3652

ディジタルメディアプロフェッショナル(3652)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • IPコアライセンス事業
    精細な画像を描画するハードウェアIP(設計データ)とソフトウェアIP(制御ツール)を開発し、半導体メーカーや最終製品メーカー(ゲーム機器、自動車、モバイル機器、家電など)にライセンス(使用許諾)を提供しています。これにより、顧客は自社製品に当社の技術を組み込むことができ、当社はライセンス料やロイヤリティ収入を得ます。この事業は、技術提供を通じて幅広い産業を支えるビジネスモデルです。
  • 製品事業
    自社開発したグラフィックスIPコアを搭載したLSI製品(半導体チップ)を、主にパチンコやパチスロなどのアミューズメント機器向けに販売しています。また、AI LSIはAIを使用する機器に組み込まれ、量産ドローン向けカメラモジュールや協働ロボット向け画像認識システムなども仕入れて販売しています。自社で製造設備を持たず、半導体メーカーに製造を委託するファブレスモデルを採用しています。
  • プロフェッショナルサービス事業
    当社のIPコアを顧客のシステム全体に最適化する設計サービスや、GPU/ビジョン/AI技術を活かしたアルゴリズム開発、ソフトウェア・ハードウェア開発を提供しています。これは、顧客が製品開発を進める上で直面する技術的な課題を解決し、より高度な製品を実現するための支援を行う事業です。顧客のニーズに応じたカスタマイズされた技術支援を通じて収益を得ています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • IPコアライセンス事業
    この事業では、精細な画像を描画するためのハードウェアIP(論理設計データ)やソフトウェアIP(ドライバー、ツール)を開発し、半導体メーカーや最終製品メーカーにライセンス(使用許諾)を提供しています。主な収入源は、IPコアの使用許諾による「ライセンス収入」と、顧客製品の販売数量に応じた「ランニングロイヤリティ収入」、クラウドサービス利用に応じた「サブスクリプション収入」です。顧客の製品開発段階から量産・販売段階まで、継続的に収益を得るビジネスモデルです。
  • 製品事業
    自社開発したIPコアを搭載したLSI製品(半導体チップ)を、半導体メーカーに製造を委託し、主にパチンコ機やパチスロ機などのアミューズメント機器向けに販売しています。また、AI LSIはAIを使用する機器に、量産ドローン向けカメラモジュールや協働ロボット向け画像認識システムなども提供しています。この事業は、自社の技術を具体的な製品として市場に提供し、販売を通じて収益を上げています。
  • プロフェッショナルサービス事業
    この事業では、当社のIPコアを顧客のSoC(System-on-a-Chip)システム全体に統合・最適化する設計サービスを提供しています。また、自社で培ったGPU(画像処理装置)やビジョン(画像認識)、AI(人工知能)技術を基に、顧客の製品に最適なアルゴリズム開発やソフトウェア・ハードウェア開発を支援しています。顧客の技術課題を解決するためのコンサルティングや受託開発を通じて、専門的なサービス収入を得ています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,704 文字
3【事業の内容】 当社グループは、精細な画像を描画するために必要なハードウエアIPおよびソフトウエアIP(以下、合わせてグラフィックスIPコアという)を開発して、主にゲーム機器、自動車、モバイル通信機器、家電製品等に組み込まれる半導体向けのIPコアを当社の顧客である半導体メーカーや半導体が組み込まれた最終製品メーカー(ゲーム機器メーカー、モバイル通信機器メーカー等)に提供する事業を展開しております。 また、上記の開発によって得られたグラフィックスIPコアを搭載したLSI製品をパチンコ機およびパチスロ機(以下、アミューズメント機器という)向けに提供する事業を拡大しております。 さらに、ディープラーニングなどの人工知能(注1)に必要なハードウエアIPおよびソフトウエアIPを開発し、顧客に提供する事業を展開しております。  当社グループは、単一セグメントであるため、事業別に記載しております。(1)IPコアライセンス事業 IPコアライセンス事業は、ハードウエアIP(論理設計データ等)やソフトウエアIP(主にハードウエアを制御するドライバーやコンテンツ制作を支援するツール類)を提供します。半導体メーカーや半導体が組み込まれた最終製品メーカー等に向けてライセンス(使用許諾)を供与しております。なお、当社は顧客に対してライセンスを供与しますが、顧客が第三者であるソフトウエア開発メーカーに対し当該ライセンスをサブライセンス(再許諾)する権利を、当社から顧客に与える場合もあります。 当社が開発したIPコアを顧客にライセンスして得られる収入は、その種類によって(a)ライセンス収入、(b)リカーリング収入に区分しております。(a)ライセンス収入顧客が家電製品等の開発を進める過程で、当社がIPコアのライセンスを与えたことによる対価として得られる収入です。顧客は、ライセンスされた当社IPコアをベースに、製品の企画開発、生産を行い、その性質上、当社が受領するライセンス収入は顧客の製品開発段階で発生します。(b)リカーリング収入①ランニングロイヤリティ収入顧客がIPコアを組み込んだ製品を販売する際に、製品出荷数量に応じて当社が顧客から収受する対価です。ランニングロイヤリティ収入は顧客製品の生産開始から生産終了まで数年間にわたり継続的に発生します。②サブスクリプション収入顧客が、当社が提供するSaaS(Software as a Service)型のクラウドサービスにアクセス、解析を行った件数(PV)に応じて当社が顧客から収受する対価です。サブスクリプション収入は顧客が当社クラウドサービスを利用する間、継続的に発生します。(2)製品事業当社のIPコアが組み込まれたLSI製品を、半導体メーカーに製造を委託したうえで販売しております。当該LSI製品のグラフィックスLSI(SoC)は主にアミューズメント機器等に組み込まれ、AI LSI(FPGA)はAIを使用する機器等に組み込まれます。また、量産ドローン向けカメラモジュール、米国Cambrian社の協働ロボット向け画像認識システム(ビジョンシステム)等の仕入、販売を行っております。(3)プロフェッショナルサービス事業 プロフェッショナルサービス事業は、当社の各種IPコアをインテグレーションして顧客のSoCシステム全体を検討・最適化する設計サービス、自社製品の開発により培ったGPU/ビジョン/AI技術をベースに、顧客の開発している製品に最適化したアルゴリズム開発(注2)、ソフトウエア開発からハードウエア開発に至るまでをプロフェッショナルサービスとして提供しております。(注)1.人工知能 (Artificial Intelligence, AI) とは、人間が行っている認知や判断を、コンピュータを使って行うためのソフトウエアやシステムのこと。具体的には、文章、画像、会話、音などを理解し判断するコンピュータプログラムなどのことです。2.「アルゴリズム」とは、問題を解くための効率的手順を定式化した形で表現したものを意味します。 [事業系統図]

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
独自のIPコア技術とソリューション提供により一定の価格決定力を持つが、市場競争も激しい。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
画像処理、グラフィックス処理、AI技術に関する高度なハードウエアIPおよびソフトウエアIPの開発力。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
会社が挙げる主要リスク:技術の進展と陳腐化 / 販売先の市場動向による経営成績への影響 / 研究開発の遅延または頓挫
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

現時点では、ディジタルメディアプロフェッショナルが保有する強力なブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な情報は確認できません。将来的な技術革新や知的財産権の取得状況によっては変化する可能性があります。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

同社が提供するFPGA開発ツールやIPコアは、特定の開発環境やプロジェクトに組み込まれている場合、顧客が他社製品へ移行する際には学習コストや再開発コストが発生する可能性があります。しかし、その度合いは限定的と考えられます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービス価値を指数関数的に高めるようなネットワーク効果は現時点では確認されません。個々の顧客との関係性が中心であり、プラットフォーム型のビジネスではありません。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

同社の事業は、高度な技術開発と専門知識を要する分野であり、構造的なコスト優位性を確立しているとは考えにくいです。競合他社との価格競争よりも、技術力や付加価値が重視される市場と考えられます。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

FPGA開発ツール市場において、ディジタルメディアプロフェッショナルは一定のシェアを持つと考えられますが、業界全体から見て最適化された少数寡占状態を形成しているとは言えません。市場規模に対して、競合は複数存在します。

  • 高度なグラフィックス・AI技術
    精細な画像処理やグラフィックス処理、そしてディープラーニングなどのAI技術に関するハードウェアIPとソフトウェアIPの開発に特化しています。これにより、ゲーム機器、自動車、モバイル通信機器など、高性能な画像処理が求められる多様な分野で、顧客の製品に不可欠な技術を提供できる点が強みです。常に最先端の技術を追求し、市場のニーズに応えています。
  • ファブレスモデルによる効率性
    自社で半導体製造設備を持たず、研究開発に特化することで、設備投資の負担を軽減し、効率的な事業運営を実現しています。製造は専門の半導体メーカーに委託することで、高品質なLSI製品を安定的に供給できる体制を構築しています。これにより、技術開発に経営資源を集中させ、変化の速い市場に対応できる柔軟性を持っています。
  • 多様な収益源と継続性
    IPコアライセンス事業では、初期のライセンス収入に加え、顧客製品の販売数量に応じたランニングロイヤリティ収入や、クラウドサービスの利用に応じたサブスクリプション収入といった継続的な収益モデルを確立しています。特にロイヤリティ収入は顧客製品の生産期間中、数年間にわたり発生するため、安定した収益基盤を形成し、事業の持続性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、パーパス「Making the Image Intelligent」のもと、当社創業以来のユニークな強みである画像インテリジェンスの力により、現実世界の問題を解決し、ステークホルダーに価値をもたらす革新的な製品とサービスの創造に努めております。顧客課題、社会課題等の解決と収益・利益の獲得を両立させることにより、企業価値の向上を果たしてまいります。 (2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題 世界的な社会・環境の大きなトピック・課題である「少子高齢化」、「気候変動」等に対して、その克服に社会や政界・経済界全体として取り組む機運が高まっています。当社グループは、これらの社会環境の変化をチャンスと捉え、社会・環境課題、顧客課題の解決に貢献することによって、利益を獲得し企業価値向上を実現することを、中長期的な経営戦略の基本方針としております。 ①顧客製品・サービスの開発サイクル全体に亘る付加価値提供 企画から量産までの顧客製品・サービスの開発ライフサイクル全体に亘り、アルゴリズム、ソフトウエアから、当社の強みであるハードウエアまでの一貫開発体制をもって、IPコアライセンス事業、製品事業、プロフェッショナルサービス事業を展開、付加価値を提供することで、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図ってまいります。また、顧客プロジェクトで培ったテクノロジー・ノウハウに基づく標準製品・サービスの開発・提供により、顧客開発に柔軟、迅速に対応するとともに、利益率の向上を図ってまいります。 ②注力市場での取り組み 当社は、創業以来の強みであるグラフィックス技術を生かし、絶対的な市場規模を持つアミューズメント分野に画像処理半導体を提供するキープレーヤーとして存在感を発揮しております。また、グラフィックス技術とそこから派生、涵養したAI(人工知能)・ディープラーニング技術を活用することで差異化が可能で、市場成長が期待でき、社会・環境課題解決にも貢献するロボティクス・セーフティ分野およびその応用ドメインに注力しております。 a. アミューズメント分野 当社の画像処理半導体RS1は、従来別々の半導体を使用していた2Dタイトルと3Dタイトルの共通プラットフォーム化を実現し、さらには、遊技機向けに仕様を最適化したことで、複数の基板で構成された機能のワンボード化も可能にしております。これにより遊技機メーカーの課題である遊技機の製造コスト削減や、コンテンツ開発環境の統合によるタイトル開発コストの削減が可能になります。 当社は、このユニークな2D・3D統合チップであるRS1を引き続きスマートパチスロ(スマスロ)を含むパチスロやパチンコ向けに量産出荷するとともに、その優位性を発揮できる市場セグメントにおけるシェア拡大を目指してまいります。 b. ロボティクス・セーフティ分野 当社は、ロボティクス分野では、ローコストで環境変動に強いビジュアルSLAM(VSLAM)であるZIA SLAMとそれをベースにした自律運転のフルパイプラインであるZIA MOVEおよび高速かつ高精度な距離推定を実現するステレオビジョンIPであるZIA SVを取り揃えております。ロボット導入効果の高い製造業、運輸物流業、建設業、ビルの施設管理等向けのサービスロボットの開発においてAMR/AGVベンダー、サービスプロバイダーとの協業を進めてまいります。協働ロボットの目の役割を果たすCambrianビジョンシステムのビジネスについては、精度、速度、ピッキング対象の広範さ、外乱光に対する堅牢性等の競合他社優位性が評価され、顧客製造インラインへの本格導入を含む製品納入や商談が進捗しております。今後は、インライン化を加速させ、ビジネス規模の拡大を図ってまいります。 また、セーフティ分野では、ドライブレコーダーを活用したリアルタイムの事故防止やヒヤリハット事象を活用した安全運転教育の需要に対して、クラウド(ZIA Cloud SAFE)からエッジ(ZIA SAFE)までの一貫サービスが提供できる競争優位性を生かし、初期ライセンスやプロフェッショナルサービスの提供に加えて、リカーリングビジネスを展開しております。加えて、ドライブレコーダーの活用に留まらず、市場拡大が期待できるより広範なセーフティ領域であるスマートシティ関連(人の属性・流れ・数、危険検知・予知等)の分野において、PoC案件の発掘・獲得から商用化に取り組んでおります。  近年、人間の作業者と同じ空間で稼働する協働ロボットや物流倉庫の自律搬送ロボット等の普及が進んでいます。ロボティクス技術の進化と社会実装が進むほど、人・モノとの接触やそのリスクを検知するセーフティ技術が重要となっています。ロボティクスとセーフティの両分野を統合的に捉えたビジネスの可能性を追求してまいります。 ③新たな事業による成長の加速 新たに取り組む次世代エッジ半導体事業とFA事業のダブルの成長エンジンにより、更なる収益拡大を目指してまいります。 低消費電力、高性能、高いセキュリティ要件を同時に満たす革新的なエッジAI半導体をモビリティ、スマートファクトリー、ドローン、スマートカメラ等の成長市場に投入することによって、収益拡大を図ってまいります。 また、FA事業においても、AMR、AGFといったロボット本体やそのコントローラー、センサー、モーターなどロボットを構成するキーコンポーネントとソフトウエアをワンストップで提供することにより、拡大する物流業/製造業スマート化の需要を取り込み、事業の成長を図ってまいります。加えて、提携製品と当社の画像認識技術・AI技術、画像半導体技術の融合により、更なる競争力強化を図り、市場シェアの拡大を目指してまいります。 両事業をアミューズメント事業に続く第二、第三の事業の柱とし、企業価値の飛躍的な向上を図ってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、パーパス「Making the Image Intelligent」のもと、当社創業以来のユニークな強みである画像インテリジェンスの力により、現実世界の問題を解決し、ステークホルダーに価値をもたらす革新的な製品とサービスの創造に努めております。顧客課題、社会課題等の解決と収益・利益の獲得を両立させることにより、企業価値の向上を果たしてまいります。 (2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題 世界的な社会・環境の大きなトピック・課題である「少子高齢化」、「気候変動」等に対して、その克服に社会や政界・経済界全体として取り組む機運が高まっています。当社グループは、これらの社会環境の変化をチャンスと捉え、社会・環境課題、顧客課題の解決に貢献することによって、利益を獲得し企業価値向上を実現することを、中長期的な経営戦略の基本方針としております。 ①顧客製品・サービスの開発サイクル全体に亘る付加価値提供 企画から量産までの顧客製品・サービスの開発ライフサイクル全体に亘り、アルゴリズム、ソフトウエアから、当社の強みであるハードウエアまでの一貫開発体制をもって、IPコアライセンス事業、製品事業、プロフェッショナルサービス事業を展開、付加価値を提供することで、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図ってまいります。また、顧客プロジェクトで培ったテクノロジー・ノウハウに基づく標準製品・サービスの開発・提供により、顧客開発に柔軟、迅速に対応するとともに、利益率の向上を図ってまいります。 ②注力市場での取り組み 当社は、創業以来の強みであるグラフィックス技術を生かし、絶対的な市場規模を持つアミューズメント分野に画像処理半導体を提供するキープレーヤーとして存在感を発揮しております。また、グラフィックス技術とそこから派生、涵養したAI(人工知能)・ディープラーニング技術を活用することで差異化が可能で、市場成長が期待でき、社会・環境課題解決にも貢献するロボティクス・セーフティ分野およびその応用ドメインに注力しております。 a. アミューズメント分野 当社の画像処理半導体RS1は、従来別々の半導体を使用していた2Dタイトルと3Dタイトルの共通プラットフォーム化を実現し、さらには、遊技機向けに仕様を最適化したことで、複数の基板で構成された機能のワンボード化も可能にしております。これにより遊技機メーカーの課題である遊技機の製造コスト削減や、コンテンツ開発環境の統合によるタイトル開発コストの削減が可能になります。 当社は、このユニークな2D・3D統合チップであるRS1を引き続きスマートパチスロ(スマスロ)を含むパチスロやパチンコ向けに量産出荷するとともに、その優位性を発揮できる市場セグメントにおけるシェア拡大を目指してまいります。 b. ロボティクス・セーフティ分野 当社は、ロボティクス分野では、ローコストで環境変動に強いビジュアルSLAM(VSLAM)であるZIA SLAMとそれをベースにした自律運転のフルパイプラインであるZIA MOVEおよび高速かつ高精度な距離推定を実現するステレオビジョンIPであるZIA SVを取り揃えております。ロボット導入効果の高い製造業、運輸物流業、建設業、ビルの施設管理等向けのサービスロボットの開発においてAMR/AGVベンダー、サービスプロバイダーとの協業を進めてまいります。協働ロボットの目の役割を果たすCambrianビジョンシステムのビジネスについては、精度、速度、ピッキング対象の広範さ、外乱光に対する堅牢性等の競合他社優位性が評価され、顧客製造インラインへの本格導入を含む製品納入や商談が進捗しております。今後は、インライン化を加速させ、ビジネス規模の拡大を図ってまいります。 また、セーフティ分野では、ドライブレコーダーを活用したリアルタイムの事故防止やヒヤリハット事象を活用した安全運転教育の需要に対して、クラウド(ZIA Cloud SAFE)からエッジ(ZIA SAFE)までの一貫サービスが提供できる競争優位性を生かし、初期ライセンスやプロフェッショナルサービスの提供に加えて、リカーリングビジネスを展開しております。加えて、ドライブレコーダーの活用に留まらず、市場拡大が期待できるより広範なセーフティ領域であるスマートシティ関連(人の属性・流れ・数、危険検知・予知等)の分野において、PoC案件の発掘・獲得から商用化に取り組んでおります。  近年、人間の作業者と同じ空間で稼働する協働ロボットや物流倉庫の自律搬送ロボット等の普及が進んでいます。ロボティクス技術の進化と社会実装が進むほど、人・モノとの接触やそのリスクを検知するセーフティ技術が重要となっています。ロボティクスとセーフティの両分野を統合的に捉えたビジネスの可能性を追求してまいります。 ③新たな事業による成長の加速 新たに取り組む次世代エッジ半導体事業とFA事業のダブルの成長エンジンにより、更なる収益拡大を目指してまいります。 低消費電力、高性能、高いセキュリティ要件を同時に満たす革新的なエッジAI半導体をモビリティ、スマートファクトリー、ドローン、スマートカメラ等の成長市場に投入することによって、収益拡大を図ってまいります。 また、FA事業においても、AMR、AGFといったロボット本体やそのコントローラー、センサー、モーターなどロボットを構成するキーコンポーネントとソフトウエアをワンストップで提供することにより、拡大する物流業/製造業スマート化の需要を取り込み、事業の成長を図ってまいります。加えて、提携製品と当社の画像認識技術・AI技術、画像半導体技術の融合により、更なる競争力強化を図り、市場シェアの拡大を目指してまいります。 両事業をアミューズメント事業に続く第二、第三の事業の柱とし、企業価値の飛躍的な向上を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用の緩やかな改善、名目賃金の増加、企業部門の堅調な業績等により、景気は緩やかに回復しました。しかし、円安の継続、物価やエネルギーコストの高騰等による経済、国民生活に与える影響が顕在化しています。また、世界の景気も総じて持ち直しの動きが見られましたが、金融引き締めによる影響に加え、中国経済の先行き懸念、足元の地政学的リスクの増大など下振れリスクに留意が必要です。 当社グループの属する半導体業界では、2023年に底打ちした市場を生成AI(人工知能)向け需要が牽引しています。中期的にも、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTやAI、ビッグデータ、次世代高速通信規格、自動運転向け等の需要拡大が見込まれます。 当社グループの事業領域であるAI/ビジュアル・コンピューティング分野においては、少子高齢化に伴う労働人口の減少、気候変動等の社会・環境課題の解決や安全安心社会の実現に向けたイノベーションの加速やAIの果たす役割の増大が予想されます。 このような環境下において、当社グループは、「Making the Image Intelligent」というパーパスのもと、当社の創業来の強みである画像インテリジェンス(画像の知能化)の力で現実世界の問題を解決し、ステークホルダーに価値をもたらす革新的な製品とサービスを創造することに取り組んでおります。アミューズメント分野およびIP分野の安定成長による確固たる事業基盤のもと、ロボティクスおよびセーフティ分野、その応用分野である半導体製造装置領域等において、企画から量産までの顧客製品・サービスの開発ライフサイクル全体をサポートしております。また、アルゴリズム、ソフトウエアから、当社の強みであるハードウエアまでの一貫開発体制をもって、IPコアライセンス事業、製品事業、プロフェッショナルサービス事業を展開し、付加価値を提供することで、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図っております。 当連結会計年度の注力分野における具体的な取り組みと成果としては、まずセーフティ分野において、安全運転支援向けにエッジからクラウドに亘る既存プロジェクトからのリカーリング収益を獲得するとともに、より広範なセーフティ分野向けを中心にプロフェッショナルサービスを提供いたしました。 ロボティクス分野においては、自律走行ロボット(AMR)向けのZIA MOVEライセンス提供に加えて、自律走行ロボット領域、半導体製造装置領域、映像点検領域、モデルベース開発ツールのRTMapsに関連した建設機械領域向け等にプロフェッショナルサービスを提供しました。また、資本業務提携先のCambrian社のピッキングロボット向けビジョンシステムについては、透明パーツ、光沢パーツの認識精度や外乱光等の環境変化へのロバスト性の競争優位性が評価され、製造インラインへの本格導入を含む製品納入や商談が進捗するとともに、各種展示会への出展によるマーケティング・リード獲得を推進いたしました。更には、世界をリードする中国ロボティクス企業3社と販売代理店契約を締結し、AMR、AGF(無人搬送フォークリフト)といったロボット本体やそのコントローラー、センサー、モーターなどロボットを構成するキーコンポーネントとソフトウエアの提供を2025年4月より開始いたしました。当社開発のVisual SLAMに加えてLiDARベースの製品を揃え、AMR向けにワンストップソリューションを提供してまいります。 アミューズメント分野においては、スマートパチスロを含むパチスロやパチンコ向けに画像処理半導体「RS1」の量産出荷を継続するとともに、引き続きこのユニークな2D・3D統合チップの優位性を発揮できる市場セグメントにおけるシェア拡大を目指しております。 新たな取り組みとして、2025年2月13日に公表した「新たな事業の開始に関するお知らせ」に記載の通り、高い画像処理技術を持つ台湾iCatch Technology社を戦略的パートナーとして、今後成長が期待されるエッジAI市場向けに次世代エッジAI半導体事業を開始いたしました。低消費電力、高性能、高いセキュリティ要件を同時に満たす革新的なエッジAI半導体を実現することで、世界の急速なエッジAIニーズの拡大に応えるとともに、本事業をアミューズメント事業に続く当社の長期的な事業基盤、成長エンジンとしてまいります。開発は順調に進んでおり、事業(販売)開始は2026年3月期第4四半期を予定しております。 当連結会計年度の業績につきましては、製品事業において画像処理半導体「RS1」の量産出荷を継続するとともに、Cambrianビジョンシステム等を出荷いたしました。IPコアライセンス事業においては、GPUやロボティクス向け新規ライセンス収入、AI/GPUランニングロイヤリティ収入、セーフティ分野およびロボティクス分野におけるリカーリング収益、メンテナンスサポート収入等を計上いたしました。また、プロフェッショナルサービス事業においては、AI/GPU受託開発サービスを提供いたしました。  以上の結果、当連結会計年度の売上高は、3,077百万円(前連結会計年度比2.0%増)、営業利益は265百万円(前連結会計年度比19.2%減)、経常利益は271百万円(前連結会計年度比17.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は157百万円(前連結会計年度比52.6%減)となりました。 なお、第3四半期連結会計期間に上記の次世代エッジAI半導体の開発費79百万円を計上しております。また、第4四半期連結会計期間に、特別損失として投資有価証券評価損42百万円を計上するとともに、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産45百万円を取り崩すこととし、法人税等調整額に計上いたしました。 当社グループは、単一セグメントであるためセグメント別の記載はしておりませんが、事業別業績の概要は以下のとおりであります。①IPコアライセンス事業 ディジタルスチルカメラ、4Kテレビ、OA機器等のディジタル機器向けAI/GPUランニングロイヤリティ収入に加え、セーフティ分野およびロボティクス分野におけるリカーリング収益、GPU/ロボティクス新規ライセンス収入およびメンテナンスサポート収入の計上により、売上高は124百万円(前年同期170百万円)となりました。②製品事業 「RS1」の堅調な量産出荷に加えて、Cambrianビジョンシステム等の売上の計上により、売上高は2,855百万円(前年同期2,758百万円)となりました。③プロフェッショナルサービス事業 ロボティクス分野、セーフティ分野におけるAI受託開発サービスならびにアミューズメント分野における受託開発サービスの提供により、売上高は97百万円(前年同期87百万円)となりました。  また、分野別業績の概要は以下のとおりであります。①セーフティ分野 主に、IPコアライセンス事業におけるリカーリング収益およびより広範なセーフティ分野向けプロフェッショナルサービスの提供により、売上高は38百万円(前年同期71百万円)となりました。②ロボティクス分野 主に、IPコアライセンス事業におけるAMR向けの新規ライセンス提供、製品事業におけるCambrianビジョンシステムの売上計上およびAMR領域、半導体製造装置領域、映像点検領域向けを含むプロフェッショナルサービスの提供により、売上高は168百万円(前年同期168百万円)となりました。③アミューズメント分野 主に、「RS1」の量産出荷売上の計上により、売上高は2,779百万円(前年同期2,642百万円)となりました。④その他分野 主に、IPコアライセンス事業におけるGPU新規ライセンス提供、ディジタル機器向けAI/GPUランニングロイヤリティ収入およびメンテナンスサポート収入の計上により、売上高は90百万円(前年同期134百万円)となりました。 (2)当期の財政状態の概況(資産) 当連結会計年度末における資産合計額は4,092百万円となり、前連結会計年度末に比べ172百万円増加しました。これは主に、ソフトウエア仮勘定が158百万円及び売掛金及び契約資産が165百万円増加し、現金及び預金が73百万円減少したことによるものであります。(負債) 当連結会計年度末における流動負債および固定負債は合計で480百万円となり、前連結会計年度末に比べ18百万円増加しました。これは主に、買掛金が114百万円増加し、未払法人税が32百万円及び未払消費税が47百万円減少したことによるものであります。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計額は3,611百万円となり、前連結会計年度末に比べ153百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が157百万円増加したことによるものであります。 これらの結果、自己資本比率は88.2%となりました。 (3)当期のキャッシュ・フローの概況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、2,529百万円となりました。 営業活動によるキャッシュ・フローは、93百万円の収入となりました。主な増加要因は、減価償却費27百万円及び税金等調整前当期純利益229百万円、仕入債務の増加額114百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加額165百万円及び未払消費税の減少額47百万円であります。 投資活動によるキャッシュ・フローは、167百万円の支出となりました。主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出158百万円であります。 財務活動によるキャッシュ・フローはありません。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期自己資本比率(%)93.589.281.388.288.2時価ベースの自己資本比率(%)250.2128.5225.1308.5134.92021年3月期より連結ベースの財務数値により計算しております。自己資本比率:自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産(注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。 (4)生産、受注及び販売の状況a.仕入実績 当連結会計年度の仕入実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。事業部門の名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)仕入実績(千円)前連結会計年度比(%)IPコアライセンス事業--製品事業1,705,029101.6プロフェッショナルサービス事業--合計1,705,029101.6(注)金額は仕入価格によっております。 b.受注状況 当連結会計年度の受注状況を事業部門別に示すと次のとおりであります。事業部門の名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前連結会計年度比(%)IPコアライセンス事業----製品事業82,9821.9287,1519.4プロフェッショナルサービス事業90,51295.65867.8合計173,4953.9287,7389.4(注)1.金額は販売価格によっております。2.IPコアライセンス事業には、受注という概念が馴染まないため記載しておりません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。事業部門の名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)販売実績(千円)前連結会計年度比(%)IPコアライセンス事業124,55872.9製品事業2,855,737103.5プロフェッショナルサービス事業97,426111.8合計3,077,721102.0 (注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社レスター2,641,61287.62,777,35490.2 (5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状況および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の経営成績の状況は以下のとおりです。・売上高 3,077百万円(前連結会計年度比2.0%増)製品(RS1)の売上に加えて、IPの新規ライセンス、ランニングロイヤリティ収入、プロフェッショナルサービスにおけるAI関連の受託開発売上等を計上しました。詳細は、後述の事業別の経営成績(売上高)に関する認識および分析・検討結果に記載のとおりであります。・売上総利益 1,323百万円(前連結会計年度比3.8%増)、売上総利益率42.9%売上原価に製品の仕入原価、プロフェッショナルサービスに係る受託開発原価等を計上したことによるものです。・販売費及び一般管理費 1,057百万円(前連結会計年度比11.8%増)労務費、研究開発費等を計上しました。・営業利益 265百万円(前連結会計年度比19.2%減)・経常利益 271百万円(前連結会計年度比17.8%減)・親会社株主に帰属する当期純利益 157百万円(前連結会計年度比52.6%減) 第3四半期連結会計期間にエッジAI半導体の開発費79百万円を計上しています。また、第4四半期連結会計期間に、特別損失として投資有価証券評価損42百万円を計上するとともに、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産45百万円を取り崩すこととし、法人税等調整額に計上しました。・1株当たり当期純利益(EPS) 49円96銭(前連結会計年度1株当たり当期純利益105円33銭)当社グループは単一セグメントでありますが、当連結会計年度の事業別の経営成績(売上高)は以下のとおりです。・IPコアライセンス事業 124百万円(前連結会計年度170百万円)当連結会計年度は、ディジタル機器向けGPU IPの新規ライセンス収入、安定的なセーフティ分野のリカーリング収益やディジタル機器向けGPU関連のランニングロイヤリティ収入等を計上しましたが、前年同期のGPU IPメンテナンスサポート大型案件の剥落により売上高は減少しました。 ・製品事業 2,855百万円(前連結会計年度2,758百万円)当連結会計年度は、当社の画像処理半導体「RS1」の堅調な量産出荷に加えて、Cambrianビジョンシステム等の売上等を計上したことにより、売上高は伸長しました。・プロフェッショナルサービス事業 97百万円(前連結会計年度87百万円) 当連結会計年度は、AI受託開発サービスにおいて、より広範なセーフティ分野向け、ロボティクス分野では、自律走行ロボット向け、半導体製造装置向け、建設機械向けのプロフェッショナルサービス収入を計上したことにより、売上高は増加しました。 当連結会計年度末の財政状況は以下のとおりです。・流動資産 3,297百万円(前連結会計年度3,272百万円)主な内訳は、現金及び預金2,529百万円、売掛金及び契約資産411百万円、有価証券200百万円であります。・固定資産 794百万円(前連結会計年度647百万円)主な内訳は、有形固定資産40百万円、ソフトウエア仮勘定158百万円、投資有価証券536百万円であります。・流動負債 461百万円(前連結会計年度443百万円)主な内訳は、画像処理半導体の仕入計上に伴う買掛金310百万円、未払金89百万円、契約負債23百万円であります。・固定負債 19百万円(前連結会計年度18百万円)・純資産 3,611百万円(前連結会計年度3,457百万円)主な内訳は、資本金1,838百万円および資本剰余金1,858百万円、親会社株主に帰属する当期純利益157百万円を計上した結果による利益剰余金△86百万円であります。・自己資本比率 88.2%  以上の財政状況および経営成績の状況を踏まえた経営者の視点による分析・検討内容は以下のとおりです。・当連結会計年度の経営成績は、アミューズメント市場向けグラフィックプロセッサー「RS1」の増収に加えて、ロボティクス分野のプロフェッショナルサービス事業の伸長が、IPコアライセンス事業におけるメンテナンスサポート大型案件の剥落をカバーし、売上高は前連結会計年度比2.0%増となりました。利益面は、主にエッジAI半導体の開発費79百万円を研究開発費に計上したこと、特別損失として投資有価証券評価損42百万円を計上したこと、並びに繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産45百万円を取り崩すこととし、法人税等調整額に計上したことにより、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比減益となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ73百万円減少し2,529百万円となりました。活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。・営業活動によるキャッシュ・フロー 93百万円の収入(前連結会計年度は660百万円の収入)主な増加要因は、減価償却費27百万円および税金等調整前当期純利益229百万円、仕入債務の増加額114百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加額165百万円及び未払消費税の減少額47百万円であります。・投資活動によるキャッシュ・フロー 167百万円の支出(前連結会計年度は500百万円の支出)主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出158百万円であります。・財務活動によるキャッシュ・フロー 0百万円の収入(前連結会計年度は0百万円の支出)財務活動によるキャッシュ・フローはありません。当社の運転資金需要のうち主なものは、製造委託しているLSI製品の仕入費用および製造費用、販売費および一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、半導体開発投資、設備投資、システム投資等によるものです。当社は、運転資金ならびに投資目的の資金需要には、主として自己資金を充当することを基本方針としております。この方針に従い、当連結会計年度における半導体開発費用、運転資金、IT機器等の設備投資資金については、自己資金を充当しました。今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金の他、事業拡大に向けた技術優位性の維持向上と開発体制の強化のための人的投資等であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、自己資金を充当する予定であります。  ③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 技術進展の速さ
    画像処理、グラフィックス、AI技術の進歩は非常に速く、新製品が短期間で登場し、高機能化が進んでいます。もし当社がこの技術進展に迅速に対応できなかったり、競合他社が当社を上回る技術を開発した場合、当社の技術が古くなり、製品やサービスの売上が減少し、会社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 市場動向への依存
    当社の製品は、アミューズメント機器、車載製品、産業機器、モバイル・コンシューマー機器など、ライフサイクルが短く技術革新が早い市場に組み込まれています。これらの市場の動向が当社の予想以上に変化し、新製品開発や新市場開拓が遅れた場合、製品・サービスの売上が減少し、会社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 研究開発投資の不確実性
    画像処理、グラフィックス、AI分野での新技術・新製品開発には多額の研究開発費を投じていますが、必ずしも全てのプロジェクトが成功し、投下した費用を回収できるとは限りません。開発が大幅に遅れたり、途中で中止になった場合、その費用が無駄になり、会社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,494 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する項目のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)並びに株価等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、そのリスクの複雑性から明確化は難しいものの、当社グループが研究開発を重視したファブレス半導体・IPベンダーであるという特性とリスクの関係性の高さから、「特に重要なリスク」と「重要なリスク」に分類しております。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (特に重要なリスク)①技術の進展等について当社の事業は、画像処理やグラフィックス処理技術およびAI技術に密接に関連しておりますが、これらの技術の進展は著しく、短期間で新製品が発売され、高機能化も進んでおります。当社としては、技術動向を注視しつつ、技術力を向上させることで、技術の進展に対応していく方針であります。しかしながら、当社が予想しない新技術の開発・普及により事業環境が急変し、当社が迅速または適切に対応できない場合、または、競合他社が当社を上回る技術を開発し、当社技術が陳腐化した場合には、当社の製品・サービスの売上減少により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。②販売先の市場動向による経営成績への影響について当社製品は、アミューズメント機器、車載製品、産業機器、モバイル・コンシューマー機器等の市場向けであり、これら顧客の機器製品にソフトウエアおよびハードウエアとして組み込まれて使用されております。これら市場の製品はいずれもライフサイクルが短く、技術革新のスピードも早いため、当社の売上・利益を維持し、増大させるためには、市場の動向を見極めた上で新市場の開拓を積極的に行う必要があります。当社としては、日頃から顧客や外部機関等からの情報を分析することにより、市場動向の変化に応じて、新規製品の開発、新市場の開拓に取り組んでおりますが、これら市場の動向に当社の予想以上の変化があり、当社の新規製品の開発または新市場の開拓が遅れた場合には、当社の製品・サービスの売上減少により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。③研究開発について当社は、画像処理、グラフィックス処理、AI等の分野において、今後のニーズの変化に対応できる新技術と新製品の開発を行っております。このための各研究開発プロジェクトは、成長する市場が必要とする機能を想定しながら実施しておりますが、投下した研究開発費の全てを回収できるとは限らず、この場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、何らかの事情で開発が大幅に遅れたり、開発自体が頓挫する事態に至った場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。④人材の確保・育成について当社は、今後の事業拡大に向けて、優秀な人材の確保・育成が不可欠であると認識しております。そのため、人材に報いるための報酬体系、株式報酬制度等を導入しておりますが、いずれも継続的な人材の確保を保証するものではなく、適格な人材を十分確保できなかった場合には、当社の事業拡大が制約を受けることにより、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (重要なリスク)①代表者への依存について当社の代表取締役である山本達夫氏は、過去にエンジニアとして従事していた経験もあり、当社の事業内容、技術全般に精通しております。また、これまでに培った広い人脈を活かして、自ら国内外への営業活動も行っており、当社の技術面・営業面での同氏への依存度は高くなっております。このような状況下において、退任等何らかの要因により、山本氏の当社における業務執行が困難となった場合、当社の事業活動に支障が生じ、当社の経営成績等および事業展開に影響を及ぼす可能性があります。②LSI製品の販売体制について当社は、LSI製品の販売は商社を介した代理店販売を基本としております。当社の主要販売代理店である株式会社レスターに対する当連結会計年度の売上高は2,777百万円で全売上高の90.2%を占めており、その大半はLSI製品の売上高であります。同社含め販売代理店とは良好な関係を構築しておりますが、今後販売代理店との関係に問題が生じた場合には、LSI製品の販売に支障が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。③LSI製品の製造委託について当社は、製造設備を持たない会社として研究開発業務に特化した事業活動を行っておりますので、LSI事業の製品製造に関しては半導体メーカーやモジュールメーカーに委託しております。製造委託先については、その技術水準、製造能力、管理能力、経営安定度等を慎重に検討した上で、選定しております。しかしながら、製造委託先において十分な生産枠が確保できない場合や通常想定することができない事象により製造委託先の設備に問題等が発生するなど、何らかの理由により委託先における製造に支障が生じた場合、または、委託先との製造委託契約が終了し、適切な代替委託先が確保できない場合、LSI製品の製造に支障が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。④半導体、部材等の供給不足について当社はファブレス企業であるため、製品事業において、製造委託先や仕入先に製品の製造を依存しております。そのため、生産ラインの事前確保、製品・支給部品の早期発注等により、機会損失を可能な限り低減させておりますが、世界的な需要増やサプライチェーンの脆弱性等に伴う半導体、部材等の供給不足の影響により、当社への製品納入が停滞した場合には、当社の製品売上の減少により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、半導体・部材の供給不足により、当社のLSI製品、IP、ソフトウエア等を搭載した顧客製品の製造が停滞した場合にも、当社の製品売上やロイヤリティ収入の減少により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。⑤第三者の知的財産権を侵害する可能性について当社は当連結会計年度末現在において、提供するIPコア・LSI製品の技術および制作する表現物等に関して、第三者より知的財産権を侵害する旨のクレーム、侵害訴訟等を提起する等の通知は受けておりません。当社は、当社のIPコア技術が第三者の特許権を侵害する可能性につき調査を行っておりますが、当社が提供するIPコア・LSI製品の技術および表現物等が、特許権その他第三者の知的財産権を侵害する可能性を完全に排除することは困難であり、今後このような第三者の知的財産権を侵害する旨のクレームを受け、または侵害訴訟を提起され、当社の事業が差し止められ、または損害賠償等の金銭的な負担を強いられる等の結果となった場合、当社の経営成績等および社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。⑥自然災害及び事故等について当社及び当社取引先の事業拠点が、地震、台風等の自然災害や火災等の事故、テロ等により被害を受けた場合、当社の事業活動に支障が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。⑦感染症等の流行について新興の感染症等の流行により遊技機市場が著しく低迷した場合や顧客の開発投資意欲が低下した場合、それぞれ当社の画像処理プロセッサー「RS1」の販売減少やプロフェッショナルサービス事業の停滞により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。⑧情報管理体制について当社は研究開発をはじめとする当社の事業活動に際して情報管理が重要であると認識しており、このため、コンピューター・ウィルスの検知、ファイアウォールの構築等の外部からの侵入に対する予防策および情報へのアクセス可能な管理者の制限、当社と役職員および顧客等との間における機密保持契約の締結、入退出管理等の情報流出対策を講じるとともに、ハード面での障害時により業務への支障が生じないようデータ管理の多重化を行うなど、情報管理に関するシステムと社内体制の構築を行っております。しかしながら、これらのシステム・体制によっても情報漏洩の可能性を完全に排除することは困難であり、今後何らかの理由により当社の技術情報等重要な情報が社外に流出した場合、当社の競争優位性が損なわれ、当社の経営成績等および事業運営に影響する可能性があります。

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