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日清食品ホールディングス(2897)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

食料品 食品

事業の概要

  • 即席めん中心の食品事業
    日清食品ホールディングスは、即席めんの製造・販売を中核事業としています。これは、カップ麺や袋麺といった手軽に食べられる食品を国内外で展開し、消費者の食生活を支えることで収益を上げています。
  • 周辺事業への展開
    即席めん事業だけでなく、その他食品事業や物流業といった周辺事業にも手を広げています。これにより、食品製造から流通まで一貫したバリューチェーンを構築し、事業の多角化と安定化を図っています。
  • 海外での事業拡大
    日本国内に留まらず、海外の現地子会社や関連会社を通じて即席めんなどの製造・販売を行っています。また、これらの海外法人への技術援助も実施しており、グローバル市場での事業領域を積極的に拡大し、成長機会を追求しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • インスタント食品事業
    即席めんを主とするインスタント食品の製造及び販売が中核事業です。カップ麺や袋麺など、手軽に楽しめる食品を国内外の消費者に提供し、日清食品グループの主要な収益源となっています。
  • その他食品事業
    即席めん以外の食品分野にも事業を展開しています。これにより、製品ポートフォリオを多様化し、消費者の幅広いニーズに応えることで、事業の安定性と成長性を高めています。
  • 物流業等の周辺事業
    食品製造・販売を支える物流業など、周辺事業にも展開しています。これにより、サプライチェーン全体の効率化を図り、製品の安定供給を実現するとともに、事業の多角化を通じてグループ全体の収益基盤を強化しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|281 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、持株会社制を採っており、即席めんを主とするインスタント食品の製造及び販売を中核として、その他食品事業、物流業等の周辺事業への展開を図っております。海外においても、現地子会社及び関連会社による即席めん等の製造・販売やこれら現地法人に対する技術援助などにより業域を拡大しております。 以上についての概要図は次のとおりであります。  なお、当社は特定上場会社等であります。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
「チキンラーメン」、「カップヌードル」などの主力製品が永年にわたりお客様に親しまれている。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
「チキンラーメン」、「カップヌードル」などの主力製品のブランド価値。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:PL(製造物責任) / BCP(災害・事故) / コンプライアンス
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 13 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★★☆
根拠:強いブランド・特許・許認可

「カップヌードル」「チキンラーメン」といった強力なブランド力と長年の歴史を持つ。特にカップヌードルは世界中で認知されており、海外売上高比率も4割を超える。長年のCM展開やキャラクター活用によるブランド浸透は他社が容易に模倣できない無形資産となっている。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

インスタントラーメンは一般的に価格や味の好みが乗り換えの主要因となるため、スイッチング・コストは低い。しかし、長年のブランドロイヤリティや習慣化された消費行動が一定の乗り換え障壁となっている可能性はある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

インスタント食品の製造・販売事業において、直接的なネットワーク効果はほとんど見られない。ユーザーが増えることで製品価値が向上するような構造ではない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の経験と規模の経済により、効率的な生産体制を構築している。原材料調達や製造プロセスにおけるノウハウ蓄積は、一定のコスト優位性をもたらしていると考えられる。しかし、小麦粉価格の変動など外部要因の影響も受ける。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

インスタントラーメン市場において、国内トップクラスのシェアを誇る。グローバルにも展開しており、生産・販売網の規模は大きい。この規模は、新規参入企業にとって大きな参入障壁となり得る。

  • 厳格な品質管理体制
    食品メーカーとして、お客様に安全・安心な食品を提供するため、厳密な品質管理基準を設け、生産を行っています。高性能X線検査機の導入や原材料の自動トレースシステム、独自の食品安全監査基準(NISFOS)に基づく監査を通じて、異物混入対策や品質維持に努め、消費者からの信頼を獲得しています。
  • 強固なリスク管理体制
    代表取締役副社長・COOを委員長とする「総合リスク対策委員会」を設置し、商品事故、BCP(事業継続計画)、コンプライアンス、情報セキュリティを重点リスクと位置付けています。3ラインモデルによる管理体制を確立し、リスクの予防・発見・管理・対応を行うことで、事業の安定性と継続性を確保しています。
  • グローバルな事業展開と技術支援
    海外においても現地子会社や関連会社による即席めん等の製造・販売、およびこれら現地法人への技術援助を通じて業域を拡大しています。これにより、多様な市場でのブランド認知度向上と、地域ごとのニーズに合わせた製品開発・供給が可能となり、国際競争力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、創業者が掲げた「食足世平」「食創為世」「美健賢食」「食為聖職」の4つの精神をもとに、常に新しい食の文化を創造し続ける「食文化創造集団」となり、環境・社会課題を解決しながら持続的成長を果たすことによって、グループ理念である「EARTH FOOD CREATOR」の体現を目指してまいります。また、総合食品企業グループとして、各カテゴリーの中で常にNo.1ブランドを創造・育成していき、No.1ブランドの集合体として形成される「ブランディングコーポレーション」の実現を目指し、より一層、ゆるぎない経営基盤を築きながら、企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。 (2)経営環境及び対処すべき課題等当連結会計年度における世界経済は、各国の政策をめぐる不確実性や地政学リスクの高まりにより、先行きへの不透明感が継続しました。国内においては、雇用や所得環境の改善の動きがみられ、景気は緩やかに回復基調にありますが、物価上昇を受けた節約志向の高まりから、個人消費は力強さを欠く状況となりました。かかる環境下、即席めん業界においては、相対的な価格の手頃感や利便性が再評価され、世界総需要は過去最高となりました。こうした中で、当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」で掲げたビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。 ① 日清食品グループのNext Milestone急成長を遂げた2023年度に、2030年度までに通過するNext Milestoneとして、売上収益1兆円、既存事業コア営業利益1,000億円、時価総額2兆円を新たに設定いたしました。 ② 中長期的な経済価値ターゲット持続的な利益成長に加え、効率的な資本活用、安全性ある負債活用、そして安定的な株主還元の4つをCSV経営上の中長期的経済価値ターゲットとしてコミットしてまいります。 ③ 中長期的な成長推移と今後の戦略 海外事業の拡大とともに、売上収益・既存事業コア営業利益は、過去10年で大きく伸長いたしました。 今後も、Next Milestoneに向けて、収益の柱である国内即席めん事業をベースに、海外事業のさらなる拡大を中心に持続的な成長を目指してまいります。 ④ 「完全メシ」は70億円突破。2025年度は100億円ブランドへ・「完全メシ」とは 「完全メシ」は、「日本人の食事摂取基準」で設定されたビタミン・ミネラルなど33種類の栄養素とおいしさの完全なバランスを追求したブランドであります。当社の最新フードテクノロジーを駆使することでたんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素のほか、ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸もバランスよく整え、さらに、栄養素独特の苦みやエグみを抑えることで、普段の食事と変わらないおいしさを実現しております。 ・ブランド認知とビジネス展開の加速 「完全メシ」は、カップメシやカップめんといった常温品、温めていただくだけで召し上がれる冷凍食品だけでなく、社員食堂での提供、小売店でのお惣菜弁当、他メーカー様とのコラボ商品といった形でも展開しております。さらに通販チャネルや保険業界との協議を通じて、より多くのシーンで「完全メシ」をお届けし、その認知とビジネス展開を加速してまいります。 ⑤ EARTH FOOD CHALLENGE 2030 日清食品グループ環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を策定し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指したさまざまな取組を進めております。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、創業者が掲げた「食足世平」「食創為世」「美健賢食」「食為聖職」の4つの精神をもとに、常に新しい食の文化を創造し続ける「食文化創造集団」となり、環境・社会課題を解決しながら持続的成長を果たすことによって、グループ理念である「EARTH FOOD CREATOR」の体現を目指してまいります。また、総合食品企業グループとして、各カテゴリーの中で常にNo.1ブランドを創造・育成していき、No.1ブランドの集合体として形成される「ブランディングコーポレーション」の実現を目指し、より一層、ゆるぎない経営基盤を築きながら、企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。 (2)経営環境及び対処すべき課題等当連結会計年度における世界経済は、各国の政策をめぐる不確実性や地政学リスクの高まりにより、先行きへの不透明感が継続しました。国内においては、雇用や所得環境の改善の動きがみられ、景気は緩やかに回復基調にありますが、物価上昇を受けた節約志向の高まりから、個人消費は力強さを欠く状況となりました。かかる環境下、即席めん業界においては、相対的な価格の手頃感や利便性が再評価され、世界総需要は過去最高となりました。こうした中で、当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」で掲げたビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。 ① 日清食品グループのNext Milestone急成長を遂げた2023年度に、2030年度までに通過するNext Milestoneとして、売上収益1兆円、既存事業コア営業利益1,000億円、時価総額2兆円を新たに設定いたしました。 ② 中長期的な経済価値ターゲット持続的な利益成長に加え、効率的な資本活用、安全性ある負債活用、そして安定的な株主還元の4つをCSV経営上の中長期的経済価値ターゲットとしてコミットしてまいります。 ③ 中長期的な成長推移と今後の戦略 海外事業の拡大とともに、売上収益・既存事業コア営業利益は、過去10年で大きく伸長いたしました。 今後も、Next Milestoneに向けて、収益の柱である国内即席めん事業をベースに、海外事業のさらなる拡大を中心に持続的な成長を目指してまいります。 ④ 「完全メシ」は70億円突破。2025年度は100億円ブランドへ・「完全メシ」とは 「完全メシ」は、「日本人の食事摂取基準」で設定されたビタミン・ミネラルなど33種類の栄養素とおいしさの完全なバランスを追求したブランドであります。当社の最新フードテクノロジーを駆使することでたんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素のほか、ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸もバランスよく整え、さらに、栄養素独特の苦みやエグみを抑えることで、普段の食事と変わらないおいしさを実現しております。 ・ブランド認知とビジネス展開の加速 「完全メシ」は、カップメシやカップめんといった常温品、温めていただくだけで召し上がれる冷凍食品だけでなく、社員食堂での提供、小売店でのお惣菜弁当、他メーカー様とのコラボ商品といった形でも展開しております。さらに通販チャネルや保険業界との協議を通じて、より多くのシーンで「完全メシ」をお届けし、その認知とビジネス展開を加速してまいります。 ⑤ EARTH FOOD CHALLENGE 2030 日清食品グループ環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を策定し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指したさまざまな取組を進めております。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】   文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、各国の政策をめぐる不確実性や地政学リスクの高まりにより、先行きへの不透明感が継続しました。国内においては、雇用や所得環境の改善の動きがみられ、景気は緩やかに回復基調にありますが、物価上昇を受けた節約志向の高まりから、個人消費は力強さを欠く状況となりました。 かかる環境下、即席めん業界においては、相対的な価格の手頃感や利便性が再評価され、世界総需要は過去最高となりました。 こうした中で、当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」で掲げたビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。 a. 財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ360億78百万円増加し、8,484億61百万円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ591億87百万円増加し、3,365億59百万円となりました。 当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ231億8百万円減少し、5,119億1百万円となりました。 なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。 b. 経営成績 当連結会計年度の経営成績は、売上収益では前期比6.0%増の7,765億94百万円となりました。利益面では、既存事業コア営業利益(注1)は前期比3.6%増の835億39百万円、営業利益は前期比1.4%増の743億69百万円、税引前利益は前期比0.2%減の767億98百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比1.6%増の550億19百万円となりました。 また、為替変動による影響を除くと、売上収益では前期比5.2%増の7,712億25百万円、既存事業コア営業利益は前期比1.8%増の820億18百万円となりました。(注2) なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。 (注1)既存事業コア営業利益とは、営業利益から新規事業にかかる損益及び非経常損益としての「その他収支」を控除したものであり、中長期成長戦略上、2022年3月期以降、積極的かつ継続的な先行投資を予定する新規事業にかかる損益を分離し、その成長投資の基盤となる既存事業の実質的な成長を測定することを目的に採用している指標であります。(注2)2025年3月期の外貨金額を、前期の為替レートで円換算して比較しております。    <連結業績> (単位:百万円)区分前連結会計年度当連結会計年度前期比自 2023年4月1日至 2024年3月31日自 2024年4月1日至 2025年3月31日金額%売上収益732,933776,59443,6606.0既存事業コア営業利益80,60183,5392,9373.6営業利益73,36174,3691,0071.4税引前利益76,91576,798△116△0.2親会社の所有者に帰属する当期利益54,17055,0198491.6   報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。 (日清食品) 日清食品㈱の販売状況は、カップめん類、カップライス類が売上を伸ばし、前期比で増収となりました。カップめん類では、「カップヌードル」、「日清のどん兵衛」、「日清焼そばU.F.O.」ブランドの主力商品は売上が堅調に推移し、さらに2024年10月発売の「日清の利きどん兵衛」シリーズに加え、2025年2月に発売した「開運どん兵衛」が売上に貢献し順調に推移しています。カップライス類では、「日清カレーメシ」シリーズが引き続き好調を維持しています。袋めん類では、2024年3月発売の「日清ラ王 3食パック」シリーズが新たな需要を開拓しました。利益面では、原材料価格や物流費の上昇等がありましたが、増収効果により増益となりました。 この結果、報告セグメントにおける日清食品の売上収益は、前期比2.8%増の2,387億81百万円、コア営業利益(注3)は、前期比3.6%増の306億19百万円、営業利益は、前期比3.8%増の308億77百万円となりました。 (明星食品)明星食品㈱の販売状況は、多様なニーズに対応したマーケティング戦略が奏功し、カップめん類、袋めん類とも、前期比で増収となりました。カップめん類では、主力の「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」シリーズや「明星 ぶぶか油そば」が大きく伸長し貢献しました。袋めん類では、「明星 チャルメラ」シリーズが堅調に推移しました。利益面では、増収効果により、前期比で増益となりました。この結果、報告セグメントにおける明星食品の売上収益は、前期比4.4%増の453億74百万円、コア営業利益(注3)は、前期比11.9%増の30億63百万円、営業利益は、前期比10.9%増の31億26百万円となりました。 (低温・飲料事業)チルド事業は、「チルド 日清焼そばU.F.O.」が売上に大きく貢献したほか、「麺の達人」、「有名店シリーズ」や、夏場に冷し群が好調に推移したこと等により、前期比で増収となりました。利益面では、売上増となったものの原価率の上昇等により前期比で減益となりました。冷凍事業は、ラーメン類では「冷凍 日清中華 汁なし担々麺」、「冷凍 日清まぜ麺亭 台湾まぜそば」、パスタ類では「冷凍 日清もちっと生パスタ」の好調に加え、新商品「冷凍 日清スパ王喫茶店」の貢献や、価格改定効果もあり、前期比で増収となりました。利益面では、原材料価格や物流費の上昇等によるコストアップがありましたが、増収効果により前期比で増益となりました。飲料事業は、「ピルクルひざアクティブ」が新商品として加わった「ピルクル」シリーズが好調に推移したほか、「十勝のむヨーグルト」シリーズの貢献もあり、前期比で増収となりました。利益面では、原材料費の増加がありましたが、増収効果により前期比で増益となりました。この結果、報告セグメントにおける低温・飲料事業の売上収益は、前期比6.4%増の1,013億49百万円、コア営業利益(注3)は、前期比12.7%増の86億81百万円、営業利益は、前期比12.9%増の86億85百万円となりました。 (菓子事業)㈱湖池屋は「湖池屋プライドポテト」シリーズや「湖池屋ストロング」シリーズ等の高付加価値商品の販売が拡大したことに加え、国内外での価格改定等が奏功したことで、原材料費等の増加を吸収し、前期比で増収増益となりました。日清シスコ㈱は「ごろグラ」や「シスコーン」シリーズといったシリアルに加え、「ココナッツサブレ」シリーズ等が好調に推移し、前期比で増収増益となりました。ぼんち㈱は「ぼんち揚」「ポンスケ」等のファミリーパックやバリュープライスアイテムが好調に推移し、前期比で増収増益となりました。この結果、報告セグメントにおける菓子事業の売上収益は、前期比8.6%増の924億43百万円、コア営業利益(注3)は、前期比16.9%増の57億66百万円、営業利益は、前期比19.9%増の53億92百万円となりました。 (米州地域) 米州地域全体では、引き続き新たな需要創造に向けた高付加価値商品の提案強化や導入推進に取り組んでいます。売上については、ブラジルにおける生産体制の強化による「Nissin Lamen」等の主力製品の販売数量増加に加え、価格改定に伴う売上の増加が、米国における一部流通の販売数量減少を補完し、セグメント全体で増収となりました。 利益については、ブラジルでは増益となったものの、米国での販売数量減及び物流費用等の増加により、セグメント全体で減益となりました。 この結果、報告セグメントにおける米州地域の売上収益は、前期比5.1%増の1,685億65百万円、コア営業利益(注3)は、前期比11.7%減の190億17百万円、営業利益は、前期比12.0%減の189億8百万円となりました。 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比5.3%増の1,688億38百万円となり、コア営業利益は、前期比12.3%減の188億82百万円となりました。(注4) (中国地域) 中国地域においては、販売エリア拡大や中国版カップヌードル「合味道」ブランドの強化、及び高価格帯袋めんの販売拡大に取り組んでいます。中国大陸では景気回復が遅れている中、内陸部への販路拡大によりカップヌードル「合味道BIG」を中心にカップめんの販売が伸長しました。香港では、香港市民の消費行動の変化によって冷凍食品などの非即席めん商品の販売が減少しましたが、「出前一丁」等の袋めんの販売は堅調に推移しました。また、その他地域における即席めんの販売は販路拡大に伴い伸長しました。加えて、9月に韓国の菓子事業会社「Gaemi Food」を、12月に豪州の冷凍食品会社「ABC Pastry」を買収し、香港日清の連結子会社としております。 こうした状況の下、売上収益は即席めんの販売増や買収効果もあり増収となりました。コア営業利益については、パーム油等の原材料価格高騰による影響を受けたものの、主力の即席めんの販売増や、子会社の買収効果、為替影響もあり増益となりました。 営業利益ベースでは固定資産に対する減損損失を第3四半期で計上したことにより減益となりました。 この結果、報告セグメントにおける中国地域の売上収益は、前期比10.6%増の734億74百万円、コア営業利益(注3)は、前期比3.4%増の83億30百万円、営業利益は、前期比27.3%減の59億6百万円となりました。 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比5.1%増の698億37百万円となり、コア営業利益は、前期比1.5%減の79億35百万円となりました。(注4)  また、報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内のその他事業並びに欧州地域、アジア地域、新規事業を含んだ「その他」の売上収益は、前期比13.0%増の566億4百万円となり、コア営業利益(注3)は、前期比47.5%増の114億80百万円、営業利益は、前期比62.8%増の116億34百万円となりました。 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比9.0%増の545億98百万円となり、コア営業利益は、前期比34.8%増の104億90百万円となりました。(注4) (注3)コア営業利益とは、営業利益から非経常損益としての「その他収支」を控除したものであります。(注4)2025年3月期の外貨金額を、前期の為替レートで円換算して比較しております。 <報告セグメントの売上収益及びセグメント利益> (単位:百万円)報告セグメント売上収益前期比セグメント利益前期比2024年3月期2025年3月期2024年3月期2025年3月期日清食品232,221238,7816,55929,74130,8771,135明星食品43,45045,3741,9242,8183,126307低温・飲料事業95,221101,3496,1287,6928,685992菓子事業85,15092,4437,2934,4965,392896米州地域160,333168,5658,23121,48618,908△2,577中国地域66,45273,4747,0228,1295,906△2,222そ の 他50,10256,6046,5017,14611,6344,487小  計732,933776,59443,66081,51284,5323,020調 整 額---△8,151△10,163△2,012合  計732,933776,59443,66073,36174,3691,007 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、730億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ236億23百万円の減少となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (単位:百万円)区分前連結会計年度当連結会計年度前期比自 2023年4月1日至 2024年3月31日自 2024年4月1日至 2025年3月31日営業活動によるキャッシュ・フロー94,12357,058△37,065投資活動によるキャッシュ・フロー△61,912△76,708△14,796財務活動によるキャッシュ・フロー△26,323△59125,731現金及び現金同等物に係る換算差額3,383△3,381△6,764現金及び現金同等物の増減額(△は減少)9,271△23,623△32,894現金及び現金同等物の期首残高87,38896,6599,271現金及び現金同等物の期末残高96,65973,036△23,623 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による資金の増加は570億58百万円(前期比370億65百万円の資金の減少)となりました。これは主に運転資金等の増加が261億41百万円、法人所得税の支払額が198億18百万円となったことに対して、税引前利益が767億98百万円、減価償却費及び償却費が332億37百万円となったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による資金の減少は767億8百万円(前期比147億96百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が706億79百万円となったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金の減少は5億91百万円(前期比257億31百万円の資金の増加)となりました。これは主に社債の発行による収入が498億29百万円となったことに対して、自己株式の取得による支出が404億82百万円、配当金の支払額が226億33百万円となったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメントの名称 当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日) 前期比(%) 日清食品167,3412.9 明星食品29,313△3.3 低温・飲料事業57,4277.5 菓子事業96,91016.6 米州地域114,4966.1 中国地域47,1707.2 報告セグメント計512,6596.5 その他32,1048.5合計544,7646.6 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 b. 受注実績 重要な受注生産は行っておりませんので、記載を省略しております。 c. 販売実績    当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメントの名称 当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日) 前期比(%) 日清食品238,7812.8 明星食品45,3744.4 低温・飲料事業101,3496.4 菓子事業92,4438.6 米州地域168,5655.1 中国地域73,47410.6 報告セグメント計719,9895.4 その他56,60413.0合計776,5946.0  (注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。(単位:百万円) 相手先 前連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日) 当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)金額割合(%)金額割合(%)三菱食品㈱92,30212.691,40011.82 セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 ① 重要性がある会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 経営成績 当連結会計年度の売上収益は、前期比6.0%増の7,765億94百万円となりました。 国内即席めん事業においては、日清食品セグメントはコア商品、価格コンシャス品とも好調に推移し、また明星食品セグメントも主要ブランドが好調だったことにより増収となりました。 国内非即席めん事業においては、菓子事業セグメントの㈱湖池屋及び低温・飲料事業セグメントの日清ヨーク㈱が牽引したことに加え、価格改定効果もあり、全事業会社で増収となりました。 海外事業においては、米州地域セグメントのブラジル及び中国地域セグメントが牽引したことで増収となりました。  当連結会計年度の既存事業コア営業利益は、前期比3.6%増の835億39百万円となり、また当連結会計年度の営業利益は、前期比1.4%増の743億69百万円となりました。 国内即席めん事業及び国内非即席めん事業においては、資材価格上昇等によるコスト増がありましたが、増収効果がカバーし、増益となりました。 海外事業においては、米州地域セグメントにおける資材価格上昇によるコストの増加、米国事業の販売数量減及び持分法適用会社であるマルベンフードホールディングスLtd.の利益減等により、減益となりました。  当連結会計年度の税引前利益は、前期比0.2%減の767億98百万円となり、また当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比1.6%増の550億19百万円となりました。これらは主に、営業利益の増加、金融費用の増加及び法人所得税費用の減少によるものであります。  なお、当社グループの経営に影響を与える主な要因は、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載しております。 b. 資本の財源及び資金の流動性(キャッシュ・フローの状況) キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 (資金の需要と調達) 営業活動により獲得したキャッシュ・フローは、企業価値向上に資する各種投資及び配当を中心とする株主還元に優先的に配分を行っておりますが、一時的に資金が不足する場合には、必要に応じて、社債発行、金融機関からの調達及び保有資産の売却等によりキャッシュ・フローの確保を行っております。 (資金の流動性) 当社グループは、従来より営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでいることに加え、主要な国内金融機関に対して、アンコミットメントベースの融資枠を設定しております。また、当社及び主要な国内連結子会社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しております。 c. 財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ360億78百万円増加し、8,484億61百万円となりました。これは主に現金及び現金同等物が236億23百万円減少した一方、有形固定資産が362億17百万円、持分法で会計処理されている投資が169億36百万円増加したことによるものであります。  負債は、前連結会計年度末に比べ591億87百万円増加し、3,365億59百万円となりました。これは主に営業債務及びその他の債務が167億49百万円減少した一方、非流動負債の社債及び借入金が556億8百万円、流動負債の借入金が250億97百万円増加したことによるものであります。  資本は、前連結会計年度末に比べ231億8百万円減少し、5,119億1百万円となりました。これは主に利益剰余金が121億14百万円増加した一方、自己株式が197億7百万円増加(資本は減少)したことによるものであります。 これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の60.7%から56.0%となり、4.7ポイント減少しております。 d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」を策定しております。 ビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。 「中長期成長戦略2030」では、持続的な利益成長に加え、効率的な資本活用、安全性ある負債活用、そして安定的な株主還元の4つをCSV経営上の中長期的経済価値ターゲットとして掲げ、非財務目標との同時実現を追求してまいります。「中長期成長戦略2030」の進捗状況は下表のとおりであります。 項目区分項目目標値進捗レビュー財務成長性既存事業コア営業利益成長率(注1,2、3)Mid-single Digit(オーガニック)(注4)2020-2024年度 18.8%2023-2024年度 3.6%効率性ROE(注3)2030年度までを目途に15%2024年度11.4%安全性Net Debt/EBITDA(注5)2倍以下2024年度0.4x安定的株主還元累進的配当配当性向:約40%2024年度 38.0%累進的配当継続自己株式の取得機動的な自己株式取得2021年度 約120億円2022年度 約120億円2024年度 約400億円相対TSR(TOPIX食料品対比)(注6)1倍超2022年度 1.1倍2023年度 1.1倍2024年度 0.9倍非財務(注7)有限資源の有効活用持続可能なパーム油の調達比率(注8)100%2024年46.1%水使用量(IFRS売上100万円あたり)12.3㎥以下2024年9.2㎥流通廃棄物削減率(2015年度対比/日本国内)△50%2024年△34.6%気候変動インパクトの軽減CO₂排出削減(Scope 1+2) (2020年対比)(注9)△42%2024年△17.6%CO₂排出削減(Scope 3)(2020年対比)(注9)△25%2024年△5.0%(注)1 IFRS会計基準上の営業利益から、積極的な先行投資を予定する「新規事業に係る損益」及び非経常損益としてのその他収支」を控除したNon-GAAPの重要経営管理指標2 2023年3月期より既存事業コア営業利益成長率の計算方法を実績の為替レートに基づく方法に修正3 2024年5月に中長期的目標を上方修正既存事業コア営業利益成長率:「Mid-single Digit」→「Mid-single Digit(オーガニック)」ROE: 「長期的に10%」→「2030年度までを目途に15%」4 Mid-single Digit(オーガニック): インオーガニックグロース(M&A等)、外部環境の急変化(為替、インフレ率等)を含まない実力値としての成長性5 2025年3月期より純有利子負債の計算方法を変更6 相対TSR(TOPIX食料品対比)は、以下の算定式に基づき算出      A:当事業年度の3事業年度前の1月~3月における3か月間の当社株式の終値平均B:当事業年度の1月~3月における3か月間の当社株式の終値平均C:当事業年度を含む過去3事業年度における1株当たり配当額の累計D:当事業年度の3事業年度前の1月~3月における3か月間のTOPIX食料品(配当込み)の終値平均E:当事業年度の1月~3月における3か月間のTOPIX食料品(配当込み)の終値平均7 非財務目標については、2030年度の目標値8 外部認証の活用及び独自アセスメントによる9 2023年5月にCO₂排出削減の目標値を上方修正Scope 1+2: △30%(2018年対比)→△42%(2020年対比)、Scope 3: △15%(2018年対比)→△25%(2020年対比)

事業リスク

  • 製造物責任(PL)リスク
    食品メーカーとして、製品の品質や安全性に問題が生じた場合、大規模なリコールや損害賠償、ブランドイメージの失墜につながる可能性があります。厳格な品質管理体制を構築していますが、予期せぬ問題発生は避けられず、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があります。
  • 災害・事故(BCP)リスク
    国内外の事業所や工場が、地震、台風、感染症などの自然災害や大規模事故に見舞われた場合、生産活動の停止、物流の滞り、原材料価格の高騰などが発生し、事業継続が困難になる可能性があります。2024年度のリスクマップでも「災害・事故」は最も影響度が高いリスクの一つとされており、業績に甚大な影響を及ぼす恐れがあります。
  • 情報セキュリティリスク
    生産、販売、管理等の情報システムがサイバー攻撃やシステム障害に見舞われた場合、機密情報の漏洩、システム停止、事業運営への支障が生じる可能性があります。クラウドサービスや外部委託先の利用拡大に伴い、サプライチェーン全体でのセキュリティリスクも高まっており、当社の財政状態や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|7,560 文字
3【事業等のリスク】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。 (1) リスクの定義及び管理体制当社グループ(以下「当社」という。)では、リスクを組織の収益や損益に影響を与える不確実性と定義しております。リスクにはプラス影響とマイナス影響の両面があり、環境変化の中で組織が行う事業・投資により発生するプラス・マイナス影響は機会、インシデントが与えるマイナス影響はリスクと区分しております。機会については、投融資委員会、経営会議、取締役会で判断され、リスクについては「総合リスク対策委員会」で管理されております。当社では、代表取締役副社長・COOを委員長とする「総合リスク対策委員会」を設置し、「日清食品グループリスク管理規程」に基づき、当社グループに係る種々のリスクの予防・発見・管理及び対応を行っております。特に、商品事故、BCP(事業継続計画)、コンプライアンス、情報セキュリティをグループの重点リスクと位置付け、「委員会」を設置し対応を行っております。また、環境・安全リスクに対応する組織を、サステナビリティ委員会のもとに設置しており、環境面等における重大事故が発生したときは、マニュアルに従って直ちに対応し、事態の収拾、解決にあたっております。リスク管理体制においては、3ラインモデルを確立し管理・運用しております。第1線は、各事業部門(国内外関連会社含む)で、各事業部門が所管するリスクオーナーとしてコントロールを行っております。第2線は、総合リスク対策委員会をはじめとする間接部門で、第1線のリスク管理状況をモニタリングし、必要な支援・助言・監督を行っております。そして、第3線は、内部監査部で、組織上独立性を有し、客観的にリスク管理状況を監査し、助言を行っております。 (2) 総合リスク対策委員会の具体的な活動総合リスク対策委員会はリスクを一元的に俯瞰し、各主管部門のリスクを洗い出し、リスク事象を予防する仕組みの構築を指示しております。当社グループに甚大な影響を及ぼすリスク事象が発生した場合は「グループ重大事案対策本部」を設置し、速やかにリスク事象に対処し、再発防止の対策をたてることとしております。また各年度に1度、事業会社社長及び各チーフオフィサーによるリスク評価報告を基に、発生可能性と影響度の2軸で構成されるリスクマップにて各リスクを4段階のステージに分けて評価し、管理方針を定めて管理状況を取締役会に報告しております。なお、2024年度は、災害・事故、法令等違反、人事労務、情報漏洩・不正アクセス、人材の5つを、最も発生可能性と影響度が高いリスクステージに分類しております。 (2024年度日清食品グループ リスクマップ) (3) 投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 ① PL(製造物責任)当社は、食品メーカーとして、お客様に安全・安心な食品を提供していくことを使命と考え、厳密な品質管理基準を設け生産を行っております。製造工場では、異物混入対策として社員への衛生管理の徹底や、高性能X線検査機導入によりアルミニウム片等の異物検査を強化しております。製品に使われる原材料の自動トレースができるよう、原材料情報を管理して、トレーサビリティ、品質管理カメラ、生体認証設備により、問題が発生した場合に原因を究明できる体制を整えております。グローバル食品安全研究所を中心とした独自の品質保証体制を築き上げ、原材料の安全性及び各工場での品質管理体制の強化を図っております。研究所では、原材料に対して、農薬や動物用医薬品、重金属などの危害物質や放射性物質を分析するほか、遺伝子組み換え農産物やアレルギー物質のコンタミネーションの有無、最終製品の栄養成分などを確認しております。また、各工場の製造管理状態を「食品安全管理」、「有害生物対策」、「製造規範」、「メンテナンス (機器の定期検査)」、「清掃活動」の5カテゴリーで評価する日清食品 食品安全監査基準 (NISFOS)に基づいて監査し、そこで抽出された課題に対する改善策を提案し、改善の実施を確認しております。 ② BCP(災害・事故)当社は、国内外に多数の事業所や工場を有しており、当該地域における大規模な地震や台風などによる風水害、その他の自然災害の発生に対して、事業継続計画(BCP)を策定の上、BCP委員会を設置し、定期的な見直しをしております。近年の異常気象による災害の激甚化やグローバルな地政学的リスクの高まり、そして感染症による本社機能・工場操業・物流供給停止等となるリスクが高まっております。このようなリスクを可能な限り回避するため、当社は、BCPに従い、被害状況に応じて災害対策本部を速やかに立ち上げ、社員の生命を守りながら、食品企業の使命として商品供給を第一に考えて、生産・供給体制を維持できる体制をとっております。 ③ コンプライアンス当社は、世界の各拠点で事業を展開しており、その中で各国の法令や企業倫理等の社会的規範に抵触することで、刑事罰、行政処分、損害賠償責任等の法的責任の追及や、社会的制裁を受ける懸念があります。こうした事象が発生した場合、当社に対する信頼やブランド価値を低下させる可能性があります。これらのリスクに対して、取締役・CSO 兼 常務執行役員を委員長とする「コンプライアンス委員会」を原則四半期に一度開催し、内部通報窓口への相談・通報の傾向や発生事例の共有、予防策ならびに再発防止策の検討等を実施しております。また、法務部コンプライアンスグループを中心に組成するコンプライアンス委員会事務局及び各社・各部署に配置する「コンプライアンス推進責任者」が、実務者として諸課題・諸事案への対応にあたっております。 ④ 情報セキュリティ当社は、生産、販売、管理等の情報をコンピュータを利用した情報システムにより管理しております。これらの情報システムの運用にあたっては、構成する機器の故障・不具合や、サイバー攻撃に対して、システム停止や外部への社内情報の漏えいが生じないよう万全の対策を講じております。また、クラウドサービスや外部委託先との連携が進む中、サプライチェーン全体に対するセキュリティリスクも重要視しております。しかしながら、当社の想定を超えた全世界的な大規模障害や、未知の技術による不正アクセスなどにより、システム障害や外部への社内情報の流出が発生した場合、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。このようなリスクを可能な限り回避するため、全社的なセキュリティ戦略を策定し、外部要因による情報漏えい防止対策やシステム復旧対策、有事におけるインシデント対応(CSIRTによるリスク事案対応)、平時における教育・啓発活動及び委託先セキュリティチェック等を実施しております。さらに、製造現場を含むOT領域との連携や、グローバル拠点のセキュリティ体制の統一にも取り組み、当社グループのITガバナンスを強化することにより、リスクの低減を図っております。 ⑤ 環境当社は、気候変動やそれに起因する自然災害により、原材料価格の高騰、製造工場の被災、カーボンプライシング制度の導入や人々の行動様式の変容など、さまざまな影響を受ける可能性があります。そのため、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言に則ったシナリオ分析を進め、リスク及び機会となる要因について科学的根拠をもとに業績に及ぼす影響を引き続き分析・評価しており、将来の不確実性に応じた戦略立案を進めております。そのような中で、当社は2020年4月に2030年までの環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を策定し、気候変動に対する取り組みや資源の有効活用に関する目標を定めております。なかでも、CO2排出量の削減を重要課題と位置付けており、世界で議論されている「今後の平均気温の上昇を1.5℃に抑える」といった水準を意識した目標(Scope1と2の合計排出量を2020年総量比42%削減、Scope3では同25%削減。)を掲げております。さらに2021年2月、事業活動で使用する電力の再生可能エネルギー100%調達を目指す国際イニシアチブRE100(Renewable Energy 100%)に参画し、「2030年度までに国内外の事業活動で利用する電力の60%を再生可能エネルギーで調達する」、「2050年度までに国内外の事業活動で利用する電力を100%再生可能エネルギーで調達する」ことを掲げ、国内外の製造工場を中心に電力の再生可能エネルギーへの切替えを進めており、規制対応リスクの軽減を図っております。また、生物多様性方針を策定し、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース:Taskforce on Nature-relatedFinancial Disclosures)提言に基づき、自社の事業活動が生物多様性に与える影響を分析し、自然関連のリスクと機会の評価を実施しております。 ⑥ レピュテーション日本国内においては、当社グループのマーケティング力と技術開発力によって、「チキンラーメン」、「カップヌードル」をはじめとする主力製品が永年にわたりお客様に親しまれております。しかしながら、即席めん市場には毎年多くの新製品が投入されていることに加え、将来的に他社によって画期的な技術が生み出されたり、若年層を中心に価値観の変化が生じたりすることで、当社グループ製品のブランド価値が低下するおそれがあります。そのようなリスクを考慮し、当社グループは常に創造と革新を続け、消費者ニーズの変化に対応し、新たな顧客層を取り込むことで、ブランド価値の持続的な向上に努めております。また、海外においては、「カップヌードル」のグローバルブランディング戦略を軸に、現地の市場環境や生活者の価値観を捉えたマーケティング活動を展開することで、ブランド価値を高めております。一方で、ステークホルダーが世界的に広がり、レピュテーションリスクにつながる要因が複雑化するとともに、当社グループが応えるべき社会的期待や要請のレベルも高まっております。当社グループでは「日清食品グループ人権方針」や「日清食品グループ持続可能な調達方針」を策定し、食の安全、人権の尊重、地球環境の保全を重点課題として取り組んでおります。さらに、人的資本における国際的な情報開示のガイドライン「ISO 30414」の認証取得や、人的資本に関する取組をまとめた「Human Capital Report 2024」の発行など、人的資本経営の高度化を推進しております。 ⑦ 有価証券の公正価値下落当社は、配当・キャピタルゲインの獲得以外に、経営戦略上、取引先との良好な関係を構築し、効率的・安定的な取引や業務提携等により事業の円滑な推進を図ることで中長期的な企業価値の向上を実現する観点から、必要と判断する株式などの有価証券を保有することがあります。当社が保有する有価証券は、将来の市況の悪化による公正価値下落や投資先の業績不振等により減損処理が必要となる場合があり、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。 ⑧ 財務会計当社は、事業の用に供するさまざまな固定資産を有しております。それらの固定資産から生み出される将来の収益性によっては減損処理が必要となる可能性があり、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。このようなリスクを低減するために、投融資委員会において社内基準に基づき経済合理性を十分に吟味し、投資判断を行っている他、実行後も投資効果について継続的にモニタリングを実施しております。また、主要な為替リスクとして為替相場の変動による外貨建て仕入値の高騰がありますが、為替予約をおこなうなど為替リスクを低減するための措置をとっております。さらに各海外地域において所在地国の通貨で作成された財務諸表は、連結財務諸表作成のために機能通貨である円に換算されており、為替相場の変動により当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ コーポレート国内においては生産年齢人口の減少や、コロナ禍後の働き方の変容により、優秀な人材、とりわけグローバルな事業領域拡大や新規事業の推進に応じた人材を適切に採用・育成することが課題となっており、企業経営や主要事業に影響を及ぼすおそれがあります。中長期成長戦略2030で掲げる戦略テーマを実現するためには、多様な経験・専門性・価値観を持った社員が“適所適材”で活躍することが不可欠との認識から新卒・キャリアとも積極採用を実施しております。多様な就業観を持つ社員の採用力と定着力を高めるため、2024年4月より管理職を対象に日清流Job型(ジョブディスクリプションを明確化し、処遇を市場連動させ、複線型のキャリアコースを設定)を導入いたしました。その他、キャリア採用社員のオンボーディングプログラムの強化、当社グループ理念の浸透施策の継続実施、企業内大学NISSIN ACADEMYを中心とした人材育成の強化、多様なバックグラウンドを持つ社員がその能力を存分に発揮できる状態を目指したDE&Iの取組、公募制度の活性化など自律的なキャリア形成を支援する取組、コアタイムなしのフレックスタイム制度やテレワーク制度の活用など生産性の高い働き方を目指した取組、適切な方法による賃金の引上げや福利厚生の拡充など総合的な人的資本への投資を強化しております。これらの取組を通して、社員のワーク・エンゲージメントを高め、EARTH FOOD CREATORとして創造的な仕事を創発する人づくり・組織づくりに努めてまいります。 ⑩ SCM当社製品の主要原材料は、小麦粉・パーム油などの農産物及び包材に使用する石油製品であり、その価格は市場の状況により変動いたします。これらの原産国で政情不安や国際紛争の発生、地球温暖化に伴う天候不順による農作物の不作など、原材料価格に影響を与える多くの要因があり、原材料価格が高騰した場合、当社の業績に影響を及ぼすおそれがあります。これらの課題に対応するため、市況情報を常に把握し適切なタイミングで購入することや、原材料の産地や購買先を分散化することで価格高騰リスクを低減するなど、安定供給体制の強化に努めております。物流業界におけるドライバー人材不足、倉庫内作業者不足の問題など、今後は市場供給力が停滞するおそれがあります。これに対して、「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、自主行動宣言を行い、得意先のご協力のもとでのリードタイムの延長、パレットなどの活用、トラック予約受付システムの導入、荷主側の施設面の改善、物流の改善提案と協力などを行っております。また、複数企業との共同輸送や共同保管の取組、モーダルシフトの推進など、引き続き持続可能な物流体制にむけ活動してまいります。 ⑪ 特定の取引先への依存当社は、製品の販売及び一部原材料の仕入において、特定の取引先に大きく依存しております。販売において、一部の会社につきましては特定の取引先に依存しておりますが、信用力の極めて高い大手取引先に取引を集中させることで、与信管理の省力化及び信用リスクの低減を図ることが可能なためであります。また、一部原材料の仕入についても特定の取引先に依存しているのは、これらの原材料を効率的に、かつ安定的に調達することが可能であるためであります。取引先に対する与信管理は適切に実施しているものの、これらの取引先の経営状態が悪化した場合は、当社は売掛金の回収が困難となることにより、また、原材料の供給が断たれた場合には生産活動が停止することにより、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。 ⑫ 海外カントリーリスク当社は、海外においても、現地生産・現地販売を基本スタンスに即席めんをはじめとする食品を製造しております。これらの進出国において政情不安や国際紛争が発生した場合には従業員の安全を最優先に対応する方針であります。このほか、食品の安全性を脅かす事態や各国での法的規制により生産が困難になる場合、それらの子会社又は当社の財政状態及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。これらの課題に対応するため、当社に専門性を有するプラットフォームを設置し、各海外現地法人のサポートに努める体制を構築しております。 ⑬ 人口動態日本国内では、現在、少子高齢化が急速に進んでおり、当社の主たる購買層である若年ユーザー層の減少が続いており、即席めん市場は、近年の新型コロナウイルス感染症による需要増を除くと、長期的には横ばい傾向にあります。このような状況の中、当社では、シニア層・若年層・女性層など各ターゲット層に対応したきめ細かな製品開発により、新たな喫食機会や価値の創出を図り、顧客層の維持・拡大に努めております。一方で海外においては、若年層は増加しボリュームゾーンとなっているため積極的に若者へのアプローチを強化する製品開発・コミュニケーション活動を展開しております。このように国内と海外主要地域における様々な人口動態の変化に柔軟に対応しながら、グローバルでの顧客の継続的な拡大に取り組んでおります。 ⑭ 顧客ニーズの多様化食における顧客ニーズの多様化が進む中、オーバーカロリーによる肥満や生活習慣病などの健康の問題が世界中で拡大しております。さらには、間違ったダイエット方法などによる隠れ栄養失調、シニアの食欲低下に伴う栄養摂取不足などによるフレイル等、新たな社会課題も発生しております。当社は、即席めん事業で培った独自のフードテクノロジーを駆使することで「見た目やおいしさはそのままに、カロリーや塩分、糖質、脂質などがコントロールされ、必要な栄養素のバランスを整えた食」を開発し、事業展開しております。この新規事業を中長期成長戦略の3つの成長戦略テーマの一つに掲げ、新たなビジネスモデルの創造を推進していくことで、社会課題の解決に努めてまいります。

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