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メディアドゥ(3678)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 電子書籍の流通仲介
    メディアドゥは、出版社から電子書籍コンテンツを預かり、電子書店へ配信する「取次事業」を主軸としています。これにより、出版社と電子書店の間の契約仲介、データ検証、システム登録、配信までを一貫して行い、電子書籍の流通を円滑にしています。この事業は、電子書籍市場の成長とともに拡大しており、同社の主要な収益源です。
  • ソリューション提供
    電子書籍の取次だけでなく、電子書店向けのシステム構築や運営ノウハウの提供も行っています。具体的には、自社運営の電子書店「まんがセゾン」の運営や、提携企業への電子書籍ストアシステムの提供を通じて、電子書籍ビジネスに必要な技術とサービスを包括的に提供し、顧客の多様なニーズに応えています。
  • 新規事業への戦略投資
    電子書籍流通事業に次ぐ新たな収益の柱を確立するため、「戦略投資事業」を展開しています。これには、日本コンテンツの海外展開を支援する国際事業、出版業界全体の活性化を目指すIP・ソリューション事業、地域社会の課題解決に貢献するSC(Sustainability Creation)事業が含まれ、多角的な事業展開で持続的な成長を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 電子書籍流通事業
    この事業は、メディアドゥグループの中核を担っており、国内出版社から電子書籍コンテンツを預かり、電子書店へ配信する「取次事業」が主な業務です。売上高は937.67億円、営業利益は49.71億円と、グループ全体の売上の9割以上を占める稼ぎ頭であり、電子書籍市場の拡大に貢献しています。
  • 戦略投資事業
    電子書籍流通事業に次ぐ第二の収益の柱を確立するため、国際事業、IP・ソリューション事業、SC(Sustainability Creation)事業の3つで構成されています。売上高は76.97億円ですが、営業利益は-9.94億円とまだ投資段階にあり、将来の成長に向けた種まきを行っている段階です。
  • 国際事業・IP/SC事業
    戦略投資事業の一部として、国際事業では日本コンテンツの海外展開や海外の出版DXノウハウの国内展開を目指し、米国や英国に子会社を持っています。IP・ソリューション事業では、出版社から消費者まで幅広い関係者へのサービス提供を通じて出版市場の活性化を図り、SC事業では地域社会の課題解決と持続可能な社会づくりに貢献する事業を展開しています。
2025-02 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
EBookDistributionBusiness 地域 938 50 5.3%
StrategicInvestment 事業 77 -10 -12.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,689 文字
3【事業の内容】 当社グループは、事業持株会社である当社(株式会社メディアドゥ)、子会社15社及び関連会社1社により構成されております。著作物を公正な利用環境のもと、できるだけ広く頒布し著作者に収益を還元するという「著作物の健全なる創造サイクルの実現」をミッション、「MORE CONTENT FOR MORE PEOPLE!」をビジョンに掲げ、日本における文化の発展及び豊かな社会づくりに貢献するため、積極的な業容の拡大と企業価値の向上に取り組んでおります。 日本国著作権法第一章 総則の第一条に謳われる『著作物は文化の発展に寄与』、『著作物の利用と保護の調和』を第一義に、デジタル化された数多くの著作物をより多くの人に届け、その利用における適正な対価を著作者に還元し、また新たな著作物が創造されるよう“著作物の健全なる創造サイクル”の一翼を担うことを目的に事業を行っております。 具体的には、『電子書籍流通事業』と『戦略投資事業』として事業セグメントを区分し、事業を展開しております。なお、2026年2月期を初年度とする新たな中期経営計画の策定を契機として、当連結会計年度よりSC(Sustainability Creation)事業を「戦略投資事業」の区分に含める報告セグメントの変更を行っております。そのため、前年同期比較においては、当該変更後の報告セグメントの区分に基づき作成した前年同期の数値を用いております。 『電子書籍流通事業』は、電子書籍の流通拡大に貢献する役割を担い、当社の中核事業となっている取次事業に加え、電子書籍配信ソリューションの提供を行っております。『戦略投資事業』は、国際事業、IP・ソリューション事業及びSC(Sustainability Creation)事業の3事業によって構成され、電子書籍流通事業に比肩する第二の収益軸の確立に向けて、出版バリューチェーン及び地域社会に貢献する多様なサービス・ソリューションを提供しております。 それぞれの事業の内容は以下の通りであります。(1)電子書籍流通事業 電子書籍流通事業では、国内出版社をはじめとするコンテンツホルダーから電子書籍コンテンツを預かり、システムを介して電子書店向けに取次を行うことを主業務としております。取次業務については、各出版社と各電子書店間の個別契約仲介や、デジタルデータの検証作業、自社システムへの登録、各電子書店への配信及び自社運営の電子書店での販売等、幅広く電子書籍流通を推進しております。 システムソリューション以外の面においても、営業・サポート体制を構築し、戦略企画、電子書籍運営コンサルテーション、電子書店サイト制作・運営サポート、各出版社・電子書店のキャンペーンの管理等を行っております。 具体的には、下記のような2つのサービス形態を中心とした事業展開をしております。① 「電子書籍取次」  電子書店向けに電子書籍コンテンツの取次販売を行っております。② 「自社電子書店の運営及び電子書籍ストアシステムの提供」株式会社クレディセゾンと自社運営電子書店“まんがセゾン”の運営を行っております。また、アライアンスパートナー企業が運営する電子書店に対して、電子書籍ストアシステムを提供しております。 ①及び②の事業者向けのサービスとしては、電子書籍コンテンツ、電子書籍配信システム、電子書籍ストアシステム、電子書店運営ノウハウをパッケージで提供しており、クライアントからの様々なニーズにワンストップで対応しております。 (2)戦略投資事業 戦略投資事業では、第二の収益軸の確立に向けて、国際事業、IP・ソリューション事業及びSC(Sustainability Creation)事業の3事業を展開しています。① 国際事業 米国5大出版社を顧客に持つグループ会社の海外における出版社ネットワークを活かし、日本発のコンテンツを世界に流通させるほか、海外の出版DXのノウハウを国内の出版社に展開することによって、当社グループの事業ミッションを国際的に展開することを目指します。主な子会社及びサービスとしては、海外におけるホールディングス機能を担う米国のMedia Do International, Inc.と、編集、制作、マーケティング、広報から売上管理まで出版に関わるワークフロー全体を一元管理できるERPツールを提供する米国のQuality Solutions, Inc.、書籍のWebマーケティングツールを提供する米国のNetGalley, LLC及び出版社の自社ECシステム構築ツールを提供する英国のSupadü Limited、NTTドコモ等と取り組む北米向け電子コミック配信サービス「MANGA MIRAI」が含まれます。 なお、当社は2026年3月にMedia Do International, Inc.を通じて、海外マンガ市場における世界最大級の翻訳出版社である米国のSeven Seas Entertainment, LLCの全持分を取得し、連結子会社化いたしました。② IP・ソリューション事業 出版社から消費者まで電子書籍にまつわる様々な関係者に対してサービスを展開することで、新たな事業機会を創出するとともに、国内の出版市場を活性化させることを目指します。主な子会社及びサービスとしては、実用書、コミック及び雑誌等を中心に紙・電子を問わず取扱う出版社の株式会社日本文芸社、書籍の要約コンテンツを提供するサービス“flier”を運営する株式会社フライヤー、Amazon Audibleに当社提供作品を配信するオーディオブック事業、電子図書館プラットフォーム提供で世界最大手である米国のOverDrive,Inc.との業務提携によって国内の電子図書館導入を推進している電子図書館事業が含まれます。③ SC(Sustainability Creation)事業 行政、金融機関、メディア、教育機関などと共に、地域社会・経済における課題に向き合い、地域活性化につながる事業を手掛けることで新たな価値を生み出すとともに、持続可能な社会づくりに貢献することを目指します。子会社としては、男子プロバスケットボールクラブ「徳島ガンバロウズ」を運営する株式会社がんばろう徳島が含まれます。また、一般社団法人徳島イノベーションベース及び一般社団法人xIB JAPANの運営を通じて地域の企業家支援活動に取り組んでおります。 <戦略投資事業の主な子会社及びサービス>

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
国内最大手の電子書籍取次事業者であり、多くの出版社等と取引関係を構築しているため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
多くの出版社等と取引関係を構築することに時間を要するため、新規参入には一定の障壁がある
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:電子書籍業界の成長性 / 外的要因(自然災害等)による事業への影響 / 海賊版サイト等の影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

同社は電子書籍プラットフォーム「コミックシーモア」を運営し、長年の実績と顧客基盤を持つ。また、電子書籍の取次事業においても、出版社との強固な関係性と長年のノウハウが参入障壁となっている。IPホルダーとの独占契約や、独自のコンテンツ制作能力も無形資産となり得る。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

コミックシーモアの利用者は、購入履歴や読書進捗、ポイントなどを引き継ぐために、他社プラットフォームへの乗り換えに抵抗を感じる可能性がある。特に、長年利用しているユーザーほど乗り換えコストは高まる。しかし、電子書籍市場全体としてはプラットフォーム間の互換性も進んでおり、乗り換えのハードルが低下する可能性もある。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

電子書籍プラットフォームとしてのネットワーク効果は限定的。ユーザーが増えても、プラットフォーム自体の価値が直接的に向上するわけではない。ただし、ユーザーのレビューやランキング機能などが活性化すれば、間接的なネットワーク効果が生まれる可能性はある。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

同社に構造的なコスト優位性を示す具体的な情報は現時点では見当たらない。電子書籍の取次や販売においては、プラットフォーム運営コストやコンテンツ仕入コストなどが主要な費用となる。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

電子書籍の取次・販売市場において、同社は主要プレイヤーの一つであり、一定の規模の経済を享受していると考えられる。特に、多くの出版社と取引し、多数のコンテンツを扱うことで、効率的なプラットフォーム運営が可能となっている。しかし、市場全体としてはまだ競争が激しく、絶対的な寡占状態ではない。

  • 国内最大級の電子書籍取次網
    メディアドゥは、多くの出版社や電子書店との取引関係を長年にわたり構築しており、国内最大手の電子書籍取次事業者としての地位を確立しています。この広範なネットワークは新規参入者にとって高い障壁となり、安定した事業基盤を形成しています。
  • 出版DXのノウハウと技術力
    電子書籍の配信システムやストアシステム提供を通じて培った技術力とノウハウは、同社の強みです。デジタルデータの検証、システム登録、配信、さらには電子書店運営コンサルテーションまで、電子書籍流通に必要なあらゆるソリューションをワンストップで提供できる体制は、競合他社との差別化に繋がっています。
  • 国際的な事業展開とIP活用
    米国の大手出版社とのネットワークを持つ子会社を通じて、日本発のコンテンツを世界に流通させています。また、海外の出版DXノウハウを国内に展開することで、国際的な視点での事業拡大を図っています。さらに、出版社の買収や電子図書館事業への参入など、IP(知的財産)を多角的に活用し、新たな事業機会を創出しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、著作物を公正利用のもと、出来るだけ広く頒布し著作者に収益を還元するという「著作物の健全なる創造サイクルの実現」をミッションに、「MORE CONTENT FOR MORE PEOPLE!」をビジョンに掲げ、日本における文化の発展、及び豊かな社会づくりに貢献するため、積極的な業容拡大と企業価値の向上に取り組んでおります。また、日本国著作権法第一章 総則の第一条に謳われる『著作物は文化の発展に寄与』、『著作物の利用と保護の調和』を第一義に、デジタル化された数多くの著作物をより多くの人に届け、その利用における適正な対価を著作者に還元し、また新たな著作物が創造されるよう“著作物の健全なる創造サイクル”の構築を目指して事業を行っております。 (2)中長期の経営戦略と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 国内の電子書籍の市場規模は、コロナ禍における巣ごもり特需で大きく成長した後も拡大を続け、2024年度には約6,700億円に達しました。市場規模の拡大に伴い成長率はこれまでに比べて鈍化するものの、今後も持続的な成長が続き、2029年度には約8,000億円に達すると見込まれています(出所:インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2025」)。 一方、世界の電子書籍の市場規模は2024年で2兆円を超え、引き続き拡大を見込んでいます(出所:総務省「令和7年版 情報通信白書」)。さらに、海外においてはマンガが中心である日本の電子書籍市場と異なり、文字ものが多くを占めているほか、オーディオブック市場が電子書籍市場に比肩する規模にまで拡大している地域もあります。また、動画配信サービスの普及によってアニメなど多様な日本の映像作品が全世界に多言語で同時配信されるようになり、その原作であるマンガや小説への関心も世界的に高まっております。 当社グループは、ビジョンである「MORE CONTENT FOR MORE PEOPLE!」を引き続き掲げ、これらの環境変化を成長ドライバーとして企業価値向上に生かすべく、2026年2月期を初年度とする5カ年の中期経営計画を推進しております。現在国内の電子書籍市場を牽引するマンガはもとより、国内外における文字もの、オーディオブック等を含むコンテンツ流通に係るソリューションを進化させ、日本の出版業界の成長を世界規模でリードする存在を目指します。 [経営戦略]① 電子書籍取次から出版業界のインフラへの進化 当社グループは、電子書籍流通の国内最大手として、年間約92万ファイルの電子書籍コンテンツを新規に取り扱っており、ほぼ全ての出版社・電子書店との広範な取引基盤を有しています。これにより、日本中のコンテンツが集積し続ける独自のポジションを確立してきました。今後は主に以下の施策を実施することで、出版業界のインフラとして不可欠な存在を目指してまいります。 ・一層の顧客密着型対応を通じた貢献範囲とシェアの拡大― 販売データを統合・分析する出版社向けBIツールの開発― 出版社及び電子書店の様々な業務を請け負う人員体制の強化 ・出版業界のインフラとしての機能強化― 出版社及び電子書店とのシステム連携強化と開発支援― 出版業界全体の課題であるセキュリティ体制の高度化等への投資強化 ② 日本の本を紙・電子の両輪で世界中に届ける海外展開 当社グループは、国内の電子書籍における取引基盤を土台に、日本のあらゆる出版社のコンテンツを電子のみならず紙でも世界へ届ける海外展開に注力しております。当社グループの機能を向上・融合させることで、国内出版社のコンテンツ価値を最大化し、国内外の流通を一気通貫で支えるオンリーワンのインフラとしての地位を確立し、出版業界全体のさらなる発展に貢献すべく、以下の施策を実施します。 ・海外子会社とのグループシナジーの最大化― 2026年3月に子会社化した、日本コンテンツの年間発行タイトル数で世界最大級を誇る米国出版社Seven Seas Entertainment, LLCのPMIを完遂・国内コンテンツのマルチユースの推進と早期の事業拡大― 日本コンテンツに関する紙書籍や電子書籍、オーディオブック等の海外出版許諾獲得数の拡大及び出版・流通体制の構築― 翻訳家を支援するMedia Do Translation System (MDTS)の開発を含めた、電子書籍ファイルを短期間かつ低コストで多言語翻訳する体制の構築 ③ SC(Sustainability Creation)事業における地域社会・他団体との連携強化とポジション確立 当社グループは、出版業界の発展への貢献に加え、様々な産業の土台として存在する地域社会の発展へ貢献することを創業時から重視しております。地域社会の持続可能な未来を主体的に創造する社会の実現を目指し、このような活動を事業として当社グループへの利益成長に結びつけるだけでなく、社会や取引先、従業員からの信頼を高め、行政、メディア、金融機関、大学など地域の主要機関をさらに巻き込みながら、全国規模の他団体との連携をさらに深めることで、地域創生に欠かせない起業家を自律的に生み育てる体制を構築するとともに、地域経済の成長エンジンとしてのポジション確立を目指します。主に以下の施策を実施します。 ・男子プロバスケットボールクラブ「徳島ガンバロウズ」の運営による利益貢献の拡大― 徳島県や徳島市における新アリーナ建設を見据え、入場者数と業績の拡大を図りながら、最上位リーグへの参入を目指す ・起業家支援を含む幅広い活動と連携拡大を通じた、社会への貢献と社会からの信頼と認知の拡大 [財務戦略・資源配分計画] 当社グループは、高い資本効率と財務健全性のバランスを重視し、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。また、中期的には事業の収益創出力の強化と規律あるキャッシュ・フローマネジメントにより、持続的な成長サイクルの実現を目指しております。 引き続き、有利子負債の返済や利益積み上げを通じた自己資本比率の改善により財務健全性を向上させていくほか、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストの低減を図ってまいります。また、財務レバレッジを考慮しつつ負債の規律ある活用も進めることにより、資本効率を向上させながら企業価値の創出に努めてまいります。 成長投資に関しては、企業価値の向上につながる事業投資を行うとともに、投資後3年でROIC15%以上を目標としたM&Aを積極的に推進します。具体的には、当社ビジョンである「MORE CONTENT FOR MORE PEOPLE!」の実現に向け、電子書籍取次におけるポジション強化や海外販路拡充・輸出支援、先端テクノロジー活用の強化等に寄与する国内外の企業をリストアップし、ビジョンの実現に資する案件を慎重に精査のうえ、実行してまいります。 ① 経営資源の配分に関する考え方 当社グループは、当連結会計年度においては連結売上高の93.1%を電子書籍流通事業にて計上しております。電子書籍市場は将来にわたって拡大が見込まれることから、経営資源(人材、投資)は今後も一定程度、電子書籍流通事業に投下する方針であります。 一方で、グループ全体における電子書籍流通事業への偏重がリスクにもなり得るとの認識から、戦略投資事業への経営資源の配分が、グループ全体の企業価値向上にも資するものと考え、回収可能性や、手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュ・フローを十分に考慮したうえで、投資を実行してまいります。 更に当社は、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営目標と認識するとともに、将来の持続的な成長に必要な設備投資等や経営基盤の強化も重要な経営課題と考えております。そのため、内部留保を確保しつつ、財政状態及び業績動向等、経営状態を総合的に判断して利益配当を行っていくことを基本方針としております。 この方針に基づき、株主の皆様への利益還元については、配当及び自社株式の取得による総還元性向(注)30%以上を念頭に置き、配当と自己株式の取得の配分は、株価水準等に応じて判断いたします。(注)総還元性向=(配当支払総額+自己株式取得総額)/親会社株主に帰属する当期純利益 ② 資金需要の主な内容 当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、事業運営にかかる人件費や業務委託費などがあります。また、投資活動に係る資金支出は、競争力の維持・強化に向けたシステム開発や事業領域拡大に伴うM&Aなどがあります。 ③ 資金調達 当社グループにおける設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則としております。そのため、事業活動の維持拡大において外部資金が必要となる可能性は低いものと認識しております。 一方、今後において、更なる企業価値向上に資するM&A等のための追加的な資金需要が生じる可能性もあります。その際には、内部資金及び外部資金を有効に活用することとしますが、外部資金が必要となる場合には、高い資本効率と財務健全性とのバランスを考慮のうえ、最適な資金調達手段を選択いたします。 [経営目標]連結2026年2月期実績2027年2月期計画2028年2月期計画2030年2月期計画売上高1,085億円1,180億円1,150億円1,250億円営業利益24.5億円24.0億円32.2億円40.0億円EBITDA36.6億円41.0億円45.0億円52.0億円親会社株主に帰属する当期純利益18.1億円12.0億円21.5億円25.0億円 [対処すべき課題] 当社グループを取り巻く外部・内部環境は、常に大きく変化しています。当社グループは、長期的かつ持続的な企業価値向上を実現するため、経営上の重要課題(マテリアリティ)を特定しました。各マテリアリティについて、グループが一体となって具体的な取組みを進めるとともに、サステナビリティ推進委員会を主体として各施策の実効性を検証し、外部・内部環境の変化に応じた見直しを行っています。 当社グループは、経営方針に則り、「経営管理の仕組み」「人と組織が成長する仕組み」を構築するために「各仕組みを支えるガバナンス」を強化するとともに、気候変動への対応等、企業活動の土台となる自然環境を保全することが不可欠という認識のもと、10項目のマテリアリティテーマの位置づけを分類しています。 ① 著作物の創出サイクルと価値の最大化 当社グループは、著作物が公正な利用環境で流通し、著作者に収益が還元される健全な経済社会のサイクルをつくり、「ひとつでも多くのコンテンツ」が創出され、「ひとりでも多くの人へ」届く世界を実現することを最大の使命としています。出版業界をはじめとする多様なステークホルダーとの信頼関係を一層強固なものとしながら、国内に留まることなく世界に向けて様々なアプローチで、著作物の創出サイクルと価値の最大化に取り組みます。 ② 戦略投資の実行と事業ポートフォリオ最適化 当社グループは、各事業で創出した収益を持続的な成長を見据えた戦略的な投資に適切に配分し、最適な事業ポートフォリオを構築することで成長を一層加速します。資本コストや資本収益性を意識した規律ある投資行動と効率的な事業運営に努めることで、創出する事業価値の最大化を図るとともに、経営・事業の多角化により最適な事業ポートフォリオ構築に取り組みます。 ③ メディアドゥらしい人材の育成・獲得 当社グループは、求める人材像「私たちを育んでくれた環境を感謝でき、敬意を持って自ら動く」を体現する人材を育成・獲得することで、持続的な企業価値向上を実現します。社是「成長と可能性」において、互いの可能性を信じ尊敬し合い、成長を喜び合う良好な信頼関係を長期に築くことが何よりも大切な価値であることを示している通り、当社グループの価値創造の根幹は「人材」です。こうした企業文化と従業員の働く目的意識を調和させ、当社グループで働く意欲を高める施策を実行します。また、適切な人事制度の改善と充実にも注力し、従業員の能力の向上に取り組みます。 ④ 地域のエンパワーメント 当社グループは、創業期から地域社会に支えられる中で成長を遂げてきた企業であるという認識に立ち、引き続き地域社会との社会関係資本を拡大し、当社グループと地域社会の両者の持続的な成長と発展を実現します。地方創生に資する各事業において、創業者の経営精神を基礎とした当社グループ独自のアプローチで地域社会の課題解決に貢献し、出版業界の枠組みを超えた地域社会との協働関係を一層深める取り組みを推進します。 ⑤ 働く環境の整備 当社グループは、価値創造の根幹である多様な人材が最大限に能力を発揮して活躍しながら、長期的に働くことのできる環境を整えることで、安定した経営基盤の構築・維持、当社グループが提供するサービスの質・生産性の向上を実現します。従業員の健康で豊かな生活を追求し、個人の人格を構成する多様な性質・背景を尊重するため、職場環境、健康環境、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)環境の整備に取り組みます。 ⑥ ガバナンス強化 当社グループは、経営のグローバル化を進める中で、更なる業容拡大と企業価値の向上の観点から、コーポレート・ガバナンスの充実による経営の健全性と透明性の向上が重要な経営課題であると認識しています。公正かつ透明性、実効性の高い経営の実現に向けて、取締役会の監督のもと、適切な資源配分、意思決定の迅速化等、コーポレート・ガバナンスにおける不断の改善を図ります。 ⑦ コンプライアンス強化 企業経営の健全性を向上するためには、企業倫理の確立や意識の全社的な浸透が必須であり、これにより当社グループや各機関及び全役職員一人ひとりが的確かつ公正な意思決定を行う風土が醸成されると考えています。同時に、企業市民として有する社会的責任を常に意識して行動することが多様なステークホルダーからの信頼の獲得に繋がるという認識のもと、事業活動を遂行してまいります。 ⑧ 情報セキュリティ強化 デジタルコンテンツを取り扱う当社グループは、豊かな文化の発展に寄与する社会インフラを提供し、著作物の健全な流通と創造サイクルの構築を実現するため、著作者、出版社、書店、ユーザー(読者)といった各ステークホルダーが安心・信頼して利用できるサービス及びシステムの構築が不可欠との前提に立ち、重要な経営課題として情報セキュリティの強化に取り組んでいます。 ⑨ 先端テクノロジーの活用 当社グループは、新しい技術の研究と活用によってプロダクトやサービスを開発・提供します。持続的に数多くの著作物が創出され、多くの人々が享受するための様々な課題を解決し、文化の発展に貢献する存在となることを目指します。 ⑩ 自然資本の保護と最適活用 環境への負荷低減は、持続可能な地球環境を次世代に引き継いでいくため、そして100年先まで続く企業体を目指す当社グループにとって取り組むべき重要な課題の一つです。当社グループは、自らの事業活動で使用する自然資本の実態把握と効率的な活用策を講じるとともに、業界全体における資源利用の最適化にも積極的に寄与することを見据えながら、持続可能な業界・事業環境の構築を目指します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、著作物を公正利用のもと、出来るだけ広く頒布し著作者に収益を還元するという「著作物の健全なる創造サイクルの実現」をミッションに、「MORE CONTENT FOR MORE PEOPLE!」をビジョンに掲げ、日本における文化の発展、及び豊かな社会づくりに貢献するため、積極的な業容拡大と企業価値の向上に取り組んでおります。また、日本国著作権法第一章 総則の第一条に謳われる『著作物は文化の発展に寄与』、『著作物の利用と保護の調和』を第一義に、デジタル化された数多くの著作物をより多くの人に届け、その利用における適正な対価を著作者に還元し、また新たな著作物が創造されるよう“著作物の健全なる創造サイクル”の構築を目指して事業を行っております。 (2)中長期の経営戦略と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 国内の電子書籍の市場規模は、コロナ禍における巣ごもり特需で大きく成長した後も拡大を続け、2024年度には約6,700億円に達しました。市場規模の拡大に伴い成長率はこれまでに比べて鈍化するものの、今後も持続的な成長が続き、2029年度には約8,000億円に達すると見込まれています(出所:インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2025」)。 一方、世界の電子書籍の市場規模は2024年で2兆円を超え、引き続き拡大を見込んでいます(出所:総務省「令和7年版 情報通信白書」)。さらに、海外においてはマンガが中心である日本の電子書籍市場と異なり、文字ものが多くを占めているほか、オーディオブック市場が電子書籍市場に比肩する規模にまで拡大している地域もあります。また、動画配信サービスの普及によってアニメなど多様な日本の映像作品が全世界に多言語で同時配信されるようになり、その原作であるマンガや小説への関心も世界的に高まっております。 当社グループは、ビジョンである「MORE CONTENT FOR MORE PEOPLE!」を引き続き掲げ、これらの環境変化を成長ドライバーとして企業価値向上に生かすべく、2026年2月期を初年度とする5カ年の中期経営計画を推進しております。現在国内の電子書籍市場を牽引するマンガはもとより、国内外における文字もの、オーディオブック等を含むコンテンツ流通に係るソリューションを進化させ、日本の出版業界の成長を世界規模でリードする存在を目指します。 [経営戦略]① 電子書籍取次から出版業界のインフラへの進化 当社グループは、電子書籍流通の国内最大手として、年間約92万ファイルの電子書籍コンテンツを新規に取り扱っており、ほぼ全ての出版社・電子書店との広範な取引基盤を有しています。これにより、日本中のコンテンツが集積し続ける独自のポジションを確立してきました。今後は主に以下の施策を実施することで、出版業界のインフラとして不可欠な存在を目指してまいります。 ・一層の顧客密着型対応を通じた貢献範囲とシェアの拡大― 販売データを統合・分析する出版社向けBIツールの開発― 出版社及び電子書店の様々な業務を請け負う人員体制の強化 ・出版業界のインフラとしての機能強化― 出版社及び電子書店とのシステム連携強化と開発支援― 出版業界全体の課題であるセキュリティ体制の高度化等への投資強化 ② 日本の本を紙・電子の両輪で世界中に届ける海外展開 当社グループは、国内の電子書籍における取引基盤を土台に、日本のあらゆる出版社のコンテンツを電子のみならず紙でも世界へ届ける海外展開に注力しております。当社グループの機能を向上・融合させることで、国内出版社のコンテンツ価値を最大化し、国内外の流通を一気通貫で支えるオンリーワンのインフラとしての地位を確立し、出版業界全体のさらなる発展に貢献すべく、以下の施策を実施します。 ・海外子会社とのグループシナジーの最大化― 2026年3月に子会社化した、日本コンテンツの年間発行タイトル数で世界最大級を誇る米国出版社Seven Seas Entertainment, LLCのPMIを完遂・国内コンテンツのマルチユースの推進と早期の事業拡大― 日本コンテンツに関する紙書籍や電子書籍、オーディオブック等の海外出版許諾獲得数の拡大及び出版・流通体制の構築― 翻訳家を支援するMedia Do Translation System (MDTS)の開発を含めた、電子書籍ファイルを短期間かつ低コストで多言語翻訳する体制の構築 ③ SC(Sustainability Creation)事業における地域社会・他団体との連携強化とポジション確立 当社グループは、出版業界の発展への貢献に加え、様々な産業の土台として存在する地域社会の発展へ貢献することを創業時から重視しております。地域社会の持続可能な未来を主体的に創造する社会の実現を目指し、このような活動を事業として当社グループへの利益成長に結びつけるだけでなく、社会や取引先、従業員からの信頼を高め、行政、メディア、金融機関、大学など地域の主要機関をさらに巻き込みながら、全国規模の他団体との連携をさらに深めることで、地域創生に欠かせない起業家を自律的に生み育てる体制を構築するとともに、地域経済の成長エンジンとしてのポジション確立を目指します。主に以下の施策を実施します。 ・男子プロバスケットボールクラブ「徳島ガンバロウズ」の運営による利益貢献の拡大― 徳島県や徳島市における新アリーナ建設を見据え、入場者数と業績の拡大を図りながら、最上位リーグへの参入を目指す ・起業家支援を含む幅広い活動と連携拡大を通じた、社会への貢献と社会からの信頼と認知の拡大 [財務戦略・資源配分計画] 当社グループは、高い資本効率と財務健全性のバランスを重視し、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。また、中期的には事業の収益創出力の強化と規律あるキャッシュ・フローマネジメントにより、持続的な成長サイクルの実現を目指しております。 引き続き、有利子負債の返済や利益積み上げを通じた自己資本比率の改善により財務健全性を向上させていくほか、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストの低減を図ってまいります。また、財務レバレッジを考慮しつつ負債の規律ある活用も進めることにより、資本効率を向上させながら企業価値の創出に努めてまいります。 成長投資に関しては、企業価値の向上につながる事業投資を行うとともに、投資後3年でROIC15%以上を目標としたM&Aを積極的に推進します。具体的には、当社ビジョンである「MORE CONTENT FOR MORE PEOPLE!」の実現に向け、電子書籍取次におけるポジション強化や海外販路拡充・輸出支援、先端テクノロジー活用の強化等に寄与する国内外の企業をリストアップし、ビジョンの実現に資する案件を慎重に精査のうえ、実行してまいります。 ① 経営資源の配分に関する考え方 当社グループは、当連結会計年度においては連結売上高の93.1%を電子書籍流通事業にて計上しております。電子書籍市場は将来にわたって拡大が見込まれることから、経営資源(人材、投資)は今後も一定程度、電子書籍流通事業に投下する方針であります。 一方で、グループ全体における電子書籍流通事業への偏重がリスクにもなり得るとの認識から、戦略投資事業への経営資源の配分が、グループ全体の企業価値向上にも資するものと考え、回収可能性や、手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュ・フローを十分に考慮したうえで、投資を実行してまいります。 更に当社は、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営目標と認識するとともに、将来の持続的な成長に必要な設備投資等や経営基盤の強化も重要な経営課題と考えております。そのため、内部留保を確保しつつ、財政状態及び業績動向等、経営状態を総合的に判断して利益配当を行っていくことを基本方針としております。 この方針に基づき、株主の皆様への利益還元については、配当及び自社株式の取得による総還元性向(注)30%以上を念頭に置き、配当と自己株式の取得の配分は、株価水準等に応じて判断いたします。(注)総還元性向=(配当支払総額+自己株式取得総額)/親会社株主に帰属する当期純利益 ② 資金需要の主な内容 当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、事業運営にかかる人件費や業務委託費などがあります。また、投資活動に係る資金支出は、競争力の維持・強化に向けたシステム開発や事業領域拡大に伴うM&Aなどがあります。 ③ 資金調達 当社グループにおける設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則としております。そのため、事業活動の維持拡大において外部資金が必要となる可能性は低いものと認識しております。 一方、今後において、更なる企業価値向上に資するM&A等のための追加的な資金需要が生じる可能性もあります。その際には、内部資金及び外部資金を有効に活用することとしますが、外部資金が必要となる場合には、高い資本効率と財務健全性とのバランスを考慮のうえ、最適な資金調達手段を選択いたします。 [経営目標]連結2026年2月期実績2027年2月期計画2028年2月期計画2030年2月期計画売上高1,085億円1,180億円1,150億円1,250億円営業利益24.5億円24.0億円32.2億円40.0億円EBITDA36.6億円41.0億円45.0億円52.0億円親会社株主に帰属する当期純利益18.1億円12.0億円21.5億円25.0億円 [対処すべき課題] 当社グループを取り巻く外部・内部環境は、常に大きく変化しています。当社グループは、長期的かつ持続的な企業価値向上を実現するため、経営上の重要課題(マテリアリティ)を特定しました。各マテリアリティについて、グループが一体となって具体的な取組みを進めるとともに、サステナビリティ推進委員会を主体として各施策の実効性を検証し、外部・内部環境の変化に応じた見直しを行っています。 当社グループは、経営方針に則り、「経営管理の仕組み」「人と組織が成長する仕組み」を構築するために「各仕組みを支えるガバナンス」を強化するとともに、気候変動への対応等、企業活動の土台となる自然環境を保全することが不可欠という認識のもと、10項目のマテリアリティテーマの位置づけを分類しています。 ① 著作物の創出サイクルと価値の最大化 当社グループは、著作物が公正な利用環境で流通し、著作者に収益が還元される健全な経済社会のサイクルをつくり、「ひとつでも多くのコンテンツ」が創出され、「ひとりでも多くの人へ」届く世界を実現することを最大の使命としています。出版業界をはじめとする多様なステークホルダーとの信頼関係を一層強固なものとしながら、国内に留まることなく世界に向けて様々なアプローチで、著作物の創出サイクルと価値の最大化に取り組みます。 ② 戦略投資の実行と事業ポートフォリオ最適化 当社グループは、各事業で創出した収益を持続的な成長を見据えた戦略的な投資に適切に配分し、最適な事業ポートフォリオを構築することで成長を一層加速します。資本コストや資本収益性を意識した規律ある投資行動と効率的な事業運営に努めることで、創出する事業価値の最大化を図るとともに、経営・事業の多角化により最適な事業ポートフォリオ構築に取り組みます。 ③ メディアドゥらしい人材の育成・獲得 当社グループは、求める人材像「私たちを育んでくれた環境を感謝でき、敬意を持って自ら動く」を体現する人材を育成・獲得することで、持続的な企業価値向上を実現します。社是「成長と可能性」において、互いの可能性を信じ尊敬し合い、成長を喜び合う良好な信頼関係を長期に築くことが何よりも大切な価値であることを示している通り、当社グループの価値創造の根幹は「人材」です。こうした企業文化と従業員の働く目的意識を調和させ、当社グループで働く意欲を高める施策を実行します。また、適切な人事制度の改善と充実にも注力し、従業員の能力の向上に取り組みます。 ④ 地域のエンパワーメント 当社グループは、創業期から地域社会に支えられる中で成長を遂げてきた企業であるという認識に立ち、引き続き地域社会との社会関係資本を拡大し、当社グループと地域社会の両者の持続的な成長と発展を実現します。地方創生に資する各事業において、創業者の経営精神を基礎とした当社グループ独自のアプローチで地域社会の課題解決に貢献し、出版業界の枠組みを超えた地域社会との協働関係を一層深める取り組みを推進します。 ⑤ 働く環境の整備 当社グループは、価値創造の根幹である多様な人材が最大限に能力を発揮して活躍しながら、長期的に働くことのできる環境を整えることで、安定した経営基盤の構築・維持、当社グループが提供するサービスの質・生産性の向上を実現します。従業員の健康で豊かな生活を追求し、個人の人格を構成する多様な性質・背景を尊重するため、職場環境、健康環境、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)環境の整備に取り組みます。 ⑥ ガバナンス強化 当社グループは、経営のグローバル化を進める中で、更なる業容拡大と企業価値の向上の観点から、コーポレート・ガバナンスの充実による経営の健全性と透明性の向上が重要な経営課題であると認識しています。公正かつ透明性、実効性の高い経営の実現に向けて、取締役会の監督のもと、適切な資源配分、意思決定の迅速化等、コーポレート・ガバナンスにおける不断の改善を図ります。 ⑦ コンプライアンス強化 企業経営の健全性を向上するためには、企業倫理の確立や意識の全社的な浸透が必須であり、これにより当社グループや各機関及び全役職員一人ひとりが的確かつ公正な意思決定を行う風土が醸成されると考えています。同時に、企業市民として有する社会的責任を常に意識して行動することが多様なステークホルダーからの信頼の獲得に繋がるという認識のもと、事業活動を遂行してまいります。 ⑧ 情報セキュリティ強化 デジタルコンテンツを取り扱う当社グループは、豊かな文化の発展に寄与する社会インフラを提供し、著作物の健全な流通と創造サイクルの構築を実現するため、著作者、出版社、書店、ユーザー(読者)といった各ステークホルダーが安心・信頼して利用できるサービス及びシステムの構築が不可欠との前提に立ち、重要な経営課題として情報セキュリティの強化に取り組んでいます。 ⑨ 先端テクノロジーの活用 当社グループは、新しい技術の研究と活用によってプロダクトやサービスを開発・提供します。持続的に数多くの著作物が創出され、多くの人々が享受するための様々な課題を解決し、文化の発展に貢献する存在となることを目指します。 ⑩ 自然資本の保護と最適活用 環境への負荷低減は、持続可能な地球環境を次世代に引き継いでいくため、そして100年先まで続く企業体を目指す当社グループにとって取り組むべき重要な課題の一つです。当社グループは、自らの事業活動で使用する自然資本の実態把握と効率的な活用策を講じるとともに、業界全体における資源利用の最適化にも積極的に寄与することを見据えながら、持続可能な業界・事業環境の構築を目指します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。 なお、当社グループでは展開する事業を『電子書籍流通事業』と『戦略投資事業』の2つのセグメントに区分しております。2026年2月期を初年度とする新たな中期経営計画の策定を契機として、当連結会計年度よりSC(Sustainability Creation)事業を「戦略投資事業」の区分に含める報告セグメントの変更を行っております。そのため、前年同期比較においては、当該変更後の報告セグメントの区分に基づき作成した前年同期の数値を用いております。 『電子書籍流通事業』は、電子書籍の流通拡大に貢献する役割を担い、当社の中核事業となっている取次事業に加え、株式会社クレディセゾンと運営する“まんがセゾン”等の事業によって構成されています。『戦略投資事業』は、国際事業、IP・ソリューション事業及びSC(Sustainability Creation)事業の3事業によって構成され、電子書籍流通事業に比肩する第二の収益軸の確立に向けて、出版バリューチェーン及び地域社会に貢献する多様なサービス・ソリューションを提供しております。 ① 財政状態及び経営成績の状況当社グループの当連結会計年度の経営成績及び財政状態は以下の通りとなりました。 a)経営成績 当連結会計年度における当社グループの連結業績は、2025年7月に獲得した新規商流の業績寄与並びに既存商流の売上成長により電子書籍流通事業の売上高が好調に推移し、主にIP・ソリューション事業において利益改善が進んだ戦略投資事業での営業損失が縮小したものの、電子書籍流通事業における利益率の高いサービスが終了したこと、戦略投資事業における改善が想定より遅れていることにより、営業利益は前年同期比で微減となりました。 また、当連結会計年度においては、戦略投資事業に属する連結子会社に係るのれん等の減損損失328百万円や投資有価証券評価損528百万円を特別損失として計上した一方、関連会社であるMyAnimeListの株式売却益を特別利益として計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期を大きく上回りました。  以上の結果、当連結会計年度の業績については、次の通りとなりました。  売上高              108,537百万円(前年同期比6.5%増)  営業利益              2,453百万円(前年同期比0.9%減)  経常利益              2,548百万円(前年同期比8.0%増)  親会社株主に帰属する当期純利益   1,818百万円(前年同期比33.3%増)  EBITDA            3,667百万円(前年同期比3.2%減)  1株当たり当期純利益          119.85円(前年同期は90.08円)  なお、営業利益の主な増減要因は下記の通りであります。  売上高の増加             6,623百万円  著作料等の売上原価の増加      △7,052百万円  販売費及び一般管理費の減少       407百万円 (電子書籍流通事業) 電子書籍流通事業については、国内最大の電子書籍取次事業者として引き続き「コミックシーモア」「Amazon Kindle」等の電子書店への電子書籍の取次や電子書籍配信ソリューションの提供を行いました。2026年2月末時点で、取引先としての出版社は2,200社以上、電子書店は150店以上、取扱コンテンツ数は326万点以上、出版社や電子書店とのキャンペーン管理数は年間2.0万件以上にのぼっております。近年、電子書籍市場が拡大するなかで出版社と電子書店が取り扱うコンテンツ数とキャンペーン数は増大し続けており、電子書籍の流通にかかる運用コストは年々増加しております。電子書籍取次の存在意義が高まるなか、当社は取引先各社との基幹システムの連携に加え、話配信管理システム等、取引先のニーズに合わせた新規システムの開発を行うほか、取次に関して蓄積されたノウハウに基づくきめ細やかなサポートを通じて、電子書籍の円滑な流通及び出版社と電子書店の業務の効率化、配信事故率の低減に貢献することで、電子書籍市場の拡大と、流通シェアの拡大を目指しております。 当連結会計年度においては、大手書店を中心とした既存商流の好調、及び2025年7月より取引を開始した「めちゃコミック」の貢献により、増収となりました。一方で、利益率の高いサービスの終了による影響を受け減益となりましたが、増収効果により減益幅は期初想定より小幅となりました。 その結果、売上高は101,107百万円(前年同期比7.8%増)、セグメント利益は4,919百万円(前年同期比1.2%減)となりました。 (戦略投資事業) 戦略投資事業においては、中長期における注力事業として国際事業、IP・ソリューション事業、SC(Sustainability Creation)事業の3事業を展開しております。 国際事業については、主に海外子会社によるSaaS型ビジネスモデルによる出版社向けDXサービスの提供が堅調に推移したことにより増収となった一方で、国際事業全体の体制強化に係る販管費の増加により減益となりました。 IP・ソリューション事業については、日本文芸社におけるコンテンツ創出とそのマルチメディア化推進、フライヤーにおける本の要約サービス提供、そのほかオーディオブックの制作や電子図書館サービスの運営を通じて、出版コンテンツ市場拡大への貢献を目指しております。日本文芸社においては、実用書の改善が売上利益に貢献する一方で、コミックスにおける改善に注力しております。前年同期比で損益は改善しているものの、引き続き筋肉質な収益構造化に向けた取り組みを進めてまいります。書籍の要約サービスを提供するフライヤーは、法人契約数が着実に増加したことで前年同期比では増収、引き続き営業黒字となりました。2025年9月に株式会社AIStepを、2026年2月に株式会社Zealoxをそれぞれ子会社化し、グループ収益力の強化に取り組んでおります。 SC事業については、行政や金融機関等との連携を通じて、地域活性化に繋がる事業を手掛けることで新たな価値を生み出し、持続可能な社会づくりに貢献することを目指しております。がんばろう徳島が運営する男子プロバスケットボールクラブ「徳島ガンバロウズ」は、B3リーグ参入2年目の2024-2025シーズンにおいて営業黒字を達成しております。2025年9月から始まった2025-2026シーズンにおいても増収増益となり、着実な成長を続けております。 その他、小説投稿サイトを運営するエブリスタについて、2025年2月の株式譲渡に伴い連結対象外となったことが売上高の減少要因となったものの、特にIP・ソリューション事業における改善施策の進捗等が損益改善に寄与し、前年同期比で営業損失が縮小しました。 その結果、売上高は8,716百万円(前年同期比7.4%減)、セグメント損失は631百万円(前年同期はセグメント損失953百万円)となりました。 b)財政状態(資産の部) 当連結会計年度末における資産合計は、56,926百万円(前年同期比7.1%増)となり、前連結会計年度末に比べ3,765百万円増加しました。 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ4,041百万円増加し、44,001百万円(前年同期比10.1%増)となりました。 主な要因は、現金及び預金が422百万円、売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産)が3,730百万円、それぞれ増加したことによるものであります。 当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ275百万円減少し、12,924百万円(前年同期比2.1%減)となりました。 これは主に、無形固定資産に含まれるのれんが168百万円減少したことによるものであります。 (負債の部) 当連結会計年度末における負債合計は、37,704百万円(前年同期比6.4%増)となり、前連結会計年度末に比べ2,252百万円増加しました。 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ3,466百万円増加し、35,686百万円(前年同期比10.8%増)となりました。 これは主に、支払手形及び買掛金が2,749百万円、未払法人税等が669百万円、それぞれ増加したことによるものであります。 当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,213百万円減少し、2,017百万円(前年同期比37.6%減)となりました。 これは主に、長期借入金が1,129百万円減少したことによるものであります。 (純資産の部) 当連結会計年度末における純資産合計は、19,221百万円(前年同期比8.5%増)となり、前連結会計年度末に比べ1,513百万円増加しました。 これは主に、利益剰余金が1,271百万円増加したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、14,014百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は2,454百万円(前年同期比37.6%減)となりました。 これは主に、税金等調整前当期純利益2,502百万円、減価償却費749百万円、減損損失328百万円、のれん償却額464百万円、仕入債務の増加額2,730百万円が資金の増加要因となった一方、売上債権の増加額3,832百万円が減少要因となったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は426百万円(前年同期は137百万円の収入)となりました。 これは主に、投資有価証券の売却による収入640百万円、関係会社株式の売却による収入774百万円が増加要因となった一方、無形固定資産の取得による支出513百万円、投資有価証券の取得による支出1,053百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出368百万円が減少要因となったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は1,596百万円(前年同期は1,534百万円の支出)となりました。 これは主に、長期借入れによる収入350百万円が資金の増加要因となった一方、長期借入金の返済による支出 1,542百万円、配当金の支払額546百万円が減少要因となったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a)生産実績 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 b)受注実績 当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する該当事項はありません。 c)販売実績 当連結会計年度の販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)金額(百万円)前年同期比(%)電子書籍流通事業101,107107.8%戦略投資事業8,71692.6%調整額△1,286-合計108,537106.5%(注)1.セグメント間取引については「調整額」にて相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年3月1日至 2025年2月28日)当連結会計年度(自 2025年3月1日至 2026年2月28日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)NTTソルマーレ㈱ (注)26,82526.329,90727.6Amazon Services International LLC16,03115.717,48316.1(注)2025年7月1日付でエヌ・ティ・ティ・ソルマーレ㈱から社名変更がなされております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a)経営成績等に関する分析 当該事項につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。 b)経営成績に重要な影響を与える要因について 「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 c)資本の財源及び資金の流動性(資金需要) 当社グループでは、中長期にわたり持続的な成長を図るべく、運転資金においてコンテンツ制作費のほか、優秀な人材確保のための採用費用及び人件費等の販売費及び一般管理費等への資金需要があります。加えて、M&Aや資本業務提携、新規事業開発といった戦略投資に係る資金需要があります。 また、設備資金需要といたしましては、基幹システムの追加機能開発及び新規サービスのためのソフトウエアへの投資等があります。 (財務政策) 当社グループの事業活動の中長期的な拡大と高度化に必要な資金を安定的に確保するとともに、財務・財政状態の健全性及び機動性に配慮しながら資本コストの最適化を図るべく、運転資金については内部資金の活用及び金融機関からの借入を中心として賄い、戦略投資に係る資金については、内部資金に加えて、金融機関からの借入やエクイティファイナンスといった多様な資金調達手段から調達時の状況に応じた最適な手段を選択し、資金調達を行ってまいります。 d)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当連結会計年度においては、電子書籍市場の年間成長率の堅調な推移と、当社グループの電子書籍流通事業における新規商流の獲得や既存商流の売上成長が業績に寄与し、連結売上高について期初予想を上回った一方、戦略投資事業における赤字幅の縮小や黒字化に向けた改善に遅れが生じたことなどから、連結営業利益については期初予想を下回る着地となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益については、関連会社であるMyAnimeListの株式売却益を計上したものの、戦略投資事業に関連する特別損失として減損損失328百万円、投資有価証券評価損528百万円を計上したことなどから、期初予想を下回る着地となりました。 当社が定める経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等、及び各々の指標等に関する業績予想の達成状況については下表の通りであります。 2026年2月期計画2026年2月期実績計画比売上高1,060億円1,085億円102.4%営業利益27.2億円24.5億円90.2%EBITDA39.3億円36.6億円93.3%親会社株主に帰属する当期純利益20.0億円18.1億円90.9%ROE10.9%9.9%-1.0pt e)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(電子書籍流通事業) 「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載した要因により、売上高は101,107百万円(前年同期比7.8%増)、セグメント利益は4,919百万円(前年同期比1.2%減)となりました。 (戦略投資事業) 「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載した要因により、売上高は8,716百万円(前年同期比7.4%減)、セグメント損失は631百万円(前年同期はセグメント損失953百万円)となりました。 ② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成に当たっては、経営者により、会計基準の範囲内で一定の見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの会計上の見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

事業リスク

  • 電子書籍市場の競争激化
    電子書籍流通事業は、メディアドゥの売上高の大部分を占める基幹事業ですが、新規参入の障壁が低いことや、新たな形態の出版コンテンツの登場により、競争が激化する可能性があります。ユーザーの嗜好変化への対応遅れや、業界の取引慣行・価格体系の変化は、業績に大きな影響を与える可能性があります。
  • 外部要因による事業中断
    大規模な自然災害(地震、台風など)や、テロ、不正アクセスなどにより、通信ネットワークや情報システムが停止した場合、電子書籍の配信サービスに支障が生じる可能性があります。これにより、顧客からの信頼低下や復旧に多額の費用が発生し、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 海賊版サイトの影響
    電子書籍コンテンツの不正複製や海賊版サイトの流通は、出版社や著作権者に不利益をもたらし、結果としてメディアドゥの収益にも影響を与える可能性があります。対策は講じられているものの、大規模な侵害行為が長期にわたって続いた場合、機会損失が生じ、業績に中〜大程度の悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|7,009 文字
3【事業等のリスク】 当社グループでは、リスク発生の抑制及び会社損失の最小化を図ることを目的として「リスク管理規程」を制定しております。それに基づき、持続的成長や事業活動の遂行に影響を与える可能性のあるリスクの抽出、評価(アセスメント)及び対策について、サステナビリティ推進委員会(原則、四半期に1回開催)が主体となって検討するとともに、各リスクに対するリスクオーナーを指名、明確化することで対応の実効性の担保に努めております。またリスクアセスメント結果については、取締役会に報告し、取締役会は、経営目線でのリスク間の相対的な関連性を検討・考慮した上で、対処すべきリスクの優先順位を決定し、対策実施の指示をすることとしております。 重要と判断したリスクについては、当社グループの各事業、コーポレート部門、マネジメント等の各レイヤーが当該リスクの内容に応じた対応・対策を検討・協議し、サステナビリティ推進委員会がその進捗をモニタリングするほか、特に緊急性の高いと思われるリスク項目については経営危機管理マニュアル、危機管理広報マニュアルを制定したうえで対処フローを明確化する等、常にリスクに備えるとともに、継続的な改善を図るよう努めております。監査役は取締役会への参加、重要書類の閲覧・確認、会計監査人との連携等を通じて、対処すべき優先順位の高いリスクについて有効な対策が実施されているかをモニタリングしております。加えて、コンプライアンスに関連する方針や規程を制定し、当社グループの役職員が遵守すべき法令、ルールを定め、内部監査等により遵守状況の確認を行っております。  なお、リスクの抽出においては、リスクを戦略遂行リスクとオペレーショナルリスクに分類しており、それぞれは以下の通り定義しております。 (1) 戦略遂行リスク 経営方針の策定及び事業戦略の遂行にあたり、企図する成果や効果が予定通り獲得できない可能性の程度及びその発生可能性であり、持続的成長を実現するにあたり、影響の範囲・程度を認識しつつ、対応策も含め検討するリスク (2) オペレーショナルリスク 戦略遂行を支えるオペレーション上の事象・障害の発生可能性及び損失可能性であり、事業遂行上、一定以下に抑制すべきリスク <リスクマネジメント体制> 当社グループは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 <サステナビリティ共通>(1)ガバナンス」に示すサステナビリティ推進体制のもとで継続的なリスクマネジメントを行っております。  上記を踏まえ、本書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については下記の通りであります。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、将来や想定に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、実際の結果と大きく異なる可能性もあります。以下の記載は、投資家に対する積極的な情報開示を目的として発生頻度や内外要因分析をマッピングするなどして記載しておりますが、当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)当社グループの戦略遂行リスクについて① 電子書籍業界の成長性 当社グループにおける「電子書籍流通事業」は2026年2月期現在、売上高が101,063百万円で連結売上高全体の93.1%を占める基幹事業であります。「電子書籍流通事業」においては、多くの出版社等と取引関係を構築することに時間を要するため、新規参入には一定の障壁があります。一方で法制度や規制又は特許等の観点における参入障壁は低く、またコンテンツ提供元である出版社等も非独占的にコンテンツ提供を行っております。 「電子書店」や「出版事業」については今後、さらなる競合他社の参入増加や新たな形態の出版コンテンツ等の伸長も予想されます。また、ユーザーの嗜好の急激な変化への対応の遅れによりサービス・ソリューション提供機能や技術の陳腐化・コモディティ化を招いた場合や業界における取引慣行や価格体系が変化した場合など、計画策定時の想定を超える不確定要素が顕在化した場合には、当社グループの経営方針や経営戦略の変更を余儀なくされる可能性、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。影響度対応策競争環境の変化等によって、大きな業績影響(数億円~10億円超)が生じる可能性があります。引き続き電子書籍市場の拡大に注力するとともに、流通カロリーの低減に向けた顧客密着型対応に向けたBIツール開発及び人員体制強化に加え、出版社や電子書店とのシステム連携及びセキュリティ基盤の強化等、業界のインフラとしての役割の強化に向けて、コンテンツラインナップの充実や当社グループが提供する配信システムの強化、ユーザーニーズに適合したサービス・ソリューションの開発・提供や先進技術への対応等により、出版市場全体とユーザーのすそ野拡大への寄与だけでなく、競合他社との差別化を図ってまいります。 ② 外的要因(自然災害等)による事業への影響 当社グループは、インターネット等の各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムなどを構築・整備しています。しかしながら、不測の大規模地震や台風・豪雨・大雪、及び火山活動等の自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為・不正アクセスなどの攻撃により、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合には、当社グループの事業活動・各種サービスの提供に支障をきたす可能性があります。これらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になり、また、通信ネットワークや情報システムなどを復旧するために多額の費用負担が発生するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。影響度対応策事業活動等に支障が生じることで、大きな業績影響(数億円~10億円超)が生じる可能性があります。当社グループは、出版コンテンツにおける社会インフラの役割を担う立場として、著作者、出版社、ユーザー(読者)が安心・信頼して利用できる仕組みの持続可能な提供を目指しており、システムや業務の冗長化に向けた対策の実施および対策組織の体制構築に取り組んでおります。また、リスク管理規程に紐づく経営危機管理マニュアルや危機管理広報マニュアル等、有事対応のマニュアル化や具体的な災害事象を想定したBCP策定について継続的に協議・検討を進めている等、不慮・不測の事態に備えた取り組みを進めております。 ③ 海賊版サイト等の影響 電子書籍コンテンツは、不正に複製された海賊版が流通することによって出版社や著作権者等に不利益をもたらします。当社グループでは、当社と出版各社等が設立した一般社団法人ABJでの活動を通じて、出版社やインターネットサービスプロバイダー等と協働し、海賊版サイトの情報収集、正規版サービスの認定ならびに認定マークの付与、海賊版対策全般の啓蒙活動に取り組んでおります。他方、政府主導により著作権等の法制度改正・整備といった対応策も進んでおりますが、仮に電子書籍コンテンツの知的財産権について、長期にわたり大規模な侵害行為を受けた場合には、その侵害行為によって生じる機会損失が当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。 影響度対応策海賊版サイト等の利用者が増加し、被害が拡大することで、中~大程度の業績影響(数億円~10億円規模)が生じる可能性があります。足元では、海外に拠点を置く海賊版サイトへのアクセス数は2025年12月以降にピーク時の6分の1程度の規模に減少しており、2026年2月期時点で当社グループの収益に甚大な悪影響は見られないものの、引き続き出版業界や政府とも連携しながら、運営者の特定や検索結果への非表示措置、サイトの閉鎖といった対応を進めております。 ④ 特定業界・取引先からの仕入依存 当社グループは国内最大手の電子書籍取次事業者として出版業界を主たるマーケットとしております。したがって「電子書籍流通事業」では、各種コンテンツを様々な出版社を中心に仕入れております。特に、大手出版社にコンテンツが集中することなどから、当社グループの電子書籍コンテンツの仕入総額に占める大手出版社の比率は、ここ数年来高止まりの傾向が継続しております。中長期的には、電子書籍市場の拡大とともにユーザーニーズも多様化して、特定の仕入先への依存度は低くなっていくものと考えておりますが、当面の間はこれらの大手出版社等に対する仕入依存は高いまま推移すると予想しております。 これらの大手出版社等とは電子書籍市場拡大に向けた協力体制を維持・構築しておりますが、永続的な取引が確約されているものではなく、取引条件の変更等があった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。影響度対応策取引条件の変更等が生じることで、小~大程度の業績影響(数千万円~10億円規模)が生じる可能性があります。取引先との条件交渉の頻度は高くないものの、定期的な見直しを取引先、当社の双方にて実施しております。引き続き、電子書籍市場拡大に向けた協力体制の維持と拡大を図る一方、電子書籍取次ビジネスに加えて、第二の収益軸の構築に取り組んでまいります。 ⑤ システム・情報セキュリティリスク 当社グループのサービスは、スマートフォン等の端末によるインターネット接続により利用されておりますが、当社グループのサービスに対するアクセスの急激な増加等、一時的な負荷増大によって当社グループ又は通信キャリアのサーバが作動不能に陥った場合や、当社グループのハードウエア又はソフトウエアの欠陥により正常な情報発信が行われない場合には、システムが停止しサービス提供が不可能となる場合があります。さらには、外部からの不正アクセスや当社グループ担当者の過誤等によって、当社グループや取引先のシステムが毀損されたり、個人情報や取引先情報等の重要なデータを消失又は不正に取得されたりする可能性があります。 当社グループとしては、侵入防止策、担当者の過誤を防止する体制を構築し継続的な改善に努めておりますが、このような障害やアクシデント等が発生した場合には、当社グループに直接損害が生じる他、当社グループの社会的信用・信頼の低下を招きかねず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 影響度対応策当社の一部事業における停止や、当社への信頼・評判が毀損することにより、中~大程度の業績影響(数億円~10億円規模)が生じる可能性があります。当社では、IT統括本部にて整備した情報セキュリティ規程及び関連細則を運用するとともに、情報セキュリティハンドブックの作成・配布、情報セキュリティ関連の社員教育をe-ラーニングで配信し、情報セキュリティにおける人的リスクを低減しております。また、情報セキュリティリスクアセスメント、脆弱性診断、ペネトレーションテストの実施により可視化した課題の改善計画を立て、最新攻撃手法の情報収集と分析・対策、不正アクセス等を未然に防止する対策強化に資するシステム等の導入、異常検知の範囲拡大と迅速化等を実施することで、外的脅威等を防ぐセキュリティ強化に努めております。引き続き、営業活動やシステム開発、バックオフィス業務などを含む全社横断の情報セキュリティ対策に継続して取り組んでまいります。 ⑥ 投資や減損に関するリスク 当社グループにおける2026年2月期末現在の投資項目の計上額は、ソフトウエアが587百万円、のれんが4,029百万円、投資有価証券が5,714百万円となっております。 当社は新規事業開発やシステム開発、他企業の株式取得等において、取締役会の下に設置された投資委員会等の会議体にて慎重な検討を行ったうえで投資判断を実行しておりますが、競争環境の激化等の要因によって当初計画通りの事業進捗が実現しない場合、減損や想定以上の費用等が発生するため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。影響度対応策事業推進遅延等の影響が生じることで、中~大程度の業績影響(数億円~10億円規模)が生じる可能性があります。当社グループは、資本コストや資本収益性を常に意識しながら規律ある投資行動と効率的な事業運営に努めることで、創出する事業価値の最大化に取り組んでおります。また、これら投資の実行と併せて、経営・事業の多角化を図りながら最適な事業ポートフォリオの構築に向けた事業や投資先の評価基準としてROIC基準を8%に定め、モニタリング体制等のプロセス全体の改善に取り組んでまいります。 (2)当社グループのオペレーショナルリスクについて① 人材の獲得 当社グループが今後さらに成長していくためには、事業推進者、コンテンツ拡充のための企画・開発・運営担当者、システム技術者及び拡大する組織に対応するための管理担当者など、各方面での優秀な人材をいかに育成・確保していくかが重要になります。当社グループでは優秀な人材の育成・確保に努めておりますが、適切な人材の獲得・配置及び育成が円滑に進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。影響度対応策事業推進遅延等の影響が生じることで、中程度の業績影響(数億円規模)が生じる可能性があります。事業推進やシステム開発等において、現時点で大幅な人員不足やプロジェクトの遅延等の影響は出ておりませんが、一層の事業成長を図るなか、エンジニアを中心に人材獲得需要はすでに高まっております。人材が長期に働き活躍できる職場環境・健康環境・D&I環境の整備のほか、社員一人ひとりが当社グループの価値創造において自身の果たすべき役割を意識しながら挑戦し、組織に貢献する範囲を拡大することができるよう、年次にかかわらず適切な処遇を実施するために2025年2月期より人事制度を刷新し、継続的に見直しと改善を図ることで、人材確保と定着率の向上に取り組んでおります。 ② 内部管理体制 当社グループは、企業価値の持続的な増大を図るためにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要であると認識しております。 また、当社グループでは、役職員等の内部関係者の不正行為等が発生しないよう、コンプライアンスに関連する規程を制定し、当社グループの役職員が遵守すべき法令、ルールを定めているほか、内部監査室を設置し、遵守状況の確認等の取組み強化を図っております。 しかしながら、法令等に抵触する事態や内部関係者による不正行為が発生するといった事態が生じた場合、事業の急速な拡大により内部管理体制の構築が追いつかない等の事態が生じる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。影響度対応策当社への信頼・評判が毀損することにより、中程度の業績影響(数億円規模)が生じる可能性があります。現時点でコーポレート・ガバナンス上の問題は生じておりませんが、将来の事態発生を抑止すべく、内部管理、内部統制体制の充実を図る必要があるものと認識しており、社員のコンプライアンス意識醸成を目的とした計画的なe-ラーニングをグループ会社を含めて導入しているほか、当社の定めるコンプライアンス行動指針(17項目)、その他規程類の見直しと再整備等を行うことで、サステナビリティ推進委員会における全社リスクマネジメント活動と併せて実効性の強化に努めております。 ③ 特定人物への依存 当社グループの代表取締役社長CEOである藤田恭嗣は、当社グループの強みである事業モデルの創出や経営方針及び経営戦略の策定において中心的な役割を果たしております。当社グループは、同氏に対して過度に依存しない経営体制の構築を目指し人材の育成・強化にとどまらず、経営体制の整備に注力しておりますが、同氏が何らかの理由により業務執行できない事態となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。影響度対応策事業推進遅延等の影響が生じることで、中程度の業績影響(数億円規模)が生じる可能性があります。特定人物への依存によって現在生じている影響はありませんが、取締役会及びその諮問機関である指名報酬諮問委員会において、将来あるべき経営体制及び後継者計画の検討と策定に向けた協議を進めており、持続可能な企業運営及びボードガバナンスの確立に取り組んでまいります。

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