事業の内容
ユビコムホールディングスは、主に『メディカル事業』と『テクノロジーコンサルティング事業』の2つの事業を展開しています。メディカル事業では、病院向けに医療情報システムのソフトウェア開発・販売、受託開発、医療データ分析、コンサルティングを提供。特にレセプト点検ソフト「MightyChecker®」シリーズが主力で、医療機関の業務効率化と経営改善を支援しています。テクノロジーコンサルティング事業は、日本とフィリピンを中心に、医療・金融・自動車(EV)・モバイル・不動産などの戦略市場向けにITソリューションサービスを提供し、システム開発やコンサルティングで収益を上げています。両事業ともに「Automation(自動化)」「Analytics(データ分析)」「AI(人工知能)」を核とした次世代型ソリューションに注力しています。
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FY2025|7,153 文字|出典 docID: S100W4TV
3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社5社、持分法適用関連会社1社で構成されており、『メディカル事業』と『テクノロジーコンサルティング事業』の2つのセグメントに分類されます。メディカル事業では、病院等の医療機関あるいは関連施設に関わる、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、医療データ分析及びコンサルテーションを行っております。テクノロジーコンサルティング事業は、日本及びフィリピンを中心拠点として戦略市場である医療・金融/公共・自動車(EV)・モバイル・不動産等の領域に向け、数々のITソリューションサービスを提供し続けております。 また、当社グループは、グローバル化や少子高齢化などの社会構造の変化などの社会変革、医療生命科学やロボット・人工知能の分野における技術革新を新規ビジネス創出のチャンスと捉え、戦略市場である医療・金融/公共・自動車(EV)・モバイル・不動産等の領域に向け、「3A」(「Automation(ソフトウエアテスト等の実行・管理の自動化)」「Analytics(ビッグデータと分析)」「AI(人工知能)」)を基に進化・発展させたコア・ソリューションを次世代型ソリューションと位置付け、事業モデルを展開しております。「金融領域」においては、金融機関向け案件を中心に、業務アプリケーションの開発やフィンテック時代に向けたシステム移行需要に係る開発を支援しております。「医療領域」においては、医療事業を担う中核としてレセプト点検ソフトウエア等を開発する株式会社エーアイエスを中心に、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、医療データ分析を中心としたビジネスモデル戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 (1) メディカル事業 メディカル事業では、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを中心に、医療機関の経営課題解決と医療DXの推進に資する事業を展開しております。 メディカル事業の中核を担う子会社である株式会社エーアイエスは、医師の働き方改革(2024年4月から適用)の課題となる残業時間削減、医療安全の推進、医療機関における経費削減、医療現場の業務効率を改善し、経営品質を高めるため、「Mighty」シリーズ製品としてソリューションシステムを開発、約21,000を超える医療機関の経営を支援しております。主力製品であるレセプト(注1)点検ソフト「MightyChecker®」及びオーダリングチェックソフト「Mighty QUBE®」の引き合いは、医師の働き方改革および診療報酬改定を背景とした医療DX化の加速により引き続き順調に拡大しており、なかでも、「AI×サブスクモデル」を実現した次世代型レセプトチェックシステム「MightyChecker® EX」および進化版オーダリングチェックソフト「Mighty QUBE® Hybrid」は、大手医療機関を中心に、引き続き高い需要を維持しております。 また、レセプト点検ソフトのリーディングカンパニーとして、当社グループの「3A」による次世代型ソリューションのうち、「Analytics(分析)」の領域の中心的な役割の1つを担っており、医療データ分析事業への本格展開を開始しております。具体的には、生損保向けソリューションの開発、その他データ分析(健保組合・学会等)など、医療のデジタル化に関する新事業を積極的に展開し、「Mighty」シリーズに次ぐ「新たなサブスク型の収益源」の確立を進めています。これら新施策の一つである、医療データベースを活用した医療保険の支払査定支援システム「保険ナレッジプラットフォーム」は、既に4社の生命保険会社にて実装されています。今後は同プラットフォームにおける追加オプションの販売を推進すると同時に新たなサブスクリプション型メニューとして、保険業界全体へ向けた本プラットフォームの浸透を図ってまいります。また、新たなメニューとして、「MightyChecker® EX」と、医療クラウドサービス「SonaM」を搭載したレセプト点検プラットフォーム「遠隔サービスプラットフォーム」の提供を新たに開始いたしました。同プラットフォームは、医療機関とBPO拠点間における安全な情報連携を可能とし、「MightyChecker® EX」による高精度なレセプト点検を実現することで、業務効率化および査定・返戻率の改善を通じた収益向上に貢献しております。なお、本サービスは、大手医療人材派遣事業を展開する株式会社日本教育クリエイトとの業務提携により実現したものです。 メディカル事業は、引き続き、WEBを活用した営業・サポートへの移行により、直接販売(ダイレクトアカウント)の拡大、ソリューションの重ね売りによる顧客単価の向上、新価格体系への移行を推進してまいります。あわせて、すでに関係を構築している全国の販売代理店の買収による「M&A戦略」を推進し、販路の拡大および直接取引ルートの強化を通じて、販売効率のさらなる向上を図ってまいります。 当事業の主力製品であるMightyシリーズのラインアップは、下記のとおりであります。 ① レセプト点検ソフト「MightyChecker®(マイティーチェッカー)」平成21年5月8日付平成21年厚生労働省令第110号「療養給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令の一部を改正する省令」により、一部例外を除き、医療機関はオンラインによるレセプトの請求が義務付けられるようになりました。審査支払機関における審査強化の動きも重なり、レセプトチェックの精度と効率を上げることは、医療機関において、経営上の重要な課題となりました。「MightyChecker®」シリーズは、レセプト電算処理・レセプトオンライン請求が一般化された現在、医療機関にとって必須ツールであり、院内審査(注2)における査定・返戻対策用の機能に留まらず、その後の機能強化により請求漏れの可能性がある指導料や加算項目等の指摘を行うことを可能にし、また、グラフィック機能の搭載、査定金額順点検の実現、加えて、査定・返戻データの取り込みにより査定された該当レセプトの抽出、それに基づくスムーズなデータベース修正、集計分析機能なども追加し、業界の中でもユニークで先駆的製品として供給を続けております。 「MightyChecker®」の特徴については、下記のとおりであります。製品名特徴MightyChecker® EX(マイティーチェッカーイーエックス)・AI検知を備えた次世代型レセプト点検ソフトウエア・マルチレセプト表示機能で2つのレセプトを同時に確認・レセプト点検後のエラーメッセージをクリックすると、点検ポイントが表示され、わかりやすく保険ルールを解説・患者ごとに付箋・ステータスが入力でき、レセプト点検の作業効率が大幅に向上MightyChecker® PRO Advance(マイティーチェッカープロアドバンス)・医科レセプト点検ソフトウエアの普及型システム・病名・医薬品・医療行為の適応症を点検・査定・返戻対策の点検(突合点検・縦覧点検・算定日チェック等)・算定支援機能による点検(指導料等で算定できる可能性がある項目をチェック)MightyChecker® for ORCA(注3)(マイティーチェッカーフォーオルカ)・MightyChecker® PRO Advanceが日医標準レセプトソフト「ORCA」と連携・ORCAで入力されたデータを、MightyChecker® PRO Advanceと同じ点検機能でスムーズに点検することが可能MightyChecker® DENTAL(マイティーチェッカーデンタル)・歯科レセプト点検ソフトウエア・MightyChecker® PROとの併用で医科・歯科トータルの点検が可能MightyChecker® Cloud(マイティーチェッカークラウド)・インターネット版レセプト点検サービスの提供・PCにアプリケーションがインストールされていなくても、サーバーへアクセスすることで、レセプト点検ソフトを利用することが可能 ② オーダリングチェックソフト「Mighty QUBE®(マイティーキューブ)」 2024年4月から施行された医師の働き方改革法案において、医師の過重労働が問題となる中、医師の時間外労働時間の上限は960時間と定められ、医療現場のDX化が急務となっております。「MightyChecker®(マイティーチェッカー)」のデータベースを活用し、疾患と診療行為・投薬の適応性、投与量・日数等を処方オーダー時に点検し、不適応のもの、病名が漏れているケースへエラーを出す仕組みとして、国立大学法人東京大学と共同開発したものであり、オーダリング時の人為的な誤入力・誤操作を防ぐことで、医療事故(ヒヤリ・ハット)や査定(減額)を防止、医師の残業時間削減、医療機関における経費削減を実現します。製品名特徴Mighty QUBE® PRO (マイティーキューブプロ)・MightyChecker®のデータベースを活用したリアルオーダーリングチェックソフト・疾患と診療行為・投薬の適応性、投与量・日数等を処方オーダー時に点検・不適応のもの、病名が漏れているケースへエラーを出す・オーダリング時の人為的な誤入力・誤操作を防ぎ、医療事故や査定(減額)防止、医師の残業時間削減、医療機関における経費削減効果ありMighty QUBE® Hybrid(マイティーキューブハイブリッド)・Mighty QUBE® PROの進化版・院内サーバー(オンプレミス)またはクラウドサーバーのいずれにも接続可能な電子カルテ組み込み型リアルタイム点検ソフト・縦覧点検機能を実装し、レセプトのB査定(提出レセプトの減額査定)を事前に解消 (注1)レセプト 患者様が受けた診療について、医療機関が市町村や健康保険組合等の公的機関に対し、保険負担分の支払いを請求する医療診療の明細書。医科・歯科の場合には「診療報酬明細書」、薬局における調剤の場合には「調剤報酬明細書」と呼ばれる。 (注2)院内審査 医療機関自らが内部で実施する自己点検業務。 (注3)ORCA(オルカ) 日本医師会が会員のために開発・提供している無料レセプトソフト。2025年5月15日現在、 19,333施設で稼働している(出典:「ORCA PROJECT 日本医師会ORCA管理機構」ホームページ)。 (2) テクノロジーコンサルティング事業 テクノロジーコンサルティング事業は、主に国内外のグローバル企業を主要顧客に、当社海外子会社であるAdvanced World Systems, Inc.とAdvanced World Solutions, Inc.(以下「フィリピン子会社」という)及び北京愛維森科技有限公司(以下「中国子会社」という)並びに持分法適用関連会社であるAlsons/AWS Information Systems, Inc.を活用したシステム開発業務を行っており、システム開発業界の競合の激化、グローバル化という業界環境の流れの中で、低コスト、高品質を同時に実現すべくサービスを提供し続けています。特にフィリピン子会社は、2006年1月に当社の子会社となる以前の、前身であるAPTi Philippines, Inc.が設立された1993年以来、約30年に渡る開発実績を積み上げております。 近年、IT製品開発は、国内から海外の事業者や海外子会社に委託する形態が広がりをみせております。従来の海外への開発委託は主として、労働集約型の業務を単価の安い海外へアウトソーシングすることにより、開発及び保守・運用コストの削減を目的としたものでございましたが、我が国における少子高齢化の影響によるIT人材不足を背景に、AI、IoT、ロボティクスといった最先端分野も含め、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進において戦略的に海外の人材を活用することが必要な段階に差し掛かっております。 当社グループが主たる事業拠点としているフィリピン共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の新興国として年5%程度の経済成長(2015~2024年の平均値)を続けています。2024年には前年比5.6%と政府が目標としていた6.0~6.5%を下回る成長率となったものの、フィリピン開発予算調整委員会(DBCC)は、2025年、2026年ともに、GDP成長率の目標を6.0~8.0%と設定しており、少なくとも6.0%に達するとの見通しとなっております(注1)。また、人口動態予測(注2)でも、消費者・就労者人口とも一貫して増え続ける予想となっております。当社グループは、ソフトウエアの設計・開発から製品保証まで、英語・日本語のバイリンガルな環境で広範なシステム開発のサービスを行っております。国内外を代表する大手製造業と協業をしている経験と実績を基に、信頼できる開発パートナーとして、確かな技術と品質を提供しております。また、日本のエンジニア不足は高齢化社会の進展に伴い加速し、IT人材需要との需給ギャップから、2030年には約79万人に拡大(注3)すると予測され、今後ますます当社のバイリンガルかつジャパンクオリティのエンジニアの需要は高まると考えております。 フィリピン子会社の活用形態は、①フィリピン国内における事業所において開発を行う(オフショア開発)、②フィリピン子会社の開発要員を当社に出向させ、日本国内の顧客の開発拠点にて直接開発を行う(オンショア開発)の二形態があります。当社グループでは、顧客の個々の要望に応じてこれらの二形態の組み合わせを基礎として最適な開発形態を都度構築しております。昨今では、フィリピン子会社にて、日本国内顧客社員の出向を積極的に受け入れております。出向の受け入れにより、顧客自らが直接対面でフィリピンエンジニアに指示を出すことによる作業効率向上や顧客の幹部候補におけるオフショアでの開発経験の育成など双方におけるメリットがあります。また、フィリピンの人件費水準、及び現地従業員の英語力は、同業との競合において差別化を図れる重要な要素となっております。さらに国内においては、外部の人材についても積極的に活用することを目的として、当社が一般労働者派遣事業の免許を取得し、人材派遣業務を行っております。 フィリピン子会社の従業員は当社グループの重要な経営資源であり、フィリピン及び日本において直接クライアントとのやり取りを通じ開発を実施することから、英語と日本語のバイリンガル能力に加え、高度なIT技術を有するエンジニアの育成が必要となります。そのため、フィリピン子会社においては、毎年計画的にフィリピン全国の理工学系専攻新卒者の上位成績者を中心に採用し、戦略的人材育成を行っております。具体的には、2003年4月に設立したフィリピンのマニラとセブそれぞれの施設内に所在する社内研修センター「AWS's Center for Technology Incubation(通称:ACTION)」を活用し、5~6ヶ月間の集中新人研修プログラムを行い、日本語環境下での高度なソフトウエア開発ができる人材を養成しております。 この社内研修センター「ACTION」ではIT分野の基礎技術・知識の教育に始まり、ソフトウエア開発に関わる最新技術、ビジネススキル、さらに日本人講師による日本語講座等の研修コースを設け、従業員の技術力向上を継続的に支援しております。フィリピン子会社では、高い技術力で長年、国際優良企業と協業してきた実績を基に、グローバルな市場で評価されるソリューションを創造・提供し続けた結果、当社フィリピン子会社に在籍するエンジニア2名が、アジア版情報処理技術者試験「ITPECアジア共通統一試験」のトップ合格者の中でも特に優秀な人材として、「アジアトップガン2020」に選出されております。 中国においては、米中関係や中国経済の構造変化を踏まえ、当社も中国拠点の構造改革を進めております。具体的には、昆山事業所を縮小し、合肥事業所へ事業を集約することで、固定費の削減と収益構造の改善を図ります。これにより、主要顧客であるグローバル大手PCメーカーとの取引を維持しつつ、収益性の確保を目指してまいります。 (注1)GDP成長率2023年の実質GDP成長率は、速報値で5.6%と発表していたが、確定値では5.5%に修正があった。出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)「ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース世界貿易投資報告:フィリピン編」他(注2)人口動態予測出典:総務省統計局「世界の統計2023」2-2 世界人口・年齢構成の推移(1950~2050年)(注3)IT人材需要の変化出典:経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」 事業の系統図は、次のとおりであります。 なお、Ubicom U.S.A., Inc. については、量的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
FY2024|8,877 文字|出典 docID: S100TV3W
3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社5社、持分法適用関連会社1社で構成されており、『グローバル事業』と『メディカル事業』の2つのセグメントに分類されます。グローバル事業は、グローバル部門及びエンタープライズソリューション部門の2つの部門により構成され、日本及びフィリピンを中心拠点として、PC/IT機器や自動車、産業機械をはじめとする製造業や医療、金融/公共及び流通/小売・サービス業など幅広い業界に対して、ITソリューションサービスを提供し続けております。 メディカル事業では、病院等の医療機関あるいは関連施設に関わる、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、医療データ分析及びコンサルテーションを行っております。 また、当社グループは、グローバル化や少子高齢化などの社会構造の変化などの社会変革、医療生命科学やロボット・人工知能の分野における技術革新を新規ビジネス創出のチャンスと捉え、戦略的ドメインとする医療、金融/公共、自動車、製造業及び流通/小売・サービス業等の分野において、「3A」(「Automation(ソフトウエアテスト等の実行・管理の自動化)」「Analytics(ビッグデータと分析)」「AI(人工知能)」)を基に進化・発展させたコア・ソリューションを次世代型ソリューションと位置付け、事業モデルを展開しております。「金融領域」においては、金融機関向け案件を中心に、業務アプリケーションの開発やフィンテック時代に向けたシステム移行需要に係る開発を支援しております。「医療領域」においては、医療事業を担う中核としてレセプト点検ソフトウエア等を開発する株式会社エーアイエスを中心に、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、医療データ分析を中心としたビジネスモデル戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 (1) グローバル事業 グローバル事業は、主に国内外のグローバル企業を主要顧客に、当社海外子会社であるAdvanced World Systems, Inc.とAdvanced World Solutions, Inc.(以下、「フィリピン子会社」という)、及び北京愛維森科技有限公司(以下「中国子会社」という)、並びに持分法適用関連会社であるAlsons/AWS Information Systems, Inc.を活用したシステム開発業務を行っており、システム開発業界の競合の激化、グローバル化という業界環境の流れの中で、低コスト、高品質を同時に実現すべくサービスを提供し続け、フィリピン子会社は、2006年1月に当社の子会社となる以前の、前身であるAPTi Philippines, Inc.が設立された1993年以来、約30年に渡る開発実績を積み上げております。 近年、IT製品開発は、国内から海外の事業者や海外子会社に委託する形態が広がりをみせております。従来の海外への開発委託は主として、労働集約型の業務を単価の安い海外へアウトソーシングすることにより、開発及び保守・運用コストの削減を目的としたものでございましたが、我が国における少子高齢化(の影響)によるIT人材不足を背景に、AI、IoT、ロボティクスといった最先端分野も含め、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進において戦略的に海外の人材を活用することが必要な段階に差し掛かっております。 また、経済安全保障推進法を背景に、大手企業・大手SIerが調達先の見直しを行っており、その結果、安全な業務委託先として、フィリピン共和国が注目されるに至っています。当社グループが主たる事業拠点としているフィリピン共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の新興国として年5%程度の経済成長(2014-2023年の平均値)を続けており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行による落ち込みから回復を経て、2023年には前年比プラス5.6%と政府が目標としていた6.5%~7.5%を下回る成長率となったものの、2024年の見通しにおいては6.0%の成長率となっており堅調な推移を見せております。(出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)「ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース世界貿易投資報告:フィリピン編」他)また、人口動態予測でも、消費者・就労者人口とも一貫して増え続ける予想となっております。(出典:総務省統計局「世界の統計2020」2-2 世界人口・年齢構成の推移(1950~2050年))当社グループは、ソフトウエアの設計・開発から製品保証まで、英語・日本語のバイリンガルな環境で広範なシステム開発のサービスを行っております。国内外を代表する大手製造業と協業をしている経験と実績を基に、信頼できる開発パートナーとして、確かな技術と品質を提供しております。また、日本のエンジニア不足は高齢化社会の進展に伴い加速し、IT人材需要との需給ギャップから、2030年には約79万人に拡大すると予測され、今後ますます当社のバイリンガルかつジャパンクオリティのエンジニアの需要は高まると考えております。(出典:経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」) フィリピン子会社の活用形態は、①フィリピン国内における事業所において開発を行う(オフショア開発)、②フィリピン子会社の開発要員を当社に出向させ、日本国内の顧客の開発拠点にて直接開発を行う(オンショア開発)の二形態があります。当社グループでは、顧客の個々の要望に応じてこれらの二形態の組み合わせを基礎として最適な開発形態を都度構築しております。昨今では、フィリピン子会社にて、日本国内顧客社員の出向を積極的に受け入れております。出向の受け入れにより、顧客自らが直接対面でフィリピンエンジニアに指示を出すことによる作業効率向上や顧客の幹部候補におけるオフショアでの開発経験の育成など双方におけるメリットがあります。また、フィリピンの人件費水準、及び現地従業員の英語力は、同業との競合において差別化を図れる重要な要素となっております。さらに国内においては、外部の人材についても積極的に活用することを目的として、当社が一般労働者派遣事業の免許を取得し、人材派遣業務を行っております。 フィリピン子会社の従業員は当社グループの重要な経営資源であり、フィリピン及び日本において直接クライアントとのやり取りを通じ開発を実施することから、英語と日本語のバイリンガル能力に加え、高度なIT技術を有するエンジニアの育成が必要となります。そのため、フィリピン子会社においては、毎年計画的にフィリピン全国の理工学系専攻新卒者の上位成績者を中心に採用し、戦略的人材育成を行っております。具体的には、2003年4月に設立したフィリピンのマニラとセブそれぞれの施設内に所在する社内研修センター「AWS's Center for Technology Incubation(通称:ACTION)」を活用し、5~6ヶ月間の集中新人研修プログラムを行い、日本語環境下での高度なソフトウエア開発ができる人材を養成しております。 この社内研修センター「ACTION」ではIT分野の基礎技術・知識の教育に始まり、ソフトウエア開発に関わる最新技術、ビジネススキル、さらに日本人講師による日本語講座等の研修コースを設け、従業員の技術力向上を継続的に支援しております。フィリピン子会社では、高い技術力で長年、国際優良企業と協業してきた実績を基に、グローバルな市場で評価されるソリューションを創造・提供し続けた結果、子会社Advanced World Solutions, Inc.は、国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines)(注1)にて、2016年3月に「Best Software Company of the Year」を受賞、翌年の2017年3月に「Best Company of the Year for Information Technology & Software Development」を受賞、また、子会社Advanced World Solutions, Inc.は、2017年10月に開催されたアジアCEOアワード 2017(注2)にて「Technology Company of the Year」並びに「Service Excellence Company of the Year」の2部門においてファイナリストに選出される等、高い評価を受けております。更には、当社フィリピン子会社に在籍するエンジニア2名が、アジア版情報処理技術者試験「ITPECアジア共通統一試験」のトップ合格者の中でも特に優秀な人材として、「アジアトップガン2020」に選出されております。 中国においては、中国子会社における当社グループの主要顧客向けの開発を核に据えつつも、幅広い新規の顧客をターゲットにした事業拡大を推進、拠点の拡充及び戦略的な人材投資を積極的に実施しております。 2019年10月に出資したシリコンバレーのベンチャーキャピタル「GoAhead Ventures」のオフィスにて、当社サテライトオフィスを開設している米国においては、今後も引き続き先進技術に係るリサーチ機能の強化を図ってまいります。 グローバル事業においては、ソフトウエアテストやその実行・管理の自動化、製品開発支援及びアプリケーション開発分野での、日本における既存のピラー顧客からの受注が堅調に推移しております。PC/IT機器の分野では、グローバル大手PCメーカーの取引拡大に加えて他の大手PCメーカーへの横展開を推進、また、AI先進分野の領域においては、グローバル製薬企業などの医療領域をはじめとする新規受注を順調に拡大するなど、業界を代表する大手顧客を中心に、顧客のピラー化に向けた積極的な取り組みを継続強化しております。新たなソリューションとして取り組みを開始したIVA(インテリジェントビデオ解析)技術を活用したEdge IoT/AIoT/ARの分野に関しても、遠隔支援ソリューションをはじめとする各種先進ソリューションが、実証実験を経て、モビリティ領域における顧客にて実際に採用・運用されております。さらには製品外観検査等の工場DXに資するスマートファクトリーの分野においても、ピラー化の規模拡大に向けた協業拡大が継続しており、今後は同領域におけるさらなる横展開が期待されます。 a.グローバル部門グローバル部門は、主に国内外のPC/IT機器や自動車、産業機械をはじめとする製造業や医療及び流通/小売・サービス業に関連する大手企業を主要顧客に、フィリピン子会社及び中国子会社と連携し、組込みソフトウエア開発、ビジネスアプリケーション開発、製品評価サービスの提供、及び3Aを基に進化・発展させたコア・ソリューションによる次世代型ソリューションの提供を行っております。 b.エンタープライズソリューション部門 エンタープライズソリューション部門では、IBM Solutions Delivery, Inc. をはじめとする大口法人向けに、フィリピン子会社を活用し、金融や公共インフラ領域をはじめとするソリューションサービスの企画、営業及びデリバリー活動を行っております (注1)国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines) フィリピンを代表する情報技術団体であるIBPAP(The Information Technology and Business Process Association of the Philippines)の協力のもと、在フィリピンカナダ商工会議所によって運営されており、デザイン及び開発の側面において、ソフトウエア・カンパニーとして、その年のフィリピン国内にて最も創造的な役割を担った企業に贈られる賞。評価基準としては、年間売上成長率等の定量的な側面に加え、顧客への提供サービスの多様性やコンピタンス、経営管理手法、フィリピンのICT産業への貢献度等が挙げられる。 (注2)アジアCEOアワード(Asia CEO Awards) フィリピンの通信事業最大手であるPLDT Enterprise社が主催するアジア最大級のビジネスアワードであり、ASEAN地域のビジネス拡大促進を目的に、多大な功績と貢献を果たした個人や団体を表彰するもの。 (2) メディカル事業 メディカル事業では、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを中心としたビジネス戦略を積極的に推進する体制を整えております。 メディカル事業の中核を担う子会社株式会社エーアイエスは、医師の働き方改革法案(2024年4月から適用)の課題となる残業時間削減、医療安全の推進、医療機関における経費削減、医療現場の業務効率を改善し、経営品質を高めるため、「Mightyシリーズ」製品としてソリューションシステムを開発、約2万を超える医療機関の経営を支援しております。なかでも主力製品であるレセプト(注3)点検ソフト「MightyChecker®」及びオーダリングチェックソフト「Mighty QUBE®」の引き合いは、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う医療機関のアフターコロナへの対応開始並びに、働き方改革関連法推進を背景とした医療DX化の加速により引き続き順調に拡大しております。また、電子カルテと連携させることで、AIにより医師の電子カルテ入力を支援する「Mighty QUBE® Hybrid」は戦略的商品として、中小病院をターゲットとした電子カルテメーカーと業務提携(OEM提供)を結ぶことでクロスセル施策を展開し、大手グループ内病院だけでなく、中小病院での引き合いも多数いただいており、導入数は堅調に推移しております。同時に次世代レセプトチェックシステム「MightyChecker® EX」についても「Mighty QUBE® Hybrid」のクロスセル施策と並行して販売・導入が促進しております。 また、レセプト点検ソフトのリーディングカンパニーとして、当社グループの「3A」による次世代型ソリューションのうち、「Analytics(分析)」の領域の中心的な役割の1つを担っており、医療データ分析事業への本格展開を開始しております。 具体的には、生損保向け新ソリューションの開発、その他データ分析(健保組合・学会等)など、医療のデジタル化に関する新事業を積極的に立ち上げ、Mightyシリーズに次ぐ将来の「新たなサブスク型の収益源」の確保に向け、積極的な投資を実施し、更なる収益率向上の実現に向けた施策に取り組んでおります。これら新施策の一つである、医療データベースを活用した医療保険の支払査定支援システム「保険ナレッジプラットフォーム」の本格的な横展開を推進しており、現在4社の生命保険会社にて実装されております。さらに、今後は同プラットフォームにおける追加オプションの販売を推進すると同時に新たなサブスクリプション型メニューとして、保険業界全体へ向けた本プラットフォームの浸透を図ってまいります。 当事業の主力製品であるMightyシリーズのラインアップは、下記のとおりであります。 ① レセプト点検ソフト「MightyChecker®(マイティーチェッカー)」平成21年5月8日付平成21年厚生労働省令第110号「療養給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令の一部を改正する省令」により、一部例外を除き、医療機関はオンラインによるレセプトの請求が義務付けられるようになりました。審査支払機関における審査強化の動きも重なり、レセプトチェックの精度と効率を上げることは、医療機関において、経営上の重要な課題となりました。「MightyChecker®」シリーズは、レセプト電算処理・レセプトオンライン請求が一般化された現在、医療機関にとって必須ツールであり、院内審査(注4)における査定・返戻対策用の機能に留まらず、その後の機能強化により請求漏れの可能性がある指導料や加算項目等の指摘を行うことを可能にし、また、グラフィック機能の搭載、査定金額順点検の実現、加えて、査定・返戻データの取り込みにより査定された該当レセプトの抽出、それに基づくスムーズなデータベース修正、集計分析機能なども追加し、業界の中でもユニークで先駆的製品として供給を続けております。 「MightyChecker®」の特徴については、下記のとおりであります。製品名特徴MightyChecker® EX(マイティーチェッカーイーエックス)・AI検知を備えた次世代型レセプト点検ソフトウエア・マルチレセプト表示機能で2つのレセプトを同時に確認・レセプト点検後のエラーメッセージをクリックすると、点検ポイントが表示され、わかりやすく保険ルールを解説・患者ごとに付箋・ステータスが入力でき、レセプト点検の作業効率が大幅に向上MightyChecker® PRO Analyze(マイティーチェッカープロアナライズ)・医科レセプト点検ソフトウエアの上級システム・点検結果を分析し、効率的な点検業務を提案・査定・返戻対策に加え、レセプト点検結果を活用した、より効率的な点検結果の活用が可能・査定返戻データ取り込みによりスムーズなデータベース修正を実現し、査定返戻の抑止を強化MightyChecker® PRO Advance(マイティーチェッカープロアドバンス)・医科レセプト点検ソフトウエアの普及型システム・病名・医薬品・医療行為の適応症を点検・査定・返戻対策の点検(突合点検・縦覧点検・算定日チェック等)・算定支援機能による点検(指導料等で算定できる可能性がある項目をチェック)MightyChecker® for ORCA(注5)(マイティーチェッカーフォーオルカ)・MightyChecker® PRO Advanceが日医標準レセプトソフト「ORCA」と連携・ORCAで入力されたデータを、MightyChecker® PRO Advanceと同じ点検機能でスムーズに点検することが可能MightyChecker® DENTAL(マイティーチェッカーデンタル)・歯科レセプト点検ソフトウエア・MightyChecker® PROとの併用で医科・歯科トータルの点検が可能MightyChecker® Cloud(マイティーチェッカークラウド)・インターネット版レセプト点検サービスの提供・PCにアプリケーションがインストールされていなくても、サーバーへアクセスすることで、レセプト点検ソフトを利用することが可能 ② オーダリングチェックソフト「Mighty QUBE®(マイティーキューブ)」 2024年4月から適用となる医師の働き方改革法案において、医師の過重労働が問題となる中、医師の時間外労働時間の上限は960時間となり、医療現場のDX化が急務となります。「MightyChecker®(マイティーチェッカー)」のデータベースを活用し、疾患と診療行為・投薬の適応性、投与量・日数等を処方オーダー時に点検し、不適応のもの、病名が漏れているケースへエラーを出す仕組みとして、国立大学法人東京大学と共同開発したものであり、オーダリング時の人為的な誤入力・誤操作を防ぐことで、医療事故(ヒヤリ・ハット)や査定(減額)を防止、医師の残業時間削減、医療機関における経費削減を実現します。製品名特徴Mighty QUBE® PRO (マイティーキューブプロ)・MightyChecker®のデータベースを活用したリアルオーダーリングチェックソフト・疾患と診療行為・投薬の適応性、投与量・日数等を処方オーダー時に点検・不適応のもの、病名が漏れているケースへエラーを出す・オーダリング時の人為的な誤入力・誤操作を防ぎ、医療事故や査定(減額)防止、医師の残業時間削減、医療機関における経費削減効果ありMighty QUBE® Hybrid(マイティーキューブハイブリッド)・Mighty QUBE® PROの進化版・院内サーバー(オンプレミス)またはクラウドサーバーのいずれにも接続可能な電子カルテ組み込み型リアルタイム点検ソフト・縦覧点検機能を実装し、レセプトのB査定(提出レセプトの減額査定)を事前に解消 (注3)レセプト 患者様が受けた診療について、医療機関が市町村や健康保険組合等の公的機関に対し、保険負担分の支払いを請求する医療診療の明細書。医科・歯科の場合には「診療報酬明細書」、薬局における調剤の場合には「調剤報酬明細書」と呼ばれる。 (注4)院内審査 医療機関自らが内部で実施する自己点検業務。 (注5)ORCA(オルカ) 日本医師会が会員のために開発・提供している無料レセプトソフト。2024年5月15日現在、 19,310施設で稼働している(出典:「ORCA PROJECT 日本医師会ORCA管理機構」ホームページ)。 事業の系統図は、次のとおりであります。 なお、Ubicom U.S.A., Inc. については、量的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
FY2023|8,530 文字|出典 docID: S100R7QQ
3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社5社、持分法適用関連会社1社で構成されており、『グローバル事業』と『メディカル事業』の2つのセグメントに分類されます。グローバル事業は、グローバル部門及びエンタープライズソリューション部門の2つの部門により構成され、日本及びフィリピンを中心拠点として、PC/IT機器や自動車、産業機械をはじめとする製造業や医療、金融/公共および流通/小売・サービス業など幅広い業界に対して、ITソリューションサービスを提供し続けております。 メディカル事業では、病院等の医療機関あるいは関連施設に関わる、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、医療データ分析及びコンサルテーションを行っております。 また、当社グループは、国際化や少子高齢化などの社会構造の変化などの社会変革、医療生命科学やロボット・人工知能の分野における技術革新を新規ビジネス創出のチャンスと捉え、戦略的ドメインとする医療、金融/公共、自動車、製造業および流通/小売・サービス業等の分野において、「3A」(「Automation(ソフトウエアテスト等の実行・管理の自動化)」「Analytics(ビッグデータと分析)」「AI(人工知能)」)を基に進化・発展させたコア・ソリューションを次世代型ソリューションと位置付け、事業モデルを展開しております。「金融領域」においては、金融機関向け案件を中心に、業務アプリケーションの開発やフィンテック時代に向けたシステム移行需要に係る開発を支援しております。「医療領域」においては、医療事業を担う中核としてレセプト点検ソフトウエア等を開発する株式会社エーアイエスを中心に、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、医療データ分析を中心としたビジネスモデル戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 (1) グローバル事業 グローバル事業は、主に国内外のグローバル企業を主要顧客に、当社海外子会社であるAdvanced World Systems, Inc. とAdvanced World Solutions, Inc. (以下、「フィリピン子会社」という。)、および北京爱维森科技有限公司(以下「中国子会社」)、並びに持分法適用関連会社であるAlsons/AWS Information Systems, Inc.を活用したシステム開発業務を行っており、システム開発業界の競合の激化、国際化という業界環境の流れの中で、低コスト、高品質を同時に実現すべくサービスを提供し続け、フィリピン子会社は、2006年1月に当社の子会社となる以前の、前身であるAPTi Philippines, Inc.が設立された1993年以来、約30年に渡る開発実績を積み上げております。 近年、IT製品開発は、国内から海外の事業者や海外子会社に委託する形態が広がりをみせております。従来の海外への開発委託は主として、労働集約型の業務を単価の安い海外へアウトソーシングすることにより、開発及び保守・運用コストの削減を目的としたものでございましたが、我が国における少子高齢化を背景にしたIT人材不足を背景に、AI、IoT、ロボティクスといった最先端分野も含め、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進において戦略的に海外の人材を活用することが必要な段階に差し掛かっております。 また、急激に成長する新興国市場への投資が拡大しており、なかでもグローバルレベルでのIT統制の必要性が高まっております。当社グループが主たる事業拠点としているフィリピン共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の新興国として年6%程度の経済成長(2010-2019年の平均値)を続けており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で2020年通年の成長率は前年比マイナス9.5%と大幅に落ち込んだものの2022年以降は大幅な回復を見込んでおります(出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)「世界貿易投資報告:フィリピン編」他)。また、人口動態予測でも、消費者・就労者人口とも一貫して増え続ける予想(出典:総務省統計局「世界の統計2020」2-2 世界人口・年齢構成の推移(1950~2050年))となっております。当社グループは、ソフトウエアの設計・開発から製品保証まで、英語・日本語のバイリンガルな環境で広範なシステム開発のサービスを行っております。国内外を代表する大手製造業と協業をしている経験と実績を基に、信頼できる開発パートナーとして、確かな技術と品質を提供しております。 フィリピン子会社の活用形態は、主に①フィリピン国内における事業所において開発を行う(オフショア開発)、②フィリピン子会社の開発要員を当社に出向させ、そこから日本国内の顧客の開発拠点にて直接開発を行う(オンショア開発)の二形態があります。当社グループでは、顧客の個々の要望に応じてこれらの二形態の組み合わせを基礎として最適な開発形態を都度構築しております。また、フィリピンの人件費水準、および現地従業員の英語力は、同業との競合において差別化を図れる重要な要素となっております。さらに国内においては、外部の人材についても積極的に活用することを目的として、当社が一般労働者派遣事業の免許を取得し、人材派遣業務を行っております。 フィリピン子会社の従業員は当社グループの重要な経営資源であり、フィリピンおよび日本において直接クライアントとのやり取りを通じ開発を実施することから、英語と日本語のバイリンガル能力に加え、高度なIT技術を有するエンジニアの育成が必要となります。そのため、フィリピン子会社においては、毎年計画的にフィリピン全国の理工学系専攻新卒者の上位成績者を中心に採用し、戦略的人材育成を行っております。具体的には、2003年4月に設立したフィリピンのマニラとセブそれぞれの施設内に所在する社内研修センター「AWS's Center for Technology Incubation(通称:ACTION)」を活用し、4ヶ月間の集中新人研修プログラムを行い、日本語環境下での高度なソフトウエア開発ができる要員を養成しております。 この社内研修センター「ACTION」ではIT分野の基礎技術・知識の教育に始まり、ソフトウエア開発に関わる最新技術、ビジネススキル、さらに日本人講師による日本語講座等の研修コースを設け、従業員の技術力向上を継続的に支援しております。フィリピン子会社では、高い技術力で長年、国際優良企業と協業してきた実績を基に、グローバルな市場で評価されるソリューションを創造・提供し続けた結果、子会社Advanced World Solutions, Inc. は、国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines)(注1)にて、2016年3月に「Best Software Company of the Year」を受賞、翌年の2017年3月に「Best Company of the Year for Information Technology & Software Development」を受賞、また、子会社Advanced World Solutions, Inc.は、2017年10月に開催されたアジアCEOアワード2017(注2)にて「Technology Company of the Year」並びに「Service Excellence Company of the Year」の2部門においてファイナリストに選出される等、高い評価を受けております。更には、当社フィリピン子会社に在籍するエンジニア2名が、アジア版情報処理技術者試験「ITPECアジア共通統一試験」のトップ合格者の中でも特に優秀な人材として、「アジアトップガン2020」に選出されております。 中国においては、中国子会社における当社グループの主要顧客向けの開発を核に据えつつも、幅広い新規の顧客をターゲットにした事業拡大を推進、拠点の拡充および戦略的な人材投資を積極的に実施しております。 2019年10月に出資したシリコンバレーのベンチャーキャピタル「GoAhead Ventures」のオフィスにて、当社サテライトオフィスを開設している米国においては、今後も引き続き先進技術に係るリサーチ機能の強化を図ってまいります。 グローバル部門においては、ソフトウエアテストやその実行・管理の自動化、製品開発支援およびアプリケーション開発分野での、日本における既存のピラー顧客からの受注が堅調に推移しております。PC/IT機器の分野では、グローバル大手PCメーカーの取引拡大に加えて他の大手PCメーカーへの横展開を推進、また、AI先進分野の領域においては、グローバル製薬企業などの医療領域をはじめとする新規受注を順調に拡大するなど、業界を代表する大手顧客を中心に、顧客のピラー化に向けた積極的な取り組みを継続強化しております。新たなソリューションとして取り組みを開始した IVA(インテリジェントビデオ解析)技術を活用したEdge IoT/AIoT/ARの分野に関しても、遠隔支援ソリューションをはじめとする各種先進ソリューションが、実証実験を経て、モビリティ領域における顧客にて実際に採用・運用されております。さらには製品外観検査等の工場DXに資するスマートファクトリーの分野においても、ピラー化の規模拡大に向けた協業拡大が継続しており、今後は同領域におけるさらなる横展開が期待されます。 a.グローバル部門グローバル事業は、主に国内外のPC/IT機器や自動車、産業機械をはじめとする製造業や医療および流通/小売・サービス業に関連する大手企業を主要顧客に、フィリピン子会社及び中国子会社と連携し、組込みソフトウエア開発、ビジネスアプリケーション開発、製品評価サービスの提供、および3Aを基に進化・発展させたコア・ソリューションによる次世代型ソリューションの提供を行っております。 b.エンタープライズソリューション部門 エンタープライズソリューション部門では、IBM Solutions Delivery, Inc. をはじめとする大口法人向けに、フィリピン子会社を活用し、金融や公共インフラ領域をはじめとするソリューションサービスの企画、営業及びデリバリー活動を行っております。 (注1)国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines) フィリピンを代表する情報技術団体であるIBPAP(The Information Technology and Business Process Association of the Philippines)の協力のもと、在フィリピンカナダ商工会議所によって運営されており、デザイン及び開発の側面において、ソフトウエア・カンパニーとして、その年のフィリピン国内にて最も創造的な役割を担った企業に送られる賞。評価基準としては、年間売上成長率等の定量的な側面に加え、顧客への提供サービスの多様性やコンピタンス、経営管理手法、フィリピンのICT産業への貢献度等が挙げられる。 (注2)アジアCEOアワード(Asia CEO Awards) フィリピンの通信事業最大手であるPLDT Enterprise社が主催するアジア最大級のビジネスアワードであり、ASEAN地域のビジネス拡大促進を目的に、多大な功績と貢献を果たした個人や団体を表彰するもの。 (2) メディカル事業 当事業では、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを中心としたビジネス戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当事業の中核を担う子会社株式会社エーアイエスは、医療現場の業務効率を改善し、経営品質を高めるため、「Mightyシリーズ」製品としてソリューションシステムを開発、1万9,000を超える医療機関の経営を支援しております。なかでも主力製品であるレセプト(注3)点検ソフト「MightyChecker®」およびオーダリングチェックソフト「Mighty QUBE®」の引き合いは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で一部組込系のマーケティング活動に遅延が生じたものの、総じて引き続き順調に拡大しております。戦略的商品である、次世代レセプトチェックシステム「MightyChecker®EX」及び次世代オーダリングチェックシステム「Mighty Qube® Hybrid」については、大手グループ内病院を含む多数の引き合いをいただいており、直販を中心に導入数は堅調に推移しております。 また、レセプト点検ソフトのリーディングカンパニーとして、当社グループの「3A」による次世代型ソリューションのうち、「Analytics(分析)」の領域の中心的な役割の1つを担っており、医療データ分析事業への本格展開を開始しております。 具体的には、生損保向け新ソリューションの開発、その他データ分析(健保組合・学会等)など、医療のデジタル化に関する新事業を積極的に立ち上げ、Mightyシリーズに次ぐ将来の「新たなサブスク型の収益源」の確保に向け、積極的な投資を実施し、更なる収益率向上の実現に向けた施策に取り組んでおります。これら新施策の一つである、医療データベースを活用した支払審査検索エンジン「保険ナレッジプラットフォーム」の本格的な横展開を推進しており、複数の生命保険会社との実証実験を含めた具体的な商談を実施および展開を実施しており、同時に、同プラットフォームにおける新たなDXメニューの開発にも着手しております。今後は新たなサブスクリプション型メニューとして、保険業界全体へ向けた本プラットフォームの浸透を図ってまいります。 当事業の主力製品であるMightyシリーズのラインアップは、下記のとおりであります。 ① レセプト点検ソフト「MightyChecker®(マイティーチェッカー)」平成21年5月8日付平成21年厚生労働省令第110号「療養給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令の一部を改正する省令」により、一部例外を除き、医療機関はオンラインによるレセプトの請求が義務付けられるようになりました。審査支払機関における審査強化の動きも重なり、レセプトチェックの精度と効率を上げることは、医療機関において、経営上の重要な課題となりました。「MightyChecker®」シリーズでは、レセプト電算処理・レセプトオンライン請求が一般化された現在、医療機関にとって必須ツールであり、院内審査(注4)における査定・返戻対策用の機能に留まらず、その後の機能強化により請求漏れのある可能性がある指導料や加算項目等の指摘を行うことを可能とし、また、グラフィック機能の搭載、査定金額順点検の実現、加えて、査定・返戻データの取り込みにより査定された該当レセプトの抽出、それに基づくスムーズなデータベース修正、集計分析機能などを追加し、業界の中でもユニークで先駆的製品として供給を続けております。 「MightyChecker®」の特徴については、下記のとおりであります。製品名特徴MightyChecker® EX(マイティーチェッカーイーエックス)・AI検知を備えた次世代型レセプト点検ソフトウエア・マルチレセプト表示機能で2つのレセプトを同時に確認・レセプト点検後のエラーメッセージをクリックすると、点検ポイントが表示され、わかりやすく保険ルールを解説・患者ごとに付箋・ステータスが入力でき、レセプト点検の作業効率が大幅に向上MightyChecker® PRO Analyze(マイティーチェッカープロアナライズ)・医科レセプト点検ソフトウエアの上級システム・点検結果を分析し、効率的な点検業務を提案・査定・返戻対策に加え、レセプト点検結果を活用した、より効率的な点検結果の活用が可能・査定返戻データ取り込みによりスムーズなデータベース修正を実現し、査定返戻の抑止を強化MightyChecker® PRO Advance(マイティーチェッカープロアドバンス)・医科レセプト点検ソフトウエアの普及型システム・病名・医薬品・医療行為の適応症を点検・査定・返戻対策の点検(突合点検・縦覧点検・算定日チェック等)・算定支援機能による点検(指導料等で算定できる可能性がある項目をチェック)MightyChecker® for ORCA(注5)(マイティーチェッカーフォーオルカ)・MightyChecker® PRO Advanceが日医標準レセプトソフト「ORCA」と連携・ORCAで入力されたデータを、MightyChecker® PRO Advanceと同じ点検機能でスムーズに点検することが可能MightyChecker® DENTAL(マイティーチェッカーデンタル)・歯科レセプト点検ソフトウエア・MightyChecker® PROとの併用で医科・歯科トータルな点検が可能MightyChecker® Cloud(マイティーチェッカークラウド)・インターネット版レセプト点検サービスの提供・PCにアプリケーションがインストールされてなくても、サーバーへアクセスすることで、レセプト点検ソフトを利用することが可能 ② オーダリングチェックソフト「Mighty QUBE® PRO(マイティーキューブプロ)」「MightyChecker®(マイティーチェッカー)」のデータベースを活用し、疾患と診療行為・投薬の適応性、投与量・日数等を処方オーダー時に点検し、不適応のもの、病名が漏れているケースへエラーを出す仕組みとして、国立大学法人東京大学と共同開発したものであり、オーダリング時の人為的な誤入力・誤操作を防ぐことで、医療事故(ヒヤリ・ハット)や査定(減額)を防止します。 ③ レセプト点検ソフト+オーダリングチェック「MightyDouble®(マイティーダブル)」 ①レセプト点検機能を搭載した「MightyChecker® PRO」による「収益改善」と、②オーダー点検機能を搭載した「Mighty QUBE® PRO」による「ヒヤリ・ハット防止」をダブルでサポートすることにより、オーダーチェック情報、レセプトチェック情報を一元管理でき、医療の安全管理及びリスクマネジメント対策を実現し、総合的なチェック体制を構築することで、病院経営の健全化にも効果的であり、また、審査支払機関における審査強化に対応しております。 ④リアルタイム点検ソフト「MightyQUBE Hybrid(マイティーキューブハイブリッド)」医療分野でのクラウドに対する需要は増加の一途を辿り、市場規模は急拡大を続けております。当ソフトは「Mighty QUBE® PRO」の進化版として、院内サーバー(オンプレミス)またはクラウドサーバーのいずれにも接続可能な電子カルテ組み込み型リアルタイム点検ソフトであり、各種指導料や加算の漏れを瞬時に指摘し、病院の収益増加を保証いたします。また、縦覧点検機能を実装し、レセプトのB査定(提出レセプトの減額査定)を事前に解消し、医療安全に寄与すると同時に、医師の時間短縮等、医療安全確保、医師の働き方改革、病院経営に貢献いたします。 ※「MightyChecker®」「Mighty QUBE®」「MightyDouble®」は、株式会社エーアイエスの登録商標であります。 (注3)レセプト 患者様が受けた診療について、医療機関が市町村や健康保険組合等の公的機関に対し、保険負担分の支払いを請求する医療診療の明細書。医科・歯科の場合には「診療報酬明細書」、薬局における調剤の場合には「調剤報酬明細書」と呼ばれる。 (注4)院内審査 医療機関自らが内部で実施する自己点検業務。 (注5)ORCA(オルカ) 日本医師会が会員のために開発・提供している無料レセプトソフト。2023年5月15日現在、18,899施設で稼働している(出典:「ORCA PROJECT 日本医師会ORCA管理機構」ホームページ)。 事業の系統図は、次のとおりであります。 なお、Ubicom U.S.A., Inc. については、量的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
FY2022|8,124 文字|出典 docID: S100OFUN
3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社5社、持分法適用関連会社1社で構成されており、『グローバル事業』と『メディカル事業』の2つのセグメントに分類されます。グローバル事業は、グローバル部門及びエンタープライズソリューション部門の2つの部門により構成され、日本及びフィリピンを中心拠点として、PC/IT機器や自動車、産業機械をはじめとする製造業や医療、金融/公共および流通/小売・サービス業など幅広い業界に対して、ITソリューションサービスを提供し続けております。 メディカル事業では、病院等の医療機関あるいは関連施設に関わる、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、医療データ分析及びコンサルテーションを行っております。 また、当社グループは、国際化や少子高齢化などの社会構造の変化などの社会変革、医療生命科学やロボット・人工知能の分野における技術革新を新規ビジネス創出のチャンスと捉え、戦略的ドメインとする医療、金融/公共、自動車、製造業および流通/小売・サービス業等の分野において、「3A」(「Automation(ソフトウエアテスト等の実行・管理の自動化)」「Analytics(ビッグデータと分析)」「AI(人工知能)」)を基に進化・発展させたコア・ソリューションを次世代型ソリューションと位置付け、事業モデルを展開しております。「金融領域」においては、金融機関向け案件を中心に、業務アプリケーションの開発やフィンテック時代に向けたシステム移行需要に係る開発を支援しております。「医療領域」においては、医療事業を担う中核としてレセプト点検ソフトウエア等を開発する株式会社エーアイエスを中心に、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、医療データ分析を中心としたビジネスモデル戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 (1) グローバル事業 グローバル事業は、主に国内外のグローバル企業を主要顧客に、当社海外子会社であるAdvanced World Systems, Inc. とAdvanced World Solutions, Inc. (以下、「フィリピン子会社」という。)、および北京爱维森科技有限公司(以下「中国子会社」)、並びに持分法適用関連会社であるAlsons/AWS Information Systems, Inc.を活用したシステム開発業務を行っており、システム開発業界の競合の激化、国際化という業界環境の流れの中で、低コスト、高品質を同時に実現すべくサービスを提供し続け、フィリピン子会社は、2006年1月に当社の子会社となる以前の、前身であるAPTi Philippines, Inc.が設立された1993年以来、約30年に渡る開発実績を積み上げております。 近年、IT製品開発は、国内から海外の事業者や海外子会社に委託する形態が広がりをみせております。従来の海外への開発委託は主として、労働集約型の業務を単価の安い海外へアウトソーシングすることにより、開発及び保守・運用コストの削減を目的としたものでございましたが、我が国における少子高齢化を背景にしたIT人材不足を背景に、AI、IoT、ロボティクスといった最先端分野も含め、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進において戦略的に海外の人材を活用することが必要な段階に差し掛かっております。 また、急激に成長する新興国市場への投資が拡大しており、なかでもグローバルレベルでのIT統制の必要性が高まっております。当社グループが主たる事業拠点としているフィリピン共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の新興国として年6%程度の経済成長(2010-2019年の平均値)を続けており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で2020年通年の成長率は前年比マイナス9.5%と大幅に落ち込んだものの2022年以降は大幅な回復を見込んでおります(出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)「世界貿易投資報告:フィリピン編」他)。また、人口動態予測でも、消費者・就労者人口とも一貫して増え続ける予想(出典:総務省統計局「世界の統計2020」2-2 世界人口・年齢構成の推移(1950~2050年))となっております。当社グループは、ソフトウエアの設計・開発から製品保証まで、英語・日本語のバイリンガルな環境で広範なシステム開発のサービスを行っております。国内外を代表する大手製造業と協業をしている経験と実績を基に、信頼できる開発パートナーとして、確かな技術と品質を提供しております。 フィリピン子会社の活用形態は、主に①フィリピン国内における事業所において開発を行う(オフショア開発)、②フィリピン子会社の開発要員を当社に出向させ、そこから日本国内の顧客の開発拠点にて直接開発を行う(オンショア開発)の二形態があります。当社グループでは、顧客の個々の要望に応じてこれらの二形態の組み合わせを基礎として最適な開発形態を都度構築しております。また、フィリピンの人件費水準、および現地従業員の英語力は、同業との競合において差別化を図れる重要な要素となっております。さらに国内においては、外部の人材についても積極的に活用することを目的として、当社が一般労働者派遣事業の免許を取得し、人材派遣業務を行っております。 フィリピン子会社の従業員は当社グループの重要な経営資源であり、フィリピンおよび日本において直接クライアントとのやり取りを通じ開発を実施することから、英語と日本語のバイリンガル能力に加え、高度なIT技術を有するエンジニアの育成が必要となります。そのため、フィリピン子会社においては、毎年計画的にフィリピン全国の理工学系専攻新卒者の上位成績者を中心に採用し、戦略的人材育成を行っております。具体的には、2003年4月に設立したフィリピンのマニラとセブそれぞれの施設内に所在する社内研修センター「AWS's Center for Technology Incubation(通称:ACTION)」を活用し、4ヶ月間の集中新人研修プログラムを行い、日本語環境下での高度なソフトウエア開発ができる要員を養成しております。 この社内研修センター「ACTION」ではIT分野の基礎技術・知識の教育に始まり、ソフトウエア開発に関わる最新技術、ビジネススキル、さらに日本人講師による日本語講座等の研修コースを設け、従業員の技術力向上を継続的に支援しております。フィリピン子会社では、高い技術力で長年、国際優良企業と協業してきた実績を基に、グローバルな市場で評価されるソリューションを創造・提供し続けた結果、子会社Advanced World Solutions, Inc. は、国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines)(注1)にて、2016年3月に「Best Software Company of the Year」を受賞、翌年の2017年3月に「Best Company of the Year for Information Technology & Software Development」を受賞、また、子会社Advanced World Solutions, Inc.は、2017年10月に開催されたアジアCEOアワード2017(注2)にて「Technology Company of the Year」並びに「Service Excellence Company of the Year」の2部門においてファイナリストに選出される等、高い評価を受けております。更には、当社フィリピン子会社に在籍するエンジニア2名が、アジア版情報処理技術者試験「ITPECアジア共通統一試験」のトップ合格者の中でも特に優秀な人材として、「アジアトップガン2020」に選出されております。 中国においては、中国子会社における当社グループの主要顧客向けの開発を核に据えつつも、幅広い新規の顧客をターゲットにした事業拡大を推進、拠点の拡充および戦略的な人材投資を積極的に実施しております。 2019年10月に出資したシリコンバレーのベンチャーキャピタル「GoAhead Ventures」のオフィスにて、当社サテライトオフィスを開設している米国においては、今後も引き続き先進技術に係るリサーチ機能の強化を図ってまいります。 昨今のグローバル事業の取り組みと致しましては、PC/IT機器の分野において、グローバル大手PCメーカーの取引拡大に加えて他の大手PCメーカーへの横展開を推進、また、AIチャットボット領域における大手監査法人系グローバルコンサルティンググループにて、実用段階を経て、今後の当該会社グループでの他領域における横展開を見据え、受注を順調に拡大するなど、業界を代表する大手顧客を中心に、顧客のピラー化・サブピラー化に向けた積極的な提案を継続強化しております。さらには、新たなソリューションとして取り組みを開始した IVA(インテリジェントビデオ解析)技術においては、(1) Edge IoT/AIoT/ARの分野に関して遠隔支援ソリューションをはじめとする各種先進ソリューションが実証実験を経て、モビリティ領域における顧客にて実際に採用・運用されており、また、(2) 製品外観検査装置へのAI導入支援が製造業の顧客にて採用され、今後は同技術の更なる横展開が期待されます。 a.グローバル部門グローバル事業は、主に国内外のPC/IT機器や自動車、産業機械をはじめとする製造業や医療および流通/小売・サービス業に関連する大手企業を主要顧客に、フィリピン子会社及び中国子会社と連携し、組込みソフトウエア開発、ビジネスアプリケーション開発、製品評価サービスの提供、および3Aを基に進化・発展させたコア・ソリューションによる次世代型ソリューションの提供を行っております。 b.エンタープライズソリューション部門 エンタープライズソリューション部門では、IBM Solutions Delivery, Inc. をはじめとする大口法人向けに、フィリピン子会社を活用し、金融や公共インフラ領域をはじめとするソリューションサービスの企画、営業及びデリバリー活動を行っております。 (注1)国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines) フィリピンを代表する情報技術団体であるIBPAP(The Information Technology and Business Process Association of the Philippines)の協力のもと、在フィリピンカナダ商工会議所によって運営されており、デザイン及び開発の側面において、ソフトウエア・カンパニーとして、その年のフィリピン国内にて最も創造的な役割を担った企業に送られる賞。評価基準としては、年間売上成長率等の定量的な側面に加え、顧客への提供サービスの多様性やコンピタンス、経営管理手法、フィリピンのICT産業への貢献度等が挙げられる。 (注2)アジアCEOアワード(Asia CEO Awards) フィリピンの通信事業最大手であるPLDT Enterprise社が主催するアジア最大級のビジネスアワードであり、ASEAN地域のビジネス拡大促進を目的に、多大な功績と貢献を果たした個人や団体を表彰するもの。 (2) メディカル事業 当事業では、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを中心としたビジネス戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当事業の中核を担う子会社株式会社エーアイエスは、医療現場の業務効率を改善し、経営品質を高めるため、「Mightyシリーズ」製品としてソリューションシステムを開発、1万8,000を超える医療機関の経営を支援しております。なかでも主力製品であるレセプト(注5)点検ソフト「MightyChecker®」およびオーダリングチェックソフト「MightyQUBE®」の引き合いは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で一部組込系のマーケティング活動に遅延が生じたものの、総じて引き続き順調に拡大しております。戦略的商品である、次世代レセプトチェックシステム「MightyChecker®EX」については、大手グループ内病院を含む多数の引き合いをいただいており、直販を中心に導入数は堅調に推移しております。 また、レセプト点検ソフトのリーディングカンパニーとして、当社グループの「3A」による次世代型ソリューションのうち、「Analytics(分析)」の領域の中心的な役割の1つを担っており、医療データ分析事業への本格展開を開始しております。 具体的には、生損保向け新ソリューションの開発、その他データ分析(健保組合・学会等)など、医療のデジタル化に関する新事業を積極的に立ち上げ、Mightyシリーズに次ぐ将来の「新たなサブスク型の収益源」の確保に向け、積極的な投資を実施し、更なる収益率向上の実現に向けた施策に取り組んでおります。これら新施策の一つである、医療データベースを活用した支払審査検索エンジン「保険ナレッジプラットフォーム」の本格的な横展開を推進しており、複数の生命保険会社との実証実験を含めた具体的な商談を実施および展開を実施しており、同時に、同プラットフォームにおける新たなDXメニューの開発にも着手しております。今後は新たなサブスクリプション型メニューとして、保険業界全体へ向けた本プラットフォームの浸透を図ってまいります。 当事業の主力製品であるMightyシリーズのラインアップは、下記のとおりであります。 ① レセプト点検ソフト「MightyChecker®(マイティーチェッカー)」平成21年5月8日付平成21年厚生労働省令第110号「療養給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令の一部を改正する省令」により、一部例外を除き、医療機関はオンラインによるレセプトの請求が義務付けられるようになりました。審査支払機関における審査強化の動きも重なり、レセプトチェックの精度と効率を上げることは、医療機関において、経営上の重要な課題となりました。「MightyChecker®」シリーズでは、レセプト電算処理・レセプトオンライン請求が一般化された現在、医療機関にとって必須ツールであり、院内審査(注6)における査定・返戻対策用の機能に留まらず、その後の機能強化により請求漏れのある可能性がある指導料や加算項目等の指摘を行うことを可能とし、また、グラフィック機能の搭載、査定金額順点検の実現、加えて、査定・返戻データの取り込みにより査定された該当レセプトの抽出、それに基づくスムーズなデータベース修正、集計分析機能などを追加し、業界の中でもユニークで先駆的製品として供給を続けております。 「MightyChecker®」の特徴については、下記のとおりであります。製品名特徴MightyChecker® EX(マイティーチェッカーイーエックス)・AI検知を備えた次世代型レセプト点検ソフトウエア・マルチレセプト表示機能で2つのレセプトを同時に確認・レセプト点検後のエラーメッセージをクリックすると、点検ポイントが表示され、わかりやすく保険ルールを解説・患者ごとに付箋・ステータスが入力でき、レセプト点検の作業効率が大幅に向上MightyChecker® PRO Analyze(マイティーチェッカープロアナライズ)・医科レセプト点検ソフトウエアの上級システム・点検結果を分析し、効率的な点検業務を提案・査定・返戻対策に加え、レセプト点検結果を活用した、より効率的な点検結果の活用が可能・査定返戻データ取り込みによりスムーズなデータベース修正を実現し、査定返戻の抑止を強化MightyChecker® PRO Advance(マイティーチェッカープロアドバンス)・医科レセプト点検ソフトウエアの普及型システム・病名・医薬品・医療行為の適応症を点検・査定・返戻対策の点検(突合点検・縦覧点検・算定日チェック等)・算定支援機能による点検(指導料等で算定できる可能性がある項目をチェック)Mighty Checker® for ORCA(注7)(マイティーチェッカーフォーオルカ)・MightyChecker® PRO Advanceが日医標準レセプトソフト「ORCA」と連携・ORCAで入力されたデータを、Mighty Checker PRO Advanceと同じ点検機能でスムーズに点検することが可能MightyChecker® DENTAL(マイティーチェッカーデンタル)・歯科レセプト点検ソフトウエア・MightyChecker® PROとの併用で医科・歯科トータルな点検が可能MightyChecker® Cloud(マイティーチェッカークラウド)・インターネット版レセプト点検サービスの提供・PCにアプリケーションがインストールされてなくても、サーバーへアクセスすることで、レセプト点検ソフトを利用することが可能 ② オーダリングチェックソフト「MightyQUBE® PRO(マイティーキューブプロ)」「MightyChecker®(マイティーチェッカー)」のデータベースを活用し、疾患と診療行為・投薬の適応性、投与量・日数等を処方オーダー時に点検し、不適応のもの、病名が漏れているケースへエラーを出す仕組みとして、国立大学法人東京大学と共同開発したものであり、オーダリング時の人為的な誤入力・誤操作を防ぐことで、医療事故(ヒヤリ・ハット)や査定(減額)を防止します。 ③ レセプト点検ソフト+オーダリングチェック「MightyDouble®(マイティーダブル)」 ①レセプト点検機能を搭載した「MightyChecker® PRO」による「収益改善」と、②オーダー点検機能を搭載した「MightyQUBE® PRO」による「ヒヤリ・ハット防止」をダブルでサポートすることにより、オーダーチェック情報、レセプトチェック情報を一元管理でき、医療の安全管理及びリスクマネジメント対策を実現し、総合的なチェック体制を構築することで、病院経営の健全化にも効果的であり、また、審査支払機関における審査強化に対応しております。 ※「MightyChecker®」「MightyQUBE®」「MightyDouble®」は、株式会社エーアイエスの登録商標であります。 (注5)レセプト 患者様が受けた診療について、医療機関が市町村や健康保険組合等の公的機関に対し、保険負担分の支払いを請求する医療診療の明細書。医科・歯科の場合には「診療報酬明細書」、薬局における調剤の場合には「調剤報酬明細書」と呼ばれる。 (注6)院内審査 医療機関自らが内部で実施する自己点検業務。 (注7)ORCA(オルカ) 日本医師会が会員のために開発・提供している無料レセプトソフト。2022年5月15日現在、18,077施設で稼働している(出典:「ORCA PROJECT 日本医師会ORCA管理機構」ホームページ)。 事業の系統図は、次のとおりであります。 なお、Ubicom U.S.A., Inc. については、量的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
FY2021|8,017 文字|出典 docID: S100LO6S
3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社5社、持分法適用関連会社1社で構成されており、『グローバル事業』と『メディカル事業』の2つのセグメントに分類されます。グローバル事業は、グローバル部門及びエンタープライズソリューション部門の2つの部門により構成され、日本及びフィリピンを中心拠点として、PC/IT機器や自動車、産業機械をはじめとする製造業や医療、金融/公共および流通/小売・サービス業など幅広い業界に対して、ITソリューションサービスを提供し続けております。 メディカル事業では、病院等の医療機関あるいは関連施設に関わる、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、医療データ分析及びコンサルテーションを行っております。 また、当社グループは、国際化や少子高齢化などの社会構造の変化などの社会変革、医療生命科学やロボット・人工知能の分野における技術革新を新規ビジネス創出のチャンスと捉え、戦略的ドメインとする医療、金融/公共、自動車、製造業および流通/小売・サービス業等の分野において、「3A」(「Automation(ソフトウエアテスト等の実行・管理の自動化)」「Analytics(ビックデータと分析)」「AI(人工知能)」)を基に進化・発展させたコア・ソリューションを次世代型ソリューションと位置付け、事業モデルを展開しております。「金融領域」においては、金融機関向け案件を中心に、業務アプリケーションの開発やフィンテック時代に向けたシステム移行需要に係る開発を支援しております。「医療領域」においては、医療事業を担う中核としてレセプト点検ソフトウエア等を開発する株式会社エーアイエスを中心に、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、医療データ分析を中心としたビジネスモデル戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 (1) グローバル事業 グローバル事業は、主に国内外のグローバル企業を主要顧客に、当社海外子会社であるAdvanced World Systems, Inc. とAdvanced World Solutions, Inc. (以下、「フィリピン子会社」という。)、および北京爱维森科技有限公司(以下「中国子会社」)、並びに持分法適用関連会社であるAlsons/AWS Information Systems, Inc.を活用したシステム開発業務を行っており、システム開発業界の競合の激化、国際化という業界環境の流れの中で、低コスト、高品質を同時に実現すべくサービスを提供し続け、フィリピン子会社は、2006年1月に当社の子会社となる以前の、前身であるAPTi Philippines, Inc.が設立された1993年以来、25年以上に渡る開発実績を積み上げております。 近年、IT製品開発は、国内から海外の事業者や海外子会社に委託する形態が広がりをみせております。従来の海外への開発委託は主として、労働集約型の業務を単価の安い海外へアウトソーシングすることにより、開発及び保守・運用コストの削減を目的としたものでございましたが、我が国における少子高齢化を背景にしたIT人材不足を背景に、AI、IoT、ロボティクスといった最先端分野も含め、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進において戦略的に海外の人材を活用することが必要な段階に差し掛かっております。 また、急激に成長する新興国市場への投資が拡大しており、なかでもグローバルレベルでのIT統制の必要性が高まっております。当社グループが主たる事業拠点としているフィリピン共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の新興国として年6%程度の経済成長(2010-2019年の平均値)を続けており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で2020年通年の成長率は前年比マイナス9.5%と大幅に落ち込んだものの2022年以降は大幅な回復を見込んでおります(出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)「世界貿易投資報告:フィリピン編」他)。また、人口動態予測でも、消費者・就労者人口とも一貫して増え続ける予想(出典:総務省統計局「世界の統計2020」2-2 世界人口・年齢構成の推移(1950~2050年))となっております。当社グループは、ソフトウエアの設計・開発から製品保証まで、英語・日本語のバイリンガルな環境で広範なシステム開発のサービスを行っております。国内外を代表する大手製造業と協業をしている経験と実績を基に、信頼できる開発パートナーとして、確かな技術と品質を提供しております。 フィリピン子会社の活用形態は、主に①フィリピン国内における事業所において開発を行う(オフショア開発)、②フィリピン子会社の開発要員を当社に出向させ、そこから日本国内の顧客の開発拠点にて直接開発を行う(オンショア開発)の二形態があります。当社グループでは、顧客の個々の要望に応じてこれらの二形態の組み合わせを基礎として最適な開発形態を都度構築しております。また、フィリピンの人件費水準、および現地従業員の英語力は、同業との競合において差別化を図れる重要な要素となっております。さらに国内においては、外部の人材についても積極的に活用することを目的として、当社が一般労働者派遣事業の免許を取得し、人材派遣業務を行っております。 フィリピン子会社の従業員は当社グループの重要な経営資源であり、フィリピンおよび日本において直接クライアントとのやり取りを通じ開発を実施することから、英語と日本語のバイリンガル能力に加え、高度なIT技術を有するエンジニアの育成が必要となります。そのため、フィリピン子会社においては、毎年計画的にフィリピン全国の理工学系専攻新卒者の上位成績者のみを採用し、戦略的人材育成を行っております。具体的には、2003年4月に設立したフィリピンのマニラとセブそれぞれの施設内に所在する社内研修センター「AWS's Center for Technology Incubation(通称:ACTION)」を活用しし、4ヶ月間の集中新人研修プログラムを行い、日本語環境下での高度なソフトウエア開発ができる要員を養成しております。 この社内研修センター「ACTION」ではIT分野の基礎技術・知識の教育に始まり、ソフトウエア開発に関わる最新技術、ビジネススキル、さらに日本人講師による日本語講座等の研修コースを設け、従業員の技術力向上を継続的に支援しております。フィリピン子会社では、高い技術力で長年、国際優良企業と協業してきた実績を基に、グローバルな市場で評価されるソリューションを創造・提供し続けた結果、子会社Advanced World Solutions, Inc. は、国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines)(注1)にて、2016年3月に「Best Software Company of the Year」を受賞、翌年の2017年3月に「Best Company of the Year for Information Technology & Software Development」を受賞、また、子会社Advanced World Solutions, Inc.は、2017年10月に開催されたアジアCEOアワード2017(注2)にて「Technology Company of the Year」並びに「Service Excellence Company of the Year」の2部門においてファイナリストに選出される等、高い評価を受けております。更には、当社フィリピン子会社に在籍するエンジニア2名が、アジア版情報処理技術者試験「ITPECアジア共通統一試験」のトップ合格者の中でも特に優秀な人材として、「アジアトップガン2020」に選出されております。 中国においては、中国子会社における当社グループの主要顧客向けの開発を核に据えつつも、幅広い新規の顧客をターゲットにした事業拡大を推進しております。 2019年10月に出資したシリコンバレーのベンチャーキャピタル「GoAhead Ventures」のオフィスにて、当社サテライトオフィスを開設している米国においては、今後も引き続き先進技術に係るリサーチ機能の強化を図ってまいります。 昨今のグローバル事業の取り組みと致しましては、PC/IT機器の分野において、グローバル大手PCメーカーの取引拡大に加えて他の大手PCメーカーへの横展開推進が実り、また、AIチャットボット領域における大手監査法人系グローバルコンサルティンググループにて、今後の実用段階および当該会社グループでの他領域における横展開を見据え、取引を順調に拡大するなど、業界を代表する大手顧客を中心に、顧客のピラー化・サブピラー化に向けた積極的な提案を強化しております。更には、新たなソリューションとして取り組みを開始した IVA(インテリジェントビデオ解析)技術を活用したEdge IoT/AIoT分野に関しても、モビリティ領域における顧客へのR&D支援をはじめ顧客への提案を引き続き推進しております。 a.グローバル部門グローバル事業は、主に国内外のPC/IT機器や自動車、産業機械をはじめとする製造業や医療および流通/小売・サービス業に関連する大手企業を主要顧客に、フィリピン子会社及び中国子会社と連携し、組込みソフトウエア開発、ビジネスアプリケーション開発、製品評価サービスの提供、および3Aを基に進化・発展させたコア・ソリューションによる次世代型ソリューションの提供を行っております。 b.エンタープライズソリューション部門 エンタープライズソリューション部門では、IBM Solutions Delivery, Inc. をはじめとする大口法人向けに、フィリピン子会社を活用し、金融や公共インフラ領域をはじめとするソリューションサービスの企画、営業及びデリバリー活動を行っております。 (注1)国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines) フィリピンを代表する情報技術団体であるIBPAP(The Information Technology and Business Process Association of the Philippines)の協力のもと、在フィリピンカナダ商工会議所によって運営されており、デザイン及び開発の側面において、ソフトウエア・カンパニーとして、その年のフィリピン国内にて最も創造的な役割を担った企業に送られる賞。評価基準としては、年間売上成長率等の定量的な側面に加え、顧客への提供サービスの多様性やコンピタンス、経営管理手法、フィリピンのICT産業への貢献度等が挙げられる。 (注2)アジアCEOアワード(Asia CEO Awards) フィリピンの通信事業最大手であるPLDT Enterprise社が主催するアジア最大級のビジネスアワードであり、ASEAN地域のビジネス拡大促進を目的に、多大な功績と貢献を果たした個人や団体を表彰するもの。 (2) メディカル事業 当事業では、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを中心としたビジネス戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当事業の中核を担う子会社株式会社エーアイエスは、医療現場の業務効率を改善し、経営品質を高めるため、「Mightyシリーズ」製品としてソリューションシステムを開発、1万7,400を超える医療機関の経営を支援しております。なかでも主力製品であるレセプト(注5)点検ソフト「Mighty Checker®」およびオーダリングチェックソフト「Mighty QUBE®」の引き合いは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で一部組込系のマーケティング活動に遅延が生じたものの、総じて引き続き順調に拡大しております。戦略的商品である、次世代レセプトチェックシステム「MightyChecker®EX」については、売上トップクラスの大手グループ内病院を含む多数の引き合いをいただいており、直販を中心に導入数は堅調に推移しております。 また、レセプト点検ソフトのリーディングカンパニーとして、当社グループの「3A」による次世代型ソリューションのうち、「Analytics(分析)」の領域の中心的や役割の1つを担っており、医療データ分析事業への本格展開を開始しております。 具体的には、生損保向け新ソリューションの開発、その他データ分析(健保組合・学会等)など、医療のデジタル化に関する新事業を積極的に立ち上げ、Mightyシリーズに次ぐ将来の「新たなサブスク型の収益源」の確保に向け、積極的な投資を実施し、更なる収益率向上の実現に向けた施策に取り組んでおります。これら新施策の一つである、医療データベースを活用した支払審査検索エンジン「保険ナレッジプラットフォーム」の生命保険会社における採用が決定、更には本プラットフォームの本格的な横展開が決定されており、本格的なローンチを見据えた本プラットフォームの開発に着手しております。今後は新たなサブスクリプション型メニューとして、保険業界全体へ向けた本プラットフォームの浸透を図ってまいります。 当事業の主力製品であるMightyシリーズのラインアップは、下記のとおりであります。 ① レセプト点検ソフト「Mighty Checker®(マイティーチェッカー)」平成21年5月8日付平成21年厚生労働省令第110号「療養給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令の一部を改正する省令」により、一部例外を除き、医療機関はオンラインによるレセプトの請求が義務付けられるようになりました。審査支払機関における審査強化の動きも重なり、レセプトチェックの精度と効率を上げることは、医療機関において、経営上の重要な課題となりました。「Mighty Checker®」シリーズでは、レセプト電算処理・レセプトオンライン請求が一般化された現在、医療機関にとって必須ツールであり、院内審査(注6)における査定・返戻対策用の機能に留まらず、その後の機能強化により請求漏れのある可能性がある加算項目の指摘を行うことを可能とし、また、グラフィック機能の搭載、請求金額順点検の実現、加えて、査定・返戻データの取り込みにより査定された該当レセプトの抽出、それに基づくスムーズなデータベース修正、集計分析機能などを追加し、業界の中でもユニークで先駆的製品として供給を続けております。 「Mighty Checker®」の特徴については、下記のとおりであります。製品名特徴Mighty Checker® EX(マイティーチェッカーイーエックス)・AI検知を備えた次世代型レセプト点検ソフトウエア・マルチレセプト表示機能で2つのレセプトを同時に確認・レセプト点検後のエラーメッセージをクリックすると、点検ポイントが表示され、わかりやすく保険ルールを解説・患者ごとに付箋・ステータスが入力でき、レセプト点検の作業効率が大幅に向上Mighty Checker® PRO Analyze(マイティーチェッカープロアナライズ)・医科レセプト点検ソフトウエアの上級システム・点検結果を分析し、効率的な点検業務を提案・査定・返戻対策に加え、レセプト点検結果を活用した、より効率的な点検結果の活用が可能・査定返戻データ取り込みによりスムーズなデータベース修正を実現し、査定返戻の抑止を強化Mighty Checker® PRO Advance(マイティーチェッカープロアドバンス)・医科レセプト点検ソフトウエアの普及型システム・病名・医薬品・医療行為の適応症を点検・査定・返戻対策の点検(突合点検・縦覧点検・算定日チェック等)・算定支援機能による点検(指導料等で算定できる可能性がある項目をチェック)Mighty Checker® for ORCA(注7)(マイティーチェッカーフォーオルカ)・Mighty Checker® PRO Advanceが日医標準レセプトソフト「ORCA」と連携・ORCAで入力されたデータを、Mighty Checker PRO Advanceと同じ点検機能でスムーズに点検することが可能Mighty Checker® DENTAL(マイティーチェッカーデンタル)・歯科レセプト点検ソフトウエア・Mighty Checker® PROとの併用で医科・歯科トータルな点検が可能Mighty Checker® Cloud(マイティーチェッカークラウド)・インターネット版レセプト点検サービスの提供・PCにアプリケーションがインストールされてなくても、サーバーへアクセスすることで、レセプト点検ソフトを利用することが可能 ② オーダリングチェックソフト「Mighty QUBE® PRO(マイティーキューブプロ)」「Mighty Checker®(マイティーチェッカー)」のデータベースを活用し、疾患と診療行為・投薬の適応性、用法用量等を処方オーダー時に点検し、不適応のもの、病名が漏れているケースへエラーを出す仕組みとして、国立大学法人東京大学と共同開発したものであり、オーダリング時の人為的な誤入力・誤操作を防ぐことで、医療事故(ヒヤリ・ハット)や査定(減額)を防止します。 ③ レセプト点検ソフト+オーダリングチェック「Mighty Double®(マイティーダブル)」 ①レセプト点検機能を搭載した「Mighty Checker® PRO」による「収益改善」と、②オーダー点検機能を搭載した「Mighty QUBE® PRO」による「ヒヤリ・ハット防止」をダブルでサポートすることにより、オーダーチェック情報、レセプトチェック情報を一元管理でき、医療の安全管理及びリスクマネジメント対策を実現し、総合的なチェック体制を構築することで、病院経営の健全化にも効果的であり、また、審査支払機関における審査強化に対応しております。 ※「Mighty Checker®」「Mighty QUBE®」「Mighty Double®」は、株式会社エーアイエスの登録商標であります。 (注5)レセプト 患者様が受けた診療について、医療機関が市町村や健康保険組合等の公的機関に対し、保険負担分の支払いを請求する医療診療の明細書。医科・歯科の場合には「診療報酬明細書」、薬局における調剤の場合には「調剤報酬明細書」と呼ばれる。 (注6)院内審査 医療機関自らが内部で実施する自己点検業務。 (注7)ORCA(オルカ) 日本医師会が会員のために開発・提供している無料レセプトソフト。2021年5月15日現在、17,388施設で稼働している(出典:「ORCA PROJECT 日本医師会ORCA管理機構」ホームページ)。 事業の系統図は、次のとおりであります。 なお、Ubicom U.S.A., Inc. については、量的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
FY2020|7,171 文字|出典 docID: S100IYRT
3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社5社、持分法適用関連会社1社で構成されており、『グローバル事業』と『メディカル事業』の2つのセグメントに分類されます。グローバル事業は、グローバル部門、及びエンタープライズソリューション部門の2つの部門により構成され、日本及びフィリピンを中心拠点として、自動車、電機、産業機械をはじめとする製造業や金融、医療および小売・サービス業など幅広い業界に対して、ITソリューションサービスを提供し続けております。 メディカル事業では、病院等の医療機関あるいは関連施設に関わる、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、医療データ分析及びコンサルテーションを行っております。 また、当社グループは、国際化や少子高齢化などの社会構造の変化などの社会変革、医療生命科学やロボット・人工知能の分野における技術革新を新規ビジネス創出のチャンスと捉え、戦略的ドメインとする金融/公共、自動車、医療、そして製造・ロボティクスの分野において、「3A」(「Automation/RPA(ソフトウエアテストあるいは製造ラインの検査工程の自動化)」「Analytics(分析)」「AI(人工知能)」)を基に進化・発展させたコア・ソリューションを次世代型ソリューションと位置付け、事業モデルを展開しております。「金融領域」においては、金融機関向け案件を中心に、業務アプリケーションの開発やフィンテック時代に向けたシステム移行需要に係る開発、金融システムのASEAN諸国や英語圏への海外展開を支援しております。「医療領域」においては、医療事業を担う中核としてレセプト点検ソフトウエア等を開発する株式会社エーアイエスを中心に、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、医療データ分析を中心としたビジネスモデル戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 (1) グローバル事業 グローバル事業は、主に国内外のグローバル企業を主要顧客に、当社海外子会社であるAdvanced World Systems, Inc. とAdvanced World Solutions, Inc. (以下、「フィリピン子会社」という。)、および北京爱维森科技有限公司(以下「中国子会社」)、並びに持分法適用関連会社であるAlsons/AWS Information Systems, Inc.を活用したシステム開発業務を行っており、システム開発業界の競合の激化、国際化という業界環境の流れの中で、低コスト、高品質を同時に実現すべくサービスを提供し続け、フィリピン子会社は、2006年1月に当社の子会社となる以前の、前身であるAPTi Philippines, Inc.が設立された1993年以来、25年以上に渡る開発実績を積み上げております。 近年、IT製品開発は、国内から海外の事業者や海外子会社に委託する形態が広がりをみせております。従来の海外への開発委託は主として、労働集約型の業務を単価の安い海外へアウトソーシングすることにより、開発及び保守・運用コストの削減を目的としたものでございましたが、我が国における少子高齢化を背景にしたIT人材不足を背景に、RPA、IoT、AIといった最先端分野も含め、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進において戦略的に海外の人材を活用することが必要な段階に差し掛かっております。 また、急激に成長する新興国市場への投資が拡大しており、なかでもグローバルレベルでのIT統制の必要性が高まっております。当社グループが主たる事業拠点としているフィリピン共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の新興国として年6%程度の経済成長を続けております(2010-2019年の平均値。出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)「世界貿易投資報告:フィリピン編」他)。また、人口動態予測でも、消費者・就労者人口とも一貫して増え続ける予想(出典:総務省統計局「世界の統計2020」2-2 世界人口・年齢構成の推移(1950~2050年))となっております。当社グループは、ソフトウエアの設計・開発から製品保証まで、英語・日本語のバイリンガルな環境で広範なシステム開発のサービスを行っております。国内外を代表する大手製造業と取引をしている経験と実績を基に、信頼できる開発パートナーとして、確かな技術と品質を提供しております。 フィリピン子会社の活用形態は、主に①フィリピン国内における事業所において開発を行う(オフショア開発)、②フィリピン子会社の開発要員を当社に出向させ、そこから日本国内の顧客の開発拠点にて直接開発を行う(オンショア開発)の二形態があります。当社グループでは、顧客の個々の要望に応じてこれらの二形態の組み合わせを基礎として最適な開発形態を都度構築しております。また、フィリピンの人件費水準、および現地従業員の英語力は、同業との競合において差別化を図れる重要な要素となっております。さらに国内においては、外部の人材についても積極的に活用することを目的として、当社が一般労働者派遣事業の免許を取得し、人材派遣業務を行っております。 フィリピン子会社の従業員は当社グループの重要な経営資源であり、フィリピンおよび日本において直接クライアントとのやり取りを通じ開発を実施することから、英語と日本語のバイリンガル能力に加え、高度なIT技術を有するエンジニアの育成が必要となります。そのため、フィリピン子会社においては、毎年計画的にフィリピン全国の理工学系専攻新卒者の上位成績者のみを採用し、戦略的人材育成を行っております。具体的には、フィリピンのマニラとセブのそれぞれの施設に社内研修センター「AWS's Center for Technology Incubation(通称:ACTION)」を設立し、4ヶ月間の集中新人研修プログラムにおいて日本語環境下での高度なソフトウエア開発ができる要員を養成しております。この社内研修センター「ACTION」ではIT分野の基礎技術・知識の教育に始まり、ソフトウエア開発に関わる最新技術、ビジネススキル、さらに日本人講師による日本語講座等の研修コースを設け、従業員の技術力向上を継続的に支援しております。フィリピン子会社では、高い技術力で長年、国際優良企業と協業してきた実績を基に、グローバルな市場で評価されるソリューションを創造・提供し続けた結果、子会社Advanced World Solutions, Inc. は、国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines)(注1)にて、2016年3月に「Best Software Company of the Year」を受賞、翌年の2017年3月に「Best Company of the Year for Information Technology & Software Development」を受賞、また、子会社Advanced World Solutions, Inc.は、2017年10月に開催されたアジアCEOアワード2017(注2)にて「Technology Company of the Year」並びに「Service Excellence Company of the Year」の2部門においてファイナリストに選出される等、高い評価を受けております。更には、当社フィリピン子会社に在籍するエンジニア2名が、アジア版情報処理技術者試験「ITPECアジア共通統一試験」のトップ合格者の中でも特に優秀な人材として、「アジアトップガン2020」に選出されております。 中国においては、中国子会社における当社グループの主要顧客向けの開発を核に据えつつも、幅広い新規の顧客をターゲットにした事業拡大を推進しております。 米国においては、2017年2月に設立した子会社Ubicom U.S.A., Inc.を核と活動を行っております。2019年10月に米国IT先端企業を投資対象とするファンド「GoAhead Ventures」へ出資を行い、米国の新ITトレンドへのアクセスと先進技術に係るリサーチ機能の発現および当社ソリューションの米国におけるマーケティング推進に取り組んでおります。 a.グローバル部門グローバル事業は、主に国内外の自動車、電機、産業機械をはじめとする製造業や、医療および小売・サービス業に関連する大手企業を主要顧客に、フィリピン子会社及び中国子会社と連携し、組込みソフトウエア開発、ビジネスアプリケーション開発、製品評価サービスの提供、および3Aを基に進化・発展させたコア・ソリューションによる次世代型ソリューションの提供を行っております。 b.エンタープライズソリューション部門 エンタープライズソリューション部門では、日本アイ・ビー・エム株式会社をはじめとする大口法人向けに、フィリピン子会社を活用し、金融や公共インフラ領域をはじめとするソリューションサービスの企画、営業及びデリバリー活動を行っております。 (注1)国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines) フィリピンを代表する情報技術団体であるIBPAP(The Information Technology and Business Process Association of the Philippines)の協力のもと、在フィリピンカナダ商工会議所によって運営されており、デザイン及び開発の側面において、ソフトウエア・カンパニーとして、その年のフィリピン国内にて最も創造的な役割を担った企業に送られる賞。評価基準としては、年間売上成長率等の定量的な側面に加え、顧客への提供サービスの多様性やコンピタンス、経営管理手法、フィリピンのICT産業への貢献度等が挙げられる。 (注2)アジアCEOアワード(Asia CEO Awards) フィリピンの通信事業最大手であるPLDT Enterprise社が主催するアジア最大級のビジネスアワードであり、ASEAN地域のビジネス拡大促進を目的に、多大な功績と貢献を果たした個人や団体を表彰するもの。 (2) メディカル事業 当事業では、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを中心としたビジネス戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当事業の中核を担う子会社株式会社エーアイエスは、医療現場の業務効率を改善し、経営品質を高めるため、「Mightyシリーズ」製品として主に3つのソリューションシステムを開発、1万6,800を超える医療機関の経営を支援しております。なかでもレセプト(注5)点検ソフト「Mighty Checker®」は、1999年に他社に先駆けて当該機能を提供するソフトウエアの開発・販売を行ったことから、全国の多数の医療機関に採用されております。 また、レセプト点検ソフトのリーディングカンパニーとして、当社グループの「3A」による次世代型ソリューションのうち、「Analytics(分析)」の領域の中核の1つを担っており、医療データ分析事業への本格展開を開始しております。 その他、医療新領域における各種コンサルティングも行っております。 当事業の主力製品であるMightyシリーズのラインアップは、下記のとおりであります。 ① レセプト点検ソフト「Mighty Checker®(マイティーチェッカー)」平成21年5月8日付平成21年厚生労働省令第110号「療養給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令の一部を改正する省令」により、一部例外を除き、医療機関はオンラインによるレセプトの請求が義務付けられるようになりました。審査支払機関における審査強化の動きも重なり、レセプトチェックの精度と効率を上げることは、医療機関において、経営上の重要な課題となりました。「Mighty Checker®」シリーズでは、レセプト電算処理・レセプトオンライン請求が一般化された現在、医療機関にとって必須ツールであり、院内審査(注6)における査定・返戻対策用の機能に留まらず、その後の機能強化により請求漏れのある可能性がある加算項目の指摘を行うことを可能とし、また、グラフィック機能の搭載、請求金額順点検の実現、加えて、査定・返戻データの取り込みにより査定された該当レセプトの抽出、それに基づくスムーズなデータベース修正、集計分析機能などを追加し、業界の中でもユニークで先駆的製品として供給を続けております。 「Mighty Checker®」の特徴については、下記のとおりであります。製品名特徴Mighty Checker® EX(マイティーチェッカーイーエックス)・AI検知を備えた次世代型レセプト点検ソフトウエア・マルチレセプト表示機能で2つのレセプトを同時に確認・レセプト点検後のエラーメッセージをクリックすると、点検ポイントが表示され、わかりやすく保険ルールを解説・患者ごとに付箋・ステータスが入力でき、レセプト点検の作業効率が大幅に向上Mighty Checker® PRO Analyze(マイティーチェッカープロアナライズ)・医科レセプト点検ソフトウエアの上級システム・点検結果を分析し、効率的な点検業務を提案・査定・返戻対策に加え、レセプト点検結果を活用した、より効率的な点検結果の活用が可能・査定返戻データ取り込みによりスムーズなデータベース修正を実現し、査定返戻の抑止を強化Mighty Checker® PRO Advance(マイティーチェッカープロアドバンス)・医科レセプト点検ソフトウエアの普及型システム・病名・医薬品・医療行為の適応症を点検・査定・返戻対策の点検(突合点検・縦覧点検・算定日チェック等)・算定支援機能による点検(指導料等で算定できる可能性がある項目をチェック)Mighty Checker® for ORCA(注7)(マイティーチェッカーフォーオルカ)・Mighty Checker® PRO Advanceが日医標準レセプトソフト「ORCA」と連携・ORCAで入力されたデータを、Mighty Checker PRO Advanceと同じ点検機能でスムーズに点検することが可能Mighty Checker® DENTAL(マイティーチェッカーデンタル)・歯科レセプト点検ソフトウエア・Mighty Checker® PROとの併用で医科・歯科トータルな点検が可能Mighty Checker® Cloud(マイティーチェッカークラウド)・インターネット版レセプト点検サービスの提供・PCにアプリケーションがインストールされてなくても、サーバーへアクセスすることで、レセプト点検ソフトを利用することが可能 ② オーダリングチェックソフト「Mighty QUBE® PRO(マイティーキューブプロ)」「Mighty Checker®(マイティーチェッカー)」のデータベースを活用し、疾患と診療行為・投薬の適応性、用法用量等を処方オーダー時に点検し、不適応のもの、病名が漏れているケースへエラーを出す仕組みとして、国立大学法人東京大学と共同開発したものであり、オーダリング時の人為的な誤入力・誤操作を防ぐことで、医療事故(ヒヤリ・ハット)や査定(減額)を防止します。 ③ レセプト点検ソフト+オーダリングチェック「Mighty Double®(マイティーダブル)」 ①レセプト点検機能を搭載した「Mighty Checker® PRO」による「収益改善」と、②オーダー点検機能を搭載した「Mighty QUBE® PRO」による「ヒヤリ・ハット防止」をダブルでサポートすることにより、オーダーチェック情報、レセプトチェック情報を一元管理でき、医療の安全管理及びリスクマネジメント対策を実現し、総合的なチェック体制を構築することで、病院経営の健全化にも効果的であり、また、審査支払機関における審査強化に対応しております。 ※「Mighty Checker®」「Mighty QUBE®」「Mighty Double®」は、株式会社エーアイエスの登録商標であります。 (注5)レセプト 患者様が受けた診療について、医療機関が市町村や健康保険組合等の公的機関に対し、保険負担分の支払いを請求する医療診療の明細書。医科・歯科の場合には「診療報酬明細書」、薬局における調剤の場合には「調剤報酬明細書」と呼ばれる。 (注6)院内審査 医療機関自らが内部で実施する自己点検業務。 (注7)ORCA(オルカ) 日本医師会が会員のために開発・提供している無料レセプトソフト。2020年5月15日現在、17,170施設で稼働している(出典:「ORCA PROJECT 日本医師会ORCA管理機構」ホームページ)。 事業の系統図は、次のとおりであります。 なお、Ubicom U.S.A., Inc. については、量的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
FY2019|6,907 文字|出典 docID: S100GCDC
3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社5社、持分法適用関連会社1社で構成されており、『グローバル事業』と『メディカル事業』の2つのセグメントに分類されます。グローバル事業は、グローバル部門、及びエンタープライズソリューション部門の2つの部門により構成され、日本及びフィリピンを中心拠点として、自動車、電機、産業機械をはじめとする製造業や金融、医療および小売・サービス業など幅広い業界に対して、ITソリューションサービスを提供し続けております。 メディカル事業では、病院等の医療機関あるいは関連施設に関わる、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、医療データ分析及びコンサルテーションを行っております。 また、当社グループは、国際化や少子高齢化などの社会構造の変化などの社会変革、医療生命科学やロボット・人工頭脳の分野における技術革新を新規ビジネス創出のチャンスと捉え、戦略的ドメインとする自動車、金融、医療、そして製造・ロボティクスの分野において、「3A」(「Automation/RPA(ソフトウエアテストあるいは製造ラインの検査工程の自動化)」「Analytics(分析)」「AI(人工知能)」)を基に進化・発展させたコア・ソリューションを次世代型ソリューションと位置付け、事業モデルを展開しております。「金融領域」においては、金融機関向け案件を中心に、業務アプリケーションの開発や、金融システムのASEAN諸国や英語圏への海外展開を支援しております。「医療領域」においては、医療事業を担う中核としてレセプト点検ソフトウエア等を開発する株式会社エーアイエスを中心に、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、医療データ分析を中心としたビジネスモデル戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 (1) グローバル事業 グローバル事業は、主に国内外のグローバル企業を主要顧客に、当社海外子会社であるAdvanced World Systems, Inc. とAdvanced World Solutions, Inc. (以下、「フィリピン子会社」という。)、および北京爱维森科技有限公司(以下「中国子会社」)、並びに持分法適用関連会社であるAlsons/AWS Information Systems, Inc.を活用したシステム開発業務を行っており、システム開発業界の競合の激化、国際化という業界環境の流れの中で、低コスト、高品質を同時に実現すべくサービスを提供し続け、フィリピン子会社は、2006年1月に当社の子会社となる以前の、前身であるAPTi Philippines, Inc.が設立された1993年以来、25年以上に渡る開発実績を積み上げております。 近年、IT製品開発は、国内から海外の事業者や海外子会社に委託する形態が広がりをみせております。従来の海外への開発委託は主として、労働集約型の業務を単価の安い海外へアウトソーシングすることにより、開発及び保守・運用コストの削減を目的としたものでございましたが、我が国における少子高齢化を背景にしたIT人材不足を背景に、RPA、IoT、AIといった最先端分野も含め、開発において戦略的に海外の人材を活用することが必要な段階に差し掛かっております。 また、急激に成長する新興国市場への投資が拡大しており、なかでもグローバルレベルでのIT統制の必要性が高まっております。当社グループが主たる事業拠点としているフィリピン共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の新興国として年6%程度の経済成長を続けております(2010-2018年の平均値。出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)「世界貿易投資報告:フィリピン編」他)。また、人口動態予測でも、消費者・就労者人口とも一貫して増え続ける予想(出典:総務省統計局「世界の統計2018」2-2 世界人口・年齢構成の推移(1950~2050年))となっております。当社グループは、ソフトウエアの設計・開発から製品保証まで、英語・日本語のバイリンガルな環境で広範なシステム開発のサービスを行っております。国内外の製造業と取引をしている経験と実績を基に、信頼できる開発パートナーとして、確かな技術と品質を提供しております。 フィリピン子会社の活用形態は、主に①フィリピン国内における事業所において開発を行う(オフショア開発)、②フィリピン子会社の開発要員を当社に出向させ、そこから日本国内の顧客の開発拠点にて直接開発を行う(オンショア開発)の二形態があります。当社グループでは、顧客の個々の要望に応じてこれらの二形態の組み合わせを基礎として最適な開発形態を都度構築しております。また、フィリピンの人件費水準、および現地従業員の英語力は、同業との競合において差別化を図れる重要な要素となっております。さらに国内においては、外部の人材についても積極的に活用することを目的として、当社が一般労働者派遣事業の免許を取得し、人材派遣業務を行っております。 フィリピン子会社の従業員は当社グループの重要な経営資源であり、フィリピンおよび日本において直接クライアントとのやり取りを通じ開発を実施することから、英語と日本語のバイリンガル能力に加え、高度なIT技術を有するエンジニアの育成が必要となります。そのため、フィリピン子会社においては、毎年計画的にフィリピン全国の理工学系専攻新卒者の上位成績者のみを採用し、戦略的人材育成を行っております。具体的には、フィリピンのマニラとセブのそれぞれの施設に社内研修センター「AWS's Center for Technology Incubation(通称:ACTION)」を設立し、4ヶ月間の集中新人研修プログラムにおいて日本語環境下での高度なソフトウエア開発ができる要員を養成しております。この社内研修センター「ACTION」ではIT分野の基礎技術・知識の教育に始まり、ソフトウエア開発に関わる最新技術、ビジネススキル、さらに日本人講師による日本語講座等の研修コースを設け、従業員の技術力向上を継続的に支援しております。フィリピン子会社では、高い技術力で長年、国際優良企業と協業してきた実績を基に、グローバルな市場で評価されるソリューションを創造・提供し続けた結果、子会社Advanced World Solutions, Inc. は、国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines)(注1)にて、2016年3月に「Best Software Company of the Year」を受賞、翌年の2017年3月に「Best Company of the Year for Information Technology & Software Development」を受賞、また、子会社Advanced World Solutions, Inc.は、2017年10月に開催されたアジアCEOアワード2017(注2)にて「Technology Company of the Year」並びに「Service Excellence Company of the Year」の2部門においてファイナリストに選出される等、高い評価を受けております。 中国においては、中国子会社における当社グループの主要顧客向けの開発を核に据えつつも、幅広い新規の顧客をターゲットにした事業拡大を推進しております。 米国においては、2017年2月に設立した子会社Ubicom U.S.A., Inc.を核に米国とフィリピンをダイレクトに結び、米国の自動車産業及びヘルスケア産業における顧客をターゲットに、フィリピン子会社を活用したITソリューションの事業拡大を推進しております。 a.グローバル部門 グローバル事業は、主に国内外の製造業、流通業、医療機器関連企業を主要顧客に、フィリピン子会社及び中国子会社と連携し、組込みソフトウエア開発、ビジネスアプリケーション開発、製品評価サービスの提供、および3Aを基に進化・発展させたコア・ソリューションによる次世代型ソリューションの提供を行っております。 b.エンタープライズソリューション部門 エンタープライズソリューション部門では、日本アイ・ビー・エム株式会社をはじめとする大口法人向けに、フィリピン子会社を活用し、金融領域をはじめとするソリューションサービスの企画、営業及びデリバリー活動を行っております。 (注1)国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines) フィリピンを代表する情報技術団体であるIBPAP(The Information Technology and Business Process Association of the Philippines)の協力のもと、在フィリピンカナダ商工会議所によって運営されており、デザイン及び開発の側面において、ソフトウエア・カンパニーとして、その年のフィリピン国内にて最も創造的な役割を担った企業に送られる賞。評価基準としては、年間売上成長率等の定量的な側面に加え、顧客への提供サービスの多様性やコンピタンス、経営管理手法、フィリピンのICT産業への貢献度等が挙げられる。 (注2)アジアCEOアワード(Asia CEO Awards) フィリピンの通信事業最大手であるPLDT Enterprise社が主催するアジア最大級のビジネスアワードであり、ASEAN地域のビジネス拡大促進を目的に、多大な功績と貢献を果たした個人や団体を表彰するもの。 (2) メディカル事業 当事業では、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを中心としたビジネス戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当事業の中核を担う子会社株式会社エーアイエスは、医療現場の業務効率を改善し、経営品質を高めるため、「Mightyシリーズ」製品として主に3つのソリューションシステムを開発・販売しております。なかでもレセプト(注5)点検ソフト「Mighty Checker®」は、1999年に他社に先駆けて当該機能を提供するソフトウエアの開発・販売を行ったことから、全国の多数の医療機関に採用されております。 また、レセプト点検ソフトのリーディングカンパニーとして、当社グループの「3A」による次世代型ソリューションのうち、「Analytics(分析)」の領域の中核の1つを担っており、医療データ分析事業への本格展開を開始しております。 その他、医療新領域における各種コンサルティングも行っております。 当事業の主力製品であるMightyシリーズのラインアップは、下記のとおりであります。 ① レセプト点検ソフト「Mighty Checker®(マイティーチェッカー)」平成21年5月8日付平成21年厚生労働省令第110号「療養給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令の一部を改正する省令」により、一部例外を除き、医療機関はオンラインによるレセプトの請求が義務付けられるようになりました。審査支払機関における審査強化の動きも重なり、レセプトチェックの精度と効率を上げることは、医療機関において、経営上の重要な課題となりました。「Mighty Checker®」シリーズでは、レセプト電算処理・レセプトオンライン請求が一般化された現在、医療機関にとって必須ツールであり、院内審査(注6)における査定・返戻対策用の機能に留まらず、その後の機能強化により請求漏れのある可能性がある加算項目の指摘を行うことを可能とし、また、グラフィック機能の搭載、請求金額順点検の実現、加えて、査定・返戻データの取り込みにより査定された該当レセプトの抽出、それに基づくスムーズなデータベース修正、集計分析機能などを追加し、業界の中でもユニークで先駆的製品として供給を続けております。 「Mighty Checker®」の特徴については、下記のとおりであります。製品名特徴Mighty Checker® EX(マイティーチェッカーイーエックス)・AI検知を備えた次世代型レセプト点検ソフトウエア・マルチレセプト表示機能で2つのレセプトを同時に確認・レセプト点検後のエラーメッセージをクリックすると、点検ポイントが表示され、わかりやすく保険ルールを解説・患者ごとに付箋・ステータスが入力でき、レセプト点検の作業効率が大幅に向上Mighty Checker® PRO Analyze(マイティーチェッカープロアナライズ)・医科レセプト点検ソフトウエアの上級システム・点検結果を分析し、効率的な点検業務を提案・査定・返戻対策に加え、レセプト点検結果を活用した、より効率的な点検結果の活用が可能・査定返戻データ取り込みによりスムーズなデータベース修正を実現し、査定返戻の抑止を強化Mighty Checker® PRO Advance(マイティーチェッカープロアドバンス)・医科レセプト点検ソフトウエアの普及型システム・病名・医薬品・医療行為の適応症を点検・査定・返戻対策の点検(突合点検・縦覧点検・算定日チェック等)・算定支援機能による点検(指導料等で算定できる可能性がある項目をチェック)Mighty Checker® for ORCA(注7)(マイティーチェッカーフォーオルカ)・Mighty Checker® PRO Advanceが日医標準レセプトソフト「ORCA」と連携・ORCAで入力されたデータを、Mighty Checker PRO Advanceと同じ点検機能でスムーズに点検することが可能Mighty Checker® DENTAL(マイティーチェッカーデンタル)・歯科レセプト点検ソフトウエア・Mighty Checker® PROとの併用で医科・歯科トータルな点検が可能Mighty Checker® Cloud(マイティーチェッカークラウド)・インターネット版レセプト点検サービスの提供・PCにアプリケーションがインストールされてなくても、サーバーへアクセスすることで、レセプト点検ソフトを利用することが可能 ② オーダリングチェックソフト「Mighty QUBE® PRO(マイティーキューブプロ)」「Mighty Checker®(マイティーチェッカー)」のデータベースを活用し、疾患と診療行為・投薬の適応性、用法用量等を処方オーダー時に点検し、不適応のもの、病名が漏れているケースへエラーを出す仕組みとして、国立大学法人東京大学と共同開発したものであり、オーダリング時の人為的な誤入力・誤操作を防ぐことで、医療事故(ヒヤリ・ハット)や査定(減額)を防止します。 ③ レセプト点検ソフト+オーダリングチェック「Mighty Double®(マイティーダブル)」 ①レセプト点検機能を搭載した「Mighty Checker® PRO」による「収益改善」と、②オーダー点検機能を搭載した「Mighty QUBE® PRO」による「ヒヤリ・ハット防止」をダブルでサポートすることにより、オーダーチェック情報、レセプトチェック情報を一元管理でき、医療の安全管理及びリスクマネジメント対策を実現し、総合的なチェック体制を構築することで、病院経営の健全化にも効果的であり、また、審査支払機関における審査強化に対応しております。 ※「Mighty Checker®」「Mighty QUBE®」「Mighty Double®」は、株式会社エーアイエスの登録商標であります。 (注5)レセプト 患者様が受けた診療について、医療機関が市町村や健康保険組合等の公的機関に対し、保険負担分の支払いを請求する医療診療の明細書。医科・歯科の場合には「診療報酬明細書」、薬局における調剤の場合には「調剤報酬明細書」と呼ばれる。 (注6)院内審査 医療機関自らが内部で実施する自己点検業務。 (注7)ORCA(オルカ) 日本医師会が会員のために開発・提供している無料レセプトソフト。2019年6月15日現在、18,041施設で稼働している(出典:「ORCA PROJECT 日本医師会ORCA管理機構」ホームページ)。 事業の系統図は、次のとおりであります。 なお、Ubicom U.S.A., Inc. については、量的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
FY2018|7,093 文字|出典 docID: S100DDA7
3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社6社、持分法適用関連会社1社で構成されており、『グローバル事業』と『メディカル事業』の2つのセグメントに分類されます。グローバル事業は、グローバル部門、及びエンタープライズソリューション部門の2つの部門により構成され、日本及びフィリピンを中心拠点として、自動車、電機、産業機械をはじめとする製造業や流通、金融、医療など幅広い業界に対して、ITソリューションサービスを提供し続けております。 メディカル事業では、病院等の医療機関あるいは関連施設に関わる、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、医療ビッグデータ分析及びコンサルテーションを行っております。 また、当社グループは、国際化や少子高齢化などの社会構造の変化などの社会変革、医療生命科学やロボット・人工頭脳の分野における技術革新を新規ビジネス創出のチャンスと捉え、戦略的ドメインとする自動車、金融、医療、そして製造・ロボティクスの分野において、「3A」(「Automation(自動化)」「Analytics(分析)」「AI(人工知能)」)を基に進化・発展させたコア・ソリューションを次世代型ソリューションと位置付け、事業モデルを展開しております。「金融領域」においては、金融機関向け案件を中心に、業務アプリケーションの開発や、金融システムのASEAN諸国や英語圏への海外展開を支援しております。「医療領域」においては、医療事業を担う中核としてレセプト点検ソフトウエア等を開発する株式会社エーアイエスを中心に、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、医療ビッグデータ分析を中心としたビジネスモデル戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 (1) グローバル事業 グローバル事業は、主に国内外のグローバル企業を主要顧客に、当社海外子会社であるAdvanced World Systems, Inc. 及びAdvanced World Solutions, Inc. (以下、「フィリピン子会社」という。)、持分法適用関連会社であるAlsons/AWS Information Systems, Inc.、並びに北京爱维森科技有限公司及びAdvanced World Solutions, Ltd(以下「中国子会社」)を活用したシステム開発業務を行っており、システム開発業界の競合の激化、国際化という業界環境の流れの中で、低コスト、高品質を同時に実現すべくサービスを提供し続け、フィリピン子会社は、2006年1月に当社の子会社となる以前の、前身であるAPTi Philippines, Inc.が設立された1993年以来、20年以上に渡る開発実績を積み上げております。 近年、IT製品開発は、国内から海外の事業者や海外子会社に委託する形態が広がりをみせております。従来の海外への開発委託は主として、労働集約型の業務を単価の安い海外へアウトソーシングすることにより、開発及び保守・運用コストの削減を目的としたものでございましたが、我が国における少子高齢化を背景にしたIT人材不足を背景に、ビッグデータ、IoT、AIといった最先端分野も含め、開発において戦略的に海外の人材を活用することが必要な段階に差し掛かっております。 また、急激に成長する新興国市場への投資が拡大しており、なかでもグローバルレベルでのIT統制の必要性が高まっております。当社グループが主たる事業拠点としているフィリピン共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の新興国として年6%程度の経済成長を続けております(2010-2016年の平均値。出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)「世界貿易投資報告:フィリピン編」他)。また、人口動態予測でも、消費者・就労者人口とも一貫して増え続ける予想(出典:総務省統計局「世界の統計2018」2-2 世界人口・年齢構成の推移(1950~2050年))となっております。当社グループは、ソフトウエアの設計・開発から製品保証まで、英語・日本語のバイリンガルな環境で広範なシステム開発のサービスを行っております。国内外の製造業と取引をしている経験と実績を基に、信頼できる開発パートナーとして、確かな技術と品質を提供しております。 フィリピン子会社の活用形態は、主に①フィリピン国内における事業所において開発を行う(オフショア受託開発)、②フィリピン子会社の開発要員を当社に出向させ、そこから日本国内の顧客の開発拠点にて直接開発を行う(オンショア開発)の二形態があります。当社グループでは、顧客の個々の要望に応じてこれらの二形態の組み合わせを基礎として最適な開発形態を都度構築しております。また、フィリピンの人件費水準、及び現地従業員の英語力は、同業との競合において差別化を図れる重要な要素となっております。さらに国内においては、外部の人材についても積極的に活用することを目的として、当社が一般労働者派遣事業の免許を取得し、人材派遣業務を行っております。 フィリピン子会社の従業員は当社グループの重要な経営資源であり、フィリピン及び日本において直接クライアントとのやり取りを通じ開発を実施することから、英語と日本語のバイリンガル能力に加え、高度なIT技術を有するエンジニアの育成が必要となります。そのため、フィリピン子会社においては、毎年計画的にフィリピン全国の理工学系専攻新卒者の上位成績者のみを採用し、戦略的人材育成を行っております。具体的には、フィリピンのマニラとセブのそれぞれの施設に社内研修センター「AWS's Center for Technology Incubation(通称:ACTION)」を設立し、4ヶ月間の集中新人研修プログラムにおいて日本語環境下での高度なソフトウエア開発ができる要員を養成しております。この社内研修センター「ACTION」ではIT分野の基礎技術・知識の教育に始まり、ソフトウエア開発に関わる最新技術、ビジネススキル、さらに日本人講師による日本語講座等の研修コースを設け、従業員の技術力向上を継続的に支援しております。フィリピン子会社では、高い技術力で長年、国際優良企業と協業してきた実績を基に、グローバルな市場で評価されるソリューションを創造・提供し続けた結果、子会社Advanced World Solutions, Inc. は、国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines)(注1)にて、2016年3月に「Best Software Company of the Year」を受賞、翌年の2017年3月に「Best Company of the Year for Information Technology & Software Development」を受賞、また、子会社Advanced World Solutions, Inc.は、2017年10月に開催されたアジアCEOアワード2017(注2)にて「Technology Company of the Year」並びに「Service Excellence Company of the Year」の2部門においてファイナリストに選出される等、高い評価を受けております。 中国においては、中国子会社における当社グループの主要顧客向けの開発を核に据えつつも、幅広い新規の顧客をターゲットにした事業拡大を推進しております。 米国においては、2017年2月に設立した子会社Ubicom U.S.A., Inc.を核に米国とフィリピンをダイレクトに結び、米国の自動車産業及びヘルスケア産業における顧客をターゲットに、フィリピン子会社を活用したITソリューションの事業拡大を推進しております。 更に、2016年11月にソフトバンク株式会社とIBM Watsonエコシステムパートナー契約、IBM Watsonエコシステムプログラム(注3)に参画していることから、様々な業界において協業を推進し、積極的にIBM Watson日本語版を活用したソリューションサービスを提供することが可能となっております。 a.グローバル部門 グローバル事業は、主に国内外の製造業、流通業、医療機器関連企業を主要顧客に、フィリピン子会社及び中国子会社と連携し、組込みソフトウエア開発、ビジネスアプリケーション開発、製品評価サービスの提供、および3Aを基に進化・発展させたコア・ソリューションによる次世代型ソリューションの提供を行っております。 b.エンタープライズソリューション部門 エンタープライズソリューション部門では、日本アイ・ビー・エム株式会社をはじめとする大口法人向けに、フィリピン子会社を活用し、金融領域をはじめとするソリューションサービスの企画、営業及びデリバリー活動を行っております。 (注1)国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines) フィリピンを代表する情報技術団体であるIBPAP(The Information Technology and Business Process Association of the Philippines)の協力のもと、在フィリピンカナダ商工会議所によって運営されており、デザイン及び開発の側面において、ソフトウエア・カンパニーとして、その年のフィリピン国内にて最も創造的な役割を担った企業に送られる賞。評価基準としては、年間売上成長率等の定量的な側面に加え、顧客への提供サービスの多様性やコンピタンス、経営管理手法、フィリピンのICT産業への貢献度等が挙げられる。 (注2)アジアCEOアワード(Asia CEO Awards) フィリピンの通信事業最大手であるPLDT Enterprise社が主催するアジア最大級のビジネスアワードであり、ASEAN地域のビジネス拡大促進を目的に、多大な功績と貢献を果たした個人や団体を表彰するもの。 (注3)IBM Watsonエコシステムプログラム 米国IBMが開発した質問応答システム・意思決定支援システムであるIBM Watsonを日本市場で活用したサービスの導入を推進させるため、ソフトバンク株式会社が日本アイ・ビー・エム株式会社と共同で構築・提供しているパートナープログラム。 (2) メディカル事業 当事業では、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを中心としたビジネス戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当事業の中核を担う子会社株式会社エーアイエスは、医療現場の業務効率を改善し、経営品質を高めるため、「Mightyシリーズ」製品として主に3つのソリューションシステムを開発・販売しております。なかでもレセプト(注5)点検ソフト「Mighty Checker®」は、1999年に他社に先駆けて当該機能を提供するソフトウエアの開発・販売を行ったことから、全国の多数の医療機関に採用されております。 また、レセプト点検ソフトのリーディングカンパニーとして、当社グループの「3A」による次世代型ソリューションのうち、「Analytics(分析)」の領域の中核の1つを担っており、医療ビッグデータ分析事業への本格展開を開始しております。また、今後は「AI(人工知能)」を活用したソリューションの提供も推進してまいります。 その他、医療新領域における各種コンサルティングも行っております。 当事業の主力製品であるMightyシリーズのラインアップは、下記のとおりであります。 ① レセプト点検ソフト「Mighty Checker®(マイティーチェッカー)」平成21年5月8日付平成21年厚生労働省令第110号「療養給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令の一部を改正する省令」により、一部例外を除き、医療機関はオンラインによるレセプトの請求が義務付けられるようになりました。審査支払機関における審査強化の動きも重なり、レセプトチェックの精度と効率を上げることは、医療機関において、経営上の重要な課題となりました。「Mighty Checker®」シリーズでは、レセプト電算処理・レセプトオンライン請求が一般化された現在、医療機関にとって必須ツールであり、院内審査(注6)における査定・返戻対策用の機能に留まらず、その後の機能強化により請求漏れのある可能性がある加算項目の指摘を行うことを可能とし、また、グラフィック機能の搭載、請求金額順点検の実現、加えて、査定・返戻データの取り込みにより査定された該当レセプトの抽出、それに基づくスムーズなデータベース修正、集計分析機能などを追加し、業界の中でもユニークで先駆的製品として供給を続けております。 「Mighty Checker®」の特徴及び導入医療機関数の推移については、下記のとおりであります。製品名特徴Mighty Checker® PRO Analyze(マイティーチェッカープロアナライズ)・医科レセプト点検ソフトウエアの上級システム・点検結果を分析し、効率的な点検業務を提案・査定・返戻対策に加え、レセプト点検結果を活用した、より効率的な点検結果の活用が可能・査定返戻データ取り込みによりスムーズなデータベース修正を実現し、査定返戻の抑止を強化Mighty Checker® PRO Advance(マイティーチェッカープロアドバンス)・医科レセプト点検ソフトウエアの普及型システム・病名・医薬品・医療行為の適応症を点検・査定・返戻対策の点検(突合点検・縦覧点検・算定日チェック等)・算定支援機能による点検(指導料等で算定できる可能性がある項目をチェック)Mighty Checker® for ORCA(注7)(マイティーチェッカーフォーオルカ)・Mighty Checker® PRO Advanceが日医標準レセプトソフト「ORCA」と連携・ORCAで入力されたデータを、Mighty Checker PRO Advanceと同じ点検機能でスムーズに点検することが可能Mighty Checker® DENTAL(マイティーチェッカーデンタル)・歯科レセプト点検ソフトウエア・Mighty Checker® PROとの併用で医科・歯科トータルな点検が可能Mighty Checker® Cloud(マイティーチェッカークラウド)・インターネット版レセプト点検サービスの提供・PCにアプリケーションがインストールされてなくても、サーバーへアクセスすることで、レセプト点検ソフトを利用することが可能 ② オーダリングチェックソフト「Mighty QUBE® PRO(マイティーキューブプロ)」「Mighty Checker®(マイティーチェッカー)」のデータベースを活用し、疾患と診療行為・投薬の適応性、用法用量等を処方オーダー時に点検し、不適応のもの、病名が漏れているケースへエラーを出す仕組みとして、国立大学法人東京大学と共同開発したものであり、オーダリング時の人為的な誤入力・誤操作を防ぐことで、医療事故(ヒヤリ・ハット)や査定(減額)を防止します。 ③ レセプト点検ソフト+オーダリングチェック「Mighty Double®(マイティーダブル)」 ①レセプト点検機能を搭載した「Mighty Checker® PRO」による「収益改善」と、②オーダー点検機能を搭載した「Mighty QUBE® PRO」による「ヒヤリ・ハット防止」をダブルでサポートすることにより、オーダーチェック情報、レセプトチェック情報を一元管理でき、医療の安全管理及びリスクマネジメント対策を実現し、総合的なチェック体制を構築することで、病院経営の健全化にも効果的であり、また、審査支払機関における審査強化に対応しております。 ※「Mighty Checker®」「Mighty QUBE®」「Mighty Double®」は、株式会社エーアイエスの登録商標であります。 (注5)レセプト 患者様が受けた診療について、医療機関が市町村や健康保険組合等の公的機関に対し、保険負担分の支払いを請求する医療診療の明細書。医科・歯科の場合には「診療報酬明細書」、薬局における調剤の場合には「調剤報酬明細書」と呼ばれる。 (注6)院内審査 医療機関自らが内部で実施する自己点検業務。 (注7)ORCA(オルカ) 日本医師会が会員のために開発・提供している無料レセプトソフト。2018年6月15日現在、17,297施設で稼働している(出典:「ORCA PROJECT 日本医師会ORCA管理機構」ホームページ)。 事業の系統図は、次のとおりであります。 なお、Ubicom U.S.A., Inc. については、量的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
FY2017|7,733 文字|出典 docID: S100AM6K
3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社6社、持分法適用関連会社1社で構成されており、『グローバル事業』と『メディカル事業』の2つのセグメントに分類されます。グローバル事業は、グローバル部門、及びエンタープライズソリューション部門の2つの部門により構成され、日本及びフィリピンを中心拠点として、自動車、電機、産業機械をはじめとする製造業や流通、金融、医療など幅広い業界に対して、ITソリューションサービスを提供し続けております。 メディカル事業では、病院等の医療機関あるいは関連施設に関わる、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、医療ビッグデータ分析及びコンサルテーションを行っております。 また、当社グループは、戦略的ドメインと位置付ける自動車、金融、医療、そして製造・ロボティクスの分野において、3A(「Automation(自動化)」「Analytics(分析)」「AI(人工知能)」)による次世代型ソリューションを開発に注力、国際化や少子高齢化などの社会構造の変化などの社会変革、医療生命科学やロボット・人工頭脳の分野における技術革新を新規ビジネス創出のチャンスと捉え、Go Global Company(注1)として事業モデルを展開しております。「金融領域」においては、金融機関向け案件を中心に、業務アプリケーションの開発や、金融システムのASEAN諸国や英語圏への海外展開を支援しております。「医療領域」においては、医療事業を担う中核としてレセプト点検ソフトウエア等を開発する株式会社エーアイエスを中心に、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを中心としたビジネスモデル戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 (1) グローバル事業 グローバル事業は、主に国内外のグローバル企業を主要顧客に、当社海外子会社であるAdvanced World Systems, Inc. 及びAdvanced World Solutions, Inc. (以下、「フィリピン子会社」という。)、持分法適用関連会社であるAlsons/AWS Information Systems, Inc.、並びに北京爱维森科技有限公司及びAdvanced World Solutions, Ltd(以下「中国子会社」)を活用したシステム開発業務を行っており、システム開発業界の競合の激化、国際化という業界環境の流れの中で、低コスト、高品質を同時に実現すべくサービスを提供し続け、フィリピン子会社は、2006年1月に当社の子会社となる以前の、前身であるAPTi Philippines, Inc.が設立された1993年以来、20年以上に渡る開発実績を積み上げております。 近年、IT製品開発は、国内から海外の事業者や海外子会社に委託するオフショアへとシフトしており、従業員1,001名以上のIT企業の約6割がオフショア開発を導入している(出典:独立行政法人情報処理推進機構「IT人材白書2013」)等、注目を集めている開発手法であります。オフショア開発は、ソフトウエア開発やWebシステム開発、運用保守管理等を単価の安い海外へアウトソーシングすることにより、開発及び保守・運用コストの大幅削減・利益拡大を目的として、今後、更に導入率が高まっていくものと期待されております。 また、急激に成長する新興国市場への投資が拡大しており、なかでもグローバルレベルでのIT統制の必要性が高まっております。当社グループが主たる事業拠点としているフィリピン共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の新興国として年6%程度の経済成長を続けております(2010-2015年の平均値。出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)「世界貿易投資報告:フィリピン編」他)。また、人口動態予測でも、消費者・就労者人口とも一貫して増え続ける予想(出典:総務省統計局「世界の統計2017」2-2 世界人口・年齢構成の推移(1950~2050年))となっており、さらには、中国リスクに対応するための「中国+1(チャイナ・プラスワン)(注2)」の候補地としても注目されております。当社グループは、ソフトウエアの設計・開発から製品保証まで、英語・日本語のバイリンガルな環境で広範なシステム開発のサービスを行っております。国内外の製造業と取引をしている経験と実績を基に、信頼できるオフショア開発パートナーとして、確かな技術と品質を提供しております。 フィリピン子会社の活用形態は、主に①フィリピン国内における事業所において開発を行う(オフショア受託開発)、②フィリピン子会社の開発要員を当社に出向させ、そこから日本国内の顧客の開発拠点にて直接開発を行う(オンショア開発)の二形態があります。当社グループでは、顧客の個々の要望に応じてこれらの二形態の組み合わせを基礎として最適な開発形態を都度構築しております。また、フィリピンの人件費水準、及び現地従業員の英語力は、同業との競合において差別化を図れる重要な要素となっております。さらに国内においては、外部の人材についても積極的に活用することを目的として、当社が一般労働者派遣事業の免許を取得し、人材派遣業務を行っております。 フィリピン子会社の従業員は当社グループの重要な経営資源であり、フィリピン及び日本において直接クライアントとのやり取りを通じ開発を実施することから、英語と日本語のバイリンガル能力に加え、高度なIT技術を有するエンジニアの育成が必要となります。そのため、フィリピン子会社においては、毎年計画的にフィリピン全国の理工学系専攻新卒者の上位成績者のみを採用し、戦略的人材育成を行っております。具体的には、フィリピンのマニラとセブのそれぞれの施設に社内研修センター「AWS's Center for Technology Incubation(通称:ACTION)」を設立し、4ヶ月間の集中新人研修プログラムにおいて日本語環境下での高度なソフトウエア開発ができる要員を養成しております。この社内研修センター「ACTION」ではIT分野の基礎技術・知識の教育に始まり、ソフトウエア開発に関わる最新技術、ビジネススキル、さらに日本人講師による日本語講座等の研修コースを設け、従業員の技術力向上を継続的に支援しております。フィリピン子会社では、高い技術力で長年、国際優良企業と協業してきた実績を基に、グローバルな市場で評価されるソリューションを創造・提供し続けた結果、e-services Philippines(注3)において2002年から大賞4回(6部門)を含む6年連続で大賞(最優秀賞)又は優秀賞を受賞し、2007年には「最優秀社内研修プログラム」を受賞しております。 また、フィリピン子会社のうち、Advanced World Solutions, Inc. は、国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines)(注4)にて、2016年3月に「Best Software Company of the Year」を受賞、また翌年の2017年3月に「Best Company of the Year for Information Technology & Software Development」を受賞する等、高い評価を受けております。 中国子会社に関しては、規模はまだ小さいものの、当社グループの主要顧客の開発拠点であることから、今後は、仕様書に基づく開発、テスト・導入等の下流工程にとどまらず、顧客の要求に基づく要件定義や基本設計等の上流工程を含めた高度化な開発に対するニーズが増えることが予想され、さらには当社グループが注力する次世代型ソリューションの展開も見据え、中国国内でのビジネスチャンスは増加するものと見込まれております。 2017年2月には、ITサービス市場として世界最大市場であり、今後も堅調な成長が期待できる米国において、Advanced World Solutions U.S.A., Inc. を設立いたしました。同子会社を核に米国とフィリピンをダイレクトに結び、主として米国の自動車産業及びヘルスケア産業における顧客をターゲットに、フィリピン子会社を活用したITソリューション事業の需要拡大を見込んでおります。 更に、2016年11月にソフトバンク株式会社とIBM Watsonエコシステムパートナー契約、IBM Watsonエコシステムプログラム(注5)に参画していることから、様々な業界において協業を推進し、積極的にIBM Watson日本語版を活用したソリューションサービスを提供することが可能となっております。 a.グローバル部門 グローバル事業は、主に国内外の製造業、流通業、医療機器関連企業を主要顧客に、フィリピン子会社及び中国子会社と連携し、組込みソフトウエア開発、ビジネスアプリケーション開発、製品評価サービスの提供、および自社独自のアナリティックス、AI(人工知能)、オートメーションを活用したソリューションの提供を行っております。 b.エンタープライズソリューション部門 エンタープライズソリューション部門では、日本アイ・ビー・エム株式会社をはじめとする大口法人向けに、フィリピン子会社を活用し、金融領域をはじめとするソリューションサービスの企画、営業及びデリバリー活動を行っております。 (注1)Go Global Company 世界的な事業活動を推進する企業。単なる事業拠点の国外展開ではなく、「世界的な規模」の視点で、経営戦略から人的資源のマネジメントを行うカンパニーを指す。 (注2)中国+1(チャイナ・プラスワン) 主に日本の製造業等が、製造拠点が中国に集中しているリスクを回避するために、新たな中核拠点として中国以外(特に、東南アジア諸国連合(ASEAN諸国))に製造拠点を持ち、そのリスクを分散するためのリスクヘッジ方法。 (注3)e-Services Philippines 2009年まで開催された、フィリピンIT産業の主要企業・団体が毎年参加する展示会・会議イベント。フィリピン貿易産業省及び国際貿易促進センター主催で行われる国内最大のIT展示会。フィリピン国内でのパートナー探しのための世界的な展示会・会議として位置付けられていた。 (注4)国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines) フィリピンを代表する情報技術団体であるIBPAP(The Information Technology and Business Process Association of the Philippines)の協力のもと、在フィリピンカナダ商工会議所によって運営されており、デザイン及び開発の側面において、ソフトウエア・カンパニーとして、その年のフィリピン国内にて最も創造的な役割を担った企業に送られる賞。評価基準としては、年間売上成長率等の定量的な側面に加え、顧客への提供サービスの多様性やコンピタンス、経営管理手法、フィリピンのICT産業への貢献度等が挙げられる。 (注5)IBM Watsonエコシステムプログラム 米国IBMが開発した質問応答システム・意思決定支援システムであるIBM Watsonを日本市場で活用したサービスの導入を推進させるため、ソフトバンク株式会社が日本アイ・ビー・エム株式会社と共同で構築・提供しているパートナープログラム。 (2) メディカル事業 当事業では、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを中心としたビジネス戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当事業の中核を担う子会社株式会社エーアイエスは、医療現場の業務効率を改善し、経営品質を高めるため、「Mightyシリーズ」製品として主に3つのソリューションシステムを開発・販売しております。なかでもレセプト(注6)点検ソフト「Mighty Checker®」は、1999年に他社に先駆けて当該機能を提供するソフトウエアの開発・販売を行ったことから、全国の多数の医療機関に採用されております。 また、レセプト点検ソフトのリーディングカンパニーとして、当社グループの「3A」による次世代型ソリューションのうち、「Analytics(分析)」の領域の中核の1つを担っており、医療ビッグデータ分析事業への本格展開を開始しております。また、今後は「AI(人工知能)」を活用したソリューションの提供も推進してまいります。 その他、医療新領域における各種コンサルティングも行っております。 当事業の主力製品であるMightyシリーズのラインアップは、下記のとおりであります。 ① レセプト点検ソフト「Mighty Checker®(マイティーチェッカー)」平成21年5月8日付平成21年厚生労働省令第110号「療養給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令の一部を改正する省令」により、一部例外を除き、医療機関はオンラインによるレセプトの請求が義務付けられるようになりました。審査支払機関における審査強化の動きも重なり、レセプトチェックの精度と効率を上げることは、医療機関において、経営上の重要な課題となりました。「Mighty Checker®」シリーズでは、レセプト電算処理・レセプトオンライン請求が一般化された現在、医療機関にとって必須ツールであり、院内審査(注7)における査定・返戻対策用の機能に留まらず、その後の機能強化により請求漏れのある可能性がある加算項目の指摘を行うことを可能とし、また、グラフィック機能の搭載、請求金額順点検の実現、加えて、査定・返戻データの取り込みにより査定された該当レセプトの抽出、それに基づくスムーズなデータベース修正、集計分析機能などを追加し、業界の中でもユニークで先駆的製品として供給を続けております。 「Mighty Checker®」の特徴及び導入医療機関数の推移については、下記のとおりであります。製品名特徴Mighty Checker® PRO Analyze(マイティーチェッカープロアナライズ)・医科レセプト点検ソフトウエアの上級システム・点検結果を分析し、効率的な点検業務を提案・査定・返戻対策に加え、レセプト点検結果を活用した、より効率的な点検結果の活用が可能・査定返戻データ取り込みによりスムーズなデータベース修正を実現し、査定返戻の抑止を強化Mighty Checker® PRO Advance(マイティーチェッカープロアドバンス)・医科レセプト点検ソフトウエアの普及型システム・病名・医薬品・医療行為の適応症を点検・査定・返戻対策の点検(突合点検・縦覧点検・算定日チェック等)・算定支援機能による点検(指導料等で算定できる可能性がある項目をチェック)Mighty Checker® for ORCA(注8)(マイティーチェッカーフォーオルカ)・Mighty Checker® PRO Advanceが日医標準レセプトソフト「ORCA」と連携・ORCAで入力されたデータを、Mighty Checker PRO Advanceと同じ点検機能でスムーズに点検することが可能Mighty Checker® DENTAL(マイティーチェッカーデンタル)・歯科レセプト点検ソフトウエア・Mighty Checker® PROとの併用で医科・歯科トータルな点検が可能Mighty Checker® Cloud(マイティーチェッカークラウド)・インターネット版レセプト点検サービスの提供・PCにアプリケーションがインストールされてなくても、サーバーへアクセスすることで、レセプト点検ソフトを利用することが可能 (単位:件) 2014年3月末2015年3月末2016年3月末2017年3月末「Mighty Checker®」導入医療機関数8,3279,53310,76913,290 ② オーダリングチェックソフト「Mighty QUBE® PRO(マイティーキューブプロ)」「Mighty Checker®(マイティーチェッカー)」のデータベースを活用し、疾患と診療行為・投薬の適応性、用法用量等を処方オーダー時に点検し、不適応のもの、病名が漏れているケースへエラーを出す仕組みとして、国立大学法人東京大学と共同開発したものであり、オーダリング時の人為的な誤入力・誤操作を防ぐことで、医療事故(ヒヤリ・ハット)や査定(減額)を防止します。 ③ レセプト点検ソフト+オーダリングチェック「Mighty Double®(マイティーダブル)」 ①レセプト点検機能を搭載した「Mighty Checker® PRO」による「収益改善」と、②オーダー点検機能を搭載した「Mighty QUBE® PRO」による「ヒヤリ・ハット防止」をダブルでサポートすることにより、オーダーチェック情報、レセプトチェック情報を一元管理でき、医療の安全管理及びリスクマネジメント対策を実現し、総合的なチェック体制を構築することで、病院経営の健全化にも効果的であり、また、審査支払機関における審査強化に対応しております。 ※「Mighty Checker®」「Mighty QUBE®」「Mighty Double®」は、株式会社エーアイエスの登録商標であります。 (注6)レセプト 患者様が受けた診療について、医療機関が市町村や健康保険組合等の公的機関に対し、保険負担分の支払いを請求する医療診療の明細書。医科・歯科の場合には「診療報酬明細書」、薬局における調剤の場合には「調剤報酬明細書」と呼ばれる。 (注7)院内審査 医療機関自らが内部で実施する自己点検業務。 (注8)ORCA(オルカ) 日本医師会が会員のために開発・提供している無料レセプトソフト。2017年5月15日現在、16,306施設で稼働している(出典:「ORCA PROJECT 日本医師会総合政策研究機構」ホームページ)。 事業の系統図は、次のとおりであります。 なお、アメリカ合衆国ミシガン州において、2017年2月1日付でAdvanced World Solutions U.S.A., Inc. を設立しておりますが、本格的な事業活動を開始していないため、事業系統図には含めておりません。
FY2016|7,206 文字|出典 docID: S1007ZV3
3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社5社、持分法適用関連会社1社で構成されており、『グローバル事業』と『メディカル事業』の2つのセグメントに分類され、グローバル事業は、グローバル部門、及びエンタープライズソリューション部門の2つの部門により構成されます。グローバル部門では、日本及びフィリピンを中心拠点としたソフトウエア開発、ITアウトソーシング、ビジネスアプリケーション及び組込みソフトの設計・開発等の支援を行っております。 一方、エンタープライズソリューション部門では、特定顧客の金融関連の開発案件を中核としたソリューションサービスの企画、営業及びデリバリー活動を行っております。 他方、メディカル事業では、病院等の医療機関あるいは関連施設に関わる、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを行っております。 また、当社グループは、既存の製造業及びサービス業に加え、金融・医療、そして今後は自動車・ロボット分野におけるデータ融合型AI(人工知能)を視野に入れた領域を戦略的事業ドメインと位置づけ、また、国際化や少子高齢化などの社会構造の変化、医療生命科学やロボット・人工頭脳の分野における技術革新などの社会変革を新規ビジネス創出のチャンスと捉え、Go Global Company(注1)として事業モデルを展開しております。「金融領域」においては、国内の金融機関や国内外の大手電機メーカーの金融系案件を中心に、金融分野に精通した業務アプリケーションの開発や、金融システムのASEAN諸国や英語圏への海外展開を支援しております。「医療領域」においては、医療事業を担う中核としてレセプト点検ソフトウエア等を開発する株式会社エーアイエスを中心に医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを中心としたビジネスモデル戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 (1) グローバル事業 a.グローバル部門 近年、製品開発は、国内から海外の事業者や海外子会社に委託するオフショアへとシフトしており、従業員1,001名以上のIT企業の約6割がオフショア開発を導入している(出典:独立行政法人情報処理推進機構「IT人材白書2013」)等、注目を集めている開発手法であります。オフショア開発は、ソフトウエア開発やWebシステム開発、運用保守管理等を単価の安い海外へアウトソーシングすることにより、開発及び保守・運用コストの大幅削減・利益拡大を目的として、今後、更に導入率が高まっていくものと期待されております。 また、急激に成長する新興国市場への投資が拡大しており、なかでもグローバルレベルでのIT統制の必要性が高まっております。当社グループが主たる事業拠点としているフィリピン共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の新興国として年6%程度の経済成長を続けております(2010-2014年の平均値。出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)「世界貿易投資報告:フィリピン編」他)。また、人口動態予測でも、消費者・就労者人口とも一貫して増え続ける予想(出典:総務省統計局「世界の統計2014」2-3 世界人口・年齢構成の推移(1950~2050年))となっており、さらには、中国リスクに対応するための「中国+1(チャイナ・プラスワン)(注2)」の候補地としても注目されております。グローバル部門では、主に国内外の大手電機、車載機器メーカーを主要顧客に、当社子会社であるAdvanced World Systems, Inc. 及びAdvanced World Solutions, Inc. (以下、「フィリピン子会社」という。)を活用したシステム開発業務を行っており、システム開発業界の競合の激化、国際化という業界環境の流れの中で、低コスト、高品質を同時に実現すべくサービスを提供し続け、フィリピン子会社は、2006年1月に当社の子会社となる以前の、前身であるAPTi Philippines, Inc.が設立された1993年以来、20年以上の開発実績を積み上げております。当社グループは、ソフトウエアの設計・開発から製品保証まで、英語・日本語のバイリンガルな環境で広範なシステム開発のサービスを行っております。日本国内の大手電機、車載機器メーカー等と取引をしている経験と実績を基に、信頼できるオフショア開発パートナーとして、確かな技術と品質を提供しております。 フィリピン子会社の活用形態は、主に①フィリピン国内における事業所において開発を行う(オフショア受託開発)、②フィリピン子会社の開発要員を当社に出向させ、そこから日本国内の顧客の開発拠点にて直接開発を行う(オンショア開発)の二形態があります。当社グループでは、顧客の個々の要望に応じてこれらの二形態の組み合わせを基礎として最適な開発形態を都度構築しております。また、フィリピンの人件費水準、及び現地従業員の英語力は、同業との競合において差別化を図れる重要な要素となっております。さらに国内においては、外部の人材についても積極的に活用することを目的として、一般労働者派遣事業の免許を取得し、人材派遣業務を行っております。 フィリピン子会社の従業員は当社グループの重要な経営資源であり、フィリピン及び日本でクライアントと直接的に作業を実施することから、英語と日本語のバイリンガル能力を有するエンジニアを育成する必要があります。そのため、フィリピン子会社においては、毎年計画的にフィリピン全国の理工学系専攻新卒者の上位成績者のみを採用し、戦略的人材育成を行っております。具体的には、フィリピンのマニラとセブのそれぞれの施設に社内研修センター「AWS's Center for Technology Incubation(通称:ACTION)」を設立し、4ヶ月間の集中新人研修プログラムで日本語環境下での高度なソフトウエア開発ができる要員を養成しております。この社内研修センター「ACTION」ではIT分野の基礎技術・知識の教育に始まり、ソフトウエア開発に関わる最新技術、ビジネススキル、さらに日本人講師による日本語講座等、5つの研修コースを設け、従業員の技術力向上を継続的に支援しております。フィリピン子会社では、高い技術力で長年、国際優良企業と協業してきた実績を基に、グローバルな市場で評価されるソリューションを創造・提供し続けた結果、e-services Philippines(注3)において2002年から大賞4回(6部門)を含む6年連続で大賞(最優秀賞)又は優秀賞を受賞し、2007年には「最優秀社内研修プログラム」を受賞しております。 また、2016年3月には第10回国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines)(注4)にて「ベスト・ソフトウエア・カンパニー賞」を受賞する等、高い評価を受けております。 一方、中国拠点(北京、昆山)に関しては、規模はまだ小さいものの、当社グループの主要顧客の開発拠点であることから、今後は、仕様書に基づく開発、テスト・導入等の下流工程にとどまらず、顧客の要求に基づく要件定義や基本設計等の上流工程を含めた高度化な開発に対するニーズが増えることが予想され、中国国内でのビジネスチャンスは増加するものと見込まれております。 b.エンタープライズソリューション部門 エンタープライズソリューション部門では、主に国内外の金融系を中心とした開発案件の企画、営業等を行っております。また、2015年5月に日本アイ・ビー・エム株式会社のコア・パートナーに認定されたことで、金融系に限らず、CAMSS(注5)という先進技術の習得・参画が可能となりました。これにより、当社グループの最大の経営資源であるフィリピン子会社の開発要員にプロジェクトを通じたスキルアップの機会を与えるとともに、より優秀な人材の確保が可能となります。 (注1)Go Global Company 世界的な事業活動を推進する企業。単なる事業拠点の国外展開ではなく、「世界的な規模」の視点で、経営戦略から人的資源のマネジメントを行うカンパニーを指す。 (注2)中国+1(チャイナ・プラスワン) 主に日本の製造業等が、製造拠点が中国に集中しているリスクを回避するために、新たな中核拠点として中国以外(特に、東南アジア諸国連合(ASEAN諸国))に製造拠点を持ち、そのリスクを分散するためのリスクヘッジ方法。 (注3)e-Services Philippines 2009年まで開催された、フィリピンIT産業の主要企業・団体が毎年参加する展示会・会議イベント。フィリピン貿易産業省及び国際貿易促進センター主催で行われる国内最大のIT展示会。フィリピン国内でのパートナー探しのための世界的な展示会・会議として位置付けられていた。 (注4)国際ICTフィリピン・アワード(International ICT Awards Philippines) フィリピンを代表する情報技術団体であるIBPAP(The Information Technology and Business Process Association of the Philippines)の協力のもと、在フィリピンカナダ商工会議所によって運営されており、デザイン及び開発の側面において、ソフトウエア・カンパニーとして、その年のフィリピン国内にて最も創造的な役割を担った企業に送られる賞。評価基準としては、年間売上成長率等の定量的な側面に加え、顧客への提供サービスの多様性やコンピタンス、経営管理手法、フィリピンのICT産業への貢献度等が挙げられる。 (注5)CAMSS 現在のIT産業における成長分野であり、米国IBMが提唱している「Cloud」「Analytics」「Mobile」「Social」「Security」の頭文字をとった言葉。 (2) メディカル事業 当事業では、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを中心としたビジネス戦略を積極的に推進する体制を整えております。 当事業の中核を担う子会社株式会社エーアイエスは、医療現場の業務効率を改善し、経営品質を高めるため、「Mightyシリーズ」製品として主に4つのソリューションシステムを開発・販売しております。なかでもレセプト(注6)点検ソフト「Mighty Checker®」は、1999年に他社に先駆けて当該機能を提供するソフトウエアの開発・販売を行ったことから、全国の多数の医療機関に採用されております。 その他、医療新領域における各種コンサルティングも行っております。 当事業の主力製品であるMightyシリーズのラインアップは、下記のとおりであります。 ① レセプト点検ソフト「Mighty Checker®(マイティーチェッカー)」平成21年5月8日付平成21年厚生労働省令第110号「療養給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令の一部を改正する省令」により、一部例外を除き、医療機関はオンラインによるレセプトの請求が義務付けられるようになりました。審査支払機関における審査強化の動きも重なり、レセプトチェックの精度と効率を上げることは、医療機関において、経営上の重要な課題となりました。「Mighty Checker®」シリーズでは、レセプト電算処理・レセプトオンライン請求が一般化された現在、医療機関にとって必須ツールであり、院内審査(注7)における査定・返戻対策用の機能に留まらず、その後の機能強化により請求漏れのある可能性がある加算項目の指摘を行うことを可能とし、また、グラフィック機能の搭載、請求金額順点検の実現、加えて、査定・返戻データの取り込みにより査定された該当レセプトの抽出、それに基づくスムーズなデータベース修正、集計分析機能などを追加し、業界の中でもユニークで先駆的製品として供給を続けております。 「Mighty Checker®」の特徴及び導入医療機関数の推移については、下記のとおりであります。製品名特徴Mighty Checker® PRO Analyze(マイティーチェッカープロアナライズ)・医科レセプト点検ソフトウエアの上級システム・点検結果を分析し、効率的な点検業務を提案・査定・返戻対策に加え、レセプト点検結果を活用した、より効率的な点検結果の活用が可能・査定返戻データ取り込みによりスムーズなデータベース修正を実現し、査定返戻の抑止を強化Migty Checker® PRO Advance(マイティーチェッカープロアドバンス)・医科レセプト点検ソフトウエアの普及型システム・病名・医薬品・医療行為の適応症を点検・査定・返戻対策の点検(突合点検・縦覧点検・算定日チェック等)・算定支援機能による点検(指導料等で算定できる可能性がある項目をチェック)Mighty Checker® for ORCA(注8)(マイティーチェッカーフォーオルカ)・Mighty Checker® PRO Advanceが日医標準レセプトソフト「ORCA」と連携・ORCAで入力されたデータを、Mighty Checker PRO Advanceと同じ点検機能でスムーズに点検することが可能Mighty Checker® DENTAL(マイティーチェッカーデンタル)・歯科レセプト点検ソフトウエア・Mighty Checker® PROとの併用で医科・歯科トータルな点検が可能Mighty Checker® Cloud(マイティーチェッカークラウド)・インターネット版レセプト点検サービスの提供・PCにアプリケーションがインストールされてなくても、サーバーへアクセスすることで、レセプト点検ソフトを利用することが可能 (単位:件) 2013年3月末2014年3月末2015年3月末2016年3月末「Mighty Checker®」導入病院数1,5181,8412,3102,708「Mighty Checker®」導入診療所数5,6016,4867,2238,061合計7,1198,3279,53310,769 ② オーダリングチェックソフト「Mighty QUBE® PRO(マイティーキューブプロ)」「Mighty Checker®(マイティーチェッカー)」のデータベースを活用し、疾患と診療行為・投薬の適応性、用法用量等を処方オーダー時に点検し、不適応のもの、病名が漏れているケースへエラーを出す仕組みとして、国立大学法人東京大学と共同開発したものであり、オーダリング時の人為的な誤入力・誤操作を防ぐことで、医療事故(ヒヤリ・ハット)や査定(減額)を防止します。 ③ レセプト点検ソフト+オーダリングチェック「Mighty Double®(マイティーダブル)」 ①レセプト点検機能を搭載した「Mighty Checker® PRO」による「収益改善」と、②オーダー点検機能を搭載した「Mighty QUBE® PRO」による「ヒヤリ・ハット防止」をダブルでサポートすることにより、オーダーチェック情報、レセプトチェック情報を一元管理でき、医療の安全管理及びリスクマネジメント対策を実現し、総合的なチェック体制を構築することで、病院経営の健全化にも効果的であり、また、審査支払機関における審査強化に対応しております。 ④ 院内物流管理システム「Mighty SPD®(マイティーエスピーディー)」「Mighty SPD®」は、院内物流業務において必要十分な機能構成により、倉庫と部署の在庫を適正に管理することができ、「人」「モノ」「情報」の観点から病院内の物流業務の効率化を支え、医療現場の生産性向上を実現します。発注業務から入庫、出庫、在庫管理までの物流の流れをシンプルにすることで、保険請求漏れや曖昧な在庫管理を減少させることができます。また、医療機関では、「Mighty SPD®」の経営改善支援機能を活用することで、入力された使用実績をもとに、医師別・患者別・術式別の実績管理ができ、各種統計・分析機能により、経営課題の発見や病院主導のコスト管理運営等の経営改善を推進できます。 ※「Mighty Checker®」「Mighty QUBE®」「Mighty Double®」「Mighty SPD®」は、株式会社エーアイエスの登録商標であります。 (注6)レセプト 患者様が受けた診療について、医療機関が市町村や健康保険組合等の公的機関に対し、保険負担分の支払いを請求する医療診療の明細書。医科・歯科の場合には「診療報酬明細書」、薬局における調剤の場合には「調剤報酬明細書」と呼ばれる。 (注7)院内審査 医療機関自らが内部で実施する自己点検業務。 (注8)ORCA(オルカ) 日本医師会が会員のために開発・提供している無料レセプトソフト。2016年4月15日現在、15,607施設で稼働している(出典:「ORCA PROJECT 日本医師会総合政策研究機構」ホームページ)。 事業の系統図は、次のとおりであります。