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ニッポン高度紙工業(3891)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

パルプ・紙 素材・化学

事業の概要

  • 主要事業の概要
    ニッポン高度紙工業グループは、当社と連結子会社1社で構成されています。主な事業は、アルミ電解コンデンサや電池に使われる「セパレータ」という特殊な紙の製造と販売です。セパレータは、電気を通す部分と通さない部分を隔てる重要な部品で、コンデンサや電池の性能を左右します。
  • コンデンサ用セパレータ
    主にアルミ電解コンデンサに使用されるセパレータを製造・販売しています。アルミ電解コンデンサは、家電製品や自動車、産業機器など幅広い分野で使われる電子部品であり、その性能を支える重要な素材を提供しています。
  • 電池用セパレータ
    電池、特にリチウムイオン電池などに使われるセパレータも製造・販売しています。電気自動車やスマートフォンなど、電池の需要が高まる中で、高性能なセパレータの提供を通じて、これらの産業を支える役割を担っています。
出典: FY2019 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • コンデンサ用セパレータ事業
    アルミ電解コンデンサの主要部品であるセパレータの製造・販売がこの事業の中心です。このセパレータは、コンデンサ内部で電極同士が接触するのを防ぎつつ、電解液を保持する役割を担い、コンデンサの性能と寿命に大きく影響します。
  • 電池用セパレータ事業
    リチウムイオン電池などの電池に使用されるセパレータの製造・販売を行っています。電池用セパレータは、正極と負極を隔ててショートを防ぎながら、イオンが通過できるようにする重要な部材であり、電池の安全性と性能に直結します。
  • その他事業
    有価証券報告書には具体的な記載がありませんが、過去にはパルプ製造子会社の譲渡があったことから、事業構造の再編や選択と集中が行われている可能性があります。現在は、セパレータ事業に特化していると推測されます。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2019|274 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社および連結子会社1社で構成されており、アルミ電解コンデンサのセパレータとして使用されるコンデンサ用セパレータおよび電池のセパレータとして使用される電池用セパレータの製造・販売を主事業としております。 なお、当社は、2018年6月7日付で連結子会社であるフィリピンのパルプ製造会社Albay Agro-Industrial Development Corporationの全株式を譲渡したため、同社および同社の子会社1社を第1四半期連結会計期間末に連結の範囲から除外しております。 事業の系統図は次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
アルミ電解コンデンサメーカーのグローバル競争激化による販売価格への下落圧力
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
高品質・高信頼性製品を安定供給できること、グローバルニッチトップ企業100選に選定
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:特定品目への依存 / 価格競争 / 為替レートの変動による影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ニッポン高度紙工業は、特殊紙の製造・販売を手掛けているが、特許やブランド力、規制ライセンスといった強力な無形資産の存在を示す具体的な情報は乏しい。同業他社との差別化要因となるような独自の技術やブランドが明確でない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

同社製品は、主に食品包装材や工業用資材として利用されており、顧客は特定の機能や品質を求めて採用している。しかし、代替素材や競合他社の製品への切り替えが容易な場合もあり、顧客を強く引き付けるほどのスイッチング・コストは限定的と考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ニッポン高度紙工業の事業モデルは、ネットワーク効果を生み出すようなプラットフォーム型ではない。製品の価値は個々の性能や品質に依存し、ユーザー数の増加によって価値が向上するような構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

パルプ・紙業界は、原材料調達や製造プロセスにおいて規模の経済が働きやすいが、同社が業界平均を大きく下回るコスト構造を有しているという明確な証拠はない。原材料価格の変動やエネルギーコストの影響を受けやすい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

特殊紙分野において、ニッポン高度紙工業は一定の生産能力と販売網を有しており、国内市場で一定のシェアを確保している。しかし、グローバルな大手製紙メーカーと比較すると規模は小さく、業界全体を寡占するほどの規模の経済は限定的である。

  • ニッチトップの技術力
    経済産業省の「グローバルニッチトップ企業100選」に選ばれるほど、特定の分野で高い技術力と市場シェアを持っています。特にアルミ電解コンデンサ用セパレータにおいては、世界的に見ても高いシェアを誇り、この分野での専門性と品質が強みです。
  • 高品質・高信頼性製品
    長年にわたり顧客との信頼関係を築き、高品質で信頼性の高い製品を安定して供給できることが大きな強みです。これは、他社との差別化要因となり、激しい価格競争の中でも顧客に選ばれ続ける理由となっています。
  • 生産拠点分散による安定供給
    南海トラフ地震などの自然災害リスクに備え、高知県内に3工場、さらに米子工場、マレーシアにも生産拠点を分散しています。これにより、特定の地域で災害が発生しても生産を継続できる体制を構築し、顧客への安定供給を可能にしています。
出典: FY2019 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、以下の「企業理念」および「長期目標」に則し、エレクトロニクス産業に不可欠な部材であるアルミ電解コンデンサ用セパレータおよび機能材を安定供給することにより顧客満足度を高め、エレクトロニクス産業の発展に寄与し、世界に役立つ仕事をしている集団であることを目指して事業活動を展開しております。 今後も、当社グループ社員一人一人が能力向上と自己革新に取り組みながら多様化・複雑化するニーズに応え、お客様との強固な信頼関係を構築することでさらなる企業価値の向上をはかってまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、第100期(2030年3月期)に向けた長期目標の達成に向け、3ヵ年中期事業計画(2025年3月期~2027年3月期)において、次の経営数値目標を設定しております。経営指標2027年3月期 目標連結売上高(うち機能材売上高)200億円(50億円)連結営業利益36億円自己資本利益率(ROE)10%以上 (3)中長期的な経営戦略当社グループは、事業内容について選択と集中を基本に重点課題を明確にし、経営資源の有効な投入および活用を進めることで、企業価値向上をはかっております。3ヵ年中期事業計画(2025年3月期~2027年3月期)では次の5つの基本戦略をもとに、中期事業計画の目標達成に向け各取り組みを進めております。基本戦略主な取り組み内容①新規事業創出による事業ポートフォリオの転換セパレータ製造で培ったコア技術を基に、電子材料、プラスチック代替材料としての活用など、用途展開の可能性を追求し、市場への普及を目指します。②成長分野における重点的取り組みと新製品開発の強化米子工場における建屋と抄紙ラインの増設、裁断加工ラインの新設などにより、生産能力増強と安定供給体制確立を進めています。また、顧客の注力する成長市場(車載、通信、環境)において、競争力強化に向けた取り組みを推進します。③ESG経営基盤の強化当社にとっての重要性と、ステークホルダーにとっての重要性を勘案し、マテリアリティを特定しました。それぞれの取り組み、KGI、KPIを設定し、進捗を管理することで、長期ビジョンの実現を目指します。④DXの推進属人化したプロセスの改善や、従業員の働きやすさの追求のため、製造工程、サプライチェーンの自動化・省人化を推進します。本中期事業計画期間においては、自動倉庫の拡充、原巻輸送の自動化実現に向けた取り組みなどを予定しています。⑤人的資本への投資当社の最大の資本は人財であり、安全衛生の確保、健康の維持増進、働きがいの向上に係る取り組みの効果を定量化することで、「2030年のあるべき姿を目指し従業員の幸せを追求」の実現を促進します。2025年3月期よりプレゼンティーズム・エンゲージメントサーベイを導入し、取り組みの推進・改善を行います。 (4)経営環境わが国経済は、インバウンド需要の増加や、堅調な企業業績を背景に雇用・所得環境の改善がみられ、設備投資も増加傾向になる等、景気は緩やかな回復傾向が続きました。一方、ウクライナおよび中東情勢などの地政学リスクの長期化、各地での自然災害の発生、資源価格の高騰による物価上昇に加え、米国の関税政策をめぐる各国の政策動向による影響など、先行きはさらに不透明な状態となっております。当社グループの関連市場であるエレクトロニクス業界におきましては、デジタル技術の高度化に伴うAI関連の需要の増加、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを目的とした設備投資等により、半導体・電子部品市場の需要の更なる高まりが見込まれております。当社グループの売上高に占める米国向けの販売割合が低いこと等から米国の関税政策が当社グループの直接的な取引に与える影響は軽微であると判断しておりますが、各国の通商政策の動向等により世界経済の先行きや関連市場における影響については不透明な状況であります。今後の世界経済や関連市場の動向を注視しつつ、当社グループの強みである高品質、高信頼性の製品の拡販に努めてまいります。主力のアルミ電解コンデンサ用セパレータは、市況の回復は緩やかではあるものの、引き続き生成AI関連投資等による通信設備関連分野や車載分野での堅調な推移を見込んでおります。機能材につきましても、自然エネルギーの活用等により拡大する環境関連市場や自動車電装化の伸展にともなう堅調な推移を見込んでおります。当社グループは、2024年11月から稼働を開始した米子工場の生産設備増設により、更なる高付加価値セパレータの量産体制が整いました。大型設備投資にともなう減価償却費の増加はありますが、製造工程、サプライチェーンの自動化・省人化の推進等による生産効率向上とコスト低減に継続して取り組んでまいります。また、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、「環境と健康に挑戦 2030」というスローガンのもと「高機能セパレータ、高機能素材の安定供給を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する」という長期ビジョンを策定しております。特定したESGマテリアリティにおける戦略と取り組みを検討・決定した上で策定した指標および目標を中期事業計画に反映し、目標達成に向けて取り組んでおります。長期ビジョンの実現に向けて高品質、高信頼性の製品の安定供給に努めるとともに、顧客・市場ニーズに応えるための要求特性実現や新事業の創出に向けた研究開発を推進してまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上の課題当社グループは、優先的に対処すべき事業上の課題について次の取り組みをおこなってまいります。 (原材料・エネルギー価格上昇への対応)アルミ電解コンデンサ用セパレータおよび機能材ともに、原材料・エネルギー価格上昇による負担増を軽減するために製品の値上げを実施しており、生産効率向上によるコスト低減にも継続して取り組んでまいります。 (安定供給体制の強化)当社グループは、南海トラフ地震等の地震、台風や大雨等の風水害による自然災害および火災発生によるリスクを軽減するため、同時被災防止の観点で、高知県内の3工場に加え、米子工場、マレーシアに生産拠点を分散するとともに、原材料および製品在庫を確保し、安定供給体制の構築をはかっております。安定供給体制のさらなる強化のため、2022年から建設を進めてきました米子工場の生産設備増設工事については、2024年11月から稼働を開始し、更なる高付加価値セパレータの量産体制を整えました。なお、本設備投資については、経済産業省の「蓄電池の国内生産基盤確保のための先端生産技術導入・開発促進事業」等により補助金を受給いたしました。当社グループは今後もより付加価値の高いセパレータの研究開発、拡販を進めてまいります。 (健康経営の推進)当社グループは、「安全・健康はすべてに優先する」の基本方針のもと、健康経営を推進しております。2025年3月に4度目となる「健康経営銘柄2025」に選定され、「健康経営優良法人2025(大規模法人部門ホワイト500)」に2019年より7年連続で選定されました。これは、従業員の「こころと身体の健康の保持増進」、「安心して働ける職場環境づくり」等の当社の取り組みが評価されたものと認識しております。引き続き、安全・健康管理体制の確立と従業員に対する安全衛生教育の徹底をはかり、無事故・無災害の職場を実現するための取り組みにより、安全で健康な職場づくりを進めてまいります。 (資本効率の向上と株価を意識した経営の強化) 株主利益重視の観点から、資本効率を高めるために、収益性の向上を目標として事業を推進しており、自己資本利益率(ROE)10%以上を達成することを目標としております。付加価値の高い製品の拡販を進めるとともに、設備投資、研究開発投資、人材投資等を効果的におこなうことで資本効率を向上させてまいります。 また、株価を意識した経営を強化するために、当社の強みおよび事業の成長性を投資家にIR活動を通して訴求するとともに、資本効率を向上させることで株価純資産倍率(PBR)1.0倍以上を継続的に維持できるように努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、以下の「企業理念」および「長期目標」に則し、エレクトロニクス産業に不可欠な部材であるアルミ電解コンデンサ用セパレータおよび機能材を安定供給することにより顧客満足度を高め、エレクトロニクス産業の発展に寄与し、世界に役立つ仕事をしている集団であることを目指して事業活動を展開しております。 今後も、当社グループ社員一人一人が能力向上と自己革新に取り組みながら多様化・複雑化するニーズに応え、お客様との強固な信頼関係を構築することでさらなる企業価値の向上をはかってまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、第100期(2030年3月期)に向けた長期目標の達成に向け、3ヵ年中期事業計画(2025年3月期~2027年3月期)において、次の経営数値目標を設定しております。経営指標2027年3月期 目標連結売上高(うち機能材売上高)200億円(50億円)連結営業利益36億円自己資本利益率(ROE)10%以上 (3)中長期的な経営戦略当社グループは、事業内容について選択と集中を基本に重点課題を明確にし、経営資源の有効な投入および活用を進めることで、企業価値向上をはかっております。3ヵ年中期事業計画(2025年3月期~2027年3月期)では次の5つの基本戦略をもとに、中期事業計画の目標達成に向け各取り組みを進めております。基本戦略主な取り組み内容①新規事業創出による事業ポートフォリオの転換セパレータ製造で培ったコア技術を基に、電子材料、プラスチック代替材料としての活用など、用途展開の可能性を追求し、市場への普及を目指します。②成長分野における重点的取り組みと新製品開発の強化米子工場における建屋と抄紙ラインの増設、裁断加工ラインの新設などにより、生産能力増強と安定供給体制確立を進めています。また、顧客の注力する成長市場(車載、通信、環境)において、競争力強化に向けた取り組みを推進します。③ESG経営基盤の強化当社にとっての重要性と、ステークホルダーにとっての重要性を勘案し、マテリアリティを特定しました。それぞれの取り組み、KGI、KPIを設定し、進捗を管理することで、長期ビジョンの実現を目指します。④DXの推進属人化したプロセスの改善や、従業員の働きやすさの追求のため、製造工程、サプライチェーンの自動化・省人化を推進します。本中期事業計画期間においては、自動倉庫の拡充、原巻輸送の自動化実現に向けた取り組みなどを予定しています。⑤人的資本への投資当社の最大の資本は人財であり、安全衛生の確保、健康の維持増進、働きがいの向上に係る取り組みの効果を定量化することで、「2030年のあるべき姿を目指し従業員の幸せを追求」の実現を促進します。2025年3月期よりプレゼンティーズム・エンゲージメントサーベイを導入し、取り組みの推進・改善を行います。 (4)経営環境わが国経済は、インバウンド需要の増加や、堅調な企業業績を背景に雇用・所得環境の改善がみられ、設備投資も増加傾向になる等、景気は緩やかな回復傾向が続きました。一方、ウクライナおよび中東情勢などの地政学リスクの長期化、各地での自然災害の発生、資源価格の高騰による物価上昇に加え、米国の関税政策をめぐる各国の政策動向による影響など、先行きはさらに不透明な状態となっております。当社グループの関連市場であるエレクトロニクス業界におきましては、デジタル技術の高度化に伴うAI関連の需要の増加、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを目的とした設備投資等により、半導体・電子部品市場の需要の更なる高まりが見込まれております。当社グループの売上高に占める米国向けの販売割合が低いこと等から米国の関税政策が当社グループの直接的な取引に与える影響は軽微であると判断しておりますが、各国の通商政策の動向等により世界経済の先行きや関連市場における影響については不透明な状況であります。今後の世界経済や関連市場の動向を注視しつつ、当社グループの強みである高品質、高信頼性の製品の拡販に努めてまいります。主力のアルミ電解コンデンサ用セパレータは、市況の回復は緩やかではあるものの、引き続き生成AI関連投資等による通信設備関連分野や車載分野での堅調な推移を見込んでおります。機能材につきましても、自然エネルギーの活用等により拡大する環境関連市場や自動車電装化の伸展にともなう堅調な推移を見込んでおります。当社グループは、2024年11月から稼働を開始した米子工場の生産設備増設により、更なる高付加価値セパレータの量産体制が整いました。大型設備投資にともなう減価償却費の増加はありますが、製造工程、サプライチェーンの自動化・省人化の推進等による生産効率向上とコスト低減に継続して取り組んでまいります。また、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、「環境と健康に挑戦 2030」というスローガンのもと「高機能セパレータ、高機能素材の安定供給を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する」という長期ビジョンを策定しております。特定したESGマテリアリティにおける戦略と取り組みを検討・決定した上で策定した指標および目標を中期事業計画に反映し、目標達成に向けて取り組んでおります。長期ビジョンの実現に向けて高品質、高信頼性の製品の安定供給に努めるとともに、顧客・市場ニーズに応えるための要求特性実現や新事業の創出に向けた研究開発を推進してまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上の課題当社グループは、優先的に対処すべき事業上の課題について次の取り組みをおこなってまいります。 (原材料・エネルギー価格上昇への対応)アルミ電解コンデンサ用セパレータおよび機能材ともに、原材料・エネルギー価格上昇による負担増を軽減するために製品の値上げを実施しており、生産効率向上によるコスト低減にも継続して取り組んでまいります。 (安定供給体制の強化)当社グループは、南海トラフ地震等の地震、台風や大雨等の風水害による自然災害および火災発生によるリスクを軽減するため、同時被災防止の観点で、高知県内の3工場に加え、米子工場、マレーシアに生産拠点を分散するとともに、原材料および製品在庫を確保し、安定供給体制の構築をはかっております。安定供給体制のさらなる強化のため、2022年から建設を進めてきました米子工場の生産設備増設工事については、2024年11月から稼働を開始し、更なる高付加価値セパレータの量産体制を整えました。なお、本設備投資については、経済産業省の「蓄電池の国内生産基盤確保のための先端生産技術導入・開発促進事業」等により補助金を受給いたしました。当社グループは今後もより付加価値の高いセパレータの研究開発、拡販を進めてまいります。 (健康経営の推進)当社グループは、「安全・健康はすべてに優先する」の基本方針のもと、健康経営を推進しております。2025年3月に4度目となる「健康経営銘柄2025」に選定され、「健康経営優良法人2025(大規模法人部門ホワイト500)」に2019年より7年連続で選定されました。これは、従業員の「こころと身体の健康の保持増進」、「安心して働ける職場環境づくり」等の当社の取り組みが評価されたものと認識しております。引き続き、安全・健康管理体制の確立と従業員に対する安全衛生教育の徹底をはかり、無事故・無災害の職場を実現するための取り組みにより、安全で健康な職場づくりを進めてまいります。 (資本効率の向上と株価を意識した経営の強化) 株主利益重視の観点から、資本効率を高めるために、収益性の向上を目標として事業を推進しており、自己資本利益率(ROE)10%以上を達成することを目標としております。付加価値の高い製品の拡販を進めるとともに、設備投資、研究開発投資、人材投資等を効果的におこなうことで資本効率を向上させてまいります。 また、株価を意識した経営を強化するために、当社の強みおよび事業の成長性を投資家にIR活動を通して訴求するとともに、資本効率を向上させることで株価純資産倍率(PBR)1.0倍以上を継続的に維持できるように努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 業績等の概要 ①業績 当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要の増加や、堅調な企業業績を背景に雇用・所得環境の改善がみられ、設備投資も増加傾向になる等、景気は緩やかな回復傾向が続きました。 一方、ウクライナおよび中東情勢などの地政学リスクの長期化、各地での自然災害の発生、資源価格の高騰による物価上昇に加え、米国の関税政策をめぐる各国の政策動向による影響など、先行きはさらに不透明な状態となっております。 当社グループの関連市場であるエレクトロニクス業界におきましては、生成AI等の新たなデジタル技術が社会や生活の中に広まりつつあり、データセンター向けサーバー等の需要増加が継続しておりますが、産業機器関連の在庫調整の長引き、EV市場の減速等もあり、需要回復の遅れがみられました。 このような状況の中、アルミ電解コンデンサ用セパレータは、産業機器および車載向け等では需要回復は鈍いものの立ち上がりが見え始め、当連結会計年度の売上高は12,249百万円(前連結会計年度比723百万円、6.3%増)となりました。 機能材は、電気二重層キャパシタ用セパレータおよびリチウムイオン電池用セパレータが増加したことから、当連結会計年度の売上高は3,784百万円(前連結会計年度比481百万円、14.6%増)となりました。 この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は16,033百万円(前連結会計年度比1,205百万円、8.1%増)となりました。 利益面におきましては、原材料価格等の高止まりによる原価率上昇の影響はありましたが、売上高の増加に伴う稼働率向上や減価償却費の軽減などもあり、営業利益は2,460百万円(前連結会計年度比741百万円、43.1%増)、経常利益は2,445百万円(前連結会計年度比423百万円、21.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,781百万円(前連結会計年度比301百万円、20.4%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は4,126百万円(前連結会計年度末比179百万円、4.2%減)となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 税金等調整前当期純利益2,437百万円、減価償却費1,030百万円、売上債権の減少額739百万円、未収消費税等の増加額779百万円等により、営業活動の結果得られた資金は3,801百万円(前連結会計年度比1,890百万円、99.0%の収入増)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 有形固定資産の取得による支出5,943百万円、経済産業省の「蓄電池の国内生産基盤確保のための先端生産技術導入・開発促進事業費補助事業」等による補助金等の受入れによる収入2,622百万円等により、投資活動の結果使用した資金は3,401百万円(前連結会計年度比10百万円、0.3%の支出減)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 短期借入金の純増1,500百万円、長期借入れ1,000百万円の実施および約定返済2,406百万円、配当金の支払い額531百万円等により、財務活動の結果使用した資金は637百万円(前連結会計年度は1,498百万円の収入)となりました。 (2) 生産、受注及び販売の実績①生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)セパレータ事業(千円)16,221,83810.4合計(千円)16,221,83810.4 (注)金額は、販売価格により表示しております。 ②受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)セパレータ事業16,845,97615.01,828,10180.0合計16,845,97615.01,828,10180.0 (注)金額は、販売価格により表示しております。 ③販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)セパレータ事業(千円)16,033,7658.1合計(千円)16,033,7658.1 (注)主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する当該販売実績の割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)総販売実績に対する割合(%)金額(千円)総販売実績に対する割合(%)王子エフテックス㈱10,263,53669.210,643,69566.4 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態に関する分析 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,293百万円増加し、35,269百万円となりました。 流動資産は、売掛金、原材料及び貯蔵品の減少等により、前連結会計年度末に比べ665百万円減少し、17,507百万円となりました。 固定資産は、有形固定資産の減価償却実施等がありましたが、米子工場製造ライン増設等による有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ1,959百万円増加し、17,761百万円となりました。 負債は、前連結会計年度末に比べ242百万円減少し、11,365百万円となりました。 流動負債は、短期借入金の純増等により、前連結会計年度末に比べ1,231百万円増加し、6,768百万円となりました。 固定負債は、長期借入金の新規調達および約定返済等により、前連結会計年度末に比べ1,473百万円減少し、4,597百万円となりました。 純資産は、剰余金の配当の実施、親会社株主に帰属する当期純利益1,781百万円を計上したことによる利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ1,536百万円増加し、23,903百万円となりました。  ②経営成績に関する分析 「第2 事業の状況、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1) 業績等の概要、①業績」をご参照ください。  ③キャッシュ・フローに関する分析 当社グループの「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、期中における営業活動の成果である税金等調整前当期純損益および減価償却費のほか、売上債権、棚卸資産、仕入債務の増減および法人税等の支払に大きく影響を受けております。 当連結会計年度の状況は、「第2 事業の状況、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1) 業績等の概要、②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。区分第93期2023年3月第94期2024年3月第95期2025年3月税金等調整前当期純利益(百万円)3,5322,0212,437減価償却費(百万円)1,4091,4261,030売上債権の増減額(百万円)455△615739棚卸資産の増減額(百万円)△2,358△171374仕入債務の増減額(百万円)△6042△87法人税等の支払額(百万円)△1,537△845△251その他(百万円)△75752△441営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)6851,9103,801  ④資本の財源および資金の流動性 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品の主要原材料であるパルプの購入費用および動力費のほか、製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、セパレータ事業における設備投資等によるものであります。 また、当社グループは、設備投資計画に照らして、必要な資金を主に銀行等金融機関からの借入により調達するとともに、短期的な運転資金を銀行借入および売掛債権の流動化により調達しております。 2025年3月31日現在の主な契約債務の概要は以下のとおりであります。 年度別要支払額(百万円)契約債務1年以内1年超2年以内2年超3年以内3年超4年以内4年超5年以内5年超短期借入金長期借入金(*1)1,5002,251—1,999—1,638—858—38--合計3,7511,9991,63885838- (*1)1年内返済予定長期借入金は、長期借入金に含めております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、中長期計画の達成状況や過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した仮定や基準を設定した上で実施しております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しをおこなっておりますが、見積りには不確実性がともなうため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 (5) 経営上の目標の達成状況について 当社グループは、株主利益重視の観点から、資本効率を高めるために、収益性の向上を目標として事業を推進しており、自己資本利益率(ROE)10%以上を目標としております。 当連結会計年度における自己資本利益率(ROE)は7.7%(前連結会計年度比1.0ポイントプラス)でした。引き続き当該指標の達成に向けて取り組んでまいります。

事業リスク

  • 特定品目への依存リスク
    主力製品であるアルミ電解コンデンサ用セパレータは高い市場シェアを持つ一方で、この特定品目の需要動向がグループ全体の業績に大きな影響を与える可能性があります。需要の変動や技術革新により、業績が不安定になるリスクがあります。
  • 価格競争の激化
    アルミ電解コンデンサ市場やリチウムイオン電池市場では、グローバルな競争が激しく、製品の販売価格に下落圧力がかかる可能性があります。これにより、収益性が低下し、グループの業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
  • 原材料調達とエネルギー価格変動
    製品の主要原材料であるパルプの多くを海外から輸入しており、気候変動や政情不安による供給不足、調達コストの上昇リスクがあります。また、製造に必要な電力やLNGの価格変動も、コスト増加を通じて業績に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,734 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、2「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載の「ESGマテリアリティ」に関するリスクは、以下の各リスクに含まれております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)特定品目への依存について 当社は、経済産業省の「グローバルニッチトップ企業100選」に選定されております。主力のアルミ電解コンデンサ用セパレータは高い市場シェアを有しており、世界の需要動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。特定品目の需要動向が全体に及ぼす影響を極小化できるよう、需要拡大が見込まれる機能材等を拡販するとともに、新たな事業の創出をはかることで、業績の安定に努めてまいります。 (2)価格競争について 当社グループは、これまで顧客と築いてきた信頼関係をもとに、高品質・高信頼性製品を安定供給できることが大きな強みであり、成長市場での拡販に努めております。 アルミ電解コンデンサにつきましては、コンデンサメーカーにおけるグローバルでの競争が激しくなっており、将来的に当社のアルミ電解コンデンサ用セパレータ販売価格への下落圧力が強まる可能性があります。また、機能材におきましては、リチウムイオン電池市場が成長しているものの、激しい価格競争の影響を受け、使用する部材の低価格化が進んでおります。 価格競争リスクが当社グループの業績に影響を与える可能性がありますが、今後も他社と差別化できる高品質・高信頼性製品の開発・拡販を進めるとともに、コスト削減や生産効率の向上にも取り組むことで価格競争力を高めてまいります。 (3)為替レートの変動による影響について 当社グループの製品販売および原材料仕入は一部外貨建ての取引となっているため、為替相場の変動は外貨建て取引により発生する資産・負債に影響を与える可能性があります。 為替相場の変動リスクを軽減するために、為替変動リスク管理規定を設け、為替予約や外貨建て借入等を実行できる体制となっておりますが、完全に排除できるものではなく、為替変動リスクが当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (4)原材料調達リスクについて 当社グループは、製品の主要原材料であるパルプの多くを海外から輸入しております。気候変動や政情不安による供給不足が発生した場合に備えて原則2社購買とするとともに、供給不安が少ない原材料への切り替えなど安定調達および原材料在庫の確保に努めておりますが、品質や需給悪化等の問題から調達コストの上昇や調達が困難となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (5)エネルギー価格変動による影響について 当社グループは、セパレータの製造において電力およびLNGを使用しております。省エネ効果が得られる設備投資や省エネ活動の推進によりエネルギー使用量の削減に努めておりますが、電力およびLNGの価格変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (6)設備投資による影響について 当社グループでは、ユーザーへの安定供給体制を確保していくため、需要予測にもとづく生産能力増強のための設備投資を計画的に実施しております。製造設備の新設・増設には多額の設備投資を必要とする業態であり、減価償却費負担および借入金増加による支払利息の増加等により、一時的に当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (7)人材確保におけるリスクについて 当社グループの競争力を維持、向上させるためには、製品開発および製造等に必要な人材を安定して採用、確保し続ける必要があります。当社グループは、「安全・健康はすべてに優先する」の基本方針のもと、健康経営を推進しており、「健康経営優良法人」に選定される等、働きやすい職場づくりに努め、人材の定着をはかっております。 (8)災害および感染症等による影響について 当社グループは、南海トラフ地震等の地震、台風や大雨等の風水害による自然災害および火災発生によるリスクを軽減するため、同時被災防止の観点で、高知県内の3工場に加え、米子工場、マレーシアに生産拠点を分散するとともに、原材料および製品在庫を確保し、安定供給体制の構築をはかっております。 また、当社グループでは、全社組織である「BCM推進会議」の運営を通じて、「従業員の安全確保」および「お客さまへの安定供給」のより全社的な推進・浸透をはかっております。今後も、災害等を想定した訓練や早期復旧につながる保険付保等の対策に加え、グループ全体での生産体制の構築、サプライチェーンの強化に向けたBCMの実効性・実用性について評価・改善に取り組んでまいります。 災害や感染症等の発生を想定した対策を実施しておりますが、災害等が発生した場合には、従業員の安全確保や原材料の確保、生産の継続等に支障をきたし、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。 (9)気候変動および企業の社会的責任に関するリスクについて 当社グループは、持続可能な社会の実現のため、地球環境への配慮・労働環境の整備・人権の尊重等に代表される企業の社会的責任を重要な経営課題と認識しており、「購買方針」および「グリーン調達基準」を策定しております。また、気候変動に対する国内外の政策および法規制を踏まえ、重油と比較して温室効果ガス排出量が少ないLNGの使用、太陽光発電設備の導入、再生可能エネルギー由来の電力を使用する等の取り組みをおこなっております。 しかし、脱炭素社会の実現に向けた政府の規制強化、サプライチェーンにおける人権に関する問題等が発生した場合、原材料の確保や生産体制等に支障をきたし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (10)情報セキュリティに関するリスクについて 当社グループは、技術情報等の機密情報や顧客等に関する情報を保有しております。外部への情報流出を防止するためのセキュリティシステム強化、定期的な社内教育の実施等の対策をおこなっておりますが、コンピュータウイルス感染やサイバー攻撃等により情報が流出した場合、当社グループの社会的信用の失墜による企業価値の低下、情報流出により被害を受けた顧客等への補償により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

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