3168

MERF(3168)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 非鉄金属事業
    銅を中心とした非鉄金属のリサイクル原料を加工・販売し、インゴット(金属の塊)を製造・販売しています。国内外から多種多様な非鉄金属を仕入れ、顧客のニーズに合わせた約50品種のインゴットを生産し、造船メーカーや住宅設備メーカーなどに供給しています。また、仕入れたリサイクル原料を選別・加工し、電線メーカーや銅製錬メーカーなどにも販売しており、これが主な収益源です。
  • 美術工芸事業
    貴金属製の置物や仏像・仏具などの美術工芸品を製造・販売しています。高度な鋳造技術と精緻な仕上げを特徴とし、付加価値の高い製品を提供することで収益を得ています。この事業は、非鉄金属事業で培った金属加工技術を応用していると考えられます。
  • インゴットとリサイクル原料の相乗効果
    インゴット製造に必要なリサイクル原料だけでなく、幅広い種類の非鉄金属を一括で買い取れる点が強みです。これにより、雑多な原料から効率的に価値を生み出し、インゴット製造とリサイクル原料販売の両方で収益を上げています。この相互補完的なビジネスモデルが、同社の収益構造を支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 非鉄金属事業
    同社の主力事業であり、売上高は819.05458億円、営業利益は0.14473億円です。銅を中心とした非鉄金属のリサイクル原料の加工・販売と、それらを原材料としたインゴットの製造・販売が主な内容です。国内外から原料を調達し、造船メーカーや住宅設備メーカー、電線メーカーなどに製品を供給しており、事業規模が非常に大きいことが特徴です。
  • 美術工芸事業
    売上高は5.58億円、営業利益は1.02621億円です。貴金属製の置物や仏像・仏具などの美術工芸品の製造販売を行っています。非鉄金属事業と比較すると売上規模は小さいですが、営業利益率が高く、同社の技術力を活かした高付加価値製品を提供していることが伺えます。
  • 事業構成と収益性
    非鉄金属事業が圧倒的な売上規模を誇り、同社の基盤を支えています。一方、美術工芸事業は売上規模は小さいものの、高い収益性を有しており、事業ポートフォリオにおいて重要な役割を担っていると考えられます。両事業は、金属加工という共通の技術基盤を持ちながら、異なる市場で展開されています。
2025-08 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
NONFERROUSMETALS 地域 819 0 0.0%
ARTSANDCRAFTS 事業 6 1 18.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,508 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社MERF)、連結子会社3社及び持分法適用関連会社1社により構成されており、非鉄金属事業と美術工芸事業を主たる業務としております。非鉄金属事業は、銅を中心とした非鉄金属関連ビジネスとして、インゴットの製造・販売とリサイクル原料の加工・販売を2本柱として事業展開を図っております。美術工芸事業は、美術工芸品に関する製造販売を行っております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。なお、当該2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 1.非鉄金属事業当社グループの非鉄金属事業における大きな特徴は、インゴットとリサイクル原料を同時に取り扱っていることにより、雑多な非鉄金属を一括買いすることが可能であることです。通常、インゴット製造のみを行っている場合であれば、その製造に必要なリサイクル原料のみを仕入れることになりますが、当社グループの場合、幅広いリサイクル原料を取り扱うことが可能であります。(1) インゴットインゴットについては、国内外から集荷した銅及び銅合金のリサイクル原料を原材料として配合、溶解し、得意先各社のニーズ、用途に合わせた形状・重量の製品約50品種を生産しております。仕入れたリサイクル原料は、製品ごとの要求規格に合致する成分割合になるよう製造し、国内外の販売先(造船メーカー、住宅設備メーカー等)に販売しておりますが、製造を行う上で、それぞれの元素の地金同士を組成する場合であれば、製造技術上大きな困難はありません。一方、合金化されたリサイクル原料を用いてこれら複数の金属元素の組成を行うことは技術的要素が必要となります。当社は、各リサイクル原料の分析ができる技術と環境を有しており、国内外の規格や取引先が指定する独自の規格に適合するインゴットを製造しております。<中心となる品種>①船舶のスクリュー原材料として用いられる「アルミ青銅」(販売品名:CACIn703等)②水栓金具、止水栓、産業用バルブ等、主に住宅産業向けに販売する「青銅」(販売品名:CACIn406等)、「鉛レス青銅」(販売品名:CACIn902等)、「黄銅」(販売品名:YBsC等) (2) リサイクル原料リサイクル原料は、国内外の仕入先(リサイクル原料回収業者、メーカー等)から仕入れた約150品種の非鉄金属リサイクル原料について選別・プレス等を行い、国内外の販売先(電線メーカー、銅製錬メーカー等)に販売しているほか、自社インゴット製造のための溶解用材料として利用しております。リサイクル原料に係る処理は内製によって行っていますが、一部外注利用も行っております。<中心となる品種>①主に電線、銅板条・銅管、銅箔の各メーカー向けに販売するピカ線、赤ナゲット等②主に銅製錬メーカー向けに販売する銅屑、銅滓等③主に住宅設備や各種産業バルブ業界向けに販売する真中粉、セパ、メッキセパ等④アルミメーカー(軽圧、板条、二次合金)やステンレスメーカー向けに販売する写真板、サッシ、ビス付サッシ、アルミ缶、ステンレス等 (3) その他その他の主なものとしては、伸銅品等の商品を仕入、販売しております。 2.美術工芸事業当社グループの美術工芸事業では、美術工芸品の製造販売を行っており、貴金属製の置物や仏像・仏具が主な販売品目となっております。当事業では高度な鋳造技術と精緻な仕上げで、付加価値の高い製品を創り出しております。 [事業系統図]

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
非鉄金属相場や為替相場の影響を強く受け、価格変動リスクが存在するため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
各リサイクル原料の分析技術と、複数の金属元素の組成を行う技術的要素が必要
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:原材料の調達難・価格上昇 / 顧客業界の需要動向悪化 / 特定の販売先への集中
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

MERF(3168)は卸売業であり、特許やブランド力、規制ライセンスといった無形資産による競争優位性は確認できない。公開情報からは、特定の技術やIPに依存した事業モデルではないことが示唆される。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

卸売業という業態上、顧客との継続的な取引関係は存在するものの、MERF特有のスイッチング・コストを発生させる要因は限定的である。顧客は代替サプライヤーへの切り替えが比較的容易であると考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

MERFの事業モデルは、ユーザー数の増加がサービスの価値を高めるネットワーク効果を生み出す構造ではない。卸売業は基本的にBtoB取引であり、プラットフォーム型ビジネスとは異なる。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

卸売業として、長年の取引で培われた仕入れルートや物流網による一定のコスト効率は期待できる。しかし、構造的なコスト優位性を確立しているかは不明であり、競合他社との差別化要因としては弱い。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

卸売業は規模の経済が働きやすい業界であり、MERFも一定の事業規模を有していると考えられる。しかし、業界全体で見ると寡占化が進んでいるとは言えず、最適規模の少数寡占状態にあるかは判断が難しい。

  • 多様なリサイクル原料対応力
    インゴット製造とリサイクル原料販売を両立しているため、雑多な非鉄金属を一括で買い取ることが可能です。通常、インゴット製造のみの企業は特定の原料しか仕入れませんが、同社は幅広いリサイクル原料を取り扱えるため、仕入れの機会を最大化し、安定的な原料調達に繋がっています。
  • 高度な分析・製造技術
    国内外から集荷した銅や銅合金のリサイクル原料を、顧客のニーズに合わせた約50品種のインゴットに加工する技術を持っています。特に、複数の金属元素が合金化されたリサイクル原料から、要求規格に合致する成分割合のインゴットを製造する技術は、高い分析能力と製造ノウハウに裏打ちされており、品質面での優位性があります。
  • 美術工芸品における付加価値
    美術工芸事業では、貴金属製の置物や仏像・仏具などを製造販売しており、高度な鋳造技術と精緻な仕上げによって高付加価値製品を生み出しています。これは、単なる金属加工に留まらない、職人的な技術と美的センスが求められる分野であり、他社との差別化要因となり得ます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、創業以来、「天然資源の少ない日本で資源の有効利用を透明性の高い所で行う」を経営方針としております。当社グループは、日本のみならず世界中で発生した金属リサイクル原料を社会の大事な再利用可能な資源と捉え、金属のリサイクルを通じて低炭素化社会・循環型社会の実現に向け、社会的責任を果たせる企業グループを目指します。 (2) 経営戦略等当社グループは、非鉄金属事業につきましては、非鉄金属のリサイクルをコアビジネスとし、その競争力を高めるためさまざまな施策に取り組んでいます。環境に配慮した資源需要は世界的に高まっており、当社グループは金属資源の有効活用を推し進め、金属リサイクル原料に付加価値を生み出し、社会に貢献していくことを重要な経営戦略と位置づけています。美術工芸事業に関しましては、長期的に安定的利益を確保できるように、企画提案力、製造技術力のより一層の強化を図ってまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、企業価値の向上及び財務体質の強化を図るため、具体的な数値目標は設定しておりませんが、売上高経常利益率、自己資本比率、自己資本利益率、有利子負債比率を重要な経営指標としております。 (4) 経営環境現在、地球温暖化や環境破壊等が世界中で起きており、カーボンニュートラルの実現に向け、各国では今まで以上に循環型社会や脱炭素化社会が志向されています。また、環境に配慮した電気自動車の普及もAIの活用拡大により進み、銅の需要は今後ますます高まっていくと想定されます。このように、当社グループを取り巻く事業環境は、リサイクル事業への関心の高まりの中で金属需要も趨勢的に増加していく状況にあります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①優秀な人材の確保当社グループは、非鉄金属リサイクル原料を世界及び日本全国から集荷し、それを原材料として各種インゴットを製造し販売している事業と、集荷したリサイクル原料を選別・加工し販売する事業を主に行っており、あらゆる産業分野の基幹素材としての幅広いニーズに応えております。近年の多種多様な合金開発、市況の変化や営業戦略の多様化など当社グループを取り巻く環境の変化に迅速に対応していくためには、海外営業や商品市場取引等に精通した人材確保が必要であります。そのために、採用制度の多様化を図り、中途採用と新卒採用の併用を行い、海外人材の採用強化も行っています。入社後の研修制度には、英語・中国語のメニューも加え整備をすすめており、人材育成制度の強化を行います。また、公平な人事制度の確立を目指すとともに、魅力ある職場作りの一環として福利厚生制度の充実も図っています。②海外市場への進出我が国においては、ここ数年において工場の海外移転が進み、加えて、少子高齢化の進行で、金属リサイクル原料市場の今後の大きな拡大が見込めない環境となっております。一方、新興国をはじめとした海外では、今後の成長が期待できる市場が数多くあり、当社グループの成長には、海外戦略が重要であると考えております。以上のことから、当社グループでは、まず2012年7月に世界最大の市場である米国に当社初の海外拠点を設立し、2014年8月には東南アジアの拠点としてタイで現地企業との合弁会社を設立し、海外での営業基盤を構築いたしました。2025年1月には当社の連結子会社であるCMX Metalsが、米国カリフォルニア州において主に銅インゴットを製造するCalifornia Metal-Xの事業を譲り受け、事業を開始し好業績を遂げております。今後も引き続き海外での業容拡大を目指してまいります。 ③リスク管理体制の強化当社グループの取り扱っている製・商品は、非鉄金属相場や為替相場等市場の変動に大きく影響を受けます。特に、近年の新興国等のインフラ整備拡大の影響による非鉄金属需要の増大に加え、主要国金融政策の変化に伴う投機資金の流出入もあって、非鉄金属価格や為替相場の変動率は高まっております。また海外需要の高まりや、国内でのリサイクル原料の発生量及び流通量が減少傾向にあることで輸出入取引も増加傾向が見込まれます。このように、当社グループを取り巻く状況は大きく変化してきており、特に市場リスクの管理が重要になっております。このため、ロンドン金属取引所(LME)での先物取引や為替予約取引等によるヘッジ手段の多様化、情報収集能力の強化を図り、また市場関連知識を持った人材の採用や育成を行うことによって、市場リスクの管理能力を高めていきます。また、海外子会社及び海外関連会社を有していることから、海外拠点の管理体制の整備、強化も行っていきます。④事業分野の拡大当社グループは、銅系商品を中心とした製品を中心に事業展開を行っておりますが、更なる業容拡大のためには、銅系以外の分野の強化が必要であります。社名「MERF」(MEtal Recycling for the Future)に込めた想いのとおり、銅系のみならず幅広い金属資源の再利用の取り扱いを増加すべく、鉄やレアメタルといった分野においても国内・海外を問わず経営資源を投入していきたいと考えています。加えて、循環型経済(サーキュラーエコノミー)におけるバリューチェーンの拡大も企図しております。その実現のために、銅系以外の分野に強い人材の育成や当該分野に強い業者との関係強化を目指します。また、美術工芸事業では、販路拡大のためキャラクター商品を用いた金製品の開発をはじめとした企画型営業に取り組み、企画から製造引き渡しまでの一貫体制をとっております。精密鋳造技術による原型に忠実な再現力と金工技術による最終仕上げの完成度の高さやEC取引を活用してビジネスチャンスの拡大に努めております。当社グループ全体における美術工芸事業のシェアは非常に小さいものではありますが、今後も、市場・顧客に対し存在感のある製品を提供し、更なる事業拡大に努めていく予定です。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、創業以来、「天然資源の少ない日本で資源の有効利用を透明性の高い所で行う」を経営方針としております。当社グループは、日本のみならず世界中で発生した金属リサイクル原料を社会の大事な再利用可能な資源と捉え、金属のリサイクルを通じて低炭素化社会・循環型社会の実現に向け、社会的責任を果たせる企業グループを目指します。 (2) 経営戦略等当社グループは、非鉄金属事業につきましては、非鉄金属のリサイクルをコアビジネスとし、その競争力を高めるためさまざまな施策に取り組んでいます。環境に配慮した資源需要は世界的に高まっており、当社グループは金属資源の有効活用を推し進め、金属リサイクル原料に付加価値を生み出し、社会に貢献していくことを重要な経営戦略と位置づけています。美術工芸事業に関しましては、長期的に安定的利益を確保できるように、企画提案力、製造技術力のより一層の強化を図ってまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、企業価値の向上及び財務体質の強化を図るため、具体的な数値目標は設定しておりませんが、売上高経常利益率、自己資本比率、自己資本利益率、有利子負債比率を重要な経営指標としております。 (4) 経営環境現在、地球温暖化や環境破壊等が世界中で起きており、カーボンニュートラルの実現に向け、各国では今まで以上に循環型社会や脱炭素化社会が志向されています。また、環境に配慮した電気自動車の普及もAIの活用拡大により進み、銅の需要は今後ますます高まっていくと想定されます。このように、当社グループを取り巻く事業環境は、リサイクル事業への関心の高まりの中で金属需要も趨勢的に増加していく状況にあります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①優秀な人材の確保当社グループは、非鉄金属リサイクル原料を世界及び日本全国から集荷し、それを原材料として各種インゴットを製造し販売している事業と、集荷したリサイクル原料を選別・加工し販売する事業を主に行っており、あらゆる産業分野の基幹素材としての幅広いニーズに応えております。近年の多種多様な合金開発、市況の変化や営業戦略の多様化など当社グループを取り巻く環境の変化に迅速に対応していくためには、海外営業や商品市場取引等に精通した人材確保が必要であります。そのために、採用制度の多様化を図り、中途採用と新卒採用の併用を行い、海外人材の採用強化も行っています。入社後の研修制度には、英語・中国語のメニューも加え整備をすすめており、人材育成制度の強化を行います。また、公平な人事制度の確立を目指すとともに、魅力ある職場作りの一環として福利厚生制度の充実も図っています。②海外市場への進出我が国においては、ここ数年において工場の海外移転が進み、加えて、少子高齢化の進行で、金属リサイクル原料市場の今後の大きな拡大が見込めない環境となっております。一方、新興国をはじめとした海外では、今後の成長が期待できる市場が数多くあり、当社グループの成長には、海外戦略が重要であると考えております。以上のことから、当社グループでは、まず2012年7月に世界最大の市場である米国に当社初の海外拠点を設立し、2014年8月には東南アジアの拠点としてタイで現地企業との合弁会社を設立し、海外での営業基盤を構築いたしました。2025年1月には当社の連結子会社であるCMX Metalsが、米国カリフォルニア州において主に銅インゴットを製造するCalifornia Metal-Xの事業を譲り受け、事業を開始し好業績を遂げております。今後も引き続き海外での業容拡大を目指してまいります。 ③リスク管理体制の強化当社グループの取り扱っている製・商品は、非鉄金属相場や為替相場等市場の変動に大きく影響を受けます。特に、近年の新興国等のインフラ整備拡大の影響による非鉄金属需要の増大に加え、主要国金融政策の変化に伴う投機資金の流出入もあって、非鉄金属価格や為替相場の変動率は高まっております。また海外需要の高まりや、国内でのリサイクル原料の発生量及び流通量が減少傾向にあることで輸出入取引も増加傾向が見込まれます。このように、当社グループを取り巻く状況は大きく変化してきており、特に市場リスクの管理が重要になっております。このため、ロンドン金属取引所(LME)での先物取引や為替予約取引等によるヘッジ手段の多様化、情報収集能力の強化を図り、また市場関連知識を持った人材の採用や育成を行うことによって、市場リスクの管理能力を高めていきます。また、海外子会社及び海外関連会社を有していることから、海外拠点の管理体制の整備、強化も行っていきます。④事業分野の拡大当社グループは、銅系商品を中心とした製品を中心に事業展開を行っておりますが、更なる業容拡大のためには、銅系以外の分野の強化が必要であります。社名「MERF」(MEtal Recycling for the Future)に込めた想いのとおり、銅系のみならず幅広い金属資源の再利用の取り扱いを増加すべく、鉄やレアメタルといった分野においても国内・海外を問わず経営資源を投入していきたいと考えています。加えて、循環型経済(サーキュラーエコノミー)におけるバリューチェーンの拡大も企図しております。その実現のために、銅系以外の分野に強い人材の育成や当該分野に強い業者との関係強化を目指します。また、美術工芸事業では、販路拡大のためキャラクター商品を用いた金製品の開発をはじめとした企画型営業に取り組み、企画から製造引き渡しまでの一貫体制をとっております。精密鋳造技術による原型に忠実な再現力と金工技術による最終仕上げの完成度の高さやEC取引を活用してビジネスチャンスの拡大に努めております。当社グループ全体における美術工芸事業のシェアは非常に小さいものではありますが、今後も、市場・顧客に対し存在感のある製品を提供し、更なる事業拡大に努めていく予定です。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における当社グループを取り巻く外部環境は、国内においては雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復を背景に、緩やかな景気回復が見られました。一方で、長期化する地政学リスクや米国の関税政策、物価上昇の継続、金融資本市場の変動など、景気を下押しする要因もあり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。銅価格は、ロンドン金属取引所期中平均で前連結会計年度比6.7%高、為替相場は同1.2%ドル安に推移したことにより、期中平均円ベースCash価格では同5.1%高となりました。このような外部環境のなか、当社グループの主力取扱商品である銅は、値動きが激しく安定的な仕入・販売が難しくなっております。さらに米国の強硬な関税政策に対抗した中国の輸出管理により、錫やビスマスなどインゴット製造に不可欠な素材価格が急上昇しており、コスト増の要因になっております。当社グループにおいては、日々の急激な価格変動に伴い供給環境が厳しくなった結果、米国インゴットメーカー「California Metal-X」社(以下CMX社)事業譲受により販売数量はインゴットでは前連結会計年度比17.8%増加したものの、リサイクル原料では同17.3%減少したことにより、全体では同7.4%の減少となりました。また販売費及び一般管理費において、CMX社の買収に係る調査費用や法務手数料など一時的な費用が発生したほか、新規事業として取り組んできた基板事業に係る営業債権に関する損失を計上することとなりました。この結果、当連結会計年度の売上高は824億63百万円(前連結会計年度比0.5%増)、営業利益は1億17百万円(同91.9%減)、経常損失は2億20百万円(前連結会計年度は経常利益10億37百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は2億3百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益5億32百万円)となりました。セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(非鉄金属事業)非鉄金属事業の主力取扱製品に影響を与えるロンドン金属取引所銅期中平均円ベースCash価格が前連結会計年度比5.1%高く推移したものの、インゴット並びにリサイクル原料の販売量が同7.4%減少したことから当連結会計年度の売上高は819億5百万円(前連結会計年度比0.5%増)となりました。品目別では、インゴット売上高は355億48百万円(同27.6%増)、リサイクル原料売上高は461億25百万円(同13.9%減)、その他売上高は2億30百万円(同105.5%増)となりました。(美術工芸事業)美術工芸事業は、新商品の開発が順調に進んで売上の増加につながり、当連結会計年度の売上高は5億58百万円(前連結会計年度比4.0%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は16億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億3百万円増加いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は23億22百万円(前年同期は8億27百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失が2億16百万円、棚卸資産の増加が14億5百万円、仕入債務の減少が8億14百万円、前渡金の増加が4億4百万円、法人税等の支払額が4億37百万円あった一方、減価償却費が3億81百万円、売上債権の減少が32億2百万円、未収消費税等の減少が17億57百万円あったためであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は19億80百万円(前年同期は2億6百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が7億49百万円、事業譲受による支出が11億17百万円あったためであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は29百万円(前年同期は1億72百万円の支出)となりました。これは主に短期借入金の純減少額が17億円、長期借入金の返済による支出が14億4百万円、配当金の支払額が2億82百万円あった一方、長期借入れによる収入が30億円、セール・アンド・リースバックによる収入が3億61百万円あったためであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称品目別当連結会計年度(自 2024年9月1日至 2025年8月31日)前年同期比(%)非鉄金属事業(千円)インゴット35,548,976127.6(注)1.金額は販売価格によっております。2.リサイクル原料については、選別、プレスといった加工作業を主としており、生産実績がないため記載を省略しております。3.美術工芸事業については、記載を省略しております。 b.受注実績非鉄金属事業は受注生産と見込生産を併用しており、両者を明確に区別することが困難であること、また、非鉄金属相場等の市況は日々変動し期末日時点における受注高及び受注残高を合理的に算定することが困難であることから、記載を省略しております。また、美術工芸事業については、受注生産と見込生産の明確な区分が困難であることから、記載を省略しております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年9月1日至 2025年8月31日)前年同期比(%)非鉄金属事業(千円)81,905,458100.5美術工芸事業(千円)558,000104.0合計(千円)82,463,458100.5(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年9月1日至 2024年8月31日)当連結会計年度(自 2024年9月1日至 2025年8月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)ナカシマプロペラ株式会社8,278,55110.18,890,94910.8住友金属鉱山株式会社8,227,73910.0--3.当連結会計年度において住友金属鉱山株式会社は、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は824億63百万円(前連結会計年度比0.5%増)、売上総利益23億33百万円(同25.2%減)、売上総利益率2.8%(同1.0ポイント減少)と、売上高は前連結会計年度を上回ったものの、利益面では大きく前連結会計年度を下回りました。また、販売費及び一般管理費において、米国インゴットメーカー「California Metal-X」社の買収に係る調査費用や法務手数料など一時的な費用が発生したほか、新規事業として取り組んできた基板事業に係る営業債権に関する損失を計上したことにより、前連結会計年度比32.7%増となり、営業利益は1億17百万円(同91.9%減)、経常損失は2億20百万円(前連結会計年度は経常利益10億37百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は2億3百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益5億32百万円)となりました。(売上高)当連結会計年度の売上高は、インゴット売上高は355億48百万円(前連結会計年度比27.6%増)、リサイクル原料売上高は461億25百万円(同13.9%減)、美術工芸事業売上高は5億58百万円(同4.0%増)、その他売上高は2億30百万円(同105.5%増)となり、売上高合計では824億63百万円(同0.5%増)となりました。主な変動要因は、次のとおりであります。非鉄金属事業では、インゴット売上高につきましては、CMX Metalsの好調な業績寄与による販売数量増加に伴い、前連結会計年度比27.6%の増収となりました。一方、リサイクル原料売上高につきましては、製錬会社向け故銅などの受注環境が変化したことから、前連結会計年度比13.9%の減収となりました。美術工芸事業では、新商品の開発が順調に進んで売上の増加につながり、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比4.0%の増収となりました。(売上総利益)売上総利益は、非鉄金属事業では、米国の関税政策に起因する価格変動に伴い安定的な利益確保が難しく減益となり、美術工芸事業では、利益率は若干の改善があり、売上高の増加に伴い増益となりました。この結果、前連結会計年度比25.2%減の23億33百万円となりました。また、売上総利益率も2.8%と前連結会計年度比1.0ポイント減少となりました。(営業利益)売上総利益が大幅に減少したことに加え、販売費及び一般管理費が22億15百万円(前連結会計年度比32.7%増)となったことにより、営業利益は1億17百万円(同91.9%減)となりました。(営業外収益及び費用)営業外収益は、貸倒引当金戻入額62百万円、受取利息16百万円、有価証券利息15百万円、受取配当金13百万円等により1億13百万円(前連結会計年度比348.8%増)となりました。一方、営業外費用は、為替差損2億20百万円、支払利息1億82百万円、持分法による投資損失24百万円等により4億51百万円(同3.0%増)となりました。(経常損益)営業利益に営業外収益及び費用を加減し、2億20百万円の経常損失(前連結会計年度は経常利益10億37百万円)となりました。(法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額)課税所得の減少により、法人税、住民税及び事業税は41百万円(前連結会計年度比90.6%減)、法人税等調整額は△54百万円(前連結会計年度は△28百万円)となり、法人税等合計は△13百万円(前連結会計年度は4億12百万円)となりました。(親会社株主に帰属する当期純損益)以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は2億3百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益5億32百万円)となりました。 目標とする経営指標について当社グループは、企業価値の向上及び財務体質の強化を図るため、売上高経常利益率、自己資本比率、自己資本利益率、有利子負債比率を重要な経営指標としております。今期の実績は、下表の通りとなりました。経営指標前連結会計年度(2024年8月31日)当連結会計年度(2025年8月31日)前年同期比売上高経常利益率1.3%△0.3%△1.5%自己資本比率35.6%35.9%0.2%自己資本利益率5.6%△2.2%△7.8%有利子負債比率134.9%142.9%8.1% ②経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(4) 非鉄金属相場、為替相場の変動等」に記載のとおり、当社グループの取扱い品目が、日々の非鉄金属相場や為替相場の影響を強く受けるため、これら二つの市場の相場変動により大きな影響を受ける可能性があります。 ③資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの資金調達としては、運転資金に関しては、手許資金(利益等の内部留保金)及び長期借入金による調達を基本とし、不足が生じる場合には調達コストも考慮し、短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手許流動性資金を勘案の上、不足が生じる場合には、長期借入金もしくはリースによる調達で賄っております。ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。長期資金の調達に際しては、金利動向を注視し、株式の発行に関しては、資本政策に基づき、株式価値の希薄化や配当金の負担等を考慮して実施しております。資金の流動性については、利益の確保に加え、棚卸資産管理及び売掛債権の管理を行うことにより、営業活動によるキャッシュ・フローの安定的確保に努めております。 ④財政状態の分析(資産)当連結会計年度末における流動資産は212億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億9百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、棚卸資産が17億59百万円、前渡金が4億4百万円増加した一方で、売上債権が28億24百万円、未収消費税等が17億11百万円減少したことによるものであります。固定資産は44億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億3百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、機械装置及び運搬具(純額)が2億11百万円、リース資産(純額)が4億10百万円、投資有価証券が3億68百万円、長期貸付金が1億51百万円増加したことによるものであります。この結果、総資産は257億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億6百万円減少いたしました。(負債)当連結会計年度末における流動負債は123億28百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億72百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、仕入債務が9億3百万円、短期借入金が17億円減少したことによるものであります。固定負債は41億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億30百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、長期借入金が14億73百万円、リース債務が4億1百万円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は164億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億41百万円減少いたしました。(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は92億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億64百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、その他有価証券評価差額金が2億49百万円増加した一方で、利益剰余金が4億85百万円減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は35.9%(前連結会計年度末は35.6%)となりました。 ⑤キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により獲得した資金23億22百万円を投資活動による資金として19億80百万円、財務活動による資金として29百万円使用した結果、前連結会計年度末に比べ1億3百万円増加し、当連結会計年度末の資金残高は16億37百万円となりました。なお、各キャッシュ・フローの増減要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に従って作成されております。当社グループは、連結財務諸表の作成に際し、連結決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の決算数値に影響を与える見積りを、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループは、特に以下の重要な会計方針に関して、使用される当社グループの重要な判断、見積りが当社グループの連結財務諸表の作成において大きな影響を及ぼすと考えております。(棚卸資産の評価減)当社グループは、棚卸資産の市場需要に基づく将来の消費見込み又は販売見込み並びに市場状況に基づく時価の見積額を測定し、棚卸資産が将来に獲得可能なキャッシュ・フローを見積り、必要な評価減を計上しております。具体的には製品及び原材料等の評価は非鉄金属相場等で変動する直近月の平均販売単価や平均再調達単価等を時価とした評価を実施しており、実際の市場における将来需要又は時価が当社グループの見積りより悪化した場合、期末に計上した評価減を超える損失が発生する可能性があります。 (繰延税金資産の回収可能性)「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 原材料調達の不安定性
    銅などの非鉄金属を国内外から調達していますが、市況の大きな変動や流通量の減少により、適正価格での調達が困難になったり、仕入れ価格が大幅に上昇したりする可能性があります。これにより、生産活動に支障が生じ、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 顧客業界の需要変動
    主要顧客が造船、住宅販売、設備関連産業に属しているため、これらの業界における非鉄金属の需要動向に業績が大きく左右されます。もしこれらの業界の需要が落ち込んだ場合、製品の販売量が減少し、同社の事業や業績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 非鉄金属・為替相場の変動
    取り扱い品目の価格はロンドン金属取引所(LME)の非鉄金属相場や為替相場の影響を強く受けます。特に近年は投機資金の流入により価格変動が激しく、原材料の在庫評価額や製品の利鞘が大きく変動するリスクがあります。為替予約などでリスクヘッジを行っていますが、完全に回避できる保証はなく、業績に大きな影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,343 文字
3【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 原材料の調達について当社グループは、原材料を国内外の複数の調達先を確保することで安定的な調達を行うよう努めています。しかしながら、市況環境の大幅な変化による発生量や流通量の減少から市場の需給環境が引き締まった結果、適正価格での調達難、調達不足からの大幅な仕入価格の上昇、生産活動への支障が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 (2) 顧客が属する業界の需要動向について当社グループの製品の主要な顧客は、造船業界、住宅販売、設備関連産業に属しています。したがって、当社グループの製品は、上記業界の非鉄金属に対する需要動向に大きく影響される可能性があります。今後何らかの要因で非鉄金属に対する需要が落ち込んだ場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 特定の販売先への集中2025年8月期において、当社グループの売上高に占めるナカシマプロペラ株式会社の売上高比率は10.8%であります。当該会社とは長期的な取引関係を継続しておりますが、何らかの理由により、取引関係の解消又は契約内容の大幅な変更等があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 非鉄金属相場、為替相場の変動等当社グループの取扱い品目の価格は、毎日の非鉄金属相場や為替相場の影響を強く受けます。そのため価格変動リスク及び為替変動リスクのマネジメントは当社グループにとって非常に重要であります。①非鉄金属相場の影響海外取引(仕入及び販売)は、ロンドン金属取引所(LME)の価格を基準として刻々と変化します。国内取引(仕入及び販売)は、国内建値(ロンドン金属取引所(LME)×TTS+諸費用)を基準として日々変化します。取引先との価格の決定方法としては、当月平均、前月平均、固定価格等、様々な決め方はありますが、LME価格は、それら全ての基準となっております。また製品及び原材料等については、それらの非鉄金属相場等で変動する直近月の平均販売単価や平均再調達単価等を時価として評価を実施します。これらのことから、非鉄金属相場の変動による利鞘の変動リスクや原材料等の在庫評価額の変動リスクが存在し、業績に影響を与える可能性があります。特に近年は、商品市場への投機資金の流入により価格の変動率は大幅に高まっており、リスク量は増大しております。このためロンドン金属取引所(LME)先物等によるリスクヘッジを行っていますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はなく、当社グループの業績が大きな影響を受ける可能性があります。②為替相場の影響当社グループでは、主にドル建てによる国際間取引の割合が高いため、為替変動の影響を受けます。このため為替予約等によるリスクヘッジを行っていますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はなく、当社グループの業績が大きな影響を受ける可能性があります。(注)TTS:対顧客電信売相場 -ご参考-2020年9月から2025年8月までのロンドン金属取引所銅相場(LME銅キャッシュ月中平均)及び為替相場(TTM月中平均)は下記の通りであります。(注)TTM:電信中値相場 2020.9~2021.89月10月11月12月1月2月3月4月5月6月7月8月LME銅キャッシュ単位:ドル/MT6,7126,7037,0637,7557,9708,4609,0059,33610,1849,6129,4349,357為替相場(ドル・円)単位:円105.76105.27104.41103.84103.69105.37108.63109.14109.20110.13110.31109.85 2021.9~2022.89月10月11月12月1月2月3月4月5月6月7月8月LME銅キャッシュ単位:ドル/MT9,3249,7799,7659,5509,7769,94110,23810,1839,3639,0337,5307,961為替相場(ドル・円)単位:円110.17113.11114.14113.88114.85115.22118.53125.98128.81133.93136.79135.24 2022.9~2023.89月10月11月12月1月2月3月4月5月6月7月8月LME銅キャッシュ単位:ドル/MT7,7357,6218,0308,3679,0008,9558,8368,8148,2348,3868,4458,352為替相場(ドル・円)単位:円143.09147.19142.48135.09130.35132.75133.92133.40137.43141.27141.30144.84 2023.9~2024.89月10月11月12月1月2月3月4月5月6月7月8月LME銅キャッシュ単位:ドル/MT8,2717,9408,1748,3948,3448,3118,6769,48210,1299,6429,3948,964為替相場(ドル・円)単位:円147.73149.60149.95144.13146.65149.50149.67153.51156.25157.89158.16146.44 2024.9~2025.89月10月11月12月1月2月3月4月5月6月7月8月LME銅キャッシュ単位:ドル/MT9,2559,5399,0758,9208,9789,3299,7319,1929,5309,8349,7789,646為替相場(ドル・円)単位:円143.55149.69153.85153.77156.54152.02149.25144.49144.75144.54146.74147.71(データ出典 LME銅:ロンドン金属取引所  為替相場:三菱UFJリサーチ&コンサルティング) (5) 有利子負債2025年8月期末において、当社グループの有利子負債は131億76百万円、総資産に対する割合は51.3%となっております。当社グループは、財務体質の改善に努力いたしておりますが、今後の金利動向が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (6) 法的規制について当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下「廃棄物処理法」という。)に基づいて、産業廃棄物保管基準に則った保管を行い、産業廃棄物処理業者に収集運搬及び処理を委託しています。廃棄物処理法における(不適切な産業廃棄物の保管、委託処理に係る契約書の未作成、マニフェスト虚偽記載等)一定の要件に抵触した場合、行政処分等がなされる可能性があり、当社グループの風評、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、国内事業所において、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律などの環境関連法令に基づき、大気、排水、土壌等の汚染防止に努めておりますが、関連諸法令の改正・強化によって、当社グループにおいて新たな管理費用・処理費用負担が求められる可能性があります。さらに、当社グループが製造、販売する一部の製品には、製造過程で毒物及び劇物取締法の対象となる薬品が使用されております。その管理については、法令を遵守するとともに当社グループの環境マネジメントマニュアルに従い、廃液流出や盗難、労災事故等への対応を行っておりますが、万が一、使用、保管上の不測の事態の発生や天災、火災等の事故があった場合、環境汚染を招く可能性があり、当社グループの風評、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) カントリーリスク当社グループは、多国間取引の割合が高いことから、取引先各国の経済情勢に加え、貿易・通商規制、税制、予期しない法律又は規制の変更並びにそれらの解釈の相違等により、当社グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 (8) 設備事故等当社グループは、多くの生産設備等を有しており、運転・保守管理と設備安全化の両面から労働災害及び生産設備等の事故防止の徹底を図っておりますが、万が一、重大な労働災害や設備事故等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。 (9) テロ、戦争、事故、地震など自然災害について当社グループは、北陸地区における大規模な自然災害や、当社グループの製造施設における事故等が発生した場合、製造設備等への損害、生産活動の停止、取引先や製造施設近隣住民への補償等により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。また、当社グループの主要取引先の地域での地震等の大規模な自然災害で、主要取引先の生産活動が停止した場合や広いエリアでの災害のため、経済全体が大きく減速した場合にも営業活動(仕入及び販売)が困難になることで当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。非鉄金属の鉱山が多い地域での地震、テロ、戦争などが起こった場合も、非鉄金属の供給及び価格に大きく影響を及ぼすことから、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。 (10) システム障害等当社グループは、業務処理の基盤をコンピュータシステム及びその通信ネットワークに多く依存していることに加え、近年のリモートワーク拡大により、システム障害等の発生に係る重要性は一段と高いものとして認識しております。またシステムのメンテナンス等の一部はクラウドシステム業者を含む外部業者に委託しております。そのため、不測の事態に対しては、当社グループは障害発生時の体制整備、システムセキュリティの強化、通信回線やハードウェアの増強等、様々な対策を講じておりますが、これらの対策にもかかわらず、人為的過誤、サイバー攻撃、広範な自然災害や外部業者のトラブル等により、コンピュータシステムや通信ネットワークが利用できなくなることにより、当社グループの業務が停止する可能性があり、かかる状況が長期にわたる場合、当社グループに対する信頼性の低下を招く等の重大な影響を及ぼす可能性があります。

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