、インターネット上で警備を依頼したい個人や法人のお客様と警備会社をつなぐプラットフォーム「AIK order」、警備管制業務のデジタル化を支援する「AIK assign」を運営しています。これらのDXプロダクトを警備保障サービス領域で実際に活用し、業務効率の向上にも取り組んでいます。また、警備保障サービス領域は、北海道、東北、首都圏、関西の地域でサービス展開しており、大阪万博での警備需要などの取り込みにも注力してまいりました。(主な関係会社)株式会社AIK、株式会社And Security、ISA株式会社、SSS株式会社、東和警備株式会社 ③ DX推進事業DX推進事業は、「デジタルを活用した人にやさしい社会への変革」を目的に、自治体や事業会社のDX支援サービスを展開しています。自治体DX領域においては、住民サービスのデジタル上の総合窓口となるアプリのDX-Pand、LINEを活用したスマート公共ラボの提供で、行政サービスのデジタル化を支援しており、180を超える自治体への提供実績を有します。また、企業・団体のDXを支援するSESとラボ型開発のハイブリッドで顧客ニーズに最適化した形のDX支援の提供を行っています。さらに、音声生成AIを活用した、リアルタイム動画生成を可能とするAIチャットボットサービスの立ち上げにも取り組んでおります。(主な関係会社)株式会社JAPANDX、株式会社GloLing、プレイネクストラボ株式会社、 JDXソリューションズ株式会社、SRIA Lab株式会社 ④ スマートシティ事業スマートシティ事業は、「スマートな街づくりで地方創生に貢献」することを目的に、プロパティ・マネジメント事業のデジタル化から着手し、そのデジタル化の領域をビル・施設、そして地域に広げることを目指しています。また、地方創生への貢献を目指し、地方企業、自治体のマーケティング支援サービスも展開しております。(主な関係会社)アクター株式会社、株式会社イーリアルティ 事業の統計図は、次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 サービスの独自性や技術力による差別化を図っているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 当社グループ固有のノウハウと事例研究の蓄積による高精度なリスク検知技術。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:競合の激化 / 優秀な人材の確保・育成 / 新技術への対応遅れ
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
エルテスはAIを活用したリスク検知サービスを提供しており、独自のアルゴリズムやノウハウが競争優位の源泉となりうる。しかし、特許などの明確な知的財産権による保護は限定的であり、競合他社も同様の技術開発を進めているため、無形資産としての強固な優位性はまだ確立されていない。
スイッチングコスト★★☆☆☆
エルテスが提供するリスク検知サービスは、導入に一定のコストと時間がかかるため、顧客が他社サービスへ乗り換える際のスイッチングコストは存在する。特に、既存システムとの連携や社内プロセスへの組み込みが進んでいる場合、乗り換えのハードルは高まる。しかし、サービス内容の標準化が進めば、乗り換えやすくなる可能性もある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
エルテスのビジネスモデルは、現時点では明確なネットワーク効果を生み出す構造にはなっていない。個々の顧客との契約に基づいてサービスを提供しており、ユーザー数の増加が直接的にサービス価値の向上に繋がるわけではない。
コスト優位☆☆☆☆☆
エルテスのサービスは、高度なAI技術や専門人材を必要とするため、構造的にコスト優位性を確立することは難しい。競合他社も同様の技術や人材を確保する必要があり、価格競争によるコスト優位の構築は限定的と考えられる。
規模の経済★☆☆☆☆
エルテスはAIリスク検知分野で一定のシェアを獲得しているが、業界全体で見るとまだ黎明期であり、規模の経済が十分に発揮されているとは言えない。今後、事業拡大に伴い、開発・運用コストの効率化が進む可能性はあるが、現時点では限定的。
- 独自のデジタルリスク検知技術エルテスグループは、SNSやインターネット掲示板などWeb上の膨大なデータからリスクを高精度で検知する独自の技術とノウハウを蓄積しています。これにより、他社には真似できない専門性の高いソリューションを提供し、顧客のデジタルリスク対策において優位性を確立しています。
- ワンストップのソリューション提供SNS炎上対策から危機発生時のコンサルティング、レピュテーション回復まで、顧客の課題に応じて一貫したサービスをワンストップで提供できる点が強みです。これにより、顧客は複数のベンダーと契約する手間なく、包括的なリスク対策をエルテスグループに任せることができます。
- 警備業界DXの先駆者デジタル化が遅れている警備業界において、AIを活用した警備DXプラットフォーム「AIK order」や「AIK assign」を開発・提供しています。自社で警備サービスも運営することで、現場の課題を深く理解し、実践的なDXプロダクトを開発できる点が競争優位につながっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略等① 会社の経営の基本方針当社グループは、「安全なデジタル社会をつくり、日本を前進させ続ける。」というビジョンを掲げ、デジタルセキュリティセグメントをコア事業として、デジタル化によって生じる新たなリスクの解決によって、日本社会、日本企業の前進を支える社会インフラとなることを目指します。 ② 中長期的な会社の経営戦略2026年4月27日開示の3ヵ年経営計画(2027年2月期~2029年2月期)では、時価総額200億円超の実現を中長期のターゲットとした、経営計画の策定・実行を掲げ、多角化して凡庸化した部分を再構築し、独自性・優位性のあるデジタルセキュリティ銘柄として企業価値向上を目指します。また、量から質への転換をコンセプトに、Eltes Lean Transformationを掲げ、最重要指標を営業利益(額)から営業利益率(率)に変更し、以下の7つの重点施策を推進してまいります。なお、同時にセグメント区分の変更を実施しておりますので、新たなセグメント区分で記載しております。(ア)成長事業であるIRI事業の拡大コア事業であるデジタルセキュリティセグメントで、高い収益性を持ち成長事業であるIRI事業は、営業秘密の持ち出し事件の増加や地政学リスクによって高まる技術情報保護の機運を追い風に市場が拡大しており、営業マーケティングの強化に加えて、プロダクトラインナップの整備で、成長の加速を目指します。(イ)新たな成長事業の育成(SR事業の領域拡大)2025年4月に発表した「AIシールド」構想による生成AI普及に伴う、AI領域のガバナンス・セキュリティ対策サービスを提供するAIガバナンス領域を成長エンジンに、常時300社以上、累積で1,000社以上のSNSリスク対策の提供アセットを活用しつつ、SR事業の領域拡大に取り組みます。高い収益性を誇りながらも、成長が鈍化するSR事業の活性化で、グループ全体の収益性向上を狙います。(ウ)ポートフォリオ再構築収益性・成長性の高い領域への経営資源の集中を進め、営業利益率の向上を目指します。その中で、ベストオーナーではない事業の譲渡可能性についても是々非々で議論し、企業価値向上につながるポートフォリオ構成の再構築に取り組みます。なお、本取り組みの第1弾として、下期変調で不確実性の高いDX推進事業の一部売却を2026年4月27日に公表しております。(エ)規律ある財務戦略の実行自己資本比率40%以上維持をKPIに設定し、事業の多角化によって進んだ有利子負債の圧縮や、新たな経営方針に合わせた投資ポリシーやルールの整備で、資本効率の高い企業への変革を目指します。(オ)経営戦略に応じた人的資本戦略当社は、企業に迫るリスク対策サービスを提供しており、インテリジェンスを武器に日本のデジタルリスク対策を支援するプロフェッショナル集団を目指しています。そのためには、市場価値の高いプロフェッショナル人材が長く活躍し続ける職場の整備が必要不可欠と考えており、それら実現を目指して、給与水準の向上とeNPSスコア改善を指標とした人事施策の推進に取り組みます。(カ)市場との対話(IR)強化時価総額200億円超を掲げ、市場との対話(IR)を強化します。副社長の伊藤を中心とした社内アクティビストチーム(経営企画部)の強化によって、IR情報の開示・露出強化に加えて、社内決算説明会や持ち株会の活性化など従業員向けのエンゲージメントを強化してまいります。(キ)オペレーショナル・エクセレンスデジタルセキュリティセグメントを推進するエルテス単体の1人あたり営業利益500万円(2026年2月期実績から倍増)を掲げ、事業価値最大化を起点とした業務プロセスの変革に取り組みます。その過程で、コーポレート部門の再編や全社費用比率の低減などの施策にも取り組んでまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、量から質への転換を図り、時価総額200億円超実現をターゲットに、経営計画の策定・実行に取り組んでいます。2026年4月27日公表の3ヵ年経営計画(2027年2月期~2029年2月期)において、最重要指標を営業利益(額)から営業利益率(率)への転換を掲げ、営業利益12.0%(2026年2月期実績4.8%)、営業利益900百万円(2026年2月期実績431百万円)、自己資本比率40.0%以上(2026年2月末25.5%)という2029年2月期財務指標目標の達成を目指してまいります。 (3) 経営環境及び対処すべき課題① 経営環境当社は「安全なデジタル社会をつくり、日本を前進させ続ける。」をミッションに掲げ、当社の独自性・優位性が高いデジタルセキュリティセグメントをグループのコア事業として位置づけ、事業を展開しております。コア事業であるデジタルセキュリティセグメントでは、SNS上のリスク検知などのリスク対策サービスを提供しており、偽情報に関する社会の注目は高まっています。また、地政学リスクの高まり、大転職時代への移行に伴う営業秘密の持ち出し事件の増加によって、ログプロファイリングを通じた内部不正対策の注目も高まっています。また、生成AIの普及によるAI領域のガバナンス・セキュリティ対策の需要も今後高まると想定しております。 ② 対処すべき課題中長期的な企業価値向上には、当社グループが一丸となり、各社の強みを発揮して価値の最大化を実現することが不可欠と考えており、以下の事項を対処すべき課題として取り組みを進めております。(ア)事業ポートフォリオの再構築中長期的な企業価値向上には、市場成長性や当社グループの優位性、収益性などで各事業を評価し、経営資源を成長事業へ重点配分することが重要だと考えております。そこで、成長性、収益性の高いデジタルセキュリティセグメントをコア事業と位置づけ、その他事業のカーブアウトも選択肢として、企業価値最大化に努めてまいります。 (イ)デジタルセキュリティセグメントの成長コア事業と設定したデジタルセキュリティセグメントの着実な成長が必要不可欠と考えております。特に内部脅威検知対策(Internal Risk Intelligence)のサービスラインナップの整備や、営業・マーケティング活動の強化で、事業拡大に取り組んでまいります。 (ウ)財務基盤の健全化と資本効率の改善当社グループは、事業の多角化の過程で、有利子負債を活用したレバレッジ経営を推進しており、自己資本比率が25.5%となっております。また、一部事業の収益性が低く、資本効率の観点で課題を抱えております。さらに、有利子負債による財務負担が資本コストに影響を及ぼしていることから、事業ポートフォリオの再構築の中で、有利子負債の段階的な圧縮にも取り組みます。 これにより、財務基盤の健全化を推し進めるとともに、資本効率を最適化してまいります。 (エ)デジタルセキュリティセグメントの優位性を築くプロフェッショナル人材の育成中長期的な企業価値向上には、サービスの優位性を高める多様な人材が、長く活躍できる環境整備が必要不可欠と考えております。E-learningなどの教育環境の整備、人事評価制度の整備、フレックスなどの労働環境の整備、適材適所への柔軟な人材の配置転換など、人的資本強化により、プロフェッショナル人材の育成を強化いたします。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略等① 会社の経営の基本方針当社グループは、「安全なデジタル社会をつくり、日本を前進させ続ける。」というビジョンを掲げ、デジタルセキュリティセグメントをコア事業として、デジタル化によって生じる新たなリスクの解決によって、日本社会、日本企業の前進を支える社会インフラとなることを目指します。 ② 中長期的な会社の経営戦略2026年4月27日開示の3ヵ年経営計画(2027年2月期~2029年2月期)では、時価総額200億円超の実現を中長期のターゲットとした、経営計画の策定・実行を掲げ、多角化して凡庸化した部分を再構築し、独自性・優位性のあるデジタルセキュリティ銘柄として企業価値向上を目指します。また、量から質への転換をコンセプトに、Eltes Lean Transformationを掲げ、最重要指標を営業利益(額)から営業利益率(率)に変更し、以下の7つの重点施策を推進してまいります。なお、同時にセグメント区分の変更を実施しておりますので、新たなセグメント区分で記載しております。(ア)成長事業であるIRI事業の拡大コア事業であるデジタルセキュリティセグメントで、高い収益性を持ち成長事業であるIRI事業は、営業秘密の持ち出し事件の増加や地政学リスクによって高まる技術情報保護の機運を追い風に市場が拡大しており、営業マーケティングの強化に加えて、プロダクトラインナップの整備で、成長の加速を目指します。(イ)新たな成長事業の育成(SR事業の領域拡大)2025年4月に発表した「AIシールド」構想による生成AI普及に伴う、AI領域のガバナンス・セキュリティ対策サービスを提供するAIガバナンス領域を成長エンジンに、常時300社以上、累積で1,000社以上のSNSリスク対策の提供アセットを活用しつつ、SR事業の領域拡大に取り組みます。高い収益性を誇りながらも、成長が鈍化するSR事業の活性化で、グループ全体の収益性向上を狙います。(ウ)ポートフォリオ再構築収益性・成長性の高い領域への経営資源の集中を進め、営業利益率の向上を目指します。その中で、ベストオーナーではない事業の譲渡可能性についても是々非々で議論し、企業価値向上につながるポートフォリオ構成の再構築に取り組みます。なお、本取り組みの第1弾として、下期変調で不確実性の高いDX推進事業の一部売却を2026年4月27日に公表しております。(エ)規律ある財務戦略の実行自己資本比率40%以上維持をKPIに設定し、事業の多角化によって進んだ有利子負債の圧縮や、新たな経営方針に合わせた投資ポリシーやルールの整備で、資本効率の高い企業への変革を目指します。(オ)経営戦略に応じた人的資本戦略当社は、企業に迫るリスク対策サービスを提供しており、インテリジェンスを武器に日本のデジタルリスク対策を支援するプロフェッショナル集団を目指しています。そのためには、市場価値の高いプロフェッショナル人材が長く活躍し続ける職場の整備が必要不可欠と考えており、それら実現を目指して、給与水準の向上とeNPSスコア改善を指標とした人事施策の推進に取り組みます。(カ)市場との対話(IR)強化時価総額200億円超を掲げ、市場との対話(IR)を強化します。副社長の伊藤を中心とした社内アクティビストチーム(経営企画部)の強化によって、IR情報の開示・露出強化に加えて、社内決算説明会や持ち株会の活性化など従業員向けのエンゲージメントを強化してまいります。(キ)オペレーショナル・エクセレンスデジタルセキュリティセグメントを推進するエルテス単体の1人あたり営業利益500万円(2026年2月期実績から倍増)を掲げ、事業価値最大化を起点とした業務プロセスの変革に取り組みます。その過程で、コーポレート部門の再編や全社費用比率の低減などの施策にも取り組んでまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、量から質への転換を図り、時価総額200億円超実現をターゲットに、経営計画の策定・実行に取り組んでいます。2026年4月27日公表の3ヵ年経営計画(2027年2月期~2029年2月期)において、最重要指標を営業利益(額)から営業利益率(率)への転換を掲げ、営業利益12.0%(2026年2月期実績4.8%)、営業利益900百万円(2026年2月期実績431百万円)、自己資本比率40.0%以上(2026年2月末25.5%)という2029年2月期財務指標目標の達成を目指してまいります。 (3) 経営環境及び対処すべき課題① 経営環境当社は「安全なデジタル社会をつくり、日本を前進させ続ける。」をミッションに掲げ、当社の独自性・優位性が高いデジタルセキュリティセグメントをグループのコア事業として位置づけ、事業を展開しております。コア事業であるデジタルセキュリティセグメントでは、SNS上のリスク検知などのリスク対策サービスを提供しており、偽情報に関する社会の注目は高まっています。また、地政学リスクの高まり、大転職時代への移行に伴う営業秘密の持ち出し事件の増加によって、ログプロファイリングを通じた内部不正対策の注目も高まっています。また、生成AIの普及によるAI領域のガバナンス・セキュリティ対策の需要も今後高まると想定しております。 ② 対処すべき課題中長期的な企業価値向上には、当社グループが一丸となり、各社の強みを発揮して価値の最大化を実現することが不可欠と考えており、以下の事項を対処すべき課題として取り組みを進めております。(ア)事業ポートフォリオの再構築中長期的な企業価値向上には、市場成長性や当社グループの優位性、収益性などで各事業を評価し、経営資源を成長事業へ重点配分することが重要だと考えております。そこで、成長性、収益性の高いデジタルセキュリティセグメントをコア事業と位置づけ、その他事業のカーブアウトも選択肢として、企業価値最大化に努めてまいります。 (イ)デジタルセキュリティセグメントの成長コア事業と設定したデジタルセキュリティセグメントの着実な成長が必要不可欠と考えております。特に内部脅威検知対策(Internal Risk Intelligence)のサービスラインナップの整備や、営業・マーケティング活動の強化で、事業拡大に取り組んでまいります。 (ウ)財務基盤の健全化と資本効率の改善当社グループは、事業の多角化の過程で、有利子負債を活用したレバレッジ経営を推進しており、自己資本比率が25.5%となっております。また、一部事業の収益性が低く、資本効率の観点で課題を抱えております。さらに、有利子負債による財務負担が資本コストに影響を及ぼしていることから、事業ポートフォリオの再構築の中で、有利子負債の段階的な圧縮にも取り組みます。 これにより、財務基盤の健全化を推し進めるとともに、資本効率を最適化してまいります。 (エ)デジタルセキュリティセグメントの優位性を築くプロフェッショナル人材の育成中長期的な企業価値向上には、サービスの優位性を高める多様な人材が、長く活躍できる環境整備が必要不可欠と考えております。E-learningなどの教育環境の整備、人事評価制度の整備、フレックスなどの労働環境の整備、適材適所への柔軟な人材の配置転換など、人的資本強化により、プロフェッショナル人材の育成を強化いたします。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度(2025年3月1日~2026年2月28日)における当社グループを取り巻く経済環境は、底堅い企業収益や継続的な賃上げを背景に雇用・所得環境が改善していく中で、緩やかに回復しております。一方で、不安定な世界情勢を受けた地政学リスクの高まりやアメリカの関税の影響、物価上昇、金融市場の変動などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。国内のITサービス分野においては、企業の収益性向上・人手不足対策等のためのデジタルトランスフォーメーション(DX)や、デジタルの活用、生成AIの普及で、市場は成長傾向が継続しております。一方で、特定の企業や組織等を狙ったサイバー攻撃や、デジタル化や働き方の多様化による組織内部からの営業秘密情報の持ち出しなどが後を絶たない状況に対して、企業の情報セキュリティの意識は日々高まっています。さらに、SNSなどのデジタル空間での偽・誤情報拡散、炎上事案の発生に加えて、ディープフェイク等の高度な技術を用いた詐欺手法の巧妙化、生成AI利用に伴う新たなリスクや法規制・コンプライアンスへの対応など、当社グループのニーズは益々高まっております。 (a) 財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ250,459千円減少し、7,133,433千円となりました。当連結会計年度末における流動資産は、4,332,080千円となり、前連結会計年度末に比べ264,536千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が690,922千円減少、受取手形、売掛金及び契約資産が348,723千円増加及び販売用不動産が539,485千円増加したこと等によるものであります。固定資産は、2,801,082千円となり、前連結会計年度末に比べ515,268千円減少いたしました。これは主にソフトウエアが87,033千円減少、のれんが269,133千円減少、繰延税金資産が91,885千円減少したこと等によるものであります。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ260,248千円減少し、5,254,813千円となりました。このうち、流動負債は、前連結会計年度末に比べ293,683千円増加し、3,372,969千円となりました。これは主に買掛金が128,339千円増加、未払法人税等が102,656千円増加したこと等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ553,932千円減少し、1,881,844千円となりました。これは主に長期借入金が440,667千円減少したこと等によるものであります。当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ9,788千円増加し、1,878,619千円となりました。これは主に資本金が47,274千円増加、資本剰余金が90,981千円増加、親会社株主に帰属する当期純損失が168,487千円、その他有価証券評価差額金が35,934千円増加したこと等によるものであります。 (b) 経営成績当連結会計年度の連結業績において、当社は「安全なデジタル社会をつくり、日本を前進させ続ける。」をミッションに掲げ、セキュリティ対策の需要の高まりに伴い注目を集める内部不正対策や、守りの生成AI領域における新規事業「AIガバナンス」の推進など、当社の独自性・優位性が高いデジタルリスク事業をグループのコア事業として位置づけ、事業を展開してまいりました。また、企業価値向上に向けて、事業ポートフォリオ戦略の見直しや経営リソースの最適化などにも推進し、2026年1月にはDX推進事業のカーブアウト検討開始を発表いたしました。一方で、当社連結子会社の株式会社JAPANDXが保有するソフトウエア資産について、同社のカーブアウト検討に伴い、今後の事業計画の見直しを慎重に検討した結果、特別損失(減損損失)を計上することとしました。さらに、AIセキュリティ事業とスマートシティ事業においても、不採算事業の整理を行った結果、株式会社AIKのソフトウエア資産と株式会社イーリアルティの固定資産の一部において、特別損失(減損損失)を計上することとしました。 この結果、当連結会計年度の売上高は8,958,812千円(前年同期比22.4%増)となり、EBITDAは923,070千円(前年同期比51.6%増)、営業利益は431,439千円(前年同期比362.3%増)、経常利益は346,972千円(前年同期比404.0%増)、親会社株主に帰属する当期純損失は168,487千円(前年同期は860,379千円の損失)となりました。 (注) 当社グループの業績の有用な比較情報として、EBITDAを開示しております。EBITDAは、税引前当期純損益から利息及び非現金支出項目(減価償却費及び償却費等)の影響を除外しております。EBITDAの計算式は以下のとおりです。・EBITDA=税引前当期純損益+支払利息+減価償却費及び償却費等の非現金支出項目 (c) セグメントごとの経営成績セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、各セグメントをより実態に即した費用負担で管理するために、全社費用の一部をデジタルリスク事業の費用に変更して記載しております。また、前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。 (デジタルリスク事業)コア事業であるデジタルリスク事業は、健全なデジタルテクノロジーの発展支援を目的に、SNS上のリスク対策サービスに加え、ログプロファイリング(ログデータをもとに、ユーザーの行動意図を分析・推測して不審な行為を抽出する手法)により、営業秘密の持ち出しなどの内部不正対策を支援しています。 昨今の転職市場の拡大、テレワークなど働き方の多様化、経済安全保障リスクの高まりを背景に、内部からの情報持ち出しリスクが高まっています。こうした中で、IT資産管理ツールによるログ管理にとどまり、膨大なログデータを前に適切に活用しきれていない、リスク感度の高い大手製造業、金融機関を中心に国産の内部脅威検知サービスとして、幅広い業種において、内部不正対策サービスの導入が進んでおります。さらに、社会全体で生成AIの利用が著しく進む中、SNSリスク対策サービスの知見や実績を活かして、生成AIのガバナンス対策の新サービスをリリースするなど、社会変化に伴う新たなリスク対策ニーズへ対応してまいりました。以上の結果、売上高は2,744,542千円(前年同期比9.2%増)、セグメント利益は991,901千円(前年同期比7.7%増)となりました。 (AIセキュリティ事業)AIセキュリティ事業は、警備DXで新時代の安全保障をつくることを目指して、フィジカルな警備保障サービスを運営しつつ、運営の中で生じる課題解決のためのDXソリューションの開発・提供で警備業界のDX化に取り組んでいます。警備DX領域は、警備会社と依頼者の警備受発注マッチングプラットフォーム「AIKorder」とそれらが持つ警備会社のネットワークを活用した大型イベントの警備案件を包括的にサポートするコンシェルジュサービスの提供が積み上がりつつあります。また、警備保障サービスにおいては、日本国内の大型イベントの警備需要も取り込んだことで、AIセキュリティ事業の売上高・営業利益は計画を上回りました。その他、来期以降の成長も見据え、横浜拠点の立ち上げも進めてまいりました。以上の結果、売上高は2,222,880千円(前年同期比37.1%増)、セグメント利益は38,516千円(前年同期は40,959千円のセグメント損失)となりました。 (DX推進事業)DX推進事業は、デジタルを活用した人に優しい社会への変革を目指して、主に地方自治体を対象とした行政の住民サービスのデジタル化支援を行う自治体DX領域、並びにSESとラボ型開発のハイブリッドで事業会社のDX支援を行う事業会社DX領域の二つを事業領域の柱として取り組んでいます。事業会社DX領域は、株式会社GloLingのSES月間稼働人月が増加するなど、堅調に推移しております。一方で、第4四半期偏重の業績となっていた自治体DX領域は、大型取引が無事に売上計上され、大きく業績を回復しました。通期では黒字の着地となりましたが、下期偏重、大型案件偏重のビジネスモデルの与える企業価値への影響は依然大きいと判断しており、2026年1月に公表したDX推進事業のカーブアウトの検討を進めております。以上の結果、売上高は2,067,955千円(前年同期比14.6%増)、セグメント利益は26,621千円(前年同期比162.9%増)となりました。 (スマートシティ事業)スマートシティ事業は、スマートな街づくりで地方創生に貢献することを目的に、プロパティ・マネジメント事業のデジタル化から着手し、そのデジタル化の領域をビル・施設、そして地域に広げることを目指しています。安定的な収益確保を目的に、プロパティ・マネジメント事業の管理物件数増加を目指した不動産売買専任チームの活動量増加で、第4四半期連結会計期間に3件の不動産売買実績を積み上げ、セグメント利益に貢献しました。引き続き、プロパティ・マネジメント事業の業務の自動化等を推進し、さらなる収益性の向上にも取り組んでまいります。以上の結果、売上高は2,052,317千円(前年同期比38.3%増)、セグメント利益は11,781千円(前年同期は110,361千円のセグメント損失)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ697,722千円減少し、1,814,115千円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は、14,927千円(前年同期は、587,694千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益88,168千円、減価償却費194,952千円、減損損失274,679千円、のれん償却額307,233千円、売上債権の増加312,627千円、未払金の減少135,205千円、及び販売用不動産の増加539,485千円等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、310,083千円(前年同期は、570,563千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出28,341千円、無形固定資産の取得による支出200,311千円、投資有価証券の取得による支出27,809千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出38,200千円により減少する一方、投資有価証券の売却による収入48,151千円等により増加したことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、372,710千円(前年同期は、938,547千円の獲得)となりました。これは、短期借入金の純増加額158,003千円、長期借入れによる収入820,000千円、非支配株主からの払込みによる収入60,470千円等により増加する一方、長期借入金の返済による支出1,477,996千円等により減少したことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績(a) 生産実績当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 (b) 受注実績当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 (c) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメント名の名称販売高(千円)前年同期比(%)デジタルリスク事業2,733,8519.1AIセキュリティ事業2,212,83636.8DX推進事業1,962,57314.6スマートシティ事業2,049,55138.4合計8,958,81222.4 (注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合 販売実績の総販売実績に対する割合が10%を上回っている相手先がないため、記載を省略しております。2 セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、次の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の分析経営成績の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資金需要は、運転資金に加え、デジタルセキュリティ事業の成長投資であります。現状、これらの資金需要につきましては、自己資金、金融機関からの借入れによって調達しておりますが、必要に応じて、増資や社債発行等により柔軟に対応することとしております。 (3) 経営戦略の現状と見通し当社グループは、「安全なデジタル社会をつくり、日本を前進させ続ける。」をミッションに掲げ、テクノロジーの発展によって生じる新たなリスク対策を講じるデジタルリスク事業を中心に事業を展開してまいりました。 2025年12月には、セキュリティ対策の需要の高まりに伴い注目を集める内部不正対策や、広がる生成AIに対応したAIガバナンスの対策支援など、当社の独自性・優位性が高いデジタルリスク事業をグループのコア事業とした成長戦略を描くことに加えて、ポートフォリオの見直しを注力施策とした経営方針のアップデートを発表いたしました。この方針転換は、2025年5月に公表した3ヵ年経営計画(2026年2月期~2028年2月期)の内容を見直すものであり、副社長で経営戦略本部長の伊藤を中心に、時価総額200億円を見据えた企業価値向上の実現のため、アクティビストや機関投資家が求める視点で、新たな経営方針を定めました。 その後、2026年1月には、DX推進事業のカーブアウト(事業売却)検討開始を公表し、ポートフォリオの見直しを着実に前へ進めながら、収益性高いデジタルリスク・セキュリティ領域への経営リソースの集中と、セキュリティ銘柄へのリブランディングを進めてまいりました。2029年2月期は、この経営方針を踏襲しつつ、営業利益率12%、営業利益900百万円、自己資本比率40%以上の達成を掲げております。 また、2027年2月期の業績予想は、売上高8,500百万円(前年比5.1%減)、営業利益460百万円(前年比6.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益100百万円(前年比268百万円増)としております。売上高の減少は、DX推進事業のカーブアウトを想定したものであり、コア事業であるデジタルセキュリティセグメント(旧:デジタルリスク事業)は、5%を超える売上高成長を想定しております。一方で、営業利益に関しては、DX推進事業のカーブアウトによる前年比での△26百万円の営業利益減少、オフィス移転による一時費用60百万円の影響を受けながらも、5%以上の成長を計画しております。 なお、2026年4月27日にDX推進事業のJAPANDX社等の売却決定で、一定の特別損失を計上する見込みですが、GloLing社・プレイネクストラボ社売却で、今期中に同等以上の特別利益計上を見込んでおります。それらを勘案し、一連のカーブアウトを通算して最終損益への影響がない想定で、2027年2月期の業績予想を策定しています。その他、2026年4月27日公表の「3ヵ年経営計画」において、セグメント区分の変更を実施しております。 (4) 経営成績に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (5) 経営者の問題認識と今後の方針「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 激化する市場競争テクノロジーを活用したデジタル化やDX市場は成長が期待されるため、国内外から多くの事業者が参入し、競争が激化する可能性があります。これにより、価格競争に巻き込まれたり、顧客を失ったりすることで、エルテスグループの事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 優秀な人材の確保難データアナリストやエンジニアといった専門性の高い人材は、市場での絶対数が少なく、確保が困難な状況です。事業拡大には優秀な人材の確保と育成が不可欠であり、これが滞ると、円滑な業務遂行や積極的な営業活動が阻害され、業績に影響が出る可能性があります。
- 新技術への対応遅れ生成AIをはじめとするIT技術の進歩は非常に速く、業界標準や顧客ニーズも常に変化しています。研究開発が遅れたり、想定を上回る速度で技術革新が進んだりすると、既存の製品やサービスが陳腐化し、競争力が低下することで、エルテスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しておりますが、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意ください。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 ① 競合についてテクノロジーを活用したデジタル化・DX化に関する市場は、将来の成長が期待される市場であるため、国内外の事業者がこの分野に参入してくる可能性があります。また、情報セキュリティに関する市場も、社会ニーズの高さから成長が期待される市場であります。当社は、サービスの独自性や技術力により、他社との差別化を図っておりますが、強みとする領域において巨大企業や新規参入する他社との競合状況が激化した場合には、価格の下落、または価格競争以外の要因でも受注を失うおそれがあり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 人材の確保や育成について事業拡大に伴う優秀な人材の確保と育成が重要な課題である一方で、とりわけ実務を担うデータアナリストや分析の基盤システムを構築するエンジニアなどの人材は、人材市場に経験保有者の絶対数も少ないことから、優秀な人材の確保は容易ではないと認識しております。優秀な人材確保を継続していくため、外部からの人材登用及び内部での人材育成に努めております。しかしながら、採用や育成、雇用に支障をきたす事態が発生した場合には、円滑な業務の遂行及び積極的な営業活動が阻害され、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 新技術の出現について生成AI等のIT関連技術は技術革新の進歩が速く、それに応じて業界標準及び利用者ニーズが変化しております。また、情報セキュリティ分野においても様々なリスクに対応するため技術革新が著しい市場であります。当社ではこうした技術革新に対応し、競争力を維持するため、継続的に研究開発を行っております。しかしながら、研究開発の遅れ、あるいは当社想定を上回る速度での技術革新などにより、当社既存製品やサービスの陳腐化を招く可能性があります。この場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。これらの新技術等への対応が遅れた場合、当社グループの提供するサービスが陳腐化・不適応化し、業界内での競争力低下を招く恐れがあります。その場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ ソーシャルメディアについて現在は、多くの企業や消費者がソーシャルメディアの積極的利用を行っており、それに伴いソーシャルリスクマネジメントに対する意識も高まっております。しかしながら、ソーシャルメディア自体が衰退し、利用者数が減少した場合には、関連する投稿数や記事数が減少し、ソーシャルメディアに起因するリスクが低下することが予想されるため、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ SNS情報取得について当社グループは、ソーシャルメディアから生成されるビッグデータをソフトウエアにより自動的に収集しております。しかしながら、ソーシャルメディアの運営側の方針により収集に制限が加えられた場合や禁止された場合には、サービスの品質が低下、情報収集のための追加コストが発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ システム障害及び不具合について当社グループは、24時間365日体制でサービス提供しておりますが、通信ネットワークに依存しており、サーバー等の自社設備や第三者の通信設備等のインターネット接続環境が良好に稼動することが前提であります。そのため、災害や事故による通信ネットワークの切断、サーバーの停止、コンピュータウィルスによる被害、外部からの不正侵入やソフトウエアの不具合などが生じた場合には、サービスの提供に支障をきたし、障害や不具合の原因が当社にあった場合には、顧客企業からの信頼度が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 投資について当社グループは、事業拡大等のため、会社を買収することがあります。買収した会社の業績が買収決定時の事業計画と大きく乖離した場合、のれんなどの無形固定資産、その他有形固定資産の減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、安定的な収益の得られる事業構造の確立のため、事業ポートフォリオの整理とカーブアウトの検討・実行を進めております。その際に事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う費用等が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。その他、当社グループは投資事業も行っております。投資先の業績業況によっては、投資が回収できなくなる可能性や減損会計の適用による評価損が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、投資効率が低く保有意義の乏しい投資にならないよう厳格に審査の上、総合的な経営判断のもと、対応方針を決定しております。 ⑧ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について当社は、現在付与している新株予約権等に加え、今後付与される新株予約権等について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。また、今後の収益性と企業価値の向上を目指し2025年12月29日にグロースパートナーズ投資組合に対して第三者割当の方法により新株予約権の発行を行いました。当該新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は1,300,400株であり、同日現在の発行済株式総数(自己株式を除く)6,183,257株の21.0%に相当しております。 ⑨ 情報漏洩について当社は、顧客の営業機密や社内情報等の機密情報を扱う場合があります。それらを考慮し、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISMS「ISO/IEC 27001:2022」、「ISO/IEC 27017:2015」の認証を取得するなど、規程やマニュアル等に従った体制や教育の下で、機密情報を厳しく管理しております。しかしながら、何らかの理由により機密情報の漏洩が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ レピュテーションについて 当社グループは、高い公共性を有するインターネットにおいて、リスクマネジメントを支援する事業会社グループとして、重責を負託されていることを十分に認識し社会的責任を果たすために、取引にあたり当社独自の基準を設け、社会から信頼される健全性と倫理観を常に保持するための取り組みが有効かつ継続的に機能する体制を運用しております。しかしながら、何らかの理由によりレピュテーション上のリスクが生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 法規制について当社グループの事業は、警備業法をはじめとした厳格かつ詳細な法令や規制に従うことを要求されております。そのため、業務管理及び従業員教育を徹底し、コンプライアンス意識の維持、向上に努めておりますが、これらの関係法令に違反した場合、処罰の対象となり、営業停止等の行政処分を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 知的財産権について当社グループが保有する知的財産権に関しては、商標登録等を行っており、今後も知的財産権の保全に積極的に取り組む予定であります。しかしながら、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用がかかる等、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループによる第三者の知的財産権の侵害については、従業員に対して知的財産権についての研修、理解度の確認を行い、啓発を図っており、また業務上で不適切な取扱いがないよう可能な範囲で調査を行い対応しております。しかしながら、当社グループの事業領域における第三者の知的財産権を完全に把握することは困難であり、認識せずに侵害してしまう可能性が否定できず、この場合には、当社グループに対する損害賠償請求や、ロイヤリティの支払要求等が行われる等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 内部管理体制について当社グループは、関係者の不正行為等が発生しないよう、国内外の法令及びルールの遵守を行動基準として定め、内部監査等で遵守状況の確認を行っております。しかしながら、法令等に抵触する事態や関係者による不正行為が発生する可能性は否定できず、これらの事態が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は子会社の事業運営に関して管理責任を有しており、グループ全体のリスク管理体制やコンプライアンス体制を運用する必要があります。グループガバナンスの強化の観点から、業務執行の報告を適時受け、連携してリスク対応を行うとともに、当社から取締役等を派遣して経営全般にわたる管理及び業務改善に指導助言を実施するなど、コンプライアンス遵守に取り組んでおります。しかしながら、何らかの理由により統制機能が不十分となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 代表取締役への依存について当社創業者である菅原貴弘は、当社の大株主かつ代表取締役であり、当社グループの経営方針や事業戦略の立案・決定における中核として、重要な役割を果たし、新たな事業モデルの創出においても中心的な役割を担っております。当社グループは権限委譲、幹部社員の採用・育成等により、同氏に過度に依存しない経営体制の整備に努めていますが、何らかの理由により、同氏が当社の業務を継続することが困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 市場金利の上昇について当社グループは、事業の運営・発展のため、金融機関等から短期及び長期の有利子負債を調達しています。新規の資金調達が必要となる場合、市場金利の上昇局面においては資金調達コストが増加する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。