経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、著作物を公正利用のもと、出来るだけ広く頒布し著作者に収益を還元するという「著作物の健全なる創造サイクルの実現」をミッションに、「MORE CONTENT FOR MORE PEOPLE!」をビジョンに掲げ、日本における文化の発展、及び豊かな社会づくりに貢献するため、積極的な業容拡大と企業価値の向上に取り組んでおります。また、日本国著作権法第一章 総則の第一条に謳われる『著作物は文化の発展に寄与』、『著作物の利用と保護の調和』を第一義に、デジタル化された数多くの著作物をより多くの人に届け、その利用における適正な対価を著作者に還元し、また新たな著作物が創造されるよう“著作物の健全なる創造サイクル”の構築を目指して事業を行っております。 (2)中長期の経営戦略と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 国内の電子書籍の市場規模は、コロナ禍における巣ごもり特需で大きく成長した後も拡大を続け、2024年度には約6,700億円に達しました。市場規模の拡大に伴い成長率はこれまでに比べて鈍化するものの、今後も持続的な成長が続き、2029年度には約8,000億円に達すると見込まれています(出所:インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2025」)。 一方、世界の電子書籍の市場規模は2024年で2兆円を超え、引き続き拡大を見込んでいます(出所:総務省「令和7年版 情報通信白書」)。さらに、海外においてはマンガが中心である日本の電子書籍市場と異なり、文字ものが多くを占めているほか、オーディオブック市場が電子書籍市場に比肩する規模にまで拡大している地域もあります。また、動画配信サービスの普及によってアニメなど多様な日本の映像作品が全世界に多言語で同時配信されるようになり、その原作であるマンガや小説への関心も世界的に高まっております。 当社グループは、ビジョンである「MORE CONTENT FOR MORE PEOPLE!」を引き続き掲げ、これらの環境変化を成長ドライバーとして企業価値向上に生かすべく、2026年2月期を初年度とする5カ年の中期経営計画を推進しております。現在国内の電子書籍市場を牽引するマンガはもとより、国内外における文字もの、オーディオブック等を含むコンテンツ流通に係るソリューションを進化させ、日本の出版業界の成長を世界規模でリードする存在を目指します。 [経営戦略]① 電子書籍取次から出版業界のインフラへの進化 当社グループは、電子書籍流通の国内最大手として、年間約92万ファイルの電子書籍コンテンツを新規に取り扱っており、ほぼ全ての出版社・電子書店との広範な取引基盤を有しています。これにより、日本中のコンテンツが集積し続ける独自のポジションを確立してきました。今後は主に以下の施策を実施することで、出版業界のインフラとして不可欠な存在を目指してまいります。 ・一層の顧客密着型対応を通じた貢献範囲とシェアの拡大― 販売データを統合・分析する出版社向けBIツールの開発― 出版社及び電子書店の様々な業務を請け負う人員体制の強化 ・出版業界のインフラとしての機能強化― 出版社及び電子書店とのシステム連携強化と開発支援― 出版業界全体の課題であるセキュリティ体制の高度化等への投資強化 ② 日本の本を紙・電子の両輪で世界中に届ける海外展開 当社グループは、国内の電子書籍における取引基盤を土台に、日本のあらゆる出版社のコンテンツを電子のみならず紙でも世界へ届ける海外展開に注力しております。当社グループの機能を向上・融合させることで、国内出版社のコンテンツ価値を最大化し、国内外の流通を一気通貫で支えるオンリーワンのインフラとしての地位を確立し、出版業界全体のさらなる発展に貢献すべく、以下の施策を実施します。 ・海外子会社とのグループシナジーの最大化― 2026年3月に子会社化した、日本コンテンツの年間発行タイトル数で世界最大級を誇る米国出版社Seven Seas Entertainment, LLCのPMIを完遂・国内コンテンツのマルチユースの推進と早期の事業拡大― 日本コンテンツに関する紙書籍や電子書籍、オーディオブック等の海外出版許諾獲得数の拡大及び出版・流通体制の構築― 翻訳家を支援するMedia Do Translation System (MDTS)の開発を含めた、電子書籍ファイルを短期間かつ低コストで多言語翻訳する体制の構築 ③ SC(Sustainability Creation)事業における地域社会・他団体との連携強化とポジション確立 当社グループは、出版業界の発展への貢献に加え、様々な産業の土台として存在する地域社会の発展へ貢献することを創業時から重視しております。地域社会の持続可能な未来を主体的に創造する社会の実現を目指し、このような活動を事業として当社グループへの利益成長に結びつけるだけでなく、社会や取引先、従業員からの信頼を高め、行政、メディア、金融機関、大学など地域の主要機関をさらに巻き込みながら、全国規模の他団体との連携をさらに深めることで、地域創生に欠かせない起業家を自律的に生み育てる体制を構築するとともに、地域経済の成長エンジンとしてのポジション確立を目指します。主に以下の施策を実施します。 ・男子プロバスケットボールクラブ「徳島ガンバロウズ」の運営による利益貢献の拡大― 徳島県や徳島市における新アリーナ建設を見据え、入場者数と業績の拡大を図りながら、最上位リーグへの参入を目指す ・起業家支援を含む幅広い活動と連携拡大を通じた、社会への貢献と社会からの信頼と認知の拡大 [財務戦略・資源配分計画] 当社グループは、高い資本効率と財務健全性のバランスを重視し、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。また、中期的には事業の収益創出力の強化と規律あるキャッシュ・フローマネジメントにより、持続的な成長サイクルの実現を目指しております。 引き続き、有利子負債の返済や利益積み上げを通じた自己資本比率の改善により財務健全性を向上させていくほか、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストの低減を図ってまいります。また、財務レバレッジを考慮しつつ負債の規律ある活用も進めることにより、資本効率を向上させながら企業価値の創出に努めてまいります。 成長投資に関しては、企業価値の向上につながる事業投資を行うとともに、投資後3年でROIC15%以上を目標としたM&Aを積極的に推進します。具体的には、当社ビジョンである「MORE CONTENT FOR MORE PEOPLE!」の実現に向け、電子書籍取次におけるポジション強化や海外販路拡充・輸出支援、先端テクノロジー活用の強化等に寄与する国内外の企業をリストアップし、ビジョンの実現に資する案件を慎重に精査のうえ、実行してまいります。 ① 経営資源の配分に関する考え方 当社グループは、当連結会計年度においては連結売上高の93.1%を電子書籍流通事業にて計上しております。電子書籍市場は将来にわたって拡大が見込まれることから、経営資源(人材、投資)は今後も一定程度、電子書籍流通事業に投下する方針であります。 一方で、グループ全体における電子書籍流通事業への偏重がリスクにもなり得るとの認識から、戦略投資事業への経営資源の配分が、グループ全体の企業価値向上にも資するものと考え、回収可能性や、手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュ・フローを十分に考慮したうえで、投資を実行してまいります。 更に当社は、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営目標と認識するとともに、将来の持続的な成長に必要な設備投資等や経営基盤の強化も重要な経営課題と考えております。そのため、内部留保を確保しつつ、財政状態及び業績動向等、経営状態を総合的に判断して利益配当を行っていくことを基本方針としております。 この方針に基づき、株主の皆様への利益還元については、配当及び自社株式の取得による総還元性向(注)30%以上を念頭に置き、配当と自己株式の取得の配分は、株価水準等に応じて判断いたします。(注)総還元性向=(配当支払総額+自己株式取得総額)/親会社株主に帰属する当期純利益 ② 資金需要の主な内容 当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、事業運営にかかる人件費や業務委託費などがあります。また、投資活動に係る資金支出は、競争力の維持・強化に向けたシステム開発や事業領域拡大に伴うM&Aなどがあります。 ③ 資金調達 当社グループにおける設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則としております。そのため、事業活動の維持拡大において外部資金が必要となる可能性は低いものと認識しております。 一方、今後において、更なる企業価値向上に資するM&A等のための追加的な資金需要が生じる可能性もあります。その際には、内部資金及び外部資金を有効に活用することとしますが、外部資金が必要となる場合には、高い資本効率と財務健全性とのバランスを考慮のうえ、最適な資金調達手段を選択いたします。 [経営目標]連結2026年2月期実績2027年2月期計画2028年2月期計画2030年2月期計画売上高1,085億円1,180億円1,150億円1,250億円営業利益24.5億円24.0億円32.2億円40.0億円EBITDA36.6億円41.0億円45.0億円52.0億円親会社株主に帰属する当期純利益18.1億円12.0億円21.5億円25.0億円 [対処すべき課題] 当社グループを取り巻く外部・内部環境は、常に大きく変化しています。当社グループは、長期的かつ持続的な企業価値向上を実現するため、経営上の重要課題(マテリアリティ)を特定しました。各マテリアリティについて、グループが一体となって具体的な取組みを進めるとともに、サステナビリティ推進委員会を主体として各施策の実効性を検証し、外部・内部環境の変化に応じた見直しを行っています。 当社グループは、経営方針に則り、「経営管理の仕組み」「人と組織が成長する仕組み」を構築するために「各仕組みを支えるガバナンス」を強化するとともに、気候変動への対応等、企業活動の土台となる自然環境を保全することが不可欠という認識のもと、10項目のマテリアリティテーマの位置づけを分類しています。 ① 著作物の創出サイクルと価値の最大化 当社グループは、著作物が公正な利用環境で流通し、著作者に収益が還元される健全な経済社会のサイクルをつくり、「ひとつでも多くのコンテンツ」が創出され、「ひとりでも多くの人へ」届く世界を実現することを最大の使命としています。出版業界をはじめとする多様なステークホルダーとの信頼関係を一層強固なものとしながら、国内に留まることなく世界に向けて様々なアプローチで、著作物の創出サイクルと価値の最大化に取り組みます。 ② 戦略投資の実行と事業ポートフォリオ最適化 当社グループは、各事業で創出した収益を持続的な成長を見据えた戦略的な投資に適切に配分し、最適な事業ポートフォリオを構築することで成長を一層加速します。資本コストや資本収益性を意識した規律ある投資行動と効率的な事業運営に努めることで、創出する事業価値の最大化を図るとともに、経営・事業の多角化により最適な事業ポートフォリオ構築に取り組みます。 ③ メディアドゥらしい人材の育成・獲得 当社グループは、求める人材像「私たちを育んでくれた環境を感謝でき、敬意を持って自ら動く」を体現する人材を育成・獲得することで、持続的な企業価値向上を実現します。社是「成長と可能性」において、互いの可能性を信じ尊敬し合い、成長を喜び合う良好な信頼関係を長期に築くことが何よりも大切な価値であることを示している通り、当社グループの価値創造の根幹は「人材」です。こうした企業文化と従業員の働く目的意識を調和させ、当社グループで働く意欲を高める施策を実行します。また、適切な人事制度の改善と充実にも注力し、従業員の能力の向上に取り組みます。 ④ 地域のエンパワーメント 当社グループは、創業期から地域社会に支えられる中で成長を遂げてきた企業であるという認識に立ち、引き続き地域社会との社会関係資本を拡大し、当社グループと地域社会の両者の持続的な成長と発展を実現します。地方創生に資する各事業において、創業者の経営精神を基礎とした当社グループ独自のアプローチで地域社会の課題解決に貢献し、出版業界の枠組みを超えた地域社会との協働関係を一層深める取り組みを推進します。 ⑤ 働く環境の整備 当社グループは、価値創造の根幹である多様な人材が最大限に能力を発揮して活躍しながら、長期的に働くことのできる環境を整えることで、安定した経営基盤の構築・維持、当社グループが提供するサービスの質・生産性の向上を実現します。従業員の健康で豊かな生活を追求し、個人の人格を構成する多様な性質・背景を尊重するため、職場環境、健康環境、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)環境の整備に取り組みます。 ⑥ ガバナンス強化 当社グループは、経営のグローバル化を進める中で、更なる業容拡大と企業価値の向上の観点から、コーポレート・ガバナンスの充実による経営の健全性と透明性の向上が重要な経営課題であると認識しています。公正かつ透明性、実効性の高い経営の実現に向けて、取締役会の監督のもと、適切な資源配分、意思決定の迅速化等、コーポレート・ガバナンスにおける不断の改善を図ります。 ⑦ コンプライアンス強化 企業経営の健全性を向上するためには、企業倫理の確立や意識の全社的な浸透が必須であり、これにより当社グループや各機関及び全役職員一人ひとりが的確かつ公正な意思決定を行う風土が醸成されると考えています。同時に、企業市民として有する社会的責任を常に意識して行動することが多様なステークホルダーからの信頼の獲得に繋がるという認識のもと、事業活動を遂行してまいります。 ⑧ 情報セキュリティ強化 デジタルコンテンツを取り扱う当社グループは、豊かな文化の発展に寄与する社会インフラを提供し、著作物の健全な流通と創造サイクルの構築を実現するため、著作者、出版社、書店、ユーザー(読者)といった各ステークホルダーが安心・信頼して利用できるサービス及びシステムの構築が不可欠との前提に立ち、重要な経営課題として情報セキュリティの強化に取り組んでいます。 ⑨ 先端テクノロジーの活用 当社グループは、新しい技術の研究と活用によってプロダクトやサービスを開発・提供します。持続的に数多くの著作物が創出され、多くの人々が享受するための様々な課題を解決し、文化の発展に貢献する存在となることを目指します。 ⑩ 自然資本の保護と最適活用 環境への負荷低減は、持続可能な地球環境を次世代に引き継いでいくため、そして100年先まで続く企業体を目指す当社グループにとって取り組むべき重要な課題の一つです。当社グループは、自らの事業活動で使用する自然資本の実態把握と効率的な活用策を講じるとともに、業界全体における資源利用の最適化にも積極的に寄与することを見据えながら、持続可能な業界・事業環境の構築を目指します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、著作物を公正利用のもと、出来るだけ広く頒布し著作者に収益を還元するという「著作物の健全なる創造サイクルの実現」をミッションに、「MORE CONTENT FOR MORE PEOPLE!」をビジョンに掲げ、日本における文化の発展、及び豊かな社会づくりに貢献するため、積極的な業容拡大と企業価値の向上に取り組んでおります。また、日本国著作権法第一章 総則の第一条に謳われる『著作物は文化の発展に寄与』、『著作物の利用と保護の調和』を第一義に、デジタル化された数多くの著作物をより多くの人に届け、その利用における適正な対価を著作者に還元し、また新たな著作物が創造されるよう“著作物の健全なる創造サイクル”の構築を目指して事業を行っております。 (2)中長期の経営戦略と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 国内の電子書籍の市場規模は、コロナ禍における巣ごもり特需で大きく成長した後も拡大を続け、2024年度には約6,700億円に達しました。市場規模の拡大に伴い成長率はこれまでに比べて鈍化するものの、今後も持続的な成長が続き、2029年度には約8,000億円に達すると見込まれています(出所:インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2025」)。 一方、世界の電子書籍の市場規模は2024年で2兆円を超え、引き続き拡大を見込んでいます(出所:総務省「令和7年版 情報通信白書」)。さらに、海外においてはマンガが中心である日本の電子書籍市場と異なり、文字ものが多くを占めているほか、オーディオブック市場が電子書籍市場に比肩する規模にまで拡大している地域もあります。また、動画配信サービスの普及によってアニメなど多様な日本の映像作品が全世界に多言語で同時配信されるようになり、その原作であるマンガや小説への関心も世界的に高まっております。 当社グループは、ビジョンである「MORE CONTENT FOR MORE PEOPLE!」を引き続き掲げ、これらの環境変化を成長ドライバーとして企業価値向上に生かすべく、2026年2月期を初年度とする5カ年の中期経営計画を推進しております。現在国内の電子書籍市場を牽引するマンガはもとより、国内外における文字もの、オーディオブック等を含むコンテンツ流通に係るソリューションを進化させ、日本の出版業界の成長を世界規模でリードする存在を目指します。 [経営戦略]① 電子書籍取次から出版業界のインフラへの進化 当社グループは、電子書籍流通の国内最大手として、年間約92万ファイルの電子書籍コンテンツを新規に取り扱っており、ほぼ全ての出版社・電子書店との広範な取引基盤を有しています。これにより、日本中のコンテンツが集積し続ける独自のポジションを確立してきました。今後は主に以下の施策を実施することで、出版業界のインフラとして不可欠な存在を目指してまいります。 ・一層の顧客密着型対応を通じた貢献範囲とシェアの拡大― 販売データを統合・分析する出版社向けBIツールの開発― 出版社及び電子書店の様々な業務を請け負う人員体制の強化 ・出版業界のインフラとしての機能強化― 出版社及び電子書店とのシステム連携強化と開発支援― 出版業界全体の課題であるセキュリティ体制の高度化等への投資強化 ② 日本の本を紙・電子の両輪で世界中に届ける海外展開 当社グループは、国内の電子書籍における取引基盤を土台に、日本のあらゆる出版社のコンテンツを電子のみならず紙でも世界へ届ける海外展開に注力しております。当社グループの機能を向上・融合させることで、国内出版社のコンテンツ価値を最大化し、国内外の流通を一気通貫で支えるオンリーワンのインフラとしての地位を確立し、出版業界全体のさらなる発展に貢献すべく、以下の施策を実施します。 ・海外子会社とのグループシナジーの最大化― 2026年3月に子会社化した、日本コンテンツの年間発行タイトル数で世界最大級を誇る米国出版社Seven Seas Entertainment, LLCのPMIを完遂・国内コンテンツのマルチユースの推進と早期の事業拡大― 日本コンテンツに関する紙書籍や電子書籍、オーディオブック等の海外出版許諾獲得数の拡大及び出版・流通体制の構築― 翻訳家を支援するMedia Do Translation System (MDTS)の開発を含めた、電子書籍ファイルを短期間かつ低コストで多言語翻訳する体制の構築 ③ SC(Sustainability Creation)事業における地域社会・他団体との連携強化とポジション確立 当社グループは、出版業界の発展への貢献に加え、様々な産業の土台として存在する地域社会の発展へ貢献することを創業時から重視しております。地域社会の持続可能な未来を主体的に創造する社会の実現を目指し、このような活動を事業として当社グループへの利益成長に結びつけるだけでなく、社会や取引先、従業員からの信頼を高め、行政、メディア、金融機関、大学など地域の主要機関をさらに巻き込みながら、全国規模の他団体との連携をさらに深めることで、地域創生に欠かせない起業家を自律的に生み育てる体制を構築するとともに、地域経済の成長エンジンとしてのポジション確立を目指します。主に以下の施策を実施します。 ・男子プロバスケットボールクラブ「徳島ガンバロウズ」の運営による利益貢献の拡大― 徳島県や徳島市における新アリーナ建設を見据え、入場者数と業績の拡大を図りながら、最上位リーグへの参入を目指す ・起業家支援を含む幅広い活動と連携拡大を通じた、社会への貢献と社会からの信頼と認知の拡大 [財務戦略・資源配分計画] 当社グループは、高い資本効率と財務健全性のバランスを重視し、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。また、中期的には事業の収益創出力の強化と規律あるキャッシュ・フローマネジメントにより、持続的な成長サイクルの実現を目指しております。 引き続き、有利子負債の返済や利益積み上げを通じた自己資本比率の改善により財務健全性を向上させていくほか、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストの低減を図ってまいります。また、財務レバレッジを考慮しつつ負債の規律ある活用も進めることにより、資本効率を向上させながら企業価値の創出に努めてまいります。 成長投資に関しては、企業価値の向上につながる事業投資を行うとともに、投資後3年でROIC15%以上を目標としたM&Aを積極的に推進します。具体的には、当社ビジョンである「MORE CONTENT FOR MORE PEOPLE!」の実現に向け、電子書籍取次におけるポジション強化や海外販路拡充・輸出支援、先端テクノロジー活用の強化等に寄与する国内外の企業をリストアップし、ビジョンの実現に資する案件を慎重に精査のうえ、実行してまいります。 ① 経営資源の配分に関する考え方 当社グループは、当連結会計年度においては連結売上高の93.1%を電子書籍流通事業にて計上しております。電子書籍市場は将来にわたって拡大が見込まれることから、経営資源(人材、投資)は今後も一定程度、電子書籍流通事業に投下する方針であります。 一方で、グループ全体における電子書籍流通事業への偏重がリスクにもなり得るとの認識から、戦略投資事業への経営資源の配分が、グループ全体の企業価値向上にも資するものと考え、回収可能性や、手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュ・フローを十分に考慮したうえで、投資を実行してまいります。 更に当社は、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営目標と認識するとともに、将来の持続的な成長に必要な設備投資等や経営基盤の強化も重要な経営課題と考えております。そのため、内部留保を確保しつつ、財政状態及び業績動向等、経営状態を総合的に判断して利益配当を行っていくことを基本方針としております。 この方針に基づき、株主の皆様への利益還元については、配当及び自社株式の取得による総還元性向(注)30%以上を念頭に置き、配当と自己株式の取得の配分は、株価水準等に応じて判断いたします。(注)総還元性向=(配当支払総額+自己株式取得総額)/親会社株主に帰属する当期純利益 ② 資金需要の主な内容 当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、事業運営にかかる人件費や業務委託費などがあります。また、投資活動に係る資金支出は、競争力の維持・強化に向けたシステム開発や事業領域拡大に伴うM&Aなどがあります。 ③ 資金調達 当社グループにおける設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則としております。そのため、事業活動の維持拡大において外部資金が必要となる可能性は低いものと認識しております。 一方、今後において、更なる企業価値向上に資するM&A等のための追加的な資金需要が生じる可能性もあります。その際には、内部資金及び外部資金を有効に活用することとしますが、外部資金が必要となる場合には、高い資本効率と財務健全性とのバランスを考慮のうえ、最適な資金調達手段を選択いたします。 [経営目標]連結2026年2月期実績2027年2月期計画2028年2月期計画2030年2月期計画売上高1,085億円1,180億円1,150億円1,250億円営業利益24.5億円24.0億円32.2億円40.0億円EBITDA36.6億円41.0億円45.0億円52.0億円親会社株主に帰属する当期純利益18.1億円12.0億円21.5億円25.0億円 [対処すべき課題] 当社グループを取り巻く外部・内部環境は、常に大きく変化しています。当社グループは、長期的かつ持続的な企業価値向上を実現するため、経営上の重要課題(マテリアリティ)を特定しました。各マテリアリティについて、グループが一体となって具体的な取組みを進めるとともに、サステナビリティ推進委員会を主体として各施策の実効性を検証し、外部・内部環境の変化に応じた見直しを行っています。 当社グループは、経営方針に則り、「経営管理の仕組み」「人と組織が成長する仕組み」を構築するために「各仕組みを支えるガバナンス」を強化するとともに、気候変動への対応等、企業活動の土台となる自然環境を保全することが不可欠という認識のもと、10項目のマテリアリティテーマの位置づけを分類しています。 ① 著作物の創出サイクルと価値の最大化 当社グループは、著作物が公正な利用環境で流通し、著作者に収益が還元される健全な経済社会のサイクルをつくり、「ひとつでも多くのコンテンツ」が創出され、「ひとりでも多くの人へ」届く世界を実現することを最大の使命としています。出版業界をはじめとする多様なステークホルダーとの信頼関係を一層強固なものとしながら、国内に留まることなく世界に向けて様々なアプローチで、著作物の創出サイクルと価値の最大化に取り組みます。 ② 戦略投資の実行と事業ポートフォリオ最適化 当社グループは、各事業で創出した収益を持続的な成長を見据えた戦略的な投資に適切に配分し、最適な事業ポートフォリオを構築することで成長を一層加速します。資本コストや資本収益性を意識した規律ある投資行動と効率的な事業運営に努めることで、創出する事業価値の最大化を図るとともに、経営・事業の多角化により最適な事業ポートフォリオ構築に取り組みます。 ③ メディアドゥらしい人材の育成・獲得 当社グループは、求める人材像「私たちを育んでくれた環境を感謝でき、敬意を持って自ら動く」を体現する人材を育成・獲得することで、持続的な企業価値向上を実現します。社是「成長と可能性」において、互いの可能性を信じ尊敬し合い、成長を喜び合う良好な信頼関係を長期に築くことが何よりも大切な価値であることを示している通り、当社グループの価値創造の根幹は「人材」です。こうした企業文化と従業員の働く目的意識を調和させ、当社グループで働く意欲を高める施策を実行します。また、適切な人事制度の改善と充実にも注力し、従業員の能力の向上に取り組みます。 ④ 地域のエンパワーメント 当社グループは、創業期から地域社会に支えられる中で成長を遂げてきた企業であるという認識に立ち、引き続き地域社会との社会関係資本を拡大し、当社グループと地域社会の両者の持続的な成長と発展を実現します。地方創生に資する各事業において、創業者の経営精神を基礎とした当社グループ独自のアプローチで地域社会の課題解決に貢献し、出版業界の枠組みを超えた地域社会との協働関係を一層深める取り組みを推進します。 ⑤ 働く環境の整備 当社グループは、価値創造の根幹である多様な人材が最大限に能力を発揮して活躍しながら、長期的に働くことのできる環境を整えることで、安定した経営基盤の構築・維持、当社グループが提供するサービスの質・生産性の向上を実現します。従業員の健康で豊かな生活を追求し、個人の人格を構成する多様な性質・背景を尊重するため、職場環境、健康環境、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)環境の整備に取り組みます。 ⑥ ガバナンス強化 当社グループは、経営のグローバル化を進める中で、更なる業容拡大と企業価値の向上の観点から、コーポレート・ガバナンスの充実による経営の健全性と透明性の向上が重要な経営課題であると認識しています。公正かつ透明性、実効性の高い経営の実現に向けて、取締役会の監督のもと、適切な資源配分、意思決定の迅速化等、コーポレート・ガバナンスにおける不断の改善を図ります。 ⑦ コンプライアンス強化 企業経営の健全性を向上するためには、企業倫理の確立や意識の全社的な浸透が必須であり、これにより当社グループや各機関及び全役職員一人ひとりが的確かつ公正な意思決定を行う風土が醸成されると考えています。同時に、企業市民として有する社会的責任を常に意識して行動することが多様なステークホルダーからの信頼の獲得に繋がるという認識のもと、事業活動を遂行してまいります。 ⑧ 情報セキュリティ強化 デジタルコンテンツを取り扱う当社グループは、豊かな文化の発展に寄与する社会インフラを提供し、著作物の健全な流通と創造サイクルの構築を実現するため、著作者、出版社、書店、ユーザー(読者)といった各ステークホルダーが安心・信頼して利用できるサービス及びシステムの構築が不可欠との前提に立ち、重要な経営課題として情報セキュリティの強化に取り組んでいます。 ⑨ 先端テクノロジーの活用 当社グループは、新しい技術の研究と活用によってプロダクトやサービスを開発・提供します。持続的に数多くの著作物が創出され、多くの人々が享受するための様々な課題を解決し、文化の発展に貢献する存在となることを目指します。 ⑩ 自然資本の保護と最適活用 環境への負荷低減は、持続可能な地球環境を次世代に引き継いでいくため、そして100年先まで続く企業体を目指す当社グループにとって取り組むべき重要な課題の一つです。当社グループは、自らの事業活動で使用する自然資本の実態把握と効率的な活用策を講じるとともに、業界全体における資源利用の最適化にも積極的に寄与することを見据えながら、持続可能な業界・事業環境の構築を目指します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。 なお、当社グループでは展開する事業を『電子書籍流通事業』と『戦略投資事業』の2つのセグメントに区分しております。2026年2月期を初年度とする新たな中期経営計画の策定を契機として、当連結会計年度よりSC(Sustainability Creation)事業を「戦略投資事業」の区分に含める報告セグメントの変更を行っております。そのため、前年同期比較においては、当該変更後の報告セグメントの区分に基づき作成した前年同期の数値を用いております。 『電子書籍流通事業』は、電子書籍の流通拡大に貢献する役割を担い、当社の中核事業となっている取次事業に加え、株式会社クレディセゾンと運営する“まんがセゾン”等の事業によって構成されています。『戦略投資事業』は、国際事業、IP・ソリューション事業及びSC(Sustainability Creation)事業の3事業によって構成され、電子書籍流通事業に比肩する第二の収益軸の確立に向けて、出版バリューチェーン及び地域社会に貢献する多様なサービス・ソリューションを提供しております。 ① 財政状態及び経営成績の状況当社グループの当連結会計年度の経営成績及び財政状態は以下の通りとなりました。 a)経営成績 当連結会計年度における当社グループの連結業績は、2025年7月に獲得した新規商流の業績寄与並びに既存商流の売上成長により電子書籍流通事業の売上高が好調に推移し、主にIP・ソリューション事業において利益改善が進んだ戦略投資事業での営業損失が縮小したものの、電子書籍流通事業における利益率の高いサービスが終了したこと、戦略投資事業における改善が想定より遅れていることにより、営業利益は前年同期比で微減となりました。 また、当連結会計年度においては、戦略投資事業に属する連結子会社に係るのれん等の減損損失328百万円や投資有価証券評価損528百万円を特別損失として計上した一方、関連会社であるMyAnimeListの株式売却益を特別利益として計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期を大きく上回りました。 以上の結果、当連結会計年度の業績については、次の通りとなりました。 売上高 108,537百万円(前年同期比6.5%増) 営業利益 2,453百万円(前年同期比0.9%減) 経常利益 2,548百万円(前年同期比8.0%増) 親会社株主に帰属する当期純利益 1,818百万円(前年同期比33.3%増) EBITDA 3,667百万円(前年同期比3.2%減) 1株当たり当期純利益 119.85円(前年同期は90.08円) なお、営業利益の主な増減要因は下記の通りであります。 売上高の増加 6,623百万円 著作料等の売上原価の増加 △7,052百万円 販売費及び一般管理費の減少 407百万円 (電子書籍流通事業) 電子書籍流通事業については、国内最大の電子書籍取次事業者として引き続き「コミックシーモア」「Amazon Kindle」等の電子書店への電子書籍の取次や電子書籍配信ソリューションの提供を行いました。2026年2月末時点で、取引先としての出版社は2,200社以上、電子書店は150店以上、取扱コンテンツ数は326万点以上、出版社や電子書店とのキャンペーン管理数は年間2.0万件以上にのぼっております。近年、電子書籍市場が拡大するなかで出版社と電子書店が取り扱うコンテンツ数とキャンペーン数は増大し続けており、電子書籍の流通にかかる運用コストは年々増加しております。電子書籍取次の存在意義が高まるなか、当社は取引先各社との基幹システムの連携に加え、話配信管理システム等、取引先のニーズに合わせた新規システムの開発を行うほか、取次に関して蓄積されたノウハウに基づくきめ細やかなサポートを通じて、電子書籍の円滑な流通及び出版社と電子書店の業務の効率化、配信事故率の低減に貢献することで、電子書籍市場の拡大と、流通シェアの拡大を目指しております。 当連結会計年度においては、大手書店を中心とした既存商流の好調、及び2025年7月より取引を開始した「めちゃコミック」の貢献により、増収となりました。一方で、利益率の高いサービスの終了による影響を受け減益となりましたが、増収効果により減益幅は期初想定より小幅となりました。 その結果、売上高は101,107百万円(前年同期比7.8%増)、セグメント利益は4,919百万円(前年同期比1.2%減)となりました。 (戦略投資事業) 戦略投資事業においては、中長期における注力事業として国際事業、IP・ソリューション事業、SC(Sustainability Creation)事業の3事業を展開しております。 国際事業については、主に海外子会社によるSaaS型ビジネスモデルによる出版社向けDXサービスの提供が堅調に推移したことにより増収となった一方で、国際事業全体の体制強化に係る販管費の増加により減益となりました。 IP・ソリューション事業については、日本文芸社におけるコンテンツ創出とそのマルチメディア化推進、フライヤーにおける本の要約サービス提供、そのほかオーディオブックの制作や電子図書館サービスの運営を通じて、出版コンテンツ市場拡大への貢献を目指しております。日本文芸社においては、実用書の改善が売上利益に貢献する一方で、コミックスにおける改善に注力しております。前年同期比で損益は改善しているものの、引き続き筋肉質な収益構造化に向けた取り組みを進めてまいります。書籍の要約サービスを提供するフライヤーは、法人契約数が着実に増加したことで前年同期比では増収、引き続き営業黒字となりました。2025年9月に株式会社AIStepを、2026年2月に株式会社Zealoxをそれぞれ子会社化し、グループ収益力の強化に取り組んでおります。 SC事業については、行政や金融機関等との連携を通じて、地域活性化に繋がる事業を手掛けることで新たな価値を生み出し、持続可能な社会づくりに貢献することを目指しております。がんばろう徳島が運営する男子プロバスケットボールクラブ「徳島ガンバロウズ」は、B3リーグ参入2年目の2024-2025シーズンにおいて営業黒字を達成しております。2025年9月から始まった2025-2026シーズンにおいても増収増益となり、着実な成長を続けております。 その他、小説投稿サイトを運営するエブリスタについて、2025年2月の株式譲渡に伴い連結対象外となったことが売上高の減少要因となったものの、特にIP・ソリューション事業における改善施策の進捗等が損益改善に寄与し、前年同期比で営業損失が縮小しました。 その結果、売上高は8,716百万円(前年同期比7.4%減)、セグメント損失は631百万円(前年同期はセグメント損失953百万円)となりました。 b)財政状態(資産の部) 当連結会計年度末における資産合計は、56,926百万円(前年同期比7.1%増)となり、前連結会計年度末に比べ3,765百万円増加しました。 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ4,041百万円増加し、44,001百万円(前年同期比10.1%増)となりました。 主な要因は、現金及び預金が422百万円、売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産)が3,730百万円、それぞれ増加したことによるものであります。 当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ275百万円減少し、12,924百万円(前年同期比2.1%減)となりました。 これは主に、無形固定資産に含まれるのれんが168百万円減少したことによるものであります。 (負債の部) 当連結会計年度末における負債合計は、37,704百万円(前年同期比6.4%増)となり、前連結会計年度末に比べ2,252百万円増加しました。 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ3,466百万円増加し、35,686百万円(前年同期比10.8%増)となりました。 これは主に、支払手形及び買掛金が2,749百万円、未払法人税等が669百万円、それぞれ増加したことによるものであります。 当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,213百万円減少し、2,017百万円(前年同期比37.6%減)となりました。 これは主に、長期借入金が1,129百万円減少したことによるものであります。 (純資産の部) 当連結会計年度末における純資産合計は、19,221百万円(前年同期比8.5%増)となり、前連結会計年度末に比べ1,513百万円増加しました。 これは主に、利益剰余金が1,271百万円増加したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、14,014百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は2,454百万円(前年同期比37.6%減)となりました。 これは主に、税金等調整前当期純利益2,502百万円、減価償却費749百万円、減損損失328百万円、のれん償却額464百万円、仕入債務の増加額2,730百万円が資金の増加要因となった一方、売上債権の増加額3,832百万円が減少要因となったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は426百万円(前年同期は137百万円の収入)となりました。 これは主に、投資有価証券の売却による収入640百万円、関係会社株式の売却による収入774百万円が増加要因となった一方、無形固定資産の取得による支出513百万円、投資有価証券の取得による支出1,053百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出368百万円が減少要因となったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は1,596百万円(前年同期は1,534百万円の支出)となりました。 これは主に、長期借入れによる収入350百万円が資金の増加要因となった一方、長期借入金の返済による支出 1,542百万円、配当金の支払額546百万円が減少要因となったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a)生産実績 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 b)受注実績 当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する該当事項はありません。 c)販売実績 当連結会計年度の販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)金額(百万円)前年同期比(%)電子書籍流通事業101,107107.8%戦略投資事業8,71692.6%調整額△1,286-合計108,537106.5%(注)1.セグメント間取引については「調整額」にて相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年3月1日至 2025年2月28日)当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)NTTソルマーレ㈱ (注)26,82526.329,90727.6Amazon Services International LLC16,03115.717,48316.1(注)2025年7月1日付でエヌ・ティ・ティ・ソルマーレ㈱から社名変更がなされております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a)経営成績等に関する分析 当該事項につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。 b)経営成績に重要な影響を与える要因について 「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 c)資本の財源及び資金の流動性(資金需要) 当社グループでは、中長期にわたり持続的な成長を図るべく、運転資金においてコンテンツ制作費のほか、優秀な人材確保のための採用費用及び人件費等の販売費及び一般管理費等への資金需要があります。加えて、M&Aや資本業務提携、新規事業開発といった戦略投資に係る資金需要があります。 また、設備資金需要といたしましては、基幹システムの追加機能開発及び新規サービスのためのソフトウエアへの投資等があります。 (財務政策) 当社グループの事業活動の中長期的な拡大と高度化に必要な資金を安定的に確保するとともに、財務・財政状態の健全性及び機動性に配慮しながら資本コストの最適化を図るべく、運転資金については内部資金の活用及び金融機関からの借入を中心として賄い、戦略投資に係る資金については、内部資金に加えて、金融機関からの借入やエクイティファイナンスといった多様な資金調達手段から調達時の状況に応じた最適な手段を選択し、資金調達を行ってまいります。 d)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当連結会計年度においては、電子書籍市場の年間成長率の堅調な推移と、当社グループの電子書籍流通事業における新規商流の獲得や既存商流の売上成長が業績に寄与し、連結売上高について期初予想を上回った一方、戦略投資事業における赤字幅の縮小や黒字化に向けた改善に遅れが生じたことなどから、連結営業利益については期初予想を下回る着地となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益については、関連会社であるMyAnimeListの株式売却益を計上したものの、戦略投資事業に関連する特別損失として減損損失328百万円、投資有価証券評価損528百万円を計上したことなどから、期初予想を下回る着地となりました。 当社が定める経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等、及び各々の指標等に関する業績予想の達成状況については下表の通りであります。 2026年2月期計画2026年2月期実績計画比売上高1,060億円1,085億円102.4%営業利益27.2億円24.5億円90.2%EBITDA39.3億円36.6億円93.3%親会社株主に帰属する当期純利益20.0億円18.1億円90.9%ROE10.9%9.9%-1.0pt e)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(電子書籍流通事業) 「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載した要因により、売上高は101,107百万円(前年同期比7.8%増)、セグメント利益は4,919百万円(前年同期比1.2%減)となりました。 (戦略投資事業) 「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載した要因により、売上高は8,716百万円(前年同期比7.4%減)、セグメント損失は631百万円(前年同期はセグメント損失953百万円)となりました。 ② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成に当たっては、経営者により、会計基準の範囲内で一定の見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの会計上の見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。