事業の内容
ピーバンドットコムは、プリント基板のEコマース「P板.com」を主力事業としています。プリント基板は自動車やスマートフォンなどあらゆる電子機器に使われる基幹部品で、設計から製造、部品実装までを一貫してウェブ上で提供するワンストップ・ソリューションが特徴です。近年は、電子機器の受託製造サービス「S-GOK(スゴック)」も展開し、IoT関連製品を中心に開発から量産までを支援しています。収益の柱は「P板.com」ですが、今後はものづくりに必要なリソースを満たす「ピーバン・オムニチャネル」の構築を目指しています。
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FY2025|5,388 文字|出典 docID: S100W5QJ
3【事業の内容】 当社は、「アイデアと探究心で、”あたりまえ”を革新する。」というパーパスの下、プリント基板のEコマース「P板.com(ピーバンドットコム)」の運営を中心に事業を行っております。 プリント基板は、自動車、テレビ、スマートフォン、医療機器など、あらゆる“電子機器”に使われる基幹部品です。既存のエレクトロニクス産業の需要に加え、近年では、経済発展と社会的課題の解決の両立を目指す「Society5.0」においても多様なデバイスの開発・利用の促進がされており、今後益々プリント基板の需要は拡大していくものと思われます。 プリント基板の調達に必要な、基板設計・製造・部品実装の基幹サービスに加えて、電子機器などを収めるケース(筐体:きょうたい)の製造、基板と基板をつなぐハーネス部品の加工など、周辺サービスの充実を図っております。 国内でいち早くサービスを開始したこれまでの実績に加え、ニーズに合わせたサービス領域の拡充とお客様に寄り添ったサポートによりサービスの信頼性が向上したことなどで、プリント基板の設計・製造・部品実装を一括で利用するワンストップ・ソリューション(※)の利用頻度が高まり、注文単価の増加に繋がっております。 近年では、量産の対応や、電子機器製造を一括で受託製造するEMSまでサービス領域を広げ、開発・量産支援サービス「S-GOK(スゴック)」を開始し、IoT関連製品を中心に受注を伸ばしております。 現段階では「P板.com」が収益の柱となっておりますが、「P板.com」で蓄積した顧客基盤による信頼性を活かしながら、ものづくりに必要なリソース「ヒト、モノ、カネ、時間、情報」を満たすためのピーバン・オムニチャネルの構築を目指し、持続的な事業成長に繋げてまいります。ものづくりの”足りない”を満たす、ピーバン・オムニチャネルの構築 なお、当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。当社の展開する事業概要は以下のとおりになります。 ※ワンストップ・ソリューション:必要になる作業を一度の手続きで全て完了することが出来るサービスを意味します。当社のサービスは、プリント基板の設計、製造、部品実装までウェブ上で簡単に一括して注文手続きを行うことができます。 (1)事業の概要① プリント基板のEコマース「P板.com」 当社は、プリント基板のEコマースである「P板.com」の運営を行っております。 「P板.com」では、顧客が当社Webサイト上で選択した基板の仕様に合わせ、国内又は海外の提携仕入先の中から最適な価格・納期・品質で製造できる工場を自動選定し、4つの納期のコースに合わせた見積金額を提示します。顧客は提示された見積・納期の中から選択し、設計図をアップロードするだけでプリント基板を手軽に注文することができます。当社では、顧客から提示された基板の設計図をカスタマーサポート部にて確認した後、ただちに、提携仕入先へ自社システム上より発注を行う仕組みとなっております。工場では、通常2、3日以内に製造が完了し、顧客の手元に届けられます。 事業のサービス別分類は、下記のとおりであります。サービス分類説明設計顧客から支給される「電気信号の流れを表した回路図」に基づき、基板を製造するためのデータを、CADソフトによって設計します。製造顧客から支給される基板製造用データ又は当社の設計サービスにより設計した基板製造用データに基づき、基板を製造します。事業の主力部分です。実装製造した基板に、電子部品を配置し、はんだで接続します。電子部品を当社側で調達を行うオプションの利用が増加しております。その他基板へ電子部品を実装する際に必要となる専用治具「メタルマスク」の製造、筐体の製造、部品実装済み基板や外部装置などを接続する電線(ハーネス)を加工するサービス等があります。 ② 開発・量産支援サービス「S-GOK(スゴック)」 当社では、広範なサプライチェーンネットワークとものづくりの知見を活かし、電子機器の受託製造サービス「S-GOK(スゴック)」を展開しています。S-GOKは単なる製造請負にとどまらず、ソフトウェア開発、部材調達、組立、検査までを含む包括的な支援体制を構築。開発初期から量産フェーズに至るまで、一貫したモノづくりを支援します。 サービスの提供を進める中で、顧客企業が製品アイデアを具体的な要件定義へと落とし込む初期段階において、的確なサポートへのニーズが極めて高いことが明らかとなりました。こうした課題に対応するため、当社では新たに「S-GOKコンサルティングサービス」を開始。構想段階から量産体制の確立までを一貫して支援し、製品化へのスムーズな移行を可能にしています。 特に、スピード感と柔軟性が求められるスタートアップ企業においては、迅速な意思決定と開発体制の立ち上げが成功の鍵となります。S-GOKでは、ハードウェアとソフトウェアを横断する総合的な技術支援により、こうしたニーズに応えることで他社との差別化を図っています。 現在、S-GOKは数千台~数万台規模の小ロット製造を中心としたIoT分野を主軸に利用いただいており、着実に市場への浸透を進めています。 ③ エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele」の運営 プリント基板を扱う技術者のすそ野を広げるためのインフラ整備にも力を注いでおります。IoTの広がりに伴い、IT・エレクトロニクス業界のみならず、異業種からの電子機器の開発需要が増加する中、エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele(アットマーク・エレ)」をリリースし、主に若手エンジニアの育成の後押しを行っております。プリント基板に関する専門情報を配信することで、当社への技術的信頼度を向上させるとともに、当社サービスの広報活動も並行して行い、ユーザーの獲得、当社サービスの利用拡大へと繋げております。 ④ エンジニアの登竜門「GUGENコンテスト」の運営 電子機器産業の持続的な発展のためには、電気・電子エンジニアの人口拡大が不可欠と考えております。そのために、当社は2009年よりエンジニアにスポットを当てる「電子工作コンテスト」を開催し、自身が作成した電子工作の作品を、一般客やメディアに披露できる場を提供してまいりました。以降、毎年開催しており、2013年に「GUGEN(ぐげん)」に名称を変更し、「社会における課題を解決するデバイス」と審査基準を改め、世の中に必要とされる作品の開発を業界のエンジニアに促した結果、今までの累計で1,700作品を超える作品が誕生しております。審査員やスポンサーは業界の著名人やスタートアップ(急成長を目指す新規の立ち上げ企業)への支援企業の方等を中心に招聘し、いまではエンジニアの登竜門の場として定着しました。当社のこのような活動は、2024年の開催で16年目となり、「P板.com」の広報としての要素も兼ねた活動となっております。 (2)プリント基板のEコマース「P板.com」の特徴① 試作開発に特化した新しい料金体系の提示 新製品の開発には試作(プロトタイプの作成)が必要不可欠ですが、それに要するプリント基板の作製には高額なイニシャル費用(初期費用)が発生します。試作は1回だけでなく、2回3回と繰り返しながら製品に磨きを掛けるのが一般的であり、その都度イニシャル費用が発生することは、限られた開発コストを圧迫することになり、エンジニアの悩みの一つでした。 そこで当社は、「異種面付工法」(※)により、イニシャル費用を大幅に効率化した上で、基板製造費用に全てを含めた料金体系を提示し、当時の一般的なプリント基板製造の相場から大幅に安く提供を行うことで、実績を拡大してまいりました。※ 異種面付工法:定格サイズ(4~5m四方)の材料で一種類の基板のみを製造する従来の方法に対し、複数種類の基板を共に製造する工法。材料を余すこと無く使用でき、試作等で少量の基板が必要な場合に有用。 ② 効率的な受発注管理の仕組み化 当社のプリント基板のEコマース事業では、受発注管理を効率化し、顧客から注文を受けて製造・仕入・出荷まで、すべて自社システム内で完結させることで迅速な対応を実現しております。電子機器の根幹を支える「プリント基板」は一点ごとに意匠の異なるオーダーメイド製品ですが、基板を構成する部品は規格化されたものであることから、当社では基板仕様を汎用標準化して顧客が希望するプリント基板をインターネット上で直販する仕組みを構築し、仕入・発送まで大幅にスピードアップして、商品を迅速にエンドユーザーにお届けしております。商品の仕入・販売に関しては、店舗・営業所を保有せず、顧客からの受注機能、仕入商品の発注機能、商品の入出荷管理機能及び電話による顧客サポート機能を本社に集約しており、受発注管理のほぼ全てを自社システム内で完結し、効率化しております。 ③ 利便性の高い見積・注文システムの構築 スピード感を重視し製品の開発・研究を営む企業において、購買に時間をかけることなく商品を仕入れることは重要視されます。オーダーメイド品であるプリント基板は、製造を依頼するプロセスに基板製造業者との対面でのやりとりが不可欠であったため、見積取得や価格交渉に時間を割く必要がありました。当社は、その課題を解決するために、インターネット環境があれば、いつでもどこでも瞬時に見積が取得出来る「1-Click見積」システムを当社WEBサイト上に設置し、電気・電子エンジニアが製品開発時に感じる見積取得の煩わしさを解消いたしました。 ④ 広範に渡る顧客層 Eコマースを利用した販売形態を採用することにより、従来の対面販売型と比べ基板発注の敷居が下がり、顧客層を広げることができました。その結果、大学・高専/研究機関など公的機関、国内大手セットメーカやそれを支える電子部品の中堅・中小企業などの法人、さらに個人事業主に至るまで試作開発案件を取り込み、累計取引者数は2万8千社を超え、幅広い顧客層から支持を得ております。品質への要求に対しては、ISO9001:2015規格の認証を取得し、よりよい製品やサービスの提供にコミットしております。また「納期遵守の徹底」により10年連続納期遵守率99%超え達成したこと等により当社への信頼度が向上し、大手企業・中堅企業との取引が拡大しております。 ⑤ ファブレスによる優良な仕入先との関係構築 当社は、自社工場を持たない、いわゆるファブレスでの運営を行っております。仕入先については、一社に依存することなく、国内外の複数の仕入先と提携することで、安定した製品の供給と、顧客の要求に沿った、より競争力のある商品を提供しております。 仕入先とは、信頼と実績に基づき、低価格で高品質の商品を納期通りに提供して頂けるように長期にわたり安定した取引関係を築くことを基本としています。当社では、プリント基板の市場価格や需要の変動、求められる品質基準の向上、納期の短縮化を常に意識し、改善を心掛けており、当社の培ったノウハウを仕入先にも共有し、より競争力ある商品を提供いただくことも当社の役割と心得ております。 ⑥ 取扱う商材の拡大 プリント基板の中でも、取扱いやすさから様々な製品に採用されているリジッド基板(※1)を主軸として、フレキシブル基板(※2)、アルミ基板(※3)、リジット・フレキシブル基板(※4)などの商材を取り扱っております。近年では、LED照明等に使われるアルミ基板、EV・ロボットなど大電流制御の用途で使われる厚銅基板(※5)の需要拡大に合わせ、充実を図っております。また、プリント基板の周辺商材として、メタルマスク、筐体、ハーネス等の取扱もしております。※1 リジッド基板:柔軟性のない硬質な材料をベースとした基板、電化製品に主として使用されている。※2 フレキシブル基板:薄く柔軟性のある材料をベースとした基板、ウエアラブル機器やスマートフォン等に使用されている。※3 アルミ基板:リジッド基板にアルミ材を合わせ放熱特性を高めた基板、照明機器などによく使用されている。※4 リジッド・フレキシブル基板:硬質な材料と薄く柔軟性のある材料とを複合した基板。※5 厚銅基板:基板上の銅箔部分が厚く大電流を流せる基板。 (3)新たな成長ドメイン「GUGEN-Hub(グゲンハブ)」構想 当社のお客様の多くは、研究開発部門(R&D)に従事するハードウェア開発者であり、その業務を効果的に支援するためのツール開発に注力しております。GUGEN Hubはハードウェア開発エンジニアが、研究開発に専念できる環境を提供することを目的とするサービスです。電子部品のみならず、ワイヤーハーネスや筐体のメーカー様、専門商社や他社のECサービスまでも、GUGEN Hubを通して繋ぐことを目指しています。エンジニアは、GUGEN Hubを利用することで最適なサプライチェーンを見つけることができます。
FY2024|5,024 文字|出典 docID: S100TULB
3【事業の内容】 当社は、「アイデアと探究心で、”あたりまえ”を革新する。」というパーパスの下、プリント基板のEコマース「P板.com(ピーバンドットコム)」の運営を中心に事業を行っております。 プリント基板は、自動車、テレビ、スマートフォン、医療機器など、あらゆる“電子機器”に使われる基幹部品です。既存のエレクトロニクス産業の需要に加え、近年では、経済発展と社会的課題の解決の両立を目指す「Society5.0」においても多様なデバイスの開発・利用の促進がされており、今後益々プリント基板の需要は拡大していくものと思われます。 プリント基板の調達に必要な、基板設計・製造・部品実装の基幹サービスに加えて、電子機器などを収めるケース(筐体:きょうたい)の製造、基板と基板をつなぐハーネス部品の加工など、周辺サービスの充実を図っております。 国内でいち早くサービスを開始したこれまでの実績に加え、ニーズに合わせたサービス領域の拡充とお客様に寄り添ったサポートによりサービスの信頼性が向上したことなどで、プリント基板の設計・製造・部品実装を一括で利用するワンストップ・ソリューション(※)の利用頻度が高まり、注文単価の増加に繋がっております。 近年では、量産の対応や、電子機器製造を一括で受託製造するEMSまでサービス領域を広げ、開発・量産支援サービス「S-GOK(スゴック)」を開始し、IoT関連製品を中心に受注を伸ばしております。 現段階では「P板.com」が収益の柱となっておりますが、「P板.com」で蓄積した顧客基盤による信頼性を活かしながら、ものづくりに必要なリソース「ヒト、モノ、カネ、時間、情報」を満たすためのピーバン・オムニチャネルの構築を目指し、持続的な事業成長に繋げてまいります。ものづくりの”足りない”を満たす、ピーバン・オムニチャネルの構築 なお、当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。当社の展開する事業概要は以下のとおりになります。 ※ワンストップ・ソリューション:必要になる作業を一度の手続きで全て完了することが出来るサービスを意味します。当社のサービスは、プリント基板の設計、製造、部品実装までウェブ上で簡単に一括して注文手続きを行うことができます。 (1)事業の概要① プリント基板のEコマース「P板.com」 当社は、プリント基板のEコマースである「P板.com」の運営を行っております。 「P板.com」では、顧客が当社Webサイト上で選択した基板の仕様に合わせ、国内又は海外の提携仕入先の中から最適な価格・納期・品質で製造できる工場を自動選定し、4つの納期のコースに合わせた見積金額を提示します。顧客は提示された見積・納期の中から選択し、設計図をアップロードするだけでプリント基板を手軽に注文することができます。当社では、顧客から提示された基板の設計図をカスタマーサポート部にて確認した後、ただちに、提携仕入先へ自社システム上より発注を行う仕組みとなっております。工場では、通常2、3日以内に製造が完了し、顧客の手元に届けられます。 事業のサービス別分類は、下記のとおりであります。サービス分類説明設計顧客から支給される「電気信号の流れを表した回路図」に基づき、基板を製造するためのデータを、CADソフトによって設計します。製造顧客から支給される基板製造用データ又は当社の設計サービスにより設計した基板製造用データに基づき、基板を製造します。事業の主力部分です。実装製造した基板に、電子部品を配置し、はんだで接続します。電子部品を当社側で調達を行うオプションの利用が増加しております。その他基板へ電子部品を実装する際に必要となる専用治具「メタルマスク」の製造、筐体の製造、部品実装済み基板や外部装置などを接続する電線(ハーネス)を加工するサービス等があります。 ② 開発・量産支援サービス「S-GOK(スゴック)」 当社では、創業時から培ったハードウェア設計、基板製造、部品実装、筐体設計、組立などのサービスをトータルで提供する、開発・量産支援サービス「S-GOK(スゴック)」を行っております。 事業プランのコンサルティングをはじめ、ハードウェア開発支援、量産化支援、WEBやスマホアプリのソフトウェア開発まで、総合的にサポートをいたします。活動の中で、顧客側での製品をアイデア段階から具体的な要件定義に落としていく準備作業にフォローが必要で、多くの需要があることが分かりました。今後は、受託開発と並行しコンサルティングとしてのサービスを立ち上げ、より広範なサポートを行います。 当社が提供するEMSは、主にIoT関連の製品を開発するお客様にご利用いただいており、数千台〜数万台程度の小ロット規模の取り扱いが多いです。当社の他にもEMSを提供するメーカはおりますが、多くは数十万台以上をターゲットとしており、小ロット規模の製造の受け入れ先として当社がサービス提供を行い、差別化を図っております。 ③ エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele」の運営 プリント基板を扱う技術者のすそ野を広げるためのインフラ整備にも力を注いでおります。IoTの広がりに伴い、IT・エレクトロニクス業界のみならず、異業種からの電子機器の開発需要が増加する中、エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele(アットマーク・エレ)」をリリースし、主に若手エンジニアの育成の後押しを行っております。プリント基板に関する専門情報を配信することで、当社への技術的信頼度を向上させるとともに、当社サービスの広報活動も並行して行い、ユーザーの獲得、当社サービスの利用拡大へと繋げております。 ④ エンジニアの登竜門「GUGENコンテスト」の運営 電子機器産業の持続的な発展のためには、電気・電子エンジニアの人口拡大が不可欠と考えております。そのために、当社は2009年よりエンジニアにスポットを当てる「電子工作コンテスト」を開催し、自身が作成した電子工作の作品を、一般客やメディアに披露できる場を提供してまいりました。以降、毎年開催しており、2013年に「GUGEN(ぐげん)」に名称を変更し、「社会における課題を解決するデバイス」と審査基準を改め、世の中に必要とされる作品の開発を業界のエンジニアに促した結果、今までの累計で1,700作品を超える作品が誕生しております。審査員やスポンサーは業界の著名人やスタートアップ(急成長を目指す新規の立ち上げ企業)への支援企業の方等を中心に招聘し、いまではエンジニアの登竜門の場として定着しました。当社のこのような活動は、2023年の開催で15年目となり、「P板.com」の広報としての要素も兼ねた活動となっております。 (2)プリント基板のEコマース「P板.com」の特徴① 試作開発に特化した新しい料金体系の提示 新製品の開発には試作(プロトタイプの作成)が必要不可欠ですが、それに要するプリント基板の作製には高額なイニシャル費用(初期費用)が発生します。試作は1回だけでなく、2回3回と繰り返しながら製品に磨きを掛けるのが一般的であり、その都度イニシャル費用が発生することは、限られた開発コストを圧迫することになり、エンジニアの悩みの一つでした。 そこで当社は、「異種面付工法」(※)により、イニシャル費用を大幅に効率化した上で、基板製造費用に全てを含めた料金体系を提示し、当時の一般的なプリント基板製造の相場から大幅に安く提供を行うことで、実績を拡大してまいりました。※ 異種面付工法:定格サイズ(4~5m四方)の材料で一種類の基板のみを製造する従来の方法に対し、複数種類の基板を共に製造する工法。材料を余すこと無く使用でき、試作等で少量の基板が必要な場合に有用。 ② 効率的な受発注管理の仕組み化 当社のプリント基板のEコマース事業では、受発注管理を効率化し、顧客から注文を受けて製造・仕入・出荷まで、すべて自社システム内で完結させることで迅速な対応を実現しております。電子機器の根幹を支える「プリント基板」は一点ごとに意匠の異なるオーダーメイド製品ですが、基板を構成する部品は規格化されたものであることから、当社では基板仕様を汎用標準化して顧客が希望するプリント基板をインターネット上で直販する仕組みを構築し、仕入・発送まで大幅にスピードアップして、商品を迅速にエンドユーザーにお届けしております。商品の仕入・販売に関しては、店舗・営業所を保有せず、顧客からの受注機能、仕入商品の発注機能、商品の入出荷管理機能及び電話による顧客サポート機能を本社に集約しており、受発注管理のほぼ全てを自社システム内で完結し、効率化しております。 ③ 利便性の高い見積・注文システムの構築 スピード感を重視し製品の開発・研究を営む企業において、購買に時間をかけることなく商品を仕入れることは重要視されます。オーダーメイド品であるプリント基板は、製造を依頼するプロセスに基板製造業者との対面でのやりとりが不可欠であったため、見積取得や価格交渉に時間を割く必要がありました。当社は、その課題を解決するために、インターネット環境があれば、いつでもどこでも瞬時に見積が取得出来る「1-Click見積」システムを当社WEBサイト上に設置し、電気・電子エンジニアが製品開発時に感じる見積取得の煩わしさを解消いたしました。 ④ 広範に渡る顧客層 Eコマースを利用した販売形態を採用することにより、従来の対面販売型と比べ基板発注の敷居が下がり、顧客層を広げることができました。その結果、大学・高専/研究機関など公的機関、国内大手セットメーカやそれを支える電子部品の中堅・中小企業などの法人、さらに個人事業主に至るまで試作開発案件を取り込み、累計取引者数は2万8千社を超え、幅広い顧客層から支持を得ております。品質への要求に対しては、ISO9001:2015規格の認証を取得し、よりよい製品やサービスの提供にコミットしております。また「納期遵守の徹底」により10年連続納期遵守率99%超え達成したこと等により当社への信頼度が向上し、大手企業・中堅企業との取引が拡大しております。 ⑤ ファブレスによる優良な仕入先との関係構築 当社は、自社工場を持たない、いわゆるファブレスでの運営を行っております。仕入先については、一社に依存することなく、国内外の複数の仕入先と提携することで、安定した製品の供給と、顧客の要求に沿った、より競争力のある商品を提供しております。 仕入先とは、信頼と実績に基づき、低価格で高品質の商品を納期通りに提供して頂けるように長期にわたり安定した取引関係を築くことを基本としています。当社では、プリント基板の市場価格や需要の変動、求められる品質基準の向上、納期の短縮化を常に意識し、改善を心掛けており、当社の培ったノウハウを仕入先にも共有し、より競争力ある商品を提供いただくことも当社の役割と心得ております。 ⑥ 取扱う商材の拡大 プリント基板の中でも、取扱いやすさから様々な製品に採用されているリジッド基板(※1)を主軸として、フレキシブル基板(※2)、アルミ基板(※3)、リジット・フレキシブル基板(※4)などの商材を取り扱っております。近年では、LED照明等に使われるアルミ基板、EV・ロボットなど大電流制御の用途で使われる厚銅基板(※5)の需要拡大に合わせ、充実を図っております。また、プリント基板の周辺商材として、メタルマスク、筐体、ハーネス等の取扱もしております。※1 リジッド基板:柔軟性のない硬質な材料をベースとした基板、電化製品に主として使用されている。※2 フレキシブル基板:薄く柔軟性のある材料をベースとした基板、ウエアラブル機器やスマートフォン等に使用されている。※3 アルミ基板:リジッド基板にアルミ材を合わせ放熱特性を高めた基板、照明機器などによく使用されている。※4 リジッド・フレキシブル基板:硬質な材料と薄く柔軟性のある材料とを複合した基板。※5 厚銅基板:基板上の銅箔部分が厚く大電流を流せる基板。 [事業系統図]
FY2023|5,191 文字|出典 docID: S100R7PG
3【事業の内容】 当社は、「開発環境をイノベーションする」という経営理念を掲げ、国内の電気電子企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進するために、ハードウェア製作の上流から下流に対し一気通貫したサービスを提供する「GUGENプラットフォーム」の運営を行っております。事業の中軸である製造・製品化のマーケットプレイス「P板.com(ピーバンドットコム)」では、電子機器の基幹部品であるプリント基板を、Eコマース(インターネットを基盤とした流通)を利用した通信販売によって、国内の産業用機器、及び民生機器開発メーカ等の顧客に対して販売しております。 プリント基板は、自動車、テレビ、スマートフォン、医療機器など、あらゆる“電子機器”に使われる基幹部品です。既存のエレクトロニクス産業の需要に加え、近年では、経済発展と社会的課題の解決の両立を目指す「Society5.0」においても多様なデバイスの開発・利用の促進がされており、今後益々プリント基板の需要は拡大していくものと思われます。 プリント基板の調達に必要な、基板設計・製造・部品実装の基幹サービスに加えて、電子機器などを収めるケース(筐体:きょうたい)の製造、基板と基板をつなぐハーネス部品の加工など、周辺サービスの充実を図っております。近年では、電子機器製造を一括で受託製造する「P板.com EMS」を開始し、IoT関連製品に特化した小ロット製造の受注を拡大させるなど、サービス領域を拡大させております。 国内でいち早くサービスを開始したこれまでの実績に加え、ニーズに合わせたサービス領域の拡充とお客様に寄り添ったサポートによりサービスの信頼性が向上したことなどで、プリント基板の設計・製造・部品実装を一括で利用するワンストップ・ソリューション(※)の利用頻度が高まり、注文単価の増加に繋がっております。 現段階では「P板.com」が収益の柱となっておりますが、「P板.com」で蓄積した顧客基盤による信頼性を活かしながら電子機器の一括受託を行う「P板.com EMS」の取引を拡大させていくことで、持続的な事業成長に繋げてまいります。GUGENプラットフォーム、3つの成長エンジン①:基板設計~部品実装までワンストップ利用促進による収益拡大②:筐体やハーネスなど基板周辺部品のラインナップを充実し、顧客層を拡大③:P板.com EMSによりアイデアの具現化をサポート、電子機器の一括受託により取引を拡大 なお、当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。当社の展開する事業概要は以下のとおりになります。 ※ワンストップ・ソリューション:必要になる作業を一度の手続きで全て完了することが出来るサービスを意味します。当社のサービスは、プリント基板の設計、製造、部品実装までウェブ上で簡単に一括して注文手続きを行うことができます。 (1)事業の概要① プリント基板のEコマース「P板.com」 当社は、プリント基板のEコマースである「P板.com」の運営を行っております。 「P板.com」では、顧客が当社Webサイト上で選択した基板の仕様に合わせ、国内又は海外の提携仕入先の中から最適な価格・納期・品質で製造できる工場を自動選定し、4つの納期のコースに合わせた見積金額を提示します。顧客は提示された見積・納期の中から選択し、設計図をアップロードするだけでプリント基板を手軽に注文することができます。当社では、顧客から提示された基板の設計図をカスタマーサポート部にて確認した後、ただちに、提携仕入先へ自社システム上より発注を行う仕組みとなっております。工場では、通常2、3日以内に製造が完了し、顧客の手元に届けられます。 事業のサービス別分類は、下記のとおりであります。サービス分類説明設計顧客から支給される「電気信号の流れを表した回路図」に基づき、基板を製造するためのデータを、CADソフトによって設計します。製造顧客から支給される基板製造用データ又は当社の設計サービスにより設計した基板製造用データに基づき、基板を製造します。事業の主力部分です。実装製造した基板に、電子部品を配置し、はんだで接続します。電子部品を当社側で調達を行うオプションの利用が増加しております。その他基板へ電子部品を実装する際に必要となる専用治具「メタルマスク」の製造、筐体の製造、部品実装済み基板や外部装置などを接続する電線(ハーネス)を加工するサービス等があります。 ② 電子機器の一括受託製造「P板.com EMS」 当社では、電子機器の設計から完成・出荷までのモノづくりにおける一連のプロセスをお手伝いする「P板.com EMS」を行っております。 当社が得意とするプリント基板製造のみならず、電子機器の設計試作から組立、完成品の検査・梱包までをワンストップ・サービスとして提供いたします。アイデアを製品化するためのご提案や特殊加工の対応も可能で、お客様のご要望に合わせ、必要な工程を選択してご利用いただけます。 当社が提供するEMSは、主にIoT関連の製品を開発するお客様にご利用いただいており、数千台〜数万台程度の小ロット規模の取り扱いが多いです。当社の他にもEMSを提供するメーカはおりますが、多くは数十万台以上をターゲットとしており、小ロット規模の製造の受け入れ先として当社がサービス提供を行い、差別化を図っております。 ③ エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele」の運営 プリント基板を扱う技術者のすそ野を広げるためのインフラ整備にも力を注いでおります。IoTの広がりに伴い、IT・エレクトロニクス業界のみならず、異業種からの電子機器の開発需要が増加する中、エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele(アットマーク・エレ)」をリリースし、主に若手エンジニアの育成の後押しを行っております。プリント基板に関する専門情報を配信することで、当社への技術的信頼度を向上させるともに、当社サービスの広報活動も平行して行い、ユーザーの獲得、当社サービスの利用拡大へと繋げております。 ④ エンジニアの登竜門「GUGENコンテスト」の運営 電子機器産業の持続的な発展のためには、電気・電子エンジニアの人口拡大が不可欠と考えております。そのために、当社は2009年よりエンジニアにスポットを当てる「電子工作コンテスト」を開催し、自身が作成した電子工作の作品を、一般客やメディアに披露できる場を提供してまいりました。以降、毎年開催しており、2013年に「GUGEN(ぐげん)」に名称を変更し、「社会における課題を解決するデバイス」と審査基準を改め、世の中に必要とされる作品の開発を業界のエンジニアに促した結果、今までの累計で1,600作品を超える作品が誕生しております。審査員やスポンサーは業界の著名人やスタートアップ(急成長を目指す新規の立ち上げ企業)への支援企業の方等を中心に招聘し、いまではエンジニアの登竜門の場として定着しました。当社のこのような活動は、2022年の開催で14年目となり、「P板.com」の広報としての要素も兼ねた活動となっております。 (2)プリント基板のEコマース「P板.com」の特徴① 試作開発に特化した新しい料金体系の提示 新製品の開発には試作(プロトタイプの作成)が必要不可欠ですが、それに要するプリント基板の作製には高額なイニシャル費用(初期費用)が発生します。試作は1回だけでなく、2回3回と繰り返しながら製品に磨きを掛けるのが一般的であり、その都度イニシャル費用が発生することは、限られた開発コストを圧迫することになり、エンジニアの悩みの一つでした。 そこで当社は、「異種面付工法」(※)により、イニシャル費用を大幅に効率化した上で、基板製造費用に全てを含めた料金体系を提示し、当時の一般的なプリント基板製造の相場から大幅に安く提供を行うことで、実績を拡大してまいりました。※ 異種面付工法:定格サイズ(4~5m四方)の材料で一種類の基板のみを製造する従来の方法に対し、複数種類の基板を共に製造する工法。材料を余すこと無く使用でき、試作等で少量の基板が必要な場合に有用。 ② 効率的な受発注管理の仕組み化 当社のプリント基板のEコマース事業では、受発注管理を効率化し、顧客から注文を受けて製造・仕入・出荷まで、すべて自社システム内で完結させることで迅速な対応を実現しております。電子機器の根幹を支える「プリント基板」は一点ごとに意匠の異なるオーダーメイド製品ですが、基板を構成する部品は規格化されたものであることから、当社では基板仕様を汎用標準化して顧客が希望するプリント基板をインターネット上で直販する仕組みを構築し、仕入・発送まで大幅にスピードアップして、商品を迅速にエンドユーザーにお届けしております。商品の仕入・販売に関しては、店舗・営業所を保有せず、顧客からの受注機能、仕入商品の発注機能、商品の入出荷管理機能及び電話による顧客サポート機能を本社に集約しており、受発注管理のほぼ全てを自社システム内で完結し、効率化しております。 ③ 利便性の高い見積・注文システムの構築 スピード感を重視し製品の開発・研究を営む企業において、購買に時間をかけることなく商品を仕入れることは重要視されます。オーダーメイド品であるプリント基板は、製造を依頼するプロセスに基板製造業者との対面でのやりとりが不可欠であったため、見積取得や価格交渉に時間を割く必要がありました。当社は、その課題を解決するために、インターネット環境があれば、いつでもどこでも瞬時に見積が取得出来る「1-Click見積」システムを当社WEBサイト上に設置し、電気・電子エンジニアが製品開発時に感じる見積取得の煩わしさを解消いたしました。 ④ 広範に渡る顧客層 Eコマースを利用した販売形態を採用することにより、従来の対面販売型と比べ基板発注の敷居が下がり、顧客層を広げることができました。その結果、大学・高専/研究機関など公的機関、国内大手セットメーカやそれを支える電子部品の中堅・中小企業などの法人、さらに個人事業主に至るまで試作開発案件を取り込み、累計取引者数は2万社を超え、幅広い顧客層から支持を得ております。品質への要求に対しては、ISO9001:2015規格の認証を取得し、よりよい製品やサービスの提供にコミットしております。また「納期遵守の徹底」により10年連続納期遵守率99%超え達成したこと等により当社への信頼度が向上し、大手企業・中堅企業との取引が拡大しております。 ⑤ ファブレスによる優良な仕入先との関係構築 当社は、自社工場を持たない、いわゆるファブレスでの運営を行っております。仕入先については、一社に依存することなく、国内外の複数の仕入先と提携することで、安定した製品の供給と、顧客の要求に沿った、より競争力のある商品を提供しております。 仕入先とは、信頼と実績に基づき、低価格で高品質の商品を納期通りに提供して頂けるように長期にわたり安定した取引関係を築くことを基本としています。当社では、プリント基板の市場価格や需要の変動、求められる品質基準の向上、納期の短縮化を常に意識し、改善を心掛けており、当社の培ったノウハウを仕入先にも共有し、より競争力ある商品を提供いただくことも当社の役割と心得ております。 ⑥ 取扱う商材の拡大 プリント基板の中でも、取扱いやすさから様々な製品に採用されているリジッド基板(※1)を主軸として、フレキシブル基板(※2)、アルミ基板(※3)、リジット・フレキシブル基板(※4)などの商材を取り扱っております。近年では、LED照明等に使われるアルミ基板、EV・ロボットなど大電流制御の用途で使われる厚銅基板(※5)の需要拡大に合わせ、充実を図っております。また、プリント基板の周辺商材として、メタルマスク、筐体、ハーネス等の取扱もしております。※1 リジッド基板:柔軟性のない硬質な材料をベースとした基板、電化製品に主として使用されている。※2 フレキシブル基板:薄く柔軟性のある材料をベースとした基板、ウエアラブル機器やスマートフォン等に使用されている。※3 アルミ基板:リジッド基板にアルミ材を合わせ放熱特性を高めた基板、照明機器などによく使用されている。※4 リジッド・フレキシブル基板:硬質な材料と薄く柔軟性のある材料とを複合した基板。※5 厚銅基板:基板上の銅箔部分が厚く大電流を流せる基板。 [事業系統図]
FY2022|5,191 文字|出典 docID: S100OKW9
3【事業の内容】 当社は、「開発環境をイノベーションする」という経営理念を掲げ、国内の電気電子企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進するために、ハードウェア製作の上流から下流に対し一気通貫したサービスを提供する「GUGENプラットフォーム」の運営を行っております。事業の中軸である製造・製品化のマーケットプレイス「P板.com(ピーバンドットコム)」では、電子機器の基幹部品であるプリント基板を、Eコマース(インターネットを基盤とした流通)を利用した通信販売によって、国内の産業用機器、及び民生機器開発メーカ等の顧客に対して販売しております。 プリント基板は、自動車、テレビ、スマートフォン、医療機器など、あらゆる“電子機器”に使われる基幹部品です。既存のエレクトロニクス産業の需要に加え、近年では、経済発展と社会的課題の解決の両立を目指す「Society5.0」においても多様なデバイスの開発・利用の促進がされており、今後益々プリント基板の需要は拡大していくものと思われます。 プリント基板の調達に必要な、基板設計・製造・部品実装の基幹サービスに加えて、電子機器などを収めるケース(筐体:きょうたい)の製造、基板と基板をつなぐハーネス部品の加工など、周辺サービスの充実を図っております。近年では、電子機器製造を一括で受託製造する「P板.com EMS」を開始し、IoT関連製品に特化した小ロット製造の受注を拡大させるなど、サービス領域を拡大させております。 国内でいち早くサービスを開始したこれまでの実績に加え、ニーズに合わせたサービス領域の拡充とお客様に寄り添ったサポートによりサービスの信頼性が向上したことなどで、プリント基板の設計・製造・部品実装を一括で利用するワンストップ・ソリューション(※)の利用頻度が高まり、注文単価の増加に繋がっております。 現段階では「P板.com」が収益の柱となっておりますが、「P板.com」で蓄積した顧客基盤による信頼性を活かしながら電子機器の一括受託を行う「P板.com EMS」の取引を拡大させていくことで、持続的な事業成長に繋げてまいります。GUGENプラットフォーム、3つの成長エンジン①:基板設計~部品実装までワンストップ利用促進による収益拡大②:筐体やハーネスなど基板周辺部品のラインナップを充実し、顧客層を拡大③:P板.com EMSによりアイデアの具現化をサポート、電子機器の一括受託により取引を拡大 なお、当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。当社の展開する事業概要は以下のとおりになります。 ※ワンストップ・ソリューション:必要になる作業を一度の手続きで全て完了することが出来るサービスを意味します。当社のサービスは、プリント基板の設計、製造、部品実装までウェブ上で簡単に一括して注文手続きを行うことができます。 (1)事業の概要① プリント基板のEコマース「P板.com」 当社は、プリント基板のEコマースである「P板.com」の運営を行っております。 「P板.com」では、顧客が当社Webサイト上で選択した基板の仕様に合わせ、国内又は海外の提携仕入先の中から最適な価格・納期・品質で製造できる工場を自動選定し、4つの納期のコースに合わせた見積金額を提示します。顧客は提示された見積・納期の中から選択し、設計図をアップロードするだけでプリント基板を手軽に注文することができます。当社では、顧客から提示された基板の設計図をカスタマーサポート部にて確認した後、ただちに、提携仕入先へ自社システム上より発注を行う仕組みとなっております。工場では、通常2、3日以内に製造が完了し、顧客の手元に届けられます。 事業のサービス別分類は、下記のとおりであります。サービス分類説明設計顧客から支給される「電気信号の流れを表した回路図」に基づき、基板を製造するためのデータを、CADソフトによって設計します。製造顧客から支給される基板製造用データ又は当社の設計サービスにより設計した基板製造用データに基づき、基板を製造します。事業の主力部分です。実装製造した基板に、電子部品を配置し、はんだで接続します。電子部品を当社側で調達を行うオプションの利用が増加しております。その他基板へ電子部品を実装する際に必要となる専用治具「メタルマスク」の製造、筐体の製造、部品実装済み基板や外部装置などを接続する電線(ハーネス)を加工するサービス等があります。 ② 電子機器の一括受託製造「P板.com EMS」 当社では、電子機器の設計から完成・出荷までのモノづくりにおける一連のプロセスをお手伝いする「P板.com EMS」を行っております。 当社が得意とするプリント基板製造のみならず、電子機器の設計試作から組立、完成品の検査・梱包までをワンストップ・サービスとして提供いたします。アイデアを製品化するためのご提案や特殊加工の対応も可能で、お客様のご要望に合わせ、必要な工程を選択してご利用いただけます。 当社が提供するEMSは、主にIoT関連の製品を開発するお客様にご利用いただいており、数千台〜数万台程度の小ロット規模の取り扱いが多いです。当社の他にもEMSを提供するメーカはおりますが、多くは数十万台以上をターゲットとしており、小ロット規模の製造の受け入れ先として当社がサービス提供を行い、差別化を図っております。 ③ エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele」の運営 プリント基板を扱う技術者のすそ野を広げるためのインフラ整備にも力を注いでおります。IoTの広がりに伴い、IT・エレクトロニクス業界のみならず、異業種からの電子機器の開発需要が増加する中、エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele(アットマーク・エレ)」をリリースし、主に若手エンジニアの育成の後押しを行っております。プリント基板に関する専門情報を配信することで、当社への技術的信頼度を向上させるともに、当社サービスの広報活動も平行して行い、ユーザーの獲得、当社サービスの利用拡大へと繋げております。 ④ エンジニアの登竜門「GUGENコンテスト」の運営 電子機器産業の持続的な発展のためには、電気・電子エンジニアの人口拡大が不可欠と考えております。そのために、当社は2009年よりエンジニアにスポットを当てる「電子工作コンテスト」を開催し、自身が作成した電子工作の作品を、一般客やメディアに披露できる場を提供してまいりました。以降、毎年開催しており、2013年に「GUGEN(ぐげん)」に名称を変更し、「社会における課題を解決するデバイス」と審査基準を改め、世の中に必要とされる作品の開発を業界のエンジニアに促した結果、今までの累計で1,500作品を超える作品が誕生しております。審査員やスポンサーは業界の著名人やスタートアップ(急成長を目指す新規の立ち上げ企業)への支援企業の方等を中心に招聘し、いまではエンジニアの登竜門の場として定着しました。当社のこのような活動は、2021年の開催で13年目となり、「P板.com」の広報としての要素も兼ねた活動となっております。 (2)プリント基板のEコマース「P板.com」の特徴① 試作開発に特化した新しい料金体系の提示 新製品の開発には試作(プロトタイプの作成)が必要不可欠ですが、それに要するプリント基板の作製には高額なイニシャル費用(初期費用)が発生します。試作は1回だけでなく、2回3回と繰り返しながら製品に磨きを掛けるのが一般的であり、その都度イニシャル費用が発生することは、限られた開発コストを圧迫することになり、エンジニアの悩みの一つでした。 そこで当社は、「異種面付工法」(※)により、イニシャル費用を大幅に効率化した上で、基板製造費用に全てを含めた料金体系を提示し、当時の一般的なプリント基板製造の相場から大幅に安く提供を行うことで、実績を拡大してまいりました。※ 異種面付工法:定格サイズ(4~5m四方)の材料で一種類の基板のみを製造する従来の方法に対し、複数種類の基板を共に製造する工法。材料を余すこと無く使用でき、試作等で少量の基板が必要な場合に有用。 ② 効率的な受発注管理の仕組み化 当社のプリント基板のEコマース事業では、受発注管理を効率化し、顧客から注文を受けて製造・仕入・出荷まで、すべて自社システム内で完結させることで迅速な対応を実現しております。電子機器の根幹を支える「プリント基板」は一点ごとに意匠の異なるオーダーメイド製品ですが、基板を構成する部品は規格化されたものであることから、当社では基板仕様を汎用標準化して顧客が希望するプリント基板をインターネット上で直販する仕組みを構築し、仕入・発送まで大幅にスピードアップして、商品を迅速にエンドユーザーにお届けしております。商品の仕入・販売に関しては、店舗・営業所を保有せず、顧客からの受注機能、仕入商品の発注機能、商品の入出荷管理機能及び電話による顧客サポート機能を本社に集約しており、受発注管理のほぼ全てを自社システム内で完結し、効率化しております。 ③ 利便性の高い見積・注文システムの構築 スピード感を重視し製品の開発・研究を営む企業において、購買に時間をかけることなく商品を仕入れることは重要視されます。オーダーメイド品であるプリント基板は、製造を依頼するプロセスに基板製造業者との対面でのやりとりが不可欠であったため、見積取得や価格交渉に時間を割く必要がありました。当社は、その課題を解決するために、インターネット環境があれば、いつでもどこでも瞬時に見積が取得出来る「1-Click見積」システムを当社WEBサイト上に設置し、電気・電子エンジニアが製品開発時に感じる見積取得の煩わしさを解消いたしました。 ④ 広範に渡る顧客層 Eコマースを利用した販売形態を採用することにより、従来の対面販売型と比べ基板発注の敷居が下がり、顧客層を広げることができました。その結果、大学・高専/研究機関など公的機関、国内大手セットメーカやそれを支える電子部品の中堅・中小企業などの法人、さらに個人事業主に至るまで試作開発案件を取り込み、累計取引者数は2万社を超え、幅広い顧客層から支持を得ております。品質への要求に対しては、ISO9001:2015規格の認証を取得し、よりよい製品やサービスの提供にコミットしております。また「納期遵守の徹底」により10年連続納期遵守率99%超え達成したこと等により当社への信頼度が向上し、大手企業・中堅企業との取引が拡大しております。 ⑤ ファブレスによる優良な仕入先との関係構築 当社は、自社工場を持たない、いわゆるファブレスでの運営を行っております。仕入先については、一社に依存することなく、国内外の複数の仕入先と提携することで、安定した製品の供給と、顧客の要求に沿った、より競争力のある商品を提供しております。 仕入先とは、信頼と実績に基づき、低価格で高品質の商品を納期通りに提供して頂けるように長期にわたり安定した取引関係を築くことを基本としています。当社では、プリント基板の市場価格や需要の変動、求められる品質基準の向上、納期の短縮化を常に意識し、改善を心掛けており、当社の培ったノウハウを仕入先にも共有し、より競争力ある商品を提供いただくことも当社の役割と心得ております。 ⑥ 取扱う商材の拡大 プリント基板の中でも、取扱いやすさから様々な製品に採用されているリジッド基板(※1)を主軸として、フレキシブル基板(※2)、アルミ基板(※3)、リジット・フレキシブル基板(※4)などの商材を取り扱っております。近年では、LED照明等に使われるアルミ基板、EV・ロボットなど大電流制御の用途で使われる厚銅基板(※5)の需要拡大に合わせ、充実を図っております。また、プリント基板の周辺商材として、メタルマスク、筐体、ハーネス等の取扱もしております。※1 リジッド基板:柔軟性のない硬質な材料をベースとした基板、電化製品に主として使用されている。※2 フレキシブル基板:薄く柔軟性のある材料をベースとした基板、ウエアラブル機器やスマートフォン等に使用されている。※3 アルミ基板:リジッド基板にアルミ材を合わせ放熱特性を高めた基板、照明機器などによく使用されている。※4 リジッド・フレキシブル基板:硬質な材料と薄く柔軟性のある材料とを複合した基板。※5 厚銅基板:基板上の銅箔部分が厚く大電流を流せる基板。 [事業系統図]
FY2021|5,210 文字|出典 docID: S100LTC8
3【事業の内容】 当社は、「開発環境をイノベーションする」という経営理念を掲げ、国内の電気電子企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進するために、ハードウェア製作の基礎環境として利便性の高いサービスを提供する「GUGENプラットフォーム」の運営を行っております。事業の中軸である製造・製品化のマーケットプレイス「P板.com(ピーバンドットコム)」では、電子機器の基幹部品であるプリント基板を、Eコマース(インターネットを基盤とした流通)を利用した通信販売によって、国内の産業用機器、及び民生機器開発メーカ等の顧客に対して販売しております。 プリント基板は、自動車、テレビ、スマートフォン、医療機器など、あらゆる“電子機器”に使われる基幹部品です。既存のエレクトロニクス産業の需要に加え、近年はIoT(インターネットオブシングス)や宇宙関連開発、EV、ロボット産業等の広がりや、国内でも本格化する5G(第五世代移動通信)による新規サービス、デバイスの出現により、プリント基板の需要は拡大していくものと思われます。 プリント基板の調達に必要な、基板設計・製造・部品実装の基幹サービスに加えて、電子機器などを収めるケース(筐体:きょうたい)の製造、基板と基板をつなぐハーネス部品の加工など、周辺サービスの充実を図っております。さらに、近年では電子機器製造を一括で受託製造する「P板.com EMS」を開始し、IoT関連製品に特化した小ロット製造の受注を拡大させるなど、サービス領域を拡大させております。 国内でいち早くサービスを開始したこれまでの実績に加え、ニーズに合わせたサービス領域の拡充とお客様に寄り添ったサポートによりサービスの信頼性が向上したことなどで、プリント基板の設計・製造・部品実装を一括で利用するワンストップ・ソリューション(※)の利用頻度が高まり、注文単価の増加に繋がっております。 現段階では「P板.com」が収益の柱となっておりますが、「P板.com」で蓄積した顧客基盤による信頼性を活かしながら電子機器の一括受託を行う「P板.com EMS」の取引を拡大させていくことで、持続的な事業成長に繋げてまいります。GUGENプラットフォーム、3つの成長エンジン①:基板設計~部品実装までワンストップ利用促進による収益拡大②:筐体やハーネスなど基板周辺部品のラインナップを充実し、顧客層を拡大③:P板.com EMSによりアイデアの具現化をサポート、電子機器の一括受託により取引を拡大 なお、当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。当社の展開する事業概要は以下のとおりになります。 ※ワンストップ・ソリューション:必要になる作業を一度の手続きで全て完了することが出来るサービスを意味します。当社のサービスは、プリント基板の設計、製造、部品実装までウェブ上で簡単に一括して注文手続きを行うことができます。 (1)事業の概要① プリント基板のEコマース「P板.com」 当社は、プリント基板のEコマースである「P板.com」の運営を行っております。 「P板.com」では、顧客が当社Webサイト上で選択した基板の仕様に合わせ、国内又は海外の提携仕入先の中から最適な価格・納期・品質で製造できる工場を自動選定し、4つの納期のコースに合わせた見積金額を提示します。顧客は提示された見積・納期の中から選択し、設計図をアップロードするだけでプリント基板を手軽に注文することができます。当社では、顧客から提示された基板の設計図をカスタマーサポート部にて確認した後、ただちに、提携仕入先へ自社システム上より発注を行う仕組みとなっております。工場では、通常2、3日以内に製造が完了し、顧客の手元に届けられます。 事業のサービス別分類は、下記のとおりであります。サービス分類説明設計顧客から支給される「電気信号の流れを表した回路図」に基づき、基板を製造するためのデータを、CADソフトによって設計します。製造顧客から支給される基板製造用データ又は当社の設計サービスにより設計した基板製造用データに基づき、基板を製造します。事業の主力部分です。実装製造した基板に、電子部品を配置し、はんだで接続します。電子部品を当社側で調達を行うオプションの利用が増加しております。その他基板へ電子部品を実装する際に必要となる専用治具「メタルマスク」の製造、筐体の製造、部品実装済み基板や外部装置などを接続する電線(ハーネス)を加工するサービス等があります。 ② 電子機器の一括受託製造「P板.com EMS」 当社では、電子機器の設計から完成・出荷までのモノづくりにおける一連のプロセスをお手伝いする「P板.com EMS」を行っております。 当社が得意とするプリント基板製造のみならず、電子機器の設計試作から組立、完成品の検査・梱包までをワンストップ・サービスとして提供いたします。アイデアを製品化するためのご提案や特殊加工の対応も可能で、お客様のご要望に合わせ、必要な工程を選択してご利用いただけます。 当社が提供するEMSは、主にIoT関連の製品を開発するお客様にご利用いただいており、数千台〜数万台程度の小ロット規模の取り扱いが多いです。当社の他にもEMSを提供するメーカはおりますが、多くは数十万台以上をターゲットとしており、小ロット規模の製造の受け入れ先として当社がサービス提供を行い、差別化を図っております。 ③ エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele」の運営 プリント基板を扱う技術者のすそ野を広げるためのインフラ整備にも力を注いでおります。IoTの広がりに伴い、IT・エレクトロニクス業界のみならず、異業種からの電子機器の開発需要が増加する中、エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele(アットマーク・エレ)」をリリースし、主に若手エンジニアの育成の後押しを行っております。プリント基板に関する専門情報を配信することで、当社への技術的信頼度を向上させるともに、当社サービスの広報活動も平行して行い、ユーザーの獲得、当社サービスの利用拡大へと繋げております。 ④ エンジニアの登竜門「GUGENコンテスト」の運営 電子機器産業の持続的な発展のためには、電気・電子エンジニアの人口拡大が不可欠と考えております。そのために、当社は2009年よりエンジニアにスポットを当てる「電子工作コンテスト」を開催し、自身が作成した電子工作の作品を、一般客やメディアに披露できる場を提供してまいりました。以降、毎年開催しており、2013年に「GUGEN(ぐげん)」に名称を変更し、「社会における課題を解決するデバイス」と審査基準を改め、世の中に必要とされる作品の開発を業界のエンジニアに促した結果、今までの累計で1,500作品を超える作品が誕生しております。審査員やスポンサーは業界の著名人やスタートアップ(急成長を目指す新規の立ち上げ企業)への支援企業の方等を中心に招聘し、いまではエンジニアの登竜門の場として定着しました。当社のこのような活動は、2020年の開催で12年目となり、「P板.com」の広報としての要素も兼ねた活動となっております。 (2)プリント基板のEコマース「P板.com」の特徴① 試作開発に特化した新しい料金体系の提示 新製品の開発には試作(プロトタイプの作成)が必要不可欠ですが、それに要するプリント基板の作製には高額なイニシャル費用(初期費用)が発生します。試作は1回だけでなく、2回3回と繰り返しながら製品に磨きを掛けるのが一般的であり、その都度イニシャル費用が発生することは、限られた開発コストを圧迫することになり、エンジニアの悩みの一つでした。 そこで当社は、「異種面付工法」(※)により、イニシャル費用を大幅に効率化した上で、基板製造費用に全てを含めた料金体系を提示し、当時の一般的なプリント基板製造の相場から大幅に安く提供を行うことで、実績を拡大してまいりました。※ 異種面付工法:定格サイズ(4~5m四方)の材料で一種類の基板のみを製造する従来の方法に対し、複数種類の基板を共に製造する工法。材料を余すこと無く使用でき、試作等で少量の基板が必要な場合に有用。 ② 効率的な受発注管理の仕組み化 当社のプリント基板のEコマース事業では、受発注管理を効率化し、顧客から注文を受けて製造・仕入・出荷まで、すべて自社システム内で完結させることで迅速な対応を実現しております。電子機器の根幹を支える「プリント基板」は一点ごとに意匠の異なるオーダーメイド製品ですが、基板を構成する部品は規格化されたものであることから、当社では基板仕様を汎用標準化して顧客が希望するプリント基板をインターネット上で直販する仕組みを構築し、仕入・発送まで大幅にスピードアップして、商品を迅速にエンドユーザーにお届けしております。商品の仕入・販売に関しては、店舗・営業所を保有せず、顧客からの受注機能、仕入商品の発注機能、商品の入出荷管理機能及び電話による顧客サポート機能を本社に集約しており、受発注管理のほぼ全てを自社システム内で完結し、効率化しております。 ③ 利便性の高い見積・注文システムの構築 スピード感を重視し製品の開発・研究を営む企業において、購買に時間をかけることなく商品を仕入れることは重要視されます。オーダーメイド品であるプリント基板は、製造を依頼するプロセスに基板製造業者との対面でのやりとりが不可欠であったため、見積取得や価格交渉に時間を割く必要がありました。当社は、その課題を解決するために、インターネット環境があれば、いつでもどこでも瞬時に見積が取得出来る「1-Click見積」システムを当社WEBサイト上に設置し、電気・電子エンジニアが製品開発時に感じる見積取得の煩わしさを解消いたしました。 ④ 広範に渡る顧客層 Eコマースを利用した販売形態を採用することにより、従来の対面販売型と比べ基板発注の敷居が下がり、顧客層を広げることができました。その結果、大学・高専/研究機関など公的機関、国内大手セットメーカやそれを支える電子部品の中堅・中小企業などの法人、さらに個人事業主に至るまで試作開発案件を取り込み、累計取引者数は2万社を超え、幅広い顧客層から支持を得ております。品質への要求に対しては、ISO9001:2015規格の認証を取得し、よりよい製品やサービスの提供にコミットしております。また「納期遵守の徹底」により10年連続納期遵守率99%超え達成したこと等により当社への信頼度が向上し、大手企業・中堅企業との取引が拡大しております。 ⑤ ファブレスによる優良な仕入先との関係構築 当社は、自社工場を持たない、いわゆるファブレスでの運営を行っております。仕入先については、一社に依存することなく、国内外の複数の仕入先と提携することで、安定した製品の供給と、顧客の要求に沿った、より競争力のある商品を提供しております。 仕入先とは、信頼と実績に基づき、低価格で高品質の商品を納期通りに提供して頂けるように長期にわたり安定した取引関係を築くことを基本としています。当社では、プリント基板の市場価格や需要の変動、求められる品質基準の向上、納期の短縮化を常に意識し、改善を心掛けており、当社の培ったノウハウを仕入先にも共有し、より競争力ある商品を提供いただくことも当社の役割と心得ております。 ⑥ 取扱う商材の拡大 プリント基板の中でも、取扱いやすさから様々な製品に採用されているリジッド基板(※1)を主軸として、フレキシブル基板(※2)、アルミ基板(※3)、リジット・フレキシブル基板(※4)などの商材を取り扱っております。近年では、LED照明等に使われるアルミ基板、EV・ロボットなど大電流制御の用途で使われる厚銅基板(※5)の需要拡大に合わせ、充実を図っております。また、プリント基板の周辺商材として、メタルマスク、筐体、ハーネス等の取扱もしております。※1 リジッド基板:柔軟性のない硬質な材料をベースとした基板、電化製品に主として使用されている。※2 フレキシブル基板:薄く柔軟性のある材料をベースとした基板、ウエアラブル機器やスマートフォン等に使用されている。※3 アルミ基板:リジッド基板にアルミ材を合わせ放熱特性を高めた基板、照明機器などによく使用されている。※4 リジッド・フレキシブル基板:硬質な材料と薄く柔軟性のある材料とを複合した基板。※5 厚銅基板:基板上の銅箔部分が厚く大電流を流せる基板。 [事業系統図]
FY2020|4,911 文字|出典 docID: S100J1YX
3【事業の内容】 当社は、「開発環境をイノベーションする」という経営スローガンの下、電子機器産業のエンジニアの開発における課題を解決するために、ハードウェア製作のための基礎環境として利便性の高いサービスを提供する「GUGENプラットフォーム」の運営を行っております。事業の中軸である製造・製品化のマーケットプレイス「P板.com(ピーバンドットコム)」では、電子機器の基幹部品であるプリント基板を、Eコマース(インターネットを基盤とした流通)を利用した通信販売によって、国内の産業用機器、および民生機器開発メーカー等の顧客に対して販売しております。 プリント基板は、自動車、テレビ、スマートフォン、医療機器など、あらゆる“電子機器”に使われる基幹部品です。既存のエレクトロニクス産業の需要に加え、近年はIoT(インターネットオブシングス)や宇宙関連開発、EV、ロボット産業等の広がりや、国内でも本格化する5G(第五世代移動通信)による新規サービス、デバイスの出現により、プリント基板の需要は拡大していくものと思われます。 創業時は、製品開発の工程の一部にあたるプリント基板製造の市場からビジネス展開を始め、現在では、基板を製造するためのデータの設計や、完成した基板への部品の実装、電子機器などを収めるケース(筐体:きょうたい)の製造等、基板製造の前後の工程においてもサービスを展開しております。これまでの実績と対応でお客様からの信頼を得られたことで、大手・中堅企業との取引が拡大し、現在では取引実績社数は2万社を越えました。 これまでの実績に加え、2017年3月に東証マザーズ、2019年12月に東証一部に株式上場を果たしたことによる社会的信用度の向上により、注文単価の高い量産の注文が増加しております。さらに、プリント基板の設計・製造・実装を一括で利用するワンストップ・ソリューション(※)の利用頻度が高まり、併せて注文単価の増加に繋がっております。 段階では「P板.com」が収益の柱となっておりますが、「@ele(アットマーク・エレ)」や「GUGEN(ぐげん)コンテスト」、「GUGEN Crowd」の拡大や、経営スローガンである「開発環境のイノベーションする」に基づく新たなサービス、事業を画策致します。また、他社との連携を含めた事業成長策も検討し、製品開発に対する一連のサポート体制である「GUGENプラットフォーム」を引き続き強化してまいります。 GUGENプラットフォーム、3つの成長エンジン①:基板設計~部品実装までワンストップ利用促進による収益拡大②:筐体やハーネスなど基板周辺部品のラインナップを充実し、顧客層を拡大③:他社との提携を含め、事業領域を拡大する なお、当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。当社の展開する事業概要は以下のとおりになります。 ※ワンストップ・ソリューション:必要になる作業を一度の手続きで全て完了することが出来るサービスを意味します。当社のサービスは、プリント基板の設計、製造、部品実装までウェブ上で簡単に一括で注文手続きを行うことができます。 (1)事業の概要① プリント基板のEコマース「P板.com」 当社は、プリント基板のEコマースである「P板.com」の運営を行っております。 「P板.com」では、顧客が当社Webサイト上で選択した基板の仕様に合わせ、国内又は海外の提携仕入先の中から最適な価格・納期・品質で製造できる工場を自動選定し、4つの納期のコースに合わせた見積金額を提示します。顧客は提示された見積・納期の中から選択し、設計図をアップロードするだけでプリント基板を手軽に注文することができます。当社では、顧客から提示された基板の設計図をカスタマーサポート部にて確認した後、ただちに、提携仕入先へ自社システム上より発注を行う仕組みとなっております。工場では、通常2、3日以内に製造が完了し、顧客の手元に届けられます。 事業のサービス別分類は、下記のとおりであります。サービス分類説明設計顧客から支給される「電気信号の流れを表した回路図」に基づき、基板を製造するためのデータを、CADソフトによって設計します。製造顧客から支給される基板製造用データ又は当社の設計サービスにより設計した基板製造用データに基づき、基板を製造します。事業の主力部分です。実装製造した基板に、電子部品を配置し、はんだで接続します。電子部品を当社側で調達を行うオプションの利用が増加しております。その他基板へ電子部品を実装する際に必要となる専用治具「メタルマスク」の製造、筐体の製造、部品実装済み基板や外部装置などを接続する電線(ハーネス)を加工するサービス等があります。 ② エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele」の運営 プリント基板を扱う技術者のすそ野を広げるためのインフラ整備にも力を注いでおります。IoTの広がりに伴い、IT・エレクトロニクス業界のみならず、異業種からの電子機器の開発需要が増加する中、エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele(アットマーク・エレ)」をリリースし、主に若手エンジニアの育成の後押しを行っております。プリント基板に関する専門情報を配信することで、当社への技術的信頼度を向上させるともに、当社サービスの広報活動も平行して行い、ユーザーの獲得、「P板.com」の利用拡大へと繋げております。 ③ エンジニアの登竜門「GUGENコンテスト」の運営 電子機器産業の持続的な発展のためには、電気・電子エンジニアの人口拡大が不可欠と考えております。そのために、当社は2009年よりエンジニアにスポット当てる「電子工作コンテスト」を開催し、自身が作成した電子工作の作品を、一般客やメディアに披露できる場を提供してまいりました。以降、毎年開催しており、2013年に「GUGEN(ぐげん)」に名称を変更し、「社会における課題を解決するデバイス」と審査基準を改め、世の中に必要とされる作品の開発を業界のエンジニアに促した結果、今までの累計で1,500作品を超える作品が誕生しております。審査員やスポンサーは業界の著名人やスタートアップ(急成長を目指す新規の立ち上げ企業)への支援企業の方等を中心に招聘し、いまではエンジニアの登竜門の場として定着しました。当社のこのような活動は、2019年の開催で11年目となり、「P板.com」の広報としての要素も兼ねた活動となっております。 (2)プリント基板のEコマース「P板.com」の特徴① 試作開発に特化した新しい料金体系の提示 新製品の開発には試作(プロトタイプの作成)が必要不可欠ですが、それに要するプリント基板の作製には高額なイニシャル費用(初期費用)が発生します。試作は1回だけでなく、2回3回と繰り返しながら製品に磨きを掛けるのが一般的であり、その都度イニシャル費用が発生することは、限られた開発コストを圧迫することになり、エンジニアの悩みの一つでした。 そこで当社は、「異種面付工法」(※)により、イニシャル費用を大幅に効率化した上で、基板製造費用に全てを含めた料金体系を提示し、当時の一般的なプリント基板製造の相場から大幅に安く提供を行うことで、実績を拡大してまいりました。※ 異種面付工法:定格サイズ(4~5m四方)の材料で一種類の基板のみを製造する従来の方法に対し、複数種類の基板を共に製造する工法。材料を余すこと無く使用でき、試作等で少量の基板が必要な場合に有用。 ② 効率的な受発注管理の仕組み化 当社のプリント基板のEコマース事業では、受発注管理を効率化し、顧客から注文を受けて製造・仕入・出荷まで、すべて自社システム内で完結させることで迅速な対応を実現しております。電子機器の根幹を支える「プリント基板」は一点ごとに意匠の異なるオーダーメイド製品ですが、基板を構成する部品は規格化されたものであることから、当社では基板仕様を汎用標準化して顧客が希望するプリント基板をインターネット上で直販する仕組みを構築し、仕入・発送まで大幅にスピードアップして、商品を迅速にエンドユーザーにお届けしております。商品の仕入・販売に関しては、店舗・営業所を保有せず、顧客からの受注機能、仕入商品の発注機能、商品の入出荷管理機能及び電話による顧客サポート機能を本社に集約しており、受発注管理のほぼ全てを自社システム内で完結し、効率化しております。 ③ 利便性の高い見積・注文システムの構築 スピード感を重視し製品の開発・研究を営む企業において、購買に時間をかけることなく商品を仕入れることは重要視されます。オーダーメイド品であるプリント基板は、製造を依頼するプロセスに基板製造業者との対面でのやりとりが不可欠であったため、見積取得や価格交渉に時間を割く必要がありました。当社は、その課題を解決するために、インターネット環境があれば、いつでもどこでも瞬時に見積が取得出来る「1-Click見積」システムを当社WEBサイト上に設置し、電気・電子エンジニアが製品開発時に感じる見積取得の煩わしさを解消いたしました。 ④ 広範に渡る顧客層 Eコマースを利用した販売形態を採用することにより、従来の対面販売型と比べ基板発注の敷居が下がり、顧客層を広げることができました。その結果、大学・高専/研究機関など公的機関、国内大手セットメーカーやそれを支える電子部品の中堅・中小企業などの法人、さらに個人事業主に至るまで試作開発案件を取り込み、累計取引者数は2万社を超え、幅広い顧客層から支持を得ております。品質への要求に対しては、ISO9001:2015規格の認証を取得し、よりよい製品やサービスの提供にコミットしております。また「納期遵守の徹底」により10年連続納期遵守率99%超え達成したこと等により当社への信頼度が向上し、大手企業・中堅企業との取引が拡大しております。 ⑤ ファブレスによる優良な仕入先との関係構築 当社は、自社工場を持たない、いわゆるファブレスでの運営を行っております。仕入先については、一社に依存することなく、国内外の複数の仕入先と提携することで、安定した製品の供給と、顧客の要求に沿った、より競争力のある商品を提供しております。 仕入先とは、信頼と実績に基づき、低価格で高品質の商品を納期通りに提供して頂けるように長期にわたり安定した取引関係を築くことを基本としています。当社では、プリント基板の市場価格や需要の変動、求められる品質基準の向上、納期の短縮化を常に意識し、改善を心掛けており、当社の培ったノウハウを仕入先にも共有し、より競争力ある商品を提供いただくことも当社の役割と心得ております。 ⑥ 取扱う商材の拡大 プリント基板の中でも、取扱いやすさから様々な製品に採用されているリジッド基板(※1)を主軸として、フレキシブル基板(※2)、アルミ基板(※3)、リジット・フレキシブル基板(※4)などの商材を取り扱っております。近年では、LED照明等に使われるアルミ基板、EV・ロボットなど大電流制御の用途で使われる厚銅基板(※5)の需要拡大に合わせ、充実を図っております。また、プリント基板の周辺商材として、メタルマスク、筐体、ハーネス等の取扱もしております。※1 リジッド基板:柔軟性のない硬質な材料をベースとした基板、電化製品に主として使用されている。※2 フレキシブル基板:薄く柔軟性のある材料をベースとした基板、ウエアラブル機器やスマートフォン等に使用されている。※3 アルミ基板:リジッド基板にアルミ材を合わせ放熱特性を高めた基板、照明機器などによく使用されている。※4 リジッド・フレキシブル基板:硬質な材料と薄く柔軟性のある材料とを複合した基板。※5 厚銅基板:基板上の銅箔部分が厚く大電流を流せる基板。 [事業系統図]
FY2019|4,803 文字|出典 docID: S100G8ZI
3 【事業の内容】当社は、「開発環境をイノベーションする」という経営スローガンの下、電子機器産業のエンジニアの開発における課題を解決するために、主にEコマース(インターネットを基盤とした流通)を利用した通信販売によって、あらゆる電子機器に使用される主要部品の一つであるプリント基板を、国内の産業用機器、および民生機器開発メーカー等の顧客に対して販売しております。当社が扱うプリント基板とは、自動車、テレビ、スマートフォン、医療機器など、あらゆる“電子機器”に使われる主要な部品です。既存のエレクトロニクス産業の需要に加え、近年はIoT(インターネットオブシングス)や宇宙関連開発、EV、ロボット産業等の広がりに伴い、プリント基板の国内の需要は増加傾向にあります。創業時は、製品開発の工程の一部にあたるプリント基板製造の市場からビジネス展開を始め、現在では、基板を製造するためのデータの設計や、完成した基板への部品の実装、電子機器などを収めるケース(筐体:きょうたい)の製造等、基板製造の前後の工程においてもサービスを展開しております。さらに、製品開発の初期段階であるアイデア、設計情報の提供から、試作品完成後の市場評価を行うコンテスト等、幅広いプラットフォームを展開しております。これまでの実績と対応でお客様からの信頼を得られたことで、大手・中堅企業との取引が拡大し、現在では取引実績社数は2万社を越えました。これまでの実績に加え、2017年3月に株式上場を果たしたことによる社会的信用度の向上により、注文単価の高い量産の注文が増加しております。さらに、設計・製造・実装を一括で利用するワンストップソリューションに、部品調達オプションの利用頻度が高まり、併せて注文単価の増加に繋がっております。現段階ではプリント基板のEコマース事業「P板.com」が収益の柱となっておりますが、「@ele(アットマーク・エレ)」や「GUGEN(ぐげん)コンテスト」、「GUGEN Crowd」の拡大や、経営スローガンである「開発環境のイノベーションする」に基づく新たなサービス、事業を画策致します。また、他社との連携を含めた事業成長策も検討し、製品開発に対する一連のサポート体制である「GUGENプラットフォーム」を引き続き強化してまいります。 ①:基板設計~部品実装までワンストップ利用いただく顧客が増加している②:基板周辺部品の筐体やハーネスの取扱を拡大し、顧客層の拡大を図る③:他社との提携を含め、事業全体の成長を画策していく なお、当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。当社の展開する事業概要は以下のとおりになります。 (1) 事業の概要① プリント基板のEコマース「P板.com」当社は、プリント基板のEコマースである「P板.com」の運営を行っております。「P板.com」では、顧客が当社Webサイト上で選択した基板の仕様に合わせ、国内又は海外の提携仕入先の中から最適な価格・納期・品質で製造できる工場を自動選定し、4つの納期のコースに合わせた見積金額を提示します。顧客は提示された見積・納期の中から選択し、設計図をアップロードするだけでプリント基板を手軽に注文することができます。当社では、顧客から提示された基板の設計図をカスタマーサポート部にて確認した後、ただちに、提携仕入先へ自社システム上より発注を行う仕組みとなっております。工場では、通常2、3日以内に製造が完了し、顧客の手元に届けられます。事業のサービス別分類は、下記のとおりであります。 サービス分類説明設計顧客から支給される「電気信号の流れを表した回路図」に基づき、基板を製造するためのデータを、CADソフトによって設計します。製造顧客から支給される基板製造用データ又は当社の設計サービスにより設計した基板製造用データに基づき、基板を製造します。事業の主力部分です。実装製造した基板に、電子部品を配置し、はんだで接続します。電子部品を当社側で調達を行うオプションの利用が増加しております。その他基板へ電子部品を実装する際に必要となる専用治具「メタルマスク」の製造、筐体の製造、部品実装済み基板や外部装置などを接続する電線(ハーネス)を加工するサービス等があります。 ② エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele」の運営プリント基板を扱う技術者のすそ野を広げるためのインフラ整備にも力を注いでおります。IoTの広がりに伴い、IT・エレクトロニクス業界のみならず、異業種による電子機器の開発需要が増えているため、エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele(アットマーク・エレ)」をリリースし、主に若手エンジニアの育成の後押しを行っております。技術サイトを運営し専門的な情報を配信することで、当社への信頼度を向上させるともに、当社サービスの広報活動も平行して行い、当社サービスの利用へと繋げております。 ③ エンジニアの登竜門「GUGENコンテスト」の運営電子機器産業の持続的な発展のためには、電気・電子エンジニアの人口拡大が不可欠と考えております。そのために、当社は2009年よりエンジニアにスポット当てる「電子工作コンテスト」を開催し、自身が作成した電子工作の作品を、一般客やメディアに披露できる場を提供してまいりました。以降、毎年開催しており、2013年に「GUGEN(ぐげん)」に名称を変更し、「社会における課題を解決するデバイス」と審査基準を改め、世の中に必要とされる作品の開発を業界のエンジニアに促した結果、今までの累計で1,000作品を超える作品が誕生しております。審査員やスポンサーは業界の著名人やスタートアップ(急成長を目指す新規の立ち上げ企業)への支援企業の方等を中心に招聘し、いまではエンジニアの登竜門の場として定着しました。当社のこのような活動は、2018年の開催で10年目となり、広報も兼ねた活動となっております。 (2) プリント基板のEコマース「P板.com」の特徴① 試作開発に特化した新しい料金体系の提示新製品の開発には試作(プロトタイプの作成)が必要不可欠ですが、それに要するプリント基板の作製には高額なイニシャル費用(初期費用)が発生します。試作は1回だけでなく、2回3回と繰り返しながら製品に磨きを掛けるのが一般的であり、その都度イニシャル費用が発生することは、限られた開発コストを圧迫することになり、エンジニアの悩みの一つでした。そこで当社は、「異種面付工法」(※)により、イニシャル費用を大幅に効率化した上で、基板製造費用に全てを含めた料金体系を提示し、当時の一般的なプリント基板製造の相場から大幅に安く提供を行うことで、実績を拡大してまいりました。 ※ 異種面付工法:定格サイズ(4~5m四方)の材料で一種類の基板のみを製造する従来の方法に対し、複数種類の基板を共に製造する工法。材料を余すこと無く使用でき、試作等で少量の基板が必要な場合に有用。 ② 効率的な受発注管理の仕組み化当社のプリント基板のEコマース事業では、受発注管理を効率化し、顧客から注文を受けて製造・仕入・出荷まで、すべて自社システム内で完結させることで迅速な対応を実現しております。電子機器の根幹を支える「プリント基板」は一点ごとに意匠の異なるオーダーメイド製品ですが、基板を構成する部品は規格化されたものであることから、当社では基板仕様を汎用標準化して顧客が希望するプリント基板をインターネット上で直販する仕組みを構築し、仕入・発送まで大幅にスピードアップして、商品を迅速にエンドユーザーにお届けしております。商品の仕入・販売に関しては、店舗・営業所を保有せず、顧客からの受注機能、仕入商品の発注機能、商品の入出荷管理機能及び電話による顧客サポート機能を本社に集約しており、受発注管理のほぼ全てを自社システム内で完結し、効率化しております。③ 利便性の高い見積・注文システムの構築製品の開発・研究を営む企業において、購買に時間をかけることなく商品を仕入れることが重要視される傾向にあります。オーダーメイド品であるプリント基板は、製造を依頼するプロセスに基板製造業者との対面でのやりとりが不可欠であったため、見積取得にも時間が掛かり、また人を介すことで費用も高く提示されていました。当社は、その課題を解決するために、インターネット環境があれば、いつでもどこでも瞬時に見積が取得出来る「1-Click見積」システムを当社WEBサイト上に設置し、電気・電子エンジニアが製品開発時に感じる見積取得の煩わしさを解消いたしました。また、2018年12月に業務提携した、AIによる製造プロセスの効率化を得意とするSwissmic SA(本社:スイス)との共同開発により、近年伸長している部品調達オプションを含めた部品実装サービスの「1-Click見積」の利便性が飛躍的に向上する見込みです。 ④ 広範に渡る顧客層Eコマースを利用した販売形態を採用することにより、従来の対面販売型と比べ基板発注の敷居が下がり、顧客層を広げることができました。その結果、大学・高専/研究機関など公的機関、国内大手セットメーカーやそれを支える電子部品の中堅・中小企業などの法人、さらに個人事業主に至るまで試作開発案件を取り込み、累計取引者数は2万社を超え、幅広い顧客層から支持を得ております。近年では、ISO9001:2015年版へ移行認証を行い製品(事業)品質の持続的な向上をさせること、また「納期遵守の徹底」により5年連続納期遵守率99%超え達成したこと等により当社への信頼度が向上し、大手企業・中堅企業との取引が拡大しております。 ⑤ ファブレスによる優良な仕入先との関係構築当社は、自社工場を持たない、いわゆるファブレスでの運営を行っております。仕入先については、一社に依存すること無く、国内外の複数の仕入先と提携することで、安定した製品の供給と、顧客の要求に沿った、より競争力のある商品を提供しております。仕入先とは、信頼と実績に基づき、低価格で高品質の商品を納期通りに提供して頂けるように長期にわたり安定した取引関係を築くことを基本としています。しかしプリント基板の市場価格の変動や、求められる品質基準の向上、納期の短縮化は常に改善を心掛けており、当社の培ったノウハウを仕入先に横展開し、より競争力ある商品を提供してもらうことも当社の役割と心得ております。 ⑥ 取扱う商材の拡大プリント基板の中でも、取扱いやすさから様々な製品に採用されているリジッド基板(※1)を主軸として、フレキシブル基板(※2)、アルミ基板(※3)、リジット・フレキシブル基板(※4)などの商材を取り扱っております。近年では、LED照明等に使われるアルミ基板、EV・ロボットなど大電流制御の用途で使われる厚銅基板(※5)の需要拡大に合わせ、充実を図っております。また、プリント基板の周辺商材として、メタルマスク、筐体、ハーネス等の取扱もしております。※1 リジッド基板:柔軟性のない硬質な材料をベースとした基板、電化製品に主として使用されている。※2 フレキシブル基板:薄く柔軟性のある材料をベースとした基板、ウエアラブル機器やスマートフォン等に使用されている。※3 アルミ基板:リジッド基板にアルミ材を合わせ放熱特性を高めた基板、照明機器などによく使用されている。※4 リジッド・フレキシブル基板:硬質な材料と薄く柔軟性のある材料とを複合した基板。※5 厚銅基板:基板上の銅箔部分が厚く大電流を流せる基板。 [事業系統図]
FY2018|4,343 文字|出典 docID: S100DICF
3 【事業の内容】当社は、「開発環境をイノベーションする」という経営スローガンの下、電子機器産業のエンジニアの開発における課題を解決するために、主にEコマース(インターネットを基盤とした流通)を利用した通信販売によって、あらゆる電子機器に使用される主要部品の一つであるプリント基板を、国内の製造業を中心とした顧客に対して販売しております。当社が扱うプリント基板とは、自動車、テレビ、スマートフォン、医療機器など、あらゆる“電子機器”に使われる主要な部品です。近年、IoT(インターネットオブシングス)やEV、ロボット産業等の広がりに伴い、プリント基板の国内の需要は増加傾向にあります。創業当初は、製品開発の工程の中でも一部にあたるプリント基板製造の市場に対してビジネス展開を行っておりましたが、現在では、基板を製造するためのデータの設計や、完成した基板への部品の実装、電子機器などを収めるケース(筐体:きょうたい)の製造等、基板製造の前後の工程においてもサービスを展開しております。さらに、製品開発の初期段階であるアイデア(構想)から、市場への製品リリースサポートまで幅広いサポートを行っております。これまでの実績と対応からお客様からの信頼を得られたことで現在では取引実績社数は2万社を越え、近年では大手・中堅企業との新規取引も拡大しております。現段階ではプリント基板のEコマース事業「P板.com」が収益の柱となっておりますが、「@ele」や「GUGENコンテスト」、「GUGEN Crowd」の拡大や、経営スローガンである「開発環境のイノベーションする」に基づく新たなサービス、事業を画策しながら、製品開発に対する一連のサポート体制である「GUGENプラットフォーム」を引き続き強化してまいります。開発の上流から下流まで全てをサポートする「GUGENプラットフォーム」を展開 なお、当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。当社の展開する事業概要は以下のとおりになります。 (1) 事業の概要① プリント基板のEコマース「P板.com」当社は、プリント基板のEコマースである「P板.com」の運営を行っております。「P板.com」では、顧客が当社Webサイト上で選択した基板の仕様に合わせ、国内又は海外の提携仕入先の中から最適な価格・納期・品質で製造できる工場を自動選定し、4つの納期のコースに合わせた見積金額を提示します。顧客は提示された見積・納期の中から選択し、設計図をアップロードするだけでプリント基板を手軽に注文することができます。当社では、顧客から提示された基板の設計図をカスタマーサポート部にて確認した後、ただちに、提携仕入先へ自社システム上より発注を行う仕組みとなっております。工場では、通常2、3日以内に製造が完了し、顧客の手元に届けられます。事業のサービス別分類は、下記のとおりであります。 サービス分類説明設計顧客から支給される「電気信号の流れを表した回路図」に基づき、基板を製造するためのデータを、CADソフトによって設計します。製造顧客から支給される基板製造用データ又は当社の設計サービスにより設計した基板製造用データに基づき、基板を製造します。事業の主力部分です。実装製造した基板に、電子部品を配置し、はんだで接続します。その他基板へ電子部品を実装する際に必要となる専用治具「メタルマスク」の製造、筐体の製造、部品実装済み基板や外部装置などを接続する電線(ハーネス)を加工するサービス等があります。 ② エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele(アットマーク・エレ)」の運営プリント基板を扱う技術者のすそ野を広げるためのインフラ整備にも力を注いでおります。IoTの広がりに伴い、IT・エレクトロニクス業界のみならず、異業種による電子機器の開発需要が増えているため、エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele(アットマーク・エレ)」をリリースし、主に若手エンジニアの育成の後押しを行っております。技術サイトを運営し専門的な情報を配信することで、当社への信頼度を向上させるともに、当社サービスの広報活動も平行して行い、当社サービスの利用へと繋げております。 ③ エンジニアの登竜門「GUGEN(ぐげん)コンテスト」の運営電子機器産業の持続的な発展のためには、電気・電子エンジニアの人口拡大が不可欠と考えております。そのために、当社は平成21年よりエンジニアにスポット当てる「電子工作コンテスト」を開催し、自身が作成した電子工作の作品を、一般客やメディアに披露できる場を提供してまいりました。以降、毎年開催しており、平成25年に「GUGEN(ぐげん)」に名称を変更し、「社会における課題を解決するデバイス」と審査基準を改め、世の中に必要とされる作品の開発を業界のエンジニアに促した結果、今までの累計で1,000作品を超える作品が誕生しております。審査員やスポンサーは業界の著名人やスタートアップ(急成長を目指す新規の立ち上げ企業)への支援企業の方等を中心に招聘し、いまではエンジニアの登竜門の場として定着しました。当社のこのような活動は、平成30年の開催で10年目となり、広報も兼ねた活動となっております。 (2) プリント基板のEコマース「P板.com」の特徴① 試作開発に特化した新しい料金体系の提示新製品の開発には試作(プロトタイプの作成)が必要不可欠ですが、それに要するプリント基板の作製には高額なイニシャル費用(初期費用)が発生します。試作は1回だけでなく、2回3回と繰り返しながら製品に磨きを掛けるのが一般的であり、その都度イニシャル費用が発生することは、限られた開発コストを圧迫することになり、エンジニアの悩みの一つでした。そこで当社は、「異種面付工法」(※)により、イニシャル費用を大幅に効率化した上で、基板製造費用に全てを含めた料金体系を提示し、当時の一般的なプリント基板製造の相場から大幅に安く提供を行うことで、実績を拡大してまいりました。 ※ 異種面付工法:定格サイズ(4~5m四方)の材料で一種類の基板のみを製造する従来の方法に対し、複数種類の基板を共に製造する工法。材料を余すこと無く使用でき、試作等で少量の基板が必要な場合に有用。 ② 効率的な受発注管理の仕組み化当社のプリント基板のEコマース事業では、受発注管理を効率化し、顧客から注文を受けて製造・仕入・出荷まで、すべて自社システム内で完結させることで迅速な対応を実現しております。電子機器の根幹を支える「プリント基板」は一点ごとに意匠の異なるオーダーメイド製品ですが、基板を構成する部品は規格化されたものであることから、当社では基板仕様を汎用標準化して顧客が希望するプリント基板をインターネット上で直販する仕組みを構築し、仕入・発送まで大幅にスピードアップして、商品を迅速にエンドユーザーにお届けしております。商品の仕入・販売に関しては、店舗・営業所を保有せず、顧客からの受注機能、仕入商品の発注機能、商品の入出荷管理機能及び電話による顧客サポート機能を本社に集約しており、受発注管理のほぼ全てを自社システム内で完結し、効率化しております。 ③ 利便性の高い見積・注文システムの構築製品の開発・研究を営む企業において、購買に時間をかけることなく商品を仕入れることが重要視される傾向にあります。オーダーメイド品であるプリント基板は、製造を依頼するプロセスに基板製造業者との対面でのやりとりが不可欠であったため、見積取得にも時間が掛かり、また人を介すことで費用も高く提示されていました。当社は、その課題を解決するために、インターネット環境があれば、いつでもどこでも瞬時に見積が取得出来る「1-Click見積」システムを当社WEBサイト上に設置し、電気・電子エンジニアが製品開発時に感じる見積取得の煩わしさを解消いたしました。 ④ 広範に渡る顧客層Eコマースを利用した販売形態を採用することにより、従来の対面販売型と比べ基板発注の敷居が下がり、顧客層を広げることができました。その結果、大学・高専/研究機関など公的機関、国内大手セットメーカーやそれを支える電子部品の中堅・中小企業などの法人、さらに個人事業主に至るまで試作開発案件を取り込み、累計取引者数は2万社を超え、幅広い顧客層から支持を得ております。近年では、ISO9001:2015年版へ移行認証を行い製品(事業)品質の持続的な向上をさせること、また「納期遵守の徹底」により5年連続納期遵守率99%超え達成したこと等により当社への信頼度が向上し、大手企業・中堅企業との取引が拡大しております。 ⑤ ファブレスによる優良な仕入先との関係構築当社は、自社工場を持たない、いわゆるファブレスでの運営を行っております。仕入先については、一社に依存すること無く、国内外の複数の仕入先と提携することで、安定した製品の供給と、顧客の要求に沿った、より競争力のある商品を提供しております。仕入先とは、信頼と実績に基づき、低価格で高品質の商品を納期通りに提供して頂けるように長期にわたり安定した取引関係を築くことを基本としています。しかしプリント基板の市場価格の変動や、求められる品質基準の向上、納期の短縮化は常に改善を心掛けており、より競争力ある商品を提供してもらうことも当社の役割と心得ております。 ⑥ 取扱う商材の拡大プリント基板の中でも、取扱いやすさから様々な製品に採用されているリジッド基板(※1)を主軸として、フレキシブル基板(※2)、アルミ基板(※3)、リジット・フレキシブル基板(※4)などの商材を取り扱っております。近年では、スマートフォン、ウエアラブル機器、IoT(インターネットオブシングス)関連機器に需要の高いフレキシブル基板のサービスの拡大を図っております。また、プリント基板の周辺商材として、メタルマスク、筐体、ハーネス等の取扱もしております。※1 リジッド基板:柔軟性のない硬質な材料をベースとした基板、電化製品に主として使用されている。※2 フレキシブル基板:薄く柔軟性のある材料をベースとした基板、ウエアラブル機器やスマートフォン等に使用されている。※3 アルミ基板:リジッド基板にアルミ材を合わせ放熱特性を高めた基板、照明機器などによく使用されている。※4 リジッド・フレキシブル基板:硬質な材料と薄く柔軟性のある材料とを複合した基板。 [事業系統図]
FY2017|5,126 文字|出典 docID: S100AOD3
3【事業の内容】 当社は、「開発環境をイノベーションする」という経営スローガンの下、電子機器産業のエンジニアの開発における課題を解決するために、主にEコマース(インターネットを基盤とした流通)を利用した通信販売によって、あらゆる電子機器に使用される主要部品の一つであるプリント基板を、国内の製造業を中心とした顧客に対して販売しております。 当社が扱うプリント基板とは、自動車、テレビ、スマートフォン、医療機器など、あらゆる“電子機器”に使われる主要な部品です。創業当初は、製品開発の工程の中でも一部にあたるプリント基板製造の市場に対してビジネス展開を行っておりましたが、現在では、基板を製造するためのデータの設計や、完成した基板への部品の実装、電子機器などを収めるケース(筐体:きょうたい)の製造等、基板製造の前後の工程においてもサービスを展開しており、製品開発の上流から下流まで、幅広いサポートを行っております。当社のインターネットを窓口としたサービスは、Webサイト上で注文手続きが完結し、少量・短納期の注文に対しても柔軟な対応が可能であることなどから、中小・ベンチャー企業にとって利用のしやすいモデルであり、これまでメインの顧客層となっておりました。近年では、大手企業からの注文も拡大しており、業界において長年にわたりEコマースの形式でサービスを展開している企業として、これまでの実績と対応への信頼を得ております。 なお、当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。当社の展開する事業概要・特徴は以下のとおりになります。 (1)事業の概要①プリント基板のEコマース「P板.com」 当社は、プリント基板のEコマースである「P板.com」の運営を行っております。 「P板.com」では、顧客が当社Webサイト上で注文したい基板の仕様を選択すると、国内又は海外の提携仕入先の中から最適な価格・納期・品質で製造できる工場が自動選定され、4つの納期のコースに合わせた見積金額が提示されます。顧客は提示された見積・納期の中から選択し、プリント基板を注文することができます。当社では、注文時に顧客から提示された基板の設計図をカスタマーサポート部にて確認した後、ただちに、見積時に選定された提携仕入先へシステム上より発注を行う仕組みとなっております。工場では、通常2、3日以内に製造が完了し、国内では工場からの直送により、海外からは一度国内の物流拠点を経由した上で、顧客の手元に届けられます。 事業のサービス別分類は、下記のとおりであります。サービス分類説明設計顧客から支給される「電気信号の流れを表した回路図」に基づき、基板を製造するためのデータを、CADソフトによって設計します。製造顧客から支給される基板製造用データ又は当社の設計サービスにより設計した基板製造用データに基づき、実際の基板を製造します。事業の主力部分です。実装完成した基板に、電子部品を配置し、はんだで接続します。その他基板へ電子部品を実装する際に必要となる専用治具「メタルマスク」の製造、筐体の製造、部品実装済み基板や外部装置などを接続する電線(ハーネス)を加工するサービス等があります。 ②エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele(アットマーク・エレ)」の運営 プリント基板を扱う技術者のすそ野を広げるためのインフラ整備にも力を注いでおります。IoTの広がりに伴い、IT・エレクトロニクス業界のみならず、異業種による電子機器の開発需要が増えているため、エンジニアに向けた技術情報サイト「@ele(アットマーク・エレ)」をリリースし、主に若手エンジニアの育成の後押しを行っております。技術サイトを運営し専門的な情報を配信することで、当社への信頼度を向上させるともに、当社サービスの広報活動も平行して行い、当社サービスの利用へと繋げております。 ③エンジニアの登竜門「GUGEN(ぐげん)コンテスト」の運営 電子機器業界の持続的な発展のためには、電気・電子エンジニアの人口拡大が不可欠と考えております。そのために、当社は平成21年よりエンジニアにスポット当てる「電子工作コンテスト」を開催し、自身が作成した電子工作の作品を、一般客やメディアに披露できる場を提供してまいりました。以降、毎年開催しており、平成25年に「GUGEN(ぐげん)」に名称を変更し、「社会における課題を解決するデバイス」と審査基準を改め、世の中に必要とされる作品の開発を業界のエンジニアに促した結果、今までの累計で1,000作品を超える作品が誕生しております。当社のこのような活動は、メディアでもたびたび取り上げられ、当社の広報も兼ねた活動となっております。 (2)プリント基板のEコマース「P板.com」の特徴①試作開発に特化した新しい料金体系の提示 エンジニアは限られた予算で、製品開発の試作(プロトタイプの作成)を行っており、その際にプリント基板発注時に掛かる高額なイニシャル費用(初期費用)が必ず発生していました。試作は1回だけでなく、2回3回と繰り返しながら製品に磨きを掛けるのが一般的であり、その際に毎回イニシャル費用が発生し、エンジニアの悩みの一つとなっておりました。 そこで当社は、「異種面付工法」(※)により、イニシャル費用を大幅に効率化した上で、基板製造費用に全てを含めた料金体系を提示し、当時の一般的なプリント基板製造の相場から大幅に安く提供を行うことで、実績を拡大してまいりました。※ 異種面付工法:定格サイズ(4~5m四方)の材料で一種類の基板のみを製造する従来の方法に対し、複数種類の基板を共に製造する工法。材料を余すこと無く使用でき、試作等で少量の基板が必要な場合に有用。 ②効率的な受発注管理の仕組み化 当社のプリント基板のEコマース事業では、受発注管理を効率化し、顧客から注文を受けて製造・仕入・出荷まで、迅速な対応を実現しております。電子機器の根幹を支える「プリント基板」は高度にカスタマイズされた製品ですが、基板を構成する部品は規格化されたものであることから、当社ではこの点に着目し、システムによる効率的な受発注の仕組みを実現しております。 基板仕様を汎用標準化して顧客が希望するプリント基板をインターネット上で直販する仕組みを「P板.com」サイトにおいて展開し、仕入・発送まで大幅にスピードアップして、商品を迅速にエンドユーザーに直接お届けしております。商品の仕入・販売に関しては、店舗・営業所を保有せず、顧客からの受注機能、仕入商品の発注機能、商品の入出荷管理機能及び電話による顧客サポート機能を、本社に集約しており、受発注管理のほぼ全てを仕組み化し、インターネットを通じて仕入・販売を行っております。 ③利便性の高い見積・注文システムの構築 製品の開発・研究を営む企業において、購買に時間をかけることなく商品を仕入れることが重要視される傾向にあります。カスタムメイド品であるプリント基板は、購買金額に占める割合が低い一方、購買までの製造を依頼するプロセスに基板製造業者との対面でのやりとりが不可欠であったため、見積取得にも時間が掛かり、また人を介すことで費用も高く提示されていました。当社は、その課題を解決するために、インターネット環境があれば、いつでもどこでも瞬時に見積が取得出来る「1-Click見積」システムを当社WEBサイト上に設置し、電気・電子エンジニアが基板開発時に感じる見積取得の煩わしさを解消いたしました。 ④広範に渡る顧客層 Eコマースを利用した販売形態を採用することにより、従来の対面販売型と比べ基板発注の敷居を下げることができたことから、当社のサービスは国内の大手企業、中小製造業、学校・研究開発機関、個人まで、様々な属性の顧客に利用いただいております。その結果、大学・高専/研究機関など公的機関、国内大手セットメーカーやそれを支える電子部品の中堅・中小企業などの法人、さらに個人事業主に至るまで試作開発案件を取り込み、累計取引者数1万8千社を超える幅広い顧客から支持を得て、受注を獲得してまいりました。現在では、電子部品を受注生産する際に求められる「品質基準の維持向上」及び「納期遵守の徹底」を最優先に対応することで信頼度を高め、大手企業・中堅企業を中心に販売を拡大しております。 ⑤ファブレスによる優良な仕入先との関係構築 当社は、自社工場を持たない、いわゆるファブレスでの運営を行っております。仕入先については、一社に依存すること無く、国内外の複数の仕入先と提携することで、安定した製品の供給と、顧客の要求に沿った、より競争力のある商品を提供しております。 仕入先とは、信頼と実績に基づき、低価格で高品質の商品を納期通りに提供して頂けるように長期の安定した取引関係を築くことを基本としています。しかし顧客からの価格の低減、品質の向上、納期の短縮の要求は止まることはないため、そうした顧客の要求を正しく仕入先に伝え、より競争力ある商品を提供してもらうことも当社の役割と心得ております。⑥効果的なマーケティング マーケティング活動として、リスティング広告、SEO対策、業界専門紙への広告出稿からの見込顧客獲得活動を主体に、電気・電子業界の展示会(年に5回)への出展で、幅広い層の顧客へ接触しております。また新規見込顧客獲得では既存顧客からの知人紹介による獲得が全体の4割近くを占めることから、現利用顧客へのサポート体制の充実も重要視しております。具体的には、顧客毎に属性、基板の利用用途、基板の仕様等をまとめた「顧客データ台帳」を作成し、顧客毎のニーズに応じたサポートを展開しております。 顧客に対するアプローチは、無料のメールマガジンやインターネットを通じた広告の掲載及び技術雑誌などのマスメディア媒体によっており、各手法を組み合わせることにより、新規獲得、追加販売並びに離脱防止に努めております。無料のメールマガジンでは、顧客の開発・設計ノウハウを磨く情報等を発信し、若手エンジニアの育成の後押しを行い、当社のファン化を図っております。 さらに、開発に役立つ情報やノウハウを学べる無料講習会「P板.com技術セミナー」や、開発の際に必要なソフトウェアであるCAD利用方法を学ぶ「CAD講習会」を当社セミナールームや名古屋・大阪等で定期開催して顧客の技術向上をサポート、当社への囲い込みを行っております。 ⑦取扱う商材の拡大 プリント基板の中でも、取扱いやすさから様々な製品に採用されているリジッド基板(※1)を主軸として、フレキシブル基板(※2)、アルミ基板(※3)、リジット・フレキシブル基板(※4)などの商材を取り扱っております。近年では、スマートフォン、ウエアラブル機器、IoT(モノのインターネット)関連機器に需要の高いフレキシブル基板のサービスを順次拡大しております。※1 リジッド基板:柔軟性のない硬質な材料をベースとした基板、電化製品に主として使用されている※2 フレキシブル基板:薄く柔軟性のある材料をベースとした基板、ウエアラブル機器やスマートフォン等に使用されている※3 アルミ基板:リジッド基板にアルミ材を合わせ放熱特性を高めた基板、照明機器などによく使用されている※4 リジッド・フレキシブル基板:硬質な材料と薄く柔軟性のある材料とを複合した基板 (3)今後の事業拡大の方向性について 当社は、電子機器の主要部品であるプリント基板の取扱いを中心として事業を展開しておりますが、製品開発の初期段階であるアイデア(構想)から、市場への製品リリースまで、全ての工程に対してのサポートを行ってまいります。現段階ではプリント基板のEコマース事業「P板.com」が収益の柱となっておりますが、「@ele」や「GUGENコンテスト」の拡大、また、平成28年12月に試用版としてサービスを開始したハードウェア開発のためのクラウドソーシングサービス「GUGEN Crowd」(https://crowd.gugen.jp/)の活用を本格化させていき、事業としての収益性を拡張していく方針です。製品開発に対する一連のサポート体制を「GUGENプラットフォーム」と総称し、取組を行っております。 開発の上流から下流まで全てをサポートする「GUGENプラットフォーム」を展開[事業系統図]