3772

ウェルス・マネジメント(3772)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

不動産業 不動産

事業の概要

  • アセットマネジメント事業
    投資家に対して、不動産や不動産関連金融商品への投資に関する専門的な助言や代理業務を提供しています。具体的には、投資案件の発掘から取得、売却までの一連のプロセスをサポートし、不動産投資の入り口から出口までをワンストップで支援するプラットフォームを提供することで収益を得ています。
  • 不動産事業
    ホテル開発用地となる不動産の信託受益権の取得・保有を主な事業としています。また、不動産の賃貸や管理も行い、これらの活動を通じて収益を上げています。匿名組合高瀬川や匿名組合強羅開発などがこの事業を担っています。
  • ホテル運営事業
    ホテルや宿泊施設、飲食施設の経営や運営の受託を行っています。ワールド・ブランズ・コレクションホテルズ&リゾーツ株式会社などがこの事業を担い、顧客に快適な宿泊体験を提供することで収益を得ています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • アセットマネジメント事業
    投資家向けに不動産投資の助言や資産運用サービスを提供しており、売上高20.39億円、営業利益11.83億円を計上しています。投資案件の発掘から取得、売却までをサポートし、主に管理報酬や成功報酬で収益を上げています。
  • 不動産事業
    ホテル開発用不動産の信託受益権の取得・保有や不動産の賃貸・管理を行っており、売上高84.00億円、営業利益13.40億円と、グループ内で最も大きな売上を誇ります。匿名組合高瀬川や匿名組合強羅開発などがこの事業を担っています。
  • ホテル運営事業
    ホテルや宿泊・飲食施設の経営および運営受託を行っており、売上高78.71億円、営業利益9.63億円を計上しています。ワールド・ブランズ・コレクションホテルズ&リゾーツ株式会社などが、ホテル運営を通じて収益を上げています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
AssetManagement 事業 20 12 58.0%
RealEstate 事業 84 13 16.0%
HotelManagement 事業 79 10 12.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,112 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社12社により構成されております。 当連結会計年度末現在、連結子会社は、リシェス・マネジメント株式会社、ワールド・ブランズ・コレクションホテルズ&リゾーツ株式会社、株式会社美松、株式会社堂島ホテルオペレーションズ、ウェルス・リアルティ・マネジメント株式会社、匿名組合高瀬川、匿名組合強羅開発、匿名組合新札、匿名組合ヒラフ開発、合同会社南二条ホテルオペレーションズ、匿名組合TC11、株式会社丸菱エネシスの計12社であります。 なお、次の事業内容は「5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 事業内容連結子会社(1)アセットマネジメント事業 リシェス・マネジメント株式会社 ウェルス・リアルティ・マネジメント株式会社(2)不動産事業 匿名組合高瀬川 匿名組合強羅開発 匿名組合新札 匿名組合ヒラフ開発 匿名組合TC11(注) 株式会社丸菱エネシス(注)(3)ホテル運営事業 ワールド・ブランズ・コレクションホテルズ&リゾーツ株式会社 株式会社美松 株式会社堂島ホテルオペレーションズ 合同会社南二条ホテルオペレーションズ(注)(注) 当連結会計年度において、当社が新たに出資した匿名組合TC11、株式を取得した株式会社丸菱エネシス、新たに設立した合同会社南二条ホテルオペレーションズを連結の範囲に含めております。 (1)アセットマネジメント事業 リシェス・マネジメント株式会社では、アドバイザリーサービス(投資案件の発掘からデューディリジェンス、取得、売却までのトータルアドバイスの提供)、アセットマネジメントサービス(不動産投資の入口から出口までをワンストップでサポートするプラットフォームの提供)を行っております。 ウェルス・リアルティ・マネジメント株式会社では宅地建物取引業、不動産業を行っております。 (2)不動産事業 匿名組合高瀬川、匿名組合強羅開発、匿名組合新札、匿名組合ヒラフ開発及び匿名組合TC11では、ホテル開発用不動産の信託受益権の取得、保有を行っております。 株式会社丸菱エネシスでは不動産の賃貸及び管理を行っております。 (3)ホテル運営事業 ワールド・ブランズ・コレクションホテルズ&リゾーツ株式会社では、ホテル及び宿泊・飲料施設等の経営、受託運営事業を行っております。 株式会社美松、株式会社堂島ホテルオペレーションズ及び合同会社南二条ホテルオペレーションズではホテル運営業務を行っております。   [事業系統図]  以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
アセットマネジメント事業、ホテル運営事業ともに競合他社が多く、市場参入者の増加や法的規制強化の影響を受けるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
宅地建物取引業法、金融商品取引法、貸金業法、不動産特定共同事業法、旅館業法等のライセンスが必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:特定の不動産取引への依存度が高い / 金融及び不動産市場の情勢変動 / ホテル運営事業の収益変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ウェルス・マネジメントは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに関する情報は公開されておらず、無形資産による競争優位性は確認できません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

不動産賃貸事業において、既存テナントが他の物件へ移転する際には、移転コストや事業中断リスクが発生する可能性があります。しかし、物件の代替性は比較的高く、スイッチング・コストは限定的と考えられます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、ネットワーク効果を直接的に活用するものではなく、ユーザー数の増加がサービス価値を向上させるような構造は見られません。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

不動産開発・賃貸事業において、規模の経済によるコスト優位性は限定的です。土地取得コストや建設コストは市場要因に左右されやすく、構造的なコスト優位性を確立している証拠はありません。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

不動産賃貸・管理事業において、一定規模の物件ポートフォリオを保有していますが、業界全体から見て圧倒的な規模の経済や寡占的な地位を確立しているとは言えません。効率規模の優位性はまだ弱い段階です。

  • 不動産投資の専門性
    不動産投資に関するアドバイザリーサービスやアセットマネジメントサービスを包括的に提供しており、投資案件の発掘から売却までの一貫したサポート体制を強みとしています。これにより、投資家は専門的な知識と経験を持つ同社グループに安心して不動産投資を任せることができます。
  • ホテル開発・運営ノウハウ
    ホテル開発用不動産の取得・保有から、実際のホテル運営までを一貫して手掛けるノウハウを有しています。これにより、不動産とホテル運営の両面から事業を最適化し、効率的な収益化を図ることが可能です。
  • 多様な収益源の確保
    アセットマネジメント、不動産、ホテル運営という異なる事業セグメントを持つことで、収益源を多角化しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した経営基盤を構築しようとしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき主要な課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (アセットマネジメント事業及び不動産事業におけるビジネスモデルの確立) これまで培った当社グループのノウハウにより、バリューアップが完了した投資物件を、当社が組成するリートへ組み込み、それにより得た資金を次のプロジェクトに充てていくという資産循環型ビジネスのサイクルを実現させることが、引き続き重要な戦略であります。これによりグループの受託資産の積み上げとリートの成長を図りつつ、相応規模の収益を計画的に実現することが可能になると考えております。(ホテルの事業力強化) ホテルというオペレーショナルアセットは、オフィスビルやレジデンスなどに比べて、運用の巧拙が収益力を大きく左右します。当社グループは世界で展開するグローバルなラグジュアリーブランドのホテルオペレーターから運営ノウハウを得て、自前のホテル運営を展開できる強みがあります。また、大きな事業環境の変化へ対応していくため、ホテルのコスト構造を見直していくことを進め、より安定した収益の獲得を可能にすることを目指してまいります。  これらの基本戦略を通じて、ホテル運営事業の安定収益をベースに、資産循環型ビジネスの中で得られる利益を計画的に加え、「経営基盤の安定化」を図ってまいります。それらを着実に具体化させていくことにより、プライム市場を目指してまいりたいと考えております。 優先的に対応すべき重点施策は以下のとおりです。①事業戦略(a)資産循環型ビジネスの構築によるアセットマネジメント事業及び不動産金融事業の進化・拡充 取得した資産をバリューアップし、当社が組成するリートへ組み込むサイクルを実現させることにより、資産循環型のビジネスモデルを確立させてまいります。その戦略の核となるリート、不動産STO、私募ファンドによる物件の性質や投資家のニーズに合わせた新たな資産循環ビジネスにおいて、今後、上場リートへの拠出物件のパイプライン約3,000億円を基本に、リート上場の時期や規模について、今後の経済環境、市場環境等を勘案して決定してまいりますとともに、出口戦略の拡充にも努めてまいります。 また、当社グループの事業モデルは、ホテル開発プロジェクトにおいて竣工前の開発過程にも複数の収益機会があり、それらをプロジェクトごとに調整して収益につなげてまいります。現時点で、開発中のプロジェクトが6件進行中です。(b)新規運営受託獲得活動の本格展開と既存ホテル運営事業の収益力強化 日本の観光都市にはまだまだラグジュアリーホテルが少なく、その成長余地は大きいと考えています。ホテル自体をエクスクルーシブな環境として創造し、五感で満足していただけるサービスやデザインを散りばめた開発を行うことにより、競争力の強化につなげたいと考えております。 ホテル運営事業については、インバウンドによるホテル需要の拡大を確実に業績に取り込むべくラグジュアリーホテルだけでなくミッドクラスのホテル運営数の拡大にも注力し、2025年秋には当社グループが運営を受託しているホテルが開業する予定です。今後新たに具体化をさせていくホテル開発プロジェクトも、それぞれが特徴的で魅力のある立地において、最良のパートナーと最適なプランニングを行ってまいります。(c)ホテル以外のアセットタイプの積極的な取得 当社グループはこれまでもオフィスや商業施設を取り扱ってきた実績があります。不動産事業のパイプラインの拡充に向けて、ホテル以外のアセットについても積極的に物件取得を進めてまいります。(d)コストの増加への対応 物価上昇、円安及び実質金利の引き上げにより、物件取得費用、開発コスト及びホテル運営費用等は急激に増加しており、当面は継続して上昇することが見込まれております。コストの増加につきましては、物件の売却価格及び宿泊価格への適切な反映、徹底したコスト管理及び資金調達の多様化によって対応してまいります。(e)外注工事への対応 当社グループのホテル建設においては、建築工事をゼネコンに外注しております。外注先の建設業界では、現状の人手不足に加えて、急激なコスト増を抱えており、工事請負契約の締結遅れ、工期の遅延が懸念されております。契約締結や工期の遅れは、当社グループの資金調達、業績に大きな影響を与えることから、ゼネコンとの開発・建築工事費用の高騰への対応を進めてまいります。 (f)新規事業への取り組み 前連結会計年度より開始いたしました不動産STOの第2回目への取り組みも継続して推進してまいります。また、幹細胞を用いた再生医療を軸とするメディカル事業、ラグジュアリーホテルで取り扱う高級食材や食料品の販売事業等の新規事業への取り組みを継続して検討してまいります。 ②財務戦略(a)資金調達力の強化と流動資金の拡充 成長に必要な投資資金は、自己資金の充当をベースとしながらも、場合によっては金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等も含めた多様な資金調達の検討を行ってまいります。また、金利上昇や金融不安による金融機関の慎重な融資姿勢にも備えて、資金の早期回収、費用や投資の柔軟な見直しなどを進めることにより、流動資金の拡充を進めてまいります。(b)財務レバレッジをフル活用した不動産投資の実施 今後自己資本が積み上がっていくことにより、金融機関からの資金調達力が向上するものと期待しております。投資効率や採算を高めるため、可能な限りデットでの資金調達によりレバレッジをかけてまいりたいと考えております。 ③資本戦略(a)戦略的資本提携先の開拓を通じた適正な株主構成の構築 当社グループの事業戦略を早期に具体化し、事業競争力を一層向上させていくため、適切な株主構成の構築を実現させてまいります。(b)株式の流動性向上を目指す施策の検討・実施 当社の株主構成は特定株主の保有比率が高く、安定をしております。株式の流動性は株式分割や新株予約権の発行等の施策を通じて徐々に高まっておりますが、プライム市場への上場に向けては未だ充分な水準とは言えない状況であると認識しております。特定株主の保有株については、今後、新たな戦略的資本提携先や業務提携先の開拓により、新たな株主構成を考えるとともに、市場の状況等も見つつ、株式の流動性を高めていく対策を講じてまいりたいと考えております。 ④配当戦略(a)利益水準に応じた安定的な配当の実施(b)トータル・シェアホルダーズリターン(TSR*)等の指標の検討* 株主総利回り(一定期間における株価上昇率+配当率) 当社グループは、株主の皆様へ安定的な配当を行ってまいりたいと考えておりますが、未だ発展途上にあり、利益は更なる成長のための再投資に利用させていただくことも必要なため、「TSR」を経営指標に位置づけ、株価上昇につながる施策も含めて検討しております。 当連結会計年度は、前連結会計年度比で1株当たり普通配当金を1円増配し、20円00銭とすることとしました。 ⑤人事戦略(a)「働き甲斐があり、働きやすい職場」と「成果に報いる人事制度」の構築(b)人材確保と人事制度の構築 当社グループの事業を支えるのは人材です。当社グループの事業は、不動産の開発、不動産金融といった専門性の高い業務、運営ホテルはバジェットからラグジュアリータイプまでと様々であり、多様な人材確保が必要となってまいります。そのためには社員のモチベーション向上が極めて重要と認識しており、それを支える制度の構築、施策の展開を積極的に行ってまいりたいと考えております。 給与水準については、労働市場を注視しながら、継続した給与水準の引き上げに努めております。また、各種研修の充実や諸手当の拡充を含めた福利厚生制度の充実に向けた取り組みも進めており、バランスの良い就業環境を目指してまいります。 (経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等) 事業の成長、収益性を重視した経営を行うべく、「売上高」、「経常利益」を重要な経営指標として位置づけております。また、アセット・マネジメント事業及び不動産事業においては、グループで取り扱う不動産の評価額の増加に努めております。ホテル運営事業においては、ADR(客室平均単価)、OCC(稼働率)及びRevPAR(販売可能な客室1室当たりの収益)に注視しており、状況に応じて各指標の改善に努めております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき主要な課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (アセットマネジメント事業及び不動産事業におけるビジネスモデルの確立) これまで培った当社グループのノウハウにより、バリューアップが完了した投資物件を、当社が組成するリートへ組み込み、それにより得た資金を次のプロジェクトに充てていくという資産循環型ビジネスのサイクルを実現させることが、引き続き重要な戦略であります。これによりグループの受託資産の積み上げとリートの成長を図りつつ、相応規模の収益を計画的に実現することが可能になると考えております。(ホテルの事業力強化) ホテルというオペレーショナルアセットは、オフィスビルやレジデンスなどに比べて、運用の巧拙が収益力を大きく左右します。当社グループは世界で展開するグローバルなラグジュアリーブランドのホテルオペレーターから運営ノウハウを得て、自前のホテル運営を展開できる強みがあります。また、大きな事業環境の変化へ対応していくため、ホテルのコスト構造を見直していくことを進め、より安定した収益の獲得を可能にすることを目指してまいります。  これらの基本戦略を通じて、ホテル運営事業の安定収益をベースに、資産循環型ビジネスの中で得られる利益を計画的に加え、「経営基盤の安定化」を図ってまいります。それらを着実に具体化させていくことにより、プライム市場を目指してまいりたいと考えております。 優先的に対応すべき重点施策は以下のとおりです。①事業戦略(a)資産循環型ビジネスの構築によるアセットマネジメント事業及び不動産金融事業の進化・拡充 取得した資産をバリューアップし、当社が組成するリートへ組み込むサイクルを実現させることにより、資産循環型のビジネスモデルを確立させてまいります。その戦略の核となるリート、不動産STO、私募ファンドによる物件の性質や投資家のニーズに合わせた新たな資産循環ビジネスにおいて、今後、上場リートへの拠出物件のパイプライン約3,000億円を基本に、リート上場の時期や規模について、今後の経済環境、市場環境等を勘案して決定してまいりますとともに、出口戦略の拡充にも努めてまいります。 また、当社グループの事業モデルは、ホテル開発プロジェクトにおいて竣工前の開発過程にも複数の収益機会があり、それらをプロジェクトごとに調整して収益につなげてまいります。現時点で、開発中のプロジェクトが6件進行中です。(b)新規運営受託獲得活動の本格展開と既存ホテル運営事業の収益力強化 日本の観光都市にはまだまだラグジュアリーホテルが少なく、その成長余地は大きいと考えています。ホテル自体をエクスクルーシブな環境として創造し、五感で満足していただけるサービスやデザインを散りばめた開発を行うことにより、競争力の強化につなげたいと考えております。 ホテル運営事業については、インバウンドによるホテル需要の拡大を確実に業績に取り込むべくラグジュアリーホテルだけでなくミッドクラスのホテル運営数の拡大にも注力し、2025年秋には当社グループが運営を受託しているホテルが開業する予定です。今後新たに具体化をさせていくホテル開発プロジェクトも、それぞれが特徴的で魅力のある立地において、最良のパートナーと最適なプランニングを行ってまいります。(c)ホテル以外のアセットタイプの積極的な取得 当社グループはこれまでもオフィスや商業施設を取り扱ってきた実績があります。不動産事業のパイプラインの拡充に向けて、ホテル以外のアセットについても積極的に物件取得を進めてまいります。(d)コストの増加への対応 物価上昇、円安及び実質金利の引き上げにより、物件取得費用、開発コスト及びホテル運営費用等は急激に増加しており、当面は継続して上昇することが見込まれております。コストの増加につきましては、物件の売却価格及び宿泊価格への適切な反映、徹底したコスト管理及び資金調達の多様化によって対応してまいります。(e)外注工事への対応 当社グループのホテル建設においては、建築工事をゼネコンに外注しております。外注先の建設業界では、現状の人手不足に加えて、急激なコスト増を抱えており、工事請負契約の締結遅れ、工期の遅延が懸念されております。契約締結や工期の遅れは、当社グループの資金調達、業績に大きな影響を与えることから、ゼネコンとの開発・建築工事費用の高騰への対応を進めてまいります。 (f)新規事業への取り組み 前連結会計年度より開始いたしました不動産STOの第2回目への取り組みも継続して推進してまいります。また、幹細胞を用いた再生医療を軸とするメディカル事業、ラグジュアリーホテルで取り扱う高級食材や食料品の販売事業等の新規事業への取り組みを継続して検討してまいります。 ②財務戦略(a)資金調達力の強化と流動資金の拡充 成長に必要な投資資金は、自己資金の充当をベースとしながらも、場合によっては金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等も含めた多様な資金調達の検討を行ってまいります。また、金利上昇や金融不安による金融機関の慎重な融資姿勢にも備えて、資金の早期回収、費用や投資の柔軟な見直しなどを進めることにより、流動資金の拡充を進めてまいります。(b)財務レバレッジをフル活用した不動産投資の実施 今後自己資本が積み上がっていくことにより、金融機関からの資金調達力が向上するものと期待しております。投資効率や採算を高めるため、可能な限りデットでの資金調達によりレバレッジをかけてまいりたいと考えております。 ③資本戦略(a)戦略的資本提携先の開拓を通じた適正な株主構成の構築 当社グループの事業戦略を早期に具体化し、事業競争力を一層向上させていくため、適切な株主構成の構築を実現させてまいります。(b)株式の流動性向上を目指す施策の検討・実施 当社の株主構成は特定株主の保有比率が高く、安定をしております。株式の流動性は株式分割や新株予約権の発行等の施策を通じて徐々に高まっておりますが、プライム市場への上場に向けては未だ充分な水準とは言えない状況であると認識しております。特定株主の保有株については、今後、新たな戦略的資本提携先や業務提携先の開拓により、新たな株主構成を考えるとともに、市場の状況等も見つつ、株式の流動性を高めていく対策を講じてまいりたいと考えております。 ④配当戦略(a)利益水準に応じた安定的な配当の実施(b)トータル・シェアホルダーズリターン(TSR*)等の指標の検討* 株主総利回り(一定期間における株価上昇率+配当率) 当社グループは、株主の皆様へ安定的な配当を行ってまいりたいと考えておりますが、未だ発展途上にあり、利益は更なる成長のための再投資に利用させていただくことも必要なため、「TSR」を経営指標に位置づけ、株価上昇につながる施策も含めて検討しております。 当連結会計年度は、前連結会計年度比で1株当たり普通配当金を1円増配し、20円00銭とすることとしました。 ⑤人事戦略(a)「働き甲斐があり、働きやすい職場」と「成果に報いる人事制度」の構築(b)人材確保と人事制度の構築 当社グループの事業を支えるのは人材です。当社グループの事業は、不動産の開発、不動産金融といった専門性の高い業務、運営ホテルはバジェットからラグジュアリータイプまでと様々であり、多様な人材確保が必要となってまいります。そのためには社員のモチベーション向上が極めて重要と認識しており、それを支える制度の構築、施策の展開を積極的に行ってまいりたいと考えております。 給与水準については、労働市場を注視しながら、継続した給与水準の引き上げに努めております。また、各種研修の充実や諸手当の拡充を含めた福利厚生制度の充実に向けた取り組みも進めており、バランスの良い就業環境を目指してまいります。 (経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等) 事業の成長、収益性を重視した経営を行うべく、「売上高」、「経常利益」を重要な経営指標として位置づけております。また、アセット・マネジメント事業及び不動産事業においては、グループで取り扱う不動産の評価額の増加に努めております。ホテル運営事業においては、ADR(客室平均単価)、OCC(稼働率)及びRevPAR(販売可能な客室1室当たりの収益)に注視しており、状況に応じて各指標の改善に努めております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】業績等の概要(1)業績 当連結会計年度におけるわが国経済は、物価高騰による不動産及び建築コストの増加、不安定な中国不動産市場等の懸念材料はあるものの、訪日外客の消費拡大や雇用・所得環境の改善が進み、設備投資が堅調に推移するなど好材料もでてきております。 当社グループにおきましては、好調なホテル業界の影響もありホテル運営事業の売上高は増加し、アセットマネジメント事業においても継続的に毎月計上される報酬に加えて、シックスセンシズ 京都の信託受益権の譲渡にかかる報酬及び第2号セキュリティ・トークン・オファリングの組成に伴う報酬を計上したことにより売上高は前連結会計年度を上回りました。一方で不動産事業については、予定しておりました物件売却が翌期に変更されたことにより減収となりました。利益面につきましては、ホテル運営事業においては人件費を中心としたコストの増加及び開業関連費用等の影響により減益、アセットマネジメント事業は増収に伴い増益、不動産事業につきましては減収に伴い減益となりました。 この結果、当連結会計年度は、売上高18,310,289千円(前期比36.0%減)、営業利益2,520,295千円(前期比16.8%減)、経常利益1,048,713千円(前期比60.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,102,812千円(前期比39.6%減)となりました。 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。 セグメント前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)増減率金額(千円)金額(千円)(%)ホテル運営事業売上高6,166,8247,884,75727.9営業利益1,437,984962,831△33.0アセットマネジメント事業売上高784,8682,129,928171.4営業利益45,1581,183,472-不動産事業売上高21,897,2808,400,288△61.6営業利益2,463,8071,340,114△45.6 (注)1.セグメント間取引は相殺消去しておりません。2.増減率について、当連結会計年度・前連結会計年度の一方若しくは両方がマイナスとなる場合や、増減率が1,000%以上となる場合は「-」と記載しております。 (ホテル運営事業) ホテル運営事業が属するホテル業界におきましては、インバウンド需要は活況であり、日本政府観光局(JNTO)公表の、2024年訪日外客数は3,700万人と2019年の水準を超える過去最高の増加傾向にありますが、人手不足及び様々なコストの増加といった課題にも直面しております。 当社グループにおきましても、「イビススタイルズ大阪難波」が2024年3月に営業を終了した一方で、2024年4月に「シックスセンシズ 京都」、2024年8月20日に「バンヤンツリー・東山 京都」がグランドオープンしたこと、及び既存ホテルの業績が概ね好調に推移していることからホテル運営事業の売上高は前連結会計年度を上回りました。利益面につきましては「イビススタイルズ大阪難波」の利益が剥落したこと、オープンした2ホテルの認知と集客が拡大途中であることに加え開業関連費用が発生したこと、及び人件費等の本部コストの増加により減益となりました。  運営ホテル売上高の推移(単位:千円) 運営ホテル売上高対前年同期増減率前第1四半期会計期間1,499,800193.9%前第2四半期会計期間1,396,944166.3%前第3四半期会計期間1,798,72360.4%前第4四半期会計期間1,464,99527.0%当第1四半期会計期間1,688,23312.6%当第2四半期会計期間1,486,3916.4%当第3四半期会計期間2,612,18045.2%当第4四半期会計期間2,062,54640.8%(注)1.運営ホテル売上高は、当社グループが運営しているホテルの管理会計上の売上高を合算したものであり、ホテル運営事業の売上高とは一致いたしません。2.セグメント間取引は相殺消去しておりません。 (アセットマネジメント事業、不動産事業) アセットマネジメント事業及び不動産事業が属する不動産市場におきましては、資材価格、設備工事費等の高騰や人員不足などを要因とした工期の長期化が問題となっております。一方で、インバウンドの急増によるホテル需要の高まりや、国内投資家の投資拡大を踏まえホテルアセットに対する投資家及び金融機関のホテル開発事業に対する投資や融資については積極的な姿勢を継続しております。 このような状況下で、当社グループにおける主な活動は以下のとおりとなりました。(1)「シックスセンシズ 京都」の不動産信託受益権を特定目的会社に譲渡し、当社連結子会社のリシェス・マネジメント株式会社が本物件にかかるアセットマネジメント業務を受託いたしました。(2)リシェス・マネジメント株式会社が山梨県南都留郡に所在するホテル開発用地を取得し、開発・設計業務を進めるべく当該物件を不動産信託受益権化した上で特別目的会社に譲渡いたしました。また、リシェス・マネジメント株式会社は本物件にかかるアセットマネジメント業務を受託いたしました。(3)「イビス大阪梅田」を対象とする不動産セキュリティ・トークン(ST)を発行し、当社連結子会社のウェルス・リアルティ・マネジメント株式会社は本STにかかるアセットマネジメント業務を受託いたしました。(4)「バンヤンツリー・箱根 芦ノ湖」開発プロジェクトを次の建築段階へと進めるべく、本物件の不動産信託受益権を特別目的会社へ譲渡いたしました。また、リシェス・マネジメント株式会社は本物件にかかるアセットマネジメント業務を受託いたしました。 (2)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より5,006,832千円減少し、8,917,584千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、3,078,726千円(前年同期は7,030,484千円の資金の増加)となりました。これは主に、仕掛販売用不動産の増減額△7,819,277千円、販売用不動産の増減額△2,076,342千円、匿名組合出資預り金の増減額5,000,000千円、税金等調整前当期純利益1,806,538千円の計上によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、3,852,244千円(前年同期は457,441千円の資金の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出3,449,000千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、1,924,138千円(前年同期は1,228,635千円の資金の減少)となりました。これは主に、長期借入れによる収入21,096,745千円、長期借入金の返済による支出16,201,297千円、短期借入金の純増減額△3,980,038千円によるものであります。 (3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表及び財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。  生産、受注及び販売の実績(1)生産実績 該当事項はありません。 (2)受注実績 該当事項はありません。 (3)販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)ホテル運営事業7,871,20427.7アセットマネジメント事業2,038,796260.9不動産事業8,400,288△61.6合計18,310,289△36.0(注)1.セグメント間取引を相殺消去しております。2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。不動産事業においては、予定しておりました物件売却が翌期に変更されたことにより販売実績が減少いたしました。一方、アセットマネジメント事業においては、シックスセンシズ京都の信託受益権の譲渡にかかる報酬及び第2号セキュリティ・トークン・オファリングの組成に伴う報酬を計上したことにより販売実績は増加いたしました。3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)合同会社京都悠洛15,844,84255.4--合同会社白馬5,085,26217.8--合同会社山中湖--2,539,76313.9空港施設株式会社--2,258,47812.3匿名組合芦ノ湖--2,230,28312.2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は当社グループ(当社及び連結子会社)の財務諸表に基づいて分析した内容です。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。 (1)重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際しては、連結決算日における資産・負債及び連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積り及び仮定設定を行う必要があり、過去の実績やそれぞれの状況に応じて合理的と考えられる仮定設定に基づいて、継続して判断・評価及び見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 なお、重要な会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (2)当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析①経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析につきましては「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (1)業績 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。②財政状態の分析 当連結会計年度における財政状態については、総資産62,102,417千円、負債42,703,422千円、純資産19,398,994千円となりました。(資産) 総資産については、前連結会計年度末に比べ、6,872,169千円増加となりました。これは主に、販売用不動産、仕掛販売用不動産及び投資有価証券が増加した一方で、現金及び預金が減少したことによるものであります。(負債) 負債については、前連結会計年度末に比べ、6,018,968千円増加となりました。これは主に、短期借入金が減少した一方で、長期借入金及び匿名組合出資預り金が増加したことによるものであります。(純資産) 純資産については、前連結会計年度末に比べ、853,200千円増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものであります。 (3)経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては3(事業等のリスク)に記載しております。 (4)経営戦略の現状と見通し 経営戦略の現状と見通しにつきましては1(経営方針、経営環境及び対処すべき課題等)に記載しております。 (5)資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産事業におけるプロジェクト向け投融資資金・運転資金、ホテル運営事業における開業・運営に必要な設備資金・運転資金等であります。 不動産事業におけるプロジェクト向け投融資資金・運転資金の調達は、自己資金や他の投資家との共同投資に加え、金融機関等からの借入による資金調達を行っております。 ホテル運営事業における開業・運営に必要な設備資金・運転資金は、自己資金をベースに必要に応じて金融機関等からの借入による資金調達を行っております。

事業リスク

  • 収益構造の変動リスク
    アセットマネジメント事業では、安定的な管理報酬に加え、一時的な仲介手数料や成功報酬、不動産売却収入の割合が高いです。不動産市場の悪化やアセットマネジメント契約の解約・終了により、これらの収益が減少すると、グループ全体の業績に大きな影響を与える可能性があります。
  • 市場環境変動の影響
    不動産投資やホテル運営は、景気動向、金利、地価、需給、感染症の蔓延など、金融・不動産市場の情勢に大きく左右されます。市場の低迷、金利上昇、建設コスト増加、不動産価格下落、ホテル稼働率の悪化などが生じた場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 特定の取引への依存
    現状、数件の不動産取引が売上の大部分を占めており、特定の取引の成否が業績に大きな影響を与えるリスクがあります。今後は取引件数の増加やホテル運営事業の売上増加により、特定の取引に偏らない収益構造への転換を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|7,638 文字
3【事業等のリスク】 本項では、当社グループ(当社及び連結子会社)の事業展開上のリスク要因となりうる事項を記載しております。なお、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項でも、投資者の投資判断において当社が重要であると考える事項については、積極的に開示しております。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。本項における記載は当社グループの事業又は当社株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありませんので、ご注意ください。 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 事業内容に関するリスクについて(a)アセットマネジメント事業及び不動産事業の収益構造について 当社子会社であるリシェス・マネジメント株式会社では不動産及び不動産関連金融商品への投資に関するアセットマネジメント業務(投資助言・代理)を行っており、当該事業で得られる主な収益は、受託資産(不動産)に係る管理報酬からなるアセットマネジメント収益と仲介手数料や成功報酬等からなるリアルエステートアドバイザリー収益であります。しかしながら、安定した収益源であるアセットマネジメント契約が解約又は終了する場合には、当社グループの業績等に影響を与えることが考えられます。また、当社及びリシェス・マネジメント株式会社の収益の中では、一時的な収益であるリアルエステートアドバイザリー収益及び不動産等の売却収入の占める割合が高いことから、不動産市場の環境悪化等により当該一時的な収益が著しく減少した場合、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。 (b)ホテル運営事業の収益構造について 当社子会社であるワールド・ブランズ・コレクションホテルズ&リゾーツ株式会社及び株式会社堂島ホテルオペレーションズ並びに合同会社南二条ホテルオペレーションズではホテル運営の受託を行っており、当該事業から得られるホテル運営事業収益が景気動向・経済情勢の変動、感染症の蔓延、競合他社の動向、自然災害・事故等により変動することを通じて、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。 (c)金融及び不動産市場の情勢、景気動向の影響について 当社グループでは、不動産への投資、外部投資家との共同投資や不動産投資に関連する助言の提供及び不動産の管理等を行っておりますが、景気動向、金融情勢(金利動向を含む)や不動産に係る地価や需給動向等の影響を受けやすい傾向にあります。 国内外の金融・政治等に起因する経済情勢の変化に伴い、景気の悪化や大幅な金利上昇、建設コストの大幅な増加、不動産への投資意欲の低下、不動産価格の下落、空室率の上昇や賃料の下落といったような様々な形で金融及び不動産市況が低迷、開発中の建設コスト及び資金調達コストの増加に伴う追加の資金拠出等により、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (d)外部委託について 当社グループは、情報管理等に使用するサーバー、システムの運用・保守、不動産や会計税務に係る調査や鑑定等について、外部委託しております。このため、当社グループの事業運営においては、これらの外部委託先との連携と適切な取引関係の継続が不可欠であります。何らかの事由により、外部委託先において業務運営に重大なトラブルが発生し長期化したとき、又は外部委託先との取引関係の継続が困難となったとき、当社グループがその代替策をすみやかに実施できない事態となった場合は、当社グループの事業運営及び業績等に影響を与える可能性があります。 (e)外注工事について 当社グループのホテル建設においては、建築工事をゼネコンに外注しております。外注先の建設業界では、現状の人手不足に加えて、急激なコスト増といった課題を抱えており、工事請負契約の締結遅れや工期の遅延が懸念されております。当社グループにおきましては、ゼネコンとの連携を強化し、速やかな契約締結及び徹底した工期・コスト管理に進めてまいりますが、工事請負契約の締結や工期の遅れが発生した場合は、当社グループの資金調達、事業運営及び業績等に影響を与える可能性があります。 (f)競合関係について アセットマネジメント事業では、金融機関系の投資助言会社、不動産投資顧問会社、不動産投資ファンド、その他不動産や有価証券への投資に関する助言を行う会社等と競合関係にあり、ホテル運営事業では他のホテル運営会社と競合関係にあると認識しております。また、市場への参入者の増加や法的規制が強化された場合は、当社グループの事業運営及び業績等に影響を与える可能性があります。 (g)不動産市場の流動性について 当社グループでは、単独及び外部投資家との共同で不動産への投資を行っておりますが、経済環境や不動産市場が不安定な場合は、不動産の流動性が低下する可能性があり、投資対象の不動産を当社グループの希望する条件で売却できなくなる可能性があります。このような場合、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (h)投資不動産に係るマスターリース契約について 当社グループが共同投資を行っているホテルを用途とする不動産について、当社及び当社子会社は当該ホテルの法的所有者である信託銀行等とマスターリース契約を締結し、一定期間、固定賃料を支払うことを約す一方で、ホテル運営会社との間で賃貸借契約を締結しております。今後、経済環境の変化、感染症の影響及びホテル運営会社の営業の巧拙等によりホテルの稼働が想定を超えて悪化した場合には、賃貸借契約による賃料がマスターリース契約の賃料を下回り収支が逆鞘になることで、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (i)ホテル運営会社及びテナントとの賃貸借契約について 当社グループが共同投資を行っているホテルに係るホテル運営会社(当社グループ外の運営会社に委託した場合)及びテナントとの賃貸借契約の期間満了時に契約が更改される保証はないこと、またホテル運営会社(当社グループ外の運営会社に委託した場合)及びテナントが一定期間前の通知を行うことにより賃貸借期間中であっても賃貸借契約を解約できることとされている場合もあるため、賃貸借契約の解約が増加した場合、後継テナントが見つかるまでの間、賃貸収入が減少する等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。一方、当社グループが外部の不動産所有者と締結した賃貸借契約又は運営委託契約が解約された場合も、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (j)特定の不動産取引に対する依存度について 当社グループの業績は、特定の不動産取引に対する依存度が高いと考えられます。当連結会計年度におきましても、数件の取引が売上の大部分を占めており、特定の不動産取引の成否が当社グループの業績等に大きな影響を及ぼしております。今後につきましても、同様の状況が続くことが予想されますが、取引件数の増加、ホテル運営事業の売上の増加により、特定の不動産取引に偏らない収益構造の構築に努めてまいります。 (k)不動産の価値の毀損リスク及び瑕疵等に関するリスクについて 当社グループでは、リシェス・マネジメント株式会社がアセットマネジメントを受託している一部の不動産又は信託受益権について共同投資を行っているため、当該不動産に地震、戦争、テロ、火災等の災害が発生した場合には、当該不動産の価値が毀損する可能性があり、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、リシェス・マネジメント株式会社では、当該不動産の取得前に十分なデューディリジェンスを実施しておりますが、当該不動産の取得後に構造計算書偽装や瑕疵等の存在が判明し、顧客である投資家においてこれを治癒するための想定外の費用負担が発生した場合、リシェス・マネジメント株式会社においても費用負担が生じる可能性があるため、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。 (l)借入金の財務制限条項について 当社グループが取引金融機関と締結しております一部の借入契約には、財務制限条項が付されており、当社グループは事業活動をするうえでこれらを遵守する必要があります。 なお、今後万一財務制限条項に抵触することとなった場合には、借入先金融機関からの請求により、当該借入についての期限の利益を喪失する可能性があり、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。 (m)M&A、資本提携等について 当社グループは、アセットマネジメント受託残高の拡大や投資対象不動産の多様化に結び付き、また当社グループ間のシナジー効果が認められる場合には、M&Aや資本提携等も事業拡大の有力な手段と位置付けております。M&Aや資本提携を実行する場合には、事前に十分な調査を実施し、各種リスクの低減に努める所存ですが、これらを実施した後に、偶発債務等が発見される等、相手先及び当社グループが期待通りの成果を上げられない可能性があり、この場合には当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。 (n)連結の範囲決定に関する事項について 当社子会社であるリシェス・マネジメント株式会社がアセットマネジメント契約を締結している特別目的会社の一部は、匿名組合契約を用いたストラクチャーによっており、この匿名組合の営業者の社員持分は一般社団法人が保有する形で倒産隔離を図っております。リシェス・マネジメント株式会社が属する不動産ファンド業界においては、連結の範囲決定に関して、当該ストラクチャーにおけるアセットマネジメント契約等に対する支配力及び影響力の判定について、未だ会計方法が定まっていない状態であると認識しております。当社では、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準委員会企業会計基準第22号)、並びに「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会実務対応報告第20号)にしたがい、現状、特別目的会社ごとに、アセットマネジメント契約や匿名組合契約、その他関連契約等を考慮し、個別に支配力及び影響力の有無を判定した上で、子会社及び関連会社を判定し、連結の範囲を決定しております。今後、新たな会計基準の施行や、実務指針等の公表により、特別目的会社に関する連結範囲の決定方針について、当社が採用している方針と大きく異なるルールが確立された場合には、当社の連結範囲の決定方針においても大きな変更が生じ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (o)情報管理について 当社グループの事業運営上、厳正な情報管理が重要であります。当社グループは、個人情報及び取引先との間で守秘義務を負う取引先の情報について、厳格な情報管理を継続的に行う体制の構築・維持に努めております。また、当社グループ各社の営業活動を通して上場会社のインサイダー情報に該当する情報を知り得る機会があることから、インサイダー情報の不適切な伝達や不公正な利用が行われないよう、法令・社規の遵守について役職員への周知・徹底に努めております。また、当社子会社においてもテナントなどの個人情報の取り扱いがあり、その重大性を十分に認識しており適切な方法により保管しております。 しかしながら、管理体制の構築・維持にもかかわらず、これらの情報の流出、不適切な伝達、又は不公正な利用が発生した場合、当社グループに法的責任が及ぶこと、当社グループの信用の低下及びブランド力の劣化等、当社グループの事業運営及び業績等に影響を与える可能性があります。 (p)法的規制について 現在、当社グループの事業を推進する上で、当社子会社であるリシェス・マネジメント株式会社は、宅地建物取引業法、金融商品取引法(第二種金融商品取引業、投資助言・代理業)、貸金業法及び不動産特定共同事業法等のライセンスを、ワールド・ブランズ・コレクションホテルズ&リゾーツ株式会社及び株式会社堂島ホテルオペレーションズでは旅館業法等のライセンスを、ウェルス・リアルティ・マネジメント株式会社は、宅地建物取引業法及び金融商品取引法(投資運用業、投資助言・代理業)等のライセンスを有するため、これらの関係法令による法的規制を受けることとなります。現時点の各種規制に従って、また、規制上のリスクを伴って業務を遂行しておりますが、将来において各種規制が変更された場合には、当社グループの事業推進に悪影響を及ぼす可能性があります。 その他、今後、現行法令の解釈の変更や改正並びに新法令の制定等、現時点で法的規制の対象となっていない当社グループの事業が新たに法的規制の対象となる可能性、もしくは今後の当社グループの事業展開において新たな事業分野への進出に伴い法的規制の対象となる可能性があります。そうした場合に、当該規制に対応するための新たな費用等が発生することにより、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。 (q)自然災害や感染症の流行について 不動産事業においては、自然災害や感染症の流行に伴う景気低迷により、不動産に対する投資マインドの低下、金融機関の融資の引き締め、当社グループが保有又はマスターリースする物件で多額の賃料減額等が発生した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 ホテル運営事業においては、自然災害や感染症の流行に伴う景気低迷又は移動制限及び移動の自粛等により宿泊客の著しい減少が発生した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループにおいては、感染の予防対策を徹底しておりますが、万が一当社グループの従業員が感染した場合、健康被害や施設の一時的な閉鎖等により営業活動に支障が生じ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (r)訴訟等について 当連結会計年度末において、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性のある訴訟事件等はありません。しかし、当社グループが事業活動を行う上で、取引先又は顧客等から何らかの要因により訴訟等を提起された場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (s)会計上の見積りについて 連結財務諸表及び財務諸表の作成において、会計上の見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、見積り金額の変更等により当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、重要な会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (t)コスト増加について 物価上昇、円安及び実質金利の引き上げにより、物件取得費用、開発コスト及びホテル運営費用等は急激に増加しており、当面は継続して上昇することが見込まれております。コストの増加につきましては、物件の売却価格及び宿泊価格への適切な反映、徹底したコスト管理及び資金調達の多様化によって対応してまいりますが、コストの増加がコスト削減を上回る場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (u)新規事業について 不動産のデジタル証券化による資金調達(STO)や、幹細胞を用いた再生医療を軸とするメディカル事業、ラグジュアリーホテルで取り扱う高級食材や食料品の販売事業等の新規事業に取り組んでおります。事業性の可否については慎重に検討してまいりますが、不確実性も高いため、新規事業の状況によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、検討している新規事業については、関連する法令、会計・税務処理が未整備の部分も多く、今後の法令等の整備状況によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 ② 経営体制に関するリスクについて(a)業務運営体制の適正性の確保について 当社グループは、当社と連結子会社及び関連会社とともに事業活動を行っております。 グループ内でアセットマネジメント事業、不動産事業及びホテル運営事業を営む上で、徹底した管理体制を維持する必要があると認識しております。しかしながら、今後予測し得ない事態や何らかの理由により、当社グループの業務運営体制及び内部統制が有効に機能しない状況となった場合、当社グループの信用の低下を招き、事業運営、業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 (b)人材の確保について アセットマネジメント事業及び全社セグメントは、小規模な組織体制で各業務を遂行しており、役職員一人一人が担う業務の質及び貢献度は相応に高くなっております。現在、一時的な不在・欠員が生じても、業務手順の共有や代行体制等により業務遂行に支障がないよう努めておりますが、何らかの理由により大量の欠員が同時に生じた場合や役職員に就業が困難な事態が生じた場合には、業務遂行に著しい支障を来たす可能性があります。 当社グループの事業上、不動産の投資、投資助言・代理及び媒介及び管理部門に必要なスキルを有する優秀な人材の確保が必要不可欠であります。とりわけ不動産投資に関しては金融取引、不動産取引、税務会計等における高度な知識と経験に基づく競争力のあるサービスを提供していくことが重要であります。また、管理においても、上場会社として、適切かつ十分な財務報告や情報開示を行う体制を構築する必要性があります。現状、当該職種の転職市場は需要過多の状況であり、人材の採用遅れ及び人材流出のリスクは高い状況にあります。当社グループにおきましては、積極的な採用及び賃金の引き上げ等の対応をすすめておりますが、何らかの理由により、急激な人材の流出が生じ、補充が困難となった場合は、当社グループの提供する情報その他のサービスの質の維持、経営管理、財務報告や情報開示の機能に重大な支障が生じる可能性があり、当社グループの事業運営及び業績等に重要な影響を与える可能性があります。 ホテル運営事業においてもホテル業界の人手不足は深刻であります。今後、賃金の上昇による運営コストの増加又は人手不足によるホテルの売上の逸失により、当社グループの事業運営及び業績等に重要な影響を与える可能性があります。

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