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トーメンデバイス(2737)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 半導体・電子部品の専門商社
    トーメンデバイスは、半導体や電子部品の売買を主な事業としています。特に、サムスングループ製の半導体(DRAM、NAND FLASH、システムLSIなど)やディスプレイ(LCD、OLED)を中心に、国内外の顧客に販売することで収益を得ています。
  • サムスングループ製品に特化
    設立経緯から、サムスングループ製の半導体や電子部品の取り扱いに強みを持っています。国内では日本サムスンから、海外では上海三星半導体有限公司などから商品を仕入れ、販売することで事業を展開しています。
  • グローバルな供給網
    日本国内だけでなく、子会社を通じて海外のサムスングループからも商品を仕入れ、販売しています。これにより、グローバルなサプライチェーンを構築し、多様な顧客ニーズに対応することで事業を拡大しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 国内事業の安定的な収益
    日本国内での売上高は1273.14億円、営業利益は43.96億円を計上しており、安定した収益基盤を築いています。主に日本国内のサムスングループから商品を仕入れ、国内の顧客に販売する事業を展開しています。
  • 海外事業が成長を牽引
    海外事業の売上高は2943.56億円、営業利益は58.84億円と、国内事業を大きく上回る規模です。主に中国を中心とした海外市場で、海外のサムスングループから商品を仕入れ、販売することで事業を拡大しており、グループ全体の成長を牽引しています。
  • 全体としての事業規模
    全セグメントを合計した売上高は4216.71億円、営業利益は102.8億円となっています。海外事業が全体の約7割の売上を占めており、グローバルな事業展開がトーメンデバイスの主要な収益源であることがわかります。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
JAPAN 地域 1,273 44 3.5%
OVERSEAS 事業 2,944 59 2.0%
TotalSegments 事業 4,217 103 2.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|847 文字
3【事業の内容】当社の企業集団は、当社、親会社、子会社4社、関連会社1社およびその他の関係会社で構成され、当社および子会社は、半導体および電子部品などの売買を主な事業としております。当社の親会社である豊田通商株式会社は総合商社であり、8つの事業領域とそれをサポートするコーポレート部門により事業を展開しています。その他の関係会社である株式会社ネクスティエレクトロニクスは、豊田通商株式会社の連結子会社であり、多数の外国系半導体メーカー製の半導体および電子部品などの売買を主な事業としております。当社は、株式会社トーメンエレクトロニクス(現 株式会社ネクスティエレクトロニクス)のサムスングループ製半導体の販売部門を分離独立させる形で設立された経緯から、設立以来、サムスングループの半導体および電子部品を中心に取り扱いを行っているのに対し、株式会社ネクスティエレクトロニクスはサムスングループ以外の外国系半導体メーカーの半導体および電子部品を中心に取り扱うことで棲み分けております。また、当社グループは、国内においては、当社が主に日本国内のサムスングループより商品を仕入れ販売し、海外においては、当社の子会社が主に海外のサムスングループから商品を仕入れ販売しております。 当社グループの当該事業に係る主な取扱商品は、次のとおりであります。品目別主要取扱品目半導体 メモリーDRAM、NAND FLASH、MCP(マルチチップ・パッケージ)、SSD(ソリッドステートドライブ)等システムLSISoC(システム・オン・チップ)、DDI(ディスプレイドライバーIC)、CIS(CMOSイメージセンサー)、PMIC(パワーマネージメントIC)、SiP(システム・イン・パッケージ)、ファウンドリー等ディスプレイLCD(液晶パネル)、OLED(有機EL)等その他LED、MLCC(積層セラミックコンデンサ)、バッテリー、設備等 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
主要取扱商品の価格が需給バランスにより大幅に変動する可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 なし
事業または取扱商品について、許可、認可、免許、登録を必要とする事項はない。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 低い
会社が挙げる主要リスク:特定の取引先への依存度が高いこと / 海外でのビジネス展開に伴うリスク / 取扱商品の価格変動リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

トーメンデバイスは卸売業であり、特許やブランドによる強力な無形資産の存在は確認できない。特定の技術やIPに依存するビジネスモデルではない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

特定のサプライヤーや顧客との長期的な取引関係は存在する可能性があるが、卸売業という性質上、顧客が代替サプライヤーに乗り換える際の大きな損失は限定的と考えられる。取引関係の深さがスイッチングコストの源泉となりうる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

卸売業であり、プラットフォームビジネスのようなネットワーク効果が発生するビジネスモデルではない。ユーザー数の増加がサービスの価値向上に直結する構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業運営で培われた調達力や物流ノウハウによる効率化は存在する可能性がある。しかし、同業他社も同様の効率化を進めていると考えられ、構造的なコスト優位性は限定的と推測される。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

特定の電子部品分野における長年の実績と、それに伴う一定の取引量・顧客基盤は、一定の効率規模の経済を生み出している可能性がある。業界内でのポジションは確立されていると考えられる。

  • サムスングループとの強固な関係
    トーメンデバイスは、サムスングループ製の半導体および電子部品の販売に特化しており、長年にわたる取引実績と信頼関係を築いています。これにより、安定した仕入れルートと製品供給力を確保していると考えられます。
  • 専門性と棲み分け戦略
    親会社である豊田通商グループ内で、ネクスティエレクトロニクスがサムスングループ以外の製品を扱うのに対し、トーメンデバイスはサムスングループ製品に特化することで、明確な棲み分けを行っています。これにより、特定の製品群において深い専門知識と販売ノウハウを蓄積しています。
  • 多様な取扱製品群
    DRAMやNAND FLASHといったメモリー半導体から、SoCやDDIなどのシステムLSI、さらにはLCDやOLEDといったディスプレイ製品まで、サムスングループの幅広い電子部品を取り扱っています。これにより、顧客に対して多岐にわたるソリューションを提供できる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)当社の経営理念当社グループは、経営理念である「先端技術の提供とグローバルなパートナーシップを通じて、顧客・社会の現在(いま)と、ひとつ先の未来に貢献します」のもと、サムスングループとの関係を強みとした事業展開と豊田通商グループとのシナジーを通じて、お客様に密着したきめ細かなサービスを提供し、お客様に満足していただくことを経営の基本方針としております。(2)中期経営計画について当社グループは2023年4月に新たな中期経営計画(2023年4月~2026年3月)を策定いたしました。2024年3月期は、中期経営計画1年目としてスタートした直後に取引先の民事再生手続き申請により特別損失を計上し、従来予想から大幅な下方修正をすることとなりましたが、新たな経営体制のもとスタートした中期経営計画2年目となる2025年3月期は、当社歴代2位の売上高および純利益を達成するなど順調に推移しました。最終年である2026年3月期は、アメリカの貿易政策や市況の影響を受け、厳しい環境が続くとみておりますが、中期経営計画における定量目標の実現にむけて、全力で取り組んでまいります。 中期経営計画 全体像(2023年4月~2026年3月) (3)経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題急速な技術革新やグローバル化等による産業構造の変化、地球温暖化や自然災害の増加、米中貿易摩擦、ウクライナ問題の長期化等当社グループを取り巻く事業環境は厳しい状況が続いており、持続可能な社会の実現への貢献が以前にも増して求められております。このような状況下において、対処すべき課題を次のように捉え取り組んでまいります。国内については、事業再編等による既存ビジネスの変化への対応を行い、生成AIサーバービジネスの開拓推進および車載ビジネスの販売体制強化など成長性・競争力の見込まれる分野に向け、最先端の商材の提案を含めた、トータルソリューションに取り組んでまいります。海外(グループ会社)については、グローバル体制を活用した新規顧客・商材の開拓活動を強化し、成長の見込める新興国向けのモバイル端末やデジタル家電向けに販売活動を強化するとともに、引き続きサーバー・ストレージおよび車載ビジネスの深耕と収益性・資金効率の改善・向上に取り組んでまいります。加速する市場環境変化への対応、リスクマネジメントのより一層の徹底や人材育成、連結業績管理のための社内インフラの整備など、グローバル化への対応を進めてまいります。さらに、存在価値の高い上場企業及び半導体商社となるため、以下の課題に取り組んでまいります。①サムスングループの商材を中心に、取扱商品・機能の幅を広げ、技術・品質対応ができる体制の構築により提案力を強化し、お客様の満足度を高めるとともに、新規のお客様の開拓に取り組むこと。②当社グループの海外拠点・物流機能を活用することにより、国内外でのサポート体制を強化するとともに、取扱商品についての有用情報をベースにお客様の視点で最適なソリューションを提供し、さらなる関係強化・取引拡大を図ること。③役職員全員が、業務に必要な能力や知識を高め、自ら考え行動できるよう人間力を磨き続けるとともに、環境の変化に対応できる自律した人材を育成すること。④新規のみならず既存ビジネスについても、変化が激しく不確実性の時代のなかで、付随するリスクに対する役職員の意識・感度を更に高め、素早く適切な対応を行い、的確にPDCAを実行することによって、グループ全体で徹底したリスクマネジメントを追求すること。⑤リモートワークなどの活用によりワークライフバランスを重視した柔軟な働き方を推進し、グローバルな多様な人材との共存、デジタル技術の活用による業務効率化、ペーパーレスへの対応、そして、経営戦略に連動させた人材戦略を立案し、適切な人材アサイン・確保・育成による新しいプロジェクトや事業展開への対応を進め、組織の競争力を向上させ、持続可能なビジネスモデルの確立につなげていくこと。⑥企業の社会的責任の重要性、特にステークホルダーとの関係の重要性を認識し、役職員全員がESGへの取り組みを強化し、気候変動をはじめとした環境への取り組みによる新たなビジネス機会の創出、商社において最大の経営資源である人材育成、基盤となる高度なガバナンス体制の構築等、長期展望に立ち、成長のための投資と経営基盤の強化とのバランスをとりながら、企業価値の向上への取り組みを着実に進めること。 <ESG(環境、社会、ガバナンス)の取り組み強化>「環境」につきましては、車載分野における電動化、自動運転やADAS(先進運転支援システム)の実現に必要な最先端の半導体・電子部品の供給、低消費電力の半導体・電子部品を供給することを通じて、低炭素社会の実現および地球環境へ配慮しビジネスを展開してまいります。「社会」につきましては、ステークホルダーの期待に応えるよう、製品の安全・品質対応の体制構築、グローバル化に対応すべく、国籍・年齢・性別を問わず優秀な人材の確保・プロフェッショナル人材の育成に努めダイバーシティ推進のための取り組みを進めてまいります。また、人権を尊重するとともに、サプライチェーンにおける人権リスクの管理にも取り組み、社会的に責任ある企業としての地位を確立してまいります。「ガバナンス」につきましては、企業活動の根幹と位置づけ、コンプライアンス体制、リスクマネジメント体制、コーポレート・ガバナンス体制を構築し、法令遵守への取り組みを強化してまいります。環境、社会、ガバナンスの各課題に積極的に取り組み、世界中のお客様に愛され、信頼されるグループを目指します。当社グループは、今後とも長期展望に立ち、成長のための投資と経営基盤の強化とのバランスをとりながら、企業価値向上への取り組みを着実に進めてまいります。 <持続的な社会に対する貢献>低消費電力の半導体・電子部品を供給することを通じ、デジタル技術の進化を促進し、未来の産業創造・社会変革に貢献するという考え方は、SDGsの「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」および「産業と技術革新の基盤をつくろう」の目標と合致しており、当社の事業を推進することがSDGsの貢献に繋がると考えております。SDGsの各ゴールを理解し、具体的な行動に繋げることで、ビジネスリスクの軽減や新たなビジネスチャンスの創出を図りたいと考えております。SDGsを経営に取り入れるためのプロセスとして、サステナビリティをめぐる課題への対応が経営の重要課題であると認識しております。サステナビリティへの取り組みを一層強化し、当社の持続的成長を実現するため、2022年に取締役会による監視・監督のもと、社長の諮問機関である「サステナビリティ推進委員会」を設置し、重要な経営課題について適切な経営判断を行い、判断した結果を経営に迅速に反映することができる体制を構築しています。また、サステナビリティ推進委員会での審議に先立ち、各事業部門のメンバーから構成される「気候変動WG」「人的資本WG」「人権WG」の3つのワーキンググループにて、当社のサステナビリティ課題(以下、マテリアリティ)に関する対応の方針・施策を立案し推進する体制を整備しております。 <当社のマテリアリティ> 当社グループ全体で一丸となり課題に取り組んで参ります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)当社の経営理念当社グループは、経営理念である「先端技術の提供とグローバルなパートナーシップを通じて、顧客・社会の現在(いま)と、ひとつ先の未来に貢献します」のもと、サムスングループとの関係を強みとした事業展開と豊田通商グループとのシナジーを通じて、お客様に密着したきめ細かなサービスを提供し、お客様に満足していただくことを経営の基本方針としております。(2)中期経営計画について当社グループは2023年4月に新たな中期経営計画(2023年4月~2026年3月)を策定いたしました。2024年3月期は、中期経営計画1年目としてスタートした直後に取引先の民事再生手続き申請により特別損失を計上し、従来予想から大幅な下方修正をすることとなりましたが、新たな経営体制のもとスタートした中期経営計画2年目となる2025年3月期は、当社歴代2位の売上高および純利益を達成するなど順調に推移しました。最終年である2026年3月期は、アメリカの貿易政策や市況の影響を受け、厳しい環境が続くとみておりますが、中期経営計画における定量目標の実現にむけて、全力で取り組んでまいります。 中期経営計画 全体像(2023年4月~2026年3月) (3)経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題急速な技術革新やグローバル化等による産業構造の変化、地球温暖化や自然災害の増加、米中貿易摩擦、ウクライナ問題の長期化等当社グループを取り巻く事業環境は厳しい状況が続いており、持続可能な社会の実現への貢献が以前にも増して求められております。このような状況下において、対処すべき課題を次のように捉え取り組んでまいります。国内については、事業再編等による既存ビジネスの変化への対応を行い、生成AIサーバービジネスの開拓推進および車載ビジネスの販売体制強化など成長性・競争力の見込まれる分野に向け、最先端の商材の提案を含めた、トータルソリューションに取り組んでまいります。海外(グループ会社)については、グローバル体制を活用した新規顧客・商材の開拓活動を強化し、成長の見込める新興国向けのモバイル端末やデジタル家電向けに販売活動を強化するとともに、引き続きサーバー・ストレージおよび車載ビジネスの深耕と収益性・資金効率の改善・向上に取り組んでまいります。加速する市場環境変化への対応、リスクマネジメントのより一層の徹底や人材育成、連結業績管理のための社内インフラの整備など、グローバル化への対応を進めてまいります。さらに、存在価値の高い上場企業及び半導体商社となるため、以下の課題に取り組んでまいります。①サムスングループの商材を中心に、取扱商品・機能の幅を広げ、技術・品質対応ができる体制の構築により提案力を強化し、お客様の満足度を高めるとともに、新規のお客様の開拓に取り組むこと。②当社グループの海外拠点・物流機能を活用することにより、国内外でのサポート体制を強化するとともに、取扱商品についての有用情報をベースにお客様の視点で最適なソリューションを提供し、さらなる関係強化・取引拡大を図ること。③役職員全員が、業務に必要な能力や知識を高め、自ら考え行動できるよう人間力を磨き続けるとともに、環境の変化に対応できる自律した人材を育成すること。④新規のみならず既存ビジネスについても、変化が激しく不確実性の時代のなかで、付随するリスクに対する役職員の意識・感度を更に高め、素早く適切な対応を行い、的確にPDCAを実行することによって、グループ全体で徹底したリスクマネジメントを追求すること。⑤リモートワークなどの活用によりワークライフバランスを重視した柔軟な働き方を推進し、グローバルな多様な人材との共存、デジタル技術の活用による業務効率化、ペーパーレスへの対応、そして、経営戦略に連動させた人材戦略を立案し、適切な人材アサイン・確保・育成による新しいプロジェクトや事業展開への対応を進め、組織の競争力を向上させ、持続可能なビジネスモデルの確立につなげていくこと。⑥企業の社会的責任の重要性、特にステークホルダーとの関係の重要性を認識し、役職員全員がESGへの取り組みを強化し、気候変動をはじめとした環境への取り組みによる新たなビジネス機会の創出、商社において最大の経営資源である人材育成、基盤となる高度なガバナンス体制の構築等、長期展望に立ち、成長のための投資と経営基盤の強化とのバランスをとりながら、企業価値の向上への取り組みを着実に進めること。 <ESG(環境、社会、ガバナンス)の取り組み強化>「環境」につきましては、車載分野における電動化、自動運転やADAS(先進運転支援システム)の実現に必要な最先端の半導体・電子部品の供給、低消費電力の半導体・電子部品を供給することを通じて、低炭素社会の実現および地球環境へ配慮しビジネスを展開してまいります。「社会」につきましては、ステークホルダーの期待に応えるよう、製品の安全・品質対応の体制構築、グローバル化に対応すべく、国籍・年齢・性別を問わず優秀な人材の確保・プロフェッショナル人材の育成に努めダイバーシティ推進のための取り組みを進めてまいります。また、人権を尊重するとともに、サプライチェーンにおける人権リスクの管理にも取り組み、社会的に責任ある企業としての地位を確立してまいります。「ガバナンス」につきましては、企業活動の根幹と位置づけ、コンプライアンス体制、リスクマネジメント体制、コーポレート・ガバナンス体制を構築し、法令遵守への取り組みを強化してまいります。環境、社会、ガバナンスの各課題に積極的に取り組み、世界中のお客様に愛され、信頼されるグループを目指します。当社グループは、今後とも長期展望に立ち、成長のための投資と経営基盤の強化とのバランスをとりながら、企業価値向上への取り組みを着実に進めてまいります。 <持続的な社会に対する貢献>低消費電力の半導体・電子部品を供給することを通じ、デジタル技術の進化を促進し、未来の産業創造・社会変革に貢献するという考え方は、SDGsの「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」および「産業と技術革新の基盤をつくろう」の目標と合致しており、当社の事業を推進することがSDGsの貢献に繋がると考えております。SDGsの各ゴールを理解し、具体的な行動に繋げることで、ビジネスリスクの軽減や新たなビジネスチャンスの創出を図りたいと考えております。SDGsを経営に取り入れるためのプロセスとして、サステナビリティをめぐる課題への対応が経営の重要課題であると認識しております。サステナビリティへの取り組みを一層強化し、当社の持続的成長を実現するため、2022年に取締役会による監視・監督のもと、社長の諮問機関である「サステナビリティ推進委員会」を設置し、重要な経営課題について適切な経営判断を行い、判断した結果を経営に迅速に反映することができる体制を構築しています。また、サステナビリティ推進委員会での審議に先立ち、各事業部門のメンバーから構成される「気候変動WG」「人的資本WG」「人権WG」の3つのワーキンググループにて、当社のサステナビリティ課題(以下、マテリアリティ)に関する対応の方針・施策を立案し推進する体制を整備しております。 <当社のマテリアリティ> 当社グループ全体で一丸となり課題に取り組んで参ります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善による個人消費の復調や好調なインバウンド需要により景気は緩やかに回復いたしました。世界経済においては、中国経済の先行き懸念、ウクライナ問題の長期化、中東情勢の不安定化、米国主導による貿易戦争の拡大化等、依然として先行き不透明な状況となっております。エレクトロニクス業界におきましては、AI関連を中心とした需要の広がりと、在庫調整の進展により、一般サーバー・ストレージ、PC、スマートフォンなどの一部で需要の増加が見られたものの、市況の本格回復には乏しい状況が続いております。一方、車載市場においては、ADAS・自動運転・電動化および統合コックピット化などにより、半導体の搭載量が増加しております。このような状況下、当社グループは、主にサーバー・ストレージおよび車載向けの売上が増加したこと、当第2四半期連結会計期間において当社主要取扱製品であるメモリー製品が価格上昇基調であったことから、売上高は4,216億71百万円(前年同期比13.8%増)となりました。営業利益は101億69百万円(同7.3%増)、経常利益は73億77百万円(同18.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は55億88百万円(同166.6%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 (日本)SiPビジネスおよびファウンドリービジネスの売上が減少したものの、サーバー・ストレージ向けメモリー製品および車載向け製品(メモリー製品およびOLED)の売上が増加したことから、このセグメントの売上高は1,273億14百万円(同17.1%増)となりました。また、セグメント利益は43億96百万円(同8.3%増)となりました。(海外)サーバー・ストレージ向けメモリー製品の販売が堅調であったこと、PC向けメモリー製品およびスマートフォン向け製品(高画素CISおよびOLED)の売上が増加したことから、このセグメントの売上高は2,943億56百万円(同12.4%増)となりました。また、セグメント利益は58億84百万円(同13.0%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローについては、主に営業活動によるキャッシュ・フローが増加した一方で、財務活動によるキャッシュ・フローが減少したことにより、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)が、前連結会計年度末に比べ76億92百万円減少し131億72百万円となりました。 当連結会計年度末に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は、92億10百万円(前期比47億85百万円増)となりました。これは主に仕入債務の減少(61億32百万円)により資金が減少しましたが、税金等調整前当期純利益の計上(74億84百万円)、売上債権の減少(51億51百万円)により資金が増加したことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、21百万円(前期は4億94百万円の収入)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出(23百万円)により資金が減少したことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、168億53百万円(前期は29億4百万円の収入)となりました。これは主に短期借入金の減少(155億47百万円)により資金が減少したことによるものであります。 ③仕入及び販売の実績a.仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)日本(百万円)175,630121.5海外(百万円)280,666108.9合計(百万円)456,297113.4(注)セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)日本(百万円)179,044120.9海外(百万円)294,359111.2合計(百万円)473,403114.7(注)1.セグメント間の内部振替前の数値によっております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績の10%未満であるため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)経営成績当連結会計年度の売上高は4,216億71百万円(前年同期比13.8%増)となりました。品目別には以下の通りになります。(メモリー)サーバー・ストレージ、PC、車載向け売上が増加したことから、この分野の売上高は3,470億72百万円(前年同期比20.1%増)となりました。(システムLSI)海外市場ではスマートフォン向け高画素CIS(CMOSイメージセンサー)の売上が増加したものの、国内市場ではSiP(システム・イン・パッケージ)ビジネスおよびファウンドリービジネスの売上が減少したことから、この分野の売上高は584億48百万円(同13.9%減)となりました。(ディスプレイ)TV・モニター向けLCD(液晶パネル)の売上は減少したものの、車載およびスマートフォン向けOLED(有機EL)の売上が増加したことから、この分野の売上高は129億35百万円(同87.7%増)となりました。(その他)主に液晶TV向けバックライト用LEDの売上が減少したことから、この分野の売上高は32億16百万円(同53.9%減)となりました。 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より3億35百万円増加し、45億27百万円(前年同期比8.0%増)となりました。これは主に保険料の増加(2億93百万円)によるものであります。当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度より3億22百万円減少し、69百万円(前年同期比82.3%減)となりました。これは主に還付消費税等の減少(△3億47百万円)によるものであります。当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度より8億6百万円減少し、28億60百万円(前年同期比22.0%減)となりました。これは主に支払利息が増加(2億58百万円)した一方、為替差損が減少(△11億46百万円)したことによるものであります。 2)財政状態当連結会計年度末の総資産の残高は、1,139億70百万円(前連結会計年度比12.5%減)となりました。これは主に受取手形及び売掛金、預け金、現金及び預金、商品が減少したことによるものです。負債の残高は、643億49百万円(同24.0%減)となりました。これは主に短期借入金、買掛金が減少したことによるものです。純資産の残高は、496億21百万円(同9.0%増)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上、配当金の支払によるものです。 b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報1)キャッシュ・フローの状況当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 2)資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の購入代金及び人件費等の販売費及び一般管理費の支払いによるものであります。当社グループはこれらの資金需要に対し、自己資金および金融機関からの借入を基本としており、金融機関からの借入の主な通貨は日本円および米ドルであります。なお、当連結会計年度末における金融機関からの借入金の残高は140億54百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は131億72百万円となっております。 c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標中期経営計画(2024年4月~2025年3月)の2年目である2025年3月期の進捗状況は以下のとおりです。主にサーバー・ストレージおよび車載向けの売上が増加したこと、当第2四半期連結会計期間において当社主要取扱製品であるメモリー製品が価格上昇基調であったことから、売上高は4,216億71百万円(前連結会計年度比13.8%増)となりました。営業利益は101億69百万円(同7.3%増)、経常利益は73億77百万円(同18.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は55億88百万円(同166.6%増)となりました。 <中期経営計画定量目標> 当社グループは、株主及び投資家の皆さまによる当社への期待収益を反映した資本コストを上回るROEを実現することを目標に、資本効率を重視した経営の実践に取り組んでおります。今後の社会・経済情勢の変化に対応するため、より強固なビジネスモデル構築が求められております。中期経営計画の最終年度である2026年3月期にあたる本年度は、米国の貿易政策の動向をはじめとする不確実性の高い経営環境が続いておりますが、これまでの取り組みを総括し、将来に向けた成長戦略を策定してまいります。特に中期経営計画のテーマでもある持続可能な社会の実現に向け、サステナビリティ課題への対応を強化し、全社一丸となって目標達成に取り組んでまいります。

事業リスク

  • 特定の仕入先への高い依存度
    当社グループはサムスングループからの仕入れに極めて高く依存しており、2025年3月期には仕入高の84.2%がサムスングループからのものです。そのため、サムスングループの経営戦略変更や地政学リスクが、当社の業績に大きな影響を与える可能性があります。
  • 主要販売先への集中リスク
    売上高上位10社が全体の約67%を占めており、特定の販売先に売上が集中しています。これらの主要販売先の経営戦略変更や業績悪化は、当社グループの売上や利益に直接的な悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 海外事業展開に伴うリスク
    中国を中心に海外市場での事業拡大を進めていますが、為替変動、地政学リスク、信用リスク、カントリーリスクなど、国際的な事業活動特有のリスクに直面する可能性があります。特に、各国の商慣習の違いが事業展開の障害となることも考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,486 文字
3【事業等のリスク】当社グループの事業等に関し、経営方針の変更および将来の経済的な環境変化等によっては業績に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として、次のものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(特に重要なリスク)(1)特定の取引先への依存度が高いことについて①仕入先について当社グループは、サムスングループの半導体および電子部品の販売に特化しており、国内においては日本サムスン株式会社から、海外においては上海三星半導体有限公司、Samsung Electronics Singapore Pte. Ltd.等から商品を購入しており、サムスングループへの依存度が極めて高い状況にあります。今後も、サムスングループ製品の販売を中心とした事業展開を行うため、同グループの経営戦略の変更、同グループ拠点における地政学リスク等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループの仕入高のうちサムスングループからの仕入高の割合は、次のとおりであります。仕入先連結会計年度2024年3月期2025年3月期割合(%)割合(%)日本サムスン株式会社33.637.7上海三星半導体有限公司42.046.1サムスングループその他1.10.4サムスングループ計76.884.2 なお、当該リスクへの対応策として、将来の経営の第2の柱とする商材・ビジネスモデルの発掘に向け、あらゆる分野より将来性、採算性の見極めをおこなっております。 ②販売先について売上高上位10社(関連企業含む)が売上高合計に占める割合は約67%と高い比率になっており、主要販売先の経営戦略の変更や業績などが、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (2)海外でのビジネス展開について当社グループは、国内のみならず中国を中心に海外市場での事業拡大を図っており、国際的な事業活動における障害が新たなリスクとして顕在化しております。為替変動リスクおよび地政学リスクに加え、信用リスク、カントリーリスクや、取引相手との関係構築・拡大などの点で、各国の商慣習に関する障害に直面する可能性があります。なお、当該リスクへの対応策として、安全保障貿易管理の重要性および基本的理解の向上に努め、管理体制について監査を実施するなど法令違反リスク回避のため、徹底した管理をおこなっております。また、与信リスクに対しては、与信限度状況を毎月精査し遅延債権の状況をタイムリーに把握、特定の取引先の状況については、取締役会、経営会議、リスク管理委員会等で報告をおこなうなど信用限度管理を強化しております。 (重要なリスク)(1)主要な事業活動の前提となる事項について主要な業務または製商品に係る許可、認可、免許若しくは登録について、当社グループの事業または取扱商品について、許可、認可、免許、登録を必要とする事項はありません。(2)取扱商品の価格変動について当社グループの主要な取扱商品である半導体および電子部品は、需給バランスにより取引価格が大幅に変動し、業績に大きな影響を与える可能性があります。なお、当該リスクへの対応策として、当社グループは顧客の需要動向並びに仕入先の供給状況を常に把握し、在庫が滞留しないよう在庫管理を徹底することで、取扱商品の価格変動が業績に与える影響を軽減しております。 (3)借入金依存度および金利動向による影響について販売先・仕入先それぞれの決済条件の差異から、取引金額の拡大に伴って運転資金需要が増加する傾向があり、販売先・仕入先との決済条件の変更や今後、金利が上昇した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、当該リスクへの対応策として、この増加した運転資金需要については、自己資金、金融機関からの借入金および債権の流動化によって対応しております。従って、当社グループの実質的な金利負担は、支払利息および債権売却損を併せて考慮する必要があります。当社グループは適時に資金繰り計画を作成および更新し、適切な資金需要および調達期間に応じた資金調達を行うことにより金利負担の軽減に努めております。 当社グループの借入金および総資産に占める割合は、次のとおりであります。区分連結会計年度2024年3月期2025年3月期金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)短期借入金29,66122.814,05412.3総資産130,213100.0113,970100.0また、当社グループの支払利息および債権売却損は、次のとおりであります。区分連結会計年度2024年3月期2025年3月期支払利息(百万円)1,5391,798債権売却損(百万円)400485(4)為替相場の変動による影響について当社グループは外貨建(米ドル)の売買取引を行っており、急速な相場変動により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、当該リスクへの対応策として、国内で発生する外貨建(米ドル)売買取引につきましては、為替予約を行うことにより為替相場の変動による影響を軽減するよう努めております。また、海外での売買取引は仕入、販売ともに基本的に米ドル建で行うことにより為替相場の変動による影響を軽減するよう努めております。 (5)自然災害について大規模地震や洪水等の自然災害により、当社グループの業務が全部または一部停止した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、仕入先・販売先の生産機能および物流機能が長期間にわたり低下した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、当該リスクへの対応策として、質の高いBCPを策定・維持するため、全役職員を対象としたBCP演習訓練を実施し、事業を継続するための取り組みをおこなっております。 当社事業に大きな影響をもたらすと予想されるリスク・機会について、今後詳細な分析を進めるとともに、対応策を検討し戦略に反映してまいります。

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