3252

地主(3252)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

不動産業 不動産

事業の概要

  • 不動産投資事業
    地主は、土地のみに投資し、テナントと20年から50年の長期定期借地権契約を結びます。建物はテナントが建てるため、地主に追加投資は不要です。この「JINUSHIビジネス」で開発した不動産金融商品(底地)を、地主リートや事業会社、不動産ファンドなどに売却し、売却益を得るのが主な収益源です。このビジネスモデルは、自然災害や市場変動に強く、安定した収益が長期的に見込める安全な商品を提供することを目指しています。
  • 不動産賃貸事業
    地主は、自社で開発した不動産金融商品を保有し、テナントに貸し出すことで賃料収入を得ています。また、土地所有者から土地を借りて、商業施設や物流施設などのテナントに転貸するサブリース事業も展開しています。さらに、一般投資家向けに不動産特定共同事業を活用した不動産金融商品「地主倶楽部」を提供しており、多様な形で賃貸収益を確保しています。
  • 資産運用事業
    地主は、自社が設立した地主リートなどから、不動産の資産運用業務や運営管理業務を受託しています。これにより、アセットマネジメント報酬(資産運用に関する手数料)やプロパティマネジメント報酬(物件管理に関する手数料)を得ています。これは、自社で開発・保有する不動産だけでなく、外部の不動産資産の運用・管理を通じて安定的な手数料収入を得るビジネスモデルです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 不動産投資事業
    この事業は、地主の主力事業であり、土地に特化した「JINUSHIビジネス」を通じて不動産金融商品を開発・売却することで収益を上げています。最新年度の売上高は737.49億円、営業利益は116.35億円と、地主グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。主に底地(借地権付きの土地所有権)を地主リートや事業会社などに売却することで利益を得ています。
  • 不動産賃貸事業
    この事業では、地主が開発した不動産金融商品を自社で保有し、テナントに賃貸することで賃料収入を得ています。また、土地を借りてテナントに転貸するサブリース事業や、一般投資家向けの不動産金融商品「地主倶楽部」の提供も行っています。最新年度の売上高は13.78億円、営業利益は7.46億円で、安定的な収益源としてグループを支えています。
  • 資産運用事業
    この事業は、地主リートなどから資産運用業務や運営管理業務を受託し、アセットマネジメント報酬やプロパティマネジメント報酬を得るものです。最新年度の売上高は11.95億円、営業利益は5.27億円であり、不動産投資事業で培ったノウハウを活かして、外部の資産運用・管理を通じて手数料収入を得る事業として、グループの収益多様化に貢献しています。
2025-12 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
InvestmentRealEstate 事業 737 116 15.8%
RealEstateLeasingSegments 事業 14 7 54.1%
AssetManagement 事業 12 5 44.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,039 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社、子会社12社)は、次の3つの事業を主たる業務としております。なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。不動産投資事業土地のみに投資を行い、テナントと長期の定期借地権設定契約を締結し、建物投資はテナントが行うため追加投資を必要としない、安定的な収益が長期にわたって見込める不動産投資手法であるJINUSHIビジネスにより、当社グループが開発した不動産金融商品を地主リート等に売却する事業を行っております。不動産賃貸事業当社グループが開発した不動産金融商品を自ら保有し賃貸収益を得る長期賃貸事業や当社グループが土地所有者から土地を借り受けてテナントに転貸するサブリース事業、不動産特定共同事業を活用し一般投資家向け不動産金融商品「地主倶楽部」の提供を行う不動産特定共同事業を行っております。資産運用事業地主リート等から資産運用業務や運営管理業務を当社グループが受託し、アセットマネジメント報酬やプロパティマネジメント報酬を得る事業を行っております。 (1) 不動産投資事業当社グループのビジネスモデルであるJINUSHIビジネスは、不動産投資におけるリスクを抑え、自然災害やマーケットボラティリティに強い、安定的な収益が長期にわたって見込める安全な不動産金融商品を提供しています。当社グループが土地を取得すると同時にテナントを誘致し、20年から50年程度の定期借地権設定契約をテナントと締結いたします。この開発した底地(借地権の付着した土地所有権)を不動産金融商品として、地主リートをはじめ、事業会社、一般投資家、私募ファンドや不動産投資信託(J-REIT)等に売却し、売却収益を得ております。 (2) 不動産賃貸事業① 長期賃貸事業当社グループが開発した不動産金融商品を、自ら保有し賃貸収益を得ております。② サブリース事業当社グループが土地所有者から土地を借り受けて、商業施設、ホスピス、物流施設等、立地に適した使用用途を提案し、テナントに土地を転貸することにより賃貸収益を得ております。③ 不動産特定共同事業不動産特定共同事業を活用し、一般投資家向け不動産金融商品「地主倶楽部」の提供を行っております。 (3) 資産運用事業地主リート等から資産運用業務や運営管理業務を当社グループが受託し、アセットマネジメント収益やプロパティマネジメント収益を得ております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
底地特化型私募リートの設立と先行者利益による物件取得が可能。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
2000年創業以来の底地に特化したJINUSHIビジネス展開によるテナントとの信頼関係。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:事業環境リスク(景気・不動産市況・金利変動) / 競合リスク(大手デベロッパー等との競合) / 資産の取得及び売却リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

地主(3252)は不動産業であり、特許、ブランド力、規制ライセンスといった無形資産による競争優位性は限定的である。特定の開発プロジェクトや立地条件に依存する側面が強いが、これらは一般的に無形資産とは見なされない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

不動産賃貸業において、テナントが他の物件へ移転する際のコストは、移転作業や新規契約手続きの手間、事業中断リスクなどが考えられる。しかし、物件の特性や立地が合致すれば移転は比較的容易であり、スイッチング・コストは高くない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

不動産賃貸業は、基本的に個別の物件の価値や立地、管理能力に依存するビジネスであり、ユーザー数の増加によってサービスの価値が向上するネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

不動産開発・賃貸業において、規模の経済によるコスト優位性は限定的である。土地の取得コストや建設コストは市場要因に左右されやすく、構造的なコスト優位性を築くことは難しい。一部、開発ノウハウや効率的な管理によるコスト削減の可能性はある。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

地主(3252)は、特定の地域や物件ポートフォリオにおいて一定の規模を持つ可能性がある。しかし、不動産業界全体で見ると、大手デベロッパーや REIT と比較して規模の経済による圧倒的な優位性は見出しにくい。少数寡占というよりは、個別物件の競争力が重要となる。

  • 底地特化の専門性
    地主は2000年の創業以来、建物を含まない「底地」に特化したJINUSHIビジネスを展開しており、この分野における深い専門知識と経験を蓄積しています。これにより、テナントとの信頼関係を構築し、他の不動産デベロッパーにはない独自の競争優位性を確立しています。
  • 地主リートとの連携
    2016年には国内唯一の底地特化型私募リートである「地主リート」を設立しました。これにより、開発した底地の安定的な売却先を確保できるだけでなく、地主リートの成長と連携することで、競合他社との差別化を図り、先行者利益として優良な物件を優先的に取得できる体制を構築しています。
  • リスクを抑えたビジネスモデル
    JINUSHIビジネスは、土地のみに投資し、建物投資はテナントが行うため、地主側に追加投資が不要です。また、長期の定期借地権設定契約により、安定的な収益が長期にわたって見込めます。このリスクを抑えたビジネスモデルは、自然災害や市場変動に強く、安定した事業運営を可能にし、競争優位性につながっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営理念及び経営方針当社は「JINUSHIビジネス(※)を通じて安全な不動産金融商品を創り出し、世界の人々の資産を守る一翼を担う。」を経営理念として掲げております。土地のみに投資をし、建物を所有しないことから自然災害やマーケットボラティリティに強く、長期にわたり安定的に収益を得ることができるJINUSHIビジネスを基本戦略に事業を展開しており、地主リートの成長とともに日本の大地主を目指しております。当社独自の不動産金融商品の開発・提供により、長期かつ安定的な運用を目指す機関投資家をはじめとした、様々な投資家の皆さまのニーズに応えることで社会に貢献し、その結果として、高い成長と企業価値の向上を実現し、あらゆるステークホルダーの信頼を得られるよう努めてまいります。 (※)JINUSHIビジネスとは、土地のみに投資を行い、テナントと長期の定期借地権設定契約を締結し、建物投資はテナントが行うため追加投資を必要としない、安定的な収益が長期にわたって見込めるビジネスモデルを指します。 (2) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、2022年2月に5年間(2022年12月期~2026年12月期)を計画期間とする、中期経営計画(2022-2026)(以下、「現・中計」という。)を発表し、更なる企業価値向上に取り組んでまいりました。そのような状況下、2025年12月期連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益が7,369百万円となり、現・中計で掲げていた2026年12月期目標である、親会社株主に帰属する当期純利益7,000百万円を1年前倒しで達成したことから、本年2月12日に、2026年12月期から2028年12月期までの3年間を計画期間とする、新たな「中期経営計画(2026-2028)(以下、「新・中計」という。)」を発表いたしました。新・中計の達成及びESG方針に沿った事業推進を通じて、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指してまいります。なお、新・中計の概要及びサステナビリティ/ESGの取組については、以下を参照ください。(ご参考)・新・中計の概要:https://www.jinushi-jp.com/ir/medium-term-plan.html・サステナビリティ/ESGの取組:https://www.jinushi-jp.com/sustainability/・決算説明資料:https://www.jinushi-jp.com/ir/library.html (3) 目標とする経営指標当社グループは新・中計において、以下の定量目標等を掲げております。 定量目標(2028年12月期)親会社株主に帰属する当期純利益100億円以上運用資産規模(地主リート、地主ファンド、地主倶楽部の運用資産規模の合計)5,000億円以上 目安とする経営指標ROE15%程度自己資本比率30%程度株主還元方針利益成長とともに増配を目指す(累進配当) (4) 経営環境及び会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①経営環境・底地マーケットについて当社は、2000年の創業来、国内における底地マーケットの創出・拡大に注力してまいりました。その結果、長期にわたり安定的に収益を得ることができる底地商品への投資家の理解が深まり、流動性が大きく向上いたしました。現在では、新たな投資対象として「底地」というアセットタイプを確立しております。なお、一般財団法人日本不動産研究所の調査によると、底地マーケットは、リーマンショック後の2009年の0.87兆円の規模から、2024年現在7.24兆円と15年で8.2倍まで拡大しております。2027年には、10.4兆円への市場拡大が予測されているなど、今後も更なる成長が期待できるマーケットと認識しております。 ・JINUSHIビジネスに対する投資家からの需要について自然災害やマーケットボラティリティに強く、長期にわたり安定的に収益を得ることができる、当社の不動産金融商品は、引き続き投資家からの強い需要が継続しています。不動産市場並びに金融資本市場の変動等を注視する必要はありますが、インフレや金利上昇局面においても、JINUSHIビジネスの強みは一段と増し、他の不動産金融商品と比べた時に相対的な魅力が高まっていくものと考えております。 ・資金調達環境について当社グループのJINUSHIビジネスは、その安定したトラックレコードを背景に、多くの金融機関にご理解並びにご支持を頂いており、資金調達環境は引き続き良好に推移しております。一方、金融政策の正常化に伴う金利上昇など、資金調達環境の先行きについては引き続き注視しております。 ②対処すべき課題上記①経営環境を踏まえた上で、新・中計の達成及びESG方針に沿った事業推進にむけ、優先的に対処すべき課題及び取組内容は以下のとおりであります。 ・経営戦略の達成に向けた取組及び進捗状況2022年2月に発表した現・中計は、JINUSHIビジネスの拡大と地主リートの成長を両輪とした成長戦略となります。JINUSHIビジネスの更なる拡大に向けた取組内容として、「テナント業種の多様化」「事業エリアの拡大」「JINUSHIリースバック(土地のセール&リースバック)提案」を積極的に推進してまいりました。また、地主リートにおいては、引き続き国内唯一の底地特化型私募リートといった先行者利益を活用しながら、現・中計の運用資産規模目標3,000億円を通過点に、早期に5,000億円の達成を目指して取り組んでまいりました。当連結会計年度における、現・中計で定める経営指標の進捗状況は次の通りとなりました。 当期(2025年12月期)前期(2024年12月期) 現・中計目標値(2026年12月期)売上高763億円570億円 1,000億円親会社株主に帰属する当期純利益73億円60億円 70億円地主リート運用資産規模(※)2,911億円2,576億円 3,000億円程度ROE15.6%16.0% 13%程度自己資本比率34.1%38.6% 30%以上(※)前期については第9次募集(2025年1月に実施)、当期については第10次募集(2026年1月に実施)において取得した物件を考慮した数値(取得時の鑑定評価額ベース)を記載しております。 今後につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中長期的な会社の経営戦略及び(3) 目標とする経営指標」に記載の通り、新・中計の達成に向け取り組んでまいります。 ・財務戦略について当社グループのJINUSHIビジネスは、その安定したトラックレコードを背景に、多くの金融機関にご理解並びにご支持を頂いており、資金調達環境は引き続き良好に推移しております。また、新・中計の目標とする経営指標の一つとして「自己資本比率30%程度」を掲げており、金融危機等の有事に備えた財務基盤の構築並びにリスク管理を徹底しながら、JINUSHIビジネスの成長に資する財務施策を実行しております。借入金については、メガバンクを中心とした強固なバンクフォーメーションを構築しつつ、かつ、従前より借入期間の長期化や財務制限条項を撤廃するなど、金融市場の変動に備えた調達を実施しております。また、取得への高い機動性を確保すべく、2025年12月末現在、金融機関5行とコミットメントライン契約12,500百万円、及び金融機関2行と借入枠設定契約32,250百万円をそれぞれ締結しております。なお、不動産市況が悪化し、売却が難しい場合にも、当社は安定的かつ健全な財務基盤を構築しているため、自ら保有することで安定した賃貸収益を獲得しながら、市況の回復を待つ選択肢を取ることも可能です。 ・ESGの取組について当社は、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目指しております。また、ESGに配慮し、そのリスクと機会を考慮した取組を継続することは、中長期的な株主価値の向上に不可欠であると認識しております。2022年2月にESG方針を策定、2024年3月にはマテリアリティ(重点課題)を特定の上、各種施策を推し進めております。具体的な取組、対処すべき課題等については、後述する「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営理念及び経営方針当社は「JINUSHIビジネス(※)を通じて安全な不動産金融商品を創り出し、世界の人々の資産を守る一翼を担う。」を経営理念として掲げております。土地のみに投資をし、建物を所有しないことから自然災害やマーケットボラティリティに強く、長期にわたり安定的に収益を得ることができるJINUSHIビジネスを基本戦略に事業を展開しており、地主リートの成長とともに日本の大地主を目指しております。当社独自の不動産金融商品の開発・提供により、長期かつ安定的な運用を目指す機関投資家をはじめとした、様々な投資家の皆さまのニーズに応えることで社会に貢献し、その結果として、高い成長と企業価値の向上を実現し、あらゆるステークホルダーの信頼を得られるよう努めてまいります。 (※)JINUSHIビジネスとは、土地のみに投資を行い、テナントと長期の定期借地権設定契約を締結し、建物投資はテナントが行うため追加投資を必要としない、安定的な収益が長期にわたって見込めるビジネスモデルを指します。 (2) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、2022年2月に5年間(2022年12月期~2026年12月期)を計画期間とする、中期経営計画(2022-2026)(以下、「現・中計」という。)を発表し、更なる企業価値向上に取り組んでまいりました。そのような状況下、2025年12月期連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益が7,369百万円となり、現・中計で掲げていた2026年12月期目標である、親会社株主に帰属する当期純利益7,000百万円を1年前倒しで達成したことから、本年2月12日に、2026年12月期から2028年12月期までの3年間を計画期間とする、新たな「中期経営計画(2026-2028)(以下、「新・中計」という。)」を発表いたしました。新・中計の達成及びESG方針に沿った事業推進を通じて、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指してまいります。なお、新・中計の概要及びサステナビリティ/ESGの取組については、以下を参照ください。(ご参考)・新・中計の概要:https://www.jinushi-jp.com/ir/medium-term-plan.html・サステナビリティ/ESGの取組:https://www.jinushi-jp.com/sustainability/・決算説明資料:https://www.jinushi-jp.com/ir/library.html (3) 目標とする経営指標当社グループは新・中計において、以下の定量目標等を掲げております。 定量目標(2028年12月期)親会社株主に帰属する当期純利益100億円以上運用資産規模(地主リート、地主ファンド、地主倶楽部の運用資産規模の合計)5,000億円以上 目安とする経営指標ROE15%程度自己資本比率30%程度株主還元方針利益成長とともに増配を目指す(累進配当) (4) 経営環境及び会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①経営環境・底地マーケットについて当社は、2000年の創業来、国内における底地マーケットの創出・拡大に注力してまいりました。その結果、長期にわたり安定的に収益を得ることができる底地商品への投資家の理解が深まり、流動性が大きく向上いたしました。現在では、新たな投資対象として「底地」というアセットタイプを確立しております。なお、一般財団法人日本不動産研究所の調査によると、底地マーケットは、リーマンショック後の2009年の0.87兆円の規模から、2024年現在7.24兆円と15年で8.2倍まで拡大しております。2027年には、10.4兆円への市場拡大が予測されているなど、今後も更なる成長が期待できるマーケットと認識しております。 ・JINUSHIビジネスに対する投資家からの需要について自然災害やマーケットボラティリティに強く、長期にわたり安定的に収益を得ることができる、当社の不動産金融商品は、引き続き投資家からの強い需要が継続しています。不動産市場並びに金融資本市場の変動等を注視する必要はありますが、インフレや金利上昇局面においても、JINUSHIビジネスの強みは一段と増し、他の不動産金融商品と比べた時に相対的な魅力が高まっていくものと考えております。 ・資金調達環境について当社グループのJINUSHIビジネスは、その安定したトラックレコードを背景に、多くの金融機関にご理解並びにご支持を頂いており、資金調達環境は引き続き良好に推移しております。一方、金融政策の正常化に伴う金利上昇など、資金調達環境の先行きについては引き続き注視しております。 ②対処すべき課題上記①経営環境を踏まえた上で、新・中計の達成及びESG方針に沿った事業推進にむけ、優先的に対処すべき課題及び取組内容は以下のとおりであります。 ・経営戦略の達成に向けた取組及び進捗状況2022年2月に発表した現・中計は、JINUSHIビジネスの拡大と地主リートの成長を両輪とした成長戦略となります。JINUSHIビジネスの更なる拡大に向けた取組内容として、「テナント業種の多様化」「事業エリアの拡大」「JINUSHIリースバック(土地のセール&リースバック)提案」を積極的に推進してまいりました。また、地主リートにおいては、引き続き国内唯一の底地特化型私募リートといった先行者利益を活用しながら、現・中計の運用資産規模目標3,000億円を通過点に、早期に5,000億円の達成を目指して取り組んでまいりました。当連結会計年度における、現・中計で定める経営指標の進捗状況は次の通りとなりました。 当期(2025年12月期)前期(2024年12月期) 現・中計目標値(2026年12月期)売上高763億円570億円 1,000億円親会社株主に帰属する当期純利益73億円60億円 70億円地主リート運用資産規模(※)2,911億円2,576億円 3,000億円程度ROE15.6%16.0% 13%程度自己資本比率34.1%38.6% 30%以上(※)前期については第9次募集(2025年1月に実施)、当期については第10次募集(2026年1月に実施)において取得した物件を考慮した数値(取得時の鑑定評価額ベース)を記載しております。 今後につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中長期的な会社の経営戦略及び(3) 目標とする経営指標」に記載の通り、新・中計の達成に向け取り組んでまいります。 ・財務戦略について当社グループのJINUSHIビジネスは、その安定したトラックレコードを背景に、多くの金融機関にご理解並びにご支持を頂いており、資金調達環境は引き続き良好に推移しております。また、新・中計の目標とする経営指標の一つとして「自己資本比率30%程度」を掲げており、金融危機等の有事に備えた財務基盤の構築並びにリスク管理を徹底しながら、JINUSHIビジネスの成長に資する財務施策を実行しております。借入金については、メガバンクを中心とした強固なバンクフォーメーションを構築しつつ、かつ、従前より借入期間の長期化や財務制限条項を撤廃するなど、金融市場の変動に備えた調達を実施しております。また、取得への高い機動性を確保すべく、2025年12月末現在、金融機関5行とコミットメントライン契約12,500百万円、及び金融機関2行と借入枠設定契約32,250百万円をそれぞれ締結しております。なお、不動産市況が悪化し、売却が難しい場合にも、当社は安定的かつ健全な財務基盤を構築しているため、自ら保有することで安定した賃貸収益を獲得しながら、市況の回復を待つ選択肢を取ることも可能です。 ・ESGの取組について当社は、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目指しております。また、ESGに配慮し、そのリスクと機会を考慮した取組を継続することは、中長期的な株主価値の向上に不可欠であると認識しております。2022年2月にESG方針を策定、2024年3月にはマテリアリティ(重点課題)を特定の上、各種施策を推し進めております。具体的な取組、対処すべき課題等については、後述する「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。詳細につきましては、2026年2月12日に当社ウェブサイト(*)に掲載しております「2025年12月期 決算説明資料」をご参照ください。 (*)https://www.jinushi-jp.com/(IR情報、ニュースリリース) (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績、財政状態及びキャ ッシュ・フロー等(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①事業環境の状況当社が創出・拡大を牽引してきた底地マーケットは、一般財団法人日本不動産研究所の調査によると、リーマンショック後の2009年の0.87兆円の規模から、2024年現在7.24兆円と15年で8.2倍まで拡大しております。2027年には、10.4兆円への市場拡大が予測されているなど、更なる成長が期待できるマーケットと認識しております。また、足元では、東証改革「資本コストや株価を意識した経営」や投資家からの要請を背景に、企業においてCRE戦略を見直す動きが加速しています。上場企業が所有する土地のみを対象としても、その市場規模は約46兆円にのぼります。当社は、底地マーケットに加えて、このCRE市場を新たなターゲットとし、JINUSHIビジネスの更なる拡大を目指しております。 底地市場規模(底地取引の累積値)の推移と予測 当社の事業領域 ②経営成績の状況当社は「JINUSHIビジネスを通じて安全な不動産金融商品を創り出し、世界の人々の資産を守る一翼を担う。」ことを経営理念として掲げており、土地のみに投資をし、建物を所有しないことから自然災害やマーケットボラティリティに強く、長期にわたり安定的に収益を得ることができるJINUSHIビジネスを基本戦略に事業を展開しており、地主リートの成長とともに日本の大地主を目指しております。また、当社は「底地に特化」「独自のネットワーク」「豊富な開発実績」「地主リート」の4つの特徴を活かしながら、JINUSHIビジネスに特化した不動産金融商品のメーカーとして、事業を推進しております。2025年12月末時点のJINUSHIビジネスの開発実績は、累計487案件、約6,368億円に拡大しています。 そのような状況下、当連結会計年度におきましても、建物を所有しないことから自然災害やマーケットボラティリティに強く、長期にわたり安定的に収益を得ることができるJINUSHIビジネスを基本戦略に、新規仕入及び販売用不動産の売却を推進いたしました。この結果、当連結会計年度の売上高は76,327百万円(前連結会計年度比33.7%増)、営業利益は8,603百万円(同0.8%減)、経常利益は7,191百万円(同13.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,369百万円(同21.1%増)となりました。当社が重視している親会社株主に帰属する当期純利益については、5期連続で増益となり、過去最高益を更新するとともに、2022年2月に発表した現・中計の2026年12月期目標である、親会社株主に帰属する当期純利益7,000百万円を1年前倒しで達成いたしました。また、当連結会計年度の仕入(契約ベース)については、1,420億円(前連結会計年度比821億円増)となりました。社名変更を契機に取り組み始めた3つの成長戦略「テナント業種の多様化」「事業エリアの拡大」「JINUSHIリースバック(土地のセール&リースバック)提案」による成果に加え、東証改革や投資家からの要請を背景とした企業による不動産売却やCRE戦略の見直し、建築費上昇等の社会の変化も追い風となり、期初の仕入目標である700億円以上を大きく上回る結果となりました。なお、取引テナント数においては、2025年12月末時点で171社となるなど、大きく増加しています。 取引テナント数 地主リートにつきましては、国内唯一の底地特化型私募リートとして、年金や生損保といった機関投資家からご評価をいただいております。足元では、地主リートは運用開始後10年連続で増資を実現し、2026年1月時点における資産規模は2,911億円(取得時の鑑定評価額ベース)となっております。当社は地主アセットマネジメント株式会社及び地主リートとの間でスポンサーサポート契約を締結しており、JINUSHIビジネスによる不動産金融商品の売却を中心に、スポンサーとして地主リートのサポートを強化してまいります。 地主リート資産規模 また、仕入の加速に対応する新たな取組として、底地の中長期運用を目的とした「地主ファンド」構想を発表いたしました。地主リートを柱に、地主ファンド、地主倶楽部とさまざまな投資家のニーズに応える体制を構築しております。そのような状況を踏まえ、当社グループは、本年2月12日に、2026年12月期から2028年12月期までの3年間を計画期間とする、新・中計を発表いたしました。新・中計の詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中長期的な会社の経営戦略及び(3) 目標とする経営指標」をご参照ください。引き続き、持続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。 当連結会計年度のセグメント別の経営成績は次のとおりであります。a.不動産投資事業不動産投資事業におきましては、売上高は73,749百万円(前連結会計年度比34.3%増)、セグメント利益は11,635百万円(同3.1%増)となりました。 b.不動産賃貸事業不動産賃貸事業におきましては、売上高は1,378百万円(前連結会計年度比29.2%増)、セグメント利益は746百万円(同23.9%増)となりました。 c.資産運用事業資産運用事業におきましては、売上高は1,195百万円(前連結会計年度比10.0%増)、セグメント利益は527百万円(同7.7%増)となりました。 ③財政状態の状況当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ30,937百万円増加し、146,354百万円となりました。これは主に、販売用不動産が8,618百万円、土地が15,158百万円増加したこと等によります。負債の部は、前連結会計年度末に比べ、23,831百万円増加し、94,448百万円となりました。これは主に、長期借入金が14,001百万円、ノンリコース長期借入金が7,650百万円増加したこと等によります。純資産は、前連結会計年度末に比べ7,105百万円増加し、51,906百万円となりました。これは主に、利益剰余金が5,462百万円増加したこと等によります。なお、当連結会計年度末における自己資本比率は34.1%となりました。 ④キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比で3,809百万円増加し、27,302百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動の結果、税金等調整前当期純利益が10,279百万円となった一方、販売用不動産8,754百万円の増加や、法人税等の支払額2,638百万円等により、減少した資金は3,328百万円(前連結会計年度比1,000百万円の増加)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動の結果、減少した資金は15,366百万円(前連結会計年度比13,297百万円の減少)となりました。なお、主な要因は、有形固定資産の取得による24,339百万円の支出、有形固定資産の売却による9,604百万円の収入等によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動の結果、増加した資金は22,512百万円(前連結会計年度比15,636百万円の増加)となりました。なお、主な要因は、新規販売用不動産の仕入等に伴う長期借入金による資金調達98,423百万円及び保有する販売用不動産の売却等に伴う長期借入金の返済による支出76,833百万円等によるものです。 ⑤生産、受注及び販売の実績  a.生産実績当社グループは、不動産投資事業、不動産賃貸事業及び資産運用事業を行っており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。  b.受注実績当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。  c.販売実績当連結会計年度における各セグメントの売上高は、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前期増減比(%)不動産投資事業(百万円)73,74934.3不動産賃貸事業(百万円)1,37829.2資産運用事業(百万円)1,19510.0  報告セグメント計(百万円)76,32333.8その他(百万円)(注)4△42.6合計(百万円)76,32733.7(注)「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、不動産売買の仲介手数料等を含んでおります。   (注) 1. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)地主プライベートリート投資法人17,37030.443,91857.5株式会社近藤紡績所8,80015.4--SMFLみらいパートナーズ株式会社6,14610.8-- (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、当社グループによる会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。当社グループは、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、当社グループが採用する会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。特に、収益性の低下により、投資額の回収が見込めなくなった資産の帳簿価額については、正味売却価額まで減額する会計処理を適用しております。 ② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。財政状態の分析当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 経営成績の分析当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 キャッシュ・フローの分析当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ④ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営環境及び会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク ⑧ 有利子負債への依存」に記載のとおりであります。 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。当連結会計年度の進捗状況は以下のとおりです。 2025年12月期(計画)2025年12月期(実績)2025年12月期(計画比)売上高76,000百万円76,327百万円327百万円(0.4%)経常利益7,000百万円7,191百万円191百万円(2.7%)親会社株主に帰属する当期純利益7,100百万円7,369百万円269百万円(3.8%)売上高総利益率-18.4%-売上高経常利益率9.2%9.4%0.2%自己資本利益率(ROE)-15.6%-(注)2025年12月期(計画)には2025年11月6日付公開の修正予想数値を記載しております。 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 事業環境変動リスク
    地主の事業は、景気や不動産市況の変動、金利の上昇といった外部環境の変化に大きく影響される可能性があります。特に、JINUSHIビジネスは不動産金融商品を売却する事業であるため、不動産市場の悪化や金利上昇は、売却価格の低下や資金調達コストの増加につながり、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
  • 資産の取得・売却リスク
    テナントの出店意欲の減少や土地価格の高騰により、優良な土地の仕入れが困難になる可能性があります。また、地主リートや他の投資家からの需要が低下した場合、開発した不動産金融商品の売却先が確保できなくなり、在庫が増加することで、地主の財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 有利子負債への依存リスク
    地主は不動産取得資金の大部分を金融機関からの借入で調達しているため、有利子負債残高が大きく、総資産に占める有利子負債の割合も高くなっています。金融市場の変動や金融政策の変化により、金利が上昇した場合、借入金の利息負担が増加し、地主の財政状態や経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,702 文字
3【事業等のリスク】以下において、当社グループの財政状態、経営成績等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上重要と考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対処に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 事業環境リスク当社は、土地のみに投資を行い、テナントと長期の定期借地権設定契約を締結することで、建物投資はテナントが行うため追加投資を必要としない、安定的な収益が長期にわたって見込める不動産金融商品を開発し、地主リート等へ売却するJINUSHIビジネスをメインに事業展開を行っております。当社グループが展開する事業は、景気あるいは不動産市況の変動、金利の上昇等の諸情勢の変化によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。対応策JINUSHIビジネスは回転率の高いビジネスであり、この特性を活かし、迅速に事業環境変化を捉えた対応を行うべく事業を推進しております。また、個別の案件について取締役会において十分な議論を重ね、多面的なリスクを洗い出し、審議する体制を構築しております。 ② 競合リスク当社グループは主に、東京圏及びその他の大都市圏の他、一定の人口集積があり、住宅地としても価値の高い地方都市の物件を取扱い対象として注力しておりますが、特に東京圏・大都市近隣は大手不動産デベロッパー等との厳しい競合が考えられます。当社グループがこれらの競合との競争において優位に立てない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。対応策当社は2000年の創業以降、底地に特化したJINUSHIビジネスを展開してきたことにより、テナントとの信頼関係に競争優位性があります。2016年には国内唯一の底地特化型私募リートである地主リートを設立し、成長を推進してきたことにより、競合との差別化が図れており、先行者利益による物件取得が可能となっています。今後も、JINUSHIビジネスの拡大と地主リートの成長を両輪とした成長戦略により、地主リートの成長とともに日本の大地主を目指します。 ③ 資産の取得及び売却リスク当社グループは、JINUSHIビジネスをメインとする事業展開において、「安全な不動産金融商品の創出・提供」をマテリアリティ(重点課題)として定めております。今後、テナントの出店意欲の減少や、土地価格の高騰等による仕入の減少、及び地主リートに対する投資家需要の低下等により売却先が確保できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。対応策当社グループは、リスクの低減を目的として、土地の取得前に、誘致するテナントとの間で定期借地権設定予約契約の締結を行うこと、及び地主リートをはじめとする、事業会社、不動産ファンド等の売却候補先にあらかじめ見解をヒアリングすることを原則としております。土地の取得に際しては、「テナント業種の多様化」、「事業エリアの拡大」、「JINUSHIリースバック(土地のセール&リースバック)提案」の3つの成長戦略を推進しております。また、地主リートへの売却により底地を長期に保有する「安定地主」としてのトラックレコードにより、テナントとの信頼関係を構築しております。 ④ 災害等リスクJINUSHIビジネスは経年劣化の無い土地のみを主に取扱い、定期借地権設定契約により、変動のない長期安定収益が見込めるため、基本的には自然災害に強いという特徴があります。しかしながら、不測の事故・自然災害等により当社グループが保有する不動産の価値が毀損した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。対応策当社グループは、土地取得時にハザードマップの確認等を行い、自然災害の発生に一定の耐性を持つ資産の取得に努めることにより、かかるリスクの低減を図っております。 ⑤ 土壌汚染及び地中埋設物リスク取得した土地に事前の調査においても認識されていなかった土壌汚染及び地中埋設物が発見された場合、当初の事業スケジュールの変更や追加費用等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。対応策当社グループが土地を取得する際には、売主負担による土壌汚染及び地中埋設物の調査及び除去を行うこと、並びに土壌汚染及び地中埋設物が確認された場合は、当該土地の取得中止又は専門業者による土壌汚染及び地中埋設物の除去等を売主の負担で実施した後に取得することを原則としております。また、土地の取得前に、個別の案件の土壌汚染及び地中埋設物の対策並びに地歴調査内容等について取締役会に報告を行っております。 ⑥ 海外事業リスク当社グループは、米国に連結子会社を有しており、米国の経済、政情や政府による規制、JVパートナーやテナントの財務状況の悪化等により、米国における事業の収益性の悪化やスケジュールの遅延が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。対応策当社グループでは、海外事業について、不動産市場が大きく人口動向等からも今後も安定的な経済成長が見込まれる米国に限定し、注力することを戦略としております。米国における経済情勢の変化、JVパートナーやテナントの状況等を含め、海外事業における個別案件についても国内の個別案件と同様、定期的に取締役会において報告を受け、審議する体制を構築しており、業績への海外事業の影響等についてモニタリングを行っております。なお、現状の当社グループの海外事業比率は限定的ですが、将来において海外事業の拡大が進み、資産が増加傾向となる場合には、適宜必要なリスクヘッジについて検討を行います。 ⑦ 情報セキュリティリスク当社グループは事業等において個人情報を取り扱っております。サイバー攻撃や当社グループ役職員による情報漏洩が発生した場合、及びシステム障害等により当社グループの利用するシステムが停止した場合には、当社グループの社会的信用力の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。対応策当社グループでは、マニュアルを定め、情報セキュリティ対策の継続的な強化・拡充に努めております。具体的には、ITシステムに最新のエンドポイントセキュリティソリューションやネットワークセキュリティサービスを導入し、24時間監視・管理体制を整備するとともに、万が一、サイバー攻撃を受けた場合に備え、外部専門会社との契約による支援体制を構築し、被害を最小限に抑えるべく情報セキュリティへの体制強化を図っております。 ⑧ 有利子負債への依存リスク当社グループはJINUSHIビジネスをメインとする事業展開に注力しており、その不動産取得資金については、大半を金融機関からの借入により調達していることから、有利子負債残高及び総資産に有利子負債の占める割合(有利子負債依存度)は、他業種と比べて高くなっております。そのため、今後、金融市場や金融政策の動向等に変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの有利子負債残高及び有利子負債依存度回次(連結)第22期第23期第24期第25期第26期決算年月2021年12月2022年12月2023年12月2024年12月2025年12月有利子負債残高(百万円)(注)49,81237,16562,77462,89684,568総資産額(百万円)86,33772,153101,482115,417146,354有利子負債依存度(%)57.751.561.954.557.8(注)短期借入金、長期借入金(1年内返済予定額を含む。)、ノンリコース長期借入金及びリース債務の合計額です。対応策当社グループは資金調達(借入)先及び資金調達手段の多様化に努めており、①コミットメントライン契約等による大口の借入枠の確保、②財務制限条項等のコベナンツ条項、期限の利益の喪失条項の撤廃、③借入期間の長期化、④取引金融機関の拡大を財務戦略として堅持することによりかかるリスクの低減を図っております。 ⑨ 保有不動産の評価損等リスク当社グループが保有する土地に関して、テナントの信用力悪化等により多額の賃料不払等が発生した場合、収益性の著しい低下を原因とする減損損失の計上等、当社グループの財政状態及び経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。対応策当社グループでは、取得時に土地の転用性を重視するとともに、テナントの与信調査やシェアの分析を行う等、厳選した資産取得を行うとともに、主要なテナントのモニタリングを行うことで、かかるリスクの発生を最小限に抑えております。また、上記リスクの発生兆候が見られた場合、取締役会をはじめとする各種会議体で組織横断的にモニタリングを行い、適正に対処する体制をとっております。 ⑩ 法的規制・税制・会計制度等リスク当社グループの各事業に適用される各種法的規制・税制・会計制度等について、今後、改正等が行われた場合又は当社グループの事業を規制する法令・制度等が新たに制定された場合、新たな義務や事業内容の変更、追加費用等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが取得している免許及び許認可等について、現時点において欠格事由及び取消事由に該当する事実は発生しておりませんが、将来、当該事実等の発生により、免許及び許認可取消等の事態が発生した場合、当社グループの社会的信用が毀損されること等により、事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。対応策当社グループでは、各事業に適用される各種法的規制等を遵守するためにコーポレート・ガバナンス及びコンプライアンス推進体制を強化しており、管理部門による個別案件に関する決裁文書の確認、及び内部監査部門による法的規制に対する監査を実施しております。また、定期的に役職員に向けて法令・コンプライアンス研修を行うとともに、各種法規制、税制及び会計制度の動向について、業界団体や専門家等からの情報を収集・分析の上、対応の検討を行い、影響が予想されるものについては適宜取締役会に報告しております。 ⑪ 人材確保リスク当社グループの持続的な成長の原動力となるのは、経営理念及び行動規範に共感し、JINUSHIビジネスの更なる拡大を担う従業員一人ひとりであり、人材を重要な経営資源と認識し、行動規範の「「大人」であること」をマテリアリティ(重点課題)として定めております。また、当社グループの JINUSHIビジネスにおいては、専門知識や経験が要求される場合があり、優秀な人材を確保することが重要と認識しています。しかしながら、これらの人材の育成・採用が予定通りに進まない場合や、在籍している人材が流出した場合には、当社グループの今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。対応策当社グループは組織的に蓄積したノウハウをもって従業員各人の能力を向上させるとともに、優秀な人材を採用することで、より効率的な事業運営の実現に努める方針です。価値観の共有のための経営理念及び行動規範の浸透活動やエンゲージメントサーベイを実施するとともに、株式報酬を含む充実した報酬制度、人材投資や社内環境整備、従業員の健康促進に注力する等、人的資本経営に積極的に取り組むことにより、かかるリスクの低減に努めております。 ⑫ 重要な訴訟事件等リスク当社グループは、現時点において重要な訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、当社グループが売却した物件における瑕疵の発生、当社グループが管理する物件における管理状況に対するクレーム又はこれらに起因する訴訟、その他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。対応策当社グループは、土地の取得前に取引関係者の与信調査等を複合的に行うとともに、規定のひな型を用いた契約を原則としており、契約予定内容がひな型と相違する場合、取締役会で報告する運用としております。また、有事兆候の早期把握のため、取締役会をはじめとする各種会議体で組織横断的にモニタリングを行い、専門家との緊密な連携体制をとるなど、訴訟及びトラブル等の発生回避に努めております。 ⑬ 気候変動リスク当社グループは、気候変動は当社グループの事業に大きな影響を及ぼす重要な経営課題として認識し「テナントとの協業による環境課題への対応」をマテリアリティ(重点課題)として定めております。今後、気候変動に伴う政策・法規制の更なる強化等が生じた場合には、テナントへの影響を通じて当社グループの今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。対応策当社は2022年8月にTCFD提言に賛同し、TCFDの取組について議論する国内組織である「TCFDコンソーシアム」に参加しており、TCFDの提言を活用し、「ガバナンス」「リスク管理」「指標と目標」の枠組みで各施策を推進しています。また、テナントとの定期借地権設定契約へのESG条項の組入、カーボンニュートラル(自社排出分)の継続に取り組んでおります。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 地主 の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →