研究開発活動(本文)
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FY2025|5,342 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発は技術部を中心に行っておりますが、各事業部門、管理部門、子会社からの情報を基に各部門の担当者も研究開発活動に参加し、協力してスピーディに技術開発・改良を行い、社会的ニーズに応えることをモットーとしております。現在の研究開発は、ファスナー事業、土木資材事業、建設事業の3事業分野における新製品開発のみならず、新規分野も含め、材料と施工は常に一体であるとの基本理念の下で、効率的な施工方法の研究、関連する施工機器開発、点検診断機器開発にまで及んでおります。建設投資の軸足が新設からメンテナンスへと移行しつつある現実を踏まえ、当社グループは保有技術をベースにした、将来の核となるべき新技術・新工法の開発や知的財産の有効活用等も視野に入れ、全社を挙げた総合的な取り組みを行っております。特に、技術革新の必要性がより高まっている現状に対しては、従来から推進してまいりましたオープンイノベーションの活用が極めて重要との認識の下、優れた技術を保有する異業種企業、大学、研究機関、発注機関との技術交流・関係強化を図りつつ、製品、施工技術、点検及びモニタリング技術と建設分野のDX推進に役立つデジタル技術を組み合わせた技術開発を推進しております。なお、当連結会計年度末におけるグループ全体の研究開発費は、132,301千円であります。当連結会計年度末における主要な研究開発課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。 (1)ファスナー事業あと施工アンカーは、当社の基盤となる重要技術であり、アンカー単体はもとより、付属する部材や関連機材についても保有技術を応用した研究開発を行っております。その中でもコンクリート構造物せん断補強『RMA』に注力し「適用範囲を拡大し、かつ施工性や有効率を高めた」建設技術審査証明の更新取得を目指し、研究開発を継続しております。これまでに積み重ねてきた建設技術審査証明範囲の拡大によって着実に適用市場が広がり、競争力の高さも相まって、引き続き業績に貢献しております。公益社団法人日本水道協会(JWWA)が定めた新規格に適合した上水道施設向けのせん断補強用『RMA-AFカプセル』を幅広く営業展開しております。本カプセルは水質への配慮が必要な上水道施設や水門・堰などの河川構造物、農水事業関連施設等の耐震化に今後も需要が見込め徐々に採用されています。道路・鉄道トンネルの維持管理において、市場から求められている各種の安全対策(緩み止め機能、フェイルセーフ機能等)製品の開発・改良、施工性・確実性・長期耐久性に着目した研究開発とともに、アンカー点検診断機器開発や施工上のミスを未然に防ぐプリベンション機能付き製品の研究開発を継続しております。アンカー点検診断機器開発においては、開発した機器による点検診断業務を鉄道事業者から継続して受注することができました。建設業界以外のお客様からも様々なお問い合わせをいただいており、ご要望にお応えするべく改良改善を進めてまいります。高速道路の耐震強化策の一環として行われている落橋防止装置の設置に使用されている『SRインジェクションカプセル』は、2,000mlタイプが一般化し、既存のお客様からの満足度も高く継続してご使用頂いております。しかしながら、市場においてあと注入方式アンカーの採用事例が増加傾向にあることから、同方式も『SRインジェクションカプセル』の標準施工方式に加えるべく性能確認試験を進めており、2026年3月期の上市を目指しております。コンクリート構造物の小片はく落対策製品『ガイナメッシュ』の固定用アンカーとして『ホーク・ウェッジアンカーZ』を開発し、従来のウェッジアンカーには付属できなかったゆるみ止めKナットを付属できるアンカーとして2026年3月期の上市を目指しております。また、「ホーク・ガイナフィックス」のあと注入タイプを新たに開発中であり、2026年3月期の上市を進めてまいります。ガイナメッシュは道路、鉄道など様々なコンクリート構造物に使用できるため、定着するアンカーについても様々な基準・規格に合致する製品の開発を進めてまいります。今後もあと施工アンカーに対する市場の声をいち早く製品に反映することに傾注し、順次新製品を上市してまいります。(ファスナー事業研究開発費 39,902千円) (2)土木資材事業山岳トンネル新設工事におけるロックボルト、各種補助工法、防水シートの改良開発をプロジェクトごとの対応を中心に継続しております。これらは、施工現場のニーズに即応し、売上に直結した研究開発活動となります。ロックボルト、補助工法の施工は、山岳トンネル新設工事において掘削断面である切羽に近い場所での作業となり、危険性が高く、作業員の高齢化や人材不足などの理由により、作業の自動化や省力化が求められております。当連結会計年度は、『プッシュコネクト』の改良を行い、補助工法資材の売上に貢献いたしました。また、湧水対策が必要な物件が多かったため、『アクアタクト』も受注し売上に貢献いたしました。ロックボルト打設の自動化では、2023年3月期に開発した鋼管膨張型摩擦式ロックボルトの機械打設化システムに加え、汎用型である充填式ロックボルト及び孔壁が自立しない地山に対応する自穿孔型注入式ロックボルトの自動化の開発を進めております。当連結会計年度には製品コンセプトを概ね確立し、現在は実用化に向けた改良などに取り組んでおります。トンネル工事のICT化では、防水シートの加圧試験、負圧試験の省力化と測定及び記録の自動化、無線化を目的とした『SMERTチェッカー』の開発及び試験施工を終え、上市いたしました。既に数件の採用実績を上げております。さらに、ロックボルト用モルタル流量計の『モルサポ』も上市いたしました。これは従来、計測が困難であった低流動モルタル(固練りモルタル)の流量計測が可能なシステムで、新設トンネルのみならず補修関連の市場も含め幅広い分野での適用が期待されます。トンネル防水シートでは、2023年3月期に上市した『インテロック』の関連部材である水膨張ゴムの改良を行い、より品質の向上に貢献する材料となっております。また、製造方法の見直しによるコストダウンを図り、新規2物件の採用が決定しております。化学接着性防水シートである『フィットライナー®』については、その特性を活かし、吹付け技術との組合せによって立坑と横坑との接続部や断面変化部の施工など、従来、防水シートのみでの施工では止水性の確保が困難な箇所においても適用可能な高品質化の技術に取り組んでおり、独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構による整備新幹線建設プロジェクトにおける防水工の技術公募に応募し「適用の可能性が高い」というA評価を頂きました。既設トンネルの補強工事では、定着材が不要なロックボルト『セイバーEX』の高耐力タイプ及び小断面でも打設可能な連結タイプの開発が完了し上市しました。これにより対応可能な補強工事の範囲が拡大し、受注の増加が期待できます。新規事業分野における、重金属処理に関する分野については、問い合わせ及び採用が着実に増えております。様々な現場状況に沿った製品のニーズも増えており、『パデムシート』や『微生物処理』以外の製品開発にも取り組んでおり、数年以内の上市を目指しております。また、斜面の防災・補強をターゲットとした研究開発では、小型の施工機械により狭隘な箇所でも施工できる工法『ホーク・ネイリング』の開発を行いました。本工法は、『IBO-Zロックボルト』を使用した自穿孔ボルトによる本設仕様の施工システムとなっております。2024年12月にはNETIS登録が完了し、新聞各社を招いてプレスリリースも行いました。また、公的機関や関連する企業への広報活動やコンサルタント等へのスペックイン活動も積極的に進めております。今後も、各種の新設・補修補強プロジェクトにおいて求められる技術開発、既製品の改良に加え、新規事業分野の有望技術の研究開発に取り組んでまいります。(土木資材事業研究開発費 54,137千円) (3)建設事業トンネル内装工、耐火工、背面空洞充填工、コンクリート補修・補強工法等に適用する材料、工法、機器の改良開発、トンネル工事の安全対策製品開発のほか、点検診断の省力化につながるシステムや省人化対策として補修・補強工事の自動化技術の研究開発を継続しております。従来から保有していたフレキシブルPV(太陽電池)の各種被着体への接着技術をブラッシュアップし、『Haru-PV』として製品化しました。現在、多くのお客様から問い合わせをいただいております。引き続き、さらなる施工性の向上に向けた改善に着手しております。2024年11月に中央自動車道のトンネルにて試験施工を実施した『水平導水樋』は、施工性と導水性の両面で高い評価を得ました。当連結会計年度に上市し、2026年3月期は本製品のスペックイン及びPR活動に積極的に取り組んでまいります。また、基板の突起部に高性能反射材を貼付した『ガイナ視線誘導ライン反射材』の開発が完了し、当連結会計年度に上市いたしました。2026年3月期より本格採用に向けて積極的なPR活動を展開してまいります。はく落対策工法において、『ガイナメッシュD』をトンネル壁面の凹凸形状にもフレキシブルに設置することで、はく落防止性能及び漏水防止性能を向上させた製品へと改良し、2026年3月期に上市する予定であります。また、漏水防止性能に特化した『漏水対策シート』を製品化し、はく落防止性能と漏水防止性能を使い分けることでお客様の要望に寄り添った価値を提供いたします。JR東日本の新幹線大規模改修工事に向けて、各種製品の開発を進めております。その中でも、トンネル覆工コンクリートの目地部のはく落対策製品『ガイナメッシュBT』は試験施工を無事に終了いたしました。今後は、2031年の工事に向けて付加価値を高めるなど、さらにより良い製品を目指して開発を進めてまいります。コンクリート構造物だけでなく鋼構造物にも適用可能な高目付繊維補強工法として上市した『SHシートボード工法』は、NETIS登録が完了し、技術資料も整備しました。工事費の削減が可能であること、補強後もコンクリートのひび割れ観察を継続して実施できる点に対して高い評価をいただき、工事及び販売を受注いたしました。また、トンネル分野以外の道路付帯施設、橋梁等の補修補強工事、点検診断維持管理技術、解析技術に総合的に取り組む事業体制をさらに強化するための研究開発のほか、橋梁下部工や、斜面、盛土等の「基礎分野」の補修補強、維持管理技術等の新規分野においても、研究開発・保有技術の応用展開を継続しております。既設基礎の補強や構造物の支持力対策などに適用可能な小口径鋼管杭『STマイクロパイル工法』は、国立研究開発法人 土木研究所と当社を含む民間企業との共同研究によって開発された工法です。現在も安定した売上を維持しておりますが、さらなる普及と信頼性向上のため、最新の技術動向に対応した建設技術審査証明の取得に向けて、実験や評価検討を進めてまいります。また、工法としての信頼性を一層高めるため、ICTを活用した『支持層地盤探査システム』の研究開発を実施しており、建設DXへの展開も視野に入れた取り組みを進めてまいります。新規事業の創出として、計測事業となる橋梁を中心としたインフラ構造物のモニタリングシステムの実用化を目指しております。当モニタリングシステムは短時間での計測、分析が可能で、多数の橋梁の劣化進行状態を効率的に把握するシステムです。産官学連携による開発として取り組んでおり、地方自治体において試験計測を実施し検証を行っております。現在は、取得データの分析ソフトの開発も含め、実用化に向けた準備を進めております。本システムは、他社にはない独自の分析手法により、的確に橋梁の卓越振動数を算出、分析評価することで、橋梁の劣化進行度、メンテナンス前後での効果確認、被災した橋梁の状態把握を可能としており、2025年4月に国土交通省道路局の「橋梁・トンネル 点検支援技術 性能カタログ」に掲載されました。今後、インフラ構造物の劣化はますます進行していくことが予測されており、少ない投資で簡便、かつ効率よく維持管理できるシステムを早期に構築することが望まれています。新工法開発、工法改良、各種安全対策ソリューション等の成果が、トンネル補修補強工事の元請け受注や他社への技術提供につながることから、今後も施工品質向上と長寿命化をキーワードに研究開発に取り組むとともに、長期的なインフラ維持管理に欠かせないIoT技術とその活用に必要なAIの適用研究にオープンイノベーションを通じて取り組み、建設分野のDX推進に貢献してまいります。(建設事業研究開発費 38,262千円)
FY2024|5,312 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発は技術部を中心に行っておりますが、各事業部門、管理部門、子会社からの情報を基に各部門の担当者も研究開発活動に参加し、協力してスピーディに技術開発・改良を行い、社会的ニーズに応えることをモットーとしております。現在の研究開発は、ファスナー事業、土木資材事業、建設事業の3事業分野における新製品開発のみならず、新規分野も含め、材料と施工は常に一体であるとの基本理念の下で、効率的な施工方法の研究、関連する施工機器開発、点検診断機器開発にまで及んでおります。建設投資の軸足が新設からメンテナンスへと移行しつつある現実を踏まえ、当社グループは保有技術をベースにした、将来の核となるべき新技術・新工法の開発や知的財産の有効活用等も視野に入れ、全社を挙げた総合的な取り組みを行っております。特に、技術革新の必要性がより高まっている現状に対しては、従来から推進してまいりましたオープンイノベーションの活用が極めて重要との認識の下、優れた技術を保有する異業種企業、大学、研究機関、発注機関との技術交流・関係強化を図りつつ、製品、施工技術、点検及びモニタリング技術と建設分野のDX推進に役立つデジタル技術を組み合わせた技術開発を推進しております。なお、当連結会計年度末におけるグループ全体の研究開発費は、141,631千円であります。当連結会計年度末における主要な研究開発課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。 (1)ファスナー事業あと施工アンカーは、当社の基盤となる重要技術であり、アンカー単体はもとより、付属する部材や関連機材についても保有技術を応用した研究開発を行っております。その中でもコンクリート構造物せん断補強「RMA」に注力し「適用範囲を拡大し、かつ施工性や有効率を高めた」建設技術審査証明の更新取得を目指し、研究開発を継続しております。これまでに積み重ねてきた建設技術審査証明範囲の拡大によって着実に適用市場が広がり、競争力の高さも相まって、引き続き業績に貢献しております。公益社団法人日本水道協会(JWWA)が定めた新規格に適合した上水道施設向けのせん断補強用「RMA-AFカプセル」を幅広く営業展開しております。本カプセルは上水道施設や水門・堰などの河川構造物、農水事業関連施設等の今後も需要が見込めるせん断補強に最適な製品であります。道路・鉄道トンネルの維持管理において、市場から求められている各種の安全対策(緩み止め機能、フェイルセーフ機能等)製品の開発・改良、施工性・確実性・長期耐久性に着目した研究開発とともに、アンカー点検診断機器開発や施工上のミスを未然に防ぐプリベンション機能付き製品の研究開発を継続しております。アンカー点検診断機器開発においては、開発した機器による点検診断業務を鉄道事業者から継続して受注することができました。建設業界以外のお客様からも様々なお問い合わせをいただいており、ご要望にお応えするべく改良改善を進めてまいります。高速道路の耐震強化策の一環として行われている落橋防止装置の設置に使用されている「SRインジェクションカプセル」は、2,000mlタイプが一般化、既存顧客からの満足度も高く継続してご使用頂いていますが、昨今の材料コスト高騰に対応し、さらなる競争力の向上を目指してカートリッジの改良を進めております。また、市場においてあと注入方式アンカーの採用事例が増加傾向にあることから、同方式も「SRインジェクションカプセル」の標準施工方式に加えるべく性能確認試験を進めており、61期上市を目指しております。コンクリート構造物の小片はく落対策製品「ガイナメッシュ」の固定用アンカーとして上市した「ホーク・ガイナフィックス」のあと注入タイプを新たに開発し、61期の上市を進めてまいります。ガイナメッシュは道路、鉄道など様々なコンクリート構造物に使用できるため、定着するアンカーについても様々な基準・規格に合致する製品の開発を進めてまいります。今後もあと施工アンカーに対する市場の声をいち早く製品に反映することに傾注し、順次新製品を上市してまいります。(ファスナー事業研究開発費 36,381千円) (2)土木資材事業山岳トンネル新設工事におけるロックボルト、各種補助工法、防水シートの改良開発をプロジェクトごとの対応を中心に継続しております。これらは、施工現場のニーズに即応し、売上に直結した研究開発活動となります。ロックボルト、補助工法の施工は、山岳トンネル新設工事において掘削断面である切羽に近い場所での作業となり危険度が高く、また作業員の高齢化や人材不足などの理由により、作業の自動化や省力化が求められております。60期は、注入式フォアポーリングの施工を簡略化し施工品質を向上させる「IPPATSU管」を上市しました。この製品を使うことで口元のコーキング作業が簡略化され、掘削直後の切羽作業の安全性向上にも寄与できます。ロックボルト打設の自動化では、59期に開発したロックボルト連結時にドリルジャンボで簡単に接続できるシステムについて、ロックボルトと特殊ジョイントスリーブ双方の改良を行い、施工しやすくなりました。モルタル充填の自動化では、機械メーカーと共同でセメントカプセルの自動装填システムの開発に取り組んでいます。また、定着材が不要な鋼管膨張型ロックボルト「RPEロックボルト」の自動化では、施工技術のノウハウを活かしてドリルジャンボの大きな改造を伴わずに、コンパクトなユニットを取り付け、注水ポンプの改良を加えることで機械式打設が可能となるシステムの開発が完了しました。トンネル工事のICT化では、防水シートの加圧試験、負圧試験の省力化と計測の自動化、無線化を目的とした試験システムの開発に取り組んでいます。防水シートの溶着の施工品質を確保するために、温度管理が可視化できる溶着機を開発しました。ロックボルトの頭部に作用する力を自動計測できる「ZIKMO」を上市しました。本体が薄いため設置後ロックボルトの突出がこれまでの計測器よりも少なくなります。また、データを自動で無線通信しパソコンに保存できるため、ケーブルの設置作業が不要となりケーブル切断などの懸念もないため、取り扱いやすい計測器となっています。新しい取り組みとして、今までは補助工法の資材販売のみでしたが、59期に開発した「クローラドリル」を用いたAGF工法の打設工事にも挑戦し、無事に工事を終えることができました。既設トンネルの補強工事では、定着材が不要なロックボルト「セイバーEX」の高耐力タイプ、小断面でも打設可能な連結タイプの開発も進めており適用範囲の拡大に努めています。新規事業分野においては、建設工事に伴って発生する重金属を含むずり処理対策製品として上市した吸着層工法用シート「パデムシート」は、NETIS登録が完了して多くのお問い合わせをいただいており、採用実績も増えています。一方、着手8年を経過した「微生物を用いたセレンの無害化工法開発」においては、「微生物利用指針」の審査が環境省・経済産業省との面談まで進展致しました。61期中の「微生物利用指針」の認証を目指し、製品上市に向けて研究開発に取り組んでまいります。また、新規事業分野として、斜面の防災・補強もターゲットとして研究開発を進めております。これまでに優れた耐食性能を有する「IBO-Zロックボルト」を斜面安定工法にも適用できるよう施工システムの開発に取り組んでおり、小型の施工機械により狭隘な箇所でも施工できる工法「ホーク・ネイリング」が完成しました。NETIS登録の申請も同時に進めております。今後も、各種の新設・補修補強プロジェクトにおいて求められる技術開発、既製品の改良に加え、新規事業分野の有望技術の研究開発に取り組んでまいります。(土木資材事業研究開発費 61,021千円) (3)建設事業トンネル内装工、耐火工、背面空洞充填工、コンクリート補修・補強工法等に適用する材料、工法、機器の改良開発、トンネル維持管理補修工事の安全対策ソリューション開発のほか、点検診断の省力化につながるシステムの研究開発を継続しております。従来から保有していたフレキシブルPV(太陽電池)の各種被着体への接着技術を再検討し、環境対策製品を含めた新たな可能性を追求するべく研究開発に取り組んでまいりました。小規模ながら工事を受注することができ、61期は本工事を滞りなく完工し、新たな工事受注と販売の両面で積極的に取り組んでまいります。矢板トンネルの上・下半打ち継ぎ目地からの漏水を樋材で受け水平方向に導水する「水平導水樋」の開発が完了、期末に上市することができました。本製品についてもスペックイン・PR活動に積極的に取り組んでまいります。59期に上市した「ガイナトンネル内装シート」の粘着技術を応用した視線誘導ラインシートと再帰性反射材を用いて施工する視線誘導ライン反射材について、試験施工及び本施工により得られた様々な知見を基にシート及び反射材の改良を進めております。早い段階で市場への供給体制を整えられる見込みです。本格採用に向けて積極的なPR活動を進めてまいります。はく落対策工法では、現場の安全・作業環境の改善を図るため、既存開発製品の皮膚感作性樹脂の低減や、冬季施工など寒冷化の気象条件に左右されないSGA樹脂を構成材料に加え、上市しました。本製品についても鋭意スペックイン活動を進めてまいります。新幹線大規模改修工事に向けた各種の製品開発を進めております。トンネル目地部のはく落対策製品「ガイナメッシュ」シリーズに新たなフェイルセーフ機能を追加し、61期の上市に向け、供用中のトンネル等において試験施工を進めております。高目付繊維補強材料である「SHシート」について、改良や詳細な性能評価を進めてまいりました。その結果、新たに「SHシートボード工法」として上市しました。コンクリート構造物だけでなく鋼構造物にも適用可能な高目付繊維補強工法として、NETIS登録が完了し技術資料などの販売ツールを整備しました。61期よりスペックイン活動を本格化してまいります。また、トンネル分野以外の道路付帯施設、橋梁等の補修補強工事、点検診断維持管理技術、解析技術に総合的に取り組む事業体制をさらに強化するための研究開発のほか、橋梁下部工や、斜面、盛土等の「基礎分野」の補修補強、維持管理技術等の新規分野においても、研究開発・保有技術の応用展開を継続しております。既設基礎の補強や構造物の支持力対策、地盤・斜面の補強、橋梁下部工耐震補強に適用できる小口径鋼管杭「STマイクロパイル工法」は、国土交通省土木研究所と当社を含めた民間企業との共同研究開発からほぼ20年となり、現在でも着実な売り上げを堅持していますが、さらなる発展のため現在の技術動向に合わせた建設技術審査証明の取得およびマニュアル改定に向け、検証、さらに追加実験の計画、実施を進めてまいります。また、工法としての信頼性を高めるためセンサを利用した「支持層地盤探査システム」の研究開発を進めており、学会発表、特許取得と並行して実際の現場での支持層管理に使用し、今後はより幅広い展開に取り組んでまいります。また、新たな事業分野となる橋梁モニタリングシステムの開発に取り組んでおります。全国に2m以上の橋梁は約70万橋ありますが、2023年には約17万橋、10年後の2033年には約27万橋が建設後50年を経過します。昨今、点検技術者も不足する中、多数の橋梁の維持管理を効果的、かつ効率よく行うには、劣化の進行程度を把握するモニタリングシステムが必要とされています。当社が開発中の橋梁モニタリングシステムは、MEMS(微小電気機械システム)を用いた小型加速度センサを活用し、独自の分析手法により、あらゆる状況下において的確に橋梁の卓越振動数を算出することで、橋梁の劣化進行度の把握を可能にするシステムとなっております。また、橋梁の劣化進行程度のみならず、メンテンス後の効果検証および被災した橋梁の状態把握等を簡便に判断することを可能としております。59期には、地方自治体等発注機関の協力を得て、多種多様な構造の橋梁の試験モニタリングを実施し、評価検証を行いました。引き続き産官学連携のもと、当モニタリングシステムの確立を目指してまいります。新工法開発、工法改良、各種安全対策ソリューション等の成果が、トンネル補修補強工事の元請け受注や他社への技術提供につながることから、今後も施工品質と長寿命化をキーワードに研究開発に取り組むとともに、長期的なインフラ維持管理に欠かせないIoT技術とその活用に必要なAIの適用研究にオープンイノベーションを通じて取り組み、建設分野のDX推進に貢献してまいります。(建設事業研究開発費 44,228千円)
FY2023|5,313 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発は技術部を中心に行っておりますが、各事業部門、管理部門、子会社からの情報を基に各部門の担当者も研究開発活動に参加し、協力してスピーディに技術開発・改良を行い、社会的ニーズに応えることをモットーとしております。現在の研究開発は、ファスナー事業、土木資材事業、建設事業の3事業分野における新製品開発のみならず、新規分野も含め、材料と施工は常に一体であるとの基本理念の下で、効率的な施工方法の研究、関連する施工機器開発、点検診断機器開発にまで及んでおります。建設投資の軸足が新設からメンテナンスへと移行しつつある現実を踏まえ、当社グループは保有技術をベースにした、将来の核となるべき新技術・新工法の開発や知的財産の有効活用等も視野に入れ、全社を挙げた総合的な取り組みを行っております。特に、技術革新の必要性がより高まっている現状に対しては、従来から推進してまいりましたオープンイノベーションの活用が極めて重要との認識の下、優れた技術を保有する異業種企業、大学、研究機関、発注機関との技術交流・関係強化を図りつつ、製品、施工技術、点検及びモニタリング技術と建設分野のDX推進に役立つデジタル技術を組み合わせた技術開発を推進しております。なお、当連結会計年度末におけるグループ全体の研究開発費は、122,389千円であります。当連結会計年度末における主要な研究開発課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。 (1)ファスナー事業あと施工アンカーは、当社の基盤となる重要技術であり、アンカー単体はもとより、付属する部材や関連機材についても保有技術を応用した研究開発を行っております。その中でもコンクリート構造物せん断補強工法「RMA工法」に注力し「適用範囲を拡大し、かつ施工性や有効率を高めた」建設技術審査証明の更新取得を目指し、研究開発を継続しております。これまでに積み重ねてきた建設技術審査証明範囲の拡大によって着実に適用市場が広がり、競争力の高さも相まって、引き続き業績に貢献し、完工実績は1,500件を超えました。今期は技術審査証明の定期更新年度に当たり、公益社団法人日本水道協会(JWWA)が定めた新規格に上水道施設向けのせん断補強用「RMA-AFカプセル」が適合していることを確認し、更新に反映することができました。本カプセルは上水道施設や水門・堰などの河川構造物、農水事業関連施設等の今後も需要が見込めるせん断補強に最適な製品であります。道路トンネルの維持管理において市場から求められている、あと施工アンカーが関係する各種の安全対策(緩み止め機能、フェイルセーフ機能等)製品の開発・改良、施工性・確実性・長期耐久性に着目した研究とともに、アンカー点検診断機器開発や施工上のうっかりミスを未然に防ぐプリベンション機能付きの製品の研究開発を継続しております。アンカー点検診断機器開発においては、開発した機器による点検診断業務を鉄道事業者から継続して受注することができました。建設業界以外のお客様からも様々なお問い合わせをいただいており、ご要望にお応えするべく改良改善を進めてまいります。一方、今後需要の広がりが予想される、あと施工アンカー用注入式無機系定着材として開発を進めていた「SRインジェクションカプセル」は、前期の1,000mlタイプの上市に続き、2,000mlタイプを上市し、計画していたラインナップの開発が完了しました。また、本製品群は、これまで対象としていた先充填方式だけでなく、あと注入方式の施工においても十分な性能を発揮することが確認されたことから、あと注入方式を標準的施工方法に加えるべく、最終の品質チェックを進めております。また、コンクリート構造物の小片はく落対策製品「ガイナメッシュ」の固定用アンカーとして埋込長15d仕様の「ホーク・ガイナフィックス」、マンホール補修用の「ホーク・MGSアンカー」を上市しました。前者は、ガイナメッシュシートとの併用で小片はく落はもとより不安定になりやすい被りコンクリートをコアコンクリートに固着可能なあと施工アンカーであり、期中に販売実績を上げました。後者は、公益社団法人日本下水道協会のG4規格を満足し、1~3号マンホールに使用可能なエポキシ樹脂併用ねじ込み式アンカーです。今後もあと施工アンカーに対する市場の声をいち早く製品に反映することに傾注し、順次新製品を上市してまいります。(ファスナー事業研究開発費 26,450千円) (2)土木資材事業山岳トンネル新設工事におけるロックボルト、各種補助工法、防水シートの改良開発をプロジェクトごとの対応を中心に継続しております。これらは、施工現場のニーズに即応し、売上に直結した研究開発活動となります。今期は、SDGsの取り組みの一環として、二酸化炭素削減を目的とした「SNエコモルタル」を開発しました。この製品は使用するセメント量をフライアッシュに置き換えた製品で、製造時に多量の二酸化炭素を発生するセメントの使用量を減じ、産業廃棄物であるフライアッシュを再利用する地球に優しい製品であります。さらに既存製品であるモルタル自動投入機「こぞうさん」を採用することでモルタルを梱包している袋体が不要となり、袋体製造時および廃棄時の燃焼にて発生する二酸化炭素量も低減することができます。ロックボルト、補助工法の施工は、山岳トンネル新設工事において掘削断面である切羽に近い場所での作業となり危険度が高く、また作業員の高齢化や人材不足などの理由により、作業の自動化や省力化が求められております。ロックボルト打設の自動化では、ロックボルト連結時にドリルジャンボで簡単に接続できるロックボルトと特殊ジョイントスリーブを開発しました。モルタル充填の自動化では、機械メーカーと共同でセメントカプセルの自動装填システムの開発に取り組んでいます。また、定着材が不要な鋼管膨張型ロックボルト「RPEロックボルト」の自動化では、施工技術のノウハウを活かしてドリルジャンボの大きな改造を伴わずに、コンパクトなユニットを取り付け、注水ポンプの改良を加えることで機械式打設が可能となるシステムの開発に取り組んでおります。トンネル工事のICT化では、すでに販売を開始している「SMERTジャッキ」に加えて、防水シートの加圧試験、負圧試験の省力化と計測のデジタル化、無線化を目的とした、試験装置の開発に取り組んでいます。ウォータータイトトンネル分野では、鋼製支保工に固定する新型吊り鉄筋金具「インテロック」を開発しました。防水シートに穴をあけて「インテロック」を取り付けますが、高水圧下でも十分な止水性を備えていることから、防水シート工の品質向上と鉄筋組立作業時の安全確保の両面で貢献できる製品となっております。既設トンネルの補強工事では、定着材が不要なロックボルト「セイバーEX」の高耐力タイプ、小断面からも打設可能な連結タイプの開発も進めており適用範囲の拡大に努めています。また、製品販売だけでなく工事分野にも注力し、トンネル補強工事をターゲットとして前期に開発した「新型のクローラードリル」は、NEXCO覆工再生事業の一環での北陸自動車道曽々木トンネルをはじめ、長野県外沢トンネル、長野自動車道一本松トンネル等においてロックボルト補強工事で稼働実績を上げました。新規事業分野においては、建設工事に伴って発生する重金属を含むずり処理対策製品として上市した吸着層工法用シート「パデムシート」は、NETIS登録が完了して多くのお問い合わせをいただいており、引き続き製品改良の継続と積極的な営業活動に取り組んでまいります。一方、着手7年を経過した「微生物を用いたセレンの無害化工法開発」においては、「微生物利用指針」の審査が環境省・経済産業省との面談まで進展致しました。60期中の「微生物利用指針」の認証を目指し、製品上市に向けて研究開発に取り組んでまいります。また、新規事業分野として、斜面の防災・補強もターゲットとして研究開発を進めております。これまでに優れた耐食性能を有する「IBO-Zロックボルト」を斜面安定工法にも適用できるよう施工システムの開発に取り組んできましたが、小型の機械でも施工できる工法「ホーク・ネイリング工法(仮称)」の完成に目途が立ち、試験施工を経て来期には上市の見込みです。今後も、各種の新設・補修補強プロジェクトにおいて求められる技術開発、既製品の改良に加え、新規事業分野の有望技術の研究開発に取り組んでまいります。(土木資材事業研究開発費 62,379千円) (3)建設事業トンネル内装工、耐火工、背面空洞充填工、コンクリート補修・補強工法等に適用する材料、工法、機器の改良開発、トンネル維持管理補修工事の安全対策ソリューション開発のほか、点検診断の省力化につながるシステムの研究開発を継続しております。今期は、前期に上市した「ガイナトンネル内装シート」の粘着技術を応用した視線誘導ラインシートの試験施工を東名高速道路の供用中のトンネルで実施しました。得られた様々な知見をもとにシートの改良を進めており、来期には視線誘導ラインシートを上市し本格的に工事受注と販売の両面で積極的に取り組んでまいります。繊維接着系工法を用いる道路トンネルの補修・補強工事において、結露が発生した際の品質確保と施工効率向上を両立する新技術としての「結露抑制システム」について、中国自動車道の元請け現場において実装機を導入し連続的に結露抑制効果を確認しました。来期はシステムの適正化や機動性の向上を図り実用化を目指してまいります。はく落対策工法では、現場の安全・作業環境の改善を図るため、既存開発製品の皮膚感作性樹脂の低減や、冬季施工など寒冷化の気象条件に左右されないSGA樹脂を構成材料に加え、来期中の上市、工事への導入に向け、改良・改善を進めてまいります。新幹線大規模改修工事に向けた各種の製品開発を進めております。今期は、トンネル目地部のはく落対策製品「ガイナメッシュ」シリーズに新たなフェイルセーフ機能を追加し、上市に向け、供用中のトンネルにおける試験施工を実現するべくPRを進めてまいります。高目付繊維補強材料である「SHシート」について、改良や詳細な性能評価を進めてまいりました。その結果、新たに「SHシートボード工法」として上市しました。コンクリート構造物だけでなく鋼構造物にも適用可能な高目付繊維補強工法として、来期にはNETIS登録や技術資料などの販売ツールを整備し、スペックイン活動を本格化してまいります。また、トンネル分野以外の道路付帯施設、橋梁等の補修補強工事、点検診断維持管理技術、解析技術に総合的に取り組む事業体制をさらに強化するための研究開発のほか、橋梁下部工や、斜面、盛土等の「基礎分野」の補修補強、維持管理技術等の新規分野においても、研究開発・保有技術の応用展開を継続しております。既設基礎の補強や構造物の支持力対策、地盤・斜面の補強、橋梁下部工耐震補強に適用できる小口径鋼管杭「STマイクロパイル工法」は、国土交通省土木研究所と当社を含めた民間企業との共同研究開発からほぼ20年となり、現在でも着実な売り上げを堅持していますが、工法としての信頼性を高めるためセンサを利用した「支持層地盤探査システム」の研究開発を進めており、学会発表、特許取得と並行して実際の現場でも良好な試行結果が得られており、来期の上市を目指しております。また、新たな事業分野となる橋梁モニタリングシステムの開発に取り組んでおります。全国に2m以上の橋梁は約70万橋ありますが、2023年には約17万橋、10年後の2033年には約27万橋が建設後50年を経過します。このような状況の中、多数の橋梁の維持管理を効果的、かつ効率よく行うには、劣化の進行程度を把握するモニタリングが必要とされています。当社が開発中の橋梁モニタリングシステムは、データ無線送信機能付加速度センサを用いて橋梁がもつ固有の振動データを計測し解析を行うことにより、橋梁の劣化進行度の把握を可能にするシステムとなっております。また、被災した橋梁の状態把握にも活用可能であります。劣化進行度を把握することにより、メンテナンスが必要とされる橋梁を抽出して維持管理のサポートが可能となる橋梁のモニタリングシステムを目指しております。新工法開発、工法改良、各種安全対策ソリューション等の成果が、トンネル補修補強工事の元請け受注や他社への技術提供につながることから、今後も施工品質と長寿命化をキーワードに研究開発に取り組むとともに、長期的なインフラ維持管理に欠かせないIoT技術とその活用に必要なAIの適用研究にオープンイノベーションを通じて取り組み、建設分野のDX推進に貢献してまいります。(建設事業研究開発費 33,560千円)
FY2022|3,347 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発は技術部を中心に行っておりますが、各事業部門、管理部門、子会社からの情報を基に各部門の担当者も研究開発活動に参加し、協力してスピーディに技術開発・改良を行い、社会的ニーズに応えることをモットーとしております。現在の研究開発は、ファスナー事業、土木資材事業、建設事業の3事業分野における新製品開発のみならず、新規分野も含め、材料と施工は常に一体であるとの基本理念の下で、効率的な施工方法の研究、関連する施工機器開発、点検診断機器開発にまで及んでおります。建設投資の軸足が新設からメンテナンスへと移行しつつある現実を踏まえ、当社グループは保有技術をベースにした、将来の核となるべき新技術・新工法の開発や知的財産の有効活用等も視野に入れ、全社を挙げた総合的な取り組みを行っております。特に、技術革新の必要性がより高まっている現状に対しては、従来から推進してまいりましたオープンイノベーションの活用が極めて重要との認識の下、優れた技術を保有する異業種企業、大学、研究機関、発注機関との技術交流・関係強化を図りつつ、製品、施工技術、点検およびモニタリング技術と建設分野のDX推進に役立つデジタル技術を組み合わせた技術開発を推進しております。なお、当連結会計年度末におけるグループ全体の研究開発費は、114,495千円であります。当連結会計年度末における主要な研究開発課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。 (1)ファスナー事業あと施工アンカーは、当社の基盤となる重要技術であり、アンカー単体はもとより、付属する部材や関連機材についても保有技術を応用した研究開発を行っております。その中でも構造物せん断補強工法「RMA工法」に注力し「適用範囲を拡大し、かつ施工性や有効率を高めた」建設技術審査証明の更新取得を目指し、研究開発を継続しております。これまで積み重ねた建設技術審査証明範囲の拡大によって着実に適用市場が広がり、競争力の高さも相まって、引き続き業績に貢献することができました。前々期に追加更新を受けた技術審査証明の適用範囲①水平施工における適用部材厚上限として13m以下の範囲内で400Dまで、②転造ねじ継手のサイズ追加(3種)の2点について、継続して施工実績を上げることができました。道路トンネルの維持管理において市場から求められている、あと施工アンカーが関係する各種の安全対策(緩み止め機能、フェイルセーフ機能等)製品の開発・改良、施工性・確実性・長期耐久性に着目した研究とともに、アンカー点検診断機器開発や施工上のうっかりミスを未然に防ぐプリベンション機能付きの製品の研究開発を継続しております。アンカー点検診断機器開発においては、開発した機器による点検診断業務を鉄道事業者様から受注することができました。建設業界以外のお客様からも様々なお問い合わせをいただいており、ご要望にお応えするべく改良改善を進めてまいります。プリベンション機能付き製品第一弾のトルク管理機能付き緩み止めナット「トルシアナットK」、「トルシアナットZK」、第二弾のあと施工アンカーの施工に適した専用ドリルビット「ホーク・ストッパードリル」については、引き続きサイズバリエーション拡大を進め、随時上市をしております。一方、今後需要の広がりが予想される、あと施工アンカー用注入式無機系定着材として開発を進めていた「SRインジェクションカプセル」は、前期の容量500mlタイプに続き、今期は1,000mlタイプを上市し、販売実績を上げることができました。コロナ禍の影響を受けて開発に若干遅れが生じたものの期中に2,000mlタイプの開発が概ね完了し、来期には上市の見込みとなりました。想定していたラインナップが揃い、本格的な営業活動を開始致しました。今後もあと施工アンカーに対する市場の声をいち早く製品に反映することに傾注し、順次新製品を上市してまいります。(ファスナー事業研究開発費 28,499千円)(2)土木資材事業主力製品である山岳トンネル向けのロックボルト、各種補助工法、防水シートの改良開発をプロジェクト毎の対応を中心に継続しております。これらは、売上に直結した研究開発活動であります。今期は、山岳トンネル補強工事のロックボルト施工に特化したクローラドリルを開発しました。熟練オペレータの穿孔ノウハウをプログラミングした自動穿孔システムを搭載した初号機です。来期初頭から受注済みのトンネル補強工事で稼働します。ロックボルト、補助工法の施工は、山岳トンネル新設工事において「重労働」に位置付けられ、坑内作業者の高齢化、人材不足を背景に自動化を目指す研究開発が求められております。当社は保有する製品・施工技術のノウハウをベースに、これまでも機械メーカーやゼネコン各社と共同開発や開発協力を進めておりますが、今期から最重要課題の一つと位置付け、取り組みを強化しております。新規事業分野においては、建設工事に伴って発生する重金属を含むずり処理対策製品として上市した吸着層工法用シート「パデムシート」が、トンネル掘削工事で発生した重金属含有ずり処理工に採用され、施工実績を得られました。引き続き多くのお問い合わせをいただいており、製品改良の継続と積極的な営業活動に取り組みます。一方、着手6年を経過した「微生物を用いたセレンの無害化工法開発」においては、環境省・経済産業省による「微生物利用指針」の審査が継続しております。また、上市済みの「AIを用いたガードレール支柱劣化判定システム:サビチェッカー」につきましては、期中にお客様のご要望を反映するシステム改良を進めました。高速道路管理システム等への採用を目指して共同開発企業とともに全国において営業活動を進めております。今後も、各種の新設・補修補強プロジェクトにおいて求められる技術開発、既製品の改良に加え、新規事業分野の有望技術の研究開発に取り組んでまいります。(土木資材事業研究開発費 47,079千円) (3)建設事業トンネルの内装工、耐火工、背面空洞充填工、コンクリート補修・補強工法等に適用する材料、工法、機器の改良開発、トンネル維持管理補修工事の安全対策ソリューション開発のほか、点検診断の省力化につながるシステムの研究開発を継続しております。今期は、コロナ禍の影響を受け、現場での実証試験が遅延していた道路交通規制時の工事安全管理支援システム「Siラセル」新バーション2タイプを上市し、本格的に営業活動を開始しました。また、前々期に上市した小規模背面空洞充填システム「MAI440FC」に加え、小規模モルタル吹付けシステム「MAI440SC」を上市し、地方自治体が発注するトンネル補修工事を受注しました。当該工事では吹付け専用プレミックスドライモルタルが採用されています。地方自治体を中心に小規模工事の計画が多数あることから、工事受注とともに資機材販売にも積極的に取り組んで参ります。IoT、AI等に関する取り組みでは、複数の試行テーマで、試験施工を実施しております。そのうちの一部は開発の最終段階に至っておりますが、コロナ禍の影響を受け、本格的な上市は来期へ持ち越しとなりました。今後も長期的なインフラ維持管理に欠かせないIoT技術とその活用に必要なAIの適用研究にオープンイベーションを通じて取り組み、建設分野のDX推進に貢献してまいります。新工法開発、工法改良、各種安全対策ソリューション等の成果が、トンネル補修補強工事の元請け受注や他社への技術提供につながることから、施工品質と長寿命化をキーワードに、引き続き研究開発に取り組み、順次上市を推進してまいります。トンネル分野以外の道路付帯施設、橋梁等の補修補強工事、点検診断維持管理技術、解析技術に総合的に取り組む事業体制をさらにバックアップするための研究開発のほか、橋梁下部工や斜面、盛土等の「基礎分野」の補修補強、維持管理技術等の新規分野においても、研究開発・保有技術の応用展開を継続してまいります。(建設事業研究開発費 38,916千円)
FY2021|3,213 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発は技術部を中心に行っておりますが、各事業部門、管理部門、子会社からの情報を基に営業担当者も研究開発活動に参加し、協力してスピーディに技術開発・改良を行い、社会的ニーズに応えることをモットーとしております。現在の研究開発は、ファスナー事業、土木資材事業、建設事業の3事業分野における新商品開発のみならず、新規分野も含め、材料と施工は常に一体であるとの基本理念の下で、効率的な施工方法の研究、関連する施工機器開発、点検診断機器開発にまで及んでおります。建設投資の軸足が新設からメンテナンスへと移行しつつある現実を踏まえ、当社グループは保有技術をベースにした、将来の核となるべき新技術・新工法の開発や知的財産の有効活用等も視野に入れ、全社を挙げた総合的な取り組みを行っております。特に、技術革新の必要性がより高まっている現状に対しては、従来から推進してまいりましたオープンイノベーションの活用が極めて重要との認識の下、優れた技術を保有する異業種企業、大学、研究機関との技術交流・関係強化を図りつつ、BIM(Building Information Modeling)、CIM(Construction information Modeling/Management)対応も視野に入れた研究開発を推進しております。なお、当連結会計年度末におけるグループ全体の研究開発費は、105,526千円であります。当連結会計年度末における主要な研究開発課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。 (1)ファスナー事業あと施工アンカーは、当社の基盤となる重要技術であり、アンカー単体はもとより、付属する部材や関連機材についても保有技術を応用した研究開発を行っております。その中でも構造物せん断補強工法「RMA工法」に注力し「適用範囲を拡大し、かつ施工性や有効率を高めた」建設技術審査証明の更新取得を目指し、研究開発を継続しております。これまで積み重ねた建設技術審査証明範囲の拡大によって着実に適用市場が広がり、競争力の高さも相まって、引き続き業績に貢献することができました。前期追加更新を受けた技術審査証明の適用範囲①水平施工における適用部材厚上限として13m以下の範囲内で400Dまで、②転造ねじ継手のサイズ追加(3種)の2点について、いずれも今期施工実績を上げることができました。道路トンネルの維持管理において市場から求められている、あと施工アンカーが関係する各種の安全対策(緩み止め機能、フェイルセーフ機能等)製品の開発・改良、施工性・確実性・長期耐久性に着目した研究とともに、アンカー点検診断機器開発や施工上のうっかりミスを未然に防ぐプリベンション機能付きの製品の研究開発を継続しております。プリベンション機能付き製品の第一弾であるトルク管理機能付き緩み止めナット「トルシアナットK」シリーズにおいて、「トルシアナットZK」M8,M10の2タイプの開発が完了し、上市することができました。プリベンション機能付き製品第二弾となる、あと施工アンカーの施工に適した専用ドリルビット「ホーク・ストッパードリル」は、作業者の熟練度に関わらず最適な深さで穿孔できるビットであり、前期の2サイズに続き、新たに2サイズの上市を致しました。両製品とも引き続きサイズバリエーション拡大を進めてまいります。一方、今後需要の広がりが予想される、あと施工アンカー用注入式無機系定着材として開発を進めていた「SRインジェクションカプセル」は、コロナ禍の影響を受けて若干遅れが生じたものの期中に開発が完了し、上市とともに実績を上げることができました。58期より本格的な営業活動を開始致します。今後もあと施工アンカーに対する市場の声をいち早く製品に反映することに傾注し、順次新商品を上市してまいります。(ファスナー事業研究開発費 27,856千円)(2)土木資材事業主力製品である山岳トンネル向けのロックボルト、各種補助工法、防水シートの改良開発をプロジェクト毎の対応を中心に継続しております。これらは、売上に直結した研究開発活動であります。今期は山岳トンネル向けの製品開発として、①ロックボルト頭部がフラットに仕上がる「バンプレスワッシャー」、②逸走・リーク抑制機能を備えた湧水対応型無機系補助工法用定着材「RAPモルタル」の2製品を上市し、前者については期中に販売実績を上げることができました。新規事業分野においては、建設工事に伴って発生する重金属を含むずり処理工法関連製品として前期に上市した吸着層工法用シート「パデムシート」については、今期の施工実績は得られなかったものの、多くのお問い合わせをいただくとともに、一般社団法人北海道環境保全技術協会の吸着層工法設計マニュアルへの掲載が承認されたことから、来期の販売実績獲得が期待されます。一方、着手5年を経過した「微生物を用いたセレンの無害化工法開発」においては、ラボ試験の最終段階である100kgスケールの処理実験を実施し十分なセレン処理能力を確認できたため、国内で実際に使用するための微生物利用指針を作成し、環境省に審査を申請しました。同省による初回のヒアリングを経て、審査が進められております。また、上市済みのAIを用いたガードレール支柱劣化判定システムにつきましては、高速道路管理システム等への採用を目指して共同開発企業とともに営業活動を進めております。今後も、各種の新設・補修プロジェクトにおいて求められる技術開発、既製品の改良に加え、新規事業分野の有望技術の研究開発に取り組んでまいります。(土木資材事業研究開発費 44,733千円) (3)建設事業トンネルの内装工、耐火工、背面空洞充填工、コンクリート補修・補強工法等に適用する材料、工法、機器の改良開発、トンネル維持管理補修工事の安全対策ソリューション開発のほか、点検診断の省力化につながるシステムの研究開発を継続しております。今期は、計画していた道路交通規制時の工事安全管理システム「Siラセル」の新バージョン2タイプの上市がコロナ禍の影響で最終的な現場実証実験が延期となり、来期へ持ち越しとなりました。研究開発自体は完了しており、58期上期の上市を予定しております。また、前期に上市した小規模背面空洞充填システム「MAI440FC」は、国土交通省のトンネル背面空洞充填工事において採用され、当社が専門工事会社として施工を実施致しました。裏込め材料についても当社が開発した専用プレミックスドライモルタルが採用され、順調に完工することができました。同様の小規模工事の計画は多数あることから、資機材販売とともに工事受注へも積極的に取り組んでまいります。IoT、AI等に関する取り組みでは、複数の試行テーマで、試験施工を実施しております。そのうちの一部は開発の最終段階に至っており、来期の上市を目指しております。今後も長期的なインフラ維持管理に欠かせないIoT技術とその活用に必要なAIの適用研究にオープンイベーションを通じて取り組んでまいります。新工法開発、工法改良、各種安全対策ソリューション等の成果が、トンネル補修補強工事の元請け受注や他社への技術提供につながることから、施工品質と長寿命化をキーワードに、引き続き研究開発に取り組み、順次上市を推進してまいります。トンネル分野以外の道路付帯施設、橋梁等の補修補強工事、点検診断維持管理技術、解析技術に総合的に取り組む事業体制をさらにバックアップするための研究開発のほか、橋梁下部工や斜面、盛土等の「基礎分野」の補修補強、維持管理技術等の新規分野においても、研究開発・保有技術の応用展開を継続してまいります。(建設事業研究開発費 32,937千円)
FY2020|3,205 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発は技術部を中心に行っておりますが、各事業部門、管理部門、子会社からの情報を基に営業担当者も研究開発活動に参加し、協力してスピーディに技術開発・改良を行い、社会的ニーズに応えることをモットーとしております。現在の研究開発は、ファスナー事業、土木資材事業、建設事業の3事業分野における新商品開発のみならず、新規分野も含め、材料と施工は常に一体であるとの基本理念の下で、効率的な施工方法の研究、関連する施工機器開発、点検診断機器開発にまで及んでおります。建設投資の軸足が新設からメンテナンスへと移行しつつある現実を踏まえ、当社グループは保有技術をベースにした、将来の核となるべき新技術・新工法の開発や知的財産の有効活用等も視野に入れ、全社を挙げた総合的な取り組みを行っております。特に、技術革新の必要性がより高まっている現状に対しては、従来から推進してまいりましたオープンイノベーションの活用が極めて重要との認識の下、優れた技術を保有する異業種企業、大学、研究機関との技術交流・関係強化を図りつつ、研究開発を推進しております。なお、当連結会計年度末におけるグループ全体の研究開発費は、121,233千円であります。当連結会計年度末における主要な研究開発課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。 (1)ファスナー事業あと施工アンカーは、当社の基盤となる重要技術であり、アンカー単体はもとより、付属する部材や関連機材についても保有技術を応用した研究開発を行っております。その中でも構造物せん断補強工法「RMA工法」に注力し「適用範囲を拡大し、かつ施工性や有効率を高めた」建設技術審査証明の更新取得を目指し、研究開発を継続しております。これまで積み重ねた建設技術審査証明範囲の拡大によって着実に適用市場が広がり、競争力の高さも相まって、引き続き業績に貢献することができました。今期追加更新を受けた技術審査証明の適用範囲は、①水平施工における適用部材厚上限として13m以下の範囲内で400Dまで、②転造ねじ継手のサイズ追加(3種)、の2点です。今後も「RMA工法」のみならず、拡大が予想される新しい耐震補強需要にタイムリーにお応えできるよう、土木・建築両分野で研究を継続してまいります。道路トンネルの維持管理において市場から求められているあと施工アンカーが関係する各種の安全対策(緩み止め機能、フェイルセーフ機能等)製品の開発・改良、施工性・確実性・長期耐久性に着目した研究とともに、アンカー点検診断機器開発や施工上のうっかりミスを未然に防ぐプリベンション機能付きの製品の研究開発を継続しております。プリベンション機能付き製品の第一弾であるトルク管理機能付き緩み止めナット「トルシアナットK」シリーズにおいて、今期は座金付きタイプの「トルシアナットZK」を上市するとともに、「トルシアナットK」のM24タイプの開発が完了し、来期上半期の上市に向けて準備を進めております。第二弾となる、あと施工アンカーの施工に適した専用ドリルビット「ホーク・ストッパードリル」は、作業者の熟練度に関わらず最適な深さで穿孔できるビットであり、今期2サイズを上市致しました。来期中にさらに2サイズの上市を予定しております。両製品とも引き続きサイズバリエーション拡大を進めてまいります。一方、徐々に需要が広がりつつある、あと施工アンカー用無機系定着材として、「SRインジェクション」の開発に目途が立ち、来期中の上市を目指して製品化を進めております。今後もあと施工アンカーに対する市場の声をいち早く製品に反映することに傾注し、順次新商品を上市してまいります。(ファスナー事業研究開発費 33,245千円)(2)土木資材事業主力製品である山岳トンネル向けのロックボルト、各種補助工法、防水シートの改良開発を、プロジェクトでの対応を中心に継続しております。これらは、売上に直結した研究開発活動であります。今期は山岳トンネル向けの製品開発としては端境期にあたり、期中の新規上市製品はございませんでしたが、来期上半期に上市予定の製品、2製品について開発が完了しました。ロックボルト頭部がフラットに仕上がる「バンプレスワッシャー」、逸走・リーク抑制機能を備えた湧水対応型補助工法用定着材「RAPモルタル」です。両製品とも来期中の販売実績獲得が期待されます。新規事業分野においては、建設工事に伴って発生する重金属を含むズリ処理工法関連では、吸着層工法用シート「パデムシート」を上市することができました。従来の吸着層工法に比べ、大幅な施工性の向上が図れるとともに、品質管理が容易な製品です。様々な現場条件を想定した試験施工を実施し、来期中の販売実績獲得を目指しております。一方、着手4年を経過した「バクテリアを用いたセレンの無害化工法開発」においては、ラボ試験の最終段階である100kgスケールの処理実験を実施し十分なセレン処理能力を確認できたため、国内で使用するための微生物利用指針を環境省に申請する準備を進めるとともに、効率的な現場適用手法の検討に着手しました。また、上市済みのガードレール支柱補修システム「GPR工法」につきましては、各地で試験施工を実施するとともに、1現場当たり100~500本程度の本施工実績を4件(総施工本数:1,370本)蓄積することができました。来期は、さらなる採用拡大を図るべく、顧客ニーズに基づいた改良・改善や様々な関連資機材開発を進める予定です。今後も、各種の新設・補修プロジェクトにおいて求められる技術開発、既成品の改良に加え、新規事業分野の有望技術の研究開発に取り組んでまいります。(土木資材事業研究開発費 35,661千円) (3)建設事業トンネルの内装工、耐火工、背面空洞充填工、コンクリート補修・補強工法等に適用する材料、工法、機器の改良開発、トンネル維持管理補修工事の安全対策ソリューション開発のほか、点検診断の省力化につながるシステムの研究開発を継続しております。今期は、最重要分野と位置付けておりますコンクリート補修・補強工法分野の既存製品の改良版として「ガイナD」、「ガイナS」を再上市し、販売実績を積み上げることができました。また、前期に上市した小規模背面空洞充填システム「MAI440FC」は、国土交通省のトンネル背面空洞充填工事において採用され、当社が専門工事会社として施工を実施致しました。裏込め材料についても当社が開発した専用プレミックスドライモルタルが採用され、順調に完工することができました。同様の小規模工事の計画は多数あることから、資機材販売とともに工事受注へも積極的に取り組んでまいります。IoT、AIに関する取り組みでは、複数の試行テーマで、試験施工を実施しております。そのうちの一部は開発の最終段階に至っており、来期の上市を目指しております。今後も長期的なインフラ維持管理に欠かせないIoT技術とその活用に必要なAIの適用研究にオープンイベーションを通じて取り組んでまいります。新工法開発、工法改良、各種安全対策ソリューション等の成果が、トンネル補修補強工事の元請け受注や他社への技術提供につながることから、施工品質と長寿命化をキーワードに、引き続き研究開発に取り組み、順次上市を推進してまいります。トンネル分野以外の道路付帯施設、橋梁等の補修補強工事、点検診断維持管理技術、解析技術に総合的に取り組む事業体制をさらにバックアップするための研究開発のほか、橋梁下部工や斜面、盛土等の「基礎分野」の補修補強、維持管理技術等の新規分野においても、研究開発・保有技術の応用展開を継続してまいります。(建設事業研究開発費 52,326千円)
FY2019|2,757 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発は技術部を中心に行っておりますが、各事業部門、管理部門、子会社からの情報を基に営業担当者も研究開発活動に参加し、協力してスピーディに技術開発・改良を行い、社会的ニーズに応えることをモットーとしております。現在の研究開発は、ファスナー事業、土木資材事業、建設事業の3事業分野における新商品開発のみならず、新規分野も含め、材料と施工は常に一体であるとの基本理念の下で、効率的な施工方法の研究、関連する施工機器開発、点検診断機器開発にまで及んでおります。建設投資の軸足が新設からメンテナンスへと移行しつつある現実を踏まえ、当社グループは保有技術をベースにした、将来の核となるべき新技術・新工法の開発や知的財産の有効活用等も視野に入れ、全社を挙げた総合的な取り組みを行っております。特に、技術革新の必要性がより高まっている現状に対しては、従来から推進してまいりましたオープンイノベーションの活用が極めて重要との認識の下、優れた技術を保有する異業種企業、大学、研究機関との技術交流・関係強化を図りつつ、研究開発を推進しております。なお、当連結会計年度末におけるグループ全体の研究開発費は、124,858千円であります。当連結会計年度末における主要な研究開発課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。 (1)ファスナー事業あと施工アンカーは、当社の基盤となる重要技術であり、アンカー単体はもとより、付属する部材や関連機材についても保有技術を応用した研究開発を行っております。その中でも構造物せん断補強工法「RMA工法」に注力し「適用範囲を拡大し、かつ施工性や有効率を高めた」建設技術審査証明の更新取得を目指し、研究開発を継続しております。これまで積み重ねた建設技術審査証明範囲の拡大によって着実に適用市場が広がり、競争力の高さも相まって、引き続き業績に貢献することができました。また、建設技術審査証明の適用範囲をさらに広げるための研究開発、大型実験を進め、来期の審査・更新に向けた準備を完了しました。今後も「RMA工法」のみならず、今後拡大が予想される新しい耐震補強需要にタイムリーに応えることができるよう、土木・建築両分野で研究を継続してまいります。道路トンネルの維持管理において市場から求められているあと施工アンカーが関係する各種の安全対策(緩み止め機能、フェイルセーフ機能等)製品の開発・改良、施工性・確実性・長期耐久性に着目した研究とともに、アンカー点検診断機器開発や施工上のうっかりミスを未然に防ぐプリベンション機能付きの製品の研究開発を継続しております。前期の「ホーク・タイワイヤーアンカーCN」「ホーク・カクテイタイワイヤーアンカーZ」の上市に続き、今期は「ホーク・タイワイヤーアンカーZ TypeⅢ」を上市致しました。また、プリベンション機能付き製品の第一弾であるトルク管理機能付き緩み止めナット「トルシアナットK」「トルシアナットKP」のサイズバリエーション拡大とともに、座付きタイプの「トルシアナットZK」の上市にも目処が立ちました。今後も市場の声をいち早く製品に反映することに傾注し、順次新商品を上市してまいります。(ファスナー事業研究開発費 40,357千円)(2)土木資材事業主力製品である山岳トンネル向けのロックボルト、各種補助工法、防水シートの改良開発を、プロジェクトでの対応を中心に継続しております。これらは、売上に直結した研究開発活動であります。今期は注入式ロックボルト施工に適した可塑性ドライミックスモルタル「Plamモルタル」を上市し、売上に貢献することができました。このほかにも、大型プロジェクト向けの研究開発・製品改良を幅広く継続しており、順次上市を進めて参ります。新規事業分野においては、ガードレール支柱補強工法「GPR」にΦ114.3タイプを追加し、お客様の要望にさらにお応えできる体制を整えました。また、様々なコンクリート打設工事やトンネル背面空洞充填工事、あるいはトンネル補助工法等において、確実かつ経済的に注入材、定着材の到達・充填確認を行える「シグナルファイバー:光ファイバーと光センサを用いた充填検知システム」を上市し、実施工に供することができました。これまでのご報告の通り、様々な土木工事に伴って発生する重金属を含んだ掘削ずり処理技術の研究開発を継続しておりますが、今期は異業種企業との共同開発の成果として、効率的な施工を可能にする吸着層工法用シートの上市に目処が立ちました。一方、着手3年を経過したバクテリアを用いたセレンの無害化工法の共同研究も概ね順調に進捗しております。実用化までの課題は少なくありませんが、引き続き研究を継続してまいります。来期も、各種の新設・補修プロジェクトにおいて求められる技術開発、既成品の改良に加え、新規事業分野の有望技術の研究開発に取り組んでまいります。(土木資材事業研究開発費 48,003千円) (3)建設事業トンネルの内装工、耐火工、背面空洞充填工、コンクリート補修補強工等に適用する材料、工法、機器の改良開発、トンネル維持管理補修工事の安全対策ソリューション開発のほか、点検診断の省力化につながるシステムの研究開発を継続しております。今期は、小規模背面空洞充填システム「MAI440FC」を上市することができました。本システムは、トンネル背面空洞充填だけでなく、気泡モルタルを用いる各種の小規模工事に最適なシステムであり、機材販売のほか、自社受注工事へも積極的に活用してまいります。最重要分野と位置付けておりますコンクリート補修・補強工法については、既存製品・工法の改良と新工法開発を並行して研究開発に注力しております。新工法開発、工法改良の成果がトンネル補修補強工事の元請け受注や他社への技術提供につながり、継続して業績に貢献しました。引き続き、施工品質と長寿命化をキーワードに改良と新工法開発を進め、順次上市を推進してまいります。IoTに関する取り組みでは、複数の試行テーマで、試験施工段階へと移行することができました。長期的なインフラ維持管理に欠かせないIoT技術、またその活用に必要となるAIの適用研究にオープンイベーションを通じて取り組んでまいります。来期も「既設トンネル・橋梁等の補修補強工事、点検診断維持管理」に総合的に取り組む事業体制をさらにバックアップするための研究開発のほか、橋梁下部工や斜面、盛り土等の「基礎分野」の補修補強、維持管理技術等の新規分野においても、研究開発・保有技術の応用展開を継続してまいります。(建設事業研究開発費 36,496千円)
FY2018|2,509 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発は当社技術部を中心に行っておりますが、各事業部門、子会社からの情報を基に営業担当者も研究開発活動に参加し、協力してスピーディに技術開発・改良を行い、社会的ニーズに応えることをモットーとしております。現在の研究開発は、ファスナー事業、土木資材事業、建設事業の3事業分野における新商品開発のみならず、新規分野も含め、材料と施工は常に一体であるとの基本理念の下で、効率的な施工方法の研究、関連する施工機器開発、点検診断機器開発にまで及んでおります。建設投資の軸足が新設からメンテナンスへと移行しつつある現実を踏まえ、当社グループは、固有の技術をベースにした、将来の核となるべき新技術・新工法の開発や知的財産の有効活用等も視野に入れ、全社を挙げた総合的な取り組みを行っております。特に、技術革新の必要性がより高まっている現状に対しては、従来から推進してまいりましたオープンイノベーションの活用が極めて重要との認識の下、優れた技術を保有する異業種企業との技術交流・関係強化を図りつつ、研究開発を推進しております。なお、当連結会計年度末におけるグループ全体の研究開発費は、122,402千円であります。当連結会計年度末における主要な研究開発課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。 (1)ファスナーあと施工アンカーは、当社の基盤となる重要技術であり、アンカー単体はもとより、付属する部材や関連部材についても保有技術を応用した研究開発を行っており、その中でも構造物せん断補強工法「RMA工法」について「適用範囲を拡大し、かつ施工性や有効率高めた」建設技術審査証明の更新取得を目指し、研究開発を継続しております。これまで積み重ねた建設技術審査証明範囲の拡大によって着実に適用市場が広がり、競争力の高さも相まって、引き続き今期も業績に貢献することができました。また、今期は建設技術審査証明の5年更新期にあたり、適用範囲をさらに広げる形で無事に更新作業を完了することができました。今後も新しい需要にタイムリーに応えることができるよう、研究を継続してまいります。道路トンネルの維持管理において市場から求められているあと施工アンカーが関係する各種の安全対策(緩み止め機能、フェイルセーフ機能等)製品の開発・改良、施工性・確実性・長期耐久性に着目した研究とともに、アンカー点検診断機器開発や施工上のうっかりミスを未然に防ぐプリベンション機能付きの製品の研究開発を継続しております。前々期に上市し、お客様から高い評価を得ているフェイルセーフ機能に特化した「タイワイヤーアンカーZ」に加え、今期は高強度コンクリート躯体を対象とした「カクテイタイワイヤアンカーZ」、お客様のご要望をいち早く具現化した「タイワイヤーアンカーCN」を上市することができました。また、プリベンション機能付き製品の第一弾として、これまでに例を見ないトルク管理機能付き緩み止めナット「トルシアナットK」「トルシアナットKP」を上市し、サイズバリエーションの拡大を進めております。今後も市場の声を製品に反映することに注力し、順次新商品を上市してまいります。(ファスナー事業研究開発費 24,770千円)(2)土木資材山岳トンネル向けのロックボルト、各種補助工法、防水シートの改良開発を、プロジェクトでの対応を中心に継続しております。これらは、売上に直結した研究開発活動であり、今期はロックボルト引抜き試験の省力化と実施時間の大幅な短縮に繋がる無線通信機能を備えた「スマートジャッキ」システム、トンネル補修補強に特化した地山改良機能付きロックボルト「PaCCボルト(共同開発)]を上市し、営業活動を開始することができました。前期上市した製品の中では、湧水対応型の「高耐力RPEロックボルト」が、いち早く採用実績を得ることができました。この製品につきましては、様々な技術的可能性を備えていることから、更なる用途開発を進めております。また、着手2年を経過した、山岳トンネル建設時の課題の一つである掘削ずりに含まれる重金属処理技術の共同研究は、現場施工をイメージした第二段階に移行することができました。実用化までの課題は少なくありませんが、引き続き研究を継続してまいります。来期も、各種の新設・補修プロジェクトにおいて求められる技術に加え、新規事業分野の有望技術の研究開発に取り組んでまいります。(土木資材事業研究開発費 35,048千円) (3)建設トンネルの内装工、耐火工、背面空洞充填工、コンクリート補修補強工等に適用する材料、工法、機器の改良開発、トンネル維持管理補修工事の安全対策ソリューション開発のほか、点検診断の省力化につながるシステムの研究開発を継続しております。今期は、成果の端境期ではありましたが、小規模背面空洞充填システムの開発をほぼ完成と言える段階まで進めることができました。また、重要分野と位置付けておりますコンクリート補修・補強工法については、既存製品・工法の改良と新工法開発を並行して研究開発に注力しておりますが、工法改良の成果がトンネル補修補強工事の元請け受注や他社への技術提供(オープンイノベーション:アウトバウンド)につながり、継続して業績に貢献しました。引き続き、改良と新工法開発を進め、順次上市を推進してまいります。前々期にスタートしましたIoTに関する取り組みは、試行テーマのシステム構築が完了し、試験施工段階へと移行することができました。長期的なインフラ維持管理に欠かせないIoT技術、またその活用に必要となるAIの適用研究にオープンイベーションを通じて取り組んでまいります。来期も「既設トンネル・橋梁等の補修補強工事、点検診断維持管理」に総合的に取り組む事業体制をさらにバックアップするための研究開発のほか、橋梁下部工や斜面、盛り土等の「基礎分野」の補修補強、維持管理技術等の新規分野においても、研究開発・保有技術の応用展開を継続してまいります。(建設事業研究開発費 62,583千円)
FY2017|2,580 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発は当社技術部を中心に行っておりますが、各事業部門、子会社からの情報を基に営業担当者も研究開発活動に参加し、協力してスピーディに技術開発・改良を行い、社会的ニーズに応えることをモットーとしております。現在の研究開発は、ファスナー事業、土木資材事業、建設事業の3事業分野における新商品開発のみならず、新規分野も含め、材料と施工は常に一体であるとの基本理念の下で、効率的な施工方法の研究、関連する施工機器開発、点検診断機器開発にまで及んでおります。建設投資の軸足が新設からメンテナンスへと移行しつつある現実を踏まえ、当社グループは、固有の技術をベースにした、将来の核となるべき新技術・新工法の開発や知的財産の有効活用等も視野に入れ、全社を挙げた総合的な取り組みを行っております。特に、技術革新の必要性がより高まっている現状に対しては、従来から推進してまいりましたオープンイノベーションの活用が極めて重要との認識の下、優れた技術を保有する異業種企業との技術交流・関係強化を図りつつ、共同開発を推進しております。なお、当連結会計年度末におけるグループ全体の研究開発費は、98,036千円であります。当連結会計年度末における主要な研究開発課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。 (1)ファスナーあと施工アンカーは、当社の基盤となる重要技術であり、アンカー単体はもとより、付属する部材や関連部材についても保有技術を応用した研究開発を行っており、その中でも構造物せん断補強工法「RMA工法」について「適用範囲を拡大し、かつ施工性や有効率を高めた」建設技術審査証明の更新取得を目指し、研究開発を継続しております。これまで積み重ねた建設技術審査証明範囲の拡大によって着実に適用市場が広がり、競争力の高さも相まって、前期に続き今期も業績に大きく貢献することができました。また、建設技術審査証明の5年更新期を迎える来期に向けて、さらに適用範囲を広げるための研究を行い、十分な準備を進めることができました。今後も新しい需要にタイムリーに応えることができるよう、研究を継続してまいります。道路トンネルの維持管理において市場から求められているあと施工アンカーが関係する各種の安全対策(緩み止め機能、フェールセーフ機能等)製品の開発・改良、施工性・確実性・長期耐久性に着目した研究とともに、アンカー点検診断機器開発や施工上のうっかりミスを未然に防ぐプリベンション機能付きの製品の研究開発を継続しております。前期上市したフェイルセーフ機能に特化した「タイワイヤーアンカーZ」は、お客様から高い評価を受けて、予想を大幅に上回る出荷が継続しております。また、プリベンション機能付き製品の第一弾として、これまでに例を見ないトルク管理機能付き緩み止めナット「トルシアナットK」「トルシアナットKP」の製品化に目途が立ち、来期初旬から順次市場投入できる見込みとなりました。今後も市場の声を製品に反映することに注力し、順次新商品を上市してまいります。(ファスナー事業研究開発費 24,638千円)(2)土木資材山岳トンネル向けのロックボルト、各種補助工法、防水シートの改良開発を、プロジェクトでの対応を中心に継続しております。これらは、売上に直結した研究開発活動であり、今期は湧水対応型の耐力290kN「高耐力NRPEロックボルト」、高耐食性メッキ付き自穿孔ロックボルト「IBO-Z」、未固結地山へのロックボルト定着に効果の高いプレミックスモルタル「IBOモルタル-EX」を上市しました。いずれもこれまで最適な材料の提供が難しかった領域をカバーする製品になっております。前期に上市した防水シート「改良型フィットライナー」は概ね順調に採用が進んでおりますが、今期も現場条件を反映した各種の性能評価実験を継続し、そのデータをもとに設計活動を推進しました。その結果、これまで実績のなかった分野において設計採用され、山岳トンネル以外の市場の広がりが期待できる状況となりました。また、前期に着手した、山岳トンネル建設時の課題の一つである掘削ずりに含まれる重金属処理技術の共同研究は、基礎試験を終了し良好な結果を得られましたので、現場施工をイメージした第二段階に移行します。実用化までの課題は少なくありませんが、引き続き研究を継続してまいります。来期も、各種の新設・補修プロジェクトにおいて求められる技術に加え、新規事業分野の有望技術の研究開発に取り組んでまいります。(土木資材事業研究開発費 24,571千円) (3)建設トンネルの内装工、耐火工、背面空洞充填工、コンクリート補修補強工等に適用する材料、工法、機器の改良開発、トンネル維持管理補修工事の安全対策ソリューション開発等を継続しております。今期上市した製品は道路規制工事中の安全管理システム「Si(シ)ラセル-進入検知」です。これはAIの一つであるリアルタイム画像解析技術を利用し、規制車線に誤って進入した車両をいち早く検知し、工事施工個所の監視員・誘導員および作業員に危険を知らせるシステムです。また、重要分野と位置付けておりますコンクリート補修・補強工法については、既存製品・工法の改良と新工法開発を並行して研究開発に注力しておりますが、工法改良の成果がトンネル補修補強工事の元請け受注や他社への技術提供(オープンイノベーション:アウトバウンド)につながり、業績に貢献しました。引き続き、改良と新工法開発を進め、順次上市を推進してまいります。前期にスタートしましたIoTに関する取り組みは、試行分野、全体スキームが決定し、本格的な研究開発をスタートさせることができました。長期的なインフラ維持管理に欠かせないIoT技術、またその活用に必要となるAIの適用研究にも取り組んでまいります。来期も「既設トンネル・橋梁等の補修補強工事、点検診断維持管理」に総合的に取り組む事業体制をさらにバックアップするための研究開発のほか、橋梁下部工や斜面、盛り土等の「基礎分野」の補修補強、維持管理技術等の新規分野においても、保有技術の用途開発や研究開発を継続してまいります。(建設事業研究開発費 48,826千円)
FY2016|1,875 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発は当社技術部を中心に行っておりますが、各事業部門、子会社からの情報を基に営業担当者も研究開発活動に参加し、協力してスピーディに技術開発・改良を行い、社会的ニーズに応えることをモットーとしております。現在の研究開発は、ファスナー事業、土木資材事業、建設事業の3事業分野における新商品開発のみならず、新規分野も含め、材料と施工は常に一体であるとの基本理念の下で、効率的な施工方法の研究、関連する施工機器開発、点検診断機器開発にまで及んでおります。建設投資の軸足が新設からメンテナンスへと移行しつつある現実を踏まえ、当社グループは、固有の技術をベースにした、将来の核となるべき新技術・新工法の開発や知的財産の有効活用等も視野に入れ、全社を挙げた総合的な取り組みを行っております。特に、技術革新の必要性がより高まっている現状に対しては、従来から推進してまいりましたオープンイノベーションの活用が極めて重要との認識の下、優れた技術を保有する異業種企業との技術交流・関係強化を図りつつ、共同開発を推進しております。なお、当連結会計年度末におけるグループ全体の研究開発費は、112,419千円であります。当連結会計年度末における主要な研究開発課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。 (1)ファスナーあと施工アンカーは、当社の基盤となる重要技術であり、アンカー単体はもとより、付属する部材や関連部材についても保有技術を応用した研究開発を行っており、その中でも構造物せん断補強工法「RMA」について「適用範囲を拡大し、かつ施工性や有効率高めた」建設技術審査証明の更新取得を目指し、研究開発を継続しております。これまで積み重ねた建設技術審査証明範囲の拡大によって着実に適用市場が広がり、競争力の高さも相まって、今期は業績に大きく貢献することができました。加えて、前期から今期にかけて実施した研究開発の成果を取りまとめ、さらに適用範囲を広げ、かつ経済性を高めた建設技術審査証明更新を行うことができました。今後も新しい需要にタイムリーに応えることができるよう、継続して研究を進めてまいります。また、市場から求められているあと施工アンカーに関係する各種の安全対策(緩み止め機能、フェールセーフ機能等)製品の開発・改良、施工性・確実性・長期耐久性に着目した研究とともに、アンカー点検診断機器の開発を進めた結果、今期はフェイルセーフ機能に特化した「タイワイヤーアンカーZ」、熟練者でなくとも、あと施工アンカーの点検が可能な「アンカーチェッカー」を上市することができました。今後も市場の声を製品に反映することに注力し、順次新商品を上市してまいります。(ファスナー事業研究開発費 61,338千円) (2)土木資材山岳トンネル向けのロックボルト、各種補助工法、防水シートの改良開発を、プロジェクトでの対応を中心に継続しております。これらは、売上げに直結した研究開発活動であり、今期は防水シート「改良型フィットライナー」、補助工法「縞鋼管フォアポーリング」を上市致しました。さらに、高耐力仕様の湧水対応型ロックボルトの開発に注力し、来期には上市できる見込みとなっております。また、積極的な異業種交流、産学交流を通じて、山岳トンネル建設の課題の一つである重金属処理技術の共同研究をスタートすることができました。来期も、各種の新設・補修プロジェクトにおいて求められる技術に加え、新規事業分野の有望技術の研究開発に取り組んでまいります。(土木資材事業研究開発費 26,602千円) (3)建設トンネルの内装工、耐火工、背面空洞充填工、コンクリート補修補強工等に適用する材料、工法、機器の改良開発を継続しております。今期は期中の新商品、新工法の上市はありませんでしたが、コンクリート補修・補強工法を中心に新工法開発を進め、順調に進捗しており、来期以降順次上市する計画となっております。このほか、異業種交流の一環としてIoT技術に関する取り組みを開始し、長期的なインフラ維持管理に欠かせないと考えられるIoT技術の適用研究を推進してまいります。来期も「既設トンネル・橋梁等の補修補強工事、点検診断維持管理」に総合的に取り組む事業体制をさらにバックアップするための研究開発のほか、橋梁下部工や斜面、盛り土等の「基礎分野」の補修補強、維持管理技術に関しても、保有技術の改良と研究開発を継続してまいります。(建設事業研究開発費 24,478千円)