事業の概要
- 映像制作事業劇場・テレビ・配信・ゲーム向けのアニメーションや実写映像を企画から編集まで一貫して制作し、国内外の顧客からの受注や自社原作で収益を得ています。クリエイターの技術力とプロデューサーによる品質・スケジュール・予算管理で、安定した制作体制を維持しています。
- 出版事業コミック誌、単行本コミックス、イラスト集、電子書籍の企画・出版・販売を行っています。特にコミック誌は、幅広い年代の読者層に合わせた作品構成で展開し、そこから人気作品を単行本化することで収益を上げています。
- 版権事業アニメーション作品の製作委員会への出資やコンテンツ資産を活用し、国内外での二次利用(キャラクターグッズ化、配信など)に関する権利販売や収益分配で稼いでいます。自社制作作品や企画・原作を手がけた作品からは、印税収入も得ています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 映像制作事業アニメーションや実写映像の企画・制作を行い、国内外からの受注や自社原作で収益を上げています。最新年度の売上は73.18833億円ですが、営業利益は-11.01625億円と赤字であり、先行投資や制作コストが収益を上回っている状況が見られます。
- 出版事業コミック誌や単行本、電子書籍の出版・販売を手掛けています。最新年度の売上は22.24827億円で、営業利益は3.48635億円と安定した収益を上げています。幅広い読者層に向けた作品展開が特徴です。
- 版権事業アニメーション作品の著作権を活用し、二次利用に関する権利販売や収益分配を得ています。最新年度の売上は39.56166億円、営業利益は19.34069億円と、グループ内で最も高い利益率を誇る稼ぎ頭の事業です。作品のヒットが直接収益に結びつく構造です。
2025-05 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| PictureProductionBusiness | 地域 | 73 | -11 | -15.1% |
| PublishingBusiness | 地域 | 22 | 3 | 15.7% |
| CopyrightBusiness | 地域 | 40 | 19 | 48.9% |
| ProductSalesBusiness | 地域 | 9 | 4 | 43.4% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、当社(㈱IGポート)、連結子会社6社(㈱プロダクション・アイジー、㈱マッグガーデン、㈱ウィットスタジオ、㈱シグナル・エムディ、海外子会社1社、製作委員会1社)、持分法適用関連会社2社によって構成されており、劇場・テレビ・配信・ビデオ・ゲーム用アニメーション等の映像制作事業、コミック誌・コミックス(単行本)電子書籍等の出版事業、これら作品の二次利用による収益分配や一部の販売権利窓口業務によって窓口手数料を得られる版権事業、人気作品のキャラクターの商品を企画・監修・製作し、共同運営店舗での販売や販売店に卸売りを行う商品販売事業を主たる業務としております。㈱シグナル・エムディにつきましては、2025年6月1日付で㈱プロダクション・アイジーに吸収合併しております。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。当社グループの事業系統図は、以下のとおりであります。 (1) 映像制作事業当社グループは、国内外からの受注や自社原作の劇場・テレビ・ビデオ・ゲーム用アニメーション及び実写の映像制作事業を行っております。当社グループは、企画から編集までの一貫した制作ラインを有し、クリエイターの映像制作能力はもとより、制作ラインを管理するプロデューサー等の管理スタッフによる品質水準の維持、スケジュール管理、制作予算管理等の能力向上とノウハウの蓄積を図ってきております。具体的な業務フローは下記のとおりです。<解説>◇プリプロダクション制作の準備工程であり、企画書を基にアニメーション制作に必要な材料を作成します。・企 画 :制作するアニメーションのあらすじや狙い、放映・配給、予算、メインスタッフの編成等を計画します。・脚 本 :脚本家による映像構成に必要な要素を書き出したシナリオの執筆作業です。・設定/デザイン:作品のイメージや世界観、登場キャラクター等の作成作業です。・絵コンテ :映像、演出意図、作業指示等を行うための設計図の作成です。通常、監督や演出家によって作成されます。◇プロダクション作画から彩色、撮影までの具体的な制作作業の工程です。・レイアウト :カット毎の設計図を指します。絵コンテより更に具体的な画面構成やカメラワークが描かれます。・美術・背景 :レイアウトを基に背景を描く作業を指します。立体的な空間を表現するためCGを使用することもあります。通常は紙に描かれ、スキャナで読み取りデータ化(背景スキャン)します。・3DCG :3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)により複雑な機械や曲線を多用する物体等、2次元(2D)では困難な表現を作成します。物体の形を作り(モデリング)、表面に模様を作成し(テクスチャ)貼り付けます。これに動きを付け(アニメーション付け)、指定されたデータ形式に出力(レンダリング)します。・原画 :彩色する目的の絵の「線画」状態を描く作業を指します。人物や物体の基本的な動き、表情等、作品の品質に大きな影響を与える作業になります。・動画 :一連の動きを完成させるために「原画」の間に入れる絵を描きます。動画の枚数や間隔により滑らかな動きを表現します。・スキャニング :紙に描かれた動画を1枚ずつスキャナで読み取り、動画データ(セルデータ)に変換する作業です。・彩色 :指定された色に従い、セルデータの彩色を行う作業です。仕上げとも言います。・検査 :彩色済のセルデータの品質を検査する作業になります。・撮出し・特効 :これまでの工程の素材を整理、確認し(撮出し)、質感を与える特殊効果(特効)を行います。・撮影・エフェクト:2Dのセルデータ、背景、3DCG等を位置やタイミングを調整しながら合成し(撮影)、雨や霧、煙、透過光等の特殊な表現を加える各種デジタル映像処理作業(エフェクト)を行います。◇ポストプロダクション撮影、録音された映像や音声素材を編集し、完成品としてフィルムやデジタルメディア等の形に仕上げていく工程です。・カッティング :編集作業によって不要な部分を切り落とし、長さを確定します。・アフレコ・音響:声優による登場キャラクターの音声、効果音、音楽の録音を指します。・ダビング :セリフ・効果音・音楽の音響素材を1つにまとめる作業です。・ビデオ編集 :映像原版と音原版とを納品の仕様に編集することです。(2) 出版事業当社グループは、コミック誌(雑誌・定期刊行物)、コミックス(単行本)及びイラスト集等の関連書籍、電子書籍の出版、販売を行っております。 ・コミック誌 : 当社グループが企画、販売するコミック誌は、各世代(年代)別の読者に向けてそれぞれに満足感のある作品構成で展開することを意図しております。 ・コミックス : 当社グループが販売するコミックスは、上記のコミック誌及びウェブマガジン掲載された作品等を単行本化したものです。 ・電子書籍 : 当社グループが企画・開発した作品を電子書籍として出版及び販売を行っております。(3) 版権事業当社グループは、映像制作事業とともにアニメーション作品の製作を目的とした製作委員会(注)等への出資やコンテンツ資産により、国内外へ二次利用に関する一部権利の販売業務を行っております。さらに、当該出資により、出資割合に応じた収益分配収入を得ております。また、自社制作作品の制作者印税、企画・原作を行った作品においては企画・原作印税等の収入を得ております。 (注) 「製作委員会」とは、アニメーションや映画の製作資金を効率的に調達することを目的に、その多くは民法上の任意組合の性格を持ち、出資割合によって共同で著作権を保有する団体であります。なお、製作委員会のスキーム図の一例を示すと下記のとおりであります。(4) 商品販売事業当社グループは、人気作品のキャラクターの商品を企画・許諾・監修・製作を行い、事業者との共同運営店舗での販売と販売店に卸売りを行って収入を得ております。 (5) その他事業当社グループでは、原稿(雑誌のイラスト)出稿や講師料等で収入を得ております。 当社グループが制作した代表的なアニメーション作品の一覧は下記のとおりであります。制作時期作品受託制作出資を伴う受託制作2014年5月期ジョバンニの島 (IG:劇場)フューチャーカード バディファイト (XEBEC:TV)鬼灯の冷徹 (WIT:TV)黒子のバスケ2期 (IG:TV)マケン姫っ!通 (XEBEC:TV)ハイキュー!! (IG:TV)2015年5月期 GARM WARS The Last Druid (IG:劇場)PSYCHO-PASS サイコパス (IG:劇場)百日紅 (IG:劇場)蒼穹のファフナー EXODUS (IG,XEBEC:TV)2016年5月期フューチャーカード バディファイト100(XEBEC:TV)カラフル忍者いろまき (SMD:劇場)ハイキュー!!セカンドシーズン (IG:TV)屍者の帝国 (WIT:劇場)甲鉄城のカバネリ (WIT:TV)ジョーカーゲーム (IG:TV)2017年5月期フューチャーカード バディファイトDDD(XEBEC:TV)Bang Dream!(バンドリ) (XEBEC:TV)ひるね姫 (SMD:劇場)黒子のバスケ (IG:劇場)進撃の巨人 season2 (WIT:TV)CYBORG009 CALL OF JUSTICE (SMD:配信)2018年5月期恋は雨上がりのように (WIT:TV) 魔法使いの嫁 (WIT:TV)ボールルームへようこそ (IG:TV)魔法陣グルグル (IG:TV)宇宙戦艦ヤマト2202 (XEBEC:TV)フルメタル・パニック!Ⅳ (XEBEC:TV)2019年5月期ULTRAMAN (IG:配信)フューチャーカード 神バディファイト (XEBEC:TV) フリクリ オルタナ/プログレ (IG:劇場)バースデー・ワンダーランド (SMD:劇場)PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System (IG:劇場)甲鉄城のカバネリ~海門決戦~ (WIT:劇場)進撃の巨人 Season 3 (WIT:TV)風が強く吹いている (IG:TV)2020年5月期けだまのゴンじろー (SMD:TV)キミだけにモテたいんだ。 (SMD:劇場) 攻殻機動隊 SAC_2045 (IG:配信)PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR (IG:劇場)ヴィンランド・サガ (WIT:TV)歌舞伎町シャーロック (IG:TV)ハイキュー!! TO THE TOP (IG:TV)サイダーのように言葉が湧き上がる (SMD:劇場)2021年5月期NOBLESSE-ノブレス-(IG:TV)Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編・後編 (SMD、IG:劇場)鹿の王 (IG:劇場)憂国のモリアーティ (IG:TV)GREAT PRETENDER (WIT:TV)Vivy -Fluorite Eye's Song- (WIT:TV)MARS RED (SMD:TV)2022年5月期プラチナエンド (SMD:TV)鹿の王 (IG:劇場)銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 (IG:劇場)バブル BUBBLE (WIT:劇場)SPY × FAMILY (WIT:TV)王様ランキング (WIT:TV)サイダーのように言葉が湧き上がる (SMD:劇場)DEEMO サクラノオト-あなたが奏でた音が、今も響く- (SMD:劇場)2023年5月期火狩りの王 (SMD:TV)PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE (IG:劇場)蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE (IG:劇場)天国大魔境 (IG:TV)SPY × FAMILY (WIT:TV)絆のアリル (WIT、SMD:TV)2024年5月期グリム組曲 (WIT:配信)SPY × FAMILY 2期 (WIT:TV)SPY × FAMILY CODE:White (WIT:劇場)ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦 (IG:劇場)怪獣8号 (IG:TV)シンカリオン チェンジ ザ ワールド (SMD:TV)2025年5月期君に届け3RD SEASON (IG:配信)My Melody & Kuromi (WIT:配信)怪獣8号 第1期総集編/同時上映 保科の休日 (IG:劇場)真・侍伝YAIBA (WIT:TV)(注)表中の略語は以下のとおりです。IG=㈱プロダクション・アイジー、XEBEC=㈱ジーベック、MAG=㈱マッグガーデン、WIT=㈱ウィットスタジオ、SMD=㈱シグナル・エムディOVA=オリジナル・ビデオ・アニメーション
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い アニメーション市場の競合増加により、受注価格の低下や外注費の高騰が想定されるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 企画から編集までの一貫した制作ラインとクリエイターの映像制作能力、プロデューサー等の管理スタッフによる品質水準の維持、スケジュール・制作予算管理等のノウハウ蓄積。 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:作品が顧客の嗜好に合致しない、または制作遅延 / プリプロダクション工程後の正式受注不調による損失 / 再販売価格維持制度の廃止による出版物市況悪化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
IGポートは主に不動産賃貸事業や不動産開発事業を展開しており、現時点で特許、ブランド力、規制ライセンスなどの無形資産による競争優位性は確認できない。M&Aによる事業拡大が中心であり、個別の無形資産の蓄積は限定的と見られる。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
不動産賃貸事業においては、テナントが他の物件へ移転する際のコスト(引越し費用、新規契約手続き等)は存在するが、一般的に賃貸契約期間中は拘束力があり、契約更新時の選択肢は比較的多い。そのため、スイッチング・コストによる優位性は限定的。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
IGポートの事業内容は、不動産賃貸・開発が中心であり、ユーザー数が増えることでサービスの価値が増加するネットワーク効果は発生しない。事業モデル上、ネットワーク効果による競争優位性は見られない。
コスト優位☆☆☆☆☆
不動産賃貸・開発事業において、IGポートが構造的に競合他社よりも低コストで物件を取得・開発・運営できるような明確な証拠はない。土地取得コストや建設コストは市場要因に左右されやすく、コスト優位性の確立は困難。
規模の経済★★☆☆☆
不動産賃貸・開発事業は、規模の経済が働く側面がある。物件の管理・運営効率や、開発における交渉力などで規模のメリットが期待できる。しかし、業界全体で見ると多数のプレイヤーが存在し、IGポートが寡占的な地位を築いているとは言えない。
- 一貫した制作体制企画から編集までアニメーション制作の全工程を自社グループ内で完結できる体制が強みです。これにより、品質管理を徹底し、クリエイターの能力向上とノウハウ蓄積を図ることで、安定した作品供給と品質維持を実現しています。
- 多様な収益源映像制作だけでなく、コミック出版、作品の二次利用による版権事業、キャラクター商品の販売など、多角的な事業展開により収益源を分散しています。これにより、特定の事業に依存するリスクを低減し、グループ全体の安定性を高めています。
- 製作委員会方式の活用アニメーション製作において「製作委員会」方式に出資することで、効率的に資金を調達し、著作権を共同保有しています。これにより、作品のヒット時には出資割合に応じた収益分配を受けられるため、リスクを抑えつつリターンを追求できる仕組みを構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、「感動する作品や楽しめる作品を創り続ける」ことを理念とし、「多くの視聴者や読者等に感動を与え、また、クライアントに満足していただける作品を創る」ことを経営方針としております。 (2) 経営戦略当社グループは、原作を創出するコミック出版とアニメーションを中心とした映像化を行うコンテンツ制作の企業集団として、中長期的なキャッシュ・フローを生みだすため、以下の4つのプロセスに傾注し、投資拡大の好循環を実現してまいります。・自社コミック原作の創出・映像化したものをマルチメディア化・事業の中核となるコンテンツのシリーズ化を推進・NFT(非代替性トークン)化した商品、オリジナルキャラクター商品等を海外販売(インターネットでつながる世界マーケットに向けダイレクトアプローチ) (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの連結数値目標として、ROE(自己資本利益率)8%以上を指標とし、中長期的な経営戦略を基に投資を進め、事業の拡大を図ってまいります。映像制作事業と出版事業については、制作・進行管理を行うことで、版権事業については、ヒットする作品を検討して出資することで、商品販売事業については、人気作品のキャラクター商品をタイムリーに製作し卸売りを行うことで、また、当社グループ内のコンテンツを映像制作事業や出版事業で利用することにより利益の最大化を図ってまいります。 (4) 経営環境経営環境につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概況 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① クリエイターの発掘、協力会社の獲得次世代を担うコミック作家や映像クリエイターの発掘・育成のために、人材の交流、作品公募、制作環境やサポート体制の整備、教育者の確保に対応してまいります。また、優秀な人材や協力会社の獲得のために、透明性のある契約と成功報酬制度等、法務面の充実にも継続して取り組んでまいります。 ② 映像制作事業の予算見積りと管理映像制作費用は、CG制作費や優秀なクリエイター等の外注費が高騰し、また、制作期間が長くなっていることから人件費を含む固定費が増加し、当初予算見積りより超過するようになりました。現況に合った確度の高い映像制作予算の見積りを策定し、管理体制を整え映像制作事業の収益改善に継続して取り組んでまいります。 ③ 映像技術の進歩コンピュータを使用したアニメーション制作、映画のデジタル上映化等、映像技術は著しく進歩しております。これに伴い、コンピュータを使った画像処理、ネットワークやサーバ等の制作環境、工程やデータの管理等、技術の習得と人材の育成及び情報インフラの整備に継続して取り組んでまいります。 ④ メディアの多様化動画配信サービスの急激な普及により、テレビやPC、スマートフォン等のメディアで視聴できる環境となり、国境を越え圧倒的な量のコンテンツを享受できる時代を迎えております。数多くのメディアで視聴できるようパートナー企業と協力し、分配金・印税の獲得に継続して取り組んでまいります。 ⑤ 海外展開海外パートナーとの協力関係を築き、映像制作の受注や配信等、海外市場拡大に継続して取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、「感動する作品や楽しめる作品を創り続ける」ことを理念とし、「多くの視聴者や読者等に感動を与え、また、クライアントに満足していただける作品を創る」ことを経営方針としております。 (2) 経営戦略当社グループは、原作を創出するコミック出版とアニメーションを中心とした映像化を行うコンテンツ制作の企業集団として、中長期的なキャッシュ・フローを生みだすため、以下の4つのプロセスに傾注し、投資拡大の好循環を実現してまいります。・自社コミック原作の創出・映像化したものをマルチメディア化・事業の中核となるコンテンツのシリーズ化を推進・NFT(非代替性トークン)化した商品、オリジナルキャラクター商品等を海外販売(インターネットでつながる世界マーケットに向けダイレクトアプローチ) (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの連結数値目標として、ROE(自己資本利益率)8%以上を指標とし、中長期的な経営戦略を基に投資を進め、事業の拡大を図ってまいります。映像制作事業と出版事業については、制作・進行管理を行うことで、版権事業については、ヒットする作品を検討して出資することで、商品販売事業については、人気作品のキャラクター商品をタイムリーに製作し卸売りを行うことで、また、当社グループ内のコンテンツを映像制作事業や出版事業で利用することにより利益の最大化を図ってまいります。 (4) 経営環境経営環境につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概況 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① クリエイターの発掘、協力会社の獲得次世代を担うコミック作家や映像クリエイターの発掘・育成のために、人材の交流、作品公募、制作環境やサポート体制の整備、教育者の確保に対応してまいります。また、優秀な人材や協力会社の獲得のために、透明性のある契約と成功報酬制度等、法務面の充実にも継続して取り組んでまいります。 ② 映像制作事業の予算見積りと管理映像制作費用は、CG制作費や優秀なクリエイター等の外注費が高騰し、また、制作期間が長くなっていることから人件費を含む固定費が増加し、当初予算見積りより超過するようになりました。現況に合った確度の高い映像制作予算の見積りを策定し、管理体制を整え映像制作事業の収益改善に継続して取り組んでまいります。 ③ 映像技術の進歩コンピュータを使用したアニメーション制作、映画のデジタル上映化等、映像技術は著しく進歩しております。これに伴い、コンピュータを使った画像処理、ネットワークやサーバ等の制作環境、工程やデータの管理等、技術の習得と人材の育成及び情報インフラの整備に継続して取り組んでまいります。 ④ メディアの多様化動画配信サービスの急激な普及により、テレビやPC、スマートフォン等のメディアで視聴できる環境となり、国境を越え圧倒的な量のコンテンツを享受できる時代を迎えております。数多くのメディアで視聴できるようパートナー企業と協力し、分配金・印税の獲得に継続して取り組んでまいります。 ⑤ 海外展開海外パートナーとの協力関係を築き、映像制作の受注や配信等、海外市場拡大に継続して取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用及び所得環境の改善やインバウンド需要の拡大により、回復の兆しが見られましたが、個人消費は物価高に伴い足踏み状態とみられます。また、中東、東欧、東アジアでの地政学リスクの高まりや、米国による関税政策など、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。当社グループを取り巻く経営環境について、アニメーション産業は、一般社団法人日本動画協会による「アニメ産業レポート2024サマリー」2025年1月発表によれば、2023年のアニメ産業市場は前年比114.3%、4,188億円増の3兆3,465億円となり史上最高値を更新しました。根強い国内需要と、2010年代半ばから急速に数字を伸ばした海外市場に支えられたものです。アニメーション産業動向は次第に注目され、日本のコンテンツ輸出の中核を担うものと位置づけられるようになりました。出版産業は、公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所によると、2024年(1~12月期累計)の出版市場規模(推定販売金額)は、前年比1.5%減の1兆5,716億円と3年連続の前年割れとなりました。紙と電子を合算したコミック市場は前年比1.5%増の7,043億円となり、内訳は紙のコミックス(単行本)は1,472億円(同8.6%減)、コミックス誌は449億円(同9.7%減)で合計1,921億円(同8.8%減)。電子コミックは同6.0%増の5,122億円となっております。このような情勢のもと当社グループは、テレビ・配信・ビデオ用アニメーション、劇場用アニメーション、その他にゲーム用、プロモーション用、実写等の企画・制作を行う映像制作事業、コミック誌、書籍(コミックス、ノベルス、原作ガイドブックを含む)の企画・製造・販売、電子書籍を含むコミックスの販売を行う出版事業、作品の二次利用による印税・収益分配金等を得る版権事業、キャラクター商品の卸販売等を行う商品販売事業を中心に行い、前期に比べ増収減益となりました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は14,598,270千円(前期比23.3%増)、経常利益は1,420,281千円(前期比2.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は828,016千円(前期比28.5%減)となりました。 各セグメントの業績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度から、「その他」に含まれていた「商品販売事業」について量的な重要性が増したため報告セグメントとして記載する方法に変更しております。前期比較については、前期の数値を変更後のセグメントに組み替えた数値で比較しております。 (映像制作事業)映像制作事業におきましては、テレビ用アニメーションは「春夏秋冬代行者 春の舞」「怪獣8号 第2期」「SPY × FAMILY Season 3」等、劇場用アニメーションは「劇場版ハイキュー!! VS 小さな巨人」等、配信用アニメーションは「Star Wars Visions Presents -The Ninth Jedi」「THE ONE PIECE」等、納品へ向けそれぞれ制作しております。テレビ用アニメーションは「真・侍伝YAIBA」等、配信用アニメーションは「My Melody & Kuromi」、劇場用アニメーションの「怪獣8号 第1期総集編/同時上映 保科の休日」は納品しテレビ放映や配信(予定)、劇場上映となりました。その他プロモーションビデオ・CМ・ゲーム・遊技機のアニメーションを制作・納品しました。映像制作事業では、物価の高騰により人件費やCG制作費、外注費等が高騰し、制作期間の長期化により、一部の作品については受注損失引当金を計上する作品もありました。以上により、当事業の売上高は7,318,833千円(前期比17.9%増)、営業損失は1,101,625千円(前期は940,050千円の営業損失)となりました。 (出版事業)出版事業におきましては、コミック誌の定期刊行物は「月刊コミックガーデン」(12点)を刊行しました。書籍(コミックス、ノベルスを含む)は、2024年夏にアニメ放送された「魔導具師ダリヤはうつむかない~Dahliya Wilts No More~」をはじめ、「転生貴族の異世界冒険録」「リィンカーネーションの花弁」の最新刊等、164点を刊行しました。出版事業売上における電子書籍の占有率は79.6%となり、前年度の同80.9%からほぼ横這いとなっています。以上により、当事業の売上高は2,224,827千円(前期比4.8%減)、営業利益は348,635千円(前期比27.7%減)となりました。 (版権事業)版権事業におきましては、「君に届け」「ハイキュー!!」「進撃の巨人」「怪獣8号」「SPY × FAMILY」等のシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上しました。「君に届け 3RD SEASON」は、第1四半期連結会計期間に、配信事業者からのライセンス収入がすべて一括で計上されております。以上により、当事業の売上高は3,956,166千円(前期比31.7%増)、営業利益は1,934,069千円(前期比6.1%増)となりました。 (商品販売事業)商品販売事業におきましては、中国・上海に「I.G & WIT Anime Studio Store」を開店したことにより、人気作品のキャラクターの商品販売が好調に推移しました。以上により、当事業の売上高は870,437千円(前期の売上高は27,304千円)、営業利益は377,867千円(前期は25,083千円の営業損失)となりました。 (その他事業)その他事業におきましては、雑誌のイラスト描きや講師料等により、当事業の売上高は228,005千円(前期比14.8%減)、営業損失は948千円(前期は6,806千円の営業利益)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は4,639,924千円となり、前期と比べ3,106,901千円(前期比40.1%減)の減少となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、1,858,966千円(前期は3,056,010千円の増加)となりました。これは主に減価償却費が1,509,397千円、税金等調整前当期純利益が1,412,195千円、受注損失引当金の増加が132,335千円、預り金の増加が100,092千円、一方、売上債権の増加が3,125,363千円、未払印税の減少が999,331千円、前受金の減少が738,765千円、法人税等の支払額が459,158千円等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、722,857千円(前期は1,284,910千円の減少)となりました。これは主に保険積立金の解約による収入が24,779千円、一方、映像マスターや建物及び構築物等の有形固定資産の取得による支出が657,390千円、コンテンツ資産やソフトウェアの無形固定資産の取得による支出が70,949千円等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、514,551千円(前期は146,997千円の減少)となりました。これは主に配当金の支払額が288,769千円、長期借入金の返済による支出が200,000千円等によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 受注制作実績当連結会計年度における映像制作事業の制作実績及び受注状況を映像制作事業の区分ごとに示すと、次のとおりであります。なお、出版事業、版権事業及び商品販売事業は、受注制作ではないため、制作実績及び受注実績を記載しておりません。映像制作実績区分制作高(千円)前年同期比(%)TV・配信・ビデオ用アニメ6,032,88412.9劇場用アニメ322,071△46.3その他のアニメ1,584,77096.0その他45,70843.7合 計7,985,43517.8(注)金額は、製造原価によっております。 受注実績区分受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)TV・配信・ビデオ用アニメ7,699,62678.118,553,31113.3劇場用アニメ364,000△48.01,960,00022.5その他のアニメ1,230,77718.1593,264△48.7その他29,5001,452.69,900-合 計9,323,90353.621,116,47610.4 b. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)映像制作事業7,318,83317.9出版事業2,224,827△4.8版権事業3,956,16631.7商品販売事業870,4373,087.9その他事業228,005△14.8合 計14,598,27023.3(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。前連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)当連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)相手先金額 (千円)割合 (%)相手先金額 (千円)割合 (%)東宝㈱2,827,79923.9Netflix Studios,LLC2,040,89114.0---Netflix Global,LLC1,532,98110.5---東宝㈱1,501,70910.3 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。また、当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示並びに当該会計期間における収益・費用に影響を与える見積りを合理的に行わなければなりません。経営陣は見積りに影響を与える要因を把握し、把握した要因に関して適切な仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しております。実際の結果は、見積り特有の不確実性により、見積りと異なる場合があります。なお、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 概況概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。b. セグメント別の状況(売上高、営業利益の分析)セグメント別の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。c. 営業外収益(費用)営業外収益は52,152千円(前期比73.8%減)となりました。主な要因は投資事業組合運用益が117,336千円、受取手数料が43,124千円減少したことであります。営業外費用は58,057千円(前期比29.4%増)となりました。主な要因は為替差損が10,769千円増加し、賃貸収入原価が6,049千円減少したことであります。d. 特別利益特別利益は14,457千円(前期比92.8%減)となりました。主な要因は投資有価証券売却益が14,457千円増加し、受取補償金が200,000千円減少したことであります。e. 特別損失特別損失は22,542千円(前期比45.9%減)となりました。主な要因は減損損失が10,193千円増加し、棚卸資産廃棄損が32,886千円減少したことであります。f. 税金等調整前当期純利益以上の結果、税金等調整前当期純利益は1,412,195千円(前期比8.3%減)となりました。g. 法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額)法人税、住民税及び事業税の負担額は法人税等調整額を含め596,463千円(前期比46.0%増)となりました。h. 親会社株主に帰属する当期純利益以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は828,016千円(前期比28.5%減)となりました。 ③ 当連結会計年度の財政状態の分析a. 資産資産合計は、13,092,090千円(前期比6.5%減)となりました。流動資産につきましては、主に売掛金及び契約資産が3,126,409千円増加し、一方、現金及び預金が3,106,900千円減少し、結果、10,643,190千円となりました。固定資産につきましては、主に映像マスターが107,836千円増加し、一方、コンテンツ資産が1,039,847千円減少し、結果、2,448,899千円となりました。 b. 負債負債合計は、5,262,694千円(前期比21.3%減)となりました。流動負債につきましては、主に未払法人税等が197,343千円、受注損失引当金が132,335千円、預り金が100,092千円増加し、一方、未払印税が999,331千円、前受金が738,765千円、一年内返済予定の長期借入金が200,000千円減少し、結果、4,886,712千円となりました。固定負債につきましては、主に株式給付引当金が34,626千円減少し、結果、375,982千円となりました。 c. 純資産純資産は、7,829,395千円(前期比7.0%増)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益及び剰余金の配当により利益剰余金が538,629千円増加したことであります。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析キャッシュ・フローの状況キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ⑥ 資本の財源及び資金の流動性a. 資金需要当社グループの運転資金需要の主なものは、映像制作事業並びに出版事業に係わる売上原価及び、労務費、業務委託費及び外注費が主な部分を占めております。また、版権事業における権利取得のための出資金があります。設備資金といたしましては、編集機器、コンピュータ購入費やネットワーク費等があります。b. 財務政策運転資金につきましては、自己資金で対応することを原則としておりますが、自己資金で賄えない急な資金需要が発生する等の場合は、金利動向を踏まえ必要に応じ長期・短期借入金で調達しております。設備資金及び作品への出資金につきましては、社債の発行、長期借入金により最適な調達を行っていく方針であり、調達時期、条件について最も有利な手段を選択するべく検討することとしております。 ⑦ 経営者の問題認識と今後の方針について「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等及び3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 作品の市場評価制作したアニメーションやコミックが顧客の嗜好に合わない場合や、制作が遅延した場合、売上や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、多額の投資を伴う大型作品の不振は、経営成績に大きな影響を与えるリスクがあります。
- 再販売価格維持制度の変更出版事業において、独占禁止法で認められている再販売価格維持制度(再販制度)が廃止された場合、出版物の価格競争が激化し、市況が悪化する可能性があります。これにより、出版物の売上が減少し、経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。
- 外部環境の変化とコスト増加感染症の拡大や自然災害による制作遅延、世界的なインフレによる外注費や人件費、公共料金の高騰は、制作予算を上回る原価発生につながり、利益を圧迫する可能性があります。これにより、経営成績が大幅に変動するリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 事業内容等について① 作品の良否について当社グループは、アニメーション作品及びコミック作品ともに、常に最適な制作体制の構築を心掛け、品質の高い制作に努めております。しかしながら、こうして制作した作品が顧客の嗜好に合致しない場合、又は制作に遅れが生じた場合は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ② 映像制作事業について当社グループは、制作の正式受注の前に、プリプロダクション工程が発生する場合があります。企画書や作品のあらすじあるいはキャラクターデザイン、絵コンテ、場合によっては短い動画を作成します。正式受注が不調となった場合には、当社グループに損失が生じる可能性があります。 ③ 出版事業について当社グループが製作・販売している出版物は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(独占禁止法)第23条の規定により、再販売価格維持制度(再販制度)が認められる特定品目に該当しており、書店では定価販売が行われております。公正取引委員会が2001年3月23日に発表した「著作物再販制度の取扱いについて」によると、当面、再販制度は維持・存続される見通しですが、一方で、再販制度を維持しながらも、現行制度の弾力的運用を業界に求めていく方針を発表しております。当該制度が廃止された場合には、出版物の市況が悪化することも考えられ、当社グループの出版物にその影響が及んだ場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 版権事業について当社グループは、制作するアニメーション作品等に対し、著作権等の権利の取得を目的として出資を行う場合がありますが、著作権等の権利を取得できた場合には、作品より得られた収益の分配を受けることができます。しかしながら、制作した作品が顧客の評価を得ることができない場合には、期待した収益を確保することができず、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 商品販売事業について当社グループが製作した商品の卸売りは、ほとんどが買い取りとなっており返品がありません。一部委託販売となっており、顧客のニーズと合わず販売が低調となり商品が返品となった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 経営成績の変動について① 当社グループでは、経営成績の変動を抑えるべく尽力しておりますが、アニメーションの大型出資において、作品利用(版権)の契約内容や印税や分配の報告により、売上の時期や売上金額が異なります。映像マスターやコンテンツ資産の減価償却費と売上の計上が会計期間と一致しない場合、当社グループの経営成績等は大幅に変動する可能性があり、経営成績の期間比較等をするに際しては、このような点を考慮する必要があります。 ② 感染症の拡大や自然災害により、従業員やクリエーター、国内外の取引会社の社員の感染や被災状況により、映像制作のすべての工程(プリプロダクション、プロダクション、ポストプロダクション)で遅れが生じる可能性があります。映像制作の遅れにより納品が納期に間に合わない場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 世界的なインフレが続いており、今後、さらに外注費や人件費、公共料金等が高騰した場合、既に受注している作品については制作予算を上回る原価が発生すると予想されることから、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 他社との競合についてアニメーション市場の拡大により、国内のみならず国際的に新規参入の競合会社が増えており、現在、中国、韓国、フィリピン等をはじめとした低コストのアニメーション制作会社や、優秀なアニメーターを好待遇で雇う会社が台頭してきております。当社グループも受注を確保するため、受注価格の低下が避けられない状況に陥ることや、優秀なアニメーターを確保するため外注費の高騰も想定されます。その場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。