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サントリービバレッジ&フード(2587)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

食料品 食品

事業の概要

  • 飲料・食品事業の中核
    サントリーホールディングス傘下で、飲料・食品セグメントの中核を担う企業です。ミネラルウォーター、コーヒー、お茶、炭酸飲料、スポーツ飲料、特定保健用食品など、幅広い製品の製造・販売を手掛けています。グループ全体で飲料・食品事業に特化しており、国内外で事業を展開しています。
  • 事業持株会社としての機能
    サントリービバレッジ&フードは、グループ全体の事業戦略策定、予算管理、品質保証、事業・商品開発、M&A戦略の立案など、グループの中枢機能を担っています。役員・従業員の派遣を通じて、子会社62社と持分法適用会社8社を含むグループ全体の企業統治を行っています。
  • 多角的な販売チャネル
    日本国内では、サントリーフーズがスーパー、量販店、コンビニエンスストアでの販売を、サントリービバレッジソリューションが自動販売機を通じた直接販売やオペレーターを通じた販売を担当しています。これにより、多様な顧客接点を通じて製品を消費者に届けるビジネスモデルを構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本事業
    日本国内における清涼飲料の製造・販売を担う中核事業です。ミネラルウォーター、コーヒー飲料、茶系飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料、特定保健用食品など、多岐にわたる製品を展開しています。サントリーフーズがスーパーやコンビニ、サントリービバレッジソリューションが自動販売機を通じて販売し、全国の工場で安定供給を支えています。
  • アジアパシフィック事業
    タイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドなどを中心に展開する事業です。タイでは健康食品「BRAND'S Essence of Chicken」、ベトナムではエナジードリンク「Sting」や茶飲料「TEA+」、オーストラリア・ニュージーランドではエナジードリンク「V」や果汁飲料「JUST JUICE」など、地域に根ざした製品を製造・販売しています。
  • 欧州事業
    フランス、英国、スペインなどの欧州地域における事業です。Orangina Schweppes Holding B.V.が炭酸飲料「Orangina」「Schweppes」や果汁飲料「Oasis」を、Lucozade Ribena Suntory Limitedが果汁飲料「Ribena」やエナジードリンク「Lucozade」などを製造・販売しており、欧州市場で多様な飲料を提供しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,537 文字
3【事業の内容】 当社は、親会社であるサントリーホールディングス㈱を中心とするサントリーグループの飲料・食品セグメントの中核をなす企業で、飲料・食品の製造・販売事業を行っています。当社グループは、当社、子会社62社及び持分法適用会社8社より構成されています。  当社は、当社グループの事業持株会社として、役員・従業員派遣を通じてグループ会社に対する企業統治を行うとともに、当社グループの事業戦略・活動方針の策定、予算策定、品質保証の推進、事業開発、商品開発等を行い、当社グループの中枢として機能しています。また、このような当社グループの中枢としての業務のほか、当社グループの国内外の事業展開に資するM&A戦略の策定、M&A相手先の選定も行っています。当社グループでは、以下に記載するとおり、グループ各社にその権限を委譲し、グループ各社が高度の専門性を発揮し、グループ全体として迅速な事業活動の展開を行うべく、当社はグループビジョンの構築、グループ全体での事業の拡大・推進の役割を担っています。  当社グループは飲料・食品事業という単一の事業を行っているため、報告セグメントはエリア区分により記載するものとします。 [日本事業] 当社グループは、日本国内において、ミネラルウォーター、コーヒー飲料、茶系飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料、特定保健用食品等の製造・販売を行っています。 当社グループにおける清涼飲料事業のマーケティング・商品企画については、当社が担っています。 当社グループにおける製品の製造については、サントリープロダクツ㈱が担っています。同社は、関東甲信越エリアに「榛名工場」(群馬県)「羽生工場」(埼玉県)「多摩川工場」(東京都)「神奈川綾瀬工場」(神奈川県)「天然水南アルプス白州工場」(山梨県)「天然水北アルプス信濃の森工場」(長野県)を、関西エリアに「宇治川工場」(京都府)「高砂工場」(兵庫県)を置き、中間地点である愛知県に「木曽川工場」を、また、鳥取県に「天然水奥大山ブナの森工場」を置くことにより、日本全国への安定した製品供給を可能とする体制を整えています。また、効率的経営を課題に、新製品量産化、製造技術改善、人財育成の推進等に取り組んでいます。同社が製造する製品は、ミネラルウォーター、コーヒー飲料、茶系飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料、特定保健用食品等であり、当社グループが日本国内で販売する製品の多くを占めています。 当社グループが製造・輸入する製品の販売については、サントリーフーズ㈱及びサントリービバレッジソリューション㈱が主にその役割を担っています。 サントリーフーズ㈱は、当社グループが製造・輸入する清涼飲料の国内におけるスーパー、量販店、コンビニエンスストアを通じた販売を担当しています。サントリービバレッジソリューション㈱は、当社グループが製造・輸入する清涼飲料の自動販売機等による直接販売及び自動販売機オペレーターを通じた販売を担当しています。両社は、清涼飲料販売についての高い専門性とプロ意識を確立すべく、販売機能に特化した事業活動を実施しています。 ㈱ジャパンビバレッジホールディングスは、サントリービバレッジソリューション㈱への清涼飲料等の販売を担当しています。 サントリーフーズ沖縄㈱は、沖縄県において、清涼飲料等の販売を担当しています。 [アジアパシフィック事業] Suntory Beverage & Food International (Thailand) Co., Ltd.及びその子会社が、タイを含む東南アジア、台湾等において「BRAND'S Essence of Chicken」シリーズ等の健康食品の製造・販売を行っています。 Suntory PepsiCo Vietnam Beverage Co., Ltd.が、ベトナムにおいて、エナジードリンク「Sting」、サントリーブランドの茶飲料「TEA+」等の製造・販売を行っています。 Suntory PepsiCo Beverage (Thailand) Co., Ltd.が、タイにおいて、炭酸飲料「PEPSI」等の製造・販売を行っています。 SUNTORY BEVERAGE & FOOD NEW ZEALAND LIMITED、SUNTORY BEVERAGE & FOOD AUSTRALIA PTY LTD等が、ニュージーランド、オーストラリアを中心に清涼飲料の製造・販売を行っています。エナジードリンク「V」、果汁飲料「JUST JUICE」等の幅広い製品を販売しています。 マレーシア、香港、シンガポール等においても、各地の子会社が、「Ribena」「Lucozade」等の販売を行っています。 [欧州事業] フランス、英国、スペインを含む欧州等においては、Orangina Schweppes Holding B.V.及びその子会社が、炭酸飲料「Orangina」「Schweppes」、果汁飲料「Oasis」等の製造・販売を行い、Lucozade Ribena Suntory Limited及びその子会社が、果汁飲料「Ribena」、エナジードリンク・スポーツドリンク「Lucozade」等の製造・販売を行っています。 [米州事業] Pepsi Bottling Ventures LLC及びその子会社が、北米においてノースカロライナ州を中心に清涼飲料の製造・販売を行っています。  当社の親会社であるサントリーホールディングス㈱を中心とするサントリーグループは、飲料・食品の製造・販売、スピリッツ・ビール類・ワイン等の製造・販売、更にその他の事業活動を行っています。その他の事業では、健康食品の製造・販売、高級アイスクリームの製造・販売等を行うとともに、料飲店経営等の外食事業を行っています。 サントリーホールディングス㈱は寿不動産㈱の子会社であるため、寿不動産㈱もまた、当社の親会社ですが、当社と寿不動産㈱の間に事業上の関係はありません。  当社グループの2025年12月31日現在の状況について、事業系統図を示すと次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料・エネルギー価格高騰時に販売価格への転嫁が難しい場合があるため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
長年の事業活動で培われたブランドイメージと信用が競争優位性となる。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:事業計画・事業見通し(経済情勢、消費者嗜好、競争、天候) / 事業提携・資本提携・企業買収(意図した成果が得られない可能性) / 品質・安全性(品質問題、風評被害、リコール、損害賠償)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

サントリーブランドは長年にわたり、高品質で信頼性の高い飲料ブランドとしての地位を確立している。「伊右衛門」「クラフトボス」などの主力商品は、消費者の間で高い認知度と愛着を獲得しており、これが無形資産として競争優位の源泉となっている。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

飲料市場において、特定のブランドへのロイヤリティは存在するものの、消費者は価格やプロモーション、新商品によって比較的容易にブランドを乗り換える傾向がある。特に機能性飲料以外では、スイッチングコストは限定的と言える。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

飲料の消費は基本的に個人で行われるため、ユーザーが増えることでサービスの価値が増すといったネットワーク効果は発生しない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

大手飲料メーカーとして一定の規模の経済は享受しているが、原材料調達や製造プロセスにおいて、競合他社との顕著なコスト優位性を示す具体的な情報は少ない。効率化努力は継続していると考えられる。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

サントリーグループ全体としての広範な販売網、物流網、および生産能力は、国内飲料市場において強力な規模の経済を形成している。これにより、効率的な商品供給と市場へのリーチが可能となっている。

  • 強固なブランド力と製品群
    サントリーグループは長年にわたり培ってきた信頼とブランド力を持っており、ミネラルウォーター「サントリー天然水」やコーヒー飲料「BOSS」など、消費者に広く認知された人気商品を多数展開しています。これにより、市場での競争優位性を確立し、安定的な収益基盤を築いています。
  • 効率的な製造・供給体制
    サントリープロダクツが日本全国に複数の工場を配置し、効率的な製品製造と安定供給体制を確立しています。関東甲信越、関西、中部、中国地方に工場を持つことで、物流コストを抑えつつ、日本全国の需要に迅速に対応できる体制を構築しており、これがコスト競争力に繋がっています。
  • グローバルな事業展開
    アジア、欧州、米州といった主要地域で事業を展開し、各地域の特性に合わせた製品ポートフォリオと販売戦略を持っています。例えば、アジアでは健康食品「BRAND'S Essence of Chicken」、欧州では炭酸飲料「Orangina」、米州では「PEPSI」など、地域ごとの有力ブランドを保有・展開しており、グローバルな規模で収益機会を追求しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)企業理念 当社グループの企業理念は、「わたしたちの目的 / Our Purpose」、「わたしたちの価値観 / Our Values」、「わたしたちのDNA / Who We Are」から構成されています。 「わたしたちの目的 / Our Purpose」、「わたしたちの価値観 / Our Values」はサントリーグループ企業理念と共通であり、事業を営む目的や企業として目指す方向性と、目的を実現するために全ての従業員が大切にすべき価値観を定義しています。 また、真のグローバル飲料企業として“質の高い成長”を実現するために、普遍的な当社グループらしさを「わたしたちのDNA / Who We Are」と定義しています。 <わたしたちの目的 / Our Purpose> 人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、「人間の生命(いのち)の輝き」をめざす。<わたしたちの価値観 / Our Values> Growing for Good / やってみなはれ / 利益三分主義<わたしたちのDNA / Who We Are> Always Together with Seikatsusha We connect with your feelings to enrich every moment of life 生活者の喜怒哀楽に寄り添い、潤い豊かな人生を提供します。 (2)中期経営戦略 真のグローバル飲料企業として、“質の高い成長”を実現していく中で、「既存事業で市場を上回る成長」に加え、「新規成長投資による増分獲得」により、2030年売上2.5兆円を目指します。 また、売上成長を上回る利益成長の実現を目指します。 この目標を達成するために、以下の重点項目を中心に積極的に事業展開していきます。<ブランド戦略> ・コアブランドイノベーション強化 ・戦略ブランドでクロスセル展開エリア拡大 ・グローバルなサントリーブランドの育成<構造改革> ・日本 収益力強化に向けた構造改革の加速 ・海外 事業成長加速と更なる収益力強化 ・事業ポートフォリオの更なる拡充、強化(RTD展開等)<DEI> ・異なる考え、価値観の融合による企業競争力の向上<サステナビリティ> ・環境、社会課題への取組み強化 (3)中期経営計画(2024-2026) 中期経営戦略に基づく2026年までの目標は以下のとおりです。オーガニック成長(2023年を起点、為替中立) 売上収益  平均年率1桁台半ばの成長 営業利益  平均年率1桁台後半の成長 営業利益率  2026年までに 10%超  フリーキャッシュフロー  2026年に1,400億円強創出  ※フリーキャッシュフロー=営業キャッシュフロー - 投資キャッシュフロー成長投資・3,000~6,000億円の投資枠を設定・M&A、戦略的な設備投資(サステナビリティ投資含む)、戦略ブランドのグローバル展開に注力配当方針・2024年度以降、目標配当性向40%以上※親会社の所有者に帰属する当期利益に対する連結配当性向の目安 (4)経営環境及び優先的に対処すべき課題 2026年は、不確実性の高い外部環境や厳しい競争環境が継続、また消費行動の多様化が更に進むとの想定のもと、「新たな価値創造(イノベーション)」と「事業変革(トランスフォーメーション)」の加速を通じ、売上収益の成長を図ります。また、コストマネジメントの徹底も継続することで、増益を目指します。中長期の成長に向けては、引き続きM&A等の投資機会の探索や生産設備の増強を通じた生産性向上に取り組みます。 また、DEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)に関しては、グローバルで多様な個性を活かしつつ、One Teamとして成長するというビジョンのもと、様々な取組を推進します。サステナビリティに関しては、「水」、「温室効果ガス」、「プラスチック」を重点領域と位置づけ、「環境目標2030」の達成に向けた活動を強化します。 なお、当社は、海外事業の迅速な変革の加速と一体経営を行うべく、2026年1月1日付で組織変更を実施しました。これに伴い、従来、「日本事業」、「アジアパシフィック事業」、「欧州事業」、「米州事業」としていた報告セグメントを、2026年度より「日本事業」、「欧州事業」、「アジア事業」、「オセアニア事業」、「米州事業」に変更します。 [日本事業] 日本では、引き続き「コアブランドイノベーション」、「自販機事業の構造改革」、「サプライチェーン構造革新」を事業戦略の重点領域とし、売上収益と利益の成長を図ります。 コアブランドを中心に独自のブランド価値の訴求を一層強化するとともに、フレーバー展開や容器・容量帯の拡充等を通じ、ブランド価値向上と需要創造を目指します。マーケティング活動においては、引き続き「サントリー天然水」、「BOSS」、「伊右衛門」、「GREEN DA・KA・RA」及び「特茶」への活動を更に強化していきます。 加えて、新ブランドの開発・投入を通じたポートフォリオ拡充を進め、消費者ニーズを捉えた新たな価値を創造します。 [欧州事業] 欧州では、コアブランドの強化と積極的な販促活動を進めます。コスト削減活動及び構造改革も継続し、収益性の向上を図ります。フランスでは、「Oasis」、「Orangina」の付加価値を高めていきます。イギリスでは、「Lucozade」を中心に独自の価値を積極的に発信しつつ、新商品や新フレーバーを導入します。スペインでは、商品ポートフォリオの拡充及び業務用ビジネスの構造改革を更に推進します。 [アジア事業] アジアでは、ベトナム及びタイにおける急速な事業環境変化の影響が引き続くとの想定のもと、コアブランドの販促を強化、ニーズに応じた容器・容量展開等と合わせ、新たな需要創出とブランド価値向上を図ります。 飲料事業では、ベトナムは、エナジードリンク「Sting」や茶飲料「TEA+」等のコアブランドの営業活動強化に継続して取り組みます。タイでは、炭酸カテゴリー強化に加え、非炭酸カテゴリーにおいて「TEA+」のブランド変革やポートフォリオ拡充を進めます。 健康食品事業では、「BRAND'S Essence of Chicken」の販促強化に加え、「BRAND'S Bird's Nest」においては、ドリンクの販売拡大やゼリー形状の商材展開等に取り組みます。 [オセアニア事業] オーストラリア及びニュージーランドでは、引き続きコアブランドである「V」に注力するとともに、「BOSS」の更なる成長を図ります。RTDアルコール飲料については、2026年1月からニュージーランドでも販売を開始し、更なる売上拡大を目指します。 [米州事業] 主力の炭酸カテゴリーの強化を進めるとともに、伸長する非炭酸カテゴリーの更なる拡大に取り組みます。消費者の変化を先取りした新ブランド投入と商品展開を通じポートフォリオを最適化し、売上収益及び利益の成長を図ります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)企業理念 当社グループの企業理念は、「わたしたちの目的 / Our Purpose」、「わたしたちの価値観 / Our Values」、「わたしたちのDNA / Who We Are」から構成されています。 「わたしたちの目的 / Our Purpose」、「わたしたちの価値観 / Our Values」はサントリーグループ企業理念と共通であり、事業を営む目的や企業として目指す方向性と、目的を実現するために全ての従業員が大切にすべき価値観を定義しています。 また、真のグローバル飲料企業として“質の高い成長”を実現するために、普遍的な当社グループらしさを「わたしたちのDNA / Who We Are」と定義しています。 <わたしたちの目的 / Our Purpose> 人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、「人間の生命(いのち)の輝き」をめざす。<わたしたちの価値観 / Our Values> Growing for Good / やってみなはれ / 利益三分主義<わたしたちのDNA / Who We Are> Always Together with Seikatsusha We connect with your feelings to enrich every moment of life 生活者の喜怒哀楽に寄り添い、潤い豊かな人生を提供します。 (2)中期経営戦略 真のグローバル飲料企業として、“質の高い成長”を実現していく中で、「既存事業で市場を上回る成長」に加え、「新規成長投資による増分獲得」により、2030年売上2.5兆円を目指します。 また、売上成長を上回る利益成長の実現を目指します。 この目標を達成するために、以下の重点項目を中心に積極的に事業展開していきます。<ブランド戦略> ・コアブランドイノベーション強化 ・戦略ブランドでクロスセル展開エリア拡大 ・グローバルなサントリーブランドの育成<構造改革> ・日本 収益力強化に向けた構造改革の加速 ・海外 事業成長加速と更なる収益力強化 ・事業ポートフォリオの更なる拡充、強化(RTD展開等)<DEI> ・異なる考え、価値観の融合による企業競争力の向上<サステナビリティ> ・環境、社会課題への取組み強化 (3)中期経営計画(2024-2026) 中期経営戦略に基づく2026年までの目標は以下のとおりです。オーガニック成長(2023年を起点、為替中立) 売上収益  平均年率1桁台半ばの成長 営業利益  平均年率1桁台後半の成長 営業利益率  2026年までに 10%超  フリーキャッシュフロー  2026年に1,400億円強創出  ※フリーキャッシュフロー=営業キャッシュフロー - 投資キャッシュフロー成長投資・3,000~6,000億円の投資枠を設定・M&A、戦略的な設備投資(サステナビリティ投資含む)、戦略ブランドのグローバル展開に注力配当方針・2024年度以降、目標配当性向40%以上※親会社の所有者に帰属する当期利益に対する連結配当性向の目安 (4)経営環境及び優先的に対処すべき課題 2026年は、不確実性の高い外部環境や厳しい競争環境が継続、また消費行動の多様化が更に進むとの想定のもと、「新たな価値創造(イノベーション)」と「事業変革(トランスフォーメーション)」の加速を通じ、売上収益の成長を図ります。また、コストマネジメントの徹底も継続することで、増益を目指します。中長期の成長に向けては、引き続きM&A等の投資機会の探索や生産設備の増強を通じた生産性向上に取り組みます。 また、DEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)に関しては、グローバルで多様な個性を活かしつつ、One Teamとして成長するというビジョンのもと、様々な取組を推進します。サステナビリティに関しては、「水」、「温室効果ガス」、「プラスチック」を重点領域と位置づけ、「環境目標2030」の達成に向けた活動を強化します。 なお、当社は、海外事業の迅速な変革の加速と一体経営を行うべく、2026年1月1日付で組織変更を実施しました。これに伴い、従来、「日本事業」、「アジアパシフィック事業」、「欧州事業」、「米州事業」としていた報告セグメントを、2026年度より「日本事業」、「欧州事業」、「アジア事業」、「オセアニア事業」、「米州事業」に変更します。 [日本事業] 日本では、引き続き「コアブランドイノベーション」、「自販機事業の構造改革」、「サプライチェーン構造革新」を事業戦略の重点領域とし、売上収益と利益の成長を図ります。 コアブランドを中心に独自のブランド価値の訴求を一層強化するとともに、フレーバー展開や容器・容量帯の拡充等を通じ、ブランド価値向上と需要創造を目指します。マーケティング活動においては、引き続き「サントリー天然水」、「BOSS」、「伊右衛門」、「GREEN DA・KA・RA」及び「特茶」への活動を更に強化していきます。 加えて、新ブランドの開発・投入を通じたポートフォリオ拡充を進め、消費者ニーズを捉えた新たな価値を創造します。 [欧州事業] 欧州では、コアブランドの強化と積極的な販促活動を進めます。コスト削減活動及び構造改革も継続し、収益性の向上を図ります。フランスでは、「Oasis」、「Orangina」の付加価値を高めていきます。イギリスでは、「Lucozade」を中心に独自の価値を積極的に発信しつつ、新商品や新フレーバーを導入します。スペインでは、商品ポートフォリオの拡充及び業務用ビジネスの構造改革を更に推進します。 [アジア事業] アジアでは、ベトナム及びタイにおける急速な事業環境変化の影響が引き続くとの想定のもと、コアブランドの販促を強化、ニーズに応じた容器・容量展開等と合わせ、新たな需要創出とブランド価値向上を図ります。 飲料事業では、ベトナムは、エナジードリンク「Sting」や茶飲料「TEA+」等のコアブランドの営業活動強化に継続して取り組みます。タイでは、炭酸カテゴリー強化に加え、非炭酸カテゴリーにおいて「TEA+」のブランド変革やポートフォリオ拡充を進めます。 健康食品事業では、「BRAND'S Essence of Chicken」の販促強化に加え、「BRAND'S Bird's Nest」においては、ドリンクの販売拡大やゼリー形状の商材展開等に取り組みます。 [オセアニア事業] オーストラリア及びニュージーランドでは、引き続きコアブランドである「V」に注力するとともに、「BOSS」の更なる成長を図ります。RTDアルコール飲料については、2026年1月からニュージーランドでも販売を開始し、更なる売上拡大を目指します。 [米州事業] 主力の炭酸カテゴリーの強化を進めるとともに、伸長する非炭酸カテゴリーの更なる拡大に取り組みます。消費者の変化を先取りした新ブランド投入と商品展開を通じポートフォリオを最適化し、売上収益及び利益の成長を図ります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績等の状況の概要(ⅰ)経営成績当連結会計年度の業績は、売上収益は1兆7,154億円(前年同期比1.1%増、為替中立0.7%増)、営業利益は1,487億円(前年同期比7.2%減、為替中立7.8%減)となりました。販売費及び一般管理費は、4,847億円計上しましたが、この主な内容は、広告宣伝及び販売促進費が1,626億円、従業員給付費用が1,724億円等であり、その結果、営業利益は1,487億円(前年同期比7.2%減、為替中立7.8%減)となりました。金融収益は28億円となりました。また、金融費用は45億円となりました。これらの結果、税引前利益は1,470億円(前年同期比8.7%減、為替中立9.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は887億円(前年同期比5.1%減、為替中立5.8%減)となりました。また、1株当たり当期利益は287円13銭となりました。 セグメント別の業績は次のとおりです。 [日本事業]売上収益は7,352億円(前年同期比0.5%増)、セグメント利益は470億円(前年同期比4.3%減)となりました。[アジアパシフィック事業]売上収益は3,941億円(前年同期比2.0%減、為替中立1.6%減)、セグメント利益は425億円(前年同期比6.4%減、為替中立6.2%減)となりました。[欧州事業]売上収益は3,902億円(前年同期比6.0%増、為替中立3.2%増)、セグメント利益は616億円(前年同期比2.0%増、為替中立0.6%減)となりました。[米州事業]売上収益は1,960億円(前年同期比0.6%増、為替中立2.0%増)、セグメント利益は235億円(前年同期比0.7%減、為替中立0.8%増)となりました。 (ⅱ)財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して、主要通貨の為替レートが円安になったことに加え、売上債権及びその他の債権の増加、有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ1,600億円増加して2兆2,180億円となりました。負債は、社債及び借入金の減少等があった一方、前連結会計年度末と比較して、主要通貨の為替レートが円安になったこと、仕入債務及びその他の債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ501億円増加して7,928億円となりました。資本合計は、前連結会計年度末と比較して、主要通貨の為替レートが円安になったことに伴うその他の資本の構成要素の増加、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ1,099億円増加して1兆4,252億円となりました。以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は59.3%となり、1株当たり親会社所有者帰属持分は4,258円74銭となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ118億円減少し、1,487億円となりました。 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益1,470億円、減価償却費及び償却費836億円等に対し、売上債権及びその他の債権の増加482億円、法人所得税の支払427億円等により、資金の収入は前連結会計年度に比べ344億円減少し、1,593億円の収入となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出940億円等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ125億円減少し、888億円の支出となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払386億円、長期借入金の返済による支出251億円等により、資金の支出は前連結会計年度に比べ280億円減少し、840億円の支出となりました。 ③生産、受注及び販売の実績(ⅰ)生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)日本695,031102.2アジアパシフィック415,497108.2欧州290,355105.1米州151,883101.8合計1,552,768104.3(注)1.金額は、最終販売価格によっています。2.生産実績には外注分を含んでいます。 (ⅱ)受注実績 当社グループは、原則として見込み生産を主体としているため、記載を省略しています。 (ⅲ)販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)日本735,188100.5アジアパシフィック394,05798.0欧州390,202106.0米州195,990100.6合計1,715,438101.1(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。2.主な相手先別の記載については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しています。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に準拠して作成されています。 連結財務諸表を作成するに当たり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しています。重要な見積り及び判断については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しています。また、過去の実績や取引状況を勘案し、合理的と判断される前提に基づき見積りを行っている部分があり、これらの見積りについては不確実性が存在するため、実際の結果と異なる場合があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(ⅰ)経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループは、中期経営戦略及び中期経営計画を「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中期経営戦略及び(3)中期経営計画(2024-2026)」に記載のとおり策定しています。その実現に向けて、当社グループが実施した活動は以下のとおりです。当社グループは、真のグローバル飲料企業として持続的な事業成長と企業価値向上を実現すべく“質の高い成長”を目標に掲げています。2024年からスタートした中期経営計画においては、「ブランド戦略」、「構造改革」、「DEI」、「サステナビリティ」の4つを重要な戦略テーマに掲げ、積極的に事業を展開しています。売上収益は、特にアジアパシフィックで厳しい外部環境の影響を受けましたが、引き続きコアブランドを中心とした積極的なマーケティング活動を展開し、1兆7,154億円(前年同期比1.1%増、為替中立0.7%増)となりました。営業利益は、原材料高及び為替変動によるコスト増の影響を概ね想定どおりに受けたことに加え、欧州におけるマクロ経済減速の影響を受けたことや、アジアパシフィックにおける売上収益の減少もあり、1,487億円(前年同期比7.2%減、為替中立7.8%減)となりました。税引前利益は、営業利益の減少により、前連結会計年度に比べ141億円減少して1,470億円(前年同期比8.7%減、為替中立9.4%減)となりました。当期利益は、税引前利益の減少により、前連結会計年度に比べ75億円減少して1,101億円(前年同期比6.4%減、為替中立7.1%減)となりました。非支配持分に帰属する当期利益は、主にSuntory PepsiCo Vietnam Beverage Co., Ltd.において利益が減少した影響により27億円減少し、親会社の所有者に帰属する当期利益は、887億円(前年同期比5.1%減、為替中立5.8%減)となりました。 セグメント別の業績は次のとおりです。[日本事業]売上収益は、価格改定や商品構成の改善が寄与し、販売数量は減少したものの、7,352億円(前年同期比0.5%増)となりました。飲料市場(当社推定)は、価格改定や最盛期における悪天候の影響等により前年同期を下回りました。当社販売数量も、持続的なコアブランドの強化、新商品の投入、積極的なマーケティング活動を行いましたが、飲料市場と同様の影響を受け、前年同期を下回りました。ブランド別には、「サントリー天然水」は、1Lペットボトルや、「サントリー天然水 きりっとヨグ」が好調に推移しましたが、前年同期の備蓄需要の反動等もあり販売数量は減少しました。「BOSS」は、「クラフトボス」シリーズの「甘くないイタリアーノ」、「世界のTEA」シリーズが好調に推移し、ブランド全体での販売数量は前年同期並みとなりました。「伊右衛門」は、引き続き厳しい競争環境の中、特に大容量で価格改定の影響を受け、販売数量は前年同期を下回りました。一方で、小容量はマーケティング活動が奏功し、堅調に推移しました。特定保健用食品・機能性表示食品においては、「特茶」が有効性のエビデンスを訴求したコミュニケーションにより堅調に推移、2025年10月に販売を開始した「特茶」ブランドの水カテゴリー商品「特水」は新たな需要を開拓しました。自動販売機事業については、自販機キャッシュレスアプリ「ジハンピ」が2025年12月末時点までに1,500万ダウンロードを達成し、顧客接点の拡大に寄与しました。セグメント利益は、コストマネジメントを徹底しましたが、インフレに伴う原材料価格や物流費の高騰の影響を受け、470億円(前年同期比4.3%減)となりました。 [アジアパシフィック事業]売上収益は、3,941億円(前年同期比2.0%減、為替中立1.6%減)となりました。飲料事業については、急速な事業環境変化への対応が遅れたベトナム及びタイでは、販売数量が前年同期を下回り、減収となりました。ベトナムでは、競争激化に加えて消費低迷により水カテゴリー以外の飲料市場が縮小し、タイでは、天候不順により主力の炭酸カテゴリー市場が落ち込んだ影響を受けました。オセアニアでは、エナジーカテゴリーの伸長と積極的なマーケティング活動により「V」の販売数量が増加したことに加え、2025年7月からのRTDアルコール飲料の販売開始が寄与し、増収となりました。健康食品事業(タイ及びインドシナ半島)については、消費低迷や観光客減少による需要減の中でも、新商品の投入やコミュニケーションの刷新によりタイ国内での販売が堅調に推移し、増収となりました。セグメント利益は、売上収益の減少に伴い425億円(前年同期比6.4%減、為替中立6.2%減)となりました。 [欧州事業]売上収益は、3,902億円(前年同期比6.0%増、為替中立3.2%増)となりました。フランスは、砂糖税増税に伴い販売数量は減少したものの、価格改定の影響により増収となりました。イギリスでは、前上半期に生じた工場稼働率低下の影響の反動に加え、「Lucozade」及び「Ribena」における積極的なマーケティング活動の効果や為替の影響等により増収となりました。スペインは、業務用トニックウォーター市場鈍化の影響を引き続き受けましたが、商品ポートフォリオの拡充が奏功し、増収となりました。セグメント利益は、売上収益の増加及びコストマネジメントの徹底により、616億円(前年同期比2.0%増、為替中立0.6%減)となりました。 [米州事業]売上収益は、1,960億円(前年同期比0.6%増、為替中立2.0%増)となりました。水カテゴリーにおける一部商品の取り扱いが減少したものの、炭酸カテゴリー及びエナジーカテゴリーが堅調に推移したことに加え、新商品の投入も寄与しました。セグメント利益は、人件費及び製造コスト高騰の影響を受け、235億円(前年同期比0.7%減、為替中立0.8%増)となりました。 セグメント利益合計は1,487億円(前年同期比7.2%増、為替中立7.8%増)であり、連結損益計算書の営業利益と一致しています。 2026年は、不確実性の高い外部環境や厳しい競争環境が継続、また消費行動の多様化が更に進むとの想定のもと、「新たな価値創造(イノベーション)」と「事業変革(トランスフォーメーション)」の加速を通じ、売上収益の成長を図ります。また、コストマネジメントの徹底も継続することで、増益を目指します。中長期の成長に向けては、引き続きM&A等の投資機会の探索や生産設備の増強を通じた生産性向上に取り組みます。なお、当社は、海外事業の迅速な変革の加速と一体経営を行うべく、2026年1月1日付で組織変更を実施しました。これに伴い、従来、「日本事業」、「アジアパシフィック事業」、「欧州事業」、「米州事業」としていた報告セグメントを、2026年度より「日本事業」、「欧州事業」、「アジア事業」、「オセアニア事業」、「米州事業」に変更します。日本では、引き続き「コアブランドイノベーション」、「自販機事業の構造改革」、「サプライチェーン構造革新」を事業戦略の重点領域とし、売上収益と利益の成長を図ります。欧州では、コアブランドの強化と積極的な販促活動を進めます。コスト削減活動及び構造改革も継続し、収益性の向上を図ります。アジアでは、ベトナム及びタイにおける急速な事業環境変化の影響が引き続くとの想定のもと、コアブランドの販促を強化、ニーズに応じた容器・容量展開等と合わせ、新たな需要創出とブランド価値向上を図ります。オーストラリア及びニュージーランドでは、引き続きコアブランドである「V」に注力するとともに、「BOSS」の更なる成長を図ります。RTDアルコール飲料については、2026年1月からニュージーランドでも販売を開始し、更なる売上拡大を目指します。米州では、主力の炭酸カテゴリーの強化を進めるとともに、伸長する非炭酸カテゴリーの更なる拡大に取り組みます。消費者の変化を先取りした新ブランド投入と商品展開を通じポートフォリオを最適化し、売上収益及び利益の成長を図ります。経営陣一体となって、以上の取組を、強力に迅速に進めていきます。 (ⅱ)財政状態の分析 当社グループは日本のみならずアジアパシフィック、欧州、米州の各地に活動拠点を有しています。各拠点の機能通貨で算定された資産・負債は連結財務諸表の表示通貨である日本円に換算するため、当社グループの資産・負債残高は各種通貨の日本円に対する為替変動に大きく影響されます。各通貨の期首及び期末の為替レートについては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 (3)外貨換算」に記載のとおりです。当連結会計年度は主要な通貨が期末にかけて円安に推移したことが要因となり、資産・負債がそれぞれ増加しています。  のれん及び無形資産は当社グループの資産総額の約39.0%を占める重要な構成要素であり、過去に実施した企業買収等の結果、取得したブランドや統合により得られるシナジーを評価して計上したものです。このうち、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については定期的な償却は行わず、年に一度実施する減損テストを実施しています。減損テストの回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか大きい金額として算定しています。これらの回収可能価額は、経営者が承認した事業計画及び事業計画期間後の長期成長率に基づいたキャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位及び資金生成単位グループの税引前加重平均資本コスト(WACC)により現在価値に割り引いて算定しています。ブランドごとに販売する地域の景気や天候、ブランドコンディションには違いがあり、翌連結会計年度以降、個別には減損損失が発生する場合がありますが、現時点において、当社グループがこれまでに実施したM&Aとその後の統合プロセスはいずれも全体としては順調に推移していると評価しています。当社グループは、今後ものれん及び無形資産の適正な評価に取り組む方針です。  また、負債は、仕入債務及びその他の債務の増加等により増加しています。借入金が毎期着実に減少しており、ネットD/Eレシオは△0.05となりました。 (ⅲ)キャッシュ・フローの状況の分析 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ118億円減少し、1,487億円となりました。 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益の減少141億円や法人所得税の支払額の増加34億円等により、資金の収入が前連結会計年度に比べ344億円減少し、1,593億円の収入となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出の減少143億円に対し、子会社の売却による収入の減少47億円等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ125億円減少し、888億円の支出となりました。フリーキャッシュフローは705億円の収入となり、前連結会計年度から219億円減少しました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度は短期借入金及びコマーシャル・ペーパー、長期借入金、社債の減少による支出488億円、配当金の支払額491億円等に対し、当連結会計年度は短期借入金及びコマーシャル・ペーパー、長期借入金、社債の減少による支出131億円、配当金の支払額572億円等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ280億円減少し、840億円となりました。 (資本の財源及び資金の流動性について) 当社グループにおける資金需要のうち、主なものは設備投資、事業投資、有利子負債の返済及び運転資金等です。当社グループは資金の流動性確保のため、市場環境や長短のバランスを勘案して、銀行借入やリース等による間接調達のほか、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等の直接調達を行い、資金調達手段の多様化を図っています。 また、事業活動等により創出したキャッシュ・フローに加えて、金融機関より随時利用可能な信用枠を確保しており、資金需要に対応しています。 なお、今後予定されている設備投資に係る資金需要の主なものは、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。

事業リスク

  • 市場環境の変化と競争激化
    経済情勢の変動、消費者嗜好の急速な変化、競合他社との激しい競争がリスクです。特に日本では人口減少・高齢化が進み、デジタル技術の進化が競争をさらに加速させています。これらの変化に対応が遅れると、需要減少や市場シェアの喪失、ブランドイメージの悪化、棚卸資産の評価損などが発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 事業提携・M&Aの不確実性
    競争力強化のための事業提携や企業買収は重要な戦略ですが、適切な機会の逸失、条件合意の困難さ、必要な許認可の取得失敗、資金調達の課題、予期せぬ問題の発生など、計画通りの成果が得られないリスクがあります。これにより、投資した資金に見合う利益やシナジー効果が得られず、業績や財務状況に影響を与える可能性があります。
  • 品質・安全性問題の発生
    食品を扱う企業として、製品の品質や安全性に問題が生じた場合、または根拠のない風評被害が生じた場合でも、製造中止、リコール、損害賠償請求が発生する可能性があります。これは自社だけでなく、サプライチェーン上の取引先で発生する可能性もあり、ブランドイメージや信用を著しく損ない、業績や財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|12,138 文字
3【事業等のリスク】当社グループでは、リスクマネジメントコミッティが、海外グループ会社を含めたグループ全体でのリスクマネジメント活動を推進する役割を担っており、定期的に当社グループにおけるリスクの抽出、当該リスクの顕在化する可能性及び経営成績等の状況に与える影響の評価を行い、重要リスクを特定しています。当該重要リスクにつきましては、リスクマネジメントコミッティが責任者を選定のうえ、対応策の策定及び実施・モニタリングを行っています。また、リスクマネジメントコミッティは、その活動内容を取締役会において定期的に報告しています。経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している重要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。 ■事業計画・事業見通し当社グループは、経済情勢、消費者嗜好、競合企業との競争等を織り込んで各事業の計画・戦略を立てていますが、これらの外部環境は、急速に変化するものであります。経済情勢については、当社グループが事業活動を行う主要市場において、将来の景気の後退、減速等の経済不振が生じる可能性があり、特に日本は長期的な人口動向の高齢化及び減少傾向にあります。また、飲料・食品市場では、以前より、大手メーカーの商品、特定の地域や商品カテゴリーで強みを持つメーカーの商品、プライベート・ブランド商品、及び輸入商品等との競争が行われていましたが、特にデジタル技術の進化による新たな営業活動・広告宣伝活動が競争をより激しいものにしています。更に、消費者の嗜好も目まぐるしく変化しています。こうした状況では、消費者嗜好の重大な変化を的確に把握したうえで、研究開発、商品の品質、新商品導入、商品価格、広告宣伝活動、販売促進活動等や、これらにおける新しい価値の創造によって、競合企業よりも優位に立ち、消費者の需要に見合った商品を十分な数量で市場に供給することが求められます。しかし、これらの対応が遅れた場合、当社グループの商品に対する需要の減少、競合企業による市場の奪取、ブランドイメージへの悪影響、棚卸資産の評価損等が生じ、当社グループの売上又は利益が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、卸売業者及び大手小売業者を含む多数の販売チャネルを通じて商品を販売しています。日本においては、自動販売機等もまた重要な販売チャネルとなっています。このような販売チャネルに変化が生じることにより、特定チャネルにおける売上や利益が減少する等のリスクが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループが販売する商品の中には、天候により売上が大きく左右されるものがあります。当社グループの商品は、通常春から夏にかけての暑い時期に販売数量が最大となりますが、この時期に気温が十分に高くならなかった場合、商品需要が落ち込み、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、消費者嗜好の変化を敏感に予測して、嗜好にあった魅力的な商品の研究開発に努めるほか、商品の供給量に関しても適切な需給計画を立案しています。加えて、新商品投入、ブランド力強化のための積極的な広告宣伝活動・販売促進活動に励む等、適切に経営資源を投入しています。また、外部環境変化の兆候を適時に捉えるように努め、これに見合った各事業の計画・戦略の見直しを行うことで、対応を図っています。 ■事業提携・資本提携・企業買収当社グループは、競争力強化による更なる成長の実現のため、国内外他社との事業提携・資本提携及び国内外他社の買収を重要な経営戦略の一つと位置付けています。事業提携・資本提携・企業買収の意思決定に際しては必要かつ十分な検討を行っていますが、事業提携等の適切な機会を見出せないこと、競合的な買収による場合を含め、相手先候補との間で事業提携等に係る条件について合意できないこと、事業提携等に関連して必要な同意・許認可・承認を得ることができないこと、必要資金を有利な条件で調達できないこと、新たな地域・商品カテゴリーに参入することにより、当社グループの事業内容が変化すること、当社グループが精通していない若しくは予測することができない課題に直面すること、又は事業提携等の結果として、予期していた利益や経費削減効果を実現できないこと等の問題が生じ、意図した成果を十分に得られない可能性があります。これらの事由が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクに備え、事業ポートフォリオの適切な見直しを図っています。また、当社グループは、企業買収等に伴い、のれん及び商標権を計上しており、当社グループが将来新たに企業買収等を行うことにより、新たなのれん、商標権を計上する可能性があります。当社グループは、かかる無形資産等について、毎期減損テストを実施し評価しています。当該無形資産等について減損損失を計上した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるため、投資評価及び判断、投資後のモニタリングについての共通ルールを定めて対応しています。 ■品質・安全性当社グループは、商品及びサービスに当社グループにおける品質基準を設定していますが、その基準に対する品質の不足、品質の低下、安全性等に問題が生じた場合、又は当社グループの商品・サービスの安全性等に問題がない場合であっても、食品等の安全性等に関する否定的な報道がされた場合、ソーシャルネットワーク上で否定的な情報が拡散された場合、又は他社商品等の安全性に問題が生じた場合に、当社グループの商品・サービスへの安全性への懸念が生じることがあります。このような問題は、当社グループにおいて生じ得るのみならず、当社の管理が及ばない販売先や仕入先・製造委託先において生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合、製造中止、リコール又は損害賠償請求が発生する可能性があり、また、仮に限定的なリコール又は根拠のない若しくは僅少な金額の損害賠償請求であっても、当社グループのブランド及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの事由が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。サントリーグループは、食品を製造・販売する企業グループとして商品及びサービスの品質、安全性等を最重要課題と認識し、適用される規制を遵守するとともに、「サントリーグループ品質方針~All for the Quality~」を制定し、①サントリーグループの一人一人が、お客様の立場に立って、誠実に商品及びサービスをお届けする、②お客様に正確で分かりやすい情報をお届けし、お客様の声に真摯に耳を傾け、商品及びサービスに活かす、③法令を遵守する、④商品及びサービスの安全性を徹底する、⑤国際標準を活用し、より良い品質の追求を続ける、という理念のもと、品質、環境、健康及び安全性等に関する様々な基準を採用し、品質管理・安全性の確保に取り組んでいます。 ■原材料当社グループが使用する主要な原材料には、気候変動やグローバル市場の状況等により、その需給バランスが大きく変動し、価格が著しく変動する可能性があります。また、商品を製造する際に使用する電気や天然ガスといったエネルギーの価格も著しく変動する可能性があります。これらの原材料及びエネルギーの価格が継続的に上昇し生産コストが上昇した場合、当社グループの原価を押し上げることとなり、高騰した原価を販売価格に十分に転嫁できない場合や、高騰した原価の販売価格への転嫁により当社グループの商品に対する需要が減少する場合には、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの取引先において、気候変動、自然災害、火災、作物の不作、感染症、労働力不足、労働衛生・労働安全上の問題、ストライキ、製造上の問題、輸送上の問題、供給妨害、政府による規制、行政措置、国家間の対立、戦争の勃発、政治不安、テロリズム、環境への配慮不足、人権問題、エネルギー危機等の事由が生じたことにより、当社グループが原材料の持続可能な調達を妨げられる可能性があります。かかるリスクは、供給源が限られている原材料であったり、取引先又はその施設が、上記の事由が生じる危険性の高い国や地域に所在したりする場合、より深刻な問題となる可能性があります。また、取引先を変更する場合には長期のリードタイムを要する可能性があります。原材料不足に陥った場合又は原材料の供給が長期にわたり滞る場合、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する重点テーマの取組」に記載のとおり、取り組んでいます。 ■サプライチェーン当社グループ及び当社グループの取引先は、世界各国で原材料の調達・製造を行っています。デジタル技術等を活用したサプライチェーンマネジメントにより適切な品質管理、サプライチェーン(ロジスティクス、生産、調達等)コストの削減及び収益性の向上を実現することは、当社グループの事業戦略の一つです。しかし、当社グループは、当社グループの管理が及ばない要因による場合を含め、これを実現できない可能性があります。更に、気候変動、自然災害、火災、作物の不作、感染症、労働力不足、労働衛生・労働安全上の問題、ストライキ、製造上の問題、輸送上の問題、供給妨害、政府による規制、行政措置、国家間の対立、戦争の勃発、政治不安、テロリズム、環境への配慮不足、人権問題、エネルギー危機等により当社グループの製造又は販売活動に支障が生じる結果、当社グループの製造又は販売能力が損なわれる可能性があります。かかる事由の発生可能性を減少させ、その潜在的影響を低減するための十分な措置が取られない場合、又はかかる事由が発生したときに適切な対処ができない場合には、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループのサプライチェーンを修復するための追加的な経営資源の投入が必要となる可能性があります。当社グループでは、生産・物流・営業等をシステム上でデータ連携し、情報一元化することにより、サプライチェーンマネジメントの最適化を実施してまいります。また、当社グループでは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する重点テーマの取組」に記載のとおり、取り組んでいます。 ■水水は当社グループのほぼ全ての商品の主要な原料ですが、世界の多くの地域において、人口増加による消費量の増加、水質汚染、管理不足や気候変動により、水の供給を受けられない可能性があります。世界中で水資源の需要が高まるにつれて、当社グループを含む、豊富な水資源に依存している企業は、製造コストの増加や、生産量についての制約に直面する可能性があり、その結果、長期にわたって当社グループの収益性又は成長戦略に影響を及ぼす可能性があります。水に関する取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する重点テーマの取組」に記載のとおりです。 ■GHGGHG排出量増加に起因する地球温暖化により、カーボンプライシングの導入による生産コストの増加、生産拠点への水の供給不足による操業影響、農産物の収量減少による調達コストの増加等が生じる可能性があります。GHG削減に関する取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する重点テーマの取組」に記載のとおりです。 ■容器・包装サントリーグループでは、循環型社会の実現に向けた取組を推進していますが、使用済みプラスチックの不適切な取扱いによって引き起こされる環境汚染や廃棄時のGHG排出量の増加等は大きな社会問題になっています。プラスチック関連課税によるコスト増加等が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。容器・包装に関する取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する重点テーマの取組」に記載のとおりです。 ■地政学・地経学当社グループは、日本国内のみならず、海外においても幅広く事業を展開しています。海外事業においては、日本と大きく異なる又は十分に整備されていない租税制度や法令、規制等の制定及び変更、国家間の対立、紛争・戦争の勃発、政治不安、保護主義的政策、国際移動制限、テロリズム、暴動等の非常事態といった様々な要因が発生し、原材料や包材に係るコストの増加や原材料不足、最終製品の市場価格の上昇、輸出入への影響が生じ、事業損益への悪影響や事業継続に困難が生じる可能性があります。また、従業員の安全確保を適切に行えないことにより、従業員の生命・身体に重大な危険が及ぶ可能性があります。当社グループでは、平時から有事対応体制基盤を強化・確立し、有事に際して速やかに対応体制を起動し、全社連携するとともに、具体的事案に沿ったシミュレーションを平時から重ね、グループ会社を含め、関係部署と適時に適切な判断を行うための事業継続計画(BCP)を策定しています。また、サントリーグループでは、情報の収集・分析・共有の実践と、その基盤の継続的強化のための活動も行っています。 ■人権当社グループ内又はバリューチェーン上で、人権問題が発生し、又は負の影響を与えた場合、人権対応や人権対応に関する情報開示が不十分と判断された場合、当社グループの信用が損なわれ、又は当社グループの商品に対する消費者の信頼が失われ、当社グループの商品の需要の低下に繋がる可能性や、原材料調達等に支障が生じる可能性があります。これらの事由が生じた場合、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に影響を及ぼし、更には当社グループの信用を回復するための追加的な経営資源の投入が必要となる可能性があります。人権に関する取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する重点テーマの取組」に記載のとおりです。 ■事業継続大規模地震、台風や集中豪雨による洪水・土砂災害、雪害、火山噴火等の自然災害や、感染症等、経済・社会活動の継続を脅かすリスクが顕在化した場合、当社グループの事業継続に重大な影響が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうしたリスクに備え、生産、原材料調達、物流、営業・販売活動について、事業継続計画を策定するとともに、有事の際の本部機能、インフラの分散等、有事対応体制の強化を継続的に図っています。影響が広範囲に及ぶリスクについては、対応マニュアルを定め、対応基盤を構築するとともに、実際に重大なリスクが顕在化した際には、迅速な情報伝達と意思決定を行い、適切に対処することで、その影響及び被害の極小化に取り組むこととしています。 ■情報セキュリティ当社グループは、取引業務の遂行、顧客との連絡、経営陣への情報提供及び財務に関する報告書の作成等を正確かつ効率的に行うため、情報システムを利用しています。また、消費者への新しい価値の提供や、業務遂行の効率化を目的に、AI技術を利用しています。これらが、地震その他の自然災害、テロリストによる攻撃、ハードウエア・ソフトウエア・設備・遠隔通信の欠陥・障害、処理エラー、コンピュータ・ウイルス感染、ハッキング・悪意をもった不正アクセス等のサイバー攻撃、その他セキュリティ上の問題、誤った方法での利用、外部業者に起因する障害又は不具合等により、個人情報や機密情報の漏洩、著作権・肖像権・パブリシティ権等の侵害、情報システムの一定期間の停止等が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが、グローバル化やデジタル技術革新に伴い、データの利活用をする中、個人のプライバシーに対する配慮や対応が不足することにより、各国の個人情報保護法令を遵守できない場合があります。これらの事由が生じた場合、多額の損害賠償責任・制裁金やレピュテーションの毀損等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。情報システムについては、セキュリティ、バックアップ及び災害復旧に係る対策を講じています。情報の取扱いについては、「サントリーグループ情報セキュリティ基本方針」のもと、個人情報や機密情報の安全管理と漏洩防止、情報セキュリティ遵守意識の維持・向上及び情報システムの安全かつ円滑な稼動の堅持のため、適切なセキュリティ対策を実施し、また、AIの利用については「サントリーグループAI基本方針」をグループ全体で共有・遵守し、責任あるAI利用を進めています。個人情報保護法令については、当社グループ内での個人情報の取扱いや既存社内ルールにつき現状を把握し、各国の法的規制への対応策を検討のうえ、必要な社内ルール策定、契約・業務フロー整備等の対応を進めています。 ■コンプライアンス当社グループは、日本その他当社グループが事業を行う地域において、様々な法的規制を受けています。これらの規制には、品質、表示・健康訴求、競争、贈収賄防止、労働、環境・リサイクル及び税関連法規が含まれ、当社グループによる商品の製造、安全、表示、輸送、広告宣伝及び販売促進等の事業活動の様々な側面に適用されます。また、当社グループは国際的に事業を展開していることから、日本法及び外国法における腐敗防止規定を遵守する必要があります。当社グループに適用のある法的規制に違反した場合、当社グループの信用が失われ、厳格な罰則又は多額の損害を伴う規制上の処分又は私法上の訴訟提起が行われる可能性があり、特にかかる規制の不遵守や事故により環境汚染が発生した場合、当社グループは損害賠償請求や行政処分により多額の費用を負担する可能性があります。更に、当該法的規制の内容が大幅に改正され、若しくはその解釈に大幅な変更が生じ、又はより高い基準若しくは厳格な法的規制が導入された場合、コンプライアンス体制構築に係る費用が増加する可能性があります。当社グループでは、規範策定、周知・啓発、実行、状況把握の活動サイクルを通じ、コンプライアンスを最優先する組織・風土づくりを進めています。また、サントリーグループでは、全従業員共通の基本姿勢を示した企業倫理綱領を制定し、グループ横断的な視点からコンプライアンス推進体制を整備しています。 ■人財の確保・育成当社グループが持続的に成長するためには、リーダーシップのある経営陣及び有能な従業員を継続して雇用し、かつ、育成することが必要となります。また、当社グループは、新たな従業員を雇用し、教育し、その技術及び能力を育成しなければなりません。計画外の退職が生じ、又は現経営陣の適切な後継者の育成に失敗した場合には、当社グループの組織的ノウハウが失われ、当社グループの競争優位性が損なわれる可能性があります。また、ジェンダー、性的指向、年齢、障がい、国籍、文化、民族、宗教、信条、経歴、生活様式等のあらゆる多様性が受容されるとともに、従業員の人権問題が適切に予防・把握・対処されることで、多様な人財がパフォーマンスを発揮できる制度や職場環境を醸成できない場合には、当社グループのレピュテーションが損なわれる可能性及び優秀な人財を確保できず、多様性がもたらすイノベーション創出やリスク管理が達成できない可能性があります。従業員の雇用に関する競争の激化、従業員の退職率の上昇、従業員の福利厚生費の増加に起因するコストの増加又は適切な労務管理ができないことによる従業員の健康阻害等が発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。当社グループでは、人財評価をグループ全体及び地域ごとに行い、人財の確保の観点も踏まえて、育成施策や配置を討議し、人財ローテーションやグローバル共通の人財開発に取り組んでいます。国内では、戦略領域での人財獲得をより一層進める等して事業経営人財を計画的かつ構造的に育成しています。なお、人財育成方針及び社内環境整備方針については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」に記載のとおりです。 ■為替と金利の変動当社グループは、原材料の一部を、主に米ドルを中心とした、日本円以外の通貨建てで海外から調達しています。当社グループは、為替相場の変動リスクを軽減するためにデリバティブ取引を利用しているものの、かかるヘッジ取引によっても全ての為替相場の変動リスクを回避できるわけではなく、為替の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの連結財務諸表は日本円により表示されているため、海外子会社の収益及び費用並びに資産及び負債の金額を、各決算期の期中平均又は期末における為替レートに基づき日本円に換算する必要があります。したがって、外国通貨の為替変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループは、必要資金の一部を有利子負債で調達しており、将来的な資金需要に応じて今後も金融機関からの借入や社債等による資金調達を新たに行う可能性があります。金利の変動リスクを軽減するために、固定金利での調達やデリバティブ取引を利用していますが、金融資本市場の混乱や格付機関による当社の格付の引下げ等により、金利に大幅な変動があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、為替リスクヘッジや資金調達手段の多様化により、これらのリスク低減に取り組んでいます。 ■飲料・食品に対する規制WHO(世界保健機関)による要請等を背景とした加糖飲料に対する課税強化等をはじめ、世界各国で、飲料及び食品に対する規制が強化されています。中長期的に見て、規制への対策を適切に行えなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、WHO等国際機関、各国政府の政策や社会的動向等について最新情報の収集を行い、また、低糖商品の強化等の取組を行っています。 ■酒類に対する規制世界的な規模で、責任ある酒類のマーケティング活動、アルコール関連問題への取組強化が求められています。長期的に見て、当社グループの予測の範囲を超える規制等が実施された場合、酒類の消費が減少する場合が考えられます。このようなリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。サントリーグループは、アルコール関連問題にグローバルに取り組むために、専門部署を設置し、国内外の酒類業界と連携して、①不適切な飲酒の予防や適正飲酒の啓発、②責任ある酒類マーケティング活動の推進、③様々なステークホルダーとの連携・協力等を行っています。酒類を製造・販売する企業グループとしての社会的責任を果たすため、広告宣伝活動にあたっては、厳しい自主基準のもと、自ら規制を行っています。また、WHO等国際機関、各国政府の政策やアルコールに対する社会的動向等、機能横断的に現状把握を進めています。そして、アルコールによる健康リスクに関する世界の最新情報の収集を行っています。 ■ガバナンス当社グループは、国内外に数多くのグループ会社を保有し、グループ経営を行っています。グループが複層化・複雑化することで、適切なグループガバナンスが機能しない場合、一体経営の推進やグローバル成長戦略推進に大きな支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、意思決定の迅速性・透明性を確保すべく、権限の最適な分配、レポートラインの整理等の体制整備を行っています。 ■親会社の支配権本書提出日現在において、当社の親会社であるサントリーホールディングス㈱は当社発行済普通株式の59.48%を所有し、当社取締役の選解任、合併その他の組織再編の承認、重要な事業の譲渡、当社定款の変更及び剰余金の配当等の当社の基本的事項についての決定権又は拒否権を有しています。株主総会の承認が必要となる全ての事項の決定に関して、他の株主の意向にかかわらずサントリーホールディングス㈱が影響を与える可能性があります。なお、サントリーホールディングス㈱の事前承認事項はなく、当社が独自に経営の意思決定を行っています。当社とサントリーホールディングス㈱及びその子会社との間の主な関係等についての詳細は、以下のとおりです。 ① サントリーグループとの取引関係について 当社グループは、サントリーグループ(当社グループを除く。)に属する会社と取引を行っています。 当連結会計年度における主な取引は次のとおりです。(単位:百万円)取引内容取引先金額取引条件等の決定方法製品輸送業務の委託サントリーロジスティクス㈱65,900品質及び類似サービスの市場相場価格を勘案し、両者協議のうえ決定ロイヤリティの支払いサントリーホールディングス㈱25,855ブランド価値等を勘案し、両者協議のうえ使用対価として妥当な料率を決定コーヒー豆の仕入れサントリーコーヒーロースタリー㈱22,237品質及び類似商品の市場相場価格を勘案し、両者協議のうえ決定ウーロン茶葉・コーヒーエキスの仕入れ三得利貿易(香港)有限公司19,472品質及び類似商品の市場相場価格を勘案し、両者協議のうえ決定酒類原料・製品の仕入れBeam Suntory Australia Pty Limited16,449品質及び類似商品の市場相場価格を勘案し、両者協議のうえ決定機能業務の委託サントリーホールディングス㈱11,802品質及び委託業務を内製化した場合の増分費用を勘案し、両者協議のうえ決定  サントリーホールディングス㈱を含むサントリーグループ(当社グループを除く。)との取引・行為等については、社内規程に従い、取引・行為等を実施する部署において、また、法務部門及び財務・経理部門において、サントリーホールディングス㈱からの独立性の観点も踏まえ、必要性・合理性、条件等の妥当性、公正性について、事前に確認を行うこととしています。更に、一定金額以上の取引、及び、ブランド・人財・重要な資産・情報等の当社の企業価値の源泉となる経営資源に関する取引・行為等(以下、合わせて「重要取引・行為等」という。)については、特別委員会の事前審議・答申を経た上で、取締役会において、その重要取引・行為等の必要性・合理性、条件等の妥当性、公正性について十分に審議した後、意思決定を行います。事前の審議に加え、事後、審議の内容に基づいた取引・行為等が行われたかどうかについて、社内規程に従い、法務部門、財務・経理部門、内部監査部門によるチェックと、監査等委員会による監査を実施します。また、重要取引・行為等については、特別委員会及び取締役会に実施状況を報告し、実施結果を確認することとしています。これらの体制により、サントリーグループ(当社グループを除く。)との取引・行為等の公正性・透明性・客観性を確保していきます。 ② サントリーホールディングス㈱との人的関係について 当社の取締役(監査等委員である取締役を含む。)8名のうち、サントリーホールディングス㈱の常務執行役員である宮永暢氏が、当社の取締役に就任しています。これは、同氏の有する、サントリーグループの飲料事業・酒類事業における豊富な海外での財務・会計部門における経験や経営経験、経営企画部門の部門長としての経営全般についての高い見識が、当社取締役会の更なる機能強化に資すると判断したためです。 また、当社では、サントリーホールディングス㈱より受け入れる従業員につきましては、出向ではなく、転籍としています。 ③ 商標権、特許権、包括ライセンス契約等について当社グループは、サントリーホールディングス㈱との間でコーポレートブランド「サントリー」についての使用許諾契約を締結しており、これに基づき「サントリー」の名称・ブランドを使用することを許諾されています。当該契約に基づく「サントリー」の使用については、当社がサントリーグループに属していることが条件となっています。なお、当社は当該契約に基づきサントリーホールディングス㈱にロイヤリティの支払いを行っています。また、当社グループの事業に関連する商標権、特許権、意匠権等の知的財産権については、サントリーグループにおける知的財産権の有効活用の促進及び維持管理集中化による効率化のため、一部をサントリーホールディングス㈱が保有し、当社はサントリーホールディングス㈱から独占的実施権等を付与されています。なお、当社はサントリーホールディングス㈱に当該独占的実施権等に伴うロイヤリティの支払いを行っていません。また、当該許諾関係が終了する場合には、これらの知的財産権についてはサントリーホールディングス㈱から当社に無償で譲渡されることになっています。

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