2801

キッコーマン(2801)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

食料品 食品

事業の概要

  • グローバルな食品事業展開
    キッコーマンは、日本国内だけでなく、米州、欧州、アジアなど世界各地で食品事業を展開しています。特に醤油を主力製品とし、地域ごとの生産拠点を持つことで、各市場のニーズに対応しながら収益を上げています。持株会社としてグループ全体の戦略立案と統括管理を行い、効率的な事業運営を目指しています。
  • 多角的な食品関連事業
    醤油以外にも、つゆ・たれなどの調味料、デルモンテブランドのトマト加工品・缶詰、豆乳飲料や野菜果実飲料、さらにはみりんやワインといった酒類まで、幅広い食品関連製品を製造・販売しています。これにより、多様な食のニーズに応え、収益源を多角化することで安定した経営基盤を築いています。
  • 卸売事業による流通網
    海外においては、東洋食品などの仕入れ・販売を行う卸売事業も展開しています。JFCジャパンやJFC INTERNATIONAL INC.などの子会社を通じて、世界各地に日本食を中心とした食品を供給しており、これによりグローバルな流通ネットワークを構築し、事業の拡大と収益の確保に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 国内食料品製造・販売
    この部門では、日本国内における醤油、つゆ・たれなどの調味料、デルモンテトマト加工品、豆乳飲料、酒類などを製造・販売しています。キッコーマン食品や日本デルモンテ、キッコーマンソイフーズなどが主要な会社で、国内市場の食のニーズに応える幅広い製品を提供し、安定した収益基盤を築いています。
  • 国内その他事業
    この部門には、医薬品、化成品、不動産賃貸、物流、間接業務の提供などが含まれます。キッコーマンビジネスサービスやキッコーマンバイオケミファなどが主要な会社で、グループ全体の事業活動を支える多様なサービスを提供することで、効率的な経営と新たな収益機会の創出を目指しています。
  • 海外食料品製造・販売および卸売
    この部門は、海外における醤油やデルモンテトマト加工品の製造・販売、および東洋食品などの仕入れ・販売を行う卸売事業で構成されます。KIKKOMAN FOODS, INC.やJFC INTERNATIONAL INC.などが主要な会社で、グローバルな生産・販売ネットワークと流通網を駆使し、世界各地で事業を展開することで、成長の柱として収益を拡大しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,609 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(キッコーマン㈱)、子会社54社及び関連会社2社により構成されております。当社は、持株会社として主に、グループ戦略の立案、事業会社の統括管理を行っております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。また、次の4部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に掲げるセグメントの区分と同一であります。事業区分主な事業内容主要な会社国内 食料品製造・販売しょうゆ国内におけるしょうゆの製造・販売キッコーマン食品㈱北海道キッコーマン㈱ヒゲタ醤油㈱ 食品つゆ・たれ等しょうゆ関連調味料、デルモンテトマト加工品・缶詰、 業務用食材の製造・販売日本デルモンテ㈱キッコーマンフードテック㈱埼玉キッコーマン㈱宝醤油㈱日本デルモンテアグリ㈱ 飲料豆乳飲料、野菜果実飲料等の製造・販売キッコーマンソイフーズ㈱ 酒類みりん、ワイン等の製造・販売マンズワイン㈱流山キッコーマン㈱テラヴェール㈱国内 その他医薬品、化成品、不動産賃貸、物流、間接業務の提供キッコーマンビジネスサービス㈱キッコーマンバイオケミファ㈱総武物流㈱㈱総武サービスセンター㈱紀文フレッシュシステム海外 食料品製造・販売しょうゆ海外におけるしょうゆの製造・販売KIKKOMAN FOODS, INC.KIKKOMAN SALES USA, INC.KIKKOMAN FOODS EUROPE B.V.KIKKOMAN TRADING EUROPE GmbHKIKKOMAN (S) PTE. LTD.KIKKOMAN TRADING ASIA PTE LTDPT. KIKKOMAN AKUFOOD INDONESIAKTA-GLOBO CO.,LTD.KTA (THAILAND) CO.,LTD.KIKKOMAN AUSTRALIA PTY. LIMITED亀甲万(上海)貿易有限公司昆山統万微生物科技有限公司統万珍極食品有限公司統萬股份有限公司 デルモンテデルモンテトマト加工品・缶詰の製造・販売DEL MONTE ASIA PTE LTD帝門食品(厦門)有限公司帝門(広州)貿易有限公司SIAM DEL MONTE COMPANY LIMITED 事業区分主な事業内容主要な会社海外 食料品卸売東洋食品等の仕入・販売JFCジャパン㈱JFC INTERNATIONAL INC.HAPI PRODUCTS, INC.JFC DE MEXICO, S.A.DE C.V.PACIFIC MARKETING ALLIANCE, INC.PMAI INTERNATIONAL (CANADA) INC.JFC INTERNATIONAL(CANADA)INC.JFC INTERNATIONAL(EUROPE)GmbHJFC DEUTSCHLAND GmbHJFC(UK)LIMITEDJFC FRANCE S.A.R.L.JFC HOLLAND B.V.JFC ITALIA S.r.l.JFC NORDEN (SWEDEN) ABMIKI JFC ASJFC HONG KONG LIMITEDJFC AUSTRALIA CO PTY LTDJFC NEW ZEALAND LIMITED台北捷福興亜細亜股份有限公司JFC (S) PTE. LTD.JFC MALAYSIA SDN.BHD. (注)当社は、2024年11月にKI NUTRICARE, INC.を解散及び清算いたしました。 (事業系統図)

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
主力製品のしょうゆはブランド力があるが、原材料市況の変動の影響を受けるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
「キッコーマン」ブランドのしょうゆは国内外で広く認知されており、品質保証体制も確立。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:自然災害等による生産停止やサプライチェーン分断 / 原材料市況の変動や異常気象による生産量不足 / 競争環境の変化による需要低下
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★★☆
根拠:強いブランド・特許・許認可

キッコーマンは「Kikkoman」ブランドの醤油で世界的に認知されており、特に米国市場では約30%のシェアを持つ。この強力なブランド認知と、長年培ってきた日本食文化の普及活動が、他社が容易に模倣できない無形資産となっている。海外での醤油市場におけるブランド力は、長年のマーケティング投資と品質維持の賜物である。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

家庭用醤油市場においては、一度「キッコーマン」ブランドに慣れ親しんだ消費者が、風味や品質への信頼から他社製品へ乗り換えるインセンティブは限定的である。特に、長年愛用している層や、日本食レストランでの利用経験からキッコーマンを好む層は、スイッチングコストが一定程度存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

醤油の消費は基本的に個人または家庭単位であり、ユーザーが増えることで製品自体の価値が向上するネットワーク効果は発生しない。プラットフォーム型ビジネスではないため、ネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

大規模な生産設備と効率的なサプライチェーンを持つが、原材料費の変動や、競合他社も一定規模の生産能力を持つため、顕著なコスト優位性は見出しにくい。ただし、長年の経験による製造ノウハウは一定の効率性をもたらしている。

  • グローバルなブランド力と生産体制
    キッコーマンは「KIKKOMAN」ブランドとして世界的に認知されており、特に醤油においては高いブランド力を誇ります。日本だけでなく、米州、欧州、アジアに生産拠点を持ち、現地生産を基本とすることで、各地域の市場に合わせた製品供給と効率的な物流を実現し、競争優位性を確立しています。
  • 多角的な製品ポートフォリオ
    醤油を核としながらも、デルモンテブランドのトマト加工品、豆乳飲料、ワインなど、幅広い製品ラインナップを持つことで、消費者の多様なニーズに対応しています。これにより、特定の製品に依存しない安定した収益構造を構築し、市場変動リスクを分散しています。
  • 強固なサプライチェーンと品質管理
    原材料の調達から製造、販売に至るまで、グループ全体で厳格な品質管理体制を構築しています。特に食品の安定供給と安全性確保のため、危機管理委員会や品質保証委員会を設置し、高品質な製品を安定的に提供することで、消費者からの信頼を獲得し、ブランド価値を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針「経営理念」と「事業領域」当社グループの経営理念は、次のとおりであります。私たちキッコーマングループは、1.「消費者本位」を基本理念とする2.食文化の国際交流をすすめる3.地球社会にとって存在意義のある企業をめざす企業の存続と繁栄は、消費者の皆様にご満足いただいて初めて実現するものと考えております。この認識のもとに当社グループは、消費者の皆様の声に耳を傾けるとともに、市場を洞察し、消費者の皆様にとって価値のある商品・サービスの提案を行ってまいります。また、食品企業としての基本的使命は、安全で高品質の商品を適正な価格で安定的に供給することであると考えており、こうした基本の実践を着実に積み重ねてまいります。 当社グループの事業領域は、次のとおりであります。1.食品の製造と販売2.「食と健康」に関わる商品とサービスの提供をグローバルに展開する (2)中長期的な経営戦略当社グループでは、グループの将来ビジョン「グローバルビジョン2030」を策定しております。これは、2030年に向けて、キッコーマングループが「新しい価値創造への挑戦」を行うための、「目指す姿」と「2030年への挑戦」を定めたものです。[目指す姿]1.キッコーマンしょうゆをグローバル・スタンダードの調味料にする2.世界中で新しいおいしさを創造し、より豊かで健康的な食生活に貢献する3.キッコーマンらしい活動を通じて、地球社会における存在意義をさらに高めていく [2030年への挑戦]1.No.1バリューの提供・グローバルNo.1戦略・エリアNo.1戦略・新たな事業の創出2.経営資源の活用・発酵・醸造技術・人財・情報・キャッシュ・フロー ※ 詳細は、次のURLからご覧いただくことができます。https://www.kikkoman.com/jp/corporate/management/vision2030.html (3)目標とする経営指標当社グループは、2025年度を初年度とし、2027年度を最終年度とする中期経営計画を定めております。<連結業績目標>・売上成長率(為替差除き)年平均5%以上・事業利益率 10%以上・ROE 12%以上 <キッコーマングループ中期経営計画 重点課題>・成長の継続と収益力の維持・向上・将来に向けた経営資源の活用・事業活動を通じた社会課題解決 ※ 詳細は、次のURLからご覧いただくことができます。https://www.kikkoman.com/jp/ir/lib/managementplan.html (4)当面の対処すべき課題の内容及び対処方針等海外については、しょうゆ部門は引き続き、主要市場の深耕と新規市場の開拓を進め、さらなる成長を果たしてまいります。北米では、2026年後半からの米国第3工場稼働を含め、供給体制を整備して需要に対応し、安定成長を続けてまいります。欧州では、市場の拡大を目指し、中長期的な需要拡大に向けて取り組んでまいります。アジアでは、国や地域に合ったマーケティング施策を展開し、より一層の浸透と拡売により、アセアンにおいては持続的な2桁成長を果たしてまいります。さらに、南米市場やインド、アフリカ地域の開拓を進めてまいります。東洋食品卸売事業では、これまで市場環境の変化に適切に対応することで順調に成長してきましたが、今後も、業務用市場と家庭用市場とのバランスの良い事業構造への転換や販売体制・調達力の強化を進め、事業の推進力を高めてまいります。 国内については、収益力向上と成長軌道への回帰のための取り組みを進めてまいります。ITやデジタルなどの技術も活用することにより、お客様への提供価値を高め、高付加価値化や生産性向上を図ってまいります。しょうゆやつゆ類、たれ類、うちのごはんなどのしょうゆ関連調味料を合わせたカテゴリーのNo.1ブランドとして、市場に存在感を示してまいります。豆乳においては、No.1ブランドとして需要を創造し市場をけん引するとともに、生産効率及び収益力を向上させてまいります。 財務上では、営業キャッシュ・フローを活用し、成長分野への投資を含め、生産性向上・効率化、新規事業・研究開発、DX、人財、社会課題の解決など、企業価値向上のための投資とともに株主還元も行ってまいります。また、利益率の改善を第一に、資産効率、資本効率をあげることで、ROE向上に取り組んでまいります。当社グループは、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、社会課題を解決する中で事業機会を見つけていくことにより企業の社会的責任を果たしていきたいと考えております。そのために「地球環境」「食と健康」「人と社会」の3つを重要分野と定め、取り組みを進めております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針「経営理念」と「事業領域」当社グループの経営理念は、次のとおりであります。私たちキッコーマングループは、1.「消費者本位」を基本理念とする2.食文化の国際交流をすすめる3.地球社会にとって存在意義のある企業をめざす企業の存続と繁栄は、消費者の皆様にご満足いただいて初めて実現するものと考えております。この認識のもとに当社グループは、消費者の皆様の声に耳を傾けるとともに、市場を洞察し、消費者の皆様にとって価値のある商品・サービスの提案を行ってまいります。また、食品企業としての基本的使命は、安全で高品質の商品を適正な価格で安定的に供給することであると考えており、こうした基本の実践を着実に積み重ねてまいります。 当社グループの事業領域は、次のとおりであります。1.食品の製造と販売2.「食と健康」に関わる商品とサービスの提供をグローバルに展開する (2)中長期的な経営戦略当社グループでは、グループの将来ビジョン「グローバルビジョン2030」を策定しております。これは、2030年に向けて、キッコーマングループが「新しい価値創造への挑戦」を行うための、「目指す姿」と「2030年への挑戦」を定めたものです。[目指す姿]1.キッコーマンしょうゆをグローバル・スタンダードの調味料にする2.世界中で新しいおいしさを創造し、より豊かで健康的な食生活に貢献する3.キッコーマンらしい活動を通じて、地球社会における存在意義をさらに高めていく [2030年への挑戦]1.No.1バリューの提供・グローバルNo.1戦略・エリアNo.1戦略・新たな事業の創出2.経営資源の活用・発酵・醸造技術・人財・情報・キャッシュ・フロー ※ 詳細は、次のURLからご覧いただくことができます。https://www.kikkoman.com/jp/corporate/management/vision2030.html (3)目標とする経営指標当社グループは、2025年度を初年度とし、2027年度を最終年度とする中期経営計画を定めております。<連結業績目標>・売上成長率(為替差除き)年平均5%以上・事業利益率 10%以上・ROE 12%以上 <キッコーマングループ中期経営計画 重点課題>・成長の継続と収益力の維持・向上・将来に向けた経営資源の活用・事業活動を通じた社会課題解決 ※ 詳細は、次のURLからご覧いただくことができます。https://www.kikkoman.com/jp/ir/lib/managementplan.html (4)当面の対処すべき課題の内容及び対処方針等海外については、しょうゆ部門は引き続き、主要市場の深耕と新規市場の開拓を進め、さらなる成長を果たしてまいります。北米では、2026年後半からの米国第3工場稼働を含め、供給体制を整備して需要に対応し、安定成長を続けてまいります。欧州では、市場の拡大を目指し、中長期的な需要拡大に向けて取り組んでまいります。アジアでは、国や地域に合ったマーケティング施策を展開し、より一層の浸透と拡売により、アセアンにおいては持続的な2桁成長を果たしてまいります。さらに、南米市場やインド、アフリカ地域の開拓を進めてまいります。東洋食品卸売事業では、これまで市場環境の変化に適切に対応することで順調に成長してきましたが、今後も、業務用市場と家庭用市場とのバランスの良い事業構造への転換や販売体制・調達力の強化を進め、事業の推進力を高めてまいります。 国内については、収益力向上と成長軌道への回帰のための取り組みを進めてまいります。ITやデジタルなどの技術も活用することにより、お客様への提供価値を高め、高付加価値化や生産性向上を図ってまいります。しょうゆやつゆ類、たれ類、うちのごはんなどのしょうゆ関連調味料を合わせたカテゴリーのNo.1ブランドとして、市場に存在感を示してまいります。豆乳においては、No.1ブランドとして需要を創造し市場をけん引するとともに、生産効率及び収益力を向上させてまいります。 財務上では、営業キャッシュ・フローを活用し、成長分野への投資を含め、生産性向上・効率化、新規事業・研究開発、DX、人財、社会課題の解決など、企業価値向上のための投資とともに株主還元も行ってまいります。また、利益率の改善を第一に、資産効率、資本効率をあげることで、ROE向上に取り組んでまいります。当社グループは、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、社会課題を解決する中で事業機会を見つけていくことにより企業の社会的責任を果たしていきたいと考えております。そのために「地球環境」「食と健康」「人と社会」の3つを重要分野と定め、取り組みを進めております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当社グループは、IFRSを適用しており、事業の恒常的な業績や将来の見通しを把握する利益指標として「事業利益」を導入しております。当該「事業利益」は、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した段階利益です。 (1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、一部の地域において弱さがみられるものの、全体的には持ち直しております。そのような状況の中で、当社グループの売上は、国内については、食料品製造・販売事業全体で前年同期を上回りました。海外については、食料品製造・販売及び食料品卸売事業ともに、前年同期の売上を上回りました。この結果、当連結会計年度の連結グループの売上収益は7,089億7千9百万円(前年同期比107.3%)、事業利益は772億7千5百万円(前年同期比105.3%)、営業利益は736億9千8百万円(前年同期比110.4%)、税引前利益は837億5千4百万円(前年同期比110.8%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は616億9千5百万円(前年同期比109.3%)となりました。 a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ115億3千7百万円増加し、6,794億1千4百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ62億5千7百万円減少し、1,633億6千4百万円となりました。当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ177億9千4百万円増加し、5,160億4千9百万円となりました。 b.経営成績<セグメントの業績の概要>セグメントの業績の概要は次のとおりであります。 国内における売上の概要は次のとおりであります。 (国内 食料品製造・販売事業)当事業は、しょうゆ部門、つゆ・たれ・デルモンテ調味料等の食品部門、豆乳飲料・デルモンテ飲料等の飲料部門、みりん・ワイン等の酒類部門からなり、国内において当該商品の製造・販売を手がけております。各部門の売上の概要は次のとおりであります。 ■しょうゆ部門しょうゆは、家庭用分野では、「こいくちしょうゆ」などのペットボトル品は前年同期を下回りました。テレビ宣伝を中心とした商品の付加価値を伝えるマーケティング施策等を継続することにより「いつでも新鮮」シリーズは前年同期を上回りました。その結果、家庭用分野全体として前年同期を上回りました。加工・業務用分野は、外食市場の回復に加えて中食市場が成長し、前年同期を上回りました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。 ■食品部門つゆ類は、「濃いだし 本つゆ」などが順調に推移し、全体として前年同期を上回りました。たれ類は、主力商品である「わが家は焼肉屋さん」シリーズが堅調に推移し、前年同期を上回りました。「うちのごはん」は、前年同期を下回りました。デルモンテ調味料は、前年同期を上回りました。また、デルモンテ調味料は2024年4月、加工穀類、すりおろしシリーズは2025年3月に原材料価格高騰等を背景とした価格改定を行いました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。 ■飲料部門豆乳飲料は、飲用だけでなく調理用として豆乳を使う消費者が増えている中で、積極的な広告宣伝活動や店頭販促の実施により、1L容器や200ml容器商品の売上が前年同期を上回り、全体として前年同期を上回りました。デルモンテ飲料は、トマトジュースが堅調に推移し、全体として前年同期を上回りました。また、デルモンテ飲料は2024年4月、ジュース類は2025年3月に原材料価格高騰等を背景とした価格改定を行いました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。 ■酒類部門本みりんは、家庭用分野では、「米麹こだわり仕込み本みりん」を中心とした、付加価値商品が堅調に推移し、前年同期を上回りました。加工・業務用分野も外食店を中心に需要が回復したため、前年同期を上回りました。ワインは前年同期の売上を下回りました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。 以上の結果、国内 食料品製造・販売事業の売上収益は1,542億9千6百万円(前年同期比104.3%)、事業利益は85億2千7百万円(前年同期比90.0%)と、増収減益となりました。 (国内 その他事業)当事業は、臨床診断用酵素・衛生検査薬、ヒアルロン酸等の製造・販売、不動産賃貸及び運送事業、グループ会社内への間接業務の提供等を行っております。衛生検査薬は、前年同期の売上を上回りました。運送事業は、前年同期並みになりました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。 この結果、国内 その他事業の売上収益は215億6千6百万円(前年同期比101.6%)、事業利益は11億7千3百万円(前年同期比127.7%)と、増収増益となりました。 海外における売上の概要は次のとおりであります。 (海外 食料品製造・販売事業)当事業は、しょうゆ部門、デルモンテ部門、その他食料品部門からなり、海外において当該商品の製造・販売を手がけております。各部門の売上の概要は次のとおりであります。■しょうゆ部門北米市場においては、家庭用分野では、主力商品であるしょうゆに加え、しょうゆをベースとした調味料などの拡充に引き続き力を入れており、当社のブランド力を活かした事業展開を行ってまいりました。また、加工・業務用分野では顧客のニーズに合わせたきめ細かな対応をし、事業の拡大を図りました。この結果、前年同期の売上を上回りました。欧州市場においては、主要市場であるドイツ、イギリス、イタリア、オランダなどで前年を上回り、全体では前年同期の売上を上回りました。アジア・オセアニア市場においては、タイ、インドネシアなどで売上を伸ばし、全体では前年同期の売上を上回りました。この結果、部門全体では前年同期の売上を上回りました。 ■デルモンテ部門当部門は、アジア・オセアニア地域で、フルーツ缶詰・コーン製品、トマトケチャップ等を製造・販売しております。部門全体では前年同期の売上を上回りました。 ■その他食料品部門当部門は、主に北米地域において、健康食品を製造・販売しておりましたが、2023年6月30日にALLERGY RESEARCH GROUP LLCの出資持分の全部を譲渡し、2023年7月31日にCOUNTRY LIFE, LLCの出資持分の全部を譲渡いたしました。部門全体では出資持分譲渡の影響もあり、前年同期の売上を下回りました。 以上の結果、海外 食料品製造・販売事業の売上収益は1,671億7千5百万円(前年同期比108.4%)、事業利益は398億5千1百万円(前年同期比112.4%)と、増収増益となりました。 (海外 食料品卸売事業)当事業は、国内外において、東洋食品等を仕入れ、販売しております。北米、欧州、アジア・オセアニアとも順調に売上を伸ばしました。この結果、卸売事業全体では、前年同期の売上を上回りました。 この結果、海外 食料品卸売事業の売上収益は4,075億2千4百万円(前年同期比108.7%)、事業利益は304億3千9百万円(前年同期比101.2%)と、増収増益となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ129億7千5百万円減少し、1,061億8千4百万円となりました。当連結会計年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、739億7千8百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ68億2千9百万円収入減でありました。これは主に、税引前利益が増加したものの、その他営業キャッシュ・フローが減少したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、384億5千6百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、460億8千6百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払、自己株式の取得による支出があったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)国内 食料品製造・販売162,722103.5国内 その他6,08795.5海外 食料品製造・販売152,922107.7合計321,732105.3(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 b.受注実績 当社グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)国内 食料品製造・販売150,113103.8国内 その他7,42495.1海外 食料品製造・販売144,031107.9海外 食料品卸売407,410108.7合計708,979107.3(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針  4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容1)経営成績等(a)経営成績の分析(業績概要)当連結会計年度の当社グループの業績は、国内においては、しょうゆ、食品、飲料、酒類が堅調に推移し、増収となりました。利益面では、しょうゆ、食品、飲料、酒類の増収による増益効果があったものの、固定費等の増加や原材料等の高騰の影響により、減益となりました。海外においては、食料品製造・販売及び食料品卸売事業がともに好調に推移したことにより、増収増益となりました。この結果、売上収益は前年同期に比べ481億4千3百万円増収の7,089億7千9百万円(前年同期比107.3%)、事業利益は前年同期に比べ38億7千3百万円増益の772億7千5百万円(前年同期比105.3%)、営業利益は前年同期に比べ69億6千4百万円増益の736億9千8百万円(前年同期比110.4%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期に比べ52億5千3百万円増益の616億9千5百万円(前年同期比109.3%)となりました。 (売上収益)当連結会計年度の当社グループの売上収益は、前年同期に比べ481億4千3百万円増収の7,089億7千9百万円(前年同期比107.3%)となりました。ⅰ.国内 食料品製造・販売事業しょうゆ部門は、家庭用分野では、「こいくちしょうゆ」などのペットボトル品は前年同期を下回りました。テレビ宣伝を中心とした商品の付加価値を伝えるマーケティング施策等を継続することにより「いつでも新鮮」シリーズは前年同期を上回りました。その結果、家庭用分野全体として前年同期を上回りました。加工・業務用分野は、外食市場の回復に加えて中食市場が成長し、前年同期を上回りました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。食品部門は、つゆ類は、「濃いだし 本つゆ」などが順調に推移し、全体として前年同期を上回りました。たれ類は、主力商品である「わが家は焼肉屋さん」シリーズが堅調に推移し、前年同期を上回りました。「うちのごはん」は、前年同期を下回りました。デルモンテ調味料は、前年同期を上回りました。また、デルモンテ調味料は2024年4月、加工穀類、すりおろしシリーズは2025年3月に原材料価格高騰等を背景とした価格改定を行いました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。飲料部門では、豆乳飲料は、飲用だけでなく調理用として豆乳を使う消費者が増えている中で、積極的な広告宣伝活動や店頭販促の実施により、1L容器や200ml容器商品の売上が前年同期を上回り、全体として前年同期を上回りました。デルモンテ飲料は、トマトジュースが堅調に推移し、全体として前年同期を上回りました。また、デルモンテ飲料は2024年4月、ジュース類は2025年3月に原材料価格高騰等を背景とした価格改定を行いました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。酒類部門では、本みりんは、家庭用分野では、「米麹こだわり仕込み本みりん」を中心とした、付加価値商品が堅調に推移し、前年同期を上回りました。加工・業務用分野も外食店を中心に需要が回復したため、前年同期を上回りました。ワインは前年同期の売上を下回りました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。この結果、前年同期に比べ63億2千6百万円増収の1,542億9千6百万円(前年同期比104.3%)となりました。ⅱ.国内 その他事業衛生検査薬は、前年同期の売上を上回りました。運送事業は、前年同期並みになりました。この結果、部門全体としては前年同期の売上を上回りました。この結果、前年同期に比べ3億4千6百万円増収の215億6千6百万円(前年同期比101.6%)となりました。ⅲ.海外 食料品製造・販売事業しょうゆ部門は、北米市場においては、家庭用分野では、主力商品であるしょうゆに加え、しょうゆをベースとした調味料などの拡充に引き続き力を入れており、当社のブランド力を活かした事業展開を行ってまいりました。また、加工・業務用分野では顧客のニーズに合わせたきめ細かな対応をし、事業の拡大を図りました。この結果、前年同期の売上を上回りました。欧州市場においては、主要市場であるドイツ、イギリス、イタリア、オランダなどで前年を上回り、全体では前年同期の売上を上回りました。アジア・オセアニア市場においては、タイ、インドネシアなどで売上を伸ばし、全体では前年同期の売上を上回りました。デルモンテ部門は、部門全体で前年同期の売上を上回りました。その他食料品部門は、部門全体では出資持分譲渡の影響もあり、前年同期の売上を下回りました。この結果、前年同期に比べ129億1千5百万円増収の1,671億7千5百万円(前年同期比108.4%)となりました。ⅳ.海外 食料品卸売事業北米、欧州、アジア・オセアニアとも順調に売上を伸ばしました。この結果、卸売事業全体では、前年同期の売上を上回りました。この結果、前年同期に比べ325億1百万円増収の4,075億2千4百万円(前年同期比108.7%)となりました。 (事業利益)当連結会計年度の当社グループの事業利益は、前年同期に比べ38億7千3百万円増益の772億7千5百万円(前年同期比105.3%)となりました。ⅰ.国内 食料品製造・販売事業しょうゆ部門、食品部門、酒類部門は前年同期を下回ったものの、飲料部門が前年同期を上回りました。この結果、国内 食料品製造・販売事業の事業利益は、前年同期に比べ9億4千7百万円減益の85億2千7百万円(前年同期比90.0%)となりました。ⅱ.国内 その他事業国内 その他事業の事業利益は、前年同期に比べ2億5千4百万円増益の11億7千3百万円(前年同期比127.7%)となりました。ⅲ.海外 食料品製造・販売事業しょうゆ部門は、北米、欧州、アジア・オセアニア市場において堅調に推移しました。デルモンテ部門は前年同期を上回りました。その他食品部門は出資持分譲渡の影響もあり、前年同期を下回りました。この結果、海外 食料品製造・販売事業の事業利益は、前年同期に比べ43億8千3百万円増益の398億5千1百万円(前年同期比112.4%)となりました。ⅳ.海外 食料品卸売事業北米市場において堅調に推移し、前年同期を上回りました。欧州、アジア・オセアニア市場は前年同期を下回りました。この結果、海外 食料品卸売事業の事業利益は、前年同期に比べ3億5千1百万円増益の304億3千9百万円(前年同期比101.2%)となりました。 (営業利益)当連結会計年度のその他の収益及びその他の費用は、前年同期に比べ30億9千1百万円の増収となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は、前年同期に比べ69億6千4百万円増益の736億9千8百万円(前年同期比110.4%)となりました。 (親会社の所有者に帰属する当期利益)当連結会計年度の金融収益及び金融費用は、公正価値評価益の増加等により前年同期に比べ10億1千4百万円の増収となりました。この結果、税引前利益は、前年同期に比べ81億4千9百万円増益の837億5千4百万円(前年同期比110.8%)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期に比べ52億5千3百万円増益の616億9千5百万円(前年同期比109.3%)となりました。また、基本的1株当たり当期利益は、前年同期に比べ5.80円増加の64.99円となりました。 (b)財政状態の分析(資産)当連結会計年度末における流動資産は、3,348億4千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ76億3千3百万円減少いたしました。これは主に、棚卸資産が増加したものの、現金及び現金同等物が減少したことによるものであります。非流動資産は、3,445億6千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ191億7千万円増加いたしました。これは主に、有形固定資産が増加したことによるものであります。この結果、資産は、6,794億1千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ115億3千7百万円増加いたしました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は、880億5千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ70億1千9百万円減少いたしました。これは主に、営業債務及びその他の債務が減少したことによるものであります。非流動負債は、753億1千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億6千2百万円増加いたしました。これは主に、リース負債が減少したものの、繰延税金負債が増加したことによるものであります。この結果、負債は、1,633億6千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ62億5千7百万円減少いたしました。 (資本)当連結会計年度末における資本は、5,160億4千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ177億9千4百万円増加いたしました。これは主に、自己株式の取得により減少したものの、利益剰余金が増加したことによるものであります。この結果、親会社所有者帰属持分比率は74.8%(前連結会計年度末は73.6%)となりました。 (c)キャッシュ・フローの分析当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 2)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場環境の変化、原材料市況の変動、為替レートの変動、食の安全性に関わる問題等があります。市場環境の変化については、景気動向の悪化や消費者の嗜好・価値観の変化、新たな競争相手の出現等によって、当社グループの提供する商品及びサービスに対する需要が低下した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。こうした中、当社グループは、グローバル企業である強みを活かし、事業及び展開地域を多様化することによって、特定地域及び特定事業の変動が全体に及ぼす影響を限定的にできるような体制を強化しております。また、当社グループ各社の業績を月次で把握しており、業績に大きな変化があった場合には原因を分析し、迅速に対応ができるような体制も構築しております。原材料市況の変動については、主力製品のしょうゆに使用される大豆、小麦等は国際商品市況の影響を受け、また原油価格の変動は包装資材であるペットボトル等や商品の製造経費、運送費に影響を与えることから、原材料市況の変動が経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。こうした中、当社グループは、業績の把握及び予算の立案時等において、原材料費変動の影響についての分析及び検討を行い、必要な対応策を講じる体制を構築しております。また、大豆、小麦に関しては、グループ会社間で情報交換を行い、相場変動による影響を低減しております。為替レートの変動については、当社グループは連結財務諸表作成のために在外子会社等の財務諸表を円貨に換算しており、また商品・サービスの提供及び原材料・仕入商品の調達を外貨建てで行っていることなどから、為替レートの変動が経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。こうした中、当社グループは、業績の把握及び予算立案時等において、為替レートの分析及び検討を行い、必要な対応策を講じる体制を構築しております。また、特に影響の大きい主要原材料等については、為替予約を利用してリスクヘッジすることにより、その影響を低減するための対策を講じております。食の安全性に関わる問題については、当社グループでは、安全で高品質の商品を安定的に供給することを基本的な使命と考え、品質保証体制及び品質管理体制の強化に取り組んでおりますが、偶発的な事由によるものを含めて製品事故が発生した場合や当社グループの取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。こうした中、当社グループでは、キッコーマングループ品質方針を定め、グループ主要製造会社に品質保証担当部門を設置するとともに、グループ横断の委員で構成される品質保証委員会を開催し、国内外の安全性、法令の順守、社会的公平性の確保を図る体制を構築しております。 3)資本の財源及び資金の流動性(a)資金需要当社グループの資金需要の主なものは、事業活動における運転資金及び設備資金等であります。運転資金需要のうち主なものは、製品の生産に必要な原材料等の仕入や商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また設備資金需要としては、生産設備への投資に加え、情報処理の為の無形資産投資等があります。(b)財政政策当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入と社債の発行により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、国内、主要な海外子会社のものを含め当社において一元管理し、当社グループ全体の有利子負債の削減を図っております。また、当社グループは国内1社の格付機関から格付を取得し、本報告書提出時点において、格付投資情報センター:「AA-」となっており、また金融機関には十分な借入枠を所有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。 4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 5)経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 6)経営者の問題認識と今後の方針について経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 自然災害とサプライチェーンの寸断
    キッコーマンは世界各地に生産拠点を展開していますが、地震、ハリケーン、干ばつなどの自然災害や大規模事故が発生した場合、生産停止やサプライチェーンの分断により、製品の供給に支障が生じる可能性があります。これにより、売上減少やコスト増加を招き、業績や財政状態に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 原材料市況の変動と地政学リスク
    主力製品に使用される大豆、小麦などの国際商品市況や原油価格の変動は、製品の製造コストに直接影響を与えます。地政学リスクや異常気象による原材料の価格高騰や供給不足が発生した場合、想定を超えるコスト増となり、利益率の低下を通じて業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
  • 競争環境の変化と消費者ニーズの多様化
    消費者の価値観や嗜好は常に変化しており、新たな競合の出現や既存競合品の品質向上、技術革新などにより、市場環境が急激に変化する可能性があります。このような変化に対応できない場合、キッコーマンの製品やサービスへの需要が低下し、業績や財政状態に悪影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,229 文字
3【事業等のリスク】当社グループでは、リスクマネジメントに関する基本方針や管理体制を定める「キッコーマングループリスクマネジメント規程」に基づき、グループ全体のリスクマネジメントを推進しております。CEOが議長を務めるグループ経営会議でグループのリスクについて分析・検討を定期的に行っており、リスクの評価と選定については、社内外の経営環境に及ぼす変化を幅広く捉え今後リスクと成り得る事案を洗い出し、影響度と発生可能性の2つの視点から重要度を評価することで、優先順位をつけ、リスクへの対応を図っております。また、食品企業としての基本機能である、商品の安定供給と安全性の確保に関するリスクに対しては、それぞれ委員会を設けております。商品の安定供給については、危機管理委員会を設置し、事故・災害等のグループに影響を及ぼす危機発生時に適切かつ迅速に対処を行っております。商品の安全性については、キッコーマングループ品質方針を定め、グループ主要製造会社に品質保証担当部門を設置するとともに、グループ横断の委員で構成される品質保証委員会を開催し、安全性、法令の順守、社会的公正性の確保を図っております。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。これらのうち、本年度において、影響度と発生可能性を勘案して重要度「大」と評価したリスクは、(1)「社会経済環境」に関するリスクについては、「自然災害等」、「原材料市況の変動」、(2)「事業環境」に関するリスクについては、「競争環境の変化」、「サステナビリティ」、(3)「事業運営」に関するリスクについては、「情報システム及び情報セキュリティ」、「人財」であります。なお、本項に記載の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月20日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1)「社会経済環境」に関するリスク① 自然災害等当社グループは、日本を始め、米州、欧州、アジアにおいて、現地生産を基本に生産拠点を各地に設置しております。不測の事態に備えた事業継続計画(BCP)を策定しており、適宜、訓練及び見直しを行っております。しかしながら、地震、ハリケーン、干ばつ、集中豪雨等の自然災害、大規模な事故等で、生産停止、又はサプライチェーンの分断等の予想を超えた事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 原材料市況の変動当社グループは、主力製品のしょうゆや豆乳等に使用される大豆、小麦等の国際商品市況、及び原油価格の変動等の影響を予算立案の際におりこみ、月次単位で影響額の把握・対応を行っております。中期経営計画についても、原材料やユーティリティの高騰の影響を検討し、計画を策定しております。しかしながら、地政学リスク等の影響により、それらの前提を越えた価格の高騰や、異常気象、冷夏、暖冬等の気候変動による生産量不足等が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 社会的・経済的混乱当社グループは、長期ビジョンである「グローバルビジョン2030」に基づき、日本を始め、米州、欧州、アジア等、グローバルな事業展開を行っており、地域経済の変動に対するリスクの分散を図っております。しかしながら、世界的な疫病の流行や政治動向及び展開地域における政変、テロ、軍事的衝突等の発生等により、急激な市場環境の変化、あるいは社会や経済に大きな混乱が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)「事業環境」に関するリスク① 競争環境の変化当社グループは、社会、消費者、競合等の動向を捉えた上で、中長期の経営計画を策定しております。また、研究開発体制の整備及び全社的なDXの取り組みを進めるなど、技術革新に努めております。しかしながら、中期的な消費者の価値観や嗜好の変化、新たな競争相手の出現、競合品の飛躍的な品質の向上、情報技術の革新等による急激な環境変化が起こった場合、当社グループの提供する商品及びサービスに対する需要が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② サステナビリティ当社グループは、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、社会課題を解決する中で事業機会を見つけていくことにより企業の社会的責任を果たしていきたいと考えております。そのために「地球環境」「食と健康」「人と社会」の3つを重要分野と定め、「サステナビリティ委員会」が全体を統括し、取り組みを進めております。「地球環境」については、長期環境ビジョンに基づき、環境課題への対応を行っています。CO2排出量及び水使用原単位の削減や、環境配慮型容器の展開を進めることによるプラスチックの削減を進めます。また、当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しております。TCFD提言に基づき、気候変動が事業に与えるリスク及び機会を評価し、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標について開示を進めてまいります。気候変動 | https://www.kikkoman.com/jp/csr/environment/climate-change.html「食と健康」については、「こころをこめたおいしさで、地球を食のよろこびで満たします。」という「キッコーマンの約束」に込めた想いを実践してまいります。キッコーマンの約束 | https://www.kikkoman.com/jp/corporate/brand/promise.html「人と社会」については、「キッコーマングループ人権方針」に基づき、人権デューデリジェンスを推進するとともに、社内教育の充実も図ってまいります。人権の尊重 | https://www.kikkoman.com/jp/csr/management/humanrights.htmlまた、当社グループにおける「地球環境」「食と健康」「人と社会」の3つの重要分野に関する取り組みは、コーポレートレポートに開示しております。https://www.kikkoman.com/jp/csr/report/しかしながら、社会課題への国際的な関心が高まる中で、これらの課題への対応が十分でなかった場合には、企業活動への制約が生じる、又は、社会的信頼を喪失することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)「事業運営」に関するリスク① コンプライアンスa.コンプライアンス当社グループは、国内において食品衛生法、製造物責任法、独占禁止法等の法的規制を受けております。また、事業を展開する各国において、当該国の法的規制を受けております。当社グループは、行動規範を定め、法令順守のための研修等による周知・徹底を図るとともに、各業務のプロセスにおける内部統制の整備・運用を行っております。しかしながら、法規制の変更、強化等により、従来の取引形態、製品規格などの継続が難しくなった場合、あるいは法令等の違反や社会的要請に反した行動が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 b.知的財産権・著作権侵害当社グループは、グループ内で開発した技術については、必要に応じて、特許権、実用新案権、商標権等の産業財産権を取得しております。これらは経営上多くのメリットがある重要な経営資源と考えており、製品の製造法に関して他社の特許に抵触しないかの確認を含め、専門部門による管理を徹底しております。しかしながら、他社が類似するもの、若しくは当社グループより優れた技術を開発した場合や、他社との間で知的財産権侵害に関する紛争等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 情報システム及び情報セキュリティ当社グループは、開発・生産・物流・販売等の業務を担うシステムや、グループ経営及び法人・個人に関する重要情報を保持しており、保守・保全の対策を講じるとともに、情報管理体制の徹底に努めております。しかしながら、停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等予想の範囲を超える出来事により、システム障害や情報漏洩、改ざん等の被害が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 食の安全性当社グループでは、安全で高品質の商品を安定的に供給することを基本的な使命と考え、品質方針を定め、品質保証体制及び品質管理体制を強化し取り組んでおります。しかしながら、偶発的な事由によるものを含めて製品事故が発生し、当社グループの取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 人財当社グループでは、設備投資や業務効率化等により労働生産性向上を図るとともに、各国及び各職種において高度な専門性を有した人財の確保・育成に努めております。しかしながら、労働人口の減少や人件費の高騰により、必要とする人財の確保ができない場合には、業務の遂行及び事業展開に支障をきたし、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 財務a.為替変動当社グループは、為替変動等のリスクを織り込み中期計画、予算、及び業績予想を作成しております。しかしながら、予想の範囲を超える為替変動により外貨建てで調達している原材料及び商品の急激な高騰や、海外子会社の経営成績の円換算額の表面上の減少等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 b.減損会計当社グループは、意思決定ガイドラインを定め、新規事業、設備投資、M&A等のうち一定水準以上の投資を行う場合は、投資対効果等の検討を踏まえた上で取締役会決議としております。しかしながら、当該案件の意思決定時に期待していた収益や効果が実現できない場合には、減損会計の適用を受けることになり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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