事業の概要
- クラウドサービス提供警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全といった公共機関向けに、地理情報と連携した多様なクラウドサービス(SaaS)を提供しています。例えば、聴覚障害者向けの「NET119緊急通報システム」や、現場映像をリアルタイムで共有する「Live119」などがあり、これらのサービス利用料が主な収益源です。契約は官公庁の予算に合わせ1年更新が一般的で、初期構築費と月額利用料で構成されます。
- SI(受託開発・保守)地理情報システム(GIS)に関連するシステムの受託開発や保守を手掛けています。電力事業者の設備管理システムや、警察業務などクラウド環境に適さないオンプレミス型システムの開発・保守が中心です。顧客の要望に応じてデジタル地図やハードウェアの仕入れ販売も行い、初期開発費と運用保守費が売上を構成します。
- GISソフトライセンス販売自社開発の地理情報システム構築用ソフトウェア「GeoBase」や「GeoBase.NET」を、SI事業者等にライセンス販売しています。これらのソフトウェアは、エンドユーザーの用途に合わせたアプリケーションを開発するための基幹部分(エンジン)であり、当社はSI事業者等が製品を利用してシステムを開発・提供する際にロイヤリティを受け取ります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 情報サービス事業ドーンは「情報サービス事業」の単一セグメントで事業を展開しています。これは、地理情報システム構築用ソフトウェアのライセンス販売、地理情報システム関連のアプリケーション受託開発、そして地理情報に関連付けた各種クラウドサービス(SaaS)の開発・提供を統合したものです。
- クラウドサービスが主力近年、従来の構築型やパッケージ型システムからクラウドサービスへの利用形態が変化しており、当社もクラウドサービスの提供に注力しています。特に地方自治体の防犯・防災分野で利用されるクラウドサービスの利用料と初期構築に関する売上が着実に増加しており、収益の柱となっています。
- 公共機関が主要顧客警察、消防、自治体防災、社会インフラ保全といった官公庁が主な顧客です。これらの機関向けに、NET119緊急通報システム、Live119(映像通報システム)、DMaCS(災害情報共有サービス)など、多岐にわたる「安心・安全」をテーマにしたクラウドソリューションを提供しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】事業内容について当社は、地理情報システム構築用ソフトウエアのライセンス販売、地理情報システムに係るアプリケーションソフトウエア(以下、「アプリケーション」という。)の受託開発といった創業期からの事業品目を継続するとともに、中核となる領域を、地理情報に関連づけた各種クラウドサービス(SaaS)の開発・提供にシフトし、「安心・安全」をテーマに警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全等に関する業務の高度化を実現する独自のクラウドソリューションを展開しております。なお、当社は情報サービス事業の単一セグメントであります。 ① クラウドサービス(SaaS)の提供について主に、警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全等の官公庁等の業務に係る各種情報を地理情報に関連づけて配信するクラウドサービス(インターネット回線を通じてソフトウエアを配信し、ユーザーの利用に供するサービス)を行っております。<主な自社サービス>サービス名称主な販売先サービス概要NET119緊急通報システム地方自治体及び消防本部2010年4月よりサービスを開始した「緊急通報システムWeb119」の広域対応版。言語や聴覚に障害がある方が、スマートフォン等のGPS機能を利用し、簡単な画面操作で素早く119番通報をすることができるサービスLive119・Live118・Live110(映像通報システム)消防本部、海上保安庁及び警察本部2020年7月よりLive119サービス開始。119番通報など緊急通報時の現場の映像を撮影・伝達することで視覚的な情報をリアルタイムに収集でき、救命・救急等を支援するシステムLive-X(映像通話システム)地方自治体及び民間企業2021年4月よりサービス開始。スマートフォンが撮影する映像を介した相談業務を行うことで、非接触・遠隔での行政対応を実現するシステムDMaCS(災害情報共有サービス)地方自治体2017年4月よりサービス開始。大規模災害時に被害情報や避難所・物資管理等の情報を共有し、迅速な災害対策を支援するサービスまちかど案内 まちづくり地図地方自治体及び警察等の官公庁2005年10月よりサービス開始。地方自治体や警察等の公的機関が保有する様々な地図情報(防犯・防災、観光、公的施設、環境等)を住民等に対して公開するサービスまちかど地図Pro地方自治体2009年5月よりサービス開始。地方自治体の庁内各課で保有する地図情報等を共有し、庁内の資産を低コストで有効に活用する仕組みを提供Mailio(メッセージ配信サービス)地方自治体2021年10月よりサービス開始。電子メールを含む各種ネットワークメディアを用いたメッセージの一斉配信を行い、地方自治体の業務等に関連する適時の情報伝達を支援するシステム防犯アプリ警察本部2016年3月よりサービス開始。犯罪発生情報の配信に加え、女性や子供の安全を守る「痴漢撃退」や「ココ通知」機能などを搭載するなど、各警察本部専用の防犯情報等を配信するサービス防災アプリ地方自治体2016年4月よりサービス開始。防災情報の配信に加え、開設中の避難所へのルート案内、防災知識を学べる各種コンテンツなどを搭載するなど、各自治体専用の防災情報等を配信するサービスAED GO(AED運搬支援システム)地方自治体及び消防本部2018年7月よりサービス開始。119番通報と連携し、救急車が到着する前に救命ボランティアが素早くAEDを運搬し、現場に駆けつけることで救命率の向上を目指したサービス 表に掲示したもの以外にも、感染症サーベイランス情報を収集・共有する「感染症危機管理システム」等、官公庁等の業務を支援する各種のクラウドサービスを提供しております。なお、行政が扱う情報の多くは地理的な位置に関係したものであるため、各種クラウドサービスの機能には、創業期からの地理情報システム事業における技術やノウハウが生かされています。 <クラウドサービスに係る営業形態>クラウドサービスは、主なユーザーである官公庁から直接受注する形態が多く、その場合は、一般競争入札を経ることが一般的であります。当社と官公庁との契約は、官公庁の予算に合わせ1年契約を毎年更新する場合が一般的ですが、複数年にわたる長期契約を締結する場合もあります。クラウドサービスの売上は、サービス開始前に環境を構築する請負の対価(初期構築費)とサービス提供期間中に継続的に受領する月額利用料により構成されます。 ② SI(初期・保守)について地理情報に関連する各種システムの受託開発・保守を行っております。例えば、当社の地理情報システム構築用ソフトウエア(「GeoBase(ジオベース)」「GeoBase.NET」)を用いた受託開発・保守案件としては、電力事業者の設備管理用のシステムを中心に継続的に受注しております。また、オンプレミス環境(情報システムの利用に必要となるサーバー等の機器をユーザーの管理下に設置する従来型の運用形態)でのシステム開発・保守も行っており、取り扱う情報や業務の性質上クラウド環境で運用する形態に適さないもの(例えば警察業務に関するシステム等)について、ユーザーが定める仕様に基づいて開発する案件等がございます。なお、SI初期開発案件の納品においては、顧客の要望により、デジタル地図やハードウエア等の仕入れ販売を併せて行うケースがあります。 <SI(初期・保守)に係る営業形態>クラウドサービスと同様、ユーザーである官公庁や電力事業者から直接受注する形態が多く、官公庁から受注する場合は、一般競争入札を経ることが一般的であります。当社と各顧客との契約は、顧客(大手企業や官公庁等)の決算期が集中する3月末にかけて売上計上される案件が多いため、第3又は第4四半期会計期間に売上計上が偏重する傾向があります。SI(初期・保守)の売上は、サービス開始前に環境を構築する請負の対価(初期開発費)とサービス提供期間中に継続的に受領する対価(運用保守費)により構成されます。 ③ 地理情報システム構築用ソフトウエアのライセンス販売についてGIS(Geographic Information System)の訳語である地理情報システムは、電子地図を背景として地理的な位置の情報に属性データ(空間データともいう。)を重ね合わせ、統合的に処理・分析を行い、表示するシステムであり、主に、地方公共団体等の官公庁における防災・都市計画、医療・福祉・教育等の分野で利用されているほか、民間の施設管理や出店計画等にも利用されております。 <ライセンス販売の営業形態について>当社は、自社製の地理情報システム構築用ソフトウエア(「GeoBase」「GeoBase.NET」)を、エンドユーザーの仕様にあわせたアプリケーションとして開発する企業に対し、ライセンス販売を行っております。販売先であるソフトウエア開発事業者・総合電機メーカー・測量又は建設土木に関するコンサルタント及び電力等のインフラ関連事業者(以下、「SI事業者等」という。)が当社製品をもとに地理情報システムを開発し、地方自治体等の官公庁及び電力・通信事業者等のインフラ系事業者といったユーザーに提供することに対し、当社がロイヤリティを受け取る契約形態をとっております。当社の「GeoBase」及び「GeoBase.NET」は、地理情報システムを構築するためのソフトウエアであり、単体のソフトウエアとして地理情報システムの機能を有するものではなく、当該製品を組み込み、エンドユーザーの用途に必要な機能や仕様に応じたアプリケーションを開発するための部品を組み合わせたもの(アプリケーションを構成する関数の集合体)であり、一般にエンジンとも呼ばれる基幹部分の機能が含まれております。 ④ 品目別の売上構成の推移について「第一部 企業情報 第1 企業の概況 2 沿革」に記載のとおり、1994年から開始している地理情報システム構築用ソフトウエアのライセンス販売及び当該ソフトウエアを用いた受託開発については、長年にわたり当社の主力となる事業でしたが、近年、従来の構築型やパッケージ型のシステムからクラウドサービスへと利用形態が変化しております。当社も2005年からクラウドサービスの提供を開始し、主に地方自治体の防犯や防災分野で利用するクラウドサービスの提供に注力しており、クラウド利用料、クラウド初期構築に関する売上が着々と増加し、品目別の売上構成が変化しております。<各事業年度の売上高を100%とした場合の品目別の売上構成> なお、当事業年度の期首より、品目の内訳を変更しております。品目別売上構成比の推移については、第30期から第33期までの数値を変更後の項目に組み替えて記載しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 防災・防犯関連にターゲットを絞り先行者メリットを活かし優位性を高めているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 地理情報システムに関するソフトウェア開発等を独自に行っており、特許取得にも取り組んでいる。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:官公庁市場への高い依存度 / 特定の製品やサービスへの依存度が高いこと / 製品の不具合の発生による影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
ドーンは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的な知的財産(IP)に関する公開情報が限定的であり、無形資産による競争優位性は現時点では明確に評価できません。
スイッチングコスト★★☆☆☆
ドーンの提供するシステム開発・運用サービスは、顧客の基幹業務に関わる場合が多く、システム変更に伴うコストやリスクを考慮すると、一定のスイッチング・コストが存在すると考えられます。しかし、競合他社との差別化が明確でない場合、スイッチング・コストは限定的になる可能性があります。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ドーンの事業モデルにおいて、ユーザー数が増加することでサービスの価値が向上するようなネットワーク効果は、現時点では確認されていません。個々の顧客との関係性が主であり、プラットフォーム型のビジネスとは異なります。
コスト優位★☆☆☆☆
情報通信業におけるコスト競争力は、技術革新や効率化によって変化しやすく、ドーンが構造的に持続的なコスト優位性を確立しているという明確な証拠は現時点では見当たりません。受託開発が中心の場合、個々のプロジェクトの収益性が重要となります。
規模の経済★☆☆☆☆
ドーンの事業規模が、情報通信業全体の中で圧倒的な効率規模の優位性を確立しているとは言えません。業界内にはより大規模なプレイヤーも存在し、特定のニッチ市場での強みがない限り、効率規模による競争優位性は限定的と考えられます。
- 公共機関向け特化警察、消防、自治体防災、社会インフラ保全といった官公庁市場に特化し、「安心・安全」をテーマにしたクラウドソリューションを展開しています。これにより、公共分野における深い業務知識とニーズへの対応力を培い、特定の市場で優位性を築いています。
- 地理情報技術の蓄積創業期から地理情報システム(GIS)構築用ソフトウェアの開発を手掛けており、長年にわたる技術とノウハウを蓄積しています。この技術は、各種クラウドサービスの機能に生かされており、地理的な位置情報と関連付けた高度なサービス提供を可能にしています。
- 先行者としての実績特に「NET119緊急通報システム」は2010年からサービスを開始しており、この分野での先行者としての実績とノウハウがあります。これにより、顧客からの信頼を獲得し、新規参入企業に対する優位性を維持していると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針① 企業理念当社は、「社会課題に挑戦し新しい価値を創造する」を使命に定めるとともに、この使命を果たす原動力となる大切な価値観として「“なぜ誰も思いつかなかったのか”をカタチに」を掲げ、ユーザーや社会の新しい課題と真剣に向き合う社員の情熱を表現しております。② 経営方針上記の理念に基づき、次に掲げる経営方針をもとに事業展開を行います。一、位置情報その他各種機器から収集・分析されるデータと関連づけた各種情報システムの分野において最先端の技術と信頼性のある製品、サービスを提供します。一、技術力・販売力を有する企業との提携、共同展開により新事業の開拓を積極的に進めます。一、規模の拡大よりも経営資本を有効に活用した効率の高い経営を追求します。一、法令を遵守し、公正かつ透明性の高い企業経営に努めます。③ ビジョン当社は、上記の使命の遂行を通じて目指す姿(ビジョン)として“エッセンシャル カンパニー”を宣言しております。未来の人々が安心して暮らせる社会の実現に向け、新世代のクラウドアプリケーションを多角的に提供することで、時代を変える新しい価値を創造し、“社会に必要不可欠な存在”となる決意を込めております。 (2) 目標とする経営指標第1次中期経営計画(2023年5月期から2025年5月期)におきましては、新たな成長軌道に繋げる創造的進化のスタートの3年間と位置づけ、新サービスまたはM&A等による成長を目指して各種事業に取り組んでまいりました。拡大ステージの3年間と位置付ける第2次中期経営計画(2026年5月期から2028年5月期)におきましては、以下の数値目標を掲げ、引き続き新規ソリューションの創造及びグループ間シナジーの発揮を目指し、各事業展開に取り組んでまいります。 2025年5月期(実績)2026年5月期(計画)2027年5月期(計画)2028年5月期(計画) 売上高百万円1,646百万円1,700百万円1,790百万円1,880営業利益574610640670ROE(自己資本当期純利益率)%16.0%10以上%10以上%10以上 (3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略当社の属する情報サービス産業界においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連の需要が拡大するとともに、官公庁・民間企業におけるAI・RPA等を活用したIT投資は増加傾向にあり、当社の事業領域である公共システムの分野、とりわけ防災や市民の安全にかかわる社会課題を解決するテクノロジーの分野においても、課題解決に貢献する付加価値の高いサービスへの期待は依然として高い状況が続いております。当社は、このようなシステムの利用構造や市場環境の変化を捉え、これまでの地理情報システム(GIS事業)で培った独自技術・ノウハウや知見を最大限に活用しつつ、中核となる領域を、地理情報に関連づけた各種クラウドサービス(SaaS)にシフトし、警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全の分野を中心に、サービス利用料や保守料等のストック型収入を増やすという事業構造改革に取り組んでまいりました。このような環境下、当社は2025年7月に第2次中期経営計画を公表いたしました。当中期経営計画では、第1次中期経営計画にて推進した既存事業の拡大及び新サービスの開発や複数の業務提携契約を締結したことによる今後の事業拡大に向けた礎を基盤とし、「Gov-tech市場の深耕」を引き続き重点的に推進して参ります。加えて、「AIを活用したクラウドサービスの展開」や「M&A・事業提携によるシナジー創出」に取り組むとともに、これらの達成を支える人材基盤の強化に注力して参ります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題第2次中期経営計画の実現に向けた主な重点施策は以下のとおりであります。① Gov-tech市場の深耕主力の「NET119緊急通報システム」は、全国普及に向けた残りの地域への導入を引き続き推進するとともに、今後数年間の成長を牽引するサービスと位置付ける「Live119(映像通報システム)」の他、映像通報の技術を応用した「Live-X(映像通話システム)」、自治体や警察が防災・防犯情報を配信するスマートフォンアプリ、災害対策本部での情報収集を支援する「DMaCS(災害情報共有サービス)」など、防災やライフラインの安定供給といった分野の課題解決に有用なサービスとして、案件開拓に引き続き注力いたします。② AIを活用したクラウドサービスの展開、M&A・事業提携によるシナジー創出当社は、前中期経営計画期間中に株式会社tiwakiと資本業務提携を締結し、エッジAI技術を活用した新たな社会課題解決サービスの基盤を構築してまいりました。第2次中期経営計画においては、tiwaki社のエッジAI技術と当社のクラウドソリューションを融合させ、公共システム分野向けの新サービスの開発・展開を推進するとともに、引き続きAI領域の知見を有する企業等を対象としたM&Aや事業提携を通じて、社会課題解決に向けたグループシナジーを実現していくことに注力いたします。③ 社内体制強化・クリエイティブ人財育成IT人材の獲得競争は激化する一方であり、採用数は足踏み傾向となっておりますが、リファーラル採用の強化や、採用コンテンツの充実を図り、企業型DC制度の導入を通じた社員が安心して働ける職場環境の構築や社内制度(教育・処遇等)を充実させることで、多様な人財確保を進めて参ります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針① 企業理念当社は、「社会課題に挑戦し新しい価値を創造する」を使命に定めるとともに、この使命を果たす原動力となる大切な価値観として「“なぜ誰も思いつかなかったのか”をカタチに」を掲げ、ユーザーや社会の新しい課題と真剣に向き合う社員の情熱を表現しております。② 経営方針上記の理念に基づき、次に掲げる経営方針をもとに事業展開を行います。一、位置情報その他各種機器から収集・分析されるデータと関連づけた各種情報システムの分野において最先端の技術と信頼性のある製品、サービスを提供します。一、技術力・販売力を有する企業との提携、共同展開により新事業の開拓を積極的に進めます。一、規模の拡大よりも経営資本を有効に活用した効率の高い経営を追求します。一、法令を遵守し、公正かつ透明性の高い企業経営に努めます。③ ビジョン当社は、上記の使命の遂行を通じて目指す姿(ビジョン)として“エッセンシャル カンパニー”を宣言しております。未来の人々が安心して暮らせる社会の実現に向け、新世代のクラウドアプリケーションを多角的に提供することで、時代を変える新しい価値を創造し、“社会に必要不可欠な存在”となる決意を込めております。 (2) 目標とする経営指標第1次中期経営計画(2023年5月期から2025年5月期)におきましては、新たな成長軌道に繋げる創造的進化のスタートの3年間と位置づけ、新サービスまたはM&A等による成長を目指して各種事業に取り組んでまいりました。拡大ステージの3年間と位置付ける第2次中期経営計画(2026年5月期から2028年5月期)におきましては、以下の数値目標を掲げ、引き続き新規ソリューションの創造及びグループ間シナジーの発揮を目指し、各事業展開に取り組んでまいります。 2025年5月期(実績)2026年5月期(計画)2027年5月期(計画)2028年5月期(計画) 売上高百万円1,646百万円1,700百万円1,790百万円1,880営業利益574610640670ROE(自己資本当期純利益率)%16.0%10以上%10以上%10以上 (3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略当社の属する情報サービス産業界においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連の需要が拡大するとともに、官公庁・民間企業におけるAI・RPA等を活用したIT投資は増加傾向にあり、当社の事業領域である公共システムの分野、とりわけ防災や市民の安全にかかわる社会課題を解決するテクノロジーの分野においても、課題解決に貢献する付加価値の高いサービスへの期待は依然として高い状況が続いております。当社は、このようなシステムの利用構造や市場環境の変化を捉え、これまでの地理情報システム(GIS事業)で培った独自技術・ノウハウや知見を最大限に活用しつつ、中核となる領域を、地理情報に関連づけた各種クラウドサービス(SaaS)にシフトし、警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全の分野を中心に、サービス利用料や保守料等のストック型収入を増やすという事業構造改革に取り組んでまいりました。このような環境下、当社は2025年7月に第2次中期経営計画を公表いたしました。当中期経営計画では、第1次中期経営計画にて推進した既存事業の拡大及び新サービスの開発や複数の業務提携契約を締結したことによる今後の事業拡大に向けた礎を基盤とし、「Gov-tech市場の深耕」を引き続き重点的に推進して参ります。加えて、「AIを活用したクラウドサービスの展開」や「M&A・事業提携によるシナジー創出」に取り組むとともに、これらの達成を支える人材基盤の強化に注力して参ります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題第2次中期経営計画の実現に向けた主な重点施策は以下のとおりであります。① Gov-tech市場の深耕主力の「NET119緊急通報システム」は、全国普及に向けた残りの地域への導入を引き続き推進するとともに、今後数年間の成長を牽引するサービスと位置付ける「Live119(映像通報システム)」の他、映像通報の技術を応用した「Live-X(映像通話システム)」、自治体や警察が防災・防犯情報を配信するスマートフォンアプリ、災害対策本部での情報収集を支援する「DMaCS(災害情報共有サービス)」など、防災やライフラインの安定供給といった分野の課題解決に有用なサービスとして、案件開拓に引き続き注力いたします。② AIを活用したクラウドサービスの展開、M&A・事業提携によるシナジー創出当社は、前中期経営計画期間中に株式会社tiwakiと資本業務提携を締結し、エッジAI技術を活用した新たな社会課題解決サービスの基盤を構築してまいりました。第2次中期経営計画においては、tiwaki社のエッジAI技術と当社のクラウドソリューションを融合させ、公共システム分野向けの新サービスの開発・展開を推進するとともに、引き続きAI領域の知見を有する企業等を対象としたM&Aや事業提携を通じて、社会課題解決に向けたグループシナジーを実現していくことに注力いたします。③ 社内体制強化・クリエイティブ人財育成IT人材の獲得競争は激化する一方であり、採用数は足踏み傾向となっておりますが、リファーラル採用の強化や、採用コンテンツの充実を図り、企業型DC制度の導入を通じた社員が安心して働ける職場環境の構築や社内制度(教育・処遇等)を充実させることで、多様な人財確保を進めて参ります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあり緩やかな回復傾向にあります。その一方で、金融資本市場の変動や海外経済の減速懸念、資源価格の高止まりといったグローバル経済での不安定要因に加え、人手不足の深刻化や物価高が、企業収益だけでなく国民生活への影響が長期化するなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社の属する情報サービス産業界においては、生成AI等の大規模言語モデルの登場により新たな産業変革の兆しがみられるなか、当社の事業領域である公共システムの分野、とりわけ防災や市民の安全にかかわる社会課題を解決するテクノロジーの分野においても、革新的技術を活用した官民の共創の取組が推進され、新たな市場形成の動きが広がっております。このような環境において、当社は、2022年度に策定した第1次中期経営計画の最重点施策である「Gov-tech(注1)市場の深耕」を推進する一方で、ストレッチ目標の達成に向けて「社会課題解決サービスの創出」や「M&A・事業提携によるシナジー創出」に取り組むとともに、これらの達成を支える人材基盤の強化に注力してまいりました。第1次中期経営計画の最終年度となる当事業年度においては、警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全の課題解決を実現するシステムの導入拡大が進み、主力の「NET119緊急通報システム」は引き続き、導入消防の管轄人口カバー率(導入消防の管轄人口の合計が日本の総人口に占める割合)が7割を超えて推移いたしました。また、「Live119(映像通報システム)」についても同カバー率が約5割まで導入拡大が進んでおり、映像通報の技術を応用した「Live-X(映像通話システム)」についても民間企業の多様な業種に導入が拡大しております。その他、自治体や警察が防災・防犯情報を配信するスマートフォンアプリ、災害対策本部での情報収集を支援する「DMaCS(災害情報共有サービス)」、地方自治体の業務等に関連する適時の情報伝達を支援する「Mailio(メッセージ配信サービス)」等、各種システムの積極的な提案に注力いたしました。さらに、2025年1月18日より映像通報の技術を応用した「Live118」、2025年3月24日よりマイナ免許証のカード内のICチップに記録された自らの特定免許情報を読み取ることができる「マイナ免許証読み取りアプリ」を提供開始いたしました。以上の結果、当事業年度の売上高につきましては、ストック型収入であるクラウド利用料において順調に契約数が積み上がり、クラウドサービスの初期構築やオンプレミス(注2)環境でのシステム開発等に係る受託開発も順調に推移したことにより、1,646,699千円(前事業年度比9.7%増)となりました。利益面では、売上高の増加が人件費等の売上原価・販売費及び一般管理費の増加を上回ったことにより、営業利益574,136千円(前事業年度比7.7%増)、経常利益584,344千円(前事業年度比6.8%増)、当期純利益418,774千円(前事業年度比7.9%増)となりました。その他、株式会社tiwakiとの資本業務提携につきまして、防犯事業を中心に、各社の強みを活かしたシナジーの創出に向け、関係各所との調整、および実証実験に取り組んでおります。官公庁における特性上、業績への反映には時間を要しますが、引き続き社会課題の解決に向け、各社一丸となって取り組んでまいります。なお、当社は情報サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。(注1) Gov-tech(ガブテック):既存の産業とテクノロジーを組み合わせることでイノベーションを起こす動きをさすxTech (クロステック)のひとつであり、政府(Government)が積極的に新しい技術(Technology)をとりいれ、公的サービスを テクノロジーの力でより良いものにする取組(注2) オンプレミス:情報システムの利用に必要となるサーバー等の機器をユーザーの管理下に設置する運用形態 品目別の売上高の実績は次のとおりであります。品目当事業年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)金額(千円)前年同期比(%)クラウド利用料824,974107.9クラウド初期構築311,30594.1SI(初期・保守)411,883135.7その他(ライセンス販売・商品売上)98,53596.5合計1,646,699109.7 (注)当事業年度の期首より、品目の内訳を変更しております。前年同期比については、前年同期の数値を変更後の項目に組み替えて比較しております。 a)クラウド利用料「NET119緊急通報システム」・「Live119(映像通報システム)」・「Live-X(映像通話システム)」・「DMaCS(災害情報共有サービス)」のほか、行政・警察向けスマートフォンアプリ等の顧客獲得が順調に進み、既存契約の継続に加えて、新規顧客の獲得により契約数が積み上がったため、824,974千円(前事業年度比7.9%増)となりました。b)クラウド初期構築クラウドサービスの初期構築や機能追加に係る売上が堅調に推移し、売上高は311,305千円(前事業年度比5.9%減)となりました。c)SI(初期・保守)地理情報関連システムの受託開発・保守に関して堅調に推移するとともに、一部大型案件の売上が計上されたたため、売上高は411,883千円(前事業年度比35.7%増)となりました。d)その他(ライセンス販売・商品売上)ライセンス販売に関しては既存顧客から防災関連等のシステム用のライセンスの受注が継続するとともに、商品売上に関して受託開発に伴うデジタル地図等の納品が堅調に推移したため売上高は98,535千円(前事業年度比3.5%減)となりました。 また、売上高に占めるストック収入の四半期推移は次のとおりであります。(ストック収入 四半期推移) ② 財政状態の状況(資産)当事業年度末の総資産は3,074,425千円となり、前事業年度末と比較して258,915千円増加いたしました。これは主に、売掛金が159,420千円、投資有価証券が96,637千円、関係会社株式が74,272千円、関係会社社債が153,429千円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が195,406千円減少したことによるものであります。(負債)当事業年度末の負債は323,976千円となり、前事業年度末と比較して10,967千円減少いたしました。これは主に、買掛金が8,876千円、未払消費税等が9,025千円それぞれ増加した一方で、未払金が11,873千円、前受金が9,906千円、前受収益が9,028千円それぞれ減少したことによるものであります。(純資産)当事業年度末の純資産は2,750,449千円となり、前事業年度末と比較して269,883千円増加いたしました。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金が418,774千円、譲渡制限付株式の付与により資本剰余金が7,116千円それぞれ増加した一方で、配当金の支払いにより利益剰余金が61,418千円減少し、自己株式の取得等により自己株式が86,945千円増加したことによるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、投資活動によるキャッシュ・フローが336,785千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが161,189千円の支出となったものの、営業活動によるキャッシュ・フローが302,567千円の獲得となったため、前事業年度に比べ195,406千円減少し、当事業年度末には733,578千円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、302,567円(前事業年度比112,096千円減)となりました。これは主に、税引前当期純利益が584,344千円、棚卸資産の減少額が33,948千円あった一方で、売上債権の増加額が159,420千円、法人税等の支払額が173,773千円あったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において投資活動の結果支出した資金は、336,785千円(前事業年度比207,272千円増)となりました。これは主に、関係会社株式の取得による支出が74,272千円、関係会社社債の取得による支出が161,126千円、投資有価証券の取得による支出が100,000千円あったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において財務活動の結果支出した資金は、161,189千円(前事業年度比12,011千円増)となりました。これは、自己株式の取得による支出が99,969千円、配当金の支払による支出が61,219千円あったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の状況当社は、情報サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。 (生産実績)当事業年度の生産実績は次のとおりであります。 品目当事業年度(自 2024年6月1日至 2025年5月31日)金額(千円)前年同期比(%)受託開発558,87878.8合計558,87878.8 (注) 金額は、販売価格によっております。 (受注状況)当事業年度の受注状況は次のとおりであります。 品目当事業年度(自 2024年6月1日至 2025年5月31日)受注高受注残高金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)前年同期比(%)受託開発508,61978.9111,67546.5合計508,61978.9111,67546.5 (注) 金額は、販売価格によっております。 (販売実績)当事業年度の販売実績を品目別に示すと次のとおりであります。 品目当事業年度(自 2024年6月1日至 2025年5月31日)金額(千円)前年同期比(%)クラウド利用料824,974107.9クラウド初期構築311,30594.1SI(初期・保守)411,883135.7その他(ライセンス販売・商品売上)98,53596.5合計1,646,699109.7 (注)1 当事業年度の期首より、品目の内訳を変更しております。前年同期比については、前年同期の数 値を変更後の項目に組み替えて記載しております。 2 前事業年度及び当事業年度の主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 は、次のとおりであります。相手先名前事業年度当事業年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社STNet― ― 230,45014.0 ※ 1 上記の金額は、販売実績の合計額であります。2 前事業年度の株式会社STNetについては、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。当社経営陣は、財務諸表の作成に際して、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積り及び仮定設定を行う必要があります。経営陣は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。 ② 当事業年度の経営成績の分析(売上高)当事業年度の売上高につきましては、ストック型収入であるクラウド利用料において順調に契約数が積み上がり、クラウドサービスの初期構築やオンプレミス環境でのシステム開発等に係る受託開発も順調に推移したことにより、1,646,699千円(前事業年度比9.7%増)となりました。各品目の実績は次のとおりであります。a)クラウド利用料「NET119緊急通報システム」・「Live119(映像通報システム)」・「Live-X(映像通話システム)」・「DMaCS(災害情報共有サービス)」のほか、行政・警察向けスマートフォンアプリ等の顧客獲得が順調に進み、既存契約の継続に加えて、新規顧客の獲得により契約数が積み上がったため、824,974千円(前事業年度比7.9%増)となりました。b)クラウド初期構築クラウドサービスの初期構築や機能追加に係る売上が堅調に推移し、売上高は311,305千円(前事業年度比5.9%減)となりました。c)SI(初期・保守)地理情報関連システムの受託開発・保守に関して堅調に推移するとともに、一部大型案件の売上が計上されたたため、売上高は411,883千円(前事業年度比35.7%増)となりました。d)その他(ライセンス販売・商品売上)ライセンス販売に関しては既存顧客から防災関連等のシステム用のライセンスの受注が継続するとともに、商品売上に関して受託開発に伴うデジタル地図等の納品が堅調に推移したため売上高は98,535千円(前事業年度比3.5%減)となりました。(売上原価、販売費及び一般管理費)売上原価は、外注費、人件費等の増加により、570,704千円(前事業年度比87,729千円増)となりました。売上総利益は、売上高が増加したものの、一部大型案件に伴う売上原価が増加したことに伴い、売上高総利益率は2.5ポイント減少し、1,075,994千円(前事業年度比58,311千円増)となりました。販売費及び一般管理費は、主に人件費や地代家賃等の増加により、501,857千円(前事業年度比17,289千円増)となりました。 (営業利益)営業利益は、売上原価・販売費及び一般管理費が増加したことに伴い、営業利益率が0.6ポイント減少し、574,136千円(前事業年度比41,022千円増)となりました。 (営業外収益)営業外収益は、受取利息、有価証券利息等により10,207千円(前事業年度比5,562千円減)となりました。 (経常利益)経常利益は584,344千円(前事業年度比37,159千円増)となりました。 (当期純利益)当期純利益は、418,774千円(前事業年度比30,657千円増)となりました。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について当社は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、市場動向による影響等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しており、これらのリスクの発生を抑え、影響を最小限に抑えるよう適切に対応する所存であります。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析(流動性と資金の源泉)当社の所要資金は、主にソフトウエアの製造・販売を行うための投資及び経常の運転資金であり、これらについてはすべて自己資金により対応しております。当社の当事業年度末の自己資本比率は89.5%であり、充分な流動性を確保しております。翌事業年度においては、特記すべき設備投資計画は無く、経常の運転資金は自己資金で賄い、M&Aに要する資金も原則として自己資金で賄う予定であります。(財政状態の分析)当事業年度における財政状態の状況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」をご参照ください。 (キャッシュ・フローの分析)資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としております。なお、当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ⑤ 経営者の経営状況に関する認識及び分析・検討内容当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めております。当社が属する情報サービス産業においては、デジタル庁創設を契機としたデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れが加速し、官民を問わずクラウド化、データ利活用、AI導入等の需要が拡大しています。技術面では、生成AIの急速な進化など、技術革新のスピードは一層加速しており、これらを活用した新たなビジネス機会の創出が期待される一方、顧客ニーズの高度化・多様化への対応が求められています。これらの変化に対応できるIT技術者は慢性的に不足しており、人材の確保と育成が課題となっております。このような環境下において、当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載した各課題への対応を実施することにより、さらなる人的資本の向上を通じた、売上の増大と収益力の向上を目指します。
事業リスク
- 公共市場への高い依存主要顧客が地方自治体等の官公庁であるため、公共市場への依存度が高いです。地方自治体の財政悪化や政府の重点施策変更による予算減額は、当社の業績に直接的な影響を及ぼす可能性があります。
- 特定サービスへの依存売上高の50.1%を占めるクラウド利用料のうち、「NET119緊急通報システム」の割合が大きい状態です。他社の類似システムへの切り替えや、緊急通報における他の方式の採用が進んだ場合、契約数が減少し業績に影響が出る可能性があります。
- 競合激化と価格競争防災・防犯関連のクラウドサービスに特化し、先行者メリットを活かしていますが、新規参入の障壁は必ずしも高くありません。類似サービスが開発され、価格競争が激化した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても投資家の投資判断上、重要なものであると考えられる事項につきましては、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。 (1) 官公庁等に係る市場動向及びその依存度について当社のクラウドサービス及びシステム開発の主要顧客は、地方自治体等の官公庁であり、民間は電力会社等のインフラ系事業者等に限られていることから、公共市場への依存度が高い状況となっております。民間市場の開拓にも努めておりますが、当面は官公庁市場への高い依存度が継続するものと想定されます。そのため、地方自治体の財政状態が感染症の流行対策等、何らかの要因により急激に悪化し、予算が減額されたり、政府の重点施策の変更により予算配分が変更された場合等は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 特定の製品やサービスへの依存度が高いことについて地理情報システム構築用ソフトウエア(「GeoBase」及び「GeoBase.NET」)のライセンス販売が当事業年度の売上高に占める割合は5%程度まで低下しておりますが、利益面におけるライセンス販売への依存度は未だ高い状態にあります。したがって、当社ライセンスの主要顧客が競合製品に切り換えたり、設備投資の大幅な減額等により受注が急激に減少した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当事業年度において売上高の50.1%を占めるクラウド利用料のうち、当社の主力サービスである「NET119緊急通報システム」の利用料の割合が大きい状態にあります。当社は、警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全等の業務に係る各種クラウドサービスの開発を進めておりますが、当面は特定のサービスへの依存度が高い状態が続くものと思われます。したがって、他社の同様のシステムに切り換えられたり、緊急時における聴覚障害者支援において他の方式のシステムが採用されることとなった場合には、契約数が減少し当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 製品の不具合の発生による影響について当社は、ISO9001に基づく品質管理基準に従って製品開発や受託開発を行っており、不具合等の発生防止に最大限の注意を払っております。しかしながら、当社製品の不具合により顧客が損害を被った場合、損害賠償請求を受けたり、当社に対する信頼の低下により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) システム障害について当社のクラウドサービスは、通信ネットワークを通じてサービスを提供しておりますが、災害や事故により通信ネットワークが切断された場合、サーバー機能が停止した場合、コンピュータウイルスによる被害にあった場合、ソフトウエアに不具合が生じた場合等によりサービスが提供できなくなる可能性があります。当社は、サーバーを冗長化したり、地理的に複数箇所に分散して配置する等の対策を行っておりますが、これらの障害が発生した場合には、回復のためのコスト負担や当社に対する信頼の低下により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 受託開発業務に係る仕様拡大の影響について当社の受託開発については、業務仕様に関し、事後的に発注元との認識の違い等が発生する可能性があります。当社は、受注までに発注元と入念に仕様等について打ち合わせを行い、認識の齟齬が発生しないように努めておりますが、万一、齟齬が発生した場合は、発注元との協議の結果、納入後に当社の責任において再開発や補修するための費用が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 競合他社による影響について当社のクラウドサービスは、防災・防犯関連にターゲットを絞り、先行者メリットを活かしつつ顧客ニーズに合ったサービスを開発することにより優位性を高めております。また、特許の取得にも積極的に取り組んでいるものの、新規参入の障壁は必ずしも高いものとはいえず、類似したサービスが開発され、価格競争が激化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 小規模組織における管理体制について当社は、当事業年度末現在、取締役(監査等委員を含む。)6名及び従業員65名と組織としての規模は小さく、内部管理体制もこのような組織の規模に応じたものとなっております。また、小規模な組織であることから、業務遂行を特定の個人に依存している場合があります。今後、さらなる権限委譲や業務の定型化、代替人員の確保・育成等を進める予定でありますが、特定の役職員の社外流出等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 人材の確保についてデジタル化推進の流れを受け、現在、情報サービス業界においてはIT人材の確保が厳しい状況であります。当社は、採用市場や求職者の動向の変化に対応し、オンラインでのインターンシップや会社説明会、直接求職者にアプローチするダイレクトリクルーティング等の多様な募集方法を活用することにより、新卒及び中途採用の応募者の裾野を広げ、優秀な人材の獲得に努めております。しかしながら、当社が必要な人材の獲得ができなかった場合や優秀な従業員の退職が発生した場合には、製品・サービスの開発や受託開発に遅れが生じることによる売上の未達、人員の採用や教育等に伴う経費の増加等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 知的財産権について当社は、当社製品の名称について商標登録を行っているほか、独自に開発したシステムについても特許の登録を行っております。また、当社は、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意し、調査を行っておりますが、万一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より使用差止及び損害賠償請求等を提起される可能性並びに当該特許使用にかかる対価等の支払い等が発生する可能性があります。このような場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 個人情報等の取り扱いについて当社が保有する利用者等の個人情報、特定個人情報及び顧客企業に関する情報の取り扱いについては、2006年12月にプライバシーマーク(Pマーク)を取得、2013年10月に情報セキュリティマネジメントシステム(ISO/IEC27001)を取得し、厳重に社内管理並びに委託先管理を行っております。 しかしながら、不正アクセス者等からの侵入や委託先管理不備により、個人情報等が外部に漏洩し、不正使用される可能性が完全に排除されているとはいえません。また、不正使用等に備え、当社は個人情報漏洩に対応する保険に加入しておりますが、全ての損失が完全に補てんされるとは限りません。 したがって、このような事態が起こった場合には、当社への損害賠償請求や信用の失墜により、当社の経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。