研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
| 2025-03 |
- |
28 |
| 2024-03 |
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27 |
| 2023-03 |
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18 |
| 2022-03 |
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16 |
| 2021-03 |
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82 |
研究開発活動(本文)
FY2025|1,427 文字
6【研究開発活動】(1)「豆」に関する研究 「黒豆ポリフェノール クロノケア®」の機能性研究では、既に機能性表示食品の届出が受理されている「一過性の疲労感の軽減」や「一時的な日中の眠気の軽減」、「パソコンやスマートフォンなどのディスプレイ作業により生じる一過性の疲労感の軽減」の機能に加えて、新たな届出を目指して、起床時の疲労感や睡眠の質に不満をもつ健常男女を対象に臨床試験を実施しました。その結果、起床時の眠気が軽減し、脳波計による解析では寝つきが改善しました。また、合わせて実施した冷水負荷による掌皮膚表面温度の測定では、冷水負荷前後とも皮膚表面温度が高くなりました。血流改善作用や自律神経の調節作用のある「クロノケア」を摂取することで冷えが改善し、寝つきが良くなることで起床時の眠気が軽減した可能性が考えられます。現在投稿中の論文が受理された暁には、機能性表示食品の届出を進めるとともに、健康食品素材「クロノケア®」と、これを配合した通販商品「元気のおまもり」の販売に注力いたします。 また京都府立医科大学 生体免疫栄養学講座(フジッコ株式会社が参画する寄付講座)の内藤裕二教授らの研究グループは、高齢長寿地域において「豆類」の摂取がフレイルリスクの低下と関連することを明らかにしました。この研究成果は、日本食品科学工学会第71回大会(2024年8月)において発表しました。後期高齢者の著しい増加が見込まれている日本においては、今後ますますフレイルへの予防対策が重要となってくることが予想されます。そこで、『フジッコわくわくフォーラム~お豆で“腸”元気!』と題したフォーラムを開催し(2024年10月)、フレイル対策として「豆類」の活用を広報しました。このように、今後も豆に関する健康および機能性研究に継続して取り組んでまいります。 (2)「乳酸菌」に関する研究 「カスピ海乳酸菌」は室温での発酵が可能なことから、家庭で手軽にヨーグルトの手作りを行えます。武庫川女子大学との共同研究により、小学生の親子を対象に8週間継続して「カスピ海乳酸菌」を用いたヨーグルトの手作りを行ってもらい、生活の質(QOL)を評価しました。その結果、ヨーグルトの手作りを継続すると、子どものQOLの向上、ストレス度合いの低下、及び両親への気持ちの向上が見られました。この研究成果は、日本家政学会第76回大会(2024年5月)にて発表しました。フジッコでは、これまで、「カスピ海乳酸菌」の健康機能として、便秘傾向者への整腸作用や高齢者のフレイル対策へのエビデンスを取得してきました。今回、新たにお子様のQOLの向上にも寄与できるエビデンスが得られたことから、「カスピ海乳酸菌」の活用をより広めていくことで、全ての人々の健康が達成されるよう努めてまいります。 (3)「昆布」に関する研究 地球温暖化に伴う海水温上昇等の影響を受け、コンブの生産量は年々減少しており、特に2024年産の生産量は、過去最低を大幅に更新している状況です。現在、当社は、北海道大学およびコンブ産地との共同研究により高水温などストレス環境に耐性を持つコンブ株の育成や養殖方法の改善に取り組んでおります。これらの研究には時間を要しますが、産地と協力して取り組むことにより、少しでも早くコンブの生産量向上に結び付けていきたいと考えております。 なお、当連結会計年度の研究開発費は1,010百万円であります。
FY2024|1,849 文字
6【研究開発活動】(1)「豆」に関する研究 神戸大学と長年共同で取り組んでいる「黒豆ポリフェノール クロノケア®」の機能性研究では、既に機能性表示食品の届出が受理されている「一過性の疲労感の軽減」「一時的な日中の眠気の軽減」「パソコンやスマートフォンなどのディスプレイ作業により生じる一過性の疲労感の軽減」とは別の機能性に着目し、起床時の疲労感や睡眠の質に不満をもつ健常男女を対象に臨床試験を実施しました。現在解析中ですが、有効な結果が得られれば、今後、機能性表示食品の届出を進め、健康素材「クロノケア®」の販売を一層強化してまいります。大豆イソフラボンの機能性研究では、株式会社ダイセルとの共同研究により、当社が開発した大豆イソフラボン素材「フジフラボン®」と発酵オリゴ糖の一種であるラクトビオン酸を合わせて摂取することで、イソフラボンの吸収が促進され、肌の乾燥を自覚する健常な成人女性の肌機能が改善する結果が得られ、機能性表示食品の届出が受理されました。引き続き、株式会社ダイセルと協力して健康素材原料「フジフラボン®」の素材販売を推進してまいります。 2021年に発売した「ダイズライス」は、お米と比べて高タンパク質、低糖質なのに満腹感を得られる大豆食品です。お米の代わりの主食として食べることで、糖質を抑えつつ、手軽に植物性タンパク質を摂取できます。この「ダイズライス」を体験してもらうため、本社の社員食堂に提供し、さらにタウンドクター株式会社が提供する食事コーチングサービス「N・Partner」による食事指導と合わせた健康増進プログラムを実施しました。その結果、2か月間で全参加者の70%が0.5kg以上の減量に成功し、体脂肪率の減少や内臓脂肪レベルの低下等の体組成の変化が見られ、体内年齢の改善につながりました。食事指導と合わせた方が体重と腹囲の減少が見られたため、今後はN・Partnerの食事コーチングによる食事指導サービスと一緒に展開し、全国の社員食堂を持つ事業者向けに「ダイズライス」を提案していく予定です。 (2)「乳酸菌」に関する研究 高齢になるにつれ嚥下(えんげ)力の低下により、水のような粘りのない食品は飲みこみにくくなります。これは薬やサプリメントの服用時にも言えることで、水では服用が困難となります。「カスピ海ヨーグルト」は独特の粘りと水分の分離が少ない点が特徴であり、他のプレーンヨーグルトと比べて嚥下しやすいことが分かっております。当社では「カスピ海ヨーグルト」を服薬補助食品として活用するための研究を進め、第27回日本病態栄養学会年次学術集会(2024年1月)にて、医療法人藤仁会藤立病院らとの研究グループにより、「カスピ海ヨーグルト」を高齢者の服薬補助食品として活用した症例に関する研究報告を行いました。 その他、「カスピ海乳酸菌」に関し腸内の乳酸菌やビフィズス菌を増やすことが既に分かっていましたが、新たに腸内細菌叢全体に与える影響を網羅的に解析したところ、オシロスピラ属細菌が減少していることが確認できました。オシロスピラ属細菌は、便秘の人ではその細菌数が多い傾向があることが報告されています。腸内細菌は体全体の健康に深く関わっていることから、「カスピ海乳酸菌」が腸内細菌叢の変化を通して、体全体の健康に寄与している可能性が考えられます。この研究成果は日本農芸化学会2024年度大会(2024年3月)にて発表いたしました。 (3)「昆布」に関する研究 昆布に含まれる食物繊維のアルギン酸には、肥満抑制効果が報告されており、加工昆布での肥満抑制効果について大妻女子大学との共同研究で調べました。その結果、加工昆布の食物繊維摂取によって肥満が抑制され、適切な加工条件によって、その効果が強まることが分かりました。これらの研究成果は日本食品科学工学会の英文誌「Food Science and Technology Research」に掲載されました。 昆布の生産量は、地球温暖化に伴う海洋環境の変化の影響を受け、年々減少しております。現在、当社は北海道大学及び産地との共同研究により高水温などストレス環境に耐性を持つ昆布の育成や養殖方法の改善に取り組んでおります。これらの研究は時間を要しますが、産地と協力して取り組むことにより、少しでも早く昆布の生産性向上に結び付けていきたいと考えております。 なお、当連結会計年度の研究開発費は983百万円であります。
FY2023|1,850 文字
6【研究開発活動】(1)「豆」に関する研究 神戸大学と長年共同で取り組んでいる「黒豆ポリフェノール クロノケア®」の機能性研究では、「一過性の疲労感の軽減」「一時的な日中の眠気の軽減」「パソコンやスマートフォンなどのディスプレイ作業により生じる一過性の疲労感の軽減」について機能性表示食品の届出を行い、全て受理されました。「疲労感の軽減」と「日中の眠気の軽減」の2つのヘルスクレームや「ディスプレイ作業による生じる一過性の疲労感の軽減」が受理されている成分は他に知られておりません。さらに、「クロノケア®」の長期摂取の影響を調べた試験では、摂取により疲労感と血管機能がともに改善されること、特に摂取期間が長くなるにつれてその効果が高いこと、血管機能については血管年齢及び毛細血管の本数が改善されることが確認されました。この研究成果は、第27回日本フードファクター学会学術集会(2022年10月)で発表いたしました。これらの成果をもとに、健康食品素材「クロノケア®」と、これを配合した通販商品「黒豆粒のチカラ」の販売に注力いたします。そして、今後も継続して豆に関する機能性研究に取り組んでまいります。 大豆イソフラボンの機能性研究では、株式会社ダイセルとの共同研究により、当社が開発した大豆イソフラボン素材「フジフラボン®」と発酵オリゴ糖の一種であるラクトビオン酸を合わせて摂取することで、イソフラボンの吸収が促進され、肌の乾燥を自覚する健常な成人女性の肌の機能(角層水分量、経皮水分蒸散量、皮膚粘弾性)が改善することを明らかにいたしました。この研究成果は、第76回日本栄養・食糧学会大会(2022年6月)にて発表し、「薬理と治療(2022年50巻5号817-833)」誌に論文が掲載されました。今後は、この研究結果を用いて機能性表示食品への受理を目指し、株式会社ダイセルと協力して健康素材原料「フジフラボン®」の素材販売を推進してまいります。 大豆は、植物性のたんぱく質が豊富な資源として利用されております。徳島大学と共同でタクシー運転手の方を対象に「蒸し大豆」の継続摂取試験を行い、大豆摂取により筋力が向上することが明らかになりました。座業従事者、運動不足の方の筋力の維持・向上に寄与する事が期待されます。なお、この研究成果は日本栄養食糧学会の英文誌である「Journal of Nutritional Science and Vitaminology」誌に論文が掲載されました(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnsv/68/6/68_521/_article/-char/en)。 (2)「乳酸菌」に関する研究 「カスピ海ヨーグルト」で使用される「カスピ海乳酸菌」は室温での発酵が可能な事から、この乳酸菌を使うと簡単に家でヨーグルトを手作りすることが出来ます。一方、超高齢化社会においてフレイル予防の重要性が注目されており、当事者の行動変容を起こすことが求められております。そこで、高齢者の方に自宅で継続的にヨーグルトを手作りしていただいたところ、ヨーグルトの手作りにより精神・社会的フレイル指標が改善することが明らかになりました。この研究成果は園田学園女子大学との共同研究成果であり、第9回日本サルコペニアフレイル学会大会(2022年10月)で発表いたしました。この内容は広く一般消費者の皆様に認知いただけるよう、当社主催のウェブセミナー「イキイキシニアの健康習慣 正しく知っておきたい「フレイル」と手作りヨーグルトのヒミツ」でも紹介いたしました。 また、「カスピ海乳酸菌」は長寿地域と知られるコーカサス地方を起源とする乳酸菌です。「カスピ海乳酸菌」による線虫の寿命延伸に関する研究成果が微生物学の専門誌「Microbiology Spectrum」誌に掲載されました(https://doi.org/10.1128/spectrum.00454-21)。 (3)「昆布」に関する研究 地球温暖化に伴う海洋環境の変化の影響を受け、コンブの生産量は年々減少しております。現在、北海道大学及びコンブ産地との共同研究により高水温などストレス環境に耐性を持つコンブ株の育成に取り組んでおります。コンブ株の育成には、5年以上の長期間を要しますが、こうした長期的な観点での技術開発にも注力しております。 なお、当連結会計年度の研究開発費は973百万円であります。
FY2022|2,382 文字
5【研究開発活動】(1)「豆」に関する研究 長年共同で取り組んでいる神戸大学との黒大豆ポリフェノール「クロノケアSP」の機能性研究では、既にヒト試験で効果が確認されていた血管の柔軟性維持に関する機能について、2021年11月に機能性表示食品の届出が受理されました。さらに生体内抗酸化と自律神経の調節をメカニズムとした疲労感を軽減する新たな機能についてもヒト試験で効果が確認され(Akagi R., et al. 薬理と治療 49(6),953-964,2021)、2021年12月に機能性表示食品の届出が受理されました。「血管の柔軟性維持」と「疲労感の軽減」の2つのヘルスクレームが受理されている成分は他になく、まずはこれらの成果をもとに黒大豆ポリフェノールを関与成分とする健康食品原料「クロノケアSP」の素材販売と、これを配合したサプリメント「黒豆粒のチカラ」の通信販売に注力してまいります。 大豆を主原料とし、お米のように食べられる「ダイズライス(ブランド名:Beanus)」に関しては、女性を対象に摂取試験を行い、筋力トレーニングの併用により効果的に筋力を向上させることが明らかになりました。本研究成果は近畿大学との共同研究によるものであり、2021年9月の第76回日本体力医学会で発表いたしました。主食に「ダイズライス」を使用することで、無理なくたんぱく質摂取量を増やすことが可能となります。 また、大豆は古くから豆腐、味噌など多様な加工方法によって食されており、近年では蒸し大豆や水煮大豆のような素材に近い大豆食品も普及しております。これらの大豆食品のおいしさは、原料大豆の特性が大きく影響すると考えられます。国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)との共同研究では、定量的記述分析法(QDA:Quantitative descriptive analysis)を用いた官能評価により、大豆のもつ基本的な官能特性(外観、香り、食感、味、風味)を明らかにしました。さらにそれらの特性と嗜好性との関係を調査し、蒸し大豆の嗜好性に寄与する要因を把握することができました。これらの研究成果は2021年8月の日本食品科学工学会 第68回大会で発表いたしました。今後はこうした成果をもとに、よりおいしい製品づくりを目指してまいります。 (2)「乳酸菌」に関する研究 独特の粘りのある「カスピ海ヨーグルト」は高齢者にとって飲み込みやすいことから、オーラルフレイルに係る効果の研究を進めており、服薬補助食品としての利用可能性を明らかにしました。研究成果は岩手医科大学、帝京平成大学との共同研究によるものであり、日本食品科学工学会第68回大会で発表し、食品物性の専門誌であるJournal of Texture Studies誌に論文(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/jtxs.12665)が掲載されました。今後は介護臨床現場での活用を提案し、高齢社会における「カスピ海ヨーグルト」の価値をお客様へ提供したいと考えております。 また、「カスピ海ヨーグルト」の免疫機能に及ぼす影響を調べるために、乳酸菌クレモリス菌FC株の菌末を4週間摂取し、便通改善及び免疫力スコアに及ぼす影響を調べました。この免疫力スコアは、ストレスや病気、老化の影響を受けやすい免疫機能に絞り、複数の検査項目を総合的に評価できる免疫力指標で、得点が高いほど総合的に良好であることを意味します。結果、一部の免疫細胞の数が少ない対象者のみを集めた層別解析により、クレモリス菌FC株の継続摂取が免疫力スコアを高めることが明らかになりました。加えて、排便状況が改善するだけでなく、便中の乳酸菌数やビフィズス菌数が増加することも明らかになりました。本研究成果は、2022年3月の日本農芸化学会大会で発表いたしました。将来的には機能性表示食品の届出を目指しており、継続して免疫に関する機能性研究に取り組んでまいります。 その他、オーラルケア に役立つL8020乳酸菌を配合したお口の善玉菌「デンタフローラ」では、継続的な摂取により、歯ぐきの状態が改善すること、口臭や口のねばつきが改善することを明らかにしました。研究成果は広島大学との共同研究によるものであり、第16回歯科衛生学会で発表し、日本歯科衛生学会雑誌(Vol 16 (2), 2022)に論文が掲載されました。引き続き研究エビデンスを積み重ね、お客様へ有益となる情報を提供してまいります。 (3)「昆布」に関する研究 温室効果ガスが地球温暖化に影響すると言われていますが、昆布をはじめとする海藻は温室効果ガスの削減にも貢献していることが分かっております。“海の森”を維持拡大していくことの必要性を認識しており、現在、北海道大学との共同研究で高水温などストレス環境に耐性を持つコンブ株の育成に取り組んでいます。コンブ株の育成には、5年以上の期間を要しますが、当社はこうした長期的な観点での技術開発にも注力しており、SDGsに適った資源確保に向けた昆布の育種研究を進めております。 また、昆布由来の機能性多糖を中心に機能性研究を大妻女子大学と進めております。研究結果として内臓脂肪や血中中性脂肪の低減、食後血糖値上昇抑制等の生活習慣病の改善が認められ、昆布多糖による腸内細菌叢改善効果がそのメカニズムと考えられました。本研究の成果は2022年3月日本農芸化学会大会で発表いたしました。 当社は「おいしさ価値」と「健康価値」の科学的な解明を通じて、その成果をお客様に満足していただける製品開発に役立ててまいります。 なお、当連結会計年度の研究開発費は962百万円であります。
FY2021|1,449 文字
5 【研究開発活動】(1)「乳酸菌」に関する研究クレモリス菌FC株で発酵させた「カスピ海ヨーグルト」の摂取が運動機能に及ぼす影響について、運動との併用試験で高齢者の握力が向上することを確かめており、このメカニズムの解明試験を実施いたしました。京都府立大学と共同研究を行い、クレモリス菌FC株の発酵乳の摂取により筋タンパクの合成シグナルが活性化することが明らかになり、第75回日本体力医学会で発表いたしました。今後は本結果を学術論文にまとめ、これを基礎データとして、近年社会問題となっているフレイルやサルコペニアに対する有効性の検証を継続してまいります。オーラルケアに役立つL8020乳酸菌を配合した「お口の善玉菌『デンタフローラ』」では、広島大学との共同研究において、既に報告した単回摂取試験に加え、長期摂取による口内環境への影響をヒト試験で評価いたしました。いくつかの有効性に関する結果は得られており、2021年度開催予定の第16回歯科衛生学会で発表の準備を進めております。引き続き研究エビデンスを積み重ね、お客様へ有益となる情報を提供してまいります。2020年3月に発売を開始した「大豆で作ったヨーグルト」は、お客様により満足いただける製品を目指し、2021年3月にリニューアルいたしました。新しい製法により滑らかさが向上し、よりおいしく召し上がりやすい品質に改善いたしました。一方、予備試験において「大豆で作ったヨーグルト」を食べることで生活習慣病の改善やQOLの改善(便通改善、体重の減少、疲れやストレスの改善、肌の改善等)が期待できる結果が得られております。今後もおいしさと健康の両面でお客様に満足いただけるよう取り組んでまいります。 (2)「豆」に関する研究帯広畜産大学との共同研究により、金時豆煮豆には、腸内細菌による短鎖脂肪酸の合成を促進し、腸内環境を改善する可能性があることが分かり、このメカニズムとして金時豆煮豆に含まれる食物繊維のひとつであるレジスタントスターチとポリフェノールが関与していることが明らかになりました。本成果は著名な学術雑誌「Bioactive Carbohydrates and Dietary Fibre誌:https://doi.org/10.1016/j.bcdf.2020.100232」に掲載されました。また、長年共同で取り組んでいる神戸大学との黒大豆ポリフェノールの機能性研究では、ヒト試験で効果が確認されている血管の柔軟性維持に関する機能について、機能性表示食品の届出の準備を進めてまいりました。さらに、生体内抗酸化力をメカニズムとした新たな機能性についてのヒト試験も実施し、有効な結果が得られました。今後も、継続して豆に関する機能性研究に取り組んでまいります。 このように、主に「カスピ海ヨーグルト」、「大豆で作ったヨーグルト」及び豆の健康面での機能性を明らかにしてまいりました。さらに、ヨーグルト製品、豆製品、昆布製品において、おいしさの評価研究にも注力しております。素材原料の味・香り・食感などについてお客様が「おいしい」と感じる要因を科学的な手法で解明することにより、お客様に「おいしい」と感じていただける製品を安定的に提供することを最終の目的としております。今後も「健康価値」と「おいしさ価値」を明らかにする研究を進めて、お客様に満足していただける製品を創造してまいります。 なお、当連結会計年度の研究開発費は965百万円であります。
FY2020|1,485 文字
5 【研究開発活動】(1)「乳酸菌」に関する研究クレモリス菌FC株で発酵させた「カスピ海ヨーグルト」の摂取が運動機能に及ぼす影響について和歌山大学の本山先生と共同研究を行い、運動との併用試験では高齢者の握力が向上すること、アスリートのコンディション維持に役立つことが明らかとなり、これらは第74回日本体力医学会で発表いたしました。今後はそのメカニズム解明等の研究を進めるとともに、フレイル、サルコペニアに対する有効性の検証も行ってまいります。2019年3月より発売を開始した、オーラルケアに役立つL8020乳酸菌を配合した「お口の善玉菌『デンタフローラ』」では、広島大学との共同研究で摂取試験を行い、口臭の低減、歯周病菌数の減少など口内環境改善に寄与する可能性が示唆され、第68回日本口腔衛生学会および第14回日本歯科衛生学会でその成果を発表いたしました。引き続きエビデンスを積み重ね、本商品の機能性表示化を進めてまいります。また、2020年3月よりまるごと大豆を乳酸菌で発酵させた新商品「大豆で作ったヨーグルト」を発売いたしました。大豆をまるごと使用しているため(薄皮は除く)、食物繊維やイソフラボン、大豆タンパク質などが豊富に含まれ、また乳酸菌による発酵で葉酸が増加しているなど、健康効果が大いに期待される商品であります。今後研究を進め、さらに健康機能を明らかにしてまいります。 (2)「豆」に関する研究帯広畜産大学との共同研究により、金時豆煮豆には、腸内細菌による短鎖脂肪酸の合成を促進し、pHを下げることにより腸内環境を改善する可能性があることを明らかにしました。これは、金時豆煮豆に含まれる食物繊維の1つであるレジスタントスターチとポリフェノールが関与していることが明らかになってまいりました。また、長年共同で取り組んでいる神戸大学との黒大豆ポリフェノールの機能性研究では、その血管機能改善メカニズムについて、血糖値を下げるホルモンとして知られているGLP-1の分泌を介した一酸化窒素(NO)の産生促進によることが確認され、その成果は第7回国際フードファクター会議(ICoFF2019)にて発表いたしました。 (3)「昆布」に関する研究昆布に含まれる食物繊維の物性や分子量が変化し、抗肥満作用が増強されることについて、さらに新しい知見が得られました。昆布が加熱加工されることで、昆布中の主にアルギン酸の分子量が特定の大きさに低分子化されることが必要であることがわかりました。これは食した際の粘性などの物性とも関係していると考えております。また、佃煮昆布や塩昆布の分子量を調べたところ、本範囲に低分子化されていることも分かりました。これについては2019年8月の日本食品科学工学会大会で発表いたしました。その他、昆布出汁成分による抗ストレス効果について、昆布出汁に含まれる特有の成分が関与することを明らかにしました。 「カスピ海ヨーグルト」、豆や昆布の健康面での機能性を明らかにしてまいりましたが、さらに、おいしさの評価研究にも注力しております。素材原料の味・香り・食感などについてお客様が「おいしい」と感じる要因を科学的な手法で解明することにより、お客様に「おいしい」と感じて頂ける商品を正確に、安定的に提供する事を最終の目的としております。今後も研究を進めて豆・昆布およびヨーグルト商品の「健康価値」と「おいしさ価値」を明らかにするとともに、お客様に満足していただける商品提供へ役立ててまいります。 なお、当連結会計年度の研究開発費は842百万円であります。
FY2019|1,133 文字
5 【研究開発活動】(1)「乳酸菌」に関する研究クレモリス菌FC株に加えてビフィズス菌を配合した乳酸菌サプリメント「善玉菌のチカラEX」では、「お通じを改善する(関与成分:クレモリス菌FC株)」と「腸内環境を整える(関与成分:ビフィズス菌BB536)」というダブルヘルスクレームの機能性表示が新たに可能となりました。また、クレモリス菌FC株の機能性エビデンスでは、モデル実験動物である線虫を用いた、クレモリス菌FC株やその菌体外多糖(EPS)の摂食試験により寿命延長効果(30%程度延長)がこれまでに確認されていましたが、今回さらにサルモネラ菌などの病原菌に対する抵抗性も向上することが明らかになりました。本研究成果は第72回日本栄養・食糧学会大会等で発表いたしました。最近では、広島大学大学院の二川浩樹教授が発見したオーラルケアに役立つL8020乳酸菌に着目し、その発酵物を配合した「お口の善玉菌『デンタフローラ』」を開発・発売いたしました。今後も共同研究を継続し、L8020乳酸菌のオーラルケアに関する新たなエビデンスを学会等で発表していく予定です。 (2)「豆」に関する研究金時豆煮豆に含まれるレジスタントスターチの機能性について帯広畜産大学との共同研究による動物実験でその脂質代謝改善作用と腸内環境改善作用について明らかにしました。本成果に関して2019年5月の第73回日本栄養・食糧学会大会で発表いたしました。また、金時豆の種皮に含まれるポリフェノールの機能性についても研究を行い、黒大豆とは異なる特徴を見出し、新規の機能性を有することが明らかになりつつあります。また、長年共同で取り組んでいる神戸大学との黒大豆ポリフェノールの機能性研究では、血管年齢を若返らせる効果が示されました。この結果は、煎り黒豆や黒豆のきな粉を含む食品で行った臨床試験でも確認され、その成果は日本農芸化学会2019年度大会で発表されました。 (3)「昆布」に関する研究昆布を加熱加工することで、昆布に含まれる食物繊維の物性や分子量が変化し抗肥満作用が増強されることについて、大妻女子大学との共同研究で証明しました。本成果は、日本農芸化学会2019年度大会で発表しました。この抗肥満作用の増強のためには最適な昆布の加熱加工条件の範囲があることが分かりましたので、昆布を原料とした健康機能性食品の今後の開発に役立てることが期待できます。また、和食の基本である昆布だしの機能性研究を行い、味や風味だけでなく、日本人の健康にとっても重要な価値を有することを見出しました。和食のさらなる価値向上につなげていきたいと考えております。 なお、当連結会計年度の研究開発費は780百万円であります。
FY2018|1,180 文字
5 【研究開発活動】(1)「カスピ海ヨーグルト」に関する研究クレモリス菌FC株含有食品摂取による整腸効果について、健常者を対象とした臨床試験を行いました。この試験結果によって、「善玉菌のチカラ」に“お通じを改善する”という機能性表示食品としての表示が可能になりました。また、クレモリス菌FC株が産生する粘り成分である菌体外多糖(EPS)の抗炎症作用に関する研究や整腸作用など、「カスピ海ヨーグルト」の健康効果に関連した研究成果を学術専門誌に投稿し、3報が掲載されました。老化や生体防御研究の有用なモデル動物である線虫にクレモリス菌FC株の菌体及びEPSを摂食させたところ、寿命が延長し、老化に伴う自発的運動の低下も抑えられることを明らかにしました。これらはクレモリス菌FC株の菌体及びEPSにより生体防御機能が賦活化されたためであり、「カスピ海ヨーグルト」が人の健康長寿に寄与する要因の一つであると考えられます。本研究成果は、日本農芸化学会2018年度大会において発表しました。 (2)「大豆」に関する研究“骨の成分の維持に役立つ”機能性表示食品として、「イソフラボン煎り黒豆」が新たに受理されました。また、当社の豊富な大豆イソフラボンの研究成果を中心にシステマティック・レビューとしてまとめた資料は、自社製品の機能性表示食品の届出の他、大豆イソフラボン素材「フジフラボン」の新規顧客の開拓にも貢献しました。黒大豆ポリフェノールの血管機能に対する有効性について臨床試験を行いました。その結果、血管の柔軟性を維持する作用が明らかとなり、学術専門誌に掲載されました。今後、黒大豆種皮抽出物「クロノケア」や黒大豆製品の販売への貢献が期待されます。また、神戸大学との共同研究により行った臨床試験では、黒大豆を含むクッキーを摂取した時の健康有用性が確認されており、日本栄養・食糧学会などで発表を予定しています。 (3)「昆布」に関する研究昆布に多量に含まれ特有の生理作用をもつ食物繊維の分析方法に関する研究を行いました。一般に藻類の食物繊維を水溶性と不溶性に分別することは困難とされていますが、用いる溶媒によっても分析値が大きく変動するため、昆布食物繊維の生理学的な評価においては、定量分析条件を明確にすることが重要であることが分かりました。高脂肪食の摂取によりマウスは肥満しますが、昆布を餌に混ぜて与えると体重や内臓脂肪重量の増加は著明に抑えられます。この効果は昆布の種類、特に水溶性食物繊維の割合が強く影響していることを明らかにしました。本結果は、日本農芸化学会2018年度大会において発表しましたが、今後は、調理・加工後の昆布の作用やその腸内発酵性などの検討を行い、昆布の有用性の科学的評価を行います。 なお、当連結会計年度の研究開発費は6億94百万円であります。
FY2017|1,152 文字
6 【研究開発活動】(1)「カスピ海ヨーグルト」に関する研究カスピ海ヨーグルトの大きな特徴のひとつは、糸引き性を伴う強い粘りです。この粘りは、クレモリス菌FC株が産生する菌体外多糖(エキソポリサッカライド)によるもので、免疫賦活作用を有しています。第57期は、神戸大学との共同研究でエキソポリサッカライド合成遺伝子群の解析を行い、その配列を決定しました。さらに、クレモリス菌FC株の全ゲノム解読も進めており、今後もカスピ海ヨーグルトの安定生産のための基礎的知見を積んでいきます。 (2)大豆の機能性研究黒大豆種皮ポリフェノール抽出物及び煎り黒大豆を用いたヒト投与試験を行い、血管内皮機能の改善作用について検討しました。その結果、加速度脈波計により計測される血管年齢が、試験食品の摂取により改善されることを明らかにしました。黒大豆に含まれるポリフェノール類の抗酸化作用により、血管内皮機能が改善されたと考えられます。これらの結果は、日本農芸化学会2017年度大会において発表しました。大豆に関する研究は、「戦略的イノベーション創造プログラム」、「ひょうご健康都市推進協議会」、「フードバレーとかち推進協議会」等の活動に参画し、積極的に進めています。 (3)昆布の研究昆布には多量の食物繊維が含まれていますが、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の分別分析は通常できないとされています。AOAC(食品検査法の標準化や分析手法の妥当性を評価する国際的な機関)法を精査することにより、抽出に用いる溶媒によって、昆布に多量に含まれるアルギン酸の水溶性が大きく変化することが明らかになりました。日本で一般に行われている分析法では、アルギン酸は水溶化し、極めて強い粘性が出るために濾過ができず、分析困難になっていることが分かりました。昆布にはアルギン酸の他、ラミナランやフコイダンなどの陸上植物にはない食物繊維が含まれているため、生理活性においても特徴的な作用が期待されます。 (4)新たな機能性表示食品制度への取り組み機能性表示食品は、6品を届出、受理され、合計8品になりました。第57期に新たに受理された品目は、「蒸し黒豆」、「お料理だいず水煮」、「煎り黒豆」(骨の成分の維持に役立つ。機能性関与成分は、大豆イソフラボン)、「きらめきアイ」(コントラスト感度の改善やブルーライトなどの光刺激からの保護によって、目の調子を整える機能。機能性関与成分は、ルテイン、ゼアキサンチン)、「うるるん姫」(肌のうるおいを保ち、乾燥をやわらげる。機能性関与成分は、ヒアルロン酸Na)、「楽々てくてくグルコサミン」(関節軟骨を保護する。機能性関与成分は、グルコサミン)です。 なお、当連結会計年度の研究開発費は6億41百万円であります。
FY2016|910 文字
6 【研究開発活動】(1)「カスピ海ヨーグルト」に関する研究乳酸菌クレモリスFC株に関する基礎的な研究は、九州大学、神戸大学、海外の専門機関等との共同研究又は共同開発に取り組んでいます。クレモリスFC株が産生する粘り成分であるEPS(菌体外多糖)のアレルギーモデルマウスに対する作用については、昨年度に引き続き、大阪府立大学との共同研究結果を日本食品科学工学会において発表しました。 (2)大豆の機能性研究芝浦工業大学及び神戸大学との黒大豆種皮ポリフェノールに関する共同研究では、“戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)”に協力機関として参画しています(2/5年目)。北海道十勝管内の自治体、経済団体等でつくる“フードバレーとかち推進協議会”では、包括的連携協定を締結し、研究に取り組んでいます。帯広市の十勝産業振興センター内にピニトール(大豆の葉や茎に含まれる機能性糖類)の抽出・精製テストプラントを導入し、試験を開始しました。ピニトールの機能性研究については、神戸大学と共同で予備的なヒト試験に取り組みました。 (3)昆布の研究当社の基幹素材のひとつである昆布の健康効果は一般に広く認知されているにも関わらず科学的な研究データが少ない分野です。大阪府立大学との共同研究によって、北海道産昆布の比較的分子量の小さいアルギン酸に免疫調節作用が強いことを明らかにし、学術誌“Journal of Applied Glycoscience”に論文が掲載されました。今後も、アルギン酸、フコイダン、ラミナランなどの昆布の水溶性食物繊維を中心に研究の展開を行います。 (4)新たな機能性表示食品制度への取り組み平成27年4月に始まった機能性表示食品制度が注目されています。当社でもこれまでに大豆イソフラボンを関与成分とし、“丈夫な骨の維持に役立つ”2製品が受理されています。「そのままがおいしい蒸し大豆」は、大豆加工食品としては初めての機能性表示食品であり、販売面においても表示の効果が認められています。通販用商品を含めて、今後もさらに多くの届出を行う予定です。 なお、当連結会計年度の研究開発費は6億3百万円であります。