事業の概要
- M&A仲介業務日本M&Aセンターホールディングスは、企業の合併・買収(M&A)を仲介する事業を主軸としています。具体的には、後継者不足に悩む中小企業や、事業拡大を目指す企業に対して、最適なM&A相手を見つけ、交渉から契約締結までの一連のプロセスを支援することで収益を得ています。このサービスを通じて、企業の存続と発展に貢献しています。
- 周辺事業の展開M&A仲介だけでなく、M&Aに関連する周辺事業も手掛けています。例えば、M&A後の事業統合を円滑に進めるためのコンサルティング(PMIコンサルティング)や、企業価値評価、さらには事業承継や成長戦略をテーマとしたファンド運営事業も行っています。これにより、M&Aに関する多様なニーズに応え、収益源を多角化しています。
- 成功報酬型ビジネスM&A仲介事業の主な収益源は成功報酬です。これは、M&Aが最終的に成約した場合に、その取引規模に応じて手数料を受け取る仕組みです。また、M&A案件の初期段階で「着手金」も受領しており、これは会社規模に応じて100万円から500万円程度となっています。この成功報酬モデルは、M&Aが成立しない限り大きな収益とならないため、成約率が重要となります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- M&A仲介事業同社の主要な収益源であり、事業の大部分を占めるのがM&A仲介事業です。国内の中堅中小企業を主な対象とし、企業の合併・買収を支援することで、主に成功報酬として収益を得ています。この事業は、後継者問題の解決や企業の成長戦略支援を通じて、社会的なミッションも果たしています。
- その他の事業M&A仲介事業を補完する形で、いくつかの周辺事業も展開しています。具体的には、全国の会計事務所が運営する地域M&Aセンターの会員組織運営による会費収入や、M&A後の事業統合コンサルティング、企業評価業務などがあります。これらの事業は、M&A関連サービスを多角的に提供し、顧客満足度向上と収益安定化に貢献しています。
- ファンド運営事業M&A周辺分野として、複数のファンド運営事業も手掛けています。事業承継をテーマとしたファンド、成長戦略をテーマとしたファンド、個人によるM&A支援をテーマとしたサーチファンド、さらにはASEANの中堅・中小企業クロスボーダーM&A促進を目的としたファンドなど、多様なニーズに対応しています。これにより、M&Aの選択肢を広げ、新たな収益機会を創出しています。
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3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社16社及び持分法適用関連会社13社で構成されております。当社グループはM&A(企業の合併・買収)の仲介業務を主たる事業としており、M&Aにおけるすべてのプロセスにおいて付加価値の高いサービスを提供できるM&A総合企業を標榜しています。 国内の中堅中小企業の案件を中心に業務を行っており、M&A業務を通じて企業の存続と発展に貢献することを企業理念として掲げております。 企業は社会の公器であります。その公器たる企業の深刻な後継者問題・先行き不安問題を解決し、事業を存続させること、そしてさらに、相乗効果の発揮によりその事業を発展させ、譲渡側・譲受側の両当事者はもとより、従業員、取引先等のステークホルダー全員が幸福になる友好的M&Aを実践すること、これらのことが、当社グループの社会的ミッションであり、当社グループは構築した全国的情報ネットワークを基盤にM&Aのプラットフォームの役割を担うべきものと考えております。なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。当社グループの事業は、M&Aの仲介事業という単一の事業セグメントであります。当社グループの売上分類といたしましては、(1)M&A仲介事業、(2)その他の事業に区分されております。 (1) M&A仲介事業(当社グループのM&A仲介業務について) M&Aの仲介業務を遂行するためには優良な案件情報が最も大切ですが、当社グループでは案件情報に下記のとおり多面的にアプローチすることにより、それらを効率的に取得しています。・金融機関、会計事務所等を中心とした当社の情報ネットワークを通じてのアプローチ・上場企業を含む一般事業法人、ファンド等に直接コンタクトし、また、各種ダイレクトマーケティングの手法 により潜在的顧客に直接コンタクトするアプローチ・特定の業種に専門特化し、専門的知見に基づくコンサルテーションによるアプローチ これらを効率よくかつ専門的にサポートするための部署をそれぞれ設置し営業活動をしています。 当社グループのサービスとして、M&A周辺分野といたしましては、2016年1月に設立した当社の連結子会社である株式会社企業評価総合研究所は、企業評価に係る業務を行っております。2018年4月に設立した当社の連結子会社である株式会社日本PMIコンサルティングは、M&Aを成約した後に、速やかかつ円滑に事業統合するためのコンサルティング事業を行っております。 また、ファイナンシャル周辺分野といたしましては、日本プライベートエクイティ株式会社を2000年10月に設立して以来、同社を通じて事業承継をテーマとするファンド運営事業を行っております。また、2018年1月には、株式会社日本政策投資銀行と合弁で株式会社日本投資ファンドを設立し、成長戦略をテーマとしたファンド運営事業も開始いたしました。2020年10月には、伊藤公健氏、キャリアインキュベーション株式会社、株式会社日本政策投資銀行と合弁で株式会社サーチファンド・ジャパンを設立し、個人によるM&A支援をテーマとしたファンド運営事業も開始いたしました。2023年12月には、当社の連結子会社である株式会社AtoG Capitalを設立し、日本企業によるASEANの中堅・中小企業のクロスボーダーM&Aの促進を目的としたファンド運営事業も開始いたしました。 加えて、2024年10月には、当社の連結子会社である株式会社日本サーチファンドを設立し、地域金融機関との連携を通じて、地域ニーズに合致したサーチファンドを設立・運営し、優秀な経営者人材の発掘と育成をサポートすることにより、「地域の人材不足」と「経営者育成」という2つの課題の解決をテーマとしたファンド運営事業も開始いたしました。今後、中長期的には、M&A総合企業としてM&Aにおけるすべてのプロセスにおいて更に付加価値の高いサービスを提供できるよう、引き続き取組んでまいります。 (当社グループのM&A仲介業務の流れ)当社グループのM&A仲介業務の流れは以下のとおりです。 1 マーケティングM&A仲介業務において、優良な譲渡企業の開発が最重要テーマです。これらの会社に関する信頼性の高い情報を数多く入手するために、当社グループでは多面的なアプローチによる案件カバー率の向上に取組んでおります。 2 譲渡企業受託譲渡企業から個別相談がありましたら、譲渡の可能性、譲渡理由、案件の信頼性、概算価格などを検討し、受託審査を実施します。受託審査は当社のリスク管理上重要な役割を果たすのみならず、当社の案件の信頼性向上に寄与しております。受託審査を通過した譲渡企業に対して重要事項を説明の上「提携仲介契約」を締結し、「着手金」を受領いたします。着手金は会社規模に応じて通常100万円~300万円程となっております。 3 譲渡企業評価(案件化)次のステップとして、譲渡企業の内容を正確に把握し、譲受企業への提案目的の資料を作成します。このステップを当社グループでは案件化と呼びます。案件化では以下の事を行います。 ① 企業情報資料の収集(会社案内、登記事項証明書、決算書などの資料の収集) ② 当社所定のインタビューシートの完成(各種定性情報のインタビュー) ③ 企業評価(企業価値参考価格の算定) ④ 譲受企業への提案書(企業概要書など)の作成当社グループでは特にこの案件化のステップを重視してノウハウを構築しています。譲渡企業の特徴、業界の特性、価格等が調査できましたら、譲受企業候補をリストアップし、譲渡企業の経営者と共に最適な譲受企業を選定します。 4 譲受企業への提案選定された譲受企業に対して、譲渡企業を提案します。秘密保持の観点から最初の打診は企業名を伏せたA4で1枚程度の「ノンネーム企業情報資料」により行います。譲受企業が、さらなる検討を希望した場合は「秘密保持契約」を締結し、企業名・業績・業界特性などが記載された「企業概要書」を提出いたします。企業概要書により譲受企業が本格的にM&Aの検討の開始を希望すれば、譲受企業に対して重要事項を説明の上「提携仲介契約」を締結し、「着手金」を受領いたします。着手金は会社規模に応じて通常100万円~500万円程となっております。「提携仲介契約」の締結先は、上記プロセスと並行して実施される受託審査通過企業に限られます。 5 各種交渉と契約の調整ここでは、譲渡企業と譲受企業の交渉及び契約内容の調整と進捗管理を行います。まず、譲渡企業と譲受企業の面談、現場見学などにより企業文化や経営者の人間性などの相互確認を促進しつつ、買収条件の交渉の調整を行います。両者で一定の合意ができた場合、今までの条件交渉の結果を確認する「基本合意契約」を締結していただきます。次に、譲受企業は「買収した後のリスクの確認」「譲渡企業の企業価値の確認」等を目的として、譲渡企業の内容確認を行うために買収監査(デューデリジェンス)を実施します。通常は公認会計士が決算書に関して「資産の実在性」、「負債の網羅性」等を譲渡企業へ出向いて調査します。近年では会計監査のみならず、弁護士による法務監査や土壌汚染調査等、監査の範囲が広がりつつあります。当社はこの買収監査の範囲の調整や買収監査がスムースに行えるような準備の支援について助言します。買収監査の結果に基づき、譲渡企業と譲受企業の最終的な条件交渉が行われ、譲渡企業の社長や従業員の処遇などの細目の決定において当社グループは調整を行います。そして全ての条件項目が決定した段階で当事者間は最終契約を締結します。通常は、最終契約締結時に譲渡企業の株式を譲受企業が取得し、経営権が譲受企業に移行します。当社グループは、これらの一連の作業が終了した時点で「成功報酬」を受領いたします。成功報酬は時価総資産に料率を乗じて算出します。料率は企業規模が大きくなるにつれて逓減するレーマン方式のテーブルを用います。成功報酬受領後、案件の紹介者に対して一定の紹介料をお支払いいたします。 (2) その他の事業 その他の事業としては、前記のとおり各地域の会計事務所が運営する地域M&Aセンター(2025年3月31日現在1,072拠点)の会員組織の運営(会費収入)等があります。 また、当社グループは、2019年より東京証券取引所が運営するプロ投資家向けの株式市場であるTOKYO PRO Marketへの上場支援業務を行っております。 TOKYO PRO Marketへの上場支援を通じて、中堅中小企業の事業承継と成長戦略を促進させるとともに、日本全国の地方創生に貢献してまいります。 事業の系統図
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 M&A仲介事業は成功報酬型ビジネスであり、競合他社とのバッティングで受託価額が下落する可能性。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ネットワーク 全国規模の情報ネットワークや仲介実務で培った固有のノウハウは短期間には模倣できない。 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 低い |
会社が挙げる主要リスク:役員・従業員の不正によるリスク / 情報セキュリティに関するリスク / 訴訟等に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 13 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
M&A仲介における長年の実績と信頼性。独自のノウハウやデータベース、専門家ネットワークが強み。ブランド力はまだ発展途上だが、専門性の高さが顧客の安心感に繋がる。
スイッチングコスト★★☆☆☆
M&A仲介は一度成約すると、次の案件まで他社への乗り換えは少ない。しかし、M&A自体が頻繁に発生するわけではなく、顧客のスイッチングコストは限定的。専門家との関係性が重要。
ネットワーク効果★★★★☆
全国の税理士、会計士、弁護士、司法書士などの専門家との強固なネットワークが最大の強み。このネットワークを通じて、案件の発掘と成約を効率的に行っている。新規参入障壁となる。
コスト優位★☆☆☆☆
M&A仲介業は、人件費やオフィス賃料が主なコスト。規模の経済によるコスト優位性は限定的。独自のシステム開発や人材育成による効率化は進めているが、競合とのコスト差は小さい。
規模の経済★★★☆☆
日本国内におけるM&A仲介件数でトップクラスのシェアを誇る。多数の成約実績が信頼に繋がり、さらなる案件獲得に有利に働く。しかし、グローバル展開は限定的。
- 全国的な情報ネットワーク同社は、金融機関や会計事務所などとの強固な全国的な情報ネットワークを構築しており、これが優良なM&A案件情報を継続的かつ安定的に入手できる基盤となっています。このネットワークは短期間で模倣できるものではなく、競合他社に対する大きな差別化要因であり、競争優位性を確立しています。
- M&A総合企業としての専門性M&Aの全プロセスにおいて、付加価値の高いサービスを提供できる「M&A総合企業」を標榜しています。企業評価、PMIコンサルティング、ファンド運営など、M&A周辺分野にも事業を拡大しており、専門的な知見とノウハウを蓄積しています。これにより、顧客に対して包括的なソリューションを提供できる強みがあります。
- 中堅中小企業M&A市場での実績国内の中堅中小企業のM&A仲介に特化し、長年の実績とノウハウを培っています。少子高齢化による後継者問題は深刻であり、この市場は安定的な拡大が見込まれています。同社はこの市場のパイオニアとして、多くの成約実績と信頼を築いており、これが新たな顧客獲得につながる重要な要素となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針及び経営環境当社グループは、「M&A業務を通じて企業の存続と発展に貢献する」ことを企業理念として掲げております。企業は社会の公器であります。その公器たる企業の深刻な後継者問題・先行き不安問題を解決し事業を存続させること、そしてさらに相乗効果の発揮によりその事業を発展させ譲渡側・譲受側の両当事者はもとより、従業員、取引先等のステークホルダー全員が幸福になる友好的M&Aを実践すること、このことが当社グループの社会的ミッションであり、当社は構築した全国的情報ネットワークを基盤にM&Aのプラットフォームの役割を担うべきものと考えております。 以上の企業理念に基づき、企業の存続と発展のためのM&A仲介業務を通じて顧客に対して常に付加価値の高い役務を提供することにより積極的な成長カーブでの業績アップを図り、配当も確実に実行していくことを通じて株主の皆様方をはじめとするステークホルダーの方々に報いることを経営方針としております。国内M&Aマーケットの中でも当社グループがメインターゲットとしている後継者問題解決のための中堅中小企業のM&Aマーケットは、少子高齢化や中堅中小企業をとりまく厳しい経済環境等を背景に今後も安定的に拡大を続け、短期的にそのトレンドが大きく変化することは現時点では考えにくいものと当社グループでは考えております。 (2)優先的に対処すべき課題当社グループでは、企業理念の実現を通じて企業価値の向上を図るため、以下のテーマを自らに課して業務を推進しております。 ①持続的な再成長に向けての取り組み当連結会計年度において中小M&A市場は大きく変化いたしました。不適切な譲受企業に係るトラブル事案の報道が影響し、お客様の中にはM&Aに対して不安を抱く方々も見受けられるようになり、その意思決定も慎重なものとなりました。また、お客様との提携仲介契約締結時における重要事項説明等の負担が増加したり、金利上昇に伴ってM&A融資審査が厳格化されたりする等、M&Aを成約するための期間が徐々に長期化する傾向となりました。これらの環境の変化に対し、従来にも増してお客様に寄り添う姿勢、対応が必要であったものの、不足していた点があったのではないかと反省しています。具体的には、M&Aに関するお客様の情報量や知識が向上しているにもかかわらず従来の案件マネジメント手法を用いて対応を続けたこと、新人教育の効率性を追求するあまりにお客様に関する理解力や提案力の育成が充分に進まなかったこと等が挙げられます。これらのことが、M&A案件の成約率の低下、商談の長期化を招き、その結果、当連結会計年度は前年比で成約件数が減少いたしました。このような状況下、当社グループが今後更なる成長を果たすために、以下の施策を重点的に取り組んでまいります。 ①-1_M&A成約件数増加に向けた取り組み(1)譲受候補企業に関する審査体制を更に充実させることでお客様が安心、安全にM&Aの検討に取り組めるようにいたします。(2)これまで不統一であった部長職の案件マネジメント手法を定型化、標準化いたします。(3)商談開始時にM&A経験が豊富なベテラン勢や社内の専門家を加えて案件の分析ミーティング(キックオフミーティング)を実施いたします。(4)営業コンサルタント入社後に最低3社の企業評価等の実践を必須化します。これら施策により顧客満足度を向上させ、結果として商談のリードタイム短縮や成約件数の持続的な向上につなげてまいります。 ①-2_業績予想達成に向けた取り組み当連結会計年度における当社グループの売上高は44,077百万円(業績予想値は48,900百万円、達成率90.1%)、経常利益は16,918百万円(業績予想値は17,000百万円、達成率99.5%)となり業績予想値に対して未達となりました。2026年3月期の連結業績予想は連結売上高46,300百万円(前連結会計年度比5.0%増)、連結営業利益及び連結経常利益ともに17,000百万円(前連結会計年度と同額)といたしました。これは2026年3月期においては確実に業績予想を達成すべく、以下の施策に注力するためであります。(1)第3四半期までに通期業績予想の大部分を達成し、第4四半期は翌事業年度のスタートダッシュに向けた準備を行うことで従来の持続的な成長サイクルを再構築いたします。(2)営業コンサルタントの年間予算達成者比率を高めることで社員の自信を取り戻し、組織全体のモチベーションを向上させます。(3)業績予想を確実に達成することで投資家の皆様からの信頼を回復し、長期的な関係を構築できるようにいたします。 ①-3_中期経営目標達成に向けた取り組み外部環境の変化と内部体制の充実を図るため、当社グループの中期経営目標の見直しを行いました。これは、当中期経営目標期間の最終年度である2028年3月期における連結経常利益目標を305億円から200億円に引き下げ、最終連結会計年度までの各連結会計年度の調整を行ったものであります。上記施策を重点的に行うことにより一時的に成長スピードは落ちるものの、当社グループの持続的且つ力強い再成長にとっては必要不可欠な過程であると考えております。上記施策の効果を織り込んだ見直し後の中期経営目標は堅実な予想となっており、この利益計画を確実に超える成長を目指してまいります。 ②コンプライアンス重視の経営の継続当社グループは、2022年3月期において売上の期間帰属等に関して不適切な報告が発見されたことから、コンプライアンス重視の経営に舵を切っております。今後もM&A事業における外部環境の変化に合わせ、以下のとおり弛まずコンプライアンスを遵守した経営を継続するとともに更なる成長に向けて邁進してまいります。 ・当社グループのパーパス(存在意義)とフィロソフィー(行動規範)の更なる浸透当社グループのパーパス(存在意義)とフィロソフィー(行動規範)を定義しております。当社グループは何のために存在しているのか、そのために当社グループの役職員は、どのような規範、判断基準のもと行動しなければならないのかを明確に定義し、当連結会計年度においても全社員に対しフィロソフィー研修やeラーニングで啓蒙する等、継続的にコンプライアンス意識の醸成と組織文化への定着を図っております。 ・通報窓口の充実強化、営業部門のキーパーソンとの定期的な面談の実施当社グループの内部の相談・通報窓口を社内ポータルサイトのトップページに設置し、全社員に周知しております。今後とも社員が日常の中で疑問に感じたこと、気づいたことを気軽に相談・通報できる風通しの良い会社であり続けるよう注力しております。また、当連結会計年度においても株式会社日本M&Aセンターの営業部門のグループリーダー職以上のキーパーソンとチーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)又は当社の社外取締役との定期的な面談を実施し、営業部門とコンプライアンス部門等との間に定期的にコミュニケーションの機会を設けることで、信頼関係を涵養し、不正の未然防止・早期発見に役立てております。 ・コンプライアンス所管部署及びCCOによるコンプライアンス体制とリスクマネジメントの強化当社及び株式会社日本M&Aセンターにおいてコンプライアンス統括部の責任者であるCCOが主体となり、コンプライアンス関連のルールの見直しやグループコンプライアンス体制の構築準備を行う等、コンプライアンス体制の充実を図りました。また、CCOがリスクマネジメント委員会委員長を兼任することでリスクマネジメントの強化を図っております。 ・監査・監督部門の体制強化当社では内部監査経験の豊富な「内部監査部門の専担者」を配置し、監査・監督体制の強化に努めております。 ・実効性のあるコンプライアンス研修・教育の実施当連結会計年度においても株式会社日本M&Aセンターの管理職向けのコンプライアンス研修を実施する等、役員・全社員を対象として定期的にコンプライアンス研修を実施いたしました。また、当社グループ役員・全社員が遵守すべき「グループコンプライアンス基本指針」を定め、周知徹底を行うことで継続的にコンプライアンス意識の醸成を図っております。 ・総合的な人事評価の採用及び四半期業績達成に関する経営管理手法の見直し株式会社日本M&Aセンターの人事評価につきましては、昇級・昇格要件に「倫理観」の項目を盛り込み、多面的かつ定性的な評価を実現する人事制度を策定し、運用しております。 ・業務プロセス管理部による業務の健全化と品質向上業務や業務プロセスを正確に正しく行うことが不正防止と顧客満足に繋がり、結果として生産性の向上に直結するとの考えから、業務プロセス管理部においてM&A仲介における業務の健全化と品質向上を図っております。特に、中小企業庁が定める「中小M&Aガイドライン」及びM&A支援機関協会が定める「倫理規程」や「業界自主規制ルール」の遵守を徹底しています。 ③コンサルタントの成長と定着に向けた各種施策優秀なコンサルタントとなり得る候補者をより多く採用し、併せて、それらの方々の成長・活躍を支援し、もって離職率を下げることは当社グループの重要課題であります。採用したコンサルタントは、入社後、各種社内研修と現場でのOJTを充実することにより、着実に育成し、早期戦力化を図ってまいります。同時に、優秀な人材の離職の防止も重要なテーマと考えており、とりわけ中堅人材の離職、3年未満の人材の離職、それぞれに対して適切な対応を行っています。具体的には当社役員等が、部長陣等の管理者層、中核コンサルタント層、社歴の浅い若年層と各層に対しそれぞれ定期的な面談プログラムを設定し、それらを実行することで離職率の低減に努めております。この結果、現在は、3年以上在籍しているコンサルタントの離職は減少傾向が継続しておりますが、一方で成約経験の少ない新人層においては一定数の離職が続いていることが課題であると認識しております。これについては、360度サーベイによるマネジメント層の育成強化や新人層への「2in1(ニコイチ)制度」の対象を拡大する等により対応しております。 ④DX・AIの活用への取組生産性アップのためには、DXやAIの活用は不可欠であります。当社グループでは以前から過去の膨大な成約事例に基づいたデータベースを構築しており、既にAIによる商談解析を導入しております。このAI活用により社内のナレッジと連携するだけでなく、ハイパフォーマーの商談内容を解析し、コンサルタントの育成に活用するとともに新規譲受案件の受託増加や成約率向上を目指してまいります。 (3)目標とする経営指標と達成状況目標とする経営指標と達成状況につきましては、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針及び経営環境当社グループは、「M&A業務を通じて企業の存続と発展に貢献する」ことを企業理念として掲げております。企業は社会の公器であります。その公器たる企業の深刻な後継者問題・先行き不安問題を解決し事業を存続させること、そしてさらに相乗効果の発揮によりその事業を発展させ譲渡側・譲受側の両当事者はもとより、従業員、取引先等のステークホルダー全員が幸福になる友好的M&Aを実践すること、このことが当社グループの社会的ミッションであり、当社は構築した全国的情報ネットワークを基盤にM&Aのプラットフォームの役割を担うべきものと考えております。 以上の企業理念に基づき、企業の存続と発展のためのM&A仲介業務を通じて顧客に対して常に付加価値の高い役務を提供することにより積極的な成長カーブでの業績アップを図り、配当も確実に実行していくことを通じて株主の皆様方をはじめとするステークホルダーの方々に報いることを経営方針としております。国内M&Aマーケットの中でも当社グループがメインターゲットとしている後継者問題解決のための中堅中小企業のM&Aマーケットは、少子高齢化や中堅中小企業をとりまく厳しい経済環境等を背景に今後も安定的に拡大を続け、短期的にそのトレンドが大きく変化することは現時点では考えにくいものと当社グループでは考えております。 (2)優先的に対処すべき課題当社グループでは、企業理念の実現を通じて企業価値の向上を図るため、以下のテーマを自らに課して業務を推進しております。 ①持続的な再成長に向けての取り組み当連結会計年度において中小M&A市場は大きく変化いたしました。不適切な譲受企業に係るトラブル事案の報道が影響し、お客様の中にはM&Aに対して不安を抱く方々も見受けられるようになり、その意思決定も慎重なものとなりました。また、お客様との提携仲介契約締結時における重要事項説明等の負担が増加したり、金利上昇に伴ってM&A融資審査が厳格化されたりする等、M&Aを成約するための期間が徐々に長期化する傾向となりました。これらの環境の変化に対し、従来にも増してお客様に寄り添う姿勢、対応が必要であったものの、不足していた点があったのではないかと反省しています。具体的には、M&Aに関するお客様の情報量や知識が向上しているにもかかわらず従来の案件マネジメント手法を用いて対応を続けたこと、新人教育の効率性を追求するあまりにお客様に関する理解力や提案力の育成が充分に進まなかったこと等が挙げられます。これらのことが、M&A案件の成約率の低下、商談の長期化を招き、その結果、当連結会計年度は前年比で成約件数が減少いたしました。このような状況下、当社グループが今後更なる成長を果たすために、以下の施策を重点的に取り組んでまいります。 ①-1_M&A成約件数増加に向けた取り組み(1)譲受候補企業に関する審査体制を更に充実させることでお客様が安心、安全にM&Aの検討に取り組めるようにいたします。(2)これまで不統一であった部長職の案件マネジメント手法を定型化、標準化いたします。(3)商談開始時にM&A経験が豊富なベテラン勢や社内の専門家を加えて案件の分析ミーティング(キックオフミーティング)を実施いたします。(4)営業コンサルタント入社後に最低3社の企業評価等の実践を必須化します。これら施策により顧客満足度を向上させ、結果として商談のリードタイム短縮や成約件数の持続的な向上につなげてまいります。 ①-2_業績予想達成に向けた取り組み当連結会計年度における当社グループの売上高は44,077百万円(業績予想値は48,900百万円、達成率90.1%)、経常利益は16,918百万円(業績予想値は17,000百万円、達成率99.5%)となり業績予想値に対して未達となりました。2026年3月期の連結業績予想は連結売上高46,300百万円(前連結会計年度比5.0%増)、連結営業利益及び連結経常利益ともに17,000百万円(前連結会計年度と同額)といたしました。これは2026年3月期においては確実に業績予想を達成すべく、以下の施策に注力するためであります。(1)第3四半期までに通期業績予想の大部分を達成し、第4四半期は翌事業年度のスタートダッシュに向けた準備を行うことで従来の持続的な成長サイクルを再構築いたします。(2)営業コンサルタントの年間予算達成者比率を高めることで社員の自信を取り戻し、組織全体のモチベーションを向上させます。(3)業績予想を確実に達成することで投資家の皆様からの信頼を回復し、長期的な関係を構築できるようにいたします。 ①-3_中期経営目標達成に向けた取り組み外部環境の変化と内部体制の充実を図るため、当社グループの中期経営目標の見直しを行いました。これは、当中期経営目標期間の最終年度である2028年3月期における連結経常利益目標を305億円から200億円に引き下げ、最終連結会計年度までの各連結会計年度の調整を行ったものであります。上記施策を重点的に行うことにより一時的に成長スピードは落ちるものの、当社グループの持続的且つ力強い再成長にとっては必要不可欠な過程であると考えております。上記施策の効果を織り込んだ見直し後の中期経営目標は堅実な予想となっており、この利益計画を確実に超える成長を目指してまいります。 ②コンプライアンス重視の経営の継続当社グループは、2022年3月期において売上の期間帰属等に関して不適切な報告が発見されたことから、コンプライアンス重視の経営に舵を切っております。今後もM&A事業における外部環境の変化に合わせ、以下のとおり弛まずコンプライアンスを遵守した経営を継続するとともに更なる成長に向けて邁進してまいります。 ・当社グループのパーパス(存在意義)とフィロソフィー(行動規範)の更なる浸透当社グループのパーパス(存在意義)とフィロソフィー(行動規範)を定義しております。当社グループは何のために存在しているのか、そのために当社グループの役職員は、どのような規範、判断基準のもと行動しなければならないのかを明確に定義し、当連結会計年度においても全社員に対しフィロソフィー研修やeラーニングで啓蒙する等、継続的にコンプライアンス意識の醸成と組織文化への定着を図っております。 ・通報窓口の充実強化、営業部門のキーパーソンとの定期的な面談の実施当社グループの内部の相談・通報窓口を社内ポータルサイトのトップページに設置し、全社員に周知しております。今後とも社員が日常の中で疑問に感じたこと、気づいたことを気軽に相談・通報できる風通しの良い会社であり続けるよう注力しております。また、当連結会計年度においても株式会社日本M&Aセンターの営業部門のグループリーダー職以上のキーパーソンとチーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)又は当社の社外取締役との定期的な面談を実施し、営業部門とコンプライアンス部門等との間に定期的にコミュニケーションの機会を設けることで、信頼関係を涵養し、不正の未然防止・早期発見に役立てております。 ・コンプライアンス所管部署及びCCOによるコンプライアンス体制とリスクマネジメントの強化当社及び株式会社日本M&Aセンターにおいてコンプライアンス統括部の責任者であるCCOが主体となり、コンプライアンス関連のルールの見直しやグループコンプライアンス体制の構築準備を行う等、コンプライアンス体制の充実を図りました。また、CCOがリスクマネジメント委員会委員長を兼任することでリスクマネジメントの強化を図っております。 ・監査・監督部門の体制強化当社では内部監査経験の豊富な「内部監査部門の専担者」を配置し、監査・監督体制の強化に努めております。 ・実効性のあるコンプライアンス研修・教育の実施当連結会計年度においても株式会社日本M&Aセンターの管理職向けのコンプライアンス研修を実施する等、役員・全社員を対象として定期的にコンプライアンス研修を実施いたしました。また、当社グループ役員・全社員が遵守すべき「グループコンプライアンス基本指針」を定め、周知徹底を行うことで継続的にコンプライアンス意識の醸成を図っております。 ・総合的な人事評価の採用及び四半期業績達成に関する経営管理手法の見直し株式会社日本M&Aセンターの人事評価につきましては、昇級・昇格要件に「倫理観」の項目を盛り込み、多面的かつ定性的な評価を実現する人事制度を策定し、運用しております。 ・業務プロセス管理部による業務の健全化と品質向上業務や業務プロセスを正確に正しく行うことが不正防止と顧客満足に繋がり、結果として生産性の向上に直結するとの考えから、業務プロセス管理部においてM&A仲介における業務の健全化と品質向上を図っております。特に、中小企業庁が定める「中小M&Aガイドライン」及びM&A支援機関協会が定める「倫理規程」や「業界自主規制ルール」の遵守を徹底しています。 ③コンサルタントの成長と定着に向けた各種施策優秀なコンサルタントとなり得る候補者をより多く採用し、併せて、それらの方々の成長・活躍を支援し、もって離職率を下げることは当社グループの重要課題であります。採用したコンサルタントは、入社後、各種社内研修と現場でのOJTを充実することにより、着実に育成し、早期戦力化を図ってまいります。同時に、優秀な人材の離職の防止も重要なテーマと考えており、とりわけ中堅人材の離職、3年未満の人材の離職、それぞれに対して適切な対応を行っています。具体的には当社役員等が、部長陣等の管理者層、中核コンサルタント層、社歴の浅い若年層と各層に対しそれぞれ定期的な面談プログラムを設定し、それらを実行することで離職率の低減に努めております。この結果、現在は、3年以上在籍しているコンサルタントの離職は減少傾向が継続しておりますが、一方で成約経験の少ない新人層においては一定数の離職が続いていることが課題であると認識しております。これについては、360度サーベイによるマネジメント層の育成強化や新人層への「2in1(ニコイチ)制度」の対象を拡大する等により対応しております。 ④DX・AIの活用への取組生産性アップのためには、DXやAIの活用は不可欠であります。当社グループでは以前から過去の膨大な成約事例に基づいたデータベースを構築しており、既にAIによる商談解析を導入しております。このAI活用により社内のナレッジと連携するだけでなく、ハイパフォーマーの商談内容を解析し、コンサルタントの育成に活用するとともに新規譲受案件の受託増加や成約率向上を目指してまいります。 (3)目標とする経営指標と達成状況目標とする経営指標と達成状況につきましては、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ①財政状態及び経営成績の状況A.財政状態(a)資産の部流動資産は、前連結会計年度末に比べて180百万円(0.4%)増加し、42,566百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,771百万円増加し、その他が1,699百万円減少したことなどによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて2,965百万円(18.2%)増加し、19,219百万円となりました。これは主に、投資有価証券が2,094百万円、長期貸付金が1,085百万円増加したことなどによります。この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて3,145百万円(5.4%)増加し、61,786百万円となりました。 (b)負債の部流動負債は、前連結会計年度末に比べて410百万円(4.3%)増加し、9,896百万円となりました。これは主に、未払法人税等が648百万円、未払費用が185百万円増加し、その他が427百万円減少したことなどによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて880百万円(17.0%)減少し、4,300百万円となりました。これは、長期借入金が900百万円減少し、繰延税金負債が19百万円増加したことによります。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて470百万円(3.2%)減少し、14,196百万円となりました。 (c)純資産の部純資産合計は、前連結会計年度末に比べて3,615百万円(8.2%)増加し、47,589百万円となりました。これは主に、利益剰余金が、親会社株主に帰属する当期純利益による増加額10,955百万円及び配当金の支払による減少額8,247百万円などにより2,786百万円増加したことなどによります。 B.経営成績(a)売上高当連結会計年度の売上高は44,077百万円と、前連結会計年度に比べて0.1%減少し、59百万円の減少となりました。売上内訳といたしましては、M&A仲介事業が42,709百万円、その他の事業が1,368百万円であり、前連結会計年度と比べて、M&A仲介事業は70百万円の減少、その他の事業は11百万円の増加となりました。 (b)経常利益当連結会計年度の経常利益は16,918百万円と、前連結会計年度に比べて2.4%増加し、399百万円の増加となりました。売上原価は19,298百万円で、前連結会計年度に比べて201百万円の減少となりました。販売費及び一般管理費は8,063百万円で、前連結会計年度に比べて505百万円の減少となりました。営業利益は16,715百万円で、前連結会計年度に比べて648百万円の増加となりました。営業外収益は334百万円で、主なものは持分法による投資利益180百万円であります。営業外費用は131百万円で、主なものは投資事業組合運用損73百万円であります。この結果、経常利益は16,918百万円となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は38,715百万円と、前連結会計年度末に比べて16,411百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は13,116百万円と前年同期に比べ2,588百万円(24.6%)の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が16,929百万円となったこと等を反映したものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果得られた資金は11,982百万円(前年同期は18,204百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出が4,383百万円あったこと、長期貸付けによる支出が1,085百万円あったこと及び定期預金の預入による支出が590百万円あったことや、定期預金の払戻による収入が15,253百万円あったこと及び投資有価証券の売却による収入が2,000百万円あったこと等を反映したものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は8,753百万円と前年同期と比べ6,479百万円(42.5%)の増加となりました。これは主に長期借入れによる収入が498百万円あったこと、及び非支配株主からの払込みによる収入が335百万円あったことや、長期借入金の返済による支出が1,400百万円あったこと、及び配当金の支払額が8,247百万円あったこと等を反映したものであります。 ③生産、受注及び販売の状況A.生産実績、受注状況該当事項はありません。 B.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)M&A仲介事業42,709,690△0.2その他の事業1,368,017+1.5合計44,077,707△0.1 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定は次のとおりであります。 A. 繰延税金資産の回収可能性(a) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額繰延税金資産の金額は、連結財務諸表「注記事項(税効果会計関係)」の1.に記載の金額と同一であります。 (b) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、業績が著しく悪化する等して、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容A. 当連結会計年度の経過と経営成績当第4四半期連結会計期間において全社一丸となって追い上げ、四半期単位では過去最高の売上高と各利益を計上したものの、当連結会計年度の業績予想値にはもう一歩及ばない結果となりました。当連結会計年度の成約件数は1,078件(前年同期と比べ68件減)となりました。他方、引き続きミッドキャップ案件(売上高10億円以上又は利益5千万円以上)の成約に注力した結果、1件当たりのM&A売上高は前連結会計年度の37.2百万円と比べて2.4百万円増となる39.6百万円となりました。この結果、当連結会計年度における売上高は、前年同期と比べて0.1%減の44,077百万円となりました。次に、当連結会計年度の経常利益は、前年同期比で2.4%増の16,918百万円となりました。これは、当社グループの営業コンサルタントの増加に伴う人件費が増加しましたが、チャネル体制を構築し、戦略的にチャネルミッションを整理・集中させたことにより、譲受案件におけるネットワーク比率が低下し、売上原価も適正な水準を維持(売上原価率43.8%、前年同期44.2%)できたこと等によるものです。着実に成果が出つつあるミッドキャップ案件受託施策の一層の強化、大規模セミナー等のダイレクト企画を推進する一方で、削減可能な各種費用の抑制等を図った結果、経常利益率は38.4%となり、前連結会計年度の37.4%と比べて利益率は改善しました。 当連結会計年度の業績予想当連結会計年度の実績前連結会計年度の実績業績予想の達成率前年同期比売上高48,900百万円44,077百万円44,136百万円90.1%△0.1%営業利益17,000百万円16,715百万円16,066百万円98.3%+4.0%経常利益17,000百万円16,918百万円16,518百万円99.5%+2.4%親会社株主に帰属する当期純利益11,000百万円10,955百万円10,727百万円99.6%+2.1% 当連結会計年度における譲渡案件の新規受託件数は1,398件(前年同期1,192件)となり、前年同期と比べて206件増加し過去最高の受託件数となりました。過去最高の豊富な受託残を次年度以降も着実に成約すべく、尽力してまいります。 B. 当連結会計年度の営業の取組 ① 新規案件の受託強化当連結会計年度においては、M&Aに馴染みのない経営者向けのオンラインセミナーや全国セミナーツアー等を約120回開催し、約12,000名の経営者にお申込みをいただきました。また、リアルでは事業承継セミナーや成長戦略セミナーを全国で約60回開催し、参加者は約4,900名となりました。このようにM&Aについての経営者の検討段階に応じた多様なセミナーを行うことで、多くの経営者にM&Aの魅力を伝え、当社グループが継続的にフォローを行うことで更に新規受託の獲得へ繋げるとともに、今後も全国で順次セミナーを開催し、1万名超の集客を目指してまいります。また、当社グループでは地域に特化した「地方創生プロジェクト」を行っております。これは地方にお住まいの経営者の課題解決を迅速に行えるよう、各地域に専属のコンサルタントを常駐させ、経営相談窓口を開設して経営者のお悩みに寄り添い、支援を行っております。この経営相談窓口は、新潟県、宮城県、茨城県、静岡県に開設しております。静岡県や新潟県の経営相談窓口は開設以降、経営者をはじめとした多くの方からのご相談をいただいたため、2024年10月に静岡オフィスを、2024年12月には新潟オフィスをそれぞれ開設し、一層のダイレクトマーケティング強化を実施しております。更に、以下4点の地域に根付いた投資戦略を行い、地元企業との連携したエリアマーケティングの展開により、地域の顧客との関係強化を図っております。Ⅰ)エリア毎に、メールマガジンや会報誌を展開Ⅱ)商工会議所との連携Ⅲ)地元スポーツチームへの協賛Ⅳ)ご当地タレントを起用した地域限定CMの放映やセミナーを実施 ② 地域金融機関との合弁事業2024年4月に当社と株式会社肥後銀行、台湾の玉山ベンチャーキャピタルの3社共同出資により、当社のマッチング力やM&A業務のノウハウ等の強みを活かし、九州企業と日本全国のみならず台湾企業とのマッチングを推進する目的で九州M&Aアドバイザーズ株式会社を設立いたしました。同社は地域の社会・経済の未来に広範囲に影響を及ぼす事業承継問題について、九州経済の中心である福岡に拠点を置き、福岡や熊本のみならず九州全域を繋ぐことで、持続可能な地域社会の実現と発展に貢献してまいります。このような合弁事業は株式会社十六フィナンシャルグループとの合弁会社であるNOBUNAGAサクセション株式会社に続き2件目となっているだけでなく、2025年4月には沖縄銀行との合弁会社設立に向けた準備を行う等、地域金融機関との連携を一層強化することでそれぞれの地域経済の持続的成長を支援し続けてまいります。 ③ ミッドキャップ受託体制の強化当社グループでは営業本部内にミッドキャップ(売上高10億円以上又は利益5千万円以上)企業向けの専門部署である成長戦略開発センターを設置しております。同部署は全社横断の組織であり、未上場企業のミッドキャップ案件の開拓及び受託済案件のフォローをするべく、ミッドキャップ企業案件の戦略会議を毎月実施しております。ミッドキャップ企業からの受託や成約を強化し、1件当たりのM&A売上高の単価向上を図っております。 ④ TOKYO PRO Market上場支援サービスを通じた地方創生東京証券取引所が運営するプロ投資家向けの株式市場であるTOKYO PRO Marketへの上場を支援すべく、当社グループは2019年7月にJ-Adviser資格を取得しており、これまで100社を超えるJ-Adviser契約先を担当しております。当連結会計年度では、15社がTOKYO PRO Marketへ上場を果たしました。今後も、本質的な地方創生の実現のために、後継者問題をM&Aによって解決することにとどまらず、M&Aのリーディングカンパニーとして、一般市場への市場変更や海外進出、新規事業の創出等、TOKYO PRO Market上場のさらに先を見据えた成長支援サービスを提供していく所存です。また、2024年12月16日に福岡証券取引所においてFukuoka PRO Marketの開設に伴い、当社グループは同市場への上場支援サービスを新たに開始しております。加えて金融機関、会計事務所等との連携もより一層強固にしながら、全国に“スター企業”を創出することで、地域経済の活性化や雇用創出といった真の地方創生の実現に貢献してまいります。 C.当社グループの資本の財源及び資金の流動性について資本政策については、財務体質と経営基盤の強化を図るとともに、株主に対する長期的な利益還元を経営の最重要課題と認識しております。内部留保については、財務体質の強化、将来にわたる安定した株主利益の確保、事業の拡大のために有効活用してまいります。当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は38,715百万円となっております。キャッシュ・フローの状況は、前記「(1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
事業リスク
- 役員・従業員の不正行為会社はコンプライアンスを重視し、内部統制の強化に努めていますが、万が一、役員や従業員による不正行為が発生した場合、会社の財政状態や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、社会的な信用失墜にもつながる恐れがあります。
- 機密情報の漏洩リスク顧客の機密情報を多数取り扱うため、情報セキュリティの確保は極めて重要です。厳格な情報セキュリティマネジメントシステムを構築し、国際規格ISO27001の認証も取得していますが、何らかの理由で機密情報が外部に漏洩した場合、会社の信用が失墜し、業績に重大な影響を与える可能性があります。
- M&A市場の変動と法的規制M&A仲介事業は、国内の中堅中小企業市場の動向に大きく依存しています。この市場が将来的に縮小したり、M&A取引に関連する税法や会社法などの法改正がM&Aの促進に負の影響を与えたりした場合、会社の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、成功報酬型ビジネスであるため、案件完了の長期化や成約率の低下もリスクとなります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 役員・従業員の不正によるリスク当社グループは、コンプライアンス重視を経営上の重要な課題と位置付けており、内部統制システム整備の基本方針を定め、同システムの継続的な充実・強化を図っております。業務執行においては役員・従業員の不正及び不正行為の防止に万全を期しておりますが、万一不正及び不法行為が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 情報セキュリティについて当社グループは、顧客の機密情報について、秘密保持契約等により守秘義務を負っています。そのため、就業規則等にて機密情報の社員の守秘義務について明確に規定し、かつ全社員から秘密保持に関する誓約書を提出させる等、当該義務の周知徹底を図っています。また、当社が保有する情報及び情報システムを保護・管理することを目的として、「情報セキュリティマネジメントシステム」を構築し、情報セキュリティ方針を定めております。2016年5月には、一定の業務範囲において国際規格ISO27001の認証を取得し、現在も更新し、継続しております。このように、当社グループでは情報セキュリティの確保が最も重要であるとの認識から、「システム面」「運用面」の双方における強化を継続して取組んでおります。しかしながら、何らかの理由で機密情報が外部に漏洩した場合において、それが当社グループの責に帰すべきものであるときは、当社グループの信用失墜等につながりそれが当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 訴訟等に係る事項当社グループは、有効なコンプライアンス体制の確立に努めておりますが、事業遂行にあたり、当社グループの法令違反の有無に拘わらず何らかの原因で当社グループが訴訟等を提起される可能性があります。これらの訴訟が提起されること及びその結果によっては、当社グループの社会的な信頼性に影響が及ぶ可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 法的規制等にかかる事項M&A仲介業務を遂行するに際しては、現在のところ、特に関係省庁の許認可等の制限を受けることはありませんが、今後、法令等の制定改廃により何らかの制限を受けることとなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、近年の法整備に伴い、M&A取引の形態が多様化しており、これが当社グループのビジネスチャンスの拡大につながっていますが、今後、M&Aの取引に関連する税法、会社法等の制定改廃があった場合において、それがM&A取引の促進に負の影響を及ぼすものであったときは、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (5) M&A仲介事業が経営成績上大きなウエイトを占めることについて当社グループは、国内の中堅中小企業のM&Aの仲介事業を中心に専門的な役務提供を行っています。国内M&Aマーケットの中でも当社グループがメインターゲットとしている後継者問題解決のための中堅中小企業のM&Aマーケットは、少子高齢化や中堅中小企業をとりまく厳しい経済環境等を背景に今後も安定的に拡大を続け、短期的にそのトレンドが大きく変化することは現時点では考えにくいものと当社グループでは分析しています。しかしながら、将来的に中堅中小企業のM&Aマーケットが逆に縮小に転じるようなことがあった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、M&A仲介事業は、基本的には成功報酬型のビジネスであり、今後、案件完了が長期化した場合や成約率が低下した場合には当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 競合について当M&A業界は、仲介業務を遂行するために必要な許認可等が存在するわけでもなく、基本的に参入障壁が低い業界といえます。当社グループが、優良な案件情報を全国から継続的、安定的に入手するために構築した全国規模の情報ネットワークやこれまでの仲介実務の中で培ってきた当業界の固有のノウハウは、短期間には模倣できるものではなく、当社グループが他社との差別化を図り競争優位を確保できる重要な要因であると認識しています。また、新規参入者の増加等による当業界の拡大は、当社グループが主に取扱っている国内の中堅中小企業のM&Aマーケットの底辺の需給拡大に直接的につながり、当業界の先駆者である当社グループにとっては逆にそれが有利に働くのではないかとも考えております。しかしながら、今後、競合他社と多くの案件でバッティングし受託価額が下落するようなことがあれば当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 新型感染症等の異常事態リスク世界的に新たな感染症等が発生した場合、当社グループにおいても、事業を取り巻く環境について先行き不透明な状況が生じる可能性があります。