事業の概要
- 通信インフラのIP化支援: ネクストジェンは、日本の公衆電話網をインターネット技術(IP化)に移行させるPSTNマイグレーションの黎明期からこの分野をリードしてきました。大手通信事業者向けに、稼働率99.999%という高い品質と信頼性を持つ通信インフラソリューションを提供し、これが収益の柱となっています。長年の実績と技術力が強みです。
- 音声DXソリューション提供: 通信事業者向けだけでなく、一般企業や官公庁向けにも音声コミュニケーションのDX(デジタルトランスフォーメーション)や高度化を支援しています。具体的には、旧式の電話交換システム(PBX)をクラウド型に移行させたり、コンタクトセンターのAI連携や通話録音ソリューションを提供したりすることで、顧客の業務効率向上とコスト削減に貢献し、ここから収益を得ています。
- クラウドDXとキャリアコアビジネス: 新たに「クラウドDX事業」を設け、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援する「顧客伴走型ビジネス」や、請求管理などの共通プラットフォームサービスを提供しています。また、創業以来の「キャリアコアビジネス」として、通信事業者向けにSBC(音声通信用ゲートウェイ)や通話録音ソリューションを提供し、AIコミュニケーションサービスとの連携を強化しており、これらが収益源となっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- ボイスコミュニケーション事業: この事業は、企業や自治体で利用される電話や音声コミュニケーションをIP(インターネット・プロトコル)技術で最適化し、通話録音やAI連携で付加価値を提供するものです。主な柱は、一般企業の電話接続交換システムをクラウドサービスへ移行させる支援と、コンタクトセンターの高度化支援であり、ソフトウェアライセンスやクラウドサービスとして提供されます。
- クラウドDX事業: この事業は、通信事業者向けのキャリアコアビジネスと、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するビジネスで構成されます。単なるシステムのクラウド移行だけでなく、業務プロセス全体を見直す「クラウド・リフト」や「クラウド・シフト」を通じて最適化を図ります。顧客の業務設計から運用までをワンストップで支援する「顧客伴走型ビジネス」や、請求管理などの「プラットフォームサービスビジネス」が中心です。
- キャリアコアビジネス(通信事業者向け): クラウドDX事業の一部として位置づけられるこのビジネスは、ネクストジェン創業以来の基盤です。PSTNマイグレーションを終えた通信事業者向けに、SBC(音声通信用ゲートウェイ)や音声キャプチャリングシステムを活用し、AIコミュニケーションサービスに連携する通話録音ソリューション、MVNO(格安スマホ事業者)やIMS(IPマルチメディアサブシステム)ソリューションなどを展開・拡大しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社及び子会社(以下「当社グループ」という。)の事業は、音声を中心とする通信技術に関するソリューション・サービスの提供を行う単一セグメントとなっております。 当社は、日本の公衆電話網にインターネット技術を導入し、通信インフラのIP化(PSTNマイグレーション※1)を黎明期からリードしてきた企業です。大手通信事業者に求められる「キャリアグレード」の品質・信頼性(稼働率99.999%、いわゆるファイブ・ナインズ)と、グローバルスタンダードの先進的なインターネット技術の双方に精通していることを強みとしています。この独自のポジションを活かし、通信事業者向けに培った技術をエンタープライズ(一般企業・官公庁)向けにも展開し、お客様の音声コミュニケーション・通信インフラのDXや高度化を支援しています。 当社グループが提供する製品・サービスは、創業時からの顧客である大手通信事業者へは直接取引、官公庁や一般企業向けにはエクシオグループ株式会社、サクサ株式会社、NECネッツエスアイ株式会社、都築電気株式会社など当社の資本業務提携先をはじめとした通信系SIパートナーを通じて、販売展開しています。 このような当社グループの事業内容は、今期より「ボイスコミュニケーション事業」と「クラウドDX事業」(旧コミュニケーションDX事業から多くを引き継ぎ、一部の事業エリアを整理、拡大)の2つに区分しています。 なお、当社グループの事業が単一セグメントであることは変更ありません。 [ボイスコミュニケーション事業] ボイスコミュニケーション事業は、あらゆる業種の企業・自治体で利用される電話や音声コミュニケーションを、IP(インターネット・プロトコル)技術で最適化し、通話録音、音声認識やAI連携によって付加価値を提供する事業です。当社グループが提供するシステムは、ソフトウェアライセンスによる提供や、クラウドサービスによる提供があり、通信事業者や多様な販売パートナーを通じてお客様へ提供しています。 以下の2つを主軸としています。・一般企業の電話接続交換システムのリニューアルに対応し、クラウドサービスへの移行を支援大手企業においては、多くの企業で導入されているビジネスコラボレーションシステムと、従来からの内外線通話システムとを連携させるニーズが顕在化しています。さらに、固定電話番号のクラウドサービス容認や、双方向番号ポータビリティなどの国内の通信制度変更により、音声通信のクラウド化や電話回線の集約が一層進展しております。これらに加え、多くの企業や自治体で利用されている旧式のハードウェア型PBXの製造終了も追い風となり、従来のビジネスフォンからのリプレイス需要も順調に増加しております。これらのニーズに応えるとともに、当社のSBC※2及びクラウドPBXを中心とした次世代の音声コミュニケーションシステムへの移行を推進し、顧客の業務効率向上とコストダウンを支援しています。 ・コンタクトセンターの高度化支援多くの企業の顧客対応窓口となっているコールセンターに対し、円滑な顧客対応を実現するための相互接続ソリューションを提供。マルチデバイス連携に加え、カスハラ対策や音声通信とAIとの連携を可能にする通話録音ソリューションなどを提供し、業務の高度化を支援します。 [クラウドDX事業] クラウドDX事業は、通信事業者向けのキャリアコアビジネスと、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するビジネスです。単なるシステムのクラウド移行に留まらず、業務プロセス全体を見直し、段階的なDXアプローチであるクラウド・リフト※3と、クラウド・シフト※4によって、最適化を行います。 以下の2つを主軸としています。・クラウドDXビジネス「顧客伴走型ビジネス」人手不足を背景とした「既存業務のフロー見直し」を伴うDXのニーズが増加している背景のもと、IT設計に加え、業務設計の上流コンサルティングから参画し、お客様と共に業務フローのシステム化から運用までをワンストップで支援します。「プラットフォームサービスビジネス」多くの企業で共通して必要となる請求管理業務などを、共通のサービス基盤として提供します。 ・キャリアコアビジネス(通信事業者向け)当社創業以来のビジネスであり、PSTNマイグレーションを終えた通信事業者は、AI連携を含む設備投資を再開しました。当社の強みであるSBC(音声通信用ゲートウェイ)や音声キャプチャリングシステムを活用し、通信事業者のAIコミュニケーションサービスに連携する通話録音ソリューションや、MVNO※5、IMS※6ソリューションなどの展開・拡大を進めています。※1.PSTNマイグレーション:従来の公衆交換電話網(PSTN)をIPネットワークへ移行することを指します。※2.SBC:Session Border Controllerの略。様々な電話事業者間でのIP相互接続を可能とするソフトウェア・ゲートウェイです。※3.クラウド・リフト:お客様が現在利用しているオンプレミス型システムを、機能はそのままにクラウドへ移行します。※4.クラウド・シフト:クラウドへ移行したサービスを骨組みから新たに見直し、クラウドに最適化させて作り変えることで、機能面も向上させ、クラウドの価値を最大限に引き出します。※5.MVNO:Mobile Virtual Network Operatorの略。いわゆる「格安スマホ事業者」のことで、自社では無線ネットワーク(基地局)を持たず、既存キャリアのネットワークを借りて通信サービスを提供する事業者を指します。※6.IMS:IP Multimedia Subsystemの略。IP(インターネットプロトコル)を使って電話・ビデオ通話・メッセージなどを制御・提供する通信基盤です。 [事業に適した販売チャネル] ボイスコミュニケーション事業の主要な顧客は国内の大手通信事業者及び企業ユーザーや官公庁であり、販売形態は、当社からの直接販売の他、エクシオグループ株式会社、サクサ株式会社、NECネッツエスアイ株式会社、都築電気株式会社など資本業務提携パートナーをはじめとする販売パートナーやシステムインテグレーター経由で行います。 クラウドDX事業は、直接提供を中心として上記の販売パートナーやシステムインテグレーター経由で提供する場合もあります。 製品開発・製造にあたっては、ソフトウェア開発パートナーやハードウェア製造パートナーへ業務委託を行う場合があります。 また、製品の販売に伴い必要となるソフトウェア、ハードウェア、クラウドサービスの仕入は、海外・国内ベンダーからの調達を行っております。納入後の保守サービスの一部(受付業務等)につきましては、保守サポートを専業とする外部のパートナーへ業務委託を行っております。 以上述べた事項を図によって示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 キャリアグレードの品質・信頼性とグローバルスタンダードの先進技術に精通しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 大手通信事業者に求められる「キャリアグレード」の品質・信頼性と先進的なインターネット技術に精通。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:市場環境の変化への追随 / 新規事業の不確実性 / 投資活動の不確実性
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 1 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
公開されている情報からは、特許、ブランド、規制ライセンスなどの具体的な無形資産に関する情報は確認できませんでした。事業内容も一般的なITサービス提供であり、特筆すべき無形資産の存在は示唆されていません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
顧客がITシステムを導入・運用する際には、一定の学習コストやデータ移行の手間が発生する可能性があります。しかし、特定のシステムに強く依存しているという情報は少なく、乗り換えの障壁は限定的と考えられます。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
事業内容から、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果が働く構造は見られません。プラットフォームビジネスではなく、個別のITソリューション提供が中心と推測されます。
コスト優位☆☆☆☆☆
情報通信業であり、製造業のような規模の経済や独自の調達網によるコスト優位性は見出しにくいです。価格競争力に関する具体的な情報は公開されていません。
規模の経済☆☆☆☆☆
特定のニッチ市場での寡占状態や、業界全体をリードするような規模の経済を示唆する情報はありません。競合他社との比較も困難です。
- キャリアグレードの品質と信頼性: 大手通信事業者に求められる「キャリアグレード」の品質、特に稼働率99.999%(ファイブ・ナインズ)という非常に高い信頼性を提供できる技術力は、ネクストジェンの大きな強みです。これは、通信インフラという社会の基盤を支える上で不可欠な要素であり、新規参入が難しい高い障壁となっています。
- グローバルスタンダード技術への精通: 同社は、高い品質・信頼性だけでなく、グローバルスタンダードの先進的なインターネット技術にも精通しています。これにより、日本の通信インフラのIP化をリードし、通信事業者や一般企業に対して最先端の音声コミュニケーション・通信インフラのDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援できる独自のポジションを確立しています。
- 強固な販売パートナー網: 大手通信事業者へは直接取引を行う一方で、官公庁や一般企業向けには、エクシオグループ、サクサ、NECネッツエスアイ、都築電気といった資本業務提携先を含む通信系SIパートナーを通じて製品・サービスを展開しています。この広範な販売チャネルは、顧客基盤の拡大と安定的な収益確保に貢献する可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。(1)経営方針 当社は企業理念を「時空を超えてヒトやモノをつなぎ、豊かな社会を創造する」としております。大手通信事業者が求めるキャリアグレード(短時間の停止も許されない公共的社会インフラを支える技術や品質)の製品・サービスを提供するとともに、グローバルスタンダードであるインターネット技術をベースにした先進的なコミュニケーション・サービスを提供してまいります。 (2)経営戦略等 当社は、NTTの技術者を中心に創業され、電話公衆網で必要とされる技術・品質レベルを理解し、かつ短時間の停止も許されない信頼性を実現する技術力を持っております。また、ネットワークやコミュニケーションの最新技術を同時に活用し、クラウドサービスとしての提供を実現しております。従来得意としている、グローバルスタンダードな海外製品を、日本国内の制度やシステムに適応させ、多種多様なソリューションとして提供するなど、当社の特性を活かしたビジネスモデルを展開しております。 当社は、最先端の音声コミュニケーション技術を提供する単一セグメントの事業を展開しておりますが、これを二つの事業領域に区分して管理しております。一つ目は、「ボイスコミュニケーション事業」、二つ目は「クラウドDX事業」です。 ボイスコミュニケーション事業においては、画期的な変革を先導し、技術的なソリューションを大手通信事業者に提供してまいりました。コア製品であるSBCをはじめとした、ネットワーク技術がベースとなる音声コミュニケーション製品群は、大手通信事業者の電話通信網で引き続き重要な役割を果たしており、安定した稼働を保証する保守サービスを提供することが求められています。大手通信事業者は、IP化された電話通信システムの更改・機能強化を進めており、音声コミュニケーション専用ゲートウェイである当社のソフトウェアSBC「NX-B5000」は、今後も新たなライセンス・ビジネスや、安定した運用のための保守サービス需要が見込まれます。 また、固定電話の双方向番号ポータビリティの解禁によって、企業向け電話システム市場においてもIP化が一層進展し、ソフトウェアSBC「NX-B5000」やそのクラウドサービスである「U-cube friends」の需要が高まっています。これに伴い、クラウドPBX(クラウド型の社内電話交換システム)である「U-cube voice」の契約数も大幅に伸びております。 そのほか、AIによる通話記録の解析需要の高まりから、コンタクトセンターにおける通話録音ソリューション「LA-6000」や音声認識の引き合いも活発化しており、あわせて老朽化した通話録音装置のリプレイスに関する案件の獲得も堅調に推移しております。 こうしたなか、当社のソフトウェアIP-PBX「NX-C1000 for Enterprise」やソフトウェアSBC「NX-B5000 for Enterprise」をベースに開発した、「U-cube voice」や「U-cube friends」等のクラウドサービスが、パートナー事業者との協業によってさらに成長しております。また、クラウドサービスを提供する事業者に対して、当社のソフトウェアPBXやソフトウェアSBCをライセンスで提供し、同事業者が自らのサービスメニューを容易に拡充・販売できるビジネスモデル「Enablerサービス※」の普及にも注力しております。 この取り組みの一環として、クラウドサービス事業者間の連携を強化することを目的に、パートナー各社を組織化し、情報交流や技術交流を進める場である「NextGen CaMP」を運営しており、現在はNTTドコモビジネス株式会社を始め、計21社に加盟頂いております。 クラウドDX事業においては、成長著しいクラウド市場において不可欠となるネットワーク技術を強みとし、お客様の「クラウド・リフト」および「クラウド・シフト」を包括的に支援する体制へと事業領域を拡大いたしました。自社サービスとして提供してきたクラウド技術や業務プロセス改善(BPM)の知見を活かし、クラウドの活用を通じて、お客様の業務最適化を支援する事業です。実際に政府の外郭団体である一般社団法人から受注したプロジェクトでは、上流のコンサルティングからシステム化、運用までを一貫して支援する「顧客伴走型ビジネス」を提供しております。 また、通信事業者向けのキャリアコアソリューションにおいても、クラウド化・マルチメディア化・大容量化が加速しており、当社の最先端の技術力へのニーズが益々高まっております。 今後は、長年培ってきた「稼働率99.999%(ファイブ・ナインズ)」を要求されるキャリアグレードを維持し、IP通信をコアに最先端の技術要求に応えるサービス、ソリューションを継続的に提供することで、次世代通信インフラの発展や、多くの企業・組織のコミュニケーションニーズに貢献してまいります。※Enablerサービス:当社が提供するクラウドサービスを活用し、パートナー企業が自社のクラウドサービスを事業として展開できる、サービス・ビジネスの新しいモデルです。ブランドはパートナー企業のものとし、当社は裏方として技術やインフラ、機能を提供することでパートナー企業のサービス運用をサポートします。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社の中長期的な見通しにつきましては、経営環境の変化に柔軟に対応し、より現実的な数値目標を設定すべく、毎年、直前事業年度の業績等を踏まえて次年度以降の中期経営計画の見直しを行っております。 事業の成長とともにキャッシュを生むことが重要であるとの経営判断に基づき、2029年3月期(通期)の売上損益として、売上高 70億円、営業利益 6億円、EBITDA 9.5億円を計画しています。利益率の高いサブスク型ビジネスが収益の安定基盤となることで、当社事業の成長を見込んでおります。 (4)経営環境 当社の主要事業であるボイスコミュニケーションサービス分野においては、国内大手通信事業者、海外からのサービス事業者、新規参入のサービス事業者による新サービスの市場への導入や価格競争があり、市場は活性化しております。また、リモートワークは多くの人々にとって一般的な働き方のひとつとなり、オンライン会議も日常的な打ち合わせの手段として定着いたしました。 2024年、100年以上続いてきた日本全国の固定電話通信サービスネットワークである公衆交換電話網は、インターネット技術(IP通信技術)によって完全に置き換えられました。これにより、音声通信の効率は劇的に改善し、その結果として国内の通話料金は大幅に低下いたしました。当社はこの画期的な変革を先導し、技術的なソリューションを大手通信事業者に提供してまいりました。 一方、これらの市場の変化は、販売方式の変化も伴っております。通信事業者向けに、1件あたり数億円規模のハードウェアとソフトウェア・ライセンスを一括販売するワンタイム型のビジネスから、企業向けに、ハードウェアを保有しないクラウドサービスや、サブスク型ビジネスのモデルへと、顧客ニーズは徐々に変化しております。収益面では、保守サービスの安定的な売上の維持・継続や、クラウドサービスの成長、パートナーとのより深い共同事業を行うための新たなビジネスモデルであるEnablerサービスにより、安定した収益を生む構造への転換が進んでおります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社が今後優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。 ① 人材の確保と働き方の改革 当社の属する情報通信分野においては、高度化する技術への対応、高度な専門知識を持った技術者の不足等の課題を抱えており、有能な人材の採用と育成、働き方の改革は重要な経営課題となっております。当社では、かねてより柔軟な働き方に対応した制度の導入や生産性を向上させるため自社ソリューションを活用してまいりました。このため遠隔地へ転居しても、勤務を継続することや育児・介護を行いつつ仕事も進められる環境が整い、能力ある人材が無理なく仕事を継続できるようになっております。あわせて、このような多様な働き方が許容されテレワークが普通である働き方の改革は、優秀な人材の確保に役立ち、当社の重要な強みとなっております。引き続きワークスタイルの変革を推進し、優秀な人材の採用・育成を進めてまいります。 ② 収益力の向上 売上の拡大と安定した利益の確保を図るため、いわゆるサブスク型の事業・サービスを強化することも重要な施策の一つであると考えており、安定した収益源である保守サービスやクラウドサービスを成長させることに注力しております。株主でもある事業パートナーとの連携により、さらなる成長を目指してまいります。 また、収益確保の上で課題である新規プロジェクトの採算管理、スケジュール管理の業務改革を進めた結果、着実に収益を上げることができる体制が構築されつつあります。今後もさらに改革を推し進め、プロジェクト管理を強化し、無駄なコストを削減して、DXの推進によって効率化に取り組んでまいります。 ③ 新製品の企画開発 当社が開発したコミュニケーション・プラットフォーム・サービス(Communications Platform as a Service)U-cube CPaaSは、従来輸入していた製品サービスを、自社開発のソフトウェア、クラウドサービスにて置き換え、音声通話、ショートメッセージ(SMS)、オンラインチャット等、様々なコミュニケーションツールをシームレスに使用できる統合的な基盤です。また当社はAI音声認識分野において産学連携を進めており、人材交流や共同研究を通じて、基礎技術の蓄積を図っております。これらを結び付け、新たなサービスを開発し提供していくことに取り組んでまいります。 更に、こうした技術や取り組みを広く認知いただくためには、広報活動を通じて、当社の提供するソリューション・サービスをわかりやすくステークホルダーの方々へ伝えていくことが重要であると考えております。ニュース・リリースやビデオ映像による事業紹介等、投資家向け情報発信の取り組みを、今後さらに充実させてまいります。 ④ 品質向上に向けた活動 当社の創業以来培ってきた通信事業者向けソフトウェア開発においては、通信事業者の厳しいサービス運用基準への適合が要求されます。これらのソフトウェアをクラウド上で提供するクラウドサービスにおいても、品質の確保は必須であり、事業を継続していく上で当社の重要課題であると認識しております。より高いレベルでの品質確保のため、独立かつ客観的な立場で判断ができる品質管理担当を設け、全ての開発プロジェクトに品質プロセスを適用し、品質の担保に努めております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。(1)経営方針 当社は企業理念を「時空を超えてヒトやモノをつなぎ、豊かな社会を創造する」としております。大手通信事業者が求めるキャリアグレード(短時間の停止も許されない公共的社会インフラを支える技術や品質)の製品・サービスを提供するとともに、グローバルスタンダードであるインターネット技術をベースにした先進的なコミュニケーション・サービスを提供してまいります。 (2)経営戦略等 当社は、NTTの技術者を中心に創業され、電話公衆網で必要とされる技術・品質レベルを理解し、かつ短時間の停止も許されない信頼性を実現する技術力を持っております。また、ネットワークやコミュニケーションの最新技術を同時に活用し、クラウドサービスとしての提供を実現しております。従来得意としている、グローバルスタンダードな海外製品を、日本国内の制度やシステムに適応させ、多種多様なソリューションとして提供するなど、当社の特性を活かしたビジネスモデルを展開しております。 当社は、最先端の音声コミュニケーション技術を提供する単一セグメントの事業を展開しておりますが、これを二つの事業領域に区分して管理しております。一つ目は、「ボイスコミュニケーション事業」、二つ目は「クラウドDX事業」です。 ボイスコミュニケーション事業においては、画期的な変革を先導し、技術的なソリューションを大手通信事業者に提供してまいりました。コア製品であるSBCをはじめとした、ネットワーク技術がベースとなる音声コミュニケーション製品群は、大手通信事業者の電話通信網で引き続き重要な役割を果たしており、安定した稼働を保証する保守サービスを提供することが求められています。大手通信事業者は、IP化された電話通信システムの更改・機能強化を進めており、音声コミュニケーション専用ゲートウェイである当社のソフトウェアSBC「NX-B5000」は、今後も新たなライセンス・ビジネスや、安定した運用のための保守サービス需要が見込まれます。 また、固定電話の双方向番号ポータビリティの解禁によって、企業向け電話システム市場においてもIP化が一層進展し、ソフトウェアSBC「NX-B5000」やそのクラウドサービスである「U-cube friends」の需要が高まっています。これに伴い、クラウドPBX(クラウド型の社内電話交換システム)である「U-cube voice」の契約数も大幅に伸びております。 そのほか、AIによる通話記録の解析需要の高まりから、コンタクトセンターにおける通話録音ソリューション「LA-6000」や音声認識の引き合いも活発化しており、あわせて老朽化した通話録音装置のリプレイスに関する案件の獲得も堅調に推移しております。 こうしたなか、当社のソフトウェアIP-PBX「NX-C1000 for Enterprise」やソフトウェアSBC「NX-B5000 for Enterprise」をベースに開発した、「U-cube voice」や「U-cube friends」等のクラウドサービスが、パートナー事業者との協業によってさらに成長しております。また、クラウドサービスを提供する事業者に対して、当社のソフトウェアPBXやソフトウェアSBCをライセンスで提供し、同事業者が自らのサービスメニューを容易に拡充・販売できるビジネスモデル「Enablerサービス※」の普及にも注力しております。 この取り組みの一環として、クラウドサービス事業者間の連携を強化することを目的に、パートナー各社を組織化し、情報交流や技術交流を進める場である「NextGen CaMP」を運営しており、現在はNTTドコモビジネス株式会社を始め、計21社に加盟頂いております。 クラウドDX事業においては、成長著しいクラウド市場において不可欠となるネットワーク技術を強みとし、お客様の「クラウド・リフト」および「クラウド・シフト」を包括的に支援する体制へと事業領域を拡大いたしました。自社サービスとして提供してきたクラウド技術や業務プロセス改善(BPM)の知見を活かし、クラウドの活用を通じて、お客様の業務最適化を支援する事業です。実際に政府の外郭団体である一般社団法人から受注したプロジェクトでは、上流のコンサルティングからシステム化、運用までを一貫して支援する「顧客伴走型ビジネス」を提供しております。 また、通信事業者向けのキャリアコアソリューションにおいても、クラウド化・マルチメディア化・大容量化が加速しており、当社の最先端の技術力へのニーズが益々高まっております。 今後は、長年培ってきた「稼働率99.999%(ファイブ・ナインズ)」を要求されるキャリアグレードを維持し、IP通信をコアに最先端の技術要求に応えるサービス、ソリューションを継続的に提供することで、次世代通信インフラの発展や、多くの企業・組織のコミュニケーションニーズに貢献してまいります。※Enablerサービス:当社が提供するクラウドサービスを活用し、パートナー企業が自社のクラウドサービスを事業として展開できる、サービス・ビジネスの新しいモデルです。ブランドはパートナー企業のものとし、当社は裏方として技術やインフラ、機能を提供することでパートナー企業のサービス運用をサポートします。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社の中長期的な見通しにつきましては、経営環境の変化に柔軟に対応し、より現実的な数値目標を設定すべく、毎年、直前事業年度の業績等を踏まえて次年度以降の中期経営計画の見直しを行っております。 事業の成長とともにキャッシュを生むことが重要であるとの経営判断に基づき、2029年3月期(通期)の売上損益として、売上高 70億円、営業利益 6億円、EBITDA 9.5億円を計画しています。利益率の高いサブスク型ビジネスが収益の安定基盤となることで、当社事業の成長を見込んでおります。 (4)経営環境 当社の主要事業であるボイスコミュニケーションサービス分野においては、国内大手通信事業者、海外からのサービス事業者、新規参入のサービス事業者による新サービスの市場への導入や価格競争があり、市場は活性化しております。また、リモートワークは多くの人々にとって一般的な働き方のひとつとなり、オンライン会議も日常的な打ち合わせの手段として定着いたしました。 2024年、100年以上続いてきた日本全国の固定電話通信サービスネットワークである公衆交換電話網は、インターネット技術(IP通信技術)によって完全に置き換えられました。これにより、音声通信の効率は劇的に改善し、その結果として国内の通話料金は大幅に低下いたしました。当社はこの画期的な変革を先導し、技術的なソリューションを大手通信事業者に提供してまいりました。 一方、これらの市場の変化は、販売方式の変化も伴っております。通信事業者向けに、1件あたり数億円規模のハードウェアとソフトウェア・ライセンスを一括販売するワンタイム型のビジネスから、企業向けに、ハードウェアを保有しないクラウドサービスや、サブスク型ビジネスのモデルへと、顧客ニーズは徐々に変化しております。収益面では、保守サービスの安定的な売上の維持・継続や、クラウドサービスの成長、パートナーとのより深い共同事業を行うための新たなビジネスモデルであるEnablerサービスにより、安定した収益を生む構造への転換が進んでおります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社が今後優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。 ① 人材の確保と働き方の改革 当社の属する情報通信分野においては、高度化する技術への対応、高度な専門知識を持った技術者の不足等の課題を抱えており、有能な人材の採用と育成、働き方の改革は重要な経営課題となっております。当社では、かねてより柔軟な働き方に対応した制度の導入や生産性を向上させるため自社ソリューションを活用してまいりました。このため遠隔地へ転居しても、勤務を継続することや育児・介護を行いつつ仕事も進められる環境が整い、能力ある人材が無理なく仕事を継続できるようになっております。あわせて、このような多様な働き方が許容されテレワークが普通である働き方の改革は、優秀な人材の確保に役立ち、当社の重要な強みとなっております。引き続きワークスタイルの変革を推進し、優秀な人材の採用・育成を進めてまいります。 ② 収益力の向上 売上の拡大と安定した利益の確保を図るため、いわゆるサブスク型の事業・サービスを強化することも重要な施策の一つであると考えており、安定した収益源である保守サービスやクラウドサービスを成長させることに注力しております。株主でもある事業パートナーとの連携により、さらなる成長を目指してまいります。 また、収益確保の上で課題である新規プロジェクトの採算管理、スケジュール管理の業務改革を進めた結果、着実に収益を上げることができる体制が構築されつつあります。今後もさらに改革を推し進め、プロジェクト管理を強化し、無駄なコストを削減して、DXの推進によって効率化に取り組んでまいります。 ③ 新製品の企画開発 当社が開発したコミュニケーション・プラットフォーム・サービス(Communications Platform as a Service)U-cube CPaaSは、従来輸入していた製品サービスを、自社開発のソフトウェア、クラウドサービスにて置き換え、音声通話、ショートメッセージ(SMS)、オンラインチャット等、様々なコミュニケーションツールをシームレスに使用できる統合的な基盤です。また当社はAI音声認識分野において産学連携を進めており、人材交流や共同研究を通じて、基礎技術の蓄積を図っております。これらを結び付け、新たなサービスを開発し提供していくことに取り組んでまいります。 更に、こうした技術や取り組みを広く認知いただくためには、広報活動を通じて、当社の提供するソリューション・サービスをわかりやすくステークホルダーの方々へ伝えていくことが重要であると考えております。ニュース・リリースやビデオ映像による事業紹介等、投資家向け情報発信の取り組みを、今後さらに充実させてまいります。 ④ 品質向上に向けた活動 当社の創業以来培ってきた通信事業者向けソフトウェア開発においては、通信事業者の厳しいサービス運用基準への適合が要求されます。これらのソフトウェアをクラウド上で提供するクラウドサービスにおいても、品質の確保は必須であり、事業を継続していく上で当社の重要課題であると認識しております。より高いレベルでの品質確保のため、独立かつ客観的な立場で判断ができる品質管理担当を設け、全ての開発プロジェクトに品質プロセスを適用し、品質の担保に努めております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当社グループをとりまく情報通信分野は、様々な環境下の中で、ライフスタイルにあった働き方やコミュニケーションの手法を選択できるよう、企業による前向きな設備投資が進んでおり、クラウドサービスへの移行、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進による需要が増加しています。国内のICTサービス市場規模は、今後さらに拡大化されることが見込まれます。 こうした状況の下、当社グループ活躍の場はさらに広がるものと期待して、以下のとおり事業を展開してまいりました。 a.財政状態(資産) 当連結会計年度末における総資産は、3,690,938千円となり、前連結会計年度と比べ154,442千円の増加となりました。増加の主な要因は、現金及び預金が202,172千円、売掛金が10,378千円増加したことによるものであります。減少の主な要因は、原材料及び貯蔵品が31,837千円、流動資産「その他」に含まれる前払費用が14,835千円、ソフトウエア資産が1,229千円(新規開発及び取得等により265,656千円増加、減価償却により266,885千円減少)、繰延税金資産が4,521千円、投資その他の資産「その他」に含まれる長期前払費用が12,383千円減少したことによるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債の総額は、1,286,431千円となり、前連結会計年度と比べ77,312千円の減少となりました。増加の主な要因は、買掛金が134,826千円、役員賞与引当金が22,374千円、未払法人税等が18,616千円、流動負債「その他」に含まれる未払金が30,994千円、預り金が10,193千円増加したことによるものであります。減少の主な要因は、長期借入金及び1年内返済予定の長期借入金が186,951千円、前受金が102,704千円、株主優待引当金が14,354千円減少したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は2,404,507千円となり、前連結会計年度と比べ231,754千円の増加となりました。増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が292,312千円増加したことによるものであります。減少の要因は、配当金の支払により利益剰余金が61,848千円減少したことによるものであります。 b.経営成績 当社グループの事業領域である情報通信分野においては、社会全体におけるDXの進展、AI活用の急速な普及によって大きな変化が起きており、この変化の波を利用し、さらなる成長が期待されます。このような経営環境下、音声コミュニケーションを中心とした電話システムのIP技術によるイノベーションをメインとするボイスコミュニケーション事業、旧コミュニケーションDX事業をベースに事業エリアを新たなクラウドサービスへ広げることを目的として改組したクラウドDX事業とも、当連結会計年度は堅調に推移いたしました。 製品・サービス別の売上高につきましては、サブスク型ビジネスが引き続き安定的に成長し、前連結会計年度比8.5%増となりました。保守サービスは既存契約の積み上げにより堅調に推移し、クラウドサービスにおいては利用拡大により成長を牽引しております。ワンタイム型ビジネスにおいては、ライセンス・ビジネスにおける主要案件の獲得により高収益案件が積み上がったことに加え、DX関連の構築案件の拡大および特定顧客向けのハードウェアを含む売上計上により、売上高は4,256,981千円(前連結会計年度比17.6%増)となりました。 損益面では、成長投資および人員体制の強化を行い、人件費を中心に固定費が増加したものの、主力製品およびクラウドサービスの販売拡大による増収効果によりこれを吸収いたしました。この結果、売上総利益は1,577,995千円(前連結会計年度比11.3%増)、営業利益は328,297千円(前連結会計年度比25.2%増)、経常利益は324,626千円 (前連結会計年度比29.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は292,312千円(前連結会計年度比42.7%増)となり、いずれの段階利益においても前連結会計年度を大幅に上回りました。 受注状況につきましては、ボイスコミュニケーション事業において、前期に引き続きクラウドサービスおよび保守サービスを中心としたサブスク型ビジネスが堅調に推移しております。加えて、ライセンス・ビジネスの新規受注により、受注拡大が進展しております。クラウドDX事業においては、企業のデジタルトランスフォーメーション推進を支援するシステム開発案件を中心に受注が大きく伸長しております。また、モバイル事業者向け保守案件につきましても、計画どおり順調に進捗しております。これらの結果、受注残高は2,525,623千円(前連結会計年度比21.0%増)となりました。 区分第 24 期(2025年3月期)第 25 期(当連結会計年度)(2026年3月期)増減増減率(%)売上高(千円)3,620,7944,256,981636,18617.6売上総利益(千円)1,417,6071,577,995160,38811.3営業利益(千円)262,271328,29766,02525.2経常利益(千円)250,401324,62674,22529.6親会社株主に帰属する当期純利益(千円)204,883292,31287,42842.7受注残高(千円)2,088,0422,525,623437,58121.0 当連結会計年度における事業区分別の売上高の概況は、以下のとおりです。今年度より、従来のキャリア事業をクラウドDX事業に含める整理移管を行ったため、前連結会計年度の数値についても、この事業区分の変更に基づき見直しを行っています。 事業区分の名称第24期(2025年3月期)第25期(当連結会計年度)(2026年3月期)増 減増減率(%)ボイスコミュニケーション事業(千円)2,160,7502,538,513377,76317.5クラウドDX事業(千円)1,460,0441,718,467258,42317.7 〔ボイスコミュニケーション事業〕 サブスク型ビジネスであるクラウドサービスU-cubeシリーズが順調に成長しています(前連結会計年度比35.5%増加)。徐々に生産が終了しつつある従来の専用ハードウェアPBXをリプレイスするクラウドPBX「U-cube voice」や、様々な通信事業者との接続を可能とする「U-cube friends」がその成長を牽引しています。 当連結会計年度の状況は以下のとおりです。 ・専用ハードウェアPBXのリプレイス需要に応えるクラウドPBX「U-cube voice」:専用ハードウェアPBXのリプレイスが進む中、クラウドPBXの需要が高まっています。専用機器の設置や配線工事が不要となるため、初期投資を大幅に軽減できる点が特長です。運用面においても、保守やアップデートがクラウド側で完結するため、従来の部品交換コストやメンテナンス負荷を大幅に軽減することが可能です。また、物理的な制約を受けないため、オフィスの移転や拠点新設にも柔軟に対応でき、ロケーションフリーな通信環境を低コストかつスピーディに構築できる点が大きな強みとなっています。(KDDI株式会社、都築電気株式会社、パナソニックコネクト株式会社などのパートナー企業を通して多くの一般企業や官公庁に提供) ・U-cube friendsの技術的な基盤でもある「NX-B5000シリーズ」:SBC(Session Border Controller)であり、通信事業者向けに開発された高い信頼性、品質、安定性が評価され、IP化を進める企業やクラウドPBXサービス事業者など、多様な音声通信ネットワークをつなぐ音声通信専用ソフトウェアゲートウェイとして広く採用されています。IP電話サービスを提供する際に生じる「事業者間で異なる通信仕様の差」や「多種多様なデバイスによる信号形式の違い」、「ネットワーク境界のセキュリティ不安」といった課題を、一括で解決できるのが特長です。国内ベンダーでは初めて、Zoom PhoneやMicrosoft Teamsの接続認定を受けていることから、さらに需要が拡大しており、固定電話とスマートフォンなどの多彩な連携を可能にしています。クラウドサービス事業者が提供するクラウドPBXサービスのプラットフォームとしても利用されています。 ・NX-B5000のクラウドサービス「U-cube friends」:クラウド型の音声通信用ソフトウェアゲートウェイです。本製品と番号ポータビリティサービスを組み合わせることで、自社設備を保有することなく、全国に分散した拠点回線のクラウド集約を実現します。これにより、現在お使いの電話番号を維持したまま、拠点や店舗ごとに設置されていた専用ハードウェア(PBX)や物理回線の解消が可能になります。物理的な制約を排除し、管理体制をスリム化することで、コスト削減と運用効率の最大化を同時に達成可能にします。(連携サービスの例:NTTドコモビジネス株式会社の企業向けIP電話サービス「Arcstar IP Voice」) ・通話録音ソリューション「U-cube rec、LA-6000」:カスタマーセンターなどで、録音された音声データを利活用・分析することで、顧客対応品質の向上やトラブルの抑止に大きく貢献します。(NTTドコモビジネス株式会社、官公庁、金融機関など)また、単なる通話録音の枠を超え、CTI情報や音声データをAIソリューション等の外部サービスへ繋ぐ「キャプチャー(データ連携基盤)」としても機能します。これにより、高度な音声解析や業務効率化を実現するための架け橋として、幅広いシーンで活用されています。(連携サービスの例:NTTテクノクロス株式会社のコールセンターAIプロダクト「ForeSight Voice Mining(FSVM)」、日本マイクロソフト株式会社のAI自然言語処理サービス「Azure AI Speech」) ・マルチデバイス対応でオフィス電話を内線化する「NX-C1000 for Enterprise」:人材確保と定着(リテンション)が重要な経営課題となる中、場所の制約を受けないロケーションフリーなワークスタイルへのニーズが急速に高まっており、これに伴い、多種多様なデバイスを柔軟に活用できる通信環境の整備は、企業にとって不可欠な要素となりました。本製品は、こうした企業のデバイスフリー化を後押しするIP-PBX※1システムとなります。オフィス内はもちろん、外出先やテレワーク先でも使い慣れたデバイスで同一の内線番号が利用可能となり、シームレスで効率的なコミュニケーション環境を実現します。(大手金融機関、電力系企業などに提供) 以上の結果、当連結会計年度における当事業の売上高は、2,538,513千円(前連結会計年度比17.5%の増加)となりました。 〔クラウドDX事業〕 クラウドDX事業は、通信事業者向けのキャリアコアビジネスと、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するビジネスです。単なるシステムのクラウド移行に留まらず、業務プロセス全体を見直し、段階的なDXアプローチであるクラウド・リフトと、クラウド・シフトによって、最適化を行います。 当連結会計年度における当事業の主な成果や進捗は以下のとおりです。 ・政府外郭団体向け DX化支援:業務プロセス改善(BPM)のコンサルティングから実施までを一貫して行い、同機構の業務効率化を包括的に支援しています。OEMパートナーであるCamunda社の業務改善システムに、独自開発技術と知見を組み合わせることで、付加価値の高いシステムやツールを継続的に開発・提供しています。 <支援内容> -業務自動化: 煩雑な請求業務を自動化し、作業量の大幅な削減とミスの防止に貢献。 -電話・コンタクトセンター支援: 電話システムを拡充し、円滑な受電対応と情報共有をU-cube connectによりサポート。 -アプリケーション開発: スマホアプリやWebサイトの機能拡充により、各種申込手続きを自動化し、担当者の工数と問合せ件数の削減を実現。 ・通信事業者(MVNO)向けソリューション:柔軟なサービス運営を支える「業務支援システム」や「SIM管理システム」を独自に開発し、高度な課金システムと統合して提供しています。顧客情報の更新やプラン変更などのオペレーションを即座にサービスへ反映させる、リアルタイム性の高い運用基盤を構築しています。これにより、変化の激しい市場環境においても、顧客ニーズに迅速かつ正確に応える機動的なサービス提供を実現しています。 ・通信事業者向けMVNO基盤構築:日本通信株式会社の、国内初となったフルMVNO※2サービスの商用化を支援しています。通信制御の中核を担うネットワーク基盤の構築に加え、万が一の通信障害発生時にも迅速な原因特定を可能にする技術支援を提供しています。こうした高度な技術力により、安定したサービス運用の実現に貢献しています。 ・通話録音システムの高度化:当社の通話録音システムが、大手通信事業者が提供するSaaS型AIコミュニケーションサービスの一部として搭載されました。このサービスは、コンタクトセンターや店舗など、企業が持つ多様な顧客接点をAIで進化させ、CX(顧客体験)の最大化、NPS®改善、EX(従業員体験)の向上を実現するものです。当社の通話録音システムを活用して、AI音声分析などのサービスを展開できるだけでなく、関連業務の自動化による大幅な業務効率化も実現できます。 以上の結果、当連結会計年度における当事業の売上高は、1,718,467千円(前連結会計年度比17.7%の増加)となりました。※1.IP-PBX:インターネット回線を活用した電話交換機。内線通話、外線の制御、転送機能などを各電話機で利用するための専用装置です。※2.フルMVNO:MVNOの中でも自社でコアネットワークの一部を保有して運用することによりSIMカードを発行できる事業者のことを指します。これにより独自のサービスや料金体系を設定できるメリットがあります。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して202,172千円増加し2,011,993千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。 a.営業活動によるキャッシュ・フロー 営業活動により獲得した資金は740,488千円(前連結会計年度は、852,293千円の獲得)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益324,626千円、減価償却費285,664千円、役員賞与引当金の増加22,374千円、仕入債務の増加134,826千円、棚卸資産の減少29,280千円、未払消費税等の増加8,672千円、「その他」に含まれる前払費用の減少14,814千円等によるものであります。主な減少要因は、株主優待引当金の減少14,354千円、売上債権の増加10,378千円、前受金の減少102,704千円等によるものであります。 b.投資活動によるキャッシュ・フロー 投資活動により使用した資金は290,783千円(前連結会計年度は、265,298千円の使用)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出16,751千円、無形固定資産の取得による支出265,656千円、資産除去債務の履行による支出11,443千円等によるものであります。 c.財務活動によるキャッシュ・フロー 財務活動により使用した資金は247,533千円(前連結会計年度は、39,209千円の使用)となりました。減少要因は、長期借入金の返済による支出186,951千円、配当金の支払額61,339千円等によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 当社グループは、音声を中心とする通信技術に関するソリューション提供を行う単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 a.生産実績 当社グループは、ソフトウェアの開発・販売を主たる事業としており、生産という概念は薄く、かつ受注形態が多岐にわたり生産実績の把握が困難であるため、生産実績の記載を省略しております。 b.受注実績 当連結会計年度の受注実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。事業区分の名称受注高前年同期比(%)受注残高前年同期比(%)ボイスコミュニケーション事業(千円)2,685,195-1,099,574115.4クラウドDX事業(千円)2,009,367-1,426,049125.6合計(千円)4,694,562118.22,525,623121.0(注)当連結会計年度より事業区分を再編したことにより、受注高の前年同期との比較分析は行っておりません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。事業区分の名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)ボイスコミュニケーション事業(千円)2,538,513117.5クラウドDX事業(千円)1,718,467117.7合計(千円)4,256,981117.6(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)一般社団法人建設技能人材機構432,84212.0612,16414.4NTTドコモビジネス株式会社(注)347,2179.6449,04710.6(注)エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社は、2025年7月1日にNTTドコモビジネス株式会社に社名変更しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。a.財政状態(資産) 当連結会計年度末における総資産は、3,690,938千円となりました。流動資産は2,921,110千円となり、主な内訳は、現金及び預金が2,011,993千円、売掛金が744,745千円、製品が9,299千円、仕掛品が8,018千円、原材料及び貯蔵品が93,590千円であります。 固定資産は、769,828千円となり、主な内訳は、有形固定資産が58,248千円、ソフトウェア資産が609,776千円、差入保証金が41,450千円、繰延税金資産が57,256千円であります。 (負債) 当連結会計年度末における負債の総額は、1,286,431千円となりました。流動負債は、1,103,934千円となり、主な内訳は、買掛金が402,668千円、1年内返済予定の長期借入金が127,228千円、前受金が222,170千円であります。 固定負債は、182,497千円となり、主な内訳は、長期借入金が161,591千円であります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は、2,404,507千円となりました。主な内訳は、資本金が1,146,140千円、資本剰余金が705,789千円、利益剰余金が549,885千円であります。 b.経営成績 経営成績の状況に関する分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 c.経営成績に重要な影響を与える要因についてⅠ ソフトウェア資産の減損損失の可能性について 当社グループは通信システムに関わるソフトウェアを開発しており、現時点で適正と考えられるソフトウェア資産を計上しております。しかしながら今後、事業環境の変化により保有するソフトウェアの収益性が著しく低下し投資額を回収できなくなった場合には、減損損失が発生し当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 Ⅱ プロジェクトの納期変動リスクについて 当社グループでは、プロジェクトごとに売上規模や利益率が異なり、その売上計上時期によって業績が大きく変動します。想定外の仕様の変更など顧客側の都合等により契約上、当初予定されていた期間内に、顧客による検収を受けることができない場合、またシステムの不具合等の要因によりサービスの納品時期がずれ込んだ場合、当社グループの四半期ごとの業績が大きく変動する可能性があります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容 キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資本の財源及び資金の流動性Ⅰ 資金需要 当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の2つがあります。運転資金需要のうち主なものは営業活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための引合費用等の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては、主に通信システムに関わるソフトウェアの開発費(外注費及び人件費等)によるものであります。 Ⅱ 財務政策 当社グループの財務政策は、資産構成や投資内容に最適な資金調達を行うことを基本方針としており、その運転資金及び設備資金について現状では自己資金又は長期を中心とする金融機関からの借入によって対応しております。今後も、調達手段の選択においては、資本コスト、資金調達環境及び条件、自己資本比率、手許流動性の水準などを総合的に勘案し、長期的な企業価値向上に最も資すると考える方法により対応してまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における財政状態及び報告期間における経営成績に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り・予測の評価を実施しておりますが、不確実性が伴うため、当初の見積り・予測数値と実際の数値に乖離が生じる可能性があります。当社グループでは特に以下の会計方針を重要と認識しており、連結財務諸表作成において必要となる見積り・予測に影響を与える可能性があると考えております。 a.市場販売目的ソフトウェアの減価償却方法 市場販売目的のソフトウェアについては、見込販売収益に基づく償却額と残存見込販売有効期間(3年)に基づく均等償却額とのいずれか大きい金額を計上する方法により減価償却額を算出しております。 主要な仮定である見込販売収益は、各ソフトウェアの製品カテゴリー別に、顧客単位で積み上げられた販売計画を基礎としております。 なお、販売実績収益又は将来の販売見込収益が当初見込みと比べて大きく乖離した場合、追加の費用計上が必要となる場合があります。 また、今後、事業環境の変化により保有する市場販売目的ソフトウェアの収益性が著しく低下し投資額を回収できなくなった場合には、一時費用が発生し当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 b.繰延税金資産 当社グループの連結財務諸表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得計算上の資産及び負債の金額との間に生じる一時差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産を計上しております。将来の税金の回収可能予想額は、当社グループの将来の課税所得の見込額に基づき算出されておりますが、将来の課税見込額の変動により、繰延税金資産が変動する可能性があります。 c.自社利用のソフトウェア及びソフトウェア仮勘定 自社利用のソフトウェア及びソフトウェア仮勘定については、将来の収益獲得又は費用削減が確実と認められる場合は無形固定資産に計上しております。なお、減損の兆候が識別され、将来の収益獲得見込額に基づき算定された割引前将来キャッシュ・フローと帳簿価額を比較し、減損損失を認識すべきであると判定された自社利用のソフトウェア及びソフトウェア仮勘定については、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。 開発プロジェクトにおける将来の収益獲得見込額を判断するにあたり用いた主要な仮定は、新規及び既存顧客への販売計画であり、過去の販売実績等の経営環境の変化等を考慮して算定しております。 また、今後、事業環境の変化により保有する自社利用のソフトウェア及びソフトウェア仮勘定の収益性が著しく低下した場合等、将来の収益獲得見込額が著しく減少する要因が生じたことにより、開発したソフトウェアが事業の用に供されない場合、またはその一部について投資額の回収が見込まれない場合には、損失の計上が必要となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ④ 経営上の目標の達成状況について当連結会計年度の業績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」で述べたとおりとなりました。また、現ステージにおいては事業の成長を持続することが重要であるとの経営判断に基づき、CAGR(年平均成長率)を重要な指標と位置付けておりますが、当連結会計年度においては17.6ポイント増加いたしました。引き続き、目標とする経営指標を達成できるよう改善に取り組んでまいります。
事業リスク
- 市場環境の変化への対応遅れ: 通信サービス分野では、大手通信事業者間の価格競争や新サービスの開発競争が激化しており、市場環境の変化が非常に速いです。ネクストジェンがこれらの変化、特に音声通信と各種サービスの連携拡大といった新たな事業機会に迅速に対応できない場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 新規事業・投資活動の不確実性: 将来の成長のため、新規事業開発やM&A(企業の買収・合併)などの投資活動を積極的に行っています。しかし、新規事業の拡大が予測通りに進まなかったり、投資が回収できなかったり、のれんの減損損失が発生したりするリスクがあります。これにより、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 人材確保とプロジェクト納期変動: 高度な専門知識を持つ人材の確保は、情報通信分野の先端技術を扱うネクストジェンにとって重要です。人材不足が生じた場合、事業活動に支障が出る可能性があります。また、プロジェクトごとに売上規模や利益率が異なり、顧客都合による仕様変更やシステム不具合で納期が遅れると、四半期ごとの業績が大きく変動するリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。 当社の事業展開上、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また必ずしも事業上のリスクに該当しない事項であっても、投資判断上あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社ではこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、すべてのリスク予測及びそれらに対する回避を保証するものではありません。また以下の記載は、当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。 (1)市場環境の変化について 当社の主要事業である通信サービス分野においては、大手通信事業者、各種サービス事業者による価格競争や商品及びサービスの差別化、新たな事業者の参入による市場競争は激しさを増しており、各社の製品開発や技術革新に向けた取り組みは、一層加速しております。こうした中、当社が創業以来培ってきたボイスコミュニケーションの市場は電話でのコミュニケーションに限定しない、各種サービスと音声通信の連携がますます広がっており、当社の事業機会は拡大しているものと認識しております。しかしながら、当社が市場環境の変化に追随することができなかった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。 (2)新規事業について 当社は、将来的な事業拡大に向け、当社の技術や製品を活用した新規事業及び新サービスの開発に積極的に取り組んでおります。新規事業の展開にあたっては、人材の採用、研究開発費や設備費への先行投資や、広告宣伝費等に追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また事業方針の変更や事業の見直し、事業からの撤退等何らかの問題が発生する可能性も想定されます。 新規事業の拡大・成長が当初の予測どおりに進まない場合、それまでの投資負担等により当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 更に、これらの新規事業には不確定要因が多く、事業推進の過程において急激な市場・技術動向の変化、当社の経営方針や取引先企業との関係の転換等により、事業計画の変更を余儀なくされる可能性があります。 また、新規事業及び新サービスの展開に先立ち、製品開発やシステム構築を行う必要がありますが、このような対応が人員不足等の原因により計画どおりに進捗せず、収益化が遅れる可能性があります。こうした場合は、それまでの投資負担等により当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (3)投資活動について 当社は将来に向けて社会と技術の変化に対応すべく、M&A等(買収、合併、事業の譲渡・譲受、事業投資)の投資活動は効果的な手段の一つと考えております。 これら投資活動の実施に当たっては十分に検討を行いますが、想定したとおりに事業を展開できない場合、投資を回収できないリスクや投資活動に伴い発生したのれん等の減損損失が発生するなどのリスクが存在しており、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4)知的財産権について 当社にとって知的財産権の保護は重要な課題であるとの認識に基づき、特許等知的財産権の出願・登録を積極的に行っております。なお、当連結会計年度末における当社が保有する特許は11件となります。 第三者の知的財産権を侵害するリスクを最小限にするため、当社における知的財産分野の体制及び人員の強化を図り、最善の努力を行っております。しかしながら、当社の技術は広範囲に及ぶ一方、情報通信産業における知的所有権の調査・確認作業は繁雑であり、かつ今後に向けてどのような知的財産権が成立するかを把握することはきわめて困難であるため、現在、または将来に向けて当社が利用または提供する技術が、第三者の知的財産権を侵害しているという主張が当社に対してなされる可能性があります。そのような事態が発生した場合は、訴訟費用や損害賠償金の支払い等の発生により、当社の業績に影響を与える可能性があります。 (5)ソフトウェア資産の減損損失の可能性について 当社は通信システムに関わるソフトウェアを開発しており、現時点で適正と考えられるソフトウェア資産を計上しております。しかしながら今後、事業環境の変化により保有するソフトウェアの収益性が著しく低下し投資額を回収できなくなった場合には、減損損失が発生し当社の業績に影響を与える可能性があります。 (6)プロジェクトの納期変動リスクについて 当社では、プロジェクトごとに売上規模や利益率が異なり、その売上計上時期によって業績が大きく変動します。想定外の仕様の変更など顧客側の都合等により契約上、当初予定されていた期間内に、顧客による検収を受けることができない場合、またシステムの不具合等の要因によりサービスの納品時期がずれ込んだ場合、当社の四半期ごとの業績が大きく変動する可能性があります。 (7)人材の確保について 当社の事業領域は情報通信分野における先端技術を必要とすることから、高度な専門知識と経験を有する人材の確保が経営上の重視すべき事項となっております。また、当社の人員は現段階では事業規模に対して適正と考えておりますが、効率性重視の観点から各組織に配置されている従業員数は最小単位となっており、業務によっては特定個人の属人性に依存している部分もあります。人材の確保や社内の情報・ノウハウ共有には十分な措置を講じておりますが、必要な人材を必要な時期に常に確保・維持できる保証はなく、人材に急な欠員が生じた場合、当社の事業活動に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)資金調達について 当社の中長期的な継続成長のために必要な重点事業分野については、新製品のための研究開発投資やM&A等による事業拡大のための投資活動、ソフトウェア及びハードウェア等のシステム投資等を継続する予定であり、これらの資金需要に対応するため、現時点で十分な資金を確保しております。しかしながら、環境変化によって十分な追加資金の調達を行えない場合には事業機会を逸し、当社の業績に影響を与える可能性があります。 (9)大規模自然災害・感染症拡大等について 当社は大規模な自然災害や感染症が拡大した場合においても、平常時よりテレワークを推進することで事業継続が可能な体制整備を進めておりますが、当社や取引先の事業活動の停滞や、社会的な生産・物流の停滞に伴う調達への支障が生じるおそれがあり、これらが当社の業績に影響を与える可能性があります。