3110

日東紡績(3110)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

ガラス・土石製品 建設・資材

事業の概要

  • 多角的な事業展開
    日東紡績グループは、電子材料、メディカル、複合材、資材・ケミカル、断熱材、その他という幅広い分野で事業を展開しています。これにより、特定の市場に依存せず、多様な収益源を確保しているのが特徴です。例えば、電子材料事業ではグラスファイバー製品を、メディカル事業では体外診断用医薬品を開発・製造・販売しており、それぞれの市場で専門性を活かしています。
  • グローバルな生産・販売体制
    日本だけでなく、台湾、米国、中国にも生産拠点を持ち、製品を世界中に販売しています。これにより、各地域の需要を取り込み、国際的な競争力を維持しています。特に電子材料事業は、海外の関係会社と連携し、原料調達から製品販売までグローバルなサプライチェーンを構築しています。
  • グループ会社による事業推進
    日東紡績株式会社を中核に、26の子会社と3つの関連会社が各事業を専門的に担当しています。例えば、体外診断用医薬品はニットーボーメディカル株式会社が、グラスウール製品はパラマウント硝子工業株式会社が手掛けるなど、グループ全体で効率的な事業運営を行っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 電子材料事業
    この事業は、プリント配線基板や半導体パッケージ基板などに使われるグラスファイバー製品の開発、製造、販売を行っています。売上高は409.11億円、営業利益は138.8億円と、グループの中で最も大きな売上と利益を上げており、主要な収益源となっています。台湾や米国、中国の関係会社が原料供給や製品販売を担い、グローバルに展開しています。
  • メディカル事業
    体外診断用医薬品の開発、製造、販売を手掛ける事業です。売上高は136.03億円、営業利益は23.81億円で、安定した収益を上げています。ニットーボーメディカル株式会社が中心となり、米国の子会社が抗血清の製造を行うなど、グループ内で一貫した品質管理体制を構築し、医療分野に貢献しています。
  • 複合材事業
    自動車や電子機器などに使われるプラスチック強化材料用途のグラスファイバー製品を開発、製造、販売しています。売上高は134.74億円ですが、営業利益は-9億円と赤字となっています。富士ファイバーグラス株式会社がグラスファイバー製品を供給しており、今後の収益改善が課題となる事業セグメントです。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ElectronicMaterialsBusinessReportableSegment 地域 409 139 33.9%
MedicalBusinessReportableSegment 地域 136 24 17.5%
CompositeMaterialsBusinessReportableSegment 地域 135 -9 -6.7%
MaterialsAndChemicalsBusinessReportableSegment 地域 94 8 8.9%
InsulationMaterialsBusinessReportableSegment 地域 153 7 4.5%
OtherBusinessesReportableSegment 地域 163 4 2.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,418 文字
3 【事業の内容】 当社グループは、日東紡績株式会社(当社)、子会社26社及び関連会社3社で構成され、電子材料事業、メディカル事業、複合材事業、資材・ケミカル事業、断熱材事業及びその他事業を営んでおり、当該事業における当社及び主たる関係会社の位置づけは次のとおりであります。 なお、次の6事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) 」の区分と同一であります。 また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) 」に記載のとおりであります。 電子材料事業(関係会社6社) 当事業においては、電子材料用途グラスファイバー製品の開発、製造及び販売を行っております。 日東グラスファイバー工業㈱は、当社へ原料及びグラスファイバー製品を販売しております。 Baotek Industrial Materials Ltd.は、当社から原料を購入し、当社へ原料及びグラスファイバー製品を販売しております。 NITTOBO ASIA Glass Fiber Co., Ltd.は、当社へ原料及びグラスファイバー製品を販売しております。 台湾日東紡股份有限公司は、グラスファイバー製品を販売しております。 メディカル事業(関係会社5社) 当事業においては、体外診断用医薬品の開発、製造及び販売を行っております。 ニットーボーメディカル㈱は、体外診断用医薬品の開発、製造及び販売を行っております。 Nittobo America Inc.は、抗血清の製造及び販売を行っております。 複合材事業(関係会社1社) 当事業においては、プラスチック強化材料用途グラスファイバー製品の開発、製造及び販売を行っております。 富士ファイバーグラス㈱は、当社へグラスファイバー製品を販売しております。 資材・ケミカル事業(関係会社9社) 当事業においては、産業資材用途グラスファイバー製品の開発、製造及び販売、ケミカル製品の開発、製造及び販売、芯地製品、機能資材、ふきんの開発、製造及び販売を行っております。 日東紡アドバンテックス㈱は、芯地製品、機能資材、ふきんの開発、製造及び販売を行っております。 日東グラステックス㈱は、当社から原料を購入し、当社へ原料及びグラスファイバー製品を販売しております。 断熱材事業(関係会社3社) 当事業においては、断熱・保温・吸音用途グラスウール製品の開発、製造及び販売を行っております。 パラマウント硝子工業㈱は、グラスウール製品の製造及び販売を行っております。また一部、当社から原料を購入しております。 その他事業(関係会社5社) 当事業においては、産業機械設備等の設計、製作、販売、施工メンテナンス及びサービス事業等を行っております。 ㈱日東紡テクノは、当社から設備工事等を請負っております。 ㈱双洋は、当社のグラスファイバー製品等を販売しております。 以上に述べた事項を事業系統図に示すと次のとおりであります。 <事業系統図>  (注)1.◎印は連結会社となっております。2.㈱双洋は、同社が2024年11月21日開催した取締役会及び株主総会において、商号を日東紡グローバルトレーディング㈱とすることを決議し、2025年4月1日に商号変更いたしました。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
電子材料事業は世界的なリーディングカンパニーとして競争優位を保つ
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
電子材料用途グラスファイバー製品、体外診断用医薬品、異形断面ガラス繊維「フラットファイバー」等の開発・製造技術
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:中期経営計画の未達成 / エネルギー価格の変動 / 為替レートの変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

日東紡績は、ガラス繊維や機能加工品の分野で長年の実績と技術蓄積がある。特に、特定の産業用途向け製品におけるブランド認知やノウハウは一定の評価を得ている可能性があるが、特許や強力なブランドによる明確な独占性は限定的と見られる。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車や産業機器向けなど、特定の用途で採用されているガラス繊維製品は、顧客の設計や製造プロセスに組み込まれているため、切り替えにはコストや時間がかかる可能性がある。しかし、代替材料や競合製品への移行リスクはゼロではない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

日東紡績の事業モデルは、プラットフォーム型ではなく、BtoBの製品供給が中心であるため、ネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の生産ノウハウや効率化努力により、一定のコスト競争力は維持していると考えられる。しかし、原材料価格の変動や、グローバルな競合他社との比較において、構造的な圧倒的なコスト優位性を持つとは断定しにくい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ガラス繊維や機能加工品市場において、日東紡績は一定のシェアを持つ主要プレイヤーの一つである。特にニッチな市場においては、規模の経済による効率的な生産体制が競争優位に寄与している可能性がある。ただし、グローバル市場全体で見ると寡占度は高くない。

  • 電子材料事業の技術的優位性
    日東紡績の電子材料事業は、電子材料用途のグラスファイバー製品において世界的なリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。長年にわたる研究開発により培われた独自の技術力は、プリント配線基板や半導体パッケージ基板といった高度な分野で競争優位性を保つ源泉となっています。この技術力は、他社が容易に模倣できない参入障壁となっています。
  • メディカル事業における品質管理体制
    体外診断用医薬品の開発・製造・販売を手掛けるメディカル事業では、生物由来の原料を使用する特性上、安定した品質維持が重要です。同社は、米国の子会社で原料となる抗血清を製造し、日本国内で最終製品を製造することで、グループ内で一貫した品質管理体制を構築しています。これにより、製品の信頼性を高め、顧客からの評価を得ています。
  • 多角的な事業ポートフォリオ
    電子材料、メディカル、複合材、資材・ケミカル、断熱材など、幅広い事業を展開している点が強みです。特定の市場の変動リスクを分散し、安定した経営基盤を築いています。例えば、IT関連市場の需要変動が大きい電子材料事業のリスクを、医療分野や建築分野の事業で補完し合うことが可能です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針 当社グループは、『日東紡グループは「健康・快適な生活文化を創造する」企業集団として社会的存在価値を高め、豊かな社会の実現に貢献し続けます。』との経営理念に基づいて、時代の要請に即応し、社会の役に立つ新しい価値を創造し提供し続けることで、株主・投資家・行政・地域社会等すべてのステークホルダーと共に喜びを分かち合い、企業価値を高めていくことを目指しております。 (2) 経営環境 当連結会計年度における世界経済は、欧米でのインフレに沈静化の兆しが見られたものの、米国での政権交代や中国の景気低迷などの影響により、不安定な状態が継続しました。わが国経済は、企業収益や設備投資に持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかな回復基調が継続した一方、不安定な為替相場、原材料・エネルギーコストの高騰、人件費の上昇などにより、先行き不透明な状況は継続しました。 このような環境の下、当社グループは長期ビジョン『Big VISION 2030』の実現に向けて新中期経営計画(2024-2027年度)をスタートしました。持続可能な社会実現に向け、「環境・エネルギー」「デジタル化社会」「健康・安心・安全」に貢献するグローバル・ニッチNo.1を創造し続ける企業グループを目指しております。 2025年3月期は、電子材料事業を中心に高付加価値品の販売が好調に推移しました。  セグメントごとの事業環境は以下のとおりであります。 電子材料事業 電子材料事業では、グラスファイバーヤーンの製造とガラスクロスの加工の双方を備えた生産・開発体制を保有しております。情報通信インフラの高度化を背景に、プリント配線板材料分野で当社が長年培ってきたグラスファイバーの基盤技術により独自に開発した低誘電特性あるいは低熱膨張特性を有する特殊組成のスペシャルガラスを軸に事業を展開しております。 当社はこれらの独自技術により高い競争力を有しておりますが、今後、国内外の企業の技術的キャッチアップも想定されるため、研究開発体制の一層の強化と高付加価値製品の製造能力向上を行ってまいります。 当連結会計年度においては、AIサーバー向けの旺盛な需要の継続により、低誘電特性を持つスペシャルガラスや、半導体パッケージ基板向けの低熱膨張特性を持つスペシャルガラスの販売が好調に推移し、収益に貢献しました。 メディカル事業 メディカル事業では、体外診断用医薬品の製造販売を行っております。原料から最終製品をグループ内で一貫して製造することにより高品質と安定供給を両立させ、特に免疫系の診断薬に強みを有しております。国内市場では、高齢化の進展や医療費抑制に向けた治療から予防へのシフト等により診断薬の高機能化が求められております。また、海外市場において、先進国では高付加価値医療(高感度の免疫系試薬や感染症、遺伝子検査等)の需要増加、新興国では社会保険制度の整備に伴う診断機会の増加があり体外診断用医薬品の需要が拡大しております。当社グループは、国内において100種類以上の検査項目に対応した診断薬を販売しており、炎症マーカーや骨粗鬆症マーカー等で大きな販売シェアを確保しております。  当連結会計年度においては、体外診断用医薬品の販売は堅調に推移する一方で、世界的なインフレ影響を受けました。また、基盤強化も継続して実施しました。 複合材事業 複合材事業では、プラスチック強化材としてのグラスファイバー製品を提供しております。独自技術によりグラスファイバーの断面を通常の円形ではなく長円形にすることで成型品の反り、ねじれを抑えられるフラット・ファイバーをはじめ、幅広い製品群はFRP(繊維強化プラスチック)やFRTP(繊維強化熱可塑性プラスチック)用途において多様なニーズに対応しております。自動車の軽量化や環境貢献製品へのニーズなど需要の広がりを期待できる一方で、汎用品においては中国メーカーの台頭により競争環境は厳しい状況にあります。 当連結会計年度においては、販売は前年同期を上回ったものの、生産設備の定期修繕に伴うコストアップなどの影響を受けました。 資材・ケミカル事業 資材・ケミカル事業では、産業資材用途グラスファイバー事業、ケミカル事業及び繊維事業を展開しております。産業資材用途グラスファイバー事業では、当社の技術力が評価され大型建造物用の膜材から自動車用の制振材まで幅広い用途で採用されております。取引先が多岐にわたるため個別業界の市況変動が分散され安定的な収益計上が見込める一方で、他素材との競合もあり競争環境は厳しい状況にあります。 ケミカル事業では、機能性ポリマーや無機・有機ナノコンポジット材(SSG)の製造販売を行っております。販売先の業種・分野はトイレタリー、製紙、金属、電子材料、ジェネリック医薬品など多岐にわたっており、競合の参入が難しい独自性の高い製品の研究開発・製造販売に取り組んでおります。 繊維事業では、接着芯地、薄手裏地等の衣料用副資材やふきんの製造販売のほか、独自の接着技術を活用した機能資材を提供しております。 当連結会計年度においては、原材料を中心とするコストアップの影響を受けたものの、販売は値上げの寄与もあり前年同期を上回りました。 断熱材事業 断熱材事業では、高い断熱性能を持つグラスウール断熱材の開発・製造・販売を行っております。住宅やビルの断熱材として使用されており、省エネルギーに貢献しております。また、主原料には、使用済みのガラス瓶や廃棄される窓ガラスなどのリサイクルガラスを用いており、限りある資源の有効活用にも寄与しております。当社グループは、1949年に日本で初めてグラスウールの製造に成功した業界のパイオニアとして、現在も独自の技術を活かし、製品の開発・製造を行っております。さらに、製品の細繊維化による断熱性能の向上や、ノンホルムアルデヒド化を通じて、環境負荷の低減や安全・快適な住環境の実現に貢献しております。 当連結会計年度においては、高性能断熱材の販売が堅調に推移したものの、コストアップなどの影響を受けました。 その他事業 その他事業では、電子材料用途などグラスファイバー製品を中心に工業材料を取り扱う専門商社及び機械・設備の設計、施工、メンテナンスを行うエンジニアリング事業などがあります。 当連結会計年度においては、前年同期に対して増収、減益となりました。 (3) 対処すべき課題日東紡グループ 『中期経営計画(2024-2027年度)』○日東紡グループ中期経営計画の進捗 日東紡グループは、2023年に創立100周年を迎え、次の100年も持続的に成長することを目指し、長期ビジョンである2030年にありたい姿『Big VISION 2030』を策定しております。2024年4月には、『Big VISION 2030』の実現に向けて、『中期経営計画(2024-2027年度)』をスタートしました。 『中期経営計画(2024-2027年度)』の1年目である当事業年度は、AIサーバー向けの旺盛な需要に対応するべく、スペシャルガラスの生産能力拡大に向けた投資を前倒しで実行いたしました。○『中期経営計画(2024-2027年度)』<中期経営計画(2024-2027年度)の2つのポイント>『Big VISION 2030』実現に向けた確実な投資の刈り取りと既存成長戦略の推進  スペシャルガラス、メディカル分野において前中期経営計画で実行した投資の着実な刈り取りと、急激な市場の立ち上がりにも対応可能とする積極的な成長投資を継続いたします。2030年を超え、次の100年に向けた新たな柱づくり  2024年4月より、従来の3事業部門を5事業本部に改め、新組織体制に移行いたしました。  この体制の下、スペシャルガラスとメディカルに次ぐ新たな柱づくりに加え、開発・製造・販売を一体運営し、顧客視点での活動を強化してまいります。 <本部戦略の基本方針>『Big VISION 2030』を超えて安定成長を持続するため、打ち出しの4年間として各事業本部は以下の方針に基づき中期経営計画に取り組みます。 [電子材料][メディカル]・市場拡大が期待できる分野に向けた供給体制の整備、積極的な設備投資を継続します。・『Big VISION 2030』を実現する2030年度目標に向け、投資の刈り取り、新規開発製品の結実による着実な収益貢献を目指します。 [複合材][資材・ケミカル][断熱材]・既存事業領域の深掘りをしつつ、2030年度以降を見据え、グラスファイバー、繊維など、従来の括りに捉われない新たな発想で事業の探索を進めます。 <全社定量目標(2024-2027年度)> <日東紡グループの経営理念と基本方針> ○環境目標 当社グループでは、「環境に関する全社方針」を定め、環境目標の達成に向けて取り組んでおります。 また、一元的に環境課題を把握し、課題解決への取組みを推進するため、代表執行役社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設けております。  2024年度は委員会を4回開催し、CO2削減推進、環境貢献商品開発、サステナビリティ経営推進等のテーマ別タスクフォースを通じて、持続可能な事業のための具体的な施策の検討と推進に取り組みました。 近年における主な取組みは以下のとおりです。 ・2022年5月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言への賛同を表明しました。・2023年4月には、当社ウェブサイトをリニューアルし、ESG(環境・社会・ガバナンス)に関する情報を充実させました。・2024年2月より、当社富久山事業センター構内において第三者所有モデルによる太陽光発電システム(いわゆるオンサイトPPA)の運用を開始いたしました。また、燃焼時にCO2を排出しない燃料への転換に向けた実証実験を開始いたしました。・2024年10月に当社福島事業センター、11月に当社連結子会社である富士ファイバーグラス㈱でISCC(国際持続可能性カーボン認証)PLUS認証を取得し、マスバランス方式によるリサイクル商品の取扱いが可能となりました。  今後も持続可能な豊かな社会の実現に向けて取り組んでまいります。 <CO2排出量削減> 2030年度 目標:CO2排出量削減 ▲30%(2013年度比、Scope1+Scope2) 2050年度 目標:カーボンニュートラル達成<廃棄ガラス削減>2030年度 目標:廃棄ガラス量の実質ゼロ達成
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針 当社グループは、『日東紡グループは「健康・快適な生活文化を創造する」企業集団として社会的存在価値を高め、豊かな社会の実現に貢献し続けます。』との経営理念に基づいて、時代の要請に即応し、社会の役に立つ新しい価値を創造し提供し続けることで、株主・投資家・行政・地域社会等すべてのステークホルダーと共に喜びを分かち合い、企業価値を高めていくことを目指しております。 (2) 経営環境 当連結会計年度における世界経済は、欧米でのインフレに沈静化の兆しが見られたものの、米国での政権交代や中国の景気低迷などの影響により、不安定な状態が継続しました。わが国経済は、企業収益や設備投資に持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかな回復基調が継続した一方、不安定な為替相場、原材料・エネルギーコストの高騰、人件費の上昇などにより、先行き不透明な状況は継続しました。 このような環境の下、当社グループは長期ビジョン『Big VISION 2030』の実現に向けて新中期経営計画(2024-2027年度)をスタートしました。持続可能な社会実現に向け、「環境・エネルギー」「デジタル化社会」「健康・安心・安全」に貢献するグローバル・ニッチNo.1を創造し続ける企業グループを目指しております。 2025年3月期は、電子材料事業を中心に高付加価値品の販売が好調に推移しました。  セグメントごとの事業環境は以下のとおりであります。 電子材料事業 電子材料事業では、グラスファイバーヤーンの製造とガラスクロスの加工の双方を備えた生産・開発体制を保有しております。情報通信インフラの高度化を背景に、プリント配線板材料分野で当社が長年培ってきたグラスファイバーの基盤技術により独自に開発した低誘電特性あるいは低熱膨張特性を有する特殊組成のスペシャルガラスを軸に事業を展開しております。 当社はこれらの独自技術により高い競争力を有しておりますが、今後、国内外の企業の技術的キャッチアップも想定されるため、研究開発体制の一層の強化と高付加価値製品の製造能力向上を行ってまいります。 当連結会計年度においては、AIサーバー向けの旺盛な需要の継続により、低誘電特性を持つスペシャルガラスや、半導体パッケージ基板向けの低熱膨張特性を持つスペシャルガラスの販売が好調に推移し、収益に貢献しました。 メディカル事業 メディカル事業では、体外診断用医薬品の製造販売を行っております。原料から最終製品をグループ内で一貫して製造することにより高品質と安定供給を両立させ、特に免疫系の診断薬に強みを有しております。国内市場では、高齢化の進展や医療費抑制に向けた治療から予防へのシフト等により診断薬の高機能化が求められております。また、海外市場において、先進国では高付加価値医療(高感度の免疫系試薬や感染症、遺伝子検査等)の需要増加、新興国では社会保険制度の整備に伴う診断機会の増加があり体外診断用医薬品の需要が拡大しております。当社グループは、国内において100種類以上の検査項目に対応した診断薬を販売しており、炎症マーカーや骨粗鬆症マーカー等で大きな販売シェアを確保しております。  当連結会計年度においては、体外診断用医薬品の販売は堅調に推移する一方で、世界的なインフレ影響を受けました。また、基盤強化も継続して実施しました。 複合材事業 複合材事業では、プラスチック強化材としてのグラスファイバー製品を提供しております。独自技術によりグラスファイバーの断面を通常の円形ではなく長円形にすることで成型品の反り、ねじれを抑えられるフラット・ファイバーをはじめ、幅広い製品群はFRP(繊維強化プラスチック)やFRTP(繊維強化熱可塑性プラスチック)用途において多様なニーズに対応しております。自動車の軽量化や環境貢献製品へのニーズなど需要の広がりを期待できる一方で、汎用品においては中国メーカーの台頭により競争環境は厳しい状況にあります。 当連結会計年度においては、販売は前年同期を上回ったものの、生産設備の定期修繕に伴うコストアップなどの影響を受けました。 資材・ケミカル事業 資材・ケミカル事業では、産業資材用途グラスファイバー事業、ケミカル事業及び繊維事業を展開しております。産業資材用途グラスファイバー事業では、当社の技術力が評価され大型建造物用の膜材から自動車用の制振材まで幅広い用途で採用されております。取引先が多岐にわたるため個別業界の市況変動が分散され安定的な収益計上が見込める一方で、他素材との競合もあり競争環境は厳しい状況にあります。 ケミカル事業では、機能性ポリマーや無機・有機ナノコンポジット材(SSG)の製造販売を行っております。販売先の業種・分野はトイレタリー、製紙、金属、電子材料、ジェネリック医薬品など多岐にわたっており、競合の参入が難しい独自性の高い製品の研究開発・製造販売に取り組んでおります。 繊維事業では、接着芯地、薄手裏地等の衣料用副資材やふきんの製造販売のほか、独自の接着技術を活用した機能資材を提供しております。 当連結会計年度においては、原材料を中心とするコストアップの影響を受けたものの、販売は値上げの寄与もあり前年同期を上回りました。 断熱材事業 断熱材事業では、高い断熱性能を持つグラスウール断熱材の開発・製造・販売を行っております。住宅やビルの断熱材として使用されており、省エネルギーに貢献しております。また、主原料には、使用済みのガラス瓶や廃棄される窓ガラスなどのリサイクルガラスを用いており、限りある資源の有効活用にも寄与しております。当社グループは、1949年に日本で初めてグラスウールの製造に成功した業界のパイオニアとして、現在も独自の技術を活かし、製品の開発・製造を行っております。さらに、製品の細繊維化による断熱性能の向上や、ノンホルムアルデヒド化を通じて、環境負荷の低減や安全・快適な住環境の実現に貢献しております。 当連結会計年度においては、高性能断熱材の販売が堅調に推移したものの、コストアップなどの影響を受けました。 その他事業 その他事業では、電子材料用途などグラスファイバー製品を中心に工業材料を取り扱う専門商社及び機械・設備の設計、施工、メンテナンスを行うエンジニアリング事業などがあります。 当連結会計年度においては、前年同期に対して増収、減益となりました。 (3) 対処すべき課題日東紡グループ 『中期経営計画(2024-2027年度)』○日東紡グループ中期経営計画の進捗 日東紡グループは、2023年に創立100周年を迎え、次の100年も持続的に成長することを目指し、長期ビジョンである2030年にありたい姿『Big VISION 2030』を策定しております。2024年4月には、『Big VISION 2030』の実現に向けて、『中期経営計画(2024-2027年度)』をスタートしました。 『中期経営計画(2024-2027年度)』の1年目である当事業年度は、AIサーバー向けの旺盛な需要に対応するべく、スペシャルガラスの生産能力拡大に向けた投資を前倒しで実行いたしました。○『中期経営計画(2024-2027年度)』<中期経営計画(2024-2027年度)の2つのポイント>『Big VISION 2030』実現に向けた確実な投資の刈り取りと既存成長戦略の推進  スペシャルガラス、メディカル分野において前中期経営計画で実行した投資の着実な刈り取りと、急激な市場の立ち上がりにも対応可能とする積極的な成長投資を継続いたします。2030年を超え、次の100年に向けた新たな柱づくり  2024年4月より、従来の3事業部門を5事業本部に改め、新組織体制に移行いたしました。  この体制の下、スペシャルガラスとメディカルに次ぐ新たな柱づくりに加え、開発・製造・販売を一体運営し、顧客視点での活動を強化してまいります。 <本部戦略の基本方針>『Big VISION 2030』を超えて安定成長を持続するため、打ち出しの4年間として各事業本部は以下の方針に基づき中期経営計画に取り組みます。 [電子材料][メディカル]・市場拡大が期待できる分野に向けた供給体制の整備、積極的な設備投資を継続します。・『Big VISION 2030』を実現する2030年度目標に向け、投資の刈り取り、新規開発製品の結実による着実な収益貢献を目指します。 [複合材][資材・ケミカル][断熱材]・既存事業領域の深掘りをしつつ、2030年度以降を見据え、グラスファイバー、繊維など、従来の括りに捉われない新たな発想で事業の探索を進めます。 <全社定量目標(2024-2027年度)> <日東紡グループの経営理念と基本方針> ○環境目標 当社グループでは、「環境に関する全社方針」を定め、環境目標の達成に向けて取り組んでおります。 また、一元的に環境課題を把握し、課題解決への取組みを推進するため、代表執行役社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設けております。  2024年度は委員会を4回開催し、CO2削減推進、環境貢献商品開発、サステナビリティ経営推進等のテーマ別タスクフォースを通じて、持続可能な事業のための具体的な施策の検討と推進に取り組みました。 近年における主な取組みは以下のとおりです。 ・2022年5月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言への賛同を表明しました。・2023年4月には、当社ウェブサイトをリニューアルし、ESG(環境・社会・ガバナンス)に関する情報を充実させました。・2024年2月より、当社富久山事業センター構内において第三者所有モデルによる太陽光発電システム(いわゆるオンサイトPPA)の運用を開始いたしました。また、燃焼時にCO2を排出しない燃料への転換に向けた実証実験を開始いたしました。・2024年10月に当社福島事業センター、11月に当社連結子会社である富士ファイバーグラス㈱でISCC(国際持続可能性カーボン認証)PLUS認証を取得し、マスバランス方式によるリサイクル商品の取扱いが可能となりました。  今後も持続可能な豊かな社会の実現に向けて取り組んでまいります。 <CO2排出量削減> 2030年度 目標:CO2排出量削減 ▲30%(2013年度比、Scope1+Scope2) 2050年度 目標:カーボンニュートラル達成<廃棄ガラス削減>2030年度 目標:廃棄ガラス量の実質ゼロ達成
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要  当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、欧米でのインフレに沈静化の兆しが見られたものの、米国での政権交代や中国の景気低迷などの影響により、不安定な状態が継続しました。わが国経済は、企業収益や設備投資に持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかな回復基調が継続した一方、不安定な為替相場、原材料・エネルギーコストの高騰、人件費の上昇などにより、先行き不透明な状況は継続しました。 このような環境の下、当社グループは長期ビジョン『Big VISION 2030』の実現に向けて新中期経営計画(2024-2027年度)をスタートしました。持続可能な社会実現に向け、「環境・エネルギー」「デジタル化社会」「健康・安心・安全」に貢献するグローバル・ニッチNo.1を創造し続ける企業グループを目指しております。 2025年3月期は、電子材料事業を中心に高付加価値品の販売が好調に推移しました。この結果、連結売上高は109,035百万円(前年同期比16.9%の増収)、連結営業利益は16,445百万円(前年同期比96.1%の増益)、連結経常利益は17,568百万円(前年同期比80.1%の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は12,837百万円(前年同期比76.0%の増益)となりました。  セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。  電子材料事業は、売上高40,911百万円と前年同期比36.9%の増収となり、営業利益は13,880百万円と前年同期比157.9%の増益となりました。 メディカル事業は、売上高13,603百万円と前年同期比6.5%の増収となり、営業利益は2,381百万円と前年同期比0.4%の減益となりました。  複合材事業は、売上高13,474百万円と前年同期比6.2%の増収となり、営業損失は900百万円(前連結会計年度は営業損失731百万円)となりました。 資材・ケミカル事業は、売上高9,431百万円と前年同期比3.5%の増収となり、営業利益は839百万円と前年同期比1.8%の増益となりました。 断熱材事業は、売上高15,320百万円と前年同期比3.8%の増収となり、営業利益は693百万円と前年同期比24.1%の減益となりました。 その他事業は、売上高16,294百万円と前年同期比16.0%の増収となり、営業利益は409百万円と前年同期比8.4%の減益となりました。  当連結会計年度末における総資産は223,105百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,993百万円増加しました。主な要因は、有形固定資産の増加などであります。 負債は87,276百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,128百万円減少しました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少などであります。 純資産は135,829百万円となり、自己資本比率は58.1%と前連結会計年度末に比べ2.4ポイント増加しました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により得られた資金19,121百万円、投資活動により使用した資金11,418百万円、財務活動により使用した資金3,277百万円などの結果、前連結会計年度末に比べ4,869百万円増加し、当連結会計年度末には28,387百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動による資金は、前連結会計年度の5,057百万円の増加から、19,121百万円の増加となりました。これは主に「①財政状態及び経営成績の状況」で記載いたしましたとおりの事業活動の結果、税金等調整前当期純利益が17,521百万円となったほか、減価償却費7,941百万円により資金が増加した一方、法人税等の支払額2,966百万円により資金が減少したことなどによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動による資金は、前連結会計年度の7,896百万円の減少から11,418百万円の減少となりました。これは主に、固定資産の取得による支出13,138百万円により資金が減少したことなどによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動による資金は、前連結会計年度の4,301百万円の増加から3,277百万円の減少となりました。これは主に、長期借入れによる収入15,351百万円により資金が増加した一方、短期借入金の純増減額3,067百万円、長期借入金の返済による支出13,026百万円及び配当金の支払額2,194百万円により資金が減少したことなどによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績(ア)生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)電子材料事業49,49727.2メディカル事業13,1628.9複合材事業13,1030.8資材・ケミカル事業10,8073.0断熱材事業15,6377.0その他事業――合計102,20814.7 (注) 金額は、販売価格によっております。 (イ)受注実績当社グループ(当社及び連結子会社)は主として見込生産を行っており、受注生産はほとんどありません。 (ウ)販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)電子材料事業40,91136.9メディカル事業13,6036.5複合材事業13,4746.2資材・ケミカル事業9,4313.5断熱材事業15,3203.8その他事業16,29416.0合計109,03516.9 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 日東紡グループの目標とする経営指標と当連結会計年度の実績は次のとおりであります。 2024年度実績2027年度目標売上高(百万円)109,035135,000営業利益(百万円)16,44520,000ROE10.4%8.0%自己資本比率58.1%55.0% 2025年3月期は、電子材料事業を中心に高付加価値品の販売が好調に推移しました。 この結果、連結売上高は109,035百万円(前年同期比16.9%の増収)、連結営業利益は16,445百万円(前年同期比96.1%の増益)となりました。 また、投資有価証券売却益1,578百万円など計1,875百万円の特別利益を計上し、一方、減損損失1,074百万円など計1,922百万円の特別損失を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は12,837百万円(前年同期比76.0%の増益)となり、ROEは10.4%となりました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及び対応策につきましては、前述の「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、当社グループは当連結会計年度より報告セグメントを見直しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) 」をご覧ください。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。  電子材料事業では、AIサーバー向けの旺盛な需要の継続により、低誘電特性を持つスペシャルガラスや、半導体パッケージ基板向けの低熱膨張特性を持つスペシャルガラスの販売が好調に推移し、収益に貢献しました。 この結果、当事業は売上高40,911百万円と前年同期比36.9%の増収となり、営業利益は13,880百万円と前年同期比157.9%の増益となりました。 また、セグメント資産は102,912百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,588百万円増加しました。  メディカル事業では、体外診断用医薬品の販売は堅調に推移する一方で、世界的なインフレ影響を受けました。また、基盤強化も継続して実施しました。 この結果、当事業は売上高13,603百万円と前年同期比6.5%の増収となり、営業利益は2,381百万円と前年同期比0.4%の減益となりました。 また、セグメント資産は22,855百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,725百万円増加しました。  複合材事業では、販売は前年同期を上回ったものの、生産設備の定期修繕に伴うコストアップなどの影響を受けました。 この結果、当事業は売上高13,474百万円と前年同期比6.2%の増収となり、営業損失は900百万円(前連結会計年度は営業損失731百万円)となりました。 また、セグメント資産は18,568百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,503百万円減少しました。  資材・ケミカル事業では、原材料を中心とするコストアップの影響を受けたものの、販売は値上げの寄与もあり前年同期を上回りました。 この結果、当事業は売上高9,431百万円と前年同期比3.5%の増収となり、営業利益は839百万円と前年同期比1.8%の増益となりました。 また、セグメント資産は11,118百万円となり、前連結会計年度末に比べ251百万円減少しました。  断熱材事業では、高性能断熱材の販売が堅調に推移したものの、コストアップなどの影響を受けました。 この結果、当事業は売上高15,320百万円と前年同期比3.8%の増収となり、営業利益は693百万円と前年同期比24.1%の減益となりました。 また、セグメント資産は12,934百万円となり、前連結会計年度末に比べ485百万円減少しました。  その他事業は、産業機械設備関連事業等の収益確保に取り組みました。 この結果、売上高16,294百万円と前年同期比16.0%の増収となり、営業利益は409百万円と前年同期比8.4%の減益となりました。 また、セグメント資産は9,888百万円となり、前連結会計年度末に比べ430百万円減少しました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる原燃料費や営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発などであります。資金調達は主としてフリー・キャッシュフロー(当社グループはフリー・キャッシュフローを営業活動によるキャッシュ・フロー及び資産活用をはじめとした投資活動によるキャッシュ・フローの合計と定義しております。)、社債の発行及び間接調達により十分な資金を確保しており、借入枠100億円のコミットメントラインにより財務の安定性及び流動性を補完しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 」に記載しております。

事業リスク

  • エネルギー価格の変動リスク
    グラスファイバーやグラスウールなどの製造には、LNGガスや電気を大量に使用するため、エネルギー価格の変動が業績に大きな影響を与える可能性があります。紛争や災害、エネルギー政策の変更などにより、電気料金や原油価格が急激に上昇した場合、製造コストが増加し、利益を圧迫する恐れがあります。
  • 為替レートの変動リスク
    日本、台湾、米国、中国で生産・販売活動を行っているため、為替レートの変動が業績に影響を及ぼします。円高に振れた場合、海外輸出品の価格競争力が低下し、売上が減少する可能性があります。逆に円安に振れた場合は、輸入原材料の価格が上昇し、製造コストが増加するリスクがあります。
  • 他社製品との競争と技術革新の遅れ
    電子材料事業を中心に、国内外の競合企業との競争激化や、グラスファイバーの代替材料の開発が進む可能性があります。また、新技術や新製品の開発が長期化したり、市場のニーズに合致しなかったりした場合、競争優位性が低下し、成長性や収益性が損なわれる恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,198 文字
3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社は、グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定め、その基本方針及び管理体制に基づき、代表執行役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会で、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図っております。  文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 中期経営計画 当社グループは、2024年5月に「中期経営計画(2024-2027年度)」を策定し、その計画に掲げた具体的諸施策を推進しております。これらの計画は、策定当時において適切と考えられる情報や分析等に基づき策定されておりますが、こうした情報や分析等には不確定要素が含まれております。今後、事業環境の変化その他の要因により、期待される成果の実現に至らない可能性があります。 (2) エネルギー価格の変動 当社グループは、主力製品であるグラスファイバー・グラスウールなどの製造においてLNGガス、電気を使用しているため、エネルギー価格の変動やリスクを負っております。安価なエネルギーへの転換や省エネルギー対策などリスクの軽減を図っておりますが、紛争・災害等の地政学的要因やエネルギー政策の変更等により電気料金、原油価格が急激に変動した場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (3) 為替レートの変動当社グループは日本、台湾、米国、中国で生産活動を行い、その製品をグローバルに販売しております。したがって、為替レートが円高になった場合には海外輸出品の競争力が弱まり、為替レートが円安になった場合には、輸入原材料価格が上昇します。為替予約等によるリスクの軽減を図っておりますが、大幅に為替レートが変動した場合、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (4) 原材料の調達主要な原材料はリスク管理の観点からも可能な限り複数の取引先から購入を行っております。しかし、取引先の状況や経済環境の変化、紛争・災害等の地政学的要因、世界的なサプライチェーンの混乱等により原材料の価格が変動する可能性や、入手が困難になる可能性があります。そのような場合には、生産活動に影響が出る等、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (5) 他社製品との競争、新製品の開発及び技術革新 当社は自社の技術力を持続的成長の源泉と考えており、なかでも電子材料事業は、世界的なリーディングカンパニーとして競争優位を保ち、より一層研究開発に注力することにより競争優位を維持していくことを目指しております。しかしながら、国内外の競合企業との競争激化やグラスファイバーの代替材料の開発により当社の競争優位性が低下したり、当社の新技術・新商品の開発が長期化した場合には、当社グループの成長性や収益性を低下させ、業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (6) 需要の変動 当社グループはグローバルに事業展開をしており、日本国内向けの売上であっても顧客の製品に組み込まれて海外に輸出される製品も多く含まれています。したがって、世界経済の景気動向や各国の貿易・関税政策、地政学的要因等の様々な影響を受け、当社製品を組み込んだ顧客の製品の需要が減速した場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 特に、電子材料事業が取り扱うIT関連のプリント配線基板用や半導体のパッケージ基板用ヤーン及びクロス、また、複合材事業が取り扱う自動車・電子機器用等の複合材は、市況の変動幅が大きく、需要が大きく変動することがあります。 (7) 設備投資 成長分野の需要捕捉に向けた設備投資や定期的な大規模修繕は、需要予測に大きな変化が生じた場合、生産性等所期の設備能力が得られなかった場合、あるいは主要設備部材の価格が市況により急激に変動した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 製品の欠陥 当社で取り扱うグラスファイバー製品はサプライチェーンの川上に位置し、当社の製品に欠陥があった場合の影響は広範に及ぶ可能性があるため、品質保証体制を確立し、欠陥品を発生させないように取り組んでおります。また、体外診断用医薬品は、生物由来の原料を使用するため安定した品質の維持が課題となりますが、在アメリカの子会社で原料となる抗血清を製造し日本国内で最終製品を製造しているため、グループ内で一貫した品質管理を行っております。しかしながら、予測できない原因により品質問題が発生し、出荷量が低下する可能性や、製品の欠陥による損害賠償の発生や社会的評価の毀損等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) 災害の発生 当社グループは、災害・事故等に備えたリスク管理を実施しております。従業員の安全・健康を事業経営の基盤ととらえ、諸法令を遵守し、安全で働きやすい職場環境を整えるべく、拠点ごとに委員会活動を行うとともに、定期的にBCP訓練や地震・火災に備えた訓練を実施しております。しかし、大地震等の自然災害や突発的な事故により、生産設備等に多大な損害を受けた場合や電力、燃料、水の供給に問題が発生した場合には、生産活動等に支障が生じるなど当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 訴訟等 当社グループは、国内外で事業を遂行する上で、訴訟やその他の法的手段の当事者となる可能性があり、重要な訴訟等が提起された場合又は事業遂行の制限が加えられた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に対して悪影響を及ぼす可能性があります。 当社は、当連結会計年度末現在において、国及び当社を含むアスベスト取扱い企業数十社を被告として建設従事者とその遺族より損害賠償を求める訴訟の提起を受けており、札幌、仙台、水戸、さいたま、東京、横浜、千葉、名古屋、大阪、京都、広島、高松、福岡、熊本の各地方裁判所、及び札幌、東京、大阪の各高等裁判所にて計32件の訴訟が係属中であります。これらの訴訟において当社に不利な判断がなされた場合には、業績等に悪影響が生じる可能性があります。 (11) 法的規制(環境に関する法規制を含む) 当社の事業遂行においては、国内外の法的規制を遵守することを最優先事項としております。専門の部署(リスクマネジメント統括部)を設置し、国内外の法的規制や環境に関する規制についての情報収集と法的規制の対応管理を行っております。また、グループ全体のコンプライアンス教育を推進し、当社グループの社会的信用や評判に与える影響を防いでおります。しかしながら、各種法的規制の変更により、法令対応費用の発生等により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 気候変動対応のリスク当社グループは、2030年度のCO2排出量削減目標を設定し、省エネ活動の推進、再生可能エネルギーの導入やTCFDに基づく情報開示に取り組んでおります。また、2050年度カーボンニュートラル達成に向けて、低炭素・脱炭素技術の活用によりCO2排出削減及び生産性向上に取り組んでおります。しかし、気候変動対応に係る国内外の関連法規制の強化により生産活動や営業活動に影響が生じたり、社会的信用の低下による機会損失が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 海外事業 当社は、台湾、米国、中国に子会社を有しております。これらの国における海外事業は、各国における政治・経済・法令・税制・社会動向等の変化や紛争・災害・感染症の発生等の要因により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14) 情報セキュリティ 当社グループは、情報セキュリティの確保については、サイバー攻撃に強いシステムの導入を行うとともに、個人情報や機密情報の保護のため全社管理体制の下で徹底を図り、定期的に監査を行っております。しかしながら、企業の社会的責任に対する社会の期待は年々増大していることもあり、情報漏洩等の問題が発生し、その対応の内容や迅速性が不十分な場合には当社グループの社会的信用や評判に波及し、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 特許権等の知的財産権 当社は、将来の事業展開に有益である特許権等の知的財産権の取得に努めております。併せて、事業運営にあたっては、他社の知的財産権の調査を行い、これらに抵触して問題が発生することの無いように努めておりますが、知的財産権に係る争訟により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (16) 退職給付債務 当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (17) 投資有価証券 当社グループが保有している株式等の投資有価証券の価値が大幅に下落した場合は、評価損の発生により当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (18) 感染症拡大当社グループは、感染症対策として、生産活動や販売活動等に影響がでないようにリスク管理を実施しております。また、サプライチェーン分断等に対応できるよう、定期的なサプライチェーンの見直し、複線化を行っております。しかし、感染症が拡大した場合には、生産活動や営業活動に影響が出る等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

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