事業の概要
- ソフトウエア開発事業金融、医薬、通信、製造業など幅広い業界の企業向けに、業務システムや組み込みシステムの開発を受託しています。Webシステムから基幹システム、新規開発から保守まで多岐にわたり、大手企業との安定した取引を通じて収益を上げています。
- システム販売事業中小企業向けに経営支援システム「楽一」を販売しています。自社開発のソフトウエアだけでなく、他社製品の販売も手掛けることで、顧客の多様なニーズに応え、収益源を確保しています。
- プロダクトソリューション事業ウェブサイト改ざん検知・復旧ソリューション「WebARGUS」やフィッシングメール対策「APMG」といったサイバーセキュリティ製品、Excel業務自動化ツール「xoBlos」などを自社開発・販売しています。また、クラウド移行ツールやデータ消去ソフト、PDF編集ソフトなども取り扱い、幅広い顧客層にサービスを提供しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- ソフトウエア開発事業この事業は、金融、医薬、通信、製造業など幅広い分野の企業向けに、業務システムや組み込みシステムの開発、運用サポートを提供しています。売上高は232.9億円、営業利益は29.3億円と、グループ全体の収益の大部分を占める主力事業です。
- システム販売事業主に中小企業向けに経営支援基幹システム「楽一」の販売を行っています。売上高は8.7億円、営業利益は0.8億円で、ソフトウエア開発事業に比べると規模は小さいですが、グループの事業ポートフォリオの一部を構成しています。
- 地域別構成有価証券報告書には地域別の詳細な内訳は記載されていませんが、組み込みシステム検証事業において海外(北米、アジア、ヨーロッパ等)でのフィールド試験を実施しており、子会社DIT America, LLC.を通じて海外でのサービス提供も行っていることから、一部国際的な事業展開もしています。
2025-06 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| SoftwareDevelopmentBusiness | 地域 | 233 | 29 | 12.6% |
| SystemSalesBusiness | 地域 | 9 | 1 | 9.2% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループは、独立系の情報サービス企業として当社及び連結子会社6社により構成されており、ソフトウエア開発事業及びシステム販売事業を営んでおります。(1)ソフトウエア開発事業①ビジネスソリューション事業イ.業務システム開発事業 業務システム開発事業は、金融業、医薬業、通信業、流通業、運輸業、製造業、公共等の幅広い各分野において、エンドユーザーや情報システム子会社からの受託開発を中心に行っております。その他、大手SIベンダーからの受託開発も行っております。具体的には各分野で培った技術により、Web系や基幹系、フロント業務からバックオフィス業務、新規システム開発や保守開発を行い、各分野の大手企業との信頼関係を築き上げ、安定した受注を確保しております。ロ.運用サポート事業 運用サポート事業は、顧客の業務システムの運用をサポートする事業であり、顧客の社内ユーザーからの問い合わせに対応するサポートデスク業務、インフラ(サーバ、ネットワーク等)の構築・維持管理運用を行っております。大手顧客の事業ドメインに沿った形での継続的なビジネスであるため、安定した収益を見込むことができております。②エンベデッドソリューション事業イ.組込みシステム開発事業 組込みシステム開発事業は、車載機器、モバイル機器、情報家電機器及び通信機器のソフトウエア開発を行っております。この内、車載機器、モバイル機器、情報家電機器においては機器のファームウェア、デバイス機器の制御、アプリケーション等、システム全体にわたるソフトウエア受託開発を行っております。特に、今後成長が見込める車載関連のCASE(*)の中のConnected(通信機能)とAutonomous(自動運転)に注力しております。また、IoTによる家電機器等への新たなサービス提供にも注力しています。(*)CASE:自動車産業の今後の動向を示す重要なキーC(Connected:コネクテッド)、A(Autonomous:自動運転)、S(Shared&Services),E(Electric:電気自動車)ロ.組込みシステム検証事業 組込みシステム検証事業は、製品に対する品質や性能の検証業務の受託及び検証業務を通じて機能や製品の改善について提案を行っております。 専門的な機器を使用し動作や性能を検証するラボ試験や、国内・海外(北米、アジア、ヨーロッパ等)の実際の環境で検証するフィールド試験から、最終的な品質検証として第三者の観点で実施するシステム総合試験まで、様々な検証業務を行っております。 海外で実施するフィールド試験については、必要に応じて子会社のDIT America,LLC.に委託する事により、迅速なサービス提供と現地スタッフの感性も踏まえたユーザビリティの検証を行っております。対象機器としては、車載機器、医療機器、通信機器、モバイル機器等であります。③プロダクトソリューション事業イ.サイバーセキュリティ商品 ウェブサイト改ざんの瞬間検知・瞬間復旧ソリューション「WebARGUS」、フィッシングメール対策ソリューション「APMG」を主製品としています。更に、外部サイバーセキュリティ企業との協業により、DITセキュリティのブランド名でトータルセキュリティサービスを提供しております。ロ.業務効率化商品 Excel業務イノベーションプラットフォームである「xoBlos」は、Excel業務を自動化することで劇的に業務の効率化を可能にするとともに、各種RPAやERP製品とシームレスに連携する機能を兼ね備えた商品など市場のニーズに応じたサービスを積極的に提供しております。ハ.法人向け商材 独占販売権を有するクラウドマイグレーションツール「Data Migration Box」、自社で著作権を有するUSBメモリ型のデータ消去ソフト「DiskDeleter」等を販売しております。ニ.個人向け商材 「プラチナリセラー」として販売しているPDFファイルを自由に編集できる多機能型PDF統合ソフト「PDF –Xchange Editor」等を販売しております。(2)システム販売事業 システム販売事業は主として、当社及び子会社のDITマーケティングサービス株式会社が中小企業向け経営支援基幹システム「楽一」の販売を行っております。 事業の系統図は次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 技術者不足や人件費高騰による協力会社からの値上げを顧客に転嫁できないリスクがあるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 技術革新のスピードが速く、先進のノウハウと開発環境を継続的に進化させる必要がある。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:必要な技術の確保 / 価格競争激化の可能性 / 人材の確保、育成
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
公開されている情報からは、特許、ブランド、規制ライセンスなどの具体的な無形資産に関する情報は確認できませんでした。事業内容も一般的な情報サービス提供であり、特異な無形資産の存在を示唆する要素は見当たりません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
同社は主に企業向けにクラウド型業務管理システムを提供しています。一度導入したシステムを他社製品へ切り替える際には、データ移行や従業員の再教育などのコストが発生する可能性がありますが、その程度は限定的と考えられます。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の提供するサービスは、個々の企業が独立して利用する形態が主であり、ユーザー数の増加がサービス価値を直接的に高めるネットワーク効果は期待できません。プラットフォーム型ビジネスとは異なります。
コスト優位☆☆☆☆☆
情報通信業であり、特にコスト優位性を示すような製造プロセスや規模の経済に関する具体的な情報は公開されていません。同業他社との価格競争力に関する優位性も確認できません。
規模の経済★☆☆☆☆
情報通信業全体としては規模の経済が働く可能性がありますが、同社単独で業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは言えません。市場シェアや業界内でのポジションに関する具体的な情報は限定的です。
- 幅広い受託開発実績金融、医薬、通信、製造、公共など多岐にわたる業界で業務システム開発の実績があり、大手企業との信頼関係を構築しています。これにより安定した受注を確保し、特定の業界に依存しない事業基盤を築いています。
- 専門性の高い技術力車載機器、モバイル機器、情報家電機器などの組み込みシステム開発において、ファームウェアからアプリケーションまでシステム全体をカバーする技術力を持っています。特にCASE(コネクテッド、自動運転)分野に注力し、将来の成長市場に対応しています。
- 自社プロダクトと検証体制サイバーセキュリティ製品「WebARGUS」や業務効率化ツール「xoBlos」といった自社プロダクトを有し、他社との差別化を図っています。また、組み込みシステムの品質や性能を検証する専門的な体制(ラボ試験、海外フィールド試験)も強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは「社員の生活を守り、且つ社会に貢献する」の経営理念のもと、「顧客起点」を企業理念の中核としてサービスを提供しております。変化の激しい経営環境にあって、中期経営方針を「付加価値の追求と変化対応への取り組みから、経営の安定成長を目指す」として、事業に取り組んでおります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、事業の発展を通じて、企業価値の継続的向上を目指しております。売上高成長率、営業利益率および経常利益率の向上、1株当たり当期純利益の向上、高水準でのROEの維持に努めてまいります。 (3)中長期的な会社の経営戦略 次の戦略で、中期経営方針の実現をめざします。 ①5つの基本的な事業戦略 ・リノベーション(既存事業の改革による事業基盤の強化・安定化) ・イノベーション(自社商品を軸とした新しい価値創造) ・競合から協業へ(協業による事業拡大) ・開発からサービスへ(サービス視点での事業拡大) ・人材調達・人材育成(採って育てる) ②「分散(部分最適)と集中(全体最適)」の組織戦略 ・カンパニー制による部分最適の推進(変化対応・専門特化・経営者育成) ・本部制/営業統括機能による全体最適の推進(統制・統括・コラボレーション) ③今後の具体的なビジネス展開 「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」の2軸に力を入れてまいります。 「事業基盤の安定化」 ・経営資源を成長分野で且つ得意領域の分野に傾斜配分 ・安定収益基盤で成長著しい運用サポート事業を拡充 「成長要素の強化」 ・システムレジリエンス思想によるセキュリティ商品のファミリー化と拡販、同思想に基づき、WebARGUSの機能向上並びにIoT版WebARGUSの適用領域の拡大、外部サイバーセキュリティ企業との協業によるトータルサイバーセキュリティサービスの提供 ・Excel業務イノベーションプラットフォームである「xoBlos」や各種RPAやERP製品とシームレスに連携する機能を備えた商品などの販売促進 ・新たな自社商品への開発投資 (4)経営環境 我が国経済全般については、2025年7月に内閣府より ―景気は、米国の通商政策等による影響が一部にみられるものの、緩やかに回復している。― 「先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるが、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクには留意が必要である。加えて、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響なども、我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、金融資本市場の変動等の影響に引き続き注意する必要がある。」という先行き見通しが出されています。 一方、国外では、米国の通商・経済政策の動向が世界経済に影響を及ぼしているほか、地政学リスクも継続しており、世界経済の先行きは依然として不透明な状況となっています。 当社が属する情報サービス産業では、AI、IoT、クラウドコンピューティング、ビッグデータ分析、量子コンピューティングなどの先端技術が引き続き発展しており、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)は今後も加速するものと見込まれています。特に、生成AI関連の技術革新が著しく、その活用が各業種・業務に広がりを見せており、新たなサービスの創出が進展することが予想されています。 このような環境のもと、当社は、不透明な経済情勢や技術革新の加速といった変化に対し、強みである変化対応力を活かし、果敢に挑戦してまいります。 (5)会社の対処すべき課題 当社グループは経営の安定化と成長性を目指すために、次の課題を継続的に対処してまいります。 ①収益力の強化について 付加価値の追求と変化対応への幅広い取り組みにより、現業の業容拡大を図ってまいります。また、市場ニーズに対応した商品を継続的に開発販売することにより、技術者数に依存しない新たな高収益モデルを確立してまいります。 ②人材の確保と育成について 当社の継続的な発展を実現するためには、優秀な人材の確保と社員一人ひとりの成長を支える育成の強化が必要であると認識しております。しかしながら少子化が進む中、新卒、即戦力である中途採用及び協力会社からの技術者確保が厳しくなっております。このような状況の中、以下の取り組みを推進してまいります。・社員の定着、社員満足度向上のための環境作り・優秀な外注要員の安定的な調達を図るための協力会社との紐帯強化・地方拠点(松山市、仙台市、函館市、北斗市)を活かした地元志向の優秀な人材の採用・育成による、あらゆる仕事に対応するIT多目的センターの構築及びこの地方モデルの他の新たな地域への展開・相乗効果を発揮できると期待される会社との積極的なM&A・専門性と実務力の向上を図るため、集合研修の充実やeラーニングの活用による継続的なスキルアップ支援 ③価格競争への対応について顧客のコスト競争力の追求は依然として続いており、国内市場の競争は厳しさを増しております。当社は、顧客の求めるQCD(注1)を提供することで、顧客満足度を上げる取り組みを行っております。その中で、技術者の付加価値を向上させ、顧客にとって無くてはならない立ち位置を築き、価格競争に巻き込まれない対応を図ってまいります。一方、地方拠点のIT多目的センターを活用した「高度ニアショア開発」(注2)により、低価格競争への対応も図ってまいります。 (*1)顧客の求めるQCDとは、高品質(Quality)、低価格(Cost)、短納期(Delivery)を意味します。(*2)「高度ニアショア開発」とは、国内の地方拠点において、付加価値の高い技術者集団によって行うコストパフォーマンスの高い開発方式です。 ④内部管理体制の強化について 継続的な成長を続けることができる企業体質の確立に向けて、リスク管理や業務運営効率化のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。業容の拡大に合わせ、内部統制システムの適切な運用と整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、継続的に体制強化に取り組んでまいります。 ⑤プロジェクトマネジメントの強化について 下記プロジェクトマネジメント強化の取り組みを通して、不採算案件の抑制に努め、収益性と顧客満足度の向上を図ってまいります。・一定規模以上の案件を対象に、開発プロセスの重要なフェーズごとにプロジェクトレビューを実施・品質管理部門にて、プロジェクト開発における実行可能性検証、進捗管理、品質管理、リスク管理等全般を統括・品質管理部門による受注段階からのレビュー強化によるリスクの早期発見と品質・プロジェクト管理の徹底・プロジェクトマネージャの育成・パートナー企業との関係強化・顧客折衝力の強化 ⑥景気動向に影響されない収益基盤の確立について ソフトウエア開発事業においては、主な顧客と定期的な情報交換を行うことで、安定的な仕事の確保を行い、景気動向に左右されにくい収益基盤の構築を図ってまいります。 また、景気の変動を受けにくい運用サポート事業や維持保守業務(注3)の領域に注力し、業務知識の深耕と顧客に寄り添った行動を進め、顧客の信頼を獲得することで事業の拡大を図ってまいります。 なお、当社は海外との直接取引は少ないものの、一部顧客である車載関連メーカーが、米国の関税政策等の国際的な経済政策の影響を受ける可能性があるため、今後の外部環境の変化に注視し、柔軟に対応してまいります。 (*3)維持保守業務とは、開発後にシステムを安定稼働させるため継続的に障害対応や機能改善を行う業務です。 ⑦技術革新への対応について 近年、生成AIをはじめとする先端技術の進展が著しく、その活用はさまざまな業種・業務に広がりを見せています。こうした技術の進化は、新たなサービスやビジネスモデルの創出を促進するとともに、産業構造の変革をもたらす可能性があり、当社においても、この流れを的確に捉え、新たな技術の研究開発を強化して取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは「社員の生活を守り、且つ社会に貢献する」の経営理念のもと、「顧客起点」を企業理念の中核としてサービスを提供しております。変化の激しい経営環境にあって、中期経営方針を「付加価値の追求と変化対応への取り組みから、経営の安定成長を目指す」として、事業に取り組んでおります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、事業の発展を通じて、企業価値の継続的向上を目指しております。売上高成長率、営業利益率および経常利益率の向上、1株当たり当期純利益の向上、高水準でのROEの維持に努めてまいります。 (3)中長期的な会社の経営戦略 次の戦略で、中期経営方針の実現をめざします。 ①5つの基本的な事業戦略 ・リノベーション(既存事業の改革による事業基盤の強化・安定化) ・イノベーション(自社商品を軸とした新しい価値創造) ・競合から協業へ(協業による事業拡大) ・開発からサービスへ(サービス視点での事業拡大) ・人材調達・人材育成(採って育てる) ②「分散(部分最適)と集中(全体最適)」の組織戦略 ・カンパニー制による部分最適の推進(変化対応・専門特化・経営者育成) ・本部制/営業統括機能による全体最適の推進(統制・統括・コラボレーション) ③今後の具体的なビジネス展開 「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」の2軸に力を入れてまいります。 「事業基盤の安定化」 ・経営資源を成長分野で且つ得意領域の分野に傾斜配分 ・安定収益基盤で成長著しい運用サポート事業を拡充 「成長要素の強化」 ・システムレジリエンス思想によるセキュリティ商品のファミリー化と拡販、同思想に基づき、WebARGUSの機能向上並びにIoT版WebARGUSの適用領域の拡大、外部サイバーセキュリティ企業との協業によるトータルサイバーセキュリティサービスの提供 ・Excel業務イノベーションプラットフォームである「xoBlos」や各種RPAやERP製品とシームレスに連携する機能を備えた商品などの販売促進 ・新たな自社商品への開発投資 (4)経営環境 我が国経済全般については、2025年7月に内閣府より ―景気は、米国の通商政策等による影響が一部にみられるものの、緩やかに回復している。― 「先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるが、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクには留意が必要である。加えて、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響なども、我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、金融資本市場の変動等の影響に引き続き注意する必要がある。」という先行き見通しが出されています。 一方、国外では、米国の通商・経済政策の動向が世界経済に影響を及ぼしているほか、地政学リスクも継続しており、世界経済の先行きは依然として不透明な状況となっています。 当社が属する情報サービス産業では、AI、IoT、クラウドコンピューティング、ビッグデータ分析、量子コンピューティングなどの先端技術が引き続き発展しており、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)は今後も加速するものと見込まれています。特に、生成AI関連の技術革新が著しく、その活用が各業種・業務に広がりを見せており、新たなサービスの創出が進展することが予想されています。 このような環境のもと、当社は、不透明な経済情勢や技術革新の加速といった変化に対し、強みである変化対応力を活かし、果敢に挑戦してまいります。 (5)会社の対処すべき課題 当社グループは経営の安定化と成長性を目指すために、次の課題を継続的に対処してまいります。 ①収益力の強化について 付加価値の追求と変化対応への幅広い取り組みにより、現業の業容拡大を図ってまいります。また、市場ニーズに対応した商品を継続的に開発販売することにより、技術者数に依存しない新たな高収益モデルを確立してまいります。 ②人材の確保と育成について 当社の継続的な発展を実現するためには、優秀な人材の確保と社員一人ひとりの成長を支える育成の強化が必要であると認識しております。しかしながら少子化が進む中、新卒、即戦力である中途採用及び協力会社からの技術者確保が厳しくなっております。このような状況の中、以下の取り組みを推進してまいります。・社員の定着、社員満足度向上のための環境作り・優秀な外注要員の安定的な調達を図るための協力会社との紐帯強化・地方拠点(松山市、仙台市、函館市、北斗市)を活かした地元志向の優秀な人材の採用・育成による、あらゆる仕事に対応するIT多目的センターの構築及びこの地方モデルの他の新たな地域への展開・相乗効果を発揮できると期待される会社との積極的なM&A・専門性と実務力の向上を図るため、集合研修の充実やeラーニングの活用による継続的なスキルアップ支援 ③価格競争への対応について顧客のコスト競争力の追求は依然として続いており、国内市場の競争は厳しさを増しております。当社は、顧客の求めるQCD(注1)を提供することで、顧客満足度を上げる取り組みを行っております。その中で、技術者の付加価値を向上させ、顧客にとって無くてはならない立ち位置を築き、価格競争に巻き込まれない対応を図ってまいります。一方、地方拠点のIT多目的センターを活用した「高度ニアショア開発」(注2)により、低価格競争への対応も図ってまいります。 (*1)顧客の求めるQCDとは、高品質(Quality)、低価格(Cost)、短納期(Delivery)を意味します。(*2)「高度ニアショア開発」とは、国内の地方拠点において、付加価値の高い技術者集団によって行うコストパフォーマンスの高い開発方式です。 ④内部管理体制の強化について 継続的な成長を続けることができる企業体質の確立に向けて、リスク管理や業務運営効率化のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。業容の拡大に合わせ、内部統制システムの適切な運用と整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、継続的に体制強化に取り組んでまいります。 ⑤プロジェクトマネジメントの強化について 下記プロジェクトマネジメント強化の取り組みを通して、不採算案件の抑制に努め、収益性と顧客満足度の向上を図ってまいります。・一定規模以上の案件を対象に、開発プロセスの重要なフェーズごとにプロジェクトレビューを実施・品質管理部門にて、プロジェクト開発における実行可能性検証、進捗管理、品質管理、リスク管理等全般を統括・品質管理部門による受注段階からのレビュー強化によるリスクの早期発見と品質・プロジェクト管理の徹底・プロジェクトマネージャの育成・パートナー企業との関係強化・顧客折衝力の強化 ⑥景気動向に影響されない収益基盤の確立について ソフトウエア開発事業においては、主な顧客と定期的な情報交換を行うことで、安定的な仕事の確保を行い、景気動向に左右されにくい収益基盤の構築を図ってまいります。 また、景気の変動を受けにくい運用サポート事業や維持保守業務(注3)の領域に注力し、業務知識の深耕と顧客に寄り添った行動を進め、顧客の信頼を獲得することで事業の拡大を図ってまいります。 なお、当社は海外との直接取引は少ないものの、一部顧客である車載関連メーカーが、米国の関税政策等の国際的な経済政策の影響を受ける可能性があるため、今後の外部環境の変化に注視し、柔軟に対応してまいります。 (*3)維持保守業務とは、開発後にシステムを安定稼働させるため継続的に障害対応や機能改善を行う業務です。 ⑦技術革新への対応について 近年、生成AIをはじめとする先端技術の進展が著しく、その活用はさまざまな業種・業務に広がりを見せています。こうした技術の進化は、新たなサービスやビジネスモデルの創出を促進するとともに、産業構造の変革をもたらす可能性があり、当社においても、この流れを的確に捉え、新たな技術の研究開発を強化して取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)当期の経営成績の概況 当連結会計年度(2024年7月1日~2025年6月30日)における経営環境は、政府による賃上げ促進策や投資減税などの経済政策もあり、緩やかな回復基調が続きましたが、エネルギーや食料品の価格上昇、人手不足に伴うコスト増などが続く中で、米国の不規則な通商政策が重なり、先行き不透明な状況が続きました。 当社が属する情報サービス産業においては、2025年7月1日に公表された日銀短観(6月調査)による2025年度ソフトウエア投資計画(全産業・全規模合計)が、2024年度と比較し、12.4%増であり、引き続き好調なソフトウエア投資が続いていることが示されています。 当社グループにとりましても、DXの実現を加速するAI(Artificial Intelligence:人工知能)、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、既存システムのクラウドシステムへの移行、システム開発のスピードアップを実現するローコード開発等の進展により、ビジネス参入機会の増加と事業領域の拡大につながりました。 また、深刻化するサイバーセキュリティ問題に対して、2025年3月5日には経済産業省より「サイバーセキュリティ産業振興戦略」が公表されるなど、社会全体でサイバーセキュリティ対策強化が求められています。さらに、物価高騰に伴う人件費の上昇により「業務効率化」へのニーズも一段と高まっており、これらの課題に対して有効なソリューションを提供する当社グループにとって追い風となる状況が続いております。 このような環境のもと、当社グループでは、「5つの事業戦略」を掲げ、積極的な取り組みを継続しております ・リノベーション(既存事業の改革による事業基盤の拡大・安定化) ・イノベーション(自社商品を軸とした新しい価値創造) ・競合から協業へ(協業による事業拡大) ・開発からサービスへ(サービス視点での事業拡大) ・人材調達・人材育成(採って育てる) なお、当社は2024年8月9日に新中期経営計画(2024年度~2026年度)を発表しました。新中期経営計画では、当社の企業理念と存在意義の結びつきをPurposeとして『「進歩」を続けるデジタル社会(変化)をITの力(対応力)で支え、人々の生活を豊かに。』と表現し、全社一丸となって成長していくことを掲げました。 また、引き続き、2030年ビジョンとして「信頼され、選ばれるDITブランド」の構築を掲げると共に「売上高500億円(フィフティbillion)、営業利益50億円(フィフティhundred million)、配当性向50%(フィフティpercent)以上」を示す新たなスローガン「50(フィフティ)、50(フィフティ)、50(フィフティ)超えへの挑戦!」を掲げ、目標達成に向けて全力で挑戦してまいります。 この2030年ビジョンの実現ステップとして、当期2025年6月期から2027年6月期までの期間を、事業構造改革の推進時に新たに認識された課題に対応すると共に、Purpose経営を推進し、事業スタイルを確立させ、事業全般を成長軌道に乗せる「成長軌道の実現」の期間とし、また、2028年6月期から2030年6月期の期間を、Purposeを定着させ、全てのステークホルダーから信頼され、選ばれる「DITブランドの確立」の期間としています。 ■2025年6月期業績概要 当連結会計年度の売上・利益は、ともに旺盛な需要に対応し、過去最高の業績となりました。 当連結会計年度は、社員の処遇改善(平均9%の昇給)や、M&Aに伴うのれん償却額、パートナー単価の向上などによりコストが大幅に増加しました。しかしながら、旺盛な需要とM&Aの効果により、これらのコスト増を十分に吸収し、売上高・利益ともに大幅な増加を達成し、収益基盤を一層強化することができました。 以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高24,159,035千円(前期比21.5%増)、営業利益3,013,992千円(同24.3%増)、経常利益3,027,785千円(同25.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,178,368千円(同29.1%増)となり、15期連続の増収増益を達成しました。 セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。 なお、以下の事業別売上高、セグメント利益(営業利益)は、セグメント間の内部取引相殺前の数値であります。 ①ソフトウエア開発事業 ビジネスソリューション事業分野(業務システム開発、運用サポート)は、前々年度に発生した不採算案件に伴う引き継ぎ作業を前年度第1四半期に実施していた影響が一巡し、売上・利益ともに前年を大きく上回りました。 業務システム開発では、金融系案件への回帰戦略が成果を上げ、公共、通信、製造系案件も伸展し、更に2024年2月にM&Aにより当社グループに加入したシステム・プロダクト株式会社の売上も加わったことから、大幅な増収増益を達成しました。特に、利益面では、当第3四半期まで続いた公共系高単価案件が大きく貢献しました。 運用サポートでは、クラウド系インフラ構築領域が伸びるなど着実に業務領域を広げているものの、Salesforceなどの新サービス展開が遅れ気味であることから、売上は伸ばすことができたものの、利益面については微増にとどまりました。 エンベデッドソリューション事業分野(組込みシステム開発、組込みシステム検証)は、第4四半期に入ってからは、米国の通商政策の影響が一部顕在化し、事業環境にやや不確実性が生じる場面も見られましたが、売上・利益を大幅に伸ばすことができました。 組込みシステム開発では、半導体関連分野で一時的な調整局面により微増にとどまったものの、車載向けの研究開発案件や家電などIoT関連分野が堅調に推移し、売上・利益ともに前年を上回りました。 組込みシステム検証においては、大手部品メーカーから車載IVI(In-Vehicle Infotainment:車載インフォテインメント)案件を受注するとともに、大手製造会社とAIによるテストPoC(概念実証)を実施するなど、事業領域の拡大が進み、売上・利益ともに前年を大幅に上回りました。 プロダクトソリューション事業分野は、サブスクリプションライセンスの積上げ、電子契約サービス関連の周辺開発の売上増、更に2024年2月にM&Aにより当社グループに加入した株式会社ジャングルの連結により、売上・利益ともに順調に伸ばすことができました。 サイバーセキュリティビジネスについては、WebARGUS(*1)の既存顧客からのライセンス売上が着実に増加し、売上・利益ともに前年を上回りました。また、当社独自で脆弱性診断サービスを開始したほか、情報セキュリティで最大の脅威となっているランサムウェア攻撃等から重要データを確実に保護するセキュリティ製品「WebARGUS(ウェブアルゴス) for Ransomware(ランサムウェア)」に関しては、機能面を強化した新バージョン「Sentinel ARGUS(センチネルアルゴス)」をリリースしました。さらに、中規模企業向けのセキュリティ商材に追加料金なしでサイバーセキュリティ保険を自動付帯する新サービスの提供を開始するなど、商品ラインナップの充実も進みました。 業務効率化ビジネスについては、xoBlos(*2)の前期から積み上げていたリード顧客の取り込みが進展し、売上・利益ともに前年を上回りました。 アフターコロナの時代において、リモートワークの普及に伴いニーズが高まった電子契約のアウトソーシング型サービス「DD-CONNECT」(ディ・ディ・コネクト)は、住宅建設業界を中心にSI開発を含めて売上が伸長しました。 また、株式会社ジャングルは、市場ニーズの高い以下の製品を開拓して販売しており、特に「筆ぐるめ」については、年賀状離れが進む中でも、季節的な特需により大きく貢献しました。 ・「Data Migration Box」は、法人向けの商材として、オンプレミスからクラウド、クラウドから他のクラウドへの高速データ移行ツールで、ジャングルが独占販売権を所持しております。・「DiskDeleter」は、USBメモリ型のデータ消去ソフトで、ジャングルが著作権を所持しており、導入実績は10,000社超になります。・「PDF –Xchange Editor」は、PDFファイルを自由に編集できる多機能型PDF統合ソフトで、ジャングルが「プラチナリセラー」として販売しています。・「筆ぐるめ」は、富士ソフト株式会社が開発・販売する年賀状やハガキ作成ソフトで、購入は 全国の量販店やジャングルの運営する「筆ぐるめ公式ストア」からとなっています。 これらの結果、ソフトウエア開発事業の売上高は23,294,442千円(前期比21.6%増)、セグメント利益は2,934,416千円(同24.0%増)となりました。 (*1)Webセキュリティソリューション「WebARGUS(ウェブアルゴス)」は、ウェブサイ卜等の改ざんを発生と同時に検知し、瞬時に元の正常な状態に復元できる、新しい方式のセキュリティソリューションです。改ざんの瞬間検知・瞬間復旧により、悪質な未知のサイバー攻撃の被害から企業のウェブサイト等を守ると同時に、改ざんされたサイトを通じたウイルス感染などの被害拡大を防ぎます。 (*2)Excel業務イノベーションプラットフォーム「xoBlos(ゾブロス)」は、Excelベースの非効率な業務を自動化します。これにより短期間で劇的に業務を効率化することができます。(Excel®は、米国Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標または商標です。) ②システム販売事業 カシオヒューマンシステムズ株式会社製の中小企業向け業務・経営支援システム「楽一」を主力とするシステム販売ビジネスにおいては、前年度の「インボイス制度」や「電子帳簿保存法改正に伴う電子データ取引データ保管の義務化」に伴う需要の反動減を見越し、第2四半期に北陸地方に拠点を持つ楽一販売代理店から事業を承継しました。この施策が功を奏し、売上高および利益は前年度を上回りました。 これらの結果、システム販売事業の売上高は909,474千円(前期比22.7%増)、セグメント利益は79,565千円(同36.1%増)となりました。 (2)当期の財政状態の概況当連結会計年度における資産、負債及び純資産の状況は以下のとおりであります。①流動資産前連結会計年度末に比べ937,616千円増加し、9,474,059千円となりました。これは、主に現金及び預金が738,364千円並びに受取手形及び売掛金が303,236千円それぞれ増加し、契約資産が146,854千円減少したことによるものです。②固定資産前連結会計年度末に比べ116,219千円増加し、1,797,063千円となりました。これは、主に投資有価証券が365,687千円増加し、のれんが163,608千円、繰延税金資産が70,073千円それぞれ減少したことによるものです。③流動負債前連結会計年度末に比べ117,569千円増加し、2,791,520千円となりました。これは、主に買掛金が123,798千円増加し、1年内返済予定の長期借入金が22,260千円減少したことによるものです。④固定負債前連結会計年度末に比べ187,650千円減少し、297,375千円となりました。これは、主に長期借入金が179,580千円減少したことによるものです。⑤純資産前連結会計年度末に比べ1,123,916千円増加し、8,182,226千円となりました。これは、主に利益剰余金が1,387,260千円、自己株式が484,126千円それぞれ増加したことによるものです。 (3)当期のキャッシュ・フローの概況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ830,808千円増加し、5,337,753千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりであります。 ①営業活動によるキャッシュ・フロー 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上(3,027,865千円)、法人税等の支払額による支出(842,512千円)などにより2,394,103千円の収入(前連結会計年度は1,741,683千円の収入)となりました。 ②投資活動によるキャッシュ・フロー 投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入(96,242千円)、投資有価証券の取得による支出(27,400千円)、事業譲受による支出(17,373千円)、などにより10,944千円の収入(前連結会計年度は595,613千円の支出)となりました。 ③財務活動によるキャッシュ・フロー 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額による支出(790,886千円)、自己株式の取得による支出(488,529千円)などにより1,546,191千円の支出(前連結会計年度は804,712千円の支出)となりました。 (4)生産、受注及び販売の実額 ①生産実績 当社グループの事業には生産に該当する事項がないため、記載を省略しております。 ②受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)ソフトウエア開発事業23,862,444118.25,351,396111.9システム販売事業928,492130.6150,505170.3合計24,790,936118.65,501,901113.0 ③販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)前年同期比(%)ソフトウエア開発事業(千円)23,292,677121.6システム販売事業(千円)866,358118.9合計(千円)24,159,035121.5 (注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。 [経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析] 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、財政状態及び経営成績に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。当社グループはこの見積りを行うに当たり、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針につきましては、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。 (2)経営成績の分析①売上高、売上原価(売上総利益)当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ4,270,791千円増加し、24,159,035千円となりました。また、売上総利益は、前連結会計年度に比べ1,200,755千円増加し、6,145,789千円となりました。これは主に以下の理由によるものです。イ.ビジネスソリューション事業(業務システム開発)金融系案件への回帰戦略が成果を上げたほか、公共、通信、製造系案件も伸長しました。さらに、2024年2月にM&Aにより当社グループに加わったシステム・プロダクト株式会社の売上の寄与により、大幅な増収増益を達成しました。ロ.ビジネスソリューション事業(運用サポート事業)クラウド系インフラ構築領域の拡大などにより、着実に業務領域を広げました。一方で、Salesforceなどの新サービス展開がやや遅れたため、売上の伸びは緩やかにとどまり、利益も微増にとどまりました。ハ.エンベデッドソリューション事業(組込みシステム開発)半導体関連分野では一時的な調整局面があったものの、車載向けの研究開発案件や家電などのIoT関連分野は堅調に推移し、売上・利益ともに前年を上回りました。ニ.エンベデッドソリューション事業(組込みシステム検証)大手部品メーカーから車載IVI(In-Vehicle Infotainment:車載インフォテインメント)案件を受注したほか、大手製造会社とAIによるテストPoC(概念実証)を実施するなど事業領域の拡大が進み、売上・利益ともに前年を大きく上回りました。ホ.プロダクトソリューション事業サブスクリプションライセンスの積み上げや電子契約サービス関連の開発が伸長したほか、2024年2月にM&Aにより当社グループに加わった株式会社ジャングルの連結効果も寄与し、売上・利益ともに順調に拡大しました。ヘ.システム販売事業前年度の制度改正需要の反動減を見越して第2四半期に北陸地方の楽一販売代理店から事業を承継した結果、売上・利益ともに前年を上回りました。 ②販売費及び一般管理費(営業利益)当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ611,680千円増加し、3,131,797千円となりました。これは主に、M&Aにより当社グループに加わった2社に係るのれん償却費の増加などによるものです。この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ589,075千円増加し、3,013,992千円となりました。 ③営業外損益(経常利益)当連結会計年度の営業外収益は受取利息及び配当金、助成金収入等の計上により39,998千円となり、営業外費用は支払手数料、事務所移転費用等の計上により26,205千円となりました。この結果、当連結会計年度における経常利益は3,027,785千円となりました。 ④特別損益(税金等調整前当期純利益)当連結会計年度において、投資有価証券の売却による利益80千円があり、税金等調整前当期純利益は3,027,865千円となりました。 ⑤親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度における税金費用は、法人税、住民税及び事業税に税効果会計適用に伴う法人税等調整額を併せ839,774千円となりました。以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ491,444千円増加し、2,178,368千円となりました。 (3)財政状態の分析当連結会計年度の財政状態の状況につきましては、[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](2)当期の財政状態の概況に記載のとおりであります。なお、利益剰余金の増加により純資産額は増加し、自己資本比率は71.6%となりました。 (4)資本の財源及び資金の流動性についての分析当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](3)当期のキャッシュ・フローの概況に記載のとおりであります。なお、当社は営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、運転資金は基本的には手元資金でまかなえると考えております。また、投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、固定資産の取得等による支出があったものの、定期預金の払戻による収入があったため、全体として増加しました。財務活動によるキャッシュ・フローの主な支出は、自己株式の取得による支出、配当金の支払額で、配当性向は50%以上を目標としております。当座借越契約及びリボルビング・クレジット・ファシリティ契約により、急な運転資金増加にも対応できると考えておりますが、M&Aや大幅な人員増加、設備投資等が必要となった場合には、改めて借入実行等を適宜判断してまいります。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2021年6月期2022年6月期2023年6月期2024年6月期2025年6月期自己資本比率(%)70.972.373.568.171.6時価ベースの自己資本比率(%)465.4271.2293.6272.4313.2キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.00.00.00.10.0インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)3,081.93,124.92,322.01,300.91,574.7自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い (5)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、事業の発展を通じて企業価値の継続的向上を目指しており、売上高成長率、営業利益率、経常利益率、1株当たりの当期純利益およびROE(自己資本利益率)を重要な経営指標と位置付け、その向上及び高水準での維持に努めてまいります。2025年6月期につきましては、これら全ての経営指標において当初計画を上回りました。また、ROE(自己資本利益率)については、25%を大きく超過して達成することが出来ました。 指標(2025年6月期)当初計画実績当初計画比売上高 22,000百万円24,159百万円2,159百万円 (9.8%増)営業利益営業利益率2,600百万円11.8%3,013百万円12.5%413百万円 (15.9%増)0.7ポイント増経常利益経常利益率2,600百万円11.8%3,027百万円12.5%427百万円 (16.5%増)0.7ポイント増1株当たり当期純利益 120.70円147.38円26.68円 (22.1%増)ROE(自己資本利益率) 25%以上29.0%4.0%増 (6)経営戦略の現状と見通し当社の経営戦略につきましては、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載のとおり、「5つの事業戦略」に基づいており、引き続き「事業基盤の安定化」と「成長要素の強化」の2軸の事業推進により経営の安定と成長に注力してまいります。なお、当社は2024年8月9日に中期経営計画(2024年度~2026年度)を発表しました。本中期経営計画では、当社の企業理念と存在意義の結びつきをPurposeとして『「進化」を続けるデジタル社会(変化)をITの力(対応力)で支え、人々の生活を豊かに。』と表現し、全社一丸となって成長していくことを掲げました。2030年に向けて「信頼され、選ばれるDITブランド」の構築とともに「売上高500億円、営業利益50億円、配当性向50%以上」の目標達成に向けて、本中期計画(2024年度~2026年度)においては、『成長軌道の実現』の期間として事業を推進してまいります。
事業リスク
- 技術革新への対応情報サービス業界は技術革新のスピードが速く、常に新しい技術や開発環境を取り入れる必要があります。想定を超える技術変化に対応できない場合、競争力が低下し、事業活動や業績に影響が出る可能性があります。
- 人材確保と育成の困難ソフトウエア開発事業は、優秀な情報処理技術者の能力に大きく依存しています。国内外の競合との人材獲得競争が激化する中で、計画通りに人材を確保・育成できない場合、受注案件に対応できなくなり、事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。
- 不採算プロジェクトの発生受託開発では、開発規模の見積もりが困難な場合や、予期せぬ仕様変更によりプロジェクトの採算が悪化するリスクがあります。また、製品の不具合やサービス不良が発生した場合、追加コストや損害賠償が発生し、業績に悪影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資家の投資判断上、有用であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項も慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるリスクのすべてを網羅するものではありません。 (1)市場環境に関するリスクについて①必要な技術の確保について 当業界においては、技術革新のスピードが速いため、先進のノウハウと開発環境を保有し、かつそれらを継続的に進化させていく必要があります。当社グループにおいては、常に新しい技術を利用したシステム構築に挑戦しており、迅速な環境変化に対応できるよう技術者の採用・教育、開発環境の整備等を進めておりますが、当社グループの想定を超える技術革新等による著しい環境変化等が生じた場合は、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。②価格競争激化の可能性について 当業界においては、技術者の不足や人件費の高騰に伴い、安価な労働力を大量に得られる等の理由から、“オフショア開発”を行う企業があります。“オフショア開発”とは、システム開発・運用管理などを海外の事業者や海外子会社に委託することです。現在、アジア諸国企業の日本進出も始まっており、今後価格競争が一層激化することが予測されます。当社グループはこうした状況に対し、営業力や技術力の強化、生産性向上等により対応する所存でありますが、予想以上に競争が激化した場合には当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。③国際的な経済政策等の影響について 国際的な経済政策や貿易摩擦、関税措置、地政学的リスク、資本市場の変動などの外部環境の変化は、顧客企業の投資判断や開発需要に影響を及ぼす可能性があります。特に、自動車業界に代表される輸出産業においては、関税政策の変更が事業環境に大きな影響を与えるおそれがあり、その結果として当社グループの受注動向や業績に波及する可能性があります。 (2)当社グループ事業に関するリスクについて①人材の確保、育成について 当社グループのビジネスソリューション事業及びエンベデッドソリューション事業においては、人材、特に情報処理技術者の能力や資質に大きく依存しております。当業界においては、国内外の競合各社との厳しい競争に直面しており、当社グループは人材こそが他社との差別化戦略のキーであると位置付け、有能なプロ集団としての技術者、業務ノウハウの保有者、管理者等の確保・育成に努めております。しかし、そうした人材の確保・育成が計画通り行えなかった場合、当社グループが受注した案件に対応し得る十分な体制を確保できなくなり、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。②契約形態の変更について 当社グループのソフトウエア開発事業における顧客との契約形態には、請負契約と派遣契約とがあり、業務の実態に合わせて適切な契約形態を選択しておりますが、派遣契約の場合、顧客の事業場における外部委託の活用が出来ません。当社グループの契約全体に占める派遣契約の割合が増加した場合、技術者の確保に支障が生じ、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。③不採算プロジェクトについて 当社グループの受託ソフトウエア開発では、業務の性質により受注時に開発規模等を正確に見積もることが困難な場合や受注後の諸条件の変更により、プロジェクトの採算が悪化する場合があります。また、当社グループの提供するソフトウエア製品・サービスにおいて、不具合(バグ)の発生やサービス不良等の品質上の問題により手直し等の追加コストの発生や損害賠償が発生する可能性があります。これらは、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。④売上原価について 当社グループの売上原価の大部分は、技術者に係る人件費・外注費で構成されております。当社グループ社員の人件費は固定費であり、当社グループの受注量が急減して稼働率が低下した場合においても、それに応じて技術者に係る人件費が減少するわけではなく、当社グループの収益性が悪化する可能性があります。また、業界全体で技術者不足が発生した場合、協力会社(外部委託先)から単価の値上げを求められる可能性があります。 当該値上げ分を顧客への販売単価に転嫁できなかった場合、当社グループの収益性に影響を与える可能性があります。 (3)その他のリスクについて①知的財産権の保護に関するリスクについて 近年、当業界においては、自社技術保護のための特許申請が増加する傾向にあります。このような環境において、当社グループも自社技術保護、他社との差別化及び競争力のあるサービスを永続的に提供するために、知的財産権の取得・保護活動を行っていく所存であります。当社グループでは、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めており、現時点において侵害はないものと認識しておりますが、将来において第三者の知的財産権への侵害が生じてしまう可能性は否定できません。当社グループがサービスを提供する上で第三者の知的財産権を侵害していることが発覚した場合、当社グループへの損害賠償請求、信用の低下により、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの知的財産について第三者によって侵害される可能性もあります。このような場合には、かかる侵害者に対する訴訟及びその他防衛策を講じる為、経営資源を割くことを余儀なくされる事態が生じ、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。②個人情報・機密情報漏えいに関するリスクについて 当社グループは、業務に関連して顧客や取引先の個人情報及び機密情報を取り扱う場合があります。 情報管理に関する全社的な取り組みとして、情報管理規程をはじめとする諸規程を制定するとともに、社員及び協力会社社員に対しても年1回以上のセキュリティ教育による情報管理への意識向上等の施策を実施しております。また、個人情報につきましては、個人情報保護方針の公表、プライバシーマーク認証の取得等、個人情報漏えいの防止に努めております。 しかしながら、万が一、個人情報・機密情報が外部に漏えいするような事態となった場合には、当社グループの信用失墜による売上の減少又は損害賠償による費用の発生等により、当社グループの事業活動及び業績に影響をおよぼす可能性があります。なお、当社グループは業務の一部について外部委託の活用をしており、協力会社(外部委託先)に対しても一定水準の管理体制を求めております。しかしながら、協力会社(外部委託先)による情報漏えいが発生した場合、それが協力会社(外部委託先)に起因するものであっても、当社グループの信用の失墜、損害賠償の請求等が発生する可能性があり、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。③情報システムトラブルについて 当社グループは、社内のコンピュータシステムに関して、クラウドサービスの利用やバックアップ体制を確立することによる災害対策を講じておりますが、地震や火災などの災害、コンピュータ・ウィルス、電力供給の停止、通信障害、通信事業者に起因するサービスの中断や停止など、現段階では予測不可能な事由によりシステムトラブルが生じた場合、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。④投融資について 当社グループでは、将来的な事業との相乗効果や関係強化を期待して、顧客企業や協力会社(外部委託先)等に対し、投資や融資を実施する場合があります。投融資を実施するにあたっては、事前に調査・検討を行っておりますが、事前に期待した効果が得られない可能性があります。また、投融資先の業績が悪化した場合、減損処理が必要となる可能性があり、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。