有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|8,555 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社グループでは、「日清製粉グループリスクマネジメント規程」「日清製粉グループクライシスコントロール規程」を制定し、リスクに対する適切な対応を確保し、リスクの予防・制御を目的とした日常的なリスクマネジメント活動を強化しております。また、当社社長を委員長、各事業会社社長等を委員とするリスクマネジメント委員会を設置し、当社グループ全体のリスクマネジメントを統括しているとともに、グループの主要事業会社においてリスクマネジメント委員会を設置し、各事業におけるリスク管理を実践しております。さらに、リスクマネジメント委員会の下部組織として、企画部会、災害部会、海外安全対策部会を設置し、課題ごとの具体策を検討・提言する体制を整備しております。 この体制のもと、リスクマネジメント委員会とその下部組織は、当社グループの事業運営において想定される様々なリスクを認識し、そのリスクへの具体的な対応策を整え、重大クライシス発生時等には確実に対策本部を立ち上げるなどの役割を果たし、当社グループの事業継続と安全・安心な製品の安定供給という使命を果たしてまいります。 以上述べた事項をリスクマネジメント体制図によって示すと次のとおりであります。 (米国を含めた世界各国の政治判断による影響について) 米国関税政策等を巡る各国の対応により、従来の国際協調の枠組みは転換期を迎えており、当社グループを取り巻く環境の先行きは極めて不透明な状況となっております。 当社グループとしては、世界情勢を見極め、適切に対応を進めてまいります。米国を含めた世界各国の動向については引き続き注視してまいります。 (ウクライナ情勢の影響について) 2022年2月24日に開始されたウクライナに対する軍事行動は、長期化しております。当社グループの業績に影響を及ぼしうるリスクは顕在化しておりませんが、紛争両国は世界有数の小麦輸出国であり、小麦の国際相場に影響を及ぼすリスクは継続しているため、情勢については引き続き注視してまいります。 以下の主要なリスクについては、そのリスクが将来的に顕在化する可能性の程度、顕在化した場合の影響度をそれぞれ3段階で評価しております。この評価は上記リスクマネジメント委員会で判断したものであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。① 国際貿易交渉の進展と麦政策の変更 可能性の程度:高 影響度:大 CPTPP協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、及び日EU・EPA、日米貿易協定等、国際貿易交渉の進展により貿易の自由化に向けた潮流は加速しております。今後国内事業においては、小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動、競争激化、主要先進国の政策変更の影響により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。 また、国内での麦政策の見直し等により、現行の国家貿易のあり方など小麦の管理手法(調達・在庫・売渡方法など)の変更、国内小麦粉・二次加工品市場の混乱、関連業界の再編など製粉事業、加工食品事業においてリスクの発生の可能性があります。<主要な対応策> このような貿易自由化・麦政策変更等のリスクに対応するため、当社グループはグローバルな生産体制の整備や国内小規模工場の閉鎖と大型臨海工場への生産集約、新技術の活用によるローコストオペレーション、顧客ニーズの変化への適応、海外事業拡大の一層の加速等に取り組んでおり、今後もより強固な企業体質を構築してまいります。② 製品安全 可能性の程度:低 影響度:大 食の安全・安心についての社会的関心が年々高まっており、食品業界におきましては、より一層厳格な対応が求められるようになっております。当社グループは、自社工場、及び生産の外部委託先に対して製品安全に関する取り組みを継続的に実施しておりますが、外的要因も含め、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、製品回収、出荷不能品が発生する可能性があります。<主要な対応策> このような製品安全上のリスクに対応するため、当社グループは「消費者視点での品質保証」を基本とし、開発から製造・物流・営業まで、全ての業務に携わる従業員への教育・指導、新規原材料・新製品に対する安全性の総合的評価(セイフティレビュー)、食品防御(フードディフェンス)の取り組み強化、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO・FSSC等の認証取得と継続的な実効性検証、生産の外部委託先に対する自社工場と同様の管理の徹底等、製品の品質保証体制の維持・向上に取り組んでおります。③ 災害・事故・感染症 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、安全・安心な製品を安定的に供給するために工場等の設備維持・安全確保に努めておりますが、地震や風水害などの大規模自然災害、火災・爆発などの事故や新たな感染症の流行が発生した場合、損害発生、顧客への製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。<主要な対応策> このような災害・事故に係るリスクに対応するため、当社グループは地震・風水害など自然災害の発生時に人的被害・工場等の設備破損が生じないように主要工場の耐震補強、水害対策等を進めるとともに、火災・爆発などの事故発生防止の体制作りの強化(設備・安全監査の実施、設備安全に関する規程整備を含む)、大規模地震に備えたBCP(事業継続計画)及び風水害に備えたタイムライン等を整備しております。そして、当社グループに影響のある大規模自然災害が発生した場合に備え、訓練を適宜実施しており、早期に最高本部(グループ本社役員で構成)を設置し、グループ間の情報共有と初動から事業継続に至るまでの対応に備えております。南海トラフ地震の発生も差し迫ったリスクとして捉えており、気象庁から臨時情報(巨大地震警戒、巨大地震注意)が発令された際の対応について各事業場と共有し、被害が見込まれる事業場において必要な事前準備を進めるよう周知徹底を図っております。加えて火山噴火を想定した対応についても順次進めております。また、発生後の経過と終息を予測することの難しい新たな感染症に対しては、BCP(事業継続計画)及び感染防止対策等を整備しており、今後も新たな感染症の発生等に迅速かつ的確に対応するために、必要に応じて感染症対策会議(仮称)を開催可能な体制を維持します。なお、大規模自然災害対策にあたっては、近年の災害甚大化に伴う国の災害想定見直しを逐次確認し、それに対応した対策見直しを行っております。 ④ 他社とのアライアンス及び企業買収、新たな事業展開の効果の実現 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、事業ポートフォリオの強化を図り、長期的な企業価値の極大化を実現するため、国内外において他社とのアライアンス及び企業買収、また、新たな事業展開のための投資を行っております。アライアンス及び買収後の事業や新たに展開した事業が当初の想定通りに進捗しない場合等には、その効果を実現できない可能性があり、その結果新規事業等が期待されるキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、収益性低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、多額の減損損失を計上する必要が生じた場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。<主要な対応策> 当社グループは今後も事業ポートフォリオの強化を進めてまいりますが、他社とのアライアンス及び企業買収、また、新たな事業展開に向けた投資については、独自のガイドラインに基づく案件の事前検証を行ってまいります。また、適切なM&Aチーム体制の構築等を実施することでリスクの低減を図り、確実な事業継承・立上げやPMI活動の充実等に取り組んでまいります。また、リスクが顕在化した場合は、その経緯や状況の把握・分析に努め、実効性のある打ち手を講じるとともに、将来のアライアンスや企業買収、事業展開の実行に際しノウハウとして役立ててまいります。⑤ 原材料調達 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、各事業において環境・人権というサプライチェーン上の課題へも配慮しながら安全かつコスト競争力がある原材料の持続的な調達に努めております。一方で、感染症・天災・テロ・紛争等による原材料供給の停滞・途絶、異常気象による小麦を始めとする農産物の不作、新興国の経済成長による需要拡大、原材料生産地域等での地政学的リスクの顕在化等を要因とした主要原材料の高騰や供給不足、人件費及び輸送・物流コストの上昇等により、適正な調達コストの維持困難や既存製品の製造停止・減産等のリスクが発生する可能性があります。また、輸入小麦価格の大幅な引き上げ等による原材料調達コスト及びその他製造・販売・輸送に関するコストの上昇分を小麦粉及び製品の販売価格に織り込めず、価格改定を十分に行えない場合、当社グループの利益に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、原材料調達に係る環境・人権課題等の社会的課題に適切に対応しなかった場合、社会からの信頼が失墜し、企業ブランド・競争力の低下に繋がるおそれがあります。<主要な対応策> 当社グループは原材料調達、生産における継続的なローコストオペレーションを推進するとともに、国内外の原材料原産地の状況把握に努め、調達先の分散化や代替原材料候補の探索を行い、原材料の安定調達に努めております。また、マーケットの変化に適合した新製品開発や高付加価値化戦略等により製品の適正価値維持に取り組むとともに、上昇した調達コストを適切に反映した製品の価格改定を着実に進めてまいります。併せて、サプライヤーの皆様のご協力のもと、サプライチェーンを通じて公正で倫理的な取引を基本とした責任ある調達活動を推進しております。 これらの取組みにより、安全な原材料を安定的かつ持続可能な形で調達することで、小麦粉や小麦粉関連製品を含めた「食」の安定供給を支え、ステークホルダーおよび社会から信頼される企業を目指してまいります。⑥ 情報セキュリティ・DX(デジタルトランスフォーメーション) 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、業務効率の最適化を実現するため基幹系を始めとして多くのシステムを活用しておりますが、システム運用上のトラブルの発生、当社グループの予測不能なウィルスの侵入・サイバーテロやグループ内情報への不正アクセスなどによるシステムダウンにより、支払処理を含む顧客対応に支障をきたす可能性や、営業秘密・個人情報の社外への流出などによる費用の発生、社会的信用の低下などにより事業活動に影響を及ぼす可能性があります。一方、生成AIをはじめ新たな情報技術を活用したデジタルトランスフォーメーションへの対応の遅れは、市場の環境変化に伴う事業競争力や不測の異常事態発生時における事業継続の対応力の低下を招く可能性があります。<主要な対応策> このようなリスクを低減するため、当社グループでは「情報セキュリティ基本規程」に基づく積極的な情報セキュリティ活動(教育訓練含む)を展開するとともにセキュリティ関連の情報収集に努め、より高度なコンピューターウィルス対策の実行、基幹系サーバの二重化、第三者機関によるセキュリティ診断等、グループ全体として適切なセキュリティ対策、及びIT管理体制の構築に取り組んでおります。また、新たな情報技術の活用においても、機動性重視の対応方針の下、グループ横断で優先順位をつけた業務のデジタル化やデジタルトランスフォーメーションによる事業モデルの変革に取り組んでおります。また、デジタル教育やその基盤となる人材育成等の取組み、生成AI等のデジタルツール類の社内導入・活用等を進めております。⑦ 環境課題 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、企業活動を通じて省エネルギー、廃棄物削減など環境負荷低減に積極的に取り組んでおります。しかしながら、当社グループの想定範囲を超えた環境に係る法的規制の変更、強化等の他、ステークホルダーからの環境対応要請の急激な高まり等により、これまでの想定を超える費用が発生する可能性があります。また、気候変動・水問題及び食品廃棄物・容器包装プラスチック廃棄物等のグローバルな環境課題に対して適切な対応ができなかった場合、地球環境保全に貢献できないだけでなく、当社グループの企業ブランド価値が低下し、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。<主要な対応策> 当社グループは地球環境保全を経営の最重要課題の一つとして「日清製粉グループ環境基本方針」を制定しております。ISO14001グループ認証を維持し、食品廃棄物の発生抑制や再利用、環境配慮設計の推進などの「食品廃棄物、容器包装廃棄物への対応」及び事業活動におけるCO2の排出量削減や水使用量削減などの「気候変動及び水問題への対応」を当社グループのサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)に位置付け、2021年8月に、気候変動、食品廃棄物、容器包装廃棄物、水資源の4つの環境課題を中長期目標として設定し、環境保全、環境負荷軽減に取り組んでおります。 気候変動への対応といたしましては、目標年に向けた段階的な取組みを見える化するためのCO2削減ロードマップを作成し、また、CO2排出量の財務インパクトを可視化してCO2排出量削減に資する設備投資等を促進するため、インターナルカーボンプライシング(ICP)を導入しております。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づくシナリオ分析を実施し、炭素価格の上昇、異常気象の激甚化、農産物の生産量低下の影響と対応策について有価証券報告書や統合報告書に開示しております。 環境課題中長期目標の取組みや新たな課題等については、2023年度に設置したサステナビリティ委員会にて協議、確認し、下部専門委員会である環境委員会にてグループ横断で対応を推進しております。 今後、グループの総合力を結集して環境課題中長期目標の達成に向け取り組み、気候変動影響による自社のリスクと機会への対応を継続してまいります。⑧ 海外事業 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、アジア、北米、オセアニアを中心に積極的にグローバル展開を推進し、海外売上高比率は30%超に達しております。また、コスト競争力強化のため、グローバルな最適生産体制の構築にも取り組んでおります。今後も海外事業基盤の拡大に取り組んでまいりますが、海外においては、政治あるいは経済の予期しない変動や法律・規制の変更、訴訟の提起、テロあるいは紛争等の発生、新型感染症の流行による事業活動の制約・停滞などにより、業績悪化、事業継続に支障が生じるなどの可能性があります。<主要な対応策> このような海外事業におけるリスクを低減するため、グループ横断のリスクマネジメント委員会の下部組織である海外安全対策部会や外部専門家等を通じて、現地経営環境を継続的にモニタリングし、それを踏まえた事業運営の適切な管理・サポート等の実施や、現地に派遣する従業員への研修などを行うとともに、現地従業員の安全確保に努めております。⑨ 為替変動 可能性の程度:中 影響度:中 当社グループは、加工食品事業をはじめ各事業において、原材料・製品の一部を海外より調達しており、為替変動により調達コストが増加する可能性があります。また、製粉事業においては副産物のふすま価格が為替で変動する輸入ふすま価格の影響を受ける可能性があります。海外事業においては損益、財務状況の外貨から円貨への換算額が為替変動により悪影響を受ける可能性があります。<主要な対応策> このような為替変動によるリスクに対応するため、当社グループではグループ横断の為替委員会を設置し、為替予約ルールの設定、為替に関する情報共有及び対策の協議を行うなど、為替変動により業績が大きく左右されないよう取り組んでおります。⑩ 人材の確保等 可能性の程度:中 影響度:中 当社グループは、事業競争力強化のため既存事業のモデルチェンジと事業ポートフォリオの強化に取り組んでおり、それらに対応するための多様な人材を確保・育成する必要があります。しかし、労働力人口の減少や雇用情勢の変動等により、当社グループのそれぞれの事業で必要とする人材の確保・育成等ができない場合には、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。<主要な対応策> このような人材の確保に係るリスクに対応するため、当社グループでは、新卒採用活動におけるグループ一括採用の導入やリファラル採用の導入等、様々な手法によって採用活動を強化するとともに、次世代の経営者、デジタル人材、グローバル人材を育成するための教育・研修の充実に取り組んでおります。また、多様な価値観を持つ従業員一人ひとりが能力を十分に発揮できる、健全で働きがいのある労働環境の確保や業務効率化等による労働時間の削減や適切な労務管理に努めております。また、女性活躍の推進に向け、女性の事業経営者候補に対する個人別育成計画策定、社外メンターを活用したメンタリングの実施等、様々な取り組みを進めております。⑪ 人権課題 可能性の程度:低 影響度:大 国内外に広く事業領域を展開している当社グループにとって、自社及びそのサプライチェーン上の各種差別、ハラスメント、児童労働、強制労働等の人権諸課題への対応、及び関連法規制の順守は非常に重要な課題と認識しております。人種・国籍・性別・性的指向及び性自認・年齢・障がいの有無をはじめ、価値観・宗教・信条等の違いを認め合い、お互いを尊重し合う多様性に配慮した職場づくり及び企業活動が実現できない場合には、当社グループ及びブランドへのネガティブな評判が拡がるとともに、社員一人ひとりが能力を発揮出来ず、当社グループが求める優秀な人材の確保も困難になり、中長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。<主要な対応策> 当社グループは2019年に5つの「サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)」を特定し、経営の最重要課題の一つと位置付けております。そしてマテリアリティの一つに「健全で働きがいのある労働環境の確保」を掲げており、従業員の健康や働きがいのある労働環境の確保等にグループ全体で取り組んでおります。人権課題への対応としては、人権に対する意識を高めるために専門部署を設置し、すべての役員・社員を対象に毎年人権啓発研修を実施しております。研修では、同和問題や職場のハラスメント問題をはじめ、LGBTQへの理解促進、ビジネス遂行上の人権問題等、様々なテーマを取り上げ、身近な問題として人権を考えるとともに、人権視点で日常業務に取り組むよう啓発を行っております。また、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた「日清製粉グループ人権方針」を制定し、2021年より、サプライチェーンを含む主要事業の人権デュー・デリジェンスに取り組んでおります。⑫ 新技術への対応 可能性の程度:中 影響度:中 当社グループは、それぞれの事業において、急激な市場の変化や技術の進化・変化に適切な対応が取れず、製品開発技術力・生産技術力の低下、及び基盤技術の陳腐化に繋がった場合、顧客ニーズに適合した魅力ある新製品開発ができずに、出荷低迷、企業ブランド価値の低下により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。<主要な対応策> このような新技術への対応遅れ等のリスクに対応するため、当社グループでは、グループ横断プロジェクト等を活用した技術の進化と技術者の育成、グループシナジー効果を活用した技術領域の拡大、産官学共同研究等外部からの技術導入の推進等、社内外のリソースを活用し最大化することで継続的に技術力を強化し、市場で求められる製品開発に取り組んでまいります。特にデジタル技術に関しては人材育成が急務となっており、グループのデジタル活用をリードする人材の育成に取り組んでおります。 上記以外にも当社グループが事業活動を展開するうえで、経済情勢や業界環境の変化に伴う主要製品の出荷変動、単価下落リスクの他、国内外での法的規制・訴訟リスク、商標権・特許権等の知的財産権に伴うリスク、取引先(生産委託先を含む)の経営環境の変化によるリスクなど、様々なリスクが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がありますが、これらのリスク回避、低減に向けて適切に取り組んでまいります。
FY2024|8,220 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社グループでは、「日清製粉グループリスクマネジメント規程」「日清製粉グループクライシスコントロール規程」を制定し、リスクに対する適切な対応を確保し、リスクの予防・制御を目的とした日常的なリスクマネジメント活動を強化しております。また、当社社長を委員長、各事業会社社長等を委員とするリスクマネジメント委員会を設置し、当社グループ全体のリスクマネジメントを統括しているとともに、グループの主要事業会社においてリスクマネジメント委員会を設置し、各事業におけるリスク管理を実践しております。さらに、リスクマネジメント委員会の下部組織として、企画部会、災害部会、海外安全対策部会を設置し、課題ごとの具体策を検討・提言する体制を整備しております。 この体制のもと、リスクマネジメント委員会とその下部組織は、当社グループの事業運営において想定される様々なリスクを認識し、そのリスクへの具体的な対応策を整え、重大クライシス発生時等には確実に対策本部を立ち上げるなどの役割を果たし、当社グループの事業継続と安全・安心な製品の安定供給という使命を果たしてまいります。 以上述べた事項をリスクマネジメント体制図によって示すと次のとおりであります。 (ウクライナ情勢の影響について) 2022年2月24日に開始されたウクライナに対する軍事行動は依然予断を許さない状況が続いております。紛争両国は世界有数の小麦輸出国であり、軍事行動が開始された直後より小麦の国際相場は急騰した後、下落したものの、その後も不安定な状況が継続しております。今後さらに情勢が悪化した場合は、再度小麦の国際相場は上昇するリスクがあります。当社グループではロシア・ウクライナから小麦は輸入・使用していないものの、現在の情勢が改善されず世界的な小麦の需給バランスが変化すれば、供給不安から価格が上昇し、当社もその影響を受けることが懸念されます。また、ロシア産の原油や天然ガスなどの一時的な輸出減少等に伴い高騰したエネルギー価格の国際相場も、その後落ち着きを取り戻しつつあります。ただし、今後の動向次第では、動力費や輸送費等各種コストの更なる上昇が生じる等、当社事業へのリスク発生の可能性があります。 穀物に関しては一旦生産が滞った場合、次の生産サイクルを経ないと穀物を収穫して出荷することはできないため、紛争が終結しても、ウクライナが正常な出荷体制に戻るのには時間を要することが見込まれます。当社グループでは、各事業への影響把握と対応策の検討・指示等を行ってきており、今後も状況を慎重に見極めながら、ウクライナ情勢に関する様々なリスクに迅速かつ適切に対応してまいります。 以下の主要なリスクについては、そのリスクが将来的に顕在化する可能性の程度、顕在化した場合の影響度をそれぞれ3段階で評価しております。この評価は上記リスクマネジメント委員会で判断したものであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。① 国際貿易交渉の進展と麦政策の変更 可能性の程度:高 影響度:大 TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、及び日EU・EPA、日米貿易協定等、国際貿易交渉の進展により貿易の自由化に向けた潮流は加速しており、今後国内事業においては、小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動、競争激化により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。 また、国内での麦政策の見直し等により、現行の国家貿易のあり方など小麦の管理手法(調達・在庫・売渡方法など)の変更、国内小麦粉・二次加工品市場の混乱、関連業界の再編など製粉事業、加工食品事業においてリスクの発生の可能性があります。<主要な対応策> このような貿易自由化・麦政策変更等のリスクに対応するため、当社グループはグローバルな生産体制の整備や国内小規模工場の閉鎖と大型臨海工場への生産集約、新技術の活用によるローコストオペレーション、顧客ニーズの変化への適合、海外事業拡大の一層の加速等に取り組んでおり、今後もより強固な企業体質を構築してまいります。② 製品安全 可能性の程度:低 影響度:大 食の安全・安心についての社会的関心が年々高まっており、食品業界におきましては、より一層厳格な対応が求められるようになっております。当社グループは、自社工場、及び生産の外部委託先に対して製品安全に関する取り組みを継続的に実施しておりますが、外的要因も含め、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、製品回収、出荷不能品が発生する可能性があります。<主要な対応策> このような製品安全上のリスクに対応するため、当社グループは「消費者視点での品質保証」を基本とし、開発から製造・物流・営業まで、全ての業務に携わる従業員への教育・指導、新規原材料・新製品に対する安全性の総合的評価(セイフティレビュー)、食品防御(フードディフェンス)の取り組み強化、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO・FSSC等の認証取得と継続的な実効性検証、生産の外部委託先に対する自社工場と同様の管理の徹底等、製品の品質保証体制の維持・向上に取り組んでおります。③ 災害・事故・感染症 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、安全・安心な製品を安定的に供給するために工場等の設備維持・安全確保に努めておりますが、地震や風水害などの大規模自然災害、火災・爆発などの事故や新たな感染症の流行が発生した場合、損害発生、顧客への製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。<主要な対応策> このような災害・事故に係るリスクに対応するため、当社グループは地震・風水害など自然災害の発生時に人的被害・工場等の設備破損が生じないように主要工場の耐震補強、水害対策等を進めるとともに、火災・爆発などの事故発生防止の体制作りの強化(設備・安全監査の実施、設備安全に関する規程整備を含む)、大規模地震に備えたBCP(事業継続計画)及び風水害に備えたタイムライン等を整備しており、あわせて火山噴火を想定した対応についても着手しております。また、発生後の経過と終息を予測することの難しい新たな感染症に対しては、BCP(事業継続計画)及び感染防止対策等を整備しており、今後も新たな感染症の発生等に迅速かつ的確に対応するために、必要に応じて感染症対策会議(仮称)を開催可能な体制を維持します。なお、大規模自然災害対策にあたっては、近年の災害甚大化に伴う国の災害想定見直しを逐次確認し、それに対応した対策見直しを行っております。④ 他社とのアライアンス及び企業買収の効果の実現 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、事業ポートフォリオの強化を図り、長期的な企業価値の極大化を実現するため、国内外において他社とのアライアンス及び企業買収を行っておりますが、アライアンス及び買収後の事業が当初の想定通りに進捗しない場合等には、その効果を実現できない可能性があります。また、企業買収等に伴い発生しているのれん等の無形資産について、期待されるキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、収益性低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、多額の減損損失を計上する必要が生じた場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。<主要な対応策> 当社グループは今後も事業ポートフォリオの強化を進めてまいりますが、他社とのアライアンス及び企業買収については、独自のガイドラインに基づく案件の事前検証、適切なM&Aチーム体制の構築等を実施することでリスクの低減を図り、アライアンス及び買収直後から確実な事業継承・立上げやPMI活動の充実等に取り組んでまいります。また、リスクが顕在化した場合は、その経緯や状況の把握・分析に努め、実効性のある打ち手を講じるとともに、将来のアライアンスや企業買収の実行に際しノウハウとして役立てて参ります。⑤ 原材料調達 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、各事業において環境・人権というサプライチェーン上の課題へも配慮しながら安全かつコスト競争力がある原材料の持続的な調達に努めております。一方で、感染症・天災・テロ・紛争等による原材料供給の停滞・途絶、異常気象による小麦を始めとする農産物の不作、新興国の経済成長による需要拡大、原材料生産地域等での地政学的リスクの顕在化等を要因とした主要原材料の高騰や供給不足、人件費及び輸送・物流コストの上昇等により、適正な調達コストの維持困難や既存製品の製造停止・減産等のリスクが発生する可能性があります。また、輸入小麦価格の大幅な引き上げ等による原材料調達コスト及びその他製造・販売・輸送に関するコストの上昇分を小麦粉及び製品の販売価格に織り込めず、価格改定を十分に行えない場合、当社グループの利益に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、原材料調達に係る環境・人権課題等の社会的課題に適切に対応しなかった場合、社会からの信頼が失墜し、企業ブランド・競争力の低下に繋がるおそれがあります。<主要な対応策> 当社グループは原材料調達、生産における継続的なローコストオペレーションを推進するとともに、国内外の原材料原産地の状況把握に努め、調達先の分散化や代替原材料候補の探索を行い、原材料の安定調達に努めております。また、マーケットの変化に適合した新製品開発や高付加価値化戦略等により製品の適正価値維持に取り組むとともに、上昇した調達コストを適切に反映した製品の価格改定を着実に進めております。併せて、サプライヤーの皆様のご協力のもと、サプライチェーンを通じて公正で倫理的な取引を基本とした責任ある調達活動を推進しております。 これらの取組みにより、安全な原材料を安定的かつ持続可能な形で調達することで、小麦粉や小麦粉関連製品を含めた「食」の安定供給を支え、ステークホルダーおよび社会から信頼される企業を目指してまいります。⑥ 情報セキュリティ・DX(デジタルトランスフォーメーション) 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、業務効率の最適化を実現するため基幹系をはじめとして多くのシステムを活用しておりますが、システム運用上のトラブルの発生、当社グループの予測不能なウィルスの侵入・サイバーテロや情報への不正アクセスなどによるシステムダウンにより、支払処理を含む顧客対応に支障をきたす可能性や、営業秘密・個人情報の社外への流出などによる費用の発生、社会的信用の低下などにより事業活動に影響を及ぼす可能性があります。一方、新たな情報技術を活用したデジタルトランスフォーメーションへの対応の遅れは、市場の環境変化に伴う事業競争力や不測の異常事態発生時における事業継続の対応力の低下を招く可能性があります。<主要な対応策> このようなリスクを低減するため、当社グループでは「情報セキュリティ基本規程」に基づく積極的な情報セキュリティ活動(教育訓練含む)を展開すると共にセキュリティ関連の情報収集に努め、より高度なコンピューターウィルス対策の実行、基幹系サーバの二重化、第三者機関によるセキュリティ診断等、グループ全体として適切なセキュリティ対策、IT管理体制の構築に取り組んでおります。 また、新たな情報技術の活用においても、機動性重視の対応方針の下、グループ横断で優先順位をつけた業務のデジタル化やデジタルトランスフォーメーションによる事業モデルの変革及びその基盤となる人材育成等に取り組んでおります。⑦ 環境課題 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、企業活動を通じて省エネルギー、廃棄物削減など環境負荷低減に積極的に取り組んでおります。しかしながら、当社グループの想定範囲を超えた環境に係る法的規制の変更、強化等の他、ステークホルダーからの環境対応要請の急激な高まり等により、これまでの想定を超える費用が発生する可能性があります。また、気候変動・水問題及び食品廃棄物・容器包装プラスチック廃棄物等のグローバルな環境課題に対して適切な対応ができなかった場合、地球環境保全に貢献できないだけでなく、当社グループの企業ブランド価値が低下し、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。<主要な対応策> 当社グループは地球環境保全を経営の最重要課題の一つとして「日清製粉グループ環境基本方針」を制定しております。ISO14001グループ認証を維持し、食品廃棄物の発生抑制や再利用、環境配慮設計の推進などの「食品廃棄物、容器包装廃棄物への対応」及び事業活動におけるCO2の排出削減などの「気候変動及び水問題への対応」を当社グループのサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)に位置付け、環境保全、環境負荷軽減に取り組んでおります。 2021年8月に、気候変動、食品廃棄物、容器包装廃棄物、水資源の4つの環境課題を中長期目標として設定するとともに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同及びTCFDコンソーシアムへ参加しております。今後、グループの総合力を結集して中長期目標の達成に向け取り組み、気候変動影響による自社のリスクと機会への対応を継続してまいります。CO2削減に関しては、目標年に向けた段階的な取組みを見える化するためにロードマップを作成し、また、CO2排出量の財務インパクトを可視化しCO2削減に資する設備投資等を促進するためインターナルカーボンプライシング(ICP)を導入しております。⑧ 海外事業 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、アジア、北米、オセアニアを中心にして積極的にグローバル展開を推進し、海外売上高比率は30%超に達しております。また、コスト競争力強化のため、グローバルな最適生産体制の構築にも取り組んでおります。今後も海外事業基盤の拡大に取り組んでまいりますが、海外においては、政治あるいは経済の予期しない変動や法律・規制の変更、訴訟の提起、テロあるいは紛争等の発生、新型感染症の流行による事業活動の制約・停滞などにより、業績悪化、事業継続に支障が生じるなどの可能性があります。<主要な対応策> このような海外事業におけるリスクを低減するため、グループ横断のリスクマネジメント委員会の下部組織である海外安全対策部会や外部専門家等を通じて、現地経営環境を継続的にモニタリングし、それを踏まえた事業運営の適切な管理・サポート等の実施や、現地に派遣する従業員への研修などを行うとともに、現地従業員の安全確保に努めております。⑨ 為替変動 可能性の程度:中 影響度:中 当社グループは、加工食品事業をはじめ各事業において、原材料・製品の一部を海外より外貨建てで調達しており、為替変動により調達コストが増加する可能性があります。また、海外事業においては損益、財務状況の外貨から円貨への換算額が為替変動により悪影響を受け、製粉事業においては副産物のふすま価格が為替で変動する輸入ふすま価格の影響を受ける可能性があります。<主要な対応策> このような為替変動によるリスクに対応するため、当社グループではグループ横断の為替委員会を設置し、為替予約ルールの設定、為替に関する情報共有及び対策の協議を行うなど、為替変動により業績が大きく左右されないよう取り組んでおります。⑩ 人材の確保等 可能性の程度:中 影響度:中 当社グループは、事業競争力強化のため既存事業のモデルチェンジと事業ポートフォリオの強化に取り組んでおり、それらに対応するための多様な人材を確保・育成する必要があります。しかし、労働力人口の減少や雇用情勢の変動等により、当社グループのそれぞれの事業で必要とする人材の確保・育成等ができない場合には、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。<主要な対応策> このような人材の確保に係るリスクに対応するため、当社グループは、様々な手法による採用活動の強化や、次世代の経営者やデジタル人材、グローバル人材を育成するための教育・研修の充実に取り組んでおります。また多様な価値観を持つ従業員一人ひとりが能力を十分に発揮できる、健全で働きがいのある労働環境の確保や女性活躍の推進、業務効率化等による労働時間の削減や適切な労務管理に努めております。⑪ 人権課題 可能性の程度:低 影響度:大 国内外に広く事業領域を展開している当社グループにとって、自社及びそのサプライチェーン上の各種差別、ハラスメント、児童労働、強制労働等の人権諸課題への対応、及び関連法規制の順守は非常に重要な課題と認識しております。人種・国籍・性別・性的指向及び性自認・年齢・障がいの有無をはじめ、価値観・宗教・信条等の違いを認め合い、お互いを尊重し合う多様性に配慮した職場づくり及び企業活動が実現できない場合には、当社グループ及びブランドへのネガティブな評判が拡がるとともに、社員一人ひとりが能力を発揮出来ず、当社グループが求める優秀な人材の確保も困難になり、中長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。<主要な対応策> 当社グループは2018年に5つの「サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)」を特定し、経営の最重要課題の一つと位置付けております。そしてマテリアリティの一つに「健全で働きがいのある労働環境の確保」を掲げており、従業員の健康や働きがいのある労働環境の確保等にグループ全体で取り組んでおります。人権課題への対応としては、人権に対する意識を高めるために専門部署を設置し、すべての役員・社員を対象に毎年人権啓発研修を実施しております。研修では、同和問題や職場のハラスメント問題をはじめ、LGBTQへの理解促進、ビジネス遂行上の人権問題等、さまざまなテーマを取り上げ、身近な問題として人権を考えるとともに、人権視点で日常業務に取り組むよう啓発を行っております。また、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた「日清製粉グループ人権方針」を制定し、2021年より、サプライチェーンを含む主要事業の人権デュー・デリジェンスに取り組んでおります。 ⑫ 新技術への対応 可能性の程度:中 影響度:中 当社グループは、それぞれの事業において、急激な市場の変化や技術の進化・変化に適切な対応が取れず、製品開発技術力・生産技術力の低下、及び基盤技術の陳腐化に繋がった場合、顧客ニーズに適合した魅力ある新製品開発ができずに、出荷低迷、企業ブランド価値の低下により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。<主要な対応策> このような新技術への対応遅れ等のリスクに対応するため、当社グループでは、グループ横断プロジェクト等を活用した技術の進化と技術者の育成、グループシナジー効果を活用した技術領域の拡大、産官学共同研究等外部からの技術導入の推進等、社内外のリソースを活用し最大化することで継続的に技術力を強化し、市場で求められる製品開発に取り組んでまいります。特にデジタル技術に関しては人材育成が急務となっており、グループのデジタル活用をリードする人材の育成に取り組んでおります。 上記以外にも当社グループが事業活動を展開するうえで、経済情勢や業界環境の変化に伴う主要製品の出荷変動、単価下落リスクの他、国内外での法的規制・訴訟リスク、商標権・特許権等の知的財産権に伴うリスク、取引先(生産委託先を含む)の経営環境の変化によるリスクなど、様々なリスクが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がありますが、これらのリスク回避、低減に向けて適切に取り組んでまいります。
FY2023|8,541 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社グループでは、「日清製粉グループリスクマネジメント規程」「日清製粉グループクライシスコントロール規程」を制定し、リスクに対する適切な対応を確保し、リスクの予防・制御を目的とした日常的なリスクマネジメント活動を強化しております。また、当社社長を委員長、各事業会社社長等を委員とするリスクマネジメント委員会を設置し、当社グループ全体のリスクマネジメントを統括しております。さらに、リスクマネジメント委員会の下部組織として、企画部会、災害部会、海外安全対策部会を設置し、課題ごとの具体策を検討・提言する体制を整備しております。 この体制のもと、リスクマネジメント委員会とその下部組織は、当社グループの事業運営において想定される様々なリスクを認識し、そのリスクへの具体的な対応策を整え、重大クライシス発生時等には確実に対策本部を立ち上げるなどの役割を果たし、当社グループの事業継続と安全・安心な製品の安定供給という使命を果たしてまいります。 以上述べた事項をリスクマネジメント体制図によって示すと次のとおりであります。 (ウクライナ情勢の影響について) 2022年2月24日にウクライナに対する大規模な軍事行動が開始されて以降、当社グループの事業にも新たなリスクが顕在化しております。紛争両国は世界有数の小麦輸出国であり、軍事行動が開始された直後より小麦の国際相場は急騰した後、下落はしたものの、依然として高値で推移しております。今後さらに情勢が悪化した場合は、再度小麦の国際相場は上昇するリスクがあります。また、当社はロシア・ウクライナから小麦は輸入していないものの、ウクライナ情勢の長期化により世界的な小麦の需給バランスが変化すれば、供給不安や更なる価格上昇が生じ、当社もその影響を受けることが懸念されます。また、ロシア産の原油や天然ガスなど輸出減少等に伴うエネルギー価格の高騰が継続している中、今後の動向次第では、動力費や輸送費等各種コストの更なる上昇が生じる等、当社事業へのリスク発生の可能性があります。 穀物に関しては一旦生産が滞った場合、次の生産サイクルを経ないと穀物を収穫して出荷することはできないため、紛争が終結しても、ウクライナが正常な出荷体制に戻るのには時間を要することが見込まれます。当社グループでは、各事業への影響把握と対応策の検討・指示等を行ってきており、今後も状況を慎重に見極めながら、ウクライナ情勢に関する様々なリスクに迅速かつ適切に対応してまいります。 以下の主要なリスクについては、そのリスクが将来的に顕在化する可能性の程度、顕在化した場合の影響度をそれぞれ3段階で評価しております。この評価は上記リスクマネジメント委員会で判断したものであります。 前事業年度の有価証券報告書に記載した事業上及び財務上の「対処すべき課題」について、重要な変更、進捗及び新たに発生した課題は以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。① 国際貿易交渉の進展と麦政策の変更 可能性の程度:高 影響度:大 TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、及び日EU・EPA、日米貿易協定等、国際貿易交渉の進展により貿易の自由化に向けた潮流は加速しており、今後国内事業においては、小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動、競争激化により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。 また、国内での麦政策の見直し等により、現行の国家貿易のあり方など小麦の管理手法(調達・在庫・売渡方法など)の変更、国内小麦粉・二次加工品市場の混乱、関連業界の再編など製粉事業、加工食品事業においてリスクの発生の可能性があります。<主要な対応策> このような貿易自由化・麦政策変更等のリスクに対応するため、当社グループはグローバルな生産体制の整備や国内小規模工場の閉鎖と大型臨海工場への生産集約、新技術の活用によるローコストオペレーション、顧客ニーズの変化への適合、海外事業拡大の一層の加速等に取り組んでおり、今後もより強固な企業体質を構築してまいります。② 製品安全 可能性の程度:低 影響度:大 食の安全・安心についての社会的関心が年々高まっており、食品業界におきましては、より一層厳格な対応が求められるようになっております。当社グループは、自社工場、及び生産の外部委託先に対して製品安全に関する取り組みを継続的に実施しておりますが、外的要因も含め、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、製品回収、出荷不能品が発生する可能性があります。<主要な対応策> このような製品安全上のリスクに対応するため、当社グループは「消費者視点での品質保証」を基本とし、開発から製造・物流・営業まで、全ての業務に携わる従業員への教育・指導、新規原材料・新製品に対する安全性の総合的評価(セイフティレビュー)、食品防御(フードディフェンス)の取り組み強化、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO・FSSC等の認証取得と継続的な実効性検証、生産の外部委託先に対する自社工場と同様の管理の徹底等、製品の品質保証体制の維持・向上に取り組んでおります。③ 災害・事故・感染症 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、安全・安心な製品を安定的に供給するために工場等の設備維持・安全確保に努めておりますが、地震や風水害などの大規模自然災害、火災・爆発などの事故や新たな感染症の流行が発生した場合、損害発生、顧客への製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。<主要な対応策> このような災害・事故に係るリスクに対応するため、当社グループは地震・風水害など自然災害の発生時に人的被害・工場等の設備破損が生じないように主要工場の耐震補強、水害対策等を進めるとともに、火災・爆発などの事故発生防止の体制作りの強化(設備・安全監査の実施、設備安全に関する規程整備を含む)、大規模地震に備えたBCP(事業継続計画)及び風水害に備えたタイムライン等を整備しており、あわせて火山噴火を想定した対応についても着手しております。また、発生後の経過と終息を予測することの難しい新たな感染症に対しては、BCP(事業継続計画)及び感染防止対策等を整備しております。なお、大規模自然災害対策にあたっては、近年の災害甚大化に伴う国の災害想定見直しを逐次確認し、それに対応した対策見直しを行っております。(新型コロナウイルス感染症について) 新型コロナウイルス感染症は、2020年1月に日本国内初の感染者が確認されてから約3年半が経過しました。政府は、3月13日からマスクの着用について個人の判断に委ねることとし、5月8日には新型コロナウイルス感染症の感染法上の分類を従来の2類から、季節性インフルエンザと同じ5類に変更するなど、社会・経済活動の正常化に向けて舵を切りました。しかしながら、小麦粉を中心とした「食」の安定供給を担う当社グループにおいては引き続き十分に留意すべきリスクであると認識しております。当社グループでは、従業員の安全と「食」の安定供給を持続的に確保するため、2020年1月に社長を本部長とする「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置して以降、同対策本部を定期的に開催し、感染予防策の徹底、各事業への影響把握と対応策の検討・指示等を行って参りました。そして、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付け変更を受け、本年5月8日付で対策本部を終了しました。今後も感染状況の変化や新たな変異株の発生等に迅速かつ的確に対応するために、必要に応じて新型コロナウイルス感染症対策会議(仮称)を開催可能な体制を維持します。なお、新型コロナウイルス感染症による当社グループの影響については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。④ 他社とのアライアンス及び企業買収の効果の実現 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、事業ポートフォリオの強化を図り、長期的な企業価値の極大化を実現するため、国内外において他社とのアライアンス及び企業買収を行っておりますが、アライアンス及び買収後の事業が当初の想定通りに進捗しない場合等には、その効果を実現できない可能性があります。また、企業買収等に伴い発生しているのれん等の無形資産について、期待されるキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、収益性低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、多額の減損損失を計上する必要が生じた場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。<主要な対応策> 当社グループは今後も事業ポートフォリオの強化を進めてまいりますが、他社とのアライアンス及び企業買収については、独自のガイドラインに基づく案件の事前検証、適切なM&Aチーム体制の構築等を実施することでリスクの低減を図り、アライアンス及び買収直後から確実な事業継承・立上げやPMI活動の充実等に取り組んでまいります。また、リスクが顕在化した場合は、その経緯や状況の把握・分析に努め、実効性のある打ち手を講じるとともに、将来のアライアンスや企業買収の実行に際しノウハウとして役立てて参ります。⑤ 原材料調達 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、各事業において環境・人権というサプライチェーン上の課題へも配慮しながら安全かつコスト競争力がある原材料の持続的な調達に努めておりますが、感染症や天災、テロや紛争等による原料供給の停滞・途絶や異常気象による農産物の不作、新興国の経済成長による需要拡大、小麦生産地域等での地政学上のリスクの発生等による主要原材料の高騰、人件費、輸送・物流コストの上昇から適正な調達コストを維持することが困難になったり、原料の供給不足から既存製品が製造できなくなる可能性があります。また、輸入小麦価格の大幅な引き上げ等原材料調達コストの上昇分を小麦粉及び製品の販売価格に織り込めず、価格改定が確実に行われない場合、当社グループの利益に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、原材料調達に係る環境・人権課題等の社会的課題に適切に対応しなかった場合、社会からの信頼が失墜し、企業ブランド・競争力の低下に繋がるおそれがあります。<主要な対応策> 当社グループは原材料調達、生産における継続的なローコストオペレーションを推進し、国内外の原料原産地の状況把握に努め、調達先の分散化や代替原料候補の探索を行い、製品の安定供給に努めております。また、マーケットの変化に適合した新製品開発や高付加価値化戦略等により製品の適正価値維持に取り組むとともに、安全な原材料を安定的かつ持続的に調達するため、サプライヤーとの協力のもと、サプライチェーンも含めて公正で倫理的な取引を基本とした責任ある調達活動を推進しております。 また、食品事業を中心にコスト上昇に価格改定が後追いとなっている事業においては、その追い付きを着実に進めて参ります。⑥ 情報セキュリティ・DX(デジタルトランスフォーメーション) 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、業務効率の最適化を実現するため基幹系をはじめとして多くのシステムを活用しておりますが、システム運用上のトラブルの発生、当社グループの予測不能なウィルスの侵入・サイバーテロや情報への不正アクセスなどによるシステムダウンにより、支払処理を含む顧客対応に支障をきたす可能性や、営業秘密・個人情報の社外への流出などによる費用の発生、社会的信用の低下などにより事業活動に影響を及ぼす可能性があります。一方、新たな情報技術を活用したデジタルトランスフォーメーションへの対応の遅れは、市場の環境変化に伴う事業競争力や不測の異常事態発生時における事業継続の対応力の低下を招く可能性があります。<主要な対応策> このようなリスクを低減するため、当社グループでは「情報セキュリティ基本規程」に基づく積極的な情報セキュリティ活動(教育訓練含む)を展開すると共にセキュリティ関連の情報収集に努め、より高度なコンピューターウィルス対策の実行、基幹系サーバの二重化、第三者機関によるセキュリティ診断等、グループ全体として適切なセキュリティ対策、IT管理体制の構築に取り組んでおります。 また、新たな情報技術の活用においても、機動性重視の対応方針の下、グループ横断で優先順位をつけた業務のデジタル化やデジタルマーケティングを含む事業モデルの変革、その基盤となる人材育成等に取り組んでおります。⑦ 環境課題 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、企業活動を通じて省エネルギー、廃棄物削減など環境負荷低減に積極的に取り組んでおります。しかしながら、当社グループの想定範囲を超えた環境に係る法的規制の変更、強化等の他、ステークホルダーからの環境対応の要請の高まりにより、想定を超える費用が発生する可能性があります。また、当社グループが、気候変動・水問題及び食品廃棄物・容器包装プラスチック廃棄物等のグローバルな環境課題に対して適切な対応ができなかった場合、地球環境保全に貢献できないだけでなく、当社グループの企業ブランド価値が低下し、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。<主要な対応策> 当社グループは地球環境保全を経営の最重要課題の一つとして「日清製粉グループ環境基本方針」を制定しております。ISO14001グループ認証を維持し、食品廃棄物の発生抑制や再利用、環境配慮設計の推進などの「食品廃棄物、容器包装廃棄物への対応」及び事業活動におけるCO₂の排出削減などの「気候変動及び水問題への対応」を当社グループのCSR重要課題(マテリアリティ)に位置付け、環境保全、環境負荷軽減に取り組んでおります。 また、2021年8月には、気候変動、食品廃棄物、容器包装廃棄物、水資源の4つの環境課題の新たな中長期目標を設定するとともに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同およびTCFDコンソーシアムへの参加を表明しました。今後、グループの総合力を結集して中長期目標の達成に向け環境課題に取り組み、気候変動影響による自社のリスクと機会への対応を進めてまいります。CO₂削減に関しては、目標年に向けた段階的な取組みを見える化するためにロードマップ作成を開始しており、また、CO₂排出量の財務インパクトを可視化しCO₂削減に資する設備投資等を促進するためインターナルカーボンプライシング(ICP)を導入しております。⑧ 海外事業 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、アジア、北米、オセアニアを中心にして積極的にグローバル展開を推進し、海外売上高比率は20%超に達しております。また、コスト競争力強化のため、グローバルな最適生産体制の構築にも取り組んでおります。今後も海外事業基盤の拡大に取り組んでまいりますが、海外においては、政治あるいは経済の予期しない変動や法律・規制の変更、及び訴訟の提起、テロあるいは紛争等の発生、新型感染症の流行による事業活動の制約・停滞などにより、業績悪化、事業継続に支障が生じるなどの可能性があります。<主要な対応策> このような海外事業におけるリスクを低減するため、グループ横断のリスクマネジメント委員会の下部組織である海外安全対策部会や外部専門家等を通じて、現地経営環境を踏まえた事業運営の適切な管理・サポート等の実施、及び現地に派遣する従業員の研修体制を整備するとともに、現地従業員の安全確保に努めております。⑨ 為替変動 可能性の程度:中 影響度:中 当社グループは、加工食品事業をはじめ各事業において、原材料・製品の一部を海外より調達しており、為替変動により調達コストが増加する可能性があります。また、海外事業においては損益、財務状況が円換算の変動により悪影響を受け、製粉事業においては副産物のふすま価格が為替で変動する輸入ふすま価格の影響を受ける可能性があります。<主要な対応策> このような為替変動によるリスクに対応するため、当社グループではグループ横断の為替委員会を設置し、為替予約ルールの設定、為替に関する情報共有及び対策の協議を行うなど、為替変動により業績が大きく左右されないよう取り組んでおります。⑩ 人材の確保等 可能性の程度:中 影響度:中 当社グループは、事業競争力強化のため既存事業のモデルチェンジと事業ポートフォリオの強化に取り組んでおり、それらに対応するための多様な人材を確保・育成する必要があります。しかし、労働力人口の減少や雇用情勢の変動等により、当社グループのそれぞれの事業で必要とする人材の確保・育成等ができない場合には、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。<主要な対応策> このような人材の確保に係るリスクに対応するため、当社グループは採用活動の強化、教育研修の充実、及び多様な価値観を持つ従業員一人ひとりが能力を十分に発揮できる、健全で働きがいのある労働環境の確保や適切な労務管理に努めるとともに、併せて自動化、ロボット化、AI等の様々な技術の導入による生産効率の向上に取り組んでおります。⑪ 人権課題 可能性の程度:低 影響度:大 国内外に広く事業領域を展開している当社グループにとって、職場待遇、児童労働、若年労働者の雇用、強制労働等の人権諸課題への対応、及び従業員の人権保護及び関連法規制の順守は非常に重要な課題と認識しております。人種・国籍・性別・性的指向及び性自認・年齢・障がいの有無をはじめ、価値観・宗教・信条等の違いを認め合い、お互いを尊重し合う多様性に配慮した職場づくりが実現できない場合には、当社グループ及びブランドへのネガティブな評判が拡がるとともに、社員一人ひとりが能力を発揮出来ず、当社グループが求める優秀な人材の確保も困難になり、中長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。<主要な対応策> 当社グループは2018年に5つの「CSR重要課題(マテリアリティ)」を特定し、経営の最重要課題の一つと位置付けて、従業員の健康や働きがいのある労働環境の確保等にグループ全体で取り組んでおります。人権課題への対応としては、人権に対する意識を高めるために専門部署を設置し、すべての役員・社員を対象に毎年人権啓発研修を実施しております。研修では、同和問題や職場のハラスメント問題をはじめ、LGBTへの理解促進、ビジネス遂行上の人権問題等、さまざまなテーマを取り上げ、身近な問題として人権を考えるとともに、人権視点で日常業務に取り組むよう啓発を行っております。また、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた「日清製粉グループ人権方針」を制定し、2021年より、サプライチェーンを含む主要事業の人権デュー・デリジェンスに取り組んでおります。⑫ 新技術への対応 可能性の程度:中 影響度:中 当社グループは、それぞれの事業において、急激な市場の変化や技術の進化・変化に適切な対応が取れず、製品開発技術力・生産技術力の低下、及び基盤技術の陳腐化に繋がった場合、顧客ニーズに適合した魅力ある新製品開発ができずに、出荷低迷、企業ブランド価値の低下により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。<主要な対応策> このような新技術への対応遅れ等のリスクに対応するため、当社グループでは、グループ横断プロジェクト等を活用した技術の進化と技術者の育成、グループシナジー効果を活用した技術領域の拡大、産官学共同研究等外部からの技術導入の推進等、社内外の総合力を最大化することで継続的に技術力を強化し、市場で求められる製品開発に取り組んでまいります。特にデジタル技術に関しては人材育成が急務となっており、グループのデジタル活用をリードする人材の育成プログラム強化に着手しております。 上記以外にも当社グループが事業活動を展開するうえで、経済情勢や業界環境の変化に伴う主要製品の出荷変動、単価下落リスクの他、国内外での法的規制・訴訟リスク、商標権・特許権等の知的財産権に伴うリスク、取引先(生産委託先を含む)の経営環境の変化によるリスクなど、様々なリスクが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がありますが、これらのリスク回避、低減に向けて適切に取り組んでまいります。
FY2022|10,341 文字
2【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社グループでは、「日清製粉グループリスクマネジメント規程」「日清製粉グループクライシスコントロール規程」を制定し、リスクに対する適切な対応を確保し、リスクの予防・制御を目的とした日常的なリスクマネジメント活動を強化しております。また、当社社長を委員長、各事業会社社長等を委員とするリスクマネジメント委員会を設置し、当社グループ全体のリスクマネジメントを統括しています。さらに、リスクマネジメント委員会の下部組織として、企画部会、災害部会、海外安全対策部会を設置し、課題ごとの具体策を検討・提言する体制を整備しています。 この体制のもと、リスクマネジメント委員会とその下部組織は、当社グループの事業運営において想定される様々なリスクを認識し、そのリスクへの具体的な対応策を整え、重大クライシス発生時等には確実に対策本部を立ち上げるなどの役割を果たし、当社グループの事業継続と安全・安心な製品の安定供給という使命を果たしてまいります。 以上述べた事項をリスクマネジメント体制図によって示すと次のとおりであります。 (ウクライナ情勢の影響について) 2022年2月24日にウクライナに対する大規模な軍事行動が開始されて以降、当社グループの事業にも新たなリスクが顕在化しています。この度の紛争両国は世界有数の小麦輸出国であり、今後更なる情勢悪化が続けば、小麦の生産や輸出の減少が危惧されます。当社はロシア・ウクライナから小麦は輸入していないものの、世界的な小麦不足となれば需給逼迫や価格上昇が生じ、当社もその影響を受けることが懸念されます。また、ロシア産の原油や天然ガスなどが世界で敬遠され、供給が減少することで生じる燃料価格などの上昇と、それに伴う物流費の上昇により当社事業へのリスク発生の可能性があります。 穀物に関しては一旦生産が滞った場合、次の生産サイクルを経ないと穀物を収穫して出荷することはできないため、紛争が終結しても、ウクライナが正常な出荷体制に戻るのには時間を要することが見込まれます。当社グループでは、各事業への影響把握と対応策の検討・指示等を行ってきており、今後も状況を慎重に見極めながら、ウクライナ情勢に関する様々なリスクに迅速かつ適切に対応してまいります。 以下の主要なリスクについては、そのリスクが将来的に顕在化する可能性の程度、顕在化した場合の影響度をそれぞれ3段階で評価しております。この評価は上記リスクマネジメント委員会で判断したものであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。① 国際貿易交渉の進展と麦政策の変更 可能性の程度:高 影響度:大 TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、及び日EU・EPA、日米貿易協定等、国際貿易交渉の進展により貿易の自由化に向けた潮流は加速しており、今後国内事業においては、小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動、競争激化により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。 また、国内での麦政策の見直し等により、現行の国家貿易のあり方など小麦の管理手法(調達・在庫・売渡方法など)の変更、国内小麦粉・二次加工品市場の混乱、関連業界の再編など製粉事業、加工食品事業においてリスクの発生の可能性があります。<主要な対応策> このような貿易自由化・麦政策変更等のリスクに対応するため、当社グループはグローバルな生産体制の整備や国内小規模工場の閉鎖と大型臨海工場への生産集約、新技術の活用によるローコストオペレーション、顧客ニーズの変化への適合、海外事業拡大の一層の加速等に取り組んでおり、今後もより強固な企業体質を構築してまいります。② 製品安全 可能性の程度:低 影響度:大 食の安全・安心についての社会的関心が年々高まっており、食品業界におきましては、より一層厳格な対応が求められるようになっております。当社グループは、自社工場、及び生産の外部委託先に対して製品安全に関する取り組みを継続的に実施しておりますが、外的要因も含め、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、製品回収、出荷不能品が発生する可能性があります。<主要な対応策> このような製品安全上のリスクに対応するため、当社グループは「消費者視点での品質保証」を基本とし、開発から製造・物流・営業まで、全ての業務に携わる従業員への教育・指導、新規原材料・新製品に対する安全性の総合的評価(セイフティレビュー)、食品防御(フードディフェンス)の取り組み強化、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO・FSSC等の認証取得と継続的な実効性検証、生産の外部委託先に対する自社工場と同様の管理の徹底等、製品の品質保証体制の維持・向上に取り組んでおります。③ 災害・事故・感染症 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、安全・安心な製品を安定的に供給するために工場等の設備維持・安全確保に努めておりますが、地震や風水害などの大規模自然災害、火災・爆発などの事故や新たな感染症の流行が発生した場合、損害発生、顧客への製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。<主要な対応策> このような災害・事故に係るリスクに対応するため、当社グループは地震・風水害など自然災害の発生時に人的被害・工場等の設備破損が生じないように主要工場の耐震補強、水害対策等を進めるとともに、火災・爆発などの事故発生防止の体制作りの強化(設備・安全監査の実施、設備安全に関する規程整備を含む)、大規模地震に備えたBCP(事業継続計画)及び風水害に備えたタイムライン等を整備しており、あわせて火山噴火を想定した対応についても着手しております。また、発生後の経過と終息を予測することの難しい新たな感染症に対しては、BCP(事業継続計画)、及び感染防止対策等を整備しております。なお、大規模自然災害対策にあたっては、近年の災害甚大化に伴う国の災害想定見直しを逐次確認し、それに対応した対策見直しを行っております。(新型コロナウイルス感染症について) 国内外の経済活動に重大な影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染症は、いまだ先行きは不透明であり、当社グループの現状においては最優先に取り組むべきリスクであると認識しております。当社グループでは、従業員の安全と「食」の安定供給を持続的に確保するため、2020年1月に社長を本部長とする「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置して以降、同対策本部を毎月開催し、感染予防策の徹底、各事業への影響把握と対応策の検討・指示等を行ってきており、今後も新型コロナウイルス感染症がもたらす様々なリスクに迅速かつ適切に対応して参ります。なお、新型コロナウイルス感染症による当社グループの影響については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。④ 他社とのアライアンス及び企業買収の効果の実現 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、事業ポートフォリオの強化を図り、長期的な企業価値の極大化を実現するため、国内外において他社とのアライアンス及び企業買収を行っておりますが、アライアンス及び買収後の事業が当初の想定通りに進捗しない場合等には、その効果を実現できない可能性があります。また、企業買収等に伴い発生しているのれん等の無形資産について、期待されるキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、収益性低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、多額の減損損失を計上する必要が生じた場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。<主要な対応策> 当社グループは今後も事業ポートフォリオの強化を進めてまいりますが、他社とのアライアンス及び企業買収については、独自のガイドラインに基づく案件の事前検証、適切なM&Aチーム体制の構築等を実施することでリスクの低減を図り、アライアンス及び買収直後から確実な事業継承・立上げやPMI活動の充実等に取り組んでまいります。⑤ 原材料調達 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、各事業において環境・人権というサプライチェーン上の課題へも配慮しながら安全かつコスト競争力がある原材料の持続的な調達に努めておりますが、感染症や天災、テロや紛争等による原料供給の停滞・途絶や異常気象による農産物の不作、新興国の経済成長による需要拡大、小麦生産地域等での地政学上のリスクの発生等による主要原材料の高騰、人件費、輸送・物流コストの上昇から適正な調達コストを維持することが困難になったり、原料の供給不足から既存製品が製造できなくなる可能性があります。また、輸入小麦価格の大幅な引き上げ等原材料調達コストの上昇分を小麦粉及び製品の販売価格に織り込めず、価格改定が確実に行われない場合、当社グループの利益に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、原材料調達に係る環境・人権課題等の社会的課題に適切に対応しなかった場合、社会からの信頼が失墜し、企業ブランド・競争力の低下に繋がるおそれがあります。<主要な対応策> 当社グループは原材料調達、生産における継続的なローコストオペレーションを推進し、国内外の原料原産地の状況把握に努め、調達先の分散化や代替原料候補の探索を行い、製品の安定供給に努めています。また、マーケットの変化に適合した新製品開発や高付加価値化戦略等により製品の適正価値維持に取り組むとともに、安全な原材料を安定的かつ持続的に調達するため、サプライヤーとの協力のもと、サプライチェーンも含めて公正で倫理的な取引を基本とした責任ある調達活動を推進しています。⑥ 情報セキュリティ・DX(デジタルトランスフォーメーション) 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、業務効率の最適化を実現するため基幹系をはじめとして多くのシステムを活用しておりますが、システム運用上のトラブルの発生、当社グループの予測不能なウィルスの侵入・サイバーテロや情報への不正アクセスなどによるシステムダウンにより、支払処理を含む顧客対応に支障をきたす可能性や、営業秘密・個人情報の社外への流出などによる費用の発生、社会的信用の低下などにより事業活動に影響を及ぼす可能性があります。一方、新たな情報技術を活用したデジタルトランスフォーメーションへの対応の遅れは、市場の環境変化に伴う事業競争力や不測の異常事態発生時における事業継続の対応力の低下を招く可能性があります。<主要な対応策> このようなリスクを低減するため、当社グループでは「情報セキュリティ基本規程」に基づく積極的な情報セキュリティ活動(教育訓練含む)を展開すると共にセキュリティ関連の情報収集に努め、より高度なコンピューターウィルス対策の実行、基幹系サーバの二重化、第三者機関によるセキュリティ診断等、グループ全体として適切なセキュリティ対策、IT管理体制の構築に取り組んでおります。 また、新たな情報技術の活用においても、機動性重視の対応方針の下、グループ横断で優先順位をつけた業務のデジタル化やデジタルマーケティングを含む事業モデルの変革、その基盤となる人材育成等に取り組んでおります。⑦ 環境課題 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、企業活動を通じて省エネルギー、廃棄物削減など環境負荷低減に積極的に取り組んでおります。しかしながら、当社グループの想定範囲を超えた環境に係る法的規制の変更、強化等の他、ステークホルダーからの環境対応の要請の高まりにより、想定を超える費用が発生する可能性があります。また、当社グループが、気候変動及び食品廃棄物・容器包装プラスチック廃棄物等のグローバルな環境課題に対して適切な対応ができなかった場合、地球環境保全に貢献できないだけでなく、当社グループの企業ブランド価値が低下し、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。<主要な対応策> 当社グループは地球環境保全を経営の最重要課題の一つとして「日清製粉グループ環境基本方針」を制定しております。ISO14001グループ認証を維持し、食品廃棄物の発生抑制や再利用、環境配慮設計の推進などの「食品廃棄物、容器包装廃棄物への対応」及び事業活動におけるCO₂の排出削減などの「気候変動及び水問題への対応」を当社グループのCSR重要課題に位置付け、環境保全、環境負荷軽減に取り組んでおります。 また、2021年8月には、気候変動、食品廃棄物、容器包装廃棄物、水資源の4つの環境課題の新たな中長期目標を設定するとともに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同およびTCFDコンソーシアムへの参加を表明しました。今後、グループの総合力を結集して中長期目標の達成に向け環境課題に取り組み、気候変動影響による自社のリスクと機会への対応を進めてまいります。TCFD提言に基づく情報開示につきましては、後述のとおりであります。なお、環境課題中長期目標につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。⑧ 海外事業 可能性の程度:中 影響度:大 当社グループは、アジア、北米、オセアニアを中心にして積極的にグローバル展開を推進し、海外売上高比率は20%超に達しております。また、コスト競争力強化のため、グローバルな最適生産体制の構築にも取り組んでおります。今後も海外事業基盤の拡大に取り組んでまいりますが、海外においては、政治あるいは経済の予期しない変動や法律・規制の変更、及び訴訟の提起、テロあるいは紛争等の発生、新型感染症の流行による事業活動の制約・停滞などにより、業績悪化、事業継続に支障が生じるなどの可能性があります。<主要な対応策> このような海外事業におけるリスクを低減するため、グループ横断のリスクマネジメント委員会の下部組織である海外安全対策部会や外部専門家等を通じて、現地経営環境を踏まえた事業運営の適切な管理・サポート等の実施、及び現地に派遣する従業員の研修体制を整備するとともに、現地従業員の安全確保に努めております。⑨ 為替変動 可能性の程度:中 影響度:中 当社グループは、加工食品事業をはじめ各事業において、原材料・製品の一部を海外より調達しており、為替変動により調達コストが増加する可能性があります。また、海外事業においては損益、財務状況が円換算の変動により悪影響を受け、製粉事業においては副産物のふすま価格が為替で変動する輸入ふすま価格の影響を受ける可能性があります。<主要な対応策> このような為替変動によるリスクに対応するため、当社グループではグループ横断の為替委員会を設置し、為替予約ルールの設定、為替に関する情報共有及び対策の協議を行うなど、為替変動により業績が大きく左右されないよう取り組んでおります。⑩ 人材の確保等 可能性の程度:中 影響度:中 当社グループは、事業競争力強化のため既存事業のモデルチェンジと事業ポートフォリオの強化に取り組んでおり、それらに対応するための多様な人材を確保・育成する必要があります。しかし、労働力人口の減少や雇用情勢の変動等により、当社グループのそれぞれの事業で必要とする人材の確保・育成等ができない場合には、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。<主要な対応策> このような人材の確保に係るリスクに対応するため、当社グループは採用活動の強化、教育研修の充実、及び多様な価値観を持つ従業員一人ひとりが能力を十分に発揮できる、健全で働きがいのある労働環境の確保や適切な労務管理に努めるとともに、併せて自動化、ロボット化、AI等の様々な技術の導入による生産効率の向上に取り組んでいます。⑪ 新技術への対応 可能性の程度:中 影響度:中 当社グループは、それぞれの事業において、急激な市場の変化や技術の進化・変化に適切な対応が取れず、製品開発技術力・生産技術力の低下、及び基盤技術の陳腐化に繋がった場合、顧客ニーズに適合した魅力ある新製品開発ができずに、出荷低迷、企業ブランド価値の低下により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。<主要な対応策> このような新技術への対応遅れ等のリスクに対応するため、当社グループでは、グループ横断プロジェクト等を活用した技術の進化と技術者の育成、グループシナジー効果を活用した技術領域の拡大、産官学共同研究等外部からの技術導入の推進等、社内外の総合力を最大化することで継続的に技術力を強化し、市場で求められる製品開発に取り組んでまいります。また、これらに対応し、体制を支えるための人事賃金制度の再構築にも取り組んでおります。⑫ 人権課題 可能性の程度:低 影響度:中 国内外に広く事業領域を展開している当社グループにとって、職場待遇、児童労働、若年労働者の雇用、強制労働等の人権諸課題への対応、及び従業員の人権保護及び関連法規制の順守は非常に重要な課題と認識しています。人種・国籍・性別・性的指向及び性自認・年齢・障がいの有無をはじめ、価値観・宗教・信条等の違いを認め合い、お互いを尊重し合う多様性に配慮した職場づくりが実現できない場合には、当社グループ及びブランドへのネガティブな評判が拡がるとともに、社員一人ひとりが能力を発揮出来ず、当社グループが求める優秀な人材の確保も困難になり、中長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。 <主要な対応策> 当社グループは2018年に5つの「CSR重要課題(マテリアリティ)」を特定し、経営の最重要課題の一つと位置付けて、従業員の健康や働きがいのある労働環境の確保等にグループ全体で取り組んでいます。人権課題への対応としては、人権に対する意識を高めるために専門部署を設置し、すべての役員・社員を対象に毎年人権啓発研修を実施しています。研修では、同和問題や職場のハラスメント問題をはじめ、LGBTへの理解促進、ビジネス遂行上の人権問題等、さまざまなテーマを取り上げ、身近な問題として人権を考えるとともに、人権視点で日常業務に取り組むよう啓発を行っています。また、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた「日清製粉グループ人権方針」を制定し、その取り組みとしてサプライチェーンを含む主要事業の人権デュー・デリジェンスを開始しています。 上記以外にも当社グループが事業活動を展開するうえで、経済情勢や業界環境の変化に伴う主要製品の出荷変動、単価下落リスクの他、国内外での法的規制・訴訟リスク、商標権・特許権等の知的財産権に伴うリスク、取引先(生産委託先を含む)の経営環境の変化によるリスクなど、様々なリスクが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がありますが、これらのリスク回避、低減に向けて適切に取り組んでまいります。 (社会的課題に対する取り組み) 当社グループは、未来に向かって「健康」を支え「食のインフラ」を担うグローバル展開企業の実現に向けて、経済的価値と社会的価値の双方を追求し、グループ一体で企業価値の向上を目指して取り組んでおります。その実現には、人口動態の変化、地球温暖化や廃棄物汚染・食資源の枯渇、サプライチェーンも含めた環境・人権問題等の社会的課題に対応していく必要がありますが、それらの社会的課題に対するステークホルダーのニーズ・要請の変化に対して、製品開発を含めた事業活動全体を通じて適切に対応できなかった場合、企業としての信頼が失墜し、企業ブランド価値・競争力の低下に繋がり、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、さまざまな社会課題を社会からの期待と事業への影響の両側面から整理し、「CSR重要課題」として特定しています。当社グループがこれからも社会的責任を果たしていくために特定した5つのCSR重要課題に積極的に取り組み、事業を通じた解決と新たな社会的価値を創出することで、企業理念である「健康で豊かな生活づくりへの貢献」を実現し、当社グループの持続的な成長と、持続可能な社会を実現してまいります。 当社グループのCSR重要課題と、それぞれの重点テーマ及びアプローチ・目標は、次のとおりであります。 (気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に基づく情報開示) 気候変動による影響は地球的規模で年々深刻さを増しており、世代を超えて、社会・環境・企業活動に大きな影響を及ぼす問題となっています。当社グループでも、事業拠点や小麦の生産地における自然災害リスクの増加をはじめ、直接的・間接的に、サプライチェーン全体のあらゆる段階に影響が及ぶ可能性があると認識しており、取り組むべきテーマの明確化が急務となっています。 そこで当社は、気候変動が当社グループに与える影響についてTCFDのフレームワークに沿って気候変動シナリオ分析を行い、情報開示を通じてステークホルダーとの対話につなげていきたいと考えています。こうした考えのもと、 2021年8月にTCFD提言への賛同を表明するとともに、 TCFDコンソーシアムへ参加しました。 TCFD提言で提示されている「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の4つのテーマと、それぞれに対する当社グループの活動内容は、次のとおりであります。 <気候変動シナリオ分析> 当社グループは小麦を起点とする多彩な事業をグローバルに展開しており、気候変動による影響は多岐にわたることが想定されます。そこで、気候変動が当社グループに与える影響の規模・内容を分析するために、TCFDを活用したシナリオ分析を実施しました。 分析にあたっては、製粉事業、加工食品事業、中食・惣菜事業を対象に、社外専門家の協力を得て1.5℃及び4℃の気温上昇時の2050年の世界を想定し、特に重要度の高いリスクと機会を特定して、その対策を検討しました。 今後は、分析対象の事業範囲を拡大して日清製粉グループ全体でのリスク・機会の分析を行い、その対応を事業戦略に反映させることで、事業の継続性を高めるとともに、持続可能な社会の実現に貢献していきます。 当社グループのリスクと機会及びその対応策は、次のとおりであります。 <気候変動による小麦への影響について文献調査を実施> 日清製粉グループは、気候変動シナリオ分析において、今世紀末の気温上昇が3.2℃の想定(IPCC第5次評価RCP6.0シナリオ、中庸シナリオSSP2)下で、気候変動がグループの主要原料である小麦の育成に与える影響について文献調査を行いました。 ① 気候変動による小麦産地の環境変化 3.2℃シナリオにおける気象パターンの変動予測では、 2010年から2050年にかけて世界の平均気温は2℃程度上昇しますが、北半球の高緯度地帯では3℃を超える気温上昇が、中低緯度地帯の一部では気温上昇とともに降雨量が減少するなど、地域によって気温の上昇幅や降雨量の変化にバラツキが発生すると予測されています※1。(図1、2) 小麦産地の環境変化としては、北半球の高緯度地帯ではより小麦の栽培に適した気候になる可能性が示唆される一方、中低緯度地帯の一部では栽培適性の低下や旱魃の発生リスクの上昇が懸念されます。 ② 小麦の収穫見通し 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構は、気候変動の影響に加えて、既存の増収技術の普及や播種期の移動等の簡易な対策技術の導入を考慮した場合の春に播種する小麦の収量について、次のような将来見通しを示しています。 20世紀以降、世界の小麦平均収量は年々増加しています。3.2℃シナリオ下では、気温が高い低緯度地域では収量が低下するものの、現在低温が収量の制御要因となっている高緯度地域では気温上昇によって収量が増加し、世界全体でみると平均収量の増加は維持すると見込まれます※2。(図3) 上記を含めた複数の文献調査から、当社グループとして、いずれの気候変動シナリオにおいても気温上昇の度合いがそれほど高くない中期的な将来において、気候変動によって小麦の主要調達国の収量が大幅に減少する可能性は低いと想定しています。 一方で気候変動による小麦調達リスクについては、収量変動のほかにも、旱魃による貿易量への影響や品質の悪化等、考慮すべき事項があります。また小麦を含めた食糧需給や調達価格の長期見通しには不透明な部分が多いため、特に2050年のような長期的な将来における調達リスクは無視できないものと考えています。当社グループとして、関連する調査研究の最新動向を引き続き把握するとともに、生産者や研究機関と連携して育種支援を行うなど、気候変動の緩和策や適応策を推進していきます。
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2【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社グループでは、「日清製粉グループリスクマネジメント規程」「日清製粉グループクライシスコントロール規程」を制定し、リスクに対する適切な対応を確保し、リスクの予防・制御を目的とした日常的なリスクマネジメント活動を強化しております。また、当社社長を委員長、各事業会社社長等を委員とするリスクマネジメント委員会を設置し、当社グループ全体の重要リスクの確認と対応策の推進を図る等、事業運営におけるリスクの低減に取り組んでおります。さらに、リスクマネジメント委員会の下部組織として、企画部会、災害部会、海外安全対策部会を設置し、課題ごとの具体策を検討・提言する体制を整備することにより、適切なリスクマネジメントに努め、当社グループの事業継続と安全・安心な製品の安定供給という使命を果たしてまいります。 以下の主要なリスクについては、そのリスクが将来的に顕在化する可能性の程度、顕在化した場合の影響度をそれぞれ3段階で評価しております。この評価は上記リスクマネジメント委員会で判断したものであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。① 国際貿易交渉の進展と麦政策の変更 影響度:大 可能性の程度:高 TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、及び日EU・EPA、日米貿易協定等、国際貿易交渉の進展により貿易の自由化に向けた潮流は加速しており、今後国内事業においては、小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動、競争激化により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。 また、国内での麦政策の見直し等により、現行の国家貿易のあり方など小麦の管理手法(調達・在庫・売渡方法など)の変更、国内小麦粉・二次加工品市場の混乱、関連業界の再編など製粉事業、加工食品事業においてリスクの発生の可能性があります。<主要な対応策> このような貿易自由化・麦政策変更等のリスクに対応するため、当社グループはグローバルな生産体制の整備や新技術の活用によるローコストオペレーション、顧客ニーズの変化への適合、海外事業拡大の一層の加速等に取り組んでおり、今後もより強固な企業体質を構築してまいります。② 製品安全 影響度:大 可能性の程度:低 食の安全・安心についての社会的関心が年々高まっており、食品業界におきましては、より一層厳格な対応が求められるようになっております。当社グループは、自社工場、及び生産の外部委託先に対して製品安全に関する取り組みを継続的に実施しておりますが、外的要因も含め、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、製品回収、出荷不能品が発生する可能性があります。<主要な対応策> このような製品安全上のリスクに対応するため、当社グループは「消費者視点での品質保証」を基本とし、開発から製造・物流・営業まで、全ての業務に携わる従業員への教育・指導、新規原材料・新製品に対する安全性の総合的評価(セイフティレビュー)、食品防御(フードディフェンス)の取り組み強化、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO・FSSC等の認証取得と継続的な実効性検証、生産の外部委託先に対する自社工場と同様の管理の徹底等、製品の品質保証体制の維持・向上に取り組んでおります。③ 災害・事故・感染症 影響度:大 可能性の程度:中 当社グループは、安全・安心な製品を安定的に供給するために工場等の設備維持・安全確保に努めておりますが、地震や風水害などの大規模自然災害、火災・爆発などの事故や新たな感染症の流行が発生した場合、損害発生、顧客への製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。<主要な対応策> このような災害・事故に係るリスクに対応するため、当社グループは地震・風水害など自然災害の発生時に人的被害・工場等の設備破損が生じないように主要工場の耐震補強、水害対策等を進めるとともに、火災・爆発などの事故発生防止の体制作りの強化(設備・安全監査の実施、設備安全に関する規程整備を含む)、大規模地震に備えたBCP(事業継続計画)、及び風水害に備えたタイムライン等を整備しております。また、発生後の経過と終息を予測することの難しい新たな感染症に対しては、BCP(事業継続計画)、及び感染防止対策等を整備しております。なお、大規模自然災害対策にあたっては、近年の災害甚大化に伴う国の災害想定見直しを逐次確認し、それに対応した対策見直しを行っております。(新型コロナウイルス感染症について) 国内外の経済活動に重大な影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染症は、いまだ先行きは不透明であり、当社グループの現状においては最優先に取り組むべきリスクであると認識しております。当社グループでは、従業員の安全と「食」の安定供給を持続的に確保するため、2020年1月に社長を本部長とする「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置して以降、同対策本部を毎月開催し、感染予防策の徹底、各事業への影響把握と対応策の検討・指示等を行ってきており、今後も新型コロナウイルス感染症がもたらす様々なリスクに迅速かつ適切に対応して参ります。なお、新型コロナウイルス感染症による当社グループの影響については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。④ 他社とのアライアンス及び企業買収の効果の実現 影響度:大 可能性の程度:中 当社グループは、事業ポートフォリオの強化を図り、長期的な企業価値の極大化を実現するため、国内外において他社とのアライアンス及び企業買収を行っておりますが、アライアンス及び買収後の事業が当初の想定通りに進捗しない場合等には、その効果を実現できない可能性があります。また、企業買収等に伴い発生しているのれん等の無形資産について、期待されるキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、収益性低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、多額の減損損失を計上する必要が生じた場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。<主要な対応策> 当社グループは今後も事業ポートフォリオの強化を進めてまいりますが、他社とのアライアンス及び企業買収については、独自のガイドラインに基づく案件の事前検証、適切なM&Aチーム体制の構築等を実施することでリスクの低減を図り、アライアンス及び買収直後から確実な事業継承・立上げやPMI活動の充実等に取り組んでまいります。⑤ 原材料調達 影響度:大 可能性の程度:中 当社グループは、各事業において安全で、かつコスト競争力のある原材料の持続的な調達に努めておりますが、原材料市況の変動及び賃金、物流コスト、包装資材等の原材料価格の上昇などで調達コストが高騰し、コスト低減を実現できない可能性があります。また、輸入小麦価格の大幅な引き上げ等原材料や商品等の調達コストの上昇に対応した小麦粉及び加工食品等の販売価格の改定が確実に行われない場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、原材料調達に係る環境・人権問題等の社会的課題に対して適切に対応できなかった場合、企業としての信頼が失墜し、企業ブランド価値・競争力の低下に繋がる可能性があります。<主要な対応策> このような原材料調達に係るリスクに対応するため、当社グループは調達コスト、生産コストの継続的なローコストオペレーションを推進するとともに、マーケットの変化に適合した新製品開発や高付加価値化戦略等により製品の適正価値維持に取り組んでおります。また、安全な原材料を安定的かつ持続的に調達するため、サプライヤーとの協力のもと、サプライチェーンも含めて公正で倫理的な取引を基本とした責任ある調達活動を行ってまいります。⑥ 情報セキュリティ・DX(デジタルトランスフォーメーション) 影響度:大 可能性の程度:中 当社グループは、業務効率の最適化を実現するため基幹系をはじめとして多くのシステムを活用しておりますが、システム運用上のトラブルの発生、当社グループの予測不能なウィルスの侵入・サイバーテロや情報への不正アクセスなどにより、顧客対応に支障をきたす可能性や、営業秘密・個人情報の社外への流出などによる費用の発生、社会的信用の低下などにより事業活動に影響を及ぼす可能性があります。一方、新たな情報技術を活用したデジタルトランスフォーメーションへの対応の遅れは、市場の環境変化に伴う事業競争力や不測の異常事態発生時における事業継続の対応力の低下を招く可能性があります。<主要な対応策> このようなリスクを低減するため、当社グループでは「情報セキュリティ基本規程」に基づく積極的な情報セキュリティ活動(教育訓練含む)を展開すると共にセキュリティ関連の情報収集に努め、より高度なコンピューターウィルス対策の実行、基幹系サーバの二重化等の適切なIT管理体制の構築に取り組んでおります。また、新たな情報技術の活用においても、機動性重視の対応方針の下、グループ横断で優先順位をつけた業務のデジタル化やデジタルマーケティングを含む事業モデルの変革等に取り組んでおります。 ⑦ 環境課題 影響度:大 可能性の程度:中 当社グループは、企業活動を通じて省エネルギー、廃棄物削減など環境負荷低減に積極的に取り組んでおります。しかしながら、当社グループの想定範囲を超えた環境に係る法的規制の変更、強化等の他、ステークホルダーからの環境対応の要請の高まりにより、想定を超える費用が発生する可能性があります。また、当社グループが、気候変動及び食品廃棄物・容器包装プラスチック廃棄物等のグローバルな環境課題に対して適切な対応ができなかった場合、地球環境保全に貢献できないだけでなく、当社グループの企業ブランド価値が低下し、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。<主要な対応策> 当社グループは地球環境保全を最重要の経営課題の一つとして「日清製粉グループ環境基本方針」を制定しており、ISO14001のグループ認証や2030年までの中期環境目標(CO₂排出量の削減と資源の有効利用に注力)の達成に向けて取り組んでおります。さらに、食品廃棄物の発生抑制や再利用、環境配慮設計の推進などの「食品廃棄物、容器包装廃棄物への対応」及び事業活動におけるCO₂の排出削減などの「気候変動及び水問題への対応」を当社グループのCSR重要課題に位置付けて取り組みを推進し、政府が提唱する「2030年に温暖化ガス排出2013年度比46%削減、2050年に温暖化ガス排出実質ゼロ」に向けて長期目標の策定を進め、企業価値の向上と企業競争力の強化を図り、社会の持続可能な発展に貢献してまいります。⑧ 海外事業 影響度:中 可能性の程度:中 当社グループは、アジア、北米、オセアニアを中心にして積極的にグローバル展開を推進し、海外売上高比率は20%超に達しております。また、コスト競争力強化のため、グローバルな最適生産体制の構築にも取り組んでおります。今後も海外事業基盤の拡大に取り組んでまいりますが、海外においては、政治あるいは経済の予期しない変動や法律・規制の変更、及び訴訟の提起、テロあるいは紛争等の発生、及び新型感染症の流行による事業活動の制約・停滞などにより、業績悪化、事業継続に支障が生じるなどの可能性があります。<主要な対応策> このような海外事業におけるリスクを低減するため、グループ横断のリスクマネジメント委員会の下部組織である海外安全対策部会や外部専門家等を通じて、現地経営環境を踏まえた事業運営の適切な管理・サポート等の実施、及び現地に派遣する従業員の研修体制を整備するとともに、現地従業員の安全確保に努めております。⑨ 為替変動 影響度:中 可能性の程度:中 当社グループは、加工食品事業をはじめ各事業において、原材料・製品の一部を海外より調達しており、為替変動により調達コストが増加する可能性があります。また、海外事業においては損益、財務状況が円換算の変動により悪影響を受け、製粉事業においては副産物のふすま価格が為替で変動する輸入ふすま価格の影響を受ける可能性があります。<主要な対応策> このような為替変動によるリスクに対応するため、当社グループではグループ横断の為替委員会を設置し、為替予約ルールの設定、為替に関する情報共有及び対策の協議を行うなど、為替変動により業績が大きく左右されないよう取り組んでおります。⑩ 人材の確保等 影響度:中 可能性の程度:中 当社グループは、事業競争力強化のため既存事業のモデルチェンジと事業ポートフォリオの強化に取り組んでおり、それらに対応するための多様な人材を確保・育成する必要があります。しかし、労働力人口の減少や雇用情勢の変動等により、当社グループのそれぞれの事業で必要とする人材の確保・育成等ができない場合には、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。<主要な対応策> このような人材の確保に係るリスクに対応するため、当社グループは採用活動の強化、教育研修の充実、及び多様な価値観を持つ従業員一人ひとりが能力を十分に発揮できる、健全で働きがいのある労働環境の確保や適切な労務管理に努めるとともに、併せて自動化、ロボット化、AI等の様々な技術の導入による生産効率の向上に取り組んでいます。 ⑪ 新技術への対応 影響度:中 可能性の程度:中 当社グループは、それぞれの事業において、急激な市場の変化や技術の進化・変化に適切な対応が取れず、製品開発技術力・生産技術力の低下、及び基盤技術の陳腐化に繋がった場合、顧客ニーズに適合した魅力ある新製品開発ができずに、出荷低迷、企業ブランド価値の低下により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。<主要な対応策> このような新技術への対応遅れ等のリスクに対応するため、当社グループでは、グループ横断プロジェクト等を活用した技術の進化と技術者の育成、グループシナジー効果を活用した技術領域の拡大、産官学共同研究等外部からの技術導入の推進等、社内外の総合力を最大化することで継続的に技術力を強化し、市場で求められる製品開発に取り組んでまいります。 上記以外にも当社グループが事業活動を展開するうえで、経済情勢や業界環境の変化に伴う主要製品の出荷変動、単価下落リスクの他、国内外での法的規制・訴訟リスク、商標権・特許権等の知的財産権に伴うリスク、取引先(生産委託先を含む)の経営環境の変化によるリスクなど、様々なリスクが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がありますが、これらのリスク回避、低減に向けて適切に取り組んでまいります。 <社会的課題に対する取り組み> 当社グループは、未来に向かって「健康」を支え「食のインフラ」を担うグローバル展開企業の実現に向けて、経済的価値と社会的価値の双方を追求し、グループ一体で企業価値の向上を目指して取り組んでおります。その実現には、人口動態の変化、地球温暖化や廃棄物汚染・食資源の枯渇、サプライチェーンも含めた環境・人権問題等の社会的課題に対応していく必要がありますが、それらの社会的課題に対するステークホルダーのニーズ・要請の変化に対して、製品開発を含めた事業活動全体を通じて適切に対応できなかった場合、企業としての信頼が失墜し、企業ブランド価値・競争力の低下に繋がり、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このような社会的課題への対応リスクを低減するため、当社グループでは、優先的に取り組むべき課題を抽出・整理し、「CSR重要課題」※として特定しました。この重要課題への取り組みを経営や事業戦略に統合することで長期的な企業の価値向上や競争力の強化に繋げ、社会の持続可能な発展に貢献できるよう努めてまいります。※CSR重要課題(1) 安全で健康的な食の提供と責任ある消費者コミュニケーション(2) 安定的かつ持続可能な原材料の調達推進(3) 食品廃棄物、容器包装廃棄物への対応(4) 気候変動及び水問題への対応(5) 健全で働きがいのある労働環境の保護
FY2020|6,117 文字
2【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社グループでは、「日清製粉グループリスクマネジメント規程」「日清製粉グループクライシスコントロール規程」を制定し、リスクに対する適切な対応を確保し、リスクの予防・制御を目的とした日常的なリスクマネジメント活動を強化しております。また、当社社長を委員長、各事業会社社長等を委員とするリスクマネジメント委員会を設置し、当社グループ全体の重要リスクの確認と対応策の推進を図る等、事業運営におけるリスクの低減に取り組んでおります。さらに、リスクマネジメント委員会の下部組織として、企画部会、災害部会、海外安全対策部会を設置し、課題ごとの具体策を検討・提言する体制を整備することにより、適切なリスクマネジメントに努め、当社グループの事業継続と製品の安定供給という使命を果たしてまいります。 また、世界的に大流行する新型コロナウイルス感染症は、国内外の経済活動に重大な影響を及ぼしております。当社グループでは、従業員の安全と「食」の安定供給を引き続き確保するため、新型コロナウイルス感染症対策に伴う事業環境の急変に最優先に対応してまいりますが、その感染拡大等の状況次第では、経済活動がより一層停滞し、需要の更なる減退、サプライチェーンの混乱、当社グループの生産活動への悪影響等、当社グループが事業展開するうえで、重大なリスクに繋がる可能性があると認識しております。海外子会社も含む当社グループの感染症対策としては、社長を本部長とする「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置し、出社時の体温確認・手洗い消毒・マスク着用等衛生対策の他、在宅勤務の実施、WEB会議の活用等の対策を徹底しております。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年8月28日)現在において当社グループが判断したものであります。① 国際貿易交渉の進展と麦政策の変更 TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、及び日EU・EPA、日米貿易協定等、国際貿易交渉の進展により貿易の自由化に向けた潮流は加速しており、今後国内事業においては、小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動、競争激化により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。 また、国内での麦政策の見直し等により、現行の国家貿易のあり方など小麦の管理手法(調達・在庫・売渡方法など)の変更、国内小麦粉・二次加工品市場の混乱、関連業界の再編など製粉事業、加工食品事業においてリスクの発生の可能性があります。 このような貿易自由化・麦政策変更等のリスクに対応するため、当社グループはグローバルな生産体制の整備や新技術の活用によるローコストオペレーション、顧客ニーズの変化への適合、海外事業拡大の一層の加速等に取り組んでおり、今後もより強固な企業体質を構築してまいります。② 製品安全 食の安心・安全についての社会的関心が年々高まっており、食品業界におきましては、より一層厳格な対応が求められるようになっております。当社グループは、自社工場、及び生産の外部委託先に対して製品安全に関する取り組みを継続的に実施しておりますが、外的要因も含め、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、製品回収、出荷不能品が発生する可能性があります。 このような製品安全上のリスクに対応するため、当社グループは「消費者視点での品質保証」を基本とし、開発から製造・物流・営業まで、全ての業務に携わる従業員への教育・指導、新規原材料・新製品に対する安全性の総合的評価(セイフティレビュー)、食品防御(フードディフェンス)の取り組み強化、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO・FSSC等の認証取得と継続的な実効性検証、生産の外部委託先に対する自社工場と同様の管理の徹底等、製品の品質保証体制の維持・向上に取り組んでおります。③ 災害・事故・感染症 当社グループは、安心・安全な製品を安定的に供給するために工場等の設備維持・安全確保に努めておりますが、地震や風水害などの大規模自然災害、火災・爆発などの事故や新たな感染症の流行が発生した場合、損害発生、顧客への製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。 このような災害・事故に係るリスクに対応するため、当社グループは地震・風水害など自然災害の発生時に人的被害・工場等の設備破損が生じないように主要工場の耐震補強、水害対策等を進めるとともに、火災・爆発などの事故発生防止の体制作りの強化(設備・安全監査の実施、設備安全に関する規程整備を含む)、大規模地震に備えたBCP(事業継続計画)、及び風水害に備えたタイムライン等を整備しております。また、発生後の経過と終息を予測することの難しい新たな感染症に対しては、BCP(事業継続計画)、及び感染防止対策等を整備しております。なお、大規模自然災害対策にあたっては、近年の災害甚大化に伴う国の災害想定見直しを逐次確認し、それに対応した対策見直しを行っております。④ 他社とのアライアンス及び企業買収の効果の実現 当社グループは、事業ポートフォリオの強化を図り、長期的な企業価値の極大化を実現するため、国内外において他社とのアライアンス及び企業買収を行っておりますが、アライアンス及び買収後の事業が当初の想定通りに進捗しない場合等には、その効果を実現できない可能性があります。また、企業買収等に伴い発生しているのれん等の無形資産について、期待されるキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、収益性低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、多額の減損損失を計上する必要が生じた場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは今後も事業ポートフォリオの強化を進めてまいりますが、他社とのアライアンス及び企業買収については、独自のガイドラインに基づく案件の事前検証、適切なM&Aチーム体制の構築等を実施することでリスクの低減を図り、アライアンス及び買収直後から確実な事業継承・立上げやPMI活動の充実等に取り組んでまいります。⑤ 海外事業 当社グループは、アジア、北米、オセアニアを中心にして積極的にグローバル展開を推進し、海外売上高比率は20%超に達しております。また、コスト競争力強化のため、グローバルな最適生産体制の構築にも取り組んでおります。今後も海外事業基盤の拡大に取り組んでまいりますが、海外においては、政治あるいは経済の予期しない変動や法律・規制の変更、及び訴訟の提起、テロあるいは紛争等の発生、及び新型感染症の流行による事業活動の制約・停滞などにより、業績悪化、事業継続に支障が生じるなどの可能性があります。 このような海外事業におけるリスクを低減するため、グループ横断のリスクマネジメント委員会の下部組織である海外安全対策部会や外部専門家等を通じて、現地経営環境を踏まえた事業運営の適切な管理・サポート等を実施するとともに、現地に派遣する従業員の研修体制を整備しております。⑥ 為替変動 当社グループは、加工食品事業をはじめ各事業において、原材料・製品の一部を海外より調達しており、為替変動により調達コストが増加する可能性があります。また、海外事業においては損益、財務状況が円換算の変動により悪影響を受け、製粉事業においては副産物のふすま価格が為替で変動する輸入ふすま価格の影響を受ける可能性があります。 このような為替変動によるリスクに対応するため、当社グループではグループ横断の為替委員会を設置し、為替予約ルールの設定、為替に関する情報共有及び対策の協議を行うなど、為替変動により業績が大きく左右されないよう取り組んでおります。⑦ 原材料調達 当社グループは、各事業において安全で、かつコスト競争力のある原材料の持続的な調達に努めておりますが、原材料市況の変動及び賃金、物流コスト、包装資材等の原材料価格の上昇などで調達コストが高騰し、コスト低減を実現できない可能性があります。また、輸入小麦価格の大幅な引き上げ等原材料や商品等の調達コストの上昇に対応した小麦粉及び加工食品等の販売価格の改定が確実に行われない場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、原材料調達に係る環境・人権問題等の社会的課題に対して適切に対応できなかった場合、企業としての信頼が失墜し、企業ブランド価値・競争力の低下に繋がる可能性があります。 このような原材料調達に係るリスクに対応するため、当社グループは調達コスト、生産コストの継続的なローコストオペレーションを推進するとともに、マーケットの変化に適合した新製品開発や高付加価値化戦略等により製品の適正価値維持に取り組んでおります。また、安全な原材料を安定的かつ持続的に調達するため、サプライヤーとの協力のもと、サプライチェーンも含めて公正で倫理的な取引を基本とした責任ある調達活動を行ってまいります。⑧ 情報・システム 当社グループは、業務効率の最適化を実現するため基幹系をはじめとして多くのシステムを活用しておりますが、システム運用上のトラブルの発生、当社グループの予測不能なウィルスの侵入・サイバーテロや情報への不正アクセスなどにより、顧客対応に支障をきたす可能性や、営業秘密・個人情報の社外への流出などによる費用の発生、社会的信用の低下などにより事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 このような情報セキュリティに係るリスクを低減するため、当社グループでは「情報セキュリティ基本規程」に基づく積極的な情報セキュリティ活動(教育訓練含む)を展開すると共にセキュリティ関連の情報収集に努め、より高度なコンピューターウィルス対策の実行、基幹系サーバの二重化等の適切なIT管理体制の構築に取り組んでおります。 ⑨ 環境課題 当社グループは、企業活動を通じて省エネルギー、廃棄物削減など環境経営を積極的に進めております。しかしながら、当社グループの想定範囲を超えた環境に係る法的規制の変更、強化等が発生した場合、対応費用が発生するなどの可能性があります。また、当社グループが、食品廃棄物・廃プラスチック、及び気候変動等のグローバルな環境課題に対して適切な対応ができなかった場合、地球の資源・環境保全に貢献できないだけでなく、当社グループの企業ブランド価値が低下し、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは「日清製粉グループ環境基本方針」に基づき、ISO14001のグループ一括認証、環境管理システムの充実、2030年までの中期環境目標の設定(CO₂排出量の削減と資源の有効利用に注力)とその達成に向けた取組み等の環境保全活動を推進するとともに、食品廃棄物の発生抑制や再利用、環境配慮設計の推進などの「食品廃棄物、容器包装廃棄物への対応」及び事業活動におけるCO₂の排出削減などの「気候変動及び水問題への対応」を当社グループのCSR重要課題に位置付け、長期的な企業価値の向上と企業競争力の強化を図り、社会の持続可能な発展に貢献してまいります。⑩ 人材の確保等 当社グループは、事業競争力強化のため既存事業のモデルチェンジと事業ポートフォリオの強化に取り組んでおり、それらに対応するための多様な人材を確保・育成する必要があります。しかし、労働力人口の減少や雇用情勢の変動等により、当社グループのそれぞれの事業で必要とする人材の確保・育成等ができない場合には、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。 このような人材の確保に係るリスクに対応するため、当社グループは採用活動の強化、教育研修の充実、及び多様な価値観を持つ従業員一人ひとりが能力を十分に発揮できる、健全で働きがいのある労働環境の確保や適切な労務管理に努めるとともに、併せて自動化、ロボット化、AI等の様々な技術の導入による生産効率の向上に取り組んでいます。⑪ 新技術への対応 当社グループは、それぞれの事業において、急激な市場の変化や技術の進化・変化に適切な対応が取れず、製品開発技術力・生産技術力の低下、及び基盤技術の陳腐化に繋がった場合、顧客ニーズに適合した魅力ある新製品開発ができずに、出荷低迷、企業ブランド価値の低下により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 このような新技術への対応遅れ等のリスクに対応するため、当社グループでは、グループ横断プロジェクト等を活用した技術の進化と技術者の育成、グループシナジー効果を活用した技術領域の拡大、産官学共同研究等外部からの技術導入の推進等、社内外の総合力を最大化することで継続的に技術力を強化し、市場で求められる製品開発に取り組んでまいります。 上記以外にも当社グループが事業活動を展開するうえで、経済情勢や業界環境の変化に伴う主要製品の出荷変動、単価下落リスクの他、国内外での法的規制・訴訟リスク、商標権・特許権等の知的財産権に伴うリスク、取引先(生産委託先を含む)の経営環境の変化によるリスクなど、様々なリスクが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がありますが、これらのリスク回避、低減に向けて適切に取り組んでまいります。 また、当社グループは、未来に向かって「健康」を支え「食のインフラ」を担うグローバル展開企業の実現に向けて、経済的価値と社会的価値の双方を追求し、グループ一体で企業価値の向上を目指して取り組んでおります。その実現には、人口動態の変化、地球温暖化や廃棄物汚染・食資源の枯渇、サプライチェーンも含めた環境・人権問題等の社会的課題に対応していく必要がありますが、それらの社会的課題に対するステークホルダーのニーズ・要請の変化に対して、製品開発を含めた事業活動全体を通じて適切に対応できなかった場合、企業としての信頼が失墜し、企業ブランド価値・競争力の低下に繋がり、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このような社会的課題への対応リスクを低減するため、当社グループでは、優先的に取り組むべき課題を抽出・整理し、「CSR重要課題」※として特定しました。この重要課題への取り組みを経営や事業戦略に統合することで長期的な企業の価値向上や競争力の強化に繋げ、社会の持続可能な発展に貢献できるよう努めてまいります。※CSR重要課題(1) 安全で健康的な食の提供と責任ある消費者コミュニケーション(2) 安定的かつ持続可能な原材料の調達推進(3) 食品廃棄物、容器包装廃棄物への対応(4) 気候変動及び水問題への対応(5) 健全で働きがいのある労働環境の保護
FY2019|3,182 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月26日)現在において当社が判断したものであります。① 経済情勢、業界環境 当社グループは経済情勢・業界環境によって業績を大きく左右されないように、企業体質の強化に努めておりますが、国内の競争激化による主要製品の出荷変動、単価下落の可能性があります。また、投資先・取引先等の倒産による損失発生の可能性があります。② 国際貿易交渉の進展と麦政策の変更 当社グループは構造改善に取組み、強固な企業体質を構築してまいりました。TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、及び日EU・EPAの発効、日米物品貿易協定交渉等、自由化に向けた潮流は加速しており、今後、小麦・小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。 また、国内での麦政策の見直し等により、現行の国家貿易のあり方など小麦の管理手法(調達・在庫・売渡方法など)の変更、国内小麦粉・二次加工品市場の混乱、関連業界の再編など製粉事業、加工食品事業においてリスクの発生の可能性があります。 ③ 製品安全 食の安心・安全についての社会的関心が年々高まっており、食品業界におきましては、より一層厳格な対応が求められるようになっております。当社グループは品質管理体制を強化するとともに、食品防御(フードディフェンス)を含む品質保証体制の確立に向けて取組みを強化しております。しかし、外的要因も含め、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、製品回収、出荷不能品が発生する可能性があります。④ 原材料市況の高騰 当社グループは将来の小麦の完全自由化対応に向けてローコストの実現を目指しておりますが、原料市況の変動及び原油高に伴う物流コスト、包装資材等の原材料価格の上昇などで調達コストが高騰し、コスト低減を実現できない可能性があります。また、輸入小麦価格の大幅な引き上げ等原材料や商品等の調達コストの上昇に対応した小麦粉及び加工食品等の販売価格の改定が確実に行われない場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。⑤ 為替変動 当社グループは為替予約を実施するなど、為替変動によって業績を左右されないよう努めておりますが、加工食品事業をはじめ各事業において、原料・製品の一部を海外より調達しており、為替変動により調達コスト変動の可能性があります。また、海外事業においては損益、財務状況が円換算の変動の影響を受け、製粉事業においては副産物のふすま価格が為替で変動する輸入ふすま価格の影響を受ける可能性があります。⑥ 生産の外部委託 当社グループは生産効率の最適化を実現するために、自社生産に加えて一部製品の生産を外部委託しております。生産の外部委託に際しては自社工場と同様の管理の徹底や、調達の安定性の確保に十分に配慮しておりますが、当社グループとの取引に起因しない委託先企業の経営破綻などの事象が発生した場合、調達コストの上昇、製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。⑦ 情報・システム 当社グループでは適切なシステム管理体制作りをしておりますが、システム運用上のトラブルの発生などにより、顧客対応に支障をきたし、費用発生などの可能性があります。また、当社グループではコンピューターウィルス対策や情報管理の徹底を進めておりますが、当社グループの予測不能のウィルスの侵入・サイバーテロや情報への不正アクセスなどにより、顧客対応に支障をきたす可能性や、営業秘密・個人情報の社外への流出などによる費用発生や社会的信用の低下などの可能性があります。⑧ 他社とのアライアンス及び企業買収の効果の実現 当社グループは経営資源の最適化を図り、成長と拡大を実現するため、国内外において他社とのアライアンス及び企業買収を行っておりますが、アライアンス及び買収後の事業が当初の想定通りに進捗しない場合等には、その効果を実現できない可能性があります。 また、企業買収等に伴い発生しているのれん等の無形資産について、期待されるキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、収益性低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、多額の減損損失を計上する必要が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 設備安全、自然災害等 当社グループは工場等の設備安全に向けて火災・爆発などの事故発生防止の体制作りを強化しております。また地震・風水害など自然災害の発生時に、人的被害・工場等の設備破損が生じないように主要工場の耐震補強や液状化対策を実施しており、今後想定される大地震等の自然災害に対しても、BCP(事業継続計画)の追加策定を行うなどの見直しを行っております。しかし、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、あるいは、新型インフルエンザ等の感染症が大流行した場合など、損害発生、顧客への製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。⑩ 法的規制・訴訟 当社グループは、事業活動を行う上で様々な法規制の適用を受けております。当社グループは、コンプライアンスの体制を構築し、その更なる強化を進めておりますが、国内外における予期せぬ法律や規制の変更、及び訴訟の提起などにより、当社グループの事業活動が制限され、更にその対応費用が発生するなどの可能性があります。⑪ 海外事業 当社グループは海外事故等の未然防止に努めておりますが、海外事業においては、政治あるいは経済の予期しない変動、テロあるいは紛争等の発生による事業活動の制約、新型インフルエンザ等の感染症の大流行などにより、海外事業の業績悪化、事業継続に支障が生じるなどの可能性があります。⑫ 知的財産権 当社グループは、商標権、特許権等の重要な知的財産権を保有し、事業の優位性確保に努めておりますが、想定通りに知的財産権の取得、保護、防衛を実行できなかった場合、事業、商品、ブランドに損害が生じ、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが保有する知的財産権が第三者に侵害され、或いは当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとされ、訴訟問題に発展した場合、事業活動に影響を及ぼすと共に対応費用が発生するなどの可能性があります。⑬ 環境管理 当社グループの事業は、比較的環境負荷の低い事業で構成されておりますが、そのような中におきましても当社グループは企業活動を通じて環境管理システムの充実、省エネルギー、廃棄物削減など環境経営を積極的に進めております。しかしながら、当社グループの想定範囲を超えた環境に係る法的規制の変更、強化等が発生した場合、対応費用が発生するなどの可能性があります。また、当社グループが、グローバルな環境課題に対して適切な対応ができなかった場合、企業ブランド価値が低下し、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。⑭ 人材の確保 当社グループは、持続的成長を果たせるよう、事業競争力強化のため既存事業のモデルチェンジと事業ポートフォリオの強化に取り組んでおります。それらに対応するための多様で優秀な人材を確保・育成するとともに、その能力を十分に発揮できる労働環境の整備に努めております。しかし、労働力人口の減少や雇用情勢の変動等により、それぞれの事業で必要とする人材が確保できない場合には、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。
FY2018|2,701 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月27日)現在において当社が判断したものであります。① 経済情勢、業界環境 当社グループは経済情勢・業界環境によって業績を大きく左右されないように、企業体質の強化に努めておりますが、国内の競争激化による主要製品の出荷変動、単価下落の可能性があります。また、投資先・取引先等の倒産による損失発生の可能性があります。② 国際貿易交渉の進展と麦政策の変更 当社グループは構造改善に取組み、強固な企業体質を構築してまいりました。 日EU・EPAの妥結やTPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への署名等、自由化に向けた潮流は継続しており、今後、国際貿易交渉が急速に進展した場合、小麦・小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。 また、国内での麦政策の見直し等により、現行の国家貿易のあり方など小麦の管理手法(調達・在庫・売渡方法など)の変更、国内小麦粉・二次加工品市場の混乱、関連業界の再編など製粉事業、加工食品事業においてリスクの発生の可能性があります。 ③ 製品安全 食の安心・安全についての社会的関心が年々高まっており、食品業界におきましては、より一層厳格な対応が求められるようになっております。当社グループは食品防御(フードディフェンス)を含む品質保証体制の確立に向けて取組みを強化しておりますが、外的要因も含め当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、製品回収、出荷不能品発生などの可能性があります。また、原料調達面における当社グループの予測不能の事象の発生により出荷不能品発生などの可能性があります。④ 原材料市況の高騰 当社グループは将来の小麦の完全自由化対応に向けてローコストの実現を目指しておりますが、原料市況の変動及び原油高に伴う物流コスト、包装資材等の原材料価格の上昇などで調達コストが高騰し、コスト低減を実現できない可能性があります。また、輸入小麦価格の大幅な引き上げ等原材料や商品等の調達コストの上昇に対応した小麦粉及び加工食品等の販売価格の改定が確実に行われない場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。⑤ 為替変動(主にドル・ユーロ・バーツ) 当社グループは為替予約を実施するなど、為替変動によって業績を左右されないよう努めておりますが、加工食品事業をはじめ各事業において、原料・製品の一部を海外より調達しており、為替変動により調達コスト変動の可能性があります。また、海外事業においては損益、財務状況が円換算の変動の影響を受け、製粉事業においては副産物のふすま価格が為替で変動する輸入ふすま価格の影響を受ける可能性があります。⑥ 生産の外部委託 当社グループは生産効率の最適化を実現するために、自社生産に加えて一部製品の生産を外部委託しております。生産の外部委託に際しては自社工場と同様の管理の徹底や、調達の安定性の確保に十分に配慮しておりますが、当社グループとの取引に起因しない委託先企業の経営破綻などの事象が発生した場合、調達コストの上昇、製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。⑦ 情報・システム 当社グループでは適切なシステム管理体制作りをしておりますが、システム運用上のトラブルの発生などにより、顧客対応に支障をきたし、費用発生などの可能性があります。また、当社グループではコンピューターウィルス対策や情報管理の徹底を進めておりますが、当社グループの予測不能のウィルスの侵入や情報への不正アクセスなどにより、顧客対応に支障をきたす可能性や、営業秘密・個人情報の社外への流出などによる費用発生や社会的信用の低下などの可能性があります。⑧ 他社とのアライアンス及び企業買収の効果の実現 当社グループは経営資源の最適化を図り、成長と拡大を実現するため、他社とのアライアンス及び企業買収を行っておりますが、アライアンス及び買収後の事業が当初の計画通りに進捗しない場合等には、その効果を実現できない可能性があります。⑨ 設備安全、自然災害等 当社グループは工場等の設備安全に向けて火災・爆発などの事故発生防止の体制作りを強化しております。また地震・風水害など自然災害の発生時に、人的被害・工場等の設備破損が生じないように主要工場の耐震補強や液状化対策を実施しており、今後想定される大地震に対しても、BCP(事業継続計画)の追加策定を行うなどの見直しを行っております。しかし、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、あるいは、新型インフルエンザ等の感染症が大流行した場合など、損害発生、顧客への製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。⑩ 公的規制 当社グループはコンプライアンスの更なる強化を進めておりますが、予測不能の事態の発生により対応費用の発生などの可能性があります。⑪ 海外事故等 当社グループは海外事故等の未然防止に努めておりますが、海外事業においては、政治あるいは経済の予期しない変動、テロあるいは紛争等の発生による事業活動の制約、新型インフルエンザ等の感染症の大流行などにより、海外事業の業績悪化、事業継続に支障が生じるなどの可能性があります。⑫ 知的財産権 当社グループは知的財産権の保護を進めておりますが、他社の類似製品発売などにより、ブランド価値の低下などの可能性があります。また、将来において当社グループが他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。⑬ 環境管理 当社グループの事業は、比較的環境負荷の低い事業で構成されておりますが、そのような中におきましても当社グループは企業活動を通じて環境管理システムの充実、省エネルギー、廃棄物削減など環境経営を積極的に進めております。しかしながら、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、対応費用の発生などの可能性があります。⑭ 人材の確保 当社グループが持続的に成長するために、多様で優秀な人材を確保し、その能力を十分に発揮できる労働環境の整備と更なる成長のための教育に努めておりますが、労働力人口の減少や雇用情勢の変動等により、必要とする人材が確保できない場合には、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。
FY2017|2,594 文字
4【事業等のリスク】 当社グループの経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月28日)現在において当社が判断したものであります。① 経済情勢、業界環境 当社グループは経済情勢・業界環境によって業績を大きく左右されないように、企業体質の強化に努めておりますが、国内の競争激化による主要製品の出荷変動、単価下落の可能性があります。また、投資先・取引先等の倒産による損失発生の可能性があります。② 国際貿易交渉の進展と麦政策の変更 当社グループは構造改善に取組み、強固な企業体質を構築してまいりました。 平成27年10月に大筋合意したTPP(環太平洋経済連携協定)は、米国が離脱を通知したことにより、今後の行方が不透明となっておりますが、一方で、日欧EPA交渉や米国からの2国間交渉を求める動きなど自由化に向けた潮流は継続しており、国際貿易交渉が急速に進展した場合、小麦・小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要動向の変化により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことも予想されます。 また、国内での麦政策の見直し等により、現行の国家貿易のあり方など小麦の管理手法(調達・在庫・売渡方法など)の変更、国内小麦粉・二次加工品市場の混乱、関連業界の再編など製粉事業、加工食品事業においてリスクの発生の可能性があります。③ 製品安全 食の安心・安全についての社会的関心が年々高まっており、食品業界におきましては、より一層厳格な対応が求められるようになっております。当社グループは食品防御(フードディフェンス)を含む品質保証体制の確立に向けて取組みを強化しておりますが、外的要因も含め当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、製品回収、出荷不能品発生などの可能性があります。また、原料調達面における当社グループの予測不能の事象の発生により出荷不能品発生などの可能性があります。④ 原材料市況の高騰 当社グループは将来の小麦の完全自由化対応に向けてローコストの実現を目指しておりますが、原料市況の変動及び原油高に伴う物流コスト、包装資材等の原材料価格の上昇などで調達コストが高騰し、コスト低減を実現できない可能性があります。また、輸入小麦価格の大幅な引き上げ等原材料や商品等の調達コストの上昇に対応した小麦粉及び加工食品等の販売価格の改定が確実に行われない場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。⑤ 為替変動(主にドル・ユーロ・バーツ) 当社グループは為替予約を実施するなど、為替変動によって業績を左右されないよう努めておりますが、加工食品事業をはじめ各事業において、原料・製品の一部を海外より調達しており、為替変動により調達コスト変動の可能性があります。また、海外事業においては損益、財務状況が円換算の変動の影響を受け、製粉事業においては副産物のふすま価格が為替で変動する輸入ふすま価格の影響を受ける可能性があります。⑥ 生産の外部委託 当社グループは生産効率の最適化を実現するために、自社生産に加えて一部製品の生産を外部委託しております。生産の外部委託に際しては自社工場と同様の管理の徹底や、調達の安定性の確保に十分に配慮しておりますが、当社グループとの取引に起因しない委託先企業の経営破綻などの事象が発生した場合、調達コストの上昇、製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。⑦ 情報・システム 当社グループでは適切なシステム管理体制作りをしておりますが、システム運用上のトラブルの発生などにより、顧客対応に支障をきたし、費用発生などの可能性があります。また、当社グループではコンピューターウィルス対策や情報管理の徹底を進めておりますが、当社グループの予測不能のウィルスの侵入や情報への不正アクセスなどにより、顧客対応に支障をきたす可能性や、営業秘密・個人情報の社外への流出などによる費用発生や社会的信用の低下などの可能性があります。⑧ 他社とのアライアンス及び企業買収の効果の実現 当社グループは経営資源の最適化を図り、成長と拡大を実現するため、他社とのアライアンス及び企業買収を行っておりますが、アライアンス及び買収後の事業が当初の計画通りに進捗しない場合等には、その効果を実現できない可能性があります。⑨ 設備安全、自然災害等 当社グループは工場等の設備安全に向けて火災・爆発などの事故発生防止の体制作りを強化しております。また地震・風水害など自然災害の発生時に、人的被害・工場等の設備破損が生じないように主要工場の耐震補強や液状化対策を実施しており、今後想定される大地震に対しても、BCP(事業継続計画)の追加策定を行うなどの見直しを行っております。しかし、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、あるいは、新型インフルエンザ等の感染症が大流行した場合など、損害発生、顧客への製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。⑩ 公的規制 当社グループはコンプライアンスの更なる強化を進めておりますが、予測不能の事態の発生により対応費用の発生などの可能性があります。⑪ 海外事故等 当社グループは海外事故等の未然防止に努めておりますが、海外事業においては、政治あるいは経済の予期しない変動、テロあるいは紛争等の発生による事業活動の制約、新型インフルエンザ等の感染症の大流行などにより、海外事業の業績悪化、事業継続に支障が生じるなどの可能性があります。⑫ 知的財産権 当社グループは知的財産権の保護を進めておりますが、他社の類似製品発売などにより、ブランド価値の低下などの可能性があります。また、将来において当社グループが他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。⑬ 環境管理 当社グループの事業は、比較的環境負荷の低い事業で構成されておりますが、そのような中におきましても当社グループは企業活動を通じて環境管理システムの充実、省エネルギー、廃棄物削減など環境経営を積極的に進めております。しかしながら、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、対応費用の発生などの可能性があります。
FY2016|2,528 文字
4【事業等のリスク】 当社グループの経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月28日)現在において当社が判断したものであります。① 経済情勢、業界環境 当社グループは経済情勢・業界環境によって業績を大きく左右されないように、企業体質の強化に努めておりますが、国内の競争激化による主要製品の出荷変動、単価下落の可能性があります。また、投資先・取引先等の倒産による損失発生の可能性があります。② TPP等の国際貿易交渉の進展と麦政策の変更 当社グループは構造改善に取組み、強固な企業体質を構築してまいりましたが、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉の大筋合意の内容によれば、現行の国家貿易制度は維持されるものの、小麦、小麦関連製品の国境措置は低下することとなり、TPP協定発効後の制度運用等の内容及び国境措置の低下に伴う需要動向の変化によっては、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことも予想されます。また、TPP以外の国際貿易交渉、国内での麦政策の見直しの進展により、現行の国家貿易のあり方など小麦の管理手法(調達・在庫・売渡方法など)の変更、国内小麦粉・二次加工品市場の混乱、関連業界の再編など製粉事業、加工食品事業においてリスクの発生の可能性があります。③ 製品安全 食の安心・安全についての社会的関心が年々高まっており、食品業界におきましては、より一層厳格な対応が求められるようになっております。当社グループは食品防御(フードディフェンス)を含む品質保証体制の確立に向けて取組みを強化しておりますが、外的要因も含め当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、製品回収、出荷不能品発生などの可能性があります。また、原料調達面における当社グループの予測不能の事象の発生により出荷不能品発生などの可能性があります。④ 原材料市況の高騰 当社グループは将来の小麦の完全自由化対応に向けてローコストの実現を目指しておりますが、原料市況の変動及び原油高に伴う物流コスト、包装資材等の原材料価格の上昇などで調達コストが高騰し、コスト低減を実現できない可能性があります。また、輸入小麦価格の大幅な引き上げ等原材料や商品等の調達コストの上昇に対応した小麦粉及び加工食品等の販売価格の改定が確実に行われない場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。⑤ 為替変動(主にドル・ユーロ・バーツ) 当社グループは為替予約を実施するなど、為替変動によって業績を左右されないよう努めておりますが、加工食品事業をはじめ各事業において、原料・製品の一部を海外より調達しており、為替変動により調達コスト変動の可能性があります。また、海外事業においては損益、財務状況が円換算の変動の影響を受け、製粉事業においては副産物のふすま価格が為替で変動する輸入ふすま価格の影響を受ける可能性があります。⑥ 生産の外部委託 当社グループは生産効率の最適化を実現するために、自社生産に加えて一部製品の生産を外部委託しております。生産の外部委託に際しては自社工場と同様の管理の徹底や、調達の安定性の確保に十分に配慮しておりますが、当社グループとの取引に起因しない委託先企業の経営破綻などの事象が発生した場合、調達コストの上昇、製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。⑦ 情報・システム 当社グループでは適切なシステム管理体制作りをしておりますが、システム運用上のトラブルの発生などにより、顧客対応に支障をきたし、費用発生などの可能性があります。また、当社グループではコンピューターウィルス対策や情報管理の徹底を進めておりますが、当社グループの予測不能のウィルスの侵入や情報への不正アクセスなどにより、顧客対応に支障をきたす可能性や、営業秘密・個人情報の社外への流出などによる費用発生や社会的信用の低下などの可能性があります。⑧ 他社とのアライアンス及び企業買収の効果の実現 当社グループは経営資源の最適化を図り、成長と拡大を実現するため、他社とのアライアンス及び企業買収を行っておりますが、アライアンス及び買収後の事業が当初の計画通りに進捗しない場合等には、その効果を実現できない可能性があります。⑨ 設備安全、自然災害等 当社グループは工場等の設備安全に向けて火災・爆発などの事故発生防止の体制作りを強化しております。また地震・風水害など自然災害の発生時に、人的被害・工場等の設備破損が生じないように主要工場の耐震補強や液状化対策を実施しており、今後想定される大地震に対しても、BCP(事業継続計画)の追加策定を行うなどの見直しを行っております。しかし、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、あるいは、新型インフルエンザが大流行した場合など、損害発生、顧客への製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。⑩ 公的規制 当社グループはコンプライアンスの更なる強化を進めておりますが、予測不能の事態の発生により対応費用の発生などの可能性があります。⑪ 海外事故等 当社グループは海外事故等の未然防止に努めておりますが、海外事業においては、政治あるいは経済の予期しない変動、新型インフルエンザの大流行などにより、海外事業の業績悪化、費用発生などの可能性があります。⑫ 知的財産権 当社グループは知的財産権の保護を進めておりますが、他社の類似製品発売などにより、ブランド価値の低下などの可能性があります。また、将来において当社グループが他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。⑬ 環境管理 当社グループの事業は、比較的環境負荷の低い事業で構成されておりますが、そのような中におきましても当社グループは企業活動を通じて環境管理システムの充実、省エネルギー、廃棄物削減など環境経営を積極的に進めております。しかしながら、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、対応費用の発生などの可能性があります。